JP2002518494A - 光互変性ナフトピラン - Google Patents

光互変性ナフトピラン

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JP2002518494A JP2000555887A JP2000555887A JP2002518494A JP 2002518494 A JP2002518494 A JP 2002518494A JP 2000555887 A JP2000555887 A JP 2000555887A JP 2000555887 A JP2000555887 A JP 2000555887A JP 2002518494 A JP2002518494 A JP 2002518494A
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クラウディア、マン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピラン、並びにそれらの、あらゆる種類の合成樹脂における、特に眼科目的の使用に関する。特に、本発明は、ナフトピランのf側に別の環系が結合している、光互変性ナフトピラン化合物に関する。本発明の光互変性染料は、下記の一般式を有する。 【化1】 式中、n、R、R、R、X、BおよびB’は、請求項1に定義した通りである。本発明の化合物は、暗色化および変色特性が優れ、耐用寿命が非常に良いのが特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピラン、並びにそれらの、あ
らゆる種類の合成樹脂における、特に眼科目的の使用に関する。特に、本発明は
、ナフトピランのf側に別の環系が結合している、光互変性ナフトピラン化合物
に関するものである。
【0002】 特定波長の光、特に日光、で照射された時に、その色が可逆的に変化する様々
な種類の染料が公知である。これは、エネルギーが光の形態で供給され、これら
の染料分子が励起された着色状態に変化し、光の供給が中断されると、これらの
染料分子は励起状態から再び離れ、それらの無色またはほとんど着色していない
通常の状態に戻るためである。これらの光互変性染料には、例えば、ナフトピラ
ンがあるが、これらの物質は、先行技術ですでに様々な置換基と共に開示されて
いる。
【0003】 ピラン、特にナフトピラン、およびそこから誘導される大環系、は、光互変性
化合物であり、今日まで集中的に研究されている。最初の特許はすでに1966
年に提出されている(米国特許第3,567,605号明細書)が、眼鏡のレン
ズに適当な化合物は1990年代になって始めて開発された。
【0004】 適当な区分のピラン化合物は、例えば2,2−ジアリール−2H−ナフト[1
,2−b]ピランである。2H−ナフト[1,2−b]ピランは、一般的にオレ
ンジ色から赤色への光互変性化合物であり、これらは、米国特許第5,066,
818号明細書における比較例4および5および比較例Aの様に、色が濃くなっ
た後、変色するのが非常に遅い。
【0005】 ナフトピランにおけるナフタレン部分の5および6位置にある炭素原子を置き
換えることにより、改良する試みがなされている。この種の化合物は、例えば米
国特許第5,458,814号、第5,573,712号、第5,650,09
8号、第5,656,206号、第5,658,500号および第5,658,
501号、および国際特許第WO98/04937号各明細書に開示されている
。さらに改良する必要があったので、2H−ナフト[1,2−b]ピラン系が米
国特許第5,651,923号明細書に始めて開示された。ナフトピランのf側
で、すなわちナフタレン部分で、これらの化合物は縮合したベンゾチエノ、ベン
ゾフラノまたはインドロ系を有し、ベンゾチエノ、ベンゾフラノまたはインドロ
系は、複素環式部分を介してナフタレンに結合している。米国特許第5,651
,923号明細書における例4、5および6の3種類のナフトフロ[2’,3’
:3,4]−およびナフトフロ[2’,3’:3,4]−ナフト[1,2−b]
ピランの欠点は、これらの物質の変色が非常に遅いこと、および/または光互変
効率(ΔOD)が非常に低いことである。インドロナフトピランも同様に変色が
遅い。国際特許第WO99/20619号明細書にペンタヒドロフェナントロ[
9,10−b]ピランおよびテトラヒドロシクロペンタ[c]ナフト[1,2−
b]ピランが記載されているが、これらの物質も、変色速度が遅く、従ってサン
グラスにおける実用性が不十分である。
【0006】 さらに、上記の系には、経費がかかり、長い合成経路が必要である。その上、
他の芳香族環(系)と共役する可能性があるために、ナフトピラン系の基本吸収
に対する深色シフトが観察されることがあるが、これは好ましくない場合が多い
。これは、インデノ[2,1−f]ナフト[1,2−b]ピランだけに関する米
国特許第5,645,767号明細書の化合物にも同様に当てはまる。続編はさ
らに米国特許第5,698,141号および第5,723,072号各明細書に
も見られるが、これらの特許明細書では、無置換、一置換または二置換複素環系
をさらに縮合している。
【0007】 しかし、公知の化合物には、これらの光互変性染料をサングラスレンズに使用
した場合に、眼鏡の着用快適性を損なう欠点がある。公知の染料は、励起並びに
非励起状態における長波長吸収が不十分である。そのために、これらの化合物を
他の光互変性染料と組み合わせても、問題が生じる。暗色化が温度に対して敏感
過ぎる。同時に、変色が遅すぎることが多い。さらに、上記の染料は、耐用寿命
が不十分であり、そのために、サングラスレンズにおける耐久性が不十分である
。後者は、効率の急速な低下および/または深刻な黄変になって現れる。その上
、先行技術に開示されている化合物の合成は、通常、経費と時間がかかり、一般
的に他の光学的に重要な特性、例えば非直線性、をそれぞれの構造中に取り入れ
ることができない。
【0008】 そこで、本発明の目的は、先行技術で開示されている構造と比較して特性が改
良されている新規な光互変性化合物を提供することである。これらの光互変性化
合物は、先行技術から得られる比較化合物よりも、特に光励起状態における変化
速度が速く、耐用寿命試験でより優れた挙動を示す点で際だっている。
【0009】 この目的は、請求項に特徴を記載された物質により達成される。特に、一般式
(I)の光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピランを提供する。
【化5】 式中、 Xは、2〜4個の飽和および/または不飽和炭素原子を有する環構成要素を表し
、該炭素原子の1個以下を、O、SおよびNRを含んでなる群から選択された
異原子で置き換えることができ、Rは直線状または分岐したC〜Cアルキ
ル基、置換された、または置換されていないC〜Cシクロアルキル基、置換
された、または置換されていないフェニル基または置換された、または置換され
ていないベンジル基であり、 Rは、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、1個またはそれより
多い異原子を有することができるC〜Cシクロアルキル基、フェニル基、水
酸基、臭素、塩素、およびフッ素を含んでなるA群から選択された置換基であり
、nは0、1または2であり、 R、Rは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C〜Cアルキル基、C 〜Cアルコキシ基、C〜Cシクロアルキル基、置換されていない、一置
換された、および二置換されたフェニル基、および置換されていない、一置換さ
れた、および二置換されたナフチル基、およびベンゼン、ナフタレン、フェナン
トレン、ピリジン、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、
ベンゾチオフェン、インドールおよびカルバゾールを含んでなるC群から選択さ
れた芳香族基、を含んでなるG群から選択され、上記の芳香族基の置換基はA群
から選択されるか、または RおよびRが一緒に、スピロ炭素原子を含んで、5員〜11員環を形成し、
その環に1または数個の芳香族または複素芳香族環系が環形成される(annellate
d)ことができ、芳香族または複素芳香族環系は上記のC群の一つであるか、また
はRおよびRが一緒に、酸素を表し、カルボニル基を形成するか、 ただし、Xが−(CH−または−(CH−である場合、Rおよび
は、同時に水素ではなく、 B、B’は、互いに独立して、下記の群a)、b)またはc)から選択されるか
、 a)一、二および三置換されたアリール基であり、アリール基はフェニルまたは
ナフチルである、 b)置換されていない、一および二置換された複素芳香族基であり、複素芳香族
基は、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル
、チエニル、ベンゾチエン−2−イルまたはベンゾチエン−3−イルであり、a
)およびb)中のアリール基または複素芳香族基の置換基は、ヒドロキシ、アミ
ノ、モノ−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−(C〜C)アルキルアミノ
、芳香族環で置換されていない、一置換された、または二置換されたモノ−およ
びジ−フェニルアミノ、ピペリジニル、モルホリニル、カルバゾリル、置換され
ていない、一置換された、および二置換されたピリル、C〜Cアルキル、C 〜Cアルコキシ、臭素、塩素およびフッ素から選択され、上記の芳香族およ
び複素芳香族環系は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、臭素、塩素
およびフッ素で置換することができる、 c)下記の式(V)および(W)を有する構造単位である、
【化6】 (式中、YおよびZは、互いに独立して、O、S、CH、CHまたはNR
あり、R基は、C〜Cアルキル、C〜Cアシルおよび水素を含んでな
るD群から選択され、Rは、それぞれの場合、A群から選択された置換基であ
り、nは上に規定した通りであり、RおよびRは、互いに独立して、水素お
よび/またはC〜Cアルキル基であるが、ただし、式(V)中のYがNR である場合、Zは炭素原子である) または d)BおよびB’は、相互に、置換されていない、一置換された、または二置換
されたフルオレン−9−イリデン基、またはC〜C12スピロ単環、C〜C 12 スピロ二環および/またはC〜C12スピロ三環である飽和炭化水素基を
形成し、フルオレノ置換基はA群から選択される。
【0010】 本発明により、吸収波長が骨格の吸収波長からほとんどシフトしていないが、
同時に、驚くべき様式で、先行技術の化合物と比較して著しく改良された変色を
示す化合物が、ナフトピラン骨格のf側における簡単な環形成により、製造され
る。ペンタヒドロフェナントロ[9,10−b]ピランおよびテトラヒドロシク
ロペンタ[c]−ナフト[1,2−b]ピラン[国際特許第WO99/2061
9号明細書に開示されており、置換されていないシクロペンタン環または置換さ
れていないシクロヘキサン環(その際、Xが−(CH−または−(CH−であり、RおよびRがそれぞれ水素である)がナフトピラン骨格のf
側で結合していることから、本発明のナフトピランとは異なる]と比較して、本
発明の化合物は、著しく迅速な変色を示し、耐用寿命が大幅に改良されている。
その上、本発明の化合物では、黄変がまったく起こらない。
【0011】 好ましい実施態様では、X環構成要素中の炭素原子が飽和しており、その結果
、対応する、RおよびR基で置換された環状脂肪族環系が、ナフトピランの
f側に形成される。
【0012】 X環構成要素中の炭素原子は、置換されていなくても、一置換されていても、
二置換されていてもよい。後者の場合、置換基は、C〜Cアルキル、C
アルコキシ、フェニル、臭素、塩素およびフッ素からなるA群から選択する
ことができる。
【0013】 本発明により、式(I)の光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピランも製造
され、これは構造的に、ナフトピラン系のf側で環形成されたスピロ系を有する
が、このスピロ系は、ナフトピランのf側における環構成要素X、および中央ス
ピロ炭素原子に結合したRおよびR基により形成された環系により形成され
る。RおよびR基は、一緒に、スピロ炭素原子を含んで、5〜11員環、好
ましくは5〜7員環、を形成し、この環に、芳香族または複素芳香族環系を再び
環形成することができる。つまり、スピロ系の、RおよびRにより形成され
る部分中で隣接する炭素原子が、さらに他の環系、すなわちベンゼン、ナフタレ
ン、フェナントレン、ピリジン、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、ベ
ンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドールおよびカルバゾールからなるC群か
ら形成される環系、に属することができる。無論、C群のこれらの環系は、置換
されていなくても、一置換されていても、二置換されていてもよく、置換基は上
記のA群から選択される。
【0014】 本発明により製造される光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピランは、下記
の一般式(II)を有する。
【化7】 式中、R、R、RおよびXは上に定義した通りであるが、ただし、R
およびnはそれぞれの場合に同一でも、異なっていてもよい。
【0015】 別の実施態様では、下記の式(III)を有する光互変性2H−ナフト[1,2−
b]ピランを製造する。
【化8】 式中、n、R、X、BおよびB’は上に定義した通りである。
【0016】 特に好ましい本発明の化合物を以下に挙げる。 1)スピロ−9’−キサンテン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フ
ェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テトラメチル−フェ
ナントロ[9,10−b]ピラン] 2)スピロ−9’−フルオレン−5−{2−[4−(N−モルホリニル)フェニ
ル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロフェナントロ[9,10−
b]ピラン} 3)5−ヒドロキシ−2,2,5−トリフェニル−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−フェナントロ[9,10−b]ピラン] 4)スピロ−9’−{(9,10−ジヒドロアントラセン)−5−[2,2−ビ
ス(4−メトキシフェニル)]−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラ
ン} 5)2−[4−(N−モルホリニル)フェニル]−2−フェニル−5−オキソ−
シクロペンタ[f]ナフトピラン 6)2−[4−(N−モルホリニル)フェニル]−2−フェニル−5,6,7,
8−テトラヒドロ−5−オキソ−フェナントロ[9,10−b]ピラン] 7)スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フ
ェニル−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラン] 8)スピロ−9’−キサンテン−5−{−2−[4−(N−モルホリニル)フェ
ニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テト
ラメチル−フェナントロ[9,10−b]ピラン} 9)スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フ
ェニル−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラン]および 10)スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−
フェニル−オキセパノ[3,2−f]ナフト[1,2−b]ピラン]
【0017】 本発明の、一般式(I)を有する光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピラン
は、基本的にこの分野で公知の原理を使用して合成することができる。これに関
して、特に国際特許第WO99/15518号および独国特許出願第19902
771.4号各明細書に記載されている合成方法を参照する。例えば、本発明の
光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピランは、下記の一般的な反応図式により
合成できるが、これらの反応に限定するものではない。n、X、R、R、R 、BおよびB’は上に定義した通りである。
【化9】
【0018】 ケト基は、一般的な反応図式の第二工程で、公知の方法、例えば適当なグリニ
ャール試薬との反応、により、誘導することができる。
【0019】 本発明の化合物は、光互変性挙動が重要である様々な目的に使用する、あらゆ
る種類および形状のプラスチック材料またはプラスチック物体に使用できる。そ
の上、本発明の染料またはその様な染料の混合物を使用することができる。例え
ば、本発明の光互変性ナフトピラン染料は、レンズ、特に眼科用レンズ、あらゆ
る種類の眼鏡用レンズ、例えばスキーゴーグル、サングラス、モーターサイクル
ゴーグル、ヘルメットのバイザー、およびその他に使用できる。さらに、本発明
のナフトピラン染料は、自動車や住居における、窓、保護シャッター、カバー、
屋根、およびその他の形態で日除けとしても使用できる。
【0020】 その様な光互変性物体を製造するには、先行技術に記載されている、例えば国
際特許第WO99/15518号明細書にすでに開示されている様な、様々な方
法で、本発明の光互変性ナフトピラン染料を、重合体材料、例えば有機合成樹脂
材料、上に塗布するか、またはそれらの中に埋め込むことができる。
【0021】 これに関して、全体染色方法と表面染色方法を区別する。全体染色方法では、
例えば本発明の光互変性化合物をモノマー状材料に加えてから重合させることに
より、合成樹脂中に溶解または分散させる。光互変性物体の別の製造方法では、
合成樹脂材料を本発明の光互変性染料の高温溶液中に浸漬することにより、また
は例えば熱転写方法により、合成樹脂材料に光互変性化合物を浸透させる。光互
変性化合物は、重合体フィルムの一部の様な合成樹脂材料の隣接する層同士の間
に、別の層の形態で、施すこともできる。さらに、光互変性化合物は、合成樹脂
材料の表面上に存在する被覆の一部として塗布することもできる。「浸透」の表
現は、例えば光互変性化合物が溶剤に支持されて重合体マトリックス中に移動す
ることにより、蒸気相移動により、あるいは異なった種類の表面拡散過程により
、光互変性化合物が合成樹脂材料の中に移行することを意味する。有利なことに
、その様な光互変性物体、例えば眼鏡レンズ、は、従来の全体染色によるだけで
なく、同様の様式で、表面染色によっても製造することができる。後者の方法で
は、驚く程僅かに移行する傾向を達成することができる。これは、例えば反射防
止被覆の際に、真空中における後方拡散(back diffusion)が少ないため、層脱離
および類似の欠陥が大幅に減少するので、特に後に続く仕上げ工程にとって有利
である。
【0022】 まとめると、本発明の光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピランを基剤とし
て、化学的および色の観点から相容性があるすべての染料を、合成樹脂材料上に
塗布し、または材料中に埋め込むことにより、美感的観点並びに医学的またはフ
ァッションの観点を満足させることができる。従って、意図する効果並びに必要
条件に応じて、染料を特別に選択することができる。
【0023】 以下に、例として選択した本発明の2H−ナフト[1,2−b]ピランの合成
を詳細に説明するが、無論、これらの例は説明のために挙げるだけであって、本
発明の範囲を制限するものではない。
【0024】 例1 :スピロ−9’−キサンテン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−
フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テトラメチル−フ
ェナントロ[9,10−b]ピラン]の合成 i)塩化アルミニウム24.5gおよび無水テトラメチルスクシニル14.5g(A
.v. Auwers, N. Ungemach, Chem. Ber. 1935, 68, 349) を、攪拌および氷水で
冷却しながら、メトキシナフタレン14.7gで処理した。室温に戻し、一晩攪拌し
た後、混合物を氷浴上に注いだ。続いて、得られた沈殿物を濾別した。酸を、そ
のナトリウム塩を経由して精製し、酢酸から再結晶させた。無色の固体(18g)
を、NMR分光法により、β−(4−メトキシ−1−ナフトイル)−α−α−β
−β−テトラメチルプロピオン酸であることを確認した。
【0025】 ii)その様にして得られたケト酸(10g)を水酸化カリウム10gおよび50mLジエ
チレングリコール中80%ヒドラジン水和物8gと共に130℃で8時間加熱した。
水および過剰のヒドラジン水和物を留別した後、温度を210℃に3時間保持し、
続いて90℃に下げ、その温度で生成物を、氷200gおよび50mL濃塩酸の混合物上
に注いだ。得られた沈殿物を吸引濾別し、中性になるまで洗浄した。続いて固体
を、10%水酸化ナトリウム溶液80mLに硫酸ジメチル14mLを入れた液と共に、40〜
50℃で攪拌した。中間体として形成されたエステルを還流下でけん化させた。溶
液を冷却し、酸性にし、得られた沈殿物を吸引濾別し、中性になるまで洗浄した
。生成物(7.5g)を、NMR分光法により、γ−(4−メトキシ−1−ナフチ
ル)−α,α,β,β−テトラメチル酪酸であることを確認した。
【0026】 iii)工程ii)で得た酸5gの懸濁液を、無水エーテル100mLおよびピリジン2滴中
、塩化チオニル4mLで処理し、1時間還流した。冷却後、溶剤を減圧留別し、残
留物を50mLに溶解させ、攪拌および氷水で冷却しながら、四塩化スズ8mLで処理
した。混合物を15分間攪拌し、続いて氷水100mLおよび濃塩酸25mLの混合物上に
注いだ。有機相を濾別し、希塩酸、水および水酸化アンモニウム溶液で1度ずつ
洗浄した。溶剤を減圧留別した後、明黄色の残留物(4.1g)が後に残ったが、
これは、NMR分光法により、1,2,3,4−テトラヒドロ−9−メトキシ−
2,2,3,3−テトラメチル−1−オキソフェナントレンであることを確認し
た。
【0027】 iv)工程iii)で得た反応生成物(4g)を、48%臭化水素20mLおよび氷酢酸20mL
の混合物中で3時間還流させた。冷却後、この混合物を水中に注ぎ込み、アルカ
リ性にし、エーテルで2回洗浄した。溶液を酸性にし、得られた沈殿物を吸引濾
別し、中性になるまで洗浄した。生成物(3.5g)は、NMR分光法により、1
,2,3,4−テトラヒドロ−9−ヒドロキシ−2,2,3,3−テトラメチル
−1−オキソフェナントレンであることを確認した。
【0028】 v)工程iv)で得たナフタレン誘導体(3g)を、1−(4−メトキシフェニル)
−1−フェニル−1−プロピノール(DMSO中4−メトキシベンゾフェノンお
よびナトリウムアセチリドから製造)4.6gをトルエン100mL中に入れた液で懸濁
させた。スパチュラチップ1杯分の4−トルエンスルホン酸を加えた後、混合物
を2時間還流させ、溶液を形成させた。冷却後、溶剤の半分を減圧留別し、残留
溶液を、含水量3%の酸化アルミニウム上、ジクロロメタンとメタンの1:1混
合物でクロマトグラフィーにかけた。最終精製するために、粗製物をメタノール
50mL中で温浸した。固体を吸引濾別し、メタノール洗浄し、乾燥させた。明黄色
粉末(4.1g)を、NMR分光法により、2−(4−メトキシフェニル)−2−
フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テトラメチル−5
−オキソフェナントロ−[9−10−b]ピラン(4g)であることを確認した
【0029】 vi)工程v)で得た反応生成物(2g)を、無水THF50mL中に攪拌しながら溶解
させ、2当量の臭化2−フェノキシフェニルマグネシウム(2−ブロモジフェニ
ルエーテルおよびマグネシウム削り屑のTHF溶液から合成)で処理した。混合
物を室温で10時間攪拌し、塩化アンモニウム水溶液で加水分解させた。ジクロロ
メタン100mLを加えた後、有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウム上で除湿し
た。溶剤を留別した後、残留物をメタノールで温浸した。残留物は、NMR分光
法により、5−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−フェノ
キシフェニル)−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,
7−テトラメチルフェナントロ−[9−10−b]ピラン(1.1g)であるこ
とを確認したが、これを粗製物としてさらに使用した。
【0030】 vii)工程vi)で得た反応生成物(0.8g)を、R.G. Clarkson 、M. Gomberg、J.Am
. Chem. Soc. 1930 、2881頁、の方法により、高温氷酢酸30mL中で環化させた。
塩酸1滴を加えた後、温度を沸点に5分間上昇させ、その後、反応溶液が曇るま
で水を加えた。冷却後、沈殿物を吸引濾別し、中性になるまで洗浄し、注意深く
乾燥させた。最終精製するために、固体をジクロロメタン30mLに溶解させ、含水
量3%の酸化アルミニウム上、ジクロロメタンとヘキサンの1:1混合物でクロ
マトグラフィーにかけた。ヘキサンで温浸した後、ベージュ色の粉末(0.3g)
が得られたが、これは、NMR分光法により、スピロ−9’−キサンテン−5−
[2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒド
ロ−6,6,7,7−テトラメチルフェナントロ−[9−10−b]ピラン]で
あることを確認した。
【0031】例2 :スピロ−9’−フルオレン−5−{2−[4−(N−モルホリニル)フェ
ニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロフェナントロ[9,10
−b]ピラン}の合成 メトキシナフタレンおよび無水コハク酸から出発し、例1の工程i)〜iii)と類
似の方法により、1,2,3,4−テトラヒドロ−9−メトキシ−1−オキソフ
ェナントレンを先ず合成した(W.E. Bachmann およびD.W. Holmes 、(J. Chem.
Soc. 1940, 62 、2750頁)参照。脱メチル化(工程iv)は、G.A.R. KonおよびF.
C.J. Ruzickaの方法(J. Chem. Soc. 1936, 187頁)により行なった。
【0032】 続いて反応を例1における様に行なったが、ただし、工程vにおいて、反応を
、1−(4−メトキシフェニル)−1−フェニル−1−プロピノールの代わりに
、1−[4−(N−モルホリニル)フェニル]−1−フェニル−1−プロピノー
ル(DMSO中、4−(N−モルホリニル)ベンゾフェノン(H. Kotsuki, Synt
hesis 1990、1145頁)およびナトリウムアセチリドから合成)で行なった。2−
[4−(N−モルホリニル)フェニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テト
ラヒドロ−5−オキソフェナントロ−[9−10−b]ピランが得られ、これを
例1と同様に、続く工程vi)で、臭化2−ビフェニリルマグネシウム(THF中
の2−ブロモビフェニルおよびマグネシウム削り屑から合成)と反応させ、5−
ヒドロキシ−5−(2−ビフェニリル)−2−[4−(N−モルホリニル)フェ
ニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロフェナントロ[9−10
−b]ピランを形成させた。例1と同様に、続く工程vii)で、NMR分光法で確
認した様に、スピロ−9’−フルオレン−5−{2−[4−(N−モルホリニル
)フェニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロフェナントロ−[
9−10−b]ピラン}(0.3g)への環化を行なった。
【0033】例3: 5−ヒドロキシ−2,2,5−トリフェニル−5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−フェナントロ[9,10−b]ピラン]の合成 方法は例2同様であるが、ただし、工程vにおいて、反応を、1−[4−(N
−モルホリニル)フェニル]−1−フェニル−1−プロピノールの代わりに、1
,1−ジフェニル−1−プロピノール[DMSO中、ベンゾフェノンおよびナト
リウムアセチリドから合成)で行なった。2,2−ジフェニル−5,6,7,8
−テトラヒドロ−5−オキソフェナントロ−[9−10−b]ピランが得られ、
これを例1の工程vi)と同様に、2当量のTHF中塩化フェニルマグネシウムの
2モル溶液と反応させた。こうして得られた粗製物を、含水量3%の酸化アルミ
ニウム上、ジクロロメタンでクロマトグラフィーにかけた。ベージュ色の生成物
(0.5g)は、NMR分光法により、5−ヒドロキシ−2,2,5−トリフェニ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ−フェナントロ[9,10−b]ピラン]で
あることを確認した。
【0034】例4: スピロ−9’−{(9,10−ジヒドロアントラセン)−5−[2,2−
ビス(4−メトキシフェニル)]−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピ
ラン}の合成 1,2,3,4−テトラヒドロ−9−ヒドロキシ−2,2,3,3−テトラメ
チル−1−オキソフェナントレンの代わりに、4,5−ベンゾ−8−ヒドロキシ
−インダン−1−オン(T. Sasaki, K. kanematsu, K. Hayakawa, A. Kondo、J.
Org. Chem. 1973, 38、4100頁参照)を例1の工程v)で使用した。この化合物を
、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1−プロピノール(DMSO中4,
4’−ジメトキシベンゾフェノンおよびナトリウムアセチリドから合成)と反応
させ、2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−シクロペンタ[c
]ナフトピランが得られたが、これを例1と同様に、続く工程vi)で、臭化2−
ベンジルフェニルマグネシウム(2−ブロモジフェニルメタンおよびマグネシウ
ムのTHF溶液から合成)と反応させ、5−(2−ベンジルフェニル)−5−ヒ
ドロキシ2,2−ビス(4−メトキシフェニル)−シクロペンタ[f]ナフトピ
ランを合成した。例1と同様に、続く工程vii)で、スピロ−9’−{(9,10
−ジヒドロアントラセン)−5−[2,2−ビス(4−メトキシフェニル)]−
シクロペンタ[c]ナフタ[1,2−b]ピラン}(0.4g)への環化を行ない
、NMR分光法で確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/10 G02B 7/10 (72)発明者 ウド、バイカント ドイツ連邦共和国ミュンヘン、メンツィン ガーシュトラーセ、21 Fターム(参考) 2H048 DA04 DA16 DA24 4C062 HH55 HH69 4J002 AA001 EL086 FD206 GP00 GP01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)の光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピラン。 【化1】 [式中、 Xは<2〜4個の飽和および/または不飽和炭素原子を有する環構成要素を表し
    、前記炭素原子の1個以下を、O、SおよびNRを含んでなる群から選択され
    た異原子で置き換えることができ、Rは直線状または分岐したC〜Cアル
    キル基、置換された、または置換されていないC〜Cシクロアルキル基、置
    換された、または置換されていないフェニル基または置換された、または置換さ
    れていないベンジル基であり、 Rは、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、1個またはそれより
    多い異原子を有することができるC〜Cシクロアルキル基、フェニル基、水
    酸基、臭素、塩素、およびフッ素を含んでなるA群から選択された置換基であり
    、nは0、1または2であり、 R、Rは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C〜Cアルキル基、C 〜Cアルコキシ基、C〜Cシクロアルキル基、置換されていない、一置
    換された、および二置換されたフェニル基、ならびに置換されていない、一置換
    された、および二置換されたナフチル基、およびベンゼン、ナフタレン、フェナ
    ントレン、ピリジン、キノリン、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン
    、ベンゾチオフェン、インドールおよびカルバゾールを含んでなるC群から選択
    された芳香族基、を含んでなるG群から選択され、上記の芳香族基の置換基はA
    群から選択されるか、または RおよびRが一緒に、スピロ炭素原子を含んで、5員〜11員環を形成し、
    その環に1または数個の芳香族または複素芳香族環系が環形成されることができ
    、芳香族または複素芳香族環系は上記のC群の一つであるか、またはRおよび
    が一緒に、酸素を表し、カルボニル基を形成するか、 ただし、Xが−(CH−または−(CH−である場合、Rおよび
    は、同時に水素ではなく、 B、B’は、互いに独立して、下記の群a)、b)またはc)から選択されるか
    、 a)一、二および三置換されたアリール基であり、アリール基はフェニルまたは
    ナフチルである、 b)置換されていない、一および二置換された複素芳香族基であり、複素芳香族
    基は、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル
    、チエニル、ベンゾチエン−2−イルまたはベンゾチエン−3−イルであり、a
    )およびb)中のアリール基または複素芳香族基の置換基は、ヒドロキシ、アミ
    ノ、モノ−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−(C〜C)アルキルアミノ
    、芳香族環で置換されていない、一置換された、または二置換されたモノ−およ
    びジ−フェニルアミノ、ピペリジニル、モルホリニル、カルバゾリル、置換され
    ていない、一置換された、および二置換されたピリル、C〜Cアルキル、C 〜Cアルコキシ、臭素、塩素およびフッ素から選択され、上記の芳香族およ
    び複素芳香族環系は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、臭素、塩素
    およびフッ素で置換することができる、 c)下記の式(V)および(W)を有する構造単位である、 【化2】 (式中、YおよびZは、互いに独立して、O、S、CH、CHまたはNR
    あり、R基は、C〜Cアルキル、C〜Cアシルおよび水素を含んでな
    るD群から選択され、Rは、それぞれの場合、A群から選択された置換基であ
    り、nは上に規定した通りであり、RおよびRは、互いに独立して、水素お
    よび/またはC〜Cアルキル基であるが、ただし、式(V)中のYがNR である場合、Zは炭素原子である) または d)BおよびB’は、相互に、置換されていない、一置換された、または二置換
    されたフルオレン−9−イリデン基、またはC〜C12スピロ単環、C〜C 12 スピロ二環および/またはC〜C12スピロ三環である飽和炭化水素基を
    形成し、フルオレノ置換基はA群から選択される]
  2. 【請求項2】 環構成要素X中の炭素原子が飽和されている、請求項1に記載の光互変性2H
    −ナフト[1,2−b]ピラン。
  3. 【請求項3】 環構成要素X中の炭素原子が一置換または二置換されており、置換基が、C 〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、臭素、塩素およびフッ素を
    含んでなるA群から選択される、請求項1または2に記載の光互変性2H−ナフ
    ト[1,2−b]ピラン。
  4. 【請求項4】 一般式(II)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光互変性2H−ナ
    フト[1,2−b]ピラン。 【化3】 (式中、R、R、RおよびXは請求項1に定義した通りであるが、ただし
    、R基およびnはそれぞれの場合に同一でも、異なっていてもよい)
  5. 【請求項5】 一般式(III)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光互変性2H−
    ナフト[1,2−b]ピラン。 【化4】 (式中、n、R、X、BおよびB’は請求項1に定義した通りである)
  6. 【請求項6】 スピロ−9’−キサンテン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フェ
    ニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テトラメチル−フェナ
    ントロ[9,10−b]ピラン]、 スピロ−9’−フルオレン−5−{2−[4−(N−モルホリニル)フェニル
    ]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロフェナントロ[9,10−b
    ]ピラン}、 5−ヒドロキシ−2,2,5−トリフェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ
    −フェナントロ[9,10−b]ピラン]、 スピロ−9’−{(9,10−ジヒドロアントラセン)−5−[2,2−ビス
    (4−メトキシフェニル)]−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラン
    } 2−[4−(N−モルホリニル)フェニル]−2−フェニル−5−オキソ−
    シクロペンタ[f]ナフトピラン、 2−[4−(N−モルホリニル)フェニル]−2−フェニル−5,6,7,8
    −テトラヒドロ−5−オキソ−フェナントロ[9,10−b]ピラン]、 スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フェ
    ニル−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラン]、 スピロ−9’−キサンテン−5−{−2−[4−(N−モルホリニル)フェニ
    ル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−6,6,7,7−テトラ
    メチル−フェナントロ[9,10−b]ピラン}、 スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フェ
    ニル−シクロペンタ[f]ナフト[1,2−b]ピラン]、および スピロ−9’−フルオレン−5−[2−(4−メトキシフェニル)−2−フェ
    ニル−オキセパノ[3,2−f]ナフト[1,2−b]ピラン] である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光互変性2H−ナフト[1,2−
    b]ピラン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光互変性2H−ナフト[1,2−b]ピ
    ランの、合成樹脂材料における使用。
  8. 【請求項8】 合成樹脂材料が眼科用レンズである、請求項7に記載の使用。
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