JP2002515410A - 広域スペクトルの殺菌用及び殺精子用の組成物、装置、及び方法 - Google Patents

広域スペクトルの殺菌用及び殺精子用の組成物、装置、及び方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明の活性成分としてのドデシル硫酸ナトリウムまたは関連する陰イオン性界面活性剤を含み、妊娠及び性的伝染性疾患、即ちヒトパピローマウイルスのような非エンベロープウイルスによって引き起こされる症状を含む疾患をコントロールする殺菌用及び殺精子用の装置、方法、及び組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1998年5月19日に提出された、米国特許出願第09/081,199号の一部
継続出願である。
【0002】 米国政府の権利 米国政府は、アレルギー及び感染症に関する国立機関、NIH承認ナンバー5 P01 AI 37829-03による承認の下で本発明に関連したある研究を支持した結果である
、本明細書に記載され、かつ特許請求範囲に規定される本発明において一定の権
利を有する。
【0003】 発明の分野 本発明は、広域スペクトルの殺菌作用及び殺精子作用、即ちヒトパピローマウ
イルス及び他の非エンベロープウイルスのようなとりわけ抵抗性の高い病原体を
不活化する能力などを持つ組成物を用いての妊娠の阻止、並びに性的伝染性疾患
及び他の疾患の抑制及びコントロールに関する。
【0004】 発明の背景 性的伝染性疾患(STD)は最も流行していて伝染可能な疾患に含まれ、重要な
公衆衛生問題となり続けている。世界中で250×100万人以上、アメリカ合衆国で
は3百万人近くの人が毎年淋病に感染していると見積られている。梅毒の毎年の
世界での発病率は50×100万人、アメリカ合衆国で治療を必要としている人は一
年間に400,000人と推定されている。更に最近では、致命的運命を獲得する免疫
不全症候群(AIDS)を引き起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)が同性愛者と異
性愛者の両方のグループで急速に広まってきた。世界保険機構(WHO)及び国立
衛生研究所(NIH)は、母乳にHIVを感染させる高いリスクがあるため、HIV陽性
の母親は赤ちゃんに授乳しないことを推奨している。しかしながら、内因性のHI
Vが高い地域は食料備蓄が少なく、食物や水の清潔度が低いことも多いため、授
乳に失敗すると幼児の栄養不良、下痢、赤痢様下痢、さらに他の感染性疾患を引
き起こすことがよくある。
【0005】 また現在では、子宮頚癌とパピローマウイルス類(PV)との間に強い相関関係
が見出されている。世界中で約25%の婦人がヒトパピローマウイルス(HPV)に
生殖器感染していると推定されている。ヒトパピローマウイルス類(HPV)は、
既知の90タイプよりも現在では多く、外陰部、膣、子宮頚部及び陰茎の上皮にお
ける生殖器のいぼだけでなく、手(尋常性疣贅)や足(足底のいぼ)のよくある
いぼなどのさまざまな箇所のヒト上皮の対象部分で乳頭症(いぼ)を生じさせる
。生殖器のいぼは、いたるところにあるSTDを顕在化する。ある種のHPTタイプ、
即ち16、18、31、33及び35型などのタイプを含む生殖器の障害を患っている女性
は子宮頚部の癌に進行するリスクが高まっている。アメリカ合衆国では毎年15,0
00人の女性が子宮頚部癌にかかっていると診断されていて、約5000人が毎年死亡
している。開発途上国では子宮頚部癌は、女性の癌による死のトップ原因である
【0006】 PVには、抗ウイルス薬を確認しようとする研究者たちにとって特有の難題が存
在する。PVは抗菌薬による攻撃に対して本質的に、極めて高い抵抗性を示す。さ
らにPVは、多くの非エンベロープウイルスが存在するのと同じ態様では自然界に
存在しない。むしろPVは、分化した上皮細胞の鱗片で覆われている。したがって
PVは、それ自身がキャプシッドを通過することが非常に困難であることによって
保護されているだけでなく、重厚にケラチン化されかつクロス-リンクして上皮
細胞の鱗片が取り囲まれていることによって保護されている。
【0007】 STDを一般的に抑制するための一手法は、関連する病原体を不活性化して女性
をコントロールする抗菌薬を局所的に投与して用いることである。最もよく用い
られるこれらの抗菌薬は、HSV-2及びHIV-1のようなエンベロープウイルスを不活
性化するNONOXYL-9(N-9)洗浄剤を含む殺精子用調製剤である。しかしながら現
在のところこれらの調製剤は、HPVsのようなエンベロープを持たないウイルスに
対しては効果的でない。
【0008】 HPVを不活性化する能力がないため、N-9によるこのSTDに対する抗ウイルス作
用は不十分である。さらに最近では、N-9を慢性的に使用することが売春婦の間
でHIV-1抗体が陽性となる血清変換の増加に関連していて、N-9が膣の上皮をむし
ばむ可能性を大きくしていた。またN-9を頻繁に使用することは、細菌性膣炎、
生殖器の潰瘍及び外陰炎、膣のカンジダ症、毒性のショック症候群、及び子宮頚
部及び膣の上皮破壊と決定的に相互関連する。しかしながらこの洗浄剤は殺精子
作用があり、エンベロープウイルスを不活性化することがわかっている。それは
大量のコンドームや他の殺精子剤に存在している。
【0009】 また例えばオクトキシノール-9(O-9)、ベンザルコニウムクロライド(BZK)
及びクロルヘキシジンのような他の殺菌剤も、界面活性剤/洗浄剤の特徴により
HSV-2及びHIV-1のエンベロープを破壊できる界面活性剤である。しかしながらN-
9のようにこれらの殺菌剤もエンベロープを持たないPVは不活性化しない。PVを
不活性化して動物またはヒトの感染を阻止するための局所的殺菌剤は現在では入
手できず、それはHPV感染症のあちこちに出現する既知の特徴に対して非常に望
まれる。
【0010】 米国特許第5,004,757号では、グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)を含む
3つの部分から成る組成物を提供することによって、表面のウイルスを不活性に
する方法に目が向けられている。またその組成物には、アルデヒドの臭いを消滅
させるための水素結合したグリコール分子や、グルタルアルデヒド成分の抗ウイ
ルス作用の強化剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のような陰イオン性界
面活性剤が含まれている。患者は、SDSがそれ自体では抗ウイルス作用に限界が
あるが、グルタルアルデヒドと組み合わせた場合に共同作用をすることを示す。
グルタルアルデヒド、即ちよく知られた突然変異誘発要因が存在するため、それ
はヒトの上皮に適用できないことによりSTDや他の疾患に対する配合剤には用い
られない。
【0011】 非エンベロープウイルス、特にパピローマウイルスにまで殺菌作用を広げたST
Dsに対する安全で効果的な殺菌剤が必要とされている。
【0012】 発明の概要 本発明は、STDをコントロールして阻止する安全で効果的な膣用組成物などの
、妊娠及び伝染を抑制する薬学的組成物、物品及び方法を提供する。本発明の殺
菌用組成物には、精子を不活性化できるとともにHPVや他のエンベロープを持た
ないウイルスなどの病原性微生物の広域スペクトルを可能にする活性成分として
、例えばSDS、ドデシル硫酸リチウム、ラウリン酸またはその塩のようなアルキ
ルサルフェートが含まれる。
【0013】 さらに本発明は、例えばヒト及び動物の母乳、血清及び血漿などの生体液に含
まれる、HPV、ヒトパピローマウイルス、ヒトピコルナウイルス(ヘルペスAウイ
ルス)、及びヒトパピロウイルス、B-19のような非エンベロープウイルスと同様
に、遊離のHIVや細胞-関連のHIVなどの感染性の作用因を不活性化する物品及び
方法を提供する。これらの物品及び方法は、SDSまたはSDS誘導体を処理されるべ
き生体液と接触する表面またはゲル状マトリックスに付着させることによって、
または界面活性剤で処理した後で生体液からSDSまたはSDS誘導体のすばやい界面
活性剤除去を行うことによってなされる。特に好ましい態様では、界面活性剤を
付着させた表面は赤ちゃんの哺乳瓶の中に入っている。
【0014】 また本発明は、粘膜や皮膚の細菌感染またはウイルス感染が関与する種々の医
学的症状を予防的に阻止したり治療したりする、アルキルサルフェート局所用薬
学的組成物も提供する。
【0015】 また本発明は、殺精子効果と殺菌効果を組み合わせたアルキルサルフェート化
合物で被覆されたり含浸されたりした殺精子用バリアだけでなく、医療用器具、
シャワー用区画、浴室の据え付け備品、運動器具及び他の無生命の表面で病原性
の微生物を破滅するための殺菌用組成物も提供する。
【0016】 SDSがエンベロープウイルスに対する限られた活性を持っていることはここ数
年の間に判明し、またそれは石鹸、化粧品及びシャンプーや歯磨きなどの他のさ
まざまな局所的な応用品用の界面活性剤として利用されてきたが、PVをコントロ
ールするための利用法、即ち他の局所的な抗菌剤としての利用法についての報告
がなかったことに注目すると興味深く、驚くべきことである。そのような利用法
ができることが本当であるならば、それは意図されていなかったし、真価も認め
られておらず、即ち認識されていない偶然であった。SDSについて報告された研
究または利用法のどれも、パピローマウイルスの感染症をコントロールする意図
で誘導されていなかった。それらの目的は界面活性剤/洗浄剤としては滅多にな
く、またグルタルアルデヒドの抗菌活性の促進剤として最良である。実際に、以
下に記載したような抗ウイルス作用をしっかりと達成できたと考えてもよいよう
な局所的な適用法についてのSDSの以前の利用法は知られていなかった。
【0017】 好ましい態様の詳細な説明 本発明者らは、SDS及び関連する陰イオン性界面活性剤が、HSV-2及びHIV-1に
対するだけでなく、パピローマウイルスなどの非エンベロープウイルスに対する
抗ウイルス作用を含む、強い殺精子作用及び抗ウイルス作用を持っていることを
見出した。本明細書で用いられる場合、「SDSまたは関連する陰イオン性界面活
性剤」は、ドデシル硫酸ナトリウムと抗ウイルス性のアルキルサルフェート群の
他の化合物を意味し、それにはドデシル硫酸ナトリウム、ラウリン酸及びその塩
またはそれらの他の誘導体が含まれるがこれらに限定するわけではない。
【0018】 本出願の発明者らによって誘導された実験では、生理的な温度でSDSにわずか
に接触させた後で3つの別個のタイプのパピローマウイルスを不活性化するだけ
でなく、洗浄剤/界面活性剤SDSは非常に低濃度で完全にHSV-2及びHIV-1を不活
性化する。全ての場合において、0.1%の濃度のSDSで上記の完全なウイルス不活
性化を示すに十分である。関連する陰イオン性界面活性剤及び誘導体も、有意な
抗ウイルス活性を示した。
【0019】 本明細書で用いられているように、「抗ウイルス」とはウイルスを不活性化し
たり破滅したりする能力を意味する。影響されやすいウイルスとは、SDSまたは
関連する陰イオン性界面活性剤によって不活性化したり破壊したりされるウイル
スである。この影響をうけやすいウイルスは下記に記載したようなテストで容易
に確認することができ、その際、ウイルスの力価が少なくとも99.9%(3logユニ
ット)減少する場合、SDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤の量または濃度
が抗ウイルス性であると考えられる。
【0020】 本発明はインビトロ及びインビボの両方で行うことができる。インビトロとは
、生きていないものの内部または上部におけること、特にウイルスの伝染を抑制
することが望まれる配設されたり用いられたりする硬質または柔軟な表面を持つ
ものの表面におけることを意味する。硬質表面には、赤ちゃん用の瓶類、医療用
の器具、バッグ、カテーテル、チューブ及び他の内在する医療用装置の表面が含
まれる。このような表面にはまた、建物の内装、家具、浴室の区画、ジムの機器
及び例えば家畜を囲っておくための外構フェンスも含まれる。柔軟な表面には、
紙や布の表面、例えば予め湿気を与えたパッドやティッシュ、乾燥した顔用ティ
ッシュ、病院の衣服、及びベッド用の布が含まれる。インビボとは、生きている
ヒト、植物または動物の内部や表面におけること、特に哺乳動物の皮膚や粘膜、
即ち膣内、口腔内または直腸内などにおけることを意味している。
【0021】 SDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤は、単独で用いてもよいし、あるい
は抗ウイルス効果のある濃度のSDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤と薬学
的に許容される担体とを含むか実質的にそれらからなる組成物の形態で用いても
よい。抗ウイルス作用は、ウイルスと接触するようにその組成物を引き入れたと
きまたは逆にしたときに達成でき、その際わかっているか可能性のあるウイルス
の遺伝子座と接触が起こる。SDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤が抗ウイ
ルス性の作用を示す濃度は一般に、約0.05〜約5.0重量%の範囲内であり、それ
以上の濃度やそれ以下の濃度を特定の環境に応じて変えて用いてもよい。
【0022】 本発明の組成物は、インビトロの目的及びインビボの目的の両方での局所的な
抗ウイルス剤の使用法、特に膣内で使用するための使用法が含まれる。これらの
目的のため、SDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤は適当な賦形剤、即ち界
面活性剤と賦形剤が互いに相互作用しないように、言い替えると界面活性剤の殺
菌作用が賦形剤によって減じられないように用いられた賦形剤と配合してもよい
。したがってこの組成物は、クリーム、フォーム、ローション、軟膏、溶液また
はスプレーの形態にできる。担体または賦形剤の希釈剤は水性であっても非水性
であってもよく、例えばアルコール性もしくは油性、またはそれらの混合であり
、さらに追加して他の界面活性剤、皮膚軟化剤、潤滑剤、安定化剤、色素、香料
、活性成分としてか保存剤としての抗菌剤、及びpHの調節用の酸または塩基を含
んでいてもよい。好ましいpHは約4〜5である。従来の方法をこの組成物を調製す
る際に用いる。
【0023】 本発明の組成物、物品及び方法にとって好ましい殺菌剤と殺精子剤は、SDSで
ある。局所的に組成物を適用する際の薬学的に許容される担体または賦形剤は、
液体状、ゼリー状、または界面活性剤を含む泡状の形態であると好ましい。界面
活性剤は(a)軟膏及びゼリー、(b)挿入物(坐薬、吸収物など)、(c)フォ
ーム、及び(d)潅注に入れることができる。
【0024】 この局所用組成物は、細菌、エンベロープウイルス、及び非エンベロープウイ
ルスによって引き起こされる種々の医学的症状を抑制したり治療したりするため
に、ヒトまたは他の動物の皮膚または粘膜に予防的または治療的に適用するとよ
い。これらの症状には例示すると、ヘルペスウイルスによって引き起こされる病
変、アポトーシス性の潰瘍、座瘡、足底及び皮膚のいぼ、呼吸器の乳頭症、ヘル
パンギーナ、ヘルペス性の食道炎、軟属腫伝染病、毛状白斑症、及び口腔内また
は生殖器のカンジダ感染症が含まれる。
【0025】 この局所用組成物は、性的交渉のだいたいの時間、好ましくはその前に女性の
膣に挿入することが好ましいが、他の粘膜に投与してもよい。この組成物は、性
的伝染性疾患を治療したり、保護したりするために用いることができる。投与の
方式は、本発明の界面活性剤組成物を性的伝染性の細菌と直接接触できるように
設計すると好ましいであろう。
【0026】 局所的に応用するためには、薬学的に許容される担体はさらに、有機溶媒、乳
化剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、安定化剤、他の界面活性剤、湿潤剤、保存剤、遅
延放出剤、並びに少量の希釈剤、沈澱防止剤、染料、香料、及び局所投与のため
の薬学的組成物で一般的に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
【0027】 局所投与用の固体状の投与形態には、坐剤、粉末剤、及び顆粒剤が含まれる。
固体状の投与形態では、組成物は少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えばショ
糖、乳糖、またはデンプンと混合するとよく、またさらに追加して、潤滑剤、緩
衝剤、及び当業者に周知の他の成分を含んでいるとよい。
【0028】 また本発明の組成物は、たとえばスポンジのような吸収性の基剤物質に含浸さ
せたり、あるいは固体状の基体材料である例えばコンドーム、ペッサリーまたは
医療用の手袋の表面に被覆したりして、好ましくは性的交渉の前または最中に膣
や他の感染の可能性のある上皮にその組成物を供給するとよい。他の物品及びこ
のタイプの供給システムは当業者には容易に明らかであると思われる。現時点で
好ましい物品にはコンドームがあるが、このコンドームは、コンドームの表面に
SDSをスプレーすることによって、あるいは当技術分野で既知の方法によって製
造する過程でコンドームにSDSを含浸させることによって被覆できる。好ましい
被覆用組成物には、潤滑性を提供するとともに、適時に放出させる態様で界面活
性剤を放出させるシリコンが含まれる。生体接着性のポリマーも、特定の局所用
または用いた他の医薬品の放出時間の状況を延長させるために用いることができ
る。
【0029】 本発明の方法及び組成物を用いることによって、病原性の微生物による広域ス
ペクトルの感染を抑制しかつ治療することができる。この明細書で用いられてい
る場合の「病原性の微生物」には、病原性の細菌、真菌、ウイルス、酵母、クラ
ジミア、または宿主で正常に存在しないか、宿主の病状の原因となる可能性のあ
る原生生物であって、この明細書に詳細に記載されているような、SDSまたは関
連する陰イオン性界面活性剤によって死なせることが可能な原生生物が含まれる
と解釈される。
【0030】 本発明の組成物及び方法による標的となる好ましい病原性の微生物には、パピ
ローマウイルス(PV)があり、それはエンベロープを持たない、二十面体のDNA
ウイルスのグループを象徴する。PVsは癌に進行する可能性のある良性の新生物
を誘導する。動物の乳頭腫は非常にたくさんの種で発生し、例えばウシパピロー
マウイルス(BPV)及びコットンテイルウサギのパピローマウイルス(CRPV)の
ようなある種のウイルスは、十分に研究されたモデル系を示す。HPVは上皮の標
的組織にいぼを生じさせる。尋常性疣贅、足底のいぼ、及び膣のコンジロームは
すべて、ヒトにおける臨床的には共通の感染症の現れである。本発明の組成物及
び方法は、これらのヒト感染症を抑制したりコントロールしたりする場合や、ま
た未治療で放置すると悪性腫瘍に進行する可能性のあるHPVを含む生殖器の病巣
を抑制したりコントロールしたりする場合に利用できる。
【0031】 子宮頚癌は開発途上国の女性において癌が関与する死亡率の第1原因であるた
め、HPV感染を効果的に抑制することは世界の健康に対して重要な影響力を持っ
ている。したがって本発明の好ましい方法は、性的行為の際に膣や他の粘膜に伝
染するHPVと本発明の抗ウイルス性組成物を接触させる工程を含む。接触の好ま
しい態様は、HPVの伝染及び感染をコントロールしたり抑制したりするのに十分
な量のSDSを用いてコンドームを被覆したり含浸したりして使用することによる
か、あるいはそのような量のSDSを含む局所用薬学的組成物を使用することによ
る。本発明のコンドームと他の物品と組成物の活性成分が持つ殺精子作用は、妊
娠抑制が望まれる場合に追加の恩恵を提供する。
【0032】 さらに本発明のSDS及び関連する陰イオン性界面活性剤を含む組成物及び方法
は、例えば床、医療用器具、浴室の表面、及びジムの装置のような表面上にある
、エンベロープを持たないウイルスやエンベープを持つウイルスで、動物及びヒ
トのウイルスを効果的に不活性化できる殺菌剤として広く利用できる。SDSまた
は関連する陰イオン性界面活性剤を含む殺菌性の組成物はスプレータイプの分配
器に入れ、処理すべき表面に直接スプレーできると好ましい。このような使用法
の一例は、公衆の休憩所やジムの装置を用いた他の人に由来して存在する病原菌
を死なせる目的で、次の人のためにそれらの設備の表面に組成物をスプレーする
ことである。この殺菌剤組成物は好ましくは、燐酸緩衝塩のような希釈剤を用い
た溶液または懸濁液中にSDSが、約0.05〜1.0重量%のSDS濃度で含まれる。
【0033】 本発明の特に好ましい態様は、固体表面(プラスチックの表面、または類似の
材料の表面、または例えばゲルや濾過装置のマトリックスの形態にできるビーズ
の表面のいずれか)に固定化してSDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤が含
まれることに関連がある。この態様には例えば、生体液を入れる容器やチューブ
、赤ちゃん用瓶の表面、赤ちゃん用瓶に用いるプラスチック製の哺乳用スリーブ
、または赤ちゃん用瓶の乳首組立部もしくは生体液用の他の容器やチューブに組
み入れることのあるフィルターが含まれる。この表面は離れることができないよ
うに共有結合してくっついていると好ましい。この態様は、HIV陽性の母親の母
乳中のHIV及びHIVを含む細胞を不活性化するために用いることができる。
【0034】 図4(a)は哺乳瓶の乳首装置10を示しており、それは通常はシリコンまたはゴ
ムで作られた可撓性乳首部材11と、乳首11の延びた部分が突き出す中心の穴を持
つキャップ12を備えている。乳首部材11には、可撓性乳首部材から放射方向の外
側に広がるフランジ15が形成されている。キャップ12内のフィルターユニット16
は、中にマトリックス材料18を収容するハウジング17を備えている。またフィル
ターユニット16は、可撓性乳首部材11のくぼんだ空洞に短い長さで延びているシ
ョルダー19を形成したシール9を有している。シール9は、キャップ12を取り付け
た場合にフランジ15と哺乳瓶の壁8との間に放射方向に延びる環状のフランジ20
を形成している。キャップ12はネジ山などによって瓶の壁8に取り付けて保持で
きる。
【0035】 マトリックス材料18は、例えばゲル、ビーズまたは他のフィルター材料などの
マトリックス材料に付着させてSDSや関連する陰イオン性界面活性剤を含んでい
るとよく、そこを通って母乳が哺乳瓶の中から赤ちゃんの口に通過する。したが
って母乳に入っている何らかの細胞-フリーのHIVや細胞-関連のHIVは、赤ちゃん
に入る前にその界面活性剤によって不活性化される。そのためHIVまたは他のウ
イルスに感染している母親から出る母乳は、その母親の胸から搾乳して瓶内に入
れられる。まだ温かいうちに処理した母乳を赤ちゃんに与えることができるよう
に、母乳に含まれるHIVまたは細胞-関連のHIVを不活性化するための本発明にか
かる乳首部材とフィルターユニットは、定位置にフィルターユニット16を保持さ
せる瓶のキャップ12、フランジ15及びシール9により瓶に配設される。
【0036】 またマトリックス材料18は、化学的にSDSまたは関連する陰イオン性界面活性
剤を除去するような材料を含んでいてもよい。この態様によると界面活性剤は、
温かい母乳と混合すればよく、その後でその母乳を本発明の乳首ユニットを通過
させて赤ちゃんに飲ませることができる。この方式では、HIVは界面活性剤と混
合することによって不活性化する。そのときその界面活性剤は、授乳中にマトリ
ックスによって除去される。
【0037】 図4(b)及び(c)に示されているように界面活性剤は、プラスチック製の赤
ちゃん用瓶の内側表面21かプラスチック製の哺乳用バッグ23の内側に付着させて
もよい。母乳を母親の胸から搾乳してから界面活性剤を含むその瓶またはバッグ
に入れるとよい。その瓶と母乳は約10分間振ることが好ましく、そしてインキュ
ベートしてから赤ちゃんに飲ませればよい。好ましくは界面活性剤は、母乳に浸
出して出てしまわないように共有結合している。赤ちゃんが界面活性剤を飲んだ
ことで下痢を起こさないように、母乳に混ざってしまった可能性のある界面活性
剤はすばやく界面活性剤を除去できるマトリックス材料を含むフィルターユニッ
ト16によって取り除くことができる。
【0038】 同様に本発明は、母乳以外の広く種類に富んだ生体液に含まれるウイルス及び
他の微生物を不活性化するために適用できる。例えば種々のカテーテル、チュー
ブ及び他の内在させる装置は、SDSもしくは関連する陰イオン性界面活性剤、ま
たはそれに結合した界面活性剤除去剤を持つフィルターユニットと組み合わせる
ことができるし、あるいは界面活性剤をそれらの装置の内側表面に結合させても
よい。したがってSDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤を固体状表面に結合
させたものは、容器、カテーテル、医学上及び薬学上のチューブに入れた生体液
や患者に内在する装置の中に入った生体液が殺菌剤で汚染されるのをなくすため
に用いることができる。またこの明細書で教えられるように、SDSまたは関連す
る陰イオン性界面活性剤を固体表面に結合させたものには、まな板のような調理
の際に用いられるものの表面や、水及び食物の収納容器の表面も含まれる。
【0039】 ドデシル硫酸ナトリウム、即ちCH3(CH210CH2OSO3Na、及びラウリン酸、即
ちCH3(CH210COOHは、関連する陰イオン性界面活性剤と同じく、すべて殺菌作
用を有している。SDSの構造は以下の実施例の方法により作られる。
【0040】
【化1】
【0041】 界面活性剤分子は、この界面活性剤の生物学的作用を妨害しない何らかの適当
な方法によって、フィルターユニットまたは他の基体に共有結合しているとよい
。本発明の好ましい態様においてその界面活性剤分子は、SiO2と界面活性剤の酸
末端との間で、界面活性剤の水酸基または水酸基と等価の基(例えばSDSの硫酸
ナトリウム末端)を介し、酸素結合によってシリカ(SiO2からなる長い鎖)に結
合している。例えばラウリン酸のOHがはずれ、またSiO2の酸素がはずれる。その
際に酸素結合が形成されて、シリケートがラウリン酸のCO末端に結合する。この
方法はシリカマトリックスにいろいろな長さの炭素鎖を結合させるために化学産
業で用いられており、得られた物質は高圧液相クロマトグラフィー用のカラム材
料として利用できる。ガラスも融解したシリケートから構成され、遊離のシリカ
基がその表面で利用可能である。またこのアプローチは、ガラス製の赤ちゃん用
の瓶の表面にアルキル鎖の界面活性剤を結合するために用いることができる。こ
の態様は、何らかの適当な表面に結合させる方法を提供し、例えばビーズにした
マトリックスに結合させる方法が含まれる。
【0042】 第2の好ましい態様におけるSDSまたは関連するアルキルサルフェート洗浄剤は
、プラスチック材料の表面内部、または表面上に導かれる。適当なプラスチック
には、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタンまたはシリコン、そ
して医療用のチューブ、容器、及びカテーテルなどに用いられるその他の一般的
な物質が含まれる。これらの同じ物質を赤ちゃん用の瓶や哺乳瓶のサック、ある
いは血清及び血漿用のバッグに用いることもできる。プラスチックへの界面活性
剤の結合も、その界面活性剤分子(脂肪酸がそのまま残っている)の水酸基、ま
たは水酸基に等価の位置を介して行うことができる。この明細書で教示された当
業者のだれかによって、酸素結合の性質をさまざまなプラスチック物質及び他の
物質に適合させることが可能である。
【0043】 SDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤はまた、プラスチックポリマーを重
合化させる間に導入し、それから実質的な期間、その表面から浸出させ続けても
よい。プラスチック用、例えば赤ちゃんの瓶用に適用するのであれば、溶液(母
乳)に浸出させた後でその界面活性剤を除去することが望ましいと考えられる。
このアプローチでは、含浸させたプラスチックを、界面活性剤を除去するマトリ
ックスと組み合わせて用いることが好ましい。
【0044】 このように固体状表面にSDS及び誘導体を共有結合して付着させることに加え
て本発明は、SDS及び誘導体の迅速な除去を達成する装置及び方法も提供する。
これには、界面活性剤を除去するための何らかの適当な化学的マトリックス上に
、界面活性剤で処理した生体液を通過させる工程が含まれる。このような洗浄剤
を除去するために利用できるいくつかの市販されているマトリックスには、例え
ば、両方ともPierce Chemical Company, 3747 N. Meridian Road, P. O. Box 11
7, Rockford, Illinois 61105より入手できる、抽出ゲルR D 洗浄剤除去用ゲル
(Extracti-Gel R D Detergent Removal Gel)とSDS-OUT SDS沈澱用試薬(SDS-O
UT SDS Precipitation Reagent)、またRoche Molecular Biochemicals, 9115 H
ague Road, P. O. Box 50414, Indianapolis, Indiana 46250-0414より入手でき
る洗浄剤アドーバーゲルポリマービーズ(Detergent Adorber Gel polymer bead
s)が含まれる。
【0045】 血清及び血漿内のエンベロープを持たないウイルスを含む感染源を不活性化す
るための本発明の装置及び方法に関しては、これを実施するための従来の方法は
トリトンX-100を使用しているが、エンベロープを持たないウイルスを不活性化
するためでないと考えられている。血清及び血漿の非常に大量のバッチは、凝血
因子や抗体製剤などを作成しようと力を注いでいる際に製造される。界面活性剤
を処理した後で、洗浄剤を除去するカラム上で濾過することによってトリトンは
除去される。数多くのエンベロープを持たないウイルスが血清中に存在している
という強い証拠がある。これらにはヒトパピローマウイルス、ヒトピコルナウイ
ルス、及びヒトパルボウイルスが含まれるであろう。例えばJCウイルスのような
ヒトパピローマウイルスは人の集団内で広まっていて、たいていの人では潜在的
であるが、AIDSの患者の5〜8%では進行性の多病巣白質脳炎と言われる致命的な
中枢神経系疾患を一律に引き起こす可能性がある。このウイルスはHPVsと同じフ
ァミリーに含まれ、これもSDS及び誘導体によって不活性化される。ヒトパピロ
ーマウイルス、A型肝炎ウイルスは口腔ルートから体内に入り、小腸で複製され
て血液を介して肝臓に広がる。このウイルスは死亡率が1%の急性の肝炎を引き
起こす。ヒトパピローマウイルス、B-19は老境の疾患を引き起こすが、予め処置
を施した人のうち小数が死に至る可能性がある。このウイルスは呼吸器ルートで
体内に入って、口腔咽頭で複製し、それから血液中で大量に発見される。血液プ
ールからこれらの感染源を除去することは最も重要な公衆衛生上の問題である。
【0046】 本発明の組成物、物品及び方法における界面活性剤の用量レベル及び濃度は、
特定の界面活性剤及び投与方法に応じた望ましい治療効果または予防効果を得る
ことができるように、性的に伝染した生体液または他の生体液と接触させる量を
確保すべく変化させるとよい。したがって選択した用量レベルまたは濃度は、感
染の特徴や部位、望まれる治療効果、投与または接触のルート、治療または接触
を行うことが望まれる期間、及びその他のファクターに応じて異なる。一般に好
ましいSDSの濃度及び用量は、約0.05〜2.0重量パーセントの範囲内であろう。好
ましい局所用の膣に用いられる投与形態は、本発明にかかる組成物を0.05〜2.0
重量パーセント含む上記に記載したようなクリーム剤または坐剤である。それぞ
れの治療では、通常は1日に2度、そのような投与形態の約1〜約5mlを膣内に投与
し、膣の穴では高いことが好ましい。もっと大量に用いることは洩れを小さくす
るために一般には避けられる。
【0047】 SDSは皮膚及び粘膜の両方に対する本質的な毒性は小さい。皮膚や粘膜の両方
に接触するシャンプーや洗浄剤のような製品は、10%を越える濃度でドデシル硫
酸誘導体(ドデシル硫酸ナトリウムまたはアンモニウム)を含んでいる。さらに
歯磨きペーストのような口腔内で日常的に用いられる製品はこれらの化合物を高
濃度(5〜8%)で含んでいるが、口腔粘膜に急性毒性はない。以下に提示した実
施例では、SDSの抗ウイルス性の有効な濃度はウサギの皮膚において、またヒト
の新生の包皮において非毒性であった。
【0048】 本明細書に記載され説明されている実施例は本発明を例示することを意図して
いるのであって、限定するものではない。数多くの変形及び修飾を、本発明の新
規な概念の範囲を逸脱することなく実施することができる。
【0049】 実施例1 SDSの抗ウイルス作用 材料及び方法 化学物質 SDSはBio-Rad (Richmond, CA)より購入し、濾過した滅菌溶液を燐酸緩衝塩類
溶液(PBS)中で作成した。N-9はロン-プレネックファーマシューティカルズ社
(Rhone-Poulenec Rorer Pharmaceuticals Inc.)(Collegeville, PA)より入手
した。添加する全ての洗浄剤は、ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Manhe
im)(Indianapolis, IN)より購入した。次の試薬はAIDS Research and Referenc
e Reagent Program, Division of AIDS, NIAID, NIHから入手した。HeLa-CD4-LT
R-β-galはDr. Michael Emermanから入手した。
【0050】 HSV-2の不活性化検定 HSV-2(菌株333)ウイルスのストックは、アフリカン
グリーンモンキーの腎(CV-1)細胞を低い多様性で感染し、それに続いて細胞を
融解して感染した培養物を凍結してから解凍した調製物より得られる細胞-フリ
ーの上澄みを調製することによって増殖した。ウイルスの力価はCV-1細胞の単層
で検定して測定した。ウイルスのストックは、抗体と10%のウシ胎児の血清を補
充したダルベッコの培地からなるCV-1細胞培養培地中に維持した。またウイルス
ストックのタンパク質濃度は、血清タンパク質によってや感染した細胞の凍結及
び解凍によって遊離した細胞のタンパク質によっても増加した。
【0051】 HSV-2を不活性化するために、39μlのウイルスを、40倍に濃縮した洗浄剤の溶
液、1μlと混合し、続いて37℃で10分間インキュベートした。不活性化させた後
で40μlのウイルスサンプルを、細胞培養培地を用いて4mlに希釈し、その希釈し
たウイルス、1mlを37℃で1時間かけてCV-1の単層に吸着させた。吸着させてから
単層を再び育てて37℃で5%のCO2とともにインキュベートした。感染後20時間か
ら24時間の間に単層を固定化し、クリスタルバイオレットを用いて染色してから
プラークを解剖用顕微鏡で計数した。表1における数は、2個のプレートの平均を
それぞれ表している。
【0052】 HIV-1不活性化検定 この検定を行う1日前にHeLa-CD4-LTR-β-gal細胞を、1ウ
ェルあたり8×104個の細胞濃度で12穴の培養皿に蒔いた。高い力価のHIV-1(菌
株IIIB、Advanced Biotechnologies, Inc., Columbia, MD)のウイルスストック
を、10%のFBSを補充したRPMI 1640を用いて1:10に希釈した。SDSによるウイル
スの不活性化を評価するために、78μlの希釈したウイルスを2μlの洗浄剤溶液
と混合し、37℃で10分間インキュベートした。この不活性化時間が経過してから
そのウイルスと洗浄剤を、DEAEデキストランを補充した720μlのR10(1:10)を
用いて希釈した(最終濃度20μg/ml)。続いて処理したウイルスのアリコート
(300μl)をHela細胞の同じ二つのウェルに添加して、37℃で2時間インキュベ
ートした。ウイルスを吸着させた後で2mlの新しい培地(10%のFBS、0.1mg/ml
のG418、及び0.05mg/mlのハイグロマイシンBを補充したDMEM)をそれぞれのウ
ェルに添加した。感染後、37℃で5%のCO2中、48時間インキュベートしてから細
胞を固定化し、β-ガラクトシダーゼの発現を染色した。
【0053】 BPV-1の病巣検定 細胞を含まないBPV-1のストックは、燐酸緩衝塩(PBS)中
でウシ表皮のいぼを抽出する(10% w/v)ことによって調製した。BPV-1の形質
転換能力を検出するために、C127マウスの細胞をT-252フラスコに入れた(1個の
フラスコあたり3×105個の細胞)。24時間増殖させた後、サブコンフルエントに
達した細胞をBPV-1を用いて感染した。陽性対照として、ストックのウイルス(2
0μl)をPBSを用いて希釈し(1:1)、37℃で10分間インキュベートしてから1:
10000に希釈し、続いて細胞上に存在している5mlの細胞培養培地に(100μl)を
添加した。細胞を24時間再び養育し、1週間に2度続けた。形態学的に形質転換し
た病巣の存在数を、2週間後、それから再び3週間後に数えた。
【0054】 ウイルスの不活性化はインビトロで、濃縮したSDS溶液をウイルスストック(2
0μlの洗浄剤を20μlのウイルスに加える)に添加し、続いて37℃で指示された
とおりに10分間または30分間インキュベートすることによって行った。不活性化
を行った後、ウイルスを1000倍に希釈して洗浄剤の濃度を小さくし、その調製剤
を上記のように感染させるために直ちに用いた。
【0055】 ショープパピローマの誘導 ショープCRPVのストックは野生型のコットンテー
ルウサギにおいて発生したパピローマから調製した。ウイルスのストックは、PB
S中に存在する細胞を含まないパピローマの抽出物(10% w/v)であった。薄く
切り取った背中の皮膚は剃刀の刃でわずかに犠牲にしたものであった。ウイルス
のストックはドメスティックコットンテイルウサギ(Hazelton Reseach Product
s, Denver, PA)を接種するために用い、ウイルスの40μlのアリコートをその背
中の皮膚表面の4箇所に滴下した。それぞれのウサギの左側の2箇所の部位には処
理していないウイルスを接種し、右側の2箇所の部位には処理したウイルスを接
種した。ウイルスストックからなる10-1または10-2溶液のいずれかを不活性化す
るには、最終的に指示された濃度の40倍の濃縮SDS溶液を添加することによって
行える。SDS及びウイルスのインキュベートは37℃で10分間行い、そしてウイル
スを直ちにウサギに接種すべく利用した。ウイルスは不活性化の後では希釈せず
、その濃度のSDSが不活性化の間中存在していて、接種したのは0.05%であった
。パピローマは、接種後2週間ごろコントロールの部位で発症しているのがまず
観察された。全ての目で見える病変の直径の幾何平均(GMD)を測定したところ
、それはカリパスでmm単位で測定した場合の病変の、長さ×幅×高さの立方根に
等しい。
【0056】 ヒトパピローマの誘導 実験的に生じさせた感染性のHPV11のストックを調製
したところ、それはPBS中に10% w/vの細胞を含まない抽出物を意味した。ウイ
ルスストックの希釈していないアリコート(39μl)を40倍のSDS溶液、1μlと混
合し、37℃で10分間インキュベートしてから直ちに新生のヒト包皮の上皮の適当
な厚みに切断した移植片を感染させるために用いた。ウイルスはその後は希釈し
なかった。対照の移植片は処理していないウイルスストックで感染した。ウイル
スの吸着は37℃で1時間行った。不活性化を行っている間及びウイルスを吸着さ
せている間に存在するSDSの濃度は0.05%であった。続いて移植片を無胸腺症マ
ウスの腎臓の被膜のすぐ下に移植した。動物は、ハーシェイ医療センター(Hers
hey Medical Center)の動物コロニーで抗菌剤を補充した飲料水を用いて隔離用
ドーム中に維持した。感染してから3カ月経過後、動物を殺してその腎臓を取り
出し、そしてその異種移植片を大まかに調べた。残っている臓器については何ら
かの異常があるかを調べたが、何も発見されなかった。それぞれの移植片の部分
を直ちに10%の中性-緩衝化ホルマリンに固定化し、ヘマトキシリンとエオシン
を用いて染色を行う標準的な組織学的手法によって処理した。
【0057】 対照の移植片の2番目のセットは、ウイルスを含まない確認された濃度のSDSの
みと接触させた。これらの移植片は、SDSに接触させた後でのその移植片の生存
性及び成長を追跡する目的で、移植後、1日目、5日目、11日目及び20日目に採取
した。
【0058】 結果 SDSによるHSV-2感染の不活性化 5つの別個の実験では、SDSの処理濃度が0.01
25%〜0.025%と低くても、モンキーの腎臓細胞の単層にプラークを誘導するウ
イルスの能力を減少させる点で有効であった(表1)。全部のHSV-2不活性化は、
SDS濃度が0.0025%及び0.0125%の間で達成できた。これらの有効濃度は、HSV感
染の破壊(データは示されていない)に必要なN-9の濃度と同じである。
【0059】
【表1】 処理濃度に達するように、処理濃度の40倍の滅菌SDSストックをウイルスのア
リコートに添加した。混合してからそのサンプルを37℃で10分間インキュベート
した。** SDS処理を行った後でウイルスのストックを100倍に希釈してからすぐに1ml
のアリコートをCV-1細胞に吸収させた。プラークを感染後20-24時間で計数した
。それぞれの数は2つのプレートの平均を示している。
【0060】 SDS及び非イオン性洗浄剤であるC31GによるHIV-1感染の不活性化 N-9はHIV-1
を不活性化できると見られている。研究者らは、第2の非-イオン性洗浄剤である
C31GによるHIV-1の不活性化と、SDSによる不活性化とを比較した。高い力価のHI
V-1からなるウイルスストックをC31DまたはSDSのいずれかとともにインキュベー
トしてからそのウイルスを、HIV-1 LTRの制御下でβ-galを発現する指示細胞に
ついて評価した。これらの洗浄剤は両方ともHIV-1の不活性化において非常に有
効であった(表2)。HIV-1の全部の不活性化は、C31Gを用いた場合0.0125%と同
じくらい低い濃度で達成でき、またSDSを用いた場合には0.025%と同じくらい低
い濃度で達成でできた。
【0061】
【表2】 5個の無作意領域の細胞は、青色を表示する細胞についてそれぞれのプレート
で数え上げた。 それぞれのサンプルに対して二重のプレートをアッセイし、個々の数は一枚の
プレートの5箇所の領域における標準偏差である。
【0062】 C127マウス細胞の単層において形態学的に形質転換した病巣を誘導するBPV-1
の能力の破壊 SDSはHSV-2の感染性を効果的に減少させることができたが、この
破壊はエンベロープを除去することで仲介される可能性を依然として残していた
。パピローマウイルスは非エンベロープであるため、SDSがこれらのウイルスを
うまく不活性化できないという可能性が残っていた。研究者らはインビトロでの
検定で、マウスの繊維芽細胞において多層の形質転換した病巣をすばやく形成す
る(2週間以内)能力がBPV-1にはあるため、プロトタイプPVとしてBPV-1を用い
た。表3には別個の二つの実験結果が記載されており、その実験では、BPV-1のス
トックはさまざまな濃度のSDS(5%〜50%)とともに10分または30分のいずれか
の時間37℃でインキュベートし、SDSの濃度を低くするように希釈(細胞毒性を
避けるため)してから、C127細胞を感染するために用いた。対照培養物または感
染した培養物をインキュベートした後で、病巣を感染後14日目と17日目に計数し
た。結果は、0.05%または0.005%と同程度に低い濃度のSDSによって、それぞれ
10分間または30分間、37℃でウイルスを処理した後でBPV-1の形質転換する能力
を完全に不活性化できることを示している。30分後の0.005%という低い濃度で
のBPV-1の不活性化は、不活性化が洗浄剤濃度に比例するだけでなく、時間にも
比例することを示していた。表4には数種の別の商業的に入手できる洗浄剤が列
挙されていて、BPV-1について起こりそうな不活性化に対してテストを行った。
これらの洗浄剤はどれもBPV-1の持つ形態学的な形質転換を起こす性質を不活性
化しなかった。
【0063】
【表3】 処理濃度に達するように、処理濃度の40倍の滅菌SDSストックをウイルスのア
リコートに添加した。** ウイルス処理を行った後で洗浄剤を希釈する目的で、処理したウイルスのス
トックをさらに1:1000に希釈した。 実験1ではウイルス及びSDSを混合してから37℃で30分間インキュベートした。 実験2ではウイルス及びSDSを混合してから37℃で10分間インキュベートした。 N.D.=未実施 対照プレートでは、BPV-1はなく、病巣は出現しなかった。
【0064】
【表4】 C127細胞のBPV-1形態学上の形質転換を不活性化する作用のない洗浄
C31G及びN-9以外の洗浄剤はすべて、Boehringer-Mannheimより購入し、N-9はRho
ne-Poulenec Rorer Pharmaceuticalsより購入し、C31GはBiosyn, Inc.より提供
された。 上記のどれも病巣を減少させなかった。 陽性対照のSDSは1%でウイルスの病巣を減少させた。 全ての洗浄剤はウイルスとともに、最終濃度が1%、37℃で10分間インキュベー
トした。
【0065】 ウサギのショープパピローマの形成についてCRPVをSDSが不活性化する効果 S
DSによるPVの不活性化についての観察を、インビボでの動物モデル系にまで広め
るために、研究者らは十分に確立されているCRPVモデル系を利用した。100%の
効率でパピローマを形成することがわかっている標準のCRPVストックを用いた。
このウイルスストックについての感染用量50(ID50)は、そのストックウイルス
の10-3希釈液の50μlに対応する。我々の実験では、ウイルスストックの10-1
釈液、40μlと、続いて10-2の希釈液、40μlを用いた。これらの濃度は両方とも
、ID50をはるかに越えていた。SDSはウイルスと混合して最終濃度を0.05%にし
、続いて37℃で10分間インキュベートした。インキュベートを行ってすぐにウイ
ルスを、ウサギの背中の皮膚を乱切して接種した。接種部位には、1匹のウサギ
で未処理の二つ(左側;L)のウイルスサンプルと、処理済みの二つ(右側;R)
のウイルスサンプルが含まれた。図1aは、そのままのCRPV(10-1希釈液)を用い
て接種した6箇所の病変の平均GMDと、SDS-処理したCRPVを用いて接種した6箇所
の病変の平均GMDを明らかにしている。GMDは、接種後18日目、21日目、25日目、
32日目、42日目及び50日目に測定して比較した。結果は、ウイルスストックの10 -1 希釈液が実質的に、0.05%のSDS処理を37℃で10分間行うことによって不活性
化したことを示している。図1bは、それぞれ個々の病変について、接種後50日の
間の成長曲線を示している。SDS処理した調製剤(黒丸)を受け入れた6箇所の部
位のそれぞれにおいてパピローマの発症が遅いことに注目すべきであり、このこ
とはウイルスの実質的な不活性化を示している。しかしながら一旦パピローマが
発症すると、病変の成長速度は処理をしなかった接種物から発症したパピローマ
と同じであるように見える。
【0066】 続いての実験(図2a及び2b)では、CRPVウイルスストックの10-2希釈液をまた
、37℃で10分間、0.05%のSDSまたは0.05%のN-9のいずれかとともにインキュベ
ートした。ストックウイルスのこの希釈液はほとんどウイルスを含まないだけで
なく、全体のタンパク質濃度も低かった。インキュベートを行った後で洗浄剤処
理をしたウイルスサンプルと対照のウイルスサンプルを、N-9サンプルに対応さ
せた5匹のウサギと、SDS処理をしたサンプルに対応させた5匹のウサギに接種し
た。また非処理のウイルスサンプルも同じウサギの異なる部位に接種した。この
実験は二つの目的、即ち、SDSによって少量のCRPVが不活性化されるのを観察す
るため、及びSDSを用いた不活性化を、N-9処理によって達成できる不活性化と直
接比較するための目的で行った。前の実験で行ったのと同様に、左の接種部位(
動物1匹あたり2箇所)は非処理のウイルスを受け入れ、また右の接種部位(動物
1匹あたり2箇所)は処理したウイルスを受け入れた。図2aは、SDS処理したウイ
ルスを受け入れた10箇所の接種部位と、そのままのウイルスを受け入れた10箇所
の接種部位との比較を示している。GMDはウイルスを接種した後、3、4、5、及び
6週間後に測定した。SDSを処理したウイルスを用いて接種した10箇所の部位のう
ち8箇所でパピローマは発生できず、残りの2部位が接種後4週間目に出現し始め
た非常に小さなパピローマを発生しただけであった。定量的な測定は行わなかっ
たが、SDSを接種した部位は検査の際に何の炎症も示さなかった。そのままのCRP
Vを用いて接種した10箇所の部位では、接種後2週間以内に10部位中10部位でパピ
ローマを発症し、進行性で大きくなった。
【0067】 図2bは、N-9を用いて処理したCRPVを受け入れた10箇所の部位に比べて、その
ままのCRPVを受け入れた10箇所の部位でのパピローマの比較的な成長を示してい
る。それぞれのパピローマのGMDは接種後、3、4、5及び6週間目に測定した。こ
れらの二つのウイルス調製物を用いて接種した後に生じる病変の成長に違いはな
かった。さらに、N-9の動物での対照パピローマと実験のパピローマの成長速度
は、SDS処理した動物(データは示されていない)における対照の病変の成長速
度と違いはなかった。
【0068】 ヒト包皮の上皮の異種移植片において実験的なコンジロームを誘導するHPV11
の能力に対するSDSの不活性化効果。HPV11の標準ストックを希釈していないウイ
ルスとして用いた。これらのウイルスストックは通常、1000倍に希釈した場合に
、異種移植片を感染させた90-100%にコンジローム(Condylomata)を誘導する
。この実験では希釈していないHPV11のストックの39μlを1μlのSDSと混合し、S
DSの最終濃度を0.05%にしてから37℃で10分間インキュベートした。その後で感
染を1時間行い、続いてその移植片をインビボで移植した。8匹の動物(16個の腎
臓)はSDS処理をしたウイルスを用いて感染させた移植片を受け入れ、また9匹の
動物(17個の腎臓)はそのままのウイルスを受け入れた。表5には、その採取し
た移植片の結果が示されている。そのままの感染では、17個の移植片のうち17個
が生存しており、これらのうち14個は組織学上の検査で形態学的に形質転換して
いて、典型的なパピローマの外観を呈していた。SDSを処理したウイルスを受け
入れた動物では、16個の異種移植片のうち13個は採取した時点で生存している組
織を示し、その移植片の組織学的な検査によって正常で生きている分化中のヒト
上皮であることが明らかになった。後者の結果は、感染させていない移植片を用
いて我々が前に行った観察、即ちそのままの移植片は時にマウスにとどまって、
3カ月は生存しないという観察と矛盾しなかった。我々は、SDSはウイルスを不活
性化することによって効果的にウイルスの感染を阻止すると結論づけた。
【0069】
【表5】 処理濃度に達するように、処理濃度の40倍の滅菌SDSストックをウイルスのア
リコートに添加した。
【0070】 ヒト包皮の異種移植片の生存性に対するSDSの接触効果 ヒト上皮を死なせる
ことにSDSの能力が関連するという理由で、新生の包皮からなる適当な厚みに切
断して仕上げた移植片を、0.05%のSDS単独に接触させてから続いて移植を行う
といったコントロールの実験を行った。この実験での条件はすべて、ウイルスが
存在しないことを除いて、処理したウイルスを用いてのHPV11の感染で用いた条
件と同一である。SDS-接触させた移植片(それぞれの時点で2匹の動物)は、接
触を行った後で直ちに採取して、固定化及び切片化を行ったが、それは処置後1
日、5日、11日及び20日目である。組織検査では、全ての日にちにおいて上皮が
完全に生存していて、洗浄剤の接触が関与した明かな壊死がないことを示した。
最初の適当な厚みに切断した移植片は約1mm×1mm×1mmの大きさであり、さらに
それらは、その上皮層にHPV11やSDSが入り込むのを可能にするために、針の先で
何回も穿孔した。いくつかの上皮細胞はSDSとの接触の際に損傷を受けたり死ん
だりした可能性があるが、損傷は最小であり、移植片の上皮の成長は普通であっ
た。
【0071】 実施例2 細胞-フリーのHIV-1及び細胞が関連するHIV-1の不活性化 図5に示されているようにリンパ球-トロピック、マクロファージ-トロピック
及びデュアル-トロピックなHIV-1の菌株は、N-9、C31G、またはSDSの存在で不活
性化する。細胞-フリーのHIV-1菌株であるIIIB(A)はN-9、C31G、またはSDSを
用いて処理し、HCLB細胞を感染するために用いた。細胞-フリーのHIV-1菌株であ
るBaL(Mトロピック)(B)と89.6(デュアルトロピック)(C)はN-9、C31G、
またはSDSを用いて処理し、P4-R5細胞を感染するために用いた。検定を誘導した
。接触させた後での感染性は、殺菌性の化合物のないところでインキュベートし
たウイルスを用いて感染した二重のウェルにおけるβ-gal-陽性の細胞の数に比
較したパーセントとして表される。図5に示した結果は、二つの非依存性の実験
において、濃度に応じた4つのウェル全部に対する平均細胞数である。
【0072】 図6に示されているように、N-9、C31G、及びSDSはHIV-1-感染したSupT1細胞の
細胞-関連感染を減少させることができる。(A)HIV-1菌株IIIBを用いて5日前に
感染したSupT1リンパ球(8×104)をペレットにし、細胞-フリーのウイルスを除
去するために新しい媒体中に再懸濁した。37℃で10分間、選択した濃度のそれぞ
れの殺菌剤にさらした後、その細胞を1:10に希釈し、HCLB細胞とともに2時間、
共-培養した。感染したリンパ球を取り除く目的でPBSを用いて一回洗浄した後、
指示細胞を培養して検定した。殺菌剤にさらした後の感染性は、殺菌性化合物が
ないところでインキュベートしたHIV-1感染したSupT1細胞を用いて感染した二重
ウェル中のβ-gal-陽性細胞の数に比較したパーセントとして表される。図6(a
)に示された結果は、二つの非依存性の実験において、濃度に応じた4つのウェ
ルの全体に対する平均細胞数である。(B)SupT1リンパ球(8×104)は選択した
濃度のそれぞれの殺菌剤とともに、37℃で10分間インキュベートし、続いて新し
い媒体を用いて1:10に希釈した。2時間のインキュベート時間を終えてから、そ
の細胞を生存性について評価した。処理後の細胞生存性は、モック(mock)にさ
らした細胞の数に比較して生存している細胞のフラクションとして表される。図
6(b)に示された結果は、それぞれの濃度に対する三重のウェルを評価した二つ
の実験の平均値である。
【0073】 実施例3 アルキル硫酸塩の誘導体の殺菌作用 次のデータは、アルキル硫酸塩グループ、いわゆるドデシル硫酸リチウム、ラ
ウリン酸及びラウリン酸のナトリウム塩以外の塩が、ウシパピローマウイルスを
用いたC127病巣検定において抗-パピローマウイルス作用を有することを示して
いる。用量応答性の曲線では、SDSが結局最もよく効く。
【0074】
【表6】 BPV-1病巣検定におけるドデシル硫酸ナトリウムとドデシル硫酸リチ
ウムの比較 全ての場合において、処理は37℃で10分間行ってからそのウイルス調製物を1:1
000に希釈した。
【0075】
【表7】 BPV-1病巣検定における、ラウリン酸、ラウリン酸のナトリウム塩と
のドデシル硫酸ナトリウムの比較 全ての場合において、処理は37℃で10分間行ってからそのウイルス調製物を1:1
000に希釈した。
【0076】 実施例4 SDSの毒性と抗-HSV-2作用 次のデータは、生きた単純ヘルペスウイルス(HSV-2)による膣の感染からマ
ウスを保護する際のSDSの毒性及び効力の両方をテストするインビボでの実験を
表している。
【0077】 グループ1 正常の対照 グループ2 生きたHSV-2(約5×106感染ユニット) グループ3 生きたHSV-2に4%のSDSを添加 グループ4 生きたHSV-2に2%のSDSを添加 グループ5 生きたHSV-2に1%のSDSを添加 グループ6 生きたHSV-2に0.5%のSDSを添加
【0078】 この実験では、異系交配した雌のスイス-ウェブスターマウスを用いた。マウ
スを麻酔してからSDSまたは対照の溶液(25μl)をイエローピペットチップを用
いて膣にしみ込ませた。これらの溶液は粘度が低い。液体は10匹のマウスからな
る群に一回でしみ込ませた。SDSまたは対照の溶液を10匹のグループに投与した
後で、さらに追加の25μlのウイルスまたは対照の溶液をしみ込ませた。マウス
を麻酔から回復させてから毎日、接種後3日目から初めて12日めまでそのマウス
の兆候をチェックした。そのマウスにおける膣の綿棒による標本つくりも、ウイ
ルスの発散を調べるために3日目から始めて基本的に毎日行った。図3A-3Gは次の
兆候、即ち腫脹、膣の浸出、発赤、死、足の麻痺、肛門周囲の体毛の消失、及び
何らかの兆候のそれぞれについて、一グループあたりの全部の兆候数を、3日目
から12日目まで示している。
【0079】 この結果は、SDSは全ての濃度で、膣のHSV-2接種から有意に保護する作用を提
供できたことを明らかに示している。さらに用量応答性は、チェックしたどの兆
候についても明かであり、一番大きな保護作用を提供するのは4%のSDSである。
ウイルスの発散の測定結果は示されていないが、これらのデータは確認され、支
持されている。
【0080】 実施例5 殺精子作用 次のデータは、殺精子剤としてのSDS及び他の洗浄剤の効力をテストするイン
ビトロでの実験を示している。雄牛の精液を凍結したサンプルを入手し、解凍し
てからテスト用チューブに入れた。アリコートを採取して1本の別個のテスト用
チューブに入れ、そこでそれを洗浄剤(SDS、C31G、N-9またはSDSとN-9の混合物
)と混合することによって下記の表8及び9に列挙されているような最終パーセン
トにした。混合後すぐにそのサンプル顕微鏡スライドの上に載せ、精子の運動を
目でみて調べた。この実験は、サンプルに洗浄剤を添加した後すぐに可視的な調
査が行えるように、一度で一サンプルを実施した。結果として、完全な不活性化
を示す表における表示は、精子が実質的に即座に不活性化することを示している
。遅れた不活性化とは、即座に泳ぎを停止しない精子の細胞について約10分間遅
延することを示している。時々泳いでいるものは非常に少なくてそのサンプル内
に存在する精子の集団の約1%のオーダーであり、このことは精子の約99%が洗
浄剤によって不活性化されることを示している。
【0081】
【表8】 洗浄剤の添加後のウシ精子の運動性 * 凝集していない ** 過半数が凝集している *** 適度に凝集している 凝集が存在する場合、小さな濃度で量が減少した。記号 +++ 活発に泳いでいる ++/- 多くは泳いでいる/いくつかは死んでいる +/- ときどき泳いでいる/ほとんど死んでいる - すべて死んでいる
【0082】
【表9】 洗浄剤の添加後のウシ精子の運動性 記号 +++ 活発に泳いでいる ++/- 多くは泳いでいる/いくつかは死んでいる +/- ときどき泳いでいる/ほとんど死んでいる - すべて死んでいる
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ワタオウサギのパピローマウイルス(CRPV)のSDS不活性
化作用の効果を示している。図1aは、そのままの(白丸)CRTVを植え付けた場合
とSDS-処理した(黒丸)CRTVを植え付けた場合の6箇所の病変の平均的な直径の
幾何平均(GMD)を示している。図1bは、個々の病変の成長を示している。
【図2】 図2は、CRPVにSDSとN-9を処理した効果を示している。図2aは、
そのままのウイルス(白丸)を受け入れた10箇所の病変部位に比べてSDS処理し
たウイルス(黒丸)を受け入れた10箇所の病変部位のGMDを示している。図2bは
、そのままのCRPV(白丸)を受け入れた10箇所の部位におけるパピローマの相対
的な成長を、N-9(黒丸)を用いて処理したCRPVを受け入れた10箇所の部位に比
較して示している。
【図3】 図3A〜図3Gは、SDSの毒性とHSV-2を用いた膣の感染からの保護作
用についてのインビボでの実験において、(A)は腫脹、(B)は膣の浸出、(C
)は発赤、(D)は死、(E)は足の麻痺、(F)は肛門周囲の体毛の消失、そし
て(G)は何らかの兆候について、6グループのマウスの1グループあたりの全部
の兆候数を3-12日間で示している。
【図4】 図4(a)には、本発明によるフィルター装置を装着した赤ちゃん
用哺乳瓶の乳首が示されている。図4(b)及び(c)は、本発明のアルキルサル
フェート殺菌剤をプラスチック製の瓶の内部及び瓶内の哺乳用バッグにそれぞれ
結合した、別の態様の赤ちゃん用哺乳瓶を示している。
【図5】 図5は、N-9、C31G、及びSDSの存在下で、リンパ球(図5(a))-
トロピック、マクロファージ(図5(b))-トロピック及びデュアル-トロピック
(図5(c))なHIV-1の菌株の不活性化を示している。
【図6】 図6は、感染したSupT1細胞においてHIV-1の細胞が関与する感染
性(図6(a))と生存性(図6(b))が、N-9、C31G、及びSDSによって減少する
ことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61F 6/04 A61F 5/43 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C098 AA06 EE11 EE12 4C206 AA01 AA02 DA03 JA02 MA01 MA04 MA36 NA14 ZB33 ZB35 4H011 AA04 BA02 BB06 BC19 DB01 DH14

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルス殺菌効果を獲得するに十分な量のドデシル硫酸ナト
    リウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリン酸及びその塩からなる群より選択され
    る化合物と、薬学的に許容される担体とを含む殺菌剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記量が、非エンベロープウイルスに対するウイルス殺菌効
    果を獲得するに十分である、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記量が、ヒトパピローマウイルスに対するウイルス殺菌効
    果を獲得するに十分である、請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記化合物がドデシル硫酸ナトリウムである、請求項1記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 前記量が、前記組成物の約0.05〜約2.0重量%の範囲である
    、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 基体とその基体上に支持されたドデシル硫酸ナトリウム、ド
    デシル硫酸リチウム、ラウリン酸及びその塩からなる群より選択される化合物と
    を含む製造された物品。
  7. 【請求項7】 前記化合物が前記基体に含浸されている、請求項6記載の製
    造された物品。
  8. 【請求項8】 前記化合物が前記基体に被覆されている、請求項6記載の製
    造された物品。
  9. 【請求項9】 前記化合物が前記基体に共有結合している、請求項6記載の
    製造された物品。
  10. 【請求項10】 生体液用の容器である、請求項6記載の製造された物品。
  11. 【請求項11】 コンドームである、請求項6記載の製造された物品。
  12. 【請求項12】 ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリ
    ン酸及びその塩からなる群より選択される化合物を含む局所用組成物を提供する
    段階、並びに前記組成物を膣の上皮部位と接触させるように挿入する段階を含む
    、妊娠と性的伝染性疾患を阻止する方法。
  13. 【請求項13】 前記性的伝染性疾患が非エンベロープウイルスによって引
    き起こされる、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記性的伝染性疾患が、ヒト免疫不全ウイルス、単純ヘル
    ペスウイルス、及びパピローマウイルスからなる群より選択されるウイルスによ
    って引き起こされる、請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記化合物が、前記局所用組成物の約0.05〜約2.0重量%
    の範囲で該組成物内に存在する、請求項12記載の組成物。
  16. 【請求項16】 妊娠と性的伝染性疾患を阻止する殺精子用バリアであって
    、基体とその基体上のドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリ
    ン酸及びその塩からなる群より選択される化合物をウイルス殺菌量で含むバリア
  17. 【請求項17】 前記バリアがコンドームである、請求項16記載の殺精子用
    バリア。
  18. 【請求項18】 前記バリアがペッサリーである、請求項16記載の殺精子用
    バリア。
  19. 【請求項19】 非エンベロープウイルスに対するウイルス殺菌効果を獲得
    するに十分な量で陰イオン性界面活性剤から本質的に成るウイルス殺菌剤を含む
    非エンベロープウイルスを不活性化する組成物。
  20. 【請求項20】 前記組成物が、薬学的に許容される担体をさらに含む局所
    用薬学的組成物であって、且つ前記界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム、ドデ
    シル硫酸リチウム、ラウリン酸及びその塩からなる群より選択される、請求項19
    記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記ウイルスがパピローマウイルスである、請求項19記載
    の組成物。
  22. 【請求項22】 前記組成物が希釈剤をさらに含む殺菌用組成物である、請
    求項19記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記希釈剤が燐酸緩衝塩類溶液である、請求項19記載の組
    成物。
  24. 【請求項24】 母乳を入れる本体部分とキャップ部分とを備えた封入容器
    、 前記容器から延びていて、ヒトまたは他の哺乳動物の口に挿入するに適当な乳
    首部材、及び 前記哺乳瓶の内部に前記母乳に接触するように配設したSDSまたは関連する陰
    イオン性界面活性剤 を含む哺乳瓶。
  25. 【請求項25】 前記界面活性剤が前記瓶の内壁に付着している、請求項24
    記載の哺乳瓶。
  26. 【請求項26】 フィルターをさらに含むとともに、前記界面活性剤がその
    フィルターに付着している、請求項24記載の哺乳瓶。
  27. 【請求項27】 前記母乳からSDSまたは関連する陰イオン性界面活性剤を
    除去できる材料をさらに含む、請求項24記載の哺乳瓶。
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