JP2002515444A - 骨粗鬆症の治療方法 - Google Patents

骨粗鬆症の治療方法

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スティーブン・ショーネシー
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ハミルトン・シヴィック・ホスピタル・リサーチ・ディヴェロップメント・コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 骨密度が減少する病的状態にある哺乳類患者において、IL−11、その細胞表面膜レセプターおよび細胞表面糖タンパク質gp130の三次複合体の生体内形成を抑制することからなる、そのような症状の治療および軽減方法が開示されている。このような物質の例には、天然のIL−11レセプターと比べると、それらのgp130結合部位で修飾された組換え体の可溶性IL−11レセプター変異体、およびIL−11と相互作用することができるペプチドがある。本発明の方法は骨吸収およびそれ故に骨量減少を抑制するばかりでなく、骨形成の過程を増大して骨密度を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬物治療およびこれに有用な薬剤に関する。詳細には、本発明は、
原因となる病理が骨の損失をもたらす骨吸収の増加、例えば閉経後の骨粗鬆症で
ある病理状態の予防および治療に関する。本発明はまた、そのような状態の治療
および予防に有用な治療薬に関する。
【0002】
【発明の背景】
骨の再構築は、骨形成と骨吸収との間の平衡に依存する。骨芽細胞は主に非石
化I型コラーゲンが沈着した新たな類骨の形成を担っている。骨吸収は、破骨細
胞と称される大きな多核細胞により媒介される。骨吸収のためには、まず破骨細
胞が石化基質と密接に接触する領域を築く。これは、破骨細胞と骨基質界面との
間の保護された区画を形成し、ここに酸性の微少環境が形成される。これらの領
域内では、骨は脱石化され、分泌されたリソソームの加水分解酵素の作用により
コラーゲン繊維が再吸収される。インビトロおよびインビボの両方で骨吸収の有
力な刺激物質として多くの因子が見出されている。これらには副甲状腺ホルモン
、1,25−ジヒドロキシビタミンD3、プロスタグランジン−E2または−I2
IL−1、TNF−βおよび骨由来増殖因子が包含される。これらの因子のうち
、破骨機能に直接作用するものは無く、全て骨芽細胞の存在が必要である。
【0003】 増加した骨吸収は、広範囲の診療状態の顕著な特徴である。故に、閉経後の女
性のみに起こるのでなく、転移性の骨の癌、骨髄腫および骨のパジェット病のし
ばしばある合併症でもある。現在の治療は、骨吸収を遮断する薬剤(ビスホスホ
ネートおよびカルシトニンなど)の使用を包含するか、または閉経後の骨粗鬆症
の場合にはエストロゲンを用いるホルモン補充療法である。
【0004】 インターロイキン−11(IL−11)は、骨形成/骨吸収において単独でま
たは他のサイトカインと共同で役割を有している。 IL−11は、インターロイキン−6(IL−6)、白血病阻害因子(LIF
)およびオンコスタチンM(OSM)を包含するサイトカインのファミリーに属
する。これらのサイトカインは同様な三次構造を有し、共通のシグナルトランス
デューサ(gp130)を共有し、そして重複する生物活性を有する。これらの
サイトカインについて生物応答を誘起するためには、サイトカイン、その特異的
レセプター(α鎖)およびgp130からなる三次複合体が形成されなければな
らない。
【0005】
【先行技術の簡単な引用】
Van Leuvenら, Genomics (1996) Jan 1; 31(1): 65-70 はヒトのインターロイ
キン−11レセプター(IL−11R)の遺伝子のクローニング、遺伝子の構造
の分析および予想されるタンパク質の配列の決定を報告している。タンパク質の
構造および機能は報告されていない。 Karowら, Biochem J. (1996) 318: 489-495 は、IL−11αレセプターの遺
伝子のクローニングおよびそのアミノ酸配列の説明を報告し、マウスインターロ
イキン−11レセプター(IL−11R)の可溶性形態の産生を報告し、これが
高い親和性をもってIL−11リガンドと相互作用することを示している。pg
130に対するIL−11単独での親和性は検出レベルより低いと報告されてい
るが、IL−11および可溶性IL−11Rは高い親和性でgp130と相互作
用する。このレセプターは、ハイモポイエチンレセプターファミリーの他のもの
と配列相同性を示す膜貫通タンパク質である。しかし、IL−11RにおけるI
L−11およびgp130結合部位の位置は開示されていない。
【0006】 Teramuraら, Blood 1992, 79: 327 および Musashiら, Proc. Natl. Acad, Sc
i. U.S.A. 1991, 88:765 は、骨におけるIL−11単独または他のサイトカイ
ンとの共同での機能が顆粒球/マクロファージコロニー形成の支持および血小板
桂精細胞である巨核球の数と倍数性の増加であることを報告している。 Girasoleら, J, Clin. Invest. 1994, 93: 1516 および Tamuraら, Proc. Nat
l. Acad. Sci. 1993, 90: 11924 は、IL−11がこのファミリーの他のサイト
カインと同様に破骨細胞形成の過程において役割を果たしていることを示す実験
結果を報告している。 1993年1月になされたU.S.特許第5,215,895, Bennettらは、IL−11を
コードするDNA配列で形質転換した細胞を培養することによりIL−11を製
造する方法を開示している。 カナダ国特許出願第2,177,837号, Cilibertoらは、そのgp130結合領域に
おいて突然変異させたIL−6アンタゴニストを開示している。
【0007】
【発明の要旨】
本発明は、骨吸収の増加または骨形成の減少が潜在的な病状である、骨粗鬆症
などの診療状態の症状を治療および緩和する新規手段を提供することを目的とす
る。 さらに本発明は、そのような診療状態の治療および/またはその症状の緩和に
有用な新規治療薬を提供することを目的とする。
【0008】 本発明は、骨吸収過程および骨形成過程の両方におけるインターロイキン−1
1(IL−11)の役割の解明に基づくものであり、利益な結果がその作用を阻
害することにより得られることは予期せぬことである。このサイトカインは、破
骨細胞の形成と活性、故に骨吸収に重要であることは見出されていた。さらに、
このサイトカインは、骨形成の阻害剤として作用することが見出されていた。骨
欠損状態でのその役割におけるIL−11の作用機序は、IL−11、その細胞
表面の膜レセプター(IL−11R)および糖タンパク質gp130(gp13
0)の複合体形成を包含する。この三次複合体が形成されないかまたはより少な
い程度でしか形成されない場合には、骨吸収が阻害されるばかりか、多くの場合
において新たな骨形成が促進されて、新たな骨が効果的に形成され、骨密度が増
加する。
【0009】 従って、本発明は1つの広い態様から、骨密度が減少している病態の症状を治
療または緩和する方法を提供し、該方法はそのような状態を被っている哺乳類患
者においてIL−11、IL−11Rおよびgp130の三次複合体のインビボ
での形成を阻害することからなる。そのような状態は、骨吸収の増加および骨形
成の顕著な不足を包含するものである。骨粗鬆症に加えて、これらの状態には、
転移性骨癌、骨髄腫、パジェット病および、特に高齢のヒト患者における骨折の
治癒が包含される。
【0010】 本発明の別の態様によれば、骨密度が減少している病態の症状を緩和するため
に哺乳類患者に投与される治療薬が提供され、該治療薬にはIL−11、その細
胞表面の膜レセプターIL−11Rおよび細胞表面糖タンパク質gp130の三
次複合体のインビボでの形成を妨げることができる、生物学的に許容しうるペプ
チド化合物、タンパク質配列、低分子および抗体が包含される。
【0011】 本発明の別の態様によれば、TRAPの新規な使用およびIL−11アンタゴ
ニストを検出するための骨小結節形成アッセイが提供される。 本発明の別の態様によれば、溶液からIL−11を選択的に除去する方法おお
び溶液からIL−11を精製または濃縮する方法が提供される。 本発明の別の態様によれば、IL−11、その細胞表面の膜レセプターIL−
11Rおよび細胞表面糖タンパク質gp130の三次複合体のインビボでの形成
を妨げることができる、生物学的に許容しうるIL−11アンタゴニストからな
る、哺乳類患者に投与して骨密度が減少している病態の症状を緩和するための治
療薬が提供される。
【0012】 本発明の別の態様によれば、IL−11/IL−11R/gp130三次複合
体の形成に必要な成分の翻訳を阻害しうるアンチセンス核酸を包含する転写可能
な遺伝物質からなる、哺乳類患者に投与して骨密度が減少している病態の症状を
緩和するための治療薬が提供される。 本発明の別の態様によれば、IL−11/IL−11R/gp130三次複合
体の形成を阻害しうるアミノ酸配列をコードする転写可能な遺伝物質を包含する
発現可能な遺伝物質からなる、哺乳類患者に投与して骨密度が減少している病態
の症状を緩和するための治療薬が提供される。
【0013】 図1Aは天然のIL−11レセプターを表す略図であり、その種々の領域およ
びIL−11とgp130と相互作用する結合領域を示す。 図1BはSEQ ID NO.3に記載され、下記の実施例3で用いたcDNA配列を表
わす。 図2は天然のIL−11Rのgp130結合領域の詳細な配列であり、特に好
ましい突然変異部位および本発明の変異体の産生を示す。広範囲にわたり変異し
た部位はSEQ ID NO.4に開示される。 図3はIL−11レセプターのペプチド配列の部分を表し、IL−11と相互
作用する領域を太字で示す。 図4は、下記に実施例5にて用いたペプチド1(SEQ ID NO.1)およびペプチ
ド2(SEQ ID NO.2)の配列を表し、実験において観察された活性を示す。 図5は、下記の実施例1にて得られた結果のグラフである。 図6A、BおよびCは下記の実施例2にて得られた結果のグラフである。 図7AおよびBは下記の実施例4にて得られた結果のグラフである。 図8は下記の実施例5にて得られた結果のグラフである。 図9は下記の実施例6にて得られた結果のグラフである。 図10は下記の実施例7にて得られた結果のグラフである。
【0014】
【好ましい態様の説明】
本発明の好ましい方法は、IL−11、その細胞表面の膜レセプターIL−1
1Rおよび細胞表面糖タンパク質gp130の三次複合体のインビボでの形成を
阻害する物質の有効量を患者に投与することにより、患っている哺乳類患者にお
いて骨密度が減少するという病態の症状を治療または緩和することからなる。そ
のような物質の例には、IL−11に対する抗体、IL−11Rに対する抗体、
gp130に対する抗体、IL−11レセプターの変異型、IL−11の低分子
量アンタゴニスト、通常IL−11Rにより結合される領域においてIL−11
と選択的に相互作用し、その結果IL−11とIL−11Rとの間の正常な相互
作用を妨げる配列を包含する物質である。
【0015】 本発明の好ましい化合物の第1グループは、天然のIL−11Rと比較してI
L−11/IL−11R相互作用に関与するが、gp130とは相互作用しない
ような修飾された組換え可溶性IL−11R変異体である。その結果、IL−1
1、IL−11Rおよびgp130の三次複合体が形成されないか、またはごく
僅かな程度でしか形成されず、このため生物応答が無いかまたはより少ない。好
ましい態様において、gp130結合領域におけるアミノ酸の置換は、これらの
好ましい化合物においてIL−11の結合においてほとんどまたは全く作用を持
たせず、gp130とIL−11Rとの相互作用を実質的にまたは完全に無くす
る。しかし、IL−11Rタンパク質の他の領域での突然変異は、IL−11R
におけるgp130結合部位の特性を変化させ、生産的なIL−11R/gp1
30の相互作用を抑制または阻害することができる。IL−11/gp130/
IL−11R三次複合体の形成を妨げるほとんど全ての可溶性IL−11レセプ
ター変異体は、本発明の範囲内である。特定の例はヒト由来のIL−11R配列
に関するが、他の哺乳類由来の対応する配列もまた作用するであろう。
【0016】 本発明の可溶性IL−11Rは、SEQ ID NO.4に記載される、その全てが天然
のIL−11Rのgp130結合部位内にある282位、283位、286位、
289位および291位の1カ所または2カ所以上で変異させるのが好ましい。
特に好ましい突然変異は独立してD282→G、A283→D、G286→D、
H289→YおよびV291→L、またはそのような変異の2つ以上の組合せで
ある。アミノ酸は、本明細書ではその標準的三文字表示および一文字コードを参
照して記載される。特にD、G、A、H、Y、VおよびLとの記号は、別個のア
ミノ酸に関して通常の意味を有し、即ちDはアスパラギン酸を表し、Gはグリシ
ン、Aはアラニンを表し、Hはヒスチジンを表し、Yはチロシンを表し、Vはバ
リンを表し、そしてLはロイシンを表す。
【0017】 天然のIL−11Rは、約46kdの分子量を有する公知のタンパク質である
。そのアミノ酸配列は決定されている。これは添付した図面の図1Aに概略的に
示しているように、幾つかの別個の機能領域を有する。これは通常は細胞表面の
膜に結合している。これはIL−11と結合するための領域を有している。別の
領域である約270−300位は、gp130結合部位である。これらの領域は
、図1Aにおいて示されており、ここで1は4つの位置的に保存されたシステイ
ン残基を含む亜もの末端領域を表し、2はIL−11結合領域を表し、3はgp
130結合領域表し、4は膜貫通ドメインを表す。
【0018】 gp130結合部位のアミノ酸配列は図2に示している。本発明は、好ましい
態様の1つにおいて、この領域の天然のアミノ酸の1つ以上を別のアミノ酸に置
換することにより、図2に示すgp130結合部位において突然変異したIL−
11Rを提供する。本発明の特に好ましい生成物は、上述したように282位、
283位、286位、289位および290位の1ヶ所以上において突然変異し
たものである。これらの変異体は、gp130との結合を効果的に減少させるか
または全く削除するが、IL−11との結合には実質的に影響を与えない。
【0019】 本発明の変異型可溶性IL−11R(sIL−11R)は、公知の技術を用い
て調製することができる。好ましい方法において、IL−11Rをコードするc
DNAは、IL−11R特異的なプライマーおよびヒト骨肉腫細胞から単離した
全RNAを用いるRT−PCRによりクローン化される。プライマーは、次にプ
ラスミドベクター中にクローニングするための末端制限エンドヌクレアーゼ部位
を含有する。好ましいcDNA配列を挿入するための配列は図1Bにおいて示し
ている。適切なベクター中に連結した後、IL−11R DNAは哺乳類細胞中
で発現させることができる。幼ハムスター腎臓(BHK)細胞は、この目的のた
めの適する宿主哺乳類細胞の例となる。抽出および精製後、sIL−11R D
NAは特定部位の突然変異誘発に供して、gp130との結合を媒介するが、I
L−11との結合にはほとんど影響しないIL−11レセプター中のアミノ酸配
列、例えば上記したアミノ酸を修飾することができる。
【0020】 本発明による好ましい化合物の第2グループは、IL−11と選択的に相互作
用し、IL−11/IL−11R/gp130の三次複合体の形成に必要なIL
−11とIL−11Rとの間の相互作用を抑制するペプチド配列である、IL−
11結合性ペプチドである。驚くべきことに、小さなアミノ酸配列がIL−11
に結合し、且つIL−11とIL−11Rとの間の正常な相互作用を抑制しうる
ことが見出された。特に、アミノ酸配列Arg Arg Leu Arg Ala Ser Trp Thr Tyr
Pro Ala Ser Trp Pro Cys Gin Pro His Phe Leu(SEQ ID NO:1)を有するペプチ
ドが、IL−11に結合し、IL−11Rとの生産的なその相互作用を抑制する
ものとして特定された。さらに驚くべきことに、SEQ ID NO:1のアミノ末端に包
含されるペプチド配列Arg Arg Leu Arg Ala Ser Trp(SEQ ID NO:5)が、IL−
11とIL−11Rとの間の生産的な相互作用を抑制するこのペプチドの能力に
重要であることが見出された。この短いペプチド(SEQ ID NO:5)はまた、IL
−11とIL−11Rとの間の生産的な相互作用を阻害しうる。また、ヒトIL
−11RにおけるSEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:5に対応する配列の近くに位置す
るがこれらと重複しない3番目のペプチド(SEQ ID NO:6)が、IL−11とI
L−11Rとの間の生産的な相互作用を阻害することが見出された。
【0021】 驚くべきことに、マウスとヒトのIL−11Rのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:
5およびSEQ ID NO:6(ヒトの配列を記載している)に対応する配列において少し
異なるのみである。特に、SEQ ID NO:5に記載されるヒトのアミノ酸配列はRR
LRASWであるのに対し、マウスの配列はRRLHASW(SEQ ID NO:10)で
ある。故に、ペプチド1(SEQ ID NO:5)における4位に対応する位置において
塩基性アミノ酸残基が存在することはヒトおよびマウスの配列間で保存されてい
るが、その位置における実際のアミノ酸は異なっている。故に、SEQ ID NO:5お
よびSEQ ID NO:6に対応するペプチドは、IL−11結合性ペプチドであり、ア
ミノ酸配列RRLXASW(ここでXは塩基性アミノ酸である)(SEQ ID NO:7
)を有するペプチドは潜在的にIL−11結合性ペプチドである。
【0022】 また、SEQ ID NO:6は、ヒトIL−11R内にて特定されているIL−11結
合領域のアミノ酸配列、即ち:Ser He Leu Arg Pro Asp Pro Pro Gln Gly Leu A
rg Val Glu Ser Val Pro Gly Tyr Proを記載している。対応するマウスの配列は
SEQ ID NO:8に記載されており、これは:Set Ile leu Arg Pro Asp Pro Pro Gln
Gly Leu Arg Val Glu Ser Val Pro Ser Tyr Proである。これらの配列は、18
番目のアミノ酸において異なり、これによりヒトのペプチドはGlyを有し、マウ
スの配列はSerを有する。GlyおよびSerは共に、それぞれ60.1Å3および80.
3Å3の体積を有し、且つそれぞれ75Å2および115Å2の確定表面積を有す
る、比較的に小さいアミノ酸である。これは、このペプチド中の比較的小さい大
きさのアミノ酸18はIL−11との相互作用を促進することを示唆する。しか
し、GlyとSerはその親水性において異なり、これは幾つかの要因が相互作用して
、これらのペプチド中の18位の特定のアミノ酸置換の適合性を決定することを
示唆している。故に、アミノ酸配列:Ser Ile Leu Arg Pro Asp Pro Pro Gln Gl
y Leu Arg Val Glu Ser Val Pro xxx Tyr Pro(ここでxxxは適するアミノ酸であ
る)を有するIL−11結合性ペプチドが存在するが、この配列を有する潜在的
なIL−11結合性ペプチドをTRAPアッセイおよび/または骨小結節形成ア
ッセイを用いて検査し、これらがIL−11結合性ペプチドであるかを決定する
ことが必要である。
【0023】 上述のアミノ酸置換に加えて、哺乳類の材料から特定されるIL−11結合性
ペプチドに対応する他の哺乳類由来のアミノ酸配列もまた潜在的なIL−11結
合性ペプチドでありうる。故に、哺乳類の1つの種においてIL−11結合性ペ
プチドが特定され、哺乳類の配列間で変異がある場合、他の哺乳類における対応
するアミノ酸配列および観察される保存残基のパターンを参照して、他のIL−
11結合性ペプチドを特定することが可能である。
【0024】 本明細書の開示を考慮すると、IL−11と相互作用し、且つIL−11およ
びIL−11Rとの間の生産的な相互作用を阻害して、これによりIL−11/
IL−11R/gp130複合体の形成を阻害または抑制しうるペプチドを特定
してこれを製造することは、当業者の能力の範囲内である。当業者によれば、ペ
プチドとIL−11との結合に必須な特徴を保存するアミノ酸の置換または修飾
を含有するペプチド配列は可能であり、本発明の範囲内であることは自明である
。そのようなペプチドは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO
:7、SEQ ID NO:8または SEQ ID NO:10のアミノ酸配列の全てまたは一部を含むこ
とができる。また、これらのペプチドは、これらの配列とは実質的に異なるアミ
ノ酸配列を有していてもよいが、これらのペプチドとIL−11との特異的な相
互作用を許容する機能的特徴を有していてもよい。IL−11結合性ペプチドで
あるペプチドは、本明細書に述べられているTRAPアッセイおよび骨小結節形
成アッセイの1方または両方を用いて容易に特定することができる。
【0025】 IL−11と選択的に相互作用するタンパク質およびペプチド配列は、インビ
トロでもインビボと同様に有益なものである。本発明は、IL−11に選択的に
結合するペプチド配列を教示する。従って、このペプチドに適当な連結成分によ
り適する基質を結合させることは当業者の能力の範囲内である。いったん結合さ
れれば、固定化ペプチド配列は、溶液からIL−11を除去するために用いるこ
とができる。特に、固定化ペプチドは、IL−11の溶液を減少させるために用
いることができる。また、固定化ペプチドは1つの溶液においてIL−11を結
合させるために用いて、次いで第2溶液の存在下においてIL−11を放出させ
、これによりIL−11に富むかまたはIL−11以外の成分の数もしくは量が
減少した溶液を製造することができる。
【0026】 故に、本発明の他の好ましい態様は、IL−11に対して親和性を有する本発
明の固定化ペプチドを使用して溶液からIL−11を選択的に除去する方法であ
る。
【0027】 本発明において、用語「低分子」は30kd以下の分子量を有する化合物であ
り、用語「IL−11アンタゴニスト」は、IL−11とIL−11Rとの間の
生産的な相互作用を阻害または抑制し、そしてIL−11とgp130の生産的
な相互作用の促進についてIL−11よりもより有効でない化合物である。
【0028】 IL−11に関連する骨密度疾患の治療において有用な特別のIL−11アン
タゴニストは、本明細書に述べられるTRAPアッセイおよび骨小結節形成アッ
セイを用いて特定することができる。TRAPアッセイは当業界において知られ
ており、マウス頭蓋冠(骨芽細胞)と骨髄細胞をインビトロで共培養し、次いで
酒石酸−耐性酸ホスファターゼ陽性(TRAP+)多核細胞を計測することによ
り破骨細胞の形成を評価することを包含する。本明細書の開示、特にIL−11
結合性ペプチドに関し、その配列を包含する情報および保存される残基のパター
ンを考慮すれば、ペプチドではないが、類似する結合特異性を有する潜在的なI
L−11アンタゴニストを設計することは当業者の能力のうちである。TRAP
アッセイおよび骨小結節形成アッセイにおいて活性を試験することによりIL−
11アンタゴニストとされる場合に、これらの潜在的なIL−11アンタゴニス
トをスクリーニングして決定することができる。
【0029】 本発明の他の好ましい態様は、IL−11アンタゴニストの存在について試料
をスクリーニングしてIL−11アンタゴニストを特定するための、個別のまた
は組合せにおけるTRAPアッセイおよび骨小結節形成アッセイの使用である。
【0030】 第3グループの好ましい化合物は、IL−11Rに結合して、IL−11との
生産的な相互作用を抑制するペプチドである。IL−11Rに結合するペプチド
は、本発明の開示を考慮してIL−11/IL−11R結合部位を模倣する分子
により設計することができる。また、そのようなペプチドは、潜在的なペプチド
をスクリーニングすることより特定することができる。IL−11R結合性ペプ
チドは、TRAPアッセイにおいてTRAP+MNCの形成を減少させるIL−
11R結合性ペプチドの能力および/または骨小結節形成アッセイを用いてのイ
ンビトロでの骨粒形成におけるIL−11の阻害効果を減少させるIL−11結
合性ペプチドの能力によって潜在的なペプチドから特定することができる。
【0031】 IL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成を阻害または抑制す
る、本発明において使用される第4グループの好ましい化合物は、その複合体の
1つの成分に選択的に結合して、三次複合体を形成する成分間の相互作用を妨げ
る抗体を包含する。幾つかの抗IL−11抗体は市販されている。また、抗体は
、目的のペプチドを含む化合物を適する動物に注射する標準的技術を用いて調製
してもよい。有用な抗体には、抗IL−11抗体、抗gp130抗体、抗IL−
11R抗体、および三次複合体の成分の1つの目的の部位に対して特異的である
ヒト型化モノクローナル抗体が包含される。
【0032】 本発明は、ヒトIL−11Rタンパク質の配列、幾つかのIL−11結合性ペ
プチドの配列、ヒトおよびマウスのIL−11RにおけるIL−11結合領域の
配列、並びにIL−11Rにおけるgp130結合領域の配列、同様に可溶性I
L−11Rを製造する手段を開示する。従って、IL−11RにおけるIL−1
1結合領域またはgp130結合領域の何れかに特異的に結合する抗体を製造し
、これをスクリーニングすることは当業者の能力の範囲内である。これらの特的
抗体を使用して、この領域を通じてIL−11がIL−11Rに結合するのを特
異的に阻害し、これにより溶液中のIL−11レベルに実質的に影響を与えるこ
となく、インビボでの上述の複合体の形成を阻害することができる。これは、I
L−11/IL−11R/gp130複合体の形成を阻害することが所望される
が、幾つかの他の生体作用のために遊離のIL−11および機能的gp130が
保持されることを所望する状態に特に有用である。
【0033】 IL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成を阻害または抑制す
るために本発明において使用される好ましい化合物の第5グループは、IL−1
1/IL−11R結合領域においてIL−11またはIL−11Rの何れかに特
異的に結合することにより、IL−11/IL−11R相互作用を妨げうる低分
子を包含する。IL−11およびIL−11Rの低分子アンタゴニストは、TR
APアッセイおよび骨小結節形成アッセイを使用して特定することができる。I
L−11アンタゴニストおよびIL−11Rアンタゴニストの両方を、本発明の
化合物の結合領域の特徴を考慮して特定および/または合成することができる。
分子の結合親和性を制御する大きさ、形、親水性および電荷などの特徴はよく理
解され、本発明のペプチドおよびタンパク質を考慮して分子模倣を用いて、IL
−11またはIL−11Rに結合する潜在性を有する低分子を特定することは当
業者の能力の範囲内である。先行技術において知られ、そして下記するTRAP
アッセイおよび骨小結節形成アッセイを用いてIL−11/IL−11R/gp
130複合体の形成を阻害または抑制する能力について、有力な低分子をスクリ
ーニングすることもまた当業者の能力の範囲内である。
【0034】 本発明の教示を考慮すれば、IL−11/IL−11R/gp130三次複合
体の形成を阻害しうる転写可能な遺伝物質を作成することもまた当業者の能力の
範囲内である。
【0035】 使用しうる転写可能な遺伝物質の1つは、IL−11/IL−11R/gp1
30三次複合体(IL−11、IL−11R、gp130、またはその部分を包
含する)の形成に必要な成分をコードするmRNAに相補的なアンチセンスRN
Aをコードし、そしてこのmRNAの翻訳を阻害または抑制しうるDNAである
。IL−11のmRNA配列は既に報告されており、配列表はGENBANKデ
ータベース(Accession No. M57766,M37007 (M. Fascicularis),Accession No
. M81890,M57765,M37006(ヒト))において見ることができる。gp130の
mRNA配列は報告されており、配列表はGENBANKデータベース(Access
ion No. M83336,MX62646)において見ることができる。IL−11Rα鎖のm
RNA配列は報告されており、配列表はGENBANKデータベース(Accessio
n No. U32324)において見ることができる。この配列情報および本発明における
開示を考慮すれば、IL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成を
阻害しうる転写可能な遺伝物質を作成することは当業者の能力の範囲内である。
IL−11/IL−11R/gp130複合体の1つの成分の翻訳を阻害する特
定のアンチセンスmRNAの能力は、標準法を用いて検査することができる。
【0036】 アンチセンス配列を用いて、目的のもの(IL−11、IL−11Rおよびg
p130を含む)の対応するタンパク質の翻訳を阻害し、これにより標的細胞に
おいてそのタンパク質のレベルを減少させることができる。タンパク質レベルの
減少は、IL−11/IL−11R/gp130三次複合体において結合可能な
タンパク質を減少させ、これにより散じ複合体の形成を減少させる。核酸配列を
コードする転写可能な遺伝物質を、遺伝子治療を含む標準技術によって被検者に
導入することができる。
【0037】 IL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成を阻害するために使
用しうる転写可能な遺伝物質の第2のタイプは、三次複合体の形成を阻害し、そ
して転写の際に適当な位置に対してこれらの配列を標的とするアミノ酸配列を含
有しうるアミノ酸配列をコードする転写可能な遺伝物質である。そのようなアミ
ノ酸配列の例は、これらの配列を分泌させることを目的として添加された適当な
アミノ酸配列を有する本発明の可溶性IL−11R変異体、IL−11結合性ペ
プチドおよびIL−11R結合性ペプチドである。タンパク質の標的化および選
択的開裂配列は当業界で知られており、分泌を意図し且つこれを目的とするアミ
ノ酸配列をコードする転写可能な遺伝物質を作成することは当業者の能力の範囲
である。
【0038】 前述のアミノ酸配列に加えて、TRAP+アッセイおよび/または骨小結節形
成アッセイを使用してIL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成
を阻害または抑制する他のアミノ酸配列を特定することも当業者の能力の範囲で
ある。三次複合体の形成を阻害しうるペプチドまたはタンパク質を特定すれば、
そのペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列は標準的方法を使用して決定する
ことができる。従って、目的のペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列をコー
ドし、転写後修飾および標的化情報を有する発現可能な遺伝分子を考案すること
も当業者の能力の範囲である。
【0039】 転写制御因子を選択して、本発明の転写可能な遺伝物質を構成的に転写指せる
ことができる。また、転写のレベルは、これを包含する化合物のレベルに対して
感受性のある転写制御因子により調節することができる。包含される適当な化合
物には、患者の身体中の組織により天然に産生される物質が包含されるが、その
レベルは病態や他の要因により変化しうる。また、包含される化合物は、通常は
転写可能な遺伝物質を転写させるには十分なレベルで存在しないであってもよい
。そのような場合、包含される化合物は、所望される転写レベルを刺激するに必
要な時間および投与量で被検者に導入される。
【0040】 閉経後の骨粗鬆症は、一般的に骨芽細胞に媒介される骨形成と破骨細胞による
骨吸収の間の不均衡に起因する骨重量の減少により特徴付けられる。骨芽細胞は
新たな骨または類骨の形成の原因となるが、IL−6またはIL−11などのサ
イトカインを放出することにより破骨細胞の活性化および/またはその数を制御
していると考えられる。この過程は、マウス頭蓋冠(骨芽細胞)と骨髄細胞をイ
ンビトロで共培養し、次いで酒石酸−耐性酸ホスファターゼ陽性(TRAP+
多核細胞の数を計測することにより破骨細胞の形成を定量することを包含する“
TRAPアッセイ”を用いて試験することができる。卵巣切除(OVX)ラット
またはマウスは、骨粗鬆症の研究において閉経後の女性のための満足のゆく動物
モデルを提供する。
【0041】 偽手術されたOVXマウスおよびIL−11中和抗体で処理されたOVXマウ
スから単離された骨髄細胞のインビトロにおける破骨細胞の形成のための能力を
比較する最初の実験は、IL−11Ab処理が偽手術した動物から得られるもの
よりも破骨細胞のレベルが減少していたということを示した。従って、骨密度が
骨形成と骨吸収との平衡により決定されるため、IL−11Rのgp130への
結合の阻害剤は閉経後の患者において骨の欠乏を逆転させる。
【0042】 マウス頭蓋冠と骨髄細胞の共培養を用いると、IL−11がインビトロにおけ
る破骨細胞形成の潜在的なシミュレーターであることが示された。さらに、マウ
ス頭蓋冠(主に骨芽細胞)を250μM アスコルビン酸および10mM β−
グリセロールホスフェートの存在下で培養する(骨小結節形成アッセイ)場合に
は、IL−11が骨形成を阻害することが示された。故に、IL−11を標的と
することにより、破骨細胞形成の過程、故に病理学的な骨の欠乏を阻害すること
ができないが、骨形成の過程を刺激することにより既に失われた骨を修復するこ
とができる。
【0043】 インビトロTRAPアッセイはまた、インビボで使用する前に可溶性IL−1
1R変異体、IL−11結合性ペプチド、IL−11結合性ペプチドおよび低分
子をスクリーニングする好都合な手段を提供する。特に、低分子、IL−11結
合性ペプチドまたはIL−11R変異体を製造する場合、機能的三次複合体の形
成の阻害におけるその有効性はインビトロにおいてTRAPアッセイにより検査
することができる。分析条件下において外因性IL−11の存在下でTRAP+
MNCの顕著な減少を引き起こすこれらの化合物は、三次複合体の形成の阻害に
有効であると考えられる。目的の潜在的な化合物が化合物の混合物に包含される
場合、TRAPアッセイを用いて試験する前に標準的手段によりこれらの化合物
を分離することが所望される。そのような分離は、潜在的に所望される化合物の
除去、同様に観察される結果を産生する可能性のある化合物の数を減らすことを
可能にする。
【0044】 三次複合体の形成の阻害に有用な化合物の特定しうることに加えて、TRAP
アッセイは本発明の種々の化合物の相対的有効性を調査することを可能にする。
本明細書にて用いる場合、用語「低分子」、「IL−11結合性ペプチド」、「
IL−11R結合性ペプチド」および「IL−11R変異体」は、TRAP+
ッセイを用いて試験する場合にはインビトロにおいてIL−11/IL−11R
/gp130三次複合体の形成の阻害について効果的である低分子、ペプチドま
たはタンパク質を意味する。本明細書にて用いる場合、用語「抗IL−11抗体
」および「抗IL−11R抗体」は、TRAP+アッセイを用いて試験する場合
にはインビトロにおいてIL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形
成の阻害について効果的である抗体、その部分またはその機能的同等物を意味す
る。
【0045】 骨小結節形成アッセイは、IL−11/IL−11R/gp130三次複合体
の形成の阻害について可溶性IL−11R、IL−11結合性ペプチド、IL−
11R結合性ペプチドおよび低分子の有効性をスクリーニングするための2つ目
の好都合な方法を提供する。調査すべき化合物を骨小結節形成アッセイ系に添加
して、骨粒形成におけるその化合物の作用を調査することができる。TRAPア
ッセイを用いるの同様に、ある状況では骨小結節形成アッセイ分析を用いて試験
する前に試料内に含まれる種々の化合物を分離することが所望される。分析条件
下においてIL−11による骨粒形成の阻害について顕著な減少を引き起こすこ
れらの化合物は、三次複合体の形成の阻害について効果的であると考えられる。
三次複合体の形成の阻害に有用な化合物を特定しうることに加えて、この分析は
本発明の種々の化合物の相対的有効性の調査を可能にする。
【0046】 本発明の化合物は、種々の投与様式により、そして種々の形態で全身的にまた
は局所的に投与することができる。本発明のタンパク質、ペプチドおよび低分子
を投与しうる1つの剤形は、適当な生体許容性担体中の溶液または懸濁液などの
液体形態である。液体化合物などをデリバリーする好ましい手段は注射である。
また、本発明のタンパク質、ペプチドおよび低分子は経口投与のために封入して
もよい。封入材を選択して、消化過程における至適な段階で封入した化合物の放
出を可能にして最大生体効果を可能にすることができる。
【0047】 局所的な治療を所望する場合、本発明の化合物は、所望される治療部位の近く
に移植するため適する基質中に包含させてもよい。そのような基質は、患者の診
療上の必要性に依存して持続的または生体分解性とすることができる。局所投与
の1つの特に効果的な手段は、骨折の固定に使用される移植ピン中への本発明の
化合物の封入である。局所投与の他の好ましい形態は、治療の際における疾患に
冒されている部位に最も近い哺乳類患者の領域中への注射である。
【0048】 本発明の転写可能な遺伝物質は、種々の投与様式により、そして種々の形態で
全身的にまたは局所的に投与することができる。アンチセンスRNA配列を用い
て細胞内タンパク質の翻訳を阻害することを所望する場合、アンチセンスRNA
をコードするDNAを標準的方法により標的細胞の核に導入することができる。
IL−11/IL−11R/gp130三次複合体の形成を阻害しうるタンパク
質またはペプチド産物をコードするDNA配列を導入することを所望する場合、
該DNAを標準的方法により患者身体中に既に存在する細胞の核に導入すること
ができる。また、インビトロでDNAをMHC−適合性細胞の核に導入し、導入
されたDNAを発現する細胞を、重要な部位の近くに静脈注射または局所注射な
どの標準的方法により全身にまたは局所的に患者に投与することができる。
【0049】 活性化合物の所望される投与量は、投与様式、治療すべき病態、被検者の全体
的状態および投与すべき化合物の如何により変わる。これらの要因を考慮して特
定の患者に対する適当な投与量を決定することは当業者の能力の範囲内である。
本発明の可溶化したIL−11R変異体を注射により全身投与することを所望す
る場合、適当な投与量は体重kg当たり1mg〜20mgの可溶性IL−11R変異体
であると予想される。被検者および治療すべき病態に依存して投与量は、その存
在する骨密度が顕著に低くない場合には被検者の体重kg当たり1〜10mgとし
、骨密度が顕著に低い場合には被検者の体重kg当たり10〜20mgとするのが
より好ましい。多くの病態において可溶化IL−11R変異体の適当な全身性投
与量は、同等の患者の治療に対する副甲状腺ホルモンの適当な投与量と同様であ
ると考えられる。
【0050】 本発明の化合物の局所的投与を所望する場合、適当な局所投与量は、治療領域
における所望される化合物のレベルを考慮して決定することができる。局所治療
に必要な全体的投与量は、全身治療に必要なレベルよりも低いと予想され、多く
の場合において適当は局所投与量は、全身治療に必要な化合粒の量の10〜10
0倍低い。
【0051】 可溶化IL−11R変異体の代わりにまたはこれに加えて、低分子、IL−1
1結合性ペプチド、IL−11R結合性ペプチドまたは特異的抗体を用いること
が所望される場合、適当な投与量はIL−11Rの適当な投与量に基づいて容易
に決定することができる。低分子、ペプチドまたは抗体の投与量は可溶化IL−
11R変異体の投与量の関数であり、可溶化IL−11R変異体に関する標的、
インビトロにおける三次複合体の形成阻止およびその相対的有効性およびインビ
ボにおけるその相対的半減期に対して、低分子、ペプチドまたは抗体の標的数度
、相対的分子量および結合親和性に基づいて有効標的結合の同等のレベルを与え
るよう調節される。特定の低分子、抗体またはペプチドの標的数度、分子量、結
合親和性およびインビボ半減期は、標準的方法により決定することができる。イ
ンビトロにおける三次複合体の形成阻止についての化合物の有用性は、上述のよ
うにTRAPアッセイおよび/または骨小結節形成アッセイを用いて検査するこ
とができる。本発明のIL−11結合性ペプチドの適当な投与量は、局所注射に
より投与する場合にはしばしば体重kg当たり0.1〜10mgの範囲である。特定
の患者に対して必要とされる特定のIL−11結合性ペプチドの投与量は、上述
の要因、患者の全般的な状態および治療すべき疾患を考慮して容易に決定するこ
とができる。
【0052】 ある例において、本発明のペプチドを化学修飾して、活性を高めるかまたはイ
ンビボでの分解を阻害することにより、これらのペプチドの活性および/または
インビボでの半減期を増強することが所望される。例えば、化学成分を特定のア
ミノ酸に共有結合させて、分解酵素の作用を妨げてもよい。また、ペプチド配列
におけるアミノ酸を科学的に修飾して、ペプチドとIL−11との間の特異的結
合を大きく減少させることなく全般的なペプチドの半減期を増加させてもよい。
さらに、ある例においては、これらのペプチドの形成において1つ以上のD−ア
ミノ酸異性体残基を用いることが所望される。ある例においては、ペプチドを環
状化することが所望される。例えば環状化は、特定のペプチドのコンホメーショ
ンを安定化させ、結合の所望のレベルを得るために使用することができる。アミ
ノ酸に化学成分を添加することによりペプチド配列を修飾する方法、特定のアミ
ノ酸の化学修飾する方法およびアミノ酸のD−異性体を導入する方法は当業界で
知られており、本明細書の開示を考慮してどの修飾が適切であるかおよびこれら
の修飾をどのように行うかを決定することは当業者の能力の範囲内である。
【0053】 投与すべき化合物が、患者の細胞内で発現させるアンチセンス遺伝物質からな
る場合、適当な投与量は細胞中におけるアンチセンス物質の転写レベル、その安
定性および相補的なIL−11R RNAに対する結合親和性に依存する。 また、目的のタンパク質またはペプチド配列の分泌型をコードする発現可能な
遺伝物質は、標準的方法を用いて適するMHC−適合性細胞中に生体外で導入す
ることができ、そしてこれらの細胞は標準的方法により患者の体内に導入するこ
とができる。
【0054】 これらの細胞は、骨沈着の増加または骨吸収の減少が必要とされる領域に局所
的に投与してもよいが、通常のように投与してもよい。発現可能な遺伝分子は本
質的に活性であるか、またはそれを誘導することができる。発現可能な分子の適
当な投与量は、投与様式、治療すべき病態、患者の状態、コードするRNAおよ
びそのタンパク質産物の安定性、タンパク質発現のレベル、並びにIL−11結
合性ペプチド、IL−11R結合性ペプチド、低分子および特異的抗体に関して
上述したような、有効な標的結合のレベルに影響を与える他の要因により依存す
る。一般的に、発現可能な遺伝分子の適当な投与量は、このペプチドの適当なレ
ベルが患者に直接投与された場合における標的細胞の近傍に存在する分泌タンパ
ク質またはペプチドのレベルと同様な、標的細胞の近傍に存在する分泌タンパク
質またはペプチドのレベルを与える投与量であることが予測される。
【0055】 投与すべき化合物が、IL−11、IL−11Rまたはgp130に特異的に
結合し、その三次複合体の形成を抑制または阻害する抗体からなる場合、この化
合物の全身投与または局所投与のいずれかが可能である。局所投与は、目的の抗
体を含有する溶液の治療すべき組織のおおよその領域への注射を包含する、種々
の方法により行うことができる。また、全身性または局所的方法のいずれかにお
いて目的の抗体を分泌するMHC−適合性細胞を被検者の体内に導入してもよい
。 さらに本発明を説明するために次の特別な実施例を記載する。
【0056】 実施例1:IL−11の骨小結節形成の抑制 骨小結節形成アッセイを用いて骨形成に及ぼすIL−11の効果を調べた。マ
ウス頭蓋冠細胞(一次骨芽細胞)を250μMのアスコルビン酸および10mM
のβ−グリセロールホスフェートの存在下、および種々の量のインターロイキン
−11の存在下で培養した。培養後その培地をプレートに採り、次いで1枚のプ
レート当たりの骨小結節の数を数えた。結果は添付の図5に示されており、そこ
では1枚のプレート当たりの骨小結節の数が縦軸に、一定の比例での記載ではな
いが横軸に表示されたインターロイキンの種々の濃度に関してプロットされてい
る。それぞれのバーは図5に表されているように、種々の濃度のインターロイキ
ン−11を含有する各実験での結果を示している。 明かに分かることは、インターロイキン−11の不在下で実施した実験は1枚
のプレート当たり最高数の骨小結節を産生し、そしてインターロイキン−11の
濃度が増加するにつれて1枚のプレート当たりの骨小結節の数は減少したことで
ある。このことは、IL−11が骨形成を抑制することを証明している。
【0057】 実施例2:卵巣切除した動物の骨量減少を停止させ、逆転させることができる抗
−IL−11−中和抗体の能力の証明 24匹の実験用マウスを6匹ずつの4つの等グループに分けた。これらのグル
ープの3つは卵巣切除し(OVX)、一方第4グループは対照として作用させる
ために虚偽手術した(SHAM)。卵巣切除後1週間目に、卵巣切除した動物の
1グループ(OVX+抗IL−11Ab)を1匹のマウス当たり一日の投与量1
60μgの抗−IL−11−Ab(アフィニティー精製したヒツジ抗−マウスI
L−11ポリクロナール中和抗体)で処置し始めた。同時に、卵巣切除した動物
の別グループ(OVX+NSIgG)を一日当たり同一投与量の正常ヒツジ免疫
グロブリン(NSIgG)で処置し始めた。各処置は腹腔内注射により一日に一
回行った。血漿分析により、IgGがNSIgGグループの動物の循環系中に入
ったことが証明された。残り2つのグループの動物は全く処置を受けなかった。
【0058】 処置の開始日に、虚偽手術した動物(SHAM−基準線)および同数の卵巣切
除した未処置動物(OVX−基準線)を犠牲にして、組織形態計測学的分析用に
それらの右大腿骨を得、基準線の値を確立することができた。
【0059】 処置開始後21日目に残りの動物を同様に殺害し、骨組織形態計測用にそれら
の右大腿骨を取り除いた。このために、各マウスの右大腿骨のカルシウム除去さ
れていない末端の三分の一をグリコールメタクリレート(JB−4埋め込み培地
;Analychem社製、Tronto, Ontario, Canada)中に埋めた。6〜8μmの組織構
造部分をリッヘルトユングミクロトーム(モデルK4;Riechert Jung Canada,
Toronto, Ontario)を用いて獲得し、プレートに載せ、次いで1%トルイジンブ
ルーまたはヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色し、形態計測学的分析を
行った。それぞれの場合、全ての骨幹端を包含した骨端成長プレート下の800
μm領域をメルツグリッド(Merz grid; Carl Zeiss Canada, Don Mills, Ontar
io)を使用する光学顕微鏡に載せた。このように調査した各部分は5〜8mm2
全組織面積を包含した。以下のパラメーター、(1)海面骨質体積、(2)骨芽
細胞表面、(3)類骨表面および(4)破骨細胞表面を測定した。各部分に関し
て、海面骨質体積を、メルツグリッドを使用してランダムに選択された >1,600
ポイント測定値の全体(45視野;400×倍率)から計算した。骨芽細胞表面、
類骨表面または破骨細胞表面の百分率を、油浸漬(1,000×)下でメルツ基部の
半球状グリッドが海面骨質を横断するそれぞれが存在するかまたは存在しないか
を記録することにより計算した。骨芽細胞は海面骨質表面に並ぶ明瞭な立方形の
細胞として形態学的に同定され、一方破骨細胞は海面骨質表面に極めて接近した
大きな多核細胞として形態学的に同定され、酒石酸耐性酸ホスファターゼ(Sigm
a Chemical社製、 St.Louis, MO; Procedure No.386)について染色された。
【0060】 海面骨質体積の測定結果は、図6Aにグラフで示されている。明らかに、IL
−11抗体で処置したOVX+抗IL−11Abグループは、未処置OVXグル
ープおよび負の制御OVXNSIgGのIgG処置グループよりも遥かに大きな
海面骨質体積を有した。処置開始の日に犠牲となったSHAMおよびOVXの各
動物からの大腿骨での測定値は、骨体積増加に関して基準線の値になる。OVX
+抗IL−11Abグループの供試動物が、OVX基準線に比べて海面骨質体積
に有意な獲得を示したことが注目されよう。これは海面骨質損失が防止されるの
みならず、IL−11の生物活性の抑制により逆転されたことをも指摘している
【0061】 図6Bは類骨表面測定値の結果を示しており、OVX+抗IL−11Ab動物
が比較グループよりも高い骨形成比率を表している。これはIL−11の生物活
性を抑制することによりOVXマウスにおいて新しい骨の形成を促進し、骨量減
少を逆転させそして骨密度を増加させることができることを証明している。 図6Cは同様に破骨細胞表面測定値の結果を示しており、IL−11抗体で処
置したOVX+抗IL−11Ab動物の場合における顕著な減少を示す。これは
また、OVX+抗IL−11Ab動物が比較グループよりも骨吸収が遥かに少な
いことを指摘しており、さらにIL−11の生物活性の抑制がOVXマウスの骨
吸収を防止し、逆転さえさせることを証明している。
【0062】 実施例3:IL−11誘導の破骨細胞形成を抑制する可溶性インターロイキン−
11レセプターの調製 IL−11レセプターをコードするcDNA(トランスメンブランおよび細胞
質のドメインを除く)をIL−11レセプター特異的プライマーを用いてRT−
PCRによりクローン化し、全てのRNAをヒト骨肉腫細胞系SAOS−2から
単離した。プライマー配列はヒトIL−11レセプターα−鎖のDNA配列をベ
ースとした。前進プライマーはスタートのATGコドンに先立つKozak共通
配列を含有し、一方復帰プライマーは終止コドンに加えて、ヒスチジンタグをコ
ードする塩基を含有する。両プライマーはプラスミドベクターへのその後のクロ
ーニング用の末端制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する。可溶性IL−11レ
セプターをコードするcDNAインサートの真正物(SEQ ID NO:3 に記載のc
DNA)は制限エンドヌクレアーゼ分析により、および修飾されたT7DNAポ
リメラーゼ系(Sequenase, Amersham社製)を用いた二重鎖DNAシークエンス
法により確認される。
【0063】 哺乳類細胞中での安定発現のために、IL−11RcDNAをゲル精製し、次
いでネオマイシン遺伝子をコードしそして高濃度のG418の下での選択を可能
にするpcDNA3.1ベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)に連結させる。
このcDNAを、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター/エ
ンハンサー(これは種々の哺乳類細胞系で高レベル発現を可能にする)の上流に
、そしてウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル(これは有効な転
写産物安定化および終止を可能にする)の下流に挿入する。挿入すべきcDNA
配列は、バンロイベン氏等(Van Leuven et al.)により同定されたIL−11
RcDNA上のヌクレオチド62〜1156に対応するcDNA配列から得、さ
らにこの配列の3′末端に追加の39ヌクレオチドを加えてトロンビン分裂部位
、ヒスチジンタグおよび停止コドンを得た。挿入されたcDNA配列(SEQ ID N
O:3)は図1Bに記載されている。
【0064】 挿入されたIL−11RcDNAの正確な配向は制限エンドヌクレアーゼ分析
およびDNA配列分析により確認される。ネオマイシン含有培地中で選択してか
ら約10〜12日後に薬物耐性コロニーを単離し、最大分泌クローンをローラー
ボトル中に植え付け、その培地を2〜3日毎に集める。集めた培地から可溶性I
L−11RをNi2+−IDAカラムを用いて精製し、次いでEDTAで溶出した
。ヒスチジンタグとIL−11レセプターの両方に対する抗体を用いてELIS
Aにより抗原レベルを測定する。
【0065】 sIL−11Rがgp130と会合しないことを確かめるために、位置指定変
異誘発を用いて、gp130結合を仲介するがIL−11結合に影響を及ぼさな
い、IL−11レセプター中のアミノ酸を修飾する。具体的には、その方法は独
立してまたは組み合わせでD282をGに、A283をDに、G286をDに、
H289をYに、そしてV291をLに変異させる。IL−11Rの関連部分お
よび好ましい変異は図2に示されている。位置指定変異誘発は、以前に記述(Au
stin, Richard C. et al., “FEBS Letters", Vol.280, No.2, 254:258(1991年
3月), Federation of European Biochemical Societies)されたようにして、
McMaster大学の分子生物学および生物工学研究中央施設で合成された変
異体オリゴデオキシヌクレオチドプライマーを用いて実施する。BHK細胞中で
の発現の前に、生成するsIL−11R変異体cDNAをpcDNA3.1に挿
入し、次いで全てのsIL−11R変異体cDNAの配列を前述のシークエンス
法により確認する。
【0066】 実施例4:試験管内でのIL−11誘導の破骨細胞形成に及ぼすsIL−11R
アンタゴニストの効果の測定 マウス骨髄と頭蓋冠細胞との共培養中の破骨細胞発生に及ぼすIL−11の効
果を標準技法を用いて調べた。簡単には、マウスから大腿骨を取り除き、軟組織
を切開し次いでその大腿骨の遠位端および近辺端を取り除くことによって骨髄培
養を作製した。次いでその骨髄を25ゲージ針を用いて5mlのαMEMおよび1
.0%のペニシリン−ストレプトマイシンでフラッシュした。次にその骨髄細胞
を、プラスチックに付着する細胞を除去するために(木炭処理した)15%胎児
ウシ血清を含有するαMEM中に懸濁して、1ml当たり5000000個の細胞
の濃度を得た。次いで非付着細胞をさらに9日間マウス頭蓋冠細胞とともに共培
養し、次いで固定し、TRAPアーゼ活性のために染色した(染料はSigma Chem
ical社、 St.Louis, MOから得た)。TRAP+MNCは平滑な皮質骨切片中に吸
収小窩を形成する能力を有し、そしてそれ故に破骨細胞源であると考えられてい
る。
【0067】 (i) TRAP+細胞形成のIL−11投与量依存性 マウス骨髄と頭蓋冠細胞の共培養での破骨細胞発生に及ぼすIL−11の効果
を、これらの培養を種々の特定濃度のIL−11の存在下で9日間維持すること
により調べた。培養の9日後に細胞をTRAPアーゼ活性のために染色し、多核
性TRAP+細胞の数を測定した。この実験の結果は表1に示されている。デー
タは平均+/−SEMとして表されている。
【0068】 (ii) IL−11誘導の破骨細胞形成における変異体IL−11レセプターの影
響 IL−11誘導の破骨細胞形成におけるgp130結合領域変異体IL−11
Rの効果を評価するために、前記(i)に記載の方法を20ng/mlのIL−11
および10ng/ml、100ng/mlまたは1000ng/mlの(A)実施例3に記載
のH289→Y289変異体の溶解したIL−11レセプターまたは(B)対応
する溶解した天然のIL−11レセプターのいずれかを用いて繰り返した。図7
Aおよび7Bに示されたこの実験の結果は、変異体IL−11レセプターはIL
−11誘導の破骨細胞形成を抑制することができるが、一方天然のIL−11レ
セプターはできないことを証明している。
【0069】 実施例5:試験管内でのIL−11誘導の破骨細胞形成に及ぼすペプチドIL−
11Rアンタゴニストの効果の測定 外因性抗体または他の大きなタンパク質を加えずに、IL−11とIL−11
Rとの相互作用を選択的に抑制する手段を有することは望ましい。意外なことに
、IL−11とIL−11Rとの相互作用を抑制することができる短いペプチド
配列を作製できることが確定した。アミノ酸配列 ArgArgLeuArgAlaSerTrpThrTyr
ProAlaSerTrpProCysGlnProHisPheLeu を有するペプチド(“ペプチド1”,SEQ
ID NO:1)を合成したが、それはIL−11を結合するようであるIL−11レ
セプター中のある領域に相同である。
【0070】 ペプチド1がIL−11誘導のMNC形成を抑制できるかどうかを測定するた
めに、gp130結合領域変異体IL−11レセプタータンパク質の代わりにペ
プチド1を用い、そして溶解した天然のIL−11レセプターの代わりに重複ペ
プチド(“ペプチド2”,SEQ ID NO:2)を用いて実験4の方法を繰り返した。
ペプチド2はアミノ酸配列 ThrTyrProAlaSerTrpProCysGlnProHisPheLeuLeuLysPh
eArgLeuGlnTyr(SEQ ID NO:2)を有し、天然のIL−11レセプター中に生ず
るアミノ酸配列の一部分を表し、そしてペプチド1の配列と部分的に重複してい
る。ペプチド2は、ペプチド1に含有されるN−末端 ArgArgLeuArgAlaSerTrp
配列(SEQ ID NO:5)を欠如している。これらのペプチドの配列は図4に示され
ている。
【0071】 ペプチド1はIL−11誘導の破骨細胞形成を抑制し、一方ペプチド2は抑制
しない。ペプチド1に関するこの実験の結果は図8に示されている。これは Arg
ArgLeuArgAlaSerTrp からなるペプチド配列がIL−11と相互作用し、破骨細
胞形成の活性化を仲介するIL−11に対するアンタゴニストとして作用するこ
とができることを指摘している。破骨細胞形成を抑制することができるぺプチド
1および特にペプチド配列 ArgArgLeuArgAlaSerTrp の能力は、このペプチドが
IL−11と相互作用していることを指摘している。すなわち、ペプチド1はI
L−11結合ペプチドの一例である。
【0072】 実施例6:試験管内での骨小結節形成を抑制できるIL−11の能力に及ぼすI
L−11アンタゴニストの効果の測定 本発明のIL−11アンタゴニストが骨小結節形成を抑制することができるか
どうか、そして特に、これらのアンタゴニストが骨小結節形成に対するIL−1
1の抑制効果を減少させることができるかどうかを確定することが望まれた。 骨小結節形成を標準技法を用いて測定した。簡単には、頭蓋冠細胞を以下のよ
うにして作製した。頭蓋冠細胞を2日令胎児マウス頭蓋冠からコラゲナーゼ消化
により獲得した。次いでこれらの細胞を0.5mMのアスコルビン酸および10
mMのβ−グリセロホスフェートの存在下で21日間培養した。下記の実験記述
で指摘されている場合には、実験4のIL−11および変異体IL−11レセプ
ターを初日およびその後3〜4日毎に培養に加え、その後分析のために培地を除
去した。骨小結節形成は、アリザリンレッド染色の小結節を光学顕微鏡下で数え
ることによりその量を測定した。
【0073】 マウス頭蓋冠細胞培養に単独で加えられた外因性IL−11は図5に示されて
いるように骨小結節形成を抑制することができる。実験4に記載されそして実験
3の方法により調製された型のgp130結合領域変異体溶解のIL−11レセ
プターの、20ng/mlの外因性IL−11の存在下での骨小結節形成に関する効
果を評価した。それらの結果は図9に示されている。これらの結果は極めて低レ
ベルの変異体を溶解したIL−11レセプターは、外因性IL−11の効果を後
退させることができるということを指摘している。さらに、この実験で使用した
変異体レセプター10ng/mlの添加は、外因性IL−11の存在しない場合に観
察されたレベルに比べて骨小結節形成を促進することができた。すなわち、変異
体IL−11RのようなIL−11アンタゴニストは骨小結節形成を促進するこ
とができる。
【0074】 実施例7:試験管内での骨小結節形成を抑制できるIL−11の能力に及ぼすI
L−11アンタゴニストペプチドの効果の測定 実施例5で用いたようなIL−11アンタゴニストペプチドを使用して、実施
例6に報告されたのと同様の方法で骨小結節形成を調節することができるかどう
かを確定することが望まれた。これを成就するために、溶解した変異体IL−1
1レセプターの代わりにペプチド1を置き換えて、実施例6の方法を繰り返した
。この実験の結果は図10に示されている。ペプチド1は極めて低い濃度で20
ng/mlの外因性IL−11の抑制効果を減少させることができた。50ng/mlの
濃度においてペプチド1は、対照試料に見られる以上に骨小結節形成を可能にし
た。ペプチド2はIL−11による小結節形成の抑制を減少させることはできな
かった。すなわち、ペプチド1(SEQ ID NO:1)および特にそのペプチド配列 A
rgArgLeuArgAlaSerTrp(SEQ ID NO:5)は骨小結節形成を促進することができる
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 天然のIL−11レセプターを表す略図であり、その種々の領域およびIL−
11とgp130と相互作用する結合領域を示す。
【図1B】 SEQ ID NO. 3に記載され、実施例3で用いたcDNA配列を表わす。
【図2】 天然のIL−11Rのgp130結合領域の詳細な配列であり、特に好ましい
突然変異部位および本発明の変異体の産生を示す。広範囲にわたり変異した部位
はSEQ ID NO. 4に開示される。
【図3】 IL−11レセプターのペプチド配列の部分を表し、IL−11と相互作用す
る領域を太字で示す。
【図4】 実施例5にて用いたペプチド1(SEQ ID NO. 1)およびペプチド2(SEQ ID N
O. 2)の配列を表し、実験において観察された活性を示す。
【図5】 実施例1にて得られた結果のグラフである。
【図6A】 実施例2にて得られた結果のグラフである。
【図6B】 実施例2にて得られた結果のグラフである。
【図6C】 実施例2にて得られた結果のグラフである。
【図7A】 実施例4にて得られた結果のグラフである。
【図7B】 実施例4にて得られた結果のグラフである。
【図8】 実施例5にて得られた結果のグラフである。
【図9】 実施例6にて得られた結果のグラフである。
【図10】 実施例7にて得られた結果のグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月19日(2000.6.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 マウス頭蓋冠と骨髄細胞の共培養を用いると、IL−11がインビトロにおけ
る破骨細胞形成の潜在的な刺激薬であることが示された。さらに、マウス頭蓋冠
(主に骨芽細胞)を250μM アスコルビン酸および10mM β−グリセロ
ールホスフェートの存在下で培養する(骨小結節形成アッセイ)場合には、IL
−11が骨形成を阻害することが示された。故に、IL−11を標的とすること
により、破骨細胞形成の過程、故に病理学的な骨の欠乏を阻害することができな
いが、骨形成の過程を刺激することにより既に失われた骨を修復することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/10 A61P 43/00 111 43/00 111 C07K 1/22 C07K 1/22 14/54 ZNA 14/54 ZNA G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/68 33/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 リチャード・カール・オースティン カナダ国オンタリオ・エル9ジー・2ケイ 5.アンカスター.ローズマリーレーン68 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BA14 BB20 BB24 BB51 CB01 CB13 DA13 DA36 FA16 GC22 4C084 AA02 AA17 BA03 CA53 DA12 NA14 ZA962 ZA972 ZC022 4C085 AA13 AA14 BB17 CC03 CC05 DD23 EE01 4C086 AA01 AA02 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA96 ZA97 ZC02 4H045 AA10 AA20 AA30 BA13 BA14 BA17 CA40 DA02 DA51 EA20 FA72 FA74

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨密度が減少する病的状態にある哺乳類患者においてIL−
    11、IL−11Rおよびgp130の三次複合体の形成を抑制することからな
    る、その症状の治療または軽減方法。
  2. 【請求項2】 IL−11、IL−11Rおよびgp130の三次複合体の
    形成を生体内において抑制する物質の有効量を患者に投与することからなる、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 病的状態が閉経後の骨量減少である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 物質が変異体IL−11Rである請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 物質がgp130結合領域内に少なくとも1個の変異を有す
    る変異体IL−11Rである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 物質が少なくとも1個の以下の変異:D282→G282、
    A283→D283、G286→D286、H289→Y289およびV291
    →L291を有する変異体IL−11Rである請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 物質が変異、H289→Y289を有する変異体IL−11
    Rである請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 物質が可溶性変異体IL−11Rである請求項4〜7のいず
    れか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 変異体IL−11RがヒトIL−11Rである請求項8記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 物質が抗IL−11抗体である請求項2記載の方法。
  11. 【請求項11】 物質がIL−11結合ペプチドである請求項2記載の方法
  12. 【請求項12】 物質がIL−11Rによって正常に結合される領域内で1
    L−11を特異的に結合するアミノ酸配列を有する1L−11結合ペプチドであ
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 物質が、配列ArgArgLeuArgAlaSerTr
    pからなるペプチドである請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 物質が小分子である請求項2記載の方法。
  15. 【請求項15】 物質がIL−11アンタゴニストである請求項2記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 物質がIL−11R結合ペプチドである請求項2記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 物質がIL−11とIL−11Rとの相互作用を抑制する
    抗IL−11R抗体である請求項2記載の方法。
  18. 【請求項18】 物質がIL−11Rとgp130との相互作用を抑制する
    抗IL−11R抗体である請求項2記載の方法。
  19. 【請求項19】 IL−11、IL−11Rおよびgp130の三次複合体
    の形成を抑制する転写可能な遺伝物質の有効量を患者に投与することからなる請
    求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 転写可能な遺伝物質がIL−11/IL−11R/gp1
    30の三次複合体の形成に必要な成分の翻訳を抑制することができるRNA配列
    をコードする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 転写可能な遺伝物質がIL−11mRNAに相補的なRN
    A配列をコードするDNAからなる請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 転写可能な遺伝物質がIL−11RmRNAに相補的なR
    NA配列をコードするDNAからなる請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】 転写可能な遺伝物質がgp130mRNAに相補的なRN
    A配列をコードするDNAからなる請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】 転写可能な遺伝物質がIL−11/IL−11R/gp1
    30の三次複合体の形成を抑制することができるアミノ酸配列をコードするDN
    Aからなる請求項19記載の方法。
  25. 【請求項25】 転写可能な遺伝物質がgp130への結合を抑制するよう
    に変異されたIL−11Rをコードする請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 転写可能な遺伝物質がIL−11結合ペプチドをコードす
    る請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 転写可能な遺伝物質の転写レベルが誘導化合物の濃度に依
    存する請求項19〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 【請求項28】 患者がヒトである請求項1〜27のいずれか一項に記載の
    方法。
  29. 【請求項29】 変異体IL−11Rからなる組成物。
  30. 【請求項30】 変異体IL−11Rが少なくとも1個の以下の変異:D2
    82→G282、A283→D283、G286→D286、H289→Y28
    9およびV291→L291を有する請求項29記載の組成物。
  31. 【請求項31】 変異体IL−11RがH289→Y289の変異を有する
    請求項30記載の組成物。
  32. 【請求項32】 変異体IL−11Rが可溶性である請求項29、30また
    は31に記載の組成物。
  33. 【請求項33】 変異体IL−11RがヒトIL−11Rである請求項29
    〜32のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 【請求項34】 IL−11結合ペプチドからなる組成物。
  35. 【請求項35】 IL−11結合ペプチドが、配列ArgArgLeuAr
    gAlaSerTrpからなる請求項34記載の組成物。
  36. 【請求項36】 IL−11結合ペプチドが、配列ArgArgLeuHi
    sAlaSerTrpからなる請求項34記載の組成物。
  37. 【請求項37】 IL−11結合ペプチドが、配列ArgArgLeuXA
    laSerTrpからなり、そしてXが塩基性アミノ酸である請求項34記載の
    組成物。
  38. 【請求項38】 IL−11結合ペプチドが、配列SerIleLeuAr
    gProAspProProGlnGlyLeuArgValGluSerVa
    lProGlyTyrProからなる請求項34記載の組成物。
  39. 【請求項39】 IL−11結合ペプチドが、配列SerIleLeuAr
    gProAspProProGlnGlyLeuArgValGluSerVa
    lProSerTyrProからなる請求項34記載の組成物。
  40. 【請求項40】 IL−11の精製における請求項34〜39のいずれか一
    項に記載のペプチドの使用。
  41. 【請求項41】 溶液からIL−11が涸渇した請求項34〜39のいずれ
    か一項に記載のペプチドの使用。
  42. 【請求項42】 適切な基質に適当に固定された請求項34〜39のいずれ
    か一項に記載のペプチドからなるIL−11の選択的結合のための組成物。
  43. 【請求項43】 IL−11R結合ペプチドからなる組成物。
  44. 【請求項44】 IL−11Rを特異的に結合しそしてIL−11とIL−
    11Rとの間の相互作用を遮断する抗体からなる、IL−11/IL−11Rの
    相互作用を抑制するのに有用な組成物。
  45. 【請求項45】 IL−11Rを特異的に結合しそしてgp130とIL−
    11Rとの間の相互作用を遮断する抗体からなる、IL−11R上のgp130
    結合部位を介してのIL−11R/gp130の相互作用を抑制するのに有用な
    組成物。
  46. 【請求項46】 IL−11アンタゴニストの同定におけるTRAPアッセ
    イの使用。
  47. 【請求項47】 IL−11アンタゴニストの同定における骨髄形成アッセ
    イの使用。
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