JP3029459B2 - 新規の置換フェナントロピラン - Google Patents

新規の置換フェナントロピラン

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JP3029459B2
JP3029459B2 JP8506759A JP50675996A JP3029459B2 JP 3029459 B2 JP3029459 B2 JP 3029459B2 JP 8506759 A JP8506759 A JP 8506759A JP 50675996 A JP50675996 A JP 50675996A JP 3029459 B2 JP3029459 B2 JP 3029459B2
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    • G02B5/23Photochromic filters
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の説明 本発明は、ある特定の新規の置換フェナントロピラン
化合物に関する。特に、本発明は新規の光互変性(phot
ochromic)フェナントロピラン化合物に関し、かつその
ような新規のフェナントロピラン化合物を含有する組成
物および物品に関する。紫外線、例えば太陽光中の紫外
線または水銀ランプの光に露光する場合、多くの光互変
性化合物は活性化され、即ち光透過特性を変化し、可逆
的な色変化を示す。上記紫外線照射を停止すると、その
ような光互変性化合物は元の色または無色の状態に戻
る。
様々な種類の光互変性化合物が合成され、太陽光誘導
可逆的色変化または暗色化が望ましい用途のために提案
された。米国特許第3,567,605号(ベッカー(Becke
r))は、ある特定のベンゾピランおよびナフトピラン
を含む一連のピラン誘導体を開示している。これらの化
合物は、、クロメンの誘導体として記載され、温度約−
30℃以下での紫外線照射により色変化、即ち無色からイ
エローオレンジを示すことが報告されている。上記化合
物の可視光を用いた照射または約0℃への温度上昇によ
り、無色状態へ配色を戻すことが報告されている。
米国特許第5,066,818号には、眼および他の用途に対
して所望の光互変特性、即ち高着色適性および適切な退
色を有する、様々な3,3−ジアリール−3H−ナフト[2,1
−b]ピランが開示されている。米国特許第号には、少
量の塩基または適度に弱酸から中くらいの酸のどちらか
を含有する光互変性2,2−ジ−置換−2H−ナフト[1,2−
b]ピラン組成物が開示されている。酸または塩基の上
記ナフトピラン組成物への添加により、上記有色ナフト
ピランの退色速度を増大し、その結果、それらをサング
ラス等の眼を保護する用途に有用なものにすることが報
告されている。
本発明は、新規の置換光互変性2H−フェナントロ[4,
3−b]ピランおよび3H−フェナントロ[1,2−b]ピラ
ン化合物に関する。上記2H−フェナントロピラン化合物
は、上記フェナントロピランのフェナントロ部分の炭素
原子数5および6で、かつ上記ピラン環の2の位置にあ
る特定の置換基を有する。ある特定の置換基は、上記フ
ェナントロピランのフェナントロ部分の炭素原子数7、
8、9、10、11、または12で存在してもよい。上記3H−
フェナントロピラン化合物は、上記フェナントロピラン
のフェナントロ部分の炭素原子数11および12で、かつ上
記ピラン環の3の位置にある特定の置換基を有する。あ
る特定の置換基は、上記フェナントロピランのフェナン
トロ部分の炭素原子数5、6、7、8、9、または10で
存在してもよい。
発明の詳細な説明 近年、光互変性プラスチック材料、特に光学的用途の
プラスチック材料はかなり研究されたテーマであった。
特に、光互変性プラスチック眼鏡レンズが、ガラスレン
ズに対してそれらの提供する重量有用性のために、研究
された。更に、乗り物、例えば自動車および飛行機用の
光互変性スライドは、そのようなスライドが提供する潜
在的に安全な特徴のために、興味深いものであった。
光学的用途、例えば眼鏡レンズに最も有用な光互変性
化合物は、(a)近紫外での高い着色効率、(b)白色
光での低漂白率、および(c)周囲温度での比較的速い
熱退色を有するものであるが、熱熱退色速度はあまり速
くないので白色光漂白および熱退色の組合せが強い太陽
光の紫外線成分による着色を防止する。加えて、前述の
特性は、そのような材料がそのような光互変性化合物に
適用され、または導入される場合、眼鏡および平面レン
ズ用に慣習的に用いられる従来の剛性合成プラスチック
材料により望ましくは維持される。
本発明に従って、ある特定の新規の光互変性フェナン
トロピラン化合物が調製され得ることが見い出された。
これらの化合物は、上記フェナントロ部分の炭素原子数
5および6で、かつ上記ピラン環の2の位置にある特定
の置換基を有する2H−フェナントロ[4,3−b]ピラ
ン、および上記フェナントロ部分の炭素原子数11および
12で、かつ上記ピラン環の3の位置にある特定の置換基
を有する3H−フェナントロ[1,2−b]ピランとして表
されてもよい。ある特定の置換基は、上記2H−フェナン
トロピランに上記フェナントロ部分の炭素原子数7、
8、9、10、11、または12で存在してもよく、上記3H−
フェナントロピランに上記フェナントロピランのフェナ
ントロ部分の炭素原子数5、6、7、8、9、または10
で存在してもよい。上記2H−フェナントロピランおよび
3H−フェナントロピランは、以下の式IAおよびIB: によって、それぞれ表される。
式IAおよびIBにおいて、R1は基、CH2Xまたは−C
(O)Yであり、ここでXはヒドロキシ、ベンゾイルオ
キシ、C1〜C6アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、
プロポキシ、ブトキシ等、C1〜C6アシロキシ、例えばア
セトキシ、プロピオニルオキシ、C2〜C6ジアルキルアミ
ノ、例えばジメチルアミノおよびジエチルアミノ、また
はトリメチルシリルオキシであり、Yは基、−OR4また
は−N(R5)R6であり、ここでR4は水素、C1〜C6アルキ
ル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ルおよびヘキシル、フェニル、モノ(C1〜C6)アルキル
置換フェニル、フェニル(C1〜C3)アルキル、モノ(C1
〜C6)アルキル置換フェニル(C1〜C3)アルキル、C1
C6アルコキシ(C2〜C4)アルキル、またはC1〜C6ハロア
ルキルであり;並びにR5およびR6はそれぞれ水素、C1
C6アルキル、C5〜C7シクロアルキル、フェニル、モノ置
換フェニル、およびジ−置換フェニルから成る群がら選
択され、また、R5およびR6は窒素と共に、環状原子5〜
6個を含有する不飽和、モノ置換またはジ−置換複素環
式環を形成し、複素環式環は単一ヘテロ原子としての上
記窒素を有するか、または上記窒素およびヘテロ原子と
しての窒素また酸素のもう1個の原子を有する。フェニ
ルおよび複素環式環置換基は、C1〜C6アルキルまたはC1
〜C6アルコキシであってもよく、ハロ置換基はクロロま
たはフルオロであってもよい。
式IAおよびIB中のR2は、水素、C1〜C6アルキル、R3
R7シクロアルキル、2−、3−、4−ピリジル、即ち2
−ピリジル、3−ピリジル、または4−ピリジル、フェ
ニル、またはモノ−、またはジ−置換フェニルであって
もよい。上記フェニル置換基は、C1〜C6アルキル、C1
C6アルコキシ、クロロ、またはフルオロであってもよ
い。式IAおよびIBにおいて、R3はそれぞれ、クロロ、フ
ルオロ、アミノ、C1〜C6モノアルキルアミノ、C2〜C6
アルキルアミノ、C1〜C6アルキルまたは、−OR7(ここ
で、R7は水素、C1〜C6アルキル、アリル、またはアセチ
ルであり、nは0、1、または2の整数から選択され
る)であってもよい。
式IAおよびIB中のBおよびB′はそれぞれ、(i)非
置換、およびモノ−、ジ−、またはトリ−置換アリール
基、フェニルおよびナフチル、例えば1−または2−ナ
フチル;(ii)置換または非置換複素環式芳香族基、2
−、3−、または4−ピリジル、2−または3−フラニ
ル、2−または3−ベンゾフラニル、2−または3−チ
エニル、および2−または3−ベンゾチエニルであっ
て、上記アリールおよび複素環式置換基は、ヒドロキ
シ、アミノ、C1〜C6モノアルキルアミノ、C2〜C6ジアル
キルアミノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1
〜C6アルコキシ、モノ(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C4
アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、および
ハロゲンから成る群から選択され、上記ハロゲンまたは
(ハロ)基はクロロまたフルオロである;(iii)以下
の式IIAおよびIIB: (式中、Aは炭素または酸素であってもよく、Bは酸素
または置換窒素であってもよく、Bが置換窒素である場
合にはAは炭素であり、窒素置換基は水素、C1〜C6アル
キル、C2〜C6アシルから成る群から選択される。式IIA
およびIIB中のR8はそれぞれ、C1〜C6アルキル、C1〜C6
アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロゲンであってもよ
く、上記ハロゲンはクロロ、またはフルオロであり;R9
およびR10はそれぞれ、水素またはC1〜C6アルキルであ
ってもよく、かつmは0、1、または2の整数であ
る);により表される基;(iv)C1〜C6アルキル、C1
C6ハロアルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C4)アルキ
ル、C3〜C6シクロアルキル、モノ(C1〜C6)アルコキシ
(C3〜C6)シクロアルキル、モノ(C1〜C6)アルキル
(C3〜C6)シクロアルキル、およびハロ(C3〜C6)シク
ロアルキルであって、上記ハロ基がフルオロまたはクロ
ロである;または(V)アダマンチリデン、ボルニリデ
ン、ルボルニリデン、およびビシクロ(3,3,1)ノナン
−9−イリデンから成る群から選択される無置換フルオ
レン−9−イリデンまたは無置換飽和ビシクロ環化合物
を形成するのに共に用いられるBおよびB′;から成る
群から選択されてもよい。
より好ましくは、本発明の2H−フェナントロピランお
よび3H−フェナントロピラン化合物は、それぞれ以下の
式IIIAおよびIIIB: 式IIIAおよびIIIBにおいて、R1は基、CH2Xまたは−
C(O)Yであり、ここでXはヒドロキシ、C1〜C4アル
コキシ、C1〜C4アシロキシ、またはC2〜C6ジアルキルア
ミノであり、Yは基、−OR4または−N(R5)R6であ
り、ここでR4は水素、C1〜C4アルキル、フェニル、モノ
(C1〜C4)アルキル置換フェニル、モノ(C1〜C4)アル
コキシ置換フェニル、フェニル(C1〜C2)アルキル、モ
ノ(C1〜C4)アルキル置換フェニル(C1〜C2)アルキ
ル、モノ(C1〜C4)アルコキシ置換フェニル(C1〜C2
アルキル、C1〜C4アルコキシ(C2〜C3)アルキル、また
はC1〜C4ハロアルキルであり;並びにR5およびR6はそれ
ぞれ水素、C1〜C4アルキル、C5〜C6シクロアルキル、フ
ェニル、モノ置換フェニル、およびジ−置換フェニルか
ら成る群から選択される。上記フェニル置換基置換基
は、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであっても
よく、ハロ置換基はクロロまたはフルオロであってもよ
い。好ましくは、R1は基、CH2Xまたは−C(O)Yで
あり、ここでXはヒドロキシ、C1〜C3アルコキシ、また
はC1〜C3アシロキシであり、Yは基、−OR4または−N
(R5)R6であり、ここでR4は水素、C1〜C3アルキル、ま
たはフェニルであり;並びにR5およびR6はそれぞれ水素
またはC1〜C3アルキルである。
式IIIAおよびIIIB中のR2は、水素、C1〜C4アルキル、
C3〜C5シクロアルキル、フェニル、またはモノ−置換、
またはジ−置換フェニルであってもよい。上記フェニル
置換基は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、クロ
ロ、またはフルオロであってもよい。好ましくは、R
2は、水素、C1〜C3アルキル、フェニル、またはモノ−
置換フェニルである。上記好ましいフェニル置換基は、
C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、またはフルオロで
ある。
式IIIAおよびIIIBにおいて、R11およびR12はそれぞ
れ、クロロ、フルオロ、アミノ、C1〜C6モノアルキルア
ミノ、C2〜C6ジアルキルアミノ、C1〜C4アルキル、また
は基、−OR7であり、ここでR7は水素、C1〜C4アルキ
ル、アセチルであってもよく;pおよびrはそれぞれ、0
または1の整数である。好ましくは、R11およびR12はそ
れぞれ、C1〜C3アルキル、または基、−OR7であり、こ
こでR7は水素、C1〜C3アルキルまたはアセチルである。
式IAおよびIB中のBおよびB′はそれぞれ、(i)フ
ェニル、モノ置換フェニル、またはジ−置換フェニルで
あって、上記フェニル置換基がC1〜C3アルキル、C1〜C3
アルコキシ、アミノ、C1〜C4モノアルキルアミノ、C2
C4ジアルキルアミノ、およびフルオロから成る群から選
択される;(ii)式IIAおよびIIB(式中、Aは炭素であ
り、Bは酸素であり、R8はC1〜C3アルキルまたはC1〜C3
アルコキシであり、R9およびR10はそれぞれ、水素また
はC1〜C4アルキルであり、かつmは0または1の整数で
ある)によって表される基;および(iii)C1〜C4アル
キル;または(iv)無置換フルオレン−9−イリデンま
たはアダマンチリデンを形成するのに共に用いられるB
およびB′; から成る群から選択される。更に好ましくは、上記フェ
ニル置換基はオルソおよび/またはパラ位置にある。
式IA,IB,IIIA、およびIIIBにより表される化合物は、
以下の反応A〜Gにより調製されてもよい。式VIまたは
IV Aにより表される化合物は、市販されているか、また
は式Vの適当に置換されたまたは非置換の塩化ベンゾイ
ルを式IVの市販の置換または非置換ベンゼン化合物と共
に用いる反応Aに示されるフリーデルークラフツ(Frie
del−Crafts)法により調製される。刊行物フリーデル
−クラフツ・アンド・リレイテッド・リアクションズ
(Friedel−Crafts and Related Reactions)、ジョー
ジ(George)A.オラー(0lah)、インターサイエンス・
パプリッシャーズ(Interscience Publishers)、1964
年、第3巻、第XXXI章(アロマティック・ケトン・シン
セシス(Aromatic Ketone Synthesis))、およびイシ
ハラ、ユウジ(Ishihara,Yugi)等の「レジオセレクテ
ィブ・フリーデルークラフツ・アシレーション・オプ・
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン・アンド・リレイテイ
ッド・ニトロゲン・ヘテロサイクルズ:エフェクト・オ
ン・NH・プロテクティブ・グループス・アンド・リング
・サイズ(Regioselective Friedel−Crafts Acy1ation
of 1,2,3,4−Tetrahydroquinoline and Related Nitro
gen Heterocycles:Effect on ニューハンプシャー州
Protective Groups and Ring Size)」、J.Chem.Soc.、
パーキン・トランス(Perkin Trans.)1、3401〜3406
頁、1992年を参照。
反応Aにおいて、式IVおよびVにより表される化合物
は溶媒、例えば二硫化炭素または塩化メチレンに溶解さ
れ、ルイス酸、例えば塩化アルミニウムまたは四塩化錫
の存在下で反応させて、式VI(または反応BのVI A)に
より表される対応する置換ケトンを生成する。Rおよび
R′は潜在的フェニル置換基を表す。
反応Bにおいて、式VI(BおよびB′が置換または非
置換フェニル以外の基を表す)により表される置換また
は非置換ケトンを、好適な溶媒、例えば無水テトラヒド
ロフラン中でナトリウムアセチリドと反応させて、式VI
Iにより表される対応するプロパルギルアルコールを生
成する。置換または非置換フェニル以外のBおよびB′
基を有するプロパルギルアルコールを、市販のケトンに
より、またはアシルハライドの置換または非置換ベンゼ
ン、ナフタレン、またはヘテロ芳香族化合物との反応に
よって調製してもよい。
出発物質、たとえば化学式XIおよびXVIで表され、か
つ反応BおよびDで表されるストッブ(Stobbe)縮合に
用いられる適当な置換アセトナフトンまたはナフトアル
デヒドは市販されているか、または容易に合成を依頼で
きる。たとえば、アセトナフトン類は反応Cで示される
フリーデルクラフツ反応において、式VIIIで表される1
−メトキシナフタレンおよび式IXで表される市販のアシ
ルまたはアロイルクロライドを溶媒(たとえば、メチレ
ンクロライトまたはカーボンジスルフィド)中に溶解
し、ルイス酸(たとえば、塩化アルミニウムまたは四塩
化錫)の存在下に反応して、式Xで表される置換アセト
ナフトンを形成する方法により得てもよい(「フリーデ
ルクラフツおよび関連反応」、ジョージ・A・オラー
(Olah)、インターサイエンス・パプリッシャーズ、19
64、第3冊、XXXI章(芳香族ケトン合成)参照)。置換
ナフトアルデヒドはまた種々の方法、たとえばガッター
マン反応により得てもよい(ツルース(Truce)、「有
機反応」、第9冊、第37〜72頁、1957参照)。
反応DおよびE中で式XIまたはXVIで表される適当な
置換アセトナフトンまたはナフトアルデヒドをコハク酸
のエステル、たとえば式XIIで表されるコハク酸ジメチ
ルと反応する。塩基としてナトリウムハイドライドまた
はt−ブトキシカリウムのいずれかを含む溶媒(たとえ
ば、トルエン)中に反応試薬を加え、シスおよびトラン
スアルキリデンコハク酸またはハーフエステル(式XIII
またはXVII)の混合物を得る。正しい立体配置を有する
アルキリデンコハク酸またはそのハーフエステルは無水
酢酸および酢酸ナトリウムの存在下に環化脱水およびエ
ノール化を行って、式XIVまたはXVIIIで表される一般式
のフェナンスロートを得る。ついでアルコール分解して
それぞれ式XVまたはXIVで表される置換1−ヒドロキシ
−3−メトキシカルボニルフェナンスレンまたは4−ヒ
ドロキシ−2−メトキシカルボニルフェナンスレンを得
る。ストッブ縮合および環化の多くの例は文献、たとえ
ば「ストッブ縮合」、ウイリアム・S・ションソンおよ
びグイド(Guido)・H・ダウ(Daub)および「有機反
応」、第VI冊、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ社、
1951第1〜73頁に見られる。
反応Fにおいて、式XXまたはXXIで表される置換フェ
ナンスロールを式VIIで表される適当な置換プロパルギ
ルアルコールと結合させて、式IIIA1またはIIIB1で表さ
れる化合物を得てもよい。
反応Gにおいて、式IIIA1またはIIIB1で表される置換
フェナンスロピランを適当な溶媒、たとえばテトラヒド
ロフラン中に溶解する。リチウムアルミニウムハイドラ
イドを加えてメトキシカルボニル基を還元し、式IIIA2
およびIIIB2で表される化合物中のヒドロキシメチレン
基にする。
式IA、IB、IIIAシリーズ(すなわち、IIIA、IIIA1お
よびIIIA2)およびIIIBシリーズで表される化合物を有
機光互変性物質を用いてもよい用途、たとえば光学レン
ズ(たとえば、視力矯正眼科またはプラノレンズ、フェ
イスシールド、ゴーグル、バイザー、カメラレンズ、
窓、自動車用ウインドシールド、飛行機および自動車用
透明体、たとえばT−ルーフ、サイドライトおよびバッ
クライト、プラスチックフィルムおよびシート、布およ
び被膜、たとえば被覆組成物、たとえばペイントおよび
保護書類上の確認マーク、たとえば紙幣、パスポートお
よび運転免許書などのサインやサインの確認が望まれる
書類上の確認マークに用いられる。式IA、IB、IIIAシリ
ーズおよびIIIBシリーズで表されるフェナンスロピラン
は無色から黄色〜紫への色調へ変色する。
本発明の範囲内のフェナンスロピランの例としては以
下のものが挙げられる: (a)3,3−ジフェニル−12−メトキシカルボニル−11
−メチル−3H−フェナンスロ[1,2−b]ピラン; (b)2,2−ジフェニル−5−メトキシカルボニル−6
−メチル−2H−フェナンスロ[4,3−b]ピラン; (c)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−
5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−フェナンス
ロ[4,3−b]ピラン; (d)3−(2ニブルオロフェニル)−3−(4−メト
キシフェニル)−6−メトキシ−12−メトキシカルボニ
ル−3H−フェナンスロ[1,2−b]ピラン; (e)スピロ[3H−6−エトキシ−12−メトキシカルボ
ニルフェナンスロ[1,2−b]ピラン−3−9′−フル
オレン]; (f)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−10−メトキ
シ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−フェナ
ンスロ[4,3−b]ピラン; (g)3−(2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−
3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−12−メ
トキシカルボニル−11−メチル−3H−フェナンスロ[1,
2−b]ピラン; (h)3,3−ジフェニル−6−メトキシ−12−メトキシ
カルボニル−11−フェニル−3H−フェナンスロ[1,2−
b]ピラン; (i)3−(4−メトキシフェニル)−3−(2−メチ
ル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−6−メト
キシ−12−メトキシカルボニル−11−フェニル−3H−フ
ェナンスロ[1,2−b]ピラン; (j)3−(4−メトキシフェニル)−3−(2−メチ
ル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−6−メト
キシ−12−ヒドロキシメチル−11−フェニル−3H−フェ
ナンスロ[1,2−b]ピラン;および (k)2,2−ジフェニル−5−N,N−ジメチルアミノカル
ボニル−2H−フェナンスロ[4,3−b]ピラン。
市販の塩化銀粒子を含む光反応性無機ガラスレンズは
太陽光で薄ねずみ色または茶色に濃色化する。本発明の
有機光互変性フェナンスロピラン類を用いてプラスチッ
クレンズ中でこの変色をさせようとするためには、その
ようなフェナンスロピラン類を単独または他の適当な有
機光互変性材料と組み合わせて、そのような光互変性材
料を含むプラスチックレンズが紫外線に当たった場合に
所望のネズミ色または茶色のシェードを作り出すように
する。たとえば、二つの可視吸収ピーク、すなわち一つ
は黄色を形成し、他の一つは紫を形成する単一のフェナ
ンスロ化合物は、それのみを用いて適当な茶色のシェー
ドを得る。同様に、二つの吸収ピークを有し、それぞれ
がオレンジおよび青の色を形成するフェナンスロピラン
は、他の光互変性化合物または染料を加えずとも適当な
ねずみ色シェードを得る。また、本発明のフェナンスロ
ピラン化合物と他の1またはそれ以上の適当な色を形成
する可視光吸収ピークを有する光互変性材料との組み合
わせを用いてもよい。
前述した、本発明の新規な置換2H−フェナンスロ[4,
3−b]ピランおよび3H−フェナンスロ[1,2−b]ピラ
ン化合物は単独またはこれと適当な光互変性化合物(す
なわち、約400〜700nmの範囲に少なくとも1つの最大活
性吸収を有する有機光互変性化合物)またはそれを含む
物質と組み合わせて用いてもよく、そしてこれらを光互
変性物品を形成するのに用いられるポリマー状有機ホス
ト材料中に導入、たとえば溶解または分散して活性化時
に適当な色相に色が変わるようにしてもよい。
本発明の光互変性物品に用いることを意図する適当な
有機光互変性物質の第1のグループは590nm以上の可視
範囲、たとえば、590〜700nmにおいて最大活性吸収を有
するものである。このような材料は紫外光に照射時に適
当な溶媒またはマトリックス中で典型的には青、青味が
かった緑または青味がかった紫色を形成する。そのよう
な化合物の多くは公知の文献に記載されている。たとえ
ば、スピロ(インドリン)ナフトキサジン類は米国特許
3,562,172,3,578,602,4,215,010および4,342,668などに
記載されている。分子中のナフトキサジン部分の8′お
よび9′位にある種の置換基を有するスピロ(インドリ
ン)ナフトキサジン類は同時係属の米国特許出願07/99
3,587(1992年12月21日出願)に記載されている。スピ
ロ(インドリン)ビリドベンゾキサジン類は米国特許4,
637,698に記載されている。スピロ(ベンズインドリ
ン)ピリドベンゾキサジン類およびスピロ(ベンズイン
ドリン)ナフトキサジン類は米国特許4,931,219に記載
されている。スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン
類は日本特許公開62/195383に記載されている。スピロ
(インドリン)ベンゾキサジン類は米国特許4,816,584
に記載されている。スピロ(インドリン)ベンゾピラン
類、スピロ(インドリン)ナフトピラン類およびスピロ
(インドリン)キノンピラン類はたとえば米国特許4,88
0,667に記載されている。ピラン環の2位に窒素含有置
換基を有するベンゾピランおよびナフトピラン類は米国
特許4,818,096に記載されている。スピロ(インドリ
ン)ピラン類はまた「テクニクス・イン・ケミストリ
−」、第III冊、「ホトクロニズム」、第3章、グレン
(Glenn)Hブラウン編集、ション・ウイリー・アンド
・サンズ社、ニューヨーク、1971に記載されている。
本発明の光互変性物品に用いることを意図する適当な
有機光互変性物質の第2のグループは約400から500nmの
範囲に少なくとも1つの最大吸収、好ましくは2つの最
大吸収を有するものである。このような材料は典型的に
は適当な溶媒またはマトリックス中で紫外線に照射した
場合に黄色からオレンジの色を形成する。そのような化
合物はある種のクロメン類、すなわちベンゾピランまた
はナフトピラン類を含む。クロメン類の多くは公知文
献、たとえば米国特許3,567,605、4,826,977および5,06
6,818に記載されている。ナフトピラン環の2位にスピ
ロアダマンタン基を有するベンゾピランおよびナフトピ
ランの例は米国特許4,826,977に記載されている。ピラ
ン環の3位に少なくとも一つのo−置換フェニル置換基
を有するナフトピラン類は米国特許5,066,818に記載さ
れている。ナフトピランのナフト部の第8の炭素にある
種の置換基を有し、第7または9の炭素にある置換基を
有するナフトピラン化合物は同時係属の特許出願08/08
0,246(1993年6月21日出願)に記載されている。ピラ
ン環の3位で(i)アリル置換基および(ii)フェニル
置換基の第3および4炭素原子で融合した5または6員
複素環を有するフェニル置換基で置換されたナフトピラ
ン類は同時係属の米国特許出願08/080,250(1993年6月
21日出願)に記載されている。ナフトピラン環のナフト
部の第8炭素原子でたとえばメトキシグループメトキシ
基で置換されているナフトピラン化合物は米国特許5,23
8,931に記載されている。ナフトピラン化合物、たとえ
ばアリール−3−アリールアルキルナフトピラン類は米
国特許5,274,132に記載されている。
本発明の光互変性物品を形成するのに用いることを意
図している適当な有機光互変性物質の第3のグループは
約400〜約500nmの範囲に最大吸収を有し、約500〜700nm
の範囲に他の最大吸収を有するものである。これらの化
合物は典型的には適当な溶媒またはマトリックス中で紫
外線に照射した場合に黄色/茶色から紫/ねずみ色に変
色する。このような化合物の例はベンゾピラン化合物、
たとえばピラン環の2位に置換基を有するものおよび置
換または非置換、複素環、たとえばベンゾピランのベン
ゾ位に融合したベンゾチエノまたはベンゾフラノ環が挙
げられる。そのような化合物は同時係属の米国特許出願
08/201,948(1994年2月24日出願)に記載されている。
前記特許および特許出願における光互変性化合物の記
載はすべてこの明細書中に導入する。本発明の光互変性
物品は前述のように1つの光互変性化合物またはそれら
の混合物を含んでもよい。個々の光互変性化合物または
光互変性化合物の混合物はある種の活性化された色、た
とえば薄ねずみ色または茶色を達成するために用いても
よい。
本発明の新規なナフトピラン類は黄色から紫への活性
色を示すので、前記光互変性化合物の第3のグループの
代わりまたはそれと組み合わせて用いもよい。本発明の
化合物(以下、第3グループの光互変性化合物を含めて
呼ぶこともある)は単独または前記の適当な第2グルー
プの有機光互変性物質、すなわち黄色/オレンジに変色
するもの、および/または第1のグループの有機光互変
性物質(紫/青に変色)、たとえばスピロオキサジン型
化合物と組み合わせて用いてもよい。ここに記載の光互
変性物質の各々はそれらの化合物の混合物が導入される
かまたは適用される有機ホスト材料がフィルターを通し
ていない太陽光で活性化したときに活性化された光互変
性化合物の色が可能なかぎり薄ねずみ色または茶色のシ
ェードのごとき実質的に中性色を発生するような比率お
よび量で用いてもよい。使用する前記光互変性化合物の
相対量はそのような化合物の活性種の色の相対的な濃度
および全体的な色に基づいて部分的に大きく変化する。
一般に前記有機光互変性材料の組み合わせの重量比、す
なわち(第1/第3および第2/第3)は約1:3〜約3:1、た
とえば約0.75:1〜約2:1で変化してよい。前記有機光互
変性材化合物質の第1、第2および第3グループの組み
合わせは重量比が約1:3:1〜3:1:3で変化してもよい。
近薄ねずみ色(near neutral gray)は400〜700nm、
たとえば440〜660nmの可視域に比較的等しい吸収を有す
るスペクトルを示す。近薄茶色(near neutral brown)
は440〜550nmの範囲の吸収が550〜700nmの範囲における
ものよりもやや大きいスペクトルを示す。色を表示する
別の方法は色度座標を用いて、規約反射率、すなわちそ
の色度に加えて色の質を表示することである。CIEシス
テムにおいて、色度座標は三刺激値のそれらの合計に対
する比、たとえばx=X/(X+Y+Z)およびy=Y/
(X+Y+Z)をとることによって得られる。CIEシス
テムで表された色は色度図、通常色度座標xおよびyの
プロットにすることができる(「プリンシプルズ・オブ
・カラー・テクノロジ−」、F.W.ビルメアー(Billmeye
r)、ジュニアおよびマックス・サルツマン(Max Salez
men)、第2版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、
ニューヨーク、(1981)の第47〜52頁)。本明細書に用
いる近薄色は色のための「x」および「y」の色度座標
の値が太陽光照射時により活性ないし40%光透過率にお
いてx=0.260〜0.400、y=0.280〜0.400(エアー・マ
ス1または2)の範囲内(D65光源)のものである。
本発明の光互変性物質は公知の種々の方法によりホス
ト材料中に適用または導入されてもよい。そのような方
法はホスト物質中に材料を溶解または分散すること、た
とえば光互変性物質をモノマー状ホスト材料に加え重合
すること;光互変性物質のホット溶液中にホスト材料を
浸漬するかまたは熱移動することにより、光互変性物質
をホスト材料中に膨潤すること;光互変性物質をホスト
材料の隣接層の間に分離した層として提供すること、た
とえばポリマーフィルムの一部として;および光互変性
物質をホスト材料の表面上に被膜の一部として提供する
ことなどが考えられる。「膨潤」または「膨潤する」は
光互変性物質のホスト材料中への浸透、光互変性物質の
多孔性ポリマー中への溶媒補助移動吸収、上記層または
他のそのような移動メカニズムを含むことを意味する。
化学的および色彩的に適合する色、すなわち染料をホ
スト材料中に適用して、より美的な結果を医学的な理由
またはファション的な理由のために達成してもよい。選
択しうる特定の染料は上述の必要性および達成されるべ
き結果に基づいて変化する。一つの態様では染料は活性
化された光互変性物質から得られる色に適合するように
選択され、たとえば入射光の特定の波長の吸収したりま
たはより中性的なカラーを達成する。他の態様では、染
料は光互変性材料が非活性状態にあるときにホストマト
リックスに所望の色調を与えるのに選択されてもよい。
ポリマー状有機ホスト材料は通常透明であるが、半透
明または不透明であってもよい。ポリマー生成物は光互
変性物質が活性化する電磁スペクトルの部分に対する部
分、すなわち物質の解放型を形成する紫外線の波長およ
び紫外線活性形態、すなわち解放形態における物質の最
大吸収波長を含む可視光の部分に対する部分のみ透明で
ある必要がある。好ましくは、ポリマーの色は光互変性
物質の活性形態の色をマスクするようであってはだめ
で、色の変化が容易に観察者に分かる必要がある。より
好ましくは、ホスト材料物品は固体の表面がつ光学的に
クリヤーな材料、たとえば光学的用途に適当な材料、た
とえばプラノまたは眼科的レンズ、窓、自動車用透明体
(たとえば、ウインドシールド)、飛行機用透明体、プ
ラスチックシート、ポリマーフィルム等である。
実施例1 工程1 1′アセトナフトン(20.0g、0.12モル)とジメチル
スクシネート(19.0g、0.13モル)を合わせて混合し、
試薬混合物の20重量%を、無水トルエン200mLと水酸化
ナトリウム(60重量%鉱油懸濁液7.2g、0.18モル)を含
む反応フラスコに加えた。反応が非常に発熱して、水素
ガスの迅速な発生によって過度に発泡することから、反
応フラスコに大きなヘッドスペースを持たせた。メタノ
ール1mLを反応フラスコに加えて、反応を開始した。次
いで、残りの試薬混合物を、約45〜50℃の間の反応温度
を維持する速度で反応フラスコに加えた。
残りの試薬混合物の添加を完了した後で、反応フラス
コの内容物を90℃に2時間加熱し、室温まで冷却し、5
重量%塩酸水溶液で酸性化した。水層と有機層を分離し
て、水層をトルエン100mLで洗浄した。有機層を合わせ
て、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒(トルエン)
を真空下で除去した。得られた残渣を、ジエチルエーテ
ルに溶解し、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液150mL
ずつで3回抽出した。水性抽出分を合わせて、pH2まで
酸性化し、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機抽出
分を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒
(ジエチルエーテル)を真空下で除去して、ハーフエス
テル[3−メトキシカルボニル−4−(1−ナフチル)
−シス/トランス−3−ペンテン酸]の混合物10gを得
た。
工程2 工程1からのハーフエステルの混合物(10.0g)と酢
酸ナトリウム(10g)を、無水酢酸200mLを含む反応フラ
スコに加えた。反応混合物を3時間還流した。副生成物
である酢酸と未反応の無水酢酸を真空下で除去し、得れ
た残渣を塩化メチレンに溶解し、水で洗浄した。有機層
を分離し、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し
て可溶性塩基を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥させ
た。溶媒(塩化メチレン)を真空下で除去して、1−ア
セトキシ−3−メトキシカルボニル−4−メチルフェナ
ントレンを含有する粗原料油10.0gを得た。
工程3 工程2からの粗原料油(10.0g)と濃塩酸5滴を、メ
タノール200mLを含む反応フラスコに加えた。反応混合
物を数時間還流した。メタノールを真空下で除去し、結
晶生成物[1−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニル−
4−メチルフェナントレン]2gを真空濾過により回収し
た。
工程4 工程3からの1−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニ
ル−4−メチルフェナントレン(2g、0.0075モル)と1,
1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール(37重量%
トルエン溶液4.2g)を、トルエン200mLを含む反応フラ
スコに加えた。反応混合物を37℃に加熱した。触媒量
(持続性のある暗赤色を得るのに十分な量)のドデシル
ベンゼンスルホン酸を添加し、反応混合物を3時間攪拌
した。水を反応混合物に加えて、得られた層を分離し
た。水層をトルエンで1回抽出した。有機層を合わせ
て、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒(トルエン)
を真空下で除去した。粗生成物を、シリカゲルで2回
(最初は、酢酸エチル:ヘキサン=1:1溶出液を用い、
次にクロロホルム溶出液を用いて)クロマトグラフィー
分離した。回収した生成物(0.5g)は、核磁気共鳴(NM
R)スペクトルにより、生成物は、3,3−ジフェニル−12
−メトキシカルボニル−11−メチル−3H−フェナントロ
[1,2−b]ピランと同一の構造を有することが示され
た。
実施例2 工程1 2′−アセトナフトン(50g、0.29モル)とジメチル
スクシネート(46.8g、0.32モル)を滴下漏斗に加え、
トルエンで300mLに希釈した。混合物の約20重量%を、
トルエン100mLと水酸化ナトリウム(60重量%鉱油懸濁
液14.0g、0.35モル)を含む反応フラスコにゆっくりと
添加した。メタノール1mLを反応フラスコに加えて、反
応を開始した。次いで、試薬混合物の残りを、約45〜50
℃の間の反応温度を維持する速度で反応フラスコに加え
た。反応混合物を室温で一晩攪拌し、希薄酢酸水で反応
を停止した。水層と有機層を分離し、有機層を5重量%
炭酸水素ナトリウム水溶液250mLずつで2回洗浄した。
得られた水層を合わせて、注意しながら濃塩酸で酸性化
し、塩化メチレン100mLずつで3回抽出した。有機抽出
液を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒
(塩化メチレン)を真空下で除去して、ハーフエステル
[3−メトキシカルボニル−4−(2−ナフチル)−シ
ス/トランス−3−ペンテン酸]の混合物80gを得た。
工程2 工程1からのハーフエステルの混合物(80g)と酢酸
ナトリウム(60g)を、無水酢酸250mLを含む反応フラス
コに加えた。反応混合物3時間還流した。副生成物であ
る酢酸と未反応の無水酢酸を真空下で除去し、得れた残
渣を塩化メチレンに溶解し、水で洗浄した。得られた有
機層を、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒(塩化メチレン)
を真空下で除去した。所望の生成物をメタノールから結
晶化させ、真空濾過し、少量のアセトニトリルで洗浄し
て、4−アセトキシ−2−メトキシカルボニル−1−メ
チルフェナントレン20.0gを得た。
工程3 工程2からの4−アセトキシ−2−メトキシカルボニ
ル−1−メチルフェナントレン(20.0g、0.65モル)
を、メタノール300mL中に濃塩酸1mLを含む反応フラスコ
に加えた。反応混合物を3.5時間還流した。メタノール
を真空下で除去した。得られた粗結晶生成物を、少量の
アセトニトリルで洗浄し、真空濾過により回収して、所
望の生成物[4−ヒドロキシ−2−メトキシカルボニル
−1−メチルフェナントレン]15.0gを得た。
工程4 工程3からの4−ヒドロキシ−2−メトキシカルボニ
ル−1−メチルフェナントレン(1.0g、0.0038モル)と
1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール(37重量
%トルエン溶液0.8g)を、トルエン150mLを含む反応フ
ラスコに加えた。反応混合物を35℃に加熱した。触媒量
(持続性のある暗赤色を得るのに十分な量)のドデシル
ベンゼンスルホン酸を反応系に添加し、反応混合物を3
時間攪拌した。水を反応混合物に加えて、得られた層を
分離した。水層をトルエンで1回抽出した。有機層を合
わせて、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒(トルエ
ン)を真空下で除去した。得られた残渣を、ヘキサン/
エーテル混合液から結晶化させ、アセトニトリルで洗浄
し、真空濾過により回収した。回収した生成物(約0.7
g)の融点は、197〜199℃であった。NMRスペクトルによ
り、生成物は、2,2−ジフェニル−5−メトキシカルボ
ニル−6−メチル−2H−フェナントロ[4,3.−b]ピラ
ンと同一の構造を有することが示された。
実施例3 工程4において、1,1−ジフエニル−2−プロピン−
1−オールの代わりに、1−(4−メトキシフェニル)
−1−フェニル−2−プロピン−1−オール(1.4g、0.
006モル)を使用したこと以外は、実施例2のプロセス
を追従した。回収した生成物(約1.3g)の融点は、160
〜162℃であった。NMRスペクトルにより、生成物は、2
−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−5−メト
キシカルボニル−6−メチル−2H−フェナントロ[4,3
−b]ピランと同一の構造を有することが示された。
実施例4 工程1において、2′−アセトナフトンの代わりに、
4−メトキシ−1−ナフトアルデヒド(50.0g、0.27モ
ル)を使用して、ハーフエステル[3−メトキシカルボ
ニル−4−(4−メトキシ−1−ナフチル)−シス/ト
ランス−3−ブテン酸]の混合物48.5gを生成したこと
以外は、実施例2のプロセスを追従した。工程2では、
このハーフエステルの混合物(48.5g)を用いて、反応
混合物を、3時間ではなく1.5時間還流して、1−アセ
トキシ−3−メトキシカルボニル−9−メトキシフェナ
ントレン32.0gを生成した。工程3では、中間体[1−
アセトキシ−3−メトキシカルボニル−9−メトキシフ
ェナントレン](32.0g、0.1モル)を用いて、1−ヒド
ロキシ−3−メトキシカルボニル−9−メトキシフェナ
ントレン20.0gを生成し、それ(5.0g、0.0185モル)
を、工程4では、1−(2−フルオロフェニル)−1−
(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール
(4.7g、0.0185モル)と共に用いた。回収した生成物
(約2.5g)の融点は、214〜216℃であった。NMRスペク
トルにより、生成物は、3−(2−フルオロフェニル)
−3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−12−
メトキシカルボニル−3H−フェナントロ[1,2−b]ピ
ランと同一の構造を有することが示された。
実施例5 工程4において、1−(2−フルオロフェニル)−1
−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オー
ルの代わりに9−エチニル−9−ヒドロキシフルオレン
(4.7g、0,007モル)を使用し、粗生成物を、溶出液と
して酢酸エチル/ヘキサンを用いてシリカゲルカラムで
クロマトグラフィー分離したこと以外は、実施例4のプ
ロセスを追従した。回収した生成物(約0.5g)の融点
は、196〜199℃であった。NMRスペクトルにより、生成
物は、スピロ[3H−6−メトキシ−12−メトキシカルボ
ニルフェナントロ[1,2−b]ピラン−3−9′フルオ
レン]と同一の構造を有することが示された。
実施例6 工程1において、2′−アセトナフトンの代わりに、
6−メトキシ−2−アセトナフトン(67.5g、0.34モ
ル)を使用して、ハーフエステル[3−メトキシカルボ
ニル−4−(6−メトキシ−2−ナフチル)−シス/ト
ランス−3−ペンテン酸]の混合物89.0gを生成したこ
と以外は、実施例2のプロセスを追従した。工程2で
は、このハーフエステルの混合物(89.0g)を用い、反
応混合物を、3時間の代わりに4時間還流して、4−ア
セトキシ−7−メトキシ−2−メトキシカルボニル−1
−メチルフェナントレン21.0gを生成した。工程3で
は、この中間体(21.0g、0,065モル)を用い、反応混合
物を3.5時間ではなく2時間還流して、4−ヒドロキシ
−7−メトキシ−2−メトキシカルボニル−1−メチル
フェナントレン11.0gを生成し、その生成物(1.5g、0.0
153モル)を、工程4では、1,1−ビス(4−メトキシフ
ェニル)−2−プロピン−1−オール(1.4g、0.0053モ
ル)と共に用いた。反応混合物を、3時間ではなく1.5
時間攪拌した。回収した生成物(約1.8g)の融点は、21
4〜216℃であった。NMRスペクトルにより、生成物は、
2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−10−メトキシ−5
−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−フェナントロ
[4,3−b]ピランと同一の構造を有することが示され
た。
実施例7 工程1 1−メトキシナフタレン(50.0g、0.32モル)と塩化
アセチル(27.5g、0.35モル)を、塩化アルミニウム(5
1.0g、0.38モル)の塩化メチレン200mL溶液を含む反応
フラスコに攪拌しながら注意深く加えた。室温で1時間
攪拌後、冷却するまで、反応混合物を氷上に流し出し
た。有機層を分離し、蒸留水200mLで1回洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥させた。溶媒(塩化メチレン)を真空
下で除去した。ヘキサン/ジエチルエーテルの混合物を
用いて、生成物を結晶化させ、真空濾過により回収し
た。回収した生成物(約49.0g)は、NMRスペクトルか
ら、生成物は、4−メトキシ−1−アセトナフトンと同
一の構造を有することが示された。
工程2 工程1からの4−メトキシ−1−アセトナフトン(4
8.0g、0.24モル)とジメチルスクシネート(38.0g、0.2
6モル)を、標線付き滴下漏斗に加えた。トルエンを滴
下漏斗に加えて、試薬混合物200mLを得た。試薬混合物
を、トルエン200mL中にカリウムt−ブトキシド(29.2
g、0.26モル)を含む反応フラスコにゆっくりと加え
た。反応混合物を75℃に加熱して、3時間攪拌した。反
応混合物を冷却し、水を加えて、反応を停止した。有機
層を分離して、水で洗浄した。水層を合わせて、濃塩酸
でpH2に注意しながら酸性化し、塩化メチレン100mLずつ
で3回抽出した。有機層を合わせて、硫酸マグネシウム
で乾燥させた。溶媒(塩化メチレン)を真空下で除去し
て、ハーフエステル[3−メトキシカルボニル−4−
(4−メトキシ−1−ナフチル)−シス/トランス−3
−ペンテン酸]の混合物74gを得た。
工程3 工程2からのハーフエステルの混合物(74.0g)と酢
酸ナトリウム(30g)を、無水酢酸250mLを含む反応フラ
スコに加えた。反応混合物を6時間還流した。副生成物
である酢酸と未反応の無水酢酸を真空下で除去し、得ら
れた残渣を、塩化メチレンに溶解し、水で洗浄した。有
機層を分離し、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒(塩化メチ
レン)を真空下で除去し、1−アセトキシ−9−メトキ
シ−3−メトキシカルボニル−4−メチルフェナントレ
ンを含有する粗原料油77gを得た。
工程4 1−アセトキシ−9−メトキシ−3−メトキシカルボ
ニル−4−メチルフェナントレンを含有する工程3から
の油(77.0g、0.236モル)を、メタノール300mL中に濃
塩酸1mLを含む反応フラスコに加えた。反応混合物を3
時間還流した。メタノールを真空下で除去し、溶出液と
して酢酸エチル/ヘキサン比=1:4を用いてシリカゲル
カラムで粗生成物を精製した。生成物をメタノールから
結晶化させ、真空濾過により回収して、1−ヒドロキシ
−9−メトキシ−3−メトキシカルボニル−4−メチル
フェナントレン15.0gを得た。
工程5 工程4からの1−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−メ
トキシカルボニル−4−メチルフェナントレン(1.5g、
0.005モル)と1−(2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イ
ル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−
1−オール(1.4g、0.005モル)を、トルエン250mLを含
む反応フラスコに加えた。反応混合物を35℃に加熱し
た。触媒量(持続性のある暗赤色を得るのに十分な量)
のドデシルベンゼンスルホン酸を、反応系に加え、反応
混合物を1時間攪拌した。水を反応混合物に加え、得ら
れた層を分離した。水層をトルエンで1回抽出した。有
機層を合わせて、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒
(トルエン)を真空下で除去した。粗生成物を、ヘキサ
ン/エーテル混合液から結晶化させ、真空濾過により回
収した。回収した生成物(約1.0g)の融点は、143〜145
℃であった。NMRスペクトルにより、生成物は、3−
(2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−3−(4−
メトキシフェニル)−6−メトキシ−12−メトキシカル
ボニル−11−メチル−3H−フェナントロ[1,2−b]ピ
ランと同一の構造を有することが示された。
実施例6 工程1において、塩化アセチルの代わりに塩化ベンゾ
イル(45.0g、0.32モル)を使用し、反応系を1時間で
はなく2時間後に氷上に流し出して1−ベンゾイル−4
−メトキシナフタレン約72.0gを生成したこと;工程2
において、4−メトキシ−1−アセトナフトンの代わり
に1−ベンゾイル−4−メトキシナフタレン(約72.0
g、0.28モル)を使用し、その後、反応混合物を75℃に
加熱し、その温度で12時間保持した後、室温で24時間攪
拌して、ハーフエステル[3−メトキシカルボニル−4
−(4−メトキシ−1−ナフチル)一4−フエニル−シ
ス/トランス−3−ブテン酸]の混合物83gを生成した
こと;工程3において、このハーフエステルの混合物
(83.0g)を使用して、反応混合物を6時間ではなく3
時間還流して、1−アセトキシ−9−メトキシ−3−メ
トキシカルボニル−4−フェニルフェナントレンを含む
粗原料油40gを生成し、それを、それ以上精製せずに次
の工程に直接使用したこと;工程4において、1−アセ
トキシ−9−メトキシ−3−メトキシカルボニル−4−
フェニルフェナントレンを含む粗原料油(40g、0.236モ
ル)を使用して、1−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−
メトキシカルボニル−4−フェニルフェナントレン7.5g
を生成したこと;および工程5において、この中間体
(1−ヒドロキシ−9−メトキシ−3−メトキシカルボ
ニル−4−フェニルフェナントレン)(1.0g、0.002モ
ル)を1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール
(0.4g、0.002モル)と共に使用したこと以外は、実施
例7のプロセスを追従した。回収した生成物(約0.5g)
の融点は、185〜187℃であった。NMRスペクトルによ
り、生成物は、3,3−ジフェニル−6−メトキシ−12−
メトキシカルボニル−11−フェニル−3H−フェナントロ
[1,2−b]ピランと同一の構造を有することが示され
た。
実施例9 工程5において、1,1−ジフェニル−2−プロピン−
1−オールの代わりに2−(2−メチル−2,3−ジヒド
ロベンゾフル−5−イル)−2−(4−メトキシフェニ
ル)−2−プロピン−1−オール(2.5g、0.008モル)
を使用し、反応混合物を1時間ではなく3時間攪拌し、
粗生成物を、溶出液として酢酸エチル:ヘキサン=1:1
混合液を用いて、シリカゲルカラムでクロマトグラフィ
ー分離したこと以外は、実施例8のプロセスを追従し
た。二回収した生成物(約1.5g)の融点は、209〜211℃
であった。NMRスペクトルにより、生成物は、3−(4
−メトキシフェニル)−3−(2−メチル−2,3−ジヒ
ドロベンゾフル−5−イル)−6−メトキシ−12−メト
キシカルボニル−11−フェニル−3H−フェナントロ[1,
2−b]ピランと同一の構造を有することが示された。
実施例10 100m1のテトラヒドロフランを含有する反応フラスコ
に実施例9で調製した3−(4−メトキシフェニル)−
3−(2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イ
ル)−6−メトキシ−12−メトキシカルボニル−11−フ
ェニル−3H−フェナントロ[1,2−b]ピラン(1.0グラ
ム、0.002モル)を加え、溶解するまで攪拌した。攪拌
しながら反応フラスコにリチウムアルミニウムヒドリド
(0.2グラム、0.005モル)を徐々に加えた。反応混合物
を1時間還流させた。冷却後、2−プロパノールを徐々
に加えて反応をクエンチした。5重量%の塩酸水溶液を
加えることにより反応混合物を酸性化した。100m1回分
のジエチルエーテルで3回得られる混合物を抽出した。
抽出物を収集し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶
媒、ジエチルエーテル、を減圧下で除去した。生成物を
ジエチルエーテルから結晶化させ、真空濾過により収集
した。回収生成物、0.3グラム、のNMRスペクトルによ
り、生成物が3−(4−メトキシフェニル)−3−(2
−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−6
−メトキシ−12−ヒドロキシメチル−11−フェニル−3H
−フェナントロ[1,2−b]ピランに一致する構造を有
することが示された。
実施例11 実施例化合物の主要生成物をジエチレングリコールジ
メチルエーテル中に溶解させた。得られた溶液の濃度は
約0.5mg/mlであった。それぞれの溶液をUV分光分析機で
測定したところ、光互変性化合物の吸収が生じる箇所で
ある、可視スペクトルに近い紫外線領域、または可視ス
ペクトルの境界領域、すなわち、390〜410ナノメータに
2個の波長を検出した。これらの結果を表1の紫外線吸
収波長として示す。
表1に示した可視吸収波長は、実施例化合物の主要生
成物を吸収させた合成光互変性試験四角形重合体を試験
することにより決定した。試験四角形重合体(test squ
are po1ymerizate)は、ジエチレングリコールビス(ア
リルカーボネート)組成物から調製され、1/8″(0.3c
m)×2″(5.1cm)×2″(5.1cm)の寸法とした。光
互変性フエナントロピランを溶解させてエチルセルロー
ス:トルエンの1:9混合物中10重量%溶液を形成した。
次いで、この溶液を試験四角形上にスピンコートし、乾
燥させた。次いで、試料を135〜155℃において熱風オー
プン中で光互変性材料が試験四角形中に熱移動するのに
十分な時間加熱した。冷却後、アセトンで洗浄すること
によりエチルセルロース/トルエン樹脂フィルムを試験
四角形から除去した。光互変性四角形をUV分光分析機中
で可視吸収波長について試験した。
表1の結果より、溶液中および試験重合体中における
化合物の実施例は紫外線照射された場合に活性化され、
光透過特性が変わることが示される。紫外線光源を除去
した後には、化合物の実施例を含有するそれぞれの溶液
および試験重合体の色は本来の色または無色の状態に復
帰した。これらの試験は化合物実施例の光互変性特性を
示す。
本発明は特定の実施態様の詳細に関して説明してきた
が、本発明の視野を限定することを意図してこのような
詳細を記載したのではない。本発明は以下の請求の範囲
に含まれるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 5/23 G02B 5/23 G02C 7/10 G02C 7/10 (56)参考文献 特開 平8−295690(JP,A) 特開 平8−209119(JP,A) 特開 平8−176139(JP,A) 特許2581516(JP,B2) 特許2533277(JP,B2) 特許2505357(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/00 - 311/96 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式のいずれかで示されるフェナント
    ロピラン化合物: 式中、 (a)R1は、基−CH2Xまたは−C(O)Y[式中、X
    はヒドロキシ、ベンゾイルオキシ、C1〜C6アルコキシ、
    C1〜C6アシルオキシ、C2〜C6ジアルキルアミノ、または
    トリメチルシリルオキシであり、Yは、基−OR4または
    −N(R5)R6(式中、R4は水素、C1〜C6アルキル、フェ
    ニル、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル、モノ(C1
    〜C6)アルコキシ置換フェニル、フェニル(C1〜C3)ア
    ルキル、モノ(C1〜C6)アルキル置換フェニル(C1
    C3)アルキル、モノ(C1〜C6)アルコキシ置換フェニル
    (C1〜C3)アルキル、C1〜C6アルコキシ(C2〜C4)アル
    キルまたはC1〜C6ハロアルキルであり、R5およびR6は、
    それぞれ、水素、C1〜C6アルキル、C5〜C7シクロアルキ
    ル、フェニル、モノ置換フェニルおよびジ置換フェニル
    から成る群からそれぞれ選択されるか、またはR5および
    R6は窒素原子と一緒になって5〜6個の環原子を含有す
    る無置換、1置換または2置換複素環を形成するもので
    あり、この複素環は該窒素原子を単独のヘテロ原子とし
    て有するか、または該窒素原子および1つの追加の窒素
    原子または酸素原子をヘテロ原子として有し、該フェニ
    ルおよび複素環の置換基はC1〜C6アルキル、またはC1
    C6アルコキシであり、該ハロ置換基はクロロまたはフル
    オロである。 )である。]であり; (b)R2は水素、C1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキ
    ル、ピリジル、フェニル、モノ置換またはジ置換フェニ
    ルであって、該フェニルの置換基はC1〜C6アルキル、C1
    〜C6アルコキシ、クロロまたはフルオロであり; (c)各R3はクロロ、フルオロ、アミノ、C1〜C6モノア
    ルキルアミノ、C2〜C6ジアルキルアミノ、C1〜C6アルキ
    ルまたは−OR7(式中、R7は水素、C1〜C6アルキル、ア
    リルまたはアセチルである。)であり、そしてnは0、
    1または2の整数であり;そして (d)BおよびB′は、以下の(i)〜(v)から成る
    群からそれぞれ選択されるものである: (i)無置換、およびモノ−、ジ−、またはトリ置換ア
    リール基、フェニルおよびナフチル; (ii)置換または無置換複素環芳香族基、ピリジル、フ
    ラニル、ベンゾフラニル、チエニル、およびベンゾチエ
    ニルであって、該アリールおよび複素環置換基が、ヒド
    ロキシ、アミノ、C1〜C6モノアルキルアミノ、C2〜C6
    アルキルアミノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキ
    ル、C1〜C6アルコキシ、モノ(C1〜C6)アルコキシ(C1
    〜C4)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシお
    よびハロゲンであって、該ハロゲンまたは(ハロ)基が
    フルオロまたはクロロであるもの; (iii)以下の式で示される化合物: 式中、Aは炭素または酸素であり、Bは酸素または置換
    窒素であり、ただし、Bが置換窒素である場合はAは炭
    素であり、該窒素置換基は水素、C1〜C6アルキルおよび
    C2〜C6アシルから成る群から選択され;各R8はC1〜C6
    ルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロゲ
    ンであり、該ハロゲンはクロロまたはフルオロであり;
    R9およびR10はそれぞれ水素またはC1〜C6アルキルであ
    り;そしてmは0、1または2の整数である;および (iv)C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6
    ルコキシ(C1〜C4)アルキル、C3〜C6シクロアルキル、
    モノ(C1〜C6)アルコキシ(C3〜C6)シクロアルキル、
    モノ(C1〜C6)アルキル(C3〜C6)シクロアルキル、お
    よびハロ(C3〜C6)シクロアルキルであって、該ハロ基
    がフルオロまたはクロロであるもの;または (v)BおよびB′が一緒になって形成した無置換フル
    オレン−9−イリデン、またはアダマンチリデン、ボル
    ニリデン、ノルボルニリデン、およびビシクロ(3.3.
    1)ノナン−9−イリデンから成る群から選択される無
    置換飽和または不飽和ビシクロ環。
  2. 【請求項2】以下の式のいずれかで示される請求項1記
    載のフェナントロピラン化合物: 式中、 (a)Xはヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アシ
    ルオキシまたはC2〜C4ジアルキルアミノであり、R4は水
    素、C1〜C4アルキル、フェニル、モノ(C1〜C4)アルキ
    ル置換フェニル、モノ(C1〜C4)アルコキシ置換フェニ
    ル、フェニル(C1〜C2)アルキル、モノ(C1〜C4)アル
    キル置換フェニル(C1〜C2)アルキル、モノ(C1〜C4
    アルコキシ置換フェニル(C1〜C2)アルキル、C1〜C4
    ルコキシ(C2〜C3)アルキル、またはC1〜C4ハロアルキ
    ルであり、R5およびR6は、それぞれ、水素、C1〜C4アル
    キル、C5〜C6シクロアルキル、フェニル、モノ−置換フ
    ェニル、およびジ−置換フェニルから成る群から選択さ
    れ、該フェニル置換基はC1〜C4アルキルまたはC1〜C4
    ルコキシであり、該ハロ置換基はクロロまたはフルオロ
    であり; (b)R2は水素、C1〜C4アルキル、C3〜C5シクロアルキ
    ル、フェニル、モノ−置換フェニル、またはジ−置換フ
    ェニルであって、該フェニル置換基はC1〜C4アルキル、
    C1〜C4アルコキシ、クロロまたはフルオロであり; (c)R11およびR12は、それぞれ、クロロ、フルオロ、
    アミノ、C1〜C6モノアルキルアミノ、C2〜C6ジアルキル
    アミノ、C1〜C4アルキル、および−OR7(式中、R7は水
    素、C1〜C4アルキル、またはアセチルである。)から成
    る群から選択され、そしてpおよびrは、それぞれ、0
    または1の整数であり、そして (d)BおよびB′は、それぞれ以下の(i)〜(iv)
    から成る群から選択されるものである: (i)フェニル、モノ置換フェニル、またはジ−置換フ
    ェニルであって;該フェニル置換基がC1〜C3アルキル、
    C1〜C3アルコキシ、アミノ、C1〜C4モノアルキルアミ
    ノ、C2〜C4ジアルキルアミノまたはフルオロであるも
    の; (ii)以下の式で示される化合物: 式中、Aは炭素であり、Bは酸素であり、R8はC1〜C3
    ルキルまたはC1〜C3アルコキシであり、そしてR9および
    R10はそれぞれ水素またはC1〜C4アルキルであり;そし
    てmは0または1の整数である;そして (iii)C1〜C4アルキル;または (iv)BおよびB′が一緒になって形成された無置換フ
    ルオレン−9−イリデンまたはアダマンチリデン。
  3. 【請求項3】(a)Xがヒドロキシ、C1〜C3アルコキ
    シ、またはC1〜C3アシルオキシであり;R4が水素、C1
    C3アルキルまたはフェニルであり、R5およびR6がそれぞ
    れ水素またはC1〜C3アルキルであり; (b)R2が水素、C1〜C3アルキル、フェニルまたはモノ
    −置換フェニルであって、該フェニル置換基がC1〜C2
    ルキル、C1〜C2アルコキシまたはフルオロであり; (c)R11およびR12がそれぞれC1〜C3アルキルまたは−
    OR7(式中、R7は水素、C1〜C3アルキル、またはアセチ
    ルである。)である、 請求項2記載のフェナントロピラン化合物。
  4. 【請求項4】(a)3,3−ジフェニル−12−メトキシカ
    ルボニル−11−メチル−3H−フェナントロ[1,2−b]
    ピラン; (b)2,2−ジフェニル−5−メトキシカルボニル−6
    −メチル−2H−フェナントロ[4,3−b]ピラン; (c)2−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−
    5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−フェナント
    ロ[4,3−b]ピラン; (d)3−(2−フルオロフェニル)−3−(4−メト
    キシフェニル)−6−メトキシ−12−メトキシカルボニ
    ル−3H−フェナントロ[1,2−b]ピラン; (e)スピロ[3H−6−メトキシ−12−メトキシカルボ
    ニルフェナントロ[1,2−b]ピラン−3−9′−フル
    オレン]; (f)2,2−ジ(4−メトキシフェニル)−10−メトキ
    シ−5−メトキシカルボニル−6−メチル−2H−フェナ
    ントロ[4,3−b]ピラン; (g)3−(2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−
    3−(4−メトキシフェニル)−6−メトキシ−12−メ
    トキシカルボニル−11−メチル−3H−フェナントロ[1,
    2−b]ピラン; (h)3,3−ジフェニル−6−メトキシ−12−メトキシ
    カルボニル−11−フェニル−3H−フェナントロ[1,2−
    b]ピラン; (i)3−(4−メトキシフェニル)−3−(2−メチ
    ル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−6−メト
    キシ−12−メトキシカルボニル−11−フェニル−3H−フ
    ェナントロ[1,2−b]ピラン; (j)3−(4−メトキシフェニル)−3−(2−メチ
    ル−2,3−ジヒドロベンゾフル−5−イル)−6−メト
    キシ−12−ヒドロキシメチル−11−フェニル−3H−フェ
    ナントロ[1,2−b]ピラン;および (k)2,2−ジフェニル−5−N,N−ジメチルアミノカル
    ボニル−2H−フェナントロ[4,3−b]ピラン;から成
    る群から選択されるフェナントロピラン化合物。
  5. 【請求項5】ポリマー有機ホスト材料および光互変量の
    請求項1記載のフェナントロピラン化合物を含有する光
    互変性物品。
  6. 【請求項6】前記ポリマー有機ホスト材料が、ポリアク
    リレート、セルロースアセテート、セルローストリアセ
    テート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
    ースアセテートブチレート、ポリ(ビニルアセテー
    ト)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルクロリ
    ド)、ポリ(ビニリデンクロリド)、熱可塑性ポリカー
    ボネート、ポリウレタン、ポリ(エチレンテレフタレー
    ト)、ポリスチレン、コポリ(スチレン−メチルメタク
    リレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、
    ポリビニルブチラール、およびポリオール(アリルカー
    ボネート)モノマー、多官能アクリレートモノマーおよ
    びジアリリデンペンタエリスリトールモノマーから成る
    群の成員のポリマー、からなる群から選択される請求項
    5記載の光互変性物品。
  7. 【請求項7】前記フェナントロピラン化合物が請求項2
    記載のフェナントロピランである請求項6記載の光互変
    性物品。
  8. 【請求項8】前記フェナントロピラン化合物が請求項3
    記載のフェナントロピランである請求項6記載の光互変
    性物品。
  9. 【請求項9】前記ポリマー有機ホスト材料がジエチレン
    グリコールビス(アリルカーボネート)、熱可塑性ポリ
    カーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビ
    ニルブチラールまたはポリウレタンの固体透明ホモポリ
    マーまたはコポリマーである請求項8記載の光互変性物
    品。
  10. 【請求項10】光互変性物質が含有されるか塗布される
    有機ホスト材料表面の1平方センチメートル当たり約0.
    15〜0.35mgの量で光互変性化合物が存在する請求項9記
    載の光互変性物品。
  11. 【請求項11】前記物品がレンズである請求項10記載の
    光互変性物品。
  12. 【請求項12】固体透明ポリマー有機ホスト材料、およ
    び光互変量の(a)請求項1記載のフェナントロピラン
    化合物および(b)約400〜700ナノメータの範囲内に少
    なくとも1つの活性化吸収極大を有する異なる有機光互
    変性化合物類、のそれぞれを組み合わせて有する光互変
    性物品。
  13. 【請求項13】前記ポリマー有機ホスト材料が、ポリア
    クリレート、セルロースアセテート、セルローストリア
    セテート、セルロースアセテートプロピオネート、セル
    ロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルアセテー
    ト)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルクロリ
    ド)、ポリ(ビニリデンクロリド)、熱可塑性ポリカー
    ボネート、ポリウレタン、ポリ(エチレンテレフタレー
    ト)、ポリスチレン、コポリ(スチレン−メチルメタク
    リレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、
    ポリビニルブチラール、およびポリオール(アリルカー
    ボネート)モノマー、多官能アクリレートモノマー、お
    よびジアリリデンペンタエリスリトールモノマーから成
    る群の成員のポリマー、から成る群から選択される請求
    項12記載の光互変性物品。
  14. 【請求項14】前記有機光互変性化合物(b)が、 (a)590ナノメータを上回る可視範囲に活性化された
    吸収極大を有する第1の有機光互変性物質; (b)400〜500ナノメータの間の可視領域に少なくとも
    1つの吸収極大を有する第2の有機光互変性物質; (c)約400〜500ナノメータの範囲の可視領域、および
    500〜700ナノメータの範囲の可視領域に吸収極大を有す
    る第3の有機光互変性物質; から成る群から選択される請求項13記載の光互変性物
    品。
  15. 【請求項15】前記フェナントロピラン化合物が請求項
    2記載のフェナントロピランである請求項14記載の光互
    変性物品。
  16. 【請求項16】前記ポリマー有機ホスト材料がジエチレ
    ングリコールビス(アリルカーボネート)、熱可塑性ポ
    リカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ
    ビニルブチラールまたはポリウレタンの固体透明ホモポ
    リマーまたはコポリマーである請求項15記載の光互変性
    物品。
  17. 【請求項17】前記有機光互変性化合物(b)が、スピ
    ロ(インドリン)ナフトオキサジン、 スピロ(インドリン)ピリドベンズオキサジン、 スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンズオキサジン、 スピロ(ベンズインドリン)ナフトオキサジン、 スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、 スピロ(インドリン)ベンズオキサジン、 スピロ(インドリン)ベンゾピラン、 スピロ(インドリン)ナフトピラン、 スピロ(インドリン)キノピラン、 スピロ(インドリン)ピラン、 クロメンおよびこれらの光互変性化合物の混合物から成
    る群から選択される請求項16記載の光互変性物品。
  18. 【請求項18】前記フェナントロピラン化合物が請求項
    3記載のフェナントロピラン化合物である請求項17記載
    の光互変性物品。
  19. 【請求項19】前記光互変性物質類が含有されるか塗布
    される有機ホスト材料表面の1平方センチメートル当た
    り約0.15〜0.35mgの量で前記光互変性化合物が存在する
    請求項18記載の光互変性物品。
  20. 【請求項20】前記物品が眼用レンズである請求項19記
    載の光互変性物品。
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