JP2002519059A - ミオスタチン遺伝子の新規なプロモーター配列 - Google Patents

ミオスタチン遺伝子の新規なプロモーター配列

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、配列番号1のポリヌクレオチド配列を有する単離DNA分子であって、ミオスタチン遺伝子のプロモーター領域またはそのフラグメントまたは、1以上のヌクレオチドの挿入、置換、または欠失によって改変されたその変異型をコードし、該ポリヌクレオチド配列の該フラグメント及び変異型は該プロモーター領域と実質的に同等の機能を有する単離DNA分子をコードする新規なプロモーター配列に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ミオスタチン遺伝子の新規なプロモーター配列、対象とする遺伝子
のコーディング配列に機能的に連係させられた新規なプロモーター配列を含むD
NA構築体、及び、該プロモーターを有するベクターまたは該ベクターを含む構
築体ならびにホスト細胞に関する。
【0002】 (発明の背景) 遺伝子のプロモーター領域は、その遺伝子の発現を制御する部分である。ミオ
スタチン遺伝子が単離され、その配列が決定されて公開されている(Mcpherron
AC; Lawler AM and Lee SJ; Nature 387, 1 May 1997; WO94/21681)。しかしこ
の遺伝子のプロモーター領域の配列は、現在までに単離も配列決定もされておら
ず、公開されていない。
【0003】 ミオスタチンは、成長分化因子−8(GDF−8)としても知られ、トランス
フォーミング増殖因子β(TGF−β)スーパーファミリーに構造的に関連して
いる(McPherron et al 1997)。ミオスタチン遺伝子は筋肉の成長を阻害する
ことが示されている。初期の研究によって、マウスにおいてミオスタチン遺伝子
を欠損させると筋重量が2倍に増加することが示されたが(McPherron et al 19
97)、これはミオスタチン遺伝子が筋重量の負の調節因子であることを示唆する
ものである。
【0004】 本発明の発明者である3名(Kambadur, Sharma, Bass)は、「筋肉が倍増した
」BelgianBlue種のウシにおいて、11bpの欠失を含むミオスタチ
ン遺伝子の突然変異を特定した。この突然変異はミオスタチンの作用を失わせ、
筋重量は30%〜40%増加する。
【0005】 発明者等は更に、同じBelgianBlue対立遺伝子(11塩基対の欠失
)を有するがその発現量が極めて少量である2頭のBelgianBlue種の
父系統を観察した。ノーザンブロッティングでは2本のバンドが見られ、これら
の動物ではミオスタチン遺伝子(低次形態対立遺伝子)に2箇所の突然変異があ
ることが示された。これは、ミオスタチン遺伝子の上流領域における欠損によっ
てミオスタチンの発現がなくなり、その結果筋肉の成長が増大したことを示唆す
るものである。
【0006】 (発明の概要) 本発明は、図1に示された配列番号1のポリヌクレオチド配列を有する単離D
NA分子であって、ウシミオスタチン遺伝子のプロモーター領域またはそのフラ
グメントまたは、1以上のヌクレオチドの挿入、置換、または欠失によって改変
されたその変異型をコードし、該ポリヌクレオチド配列の該フラグメント及び変
異型は該プロモーター領域と実質的に同等の機能を有する単離DNA分子を提供
するものである。
【0007】 本発明は更なる一態様において、対象とする異種遺伝子が本発明のDNA分子
の転写制御下におかれるように該異種遺伝子に機能的に連係された本発明のDN
A分子を含む単離DNA構築体を提供するものである。
【0008】 このDNA分子は天然のDNA源から単離するか、あるいはcDNAを用いる
ことが可能である。 本発明は更なる一態様において、上記に定義したような本発明のDNA分子及
び/または本発明のDNA構築体を含む組換え発現ベクター、ならびにこうした
ベクターによって形質転換されて本発明のDNA分子を誘導し、及び/または、
本発明のDNA構築体の異種遺伝子を誘導発現させることが可能なホストを提供
するものである。
【0009】 本発明は更なる一態様において、本発明のDNA分子によってコードされる配
列を作製するための方法であって、ホスト細胞を培養することと、本発明のDN
A分子、そのフラグメントまたは変異型を含むベクターを前記ホスト細胞にトラ
ンスフェクトすることと、公知の方法によって該DNA配列をクローン化するこ
ととを含む方法を提供するものである。
【0010】 本発明は更なる一態様において、上記に定義したようなミオスタチン遺伝子プ
ロモーター配列を診断プローブとして用いた、ヒトなどの動物の筋細胞疾患を診
断するための方法を提供するものである。この診断方法は、i)動物またはヒト
から組織または血液サンプルを得る工程と、ii)公知の方法によってDNAを
単離する工程と、iii)場合に応じてミオスタチンDNAを単離する工程と、
iv)ミオスタチン遺伝子のプロモーター配列に相補的なプローブにより前記D
NAをプローブする工程と、v)場合に応じてPCR法によって該ミオスタチン
のプロモーターDNAの量を増幅する工程と、vi)前記プローブにより得られ
たミオスタチンのプロモーター配列のDNAを、筋細胞疾患につながる任意の突
然変異について分析する工程と、vii)ミオスタチン遺伝子のプロモーター配
列の異常によって引き起こされる筋細胞疾患を診断する工程とを含む。
【0011】 このプローブは、配列番号1のミオスタチンのプロモーターDNAのヌクレオ
チド配列の一部または全体に対して相補的な配列を有する。 このプローブは好ましくはゲノムDNAまたはcDNAである。 本発明は更なる一態様において、ミオスタチンの発現レベルが低い動物の品種
を選択するための方法を提供するものである。この方法は、i)動物またはヒト
から組織または血液サンプルを得る工程と、ii)公知の方法によってRNAを
単離する工程と、iii)ノーザンブロットまたはRT−PCR法またはRNア
ーゼ保護アッセイを用いてミオスタチン遺伝子の転写レベル(mRNA)を決定
する工程とを含む。
【0012】 好ましくは、動物は、雌牛、雄牛、ヒツジ、ブタ、ヒトまたは他の哺乳動物、
家禽、魚類、または経済的に重要な他の任意の家畜品種である。 本発明は更なる一態様において、対象とする異種遺伝子を筋細胞において特異
的に発現させるための方法を提供するものである。この方法は、i)前記異種遺
伝子のコーディング配列を単離する工程と、ii)前記コーディング配列がミオ
スタチンのプロモーターの転写制御下におかれるように前記異種遺伝子のコーデ
ィング配列をミオスタチンのプロモーター配列に連結する工程と、iii)連結
された構築体を適当な発現ベクターに挿入する工程と、iv)該発現ベクターを
ホスト筋細胞に導入する工程と、v)場合に応じて、産物を回収することにより
該異種遺伝子の発現量を測定する工程とを含む。
【0013】 この方法は、培養筋細胞中でin vitroで行うかヒトなどの動物の体内
でin vivoで行うことが可能である。 本発明は更なる一態様において、異種ポリペプチドまたはペプチドを生産する
ための方法であって、(a)上記に定義したDNA構築体を含むベクターにて形
質転換もしくはトランスフェクトしたホスト細胞を培養して、該異種遺伝子によ
りコードされる異種ポリペプチドまたはペプチドを発現させる工程と、場合に応
じて、(b)発現されたポリペプチドまたはペプチドを回収する工程とを含む方
法を提供するものである。
【0014】 本発明は更なる一態様において、筋細胞中で異種ポリペプチドまたはペプチド
を発現する非ヒト遺伝子導入哺乳動物であって、本発明のDNA構築体をトラン
スフェクトした非ヒト哺乳動物を提供するものである。
【0015】 対象とする異種遺伝子は、a)筋形成調節遺伝子、b)ミオスタチン及びミオ
スタチン受容体、c)癌遺伝子、d)筋細胞の増殖または分化を調節する遺伝子
、e)筋ジストロフィー遺伝子、及びf)筋肉において発現される任意の遺伝子
からなる群から選択することが可能である。
【0016】 この発現ベクターは、真核細胞由来のベクター、レトロウイルスベクター、ま
たは遺伝子治療に使用される任意のベクターからなる群から選択することが可能
である。
【0017】 ホスト筋細胞は、筋芽細胞または形質転換させられた筋芽細胞の任意の初代培
養、衛星細胞またはミオスタチンプロモーターが活性である任意の細胞培養から
なる群から選択されるin vitro培養系から選択することが可能である。
またホスト筋細胞はin vivoとして動物の体内の骨格筋細胞を用いること
も可能である。
【0018】 ホスト動物は、雌牛、雄牛、ヒツジ、ブタ、ウマ、ラット、マウス、魚類、ま
たはヒトからなる群から選択することが可能である。 本発明は更なる一態様において、ミオスタチンまたはミオスタチンのアンチセ
ンス、またはリボザイムまたは任意の外来遺伝子をホストの筋細胞/筋芽細胞内
で発現させるための方法であって、対象とするコーディング配列がミオスタチン
のプロモーターの制御下におかれるように該コーディング配列に連結されたミオ
スタチンプロモーターを有する構築体を調製する工程と、該構築体を通常のクロ
ーニング手法によって遺伝子治療ベクターにクローン化する工程と、該遺伝子治
療ベクターを所望の細胞系または生きた動物またはヒトの組織にトランスフェク
トさせる工程とを含む方法を提供するものである。
【0019】 好ましくはホスト筋細胞は、骨格筋細胞、体節、筋芽細胞、または筋管から選
択される。 本発明は更なる一態様において、ミオスタチンの優性のネガティブ型または他
の任意の遺伝子の優性のネガティブ型をホスト筋細胞内で発現させるための方法
であって、ミオスタチンプロモーターの転写制御下にある所望の突然変異型また
は野生型遺伝子に連結されたミオスタチンのプロモーターを、通常のクローニン
グ法によって遺伝子治療ベクターにクローン化する工程と、該ベクターを所望の
細胞系または生きた動物またはヒトの組織にトランスフェクトさせる工程とを含
む方法を提供するものである。
【0020】 好ましくは、骨格筋細胞、体節、筋芽細胞、または筋管から選択される。 この方法は、培養中のホスト筋細胞内内でin vitroにて、またはホス
ト動物の体内でin vivoにて行うことが可能である。ホスト動物は、雌牛
、雄牛、ヒツジ、ブタ、ウマ、ラット、マウス、ヒト、家禽、または魚類からな
る群から選択することが可能である。
【0021】 本発明は広義において、この出願の明細書中に参照もしくは示される、個々の
部品、要素、及び特徴もしくはそれらの集合、またはこれらの部品、要素もしく
は特徴の内の2以上の任意またはすべての組み合わせから構成され、本発明が関
連する技術分野において複数の公知の均等物を有する特定の完全な構成に言及す
る場合、これらの公知の均等物は恰も個別に記載されたものとして解釈されるも
のである。
【0022】 本発明は上記の記載ならびに下記にその例が与えられる構成を包含するもので
ある。 (用語の定義) 「単離された」なる語は、その核酸が本来存在する細胞または生体内の夾雑配
列から実質的に分離または精製することを意味し、標準的な精製方法によって精
製された核酸、組換え技術によって調製した核酸、及び化学的に合成されたもの
を含む。
【0023】 ここで用いる「変異型」なる語は、図1に示された核酸配列と実質的に同じ核
酸配列を有するDNA分子を指すものである。変異型は、1以上の核酸の挿入、
置換、欠失などの改変によって前記DNA分子を改変することによって得られる
。こうした改変は当該DNA分子の機能を損ねることのない中立突然変異を含む
【0024】 「実質的配列同一性」なる語は、例えばClustal Wプログラムにおい
てデフォルトの間隔ウェイトを用いた場合のように、2つのDNA配列が最適に
並べられた場合に、少なくとも配列の60%が共通しており、好ましくは少なく
とも配列の80%が共通しており、より好ましくは配列の少なくとも90%が共
通しており、最も好ましくは配列の少なくとも95%以上が共通していることを
意味するものである。
【0025】 「DNA構築体」なる語は、本発明の核酸分子を有する構築体または特定の位
置におけるそのフラグメント、中立突然変異、もしくはホモログを意味するもの
であり、これによって異種のコーディング配列が本発明のプロモーター配列の制
御下におかれるかプロモーター配列に機能的に連係されてホスト細胞内で発現す
ることが可能である。
【0026】 「中立突然変異」なる語は、突然変異、すなわち、欠失、置換、逆位、挿入な
どによるヌクレオチドまたはポリペプチド配列における変化が、コードされたプ
ロモーター配列の機能に影響を及ぼさないような突然変異を意味するものである
【0027】 本発明に基づく核酸分子のフラグメントは、完全長よりも短い核酸の一部分で
あり、下記に定義されるストリンジェントな条件下において本発明の核酸分子(
またはこれに相補的な配列)と特異的にハイブリダイズすることが可能な最小の
長さを少なくとも有するもののことである。本発明に基づくフラグメントは本発
明の核酸またはポリペプチドの生物学的活性の内の少なくとも1つを有する。
【0028】 核酸のプローブまたはプライマーは配列番号1または2の配列などの本発明に
基づいた核酸に基づいて調製することが可能である。「プローブ」は、当該技術
分野においてよく知られた検出可能な標識またはリポーター分子に結合させられ
た単離された核酸を含むものである。一般的な標識としては、放射性同位元素、
リガンド、化学発光性物質、及び酵素が含まれる。
【0029】 「プライマー」は、短い核酸であって、好ましくはヌクレオチド15個分以上
の長さを有するDNAオリゴヌクレオチドである。プライマーは核酸のハイブリ
ダイゼーションによって相補的なDNA鎖にアニールされることによりプライマ
ーと標的DNA鎖との間でハイブリッドを形成し、この後、ポリメラーゼ、好ま
しくはDNAポリメラーゼによって標的DNA鎖に沿って延長される。核酸配列
を増幅するためには、PCR(Polymerase Chain React
ion)や当該技術分野においてよく知られた他の核酸増幅法において、プライ
マーのペアを用いる。PCR用のプライマーのペアをコンピュータプログラムを
使用することによって本発明に基づいた核酸の配列から導出することが可能であ
り、こうした目的のためのコンピュータプログラムの例としてPrimer(Ve
rsion0.5 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, M
A )がある。
【0030】 プローブ及びプライマーの調製及び使用法については例として、「モレキュラ
ークローニング」(Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual
, 2nd ed, vol.1-3. ed Sambrook et al. Cold Spring Harbour Laboratory Pre
ss, Cold Spring Harbour, NY, 1989 )に記載されている。プローブやプライマ
ーは溶液中に遊離して存在するか、または標準的な手段によって共有結合または
共有結合以外の結合によって固体支持体に結合させることが可能である。
【0031】 「機能的に連係した」なる語は、第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的に
関連している場合に第2の核酸に第1の核酸が連係していると云う。例えば、本
発明のプロモーター配列は、該プロモーターが異種遺伝子のコーディング配列の
転写や発現に影響する場合に該コーディング配列に機能的に連係している。
【0032】 「組換え」核酸とは、天然に存在しない配列を有するかまたは2つの本来別個
の配列のセグメントの人工的な組み合わせによって作製される配列を有する核酸
のことである。この人工的な組み合わせは、化学合成によって行われることも多
いが、より一般的には単離した核酸のセグメントを遺伝子操作などによって人工
的に操作することによって行われる。
【0033】 核酸操作の方法については、Sambrook et al.などに一般的に
記載されている。 「ストリンジェントな条件」とは、Sambrook et al.(198
9)の9.52〜9.55及び9.56〜9.58に述べられるハイブリダイズ
法に基づいた、標的核酸に対する(特定の核酸配列に対する)核酸プローブのハ
イブリダイゼーションに関して機能的に定義される。
【0034】 特定の増幅プライマーのペアを用いた(PCRなどによる)標的核酸配列の増
幅に関し、ストリンジェントな条件とは、対応する野生型の配列(またはその相
補的配列)を有するプライマーが結合する標的核酸配列に対してのみそのプライ
マーのペアがハイブリダイズすることが可能な条件のことである。
【0035】 当業者によれば直ちに認識されるように、核酸のハイブリダイゼーションは、
塩基組成、相補鎖の長さ、ハイブリダイズする核酸同士のヌクレオチド塩基のミ
スマッチの数の他にも、塩濃度、温度、有機溶媒などの条件によって影響される
【0036】 (発明の詳細な説明) 上記に定義したように、本発明はその第1の態様において、ミオスタチン遺伝
子の新規なプロモーター配列、及び筋細胞疾患の診断テストとしてのその使用、
及び、特に、ミオスタチンの発現が低レベルであるウシ/ヒツジの品種の選択の
ための遺伝子マーカーを提供するものである。この新規なプロモーター配列は外
来遺伝子や優性であるミオスタチンのネガティブ型を筋肉において発現させるう
えでも有用である。
【0037】 本発明の新規なプロモーター配列は、図1の配列番号1 に示されるポリヌク
レオチド配列を有する単離DNA分子、または、実質的に同等な転写活性を有す
る該DNA分子のフラグメントもしくは変異型を含む。
【0038】 ゲノムDNAライブラリからミオスタチンプロモーターを単離する方法に関し
ては、「モレキュラークローニング」(Sambrook et al, "Molecular cloning,"
Second Edition, Cold Spring Harbour Press (1987) )に一般的に述べられて
いる。
【0039】 最初の工程では、ホスト細胞へのクローン化の後、特定のミオスタチンDNA
プローブを用い、PCR法によって増幅する。 好ましくは、ミオスタチンプロモーターをコードしたDNA配列をクローン化
するホスト細胞はE.coliなどの原核生物である。Bacillus su
btilisなどのバチルス属、Salmonella typhimuriu
mやSerratia marcesansなどの腸内細菌科といった他の原核
生物を使用することも可能である。
【0040】 一般に、ホスト細胞が原核生物である場合、そのホスト細胞に対して適合性を
有する生物種に由来した複製及び制御配列を有するクローニングベクターが用い
られる。このベクターは更に、形質転換した細胞において表現型選択を可能とす
るマーカー遺伝子を有する。例として、E.coliの形質転換には、通常、p
BR322が用いられてきた。pBR322はある種のE.coliに由来する
プラスミドであり、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性を与える遺伝子を有
し、形質転換した細胞を容易に特定する手段を与えるものである。
【0041】 原核生物以外に酵母などの真核生物を使用することも可能であり、例としてS
accharomyces cerevisiaeや哺乳類や昆虫などの多細胞
生物に由来する培養細胞をホストとして使用することが可能である。有用な哺乳
動物の培養細胞の例として、HeLa細胞やチャイニーズハムスター卵巣(CH
O)細胞、筋芽細胞、筋細胞、繊維芽細胞、及び衛星細胞がある。
【0042】 哺乳動物細胞における使用に適当なクローニングベクターとしては、SV40
や他の適当なウイルスベクターが含まれる。 本発明のDNA分子は、適当な天然のDNA源(筋肉、血液)から単離される
DNA分子に挿入したり、従来の方法に基づいてイントロンを含まないcDNA
として作製することが可能であるが、cDNAが好ましい。
【0043】 本発明は更に、1以上のヌクレオチドの挿入、置換、または欠失によって天然
の配列と異なったDNA分子の変異型もその範囲に含むものである。これらの変
異型は適当なシンセサイザを使用したDNAの選択的合成によって作製するか、
部位特異的すなわちカセット突然変異誘発などにより天然DNAを改変するか、
あるいは当該技術分野において知られる他の任意の方法によって作製することが
可能である。こうした変異型は図1の配列番号1のDNA配列に対して60〜9
5%の相同性を有し、これとほぼ同等の機能を有する。
【0044】 DNAフラグメント、プローブ、及びプライマーの作製もやはり当業者の能力
の範囲内のものである。 本発明のDNA分子は、任意の適当な源から単離された天然のウシミオスタチ
ンから構成するか、あるいは作製される活性フラグメントのサイズによって許容
される合成オリゴヌクレオチドとして形成することが可能である。例として、M
atteucci et al(Matteucci et al., J. Am. Chem. Soc. Vol 1
03: 3185-3191 (1981) )によるトリエステル法を用いることが可能である。
【0045】 一旦得られたDNA分子には、選択された制御配列とともに適当なクローニン
グベクターに挿入するための適当な処理が行われる。この目的でDNAは必要に
応じて、切断、調整及び再結合される。
【0046】 切断は、適当な緩衝液中で制限酵素にて処理することで行われる。市販の多数
の制限酵素の内の任意のものを製造者の指示に基づいて使用することが可能であ
る。切断後、核酸をエタノールによる沈殿などにより回収する。
【0047】 切断したDNAの調整は、従来の方法によって行うことが可能である。例とし
て、平滑末端が必要な場合、DNAをDNAポリメラーゼIにて処理し(Kle
now)、フェノール及びクロロフォルムにて抽出し、エタノールにて沈殿させ
る。
【0048】 再結合は、適正なマッチング及び適当なリガーゼ(例 T4DNAリガーゼ)
による処理のために適宜調整された、ほぼ等モル量の所望の成分を与えることに
よって行われる。
【0049】 本発明はその更なる一態様において、対象とする異種遺伝子に機能的に連係さ
せられた、本発明のDNA分子であるウシミオスタチンプロモーターを含むDN
A構築体として構成される。この異種遺伝子は、ウシミオスタチンプロモーター
の転写制御下におかれる。
【0050】 構築体は、筋原性調節因子、ミオスタチン及びミオスタチン受容体、ガン遺伝
子、筋肉の増殖及び分化を調節する遺伝子、筋ジストロフィー遺伝子、及び筋肉
において発現される他の任意の遺伝子を含む群から選択される異種遺伝子に機能
的に連係したウシミオスタチンプロモーターを含む。
【0051】 in vitroまたはin vivoにて筋細胞内で発現することが望まし
い外来遺伝子すなわち異種遺伝子に結合されたミオスタチンプロモーターを有す
る構築体を構築するうえで、上記に述べたものに類似の方法を用いることが可能
である。
【0052】 本発明のDNA構築体を発現させるうえで好適に使用される複製可能なトラン
スファーベクターを使用して、繊維芽細胞やHeLa細胞などの培養筋細胞、培
養筋芽細胞、または筋管細胞においてin vitro発現させて異種タンパク
質を生産することが可能である。
【0053】 使用されるホスト細胞に基づいて複製可能なトランスファーベクターを選択す
ることが可能である。有用なベクターは通常次の特徴点を有する。 (a)自己複製能力。 (b)標的部位、すなわち任意の特定の制限エンドヌクレアーゼによる切断部
位を1箇所有すること。
【0054】 (c)望ましくは抗生物質に対する耐性などの、容易に選択可能なマーカー遺
伝子を有すること。 これらの特徴を有するベクターの代表的な2つのタイプは、プラスミド及び細
菌ウイルス(バクテリオファージまたは単にファージ)である。
【0055】 使用可能な好適な真核細胞の発現ベクターの例としてはpcDNA1.1があ
り、その発現産物を単離、測定することが可能である。 遺伝子治療における公知の技術を用いて本発明の構築体をin vivo発現
させることが可能である。例として、マロニーマウス白血病ウイルス(MoMu
Lv)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSv)、マウス乳腺癌ウイルス
(MuMTV)、及びラウス肉腫ウイルス(RSV)にミオスタチンプロモータ
ーを挿入することが可能である。多くの他のレトロウイルスベクターにおいて複
数の遺伝子を挿入することが可能である。ウイルスベクターにミオスタチンプロ
モーターを挿入することにより、このベクターを筋特異的な遺伝子を発現させる
ために使用することが可能である。
【0056】 ベクターの構築において、簡便かつ迅速なアッセイによって外来DNAを有す
るベクターを改変のないベクターから区別できることが有利である。こうしたア
ッセイにおいて有用なリポーターシステムとして、測定可能な色の変化、抗生物
質耐性などを与えるリポーター遺伝子及び他の検出可能な標識がある。好ましい
ベクターの1つではβ−ガラクトシダーゼ遺伝子リポーター遺伝子が用いられて
いる。この遺伝子は、X−galプレート上で青色の表現型を呈するクローンに
て検出される。これは選択を容易とするものである。一実施形態においては、β
−ガラクトシダーゼ遺伝子を多面体をコードする遺伝子にて置き換えることが可
能である。この遺伝子は、X−galにて染色した場合に白色の表現型を呈する
クローンによって検出される。この青色−白色に基づいた選択を、組換えベクタ
ーを検出するための有用なマーカーとして利用することが可能である。
【0057】 一旦選択されたこのベクターは、凍結融解抽出後に精製を行うなどの通常の手
法によってカルチャーから単離することが可能である。 本発明は更なる別の一態様において、ミオスタチンの発現レベルの低い動物を
選択するための方法であって、ミオスタチンのプロモーター配列を遺伝子マーカ
ーとして基本的に使用する方法を提供するものである。これは、ミオスタチンの
プロモーター配列に沿って設計されたプライマーにより、血液から単離されたゲ
ノムDNAを用いてミオスタチンのプロモーターをPCR増幅し、突然変異につ
いてこのゲノムDNAをスキャニングすることによって実現される。
【0058】 本発明を説明するための非限定的実施例を以下に述べる。 上記の説明はあくまで例示的なものであり、材料及び技術における当業者には
周知の変形は発明の範囲に含まれるものである。 実施例1 1. ミオスタチン遺伝子のクローン化 ウシミオスタチン遺伝子の5’側上流の調節配列をSambrook et
al(1989)の方法によってウシラムダゲノムライブラリ(ストラタジーン
社)(Stratagene)から単離した。このライブラリを、逆PCRによ
って単離した500bpのゲノムDNA(−1700〜−1200)によってス
クリーニングした。全ゲノムのクローンをpBluescriptにサブクロー
ニングし、配列を決定した。
【0059】 このPI−PCR法はK.M.Pang及びD.A.Knecht(1997
)によって述べられた方法に改良を加えたものである。PCRにおいてテンプレ
ートとして使用するために一連のSau3A1消化物を調製した。ウシのゲノム
DNAの10μg量を、Sau3A1(ニューイングランドバイオラブズ社)(
New England Biolabs,米国)により2,0.5,0.12
5,0.031,0.008,0.004,0.002U/μgDNAで1時間
37℃で消化した。反応は65℃にて20分加熱して停止させた。各反応混合物
を2μgづつ1%アガロースゲル上で分離して切断の度合いを確認した。消化の
程度に基づき、1つの部分消化物を更なる操作のために選択した(0.008U
のSau3A1/μgDNA)。このDNAをエタノール沈殿させて、1×リガ
ーゼバッファーに5ng/μlの最終濃度となるように再懸濁した。T4DNA
リガーゼ(New England Biolabs,米国)を4U/μlの濃
度となるように加えて22℃にて一晩かけてライゲーションさせた。65℃にて
20分加熱してライゲーションを停止させ、フェノール次いでクロロフォルムに
て抽出し、エタノール沈殿させ、50ng/μlの濃度となるように滅菌水に再
懸濁した。ウシミオスタチンの5’側が翻訳されたDNA配列から外側に向かう
2つのプライマー(5’−CTGCTCGCTGTTCTCATTCAGATC
及び5’−ATCCTCAGTAAACTTCGCCTGGA)を使用してPI
−PCRを行った。PCRは、250ngの再連結させたDNA、及び0.2m
Mの各dNTP(ギブコBRL社)(Gibco BRL,米国)を含む50μ
lの反応物中にて行った。製造業者により提供された1×「B」バッファに加え
た0.8μMの各プライマーと2μlのElongase enzyme mi
x(Gibco BRL,米国)を加えた。94℃にて30秒間、55℃にて2
分間、68℃にて6分間で、35サイクルのPCRを行った。PCR産物を1%
アガロースゲル上で分離して2kbのバンドを切り出し、Wizard PCR
Preps DNA Purification System(プロメガ社
)(Promega,米国)によって精製して、TA Cloning Sys
tem(インビトロゲン社)(Invitrogen,米国)によってクローン
化した。この2kbのインサートを順方向及び逆方向のM13プライマー5’−
GGCTGTATGTGACATGCG及び5’−TGAACCACTGCAC
TCTCTTGを用いて配列決定した。
【0060】 2. CATリポーターベクターの構築 3.3kbのミオスタチンの上流ゲノムDNAをウシのゲノムDNAをテンプ
レートとして用いてPCRで増幅した。PCRにおいて使用したプライマーは、
GGGGTACCCCAATTCCTGGGACAAATTCTCTA(順方向
)、及び、GGGGTACCGGTTTTKAAATCAATACAATCT(
逆方向)である。PCR条件は、94℃で20秒間、50℃で30秒間、72℃
で60秒間である(35サイクル)。このように増幅した3.3kbのDNAを
通常のクローニング法によってKpnIフラグメントとしてpCAT3プロモー
ターベクター(Promega)にクローン化した。この構築体をpMS26と
呼ぶものとする。
【0061】 3. トランスフェクション及びCAT ELISA 4μgのCMV−CAT(ポジティブコントロール)、pCATプロモーター
(ネガティブコントロール)、及びpMS26ベクターを、Fugene6(ロ
シュダイアグノスティック社)(Roche Diagnostics)を製造
者のプロトコルに基いて使用し、活発に増殖しているC2C12筋芽細胞のカル
チャーにトランスフェクトした。この後、細胞を洗い、細胞抽出物中のCATタ
ンパク質の量を製造者のプロトコルに基いてCAT ELISAキット(Roc
he Diagnostics)を用いて測定した。
【0062】 結果 3.3kbの上流配列にはミオスタチンのエンハンサー配列が含まれる。 筋原細胞中のミオスタチンの発現を促進するエンハンサー配列を特定するため
、3.3kbの上流ゲノムDNA(pMS26)を有するリポーターCAT構築
体を作製し、C2C12筋芽細胞細胞系にトランスフェクトした。このアッセイ
ではpCATプロモーターベクター及びCMV CAT構築体をそれぞれネガテ
ィブ及びポジティブコントロールとして使用した。トランスフェクトしたC2C
12筋芽細胞の細胞破砕液をELISAによってCATタンパク質についてアッ
セイすることにより、ミオスタチンプロモーター構築体(pMS26)をトラン
スフェクトした細胞ではCAT含量が250ピコグラム/mlであることが示さ
れた(図2)。これに対し、ネガティブコントロールとしてのベクター(pCA
Tプロモーターベクター)をトランスフェクトした細胞では、CATタンパク質
の含量は5ピコグラム/mlであった(図2)。
【0063】 考察 転写の調節は、発生及び分化における組織特異的遺伝子の発現パターンを決定
するうえで重要である。胎児の筋発生の初期においては、MRF(MyoD、ミ
オゲニン、Myf−5、及びMRF−5)、Pax−3、などの複数の転写因子
が、筋特異的遺伝子の転写を能動的に調節することによって筋発生の前駆細胞(
筋芽細胞)の決定、分裂、及び分化を制御する(Rudnicki and Jaenisch, 1995
)。筋肉の成長を負に調節する遺伝子であるミオスタチンは、体節において胎児
の筋発生の初期に発現し、成人の体軸筋及び軸傍筋においては継続して発現する
(Kambadur et al., 1997 )。更に、ミオスタチン遺伝子の発現については、異
なる体軸筋及び軸傍筋において異なる調節が行われていることも示されている(
Kambadur et al., 1997 )。今回、発明者等はミオスタチン遺伝子の上流配列を
単離し、この上流ゲノムDNAにおいて複数の筋特異的DNA結合配列を特定し
た。更に発明者等は、3.3kbの上流DNAが筋発生の前駆細胞系におけるC
AT遺伝子の発現を引き起こすことを示した。この単離された上流配列は、「C
AT」ボックス及び「TATA」ボックス配列などの、一般的な真核生物の基礎
プロモーター(Cohen et al 1986, Wingender 1988)と共通の配列を有する。C
ATボックス(CAAATG)の共通配列は−206bpを中心として存在し、
2つのTATAボックスの共通配列はそれぞれ−139bp及び−163bpを
中心として存在する。TATAボックスは、RNAポリメラーゼIIによる転写
において前開始複合体を形成する段階の初期において、よく調べられた基礎的な
転写因子であるTBP(TATAボックス結合タンパク質)に結合する。更に発
明者等はミオスタチンの上流配列に複数の「E」ボックスを発見した(Lassar e
t al 1989 )。Eボックスはbasic helix loop helix(
bHLH)転写因子、MyoD、Myf−5、MRF−4及びミオゲニンのよう
な筋発生の調節因子に結合することが示された。これらのbHLH転写因子はb
HLHDNA結合ドメインを介して複数の筋特異的遺伝子のプロモーターに結合
し、これらの遺伝子の転写活性化を制御することが示された(Rudnicki and Jae
nisch, 1995 )。発明者等は更に、ミオスタチンプロモーターの−584bpに
別の筋特異的転写アクティベーターMEF−2(CTAAAAATAAT)を見
出したが、これは、ミオスタチン遺伝子の調節は複数の独立した筋特異的転写因
子によって行われることを示すものである(G ossett et al 1989)。
【0064】 結論 ・ミオスタチンの上流調節配列の10.0kbを含むゲノムのクローンが初め
て単離された。 ・ミオスタチン遺伝子のエンハンサー配列が特徴付けされた。 ・筋特異的エンハンサー配列に特異的に見られる複数のEボックス及び1箇所
のMEF−3結合部位はミオスタチンのエンハンサー配列においても見られる。
【0065】 本開示は発明を上記の実施例のみに限定することを企図するものではなく、当
業者であれば直ちに想到されるところの多くの変形例が、特許請求の範囲によっ
て定義されるところの発明の範囲から逸脱することなく可能である点は認識され
るであろう。
【0066】 参考文献 [1] Wingender E. (1988) Nucleic Acids Res. 16, 1879-1902. [2] Cohen R.B. et al (1986) Mol. Cell. Biol. 6, 821-832.
【0067】 [3] Lassar B.A. et al (1989) Cell 58, 823-831. [4] Gossett L .A. et al (1989) Mol. Cell. Biol. 9, 5022-5033.
【0068】 [5] Pang K.M. and Knecht D.A. (1977) Biotechnologies 22: 1046-1048 [6] Rudnicki M.A. and Jaenisch R. (1995). BioEssays. 17 3 203-209
【0069】 [7] Kambadur R. et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci 87 9168-9172 [8] Kambadur R et al (1997) Genome Research 7: 910-915
【0070】 ここに列記した文献のすべてはそれらの全容を本明細書中に援用するものである
【図面の簡単な説明】
【図1】ウシの筋肉から単離されたミオスタチン遺伝子のプロモーター配列
(配列番号1)。
【図2】図1のプロモーター配列のプロモーター活性を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 カンバドゥール、ラヴィ ニュージーランド国 2001 ハミルトン アドミラル クレセント 41 (72)発明者 シャルマ、ムリドゥラ ニュージーランド国 2001 ハミルトン アドミラル クレセント 41 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA21 CA04 DA02 EA04 FA02 GA11 HA12 4B065 AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のポリヌクレオチド配列を有する単離DNA分子
    であって、ミオスタチン遺伝子のプロモーター領域またはそのフラグメントまた
    は、1以上のヌクレオチドの挿入、置換、または欠失によって改変されたその変
    異型をコードし、該ポリヌクレオチド配列の該フラグメント及び変異型は該プロ
    モーター領域と実質的に同等の機能を有する単離DNA分子。
  2. 【請求項2】 ミオスタチン遺伝子のプロモーター領域をコードした単離D
    NA分子であって、 a)配列番号1のDNA分子に対して少なくとも60%の相同性を有するDN
    A分子と、 b)a)のDNA分子に対して標準的な条件下でハイブリダイズするDNA分
    子とからなる群から選択されるDNA分子。
  3. 【請求項3】 a)配列番号1のDNA分子に対して少なくとも70〜95
    %の相同性を有するDNA分子と、 b)a)のDNA分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    るDNA分子とからなる群から選択される請求項2に記載の単離DNA分子。
  4. 【請求項4】 少なくとも機能的に連係させられた異種遺伝子を発現させる
    うえで充分な配列番号1のポリヌクレオチド配列の部分、または実質的にこれと
    同等の機能を有する変異型を含む単離プロモーター配列。
  5. 【請求項5】 前記プロモーターは組織特異的である請求項4に記載の単離
    プロモーター配列。
  6. 【請求項6】 前記プロモーターは筋細胞に特異的に発現を引き起こす請求
    項5に記載の単離プロモーター配列。
  7. 【請求項7】 ウシミオスタチンのプロモーターまたはそのフラグメントま
    たは変異型である請求項4乃至6のいずれか1項に記載の単離プロモーター配列
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDNA分子を有する
    組換えクローニングベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の組換えクローニングベクターにて形質転換
    させられるか、もしくはトランスフェクトしたホスト細胞。
  10. 【請求項10】配列番号1のポリヌクレオチド配列の少なくとも12個の連
    続したヌクレオチドか、あるいはこれに相補的なものを含む単離プローブ。
  11. 【請求項11】対象とする遺伝子のコーディング配列に機能的に連係させら
    れた請求項4乃至7のいずれか1項に記載のプロモーター配列を有する組換えD
    NA構築体。
  12. 【請求項12】前記対象とする遺伝子は、筋形成調節因子、ミオスタチン及
    びミオスタチン受容体、癌遺伝子、筋細胞の増殖及び分化を調節する遺伝子、筋
    ジストロフィー遺伝子、ならびに筋肉において発現する他の任意の遺伝子からな
    る群から選択される請求項11に記載の組換えDNA構築体。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載のDNA構築体を含むベクター
  14. 【請求項14】請求項13に記載のベクターにて形質転換させられるか、ト
    ランスフェクトしたホスト細胞。
  15. 【請求項15】請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDNA分子をクロー
    ン化するための方法であって、 a)前記単離DNA分子を複製可能な適当なクローニングベクターに挿入する
    工程と、 b)in vitroで前記ベクターによりホスト細胞を形質転換するかもし
    くはトランスフェクトする工程と、 c)前記ホスト細胞を培養する工程と、 d)クローン化されたDNA分子を単離する工程とを含む方法。
  16. 【請求項16】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項1に記載の単離DNA分子。
  17. 【請求項17】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項4に記載の単離プロモーター配列。
  18. 【請求項18】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項8に記載の組換えクローニングベクター。
  19. 【請求項19】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項9に記載のホスト細胞。
  20. 【請求項20】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項10に記載の単離プローブ。
  21. 【請求項21】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項11に記載のDNA構築体。
  22. 【請求項22】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項13に記載のベクター。
  23. 【請求項23】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項14に記載のホスト細胞。
  24. 【請求項24】付属の図面に基いて本明細書に実質的に記載されるか例示さ
    れた請求項15に記載の方法。
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