JPH0568560A - ウシ筋原性因子の遺伝子 - Google Patents
ウシ筋原性因子の遺伝子Info
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- JPH0568560A JPH0568560A JP2413148A JP41314890A JPH0568560A JP H0568560 A JPH0568560 A JP H0568560A JP 2413148 A JP2413148 A JP 2413148A JP 41314890 A JP41314890 A JP 41314890A JP H0568560 A JPH0568560 A JP H0568560A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】筋形成の制御に関与する新規な遺伝子を提供す
る。 【構成】本発明は,bmyfコード配列,bmyf c
DNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子のプロ
モーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに対す
るポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,bm
yfプロモーターと,bmyfが生体内で調節されるよ
うに調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構成
体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件下
でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する。
る。 【構成】本発明は,bmyfコード配列,bmyf c
DNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子のプロ
モーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに対す
るポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,bm
yfプロモーターと,bmyfが生体内で調節されるよ
うに調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構成
体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件下
でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,前駆細胞の筋肉細胞へ
の分化(筋形成)に関与する遺伝子のクローニング,発
現,発現産物,調節および遺伝子工学に関する。
の分化(筋形成)に関与する遺伝子のクローニング,発
現,発現産物,調節および遺伝子工学に関する。
【0002】
【従来の技術】本願は,1990年12月7日付で出願
された同時系属中の米国特許出願(出願番号は,まだ付
されていない)の一部継続出願を基礎とする優先権主張
出願である。なお,1990年12月7日付で出願され
た米国特許出願は,1989年12月21日付で出願さ
れた同時系属中の米国特許出願第454,080号の一
部継続出願である。
された同時系属中の米国特許出願(出願番号は,まだ付
されていない)の一部継続出願を基礎とする優先権主張
出願である。なお,1990年12月7日付で出願され
た米国特許出願は,1989年12月21日付で出願さ
れた同時系属中の米国特許出願第454,080号の一
部継続出願である。
【0003】(細胞レベルでの筋形成)筋形成は,3つ
の一般的な段階に分けることができる(Emerson, C. ら
編集,1986年,Molecular Biology of Muscle Developm
ent, Alan R. Liss, Inc. N.Y.,参照) 。第1に,中胚
葉細胞が増殖性筋芽細胞に転換される。第2に,筋芽細
胞が融合して多核性筋管が形成される。この筋管内で
は,筋肉特異的な遺伝子が活性化されている。第1の決
定段階では,細胞およびそのすべての子孫によって筋原
性系統が引き継がれて行く。第2の末端分化段階では,
筋芽細胞は非分裂筋管を形成して一組の筋肉特異的な遺
伝子を活性化する。その後の第3段階では,複雑な一連
の調節現象によって,種々の筋肉タンパクのイソ型が形
成される成熟が伴う。増殖性筋芽細胞自体は,高速単収
縮性または低速単収縮性の胚芽H鎖ミオシン遺伝子の活
性化を引き継ぐサブクローンが同定されうることから,
異種のようである。
の一般的な段階に分けることができる(Emerson, C. ら
編集,1986年,Molecular Biology of Muscle Developm
ent, Alan R. Liss, Inc. N.Y.,参照) 。第1に,中胚
葉細胞が増殖性筋芽細胞に転換される。第2に,筋芽細
胞が融合して多核性筋管が形成される。この筋管内で
は,筋肉特異的な遺伝子が活性化されている。第1の決
定段階では,細胞およびそのすべての子孫によって筋原
性系統が引き継がれて行く。第2の末端分化段階では,
筋芽細胞は非分裂筋管を形成して一組の筋肉特異的な遺
伝子を活性化する。その後の第3段階では,複雑な一連
の調節現象によって,種々の筋肉タンパクのイソ型が形
成される成熟が伴う。増殖性筋芽細胞自体は,高速単収
縮性または低速単収縮性の胚芽H鎖ミオシン遺伝子の活
性化を引き継ぐサブクローンが同定されうることから,
異種のようである。
【0004】中胚葉細胞の起源に至る段階は,この経路
には含まれていなかったが,骨格筋に至る細胞経路の多
くの詳細事項は,早期胚について研究されている。骨格
筋は,生物体となる3つの生殖細胞層(表面層,内層お
よび中胚葉層)のうちの中間層すなわち中胚葉層に由来
する。中胚葉は,骨格筋を除く,次のような多数の細胞
型に分化する多能性組織である。すなわち,その細胞型
には,骨,軟骨,および心筋;眼,歯,腎臓および生殖
腺の一部;および造血経路における多数の細胞(赤血
球,リンパ球,マクロファージなど)が含まれる。ま
た,中胚葉は,早期胚の様々な領域(背部,頭部,側
部)のどこに形成されるかによって同定され,形態学的
に目視可能な体節および筋節を生成するのは背部中胚葉
である。この体節および筋節から骨格筋が分化するので
ある。したがって,決定には背部中胚葉細胞の増殖性筋
芽細胞への転換が伴い,その結果,中胚葉細胞およびそ
の子孫によって筋原性系統が引き継がれて行くようであ
る。
には含まれていなかったが,骨格筋に至る細胞経路の多
くの詳細事項は,早期胚について研究されている。骨格
筋は,生物体となる3つの生殖細胞層(表面層,内層お
よび中胚葉層)のうちの中間層すなわち中胚葉層に由来
する。中胚葉は,骨格筋を除く,次のような多数の細胞
型に分化する多能性組織である。すなわち,その細胞型
には,骨,軟骨,および心筋;眼,歯,腎臓および生殖
腺の一部;および造血経路における多数の細胞(赤血
球,リンパ球,マクロファージなど)が含まれる。ま
た,中胚葉は,早期胚の様々な領域(背部,頭部,側
部)のどこに形成されるかによって同定され,形態学的
に目視可能な体節および筋節を生成するのは背部中胚葉
である。この体節および筋節から骨格筋が分化するので
ある。したがって,決定には背部中胚葉細胞の増殖性筋
芽細胞への転換が伴い,その結果,中胚葉細胞およびそ
の子孫によって筋原性系統が引き継がれて行くようであ
る。
【0005】筋形成を制御する遺伝子に対する産業上の
関心事は,筋肉損傷の回復を促進するのに使用すること
である。筋肉は,休止中の筋芽細胞である衛星細胞を含
有している。衛星細胞を損傷部位に分布させて筋管に分
化させる能力により,損傷(特に,筋肉の外傷)を治癒
する速度を高める新しい医薬品が開発されるかもしれな
い。他の産業上の関心事は家畜に集中している。この分
野では,筋形成遺伝子を用いることにより,高い効率で
生産性を向上させ,かつ飼料添加剤の使用を減少させ得
るからである。現在のところ,最大限の筋肉増強および
体重増加を実現するために,エストロゲン類および抗生
物質のような添加剤が広く用いられている。しかし,こ
れらの添加剤はヒトの食物中に残留することがあり,抗
生物質に対して耐性を有する微生物を増殖させるので,
その使用は批判されることが多い。筋形成遺伝子もま
た,誕生前後の家畜に作用して,脂肪の蓄積を減少さ
せ,かつ筋形成を増大させ得る。その結果,赤身の多い
食肉(例えば,脂肪およびコレステロールが少ない)
や,より健康的なヒトの食物が得られる。筋形成遺伝子
から開発された多くの物質には,獣医学およびヒト医学
における商業的な診断用の用途がある。
関心事は,筋肉損傷の回復を促進するのに使用すること
である。筋肉は,休止中の筋芽細胞である衛星細胞を含
有している。衛星細胞を損傷部位に分布させて筋管に分
化させる能力により,損傷(特に,筋肉の外傷)を治癒
する速度を高める新しい医薬品が開発されるかもしれな
い。他の産業上の関心事は家畜に集中している。この分
野では,筋形成遺伝子を用いることにより,高い効率で
生産性を向上させ,かつ飼料添加剤の使用を減少させ得
るからである。現在のところ,最大限の筋肉増強および
体重増加を実現するために,エストロゲン類および抗生
物質のような添加剤が広く用いられている。しかし,こ
れらの添加剤はヒトの食物中に残留することがあり,抗
生物質に対して耐性を有する微生物を増殖させるので,
その使用は批判されることが多い。筋形成遺伝子もま
た,誕生前後の家畜に作用して,脂肪の蓄積を減少さ
せ,かつ筋形成を増大させ得る。その結果,赤身の多い
食肉(例えば,脂肪およびコレステロールが少ない)
や,より健康的なヒトの食物が得られる。筋形成遺伝子
から開発された多くの物質には,獣医学およびヒト医学
における商業的な診断用の用途がある。
【0006】最近,DNAのメチル化の有効な阻害剤
(5−アザシチジン)に応答するマウスC3H10T1
細胞の異常な特性を利用して,筋肉細胞系統を確立する
のに関与する遺伝子の単離について,著しい進歩があっ
た。この薬剤で処理した後,多核性の筋管を含有するコ
ロニーがわずかな生存物中に生成する(Constantides,
P.G.ら(1977) Nature 261:364; Taylor, S.M. および J
ones, P.A. (1979) Cell17:771; Jones, P.A. および T
aylor, J.M.(1980) Cell 20:85)。未融合の筋芽細胞を
単離し,安定に増殖させ,そして誘発することにより,
筋肉特異的遺伝子が活性化されている筋管(例えば,ミ
オシンH鎖,ミオシンL鎖(lemb,1,2,3),
α−アクチン,α,β−トロポマイシン,ならびにトロ
ポミンCおよびT)に分化する(Konieczny および Eme
rson (1984) Cell 38:791-800)。
(5−アザシチジン)に応答するマウスC3H10T1
細胞の異常な特性を利用して,筋肉細胞系統を確立する
のに関与する遺伝子の単離について,著しい進歩があっ
た。この薬剤で処理した後,多核性の筋管を含有するコ
ロニーがわずかな生存物中に生成する(Constantides,
P.G.ら(1977) Nature 261:364; Taylor, S.M. および J
ones, P.A. (1979) Cell17:771; Jones, P.A. および T
aylor, J.M.(1980) Cell 20:85)。未融合の筋芽細胞を
単離し,安定に増殖させ,そして誘発することにより,
筋肉特異的遺伝子が活性化されている筋管(例えば,ミ
オシンH鎖,ミオシンL鎖(lemb,1,2,3),
α−アクチン,α,β−トロポマイシン,ならびにトロ
ポミンCおよびT)に分化する(Konieczny および Eme
rson (1984) Cell 38:791-800)。
【0007】これらの観察結果は単純な「マスター遺伝
子」の仮説(Emerson らの前記文献中のKonieczny, S.
F. らの論文を参照)を示唆している。この仮説は,シ
トシン残基が少しメチル化されている遺伝子は通常,活
発に転写されるのに対し,多くメチル化されている遺伝
子は転写については不活性であるという事実に一部基づ
いている。このモデルによると,単一遺伝子(例えば,
筋原性決定遺伝子)は,脱メチル化反応で活性化され,
10T1/2細胞を,筋管に分化できる増殖性筋芽細胞
に転換する。筋芽細胞(ウズラおよびマウス)由来であ
って,非筋肉細胞由来ではないDNAを,トランスフェ
クションにより,10T1/2細胞に導入した場合に,
これらの10T1/2細胞を筋芽細胞に転換できること
が示されたので,このモデルが確認された(Emerson ら
の前記文献中のKonieczny, S.F.らの論文; Lassar, A.
B.ら(1986) Cell 47:649-656)。また,非メチル化ヒト
DNAにより,10T1/2細胞を筋原性系統に誘導す
ることができた(Pinney, D.F.ら(1988) Cell 53:78
1)。広く分布している(鳥からヒトにわたる)種に由
来のDNAがトランスフェクション分析において同様に
機能したならば,遺伝子機能が顕著に保存されていたこ
とになる。
子」の仮説(Emerson らの前記文献中のKonieczny, S.
F. らの論文を参照)を示唆している。この仮説は,シ
トシン残基が少しメチル化されている遺伝子は通常,活
発に転写されるのに対し,多くメチル化されている遺伝
子は転写については不活性であるという事実に一部基づ
いている。このモデルによると,単一遺伝子(例えば,
筋原性決定遺伝子)は,脱メチル化反応で活性化され,
10T1/2細胞を,筋管に分化できる増殖性筋芽細胞
に転換する。筋芽細胞(ウズラおよびマウス)由来であ
って,非筋肉細胞由来ではないDNAを,トランスフェ
クションにより,10T1/2細胞に導入した場合に,
これらの10T1/2細胞を筋芽細胞に転換できること
が示されたので,このモデルが確認された(Emerson ら
の前記文献中のKonieczny, S.F.らの論文; Lassar, A.
B.ら(1986) Cell 47:649-656)。また,非メチル化ヒト
DNAにより,10T1/2細胞を筋原性系統に誘導す
ることができた(Pinney, D.F.ら(1988) Cell 53:78
1)。広く分布している(鳥からヒトにわたる)種に由
来のDNAがトランスフェクション分析において同様に
機能したならば,遺伝子機能が顕著に保存されていたこ
とになる。
【0008】(myoD遺伝子系統群)分析法として,
DNAによる10T1/2細胞のトランスフェクション
を用いて,myoD(Davis, R.L.ら(1987)Cell 51:98
7)およびmyd(Pinney, D.F.ら,1988)と名づけら
れた2つの異なる遺伝子が,まず同定された。これらの
遺伝子は,10T1/2細胞を,筋管を形成できる筋芽
細胞に転換する。myoD1に対するcDNAは,10
T1/2筋芽細胞由来の差し引かれたcDNAライブラ
リーからクローン化され,その配列が決定されている
(Davis ら,1987)。その筋原性活性は,レトロウイル
スのプロモーターを用いてキメラ遺伝子として分析され
た。mydはまだクローン化されていない。サザンブロ
ットにおけるハイブリダイゼーション基準によれば,m
yoDおよびmydには互いに関連性がない(Pinney
ら,1988)。生化学の研究により,myoDが30〜6
0分間の半減期で転換する核リンタンパクであることが
示されている(Tapscott, S.J.ら(1988) Science, 242:
405)。その転写物も不安定である(Thayer, M.J.ら(19
89)Cell 58:241)。
DNAによる10T1/2細胞のトランスフェクション
を用いて,myoD(Davis, R.L.ら(1987)Cell 51:98
7)およびmyd(Pinney, D.F.ら,1988)と名づけら
れた2つの異なる遺伝子が,まず同定された。これらの
遺伝子は,10T1/2細胞を,筋管を形成できる筋芽
細胞に転換する。myoD1に対するcDNAは,10
T1/2筋芽細胞由来の差し引かれたcDNAライブラ
リーからクローン化され,その配列が決定されている
(Davis ら,1987)。その筋原性活性は,レトロウイル
スのプロモーターを用いてキメラ遺伝子として分析され
た。mydはまだクローン化されていない。サザンブロ
ットにおけるハイブリダイゼーション基準によれば,m
yoDおよびmydには互いに関連性がない(Pinney
ら,1988)。生化学の研究により,myoDが30〜6
0分間の半減期で転換する核リンタンパクであることが
示されている(Tapscott, S.J.ら(1988) Science, 242:
405)。その転写物も不安定である(Thayer, M.J.ら(19
89)Cell 58:241)。
【0009】
【発明の要旨】筋形成の制御に関与する新規な遺伝子
(本願では,その発現産物であるウシ筋原性因子(bm
yf)に対して名付られている)がcDNAとして単離
され,特性が決定された。
(本願では,その発現産物であるウシ筋原性因子(bm
yf)に対して名付られている)がcDNAとして単離
され,特性が決定された。
【0010】bmyf cDNAは,予想外のことであ
るが,myoDに対して相同的な配列のスクリーニング
で単離された。本発明は,bmyfコード配列,bmy
fcDNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子の
プロモーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに
対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,
bmyfプロモーターと,bmyfが生体内で調節され
るように調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構
成体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件
下でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する
ものである。bmyfをコードするcDNAは,当該技
術分野で認められている様々な発現系において,bmy
fタンパクを大量に合成するのに有用である。また,こ
のcDNAは,筋肉の維持を向上させる構成体,または
体重増加および食肉の生産効率を増大させる遺伝子修飾
に有用である。例えば,上記のキメラ遺伝子構成体を有
するトランスフェクトされた細胞系は,筋形成に影響を
与え得る化合物をスクリーニングするのに使用できる。
bmyfゲノム遺伝子も同様に有用であるが,特に遺伝
子置換および遺伝子治療の用途に有用である。bmyf
プロモーターは他の筋形成遺伝子と接触して活性化され
るかまたは抑制されるのが望ましいレポーター遺伝子の
レギュレーターとして特に有用である。また,このプロ
モーターは,筋形成の潜在的レギュレーターとして化合
物の効果を測定する分析系用として有用である。治療剤
または筋肉発達のレギュレーターとして,筋形成に影響
を与える化合物のスクリーニングは,このbmyfプロ
モーターと適切なレポーター遺伝子とを結合した構成体
を用いて行うことができる。これらの構成体は,DNA
形質転換により,各種の細胞系内に導入することができ
る。形質転換された細胞は,bmyfタンパクまたはb
myfプロモーターの活性に影響を与える化合物をスク
リーニングするためのモデルである。bmyfタンパク
自体は薬理学的薬剤としての働きがあるが,類似の効果
を有するより小さな分子の生成のためのモデルとしての
用途の方が可能性が高い。また,bmyfタンパクは,
bmyfに対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を製造および選択するための抗原として有用で
ある。抗体自体は,正常状態および病的な状態における
細胞中のbmyfを分析する診断手段として有用であ
る。bmyfプロモーターまたはタンパクに対する各種
薬剤による処理の影響は,bmyfに対する抗体により
モニターすることができる。様々なbmyf抗決定基に
対するモノクローナル抗体は,bmyfタンパクの機能
ドメインの地図を作製するのに有用である。bmyfプ
ロモーターと異種コード配列とのキメラ遺伝子構成体
は,トランスフェクトされた細胞系のみならず,正常状
態および病的状態のbmyf発現に対する各種化合物の
影響を測定するための試験系を提供する。外因性プロモ
ーターおよびbmyfのコード配列(cDNAまたはゲ
ノム配列)とのキメラ遺伝子構成体は,異常な発現が特
徴である遺伝的症状が見られる場合の治療的な置換に有
用であるか,あるいは例えば飼料添加剤のような外部刺
激剤の制御下で,より高い発現レベルを提供して食肉の
生産を増大するのに有用である。上記のことは,本発明
の生産物が用いられるべき用途を例示するものであっ
て,すべての用途を列挙したものではない。
るが,myoDに対して相同的な配列のスクリーニング
で単離された。本発明は,bmyfコード配列,bmy
fcDNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子の
プロモーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに
対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,
bmyfプロモーターと,bmyfが生体内で調節され
るように調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構
成体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件
下でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する
ものである。bmyfをコードするcDNAは,当該技
術分野で認められている様々な発現系において,bmy
fタンパクを大量に合成するのに有用である。また,こ
のcDNAは,筋肉の維持を向上させる構成体,または
体重増加および食肉の生産効率を増大させる遺伝子修飾
に有用である。例えば,上記のキメラ遺伝子構成体を有
するトランスフェクトされた細胞系は,筋形成に影響を
与え得る化合物をスクリーニングするのに使用できる。
bmyfゲノム遺伝子も同様に有用であるが,特に遺伝
子置換および遺伝子治療の用途に有用である。bmyf
プロモーターは他の筋形成遺伝子と接触して活性化され
るかまたは抑制されるのが望ましいレポーター遺伝子の
レギュレーターとして特に有用である。また,このプロ
モーターは,筋形成の潜在的レギュレーターとして化合
物の効果を測定する分析系用として有用である。治療剤
または筋肉発達のレギュレーターとして,筋形成に影響
を与える化合物のスクリーニングは,このbmyfプロ
モーターと適切なレポーター遺伝子とを結合した構成体
を用いて行うことができる。これらの構成体は,DNA
形質転換により,各種の細胞系内に導入することができ
る。形質転換された細胞は,bmyfタンパクまたはb
myfプロモーターの活性に影響を与える化合物をスク
リーニングするためのモデルである。bmyfタンパク
自体は薬理学的薬剤としての働きがあるが,類似の効果
を有するより小さな分子の生成のためのモデルとしての
用途の方が可能性が高い。また,bmyfタンパクは,
bmyfに対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を製造および選択するための抗原として有用で
ある。抗体自体は,正常状態および病的な状態における
細胞中のbmyfを分析する診断手段として有用であ
る。bmyfプロモーターまたはタンパクに対する各種
薬剤による処理の影響は,bmyfに対する抗体により
モニターすることができる。様々なbmyf抗決定基に
対するモノクローナル抗体は,bmyfタンパクの機能
ドメインの地図を作製するのに有用である。bmyfプ
ロモーターと異種コード配列とのキメラ遺伝子構成体
は,トランスフェクトされた細胞系のみならず,正常状
態および病的状態のbmyf発現に対する各種化合物の
影響を測定するための試験系を提供する。外因性プロモ
ーターおよびbmyfのコード配列(cDNAまたはゲ
ノム配列)とのキメラ遺伝子構成体は,異常な発現が特
徴である遺伝的症状が見られる場合の治療的な置換に有
用であるか,あるいは例えば飼料添加剤のような外部刺
激剤の制御下で,より高い発現レベルを提供して食肉の
生産を増大するのに有用である。上記のことは,本発明
の生産物が用いられるべき用途を例示するものであっ
て,すべての用途を列挙したものではない。
【0011】当業者は,当該技術分野で周知の確立され
かつ特徴が明らかにされている方法を,bmyf cD
NAの利用可能性および特性決定に基づいて,本発明の
各種生産物を単離し,特性を決定するのに利用できる。
例えば,bmyf cDNAは,ウシゲノムライブラリ
ーからゲノムbmyf DNAを単離するためのプロー
ブとして役立つ。bmyf cDNAを発現させて,細
菌trpE遺伝子タンパクに対する融合タンパクを含む
bmyfタンパクを生産する多くの発現系またはバキュ
ロウイルス真核発現系が,当該技術分野で知られてい
る。bmyfゲノムクローンを単離すれば,bmyf遺
伝子のプロモーターを含む,bmyf遺伝子の転写を制
御する要素を同定することができる。周知の方法で配列
を決定した後,このプロモーターを用い,異種コード配
列と結合させてキメラを構築することができる。開示さ
れたcDNAコード配列によって,当業者は,レトロウ
イルスまたは筋肉特異的遺伝子のプロモーターのような
外因性または異種のプロモーターがbmyfコード配列
の発現を制御するキメラ遺伝子を構築することもでき
る。全bmyfタンパク,またはペプチド合成法によっ
て提供される様々なサブ領域を,抗原として用いれば,
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を製造す
る周知の方法を利用できる。しがたって,本願に開示さ
れているデータ,情報,および教示内容を与えられた当
業者は,本発明の様々な生産物を容易に利用できる。ま
た,bmyfプロモーターまたはポリペプチドの活性を
増減させるか,あるいはbmyfポリペプチドまたはm
RNAの安定性を増減させる周知の技術を用いて,保存
的なヌクレオチド配列の変化(修飾アミノ酸配列を与え
ない変化)を,DNA配列に導入することができる。
かつ特徴が明らかにされている方法を,bmyf cD
NAの利用可能性および特性決定に基づいて,本発明の
各種生産物を単離し,特性を決定するのに利用できる。
例えば,bmyf cDNAは,ウシゲノムライブラリ
ーからゲノムbmyf DNAを単離するためのプロー
ブとして役立つ。bmyf cDNAを発現させて,細
菌trpE遺伝子タンパクに対する融合タンパクを含む
bmyfタンパクを生産する多くの発現系またはバキュ
ロウイルス真核発現系が,当該技術分野で知られてい
る。bmyfゲノムクローンを単離すれば,bmyf遺
伝子のプロモーターを含む,bmyf遺伝子の転写を制
御する要素を同定することができる。周知の方法で配列
を決定した後,このプロモーターを用い,異種コード配
列と結合させてキメラを構築することができる。開示さ
れたcDNAコード配列によって,当業者は,レトロウ
イルスまたは筋肉特異的遺伝子のプロモーターのような
外因性または異種のプロモーターがbmyfコード配列
の発現を制御するキメラ遺伝子を構築することもでき
る。全bmyfタンパク,またはペプチド合成法によっ
て提供される様々なサブ領域を,抗原として用いれば,
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を製造す
る周知の方法を利用できる。しがたって,本願に開示さ
れているデータ,情報,および教示内容を与えられた当
業者は,本発明の様々な生産物を容易に利用できる。ま
た,bmyfプロモーターまたはポリペプチドの活性を
増減させるか,あるいはbmyfポリペプチドまたはm
RNAの安定性を増減させる周知の技術を用いて,保存
的なヌクレオチド配列の変化(修飾アミノ酸配列を与え
ない変化)を,DNA配列に導入することができる。
【0012】本発明はbmyfタンパクまたはbmyf
活性タンパクをコードするヌクレオチド配列を含むクロ
ーン化DNA(例えば,cDNA,ゲノムDNA)を提
供する。また,本発明はbmyf遺伝子のプロモーター
を含むDNAを提供する。さらに,本発明は,このよう
なクローン化DNAまたはDNAで形質転換された培養
細胞,bmyf活性タンパクのアミノ酸配列を含むアミ
ノ酸配列を有する精製タンパク,bmyfタンパクに特
異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体,
およびこれらのポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体を含むタンパク様組成物を提供する。
活性タンパクをコードするヌクレオチド配列を含むクロ
ーン化DNA(例えば,cDNA,ゲノムDNA)を提
供する。また,本発明はbmyf遺伝子のプロモーター
を含むDNAを提供する。さらに,本発明は,このよう
なクローン化DNAまたはDNAで形質転換された培養
細胞,bmyf活性タンパクのアミノ酸配列を含むアミ
ノ酸配列を有する精製タンパク,bmyfタンパクに特
異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体,
およびこれらのポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体を含むタンパク様組成物を提供する。
【0013】
【発明の構成】一般に,本願で用いられる用語は,分子
生物学,遺伝学,およびクローニングの分野における当
業者が理解できる標準的な用語である。より明確にする
ために,いくつかの用語をさらに定義する。上記分野の
科学雑誌(Nature, Cell, Proceedings of the Nationa
l Academy of Science USA, Scienceなど)で承認され
ている標準的な略語が用いられている。
生物学,遺伝学,およびクローニングの分野における当
業者が理解できる標準的な用語である。より明確にする
ために,いくつかの用語をさらに定義する。上記分野の
科学雑誌(Nature, Cell, Proceedings of the Nationa
l Academy of Science USA, Scienceなど)で承認され
ている標準的な略語が用いられている。
【0014】筋形成という用語は,非筋肉の幹細胞が筋
肉細胞に転換される細胞分化の多段階プロセスに用いる
用語である。筋形成は,筋芽細胞の生成,筋肉特異的な
遺伝子のmRNAまたはタンパク(ミオシンのH鎖およ
びL鎖,αアクチン,αトロポミオシンおよびβトロポ
ミオシン,ならびにトロポニンCおよびトロポニンT)
への発現,筋管の形成,融合細胞の生成,および筋肉特
異的プロモーターの活性かような,いくつかの基準のい
ずれかによって認識される。筋形成の早期段階に対して
現在実施されている分析方法には,公に入手し得る胚体
マウスの繊維芽細胞系C3H10T1/2が用いられて
いる。C3H10T1/2細胞は,MyoDのような発
現可能な筋形成遺伝子でトランスフェクトするか,ある
いは5−アザシチシンで処理することにより,筋原性転
換を受ける。本発明では,pEMSV−bmyfのよう
な発現ベクター中のbmyf cDNAによるC3H1
0T1/2細胞の一過的なトランスフェクションによ
り,C3H10T1/2細胞における筋原性応答が引き
出されることを示す。
肉細胞に転換される細胞分化の多段階プロセスに用いる
用語である。筋形成は,筋芽細胞の生成,筋肉特異的な
遺伝子のmRNAまたはタンパク(ミオシンのH鎖およ
びL鎖,αアクチン,αトロポミオシンおよびβトロポ
ミオシン,ならびにトロポニンCおよびトロポニンT)
への発現,筋管の形成,融合細胞の生成,および筋肉特
異的プロモーターの活性かような,いくつかの基準のい
ずれかによって認識される。筋形成の早期段階に対して
現在実施されている分析方法には,公に入手し得る胚体
マウスの繊維芽細胞系C3H10T1/2が用いられて
いる。C3H10T1/2細胞は,MyoDのような発
現可能な筋形成遺伝子でトランスフェクトするか,ある
いは5−アザシチシンで処理することにより,筋原性転
換を受ける。本発明では,pEMSV−bmyfのよう
な発現ベクター中のbmyf cDNAによるC3H1
0T1/2細胞の一過的なトランスフェクションによ
り,C3H10T1/2細胞における筋原性応答が引き
出されることを示す。
【0015】プロモーターという用語は,遺伝子の転写
を制御する機能を有する遺伝子領域を示すために用いら
れる。プロモーターは,典型的には,コード領域の5’
末端(コードされたタンパクのアミノ末端部分をコード
する領域)の近くに位置している。当該技術分野で知ら
れているように,プロモーターの位置は,ゲノムDNA
の配列分析と,他の承認されている方法(S1マッピン
グ法,DNAseIフットプリンティング法,ゲル遅延
分析法,ならびにプロモーターおよびレポーター遺伝子
による一過的なトランスフェクション法)とから推定さ
れ得る。プロモーターは,その大きさが変化し,1つよ
り多くの調節機能(例えば,インデューサー,リプレッ
サー,およびアクチベーターに対する応答ならびに組織
特異性などを伴う調節機能)を有する配列を包含する。
を制御する機能を有する遺伝子領域を示すために用いら
れる。プロモーターは,典型的には,コード領域の5’
末端(コードされたタンパクのアミノ末端部分をコード
する領域)の近くに位置している。当該技術分野で知ら
れているように,プロモーターの位置は,ゲノムDNA
の配列分析と,他の承認されている方法(S1マッピン
グ法,DNAseIフットプリンティング法,ゲル遅延
分析法,ならびにプロモーターおよびレポーター遺伝子
による一過的なトランスフェクション法)とから推定さ
れ得る。プロモーターは,その大きさが変化し,1つよ
り多くの調節機能(例えば,インデューサー,リプレッ
サー,およびアクチベーターに対する応答ならびに組織
特異性などを伴う調節機能)を有する配列を包含する。
【0016】bmyf活性プロモーターは,bmyfプ
ロモーター配列のヌクレオチド配列の変種であり,bm
yfプロモーター配列に対して少なくとも80%の相同
性を有し,かつbmyfプロモーターと実質的に同じ機
能を有する。bmyfプロモーターは,bmyf遺伝子
の転写を制御し,RNAポリメラーゼ結合部位と,bm
yf遺伝子の転写を活性化および/または抑制する調節
領域とを含んでいる。調節領域は,構造遺伝子の5’側
に,構造遺伝子(イントロンを含む)内に,および/ま
たは構造遺伝子の3’側に位置していてもよい。以下の
実施例で考察するように,プロモーターの調節領域およ
びその機能は,当該技術分野で周知の方法により同定す
ることができる。
ロモーター配列のヌクレオチド配列の変種であり,bm
yfプロモーター配列に対して少なくとも80%の相同
性を有し,かつbmyfプロモーターと実質的に同じ機
能を有する。bmyfプロモーターは,bmyf遺伝子
の転写を制御し,RNAポリメラーゼ結合部位と,bm
yf遺伝子の転写を活性化および/または抑制する調節
領域とを含んでいる。調節領域は,構造遺伝子の5’側
に,構造遺伝子(イントロンを含む)内に,および/ま
たは構造遺伝子の3’側に位置していてもよい。以下の
実施例で考察するように,プロモーターの調節領域およ
びその機能は,当該技術分野で周知の方法により同定す
ることができる。
【0017】コード領域という用語は,タンパクをコー
ドする遺伝子の一部を示すために用いられる。cDNA
において,単一のポリペプチド鎖は,連続した中断され
ていないコード領域によってコードされている。ゲノム
DNA(例えば,遺伝子自体)において,そのコード領
域は,通常,1つまたはそれ以上のイントロンで中断さ
れている。これらのイントロンは,遺伝子中に存在する
非コード介在配列であるが,mRNAには存在しない。
プロモーターがコード領域によってコードされているタ
ンパクの発現を制御する場合,コード領域は,このプロ
モーターの制御下にある。
ドする遺伝子の一部を示すために用いられる。cDNA
において,単一のポリペプチド鎖は,連続した中断され
ていないコード領域によってコードされている。ゲノム
DNA(例えば,遺伝子自体)において,そのコード領
域は,通常,1つまたはそれ以上のイントロンで中断さ
れている。これらのイントロンは,遺伝子中に存在する
非コード介在配列であるが,mRNAには存在しない。
プロモーターがコード領域によってコードされているタ
ンパクの発現を制御する場合,コード領域は,このプロ
モーターの制御下にある。
【0018】ゲノムDNAは,生物の染色体DNAから
直接クローン化されるDNAである。bmyf遺伝子
は,生物の染色体DNAからクローン化されたゲノムD
NA中に含まれている。このように,ゲノムDNAは,
転写前に,生物の染色体中にある遺伝子の構造を示す。
直接クローン化されるDNAである。bmyf遺伝子
は,生物の染色体DNAからクローン化されたゲノムD
NA中に含まれている。このように,ゲノムDNAは,
転写前に,生物の染色体中にある遺伝子の構造を示す。
【0019】発現という用語は,細胞もしくは生物中に
おける遺伝子の存在が検出可能に現れることを意味す
る。発現は,遺伝子に起因する表現型が観察されるとき
はいつでも発生する。さらに直接的に述べると,遺伝子
の発現は,mRNAへの転写またはmRNAのタンパク
への翻訳による遺伝子産物の合成である。
おける遺伝子の存在が検出可能に現れることを意味す
る。発現は,遺伝子に起因する表現型が観察されるとき
はいつでも発生する。さらに直接的に述べると,遺伝子
の発現は,mRNAへの転写またはmRNAのタンパク
への翻訳による遺伝子産物の合成である。
【0020】キメラ遺伝子という用語は,異なる起源か
ら得られる機能的な遺伝子要素を結合させて構築される
人造遺伝子を示すために使用される。例えば,bmyf
プロモーターと他の遺伝子のコード領域とを結合させる
ことによってキメラ遺伝子を構築することができる。こ
のようなコード領域は,天然に存在する細胞中のbmy
fプロモーターによって調節されることはないので,異
種コード領域と呼ばれる。異種コード領域が,発現され
ることにより,容易に検出可能な産物を提供する場合
は,そのキメラ遺伝子は,実験条件下でプロモーターの
活性を測定するためのレポーター遺伝子として使用され
る。キメラ遺伝子の他の例は,外因性または異種のプロ
モーターとbmyfコード領域とを結合させることによ
って構築される遺伝子である。外因性プロモーターは,
天然に存在する細胞中で,bmyf遺伝子を調節しない
プロモーターである。
ら得られる機能的な遺伝子要素を結合させて構築される
人造遺伝子を示すために使用される。例えば,bmyf
プロモーターと他の遺伝子のコード領域とを結合させる
ことによってキメラ遺伝子を構築することができる。こ
のようなコード領域は,天然に存在する細胞中のbmy
fプロモーターによって調節されることはないので,異
種コード領域と呼ばれる。異種コード領域が,発現され
ることにより,容易に検出可能な産物を提供する場合
は,そのキメラ遺伝子は,実験条件下でプロモーターの
活性を測定するためのレポーター遺伝子として使用され
る。キメラ遺伝子の他の例は,外因性または異種のプロ
モーターとbmyfコード領域とを結合させることによ
って構築される遺伝子である。外因性プロモーターは,
天然に存在する細胞中で,bmyf遺伝子を調節しない
プロモーターである。
【0021】bmyfタンパクはbmyf遺伝子の発現
産物である。bmyfタンパクの推定アミノ酸配列は配
列番号3で示される。
産物である。bmyfタンパクの推定アミノ酸配列は配
列番号3で示される。
【0022】bmyf活性タンパクは,bmyfタンパ
クに対して少なくとも約80%の配列同一性を有し,か
つ実質的に同じ活性を有するbmyfタンパクのアミノ
酸配列変種である。したがって,bmyfタンパクは,
哺乳動物細胞内で筋形成を制御する基本的な役割を担っ
た調節タンパクとして機能することが知られている。さ
らに研究すれば,その機能がより定量的に確認され,そ
の活性の分子機構が明らかになる。実質的に同じ活性を
有する多くのアミノ酸配列変種が可能であることが理解
される。このような変種には,このタンパクの非重要領
域における置換および欠失のみならず,保存的なアミノ
酸置換が含まれるが,これらには限定されない。このよ
うな変種は,bmyfタンパクそれ自体と実質的に同じ
活性を有する限り(筋形成の他のタンパクとは区別する
ことができて定量的に類似している),bmyf活性タ
ンパクと呼ばれ,本発明の範囲内に含まれる。
クに対して少なくとも約80%の配列同一性を有し,か
つ実質的に同じ活性を有するbmyfタンパクのアミノ
酸配列変種である。したがって,bmyfタンパクは,
哺乳動物細胞内で筋形成を制御する基本的な役割を担っ
た調節タンパクとして機能することが知られている。さ
らに研究すれば,その機能がより定量的に確認され,そ
の活性の分子機構が明らかになる。実質的に同じ活性を
有する多くのアミノ酸配列変種が可能であることが理解
される。このような変種には,このタンパクの非重要領
域における置換および欠失のみならず,保存的なアミノ
酸置換が含まれるが,これらには限定されない。このよ
うな変種は,bmyfタンパクそれ自体と実質的に同じ
活性を有する限り(筋形成の他のタンパクとは区別する
ことができて定量的に類似している),bmyf活性タ
ンパクと呼ばれ,本発明の範囲内に含まれる。
【0023】ここで用いられる方法は,具体的に引用さ
れるか,あるいは充分に周知であり,方法を集めたいく
つかの刊行物の中から入手できる。その刊行物として
は,例えば,Maniatisら,Molecular Cloning, a Labor
atory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor, New York (1982); Genetic Engineerin
g,Plenum Press, Ner York (1979); Weir 編(1989),
4巻のうち,Handbook ofExperimental Immunology, 第
4版,Blackwell Scientific Publications, Oxford;
および多くの巻からなる Methods in Enzymology, Acad
emic Press Press,New Yorkがある。
れるか,あるいは充分に周知であり,方法を集めたいく
つかの刊行物の中から入手できる。その刊行物として
は,例えば,Maniatisら,Molecular Cloning, a Labor
atory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor, New York (1982); Genetic Engineerin
g,Plenum Press, Ner York (1979); Weir 編(1989),
4巻のうち,Handbook ofExperimental Immunology, 第
4版,Blackwell Scientific Publications, Oxford;
および多くの巻からなる Methods in Enzymology, Acad
emic Press Press,New Yorkがある。
【0024】種々の細胞系およびプラスミドベクターが
開示されている。すべて,公に入手できる。bmyf
cDNAまたはbmyf遺伝子の起源として役立つ細胞
または組織は容易に入手できる。クローン化転移および
発現に用いられるプラスミド,クローン化ビークル,お
よび細胞は,操作を簡便にするために選択された。関連
技術分野の当業者に知られている基準および特性にした
がって,所望の特性に注意しながら,いずれの段階でも
代替物を使用できる。
開示されている。すべて,公に入手できる。bmyf
cDNAまたはbmyf遺伝子の起源として役立つ細胞
または組織は容易に入手できる。クローン化転移および
発現に用いられるプラスミド,クローン化ビークル,お
よび細胞は,操作を簡便にするために選択された。関連
技術分野の当業者に知られている基準および特性にした
がって,所望の特性に注意しながら,いずれの段階でも
代替物を使用できる。
【0025】以下に,本発明の実施例について説明す
る。これらの実施例では,本発明のbmyf cDNA
および他の生産物のクローン化および特性決定につい
て,詳しく述べる。
る。これらの実施例では,本発明のbmyf cDNA
および他の生産物のクローン化および特性決定につい
て,詳しく述べる。
【0026】実施例1 cDNAライブラリーの構築および
スクリーニング サイトカラシンによる選択を省略したこと以外は,Gosp
odarowicz ら(1976) J. Cell. Biol. 70:395-405に記載
されているように,ウシ筋原細胞を胎児大腿筋から単離
した。細胞を,4Mグアニジンチオシアネート,0.5 %(v
/v) Sarkosyl,0.025M EDTA,および0.1M β−メルカプ
トエタノールにより溶解した。Chirgwinら(1979) Bioch
emistry 18:5294-5299;Freemanら (1983) Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 80:4094-4098 に記載されているように,Cs
Clの沈降により,RNA を単離した。RNA ペレットを,10
mM Tris・HCl(pH7.6),1mM EDTA, 5 %(v/v) Sarkosyl,
および5 %(v/v) フェノールに溶解し,次にフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(50:49:1)で
抽出した。エタノール沈澱後,RNAを脱イオン水に溶解
し,−70℃で保存した。オリゴ(dT)−セルロースを用い
たクロマトグラフィーにより,ポリA+ RNA を単離し,
AMV 逆転写酵素およびプライマーとしてのオリゴ(dT)と
共に,第一鎖cDNAを合成するために用いた(Berger およ
びKimmerl (1987)Meth. Enzymol. 152) 。第2鎖の合成
は,RNase H 保存下で,DNA ポリメラーゼIを用いて行
った(Gubler (1987)Meth. Enzymol. 152:330-335)。CL
-4B セファロースを用いたクロマトグラフィーにより,
長さが平均500bp 以上のcDNAを単離し,メチル化し,Ec
oRI リンカーに平滑末端で連結した。リンカーに結合さ
せたcDNAを,EcoRI で切断し,大きさにより分画し,λ
gt10のEcoRI部位にクローン化した。市販の抽出物(Pack
ageneRTM system;Promega, Medison,WI) を用いて,組
換えファージDNA をパッケージングした後,ライブラリ
ーを増幅した。
スクリーニング サイトカラシンによる選択を省略したこと以外は,Gosp
odarowicz ら(1976) J. Cell. Biol. 70:395-405に記載
されているように,ウシ筋原細胞を胎児大腿筋から単離
した。細胞を,4Mグアニジンチオシアネート,0.5 %(v
/v) Sarkosyl,0.025M EDTA,および0.1M β−メルカプ
トエタノールにより溶解した。Chirgwinら(1979) Bioch
emistry 18:5294-5299;Freemanら (1983) Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 80:4094-4098 に記載されているように,Cs
Clの沈降により,RNA を単離した。RNA ペレットを,10
mM Tris・HCl(pH7.6),1mM EDTA, 5 %(v/v) Sarkosyl,
および5 %(v/v) フェノールに溶解し,次にフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(50:49:1)で
抽出した。エタノール沈澱後,RNAを脱イオン水に溶解
し,−70℃で保存した。オリゴ(dT)−セルロースを用い
たクロマトグラフィーにより,ポリA+ RNA を単離し,
AMV 逆転写酵素およびプライマーとしてのオリゴ(dT)と
共に,第一鎖cDNAを合成するために用いた(Berger およ
びKimmerl (1987)Meth. Enzymol. 152) 。第2鎖の合成
は,RNase H 保存下で,DNA ポリメラーゼIを用いて行
った(Gubler (1987)Meth. Enzymol. 152:330-335)。CL
-4B セファロースを用いたクロマトグラフィーにより,
長さが平均500bp 以上のcDNAを単離し,メチル化し,Ec
oRI リンカーに平滑末端で連結した。リンカーに結合さ
せたcDNAを,EcoRI で切断し,大きさにより分画し,λ
gt10のEcoRI部位にクローン化した。市販の抽出物(Pack
ageneRTM system;Promega, Medison,WI) を用いて,組
換えファージDNA をパッケージングした後,ライブラリ
ーを増幅した。
【0027】約3×104 の組換え体を含むファージライ
ブラリーを,テンプレートとしてpVZC11b プラスミドDN
A を用いたポリメラーゼ鎖反応(PCR) により増幅され
た,マウスMyoD1 cDNAの32P 標識274bp 断片を用いて,
徹底的にスクリーニングした(Sakaiら(1985)Science 23
0:1350-1354;MullisおよびFaloona(1987)Meth,Enzymol,
155:335-350)。センスcDNA鎖およびアンチセンスcDNA鎖
のそれぞれnt339および612 から始まる一対の縮重した1
8mer プライマーを合成し,この274bp断片の増幅に用い
た。この断片は,MyoD1 のcys/his 領域,基本領域およ
びmyc相同領域に拡がっており,無作為なオリゴヌクレ
オチドプライミング(FeinbergおよびVogelstein(1983)A
nal.Biochem. 132:6-13) を用いて,32P-(α)dATPによ
り高い比活性(10cpm/μg以上) に標識された。ライブ
ラリーをスクリーニングするために,標準的な手法(Car
lock (1986) Focus 8:6-8)を用いて,プラークをナイロ
ンフィルター(Micron Separations,Inc)に結合させた。
これらのフィルターを,70℃にて60〜90分間加熱し,6
×SSC (0.9M NaCl, 0.09Mクエン酸ナトリウム, pH7.0),
0.05%(w/v)SDS, 0.25%(w/v) Blotto, 1×デンハー
ト溶液(0.02%(w/v) Ficoll, 0.02%(w/v) ポリビニル
ピロロリドン,0.02%(w/v) BSA), 0.05%(w/v)ピロリ
ン酸ナトリウム,および5mg/ml変性サケ精子DNAで,50
℃にて6〜12時間プレハイブリダイズさせた。ハイブリ
ダイゼーションは,6×SSC, 0.5%(w/v)SDS,および0.
05%(w/v) ピロリン酸ナトリウムを含有する緩衝液中
で,10 cpm/mlの変性プローブを用いて,50℃にて24時
間行った。次に,フィルターを,2×SSC,0.1%(w/v)
SDS中で室温にて2回,1×SSC,0.1 %(w/v) SDS中で5
4℃にて,1回,そして0.5×SSC,0.1%(w/v) SDS中で5
4℃にて1回,洗浄した。各洗浄は,15〜30分間続け
た。フィルターを,Kodak X-0MATフィルムに露光した
後,陽性の組換え体を連続希釈により精製し,上記の条
件下で再度スクリーニングした(Carlockら,1986) 。
ブラリーを,テンプレートとしてpVZC11b プラスミドDN
A を用いたポリメラーゼ鎖反応(PCR) により増幅され
た,マウスMyoD1 cDNAの32P 標識274bp 断片を用いて,
徹底的にスクリーニングした(Sakaiら(1985)Science 23
0:1350-1354;MullisおよびFaloona(1987)Meth,Enzymol,
155:335-350)。センスcDNA鎖およびアンチセンスcDNA鎖
のそれぞれnt339および612 から始まる一対の縮重した1
8mer プライマーを合成し,この274bp断片の増幅に用い
た。この断片は,MyoD1 のcys/his 領域,基本領域およ
びmyc相同領域に拡がっており,無作為なオリゴヌクレ
オチドプライミング(FeinbergおよびVogelstein(1983)A
nal.Biochem. 132:6-13) を用いて,32P-(α)dATPによ
り高い比活性(10cpm/μg以上) に標識された。ライブ
ラリーをスクリーニングするために,標準的な手法(Car
lock (1986) Focus 8:6-8)を用いて,プラークをナイロ
ンフィルター(Micron Separations,Inc)に結合させた。
これらのフィルターを,70℃にて60〜90分間加熱し,6
×SSC (0.9M NaCl, 0.09Mクエン酸ナトリウム, pH7.0),
0.05%(w/v)SDS, 0.25%(w/v) Blotto, 1×デンハー
ト溶液(0.02%(w/v) Ficoll, 0.02%(w/v) ポリビニル
ピロロリドン,0.02%(w/v) BSA), 0.05%(w/v)ピロリ
ン酸ナトリウム,および5mg/ml変性サケ精子DNAで,50
℃にて6〜12時間プレハイブリダイズさせた。ハイブリ
ダイゼーションは,6×SSC, 0.5%(w/v)SDS,および0.
05%(w/v) ピロリン酸ナトリウムを含有する緩衝液中
で,10 cpm/mlの変性プローブを用いて,50℃にて24時
間行った。次に,フィルターを,2×SSC,0.1%(w/v)
SDS中で室温にて2回,1×SSC,0.1 %(w/v) SDS中で5
4℃にて,1回,そして0.5×SSC,0.1%(w/v) SDS中で5
4℃にて1回,洗浄した。各洗浄は,15〜30分間続け
た。フィルターを,Kodak X-0MATフィルムに露光した
後,陽性の組換え体を連続希釈により精製し,上記の条
件下で再度スクリーニングした(Carlockら,1986) 。
【0028】実施例2 cDNAクローンの特性決定 組換えファージDNAを,BamHIにより切断し,0.7%アガ
ロースゲル上で電気泳動させ,1M酢酸アンモニウムおよ
び0.02N NaOH (Rigaudら(1987) Nucl. Acids Res. 15:8
57) 中でBiotransナイロンフィルター(ICN Biomedicals
Inc, Costa Mesa, CA) に移した。フィルターをUVで照
射し,70℃で加熱し,上記のライブラリースクリーニン
グの場合と実質的に同様にして,274bpプローブにハイ
ブリダイズさせた。組換え挿入断片を,pGEMTM-3zf(-)
(Promega) のEcoRI部位にサブクローン化し,制限エン
ドヌクレアーゼ地図を作成した。種々のサブ断片がM13
中にサブクローン化され,Sangerら(1987)のジデオキシ
法により,両方の鎖の配列決定を行った。制限部位が,
特にbmyfの3'側非翻訳領域中に欠落している場合には,
配列決定を完全に行うために,17merを合成した。
ロースゲル上で電気泳動させ,1M酢酸アンモニウムおよ
び0.02N NaOH (Rigaudら(1987) Nucl. Acids Res. 15:8
57) 中でBiotransナイロンフィルター(ICN Biomedicals
Inc, Costa Mesa, CA) に移した。フィルターをUVで照
射し,70℃で加熱し,上記のライブラリースクリーニン
グの場合と実質的に同様にして,274bpプローブにハイ
ブリダイズさせた。組換え挿入断片を,pGEMTM-3zf(-)
(Promega) のEcoRI部位にサブクローン化し,制限エン
ドヌクレアーゼ地図を作成した。種々のサブ断片がM13
中にサブクローン化され,Sangerら(1987)のジデオキシ
法により,両方の鎖の配列決定を行った。制限部位が,
特にbmyfの3'側非翻訳領域中に欠落している場合には,
配列決定を完全に行うために,17merを合成した。
【0029】bmyf挿入断片の完全なヌクレオチド配列は
配列番号2で示されている。このヌクレオチド配列は,
1,889 塩基 (短いポリA部分を除く)を有し,ヌクレオ
チド69にある潜在的なATG開始部位から始まる765ヌクレ
オチドの長いオープンリーディングクレームを含む。推
定アミノ酸は,ヒトmyf-5 cDNAの最も長いオープンリー
ディングフレームに由来するタンパク (Braun ら (198
9) EMBOJ.8:701-709)と同じ大きさを有する,255アミノ
酸のタンパクをコードし得る。bmyfとヒトmyfとは,特
にそのコード領域に,広範囲にわたる相同領域を有す
る。アミノ酸レベルでは,96%,ヌクレオチド配列レベ
ルでは92%が同一である。両方のcDNAは,それぞれの潜
在的なATG開始コドンの上流に,短い部分 (bmyfでは68
ヌクレオチド,ヒトmyf-5では42ヌクレオチド) を含む。
これらの領域はまた,非常に関連性が高く,82%の配列
保存度を示す。最初のヌクレオチドがbmyf mRNA の実際
的な5'側転写開始部位であるかどうかは不明ではある
が,別々にクローン化された,より小さいウシcDNA (ク
ローン7)は,最初のヌクレオチドを含む同一の5'側配
列を有する。このことは,bmyfが実際,全長のcDNAであ
ることを示唆している。
配列番号2で示されている。このヌクレオチド配列は,
1,889 塩基 (短いポリA部分を除く)を有し,ヌクレオ
チド69にある潜在的なATG開始部位から始まる765ヌクレ
オチドの長いオープンリーディングクレームを含む。推
定アミノ酸は,ヒトmyf-5 cDNAの最も長いオープンリー
ディングフレームに由来するタンパク (Braun ら (198
9) EMBOJ.8:701-709)と同じ大きさを有する,255アミノ
酸のタンパクをコードし得る。bmyfとヒトmyfとは,特
にそのコード領域に,広範囲にわたる相同領域を有す
る。アミノ酸レベルでは,96%,ヌクレオチド配列レベ
ルでは92%が同一である。両方のcDNAは,それぞれの潜
在的なATG開始コドンの上流に,短い部分 (bmyfでは68
ヌクレオチド,ヒトmyf-5では42ヌクレオチド) を含む。
これらの領域はまた,非常に関連性が高く,82%の配列
保存度を示す。最初のヌクレオチドがbmyf mRNA の実際
的な5'側転写開始部位であるかどうかは不明ではある
が,別々にクローン化された,より小さいウシcDNA (ク
ローン7)は,最初のヌクレオチドを含む同一の5'側配
列を有する。このことは,bmyfが実際,全長のcDNAであ
ることを示唆している。
【0030】bmyfとヒトmyf-5との主な相違点は,bmyf
の方が数百ヌクレオチドだけ長い3'側非翻訳領域を有す
ることである。終止コドンから,ヒトmyf-5ではヌクレ
オチド1407にあり,bmyfではヌクレオチド1415にあるAA
TAAAポリアデニル化シグナルまでの部分については,2
つのcDNAは非常に関連性が高く,配列の81%が類似して
いる。ヒトmyf-5が,このポリアデニル化シグナルの短
い距離内で終結するのに対し,bmyfは, さらに475ヌク
レオチドだけ延びており,ヌクレオチド1872にある第2
のポリアデニル化シグナル付近で終結する。おそらく,
ヒトmyf-5 cDNAが上流の部位で終結する転写物に由来す
るのに対し,bmyfは下流の部位で終結する転写物に由来
すると考えられる。以下で述べるように, 胎児骨格筋由
来のRNAは,ヌクレオチド1415のAATAAA部位におけるア
デニル化により生ずると考えられる1.5kb bmyf転写物を
含んでいる。
の方が数百ヌクレオチドだけ長い3'側非翻訳領域を有す
ることである。終止コドンから,ヒトmyf-5ではヌクレ
オチド1407にあり,bmyfではヌクレオチド1415にあるAA
TAAAポリアデニル化シグナルまでの部分については,2
つのcDNAは非常に関連性が高く,配列の81%が類似して
いる。ヒトmyf-5が,このポリアデニル化シグナルの短
い距離内で終結するのに対し,bmyfは, さらに475ヌク
レオチドだけ延びており,ヌクレオチド1872にある第2
のポリアデニル化シグナル付近で終結する。おそらく,
ヒトmyf-5 cDNAが上流の部位で終結する転写物に由来す
るのに対し,bmyfは下流の部位で終結する転写物に由来
すると考えられる。以下で述べるように, 胎児骨格筋由
来のRNAは,ヌクレオチド1415のAATAAA部位におけるア
デニル化により生ずると考えられる1.5kb bmyf転写物を
含んでいる。
【0031】実施例3 ノーザンハイブリダイゼーショ
ン分析 20cmウシ胎児から種々の組織を摘出し,液体窒素で凍結
した。後肢および前肢から骨格筋を取った。RNAを調製
するために,凍結組織を,細かい粉末に粉砕し,5Mグア
ニンチオシアネート,10mM EDTA,50mMTris・HCl(pH7.
5),および8%(v/v) β−メルカプトエタノールに溶解
した。上述のように4M LtClを用いて,溶解産物から直
接, RNAを沈澱させた(Cathalaら(1983)DNA 2:329-33
5)。可溶化し,フェノールで抽出した後,RNAをエタノ
ールで沈澱させ,LiClペレットまたは水溶液として,−
70℃で保存した (Cathala ら,1983)。ポリA+ RNAを,
上述のように単離し,1.1%アガロースホルムアルデヒ
ド上で電気泳動にかけ,20×SSC中でBiotransナイロン
膜に移した。フィルターをUV照射し,70℃にて60〜90分
間加熱し,以下のように32P標識cDNAでハイブリダイズ
させた。0.5Mリン酸ナトリウム(pH7.2) ,7%SDS ,1
%BSA, および1mM EDTA中で,65℃にて4時間,フィル
ターをプレハイブリダイズさせ,続いて,塩基変性プロ
ーブ(106cpm/ml以上) を用いて,同じ条件下で,18〜2
4時間ハイブリダイズさせた (MahmoudiおよびLin (198
9) Biotechniques 7:331-333) 。フィルターを,40mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.2),5 %(w/v) BSA, 5%(w
/v) SDS,および1mM EDTA中 で,65℃にて各30分間,2
回洗浄し,40mMリン酸ナトリウム (pH7.2),1mMEDTA,
および1 %(w/v) SDS中で,65℃にて,2回洗浄した(M
ahmoudiおよびLin, 1989)。プローブは,使用する前に
ゲル精製した(Dretzen ら(1981)Anal.Biochgem 112:29
5-298) 。
ン分析 20cmウシ胎児から種々の組織を摘出し,液体窒素で凍結
した。後肢および前肢から骨格筋を取った。RNAを調製
するために,凍結組織を,細かい粉末に粉砕し,5Mグア
ニンチオシアネート,10mM EDTA,50mMTris・HCl(pH7.
5),および8%(v/v) β−メルカプトエタノールに溶解
した。上述のように4M LtClを用いて,溶解産物から直
接, RNAを沈澱させた(Cathalaら(1983)DNA 2:329-33
5)。可溶化し,フェノールで抽出した後,RNAをエタノ
ールで沈澱させ,LiClペレットまたは水溶液として,−
70℃で保存した (Cathala ら,1983)。ポリA+ RNAを,
上述のように単離し,1.1%アガロースホルムアルデヒ
ド上で電気泳動にかけ,20×SSC中でBiotransナイロン
膜に移した。フィルターをUV照射し,70℃にて60〜90分
間加熱し,以下のように32P標識cDNAでハイブリダイズ
させた。0.5Mリン酸ナトリウム(pH7.2) ,7%SDS ,1
%BSA, および1mM EDTA中で,65℃にて4時間,フィル
ターをプレハイブリダイズさせ,続いて,塩基変性プロ
ーブ(106cpm/ml以上) を用いて,同じ条件下で,18〜2
4時間ハイブリダイズさせた (MahmoudiおよびLin (198
9) Biotechniques 7:331-333) 。フィルターを,40mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.2),5 %(w/v) BSA, 5%(w
/v) SDS,および1mM EDTA中 で,65℃にて各30分間,2
回洗浄し,40mMリン酸ナトリウム (pH7.2),1mMEDTA,
および1 %(w/v) SDS中で,65℃にて,2回洗浄した(M
ahmoudiおよびLin, 1989)。プローブは,使用する前に
ゲル精製した(Dretzen ら(1981)Anal.Biochgem 112:29
5-298) 。
【0032】全長のbmyf cDNAをプローブとして用い
て,骨格筋由来のポリA+RNAをノーザンブロットで分析
した場合,3種のRNAが1.5kb, 2kb, および3kbに移動
するのが検出された。1.5kbのバンドが最も多く,高分
子量種より2〜3倍高いレベルで存在する。このノーザ
ンブロットにおける3本の異なるバンドの存在は,ウシ
myf遺伝子由来の転写物が別々にプロセッシングされる
ことを示している。 例えば,1.5kbのRNAバンドは,ヒ
トmyf−5 cDNAを生成する転写物と同等であり,ヌクレ
オチド1415にあるbmyfの近位ポリアデニル化シグナルの
下流領域が欠落していると考えられる。このことを調べ
るために,ウシ骨格筋に由来するポリA+RNAのノーザン
ブロットを,bmyfの遠位末端に由来し,ヌクレオチド14
15にあるポリアデニル化シグナルの3'側にある,354bp
AvaII/EcoRI断片でプローブした。遠位354bp断片は,2
kbおよび3kbのバンドとハイブリダイズしたが,1.5kb
のRNAとは実質的にハイブリダイズしなかった。このこ
とは,この種が,ヒトmyf−5 cDNAの欠落3'配列と同じ
部分を欠落していることを示す。
て,骨格筋由来のポリA+RNAをノーザンブロットで分析
した場合,3種のRNAが1.5kb, 2kb, および3kbに移動
するのが検出された。1.5kbのバンドが最も多く,高分
子量種より2〜3倍高いレベルで存在する。このノーザ
ンブロットにおける3本の異なるバンドの存在は,ウシ
myf遺伝子由来の転写物が別々にプロセッシングされる
ことを示している。 例えば,1.5kbのRNAバンドは,ヒ
トmyf−5 cDNAを生成する転写物と同等であり,ヌクレ
オチド1415にあるbmyfの近位ポリアデニル化シグナルの
下流領域が欠落していると考えられる。このことを調べ
るために,ウシ骨格筋に由来するポリA+RNAのノーザン
ブロットを,bmyfの遠位末端に由来し,ヌクレオチド14
15にあるポリアデニル化シグナルの3'側にある,354bp
AvaII/EcoRI断片でプローブした。遠位354bp断片は,2
kbおよび3kbのバンドとハイブリダイズしたが,1.5kb
のRNAとは実質的にハイブリダイズしなかった。このこ
とは,この種が,ヒトmyf−5 cDNAの欠落3'配列と同じ
部分を欠落していることを示す。
【0033】bmyfが組織特異的に発現するかどうかを調
べるために,いくつかのウシ胎児組織由来のポリA+RNA
を,ノーザンブロット分析に供し,全長のbmyf cDNAで
プローブした。骨格筋由来のRNAのみがシグナルを示し
た。bmyf挿入断片を含むpG EMTMベクターから合成され
たbmyf RNAの既知量により作られるシグナルと比較する
ことにより, 骨格筋に存在するbmyf転写物の実際のレベ
ルは低く,全メッセージの0.001%〜0.0001%と推定さ
れる。マウスのアザ筋原細胞系由来のRNAを,上で用い
た厳密性のレベルで,ノーザンブロットに供したとこ
ろ,ほとんどもしくは全く暗号が検出されなかった。
べるために,いくつかのウシ胎児組織由来のポリA+RNA
を,ノーザンブロット分析に供し,全長のbmyf cDNAで
プローブした。骨格筋由来のRNAのみがシグナルを示し
た。bmyf挿入断片を含むpG EMTMベクターから合成され
たbmyf RNAの既知量により作られるシグナルと比較する
ことにより, 骨格筋に存在するbmyf転写物の実際のレベ
ルは低く,全メッセージの0.001%〜0.0001%と推定さ
れる。マウスのアザ筋原細胞系由来のRNAを,上で用い
た厳密性のレベルで,ノーザンブロットに供したとこ
ろ,ほとんどもしくは全く暗号が検出されなかった。
【0034】実施例4 細胞培養およびDNAトランスフ
ェクション American Type Culture Collectionから入手したC H T
1/2 (クローン8) を,10%熱不活性FCSと,100μg/m
lカナマイシンとを加えたDMEM(CellogoTM, Mdiatech, W
ashington,DC) 中で増殖させた。安定なアザ筋原細胞系
は,C3H10T1/2細胞を, 3mM 5−アザシチジンで24時間
処理し,連続的にサブクローン化することにより得られ
た (Konieczny およびEmerson, 1984) 。低密度でプレ
ートしたところ,91aおよび56aのアザ筋原細胞サブクロ
ーンに由来するコロニーの90%以上が,骨格筋ミオシン
の重鎖に対するモノクローナル抗体(MF−20, 以下参
照)に対して陽性に染色する多核融合細胞を多数形成し
た。
ェクション American Type Culture Collectionから入手したC H T
1/2 (クローン8) を,10%熱不活性FCSと,100μg/m
lカナマイシンとを加えたDMEM(CellogoTM, Mdiatech, W
ashington,DC) 中で増殖させた。安定なアザ筋原細胞系
は,C3H10T1/2細胞を, 3mM 5−アザシチジンで24時間
処理し,連続的にサブクローン化することにより得られ
た (Konieczny およびEmerson, 1984) 。低密度でプレ
ートしたところ,91aおよび56aのアザ筋原細胞サブクロ
ーンに由来するコロニーの90%以上が,骨格筋ミオシン
の重鎖に対するモノクローナル抗体(MF−20, 以下参
照)に対して陽性に染色する多核融合細胞を多数形成し
た。
【0035】DNAトランスフェクションは,pEMSV-scrib
eのモロニー肉腫ウイルスLTRと, SV40αポリアデニル化
シグナルの間にあるEcoRI部位に挿入されたcDNAを用い
て行った (Harland および Weintraub (1985) J. Cell
Biol. 101:1094−1099;Davis ら, 1987) 。全長のbmy
f cDNAは,センス方向およびアンチセンス方向の両方に
挿入された。一過性トランスフェクション(Wright ら
(1989) Cell 56:607−617) では,C3H10T1/2細胞を,
10cmの皿あたり,1×105細胞でプレートし,10%熱不
活化ウシ胎児血清を含むDMEM中で2日間増殖させた。ト
ランスフェクションの3時間前に交換し,記載 (Gorman
(1985) DNA Cloning VolII, IRL Press, Oxford UK, p
p.143−190) のように,リン酸カルシウム沈澱物(7.5
μg/皿)にプラスミドDNAを加えた。細胞を24時間イ
ンキュベートし,リン酸緩衝生理食塩水 (137mM NaCl,
2.7mM KCl, 4.3mM Na HPO, および1.4mM KH PO) で洗浄
し,分化培地(2% (V/V) 熱不活性化ウマ血清を含むD
MEM) 中で,維持するか,あるいは分化培地中でインキュ
ベーションする前に,通常培地で2日間増殖させた。3
日後,細胞を,70% (V/V) エタノール, 3.7% (V/V)
ホルムアルデヒド,および5% (V/V) 氷酢酸中に固定
し,続いて,骨格筋ミオシ ンの重鎖に対するモノクロ
ーナル抗体(MF−20, Bader ら,1982) と反応させた
後,アルカリホスファターゼに結合したヤギ抗マウスIg
Gを反応させた。免疫染色は,NBTおよびBCIP染色試薬
(Promega) を用い,その供給者の指示に従って行った。
顕微鏡写真は,Kodak Panatomic-Xフィルムを用いて,Z
eiss反転顕微鏡により撮影された。
eのモロニー肉腫ウイルスLTRと, SV40αポリアデニル化
シグナルの間にあるEcoRI部位に挿入されたcDNAを用い
て行った (Harland および Weintraub (1985) J. Cell
Biol. 101:1094−1099;Davis ら, 1987) 。全長のbmy
f cDNAは,センス方向およびアンチセンス方向の両方に
挿入された。一過性トランスフェクション(Wright ら
(1989) Cell 56:607−617) では,C3H10T1/2細胞を,
10cmの皿あたり,1×105細胞でプレートし,10%熱不
活化ウシ胎児血清を含むDMEM中で2日間増殖させた。ト
ランスフェクションの3時間前に交換し,記載 (Gorman
(1985) DNA Cloning VolII, IRL Press, Oxford UK, p
p.143−190) のように,リン酸カルシウム沈澱物(7.5
μg/皿)にプラスミドDNAを加えた。細胞を24時間イ
ンキュベートし,リン酸緩衝生理食塩水 (137mM NaCl,
2.7mM KCl, 4.3mM Na HPO, および1.4mM KH PO) で洗浄
し,分化培地(2% (V/V) 熱不活性化ウマ血清を含むD
MEM) 中で,維持するか,あるいは分化培地中でインキュ
ベーションする前に,通常培地で2日間増殖させた。3
日後,細胞を,70% (V/V) エタノール, 3.7% (V/V)
ホルムアルデヒド,および5% (V/V) 氷酢酸中に固定
し,続いて,骨格筋ミオシ ンの重鎖に対するモノクロ
ーナル抗体(MF−20, Bader ら,1982) と反応させた
後,アルカリホスファターゼに結合したヤギ抗マウスIg
Gを反応させた。免疫染色は,NBTおよびBCIP染色試薬
(Promega) を用い,その供給者の指示に従って行った。
顕微鏡写真は,Kodak Panatomic-Xフィルムを用いて,Z
eiss反転顕微鏡により撮影された。
【0036】同一ベクターを用いた一過性アッセイは,
ウシmyf cDNAが,トランスフェクションにより,C3H10T
1/2細胞を筋原細胞に転換させ得ることを示している。b
myfをセンス方向に有する上記発現ベクターでC3H10T1/2
細胞をトランスフェクトし,3日間, 分化を誘発させた
後,固定し,骨格筋ミオシンの重鎖に対するモノクロー
ナル抗体と反応さえた。bmyfをアンチセンス方向に有す
るか,あるいはマウスMyo D1をセンス方向に有する同一
ベクターで(それぞれ,陰性または陽性の対照とし
て),細胞をトランスフェクトした。多くの細胞は,セ
ンス方向のbmyf発現プラスミドでトランスフェクトする
ことにより,ミオシン抗体プローブと陽性に反応したア
ンチセンス方向のウシmyf発現プラスミドでトランスフ
ェクトした培養物中には,抗体陽性細胞は存在しなかっ
た。ウシmyf発現ベクターで筋ミオシンの表現型に転換
した細胞は,2つの実験において,10-3および10-4の頻
度で存在した。この頻度は,10T1/2細胞における自発的
活性化レベルの数倍程度大きなものである(Lassar ら,
1986) 。単核細胞および多核細胞の両方が重鎖ミオシ
ンに対して陽性に染色されていることが認められた。
ウシmyf cDNAが,トランスフェクションにより,C3H10T
1/2細胞を筋原細胞に転換させ得ることを示している。b
myfをセンス方向に有する上記発現ベクターでC3H10T1/2
細胞をトランスフェクトし,3日間, 分化を誘発させた
後,固定し,骨格筋ミオシンの重鎖に対するモノクロー
ナル抗体と反応さえた。bmyfをアンチセンス方向に有す
るか,あるいはマウスMyo D1をセンス方向に有する同一
ベクターで(それぞれ,陰性または陽性の対照とし
て),細胞をトランスフェクトした。多くの細胞は,セ
ンス方向のbmyf発現プラスミドでトランスフェクトする
ことにより,ミオシン抗体プローブと陽性に反応したア
ンチセンス方向のウシmyf発現プラスミドでトランスフ
ェクトした培養物中には,抗体陽性細胞は存在しなかっ
た。ウシmyf発現ベクターで筋ミオシンの表現型に転換
した細胞は,2つの実験において,10-3および10-4の頻
度で存在した。この頻度は,10T1/2細胞における自発的
活性化レベルの数倍程度大きなものである(Lassar ら,
1986) 。単核細胞および多核細胞の両方が重鎖ミオシ
ンに対して陽性に染色されていることが認められた。
【0037】実施例5 bmyf遺伝子およびその近位プロ
モーターの構造 bmyf cDNAの制限酵素地図と,ウシ胎児骨格ゲノムDNAと
を比較することにより,bmyf遺伝子中にイントロンが存
在すると推定した(図1) 。bmyf遺伝子中におけるイン
トロンの正確な位置を決定するために,センスおよびア
ンチセンスのbmyf cDANプライマーからなる1セットを
用いて,ポリメラーゼ鎖反応 (PCR) により,bmyfゲノ
ム断片を増幅した(米国特許第4,683,202号) 。より大
きいイントロン(図1のイントロンA) を含む増幅ゲノ
ム断片をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法を用い
た部分的な配列決定により,イントロンの正確な位置を
決定した。この断片は,cDNA残基569および570の間に約
1kbのイントロンを含むと推定された。ゲノムDNAの制
限酵素地図(図1) には,イントロンAに存在するEcoR
IおよびXba I部位が示されている。第2の増幅断片
は,約300ヌクレオチドのより小さいイントロン(図1
のイントロンB) を含むことが見い出された。
モーターの構造 bmyf cDNAの制限酵素地図と,ウシ胎児骨格ゲノムDNAと
を比較することにより,bmyf遺伝子中にイントロンが存
在すると推定した(図1) 。bmyf遺伝子中におけるイン
トロンの正確な位置を決定するために,センスおよびア
ンチセンスのbmyf cDANプライマーからなる1セットを
用いて,ポリメラーゼ鎖反応 (PCR) により,bmyfゲノ
ム断片を増幅した(米国特許第4,683,202号) 。より大
きいイントロン(図1のイントロンA) を含む増幅ゲノ
ム断片をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法を用い
た部分的な配列決定により,イントロンの正確な位置を
決定した。この断片は,cDNA残基569および570の間に約
1kbのイントロンを含むと推定された。ゲノムDNAの制
限酵素地図(図1) には,イントロンAに存在するEcoR
IおよびXba I部位が示されている。第2の増幅断片
は,約300ヌクレオチドのより小さいイントロン(図1
のイントロンB) を含むことが見い出された。
【0038】bmyf遺伝子の全体構造は,マウスのmyf−5
に隣接するherculin遺伝子と極めて類似している(J.
H. Miner および B. Wold, PNAS USA 87:1089−1093
(1990)) 。この類似性は,bmyf遺伝子およびherculin遺
伝子が,祖先遺伝子における古い遺伝子重複から配列が
発散することにより,発生したという考え方と一致す
る。
に隣接するherculin遺伝子と極めて類似している(J.
H. Miner および B. Wold, PNAS USA 87:1089−1093
(1990)) 。この類似性は,bmyf遺伝子およびherculin遺
伝子が,祖先遺伝子における古い遺伝子重複から配列が
発散することにより,発生したという考え方と一致す
る。
【0039】近位bmyfプロモーターを単離するために,
「逆」PCRを用いて,cDNAの5'側領域を増加させた。ま
ず,ウシ胎児骨格筋ゲノムDNAをbaIおよびEcoRIで切断
した。上で述べたように, XbaIおよびEcoRIの制限部位
は,イントロンAに存在することが決定された。次に,
この切断物を,環状分子の連結に適した条件下で,再度
アニーリングすることによりcDNAについて−218からイ
ントロンAの+145に及ぶXbaI断片からなる,930bpの環状
DNA分子を形成した。センスの+466およびアンチセンス
の+218から始まる,2つのプライマーを用いて, XbaI部
位を含む2つのプライマーの間の領域を,PCRにより増
加させた。この領域は,cDNAの5'側領域を含んでいた。
「逆」PCRを用いて,cDNAの5'側領域を増加させた。ま
ず,ウシ胎児骨格筋ゲノムDNAをbaIおよびEcoRIで切断
した。上で述べたように, XbaIおよびEcoRIの制限部位
は,イントロンAに存在することが決定された。次に,
この切断物を,環状分子の連結に適した条件下で,再度
アニーリングすることによりcDNAについて−218からイ
ントロンAの+145に及ぶXbaI断片からなる,930bpの環状
DNA分子を形成した。センスの+466およびアンチセンス
の+218から始まる,2つのプライマーを用いて, XbaI部
位を含む2つのプライマーの間の領域を,PCRにより増
加させた。この領域は,cDNAの5'側領域を含んでいた。
【0040】930bp断片に由来する281bp XbaI/PstI断片
をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法により配列決
定した。その配列から,この断片がbmyf cDNAのヌクレ
オチド1〜67を含むことが明らかとなり,それにより,
−218のXbaI部位までの930bp断片の一部は,実際,cDNA
の5'側に存在し,近位プロモーターを表していることが
わかった。
をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法により配列決
定した。その配列から,この断片がbmyf cDNAのヌクレ
オチド1〜67を含むことが明らかとなり,それにより,
−218のXbaI部位までの930bp断片の一部は,実際,cDNA
の5'側に存在し,近位プロモーターを表していることが
わかった。
【0041】実施例5.1 ウシゲノムDNA 由来のbmyf遺
伝子の単離 ゲノムbmyf DNA挿入部分を含む断片を単離するため,市
販のウシゲノムライブラリーを以下の通りスクリーニン
グした。(1)イントロンAプライマーを用いて,bmyf遺
伝子を含む断片を,PCRにより増幅し,そして, (2)上記
(1)の増幅された断片を, 完全長のbmyf cDNAをプローブ
としてスクリーニングした。
伝子の単離 ゲノムbmyf DNA挿入部分を含む断片を単離するため,市
販のウシゲノムライブラリーを以下の通りスクリーニン
グした。(1)イントロンAプライマーを用いて,bmyf遺
伝子を含む断片を,PCRにより増幅し,そして, (2)上記
(1)の増幅された断片を, 完全長のbmyf cDNAをプローブ
としてスクリーニングした。
【0042】Stratagene 1 DASH TMIIゲノムライブラリ
ーの20,000の組み換え体は,ウシゲノムDNAのSau 3Aの
部分分解断片を含む。これを10枚の大きなプレート上に
それぞれ播いた。プレート培養溶解産物は,bmyf遺伝子
存在下で,イントロンAプライマーを用いたPCRによ
る増幅によりアッセイした。4枚のプレートが陽性であ
り,1枚を, 完全長のbmyf cDNAプローブを用いて徹底
的にスクリーニングした。
ーの20,000の組み換え体は,ウシゲノムDNAのSau 3Aの
部分分解断片を含む。これを10枚の大きなプレート上に
それぞれ播いた。プレート培養溶解産物は,bmyf遺伝子
存在下で,イントロンAプライマーを用いたPCRによ
る増幅によりアッセイした。4枚のプレートが陽性であ
り,1枚を, 完全長のbmyf cDNAプローブを用いて徹底
的にスクリーニングした。
【0043】陽性プラークの1つであるλDII bmyf1
は,約13kbの挿入部分を含んでおり,その部分的制限酵
素地図(図1)から,それがbmyf遺伝子を含んでいるこ
とが示される。bmyf遺伝子(約3kb)は,その5'末端が
約4kbの断片に隣接し,そして,またその3'末端が約7
kbの断片に隣接している。この13kbクローンは,最初の
エクソンの217個のヌクレオチドが,bmyf cDNAの配列と
完全な配列相同性を示す事実から,bmyf遺伝子を含むと
いうことが確認されている。
は,約13kbの挿入部分を含んでおり,その部分的制限酵
素地図(図1)から,それがbmyf遺伝子を含んでいるこ
とが示される。bmyf遺伝子(約3kb)は,その5'末端が
約4kbの断片に隣接し,そして,またその3'末端が約7
kbの断片に隣接している。この13kbクローンは,最初の
エクソンの217個のヌクレオチドが,bmyf cDNAの配列と
完全な配列相同性を示す事実から,bmyf遺伝子を含むと
いうことが確認されている。
【0044】bmyfをコードする配列およびプロモーター
部分の配列を決定するため,13kbの種々の部分を,pGEM
TM−3zfおよび−ztベクター (Promega)のEcoRIポリリン
カー部位にサブクローニングした。1本鎖DNAを単離
し,ジデオキシ鎖終結法を用い,合成反応を促進する20
merのオリゴヌクレオチドを用いて,配列決定を行っ
た。cDNAと,利用可能なゲノム配列との複合体を,配列
表の配列番号4〜12に5'から3'への配列として示す。cD
NAヌクレオチド配列およびそれに対応するbmyfアミノ酸
配列は,配列番号1に示される。cDNAヌクレオチド配列
は,配列番号2に示される。bmyfアミノ酸配列は,配列
番号3に示される。配列番号1および2では,cDNA配列
のコード領域をトリプレットコドンで示し,cDNAの非コ
ード領域は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配
列として示す。
部分の配列を決定するため,13kbの種々の部分を,pGEM
TM−3zfおよび−ztベクター (Promega)のEcoRIポリリン
カー部位にサブクローニングした。1本鎖DNAを単離
し,ジデオキシ鎖終結法を用い,合成反応を促進する20
merのオリゴヌクレオチドを用いて,配列決定を行っ
た。cDNAと,利用可能なゲノム配列との複合体を,配列
表の配列番号4〜12に5'から3'への配列として示す。cD
NAヌクレオチド配列およびそれに対応するbmyfアミノ酸
配列は,配列番号1に示される。cDNAヌクレオチド配列
は,配列番号2に示される。bmyfアミノ酸配列は,配列
番号3に示される。配列番号1および2では,cDNA配列
のコード領域をトリプレットコドンで示し,cDNAの非コ
ード領域は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配
列として示す。
【0045】配列番号4は,bmyf cDNAの+1位から約
−4500ヌクレオチド上流のBamHI部位付近(しかし,そ
れを含まない) から始まる。配列番号4の配列の長さは
385ヌクレオチドである。
−4500ヌクレオチド上流のBamHI部位付近(しかし,そ
れを含まない) から始まる。配列番号4の配列の長さは
385ヌクレオチドである。
【0046】配列番号5は,bmyf cDNAの+1位から約
−2300ヌクレオチド上流のSac I部位(GAGCTC) から始ま
る。配列番号5の配列の長さは815ヌクレオチドであ
る。配列番号5と配列番号6との間は,約440bpの配列
決定されていないセグメントである。
−2300ヌクレオチド上流のSac I部位(GAGCTC) から始ま
る。配列番号5の配列の長さは815ヌクレオチドであ
る。配列番号5と配列番号6との間は,約440bpの配列
決定されていないセグメントである。
【0047】配列番号6は, bmyf cDNAの+1位から上
流である−946ヌクレオチドから始まる近位プロモータ
ー配列である。この配列は,bmyf cDNAの+1位に直接
付着する。プロモーター領域の配列情報から,このプロ
モーターはGCに富み,3個のTATAモチーフ (cDNAの+1
位から上流である−158,−114, および−60ヌクレオチ
ドに存在) を含む。このモチーフは,RNA ポリメラーゼ
IIにより媒介される転写に必要な結合転写因子であるTF
IIDのための部位として機能し得る。転写開始部位とし
て用いられると考えられるTATAボックスを決定づける5'
領域のフットプリンティングは,後述する。
流である−946ヌクレオチドから始まる近位プロモータ
ー配列である。この配列は,bmyf cDNAの+1位に直接
付着する。プロモーター領域の配列情報から,このプロ
モーターはGCに富み,3個のTATAモチーフ (cDNAの+1
位から上流である−158,−114, および−60ヌクレオチ
ドに存在) を含む。このモチーフは,RNA ポリメラーゼ
IIにより媒介される転写に必要な結合転写因子であるTF
IIDのための部位として機能し得る。転写開始部位とし
て用いられると考えられるTATAボックスを決定づける5'
領域のフットプリンティングは,後述する。
【0048】配列番号7は,+1位から始まるbmyf cDN
Aの部分であり,cDNAの+569まで続き,そこからゲノム
DNA のイントロンAが始まる。cDNA配列のコード領域
は,トリプレットコドンで示す。cDNAの非コード領域
は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配列として
示す。
Aの部分であり,cDNAの+569まで続き,そこからゲノム
DNA のイントロンAが始まる。cDNA配列のコード領域
は,トリプレットコドンで示す。cDNAの非コード領域
は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配列として
示す。
【0049】配列番号8は,イントロンAの一部分をコ
ードする配列である。イントロンAは,約1000bpであ
り,完全な配列ではない。配列番号8は,イントロンA
の5'末端の361bpである。配列番号8に続く領域は,約4
00bpの配列決定されていない領域である。
ードする配列である。イントロンAは,約1000bpであ
り,完全な配列ではない。配列番号8は,イントロンA
の5'末端の361bpである。配列番号8に続く領域は,約4
00bpの配列決定されていない領域である。
【0050】配列番号9は,配列決定されていない400b
pの領域の下流のイントロンAの258bpである。
pの領域の下流のイントロンAの258bpである。
【0051】配列番号10は,配列番号9から直接続く
配列であり,bmyf cDNAの+570位に対応するコード領域
から始まる。
配列であり,bmyf cDNAの+570位に対応するコード領域
から始まる。
【0052】配列番号11は,イントロンB全体の配列
である。イントロンBは,bmyf cDNAの+644および+65
5の間の部分のゲノムDNAに位置する。イントロンBは,
393bpの長さである。
である。イントロンBは,bmyf cDNAの+644および+65
5の間の部分のゲノムDNAに位置する。イントロンBは,
393bpの長さである。
【0053】配列番号12は,エクソン3の配列であ
る。エクソン3は,cDNAの+646位から始まる。これは1
245bpの長さであり,ポリA付着部位を経て伸びてい
る。
る。エクソン3は,cDNAの+646位から始まる。これは1
245bpの長さであり,ポリA付着部位を経て伸びてい
る。
【0054】実施例5.2. bmyf遺伝子の転写開始部位の
マッピング 上記のように,近位プロモーター領域は,3個のTATA要
素を含み,そこからの転写は,RNAポリメラーゼIIによ
り開始され得る。RNAaseからの保護実験が,開始部位で
あると最も考えられる部位を識別するために実施され
た。
マッピング 上記のように,近位プロモーター領域は,3個のTATA要
素を含み,そこからの転写は,RNAポリメラーゼIIによ
り開始され得る。RNAaseからの保護実験が,開始部位で
あると最も考えられる部位を識別するために実施され
た。
【0055】32Pで標識したアンチセンスRNAプローブ
(cDNAの+64のPstIから,上流の−218にあるXbaIま
で伸びている)を,ウシ胎児骨格筋 (18cmの胎児)由来
の全RNAにアニールさせた。このアニールさせた混合物
を,RNAse AおよびTIで切断した。保護された二本鎖断
片を次いで変性させた後,配列決定用ゲル上で分離し,
同一領域全体において,一連のジデオキシ配列決定反応
と比較することにより,その大きさを測定した。この方
法により,転写開始部位が,cDNAの+64位のPstIの上
流約−185ヌクレオチドの付近であるか,もしくは,cDN
Aの+1位から上流側−114ヌクレオチド付近のTATAモチ
ーフにあることが決定された。
(cDNAの+64のPstIから,上流の−218にあるXbaIま
で伸びている)を,ウシ胎児骨格筋 (18cmの胎児)由来
の全RNAにアニールさせた。このアニールさせた混合物
を,RNAse AおよびTIで切断した。保護された二本鎖断
片を次いで変性させた後,配列決定用ゲル上で分離し,
同一領域全体において,一連のジデオキシ配列決定反応
と比較することにより,その大きさを測定した。この方
法により,転写開始部位が,cDNAの+64位のPstIの上
流約−185ヌクレオチドの付近であるか,もしくは,cDN
Aの+1位から上流側−114ヌクレオチド付近のTATAモチ
ーフにあることが決定された。
【0056】プローブシグナルの強度で判断すると,よ
り初期の胎児の方がより後期の胎児より(例えば,18〜
42cmの胎児)プロモーターの有用性は高いと考えられ
る。
り初期の胎児の方がより後期の胎児より(例えば,18〜
42cmの胎児)プロモーターの有用性は高いと考えられ
る。
【0057】実施例6 キメラ構築物 Bmyfコード領域のみを含むbmyf遺伝子またはbmyf遺伝子
の他の望ましい領域のサブクローンを,構築することが
できる。例えば,ここに示す配列情報から所望のセグメ
ントを構築し,そしてクローンニングするために使用さ
れ得る適当な制限酵素部位が識別される。望ましい断片
の配列情報を必要としない他の単離技術も利用され得
る。それには,特にPCRがあり,そのことは米国特許第
4,683,202号に開示されている。望ましいセグメントを
一まとめにした配列を有する合成プライマーを構築する
ことができ,このことによりポリメラーゼ鎖反応が可能
となり,例えばbmyfプロモーターの一部分のように,bm
yf遺伝子の望ましい特異的なセグメントのいかなるもの
をも,増幅させることができる。さらに,当業者に周知
のように,この増幅されたセグメントに隣接する望まし
い特異性を有する制限部位を誘導するように,このプラ
イマー配列を構築することができる。
の他の望ましい領域のサブクローンを,構築することが
できる。例えば,ここに示す配列情報から所望のセグメ
ントを構築し,そしてクローンニングするために使用さ
れ得る適当な制限酵素部位が識別される。望ましい断片
の配列情報を必要としない他の単離技術も利用され得
る。それには,特にPCRがあり,そのことは米国特許第
4,683,202号に開示されている。望ましいセグメントを
一まとめにした配列を有する合成プライマーを構築する
ことができ,このことによりポリメラーゼ鎖反応が可能
となり,例えばbmyfプロモーターの一部分のように,bm
yf遺伝子の望ましい特異的なセグメントのいかなるもの
をも,増幅させることができる。さらに,当業者に周知
のように,この増幅されたセグメントに隣接する望まし
い特異性を有する制限部位を誘導するように,このプラ
イマー配列を構築することができる。
【0058】異種遺伝子セグメントに結合したbmfyプロ
モーターのセグメントのキメラ遺伝子構築物, あるいは
bmyfコード領域に結合する外来プロモーターの構築物を
創製することができ,このことは後で示される。
モーターのセグメントのキメラ遺伝子構築物, あるいは
bmyfコード領域に結合する外来プロモーターの構築物を
創製することができ,このことは後で示される。
【0059】さらに,bmyf遺伝子の他の部分は,同様に
サブクローン化することができ,キメラ機能遺伝子の中
に結合させることができる。このようにして,bmyf遺伝
子の特異的な機能ドメインを, 他の遺伝子構築物に結合
させるか,あるいは.bmyf遺伝子から欠失させて異なっ
た機能を生じさせる(サブクローン化されたドメインに
関連した機能を付加するかもしくは除去する)ことが可
能となる。
サブクローン化することができ,キメラ機能遺伝子の中
に結合させることができる。このようにして,bmyf遺伝
子の特異的な機能ドメインを, 他の遺伝子構築物に結合
させるか,あるいは.bmyf遺伝子から欠失させて異なっ
た機能を生じさせる(サブクローン化されたドメインに
関連した機能を付加するかもしくは除去する)ことが可
能となる。
【0060】実施例6.1. キメラbmyfプロモーター/CA
T遺伝子構築物 bmyfプロモーターおよび異種遺伝子を結合した機能性キ
メラ遺伝子は,bmyf自体が制御されているように,異種
遺伝子の転写をも制御している。機種コード遺伝子が,
例えば, クロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ (CAT) をコードするレポーター遺伝子である場合
には,得られた構築物は,刺激または抑制のいずれかに
よりbmyf発現に影響を与える刺激物および化学化合物に
ついて,容易に測定することの可能な指標を提供するこ
ととなる。
T遺伝子構築物 bmyfプロモーターおよび異種遺伝子を結合した機能性キ
メラ遺伝子は,bmyf自体が制御されているように,異種
遺伝子の転写をも制御している。機種コード遺伝子が,
例えば, クロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ (CAT) をコードするレポーター遺伝子である場合
には,得られた構築物は,刺激または抑制のいずれかに
よりbmyf発現に影響を与える刺激物および化学化合物に
ついて,容易に測定することの可能な指標を提供するこ
ととなる。
【0061】bmyfプロモーターの機能領域のおおまかな
地図を作成するために,異なった長さの2つの重複する
bmyfプロモーター部分を,クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT) 構築遺伝子に連結させ
た。次にこれらの構築物を細胞系にトランスフェクト
し, 細胞のCAT活性を,14C−クロラムフェニコールを
用いて測定した。
地図を作成するために,異なった長さの2つの重複する
bmyfプロモーター部分を,クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT) 構築遺伝子に連結させ
た。次にこれらの構築物を細胞系にトランスフェクト
し, 細胞のCAT活性を,14C−クロラムフェニコールを
用いて測定した。
【0062】1つの構築物は,13kb断片の5'隣接部分の
完全長を含んでおり,−4.2kbの唯一のBamHI部位から
+64のPstI部位まで伸びている。4.2kbのプロモーター
/CAT遺伝子を構築するため,4.2kbのプロモータ/CAT
遺伝子を構築するため,4.2kbの断片は,5'のBamHI部
位および3'のPstI部位に平滑末端を有している。pCATT
Mは,ポリリンカー中のHindIII部位に平滑末端を有し,
次いで,PstIで切断され,4.2kbのプロモーター断片の
方向性クローニング (directional cloning) に適合し
た部位が形成される。
完全長を含んでおり,−4.2kbの唯一のBamHI部位から
+64のPstI部位まで伸びている。4.2kbのプロモーター
/CAT遺伝子を構築するため,4.2kbのプロモータ/CAT
遺伝子を構築するため,4.2kbの断片は,5'のBamHI部
位および3'のPstI部位に平滑末端を有している。pCATT
Mは,ポリリンカー中のHindIII部位に平滑末端を有し,
次いで,PstIで切断され,4.2kbのプロモーター断片の
方向性クローニング (directional cloning) に適合し
た部位が形成される。
【0063】第2の構築物は,−218位のXbaI部位から
+64のPstI部位まで伸びている近位プロモーターセグ
メントを含む。近位プロモーター/CAT構築物は,282bp
のXbaI/PstI断片を,XbaIとPstI部位の間のpCATポ
リリンカー部位に連結させることにより創生される。
+64のPstI部位まで伸びている近位プロモーターセグ
メントを含む。近位プロモーター/CAT構築物は,282bp
のXbaI/PstI断片を,XbaIとPstI部位の間のpCATポ
リリンカー部位に連結させることにより創生される。
【0064】これらの構築物は,上記実施例4に示すよ
うに,pEMSVのような発現ベクターを用いて10T1/2細胞
を一時的にトランスフェクトすることにそれぞれ用いら
れ得る。この一時的にトランスフェクトすることは, −
4.2kbBamHI部位から−218XbaI部位まで伸びている断
片が,プロモーターの機能領域を含んでいるかどうか判
定するために行われる。
うに,pEMSVのような発現ベクターを用いて10T1/2細胞
を一時的にトランスフェクトすることにそれぞれ用いら
れ得る。この一時的にトランスフェクトすることは, −
4.2kbBamHI部位から−218XbaI部位まで伸びている断
片が,プロモーターの機能領域を含んでいるかどうか判
定するために行われる。
【0065】実施例6.2. bmyfプロモーターcisセグメ
ントの同定に有用なキメラbmyfプロモ ーター/CAT遺伝
子構築物 bmyfプロモーターの調節部分を同定するために,実施例
6.1.で機能性プロモーター領域を含むことが確認された
構築物と,この構築物の一連の欠失変異体を,細胞系に
トランスフェクトし,発現された。一連の欠失変異に
は,プロモーターの5'末端から転写開始部位方向への進
行性の欠失からなる。
ントの同定に有用なキメラbmyfプロモ ーター/CAT遺伝
子構築物 bmyfプロモーターの調節部分を同定するために,実施例
6.1.で機能性プロモーター領域を含むことが確認された
構築物と,この構築物の一連の欠失変異体を,細胞系に
トランスフェクトし,発現された。一連の欠失変異に
は,プロモーターの5'末端から転写開始部位方向への進
行性の欠失からなる。
【0066】まず,完全長のプロモーター/CAT構築物
を,bmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を発現できる
細胞系をさがすために,多数の細胞系に一過性のトラン
スフェクションを行った。例えば,myf−5遺伝子は, L6
およびC2C12細胞で発現されることから(Wright, W.ら
(1989) Cell, 56:607−671;Braun, T. ら(EMBO J
8:3617−3615);Peterson, C.ら(1990) Cell 62:493
−502) , これらは,bmyfプロモーター/CAT構築物のト
ランスフェクションに最適な目標細胞系である。さら
に,特定の細胞系がbmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝
子を発現しないと考えられても,このような細胞系の欠
失に関する試験により,これらの領域はbmyfプロモータ
ーのサイレンサーとして機能する,つまり,それが除か
れることによってのみ遺伝子を活性化する)ことが明ら
かとなり得る。
を,bmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を発現できる
細胞系をさがすために,多数の細胞系に一過性のトラン
スフェクションを行った。例えば,myf−5遺伝子は, L6
およびC2C12細胞で発現されることから(Wright, W.ら
(1989) Cell, 56:607−671;Braun, T. ら(EMBO J
8:3617−3615);Peterson, C.ら(1990) Cell 62:493
−502) , これらは,bmyfプロモーター/CAT構築物のト
ランスフェクションに最適な目標細胞系である。さら
に,特定の細胞系がbmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝
子を発現しないと考えられても,このような細胞系の欠
失に関する試験により,これらの領域はbmyfプロモータ
ーのサイレンサーとして機能する,つまり,それが除か
れることによってのみ遺伝子を活性化する)ことが明ら
かとなり得る。
【0067】次に,完全長のbmyfプロモーター/CAT構
築物とその欠失誘導体を,RSVlac Zと共に,選択された
細胞系に一時的にコトランスフェクトし(Sambrook, J.
ら(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual
(第2版) ;Webster, J.ら (1989) EMBO J 8:1441−4
6) , そのCAT活性を14C−クロラムフェニコールを用い
て測定した。細胞系間のトランスフェクション効果の内
部対照として,β−ガラクトシダーゼ活性が測定される
(Webster, J. ら (1989) EMBO J 8:1441−46)。トラ
ンスフェクションは,リン酸カルシウム法により行われ
(Clark, T. ら (1990) Nucleic Acids Res 18:3147−
3153;Glover, D.M. (1985) DNA Cloning:A Practical
Approach II, 143−190) 。
築物とその欠失誘導体を,RSVlac Zと共に,選択された
細胞系に一時的にコトランスフェクトし(Sambrook, J.
ら(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual
(第2版) ;Webster, J.ら (1989) EMBO J 8:1441−4
6) , そのCAT活性を14C−クロラムフェニコールを用い
て測定した。細胞系間のトランスフェクション効果の内
部対照として,β−ガラクトシダーゼ活性が測定される
(Webster, J. ら (1989) EMBO J 8:1441−46)。トラ
ンスフェクションは,リン酸カルシウム法により行われ
(Clark, T. ら (1990) Nucleic Acids Res 18:3147−
3153;Glover, D.M. (1985) DNA Cloning:A Practical
Approach II, 143−190) 。
【0068】この重要な部分の位置決定を欠失について
の分析により行うと,cis要素もまた確認され得る。プ
ロモーター活性に必要と考えられるプロモーター領域
は,bmyfプロモーター/CAT構築物を発現することが知
られている細胞系由来の抽出物を用いたゲルシフト イ
ンビトロアッセイにより確認することができる。
の分析により行うと,cis要素もまた確認され得る。プ
ロモーター活性に必要と考えられるプロモーター領域
は,bmyfプロモーター/CAT構築物を発現することが知
られている細胞系由来の抽出物を用いたゲルシフト イ
ンビトロアッセイにより確認することができる。
【0069】cis要素を含むことが決定されたプロモー
ター断片は,さらに保護された部分を正確に解明するた
めに,DNAse フットプリンティングを行う。DNAse フッ
トプリンティングは,問題のプロモーター断片の2つの
バッチ (batch) を調製することにより行われる。この
2つのバッチのうち1つは,trans作用調節要素 (Trans
-acting regulatory element) を有する細胞抽出物を含
むバッチと含まないバットとであり,各バッチの断片
は,放射標識した3'または5'末端を有する。このバッチ
に平均して1断片あたりの切断が1箇所となるように,
DNAse Iを速やかに反応させて,次いで各バッチをゲル
分解し,DNAse Iにより切断されなかった領域(調製タ
ンパクにより保護された領域) を同定する。
ター断片は,さらに保護された部分を正確に解明するた
めに,DNAse フットプリンティングを行う。DNAse フッ
トプリンティングは,問題のプロモーター断片の2つの
バッチ (batch) を調製することにより行われる。この
2つのバッチのうち1つは,trans作用調節要素 (Trans
-acting regulatory element) を有する細胞抽出物を含
むバッチと含まないバットとであり,各バッチの断片
は,放射標識した3'または5'末端を有する。このバッチ
に平均して1断片あたりの切断が1箇所となるように,
DNAse Iを速やかに反応させて,次いで各バッチをゲル
分解し,DNAse Iにより切断されなかった領域(調製タ
ンパクにより保護された領域) を同定する。
【0070】実施例6.3 エンハンサー領域の同定に有
用なキメラbmyfプロモーター/CAT構 築物 実施例6.1および6.3の構築物は,bmyfエンハンサー配列
を含むと考えられる断片をも同定できるように,さらに
改変することもできる。これらの配列は,イントロンと
同様,5'および3'隣接部分に位置することができる。エ
ンハンサーは,細胞型特異性を典型的に示す。pCATベク
ターは,このようなエンハンサー配列を挿入し得る。い
くつかの唯一の制限部位を,CAT遺伝子の下流に含む。
これらの制限部位には,EcoRIおよびBamHIが含まれる。
得られた構築物は,前述の方法または当該技術者に既知
の方法により,10T1/2細胞および他の細胞系の中に一過
性のトランスフェクトを行うことができ,そして, bmyf
タンパクの産生を測定し,問題のエンハンサー断片の細
胞型特異性を決定づけた。
用なキメラbmyfプロモーター/CAT構 築物 実施例6.1および6.3の構築物は,bmyfエンハンサー配列
を含むと考えられる断片をも同定できるように,さらに
改変することもできる。これらの配列は,イントロンと
同様,5'および3'隣接部分に位置することができる。エ
ンハンサーは,細胞型特異性を典型的に示す。pCATベク
ターは,このようなエンハンサー配列を挿入し得る。い
くつかの唯一の制限部位を,CAT遺伝子の下流に含む。
これらの制限部位には,EcoRIおよびBamHIが含まれる。
得られた構築物は,前述の方法または当該技術者に既知
の方法により,10T1/2細胞および他の細胞系の中に一過
性のトランスフェクトを行うことができ,そして, bmyf
タンパクの産生を測定し,問題のエンハンサー断片の細
胞型特異性を決定づけた。
【0071】実施例6.4 キメラbmyfプロモーター/β
−ガラクトシダーゼ遺伝子構築物 他に使用される異種レポーター遺伝子は,β−ガラクト
シダーゼ遺伝子である。bmyfプロモーター/β−gal遺
伝子構築物は,pCH110 (Hall, C ら (1983) J.Mol. App
l. Genetics 2:101−109;Pharmacia LKBから入手可
能)からlacZ遺伝子をBamHI/HindII断片上に切り出すこ
とにより,およびBamHI/HindIIIで切断したpSP72 (Prom
ega) 中へlacZ遺伝子を方向性を持たせて挿入すること
により,創製することができる。4.2kb BamHI/Pst I bm
yfプロモーター断片は,次に,pSP72中のXhoIおよびPvu
II部位に平滑末端による連結により挿入され得る。pSP7
2には,筋特異性エンハンサーを含むbmyf断片 (4.2kbの
5'断片以外) を挿入し得る7箇所の制限部位があり,こ
れは,lacZ断片が挿入されている部位の下流に存在す
る。この7箇所の制限部位は,SmaI, KpnI, SacI, EcoR
I, ClaI, EcoRV, およびBglIIである。β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子は,β−gal活性に関連した染色反応を示
すこと,およびβ−galに対する抗体が市販されている
ことから,レポーター遺伝子として有用である。
−ガラクトシダーゼ遺伝子構築物 他に使用される異種レポーター遺伝子は,β−ガラクト
シダーゼ遺伝子である。bmyfプロモーター/β−gal遺
伝子構築物は,pCH110 (Hall, C ら (1983) J.Mol. App
l. Genetics 2:101−109;Pharmacia LKBから入手可
能)からlacZ遺伝子をBamHI/HindII断片上に切り出すこ
とにより,およびBamHI/HindIIIで切断したpSP72 (Prom
ega) 中へlacZ遺伝子を方向性を持たせて挿入すること
により,創製することができる。4.2kb BamHI/Pst I bm
yfプロモーター断片は,次に,pSP72中のXhoIおよびPvu
II部位に平滑末端による連結により挿入され得る。pSP7
2には,筋特異性エンハンサーを含むbmyf断片 (4.2kbの
5'断片以外) を挿入し得る7箇所の制限部位があり,こ
れは,lacZ断片が挿入されている部位の下流に存在す
る。この7箇所の制限部位は,SmaI, KpnI, SacI, EcoR
I, ClaI, EcoRV, およびBglIIである。β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子は,β−gal活性に関連した染色反応を示
すこと,およびβ−galに対する抗体が市販されている
ことから,レポーター遺伝子として有用である。
【0072】実施例6.5 キメラpMMTV-bmyf遺伝子およ
びpMMTV-myoD遺伝子構築物 bmyfコード領域と結合した外来プロモーターを有するキ
メラ遺伝子は,そのプロモーターの作用が正常に示され
る条件下においてbmyfを発現する。この種のキメラ遺伝
子は, 単離およびさらに特性決定する上で十分な量のbm
yfタンパクを発現させることができる。
びpMMTV-myoD遺伝子構築物 bmyfコード領域と結合した外来プロモーターを有するキ
メラ遺伝子は,そのプロモーターの作用が正常に示され
る条件下においてbmyfを発現する。この種のキメラ遺伝
子は, 単離およびさらに特性決定する上で十分な量のbm
yfタンパクを発現させることができる。
【0073】例えば,完全なbmyf cDNAおよびmyoDコー
ド領域を含むEcoRI制限フラブメントは,pΩ5 ベクター
(Morganstern, J. & Land, H.(1990) Nucleic Acids Re
s. 18:1068) 中にサブクローン化された。このベクター
は,哺乳類培養細胞中でデキサメサゾンにより20〜50倍
の誘発性を示す,エンハンサーを持たないマウス乳癌ウ
イルス(MMTV)プロモーターを有する。bmyfおよびmyoDコ
ード領域は,センス方向(pΩbmyf+およびpΩmyoD+)
およびアンチセンス方向(pΩmyfl-およびpΩmyoD-) に
挿入された。
ド領域を含むEcoRI制限フラブメントは,pΩ5 ベクター
(Morganstern, J. & Land, H.(1990) Nucleic Acids Re
s. 18:1068) 中にサブクローン化された。このベクター
は,哺乳類培養細胞中でデキサメサゾンにより20〜50倍
の誘発性を示す,エンハンサーを持たないマウス乳癌ウ
イルス(MMTV)プロモーターを有する。bmyfおよびmyoDコ
ード領域は,センス方向(pΩbmyf+およびpΩmyoD+)
およびアンチセンス方向(pΩmyfl-およびpΩmyoD-) に
挿入された。
【0074】実施例7 細胞系でのbmyfの発現および精
製 bmyfタンパクは,既知の発現システムのいずれか1つに
本発明のキメラ遺伝子を組み合わせることにより得られ
る。例えば,bmyf遺伝子もしくはbmyf cDNAのコード部
分をE.coliのtrp Eプロモーターと結合させることによ
り,細菌培養系において高いレベルのbmyfタンパクの発
現が得られる。あるいは,培養昆虫細胞中においてbmyf
タンパクを所望の量だけ産生させるためには,ウイルス
コートタンパク遺伝子の既知の高活性プロモーターを用
いたバキュロウイルス発現システムが使用される。bmyf
タンパクの精製は,当該技術分野で既知の技術を組み合
わせることにより達成される。発現システムにおいて,
所望のタンパクが,主要発現産物である。このタンパク
は,電気泳動ゲル上のサイズにより同定される。このタ
ンパクはまた,抗体によっても同定され,そして分析さ
れ得る。このような抗体は,例えば,ゲルバンド中のタ
ンパクの免疫により調製され得る。その代わりとなる長
さ40〜80個のアミノ酸のサブ領域は,当該技術分野にお
いて既知の標準的な方法を用いて合成される。あるい
は,特異抗体は,発現細胞または合成ペプチドの抽出物
を適当な宿主 (ウサギまたはマウス) に接種することに
よっても得られ,bmyfタンパクを含まない発現細胞の対
照抽出物に対する吸着により,非bmyf抗体の抗体調製物
が除去される。bmyfタンパクは,固相支持材料に結合し
た抗体を用いて,アフィニティー吸着により精製され
る。所望の純度を得るために,必要に応じて,当該技術
分野で既知のタンパク精製技術が利用される。精製され
たbmyfタンパクは,次に,標準的な方法により特性の決
定が行われる。
製 bmyfタンパクは,既知の発現システムのいずれか1つに
本発明のキメラ遺伝子を組み合わせることにより得られ
る。例えば,bmyf遺伝子もしくはbmyf cDNAのコード部
分をE.coliのtrp Eプロモーターと結合させることによ
り,細菌培養系において高いレベルのbmyfタンパクの発
現が得られる。あるいは,培養昆虫細胞中においてbmyf
タンパクを所望の量だけ産生させるためには,ウイルス
コートタンパク遺伝子の既知の高活性プロモーターを用
いたバキュロウイルス発現システムが使用される。bmyf
タンパクの精製は,当該技術分野で既知の技術を組み合
わせることにより達成される。発現システムにおいて,
所望のタンパクが,主要発現産物である。このタンパク
は,電気泳動ゲル上のサイズにより同定される。このタ
ンパクはまた,抗体によっても同定され,そして分析さ
れ得る。このような抗体は,例えば,ゲルバンド中のタ
ンパクの免疫により調製され得る。その代わりとなる長
さ40〜80個のアミノ酸のサブ領域は,当該技術分野にお
いて既知の標準的な方法を用いて合成される。あるい
は,特異抗体は,発現細胞または合成ペプチドの抽出物
を適当な宿主 (ウサギまたはマウス) に接種することに
よっても得られ,bmyfタンパクを含まない発現細胞の対
照抽出物に対する吸着により,非bmyf抗体の抗体調製物
が除去される。bmyfタンパクは,固相支持材料に結合し
た抗体を用いて,アフィニティー吸着により精製され
る。所望の純度を得るために,必要に応じて,当該技術
分野で既知のタンパク精製技術が利用される。精製され
たbmyfタンパクは,次に,標準的な方法により特性の決
定が行われる。
【0075】実施例7.1 pMMTV-bmyfおよびpMMTV-my
oD構築物によりトランスフェクトされた安定な細胞系 実施例6.4に示したpMMTV-bmyfおよびpMMTV-myoD構築
物は,C3H10T 1/2およびNIH3T3細胞系 (アメリカンタイ
プ カルチャー コレクションから入手可能)に,RSVne
oと共にコトランスフェクトする(Gorman, C (1985) DNA
Cloning:A practical Approach II (Glover, D編)143
-190頁) のに使用され,ステロイド誘発条件下でbmyfお
よびmyoDを発現する安定な細胞系が単離される。トラン
スフェクションは,リン酸カルシウム法により行われた
(Clark, T. らNucleic AcidsRes (1990) 18:3147-315
3; Glover,D.M.DNA Cloning; A Practical approachII
(1985) 143-190) 。これらの細胞系は,ノザーンブロッ
トで分析したところ筋原細胞形成およびbmyf転写物の発
現において,デキサメサゾン誘発性を有することが既に
確認されている。これらの細胞系は,bmyf転写物の代謝
回転(turnover)速度を分析するために使用される。さら
に,これらの細胞系から産生され精製されたbmyfタンパ
クは,さらにタンパクの特性決定のために,例えば,bm
yfタンパクのリン酸化状態および各局在についての分析
のために使用される。
oD構築物によりトランスフェクトされた安定な細胞系 実施例6.4に示したpMMTV-bmyfおよびpMMTV-myoD構築
物は,C3H10T 1/2およびNIH3T3細胞系 (アメリカンタイ
プ カルチャー コレクションから入手可能)に,RSVne
oと共にコトランスフェクトする(Gorman, C (1985) DNA
Cloning:A practical Approach II (Glover, D編)143
-190頁) のに使用され,ステロイド誘発条件下でbmyfお
よびmyoDを発現する安定な細胞系が単離される。トラン
スフェクションは,リン酸カルシウム法により行われた
(Clark, T. らNucleic AcidsRes (1990) 18:3147-315
3; Glover,D.M.DNA Cloning; A Practical approachII
(1985) 143-190) 。これらの細胞系は,ノザーンブロッ
トで分析したところ筋原細胞形成およびbmyf転写物の発
現において,デキサメサゾン誘発性を有することが既に
確認されている。これらの細胞系は,bmyf転写物の代謝
回転(turnover)速度を分析するために使用される。さら
に,これらの細胞系から産生され精製されたbmyfタンパ
クは,さらにタンパクの特性決定のために,例えば,bm
yfタンパクのリン酸化状態および各局在についての分析
のために使用される。
【0076】実施例8 抗体 bmyfタンパクに対するポリクローナルおよびモノクロー
ナル抗体は,bmyfタンパクを抗原として用いることによ
り得られる。利用される方法および技術は,当該技術分
野で,免疫,抗体選択,精製,ハイブリドーマのスクリ
ーニングおよびイムノアッセイについて日常的に使用さ
れるものである。当業者が通常行うように,このような
方法の組合せを選択することにより,前述の実施例で確
立されたようなbmyfタンパクの構造および機能特性が得
られ,イムノアッセイ,染色,不活性化,アフィニティ
精製,エピトープマッピングなどのような既知の技術に
適合した抗体が産生され,精製される。典型的な抗体調
製物は,ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のい
ずれかを含むタンパク様組成物であり,ポリクローナル
抗体であるかモノクローナル抗体であるかは,抗体を得
るために使用した方法に依存する。bmyfタンパクに特異
的な抗体は,免疫学の分野において,bmyfに結合する抗
体であるということが理解されている。bmyfタンパクが
他のタンパクとの相同部分を有することから,bmyfタン
パクに特異的な抗体の一部は,ある程度,他のタンパク
と交差反応を起こし得る。ある使用目的においては,交
差反応性が許容されるが,他の使用目的においては,他
のタンパクとの測定可能な程度の交差反応をも行わない
抗体が好ましい。
ナル抗体は,bmyfタンパクを抗原として用いることによ
り得られる。利用される方法および技術は,当該技術分
野で,免疫,抗体選択,精製,ハイブリドーマのスクリ
ーニングおよびイムノアッセイについて日常的に使用さ
れるものである。当業者が通常行うように,このような
方法の組合せを選択することにより,前述の実施例で確
立されたようなbmyfタンパクの構造および機能特性が得
られ,イムノアッセイ,染色,不活性化,アフィニティ
精製,エピトープマッピングなどのような既知の技術に
適合した抗体が産生され,精製される。典型的な抗体調
製物は,ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のい
ずれかを含むタンパク様組成物であり,ポリクローナル
抗体であるかモノクローナル抗体であるかは,抗体を得
るために使用した方法に依存する。bmyfタンパクに特異
的な抗体は,免疫学の分野において,bmyfに結合する抗
体であるということが理解されている。bmyfタンパクが
他のタンパクとの相同部分を有することから,bmyfタン
パクに特異的な抗体の一部は,ある程度,他のタンパク
と交差反応を起こし得る。ある使用目的においては,交
差反応性が許容されるが,他の使用目的においては,他
のタンパクとの測定可能な程度の交差反応をも行わない
抗体が好ましい。
【0077】出願人は,1-19位,101-118位および154-1
69位(N−末端に対して)のアミノ酸を含む3つの合成
ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を生じさせ
た。抗原性を有すると思われる領域を,まずPEPTIDESTR
UCTURETMプログラム(Jameson, B.A. & Wolf, H. (198
8) Comput. Appl. Biosci. 4:181-186; Pearson, W.R.&
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448; ウイ
スコンシン大学,マジソンから入手できる)によって提
供されるような少なくとも1,000の抗原指数を有する領
域を使用して選択した。抗原指数は,親水性,表面接近
性(surfaceaccessibility),構造の型(例えば,α,
βまたはβシート)およびチョウファスマン(Chou-Fas
man)特性を含むペプチドパラメータ情報の集大成であ
る。更に,抗体を産生するのに使用される抗原性ペプチ
ドの選択は,(1)抗原領域の長さ,(2)予想表面領
域に強力なβ−折り返し構造が存在すること,(3)抗
原領域内にシステインが存在しないこと,および(4)
他のタンパクとの既知の相同性が存在しないことに基づ
いて実施した。
69位(N−末端に対して)のアミノ酸を含む3つの合成
ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を生じさせ
た。抗原性を有すると思われる領域を,まずPEPTIDESTR
UCTURETMプログラム(Jameson, B.A. & Wolf, H. (198
8) Comput. Appl. Biosci. 4:181-186; Pearson, W.R.&
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448; ウイ
スコンシン大学,マジソンから入手できる)によって提
供されるような少なくとも1,000の抗原指数を有する領
域を使用して選択した。抗原指数は,親水性,表面接近
性(surfaceaccessibility),構造の型(例えば,α,
βまたはβシート)およびチョウファスマン(Chou-Fas
man)特性を含むペプチドパラメータ情報の集大成であ
る。更に,抗体を産生するのに使用される抗原性ペプチ
ドの選択は,(1)抗原領域の長さ,(2)予想表面領
域に強力なβ−折り返し構造が存在すること,(3)抗
原領域内にシステインが存在しないこと,および(4)
他のタンパクとの既知の相同性が存在しないことに基づ
いて実施した。
【0078】少なくとも15残基の抗原領域が好ましいこ
とが見い出されている。なぜなら,それらはインビボに
おいて推定されるコンホメーション内に抗原領域を提示
しやすいからである。また,より長い断片は,潜在的に
抗体によって認識されるエピトープをより多く提供し,
これによって,特異的抗体が得やすくなる。予想表面領
域における強力なβ−折り返し構造の存在が,好まし
い。なぜなら,強力な折り返し構造は,しばしば,その
インビボでのコンホメーションをインビトロにおいても
保有することが発見されているからである。抗原領域に
おけるシステインの不在は,抗原ペプチドを粒子に固定
するのに使用される試薬とチオール基との反応を避ける
ため,好ましい。抗原領域に隣接して位置する領域にお
けるシステインの存在は,断片を粒子または支持体に固
定するのに有用であり得る。システインが隣接領域中に
天然に存在しない場合には,挿入することが可能であ
る。そのような他のタンパクとの抗体の交差反応を避け
るために,抗原領域が他のタンパクに対して非相同であ
ることが好ましい。TFASTAプログラム(Pearson, W.R.'
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448;ウイス
コンシン大学,マジソン,ウイスコンシンから入手でき
る)を使用して,抗原領域の配列を,ジーンバンクデー
タベースに登録されているEMBLのヌクレオチド配列から
翻訳され得るすべてのアミノ酸配列と比較した。他のタ
ンパクとの交差反応を避けるために,ポリクローナル抗
体を産生するのに使用される抗原領域を,ジーンバンク
ヌクレオチド配列から翻訳可能なすべての,可能性のあ
るアミノ酸配列と相同性を有していないことに基づいて
選択した。上記の分析を実施した時点で,ネズミmyoD
(ウシmyoDではない)のみがジーンバンクにおいて得ら
れた。
とが見い出されている。なぜなら,それらはインビボに
おいて推定されるコンホメーション内に抗原領域を提示
しやすいからである。また,より長い断片は,潜在的に
抗体によって認識されるエピトープをより多く提供し,
これによって,特異的抗体が得やすくなる。予想表面領
域における強力なβ−折り返し構造の存在が,好まし
い。なぜなら,強力な折り返し構造は,しばしば,その
インビボでのコンホメーションをインビトロにおいても
保有することが発見されているからである。抗原領域に
おけるシステインの不在は,抗原ペプチドを粒子に固定
するのに使用される試薬とチオール基との反応を避ける
ため,好ましい。抗原領域に隣接して位置する領域にお
けるシステインの存在は,断片を粒子または支持体に固
定するのに有用であり得る。システインが隣接領域中に
天然に存在しない場合には,挿入することが可能であ
る。そのような他のタンパクとの抗体の交差反応を避け
るために,抗原領域が他のタンパクに対して非相同であ
ることが好ましい。TFASTAプログラム(Pearson, W.R.'
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448;ウイス
コンシン大学,マジソン,ウイスコンシンから入手でき
る)を使用して,抗原領域の配列を,ジーンバンクデー
タベースに登録されているEMBLのヌクレオチド配列から
翻訳され得るすべてのアミノ酸配列と比較した。他のタ
ンパクとの交差反応を避けるために,ポリクローナル抗
体を産生するのに使用される抗原領域を,ジーンバンク
ヌクレオチド配列から翻訳可能なすべての,可能性のあ
るアミノ酸配列と相同性を有していないことに基づいて
選択した。上記の分析を実施した時点で,ネズミmyoD
(ウシmyoDではない)のみがジーンバンクにおいて得ら
れた。
【0079】選択された各ペプチドにおいて,以下の方
法により抗血清が生じた:(1)完全フロイントアジュ
バントに混合した50 μgのペプチドをウサギの筋肉内に
投与すること,(2)2週間後,不完全フロイントアジ
ュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内に投与
すること,(3)3週間連続して,毎週不完全フロイン
トアジュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内
に投与すること,(4)3週間放置すること,(5)不
完全フロイントアジュバントに混合した100 μgのペプ
チドでブーストすること,(6)3週間放置すること,
および(7)不完全フロイントアジュバントに混合した
100 μgのペプチドでブーストすること。次いで,血清
を採取し,免疫沈澱法によってbmyfおよびウシmyoDとの
反応を決定した。
法により抗血清が生じた:(1)完全フロイントアジュ
バントに混合した50 μgのペプチドをウサギの筋肉内に
投与すること,(2)2週間後,不完全フロイントアジ
ュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内に投与
すること,(3)3週間連続して,毎週不完全フロイン
トアジュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内
に投与すること,(4)3週間放置すること,(5)不
完全フロイントアジュバントに混合した100 μgのペプ
チドでブーストすること,(6)3週間放置すること,
および(7)不完全フロイントアジュバントに混合した
100 μgのペプチドでブーストすること。次いで,血清
を採取し,免疫沈澱法によってbmyfおよびウシmyoDとの
反応を決定した。
【0080】1-19位,101-118位および154-169位のアミ
ノ酸を含む各抗原ペプチドにおいて,各抗血清がbmyfタ
ンパクと反応し,myoDタンパクと交差反応することが見
い出された。ポリクローナル抗体沈澱物は,myoDと交差
反応する抗体を減少または除去するために,更に精製さ
れ得る。この精製は,基質に固定されたmyoDを使用する
アフィニティクロマトグラフィーによる抗体クレアラン
ス法のような従来から既知の方法によって,成し遂げら
れ得る。例えば,抗体調製物は,哺乳類myoDタンパクま
たは関連タンパク,あるいはその抗原断片(合成N末端
断片を含む)が固体支持体または基質に固定されている
クロマトグラフィーカラムを通過することが可能であ
り,その結果myoDに対して反応性のある抗体がカラムへ
付着する。必要に応じて,他の筋原性タンパクと交差反
応性を有する抗体が,同様に除去され得る。生成した溶
離物は,bmyfタンパクに対して特異的で,ウシmyoDと反
応しない抗体を高い割合で含む。
ノ酸を含む各抗原ペプチドにおいて,各抗血清がbmyfタ
ンパクと反応し,myoDタンパクと交差反応することが見
い出された。ポリクローナル抗体沈澱物は,myoDと交差
反応する抗体を減少または除去するために,更に精製さ
れ得る。この精製は,基質に固定されたmyoDを使用する
アフィニティクロマトグラフィーによる抗体クレアラン
ス法のような従来から既知の方法によって,成し遂げら
れ得る。例えば,抗体調製物は,哺乳類myoDタンパクま
たは関連タンパク,あるいはその抗原断片(合成N末端
断片を含む)が固体支持体または基質に固定されている
クロマトグラフィーカラムを通過することが可能であ
り,その結果myoDに対して反応性のある抗体がカラムへ
付着する。必要に応じて,他の筋原性タンパクと交差反
応性を有する抗体が,同様に除去され得る。生成した溶
離物は,bmyfタンパクに対して特異的で,ウシmyoDと反
応しない抗体を高い割合で含む。
【0081】
【表1】
【0082】
【表1】
【0083】
【表1】
【0084】
【表1】
【0085】
【表1】
【0086】
【表1】
【0087】
【表1】
【0088】
【表1】
【0089】
【表1】
【0090】
【表1】
【0091】
【表1】
【0092】
【表1】
【0093】
【表1】
【0094】
【表1】
【図1】図1は,組換え体クローンλD11 Bmyf
1中のbmyf遺伝子と両側に隣接する配列の制限地図
である。
1中のbmyf遺伝子と両側に隣接する配列の制限地図
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年4月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,前駆細胞の筋肉細胞へ
の分化(筋形成)に関与する遺伝子のクローニング,発
現,発現産物,調節および遺伝子工学に関する。
の分化(筋形成)に関与する遺伝子のクローニング,発
現,発現産物,調節および遺伝子工学に関する。
【0002】
【従来の技術】本願は,1990年12月7日付で出願
された同時系属中の米国特許出願(出願番号は,まだ付
されていない)の一部継続出願を基礎とする優先権主張
出願である。なお,1990年12月7日付で出願され
た米国特許出願は,1989年12月21日付で出願さ
れた同時系属中の米国特許出願第454,080号の一
部継続出願である。
された同時系属中の米国特許出願(出願番号は,まだ付
されていない)の一部継続出願を基礎とする優先権主張
出願である。なお,1990年12月7日付で出願され
た米国特許出願は,1989年12月21日付で出願さ
れた同時系属中の米国特許出願第454,080号の一
部継続出願である。
【0003】(細胞レベルでの筋形成)筋形成は,3つ
の一般的な段階に分けることができる(Emerson, C. ら
編集,1986年,Molecular Biology of Muscle Developm
ent, Alan R. Liss, Inc. N.Y.,参照) 。第1に,中胚
葉細胞が増殖性筋芽細胞に転換される。第2に,筋芽細
胞が融合して多核性筋管が形成される。この筋管内で
は,筋肉特異的な遺伝子が活性化されている。第1の決
定段階では,細胞およびそのすべての子孫によって筋原
性系統が引き継がれて行く。第2の末端分化段階では,
筋芽細胞は非分裂筋管を形成して一組の筋肉特異的な遺
伝子を活性化する。その後の第3段階では,複雑な一連
の調節現象によって,種々の筋肉タンパクのイソ型が形
成される成熟が伴う。増殖性筋芽細胞自体は,高速単収
縮性または低速単収縮性の胚芽H鎖ミオシン遺伝子の活
性化を引き継ぐサブクローンが同定されうることから,
異種のようである。
の一般的な段階に分けることができる(Emerson, C. ら
編集,1986年,Molecular Biology of Muscle Developm
ent, Alan R. Liss, Inc. N.Y.,参照) 。第1に,中胚
葉細胞が増殖性筋芽細胞に転換される。第2に,筋芽細
胞が融合して多核性筋管が形成される。この筋管内で
は,筋肉特異的な遺伝子が活性化されている。第1の決
定段階では,細胞およびそのすべての子孫によって筋原
性系統が引き継がれて行く。第2の末端分化段階では,
筋芽細胞は非分裂筋管を形成して一組の筋肉特異的な遺
伝子を活性化する。その後の第3段階では,複雑な一連
の調節現象によって,種々の筋肉タンパクのイソ型が形
成される成熟が伴う。増殖性筋芽細胞自体は,高速単収
縮性または低速単収縮性の胚芽H鎖ミオシン遺伝子の活
性化を引き継ぐサブクローンが同定されうることから,
異種のようである。
【0004】中胚葉細胞の起源に至る段階は,この経路
には含まれていなかったが,骨格筋に至る細胞経路の多
くの詳細事項は,早期胚について研究されている。骨格
筋は,生物体となる3つの生殖細胞層(表面層,内層お
よび中胚葉層)のうちの中間層すなわち中胚葉層に由来
する。中胚葉は,骨格筋を除く,次のような多数の細胞
型に分化する多能性組織である。すなわち,その細胞型
には,骨,軟骨,および心筋;眼,歯,腎臓および生殖
腺の一部;および造血経路における多数の細胞(赤血
球,リンパ球,マクロファージなど)が含まれる。ま
た,中胚葉は,早期胚の様々な領域(背部,頭部,側
部)のどこに形成されるかによって同定され,形態学的
に目視可能な体節および筋節を生成するのは背部中胚葉
である。この体節および筋節から骨格筋が分化するので
ある。したがって,決定には背部中胚葉細胞の増殖性筋
芽細胞への転換が伴い,その結果,中胚葉細胞およびそ
の子孫によって筋原性系統が引き継がれて行くようであ
る。
には含まれていなかったが,骨格筋に至る細胞経路の多
くの詳細事項は,早期胚について研究されている。骨格
筋は,生物体となる3つの生殖細胞層(表面層,内層お
よび中胚葉層)のうちの中間層すなわち中胚葉層に由来
する。中胚葉は,骨格筋を除く,次のような多数の細胞
型に分化する多能性組織である。すなわち,その細胞型
には,骨,軟骨,および心筋;眼,歯,腎臓および生殖
腺の一部;および造血経路における多数の細胞(赤血
球,リンパ球,マクロファージなど)が含まれる。ま
た,中胚葉は,早期胚の様々な領域(背部,頭部,側
部)のどこに形成されるかによって同定され,形態学的
に目視可能な体節および筋節を生成するのは背部中胚葉
である。この体節および筋節から骨格筋が分化するので
ある。したがって,決定には背部中胚葉細胞の増殖性筋
芽細胞への転換が伴い,その結果,中胚葉細胞およびそ
の子孫によって筋原性系統が引き継がれて行くようであ
る。
【0005】筋形成を制御する遺伝子に対する産業上の
関心事は,筋肉損傷の回復を促進するのに使用すること
である。筋肉は,休止中の筋芽細胞である衛星細胞を含
有している。衛星細胞を損傷部位に分布させて筋管に分
化させる能力により,損傷(特に,筋肉の外傷)を治癒
する速度を高める新しい医薬品が開発されるかもしれな
い。他の産業上の関心事は家畜に集中している。この分
野では,筋形成遺伝子を用いることにより,高い効率で
生産性を向上させ,かつ飼料添加剤の使用を減少させ得
るからである。現在のところ,最大限の筋肉増強および
体重増加を実現するために,エストロゲン類および抗生
物質のような添加剤が広く用いられている。しかし,こ
れらの添加剤はヒトの食物中に残留することがあり,抗
生物質に対して耐性を有する微生物を増殖させるので,
その使用は批判されることが多い。筋形成遺伝子もま
た,誕生前後の家畜に作用して,脂肪の蓄積を減少さ
せ,かつ筋形成を増大させ得る。その結果,赤身の多い
食肉(例えば,脂肪およびコレステロールが少ない)
や,より健康的なヒトの食物が得られる。筋形成遺伝子
から開発された多くの物質には,獣医学およびヒト医学
における商業的な診断用の用途がある。
関心事は,筋肉損傷の回復を促進するのに使用すること
である。筋肉は,休止中の筋芽細胞である衛星細胞を含
有している。衛星細胞を損傷部位に分布させて筋管に分
化させる能力により,損傷(特に,筋肉の外傷)を治癒
する速度を高める新しい医薬品が開発されるかもしれな
い。他の産業上の関心事は家畜に集中している。この分
野では,筋形成遺伝子を用いることにより,高い効率で
生産性を向上させ,かつ飼料添加剤の使用を減少させ得
るからである。現在のところ,最大限の筋肉増強および
体重増加を実現するために,エストロゲン類および抗生
物質のような添加剤が広く用いられている。しかし,こ
れらの添加剤はヒトの食物中に残留することがあり,抗
生物質に対して耐性を有する微生物を増殖させるので,
その使用は批判されることが多い。筋形成遺伝子もま
た,誕生前後の家畜に作用して,脂肪の蓄積を減少さ
せ,かつ筋形成を増大させ得る。その結果,赤身の多い
食肉(例えば,脂肪およびコレステロールが少ない)
や,より健康的なヒトの食物が得られる。筋形成遺伝子
から開発された多くの物質には,獣医学およびヒト医学
における商業的な診断用の用途がある。
【0006】最近,DNAのメチル化の有効な阻害剤
(5−アザシチジン)に応答するマウスC3H10T1
細胞の異常な特性を利用して,筋肉細胞系統を確立する
のに関与する遺伝子の単離について,著しい進歩があっ
た。この薬剤で処理した後,多核性の筋管を含有するコ
ロニーがわずかな生存物中に生成する(Constantides,
P.G.ら(1977) Nature 261:364; Taylor, S.M. および J
ones, P.A. (1979) Cell17:771; Jones, P.A. および T
aylor, J.M.(1980) Cell 20:85)。未融合の筋芽細胞を
単離し,安定に増殖させ,そして誘発することにより,
筋肉特異的遺伝子が活性化されている筋管(例えば,ミ
オシンH鎖,ミオシンL鎖(lemb,1,2,3),
α−アクチン,α,β−トロポマイシン,ならびにトロ
ポミンCおよびT)に分化する(Konieczny および Eme
rson (1984) Cell 38:791-800)。
(5−アザシチジン)に応答するマウスC3H10T1
細胞の異常な特性を利用して,筋肉細胞系統を確立する
のに関与する遺伝子の単離について,著しい進歩があっ
た。この薬剤で処理した後,多核性の筋管を含有するコ
ロニーがわずかな生存物中に生成する(Constantides,
P.G.ら(1977) Nature 261:364; Taylor, S.M. および J
ones, P.A. (1979) Cell17:771; Jones, P.A. および T
aylor, J.M.(1980) Cell 20:85)。未融合の筋芽細胞を
単離し,安定に増殖させ,そして誘発することにより,
筋肉特異的遺伝子が活性化されている筋管(例えば,ミ
オシンH鎖,ミオシンL鎖(lemb,1,2,3),
α−アクチン,α,β−トロポマイシン,ならびにトロ
ポミンCおよびT)に分化する(Konieczny および Eme
rson (1984) Cell 38:791-800)。
【0007】これらの観察結果は単純な「マスター遺伝
子」の仮説(Emerson らの前記文献中のKonieczny, S.
F. らの論文を参照)を示唆している。この仮説は,シ
トシン残基が少しメチル化されている遺伝子は通常,活
発に転写されるのに対し,多くメチル化されている遺伝
子は転写については不活性であるという事実に一部基づ
いている。このモデルによると,単一遺伝子(例えば,
筋原性決定遺伝子)は,脱メチル化反応で活性化され,
10T1/2細胞を,筋管に分化できる増殖性筋芽細胞
に転換する。筋芽細胞(ウズラおよびマウス)由来であ
って,非筋肉細胞由来ではないDNAを,トランスフェ
クションにより,10T1/2細胞に導入した場合に,
これらの10T1/2細胞を筋芽細胞に転換できること
が示されたので,このモデルが確認された(Emerson ら
の前記文献中のKonieczny, S.F.らの論文; Lassar, A.
B.ら(1986) Cell 47:649-656)。また,非メチル化ヒト
DNAにより,10T1/2細胞を筋原性系統に誘導す
ることができた(Pinney, D.F.ら(1988) Cell 53:78
1)。広く分布している(鳥からヒトにわたる)種に由
来のDNAがトランスフェクション分析において同様に
機能したならば,遺伝子機能が顕著に保存されていたこ
とになる。
子」の仮説(Emerson らの前記文献中のKonieczny, S.
F. らの論文を参照)を示唆している。この仮説は,シ
トシン残基が少しメチル化されている遺伝子は通常,活
発に転写されるのに対し,多くメチル化されている遺伝
子は転写については不活性であるという事実に一部基づ
いている。このモデルによると,単一遺伝子(例えば,
筋原性決定遺伝子)は,脱メチル化反応で活性化され,
10T1/2細胞を,筋管に分化できる増殖性筋芽細胞
に転換する。筋芽細胞(ウズラおよびマウス)由来であ
って,非筋肉細胞由来ではないDNAを,トランスフェ
クションにより,10T1/2細胞に導入した場合に,
これらの10T1/2細胞を筋芽細胞に転換できること
が示されたので,このモデルが確認された(Emerson ら
の前記文献中のKonieczny, S.F.らの論文; Lassar, A.
B.ら(1986) Cell 47:649-656)。また,非メチル化ヒト
DNAにより,10T1/2細胞を筋原性系統に誘導す
ることができた(Pinney, D.F.ら(1988) Cell 53:78
1)。広く分布している(鳥からヒトにわたる)種に由
来のDNAがトランスフェクション分析において同様に
機能したならば,遺伝子機能が顕著に保存されていたこ
とになる。
【0008】(myoD遺伝子系統群)分析法として,
DNAによる10T1/2細胞のトランスフェクション
を用いて,myoD(Davis, R.L.ら(1987)Cell 51:98
7)およびmyd(Pinney, D.F.ら,1988)と名づけら
れた2つの異なる遺伝子が,まず同定された。これらの
遺伝子は,10T1/2細胞を,筋管を形成できる筋芽
細胞に転換する。myoD1に対するcDNAは,10
T1/2筋芽細胞由来の差し引かれたcDNAライブラ
リーからクローン化され,その配列が決定されている
(Davis ら,1987)。その筋原性活性は,レトロウイル
スのプロモーターを用いてキメラ遺伝子として分析され
た。mydはまだクローン化されていない。サザンブロ
ットにおけるハイブリダイゼーション基準によれば,m
yoDおよびmydには互いに関連性がない(Pinney
ら,1988)。生化学の研究により,myoDが30〜6
0分間の半減期で転換する核リンタンパクであることが
示されている(Tapscott, S.J.ら(1988) Science, 242:
405)。その転写物も不安定である(Thayer, M.J.ら(19
89)Cell 58:241)。
DNAによる10T1/2細胞のトランスフェクション
を用いて,myoD(Davis, R.L.ら(1987)Cell 51:98
7)およびmyd(Pinney, D.F.ら,1988)と名づけら
れた2つの異なる遺伝子が,まず同定された。これらの
遺伝子は,10T1/2細胞を,筋管を形成できる筋芽
細胞に転換する。myoD1に対するcDNAは,10
T1/2筋芽細胞由来の差し引かれたcDNAライブラ
リーからクローン化され,その配列が決定されている
(Davis ら,1987)。その筋原性活性は,レトロウイル
スのプロモーターを用いてキメラ遺伝子として分析され
た。mydはまだクローン化されていない。サザンブロ
ットにおけるハイブリダイゼーション基準によれば,m
yoDおよびmydには互いに関連性がない(Pinney
ら,1988)。生化学の研究により,myoDが30〜6
0分間の半減期で転換する核リンタンパクであることが
示されている(Tapscott, S.J.ら(1988) Science, 242:
405)。その転写物も不安定である(Thayer, M.J.ら(19
89)Cell 58:241)。
【0009】
【発明の要旨】筋形成の制御に関与する新規な遺伝子
(本願では,その発現産物であるウシ筋原性因子(bm
yf)に対して名付られている)がcDNAとして単離
され,特性が決定された。
(本願では,その発現産物であるウシ筋原性因子(bm
yf)に対して名付られている)がcDNAとして単離
され,特性が決定された。
【0010】bmyf cDNAは,予想外のことであ
るが,myoDに対して相同的な配列のスクリーニング
で単離された。本発明は,bmyfコード配列,bmy
fcDNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子の
プロモーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに
対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,
bmyfプロモーターと,bmyfが生体内で調節され
るように調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構
成体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件
下でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する
ものである。bmyfをコードするcDNAは,当該技
術分野で認められている様々な発現系において,bmy
fタンパクを大量に合成するのに有用である。また,こ
のcDNAは,筋肉の維持を向上させる構成体,または
体重増加および食肉の生産効率を増大させる遺伝子修飾
に有用である。例えば,上記のキメラ遺伝子構成体を有
するトランスフェクトされた細胞系は,筋形成に影響を
与え得る化合物をスクリーニングするのに使用できる。
bmyfゲノム遺伝子も同様に有用であるが,特に遺伝
子置換および遺伝子治療の用途に有用である。bmyf
プロモーターは他の筋形成遺伝子と接触して活性化され
るかまたは抑制されるのが望ましいレポーター遺伝子の
レギュレーターとして特に有用である。また,このプロ
モーターは,筋形成の潜在的レギュレーターとして化合
物の効果を測定する分析系用として有用である。治療剤
または筋肉発達のレギュレーターとして,筋形成に影響
を与える化合物のスクリーニングは,このbmyfプロ
モーターと適切なレポーター遺伝子とを結合した構成体
を用いて行うことができる。これらの構成体は,DNA
形質転換により,各種の細胞系内に導入することができ
る。形質転換された細胞は,bmyfタンパクまたはb
myfプロモーターの活性に影響を与える化合物をスク
リーニングするためのモデルである。bmyfタンパク
自体は薬理学的薬剤としての働きがあるが,類似の効果
を有するより小さな分子の生成のためのモデルとしての
用途の方が可能性が高い。また,bmyfタンパクは,
bmyfに対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を製造および選択するための抗原として有用で
ある。抗体自体は,正常状態および病的な状態における
細胞中のbmyfを分析する診断手段として有用であ
る。bmyfプロモーターまたはタンパクに対する各種
薬剤による処理の影響は,bmyfに対する抗体により
モニターすることができる。様々なbmyf抗決定基に
対するモノクローナル抗体は,bmyfタンパクの機能
ドメインの地図を作製するのに有用である。bmyfプ
ロモーターと異種コード配列とのキメラ遺伝子構成体
は,トランスフェクトされた細胞系のみならず,正常状
態および病的状態のbmyf発現に対する各種化合物の
影響を測定するための試験系を提供する。外因性プロモ
ーターおよびbmyfのコード配列(cDNAまたはゲ
ノム配列)とのキメラ遺伝子構成体は,異常な発現が特
徴である遺伝的症状が見られる場合の治療的な置換に有
用であるか,あるいは例えば飼料添加剤のような外部刺
激剤の制御下で,より高い発現レベルを提供して食肉の
生産を増大するのに有用である。上記のことは,本発明
の生産物が用いられるべき用途を例示するものであっ
て,すべての用途を列挙したものではない。
るが,myoDに対して相同的な配列のスクリーニング
で単離された。本発明は,bmyfコード配列,bmy
fcDNA,bmyfゲノムDNA,bmyf遺伝子の
プロモーター,bmyfタンパク,bmyfタンパクに
対するポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体,
bmyfプロモーターと,bmyfが生体内で調節され
るように調節されるべき異種遺伝子とのキメラ遺伝子構
成体,およびbmyfを正常に誘発する条件以外の条件
下でbmyfを発現するbmyfコード領域を提供する
ものである。bmyfをコードするcDNAは,当該技
術分野で認められている様々な発現系において,bmy
fタンパクを大量に合成するのに有用である。また,こ
のcDNAは,筋肉の維持を向上させる構成体,または
体重増加および食肉の生産効率を増大させる遺伝子修飾
に有用である。例えば,上記のキメラ遺伝子構成体を有
するトランスフェクトされた細胞系は,筋形成に影響を
与え得る化合物をスクリーニングするのに使用できる。
bmyfゲノム遺伝子も同様に有用であるが,特に遺伝
子置換および遺伝子治療の用途に有用である。bmyf
プロモーターは他の筋形成遺伝子と接触して活性化され
るかまたは抑制されるのが望ましいレポーター遺伝子の
レギュレーターとして特に有用である。また,このプロ
モーターは,筋形成の潜在的レギュレーターとして化合
物の効果を測定する分析系用として有用である。治療剤
または筋肉発達のレギュレーターとして,筋形成に影響
を与える化合物のスクリーニングは,このbmyfプロ
モーターと適切なレポーター遺伝子とを結合した構成体
を用いて行うことができる。これらの構成体は,DNA
形質転換により,各種の細胞系内に導入することができ
る。形質転換された細胞は,bmyfタンパクまたはb
myfプロモーターの活性に影響を与える化合物をスク
リーニングするためのモデルである。bmyfタンパク
自体は薬理学的薬剤としての働きがあるが,類似の効果
を有するより小さな分子の生成のためのモデルとしての
用途の方が可能性が高い。また,bmyfタンパクは,
bmyfに対するポリクローナル抗体およびモノクロー
ナル抗体を製造および選択するための抗原として有用で
ある。抗体自体は,正常状態および病的な状態における
細胞中のbmyfを分析する診断手段として有用であ
る。bmyfプロモーターまたはタンパクに対する各種
薬剤による処理の影響は,bmyfに対する抗体により
モニターすることができる。様々なbmyf抗決定基に
対するモノクローナル抗体は,bmyfタンパクの機能
ドメインの地図を作製するのに有用である。bmyfプ
ロモーターと異種コード配列とのキメラ遺伝子構成体
は,トランスフェクトされた細胞系のみならず,正常状
態および病的状態のbmyf発現に対する各種化合物の
影響を測定するための試験系を提供する。外因性プロモ
ーターおよびbmyfのコード配列(cDNAまたはゲ
ノム配列)とのキメラ遺伝子構成体は,異常な発現が特
徴である遺伝的症状が見られる場合の治療的な置換に有
用であるか,あるいは例えば飼料添加剤のような外部刺
激剤の制御下で,より高い発現レベルを提供して食肉の
生産を増大するのに有用である。上記のことは,本発明
の生産物が用いられるべき用途を例示するものであっ
て,すべての用途を列挙したものではない。
【0011】当業者は,当該技術分野で周知の確立され
かつ特徴が明らかにされている方法を,bmyf cD
NAの利用可能性および特性決定に基づいて,本発明の
各種生産物を単離し,特性を決定するのに利用できる。
例えば,bmyf cDNAは,ウシゲノムライブラリ
ーからゲノムbmyf DNAを単離するためのプロー
ブとして役立つ。bmyf cDNAを発現させて,細
菌trpE遺伝子タンパクに対する融合タンパクを含む
bmyfタンパクを生産する多くの発現系またはバキュ
ロウイルス真核発現系が,当該技術分野で知られてい
る。bmyfゲノムクローンを単離すれば,bmyf遺
伝子のプロモーターを含む,bmyf遺伝子の転写を制
御する要素を同定することができる。周知の方法で配列
を決定した後,このプロモーターを用い,異種コード配
列と結合させてキメラを構築することができる。開示さ
れたcDNAコード配列によって,当業者は,レトロウ
イルスまたは筋肉特異的遺伝子のプロモーターのような
外因性または異種のプロモーターがbmyfコード配列
の発現を制御するキメラ遺伝子を構築することもでき
る。全bmyfタンパク,またはペプチド合成法によっ
て提供される様々なサブ領域を,抗原として用いれば,
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を製造す
る周知の方法を利用できる。しがたって,本願に開示さ
れているデータ,情報,および教示内容を与えられた当
業者は,本発明の様々な生産物を容易に利用できる。ま
た,bmyfプロモーターまたはポリペプチドの活性を
増減させるか,あるいはbmyfポリペプチドまたはm
RNAの安定性を増減させる周知の技術を用いて,保存
的なヌクレオチド配列の変化(修飾アミノ酸配列を与え
ない変化)を,DNA配列に導入することができる。
かつ特徴が明らかにされている方法を,bmyf cD
NAの利用可能性および特性決定に基づいて,本発明の
各種生産物を単離し,特性を決定するのに利用できる。
例えば,bmyf cDNAは,ウシゲノムライブラリ
ーからゲノムbmyf DNAを単離するためのプロー
ブとして役立つ。bmyf cDNAを発現させて,細
菌trpE遺伝子タンパクに対する融合タンパクを含む
bmyfタンパクを生産する多くの発現系またはバキュ
ロウイルス真核発現系が,当該技術分野で知られてい
る。bmyfゲノムクローンを単離すれば,bmyf遺
伝子のプロモーターを含む,bmyf遺伝子の転写を制
御する要素を同定することができる。周知の方法で配列
を決定した後,このプロモーターを用い,異種コード配
列と結合させてキメラを構築することができる。開示さ
れたcDNAコード配列によって,当業者は,レトロウ
イルスまたは筋肉特異的遺伝子のプロモーターのような
外因性または異種のプロモーターがbmyfコード配列
の発現を制御するキメラ遺伝子を構築することもでき
る。全bmyfタンパク,またはペプチド合成法によっ
て提供される様々なサブ領域を,抗原として用いれば,
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を製造す
る周知の方法を利用できる。しがたって,本願に開示さ
れているデータ,情報,および教示内容を与えられた当
業者は,本発明の様々な生産物を容易に利用できる。ま
た,bmyfプロモーターまたはポリペプチドの活性を
増減させるか,あるいはbmyfポリペプチドまたはm
RNAの安定性を増減させる周知の技術を用いて,保存
的なヌクレオチド配列の変化(修飾アミノ酸配列を与え
ない変化)を,DNA配列に導入することができる。
【0012】本発明はbmyfタンパクまたはbmyf
活性タンパクをコードするヌクレオチド配列を含むクロ
ーン化DNA(例えば,cDNA,ゲノムDNA)を提
供する。また,本発明はbmyf遺伝子のプロモーター
を含むDNAを提供する。さらに,本発明は,このよう
なクローン化DNAまたはDNAで形質転換された培養
細胞,bmyf活性タンパクのアミノ酸配列を含むアミ
ノ酸配列を有する精製タンパク,bmyfタンパクに特
異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体,
およびこれらのポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体を含むタンパク様組成物を提供する。
活性タンパクをコードするヌクレオチド配列を含むクロ
ーン化DNA(例えば,cDNA,ゲノムDNA)を提
供する。また,本発明はbmyf遺伝子のプロモーター
を含むDNAを提供する。さらに,本発明は,このよう
なクローン化DNAまたはDNAで形質転換された培養
細胞,bmyf活性タンパクのアミノ酸配列を含むアミ
ノ酸配列を有する精製タンパク,bmyfタンパクに特
異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体,
およびこれらのポリクローナル抗体またはモノクローナ
ル抗体を含むタンパク様組成物を提供する。
【0013】
【発明の構成】一般に,本願で用いられる用語は,分子
生物学,遺伝学,およびクローニングの分野における当
業者が理解できる標準的な用語である。より明確にする
ために,いくつかの用語をさらに定義する。上記分野の
科学雑誌(Nature, Cell, Proceedings of the Nationa
l Academy of Science USA, Scienceなど)で承認され
ている標準的な略語が用いられている。
生物学,遺伝学,およびクローニングの分野における当
業者が理解できる標準的な用語である。より明確にする
ために,いくつかの用語をさらに定義する。上記分野の
科学雑誌(Nature, Cell, Proceedings of the Nationa
l Academy of Science USA, Scienceなど)で承認され
ている標準的な略語が用いられている。
【0014】筋形成という用語は,非筋肉の幹細胞が筋
肉細胞に転換される細胞分化の多段階プロセスに用いる
用語である。筋形成は,筋芽細胞の生成,筋肉特異的な
遺伝子のmRNAまたはタンパク(ミオシンのH鎖およ
びL鎖,αアクチン,αトロポミオシンおよびβトロポ
ミオシン,ならびにトロポニンCおよびトロポニンT)
への発現,筋管の形成,融合細胞の生成,および筋肉特
異的プロモーターの活性かような,いくつかの基準のい
ずれかによって認識される。筋形成の早期段階に対して
現在実施されている分析方法には,公に入手し得る胚体
マウスの繊維芽細胞系C3H10T1/2が用いられて
いる。C3H10T1/2細胞は,MyoDのような発
現可能な筋形成遺伝子でトランスフェクトするか,ある
いは5−アザシチシンで処理することにより,筋原性転
換を受ける。本発明では,pEMSV−bmyfのよう
な発現ベクター中のbmyf cDNAによるC3H1
0T1/2細胞の一過的なトランスフェクションによ
り,C3H10T1/2細胞における筋原性応答が引き
出されることを示す。
肉細胞に転換される細胞分化の多段階プロセスに用いる
用語である。筋形成は,筋芽細胞の生成,筋肉特異的な
遺伝子のmRNAまたはタンパク(ミオシンのH鎖およ
びL鎖,αアクチン,αトロポミオシンおよびβトロポ
ミオシン,ならびにトロポニンCおよびトロポニンT)
への発現,筋管の形成,融合細胞の生成,および筋肉特
異的プロモーターの活性かような,いくつかの基準のい
ずれかによって認識される。筋形成の早期段階に対して
現在実施されている分析方法には,公に入手し得る胚体
マウスの繊維芽細胞系C3H10T1/2が用いられて
いる。C3H10T1/2細胞は,MyoDのような発
現可能な筋形成遺伝子でトランスフェクトするか,ある
いは5−アザシチシンで処理することにより,筋原性転
換を受ける。本発明では,pEMSV−bmyfのよう
な発現ベクター中のbmyf cDNAによるC3H1
0T1/2細胞の一過的なトランスフェクションによ
り,C3H10T1/2細胞における筋原性応答が引き
出されることを示す。
【0015】プロモーターという用語は,遺伝子の転写
を制御する機能を有する遺伝子領域を示すために用いら
れる。プロモーターは,典型的には,コード領域の5’
末端(コードされたタンパクのアミノ末端部分をコード
する領域)の近くに位置している。当該技術分野で知ら
れているように,プロモーターの位置は,ゲノムDNA
の配列分析と,他の承認されている方法(S1マッピン
グ法,DNAseIフットプリンティング法,ゲル遅延
分析法,ならびにプロモーターおよびレポーター遺伝子
による一過的なトランスフェクション法)とから推定さ
れ得る。プロモーターは,その大きさが変化し,1つよ
り多くの調節機能(例えば,インデューサー,リプレッ
サー,およびアクチベーターに対する応答ならびに組織
特異性などを伴う調節機能)を有する配列を包含する。
を制御する機能を有する遺伝子領域を示すために用いら
れる。プロモーターは,典型的には,コード領域の5’
末端(コードされたタンパクのアミノ末端部分をコード
する領域)の近くに位置している。当該技術分野で知ら
れているように,プロモーターの位置は,ゲノムDNA
の配列分析と,他の承認されている方法(S1マッピン
グ法,DNAseIフットプリンティング法,ゲル遅延
分析法,ならびにプロモーターおよびレポーター遺伝子
による一過的なトランスフェクション法)とから推定さ
れ得る。プロモーターは,その大きさが変化し,1つよ
り多くの調節機能(例えば,インデューサー,リプレッ
サー,およびアクチベーターに対する応答ならびに組織
特異性などを伴う調節機能)を有する配列を包含する。
【0016】bmyf活性プロモーターは,bmyfプ
ロモーター配列のヌクレオチド配列の変種であり,bm
yfプロモーター配列に対して少なくとも80%の相同
性を有し,かつbmyfプロモーターと実質的に同じ機
能を有する。bmyfプロモーターは,bmyf遺伝子
の転写を制御し,RNAポリメラーゼ結合部位と,bm
yf遺伝子の転写を活性化および/または抑制する調節
領域とを含んでいる。調節領域は,構造遺伝子の5’側
に,構造遺伝子(イントロンを含む)内に,および/ま
たは構造遺伝子の3’側に位置していてもよい。以下の
実施例で考察するように,プロモーターの調節領域およ
びその機能は,当該技術分野で周知の方法により同定す
ることができる。
ロモーター配列のヌクレオチド配列の変種であり,bm
yfプロモーター配列に対して少なくとも80%の相同
性を有し,かつbmyfプロモーターと実質的に同じ機
能を有する。bmyfプロモーターは,bmyf遺伝子
の転写を制御し,RNAポリメラーゼ結合部位と,bm
yf遺伝子の転写を活性化および/または抑制する調節
領域とを含んでいる。調節領域は,構造遺伝子の5’側
に,構造遺伝子(イントロンを含む)内に,および/ま
たは構造遺伝子の3’側に位置していてもよい。以下の
実施例で考察するように,プロモーターの調節領域およ
びその機能は,当該技術分野で周知の方法により同定す
ることができる。
【0017】コード領域という用語は,タンパクをコー
ドする遺伝子の一部を示すために用いられる。cDNA
において,単一のポリペプチド鎖は,連続した中断され
ていないコード領域によってコードされている。ゲノム
DNA(例えば,遺伝子自体)において,そのコード領
域は,通常,1つまたはそれ以上のイントロンで中断さ
れている。これらのイントロンは,遺伝子中に存在する
非コード介在配列であるが,mRNAには存在しない。
プロモーターがコード領域によってコードされているタ
ンパクの発現を制御する場合,コード領域は,このプロ
モーターの制御下にある。
ドする遺伝子の一部を示すために用いられる。cDNA
において,単一のポリペプチド鎖は,連続した中断され
ていないコード領域によってコードされている。ゲノム
DNA(例えば,遺伝子自体)において,そのコード領
域は,通常,1つまたはそれ以上のイントロンで中断さ
れている。これらのイントロンは,遺伝子中に存在する
非コード介在配列であるが,mRNAには存在しない。
プロモーターがコード領域によってコードされているタ
ンパクの発現を制御する場合,コード領域は,このプロ
モーターの制御下にある。
【0018】ゲノムDNAは,生物の染色体DNAから
直接クローン化されるDNAである。bmyf遺伝子
は,生物の染色体DNAからクローン化されたゲノムD
NA中に含まれている。このように,ゲノムDNAは,
転写前に,生物の染色体中にある遺伝子の構造を示す。
直接クローン化されるDNAである。bmyf遺伝子
は,生物の染色体DNAからクローン化されたゲノムD
NA中に含まれている。このように,ゲノムDNAは,
転写前に,生物の染色体中にある遺伝子の構造を示す。
【0019】発現という用語は,細胞もしくは生物中に
おける遺伝子の存在が検出可能に現れることを意味す
る。発現は,遺伝子に起因する表現型が観察されるとき
はいつでも発生する。さらに直接的に述べると,遺伝子
の発現は,mRNAへの転写またはmRNAのタンパク
への翻訳による遺伝子産物の合成である。
おける遺伝子の存在が検出可能に現れることを意味す
る。発現は,遺伝子に起因する表現型が観察されるとき
はいつでも発生する。さらに直接的に述べると,遺伝子
の発現は,mRNAへの転写またはmRNAのタンパク
への翻訳による遺伝子産物の合成である。
【0020】キメラ遺伝子という用語は,異なる起源か
ら得られる機能的な遺伝子要素を結合させて構築される
人造遺伝子を示すために使用される。例えば,bmyf
プロモーターと他の遺伝子のコード領域とを結合させる
ことによってキメラ遺伝子を構築することができる。こ
のようなコード領域は,天然に存在する細胞中のbmy
fプロモーターによって調節されることはないので,異
種コード領域と呼ばれる。異種コード領域が,発現され
ることにより,容易に検出可能な産物を提供する場合
は,そのキメラ遺伝子は,実験条件下でプロモーターの
活性を測定するためのレポーター遺伝子として使用され
る。キメラ遺伝子の他の例は,外因性または異種のプロ
モーターとbmyfコード領域とを結合させることによ
って構築される遺伝子である。外因性プロモーターは,
天然に存在する細胞中で,bmyf遺伝子を調節しない
プロモーターである。
ら得られる機能的な遺伝子要素を結合させて構築される
人造遺伝子を示すために使用される。例えば,bmyf
プロモーターと他の遺伝子のコード領域とを結合させる
ことによってキメラ遺伝子を構築することができる。こ
のようなコード領域は,天然に存在する細胞中のbmy
fプロモーターによって調節されることはないので,異
種コード領域と呼ばれる。異種コード領域が,発現され
ることにより,容易に検出可能な産物を提供する場合
は,そのキメラ遺伝子は,実験条件下でプロモーターの
活性を測定するためのレポーター遺伝子として使用され
る。キメラ遺伝子の他の例は,外因性または異種のプロ
モーターとbmyfコード領域とを結合させることによ
って構築される遺伝子である。外因性プロモーターは,
天然に存在する細胞中で,bmyf遺伝子を調節しない
プロモーターである。
【0021】bmyfタンパクはbmyf遺伝子の発現
産物である。bmyfタンパクの推定アミノ酸配列は配
列番号3で示される。
産物である。bmyfタンパクの推定アミノ酸配列は配
列番号3で示される。
【0022】bmyf活性タンパクは,bmyfタンパ
クに対して少なくとも約80%の配列同一性を有し,か
つ実質的に同じ活性を有するbmyfタンパクのアミノ
酸配列変種である。したがって,bmyfタンパクは,
哺乳動物細胞内で筋形成を制御する基本的な役割を担っ
た調節タンパクとして機能することが知られている。さ
らに研究すれば,その機能がより定量的に確認され,そ
の活性の分子機構が明らかになる。実質的に同じ活性を
有する多くのアミノ酸配列変種が可能であることが理解
される。このような変種には,このタンパクの非重要領
域における置換および欠失のみならず,保存的なアミノ
酸置換が含まれるが,これらには限定されない。このよ
うな変種は,bmyfタンパクそれ自体と実質的に同じ
活性を有する限り(筋形成の他のタンパクとは区別する
ことができて定量的に類似している),bmyf活性タ
ンパクと呼ばれ,本発明の範囲内に含まれる。
クに対して少なくとも約80%の配列同一性を有し,か
つ実質的に同じ活性を有するbmyfタンパクのアミノ
酸配列変種である。したがって,bmyfタンパクは,
哺乳動物細胞内で筋形成を制御する基本的な役割を担っ
た調節タンパクとして機能することが知られている。さ
らに研究すれば,その機能がより定量的に確認され,そ
の活性の分子機構が明らかになる。実質的に同じ活性を
有する多くのアミノ酸配列変種が可能であることが理解
される。このような変種には,このタンパクの非重要領
域における置換および欠失のみならず,保存的なアミノ
酸置換が含まれるが,これらには限定されない。このよ
うな変種は,bmyfタンパクそれ自体と実質的に同じ
活性を有する限り(筋形成の他のタンパクとは区別する
ことができて定量的に類似している),bmyf活性タ
ンパクと呼ばれ,本発明の範囲内に含まれる。
【0023】ここで用いられる方法は,具体的に引用さ
れるか,あるいは充分に周知であり,方法を集めたいく
つかの刊行物の中から入手できる。その刊行物として
は,例えば,Maniatisら,Molecular Cloning, a Labor
atory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor, New York (1982); Genetic Engineerin
g,Plenum Press, Ner York (1979); Weir 編(1989),
4巻のうち,Handbook ofExperimental Immunology, 第
4版,Blackwell Scientific Publications, Oxford;
および多くの巻からなる Methods in Enzymology, Acad
emic Press Press,New Yorkがある。
れるか,あるいは充分に周知であり,方法を集めたいく
つかの刊行物の中から入手できる。その刊行物として
は,例えば,Maniatisら,Molecular Cloning, a Labor
atory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold
Spring Harbor, New York (1982); Genetic Engineerin
g,Plenum Press, Ner York (1979); Weir 編(1989),
4巻のうち,Handbook ofExperimental Immunology, 第
4版,Blackwell Scientific Publications, Oxford;
および多くの巻からなる Methods in Enzymology, Acad
emic Press Press,New Yorkがある。
【0024】種々の細胞系およびプラスミドベクターが
開示されている。すべて,公に入手できる。bmyf
cDNAまたはbmyf遺伝子の起源として役立つ細胞
または組織は容易に入手できる。クローン化転移および
発現に用いられるプラスミド,クローン化ビークル,お
よび細胞は,操作を簡便にするために選択された。関連
技術分野の当業者に知られている基準および特性にした
がって,所望の特性に注意しながら,いずれの段階でも
代替物を使用できる。
開示されている。すべて,公に入手できる。bmyf
cDNAまたはbmyf遺伝子の起源として役立つ細胞
または組織は容易に入手できる。クローン化転移および
発現に用いられるプラスミド,クローン化ビークル,お
よび細胞は,操作を簡便にするために選択された。関連
技術分野の当業者に知られている基準および特性にした
がって,所望の特性に注意しながら,いずれの段階でも
代替物を使用できる。
【0025】以下に,本発明の実施例について説明す
る。これらの実施例では,本発明のbmyf cDNA
および他の生産物のクローン化および特性決定につい
て,詳しく述べる。
る。これらの実施例では,本発明のbmyf cDNA
および他の生産物のクローン化および特性決定につい
て,詳しく述べる。
【0026】実施例1 cDNAライブラリーの構築および
スクリーニング サイトカラシンによる選択を省略したこと以外は,Gosp
odarowicz ら(1976) J. Cell. Biol. 70:395-405に記載
されているように,ウシ筋原細胞を胎児大腿筋から単離
した。細胞を,4Mグアニジンチオシアネート,0.5 %(v
/v) Sarkosyl,0.025M EDTA,および0.1M β−メルカプ
トエタノールにより溶解した。Chirgwinら(1979) Bioch
emistry 18:5294-5299;Freemanら (1983) Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 80:4094-4098 に記載されているように,Cs
Clの沈降により,RNA を単離した。RNA ペレットを,10
mM Tris・HCl(pH7.6),1mM EDTA, 5 %(v/v) Sarkosyl,
および5 %(v/v) フェノールに溶解し,次にフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(50:49:1)で
抽出した。エタノール沈澱後,RNAを脱イオン水に溶解
し,−70℃で保存した。オリゴ(dT)−セルロースを用い
たクロマトグラフィーにより,ポリA+ RNA を単離し,
AMV 逆転写酵素およびプライマーとしてのオリゴ(dT)と
共に,第一鎖cDNAを合成するために用いた(Berger およ
びKimmerl (1987)Meth. Enzymol. 152) 。第2鎖の合成
は,RNase H 保存下で,DNA ポリメラーゼIを用いて行
った(Gubler (1987)Meth. Enzymol. 152:330-335)。CL
-4B セファロースを用いたクロマトグラフィーにより,
長さが平均500bp 以上のcDNAを単離し,メチル化し,Ec
oRI リンカーに平滑末端で連結した。リンカーに結合さ
せたcDNAを,EcoRI で切断し,大きさにより分画し,λ
gt10のEcoRI部位にクローン化した。市販の抽出物(Pack
ageneRTM system;Promega, Medison,WI) を用いて,組
換えファージDNA をパッケージングした後,ライブラリ
ーを増幅した。
スクリーニング サイトカラシンによる選択を省略したこと以外は,Gosp
odarowicz ら(1976) J. Cell. Biol. 70:395-405に記載
されているように,ウシ筋原細胞を胎児大腿筋から単離
した。細胞を,4Mグアニジンチオシアネート,0.5 %(v
/v) Sarkosyl,0.025M EDTA,および0.1M β−メルカプ
トエタノールにより溶解した。Chirgwinら(1979) Bioch
emistry 18:5294-5299;Freemanら (1983) Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 80:4094-4098 に記載されているように,Cs
Clの沈降により,RNA を単離した。RNA ペレットを,10
mM Tris・HCl(pH7.6),1mM EDTA, 5 %(v/v) Sarkosyl,
および5 %(v/v) フェノールに溶解し,次にフェノー
ル:クロロホルム:イソアミルアルコール(50:49:1)で
抽出した。エタノール沈澱後,RNAを脱イオン水に溶解
し,−70℃で保存した。オリゴ(dT)−セルロースを用い
たクロマトグラフィーにより,ポリA+ RNA を単離し,
AMV 逆転写酵素およびプライマーとしてのオリゴ(dT)と
共に,第一鎖cDNAを合成するために用いた(Berger およ
びKimmerl (1987)Meth. Enzymol. 152) 。第2鎖の合成
は,RNase H 保存下で,DNA ポリメラーゼIを用いて行
った(Gubler (1987)Meth. Enzymol. 152:330-335)。CL
-4B セファロースを用いたクロマトグラフィーにより,
長さが平均500bp 以上のcDNAを単離し,メチル化し,Ec
oRI リンカーに平滑末端で連結した。リンカーに結合さ
せたcDNAを,EcoRI で切断し,大きさにより分画し,λ
gt10のEcoRI部位にクローン化した。市販の抽出物(Pack
ageneRTM system;Promega, Medison,WI) を用いて,組
換えファージDNA をパッケージングした後,ライブラリ
ーを増幅した。
【0027】約3×104 の組換え体を含むファージライ
ブラリーを,テンプレートとしてpVZC11b プラスミドDN
A を用いたポリメラーゼ鎖反応(PCR) により増幅され
た,マウスMyoD1 cDNAの32P 標識274bp 断片を用いて,
徹底的にスクリーニングした(Sakaiら(1985)Science 23
0:1350-1354;MullisおよびFaloona(1987)Meth,Enzymol,
155:335-350)。センスcDNA鎖およびアンチセンスcDNA鎖
のそれぞれnt339および612 から始まる一対の縮重した1
8mer プライマーを合成し,この274bp断片の増幅に用い
た。この断片は,MyoD1 のcys/his 領域,基本領域およ
びmyc相同領域に拡がっており,無作為なオリゴヌクレ
オチドプライミング(FeinbergおよびVogelstein(1983)A
nal.Biochem. 132:6-13) を用いて,32P-(α)dATPによ
り高い比活性(10cpm/μg以上) に標識された。ライブ
ラリーをスクリーニングするために,標準的な手法(Car
lock (1986) Focus 8:6-8)を用いて,プラークをナイロ
ンフィルター(Micron Separations,Inc)に結合させた。
これらのフィルターを,70℃にて60〜90分間加熱し,6
×SSC (0.9M NaCl, 0.09Mクエン酸ナトリウム, pH7.0),
0.05%(w/v)SDS, 0.25%(w/v) Blotto, 1×デンハー
ト溶液(0.02%(w/v) Ficoll, 0.02%(w/v) ポリビニル
ピロロリドン,0.02%(w/v) BSA), 0.05%(w/v)ピ
ロリン酸ナトリウム,および5mg/ml変性サケ精子DN
Aで,50℃にて6〜12時間プレハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーションは,6×SSC, 0.5%(w/v)SDS,
および0.05%(w/v) ピロリン酸ナトリウムを含有する緩
衝液中で,10 cpm/mlの変性プローブを用いて,50℃に
て24時間行った。次に,フィルターを,2×SSC,0.1%
(w/v) SDS中で室温にて2回,1×SSC,0.1 %(w/v) SD
S中で54℃にて,1回,そして0.5×SSC,0.1%(w/v) SD
S中で54℃にて1回,洗浄した。各洗浄は,15〜30分間
続けた。フィルターを,Kodak X-0MATフィルムに露光し
た後,陽性の組換え体を連続希釈により精製し,上記の
条件下で再度スクリーニングした(Carlockら,1986) 。
ブラリーを,テンプレートとしてpVZC11b プラスミドDN
A を用いたポリメラーゼ鎖反応(PCR) により増幅され
た,マウスMyoD1 cDNAの32P 標識274bp 断片を用いて,
徹底的にスクリーニングした(Sakaiら(1985)Science 23
0:1350-1354;MullisおよびFaloona(1987)Meth,Enzymol,
155:335-350)。センスcDNA鎖およびアンチセンスcDNA鎖
のそれぞれnt339および612 から始まる一対の縮重した1
8mer プライマーを合成し,この274bp断片の増幅に用い
た。この断片は,MyoD1 のcys/his 領域,基本領域およ
びmyc相同領域に拡がっており,無作為なオリゴヌクレ
オチドプライミング(FeinbergおよびVogelstein(1983)A
nal.Biochem. 132:6-13) を用いて,32P-(α)dATPによ
り高い比活性(10cpm/μg以上) に標識された。ライブ
ラリーをスクリーニングするために,標準的な手法(Car
lock (1986) Focus 8:6-8)を用いて,プラークをナイロ
ンフィルター(Micron Separations,Inc)に結合させた。
これらのフィルターを,70℃にて60〜90分間加熱し,6
×SSC (0.9M NaCl, 0.09Mクエン酸ナトリウム, pH7.0),
0.05%(w/v)SDS, 0.25%(w/v) Blotto, 1×デンハー
ト溶液(0.02%(w/v) Ficoll, 0.02%(w/v) ポリビニル
ピロロリドン,0.02%(w/v) BSA), 0.05%(w/v)ピ
ロリン酸ナトリウム,および5mg/ml変性サケ精子DN
Aで,50℃にて6〜12時間プレハイブリダイズさせた。
ハイブリダイゼーションは,6×SSC, 0.5%(w/v)SDS,
および0.05%(w/v) ピロリン酸ナトリウムを含有する緩
衝液中で,10 cpm/mlの変性プローブを用いて,50℃に
て24時間行った。次に,フィルターを,2×SSC,0.1%
(w/v) SDS中で室温にて2回,1×SSC,0.1 %(w/v) SD
S中で54℃にて,1回,そして0.5×SSC,0.1%(w/v) SD
S中で54℃にて1回,洗浄した。各洗浄は,15〜30分間
続けた。フィルターを,Kodak X-0MATフィルムに露光し
た後,陽性の組換え体を連続希釈により精製し,上記の
条件下で再度スクリーニングした(Carlockら,1986) 。
【0028】実施例2 cDNAクローンの特性決定 組換えファージDNAを,BamHIにより切断し,0.7%アガ
ロースゲル上で電気泳動させ,1M酢酸アンモニウムおよ
び0.02N NaOH (Rigaudら(1987) Nucl. Acids Res. 15:8
57) 中でBiotransナイロンフィルター(ICN Biomedicals
Inc, Costa Mesa, CA) に移した。フィルターをUVで照
射し,70℃で加熱し,上記のライブラリースクリーニン
グの場合と実質的に同様にして,274bpプローブにハイ
ブリダイズさせた。組換え挿入断片を,pGEMTM-3zf(-)
(Promega) のEcoRI部位にサブクローン化し,制限エン
ドヌクレアーゼ地図を作成した。種々のサブ断片がM13
中にサブクローン化され,Sangerら(1987)のジデオキシ
法により,両方の鎖の配列決定を行った。制限部位が,
特にbmyfの3'側非翻訳領域中に欠落している場合には,
配列決定を完全に行うために,17merを合成した。
ロースゲル上で電気泳動させ,1M酢酸アンモニウムおよ
び0.02N NaOH (Rigaudら(1987) Nucl. Acids Res. 15:8
57) 中でBiotransナイロンフィルター(ICN Biomedicals
Inc, Costa Mesa, CA) に移した。フィルターをUVで照
射し,70℃で加熱し,上記のライブラリースクリーニン
グの場合と実質的に同様にして,274bpプローブにハイ
ブリダイズさせた。組換え挿入断片を,pGEMTM-3zf(-)
(Promega) のEcoRI部位にサブクローン化し,制限エン
ドヌクレアーゼ地図を作成した。種々のサブ断片がM13
中にサブクローン化され,Sangerら(1987)のジデオキシ
法により,両方の鎖の配列決定を行った。制限部位が,
特にbmyfの3'側非翻訳領域中に欠落している場合には,
配列決定を完全に行うために,17merを合成した。
【0029】bmyf挿入断片の完全なヌクレオチド配列は
配列番号2で示されている。このヌクレオチド配列は,
1,889 塩基 (短いポリA部分を除く)を有し,ヌクレオ
チド69にある潜在的なATG開始部位から始まる765ヌクレ
オチドの長いオープンリーディングクレームを含む。推
定アミノ酸は,ヒトmyf-5 cDNAの最も長いオープンリー
ディングフレームに由来するタンパク (Braun ら (198
9) EMBOJ.8:701-709)と同じ大きさを有する,255アミノ
酸のタンパクをコードし得る。bmyfとヒトmyfとは,特
にそのコード領域に,広範囲にわたる相同領域を有す
る。アミノ酸レベルでは,96%,ヌクレオチド配列レベ
ルでは92%が同一である。両方のcDNAは,それぞれの潜
在的なATG開始コドンの上流に,短い部分 (bmyfでは68
ヌクレオチド,ヒトmyf-5では42ヌクレオチド) を含む。
これらの領域はまた,非常に関連性が高く,82%の配列
保存度を示す。最初のヌクレオチドがbmyf mRNA の実際
的な5'側転写開始部位であるかどうかは不明ではある
が,別々にクローン化された,より小さいウシcDNA (ク
ローン7)は,最初のヌクレオチドを含む同一の5'側配
列を有する。このことは,bmyfが実際,全長のcDNAであ
ることを示唆している。
配列番号2で示されている。このヌクレオチド配列は,
1,889 塩基 (短いポリA部分を除く)を有し,ヌクレオ
チド69にある潜在的なATG開始部位から始まる765ヌクレ
オチドの長いオープンリーディングクレームを含む。推
定アミノ酸は,ヒトmyf-5 cDNAの最も長いオープンリー
ディングフレームに由来するタンパク (Braun ら (198
9) EMBOJ.8:701-709)と同じ大きさを有する,255アミノ
酸のタンパクをコードし得る。bmyfとヒトmyfとは,特
にそのコード領域に,広範囲にわたる相同領域を有す
る。アミノ酸レベルでは,96%,ヌクレオチド配列レベ
ルでは92%が同一である。両方のcDNAは,それぞれの潜
在的なATG開始コドンの上流に,短い部分 (bmyfでは68
ヌクレオチド,ヒトmyf-5では42ヌクレオチド) を含む。
これらの領域はまた,非常に関連性が高く,82%の配列
保存度を示す。最初のヌクレオチドがbmyf mRNA の実際
的な5'側転写開始部位であるかどうかは不明ではある
が,別々にクローン化された,より小さいウシcDNA (ク
ローン7)は,最初のヌクレオチドを含む同一の5'側配
列を有する。このことは,bmyfが実際,全長のcDNAであ
ることを示唆している。
【0030】bmyfとヒトmyf-5との主な相違点は,bmyf
の方が数百ヌクレオチドだけ長い3'側非翻訳領域を有す
ることである。終止コドンから,ヒトmyf-5ではヌクレ
オチド1407にあり,bmyfではヌクレオチド1415にあるAA
TAAAポリアデニル化シグナルまでの部分については,2
つのcDNAは非常に関連性が高く,配列の81%が類似して
いる。ヒトmyf-5が,このポリアデニル化シグナルの短
い距離内で終結するのに対し,bmyfは, さらに475ヌク
レオチドだけ延びており,ヌクレオチド1872にある第2
のポリアデニル化シグナル付近で終結する。おそらく,
ヒトmyf-5 cDNAが上流の部位で終結する転写物に由来す
るのに対し,bmyfは下流の部位で終結する転写物に由来
すると考えられる。以下で述べるように, 胎児骨格筋由
来のRNAは,ヌクレオチド1415のAATAAA部位におけるア
デニル化により生ずると考えられる1.5kb bmyf転写物を
含んでいる。
の方が数百ヌクレオチドだけ長い3'側非翻訳領域を有す
ることである。終止コドンから,ヒトmyf-5ではヌクレ
オチド1407にあり,bmyfではヌクレオチド1415にあるAA
TAAAポリアデニル化シグナルまでの部分については,2
つのcDNAは非常に関連性が高く,配列の81%が類似して
いる。ヒトmyf-5が,このポリアデニル化シグナルの短
い距離内で終結するのに対し,bmyfは, さらに475ヌク
レオチドだけ延びており,ヌクレオチド1872にある第2
のポリアデニル化シグナル付近で終結する。おそらく,
ヒトmyf-5 cDNAが上流の部位で終結する転写物に由来す
るのに対し,bmyfは下流の部位で終結する転写物に由来
すると考えられる。以下で述べるように, 胎児骨格筋由
来のRNAは,ヌクレオチド1415のAATAAA部位におけるア
デニル化により生ずると考えられる1.5kb bmyf転写物を
含んでいる。
【0031】実施例3 ノーザンハイブリダイゼーショ
ン分析 20cmウシ胎児から種々の組織を摘出し,液体窒素で凍結
した。後肢および前肢から骨格筋を取った。RNAを調製
するために,凍結組織を,細かい粉末に粉砕し,5Mグア
ニンチオシアネート,10mM EDTA,50mMTris・HCl(pH7.
5),および8%(v/v) β−メルカプトエタノールに溶解
した。上述のように4M LtClを用いて,溶解産物から直
接, RNAを沈澱させた(Cathalaら(1983)DNA 2:329-33
5)。可溶化し,フェノールで抽出した後,RNAをエタノ
ールで沈澱させ,LiClペレットまたは水溶液として,−
70℃で保存した (Cathala ら,1983)。ポリA+ RNAを,
上述のように単離し,1.1%アガロースホルムアルデヒ
ド上で電気泳動にかけ,20×SSC中でBiotransナイロン
膜に移した。フィルターをUV照射し,70℃にて60〜90分
間加熱し,以下のように32P標識cDNAでハイブリダイズ
させた。0.5Mリン酸ナトリウム(pH7.2) ,7%SDS ,1
%BSA, および1mM EDTA中で,65℃にて4時間,フィル
ターをプレハイブリダイズさせ,続いて,塩基変性プロ
ーブ(106cpm/ml以上) を用いて,同じ条件下で,18〜2
4時間ハイブリダイズさせた (MahmoudiおよびLin (198
9) Biotechniques 7:331-333) 。フィルターを,40mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.2),5 %(w/v) BSA, 5%(w
/v) SDS,および1mM EDTA中 で,65℃にて各30分間,2
回洗浄し,40mMリン酸ナトリウム (pH7.2),1mMEDTA,
および1 %(w/v) SDS中で,65℃にて,2回洗浄した(M
ahmoudiおよびLin, 1989)。プローブは,使用する前に
ゲル精製した(Dretzen ら(1981)Anal.Biochgem 112:29
5-298) 。
ン分析 20cmウシ胎児から種々の組織を摘出し,液体窒素で凍結
した。後肢および前肢から骨格筋を取った。RNAを調製
するために,凍結組織を,細かい粉末に粉砕し,5Mグア
ニンチオシアネート,10mM EDTA,50mMTris・HCl(pH7.
5),および8%(v/v) β−メルカプトエタノールに溶解
した。上述のように4M LtClを用いて,溶解産物から直
接, RNAを沈澱させた(Cathalaら(1983)DNA 2:329-33
5)。可溶化し,フェノールで抽出した後,RNAをエタノ
ールで沈澱させ,LiClペレットまたは水溶液として,−
70℃で保存した (Cathala ら,1983)。ポリA+ RNAを,
上述のように単離し,1.1%アガロースホルムアルデヒ
ド上で電気泳動にかけ,20×SSC中でBiotransナイロン
膜に移した。フィルターをUV照射し,70℃にて60〜90分
間加熱し,以下のように32P標識cDNAでハイブリダイズ
させた。0.5Mリン酸ナトリウム(pH7.2) ,7%SDS ,1
%BSA, および1mM EDTA中で,65℃にて4時間,フィル
ターをプレハイブリダイズさせ,続いて,塩基変性プロ
ーブ(106cpm/ml以上) を用いて,同じ条件下で,18〜2
4時間ハイブリダイズさせた (MahmoudiおよびLin (198
9) Biotechniques 7:331-333) 。フィルターを,40mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.2),5 %(w/v) BSA, 5%(w
/v) SDS,および1mM EDTA中 で,65℃にて各30分間,2
回洗浄し,40mMリン酸ナトリウム (pH7.2),1mMEDTA,
および1 %(w/v) SDS中で,65℃にて,2回洗浄した(M
ahmoudiおよびLin, 1989)。プローブは,使用する前に
ゲル精製した(Dretzen ら(1981)Anal.Biochgem 112:29
5-298) 。
【0032】全長のbmyf cDNAをプローブとして用い
て,骨格筋由来のポリA+RNAをノーザンブロットで分析
した場合,3種のRNAが1.5kb, 2kb, および3kbに移動
するのが検出された。1.5kbのバンドが最も多く,高分
子量種より2〜3倍高いレベルで存在する。このノーザ
ンブロットにおける3本の異なるバンドの存在は,ウシ
myf遺伝子由来の転写物が別々にプロセッシングされる
ことを示している。 例えば,1.5kbのRNAバンドは,ヒ
トmyf−5 cDNAを生成する転写物と同等であり,ヌクレ
オチド1415にあるbmyfの近位ポリアデニル化シグナルの
下流領域が欠落していると考えられる。このことを調べ
るために,ウシ骨格筋に由来するポリA+RNAのノーザン
ブロットを,bmyfの遠位末端に由来し,ヌクレオチド14
15にあるポリアデニル化シグナルの3'側にある,354bp
AvaII/EcoRI断片でプローブした。遠位354bp断片は,2
kbおよび3kbのバンドとハイブリダイズしたが,1.5kb
のRNAとは実質的にハイブリダイズしなかった。このこ
とは,この種が,ヒトmyf−5 cDNAの欠落3'配列と同じ
部分を欠落していることを示す。
て,骨格筋由来のポリA+RNAをノーザンブロットで分析
した場合,3種のRNAが1.5kb, 2kb, および3kbに移動
するのが検出された。1.5kbのバンドが最も多く,高分
子量種より2〜3倍高いレベルで存在する。このノーザ
ンブロットにおける3本の異なるバンドの存在は,ウシ
myf遺伝子由来の転写物が別々にプロセッシングされる
ことを示している。 例えば,1.5kbのRNAバンドは,ヒ
トmyf−5 cDNAを生成する転写物と同等であり,ヌクレ
オチド1415にあるbmyfの近位ポリアデニル化シグナルの
下流領域が欠落していると考えられる。このことを調べ
るために,ウシ骨格筋に由来するポリA+RNAのノーザン
ブロットを,bmyfの遠位末端に由来し,ヌクレオチド14
15にあるポリアデニル化シグナルの3'側にある,354bp
AvaII/EcoRI断片でプローブした。遠位354bp断片は,2
kbおよび3kbのバンドとハイブリダイズしたが,1.5kb
のRNAとは実質的にハイブリダイズしなかった。このこ
とは,この種が,ヒトmyf−5 cDNAの欠落3'配列と同じ
部分を欠落していることを示す。
【0033】bmyfが組織特異的に発現するかどうかを調
べるために,いくつかのウシ胎児組織由来のポリA+RNA
を,ノーザンブロット分析に供し,全長のbmyf cDNAで
プローブした。骨格筋由来のRNAのみがシグナルを示し
た。bmyf挿入断片を含むpG EMTMベクターから合
成されたbmyf RNAの既知量により作られるシグ
ナルと比較することにより, 骨格筋に存在するbmyf転写
物の実際のレベルは低く,全メッセージの0.001%〜0.0
001%と推定される。マウスのアザ筋原細胞系由来のRNA
を,上で用いた厳密性のレベルで,ノーザンブロットに
供したところ,ほとんどもしくは全く暗号が検出されな
かった。
べるために,いくつかのウシ胎児組織由来のポリA+RNA
を,ノーザンブロット分析に供し,全長のbmyf cDNAで
プローブした。骨格筋由来のRNAのみがシグナルを示し
た。bmyf挿入断片を含むpG EMTMベクターから合
成されたbmyf RNAの既知量により作られるシグ
ナルと比較することにより, 骨格筋に存在するbmyf転写
物の実際のレベルは低く,全メッセージの0.001%〜0.0
001%と推定される。マウスのアザ筋原細胞系由来のRNA
を,上で用いた厳密性のレベルで,ノーザンブロットに
供したところ,ほとんどもしくは全く暗号が検出されな
かった。
【0034】実施例4 細胞培養およびDNAトランスフ
ェクション American Type Culture Collectionから入手したC H T
1/2 (クローン8) を,10%熱不活性FCSと,100μg/m
lカナマイシンとを加えたDMEM(CellogoTM, Mdiatech, W
ashington,DC) 中で増殖させた。安定なアザ筋原細胞系
は,C3H10T1/2細胞を, 3mM 5−アザシチジンで24時間
処理し,連続的にサブクローン化することにより得られ
た (Konieczny およびEmerson, 1984) 。低密度でプレ
ートしたところ,91aおよび56aのアザ筋原細胞サブクロ
ーンに由来するコロニーの90%以上が,骨格筋ミオシン
の重鎖に対するモノクローナル抗体(MF−20, 以下参
照)に対して陽性に染色する多核融合細胞を多数形成し
た。
ェクション American Type Culture Collectionから入手したC H T
1/2 (クローン8) を,10%熱不活性FCSと,100μg/m
lカナマイシンとを加えたDMEM(CellogoTM, Mdiatech, W
ashington,DC) 中で増殖させた。安定なアザ筋原細胞系
は,C3H10T1/2細胞を, 3mM 5−アザシチジンで24時間
処理し,連続的にサブクローン化することにより得られ
た (Konieczny およびEmerson, 1984) 。低密度でプレ
ートしたところ,91aおよび56aのアザ筋原細胞サブクロ
ーンに由来するコロニーの90%以上が,骨格筋ミオシン
の重鎖に対するモノクローナル抗体(MF−20, 以下参
照)に対して陽性に染色する多核融合細胞を多数形成し
た。
【0035】DNAトランスフェクションは,pEMSV-scrib
eのモロニー肉腫ウイルスLTRと, SV40αポリアデニル化
シグナルの間にあるEcoRI部位に挿入されたcDNAを用い
て行った (Harland および Weintraub (1985) J. Cell
Biol. 101:1094−1099;Davis ら, 1987) 。全長のbmy
f cDNAは,センス方向およびアンチセンス方向の両方に
挿入された。一過性トランスフェクション(Wright ら
(1989) Cell 56:607−617) では,C3H10T1/2細胞を,
10cmの皿あたり,1×105細胞でプレートし,10%熱不
活化ウシ胎児血清を含むDMEM中で2日間増殖させた。ト
ランスフェクションの3時間前に交換し,記載 (Gorman
(1985) DNA Cloning VolII, IRL Press, Oxford UK, p
p.143−190) のように,リン酸カルシウム沈澱物(7.5
μg/皿)にプラスミドDNAを加えた。細胞を24時間イ
ンキュベートし,リン酸緩衝生理食塩水 (137mM NaCl,
2.7mM KCl, 4.3mM Na HPO, および1.4mM KH PO) で洗浄
し,分化培地(2% (V/V) 熱不活性化ウマ血清を含むD
MEM) 中で,維持するか,あるいは分化培地中でインキュ
ベーションする前に,通常培地で2日間増殖させた。3
日後,細胞を,70% (V/V) エタノール, 3.7% (V/V)
ホルムアルデヒド,および5% (V/V) 氷酢酸中に固定
し,続いて,骨格筋ミオシ ンの重鎖に対するモノクロ
ーナル抗体(MF−20, Bader ら,1982) と反応させた
後,アルカリホスファターゼに結合したヤギ抗マウスIg
Gを反応させた。免疫染色は,NBTおよびBCIP染色試薬
(Promega) を用い,その供給者の指示に従って行った。
顕微鏡写真は,Kodak Panatomic-Xフィルムを用いて,Z
eiss反転顕微鏡により撮影された。
eのモロニー肉腫ウイルスLTRと, SV40αポリアデニル化
シグナルの間にあるEcoRI部位に挿入されたcDNAを用い
て行った (Harland および Weintraub (1985) J. Cell
Biol. 101:1094−1099;Davis ら, 1987) 。全長のbmy
f cDNAは,センス方向およびアンチセンス方向の両方に
挿入された。一過性トランスフェクション(Wright ら
(1989) Cell 56:607−617) では,C3H10T1/2細胞を,
10cmの皿あたり,1×105細胞でプレートし,10%熱不
活化ウシ胎児血清を含むDMEM中で2日間増殖させた。ト
ランスフェクションの3時間前に交換し,記載 (Gorman
(1985) DNA Cloning VolII, IRL Press, Oxford UK, p
p.143−190) のように,リン酸カルシウム沈澱物(7.5
μg/皿)にプラスミドDNAを加えた。細胞を24時間イ
ンキュベートし,リン酸緩衝生理食塩水 (137mM NaCl,
2.7mM KCl, 4.3mM Na HPO, および1.4mM KH PO) で洗浄
し,分化培地(2% (V/V) 熱不活性化ウマ血清を含むD
MEM) 中で,維持するか,あるいは分化培地中でインキュ
ベーションする前に,通常培地で2日間増殖させた。3
日後,細胞を,70% (V/V) エタノール, 3.7% (V/V)
ホルムアルデヒド,および5% (V/V) 氷酢酸中に固定
し,続いて,骨格筋ミオシ ンの重鎖に対するモノクロ
ーナル抗体(MF−20, Bader ら,1982) と反応させた
後,アルカリホスファターゼに結合したヤギ抗マウスIg
Gを反応させた。免疫染色は,NBTおよびBCIP染色試薬
(Promega) を用い,その供給者の指示に従って行った。
顕微鏡写真は,Kodak Panatomic-Xフィルムを用いて,Z
eiss反転顕微鏡により撮影された。
【0036】同一ベクターを用いた一過性アッセイは,
ウシmyf cDNAが,トランスフェクションにより,C3H10T
1/2細胞を筋原細胞に転換させ得ることを示している。b
myfをセンス方向に有する上記発現ベクターでC3H10T1/2
細胞をトランスフェクトし,3日間, 分化を誘発させた
後,固定し,骨格筋ミオシンの重鎖に対するモノクロー
ナル抗体と反応さえた。bmyfをアンチセンス方向に有す
るか,あるいはマウスMyo D1をセンス方向に有する同一
ベクターで(それぞれ,陰性または陽性の対照とし
て),細胞をトランスフェクトした。多くの細胞は,セ
ンス方向のbmyf発現プラスミドでトランスフェクトする
ことにより,ミオシン抗体プローブと陽性に反応したア
ンチセンス方向のウシmyf発現プラスミドでトランスフ
ェクトした培養物中には,抗体陽性細胞は存在しなかっ
た。ウシmyf発現ベクターで筋ミオシンの表現型に転換
した細胞は,2つの実験において,10-3および10-4の頻
度で存在した。この頻度は,10T1/2細胞における自発的
活性化レベルの数倍程度大きなものである(Lassar ら,
1986) 。単核細胞および多核細胞の両方が重鎖ミオシ
ンに対して陽性に染色されていることが認められた。
ウシmyf cDNAが,トランスフェクションにより,C3H10T
1/2細胞を筋原細胞に転換させ得ることを示している。b
myfをセンス方向に有する上記発現ベクターでC3H10T1/2
細胞をトランスフェクトし,3日間, 分化を誘発させた
後,固定し,骨格筋ミオシンの重鎖に対するモノクロー
ナル抗体と反応さえた。bmyfをアンチセンス方向に有す
るか,あるいはマウスMyo D1をセンス方向に有する同一
ベクターで(それぞれ,陰性または陽性の対照とし
て),細胞をトランスフェクトした。多くの細胞は,セ
ンス方向のbmyf発現プラスミドでトランスフェクトする
ことにより,ミオシン抗体プローブと陽性に反応したア
ンチセンス方向のウシmyf発現プラスミドでトランスフ
ェクトした培養物中には,抗体陽性細胞は存在しなかっ
た。ウシmyf発現ベクターで筋ミオシンの表現型に転換
した細胞は,2つの実験において,10-3および10-4の頻
度で存在した。この頻度は,10T1/2細胞における自発的
活性化レベルの数倍程度大きなものである(Lassar ら,
1986) 。単核細胞および多核細胞の両方が重鎖ミオシ
ンに対して陽性に染色されていることが認められた。
【0037】実施例5 bmyf遺伝子およびその近位プロ
モーターの構造 bmyf cDNAの制限酵素地図と,ウシ胎児骨格ゲノムDNAと
を比較することにより,bmyf遺伝子中にイントロンが存
在すると推定した(図1) 。bmyf遺伝子中におけるイン
トロンの正確な位置を決定するために,センスおよびア
ンチセンスのbmyf cDANプライマーからなる1セットを
用いて,ポリメラーゼ鎖反応 (PCR) により,bmyfゲノ
ム断片を増幅した(米国特許第4,683,202号) 。より大
きいイントロン(図1のイントロンA) を含む増幅ゲノ
ム断片をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法を用い
た部分的な配列決定により,イントロンの正確な位置を
決定した。この断片は,cDNA残基569および570の間に約
1kbのイントロンを含むと推定された。ゲノムDNAの制
限酵素地図(図1) には,イントロンAに存在するEcoR
IおよびXba I部位が示されている。第2の増幅断片
は,約300ヌクレオチドのより小さいイントロン(図1
のイントロンB) を含むことが見い出された。
モーターの構造 bmyf cDNAの制限酵素地図と,ウシ胎児骨格ゲノムDNAと
を比較することにより,bmyf遺伝子中にイントロンが存
在すると推定した(図1) 。bmyf遺伝子中におけるイン
トロンの正確な位置を決定するために,センスおよびア
ンチセンスのbmyf cDANプライマーからなる1セットを
用いて,ポリメラーゼ鎖反応 (PCR) により,bmyfゲノ
ム断片を増幅した(米国特許第4,683,202号) 。より大
きいイントロン(図1のイントロンA) を含む増幅ゲノ
ム断片をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法を用い
た部分的な配列決定により,イントロンの正確な位置を
決定した。この断片は,cDNA残基569および570の間に約
1kbのイントロンを含むと推定された。ゲノムDNAの制
限酵素地図(図1) には,イントロンAに存在するEcoR
IおよびXba I部位が示されている。第2の増幅断片
は,約300ヌクレオチドのより小さいイントロン(図1
のイントロンB) を含むことが見い出された。
【0038】bmyf遺伝子の全体構造は,マウスのmyf−5
に隣接するherculin遺伝子と極めて類似している(J.
H. Miner および B. Wold, PNAS USA 87:1089−1093
(1990)) 。この類似性は,bmyf遺伝子およびherculin遺
伝子が,祖先遺伝子における古い遺伝子重複から配列が
発散することにより,発生したという考え方と一致す
る。
に隣接するherculin遺伝子と極めて類似している(J.
H. Miner および B. Wold, PNAS USA 87:1089−1093
(1990)) 。この類似性は,bmyf遺伝子およびherculin遺
伝子が,祖先遺伝子における古い遺伝子重複から配列が
発散することにより,発生したという考え方と一致す
る。
【0039】近位bmyfプロモーターを単離するために,
「逆」PCRを用いて,cDNAの5'側領域を増加させた。ま
ず,ウシ胎児骨格筋ゲノムDNAをbaIおよびEcoRIで切断
した。上で述べたように, XbaIおよびEcoRIの制限部位
は,イントロンAに存在することが決定された。次に,
この切断物を,環状分子の連結に適した条件下で,再度
アニーリングすることによりcDNAについて−218からイ
ントロンAの+145に及ぶXbaI断片からなる,930bpの環状
DNA分子を形成した。センスの+466およびアンチセンス
の+218から始まる,2つのプライマーを用いて, XbaI部
位を含む2つのプライマーの間の領域を,PCRにより増
加させた。この領域は,cDNAの5'側領域を含んでいた。
「逆」PCRを用いて,cDNAの5'側領域を増加させた。ま
ず,ウシ胎児骨格筋ゲノムDNAをbaIおよびEcoRIで切断
した。上で述べたように, XbaIおよびEcoRIの制限部位
は,イントロンAに存在することが決定された。次に,
この切断物を,環状分子の連結に適した条件下で,再度
アニーリングすることによりcDNAについて−218からイ
ントロンAの+145に及ぶXbaI断片からなる,930bpの環状
DNA分子を形成した。センスの+466およびアンチセンス
の+218から始まる,2つのプライマーを用いて, XbaI部
位を含む2つのプライマーの間の領域を,PCRにより増
加させた。この領域は,cDNAの5'側領域を含んでいた。
【0040】930bp断片に由来する281bp XbaI/PstI断片
をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法により配列決
定した。その配列から,この断片がbmyf cDNAのヌクレ
オチド1〜67を含むことが明らかとなり,それにより,
−218のXbaI部位までの930bp断片の一部は,実際,cDNA
の5'側に存在し,近位プロモーターを表していることが
わかった。
をサブクローン化し,ジデオキシ鎖終結法により配列決
定した。その配列から,この断片がbmyf cDNAのヌクレ
オチド1〜67を含むことが明らかとなり,それにより,
−218のXbaI部位までの930bp断片の一部は,実際,cDNA
の5'側に存在し,近位プロモーターを表していることが
わかった。
【0041】実施例5.1 ウシゲノムDNA 由来のbmyf遺
伝子の単離 ゲノムbmyf DNA挿入部分を含む断片を単離するため,市
販のウシゲノムライブラリーを以下の通りスクリーニン
グした。(1)イントロンAプライマーを用いて,bmyf遺
伝子を含む断片を,PCRにより増幅し,そして, (2)上記
(1)の増幅された断片を, 完全長のbmyf cDNAをプローブ
としてスクリーニングした。
伝子の単離 ゲノムbmyf DNA挿入部分を含む断片を単離するため,市
販のウシゲノムライブラリーを以下の通りスクリーニン
グした。(1)イントロンAプライマーを用いて,bmyf遺
伝子を含む断片を,PCRにより増幅し,そして, (2)上記
(1)の増幅された断片を, 完全長のbmyf cDNAをプローブ
としてスクリーニングした。
【0042】Stratagene 1 DASH TMIIゲノムライブラリ
ーの20,000の組み換え体は,ウシゲノムDNAのSau 3Aの
部分分解断片を含む。これを10枚の大きなプレート上に
それぞれ播いた。プレート培養溶解産物は,bmyf遺伝子
存在下で,イントロンAプライマーを用いたPCRによ
る増幅によりアッセイした。4枚のプレートが陽性であ
り,1枚を, 完全長のbmyf cDNAプローブを用いて徹底
的にスクリーニングした。
ーの20,000の組み換え体は,ウシゲノムDNAのSau 3Aの
部分分解断片を含む。これを10枚の大きなプレート上に
それぞれ播いた。プレート培養溶解産物は,bmyf遺伝子
存在下で,イントロンAプライマーを用いたPCRによ
る増幅によりアッセイした。4枚のプレートが陽性であ
り,1枚を, 完全長のbmyf cDNAプローブを用いて徹底
的にスクリーニングした。
【0043】陽性プラークの1つであるλDII bmyf1
は,約13kbの挿入部分を含んでおり,その部分的制限酵
素地図(図1)から,それがbmyf遺伝子を含んでいるこ
とが示される。bmyf遺伝子(約3kb)は,その5'末端が
約4kbの断片に隣接し,そして,またその3'末端が約7
kbの断片に隣接している。この13kbクローンは,最初の
エクソンの217個のヌクレオチドが,bmyf cDNAの配列と
完全な配列相同性を示す事実から,bmyf遺伝子を含むと
いうことが確認されている。
は,約13kbの挿入部分を含んでおり,その部分的制限酵
素地図(図1)から,それがbmyf遺伝子を含んでいるこ
とが示される。bmyf遺伝子(約3kb)は,その5'末端が
約4kbの断片に隣接し,そして,またその3'末端が約7
kbの断片に隣接している。この13kbクローンは,最初の
エクソンの217個のヌクレオチドが,bmyf cDNAの配列と
完全な配列相同性を示す事実から,bmyf遺伝子を含むと
いうことが確認されている。
【0044】bmyfをコードする配列およびプロモーター
部分の配列を決定するため,13kbの種々の部分を,pGEM
TM−3zfおよび−ztベクター (Promega)のEcoRIポリリン
カー部位にサブクローニングした。1本鎖DNAを単離
し,ジデオキシ鎖終結法を用い,合成反応を促進する20
merのオリゴヌクレオチドを用いて,配列決定を行っ
た。cDNAと,利用可能なゲノム配列との複合体を,配列
表の配列番号4〜12に5'から3'への配列として示す。cD
NAヌクレオチド配列およびそれに対応するbmyfアミノ酸
配列は,配列番号1に示される。cDNAヌクレオチド配列
は,配列番号2に示される。bmyfアミノ酸配列は,配列
番号3に示される。配列番号1および2では,cDNA配列
のコード領域をトリプレットコドンで示し,cDNAの非コ
ード領域は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配
列として示す。
部分の配列を決定するため,13kbの種々の部分を,pGEM
TM−3zfおよび−ztベクター (Promega)のEcoRIポリリン
カー部位にサブクローニングした。1本鎖DNAを単離
し,ジデオキシ鎖終結法を用い,合成反応を促進する20
merのオリゴヌクレオチドを用いて,配列決定を行っ
た。cDNAと,利用可能なゲノム配列との複合体を,配列
表の配列番号4〜12に5'から3'への配列として示す。cD
NAヌクレオチド配列およびそれに対応するbmyfアミノ酸
配列は,配列番号1に示される。cDNAヌクレオチド配列
は,配列番号2に示される。bmyfアミノ酸配列は,配列
番号3に示される。配列番号1および2では,cDNA配列
のコード領域をトリプレットコドンで示し,cDNAの非コ
ード領域は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配
列として示す。
【0045】配列番号4は,bmyf cDNAの+1位から約
−4500ヌクレオチド上流のBamHI部位付近(しかし,そ
れを含まない) から始まる。配列番号4の配列の長さは
385ヌクレオチドである。
−4500ヌクレオチド上流のBamHI部位付近(しかし,そ
れを含まない) から始まる。配列番号4の配列の長さは
385ヌクレオチドである。
【0046】配列番号5は,bmyf cDNAの+1位から約
−2300ヌクレオチド上流のSac I部位(GAGCTC) から始ま
る。配列番号5の配列の長さは815ヌクレオチドであ
る。配列番号5と配列番号6との間は,約440bpの配列
決定されていないセグメントである。
−2300ヌクレオチド上流のSac I部位(GAGCTC) から始ま
る。配列番号5の配列の長さは815ヌクレオチドであ
る。配列番号5と配列番号6との間は,約440bpの配列
決定されていないセグメントである。
【0047】配列番号6は, bmyf cDNAの+1位から上
流である−946ヌクレオチドから始まる近位プロモータ
ー配列である。この配列は,bmyf cDNAの+1位に直接
付着する。プロモーター領域の配列情報から,このプロ
モーターはGCに富み,3個のTATAモチーフ (cDNAの+1
位から上流である−158,−114, および−60ヌクレオチ
ドに存在) を含む。このモチーフは,RNA ポリメラーゼ
IIにより媒介される転写に必要な結合転写因子であるTF
IIDのための部位として機能し得る。転写開始部位とし
て用いられると考えられるTATAボックスを決定づける5'
領域のフットプリンティングは,後述する。
流である−946ヌクレオチドから始まる近位プロモータ
ー配列である。この配列は,bmyf cDNAの+1位に直接
付着する。プロモーター領域の配列情報から,このプロ
モーターはGCに富み,3個のTATAモチーフ (cDNAの+1
位から上流である−158,−114, および−60ヌクレオチ
ドに存在) を含む。このモチーフは,RNA ポリメラーゼ
IIにより媒介される転写に必要な結合転写因子であるTF
IIDのための部位として機能し得る。転写開始部位とし
て用いられると考えられるTATAボックスを決定づける5'
領域のフットプリンティングは,後述する。
【0048】配列番号7は,+1位から始まるbmyf cDN
Aの部分であり,cDNAの+569まで続き,そこからゲノム
DNA のイントロンAが始まる。cDNA配列のコード領域
は,トリプレットコドンで示す。cDNAの非コード領域
は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配列として
示す。
Aの部分であり,cDNAの+569まで続き,そこからゲノム
DNA のイントロンAが始まる。cDNA配列のコード領域
は,トリプレットコドンで示す。cDNAの非コード領域
は,10個ずつのブロックとしたヌクレオチド配列として
示す。
【0049】配列番号8は,イントロンAの一部分をコ
ードする配列である。イントロンAは,約1000bpであ
り,完全な配列ではない。配列番号8は,イントロンA
の5'末端の361bpである。配列番号8に続く領域は,約4
00bpの配列決定されていない領域である。
ードする配列である。イントロンAは,約1000bpであ
り,完全な配列ではない。配列番号8は,イントロンA
の5'末端の361bpである。配列番号8に続く領域は,約4
00bpの配列決定されていない領域である。
【0050】配列番号9は,配列決定されていない400b
pの領域の下流のイントロンAの258bpである。
pの領域の下流のイントロンAの258bpである。
【0051】配列番号10は,配列番号9から直接続く
配列であり,bmyf cDNAの+570位に対応するコード領域
から始まる。
配列であり,bmyf cDNAの+570位に対応するコード領域
から始まる。
【0052】配列番号11は,イントロンB全体の配列
である。イントロンBは,bmyf cDNAの+644および+65
5の間の部分のゲノムDNAに位置する。イントロンBは,
393bpの長さである。
である。イントロンBは,bmyf cDNAの+644および+65
5の間の部分のゲノムDNAに位置する。イントロンBは,
393bpの長さである。
【0053】配列番号12は,エクソン3の配列であ
る。エクソン3は,cDNAの+646位から始まる。これは1
245bpの長さであり,ポリA付着部位を経て伸びてい
る。
る。エクソン3は,cDNAの+646位から始まる。これは1
245bpの長さであり,ポリA付着部位を経て伸びてい
る。
【0054】実施例5.2. bmyf遺伝子の転写開始部位の
マッピング 上記のように,近位プロモーター領域は,3個のTATA要
素を含み,そこからの転写は,RNAポリメラーゼIIによ
り開始され得る。RNAaseからの保護実験が,開始部位で
あると最も考えられる部位を識別するために実施され
た。
マッピング 上記のように,近位プロモーター領域は,3個のTATA要
素を含み,そこからの転写は,RNAポリメラーゼIIによ
り開始され得る。RNAaseからの保護実験が,開始部位で
あると最も考えられる部位を識別するために実施され
た。
【0055】32Pで標識したアンチセンスRNAプローブ
(cDNAの+64のPstIから,上流の−218にあるXbaIま
で伸びている)を,ウシ胎児骨格筋 (18cmの胎児)由来
の全RNAにアニールさせた。このアニールさせた混合物
を,RNAse AおよびTIで切断した。保護された二本鎖断
片を次いで変性させた後,配列決定用ゲル上で分離し,
同一領域全体において,一連のジデオキシ配列決定反応
と比較することにより,その大きさを測定した。この方
法により,転写開始部位が,cDNAの+64位のPstIの上
流約−185ヌクレオチドの付近であるか,もしくは,cDN
Aの+1位から上流側−114ヌクレオチド付近のTATAモチ
ーフにあることが決定された。
(cDNAの+64のPstIから,上流の−218にあるXbaIま
で伸びている)を,ウシ胎児骨格筋 (18cmの胎児)由来
の全RNAにアニールさせた。このアニールさせた混合物
を,RNAse AおよびTIで切断した。保護された二本鎖断
片を次いで変性させた後,配列決定用ゲル上で分離し,
同一領域全体において,一連のジデオキシ配列決定反応
と比較することにより,その大きさを測定した。この方
法により,転写開始部位が,cDNAの+64位のPstIの上
流約−185ヌクレオチドの付近であるか,もしくは,cDN
Aの+1位から上流側−114ヌクレオチド付近のTATAモチ
ーフにあることが決定された。
【0056】プローブシグナルの強度で判断すると,よ
り初期の胎児の方がより後期の胎児より(例えば,18〜
42cmの胎児)プロモーターの有用性は高いと考えられ
る。
り初期の胎児の方がより後期の胎児より(例えば,18〜
42cmの胎児)プロモーターの有用性は高いと考えられ
る。
【0057】実施例6 キメラ構築物 Bmyfコード領域のみを含むbmyf遺伝子またはbmyf遺伝子
の他の望ましい領域のサブクローンを,構築することが
できる。例えば,ここに示す配列情報から所望のセグメ
ントを構築し,そしてクローンニングするために使用さ
れ得る適当な制限酵素部位が識別される。望ましい断片
の配列情報を必要としない他の単離技術も利用され得
る。それには,特にPCRがあり,そのことは米国特許第
4,683,202号に開示されている。望ましいセグメントを
一まとめにした配列を有する合成プライマーを構築する
ことができ,このことによりポリメラーゼ鎖反応が可能
となり,例えばbmyfプロモーターの一部分のように,bm
yf遺伝子の望ましい特異的なセグメントのいかなるもの
をも,増幅させることができる。さらに,当業者に周知
のように,この増幅されたセグメントに隣接する望まし
い特異性を有する制限部位を誘導するように,このプラ
イマー配列を構築することができる。
の他の望ましい領域のサブクローンを,構築することが
できる。例えば,ここに示す配列情報から所望のセグメ
ントを構築し,そしてクローンニングするために使用さ
れ得る適当な制限酵素部位が識別される。望ましい断片
の配列情報を必要としない他の単離技術も利用され得
る。それには,特にPCRがあり,そのことは米国特許第
4,683,202号に開示されている。望ましいセグメントを
一まとめにした配列を有する合成プライマーを構築する
ことができ,このことによりポリメラーゼ鎖反応が可能
となり,例えばbmyfプロモーターの一部分のように,bm
yf遺伝子の望ましい特異的なセグメントのいかなるもの
をも,増幅させることができる。さらに,当業者に周知
のように,この増幅されたセグメントに隣接する望まし
い特異性を有する制限部位を誘導するように,このプラ
イマー配列を構築することができる。
【0058】異種遺伝子セグメントに結合したbmfyプロ
モーターのセグメントのキメラ遺伝子構築物, あるいは
bmyfコード領域に結合する外来プロモーターの構築物を
創製することができ,このことは後で示される。
モーターのセグメントのキメラ遺伝子構築物, あるいは
bmyfコード領域に結合する外来プロモーターの構築物を
創製することができ,このことは後で示される。
【0059】さらに,bmyf遺伝子の他の部分は,同様に
サブクローン化することができ,キメラ機能遺伝子の中
に結合させることができる。このようにして,bmyf遺伝
子の特異的な機能ドメインを, 他の遺伝子構築物に結合
させるか,あるいは.bmyf遺伝子から欠失させて異なっ
た機能を生じさせる(サブクローン化されたドメインに
関連した機能を付加するかもしくは除去する)ことが可
能となる。
サブクローン化することができ,キメラ機能遺伝子の中
に結合させることができる。このようにして,bmyf遺伝
子の特異的な機能ドメインを, 他の遺伝子構築物に結合
させるか,あるいは.bmyf遺伝子から欠失させて異なっ
た機能を生じさせる(サブクローン化されたドメインに
関連した機能を付加するかもしくは除去する)ことが可
能となる。
【0060】実施例6.1. キメラbmyfプロモーター/CA
T遺伝子構築物 bmyfプロモーターおよび異種遺伝子を結合した機能性キ
メラ遺伝子は,bmyf自体が制御されているように,異種
遺伝子の転写をも制御している。機種コード遺伝子が,
例えば, クロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ (CAT) をコードするレポーター遺伝子である場合
には,得られた構築物は,刺激または抑制のいずれかに
よりbmyf発現に影響を与える刺激物および化学化合物に
ついて,容易に測定することの可能な指標を提供するこ
ととなる。
T遺伝子構築物 bmyfプロモーターおよび異種遺伝子を結合した機能性キ
メラ遺伝子は,bmyf自体が制御されているように,異種
遺伝子の転写をも制御している。機種コード遺伝子が,
例えば, クロラムフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ (CAT) をコードするレポーター遺伝子である場合
には,得られた構築物は,刺激または抑制のいずれかに
よりbmyf発現に影響を与える刺激物および化学化合物に
ついて,容易に測定することの可能な指標を提供するこ
ととなる。
【0061】bmyfプロモーターの機能領域のおおまかな
地図を作成するために,異なった長さの2つの重複する
bmyfプロモーター部分を,クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT) 構築遺伝子に連結させ
た。次にこれらの構築物を細胞系にトランスフェクト
し, 細胞のCAT活性を,14C−クロラムフェニコールを
用いて測定した。
地図を作成するために,異なった長さの2つの重複する
bmyfプロモーター部分を,クロラムフェニコールアセチ
ルトランスフェラーゼ(CAT) 構築遺伝子に連結させ
た。次にこれらの構築物を細胞系にトランスフェクト
し, 細胞のCAT活性を,14C−クロラムフェニコールを
用いて測定した。
【0062】1つの構築物は,13kb断片の5'隣接部分の
完全長を含んでおり,−4.2kbの唯一のBamHI部位から
+64のPstI部位まで伸びている。4.2kbのプロモーター
/CAT遺伝子を構築するため,4.2kbのプロモータ/CAT
遺伝子を構築するため,4.2kbの断片は,5'のBamHI部
位および3'のPstI部位に平滑末端を有している。pCATT
Mは,ポリリンカー中のHindIII部位に平滑末端を有し,
次いで,PstIで切断され,4.2kbのプロモーター断片の
方向性クローニング (directional cloning) に適合し
た部位が形成される。
完全長を含んでおり,−4.2kbの唯一のBamHI部位から
+64のPstI部位まで伸びている。4.2kbのプロモーター
/CAT遺伝子を構築するため,4.2kbのプロモータ/CAT
遺伝子を構築するため,4.2kbの断片は,5'のBamHI部
位および3'のPstI部位に平滑末端を有している。pCATT
Mは,ポリリンカー中のHindIII部位に平滑末端を有し,
次いで,PstIで切断され,4.2kbのプロモーター断片の
方向性クローニング (directional cloning) に適合し
た部位が形成される。
【0063】第2の構築物は,−218位のXbaI部位から
+64のPstI部位まで伸びている近位プロモーターセグ
メントを含む。近位プロモーター/CAT構築物は,282bp
のXbaI/PstI断片を,XbaIとPstI部位の間のpCATポ
リリンカー部位に連結させることにより創生される。
+64のPstI部位まで伸びている近位プロモーターセグ
メントを含む。近位プロモーター/CAT構築物は,282bp
のXbaI/PstI断片を,XbaIとPstI部位の間のpCATポ
リリンカー部位に連結させることにより創生される。
【0064】これらの構築物は,上記実施例4に示すよ
うに,pEMSVのような発現ベクターを用いて10T1/2細胞
を一時的にトランスフェクトすることにそれぞれ用いら
れ得る。この一時的にトランスフェクトすることは, −
4.2kbBamHI部位から−218XbaI部位まで伸びている断
片が,プロモーターの機能領域を含んでいるかどうか判
定するために行われる。
うに,pEMSVのような発現ベクターを用いて10T1/2細胞
を一時的にトランスフェクトすることにそれぞれ用いら
れ得る。この一時的にトランスフェクトすることは, −
4.2kbBamHI部位から−218XbaI部位まで伸びている断
片が,プロモーターの機能領域を含んでいるかどうか判
定するために行われる。
【0065】実施例6.2. bmyfプロモーターcisセグメ
ントの同定に有用なキメラbmyfプロモ ーター/CAT遺伝
子構築物 bmyfプロモーターの調節部分を同定するために,実施例
6.1.で機能性プロモーター領域を含むことが確認された
構築物と,この構築物の一連の欠失変異体を,細胞系に
トランスフェクトし,発現された。一連の欠失変異に
は,プロモーターの5'末端から転写開始部位方向への進
行性の欠失からなる。
ントの同定に有用なキメラbmyfプロモ ーター/CAT遺伝
子構築物 bmyfプロモーターの調節部分を同定するために,実施例
6.1.で機能性プロモーター領域を含むことが確認された
構築物と,この構築物の一連の欠失変異体を,細胞系に
トランスフェクトし,発現された。一連の欠失変異に
は,プロモーターの5'末端から転写開始部位方向への進
行性の欠失からなる。
【0066】まず,完全長のプロモーター/CAT構築物
を,bmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を発現できる
細胞系をさがすために,多数の細胞系に一過性のトラン
スフェクションを行った。例えば,myf−5遺伝子は, L6
およびC2C12細胞で発現されることから(Wright, W.ら
(1989) Cell, 56:607−671;Braun, T. ら(EMBO J
8:3617−3615);Peterson, C.ら(1990)Cell 62:493−
502) , これらは,bmyfプロモーター/CAT構築物のトラ
ンスフェクションに最適な目標細胞系である。さらに,
特定の細胞系がbmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を
発現しないと考えられても,このような細胞系の欠失に
関する試験により,これらの領域はbmyfプロモーターの
サイレンサーとして機能する,つまり,それが除かれる
ことによってのみ遺伝子を活性化する)ことが明らかと
なり得る。
を,bmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を発現できる
細胞系をさがすために,多数の細胞系に一過性のトラン
スフェクションを行った。例えば,myf−5遺伝子は, L6
およびC2C12細胞で発現されることから(Wright, W.ら
(1989) Cell, 56:607−671;Braun, T. ら(EMBO J
8:3617−3615);Peterson, C.ら(1990)Cell 62:493−
502) , これらは,bmyfプロモーター/CAT構築物のトラ
ンスフェクションに最適な目標細胞系である。さらに,
特定の細胞系がbmyfプロモーターを欠いたCAT遺伝子を
発現しないと考えられても,このような細胞系の欠失に
関する試験により,これらの領域はbmyfプロモーターの
サイレンサーとして機能する,つまり,それが除かれる
ことによってのみ遺伝子を活性化する)ことが明らかと
なり得る。
【0067】次に,完全長のbmyfプロモーター/CAT構
築物とその欠失誘導体を,RSVlac Zと共に,選択された
細胞系に一時的にコトランスフェクトし(Sambrook, J.
ら(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual
(第2版) ;Webster, J.ら (1989) EMBO J 8:1441−4
6) , そのCAT活性を14C−クロラムフェニコールを用い
て測定した。細胞系間のトランスフェクション効果の内
部対照として,β−ガラクトシダーゼ活性が測定される
(Webster, J. ら (1989) EMBO J 8:1441−46)。トラ
ンスフェクションは,リン酸カルシウム法により行われ
(Clark, T. ら (1990) Nucleic Acids Res 18:3147−
3153;Glover, D.M. (1985) DNA Cloning:A Practical
Approach II, 143−190) 。
築物とその欠失誘導体を,RSVlac Zと共に,選択された
細胞系に一時的にコトランスフェクトし(Sambrook, J.
ら(1989) Molecular Cloning; A Laboratory Manual
(第2版) ;Webster, J.ら (1989) EMBO J 8:1441−4
6) , そのCAT活性を14C−クロラムフェニコールを用い
て測定した。細胞系間のトランスフェクション効果の内
部対照として,β−ガラクトシダーゼ活性が測定される
(Webster, J. ら (1989) EMBO J 8:1441−46)。トラ
ンスフェクションは,リン酸カルシウム法により行われ
(Clark, T. ら (1990) Nucleic Acids Res 18:3147−
3153;Glover, D.M. (1985) DNA Cloning:A Practical
Approach II, 143−190) 。
【0068】この重要な部分の位置決定を欠失について
の分析により行うと,cis要素もまた確認され得る。プ
ロモーター活性に必要と考えられるプロモーター領域
は,bmyfプロモーター/CAT構築物を発現することが知
られている細胞系由来の抽出物を用いたゲルシフト イ
ンビトロアッセイにより確認することができる。
の分析により行うと,cis要素もまた確認され得る。プ
ロモーター活性に必要と考えられるプロモーター領域
は,bmyfプロモーター/CAT構築物を発現することが知
られている細胞系由来の抽出物を用いたゲルシフト イ
ンビトロアッセイにより確認することができる。
【0069】cis要素を含むことが決定されたプロモー
ター断片は,さらに保護された部分を正確に解明するた
めに,DNAse フットプリンティングを行う。DNAse フッ
トプリンティングは,問題のプロモーター断片の2つの
バッチ (batch) を調製することにより行われる。この
2つのバッチのうち1つは,trans作用調節要素 (Trans
-acting regulatory element) を有する細胞抽出物を含
むバッチと含まないバットとであり,各バッチの断片
は,放射標識した3'または5'末端を有する。このバッチ
に平均して1断片あたりの切断が1箇所となるように,
DNAse Iを速やかに反応させて,次いで各バッチをゲル
分解し,DNAse Iにより切断されなかった領域(調製タ
ンパクにより保護された領域) を同定する。
ター断片は,さらに保護された部分を正確に解明するた
めに,DNAse フットプリンティングを行う。DNAse フッ
トプリンティングは,問題のプロモーター断片の2つの
バッチ (batch) を調製することにより行われる。この
2つのバッチのうち1つは,trans作用調節要素 (Trans
-acting regulatory element) を有する細胞抽出物を含
むバッチと含まないバットとであり,各バッチの断片
は,放射標識した3'または5'末端を有する。このバッチ
に平均して1断片あたりの切断が1箇所となるように,
DNAse Iを速やかに反応させて,次いで各バッチをゲル
分解し,DNAse Iにより切断されなかった領域(調製タ
ンパクにより保護された領域) を同定する。
【0070】実施例6.3 エンハンサー領域の同定に有
用なキメラbmyfプロモーター/CAT構 築物 実施例6.1および6.3の構築物は,bmyfエンハンサー配列
を含むと考えられる断片をも同定できるように,さらに
改変することもできる。これらの配列は,イントロンと
同様,5'および3'隣接部分に位置することができる。エ
ンハンサーは,細胞型特異性を典型的に示す。pCATベク
ターは,このようなエンハンサー配列を挿入し得る。い
くつかの唯一の制限部位を,CAT遺伝子の下流に含む。
これらの制限部位には,EcoRIおよびBamHIが含まれる。
得られた構築物は,前述の方法または当該技術者に既知
の方法により,10T1/2細胞および他の細胞系の中に一過
性のトランスフェクトを行うことができ,そして, bmyf
タンパクの産生を測定し,問題のエンハンサー断片の細
胞型特異性を決定づけた。
用なキメラbmyfプロモーター/CAT構 築物 実施例6.1および6.3の構築物は,bmyfエンハンサー配列
を含むと考えられる断片をも同定できるように,さらに
改変することもできる。これらの配列は,イントロンと
同様,5'および3'隣接部分に位置することができる。エ
ンハンサーは,細胞型特異性を典型的に示す。pCATベク
ターは,このようなエンハンサー配列を挿入し得る。い
くつかの唯一の制限部位を,CAT遺伝子の下流に含む。
これらの制限部位には,EcoRIおよびBamHIが含まれる。
得られた構築物は,前述の方法または当該技術者に既知
の方法により,10T1/2細胞および他の細胞系の中に一過
性のトランスフェクトを行うことができ,そして, bmyf
タンパクの産生を測定し,問題のエンハンサー断片の細
胞型特異性を決定づけた。
【0071】実施例6.4 キメラbmyfプロモーター/β
−ガラクトシダーゼ遺伝子構築物 他に使用される異種レポーター遺伝子は,β−ガラクト
シダーゼ遺伝子である。bmyfプロモーター/β−gal遺
伝子構築物は,pCH110 (Hall, C ら (1983) J.Mol. App
l. Genetics 2:101−109;Pharmacia LKBから入手可
能)からlacZ遺伝子をBamHI/HindII断片上に切り出すこ
とにより,およびBamHI/HindIIIで切断したpSP72 (Prom
ega) 中へlacZ遺伝子を方向性を持たせて挿入すること
により,創製することができる。4.2kb BamHI/Pst I bm
yfプロモーター断片は,次に,pSP72中のXhoIおよびPvu
II部位に平滑末端による連結により挿入され得る。pSP7
2には,筋特異性エンハンサーを含むbmyf断片 (4.2kbの
5'断片以外) を挿入し得る7箇所の制限部位があり,こ
れは,lacZ断片が挿入されている部位の下流に存在す
る。この7箇所の制限部位は,SmaI, KpnI, SacI, EcoR
I, ClaI, EcoRV, およびBglIIである。β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子は,β−gal活性に関連した染色反応を示
すこと,およびβ−galに対する抗体が市販されている
ことから,レポーター遺伝子として有用である。
−ガラクトシダーゼ遺伝子構築物 他に使用される異種レポーター遺伝子は,β−ガラクト
シダーゼ遺伝子である。bmyfプロモーター/β−gal遺
伝子構築物は,pCH110 (Hall, C ら (1983) J.Mol. App
l. Genetics 2:101−109;Pharmacia LKBから入手可
能)からlacZ遺伝子をBamHI/HindII断片上に切り出すこ
とにより,およびBamHI/HindIIIで切断したpSP72 (Prom
ega) 中へlacZ遺伝子を方向性を持たせて挿入すること
により,創製することができる。4.2kb BamHI/Pst I bm
yfプロモーター断片は,次に,pSP72中のXhoIおよびPvu
II部位に平滑末端による連結により挿入され得る。pSP7
2には,筋特異性エンハンサーを含むbmyf断片 (4.2kbの
5'断片以外) を挿入し得る7箇所の制限部位があり,こ
れは,lacZ断片が挿入されている部位の下流に存在す
る。この7箇所の制限部位は,SmaI, KpnI, SacI, EcoR
I, ClaI, EcoRV, およびBglIIである。β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子は,β−gal活性に関連した染色反応を示
すこと,およびβ−galに対する抗体が市販されている
ことから,レポーター遺伝子として有用である。
【0072】実施例6.5 キメラpMMTV-bmyf遺伝子およ
びpMMTV-myoD遺伝子構築物 bmyfコード領域と結合した外来プロモーターを有するキ
メラ遺伝子は,そのプロモーターの作用が正常に示され
る条件下においてbmyfを発現する。この種のキメラ遺伝
子は, 単離およびさらに特性決定する上で十分な量のbm
yfタンパクを発現させることができる。
びpMMTV-myoD遺伝子構築物 bmyfコード領域と結合した外来プロモーターを有するキ
メラ遺伝子は,そのプロモーターの作用が正常に示され
る条件下においてbmyfを発現する。この種のキメラ遺伝
子は, 単離およびさらに特性決定する上で十分な量のbm
yfタンパクを発現させることができる。
【0073】例えば,完全なbmyf cDNAおよびmyoDコー
ド領域を含むEcoRI制限フラブメントは,pΩ5 ベクター
(Morganstern, J. & Land, H.(1990) Nucleic Acids Re
s. 18:1068) 中にサブクローン化された。このベクター
は,哺乳類培養細胞中でデキサメサゾンにより20〜50倍
の誘発性を示す,エンハンサーを持たないマウス乳癌ウ
イルス(MMTV)プロモーターを有する。bmyfおよびmyoDコ
ード領域は,センス方向(pΩbmyf+およびpΩmyoD+)
およびアンチセンス方向(pΩmyfl-およびpΩmyoD-) に
挿入された。
ド領域を含むEcoRI制限フラブメントは,pΩ5 ベクター
(Morganstern, J. & Land, H.(1990) Nucleic Acids Re
s. 18:1068) 中にサブクローン化された。このベクター
は,哺乳類培養細胞中でデキサメサゾンにより20〜50倍
の誘発性を示す,エンハンサーを持たないマウス乳癌ウ
イルス(MMTV)プロモーターを有する。bmyfおよびmyoDコ
ード領域は,センス方向(pΩbmyf+およびpΩmyoD+)
およびアンチセンス方向(pΩmyfl-およびpΩmyoD-) に
挿入された。
【0074】実施例7 細胞系でのbmyfの発現および精
製 bmyfタンパクは,既知の発現システムのいずれか1つに
本発明のキメラ遺伝子を組み合わせることにより得られ
る。例えば,bmyf遺伝子もしくはbmyf cDNAのコード部
分をE.coliのtrp Eプロモーターと結合させることによ
り,細菌培養系において高いレベルのbmyfタンパクの発
現が得られる。あるいは,培養昆虫細胞中においてbmyf
タンパクを所望の量だけ産生させるためには,ウイルス
コートタンパク遺伝子の既知の高活性プロモーターを用
いたバキュロウイルス発現システムが使用される。bmyf
タンパクの精製は,当該技術分野で既知の技術を組み合
わせることにより達成される。発現システムにおいて,
所望のタンパクが,主要発現産物である。このタンパク
は,電気泳動ゲル上のサイズにより同定される。このタ
ンパクはまた,抗体によっても同定され,そして分析さ
れ得る。このような抗体は,例えば,ゲルバンド中のタ
ンパクの免疫により調製され得る。その代わりとなる長
さ40〜80個のアミノ酸のサブ領域は,当該技術分野にお
いて既知の標準的な方法を用いて合成される。あるい
は,特異抗体は,発現細胞または合成ペプチドの抽出物
を適当な宿主 (ウサギまたはマウス) に接種することに
よっても得られ,bmyfタンパクを含まない発現細胞の対
照抽出物に対する吸着により,非bmyf抗体の抗体調製物
が除去される。bmyfタンパクは,固相支持材料に結合し
た抗体を用いて,アフィニティー吸着により精製され
る。所望の純度を得るために,必要に応じて,当該技術
分野で既知のタンパク精製技術が利用される。精製され
たbmyfタンパクは,次に,標準的な方法により特性の決
定が行われる。
製 bmyfタンパクは,既知の発現システムのいずれか1つに
本発明のキメラ遺伝子を組み合わせることにより得られ
る。例えば,bmyf遺伝子もしくはbmyf cDNAのコード部
分をE.coliのtrp Eプロモーターと結合させることによ
り,細菌培養系において高いレベルのbmyfタンパクの発
現が得られる。あるいは,培養昆虫細胞中においてbmyf
タンパクを所望の量だけ産生させるためには,ウイルス
コートタンパク遺伝子の既知の高活性プロモーターを用
いたバキュロウイルス発現システムが使用される。bmyf
タンパクの精製は,当該技術分野で既知の技術を組み合
わせることにより達成される。発現システムにおいて,
所望のタンパクが,主要発現産物である。このタンパク
は,電気泳動ゲル上のサイズにより同定される。このタ
ンパクはまた,抗体によっても同定され,そして分析さ
れ得る。このような抗体は,例えば,ゲルバンド中のタ
ンパクの免疫により調製され得る。その代わりとなる長
さ40〜80個のアミノ酸のサブ領域は,当該技術分野にお
いて既知の標準的な方法を用いて合成される。あるい
は,特異抗体は,発現細胞または合成ペプチドの抽出物
を適当な宿主 (ウサギまたはマウス) に接種することに
よっても得られ,bmyfタンパクを含まない発現細胞の対
照抽出物に対する吸着により,非bmyf抗体の抗体調製物
が除去される。bmyfタンパクは,固相支持材料に結合し
た抗体を用いて,アフィニティー吸着により精製され
る。所望の純度を得るために,必要に応じて,当該技術
分野で既知のタンパク精製技術が利用される。精製され
たbmyfタンパクは,次に,標準的な方法により特性の決
定が行われる。
【0075】実施例7.1 pMMTV-bmyfおよびpMMTV-my
oD構築物によりトランスフェクトされた安定な細胞系 実施例6.4に示したpMMTV-bmyfおよびpMMTV-myoD構築
物は,C3H10T 1/2およびNIH3T3細胞系 (アメリカンタイ
プ カルチャー コレクションから入手可能)に,RSVne
oと共にコトランスフェクトする(Gorman, C (1985) DNA
Cloning:A practical Approach II (Glover, D編)143
-190頁) のに使用され,ステロイド誘発条件下でbmyfお
よびmyoDを発現する安定な細胞系が単離される。トラン
スフェクションは,リン酸カルシウム法により行われた
(Clark, T. らNucleic AcidsRes (1990) 18:3147-315
3; Glover,D.M.DNA Cloning; A Practical approachII
(1985) 143-190) 。これらの細胞系は,ノザーンブロッ
トで分析したところ筋原細胞形成およびbmyf転写物の発
現において,デキサメサゾン誘発性を有することが既に
確認されている。これらの細胞系は,bmyf転写物の代謝
回転(turnover)速度を分析するために使用される。さら
に,これらの細胞系から産生され精製されたbmyfタンパ
クは,さらにタンパクの特性決定のために,例えば,bm
yfタンパクのリン酸化状態および各局在についての分析
のために使用される。
oD構築物によりトランスフェクトされた安定な細胞系 実施例6.4に示したpMMTV-bmyfおよびpMMTV-myoD構築
物は,C3H10T 1/2およびNIH3T3細胞系 (アメリカンタイ
プ カルチャー コレクションから入手可能)に,RSVne
oと共にコトランスフェクトする(Gorman, C (1985) DNA
Cloning:A practical Approach II (Glover, D編)143
-190頁) のに使用され,ステロイド誘発条件下でbmyfお
よびmyoDを発現する安定な細胞系が単離される。トラン
スフェクションは,リン酸カルシウム法により行われた
(Clark, T. らNucleic AcidsRes (1990) 18:3147-315
3; Glover,D.M.DNA Cloning; A Practical approachII
(1985) 143-190) 。これらの細胞系は,ノザーンブロッ
トで分析したところ筋原細胞形成およびbmyf転写物の発
現において,デキサメサゾン誘発性を有することが既に
確認されている。これらの細胞系は,bmyf転写物の代謝
回転(turnover)速度を分析するために使用される。さら
に,これらの細胞系から産生され精製されたbmyfタンパ
クは,さらにタンパクの特性決定のために,例えば,bm
yfタンパクのリン酸化状態および各局在についての分析
のために使用される。
【0076】実施例8 抗体 bmyfタンパクに対するポリクローナルおよびモノクロー
ナル抗体は,bmyfタンパクを抗原として用いることによ
り得られる。利用される方法および技術は,当該技術分
野で,免疫,抗体選択,精製,ハイブリドーマのスクリ
ーニングおよびイムノアッセイについて日常的に使用さ
れるものである。当業者が通常行うように,このような
方法の組合せを選択することにより,前述の実施例で確
立されたようなbmyfタンパクの構造および機能特性が得
られ,イムノアッセイ,染色,不活性化,アフィニティ
精製,エピトープマッピングなどのような既知の技術に
適合した抗体が産生され,精製される。典型的な抗体調
製物は,ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のい
ずれかを含むタンパク様組成物であり,ポリクローナル
抗体であるかモノクローナル抗体であるかは,抗体を得
るために使用した方法に依存する。bmyfタンパクに特異
的な抗体は,免疫学の分野において,bmyfに結合する抗
体であるということが理解されている。bmyfタンパクが
他のタンパクとの相同部分を有することから,bmyfタン
パクに特異的な抗体の一部は,ある程度,他のタンパク
と交差反応を起こし得る。ある使用目的においては,交
差反応性が許容されるが,他の使用目的においては,他
のタンパクとの測定可能な程度の交差反応をも行わない
抗体が好ましい。
ナル抗体は,bmyfタンパクを抗原として用いることによ
り得られる。利用される方法および技術は,当該技術分
野で,免疫,抗体選択,精製,ハイブリドーマのスクリ
ーニングおよびイムノアッセイについて日常的に使用さ
れるものである。当業者が通常行うように,このような
方法の組合せを選択することにより,前述の実施例で確
立されたようなbmyfタンパクの構造および機能特性が得
られ,イムノアッセイ,染色,不活性化,アフィニティ
精製,エピトープマッピングなどのような既知の技術に
適合した抗体が産生され,精製される。典型的な抗体調
製物は,ポリクローナルまたはモノクローナル抗体のい
ずれかを含むタンパク様組成物であり,ポリクローナル
抗体であるかモノクローナル抗体であるかは,抗体を得
るために使用した方法に依存する。bmyfタンパクに特異
的な抗体は,免疫学の分野において,bmyfに結合する抗
体であるということが理解されている。bmyfタンパクが
他のタンパクとの相同部分を有することから,bmyfタン
パクに特異的な抗体の一部は,ある程度,他のタンパク
と交差反応を起こし得る。ある使用目的においては,交
差反応性が許容されるが,他の使用目的においては,他
のタンパクとの測定可能な程度の交差反応をも行わない
抗体が好ましい。
【0077】出願人は,1-19位,101-118位および154-1
69位(N−末端に対して)のアミノ酸を含む3つの合成
ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を生じさせ
た。抗原性を有すると思われる領域を,まずPEPTIDESTR
UCTURETMプログラム(Jameson, B.A. & Wolf, H. (198
8) Comput. Appl. Biosci. 4:181-186; Pearson, W.R.&
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448; ウイ
スコンシン大学,マジソンから入手できる)によって提
供されるような少なくとも1,000の抗原指数を有する領
域を使用して選択した。抗原指数は,親水性,表面接近
性(surfaceaccessibility),構造の型(例えば,α,
βまたはβシート)およびチョウファスマン(Chou-Fas
man)特性を含むペプチドパラメータ情報の集大成であ
る。更に,抗体を産生するのに使用される抗原性ペプチ
ドの選択は,(1)抗原領域の長さ,(2)予想表面領
域に強力なβ−折り返し構造が存在すること,(3)抗
原領域内にシステインが存在しないこと,および(4)
他のタンパクとの既知の相同性が存在しないことに基づ
いて実施した。
69位(N−末端に対して)のアミノ酸を含む3つの合成
ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を生じさせ
た。抗原性を有すると思われる領域を,まずPEPTIDESTR
UCTURETMプログラム(Jameson, B.A. & Wolf, H. (198
8) Comput. Appl. Biosci. 4:181-186; Pearson, W.R.&
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448; ウイ
スコンシン大学,マジソンから入手できる)によって提
供されるような少なくとも1,000の抗原指数を有する領
域を使用して選択した。抗原指数は,親水性,表面接近
性(surfaceaccessibility),構造の型(例えば,α,
βまたはβシート)およびチョウファスマン(Chou-Fas
man)特性を含むペプチドパラメータ情報の集大成であ
る。更に,抗体を産生するのに使用される抗原性ペプチ
ドの選択は,(1)抗原領域の長さ,(2)予想表面領
域に強力なβ−折り返し構造が存在すること,(3)抗
原領域内にシステインが存在しないこと,および(4)
他のタンパクとの既知の相同性が存在しないことに基づ
いて実施した。
【0078】少なくとも15残基の抗原領域が好ましいこ
とが見い出されている。なぜなら,それらはインビボに
おいて推定されるコンホメーション内に抗原領域を提示
しやすいからである。また,より長い断片は,潜在的に
抗体によって認識されるエピトープをより多く提供し,
これによって,特異的抗体が得やすくなる。予想表面領
域における強力なβ−折り返し構造の存在が,好まし
い。なぜなら,強力な折り返し構造は,しばしば,その
インビボでのコンホメーションをインビトロにおいても
保有することが発見されているからである。抗原領域に
おけるシステインの不在は,抗原ペプチドを粒子に固定
するのに使用される試薬とチオール基との反応を避ける
ため,好ましい。抗原領域に隣接して位置する領域にお
けるシステインの存在は,断片を粒子または支持体に固
定するのに有用であり得る。システインが隣接領域中に
天然に存在しない場合には,挿入することが可能であ
る。そのような他のタンパクとの抗体の交差反応を避け
るために,抗原領域が他のタンパクに対して非相同であ
ることが好ましい。TFASTAプログラム(Pearson, W.R.'
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448;ウイス
コンシン大学,マジソン,ウイスコンシンから入手でき
る)を使用して,抗原領域の配列を,ジーンバンクデー
タベースに登録されているEMBLのヌクレオチド配列から
翻訳され得るすべてのアミノ酸配列と比較した。他のタ
ンパクとの交差反応を避けるために,ポリクローナル抗
体を産生するのに使用される抗原領域を,ジーンバンク
ヌクレオチド配列から翻訳可能なすべての,可能性のあ
るアミノ酸配列と相同性を有していないことに基づいて
選択した。上記の分析を実施した時点で,ネズミmyoD
(ウシmyoDではない)のみがジーンバンクにおいて得ら
れた。
とが見い出されている。なぜなら,それらはインビボに
おいて推定されるコンホメーション内に抗原領域を提示
しやすいからである。また,より長い断片は,潜在的に
抗体によって認識されるエピトープをより多く提供し,
これによって,特異的抗体が得やすくなる。予想表面領
域における強力なβ−折り返し構造の存在が,好まし
い。なぜなら,強力な折り返し構造は,しばしば,その
インビボでのコンホメーションをインビトロにおいても
保有することが発見されているからである。抗原領域に
おけるシステインの不在は,抗原ペプチドを粒子に固定
するのに使用される試薬とチオール基との反応を避ける
ため,好ましい。抗原領域に隣接して位置する領域にお
けるシステインの存在は,断片を粒子または支持体に固
定するのに有用であり得る。システインが隣接領域中に
天然に存在しない場合には,挿入することが可能であ
る。そのような他のタンパクとの抗体の交差反応を避け
るために,抗原領域が他のタンパクに対して非相同であ
ることが好ましい。TFASTAプログラム(Pearson, W.R.'
Lippman, D.J. (1988) PNAS USA 85:2444-2448;ウイス
コンシン大学,マジソン,ウイスコンシンから入手でき
る)を使用して,抗原領域の配列を,ジーンバンクデー
タベースに登録されているEMBLのヌクレオチド配列から
翻訳され得るすべてのアミノ酸配列と比較した。他のタ
ンパクとの交差反応を避けるために,ポリクローナル抗
体を産生するのに使用される抗原領域を,ジーンバンク
ヌクレオチド配列から翻訳可能なすべての,可能性のあ
るアミノ酸配列と相同性を有していないことに基づいて
選択した。上記の分析を実施した時点で,ネズミmyoD
(ウシmyoDではない)のみがジーンバンクにおいて得ら
れた。
【0079】選択された各ペプチドにおいて,以下の方
法により抗血清が生じた:(1)完全フロイントアジュ
バントに混合した50 μgのペプチドをウサギの筋肉内に
投与すること,(2)2週間後,不完全フロイントアジ
ュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内に投与
すること,(3)3週間連続して,毎週不完全フロイン
トアジュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内
に投与すること,(4)3週間放置すること,(5)不
完全フロイントアジュバントに混合した100 μgのペプ
チドでブーストすること,(6)3週間放置すること,
および(7)不完全フロイントアジュバントに混合した
100 μgのペプチドでブーストすること。次いで,血清
を採取し,免疫沈澱法によってbmyfおよびウシmyoDとの
反応を決定した。
法により抗血清が生じた:(1)完全フロイントアジュ
バントに混合した50 μgのペプチドをウサギの筋肉内に
投与すること,(2)2週間後,不完全フロイントアジ
ュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内に投与
すること,(3)3週間連続して,毎週不完全フロイン
トアジュバントに混合した100 μgのペプチドを筋肉内
に投与すること,(4)3週間放置すること,(5)不
完全フロイントアジュバントに混合した100 μgのペプ
チドでブーストすること,(6)3週間放置すること,
および(7)不完全フロイントアジュバントに混合した
100 μgのペプチドでブーストすること。次いで,血清
を採取し,免疫沈澱法によってbmyfおよびウシmyoDとの
反応を決定した。
【0080】1-19位,101-118位および154-169位のアミ
ノ酸を含む各抗原ペプチドにおいて,各抗血清がbmyfタ
ンパクと反応し,myoDタンパクと交差反応することが見
い出された。ポリクローナル抗体沈澱物は,myoDと交差
反応する抗体を減少または除去するために,更に精製さ
れ得る。この精製は,基質に固定されたmyoDを使用する
アフィニティクロマトグラフィーによる抗体クレアラン
ス法のような従来から既知の方法によって,成し遂げら
れ得る。例えば,抗体調製物は,哺乳類myoDタンパクま
たは関連タンパク,あるいはその抗原断片(合成N末端
断片を含む)が固体支持体または基質に固定されている
クロマトグラフィーカラムを通過することが可能であ
り,その結果myoDに対して反応性のある抗体がカラムへ
付着する。必要に応じて,他の筋原性タンパクと交差反
応性を有する抗体が,同様に除去され得る。生成した溶
離物は,bmyfタンパクに対して特異的で,ウシmyoDと反
応しない抗体を高い割合で含む。
ノ酸を含む各抗原ペプチドにおいて,各抗血清がbmyfタ
ンパクと反応し,myoDタンパクと交差反応することが見
い出された。ポリクローナル抗体沈澱物は,myoDと交差
反応する抗体を減少または除去するために,更に精製さ
れ得る。この精製は,基質に固定されたmyoDを使用する
アフィニティクロマトグラフィーによる抗体クレアラン
ス法のような従来から既知の方法によって,成し遂げら
れ得る。例えば,抗体調製物は,哺乳類myoDタンパクま
たは関連タンパク,あるいはその抗原断片(合成N末端
断片を含む)が固体支持体または基質に固定されている
クロマトグラフィーカラムを通過することが可能であ
り,その結果myoDに対して反応性のある抗体がカラムへ
付着する。必要に応じて,他の筋原性タンパクと交差反
応性を有する抗体が,同様に除去され得る。生成した溶
離物は,bmyfタンパクに対して特異的で,ウシmyoDと反
応しない抗体を高い割合で含む。
【0081】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:核酸1931 アミノ酸255 配列の型:核酸およびアミノ酸 鎖の数:核酸は二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CCAGGCTCCG GTTTCTCCCC TATCTATCTC TCTGCTGTCC AGGCCCACCC CTTGCCTCTC 60 TGCAGACG ATG GAC ATG ATG GAC GGC TGC CAG TTC TCG CCC TCT GAG TAC 110 Met Asp Met Met Asp Gly Cys Gln Phe Ser Pro Ser Glu Tyr 5 10 TTC TAC GAC GGC TCC TGC ATC CCA TCC CCC GAC GGT GAG TTC GGG GAC 158 Phe Tyr Asp Gly Ser Cys Ile Pro Ser Pro Asp Gly Glu Phe Gly Asp 15 20 25 30 GAG TTT GAG CCG CGA GTG GCT GCT TTC GGG GCT CAC AAG GCA GAC CTG 206 Glu Phe Glu Pro Arg Val Ala Ala Phe Gly Ala His Lys Ala Asp Leu 35 40 45 CAA GGC TCA GAC GAG GAC GAG CAC GTG CGA GCA CCC ACG GGC CAC CAC 254 Gln Gly Ser Asp Glu Asp Glu His Val Arg Ala Pro Thr Gly His His 50 55 60 CAG GCC GGC CAC TGC CTC ATG TGG GCC TGC AAA GCA TGC AAA AGG AAG 302 Gln Ala Gly His Cys Leu Met Trp Ala Cys Lys Ala Cys Lys Arg Lys 65 70 75 TCC ACC ACC ATG GAT CGG CGG AAG GCG GCC ACC ATG CGC GAG CGG AGA 350 Ser Thr Thr Met Asp Arg Arg Lys Ala Ala Thr Met Arg Glu Arg Arg 80 85 90 CGC CTG AAG AAG GTC AAC CAG GCT TTC GAC ACG CTC AAG CGG TGC ACC 398 Arg Leu Lys Lys Val Asn Gln Ala Phe Asp Thr Leu Lys Arg Cys Thr 95 100 105 110 ACG ACC AAC CCT AAC CAG AGG CTG CCC AAG GTG GAG ATC CTC AGG AAT 446 Thr Thr Asn Pro Asn Gln Arg Leu Pro Lys Val Glu Ile Leu Arg Asn 115 120 125 GCC ATC CGC TAC ATT GAG AGT CTG CAG GAG CTG CTT AGG GAA CAG GTG 494 Ala Ile Arg Tyr Ile Glu Ser Leu Gln Glu Leu Leu Arg Glu Gln Val 130 135 140 GAA AAC TAC TAT AGC CTG CCG GGG CAG AGC TGC TCT GAG CCC ACC AGC 542 Glu Asn Tyr Tyr Ser Leu Pro Gly Gln Ser Cys Ser Glu Pro Thr Ser 145 150 155 CCC ACC TCA AGT TGC TCT GAT GGC ATG CCT GAA TGT AAC AGC CCT ATC 590 Pro Thr Ser Ser Cys Ser Asp Gly Met Pro Glu Cys Asn Ser Pro Ile 160 165 170 TGG TCC AGA AAG AGC AGC AGT TTT GAC AGC GTC TAC TGT CCT GAT GTA 638 Trp Ser Arg Lys Ser Ser Ser Phe Asp Ser Val Tyr Cys Pro Asp Val 175 180 185 190 CCA AAT GTA TAT GCC ACG GAT AAA AGC TCC TTA TCC AGC TTG GAT TGC 686 Pro Asn Val Tyr Ala Thr Asp Lys Ser Ser Leu Ser Ser Leu Asp Cys 195 200 205 TTA TCC AGC ATA GTG GAT CGG ATC ACC AAC TCA GAG CAA CCT GGA TTG 734 Leu Ser Ser Ile Val Asp Arg Ile Thr Asn Ser Glu Gln Pro Gly Leu 210 215 220 CCT CTC CAG GAT CCA GCC TCT CTC TCC CCA GTT GCC AGC ACC GAT TCT 782 Pro Leu Gln Asp Pro Ala Ser Leu Ser Pro Val Ala Ser Thr Asp Ser 225 230 235 CAA CCT GCA ACT CCA GGG GCC TCT AGT TCC AGG CTC ATC TAT CAT GTG 830 Gln Pro Ala Thr Pro Gly Ala Ser Ser Ser Arg Leu Ile Tyr His Val 240 245 250 CTA TGAACTAAAA ATCTAGATCA GTTCTGCCAG AAGGCCTATT ACACAGGAGG 883 Leu 255 AAGGAGGTAC CAAAAACCCC AAAGCAAGAC AACCTGTAAA TAAACATTTC TTTTCTGTTG 943 TAAATTTGTA AATAGTTATC TTGCCACTTT ATAAGAAAGT GTATTTAAAA AGTCATTATT 1003 GCAATTTATA CTTTCTTTTT TTCTTCTTTT CCTTCATCTT TGCTTTAGAT ATATAGTTCC 1063 AATGATATTA TTTCTTATAG GGGCCGTTCA TCAAAGGTAG TTTGTTGCAA TGCTTAACTT 1123 ATATATTTTT ATAAATATTG CTTATCAAAA TATTACCTCT GATGTTTAGT GCTTTTTTTT 1183 CTTTAAAACA TTAGAATAGA TGTAAATCAG TTATAGGGAG TTTTAAATAT ATTTAACTGT 1243 CTTGCTTTTC TTTAATCTTT TGATTTATAT TGTGTTAAGT AAAATATAAC AATACTGCCT 1303 AATGGTATAT ATTTTAACAT TTCTTATAAG AAATACATTT TTAATCTAAG CACAAAATAG 1363 TACTTTGTGG ATGATTTCAA GATATAAGAG ATTTTTGGAA ACTCCACCAT AAATAAAATT 1423 GTTTAAGTGA GGAAATATTC TGGTTTTATG ATTTTGTTAA AAGAACCCCC TAATGGAATT 1483 GGCAGTCACT GATATGGTGT CTTTAAGGTG GGGCTGAAAG TACTGAAACA GTGGGTTTTG 1543 AAGATAAATC TGAATAGCAT CTCGCGGACT CAGTTTAGGT CCTGTTGGTG TCACAGATGA 1603 AAATACCACA TTTCTACTTC AAGCATATTT CAAAGGTGTC TGCTAACTAA AATTTTTCTT 1663 TTATCTTAAT GTTGTACCAT ATAACATAAA GTTGTGTGTA TGTGGAGCAA AAGTAGAAGG 1723 TATTCAGGAC AATAACAGAT TTTTAAACAA AAAGAATGTA CAATATTACA TCATTATAAT 1783 ATCTATAGTA CATTAGAAAT CATGAGTTAA GGTGATATAT ATCTATTTTC CCAAAAATAC 1843 CTTGATACAT TAGTATATTA ATATTGTCAA TAAAATATTT AAAGGTAAAA AAAAAAAAAA 1903 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAA 1931
【0082】配列番号:2 配列の長さ:1931 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CCAGGCTCCG GTTTCTCCCC TATCTATCTC TCTGCTGTCC AGGCCCACCC CTTGCCTCTC 60 TGCAGACG ATG GAC ATG ATG GAC GGC TGC CAG TTC TCG CCC TCT GAG TAC 110 TTC TAC GAC GGC TCC TGC ATC CCA TCC CCC GAC GGT GAG TTC GGG GAC 158 GAG TTT GAG CCG CGA GTG GCT GCT TTC GGG GCT CAC AAG GCA GAC CTG 206 CAA GGC TCA GAC GAG GAC GAG CAC GTG CGA GCA CCC ACG GGC CAC CAC 254 CAG GCC GGC CAC TGC CTC ATG TGG GCC TGC AAA GCA TGC AAA AGG AAG 302 TCC ACC ACC ATG GAT CGG CGG AAG GCG GCC ACC ATG CGC GAG CGG AGA 350 CGC CTG AAG AAG GTC AAC CAG GCT TTC GAC ACG CTC AAG CGG TGC ACC 398 ACG ACC AAC CCT AAC CAG AGG CTG CCC AAG GTG GAG ATC CTC AGG AAT 446 GCC ATC CGC TAC ATT GAG AGT CTG CAG GAG CTG CTT AGG GAA CAG GTG 494 GAA AAC TAC TAT AGC CTG CCG GGG CAG AGC TGC TCT GAG CCC ACC AGC 542 CCC ACC TCA AGT TGC TCT GAT GGC ATG CCT GAA TGT AAC AGC CCT ATC 590 TGG TCC AGA AAG AGC AGC AGT TTT GAC AGC GTC TAC TGT CCT GAT GTA 638 CCA AAT GTA TAT GCC ACG GAT AAA AGC TCC TTA TCC AGC TTG GAT TGC 686 TTA TCC AGC ATA GTG GAT CGG ATC ACC AAC TCA GAG CAA CCT GGA TTG 734 CCT CTC CAG GAT CCA GCC TCT CTC TCC CCA GTT GCC AGC ACC GAT TCT 782 CAA CCT GCA ACT CCA GGG GCC TCT AGT TCC AGG CTC ATC TAT CAT GTG 830 CTA TGAACTAAAA ATCTAGATCA GTTCTGCCAG AAGGCCTATT ACACAGGAGG 883 AAGGAGGTAC CAAAAACCCC AAAGCAAGAC AACCTGTAAA TAAACATTTC TTTTCTGTTG 943 TAAATTTGTA AATAGTTATC TTGCCACTTT ATAAGAAAGT GTATTTAAAA AGTCATTATT 1003 GCAATTTATA CTTTCTTTTT TTCTTCTTTT CCTTCATCTT TGCTTTAGAT ATATAGTTCC 1063 AATGATATTA TTTCTTATAG GGGCCGTTCA TCAAAGGTAG TTTGTTGCAA TGCTTAACTT 1123 ATATATTTTT ATAAATATTG CTTATCAAAA TATTACCTCT GATGTTTAGT GCTTTTTTTT 1183 CTTTAAAACA TTAGAATAGA TGTAAATCAG TTATAGGGAG TTTTAAATAT ATTTAACTGT 1243 CTTGCTTTTC TTTAATCTTT TGATTTATAT TGTGTTAAGT AAAATATAAC AATACTGCCT 1303 AATGGTATAT ATTTTAACAT TTCTTATAAG AAATACATTT TTAATCTAAG CACAAAATAG 1363 TACTTTGTGG ATGATTTCAA GATATAAGAG ATTTTTGGAA ACTCCACCAT AAATAAAATT 1423 GTTTAAGTGA GGAAATATTC TGGTTTTATG ATTTTGTTAA AAGAACCCCC TAATGGAATT 1483 GGCAGTCACT GATATGGTGT CTTTAAGGTG GGGCTGAAAG TACTGAAACA GTGGGTTTTG 1543 AAGATAAATC TGAATAGCAT CTCGCGGACT CAGTTTAGGT CCTGTTGGTG TCACAGATGA 1603 AAATACCACA TTTCTACTTC AAGCATATTT CAAAGGTGTC TGCTAACTAA AATTTTTCTT 1663 TTATCTTAAT GTTGTACCAT ATAACATAAA GTTGTGTGTA TGTGGAGCAA AAGTAGAAGG 1723 TATTCAGGAC AATAACAGAT TTTTAAACAA AAAGAATGTA CAATATTACA TCATTATAAT 1783 ATCTATAGTA CATTAGAAAT CATGAGTTAA GGTGATATAT ATCTATTTTC CCAAAAATAC 1843 CTTGATACAT TAGTATATTA ATATTGTCAA TAAAATATTT AAAGGTAAAA AAAAAAAAAA 1903 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAA 1931
【0083】配列番号:3 配列の長さ:255 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 Met Asp Met Met Asp Gly Cys Gln Phe Ser Pro Ser Glu Tyr Phe Tyr 5 10 15 Asp Gly Ser Cys Ile Pro Ser Pro Asp Gly Glu Phe Gly Asp Glu Phe 20 25 30 Glu Pro Arg Val Ala Ala Phe Gly Ala His Lys Ala Asp Leu Gln Gly 35 40 45 Ser Asp Glu Asp Glu His Val Arg Ala Pro Thr Gly His His Gln Ala 50 55 60 Gly His Cys Leu Met Trp Ala Cys Lys Ala Cys Lys Arg Lys Ser Thr 65 70 75 80 Thr Met Asp Arg Arg Lys Ala Ala Thr Met Arg Glu Arg Arg Arg Leu 85 90 95 Lys Lys Val Asn Gln Ala Phe Asp Thr Leu Lys Arg Cys Thr Thr Thr 100 105 110 Asn Pro Asn Gln Arg Leu Pro Lys Val Glu Ile Leu Arg Asn Ala Ile 115 120 125 Arg Tyr Ile Glu Ser Leu Gln Glu Leu Leu Arg Glu Gln Val Glu Asn 130 135 140 Tyr Tyr Ser Leu Pro Gly Gln Ser Cys Ser Glu Pro Thr Ser Pro Thr 145 150 155 160 Ser Ser Cys Ser Asp Gly Met Pro Glu Cys Asn Ser Pro Ile Trp Ser 165 170 175 Arg Lys Ser Ser Ser Phe Asp Ser Val Tyr Cys Pro Asp Val Pro Asn 180 185 190 Val Tyr Ala Thr Asp Lys Ser Ser Leu Ser Ser Leu Asp Cys Leu Ser 195 200 205 Ser Ile Val Asp Arg Ile Thr Asn Ser Glu Gln Pro Gly Leu Pro Leu 210 215 220 Gln Asp Pro Ala Ser Leu Ser Pro Val Ala Ser Thr Asp Ser Gln Pro 225 230 235 240 Ala Thr Pro Gly Ala Ser Ser Ser Arg Leu Ile Tyr His Val Leu 245 250 255
【0084】配列番号:4 配列の長さ:385 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGAGATTGG TAGAGAAGTC TTGGGTTGCT ATAGTGACCT TCACCCTTAT TAAGACATTT 60 AAATTCAAAG CTAGAATTTA CCCATCTGTG CTTTTCTCTT TAGTAATATT TTGTCCCCTT 120 TATTCATCTC AAAACTTTGC TCCTACAACA CCTTATCTTG GAAAAAAATA TTTTAAAAAA 180 TTTTAGTTCA AACTTTGAAT ATCCATCTTC CAAATCTAAT GCATTTGTAA ATTAGCTATA 240 ACATGGCATT TCCTTAAAGA GCCAAGCTAT CAAGGCATTT CTCCAGCAGA CTCCTCCAGC 300 CACTCCCTTA GAGTCAGCAG TGTACAAAGA TGACCTCCTC CTAGAGGTTA CTTCGAACGC 360 ATTTTGCAGC TAGTCAGAGT CAGCT 385
【0085】配列番号:5 配列の長さ:814 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GAGCTCAAGC CCTCCAGAAG CGATGCCTAG TTTCCAATTC TGAGTGACCT GGGGCAAATG 60 ACTTACTCCC CGAGCTTGGC TACCTTCTTT TAATAATGGG TCCAGTTACA GTTGCCACAG 120 AATTGTTGGA AGTCATAACT GAGTGCATAC ATAGCAAGCG CTGGGAACAG AGCTTCCCAA 180 GAGAAAACTC TTCTAATTGT TTGCTTACAA ATATCCATGC TTAACAACTT TGTGCTTTGT 240 GGAAAGAAAT CGCCTAAAGA CAAGCCAGAA GCATAACTTC TATCTTCCAC TTAAACTTGA 300 AGGAGCAAAT TTATTTGTGC CCGAATCTTC AATTTGAACA CAGGTCTGAT TTGCTTTGAC 360 CAGTGTGTGA CAGTCTGGAC TACAGACCCA AAGAAAGTGC TACTATAGCT GCTGACCAGA 420 ACCTGTGGTC CCTGGCTGAG AATTTCTGGA TGAGAATATC TACCCACTAC TGTGCTTCTG 480 AGGTGGCAAC GTGCACACTT TGGAATGTTT CCACTCCCCT GGATGGGTCC TTTAGGAACT 540 CAATTCTTTT ATCTGGTGTA GCCTGGGTAC CTATTCATTT CAAATGCATC TACTTGTTAA 600 CAGTTCTAAA AATAAGGTGC AGATGAATTC CCACTGCCCA ATTAAGCTGT CCATTGGTAT 660 GAAAAGGAGC CAGATTTTCA AGGGATGGAT GGTGATGGTG GTGGTGGAGG TAGTGTCTTT 720 GTCTTGGAGA TGACAGAGCT TGGGAAAGGG GACAGCGGCA GGCACGTTTG TAGCAAACTT 780 TGGTGACTGA CATTCTCCTA CCCCTGATTT TGCT 814
【0086】配列番号:6 配列の長さ:946 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GGGAAAAGGG AAGCAAGCCC TGGAAGAGTT CATCATCTAA ACCTGGTTTC TTAGAATACA 60 AATCTTAGAG ACGCAGTCAG GGTGGATCTT CCGCCTGCTC AGGTCCATCA CAGGAGGAGG 120 CACTCAGCAA ACAGGCACAG AAGCGGGAAG GAGAGGAAGC CAGGTGTGTT CCTGGTCACC 180 TGGCCCTCCT GTGCCCACAC CCTTCAGATG AGCAGAGAGA AAACTCAGAG CAAGCTGTTT 240 TTGGAGAAAA GGAACCTGCC AGGTTACCCC CAATAACATA CAGCCTACAT AATTGCAATC 300 TGATGAGAAA CAAAACAGAT TAAAAAAAAA AAATCTAGAG CCACTTCATT ATTGAAAGTG 360 CCACTTGAAG TTTTTAGCAA CTGTTATTTG GCCTAATGGC TGAAAAAATT CCTGACACAA 420 CTAAAGTTCA CGAAAAAGAG AAATACCTGA AAATAAAGTT GGTCCCTCAT GTCTCATATT 480 GGGAAGACGG GTCCGCTTTT GGTGTCAACT GAAATGGGTA GCTGTATTTA CCGATTTTCT 540 TTTTAAATGC GGAGAGCAAT TGTACAAGTT GGATTTCCTT CGTTGCTTTT GTCTGTGACA 600 CCCTCTAAGT GTCCCTTGGT TTAGGTAATC TAAAGAGTGC AAGTAAGCGG ATTGGGGAGC 660 CATCACCTCC GCCCCAGCAG AAACGCAGAA ACCATTAGCG TCAAAAGGGG CAGTAAACAG 720 CGACTGTCTC TAGAGAAAAG GCGGAGGTTT GCCCAGACAG CACTGGCGGG GGTTGCGGTG 780 GGATATGCTA ATAGTGCGGG GCCACAGGGG CGGCCTCCCT CCCCCAAGAA TATATAAAGA 840 GCCCCAGCCC CAGCGCGCAG ACCCCAGGCC GCCACGTCTG CCCTTGTTAA TTACCAGAGA 900 CACCGACCAG GGAGCTCGGC CCGGGATTTC CCTGCCCTCA GCGGCG 946
【0087】配列番号:7 配列の長さ:569 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CCAGGCTCCG GTTTCTCCCC TATCTATCTC TCTGCTGTCC AGGCCCACCC CTTGCCTCTC 60 TGCAGACGAT GGACATG ATG GAC GGC TGC CAG TTC TCG CCC TCT GAG TAC 110 TTC TAC GAC GGC TCC TGC ATC CCA TCC CCC GAC GGT GAG TTC GGG GAC 158 GAG TTT GAG CCG CGA GTG GCT GCT TTC GGG GCT CAC AAG GCA GAC CTG 206 CAA GGC TCA GAC GAG GAC GAG CAC GTG CGA GCA CCC ACG GGC CAC CAC 254 CAG GCC GGC CAC TGC CTC ATG TGG GCC TGC AAA GCA TGC AAA AGG AAG 302 TCC ACC ACC ATG GAT CGG CGG AAG GCG GCC ACC ATG CGC GAG CGG AGA 350 CGC CTG AAG AAG GTC AAC CAG GCT TTC GAC ACG CTC AAG CGG TGC ACC 398 ACG ACC AAC CCT AAC CAG AGG CTG CCC AAG GTG GAG ATC CTC AGG AAT 446 GCC ATC CGC TAC ATT GAG AGT CTG CAG GAG CTG CTT AGG GAA CAG GTG 494 GAA AAC TAC TAT AGC CTG CCG GGG CAG AGC TGC TCT GAG CCC ACC AGC 542 CCC ACC TCA AGT TGC TCT GAT GGC ATG 569
【0088】配列番号:8 配列の長さ:361 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GTAAGAGATG GCTCTGTACC TGCTAGGACC TTCCAACTTT TACAAAAATC CTTACATCTC 60 ATTTAGACCA GGTGTAGCAA CCAGATATTC AGTGGTTACT GGTGGATAGT TGGCTATTGG 120 GGGGCGGGTG GGGCTCACCA CATCTAGATG AGAAGAGAGA TGCCACATTT AGACAGATGC 180 CAGCACACAG ACAGCTGTTG AACAGGATTT TGTCCAGACT TCCTACCTAC TCTAGGTGCA 240 CACTGAAGGA GCAGGTTGTC ACTTGAGATA GCTGGCTGTG AATGATCAGT CAGATTTCTC 300 CATTACTCAG TTATTCAGTG TTATACTACC AGTGGACCTT GACATACCTA ACATCTTAAG 360 G 361
【0089】配列番号:9 配列の長さ:258 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 ATTTGCATGT AACCAGTGTA CACTGCTGCT GAA
TTCCACT CTCTTCTTTC TGCTGCCTCT 60 CTCCTCTTCT CCAAGCACAG AGATTGACCT CAG
TGCCCTT GCAATTGGTG AGGCTAGCCC 120 TTCCTAAATC AAGGCAATAA AGGTGATTGA GAG
TGGTCAG TTTATGGAGC TGGTGGGCAA 180 GCACTGCCTC ACCCGAGATT GGAGCACCTT TTG
CCAAGAC CTGAAAACAA ACGCCTTCTT 240 CTGTGTCTTT TATTATAG
258
TTCCACT CTCTTCTTTC TGCTGCCTCT 60 CTCCTCTTCT CCAAGCACAG AGATTGACCT CAG
TGCCCTT GCAATTGGTG AGGCTAGCCC 120 TTCCTAAATC AAGGCAATAA AGGTGATTGA GAG
TGGTCAG TTTATGGAGC TGGTGGGCAA 180 GCACTGCCTC ACCCGAGATT GGAGCACCTT TTG
CCAAGAC CTGAAAACAA ACGCCTTCTT 240 CTGTGTCTTT TATTATAG
258
【0090】配列番号:10 配列の長さ:75 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 CCT GAA TGT AAC AGC CCT ATC TGG TCC
AGA AAG AGC AGC AGT TTT GAC 48 AGC GTC TAC TGT CCT GAT GTA CCA AAT
75
AGA AAG AGC AGC AGT TTT GAC 48 AGC GTC TAC TGT CCT GAT GTA CCA AAT
75
【0091】配列番号:11 配列の長さ:393 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GGGTAAGACC AATGACTTCA AGAGAGTTAA GACCAGGTTC AACTTCAGAT TAGCCTATCA 60 AGTAGAGTCT GGTTCTTCCA TGCAGTACTG GGAAGAGACA GATGGTATTA TGGGGTTTGG 120 CAGGGCAAAA TAAACACACA TCTTCTACTC AAATCCTCCT AACAGATACA TCCATGATAT 180 ACACACAGAC GTGAGCTTTT GCTTGAAATA TTACCCAGGT GCTTCTCCAC TCCCCAACTT 240 CATCCCCATG AATTGCTAGA TATTTGTTGC AAATTTCTAC CAGGCTTTCT GTGACCACCT 300 GACCTTTGGG TTTCAAAGGT GGTGACCTGC AGTTTAAGCG GCAGCATAAG CAAGGATTTT 360 TTTTTTTTTT AATGGTTTTC TCCTTGTGTC CTT 393
【0092】配列番号:12 配列の長さ:1245 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GTA TAT GCC ACG GAT AAA AGC TCC TTA TCC AGC TTG GAT TGC TTA TCC 48 AGC ATA GTG GAT CGG ATC ACC AAC TCA GAG CAA CCT GGA TTG CCT CTC 96 CAG GAT CCA GCC TCT CTC TCC CCA GTT GCC AGC ACC GAT TCT CAA CCT 144 GCA ACT CCA GGG GCC TCT AGT TCC AGG CTC ATC TAT CAT GTG CTA TGA 192 ACTAAAAATC TAGATCAGTT CTGCCAGAAG GCCTATTACA CAGGAGGAAG GAGGTACCAA 252 AAACCCCAAA GCAAGACAAC CTGTAAATAA ACATTTCTTT TCTGTTGTAA ATTTGTAAAT 312 AGTTATCTTG CCACTTTATA AGAAAGTGTA TTTAAAAAGT CATTATTGCA ATTTATACTT 372 TCTTTTTTTC TTCTTTTCCT TCATCTTTGC TTTAGATATA TAGTTCCAAT GATATTATTT 432 CTTATAGGGG CCGTTCATCA AAGGTAGTTT GTTGCAATGC TTAACTTATA TATTTTTATA 492 AATATTGCTT ATCAAAATAT TACCTCTGAT GTTTAGTGCT TTTTTTTCTT TAAAACATTA 552 GAATAGATGT AAATCAGTTA TAGGGAGTTT TAAATATATT TAACTGTCTT GCTTTTCTTT 612 AATCTTTTGA TTTATATTGT GTTAAGTAAA ATATAACAAT ACTGCCTAAT GGTATATATT 672 TTAACATTTC TTATAAGAAA TACATTTTTA ATCTAAGCAC AAAATAGTAC TTTGTGGATG 732 ATTTCAAGAT ATAAGAGATT TTTGGAAACT CCACCATAAA TAAAATTGTT TAAGTGAGGA 792 AATATTCTGG TTTTATGATT TTGTTAAAAG AACCCCCTAA TGGAATTGGC AGTCACTGAT 852 ATGGTGTCTT TAAGGTGGGG CTGAAAGTAC TGAAACAGTG GGTTTTGAAG ATAAATCTGA 912 ATAGCATCTC GCGGACTCAG TTTAGGTCCT GTTGGTGTCA CAGATGAAAA TACCACATTT 972 CTACTTCAAG CATATTTCAA AGGTGTCTGC TAACTAAAAT TTTTCTTTTA TCTTAATGTT 1032 GTACCATATA ACATAAAGTT GTGTGTATGT GGAGCAAAAG TAGAAGGTAT TCAGGACAAT 1092 AACAGATTTT TAAACAAAAA GAATGTACAA TATTACATCA TTATAATATC TATAGTACAT 1152 TAGAAATCAT GAGTTAAGGT GATATATATC TATTTTCCCA AAAATACCTT GATACATTAG 1212 TATATTAATA TTGTCAATAA AATATTTAAA GGT 1245
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) 8828−4B C12N 15/00 C (72)発明者 ロバート デイ.アイヴアリー アメリカ合衆国 ジヨージア 30677 ワ トキンズビル,ジヤクソン ストリート 54 (72)発明者 ジユリー エー.モリス アメリカ合衆国 ジヨージア 30677 ワ トキンズビル,ジヤクソン ストリート 54 (72)発明者 セオドア ジー.クラーク アメリカ合衆国 ジヨージア 30605 ア センス,モートン アベニユー 190 (72)発明者 チヤールズ ケー.スミス アメリカ合衆国 インデイアナ 46140 グリーンフイールド,アロウヘツド ドラ イブ 5550 (72)発明者 ウイリアム エフ.ヒース,ジユニア アメリカ合衆国 インデイアナ 46250 インデイアナポリス,サン ジヤシント ドライブ 9502
Claims (23)
- 【請求項1】bmyf活性タンパクをコードするヌクレ
オチド配列を含む,クローン化DNA。 - 【請求項2】前記配列がbmyfタンパクをコードす
る,請求項1に記載のDNA。 - 【請求項3】前記クローン化DNAがcDNAである,
請求項1に記載のDNA。 - 【請求項4】前記クローン化DNAが,配列番号1で示
される,bmyfタンパクをコードするヌクレオチド配
列を有するcDNAである,請求項1に記載のDNA。 - 【請求項5】前記クローン化DNAがゲノムDNAであ
る,請求項1に記載のDNA。 - 【請求項6】クローン化DNAが,配列番号3〜11の
群から選択される1つまたはそれ以上の配列を含む,請
求項5に記載のDNA。 - 【請求項7】請求項1のクローン化DNAで形質転換さ
れた,培養細胞。 - 【請求項8】bmyf遺伝子のプロモーターを含む,D
NA。 - 【請求項9】前記プロモーターが,配列番号3,4およ
び5の配列群から選択される1つまたはそれ以上の配列
を含む,請求項8に記載のDNA。 - 【請求項10】前記プロモーターがbmyf活性プロモ
ーターを包含する,請求項8に記載のDNA。 - 【請求項11】さらに,前記プロモーターの制御下にあ
るコード領域を含む,請求項8に記載のDNA。 - 【請求項12】前記コード領域が異種コード領域であ
る,請求項11に記載のDNA。 - 【請求項13】前記コード領域がレポーター遺伝子をコ
ードする,請求項11に記載のDNA。 - 【請求項14】前記コード領域がbmyf活性タンパク
をコードする,請求項11に記載のDNA。 - 【請求項15】前記コード領域がbmyfタンパクをコ
ードする,請求項11に記載のDNA。 - 【請求項16】請求項11のプロモーターおよびコード
領域で形質転換された,培養細胞。 - 【請求項17】bmyf活性タンパクのアミノ酸配列を
含むアミノ酸配列を有する,精製タンパク。 - 【請求項18】前記アミノ酸配列がbmyfタンパクの
アミノ酸配列を含む,請求項17に記載のタンパク。 - 【請求項19】bmyfタンパクに特異的なポリクロー
ナル抗体またはモノクローナル抗体を含む,タンパク様
組成物。 - 【請求項20】モノクローナル抗体を含む,請求項19
に記載の抗体。 - 【請求項21】配列番号3のbmyfアミノ酸1〜19
を有するペプチドに対するポリクローナル抗体を含む,
請求項19に記載の抗体。 - 【請求項22】配列番号3のbmyfアミノ酸101〜
118を有するペプチドに対するポリクローナル抗体を
含む,請求項19に記載の抗体。 - 【請求項23】配列番号3のbmyfアミノ酸154〜
169を有するペプチドに対するポリクローンナル抗体
を含む,請求項19に記載の抗体。
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