JP2002515754A - 翻訳的に制御される遺伝子の同定方法 - Google Patents

翻訳的に制御される遺伝子の同定方法

Info

Publication number
JP2002515754A
JP2002515754A JP52285498A JP52285498A JP2002515754A JP 2002515754 A JP2002515754 A JP 2002515754A JP 52285498 A JP52285498 A JP 52285498A JP 52285498 A JP52285498 A JP 52285498A JP 2002515754 A JP2002515754 A JP 2002515754A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mrna
stress
gene
translation
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP52285498A
Other languages
English (en)
Inventor
ルリア,シルビイ
エイナト,パズ
ハリス,ニコラス
スカリテル,ラミ
グロスマン,ゼハバ
Original Assignee
キュービーアイ エンタプライジズ リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/748,130 external-priority patent/US6013437A/en
Application filed by キュービーアイ エンタプライジズ リミテッド filed Critical キュービーアイ エンタプライジズ リミテッド
Publication of JP2002515754A publication Critical patent/JP2002515754A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1051Gene trapping, e.g. exon-, intron-, IRES-, signal sequence-trap cloning, trap vectors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6809Methods for determination or identification of nucleic acids involving differential detection

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ストレス誘導性成分で未知の標的mRNA(標的mRNAはmRNAのより大きい試料の一部である)の翻訳を選択的に刺激することを含む、翻訳的に制御される遺伝子の同定方法。mRNA試料は、翻訳mRNAと非翻訳mRNAのプールに分割され、これらは示差的に解析されて、ストレス誘導性成分により翻訳的に制御される遺伝子が同定される。内部リボゾームエントリー部位をコードする遺伝子配列の同定方法は、細胞中の5’キャップ依存性mRNA翻訳を阻害し、細胞からのmRNAのプールを採取し、およびmRNAのプールを示差的に解析して内部リボゾームエントリ一部位をコードする配列を有する遺伝子を同定する、ことを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 翻訳的に制御される遺伝子の同定方法 発明の背景技術分野 本発明は、翻訳的に制御される遺伝子の同定方法に関する。さらに詳しくは本 発明は、mRNAを翻訳プールと非翻訳プールへ分離し、これらのプール中に存 在するmRNAの相対量を示差的解析により比較することにより、示差的に発現 されたかまたは発生的に制御された遺伝子配列の迅速な単離に関する。背景技術 2つの細胞タイプもしくは組織タイプの間で、またはストレス条件、化合物も しくは病原体に暴露された細胞もしくは組織の間で、その発現が異なる遺伝子の 同定および/または単離は、種々の生理的症状、障害または疾患の背後にある機 構の理解に決定的に重要である。胚発生、老化、組織修復、および新生物形質転 換を含む多くの生物学的プロセスにおいて、遺伝子発現の制御は重要な役割を果 たすことが証明されている。翻訳のレベルでの遺伝子制御は、決定的に重要であ ることが証明されている。例えば一群のmRNAは、非翻訳mRNAのプールと して卵の中に保存され、受精後に翻訳mRNAのプール中にシフトすることが証 明されている。mRNAの翻訳状態の変化の別の例は、正常な生理的条件下では 翻訳されない、熱ショックタンパク質をコードするmRNAのサブグループであ る。これらのmRNAは、細胞を高温に暴露した後に翻訳され始める。 発生的、生理的、薬理的、または他の指示されたイベントに応答して活性化ま たは抑制される遺伝子の検出および単離のために、多くの方法が開発されている 。1つの具体的な方法は、ゼング(Zeng)の米国特許第5,525,471 号に記載されている、サブトラクティブハイブリダイゼーション(subtra ctive hybridization)である。サブトラクティブハイブリ ダイゼーションは、あるDNAまたはRNA集団中に存在するが別の集団中には 存在しない配列の選択的クローニングに、特に有用な方法である。選択的クロー ニングは、対照細胞/組織(ドライバーcDNA)および試験すべき特定の変化 または応答中またはその後の細胞/組織(テスターcDNA)の両方からの、1 本鎖相補的DNAライブラリーの作成を伴う。2つのcDNAライブラリーは変 性され互いにハイブリダイズされて、ドライバーcDNA鎖およびテスターcD NA鎖の間に2本鎖が形成される。この方法では、共通の配列は除去され、残っ たハイブリダイズしない1本鎖DNAが、試験すべき特定の変化またはイベント に関連する実験的細胞/組織中に存在する配列について濃縮される(デービス( Davis)ら、1987)。 指示または刺激後に誘導/低下されるタンパク質をコードするmRNAを同定 するために現在使用されている方法は、示差的に発現されたmRNAのスクリー ニングを介する転写誘導/抑制後のmRNAレベルの変化に依存する。示差的に 発現されたmRNAの同定のためのそのような方法の1つは、ストクリフェ(S utcliffe)らの米国特許第5,459,037号に開示されている。こ の方法では、mRNA集団が単離され、12個のアンカープライマーの混合物を 使用してmRNA集団から2本鎖cDNAが調製され、2つの制限エンドヌクレ アーゼを用いてcDNAが切断され、次にベクター内でT3プロモーターに関し てアンチセンスであるような配向でベクター中に挿入される。大腸菌(E.co li)は、cDNA含有ベクターで形質転換され、第1および第2の制限エンド ヌクレアーゼとは異なる少なくとも1つの制限エンドヌクレアーゼで消化して、 クローン化挿入体から線状化断片が作成され、線状化断片をT3 RNAポリメ ラーゼとともにインキュベートすることにより、アンチセンスcDNA転写体の cDNA調製物が作成される。このcDNA集団は、サブプールに分割され、各 サブプールからの第1のcDNA鎖は、熱安定性逆転写酵素と16個のプライマ ーのうちの1つを使用して転写される。16個の反応プールのそれぞれの転写産 物は、3’プライマーおよび5’プライマーとともにポリメラーゼチェイン反応 (PCR)の鋳型として使用され、ポリメラーゼチェイン反応で増幅された断片 は電気泳動で分離されて、試料中に存在するmRNAの3’末端であるバンドを 示す。この方法は、示差的に発現されたmRNAの同定と相対的濃度の測定に有 用である。しかしこの種の測定法は、そのレベルが一定であるがその翻訳性が可 変である(すなわち変化する)mRNAを同定することができない。 シェナ(Shena)らは、マイクロアレイを使用して多くの遺伝子の発現を 平行して追跡する高能カシステムを開発した。マイクロアレイは、ガラス上でc DNAの高速ロボット印刷により調製され、対応する遺伝子の定量的発現測定値 を提供する(シェナ(Shena)ら、1995)。遺伝子の示差的発現測定は 、同時2色蛍光ハイブリダイゼーションを用いて行われる。しかしこの方法のみ では、翻訳的に制御される遺伝子の同定には不充分である。 非ポリソームmRNA集団に対してポリソームmRNA集団を示差的に示しな がら、細胞中のヒプシン(hypusine)形成デオキシヒプシルヒドロキシ ラーゼを可逆的に抑制するために、ヒプシン形成の既知のインヒビターであるミ モシム(mimosime)が使用された(ハナウスケーアベル(Hanaus ke−Abel)ら、1995)。この方法を使用して、ヒプシン形成の阻害ま たは脱阻害に関してポリソームでそれぞれ消失および再出現し、かつ翻訳的に制 御される酵素をコードすると考えられている、いくつかのmRNA種が発見され た。この方法は、翻訳的に制御される遺伝子を同定するための既知の刺激性成分 (すなわち、インデューサーまたはレプレッサー)の使用を教示するのみである 。この方法は、刺激性成分が未知である、翻訳的に制御される遺伝子の検出およ び/または同定のための機構を提供しない。 一般に真核生物mRNAの翻訳は、5’キャップ介在リボゾーム結合に依存す る。翻訳の前に、リボゾーム小サブユニット(40S)は、転写体上の5’キャ ップ構造体に結合し、次に大きいサブユニット(60S)が完全なリボゾーム開 始部位を形成する翻訳開始部位まで、mRNA分子に沿ってスキャンする。多く の場合、翻訳開始部位は、第1のAUGコドンである。この翻訳開始の「スキャ ニングモデル」は、ほとんどの真核生物mRNAに適用できる。「スキャニング モデル」のいくつかの顕著な例外は、ピコナウイルス科により提供される。これ らのウイルスは、複数の非翻訳開始AUGコドンを含有する、長い(600〜1 200ヌクレオチド)5’非翻訳領域(UTR)を有する非キャップ化転写体を 生成する。キャップ構造がないため、これらのRNAの翻訳効率は、内部リボゾ ームエントリ一部位(IRES)として知られている非翻訳領域(UTR)内の 特異的配列の存在に依存する。 最近、IRESを含有するmRNA転写体が、免疫グロブリン重鎖結合タンパ ク質、キイロショウジョウバエ(Drosophila)のアンテナペディア( antenapedia)遺伝子、およびマウスFgl−2遺伝子をコードする mRNAのような非ウイルス系で発見された。これらの発見により、正常および 異常プロセス中の遺伝子発現の発生制御におけるキャップ非依存性翻訳の役割に ついての推測が促進された。 上記非ウイルス性IRES含有mRNAの発見は、真核生物IRES配列が従 来理解されているより広く広がっていることを意味する。真核生物IRES配列 を同定することが困難なのは、これらが典型的には配列相同性によっては同定で きないという事実のためである[オー(Oh)ら、1993;マウントフォード (Mountford)ら、1995;マセジャック(Macejak)ら、1 991;ペレチエア(Pelletier)ら、1988;バグナー(Vagn er)ら、1995]。従って、正常および異常プロセスとの関連を確認し評価 するために、5’キャップ非依存性翻訳を介して機能する翻訳的に制御される遺 伝子を同定するために、IRESを含有するmRNAの同定方法を有することが 有効であろう。 従って、先行技術の方法の本質的な問題を克服する、臨床的かつ治療的に関連 する示差的に発現される遺伝子の同定とクローニングのための、迅速で信頼でき かつ再現性のある方法を有することが好ましいであろう。 発明の要約 本発明において、ストレス誘導性成分で未知の標的mRNA(標的mRNAは mRNAのより大きい試料の一部である)の翻訳を選択的に刺激する工程、mR NAの試料を翻訳mRNAプールと非翻訳mRNAのプールに分割する工程、そ してmRNAのプールを示差的に解析して、ストレス誘導性成分により翻訳的に 制御される遺伝子を同定する工程とを含む、生物中の翻訳的に制御される遺伝子 の同定方法が提供される。このストレス誘導性成分は、病理的、環境的(化学的 および物理的ストレッサー)またはmRNA翻訳を誘導する他の刺激を含有する ことができる。また本発明において、内部リボゾームエントリー部位をコードす る遺伝子配列の同定方法が提供される。この方法は、細胞中の5’キャップ依存 性mRNA翻訳の阻害、細胞からのmRNAのプールの採取、および内部リボゾ ームエントリー部位をコードする配列を有する遺伝子を同定するためのmRNA のプールの示差的解析を含む。 図面の簡単な説明 添付の図面とともに以下の詳細な記載を参照することにより、本発明の他の利 点は、容易に理解されるであろう。 図1Aは、ショ糖密度勾配上の細胞質RNAの分画の吸光度プロフィールであ り、吸光度(245nmで)を、細胞質RNAの沈降速度に対してプロットして ある。 図1Bは、アガロースゲルで電気泳動し臭化エチジウムで染色した精製RNA の写真であり、RNAの分画を示す。 図2は、本発明のショ糖密度勾配からのmRNAの示差的翻訳解析を示す5% アクリルアミドゲルの写真である。 図3A〜Cは、(A)プラスミドpTK−OP3−WT2A中、(B)プラス ミドミニTK−WT2A中、および(C)ヒグロマイシン選択マーカーを含有す るプラスミド中に、ポリオウイルス2A遺伝子を含有するプラスミドの略図であ る。 図4は、2Aプロテアーゼの誘導後に細胞死に至るポリオウイルス2Aプロテ アーゼの誘導を示すグラフである。 図5は、IPTGで誘導後の形質転換HEK−293細胞中のポリオウイルス 2Aプロテアーゼ(293−2A)発現の存在と、IPTGで誘導後のHEK− 293細胞中のポリオウイルス2Aプロテアーゼ(293−2A)発現の欠如を 示すゲルの写真である。 図6は、40Sリボゾームサブユニットのp220タンパク質成分の切断にお ける、ポリオウイルス2Aプロテアーゼの活性を示すウェスタンブロットの写真 であり、ポリオウイルス2Aプロテアーゼについて誘導されたクローンがp22 0タンパク質の切断産物を生成することを証明している。 発明の詳細な説明 本発明は、ストレス誘導性成分で未知の標的mRNA(標的mRNAはより大 きい試料の一部である)の翻訳を選択的に刺激することによる、生物中の翻訳的 に制御される遺伝子の同定方法を提供する。該生物は、適当なmRNAを提供す る任意の生物でよい。mRNA試料は、翻訳mRNAと非翻訳mRNAのプール に分割され、これらは、ストレス誘導性成分により翻訳的に制御される遺伝子を 同定するために示差的に解析される。この方法は、翻訳レベルで制御される遺伝 子を同定かつクローニングするためにデザインされる。すなわち、本方法は、ア ップレギュレーションまたはダウンレギュレーションされた遺伝子の同定かつク ローニング(特異的な病理的またはストレス条件に応答性の遺伝子の同定を含む )のためにデザインされる。 本発明の方法は、生物中の基礎的細胞機能に関与し翻訳のレベルで制御される 遺伝子の同定とクローニングに対する新規アプローチを提供する。この方法の基 礎的な背景理論は、外部指示(external cue)に対する迅速な応答 に必要なタンパク質をコードするmRNAは、一般に非翻訳mRNA中に保存さ れるという仮定に依存する。適切な外部指示に従って、mRNAは翻訳され、コ ードされたタンパク質が迅速に出現する。特定の時間に「活性」または「不活性 」なmRNA集団を比較することにより、「シフト機構」と呼ばれる機構により 制御される遺伝子を同定することができる。 この方法はまた、翻訳レベルで制御される遺伝子以外に:転写レベルで制御さ れる遺伝子;RNA安定性により制御される遺伝子;核と細胞質の間のmRNA 輸送速度により制御される遺伝子;および示差的スプライシングにより制御され る遺伝子、を同定するのに応用することができる。すなわち、その発現の一部が mRNAレベルで調節/制御される遺伝子を同定することができる。 この方法は、分泌されたかつ膜タンパク質をコードする遺伝子;核タンパク質 をコードする遺伝子;ミトコンドリアタンパク質をコードする遺伝子;細胞骨格 タンパク質をコードする遺伝子を同定できるであろう。さらに、その発現をmR NAレベルで調節することができる任意の他の遺伝子を、本方法により同定する ことができる。 本明細書においてRNAとは、刺激された、分化した、化合物に暴露された、 病原体などで感染された生物から単離された、細胞培養物、培養組織または細胞 もしくは組織から単離されたRNAを意味する。本明細書において、翻訳は、m RNA鋳型上のタンパク質の合成として定義される。 本明細書において、未知の標的mRNAの翻訳を刺激する、または刺激成分と いう用語は、「シフト機構」により制御される病理的および/またはストレス条 件下で、未変性の組織および/または細胞から得ることができる遺伝子からのm RNA集団を、化学的に、病理的に、物理的に、または他の方法で誘導するかま たは抑制することを含む。すなわち、ストレス誘導性成分すなわち「ストレッサ ー」でmRNAの翻訳を刺激することは、試料からの細胞中の非翻訳mRNAと して保存されるmRNAの翻訳を刺激または開始する、外部指示、刺激の適用を 含むことができる。未変性の細胞/組織中の遺伝子からのmRNAの翻訳を刺激 する以外に、刺激は、病理的および/またはストレス条件下での遺伝子の誘導お よび/または抑制を含むことができる。本方法は、ストレス誘導性成分またはス トレッサーにより翻訳的に制御される未知の標的遺伝子を同定するために、刺激 またはストレッサーを利用する。 本発明の方法は、本来は別々に使用された2つの既知の方法を組み込んでいる 。第1の方法は、mRNAの別々の翻訳プールと非翻訳プールへのmRNA試料 の分割である。第2の方法は、示差的表示、表象示差解析(RDA)、遺伝子発 現マイクロアレイ(GEM)、抑制的サブトラクションハイブリダイゼーション (SSH)(ジアチェンコ(Diatchenko)ら、1996)、およびラ バ(Rava)らの米国特許第5,545,531号(アフィマックス・テクノ ロジーズ.エヌ.ブイ(Affymax Technologies N.V. ))に例示されたチップ技術、およびハイセク社(Hyseq,Inc)のWO 96/17957特許出願により例示される直接配列決定法のような示差的解析 方法による、別のプール中に存在するmRNA種の相対量の同時比較が関与する 。 簡単に説明すると、サブトラクティブハイブリダイゼーションは、溶液中のハ イブリダイゼーションによるmRNAの削除として定義される。2つのプールに 共通のRNAは、除去可能な2本鎖を形成し、1つのプール中でユニークである かより豊富なRNAが濃縮される。示差的表示は、mRNAのcDNAへの逆転 写、および縮重プライマーによるPCR増幅として定義される。2つのプールか らの増幅産物(電気泳動による)の量の比較は、転写体の豊富さを示す。RDA 、GEM、SSH、SAGEは、前記したものである。 翻訳的に制御される遺伝子を同定するために解析される特定の細胞/組織は、 任意の適切な細胞および/または組織を含むことができる。すべての細胞タイプ または組織が使用可能であり、樹立された細胞株または培養物、または暴露され た生物から直接単離されたものも使用することができる。 本法で解析される細胞/組織は、試料組織内のmRNAの翻訳を刺激し、その 発現が少なくとも一部はmRNAレベルで制御される遺伝子を同定するために、 生理的、化学的、環境的および/または病理的ストレス誘導性成分またはストレ ッサーを使用して選択的に刺激される。RNAの翻訳の刺激後、細胞/組織から のRNAが単離されるかまたは細胞/組織から抽出される。RNAの単離は、当 業者に公知の方法を使用して行われ、例えば「モレキュラークローニング、実験 室マニュアル」(Molecular Cloning;A Laborato ry Manual)(コールドスプリングハーバーラボラトリープレス(Co ld Spring Harbor Laboratory)、コールド・スプ リング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク州 、1989)に記載されている。細胞/組織からのRNAの単離と抽出のための 他の方法を使用することができ、これらは当業者に公知であろう(マッハ(Ma ch)ら、1986、ジェフェリーズ(Jefferies)ら、1994)。 翻訳されているmRNAはリボゾームを有し、従ってリボゾームの無い非翻訳 mRNAとは密度勾配上での移動が異なるため、翻訳および非翻訳mRNAのプ ールの単離後、活発に翻訳に参加しているmRNAおよび翻訳されないままのm RNAを、ショ糖密度勾配、高速ゲル濾過クロマトグラフィー、またはポリアク リルアミドゲルマトリックス分離のような分画法(オギシマ(Ogishima )ら、1984、メナカー(Menaker)ら、1974、ヒラマ(Hira ma)ら、1986、メクラー(Mechler)、1987、およびバルーチ ャ(Bharucha)とマーシー(Murthy)、1992)を使用して分 離することができる。ある時点で翻訳で活性があるかまたは不活性のmRNA集 団を比較することにより、「シフト機構」により制御される遺伝子を同定するこ とができる。 転写または翻訳を特異的に阻害または調節する薬物で標的細胞/組織を処理す ることにより、ポリソーム性分画および特異的解析が促進される。そのような薬 物の例は、それぞれアクチノマイシンDおよびシクロヘキサミドである。 分画を完了させてポリソームサブ分類を作成することができる。サブ分類は、 当該分野で公知の方法により総ポリリボゾームまたは膜結合リボゾームを区別で きるように、作成することができる(メクラー(Mechler)、1987) 。さらにmRNA試料は、当該分野で公知の方法により、少なくとも以下のサブ セグメントまたは画分の1つまたはそれ以上に分画することができる:細胞質、 核、ポリリボゾーム、サブポリリボゾーム、ミクロソームまたは粗面小胞体、ミ トコンドリアおよびスプライセオソーム関連mRNA(表1を参照)。 総mRNAの単離とmRNAの翻訳プールおよび非翻訳プールへの総mRNA 集団の分割後、これらのプール中に存在する多くのmRNA種の相対量を、示差 的表示、表象示差解析(RDA)、GEM−遺伝子発現マイクロアレイ(GEM )(シェナ(Schena)ら、1995、アイエロ(Aiello)ら、19 94、シェン(Shen)ら、1995、バウア(Bauer)ら、1993、 リアング(Liang)とパルディー(Pardee)、1992、リアング( Liang)とパルディー(Pardee)、1995、リアング(Liang )ら、1993、ブラウン(Braun)ら、1995、ヒューバンク(Hub ank)とシャッツ(Schatz)、1994)、および抑制的サブトラクシ ョンハイブリダイゼーション(SSH)のような示差的解析を使用して同時に比 較することができる。画分から単離されたRNAは、ポリA選択によりリボゾー ムRNA無しで、、さらにmRNAに精製される。この方法を使用して複数のプ ールが解析できることに注意されたい。すなわち、異なるストレッサーに付した 異なる細胞アリコートは、互いに比較および参照試料と比較することができる。 ポリソーム、非ポリソームまたはmRNP(プールまたは個々の画分)からの 標識mRNA(cDNAまたはPCR産物型)をプローブとして使用して、ラバ (Rava)らの米国特許第5,545,531号およびハイセク社(Hyse q,Inc)のWO96/17957に示すような固体マトリックス様マイクロ アレイ(GEM)、および任意の種類の膜(ここで、クローンは電気泳動後ブロ ットされるか、または膜上に直接のせられる(ドットブロット))上に固定され る、cDNAのクローン、ゲノムクローン、およびmRNA種を同定することが できる。標識物は、放射性、蛍光性でもよく、ヂゴキシゲニンやビオチンのよう な修飾塩基を取り込んでもよい。 ポリソームまたはポリリボゾーム画分または他の画分から得られる画分を総非 分画物質と比較することは、翻訳自体の調節により生じる発現レベルの差を翻訳 自体の調節の結果である差と区別するのに必須である。ポリソーム画分または群 は、膜結合ポリソーム、ゆるいかまたはきついポリソーム、または遊離の非結合 ポリソーム群を含んでよい。 示差的(翻訳的)に発現された遺伝子を同定するためのポリソームサブ集団の 使用の重要性は、例2に記載されており、総mRNAを検出プローブとして使用 した時、熱ショック誘導条件下で翻訳的に発現されるものとしては多くの遺伝子 が検出されなかったが、ポリソームmRNAをプローブとして使用した時は多く の遺伝子が示差的に発現されるものとして同定された。これらの遺伝子は以前は 、総mRNAをプローブとして使用した時は、非示差的に発現されるものと考え られていた。すなわち、例2に示すように、総mRNAを用いる熱ショック誘導 条件下で翻訳的に発現されるものとして検出されなかった多くの遺伝子は、ポリ ソームmRNA画分とプローブ結合させると検出された。 翻訳的に制御される遺伝子を同定するための本方法は、mRNAプールの供給 源により限定されることはない。従って本方法は、「シフト機構」により制御さ れる病理的および/またはストレス条件下で未変性の細胞/組織からの遺伝子を クローニングし、また病理的および/またはストレス条件下で誘導/抑制される 遺伝子をクローニングするのに使用することができる。病理的とは、病原体およ び外傷により引き起こされる疾患を含む疾患状態を包含する。ストレス条件はま た、疾患状態、肉体的および心理的傷害、および環境的ストレスを包含する。示 差的解析の選択された方法による解析後、翻訳により制御されているとして同定 された遺伝子は、当業者に公知の任意の適切なクローニング法によりクローニン グすることができる(リシチン(Lisitsyn)とウィグラー(Wigle r)、1993)。 示差的比較は、ポリソームRNA対非ポリソームRNAのすべての可能な組合 せについて行うことができ、画分タイプの定義は、例えば254nmでの吸光度 プロフィール、図1Aに示すショ糖勾配の密度(または、高速液体クロマトグラ フィーまたはゲルシステムが使用された場合は、別のサイズ標準物質)、および 図1Bに示すようにアガロースゲルで画分を電気泳動後に臭化エチジウムで染色 されるRNAのタイプにより行われる。図1Aでは、ポリソーム画分は、3つ以 上のリボゾームがのせられたmRNAを有するものである。この比較のための材 料と方法は、実験の項に記載される。 示差的比較はまた、各状態のポリソーム画分対非ポリソーム画分を含むことが できる。「状態」とは、異なる処理を受けているか、または異なる特徴を有する ようにまたは異なるセットの遺伝子を発現するように修飾されている、同じ供給 源(例えば、細胞株、一次細胞、または組織)からの細胞を意味する。例えば、 これは、分化、形質転換、ストレス(例えば、酸素欠乏、化学的処理、または放 射線照射)の適用により、行うことができる。組合せには、例えば: 1.個々の(同じ密度で移動)またはプール中の状態の間のポリソーム画分; 2.個々の(同じ密度で移動)またはプール中の状態の間の非ポリソーム画分 ; 3.個々の(同じ密度で移動)またはプール中の各状態の間のおよび各状態内 の非ポリソーム対ポリソーム;および 4.分画されていない総RNAと比較することができる、個々の(同じ密度で 移動)またはプール中のポリソームおよび非ポリソームである各分画。 翻訳的に制御される遺伝子の同定のための上記方法は、多くの応用を有する。 この方法の具体的な応用は、生理的または病理的変化に関連する細胞/組織中の mRNA発現パターンの変化を検出するための使用である。翻訳mRNA対非翻 訳mRNAを比較することにより、細胞/組織中のmRNA発現パターンの変化 に及ぼす生理的または病理的指示またはストレスの影響が観察されるかおよび/ または検出される。この方法は、多くの指示、刺激、またはストレッサーの影響 を試験して、細胞/組織の種々の生理的および病理的活性に対するその影響また は寄与を確認するために使用することができる。特に本方法は、薬剤または化学 物質の投与前後の組織のmRNAパターンを比較することにより、個体への薬剤 または他の化学物質の投与の結果を解析するために使用することができる。この 解析は、翻訳制御のレベルで細胞/組織に影響を与える薬剤、化学物質、または 他の刺激を同定することを可能にする。この方法を使用して、特定の生理的状態 または病状に特定のmRNA種が関与しているかどうかを確認、および特に外部 刺激(すなわち、薬剤)が、翻訳レベルで制御される遺伝子に影響を与える具体 的な細胞/組織を確認することができる。 本発明のさらなる実施態様は、内部リボゾームエントリー部位(IRES)を コードする遺伝子配列の同定方法を提供し、細胞中の5’キャップ依存性mRN A翻訳を阻害し、細胞からmRNAのプールを採取し、およびmRNAのプール を示差的に解析して内部リボゾームエントリ一部位をコードする配列を有する遺 伝子を同定する、一般的工程を含む。 上述のように、標準的な5’キャップ依存性翻訳開始に対する例外が存在する ことが知られている。RNAの非翻訳領域(UTR)内に、内部リボゾームエン トリー部位(IRES)として知られている具体的な配列の存在を含むことがで きる配列が存在する(エーレンフェルト(Ehrenfeld)、1996)。 これらの内部リボゾームエントリー部位は、前記したようにいくつかの原核生物 および真核生物系の翻訳開始を支持することが証明されている。しかし、5’キ ャップ非依存性翻訳機構により翻訳的に制御される遺伝子と正常および異常プロ セスの両方との関連を同定するために、5’キャップで開始される翻訳を阻害し てmRNA翻訳を選択することができるようにすることが必要である。IRES 配列は、配列相同性により同定することは不可能ではないにしても困難であるた め、この阻害が必要である。 5’キャップ依存性翻訳を阻害し従って5’キャップ非依存性翻訳の存在につ いて選択するために、内部リボゾームエントリー部位の存在について解析される 細胞または組織は、5’キャップ翻訳開始機構を防止または停止させるための何 らかの方法で処理する必要がある。標準的スキャニングタイプの翻訳開始の機構 は、本質的には翻訳平衡をIRESで開始される翻訳の方向にシフトさせるため に、実質的に(完全ではないにしても)止めるかまたは停止することができる。 すなわち、5’キャップ構造の認識は、5’キャップ介在開始の正常な機構を破 壊することにより阻害される。5’キャップ翻訳の阻害機構は、5’キャップ介 在翻訳の開始を防止するための、任意の公知の手段または機構を含んでよい。5 ’キャップ介在開始を阻害するためのそのような機構の1つは、IRES配列に ついて解析される細胞、細胞系、または組織へのポリオウイルス2Aプロテアー ゼの発現である。ポリオウイルス2Aプロテアーゼを使用すると、細胞性5’キ ャップ依存性翻訳機構を不活性化することにより、5’キャップ依存性mRNA 翻訳が阻害される。これは、翻訳的に制御される遺伝子を含有する細胞性IRE Sの同定を可能にし、遺伝子活性化の前に、ストレス誘導性成分/ストレッサー (例えば、熱ショック、低酸素症、または前述の他のストレス誘導性成分)を適 用後の細胞の迅速な応答において決定的に重要な役割を果たす。ポリオウイルス 2Aプロテアーゼは、mRNA5’キャップの認識に関与する真核生物翻訳開始 因子4(eIF−4)のeIF−4−γ(p220)の大きいサブユニットを切 断することにより、5’キャップ介在翻訳を防止する。 5キャップ介在翻訳を阻害するために、ポリオウイルス2Aプロテアーゼは、 内部リボゾームエントリー部位をコードする遺伝子配列の存在についておよび翻 訳的に制御される遺伝子を同定するために解析される細胞内に、取り込まれなけ ればならない。細胞中にポリオウイルス2Aプロテアーゼを取り込むそのような 1つの方法は、ポリオウイルス2Aプロテアーゼをコードする遺伝子を含有する 発現ベクターを用いる標的細胞の形質転換を含む。ポリオウイルス2Aプロテア ーゼは構成的に発現されると生きた細胞に有害であるため、ポリオウイルス2A プロテアーゼ遺伝子を含有する発現ベクターは、細菌のLacI誘導系(Oac Iレプレッサーが、CMVプロモーター下で構成的に発現されている)に結合し ている。ポリオウイルス2Aプロテアーゼは、3’末端でLacIレプレッサー 結合部位に結合している多くの適当なプロモーター(例えば、RSV、TK、ま たはミニTKプロモーター)下で発現されてよい。LacIレブレッサーを含有 する発現ベクターおよびポリオウイルス2A発現ベクターで標的細胞を形質転換 することにより、ポリオウイルス2Aプロテアーゼの発現は、細胞をイソプロピ ル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で処理して、誘導することが できる。標的細胞をIPTGで処理すると、レプレッサー結合部位で結合したL acIレプレッサー分子の結合が弱められ、従ってポリオウイルス2Aプロテア ーゼの転写が可能になる。ポリオウイルス2Aプロテアーゼの発現を誘導系(例 えば、LacI系)に結合させることにより、この機構は、ポリオウイルス2A プロテアーゼをコードする遺伝子の発現の制御の確立を可能にする。 内部リボゾームエントリ一部位をコードする遺伝子配列を同定するための本発 明の実施態様の例は、以下の例に示す。 標的細胞内でポリオウイルス2Aプロテアーゼの発現を誘導した後、RNA( おそらく内部リボゾームエントリー部位を含有する)を採取し、前述の方法を使 用して解析して、その翻訳がポリオウイルス2Aプロテアーゼの作用によりアッ プレギュレーションされる遺伝子を同定することができる。 実験 示差的翻訳 材料と方法 一般的スキーム a.供給源組織または細胞からのすべてのRNAの総mRNA有機的抽出(ポリ A+mRNAの追加の選択を含んでもよい)。 b.低張緩衝液中でのホモジナイズによる細胞(組織または細胞株から)の核R NA溶解。遠心分離による核の採取とRNAの有機的抽出。 c.上記2からの上清のRNAの有機的抽出。 d.ポリリボゾーム/サブポリリボゾーム性分画。ホモジナイズ低張緩衝液によ る細胞の溶解、核の除去および線形ショ糖勾配によるポリリボゾームの分画、お よび勾配の各画分からのRNAの有機的抽出。 e.分泌されかつ膜をコードする転写体。 1.パーコール(Percoll)勾配上のRERの単離(細胞のホモジナイ ズ後)。 2.RERを含有するミクロソームの調製。 3.界面活性剤にる細胞の連続的処理による膜結合ポリリボゾームの単離。 f.核タンパク質。細胞溶解物を異なる界面活性剤で処理することによる細胞骨 格関連ポリリボゾームの単離。 g.ミトコンドリア遺伝子。パーコール(Percoll)上のミトコンドリア の単離。 i。代替スプライシング。核の分離と線形ショ糖勾配上のスプライセオソーム( タンパク質とRNA複合体)の単離。細胞抽出物の調製 細胞を遠心分離した。ペレットをPBSで洗浄し、再度遠心分離した。低張溶 解緩衝液(HLB:20mMトリス塩酸(pH=7.4);10mM NaCl;3 mM MgCl2)で4×の1パック細胞容量(PCV)中に、細胞を再懸濁した 。細胞を氷上で5分問インキュベートした。1.2%トリトンX−100と0. 2Mショ糖を含有する1×PCVのHLBを加えた。細胞をダウンス(Doun ce)ホモジナイザーでホモジナイズした(B乳棒で5ストローク)。細胞溶解 物を2300gで4℃で10分間遠心分離した。上清を新しい試験管に移した。 10mg/mlヘパリンを含有するHLBを、最終濃度1mg/mlヘパリンになるよう に加えた。NaClを最終濃度0.15Mになるように加えた。上清を液体窒素 で急速凍結した後−70℃で凍結したか、または直ちに使用した。ショ糖勾配分画 HLB中の0.5M〜1.5Mショ糖で線形ショ糖勾配を調製した。ポリアロ マー(Polyallomer)試験管(14×89mm)を使用した。0.5〜 1.0mlの細胞抽出物を勾配液上にのせた。細胞を36,000rpmで4℃で1 10分間遠心分離した。ISCOデンシティフラクショネーター(ISCO D ensity Fractionator)を使用して、画分を集め、吸光度プ ロフィールを記録した。RNA精製 SDSを0.5%になるように加え、プロテイナーゼKを0.1mg/mlになる ように加え、37℃で30分間インキュベートした。等量のフェノール+クロロ ホルム(1:1)で抽出。水層を1部のクロロホルムで抽出し、0.3Mになる ように酢酸ナトリウムと2.5容量のエタノールを加え、−20℃で一晩インキ ュベートして沈殿させた。10分問遠心分離し、上清を吸引し、RNAペレット を無菌のジエチルピロカーボネート(以後「DEPC」と呼ぶ)DEPC処理水 に溶解した。示差的解析 示差的表示 逆転写:2μgのRNAを、6.5μl容量中の1pmolのオリゴdTプライマ ー(dT)18と、70℃で5分問加熱し氷上で冷却してアニーリングした。2μ lの反応緩衝液(×5)、1μlの10mM dNTPミックス、および0.5μ lのスーパースクリプトII(SuperScript II)逆転写酵素(ギブコ ビーアールエル(GibcoBRL))を加えた。42℃で1時問反応を行なっ た。70μlのTE(10mM トリス(pH=8);0.1mM EDTA)を加 えて反応を停止させた。示差的表示に使用したオリゴヌクレオチド:オリゴヌク レオチドは基本的に、デルタRNAフィンガープリンティングキット(Delt a RNA Fingerprinting kit)(クロンテクラボズ社( Clontech Labs.inc.))に記載のものである。構造:5’C ATTATGCTGAGTGATATCTTTTTTTTTXY3’(配列番号 1)中に9個の「T」オリゴヌクレオチドがあった。10個の「p」オリヌクレ オチドは構造:3’ATTAACCCTCACTAAA”TGCTGGGGA” 3’(配列番号11)であった(カッコ内の9ヌクレオチドまたは10ヌクレオ チドは任意の配列であり、各「P」オリゴに1つずつ、10個の異なる配列(配 列番号12〜21)がある)。増幅反応 :各反応は20μlで行い、50μM dNTPミックス、1μMの各 プライマー、1×ポリメラーゼ緩衝液、1単位の拡張ポリメラーゼ(ベーリンガ ーマンハイム(Boehringer Mannheim))、2μCi[α−32 P]dATPと1μlのcDNA鋳型を含有する。サイクリング条件は:95 ℃で3分、次に94℃で2分、40℃で5分、68℃で5分を3サイクル。次に 、94℃で1分、60℃で2分、68℃で2分を27サイクル行なった。68℃ で7分間インキュベートし、20μlの配列決定停止溶液(95%ホルムアミ ド、10mM NaOH、0.025%ブロモフェノールブルー、0.025%キ シレンシアノール)を加えて、反応を停止させた。ゲル解析 :5%配列決定用ポリアクリルアミドゲルに3〜4μlをのせ、遅い色 素(キシレンシアノール)が底から約2cmのところまで、試料を2000ボルト /40ミリアンペアで電気泳動した。ゲルをろ紙に移し、真空下で乾燥し、X線 フィルムに露光させた。示差的バンドの回収 :種々のプールの間で差を示すバンドを、乾燥ゲルから切り 取り、微量遠心分離管中に入れた。50μlの無菌水を加え、試験管を100℃ で5分間加熱した。示差的表示で使用したものと同じプライマーを使用して49 μlのPCR反応物に1μlを加え、試料を30サイクル(94℃で1分、60 ℃で1分、68℃で1分)増幅した。10μlをアガロースゲルで解析して視覚 化し、うまく増幅されたことを確認した。表象示差解析 逆転写 :上記したように行なったが、2μgのポリA+選択されたmRNAを使 用した。2本鎖cDNAの調製:前の工程からのcDNAをアルカリで処理して mRNAを除去し、沈殿させ、20μlの水に溶解した。5μlの緩衝液、2μ lの10mM dATP、H2Oで48μlになるように加え、2μlの末端デオ キシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)を加えた。反応物を37℃で2 〜4時間インキュベートした。5μlのオリゴdT(1μg/μl)を加え、6 0℃で5分間インキュベートした。5μlの200mM DTT、10μlの10 ×セクション緩衝液(100mM MgCl2、900mM ヘペス、pH6.6) 、16μlのdNTP(1mM)、および16Uのクレノウを加え、混合物を室温 で一晩インキュベートして、ds cDNAを作成した。100μlのTEを加 え、フェノール/クロロホルムで抽出した。DNAを沈殿させ、50μlのH2 Oに溶解した。表象の作成 :25μlのcDNAに3μlのDpnII反応緩衝液20VとDpn IIを加えて、37℃で5時間インキュベートして、DpnIIを有するcDNAを 消化した。50μlのTEを加え、フェノール/クロロホルムで抽出した。cD NAを沈殿させ、10ng/μlの濃度に溶解した。 この方法では以下のオリゴヌクレオチドを使用した: R−Bgl−12 5’GATCTGCGGTGA3’(配列番号22) R−Bgl−24 5’AGCACTCTCCAGCCTCTCACCGCA3 ’(配列番号23) J−Bgl−12 5’GATCTGTTCATG3’(配列番号24) J−Bgl−24 5’ACCGACGTCGACTATCCATGAACA3 ’(配列番号25) N−Bgl−12 5’GATCTTCCCTCG3’(配列番号26) N−Bgl−24 5’AGGCAACTGTGCTATCCGAGGGAA3 ’(配列番号27) R−Bgl−12とR−Bgl−24オリゴを、テスターとドライバーに連結 した:1.2μgのDpnII消化したcDNA。各オリゴから4μlと、5μl 連結緩衝液X10を60℃で10分間アニーリングした。2μlのリガーゼを加 え、16℃で一晩インキュベートした。140μlのTEを加えて連結混合物を 希釈した。R−Bgl−24プライマーと2μlの連結生成物を使用して、20 0μlの容量中で増幅を行い、各試料について20個の試験管で繰り返した。T aqDNAポリメラーゼを加える前に、試験管を72℃で3分間加熱した。PC R条件は以下の通りである:72℃で5分、20サイクルの95℃で1分と72 ℃で3分、次に72℃で10分。 各4つの反応物を一緒にし、フェノール/クロロホルムで抽出し、沈殿させた 。増幅したDNAを0.5μg/μlの濃度に溶解し、すべての試料をプールし た。サブトラクション :テスターDNA(20μg)を上記したようにDpnIIで消 化し、1.2%アガロースゲルで分離した。ゲルからDNAを抽出し、R−オリ ゴについて記載したように、2μgをJ−Bgl−12とJ−Bgl−24オリ ゴに連結した。連結したテスターDNAをTEで10ng/μlに希釈した。ド ライバーDNAをDpnIIで消化し、再度0.5μg/μlの最終濃度になるよ うに精製した。40μgのドライバーDNAを0.4μgのテスターDNAと混 合した。抽出はフェノール/クロロホルムで行い、70%エタノールで2回洗浄 して沈殿させ、4μlの30mM EPPS(pH=8.0)、3mM EDTA中 にDNAを再懸濁し、35μlの鉱物油を重層した。98℃で5分変性させ、6 7℃に冷却し、1μlの5M NaClをDNAに加えた。67℃で20時間イ ンキュベートした。400μlのTEを加えてDNAを希釈した。増幅 :最終容量200μl中のサブトラクトションしたDNAの増幅は以下のよ うに行なった:緩衝液、ヌクレオチドおよび20μlの希釈DNAを加え、72 ℃に加熱し、TaqDNAポリメラーゼを加えた。72℃で5分間インキュベー トし、J−Bgl−24オリゴを加えた。95℃で1分と70℃で3分を10サ イクル行なった。72℃で10分インキュベートした。4つの別々の試験管で増 幅を繰り返した。増幅したDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、沈殿さ せ、すべての4つの試験管を40μ1の0.2×TE中で一緒にし、ムングビー ンヌクレアーゼ(Mung Bean Nuclease)で以下のように消化 した:20μlのDNAに、4μlの緩衝液、14μlのH2O、および2μl のムングビーンヌクレアーゼ(10単位/μl)を加えた。30℃で35分イン キュベートした+第1の示差的産物(DPI)。繰り返しサブトラクションハイブリダイゼーションとドライバーでのPCR増幅 :N−BglオリゴヌクレオチドとJ−Bglオリゴヌクレオチドを使用して、 それぞれ示差的比1:400(DPII)および1:40,000(DPIII)。 示差的産物を、個々のクローンの解析のために、BamHI部位でBluesc riptベクター中にクローン化した。例1 ショ糖密度勾配からのmRNAの示差的翻訳解析 C6グリオーム細胞を正常な条件下(酸素正常状態)または酸素欠乏条件下( 低酸素状態)で8時間増殖させた。次に細胞を採取し、細胞質抽出物をショ糖勾 配にかけた。ショ糖勾配から得られた画分からRNAを抽出し、ポリソームおよ び非ポリソーム試料中にプールした。逆転写後、表2に記載のプライマーT1と P10を使用して、示差的表示法を適用した。PCR産物を5%アクリルアミド 配列決定用ゲルで分離した。次にゲルを乾燥し、X線フィルムに露光させた。結 果を図2に示すが、「A」は、8時間の低酸素状態後の細胞の非ポリソーム画分 中にのみ現れるmRNA種を示す。これは、長時間の低酸素状態後にまだ翻訳的 に抑制されているが活性に転写されている、転写的に誘導された可能性のあるm RNA種である。「B」は、低酸素状態後にポリソーム画分中に移動した、正常 な酸素レベル下で増殖させた細胞の非ポリソーム画分中に存在するmRNA種を 示す。 材料と方法は、前述のように行なった。本例は、ストレス誘導性成分により制 御される翻訳的に制御される遺伝子の同定のために、本発明が有用であることを 証明する。例2 表象的熱ショックGEM示差的発現解析 材料と方法 実験細胞を、正常温度(37℃)と熱ショック温度(43℃)で4時間増殖さ せた。次に細胞を採取し、細胞質抽出物を得て、そこからRNAを抽出した。次 に抽出したRNAを、前述のGEM技術を使用して解析した。 表3と4は、熱ショックのような刺激に応答して示差的に発現される遺伝子を 同定するのに、示差的発現解析において総mRNAプローブに対してポリソーム プローブを使用することの有用性を証明している。これらの表は、フィブロネク チン、ピルビン酸キナーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、ポリ(AD Pリボース)ポリメラーゼ、サイモポエチン、90Kd熱ショックタンパク質、 アクリルアミノ酸放出酵素、β−スペクトリン、およびピルビン酸キナーゼは、 ポリソームプローブを使用してすべて示差的に発現されるとして同定され、一方 フィブロネクチンの例外を除いて、総mRNAプローブを使用した時他のタンパ ク質は示差的に発現されるとして同定されなかった。本例は、ストレス誘導性成 分により制御される、翻訳的にまたは示差的に制御される遺伝子の同定において 、本発明の有用性を証明している。さらに表3に、ポリソームプローブと総mR NAプローブの両方を用いる、熱ショック示差的遺伝子発現解析の結果を示す。 表3は、ポリソームプローブを使用して多くの示差的に発現される遺伝子が同定 されるが、総mRNAを使用した時はこれらの遺伝子は、必ずしも示差的に発現 されるものとして同定されないことを例示している。表4は、総mRNAまたは ポリソームmRNAをプローブとして使用して同定される示差的に発現される遺 伝子の数を統計的に示す。表4は、ポリソームmRNAプローブは、示差的に発 現される遺伝子対総mRNAプローブの数の2〜10倍以上の上昇を与えること を明白に示す。例3 IRES含有遺伝子の同定 2Aプロテアーゼを発現する哺乳動物細胞の樹立 予備実験では、2AプロテアーゼがHEK−293ヒト(ATCC CRL− 1573)細胞中でIRES含有遺伝子の発現を増強することが示されたため、 HEK−293ヒト(ATCC CRL−1573)細胞をポリオウイルス2A プロテアーゼ誘導発現のモデル系として使用した。HEK−293細胞を、それ ぞれ図3A〜Cに示すように、PCIbb−Lacl−Hyg(ストラタジーン (Stratagene)からのベクターをベースにして本出願人が作製した) 上の、ポリオウイルス2Aプロテアーゼ発現ベクターPTK−OP3−WT2A 、ミニTK−WT2A、のいずれか1つと組合せて、CMV−LacI−(当業 者に公知技術を使用して本出願人が作製した)で同時トランスフェクションした 。LacI発現ベクターは、ヒグロマイシン選択マーカーを含有し、ポリオウイ ルス2Aプロテアーゼ発現ベクターは、ネオマイシン選択マーカー(これは、両 方のマーカーに耐性のクローンの単離を可能にし、おそらくLacIレプレッサ ーとポリオウイルス2Aタンパク質の両方を発現する)を含有した。ポリオウイルス2Aプロテアーゼ発現の解析 死滅測定法 :ヒグロマイシン(50μg/ml)とネオマイシン(500μg/ ml)で選択した後に増殖した耐性クローンを、IPTG(5mMで48時間+5 mMでさらに48時間)で処理した。次に生存性について細胞を追跡し、ポリオウ イルス2Aプロテアーゼ誘導で完全な死滅を示したクローン(おそらく、ポリオ ウイルス2Aプロテアーゼの有害作用を発現する)を、さらなる解析のために選 択した。図4に示すように、そのようなクローンの2つ(TKプロモーターの制 御下でポリオウイルス2Aプロテアーゼを発現するHEK−293細胞(クロー ン#14)とミニTKプロモーターの制御下でポリオウイルス2Aプロテアーゼ を発現するHEK−293細胞(クローン#1))を単離した。2Aプロテアーゼ発現の解析 :IPTG誘導後のHEK−293ミニTK#1ク ローンとHEK−293TK#14クローン中のポリオウイルス2Aプロテアー ゼ発現の直接解析は、このタンパク質に対する抗体が欠如していたため実施しな かった。遺伝子発現の変化を測定するために、ノーザンブロット解析、RNas e保護測定法、in situハイブリダイゼーション、および逆転写酵素ポリ メラーゼチェイン反応(RT−PCR)を含むいくつかの現在利用可能な技術を 使用することができる。RT−PCRは非常に高感度な方法であり、IPTG処 理後のHEK−293ミニTK#1クローン中のポリオウイルス2Aプロテアー ゼをコードするmRNAの誘導を追跡するために使用した。mRNAを、異なる 時点でIPTGで処理後HEK−293親細胞とHEK−293ミニTK−2A クローンから調製した。ポリオウイルス2Aプロテアーゼ特異的オリゴヌクレオ チド(5’GCAACTACCATTTGGCCACTCAGGAAG3’(配 列番号28)と5’GCAACCAACCCTTCTCCACCAGCAG3’ (配列番号29))を使用して、RNAをRT−PCR反応に付した。 ポリオウイルス2AプロテアーゼmRNAはHEK−293親細胞中で検出さ れなかったが、IPTG処理後に誘導され、図5に示すようにIPTG処理の4 8時間後に最も高いレベルに達した。2Aプロテアーゼ活性の解析 p220切断 :ポリオウイルス2Aプロテアーゼの充分性状解析された機能は、 p220タンパク質(4Fγ翻訳因子)(40Sリボサブユニットの成分)の切 断である。p220の切断により、翻訳後修飾のために、100〜120KDa 分子量の3つのN−末端切断生成物を生成する。p220とその切断生成物は、 図6に示すようにN−末端領域p220に対して特異的に作成したポリクローナ ル抗p220抗体を使用して、7%SDS−PAGEとウェスタンブロット解析 により同定された。図6は、HEK−293ミニTK2A#1クローンとHEK −293TK2A#14クローンがポリオウイルス2Aプロテアーゼ発現につい て誘導されて、p220の切断生成物を生成するという解析を示す。対照として 、HEK−293細胞溶解物を、インビトロ翻訳で産生されたポリオウイルス2 Aプロテアーゼで処理し、HEK−293 2Aクローン中と同じ7%SDS− PAGE上の、移動度の同じ切断生成物を生成することがわかった。 この系を、ポリソーム分画のmRNAの供給源として使用した。ポリオウイル ス2Aプロテアーゼの作用によりその翻訳がアップレギュレーションされる遺伝 子を同定するために、上記プロトコールを使用してRDA解析を行なった。表5 は、上記方法に従って行なった解析の結果とこれにより単離された遺伝子を要約 する。 本出願を通して、種々の刊行物は引用により特許は番号により参照される。刊 行物の完全な引用は、以下のリストに示す。本発明が関連する技術の現状をより 詳細に記載するために、これらの刊行物のその全体の開示は、参照のため本出願 に取り込まれる。 本発明は例示的に記載されており、使用された用語は、限定するものではなく 説明を目的とするものであることに注意されたい。 上記教示から、本発明の多くの修飾や変更が可能であることは明らかである。 従って、添付の請求の範囲内で、本発明は具体的に記載したもの以外に使用可能 であることは理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ハリス,ニコラス イスラエル国 レホボト,ハナシ ハリス ホン 14/17 (72)発明者 スカリテル,ラミ イスラエル国 ネス―ジオナ,ハバニム 117/10 (72)発明者 グロスマン,ゼハバ イスラエル国 レホボト,タラン ストリ ート 20

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.翻訳的に制御される遺伝子の同定方法であって、 特定の病理的またはストレス誘導性成分で未知の標的mRNA(標的mRNA はmRNAのより大きい試料の一部である)の翻訳を刺激する工程; mRNAの試料を翻訳mRNAと非翻訳mRNAのプールに分割する工程;そ して mRNAのプールを示差的に解析して、ストレス誘導性成分により翻訳的に制 御される遺伝子を同定する工程 とを含む上記方法。 2.ストレス誘導性成分は、遺伝子翻訳に対して未知の関係のストレッサーとし てさらに定義される、請求の範囲第1項記載の方法。 3.ストレス誘導性成分は毒素である、請求の範囲第2項記載の方法。 4.ストレス誘導性成分は化学物質である、請求の範囲第2項記載の方法。 5.ストレス誘導性成分は薬剤である、請求の範囲第2項記載の方法。 6.ストレス誘導性成分は電流である、請求の範囲第2項記載の方法。 7.ストレス誘導性成分は病原体である、請求の範囲第2項記載の方法。 8.ストレス誘導性成分は病理的ストレスである、請求の範囲第2項記載の方法 。 9.標的mRNAの別々のアリコートの翻訳を刺激するために、少なくとも2つ のストレス誘導性成分が使用される、請求の範囲第1項記載の方法。 10.請求の範囲第1項記載の方法であって、解析工程は、示差的表示、表象示 差解析(RDA)、抑制的サブトラクションハイブリダイゼーション(SSH) 、遺伝子発現の連続的解析(SAGE)、遺伝子発現マイクロアレイ(GEM) 、核酸チップ技術、直接配列決定法、およびこれらの方法の変法または組合せよ りなる群から選択される、上記方法。 11.翻訳的に制御されるとして同定される遺伝子をクローニングする工程をさ らに含む、請求の範囲第1項記載の方法。 12.翻訳を刺激する工程は、細胞を化学的に処理するとしてさらに定義される 、請求の範囲第1項記載の方法。 13.翻訳を刺激する工程は、細胞に放射線照射をするとしてさらに定義される 、請求の範囲第1項記載の方法。 14.翻訳を刺激する工程は、細胞の酸素を欠乏させるとしてさらに定義される 、請求の範囲第1項記載の方法。 15.細胞は分化するように刺激される、請求の範囲第1項記載の方法。 16.mRNA試料は、mRNAの少なくとも1つのプール中でmRNAの翻訳 を刺激するために異なる処理と受けている細胞を含む、請求の範囲第1項記載の 方法。 17.解析工程は、拡散した勾配中またはプール中で、同じ密度で移動するポリ ソーム画分を区別する、請求の範囲第1項記載の方法。 18.解析工程は、個々にまたはプールとして非ポリソーム画分を区別する、請 求の範囲第1項記載の方法。 19.解析工程は、個々にまたはプール中で、刺激されたポリソーム画分と非ポ リソーム画分とを区別する、請求の範囲第1項記載の方法。 20.解析工程は、未分画総RNAプールと比較して、個々にまたはプールとし てポリソームおよび非ポリソーム画分のそれぞれを区別する、請求の範囲第1項 記載の方法。 21.特定の病理的またはストレス条件に応答性の遺伝子の同定方法であって: (a)生物または組織または細胞に病理または病理的刺激ストレスを適用する 工程; (b)ストレスに付された生物または組織または細胞からmRNAを単離する 工程; (c)発現制御およびそのコードされるタンパク質局在により、少なくとも2 つのプールにmRNA試料を分割する工程;および (d)病理的またはストレス条件に付されていない対照プールと比較して、m RNA試料のプールを示差的に解析して、病理的またはストレス条件に応答した 遺伝子を同定する工程 とを含む上記方法。 22.請求の範囲第20項記載の方法であって、示唆的解析は、示差的表示、表 象示差解析(RDA)、抑制的サブトラクションハイブリダイゼーシヨン(SS H)、遺伝子発現の連続的解析(SAGE)、遺伝子発現マイクロアレイ(GE M)、核酸チップ技術、直接配列決定法、およびこれらの方法の変法または組合 せよりなる群から選択される、上記方法。 23.その発現がストレス下のmRNAレベルで制御される遺伝子の同定方法で あって: ストレス誘導性成分で未知の標的mRNA(標的mRNAはmRNAのより大 きい試料の一部である)の翻訳を選択的に刺激する工程; mRNAの試料を翻訳mRNAプールと非翻訳mRNAのプールに分割する工 程;そして mRNAのプールを示差的に解析して、その発現がストレス誘導性成分により mRNAレベルで制御される遺伝子を同定する工程 とを含む上記方法。 24.請求の範囲第1項または第23項記載の方法であって、遺伝子は翻訳レベ ルで制御され:遺伝子は転写レベルで制御され;遺伝子はRNA安定性により制 御され;遺伝子は核と細胞質の間のmRNA移動速度により制御され;そして遺 伝子は示差的スプライシングにより制御される、上記方法。 25.ストレス誘導性成分は、毒素または化学物質、または薬剤または電流、ま たは病原体または病理的ストレスである、請求の範囲第23項記載の方法。 26.請求の範囲第23項記載の方法であって、解析工程は、示差的表示、表象 示差解析(RDA)、抑制的サブトラクションハイブリダイゼーション(SSH )、遺伝子発現の連続的解析(SAGE)、遺伝子発現マイクロアレイ(GEM )、核酸チップ技術、直接配列決定法、およびこれらの方法の変法または組合せ よりなる群から選択される、上記方法。 27.請求の範囲第24項記載の方法であって、翻訳を刺激する工程は、細胞を 化学的に処理する、または細胞に放射線を照射する、または細胞から酸素を欠乏 させて、分化するように刺激するとしてさらに定義される、上記方法。 28.内部リボゾームエントリー部位をコードする遺伝子配列の同定方法であっ て: 細胞中の5キャップ依存性mRNA翻訳を阻害する工程: 細胞からmRNAのプールを採取する工程;および mRNAのプールを示差的に解析して、内部リボゾームエントリー部位をコー ドする配列を有する遺伝子を同定する工程 とを含む上記方法。 29.阻害工程は、非5’キャップ依存性mRNA翻訳について選択するとして さらに定義される、請求の範囲第28項記載の方法。 30.阻害工程は、細胞中のポリオウイルス2Aプロテアーゼをコードする遺伝 子を取り込む工程をさらに含む、請求の範囲第28項記載の方法。 31.取り込み工程は、ポリオウイルス2Aプロテアーゼをコードする遺伝子を 含有するベクターで細胞を形質転換するとしてさらに定義される、請求の範囲第 30項記載の方法。 32.ポリオウイルス2Aプロテアーゼをコードする遺伝子の発現を制御する工 程を含む、請求の範囲第30項記載の方法。 33.解析工程は、示差的表示解析としてさらに定義される、請求の範囲第28 項記載の方法。 34.解析工程は、表象示差解析としてさらに定義される、請求の範囲第28項 記載の方法。 35.解析工程は、遺伝子発現マイクロアレイ解析を実施するとしてさらに定義 される、請求の範囲第28項記載の方法。 36.翻訳的に制御されるとして同定される遺伝子をクローニングする工程をさ らに含む、請求の範囲第28項記載の方法。 37.解析工程は、個々にまたはプールとして同じ密度で移動するポリソーム画 分を区別する、請求の範囲第28項記載の方法。 38.解析工程は、個々にまたはプールとして非ポリソーム画分を区別する、請 求の範囲第28項記載の方法。 39.解析工程は、個々にまたはプールとして刺激されたポリソーム画分および 非ポリソーム画分を区別する、請求の範囲第28項記載の方法。 40.解析工程は、未分画総RNAプールと比較して、個々にまたはプールとし てポリソームおよび非ポリソーム画分のそれぞれを区別する、請求の範囲第28 項記載の方法。
JP52285498A 1996-11-12 1997-11-12 翻訳的に制御される遺伝子の同定方法 Pending JP2002515754A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/748,130 US6013437A (en) 1996-11-12 1996-11-12 Method for identifying translationally regulated genes
US94358697A 1997-10-03 1997-10-03
US08/748,130 1997-10-03
US08/943,586 1997-10-03
PCT/US1997/020831 WO1998021321A1 (en) 1996-11-12 1997-11-12 Method for identifying translationally regulated genes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002515754A true JP2002515754A (ja) 2002-05-28

Family

ID=27114885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP52285498A Pending JP2002515754A (ja) 1996-11-12 1997-11-12 翻訳的に制御される遺伝子の同定方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP0942969A1 (ja)
JP (1) JP2002515754A (ja)
AU (1) AU5258098A (ja)
CA (1) CA2271068A1 (ja)
IL (2) IL129872A0 (ja)
WO (1) WO1998021321A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998037189A1 (en) 1997-02-25 1998-08-27 Qbi Enterprises Ltd. Ires sequences with high translational efficiency and expression vectors containing the sequence
US6844158B1 (en) 1997-12-22 2005-01-18 Hitachi Chemical Co., Ltd. Direct RT-PCR on oligonucleotide-immobilized PCR microplates
US6171821B1 (en) 1998-07-24 2001-01-09 Apoptogen, Inc. XIAP IRES and uses thereof
EP1147188B1 (en) * 1999-01-26 2007-05-16 Vlaams Interuniversitair Instituut voor Biotechnologie vzw. Internal ribosome entry site (ires), vector containing same and the uses thereof
US6764852B2 (en) 1999-01-26 2004-07-20 Vlaams Interuniversitair Instituut Voor Biotechnologie Vzw Internal ribosome entry site, vector containing same and uses thereof
JP2003524397A (ja) * 1999-03-16 2003-08-19 マイトコー オルガネラ遺伝子産物の示差的発現
US6403316B1 (en) * 1999-03-24 2002-06-11 Quark Biotech, Inc. Isolation of cDNA encoding for secreted or membranal proteins
AU4224400A (en) * 1999-04-08 2000-10-23 Sir Mortimer B. Davis Jewish General Hospital Quantitative assay for expression of genes in microarray
AU4562700A (en) * 1999-05-05 2000-11-21 European Molecular Biology Laboratory Improved predictive power of rna analysis for protein expression
AU2001251086A1 (en) * 2000-03-31 2001-10-15 Sir Mortimer B. Davis Jewish General Hospital Microchip arrays of regulatory genes
JP4723713B2 (ja) * 2000-09-25 2011-07-13 トヨタ自動車株式会社 mRNAの潜在的翻訳制御因子のスクリーニング方法
WO2002042500A2 (en) 2000-10-31 2002-05-30 Hitachi Chemical Research Center, Inc. Apparatus and method for electrophoretic microspot concentration
US7374881B2 (en) 2000-10-31 2008-05-20 Hitachi Chemical Research Center, Inc. Method for collecting and using nuclear mRNA
KR20020096559A (ko) * 2001-06-21 2002-12-31 이준호 알코올에 의해 특이적으로 그 전사발현이 유도되거나저해되는 알코올 민감성 유전자 발굴
BE1014949A3 (fr) 2001-08-14 2004-07-06 Probiox Procede de detection de stress oxydant et trousse pour sa mise en oeuvre.
WO2011021666A1 (ja) 2009-08-19 2011-02-24 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学 環境ストレス下の翻訳抑制を回避する5'utrをコードする組換えdna分子
WO2012009644A2 (en) * 2010-07-16 2012-01-19 Arizona Board Of Regents Methods to identify synthetic and natural rna elements that enhance protein translation
JP6037339B2 (ja) * 2011-09-02 2016-12-07 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 形質転換植物細胞を用いたタンパク質製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5459037A (en) * 1993-11-12 1995-10-17 The Scripps Research Institute Method for simultaneous identification of differentially expressed mRNAs and measurement of relative concentrations

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998021321A1 (en) 1998-05-22
CA2271068A1 (en) 1998-05-22
AU5258098A (en) 1998-06-03
IL129872A (en) 2006-04-10
EP0942969A1 (en) 1999-09-22
IL129872A0 (en) 2000-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002515754A (ja) 翻訳的に制御される遺伝子の同定方法
Liang et al. [20] Analysis of altered gene expression by differential display
Liang et al. Differential display of eukaryotic messenger RNA by means of the polymerase chain reaction
Madden et al. SAGE transcript profiles for p53-dependent growth regulation
Sucher et al. PCR and patch-clamp analysis of single neurons
US6066452A (en) Multiplex selection technique for identifying protein-binding sites and DNA-binding proteins
US6413723B1 (en) Methods and compositions for identifying nucleic acids containing cis acting elements
US6090546A (en) Method for the detection of Ras oncogenes, in particular the K-ras oncogene
JP2014510536A (ja) 定量的pcrによる、ホルマリン固定パラフィン包埋(ffpe)試料におけるテロメア長測定
Munasinghe et al. Serial analysis of gene expression (SAGE) in Plasmodium falciparum: application of the technique to A–T rich genomes
WO1997027330A1 (en) Multiplex selection technique for identifying protein-binding sites for dna-binding proteins
Mohanty et al. Analysis of RNA decay, processing, and polyadenylation in Escherichia coli and other prokaryotes
US6013437A (en) Method for identifying translationally regulated genes
US20020037511A1 (en) Method for identifying genes
Martin et al. Expression of a 91-kilodalton PEA3-binding protein is down-regulated during differentiation of F9 embryonal carcinoma cells
Jones et al. Interspecific comparisons of the structure and regulation of the Drosophila ecdysone-inducible gene E74.
Gissot et al. Transcriptome of 3D7 and its gametocyte-less derivative F12 Plasmodium falciparum clones during erythrocytic development using a gene-specific microarray assigned to gene regulation, cell cycle and transcription factors
Gaillard et al. A sequence-specific single-strand-binding protein for the late-coding strand of the simian virus 40 control region
Mathieu-Daudé et al. Differentially expressed genes in the Trypanosoma brucei life cycle identified by RNA fingerprinting
Newton et al. Identification of differentially expressed genes in dorsal root ganglia following partial sciatic nerve injury
Chin et al. Identification of okadaic-acid-induced genes by mRNA differential display in glioma cells
Reuber et al. Differential mRNA display
Matin et al. Multidimensional differential display via ion-pair reversed-phase denaturing high-performance liquid chromatography
Kettenhofen et al. Regulation of Gadd45a mRNA expression in vascular smooth muscle under growth and stress conditions
Borowicz Isolation of the DNA fragment reflecting the Open Reading Frame II of the I-18 C gene of Chironomus tentans by the Polymerase Chain Reaction. III. The DNA amplification technology