JP2002517446A - 精神障害の治療のためのnk−1受容体アンタゴニストの使用 - Google Patents

精神障害の治療のためのnk−1受容体アンタゴニストの使用

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JP2002517446A
JP2002517446A JP2000553075A JP2000553075A JP2002517446A JP 2002517446 A JP2002517446 A JP 2002517446A JP 2000553075 A JP2000553075 A JP 2000553075A JP 2000553075 A JP2000553075 A JP 2000553075A JP 2002517446 A JP2002517446 A JP 2002517446A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している大鬱病性障害またはストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬による併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造のためのNK−1受容体アンタゴニストの使用、前記NK−1受容体アンタゴニストを使用する治療方法、及び前記NK−1受容体アンタゴニストを含む医薬組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、NK−1受容体アンタゴニスト、特に2−(R)−(1−(S)−
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)
−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3
−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の投与による特定
の鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害及びストレス
障害の治療または予防に関する。
【0002】 大鬱病エピソードは、少なくとも2週間の間殆どの日またはほぼ毎日鬱モード
にあるかまたはすべてもしくはほぼすべての活動に興味または喜びを失っている
状態と定義されている。患者はまた、食欲または体重、睡眠及び精神運動活動が
変化したり、エネルギーが低下したり、無用感または罪悪感を感じたり、思考、
集中または決断がしにくかったり、死または自殺を思いついたり、計画したり試
みたことがある。大鬱病エピソードが1つ以上あると、大鬱病性障害と診断され
得る(「精神障害の診断及び統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manu
al of Mental Disorders)」,第4版,American Psychiatr
ic Association(1994))。
【0003】 不安は、頻脈、過呼吸、発汗及び振戦のような身体的症状を伴う感覚、例えば
懸念及び恐怖により特徴づけられる感情状態である。不安は正常な感情であるが
、不安もひどくなり無力になると病気となる。
【0004】 大鬱病性障害を患っている患者の状態は、その患者が不安症をも患っているた
めに時々悪化する。従って、患者は鬱病の症状に加えて、過度もしくは抑えがた
い心配;短気;緊張感、恐怖感、不安感及び不眠感;集中しがたい;並びに痛み
、激痛、ひきつけ、硬直、ミオクローヌス筋反射、耳鳴り、目のかすみ、火照り
及び寒気等のような複数の身体的愁訴の兆候をも呈することがあり、これらの兆
候により患者は社会的及び職業的弱者となる。
【0005】 ストレス要因は、患者の恒常性バランスを壊す生理学的または心理学的混乱と
して記載されており、ストレス応答は恒常性を再確立させるために発揮される神
経的及び内分泌的適応である(R.M.Sapolsky,「ストレス、老化脳
及びニューロン死のメカニズム(Stress, the Aging Brain and the Mechanisms
of Neuron Death)」,マサチューセッツ州ケンブリッジに所在のMIT Pre
ss(1992)発行)。損傷、断食、極端な温度や不安のようないろいろなス
トレス要因が同様のステレス応答を引き出す点で、ストレス応答は驚くほど集中
している。しかしながら、ストレスが長くなると、ストレス応答はストレス要因
と同じ位にダメージを与えるものとなる。従って、過度のストレスのために、ま
たはストレス応答をかわすことができないために、ストレス応答が慢性的に活発
過剰になると、筋障害、ストロイド糖尿、高血圧、消化性潰瘍、再生悪化、精神
萎縮及び免疫抑制を含めたスイレス関連状態に陥る。
【0006】 ストレス障害は、ストレス要因への過剰露出、(例えば、重篤な病気または死
別への)適応反応、または過度にストレスの多いトラウマへの応答の結果生じ得
る。
【0007】 鬱病性障害に対する治療レジメでは、通常三環式抗うつ薬(TCA)、モノア
ミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、数種の向精神薬、炭酸リチウム及び電気
痙攣療法(ECT)が使用されている(参考のために、R.J.Baldess
arini,「Goodman及びGilmanの治療法の薬理学的基礎(Goodm
an & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics)」,第9版,19
章,McGraw−Hill(1996)発行参照)。より最近では、選択的セ
ロトニン再摂取阻害剤(SSRI)、特異的モノアミン再摂取阻害剤、及び5−
HT1A受容体アゴニスト及びアンタゴニストを含めた新規なクラスの抗うつ薬
が開発されている。
【0008】 鬱病を治療するための最も確立されている薬物は三環式抗うつ薬である。例え
ば、強い睡眠障害及び不安を訴えている鬱状態の患者はアミトリプチリンのよう
な鎮静作用を有する三環式抗うつ薬で治療され得る。他の患者に対しては、鎮静
作用の少ない化合物、例えばイミプラミンまたはデシプラミンが使用され得る。
三環式抗うつ薬はノルアドレナリン及び5−ヒドロキシトリプタミンの摂取を阻
害すると共に、ムスカリン作動性コリン受容体、α−アドレナリン性受容体及
びH−ヒスタミン受容体を含めた各種神経伝達受容体でアンタゴニスト性をも
有する。これらの受容体アンタゴニスト作用のために、三環式抗うつ薬の副作用
プロフィールの多く、特に前立腺肥大または緑内障患者では特に厄介な抗コリン
作用性副作用が生ずる。他の副作用には、口渇、頻脈、眼の遠近調節困難、便秘
、尿閉、性機能不全、認知低下、体位性低血圧及び体重増加が含まれる。
【0009】 モノアミンオキシダーゼ阻害剤は通常、三環式抗うつ薬または電気痙攣療法に
反応しなかった患者に対して処方されている。三環式抗うつ薬と同様に、MAO
Iを使用すると多数の副作用、例えば眩暈、筋肉単収縮、不眠、錯乱、そう状態
、頻脈、体位性低血圧、高血圧、口渇、目のかすみ、インポテンス、末梢浮腫、
肝細胞損傷及び白血球減少が生ずる。
【0010】 新規なクラスの抗うつ薬の中で、選択的セロトニン再摂取阻害剤の処方は、特
に抗コリン作用及び心臓毒性作用のために三環式抗うつ薬の使用が禁忌である患
者において増加している。フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリンやパ
ロキセチンのようなSSRIは通常鎮静作用を持たない。更に、SSRIは食欲
を刺激しないので、体重増加が望ましくない患者において適切である。しかしな
がら、SSRIそれ自体が副作用、例えば悪心、下痢、口渇、食欲低下、消化不
良、嘔吐、頭痛、いらいら、不眠、不安、振戦、眩暈、疲労、性欲低下、咽頭炎
、呼吸困難、皮膚発疹及び性機能不全を有する。
【0011】 不安性障害は通常、ベンゾジアゼピン鎮静抗不安薬を用いて治療されている。
しかしながら、強力なベンゾジアゼピンは薬物依存性に関連する危険性のために
3もしくは4週間以上処方してはならない。抗不安作用と抗うつ作用を有する三
環式抗うつ薬(TCA)、例えばアミトリプチリンも使用され得る。5−HT 受容体アゴニスト及びアンタゴニストも有用な抗不安作用及び他の向精神作用
をも有し得る(参考のために、R.J.Baldessarini,「Good
man及びGilmanの治療法の薬理学的基礎(Goodman & Gilman's The Phar
macological Basis of Therapeutics)」,第9版,18章,McGraw−Hi
ll(1996)発行参照)。選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)も不
安症の治療のために広く処方されている。
【0012】 ベンゾジアゼピンは、薬物依存性の危険性の他に、高い敵意及び過敏反応、強
烈なまたは情緒不安な夢、体重増加、皮膚発疹、悪心、頭痛、性機能不全、眩暈
及び頭のくらくらのような多数の副作用をも有する。三環式抗うつ薬は、特に前
立腺肥大または緑内障患者では非常に厄介な抗コリン性副作用のために使用しに
くい。三環式抗うつ薬の副作用には、口渇、頻脈、眼の遠近調節困難、便秘、尿
閉、性機能不全、認識低下、体位性低血圧及び体重増加が含まれる。
【0013】 SSRIそれ自体が副作用、例えば悪心、下痢、口渇、食欲低下、消化不良、
嘔吐、頭痛、いらいら、不眠、不安、振戦、眩暈、疲労、性欲低下、咽頭炎、呼
吸困難、皮膚発疹及び性機能不全を有する。
【0014】 ストレス障害の治療には、カウンセリングの他に抗不安薬(例えば、ベンゾジ
アゼピンまたは三環式抗うつ薬)または催眠薬が使用され得る。しかしながら、
強力なベンゾジアゼピンは上記した危険性のために3〜4週間以上処方してはな
らない。また、上記したように、三環式抗うつ薬(TCA)を使用することは問
題も生じ得る。
【0015】 選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)はストレス障害の治療のために処
方され得るが、これらも副作用を有する。
【0016】 どんな薬物を使用しても、治療効果が現れるまでに通常2週、3週、更には4
週もかかる。この作用発現の遅れが、大鬱病、不安またはストレスを患っている
患者にとって特に問題であり得る。
【0017】 ニューロキニン1(NK−1;サブスタンスP)受容体アンタゴニストは、タ
キキニン、特にサブスタンスPの過剰または不均衡に関連する多数の生理学的異
常を治療するために開発されている。サブスタンスPが関与する症状の例として
、不安症、うつ病及び精神病のような中枢神経系の異常(例えば、国際特許出願
公開第95/16679号パンフレット、同第95/18124号パンフレット
及び同第95/23798号パンフレット)が挙げられる。
【0018】 欧州特許第0 286 928号明細書には、抗精神病、抗不安及び抗うつ作
用を有する、サブスタンスPのような神経ペプチドを分解する酵素プロリル−エ
ンドペプチダーゼの阻害剤が記載されている。他の方法(例えば、好ましいNK
−1受容体での拮抗作用)でサブスタンスPを分解するかまたはサブスタンスP
の作用を低下させることは、鬱病、不安症、不安を伴う鬱病、またはストレスの
治療にとって不利益であると予想される。
【0019】 より最近では、1996年8月15日に公開された国際特許出願公開第96/
24353号パンフレットでは、タキキニンアンタゴニストとセロトニンアゴニ
ストまたは選択的セロトニン再摂取阻害剤(SSRI)との組合せを用いること
により精神障害がより効果的に安全に治療されると示唆されている。しかしなが
ら、前記治療法にセロトニンアゴニストまたはSSRIによる副作用がないとは
いえない。
【0020】 既存の抗うつ薬治療の欠点にてらして、大鬱病性障害に対する安全で有効な新
しい治療法が要望されている。
【0021】 本発明は、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害
及びストレス障害の治療のためのNK−1受容体アンタゴニスト2−(R)−(
1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−ト
リアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使
用を提供する。このクラスの化合物は、有利には慣用されている抗うつ薬、抗不
安薬及び抗ストレス薬に比して作用の迅速な発現及び少ない副作用プロフィール
を示す。
【0022】 本発明で使用されるNK−1受容体アンタゴニストの非常に優れた薬理作用に
より、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害及びス
トレス障害を三環式抗うつ薬またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤を用いる併発
療法の必要なく、特にセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニストまたはSS
RIを併用する必要なく治療することができる。
【0023】 更に、本発明で使用されるNK−1受容体アンタゴニストの非常に優れた薬理
作用により、作用は迅速に発現する。
【0024】 従って、本発明は、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱
病性障害及びストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用い
る併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造のための2−(R)−(
1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキ
シエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−ト
リアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使
用を提供する。
【0025】 また、本発明は、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病
性障害及びストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用いる
併用療法なしに治療または予防する方法を提供し、その方法は前記治療を要する
患者に対して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオ
ロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンま
たはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0026】 本発明の更なる態様で、大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発してい
る鬱病性障害及びストレス障害の治療用医薬組成物が提供され、その組成物は2
−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−
2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1
,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容さ
れ得る塩を医薬的に許容され得る担体または賦形剤と共に含む。
【0027】 好ましくは、化合物2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオ
ロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンま
たはその医薬的に許容され得る塩を経口投与に適した医薬組成物中に存在させる
【0028】 好ましくは、化合物2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオ
ロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオ
ロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンま
たはその医薬的に許容され得る塩を1日1回投与する。
【0029】 多くの大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害及び
ストレス障害患者が既存の抗うつ薬、抗不安薬及び抗ストレス薬を用いる治療で
は十分に治療されていない。また患者によっては、三環式抗うつ薬の副作用によ
り逆に悪化する場合がある。
【0030】 従って、本発明は、ヘテロ環式抗うつ薬(TCA,テトラ環式化合物等)、S
SRI、混合セロトニン及びノルエピネフリン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再
摂取阻害剤またはMAOIに反応しないかまたはヘテロ環式抗うつ薬(TCA,
テトラ環式化合物等)、SSRI、混合セロトニン及びノルエピネフリン選択的
再摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIが禁忌な患者において大鬱
病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害及びストレス障害
を他の抗うつ薬、抗不安薬や抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予
防するための薬剤の製造のための2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(
トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(
4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモ
ルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0031】 また、本発明は、ヘテロ環式抗うつ薬(TCA,テトラ環式化合物等)、SS
RI、混合セロトニン及びノルエピネフリン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再摂
取阻害剤またはMAOIに反応しないかまたはヘテロ環式抗うつ薬(TCA,テ
トラ環式化合物等)、SSRI、混合セロトニン及びノルエピネフリン選択的再
摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIが禁忌な患者において大鬱病
性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害及びストレス障害を
他の抗うつ薬、抗不安薬や抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予防
する方法を提供し、その方法は前記治療を要する患者に対して有効量の2−(R
)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒ
ドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,
4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る
塩を投与することを含む。
【0032】 特に、多くの大鬱病性障害、不安を併発している鬱病性障害及びストレス障害
患者がSSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニストでは十分に
治療されていない。また、患者によっては、SSRIまたはセロトニンアゴニス
トもしくはアンタゴニストの副作用により逆に悪化する場合がある。
【0033】 従って、本発明は、SSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニ
ストに反応しないかまたはSSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタ
ゴニストが禁忌な患者において大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発し
ている鬱病性障害及びストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス
薬を用いる併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造のための2−(
R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−
ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2
,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得
る塩の使用を提供する。
【0034】 また、本発明は、SSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニス
トに反応しないかまたはSSRIまたはセロトニンアゴニストもししくはアンタ
ゴニストが禁忌な患者において大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発し
ている鬱病性障害及びストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス
薬を用いる併用療法なしに治療または予防する方法を提供し、その方法は前記治
療を要する患者に対して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(
トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(
4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモ
ルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0035】 多くの重篤な不安性障害及びストレス障害患者もベンゾジアゼピンでは十分に
治療されていない。また患者によっては、ベンゾジアゼピンの副作用により逆に
悪化する場合がある。
【0036】 従って、本発明は、ベンゾジアゼピンに反応しないかまたはベンゾジアゼピン
が禁忌な患者において重篤な不安性障害またはストレス障害を他の抗不安薬また
は抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造の
ための2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−
4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的
に許容され得る塩の使用を提供する。
【0037】 また、本発明は、ベンゾジアゼピンに反応しないかまたはベンゾジアゼピンが
禁忌な患者において重篤な不安性障害またはストレス障害を他の抗不安薬または
抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予防する方法を提供し、その方
法は前記治療を要する患者に対して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,
5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−
(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル
)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む。
【0038】 更に、多くの重篤な不安性障害患者が三環式抗うつ薬では十分に治療されてい
ない。また患者によっては、三環式抗うつ薬の副作用により逆に悪化する場合が
ある。
【0039】 従って、本発明は、三環式抗うつ薬に反応しないかまたは三環式抗うつ薬が禁
忌な患者において重篤な不安性障害を他の抗不安薬を用いる併用療法なしに治療
または予防するための薬剤の製造のための2−(R)−(1−(S)−(3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(
S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)
メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0040】 また、本発明は、三環式抗うつ薬に反応しないかまたは三環式抗うつ薬が禁忌
な患者において重篤な不安性障害を他の抗不安薬を用いる併用療法なしに治療ま
たは予防する方法を提供し、その方法は前記治療を要する患者に対して有効量の
2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)
−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(
1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容
され得る塩を投与することを含む。
【0041】 本明細書中、大鬱病性障害に関して用語「反応しない」は、妥当な臨床応答(
例えば、1つ以上の慣用の抗うつ薬で治療後ハミルトン鬱病スケール(Hamilton
Depression Scale)(HAM−D)が患者の基準スコアから50%減少する)を
示さない患者を指す。
【0042】 本明細書中、重篤な不安性障害に関して用語「反応しない」は、妥当な臨床応
答(例えば、1つ以上の慣用の抗不安薬で治療後ハミルトン不安スケール(Hamil
ton Anxiety Scale)(HAM−A)が患者の基準スコアから50%減少する)を
示さない患者を指す。
【0043】 本明細書中、用語「大鬱病性障害」には、精神病性特徴、緊張性特徴、鬱病性
特徴、非定型特徴または産後発症を有するまたは有さない単発性または再発性大
鬱病エピソード、及びエピソード間回復を有するまたは有さない及び季節性パタ
ーンを有するまたは有さない再発性大鬱病エピソードが含まれる。
【0044】 用語「大鬱病性障害」に含まれる他の気分変調性障害には、非定型特徴を有す
るまたは有さない早発性または遅発性気分変調障害;鬱モードを伴う早発性また
は遅発性アルツハイマー型痴呆;鬱モードを伴う血管性痴呆;アルコール、アン
フェタリン、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静
剤、催眠剤、不安解消剤及び他の物質により誘発される気分障害;鬱タイプの分
裂情動障害;及び鬱モードを伴う適応障害が含まれる。
【0045】 大鬱病性障害は全般的な病的状態からも生じ得、その全般的な病的状態には非
限定的に心筋梗塞、糖尿病、流産または妊娠中絶等が含まれる。
【0046】 「大鬱病エピソード」は、場合により他の鬱症状を伴って鬱モードまたは興味
の喪失感が少なくとも2週間続く状態と定義される。前記症状は、前記した少な
くとも連続2週間の間1日のうち殆ど(すなわち、患者の覚醒時間の少なくとも
2/3)、ほぼ毎日(すなわち、14日間のうち少なくとも10日間)持続して
いなければならない。「鬱モード」はしばしば、患者が悲しんだり、希望、助け
または価値がないと感じたりすることと記載されている。患者は、例えば顔の表
情、姿勢、声及び涙を流していることから観察者には悲しんでいるように見える
。子供や青年期では、鬱モードは短気なことがある。「興味の喪失感」はしばし
ば、患者が趣味に対する興味を失ったと感じるかまたは以前は楽しいと思ってい
た活動に喜びを感じないと記載されている。
【0047】 大鬱病性エピソードは、ダイエットしていないのに有意な体重減少または体重
増加(例えば、体重が1ヶ月で5%以上変化する)、食欲の増進または低下、不
眠または過眠、精神運動の興奮または退化、疲労またはエネルギー低下、無用感
または過度もしくは不適当な罪悪感、思考または集中力の低下、優柔不断、死を
繰り返し考える、特定の計画を持ちまたは持たずに自殺を繰り返し想像する、ま
たは自殺を試みるような他の鬱症状を伴うことがある。
【0048】 本明細書中、用語「重篤な不安性障害」には、広場恐怖を伴うまたは伴わない
パニック障害、パニック異常の病歴を持たない広場恐怖症、特定恐怖症、社会恐
怖症及び脅迫性障害が含まれる。
【0049】 「パニック障害」は、パニック発作が反復して生じ、その後少なくとも1ヶ月
の間別のパニック発作を心配し続ける状態と定義される。「パニック発作」は、
強い不安、恐れまたは恐怖を突然感じる不連続時間である。パニック発作中、患
者は、動悸、発汗、身震い、浅い呼吸、胸痛、悪心及び眩暈を含めた各種の症状
を経験することがある。パニック障害は広場恐怖を伴ってまたは伴わずに起こり
得る。
【0050】 「恐怖症」には、広場恐怖症、特定恐怖症及び社会恐怖症が含まれる。「広場
恐怖症」は、パニック発作時に逃避が難しかかったり、狼狽している、または助
けを得がたい場所または状況にいる不安により特徴づけられる。広場恐怖症は、
パニック恐怖の病歴がなくても起こり得る。「特定恐怖症」は、ある怖がってい
る対象物または状況に曝されることにより引き起こされる臨床的に明白な不安に
より特徴づけられる。特定恐怖症には下記のサブタイプ:動物または昆虫が引き
金となる動物タイプ、自然環境中の対象物(例えば、嵐、高所または水)が引き
金となる環境タイプ;血または傷の兆候が原因または注射または他の侵襲的医学
処置を見たり受けたことが引き金となる血液−注射−損傷タイプ、特殊な状況(
例えば、公共交通機関、トンネル、橋、エレベーター、飛行機、自動車または閉
所)が引き金となる状況タイプ、及び他の刺激が恐怖の引き金となる他のタイプ
が含まれる。特定恐怖症は単純恐怖症と呼ばれることがある。「社会恐怖症」は
、ある種の社会または作業環境に曝されることにより引き起こされる臨床的に明
白な不安により特徴づけられる。社会恐怖症は、社会的不安性障害とも呼ばれる
ことがある。
【0051】 「脅迫性障害」は、多くの時間に亘る(すなわち、1日のうち少なくとも1時
間)かまたは著しい有害ストレスまたは明らかな障害を引き起こす程ひどい脅迫
が繰り返されることにより特徴づけられる。障害の途中のある時点で、患者は脅
迫が過度または不合理であると認識しなければならない。
【0052】 用語「重篤な不安性障害」に含まれる他の不安性障害には、アルコール、アン
フェタミン、カフェイン、タイマ、コカイン、幻覚剤、吸入剤、フェンシクリジ
ン、鎮静剤、睡眠剤、不安解消剤及び他の物質により誘発される不安性異常症、
及び不安を伴う適応障害が含まれる。
【0053】 本明細書中、用語「ストレス障害」には、急性ストレス障害、適応障害、及び
急性、慢性または遅発性トラウマ後ストレス障害が含まれる。
【0054】 本明細書中、用語「治療」は、上記した状態の治療及び予防もしくは防止的治
療を指す。
【0055】 特に、本発明で使用されるNK−1受容体アンタゴニストは、化合物2−(R
)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒ
ドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,
4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る
塩である。
【0056】 本発明で使用され得るNK−1受容体アンタゴニストの製造については、国際
特許出願公開第95/18124号パンフレット及び米国特許第5,612,3
37号明細書に詳しく記載されている。
【0057】 本発明で使用されるNK−1受容体アンタゴニストの適当な医薬的に許容され
得る塩には、例えば化合物の溶液を医薬的に許容され得る非毒性酸(例えば、塩
酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸
または硫酸)の溶液と混合して形成され得る酸付加塩が含まれる。アミン基の塩
は、アミノ窒素原子がアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルアルキル基
を有する4級アンモニウム塩からなり得る。
【0058】 好ましくは、本発明に従って使用されるNK−1受容体アンタゴニストを含む
組成物は単位剤型、例えば錠剤、ピル剤、カプセル剤、カシェ等の形態である。
また、本発明に従って使用されるNK−1受容体アンタゴニストは、規定容量の
溶液または懸濁液(volume defined solutions or suspensions)としての即席組
成物用顆粒剤または散剤として存在し得る。或いは、本発明に従って使用される
NK−1受容体アンタゴニストは、直ぐに調製される規定容量の溶液または懸濁
液の形態で存在し得る。好ましい形態は錠剤及びカプセル剤である。
【0059】 錠剤のような固体組成物を製造するためには、主活性成分を医薬用担体、例え
ば一般的な錠剤化成分(例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソ
ルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カル
シウムまたはガム)及び他の医薬用賦形剤(例えば、水)と混合して、本発明の
化合物またはその非毒性の医薬的に許容され得る塩の均質混合物を含む固体予調
製組成物を形成する。この予調製組成物が均質であると言うとき、これは活性成
分が組成物中に均一に分散しており、組成物が均等に有効な単位剤型、例えば錠
剤、ピル剤及びカプセル剤に容易に細分割され得ることを意味する。次いで、前
記した固体予調製組成物を上記した種類の、0.1〜約500mgの本発明の活
性成分を含有する単位剤型に細分割する。新規組成物の錠剤またはピル剤を被覆
するかまたは他の方法でコンパウンドして、作用時間の長いという利点を有する
剤型とすることができる。例えば、錠剤またはピル剤は内側投与成分及び外側投
与成分からなり、後者は該内側投与成分上のエンベロープの形態である。2つの
成分を、胃内での分解を妨げるように作用し、内側成分が十二指腸まで無傷で通
過するかまたは放出を遅らすことができる腸溶層で分離してもよい。各種材料が
前記腸溶層またはコーティングのために使用することができ、その材料には多数
の高分子量酸、及び高分子量酸とセラック、セチルアルコール及びセルロースア
セテートのような材料との混合物が含まれる。
【0060】 本発明の新規組成物が経口投与のために配合され得る液体形態には、水溶液、
適当に調味したシロップ、水性もしくは油性懸濁液、及び食用油(例えば、綿実
油、ゴマ油、ココナッ油、落花生油または大豆油)、エリキシルや類似の医薬用
ビヒクルを含む調味したエマルジョンが含まれる。水性懸濁液用の適当な分散剤
または懸濁剤には、合成または天然ゴム、例えばトラガカントゴム、アラビアガ
ム、アルギネート、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、ポリビニル−ピロリドンまたはゼラチンが含まれる。
【0061】 本発明の組成物は、一般的な方法(例えば、吸収ウェハー)を用いて頬腔を介
しても投与され得る。
【0062】 経口投与用の錠剤、ピル剤、カプセル剤またはカシェ剤の形態の組成物が特に
好ましい。
【0063】 NK−1受容体アンタゴニストの最低用量レベルは約1mg/日、好ましくは
約5mg/日、特に約10mg/日である。NK−1受容体アンタゴニストの最
高用量レベルは約1500mg/日、好ましくは約1000mg/日、特に約5
00mg/日である。前記化合物は1日に1回投与される。
【0064】 大鬱病性障害の治療または予防に使用するのに必要なNK−1受容体アンタゴ
ニストの量は選択した特定化合物または組成物のみならず、投与経路、治療する
状態の種類及び患者の年令や状態により変わり、最終的には患者の主治医または
薬剤師により決定されると考えられる。
【0065】 本発明で使用するNK−1受容体アンタゴニストの活性は以下のアッセイによ
り調べられ得る。
【0066】 アッセイ1:NK−1受容体結合 NK−1受容体結合アッセイは、Cascieriら,J.Pharmaco
l.Exp.Ther.,42:458(1992)に記載されているアッセイ
条件を改変してヒトNK−1受容体を発現するインタクトなチャイニーズハムス
ター卵巣(CHO)細胞において実施する。典型的には、受容体を3×10
容体/細胞のレベルで発現させる。細胞を単層培養で増殖し、酵素を含まない解
離溶液(Speciality Media Inc.)を用いてプレートから
分離し、洗浄してからアッセイに使用する。125I−Tyr−サブスタンス
P(0.1nM,2000Ci/mmol;New England Nucl
ear)を(5μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した)試験化合
物の存在または非存在下で5×10個のCHO細胞とインキュベートする。リ
ガンド結合は、5mM MnCl、150mM NaCl、0.02% ウシ
血清アルブミン(Sigma)、50μg/ml キモスタチン(Penins
ula)、0.1nM フェニルメチルスルホニルフロリド、2μg/ml ペ
プスタチン、2μg/ml ロイペプチン及び2.8μg/ml フロイルサッ
カリンを含有する50mM トリス−HCl(pH7.5)0.25ml中で実
施する。インキュベーションを室温で平衡に達するまで実施し(>40分間)、
受容体−リガンド複合体をTomtek−96ウェル採取器を用いて0.1%ポ
リエチレンイミン中に予め浸漬したGF/Cフィルターで濾過して採取する。非
特異的結合を過剰のサブスタンスP(1μM)を用いて測定し、全結合の<10
%を示す。
【0067】 アッセイ2:アレチネズミの肢タッピング 本発明で使用するためのCNS浸透性NK−1受容体アンタゴニストは、Ru
pniak & Williams,Eur.J.Pharmacol.,26
5:176(1994)の方法に従ってアレチネズミにおいて不安発生薬(anxio
genic agent)(例えば、ペンタガスリン)またはNK−1受容体アゴニスト(例
えば、GR73632)の中心注入により誘発されるか、または肢ショックまた
は個室のような嫌悪刺激により引き起こされる肢タッピングを抑制する能力によ
り評価され得る。
【0068】 イソフルラン/酸素混合物を吸入することにより雄または雌のモンゴル系アレ
チネズミ(35〜70g)を麻酔して、5mg/kgi.v.の注射容量で試験
化合物またはビヒクルを投与するために頸静脈を露出する。或いは、試験化合物
を経口、皮下または腹腔内投与してもよい。その後、頭皮の中央で皮膚切開して
頭蓋を露出させる。不安発生薬(例えば、ペンタガスリン)または選択的NK−
1受容体アゴニスト(例えば、GR73632(d Ala[L−Pro,M
e−Leu10]−サブスタンスP−(7−11))を、カフ付27ゲージ針を
ブレグマの下4.5mmの深さに垂直に挿入することにより脳室に直接注入する
(例えば、試験物質に応じて5μl i.c.v.中3pmol)。頭皮切開部
分を閉じ、動物を透明なperspex観察ボックス(25cm×20cm×2
0cm)において麻酔から回復させる。その後、後肢タッピングの時間及び/ま
たは強度を約5分間連続的に記録する。或いは、肢ショックまたは個室のような
嫌悪刺激により引き起こした肢タッピングを抑制する試験化合物の能力が同様の
定量方法を用いて調べられ得る。
【0069】 アッセイ3:フェレット嘔吐 各小屋に入れた雄フェレット(1.0〜2.5kg)に試験化合物をガバージ
ュを介して経口投与する。10分後、動物に約100gの缶入りキャットフード
を与える。経口投与から60分後に、シスプラチン(10mg/kg)を短くハ
ロタン麻酔しながら挿入した頸静脈カテーテルを介してi.v.投与する。次い
で、カテーテルを除去し、頸静脈を結紮し、皮膚切開部を閉じる。フェレットを
直ちに麻酔から回復させ、10〜20分以内に動き始める。動物を麻酔からの回
復期間及びシスプラチン注射から4時間の間連続観察し、その後動物を人為的に
屠殺する。シスプラチン投与から4時間の間に生じた悪心及び嘔吐の回数を専門
家が記録する。
【0070】 アッセイ4:隔離誘発発声 雄及び雌モルモットの子供を、実験中その母親や同腹子を一緒に家族単位で小
屋に入れる。子供が2週令になったときに離乳後実験を開始する。実験に入る前
に、子供を母親から隔離した後に激しい発声応答が繰り返し生ずるような子供を
スクリーニングする。子供をホームケージから物理的に離したルーム中の観察ケ
ージ(55cm×39cm×19cm)に個々に15分間入れ、この基準期間中
の発声時間を記録する。5分以上発声した動物のみを薬物攻撃試験のために使用
する(入手した子供の約50%がこの基準に達しないことがある)。試験日に、
各子供に試験化合物またはビヒクルを経口投与またはs.c.もしくはi.p.
注射し、その後直ちに母親及び同胞のいるホームケージに戻して30〜60分間
(または、試験化合物の経口薬理動態性に依存して、経口投与後最長4時間)置
き、その後上記したように15分間社会的に隔離する。各動物について薬物処置
日の発声時間を処置前の基準値のパーセンテージとして表示する。同じ被験者を
最長6週間1週間に1回再び試験する。6〜8匹の動物に各試験化合物をそれぞ
れの試験用量投与する。
【0071】 本明細書中、用語「CNS浸透性」は、上記したようにアレチネズミにおける
NK−1受容体アンタゴニスト誘発肢タッピングを抑制し得るNK−1受容体ア
ンタゴニストを指す。
【0072】 本質的に、アレチネズミにおいてNK−1受容体アゴニストGR73632(
d Ala[L−Pro,Me−Leu10]−サブスタンスP−(7−11
))を麻酔下で中心脳室に直接注入することにより誘発される後肢タッピングは
、GR73632攻撃の直前にCNS浸透性NK−1受容体アンタゴニストを静
脈内投与したときに抑制される。この場合、麻酔から回復後5分間にわたる後肢
タッピングはID50≦3mg/kg、好ましくはID50≦1mg/kgで抑
制される。
【0073】 別の方法で、GR73632攻撃の1時間前にNK−1アンタゴニストを経口
投与したところ、麻酔から回復後5分間にわたる肢タッピングはID50≦30
mg/kg、好ましくはID50≦10mg/kgで抑制される。
【0074】 本発明で使用されるCNS浸透性NK−1受容体アンタゴニストは、上記した
モルモット子供による隔離誘発発声の減少においても有効である。
【0075】 本質的に、モルモット子供における発声応答は母親及び同胞子から隔離するこ
とにより誘発させているが、この応答は隔離30分前にCNS浸透性NK−1受
容体アンタゴニストを皮下投与したときには低下する。この場合、隔離の最初1
5分間の発声はID50≦20mg/kg、好ましくはID50≦10mg/k
g、特にID50≦5mg/kgで低下する。
【0076】 別の方法で、隔離4時間前にNK−1受容体アンタゴニストを経口投与したと
ころ、隔離の最初15分間の発声はID50≦20mg/kg、好ましくはID 50 ≦10mg/kg、特にID50≦5mg/kgで減少する。
【0077】 本発明に従って使用されるNKアンタゴニストに対する適当な選択手順は次
の通りである: (i)ラジオリガンド結合研究においてヒトNK受容体に対する親和性を測定
する(アッセイ1):IC50≦10nM、好ましくはIC50≦2nM、特に
IC50≦1nMを有する化合物を選択する。 (ii)アレチネズミにおいてNKアゴニストの中枢注入により誘発される肢
タッピングを抑制する能力により化合物のCNS浸透性能力を測定する(アッセ
イ2):中枢NKアゴニスト攻撃の直前に投与したときにID50≦3mg/
kgi.v.、好ましくはID50≦1mg/kgi.v.で肢タッピングを抑
制する化合物を選択する。または、攻撃1時間前に投与したときにID50≦3
0mg/kgp.o.、好ましくはID50≦10mg/kgp.o.で肢タッ
ピングを抑制する化合物を選択する。 (iii)中枢NKアゴニスト攻撃の24時間前に静脈投与後のアレチネズミ
において肢タッピングアッセイにおいて化合物の中心作用期間を調べる:上記ス
テップ(ii)で測定したID50と比較して効力が≦25倍少ない化合物を選
択する。ただし、24時間の予備処置後ではID50≦10mg/kgi.v.
、好ましくは≦5mg/kgi.v.である。 (iv)経口投与後の薬物動態学的分析や、アレチネズミ肢タッピングアッセイ
における活性により及び/またはフェレットにおけるシスプラチン誘発嘔吐の抑
制能力により化合物の経口バイオアベイラビリティーを調べる(アッセイ3):
ID90≦3mg/kgp.o.、好ましくはID90≦1mg/kgp.o.
を有する化合物を選択する。
【0078】 本発明で使用する特に好ましい化合物は、ステップ(i)〜(iv)の後に(
v)を用いて同定される: (v)従来の抗精神病薬に感受性のアッセイにおいて化合物の活性を調べる(モ
ルモットの子供における有害ストレス発声の抑制(アッセイ4)):ID50
20mg/kg、好ましくはID50≦10mg/kgを有する化合物を選択す
る。
【0079】 本発明で使用する更に好ましい化合物は、ステップ(i)のNK−1受容体結
合基準を満たし、更にヒト血清アルブミン(HSA)の存在下でインキュベート
したとき親和性が≦5倍となり、非特異的タンパク質結合を示す化合物から選択
され得る。
【0080】 本発明において使用されるNK−1受容体アンタゴニストは2−(R)−(1
−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリ
アゾル−3−イル)メチルモルホリンであり、その製造は国際特許出願公開第9
5/18124号パンフレット及び米国特許第5,612,337号明細書に記
載されている。上記アッセイで、この化合物は、下記活性: ヒトNK−受容体結合:IC50=0.12nM、 アレチネズミ肢タッピング(5分):ID50=0.38mg/kgi.v.、 アレチネズミ肢タッピング(24時間):ID50=2.2mg/kgi.v. 、 フェレット嘔吐:ID90=1mg/kgp.o.、 モルモット発声(4時間予備処置):ID50=0.91mg/kgp.o. を有する。
【0081】 下記実施例において本発明の医薬組成物を例示する。
【0082】 実施例1:50〜300mgのNK−1アンタゴニストを含有する錠剤
【0083】
【表1】
【0084】 活性成分、セルロース、ラクトース及びコーンスターチの一部を混合し、10
%コーンスターチペーストを用いて造粒する。生じた顆粒を篩分けし、乾燥し、
コーンスターチの残部及びステアリン酸マグネシウムと混合する。次いで、生じ
た顆粒を圧縮して、1錠あたり50mg、100mg及び300mgのNK−1
受容体アンタゴニストを含有する錠剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (31)優先権主張番号 9812616.2 (32)優先日 平成10年6月11日(1998.6.11) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9812666.7 (32)優先日 平成10年6月11日(1998.6.11) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病
    性障害またはストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用い
    る併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造のための2−(R)−(
    1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキ
    シエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−ト
    リアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使
    用。
  2. 【請求項2】 ヘテロ環式抗うつ薬、SSRI、混合セロトニン及びノルエ
    ピネフリン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIに反応し
    ないかまたはヘテロ環式抗うつ薬、SSRI、混合セロトニン及びノルエピネフ
    リン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIが禁忌な患者に
    おいて大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害または
    ストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用いる併用療法な
    しに治療または予防するための薬剤の製造のための2−(R)−(1−(S)−
    (3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)
    −3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3
    −イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使用。
  3. 【請求項3】 SSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニス
    トに反応しないかまたはSSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴ
    ニストが禁忌な患者において大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発して
    いる鬱病性障害またはストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス
    薬を用いる併用療法なしに治療または予防するための薬剤の製造のための2−(
    R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−
    ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2
    ,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得
    る塩の使用。
  4. 【請求項4】 ベンゾジアゼピンに反応しないかまたはベンゾジアゼピンが
    禁忌な患者において重篤な不安性障害またはストレス障害を他の抗不安薬または
    抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予防するために経口投与するの
    に適した薬剤の製造のための2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリ
    フルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−
    フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホ
    リンまたはその医薬的に許容され得る塩の使用。
  5. 【請求項5】 三環式抗うつ薬に反応しないかまたは三環式抗うつ薬が禁忌
    な患者において重篤な不安性障害を他の抗不安薬を用いる併用療法なしに治療ま
    たは予防のための薬剤の製造のための2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビ
    ス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)
    −(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチ
    ルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩の使用。
  6. 【請求項6】 2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロ
    メチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロ
    フェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまた
    はその医薬的に許容され得る塩を医薬的に許容され得る担体または賦形剤と共に
    含む大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害またはス
    トレス障害の治療用医薬組成物。
  7. 【請求項7】 大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病
    性障害またはストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用い
    る併用療法なしに治療または予防する方法であって、前記治療を要する患者に対
    して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル
    )フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニ
    ル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその
    医薬的に許容され得る塩を投与することを含む前記方法。
  8. 【請求項8】 ヘテロ環式抗うつ薬、SSRI、混合セロトニン及びノルエ
    ピネフリン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIに反応し
    ないかまたはヘテロ環式抗うつ薬、SSRI、混合セロトニン及びノルエピネフ
    リン選択的再摂取阻害剤、ドパミン再摂取阻害剤またはMAOIが禁忌な患者に
    おいて大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発している鬱病性障害または
    ストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス薬を用いる併用療法な
    しに治療または予防する方法であって、前記治療を要する患者に対して有効量の
    2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)
    −2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(
    1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容
    され得る塩を投与することを含む前記方法。
  9. 【請求項9】 SSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴニス
    トに反応しないかまたはSSRIまたはセロトニンアゴニストもしくはアンタゴ
    ニストが禁忌な患者において大鬱病性障害、重篤な不安性障害、不安を併発して
    いる鬱病性障害またはストレス障害を他の抗うつ薬、抗不安薬または抗ストレス
    薬を用いる併用療法なしに治療または予防する方法であって、前記治療を要する
    患者に対して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオ
    ロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオ
    ロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンま
    たはその医薬的に許容され得る塩を経口投与することを含む前記方法。
  10. 【請求項10】 ベンゾジアゼピンに反応しないかまたはベンゾジアゼピン
    が禁忌な患者において重篤な不安性障害またはストレス障害を他の抗不安薬また
    は抗ストレス薬を用いる併用療法なしに治療または予防する方法であって、前記
    治療を要する患者に対して有効量の2−(R)−(1−(S)−(3,5−ビス
    (トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒドロキシエトキシ)−3−(S)−
    (4−フルオロフェニル)−4−(1,2,4−トリアゾル−3−イル)メチル
    モルホリンまたはその医薬的に許容され得る塩を投与することを含む前記方法。
  11. 【請求項11】 三環式抗うつ薬に反応しないかまたは三環式抗うつ薬が禁
    忌な患者において重篤な不安性障害を他の抗不安薬を用いる併用療法なしに治療
    または予防する方法であって、前記治療を要する患者に対して有効量の2−(R
    )−(1−(S)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−2−ヒ
    ドロキシエトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(1,2,
    4−トリアゾル−3−イル)メチルモルホリンまたはその医薬的に許容され得る
    塩を経口投与することを含む前記方法。
  12. 【請求項12】 大鬱病性障害が精神病性特徴、緊張性特徴、鬱病性特徴、
    非定型特徴または産後発症を有するまたは有さない単発性または再発性大鬱病エ
    ピソード、及びエピソード間回復を有するまたは有さない及び季節性パターンを
    有するまたは有さない再発性大鬱病エピソードから選択される請求の範囲第1項
    〜第5項のいずれか1項に記載の使用、請求の範囲第6項に記載の組成物、また
    は請求の範囲第7項〜第11項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 大鬱病性障害が非定型特徴を有するまたは有さない早発性
    または遅発性気分変調性障害;鬱モードを伴う早発性または遅発性アルツハイマ
    ー型痴呆;鬱モードを伴う血管性痴呆;アルコール、アンフェタミン、コカイン
    、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、睡眠剤、不安解消
    剤及び他の物質により誘発される気分障害;鬱タイプの分裂情動障害;及び鬱モ
    ードを伴う適応障害から選択される請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に
    記載の使用、請求の範囲第6項に記載の組成物、または請求の範囲第7項〜第1
    1項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 大鬱病性障害が全般的な病的状態から生ずる請求の範囲第
    1項〜第5項のいずれか1項に記載の使用、請求の範囲第6項に記載の組成物、
    または請求の範囲第7項〜第11項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 全般的な病的状態が心筋梗塞、糖尿病、流産または妊娠中
    絶から選択される請求の範囲第14項に記載の使用、組成物または方法。
  16. 【請求項16】 重篤な不安性障害が広場恐怖を伴うまたは伴わないパニッ
    ク障害、パニック異常の病歴を持たない広場恐怖症、特定恐怖症、社会恐怖症ま
    たは脅迫性障害から選択される請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載
    の使用、請求の範囲第6項に記載の組成物、または請求の範囲第7項〜第11項
    のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 重篤な不安性障害がアルコール、アンフェタミン、カフェ
    イン、タイマ、コカイン、幻覚剤、吸入剤、フェンシクリジン、鎮静剤、睡眠薬
    、不安解消剤及び他の物質により誘発される不安性障害、及び不安を伴う適応障
    害から選択される請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の使用、請求
    の範囲第6項に記載の組成物、または請求の範囲第7項〜第11項のいずれか1
    項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 大鬱病障害を併発している不安症は全身性不安である請求
    の範囲第1項〜第5項のいずれか1項に記載の使用、請求の範囲第6項に記載の
    組成物、または請求の範囲第7項〜第11項のいずれか1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 全身性不安がパニック障害、恐怖症またはストレス障害を
    も含む請求の範囲第18項に記載の使用、組成物または方法。
  20. 【請求項20】 ストレス障害が急性ストレス障害、適応障害、及び急性、
    慢性または遅発性外傷後ストレス障害から選択される請求の範囲第1項〜第5項
    のいずれか1項に記載の使用、請求の範囲第6項に記載の組成物、または請求の
    範囲第7項〜第11項のいずれか1項に記載の方法。
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