JP2002515402A - 医薬グレードのイチョウ - Google Patents

医薬グレードのイチョウ

Info

Publication number
JP2002515402A
JP2002515402A JP2000516688A JP2000516688A JP2002515402A JP 2002515402 A JP2002515402 A JP 2002515402A JP 2000516688 A JP2000516688 A JP 2000516688A JP 2000516688 A JP2000516688 A JP 2000516688A JP 2002515402 A JP2002515402 A JP 2002515402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ginkgo
ginkgo biloba
pharmaceutical grade
biological activity
fingerprint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000516688A
Other languages
English (en)
Inventor
タスニーム・エイ・クワジャ
エリオット・ピー・フリードマン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Southern California USC
Original Assignee
University of Southern California USC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Southern California USC filed Critical University of Southern California USC
Publication of JP2002515402A publication Critical patent/JP2002515402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般にイチョウ素材および医薬的に有用であり、薬学的に許容される形のこのような素材の製造法に関する。より具体的に、本発明は、疾病、疾患または状態の処置および/または軽減のための臨床的または獣医学的調節に適した、医薬グレード組成物と見なされる医薬を製造するためのイチョウ素材の加工における組成および活性フィンガープリントに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、同時継続中である1997年10月23日付米国特許出願番号08
/956,600の一部継続であり(その開示全体を引用により本明細書に加え
る)、それは同時継続中である1997年4月15日付米国手特許出願番号08
/838,198の一部継続であり、それは同時継続中である1996年4月1
5日付米国特許出願番号08/632,273の一部継続であり、それは199
5年4月14日付米国特許出願番号08/421,993の一部継続であり、1
997年2月4日付米国特許出願番号08/774,550については放棄した
【0002】 1.技術分野 本発明は、概して植物性素材およびその素材を、治療に有用であり医薬的に許
容される形に変換する方法に関係する。更に特に、本発明は、Ginkgo biloba L.
(イチョウ)の植物性素材の加工における組成フィンガープリントおよび活性フィ
ンガープリントの使用であって、疾患、異常および/または病状を処置および/
または改善する臨床設定の使用に適当な医薬グレード組成物として限定される植
物性薬剤を作成する使用に関係する。
【0003】 2.背景技術 医薬製造は、各製造バッチに対する組成物および生物活性の調節に基く。この
標準化および調節は、予測し得る矛盾のない患者の処置において再製造可能な素
材を提供する。植物性素材から生ずる薬草には特有の問題があり、それは製造者
が望む調節、再製造性、および標準化であって、それらは医薬に必要なものであ
る。この問題は第1に薬草に含まれる複数の成分に起因し、多様な組成物および
効能が未処理素材の増加、回収および加工に起因する。
【0004】 植物は、今までずっと、様々な医薬化合物の原料であった。数世紀にわたり、
様々な型の植物性誘導素材が無数の異なる病気の処置に使用されてきた。植物性
素材は、典型的に、1以上の植物もしくは植物部分からつくられた粉末型である
か、植物全体もしくは選択した植物部分から得られる抽出物である。これら粉末
および抽出物は、殆どの場合、生物学的活性化合物および生物学的不活性化合物
の両方の複合混合物である。
【0005】 植物粉末および抽出物は、広く医薬を目的として使用されているが、その医薬
としての使用には多くの問題がある。例えば、植物性素材の複合性化学的性質に
より、任意の型の制御方法および予想し得る方法において植物性素材の使用が困
難となる。別の植物の収穫から得られる異なるバッチの素材の化学組成物におけ
る可能性ある変動により、その素材は、臨床での使用に不適当となる。
【0006】 良好な特徴として、生物活性成分の複合的グループ分けが、典型的に、共同作
用的または付加的生物活性プロフィールの可能性のある植物素材に見られた。し
かし、医療への効果におけるこれらの可能性ある増加は、これら複合素材の性質
が知られていないため予測できない。
【0007】 薬草の固有の化学的複雑性を伴う上記問題は、多くの医療的に重要な植物素材
から生物学的活性成分を分離および単離することを目的とする多大な努力を必要
とする。この分野での努力は、化学的分離および分析技術において多くの改善と
共に急速に拡大する。一旦、単離し、精製すると、様々な活性成分が、特定成分
の医薬効果を確立する臨床設定に使用され得る。植物素材由来の個々の成分の分
離および精製は、このタイプの薬剤発達の方法の要である。一旦、精製すると、
懸濁活性成分を、典型的に、医薬的に許容される担体と混合し、研究動物におい
て更なる研究をし、最後にヒトで臨床試験を行う。臨床的効果の証明において、
これらのタイプの薬剤を、医薬グレードとみなす。単一の、または殆どの場合、
小数の十分に特性解析された化合物であって、既知量の化合物が含まれているか
らである。
【0008】 医薬グレード薬剤は、処置プロトコールにおいて個々の化合物の効果を注意深
く追跡できる点において有利である。更に、薬剤用量は、注意して、調節でき、
比較的予測できる医薬作用を提供する。その医薬グレード薬剤の相対純度の不利
な点は、天然に生ずる植物素材により提供される複合および共同生物学的活性の
可能性が、自然環境からの薬剤の単離のために、減少することである。単離産物
の研究もまた、感受的な生物学的/植物学的複合体の破壊によりつくられる人工
産物である。その共同活性により提供される可能な利点は、多くの産業熟練者に
より、臨床設定において十分に特性解析または制御されていない複合植物素材の
使用に伴う臨床的なリスクよりも重要であると信じられている。
【0009】 植物素材由来の単一化合物の単離および精製が、薬剤研究および発達に一般的
な型ではあるが、医薬的品質を特徴とする複合植物性抽出物の研究もまた興味が
持たれている。多くの複合植物素材および抽出が存在し、それらは薬効成分の可
能性があるが、比較的予測できないものである。これら素材は、殆どの場合、臨
床設定には役に立たない。それは、バッチコンシステンシーが確立しておらず、
組成が甚だ異なる、特性解析が不十分な素材で患者を処置することを含む固有の
リスクのためである。したがって、臨床研究および患者の処置において効果的に
使用するため、複合植物性素材を標準化する方法を提供する必要がある。
【0010】 2.1.イチョウ、Ginkgo biloba L アジアンタム属の木としても知られているGinkgo biloba(L.) Nutt.(イチョウ
)は、そのファミリー(Ginkgoaceae)で唯一生存したメンバーであり、裸子植物の
目および種(Ginkgoatae)である。イチョウは、約2臆年間、中国で、最後の氷河
期を生き延びた。この単子葉の落葉性樹木は、高さ35-40メーターにまで成
長する。灰色の樹皮を有し、特有の幹および枝の構造を覆っている。栽培からの
みに知られるイチョウは、公害耐性の鑑賞用として世界中で一般的である。種の
名前“biloba”は、2つの葉縁の切れ込みが浅い葉、扇形の葉に由来する。
【0011】 500年前の中国の植物標本集の記録では、イチョウの木の葉は、脳機能の改
善に使用され、気管支炎および他の病気の処置に使用されていた(Foster, 1991,
Ginkgo, Botanical Series 304, American Botanical Council, Austin, Texas
)。葉は、韓国、フランスおよびアメリカにおいて、商業的な規模に成長する。
約24%フラボノイドおよび6%テルペンラクトース(セスキテルペンビロバラ
イド(bilobalide)に対し、約50:50混合のジテルペンギンゴライド(ginkgol
ide)において)に標準化した乾燥葉(EGb761)の、濃縮し、半精製(semipurify)し
た抽出物は、相当研究されている(DeFeudis, 1991, Ginkgo biloba Extract(EGb
761):Pharmacological Activities and Clinical Applications, Elsevier, Pa
ris, France)。樹木のラクトン環およびtert-ブチル基を有する、特有の“ゲー
ジ状”の6員環構造ギンゴライドにより、化学的および生物学的観点に興味が相
当惹かれる。
【0012】 ヨーロッパで売られている最善のフィトメディシン(phytomedicine)の間では
、German Commission Eにより、大脳機能不全疾患、末梢動脈閉塞疾患、ならび
に目眩および耳鳴りに使用する標準化乾燥抽出物の使用が認められる。その使用
は、血小板活性化因子の特異的アンタゴニスト、抗低酸素症製剤、抗酸化体のよ
うな、および血管弛緩薬(DeFeudis, 1991, Id.)のような、イチョウのインビト
ロの効果からなる。イチョウはまた、通常、長期防腐薬(anti-periodic antispe
tic)、止血剤、利尿剤および強壮剤として使用される。
【0013】 3.発明の開示 本発明の要旨 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
を提供する。その方法は、ファーマプリンティングTMの過程が含まれている。更
に、本発明は、本明細書中で開示する何れか1つの方法により決定する医薬グレ
ードのイチョウを提供する。本発明の特定の態様には、下記に要約する態様を含
むが、これらに限らない。
【0014】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
、すなわち、複数のマーカー画分中の生物活性を有するイチョウ素材であって、
少なくとも1個のマーカー画分が少なくとも1個の活性成分を含む複数の成分を
含むイチョウ素材の代表的アリコートを分離すること、代表的アリコートの生物
活性フィンガープリントを提供する少なくとも1個のマーカー画分の生物活性を
測定すること、ならびに代表的アリコートの生物活性フィンガープリントをイチ
ョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定するために医薬グレードイ
チョウとして確立した生物活性フィンガープリント標準と比較すること、の段階
を含む方法を提供する。
【0015】 ある態様では、少なくとも1個のマーカー画分が、少なくとも1個の活性成分
を含む。他の態様では、その方法には、付加的段階として、代表的アリコートの
定量的組成フィンガープリントを提供する少なくとも1個のマーカー画分中の活
性成分の量を決定すること、および代表的アリコートの定量的組成フィンガープ
リントをイチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定するための医
薬グレードイチョウとして確立した定量的組成フィンガープリント標準と比較す
ることを含む。また、更なる態様では、その方法は、付加的段階として、イチョ
ウ素材の代表的アリコートの総生物活性を決定すること、および代表的アリコー
トの総生物活性をイチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する
ための総生物活性標準と比較することを含む。また他の態様では、イチョウ素材
はアルコール抽出物である。5番目の態様では、イチョウ素材は水性または有機
性抽出物である。6番目の態様では、イチョウ素材は、臨界超過の二酸化炭素抽
出物である。7番目の態様では、イチョウ素材は、油である。8番目の態様では
、イチョウ素材は、粉末状植物素材である。9番目の態様では、イチョウ素材は
、均一素材である。10番目の態様では、イチョウ素材は、植物素材の混合物で
ある。11番目の態様では、少なくとも1個の活性成分はラクトンである。12
番目の態様では、ラクトンはギンゴライドである。13番目の態様では、ギンゴ
ライドは、ギンゴライドAである。14番目の態様では、ギンゴライドは、ギン
ゴライドBである。15番目の態様では、ギンゴライドは、ギンゴライドCであ
る。16番目の態様では、ラクトンは、ビロバライドである。17番目の態様で
は、生物活性は、心臓血管疾患の処置または改善における使用を示す。18番目
の態様では、生物活性は心的疾患の処置または改善における使用を示す。
【0016】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
、即ち、生物活性を有する複数の成分であって、少なくとも1個の成分が標準化
された生物活性プロフィールを有する成分を含むイチョウ素材を提供すること、
少なくとも1個のマーカー画分が少なくとも1個の活性成分を含む複数のマーカ
ー画分中のイチョウ素材から代表的アリコートを分離すること、少なくとも1個
のマーカー画分中の少なくとも1個の活性成分量を測定すること、存在する少な
くとも1個の活性成分量と、代表的アリコートの算出生物活性フィンガープリン
トを提供する標準化生物活性プロフィールとに基づいて少なくとも1個のマーカ
ー画分の生物活性を算出すること、および代表的アリコートの算出生物活性フィ
ンガープリントをイチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する
ために医薬グレードイチョウとして確立した生物活性フィンガープリント標準と
比較すること、の段階を含む方法を提供する。ある態様では、方法は、付加的段
階として、イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を測定すること、およ
び代表的アリコートの総生物活性をイチョウ素材が医薬グレードイチョウである
かどうか決定するための総生物活性標準と比較することを含む。他の態様では、
イチョウ素材は水性または有機性抽出物である。また他の態様では、イチョウ素
材は、粉末状植物素材である。また更に他の態様では、イチョウ素材は、均一素
材である。5番目の態様では、イチョウ素材は植物素材の混合物である。6番目
の態様では、少なくとも1個の活性成分がラクトンである。7番目の態様では、
少なくとも1個の活性成分が、ギンゴライドである。8番目の態様では、少なく
とも1個の活性成分がビロバライドである。9番目の態様では、生物活性は、心
臓血管疾患の処置または改善における使用を示す。10番目の態様では、生物活
性は心的疾患の処置または改善における使用を示す。11番目の態様では、少な
くとも1個のマーカー画分が、関連成分のクラスを含む。
【0017】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
、即ち、生物活性を有するイチョウ素材であって、複数の成分を含むイチョウ素
材を提供すること、少なくとも1個のマーカー画分が少なくとも1個の活性成分
を含む複数のマーカー画分中のイチョウ素材の代表的アリコートを分離すること
、代表的アリコートの生物活性フィンガープリントを提供するための少なくとも
1個のマーカー画分の生物活性を測定すること、および代表的アリコートの生物
活性フィンガープリントをイチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか
決定するために医薬グレードイチョウとして確立した生物活性フィンガープリン
ト標準と比較することを含む方法を提供する。ある態様では、少なくとも1個の
活性成分が、ラクトンである。
【0018】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
、即ち、イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を、GABAAアッセイ
、GABA ベンゾジアゼピン中心アッセイ(benzodiazepine central assay)、
ロイコトリエンC4シンターゼアッセイ、5-リポキシゲナーゼアッセイおよびモ
ノアミンオキシダーゼAアッセイからなる群より選択される生物アッセイで測定
すること、および代表的アリコートの総生物活性をイチョウ素材が医薬グレード
イチョウであるかどうか決定するための総生物活性標準と比較することを含む方
法を提供する。
【0019】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
、複数のマーカー画分中のイチョウ素材であって、少なくとも1個のマーカー画
分が少なくとも1個の活性成分を含む複数の成分を含むイチョウ素材の代表的ア
リコートを分離すること、代表的アリコートの定量的組成フィンガープリントを
提供する少なくとも1個のマーカー画分の活性成分量を測定すること、ならびに
代表的アリコートの定量的組成フィンガープリントをイチョウ素材が医薬グレー
ドイチョウであるかどうか決定するために医薬グレードイチョウとして確立した
定量的組成フィンガープリント標準と比較することを含む方法を提供する。
【0020】 本発明は、イチョウ素材が医薬グレードイチョウであるかどうか決定する方法
であって、イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を測定すること、およ
び代表的アリコートの総生物活性をイチョウ素材が医薬グレードイチョウである
かどうか決定するための総生物活性フィンガープリント標準と比較することを含
む方法を提供する。
【0021】 本発明は、本明細書に記載の方法で決定した、医薬グレードのイチョウを提供
する。更に、本発明は、少なくとも一つのマーカー画分が関連成分のクラスを含
む、本明細書に記載の方法により決定した医薬グレードのイチョウを提供する。
更にまた、本発明は少なくとも一つのマーカー画分が少なくとも二つの活性成分
を含む、本明細書に記載の方法により決定した医薬グレードのイチョウを提供す
る。
【0022】 本発明は、複数の成分が、アメントフラボン、アナカルジン酸、ビロバライド
、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギンゴライドB、ギンゴライドC、グルタ
ミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イソラムネチン、ケンペロール、プロリ
ンおよびケルセチンを含む群から選択される少なくとも一つの成分を含む、本明
細書に記載の方法により決定される医薬グレードのイチョウを提供する。更に、
本発明は、少なくとも一つのマーカー画分が、アメントフラボン、アナカルジン
酸、ビロバライド、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギンゴライドB、ギンゴ
ライドC、グルタミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イソラムネチン、ケン
ペロール、プロリンおよびケルセチンからなる群から選択される少なくとも一つ
の活性成分を含む、本明細書に記載の方法により決定される医薬グレードのイチ
ョウを提供する。
【0023】 本発明は、例えば、イチョウの、医薬グレードの植物性医薬を製造する方法を
提供する。本方法は、ファーマプリンティング(商標)の方法である。一つの態様
において、本方法は:生物活性を有する複数の成分を含む、イチョウの植物性素
材の提供;植物性素材からの代表的アリコートの採取;アリコートの複数のマー
カー画分への分離(各マーカー画分は少なくとも一つの活性成分を含む);アリコ
ートの生物活性フィンガープリントを提供するための、各マーカー画分の付与さ
れた生物活性の程度の測定;およびアリコートの生物活性フィンガープリントと
、生物活性フィンガープリント比較を基本にして、植物性素材が医薬グレードの
イチョウであるかを決定するための生物活性フィンガープリント比較を提供する
ための、医薬グレードのイチョウについて確立されている生物活性フィンガープ
リント標準の比較の段階を含む。
【0024】 本発明はまた:生物活性を有するイチョウの植物材料の提供(該植物性材料は
、複数の成分から成る);植物性素材の代表的アリコートの複数のマーカー画分
への分離(マーカー画分の少なくとも一つが、少なくとも一つの活性成分を含む)
;代表的アリコートの生物活性フィンガープリントを提供するための、各マーカ
ー画分に付与された生物活性の程度の決定;そして代表的アリコートの生物活性
フィンガープリントと、植物性素材が薬学グレードのイチョウであるかを決定す
るために確立されている医薬グレードのイチョウである、生物活性フィンガープ
リント標準との比較の段階を含む。
【0025】 一つの態様において、1個またはそれ以上のマーカー画分が一つの活性成分を
含む。
【0026】 本方法はまた:アリコートの定量的組成フィンガープリントを提供するための
、各マーカー画分の活性成分の量の決定および、植物性素材が医薬グレードのイ
チョウであるかを決定するための、両方の定量的組成および生物活性フィンガー
プリントと、定量的組成および生物活性フィンガープリント標準の比較の付加的
段階を含み得る。本方法は、また:植物性素材のアリコートの全生物活性の決定
およびアリコートの全生物活性と医薬グレードのイチョウについて確立されてい
る標準の全生物活性との比較の付加的段階を含み得る。
【0027】 本発明はまた:一定の生物活性を有する複数の成分を含み、各活性成分が標準
化生物活性プロフィールを有する、イチョウの植物性素材の提供;植物性素材か
らの代表的アリコートの採取;アリコートの複数のマーカー画分への分離(各マ
ーカー画分は、少なくとも一つの活性成分を含む);各マーカー画分に存在する
生物活性の測定;存在する各活性成分の量およびアリコートの計算した生物活性
フィンガープリントを提供するための、標準化成分生物活性プロフィールを基本
にした生物活性の計算;アリコートの計算した生物活性フィンガープリントと、
生物活性フィンガープリント比較を基本にして、植物性素材が医薬グレードのイ
チョウであるかの決定のための、生物活性フィンガープリント比較を提供するた
めの、医薬グレードのイチョウについて確立されている生物活性フィンガープリ
ント標準との比較の段階を含む、医薬グレードのイチョウの製造法を提供する。
【0028】 本発明は、医薬グレードの植物性素材、例えば、イチョウを、一定のまたは所
望の生物活性を有する適当な植物性素材から製造するのに有用である。好ましく
は、植物性素材は、アルコール性抽出物または超臨界二酸化炭素抽出物または、
更なる加工に付し得る有機溶媒抽出物のような水性または有機抽出物のような植
物性素材からなる抽出物である。あるいは、植物性素材は粉末化植物素材、種子
油、精油または水蒸気蒸留の生産物である。一つの態様において、植物性素材は
一つの物理的状態、例えば、油または溶液の均質素材である。植物性素材は、目
的の植物から唯一由来した純粋素材であり得る。
【0029】 本発明において、活性成分は、1種またはそれ以上の以下の化学クラスのもの
を含み得るが、これらに限定されない:アセトゲニン、アルカロイド、ビロバラ
イド、炭水化物、カロテノイド、桂皮酸誘導体、脂肪酸、脂肪酸エステル、フラ
ボノイド、ギンゴライド、グリコシド、イソプレノイド、ラクトン、脂質、大環
状抗生物質、核酸、ペニシリン、ペプチド、フェノール類、ポリアセチレン、ポ
リケチド、ポリフェノール、ポリサッカライド、タンパク質、プロスタグランジ
ン、ステロイドおよびテルペノイド。
【0030】 一つの態様において、本発明は、1個またはそれ以上のマーカー画分が、少な
くとも二つの活性成分を含む、医薬グレードのイチョウの製造法を提供する。一
つの態様において、本発明は、少なくとも一つのマーカー画分が、アメントフラ
ボン、アナカルジン酸、ビロバライド、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギン
ゴライドB、ギンゴライドC、グルタミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イ
ソラムネチン、ケンペロール、プロリンおよびケルセチンからなる群から選択さ
れる少なくとも一つの成分を含む、医薬グレードのイチョウの製造法を提供する
。更に別の態様において、本発明は、少なくとも一つの活性成分がアメントフラ
ボン、アナカルジン酸、ビロバライド、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギン
ゴライドB、ギンゴライドC、グルタミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イ
ソラムネチン、ケンペロール、プロリンおよびケルセチンからなる群から選択さ
れる、医薬グレードのイチョウの製造法を提供する。
【0031】 イチョウの生物活性/臨床的適応は、ヒトまたは他の動物の疾病、疾患または
状態に関し得る。従って、本方法はヒトおよび/または家畜の疾病、疾患または
状態の処置および/または軽減および/または予防のための医薬グレードのイチ
ョウの製造に有用である。例示的適応症は、脳血管疾病および静脈疾患を含む中
枢および末梢血管疾病の処置を含むが、これらに限定されない。イチョウはまた
網膜浮腫、網膜における細胞性損傷の軽減、およびフォンテーンのステージII(
間欠性跛行)における末梢動脈閉塞疾病における無痛歩行距離の改善に適応され
る。血管および退行性起源の眩暈および耳鳴りも適応症である。
【0032】 これらの方法において、アリコートは生物学的活性および不活性成分に分離し
得る。更に、マーカー画分は、関連成分のクラスを含み得る。
【0033】 本発明はまた医薬グレード植物、例えばイチョウのためのファーマプリント(
商標)の調製法を提供する。更に、本発明は、本明細書に記載の方法で調製され
た医薬グレードの植物、例えば、イチョウを提供する。
【0034】 本発明はまた、活性成分がフラボノイド、ギンゴライド、グリセリド、ラクト
ン、脂質およびテルペノイドからなる群から選択される、上記医薬グレードのイ
チョウの製造法を提供する。更に、本発明は活性成分がフラボングリコシドであ
るフラボノイドである、上記の医薬グレードのイチョウの製造法を提供する。本
発明はまた活性成分がテルペンラクトンであるテルペノイドである、上記の医薬
グレードのイチョウの製造法を提供する。更に、本発明は活性成分がビロバライ
ドである上記の医薬グレードのイチョウの製造法を提供する。更に、本発明は、
か性成分がビロバライドである上記の医薬グレードのイチョウの製造法を提供す
る。
【0035】 別の態様において、イチョウは1個またはそれ以上の:V.イタリアニンジンボ
ク、アロエ、ゲンゲ属、コケモモ、ブラック・コホシュ、ブールダック、カミル
レ、クリの実、コリオルス・ベルシコロ、バーミューダグラス、クランプバルク
、タンポポ根、ドンカイ、エキナセア、オオグルマ、マツヨイグサ、コゴメグサ
、フェールス・ユニコーン根、ナツシロギク、ニンニク、ショウガ、薬用ニンジ
ン(アジアまたはシベリア種)、ヒドラスチス、ゴタ・コラ、ブドウ種抽出物、緑
茶、ググ脂質、サンザシ、ホップ、キヅタ属、カワ、カンゾウ、ノゲシ、ヤドリ
ギ(アメリカ、アジアおよびヨーロッパ種)、マザーウォルト、エンバク、オシャ
、トケイソウ、カボチャ、ピゲイウム、ムラサキツメクサ、ローズマリー、サラ
スパリラ、ソウ・パルメット、タツナミソウ、セント・ジョーンズ・ウォルト、
イラクサ、カノコソウ、ムラサキセンダイハギ、ヤマノイモ、およびイェルバ・
マンサから選択される植物性素材と組合わせ得る。医薬を製造するための本発明
の方法は、ファーマプリンティング(商標)イチョウと、上記に列記の1個または
それ以上の植物を加えた方法、およびイチョウおよび1個またはそれ以上の上記
に列記の植物を含む医薬グレード医薬を含む。一つの態様において、イチョウは
、ゴタ・コラおよび/またはタツナミソウと組合わせ得る。本態様の他の形態に
おいて、イチョウは、ゲンゲ属、カンゾウおよび/またはサラスパリラと組合わ
せ得る。説明的例示の目的で、如何なる意味でも限定せず、医薬グレードのイチ
ョウは、エクニナセア、カノコソウおよび/またはブラック・コホシュのような
医薬グレードの植物素材と組合わせ得る。米国特許出願である、その全体を本明
細書に引用して包含させる、1997年10月23日出願の“医薬グレードエク
ニナセア”なる名称の出願第08/956,603号(代理人ドケット9117-015)
、“医薬グレードカノコソウ”なる名称の出願第08/956,615号(代理人
ドケット9117-016)参照;またその全体を本明細書に引用して包含させる、19
97年10月23日出願の“医薬グレードブラック・コホシュ”なる名称の出願
第08/956,611号(代理人ドケット9117-018)参照。
【0036】 3.1.定義 本明細書で使用する場合の“医薬グレード”なる用語は、植物性医薬中のある
具体的生理学的活性および/または不活性成分が、ある具体的な絶対的および/
または相対的濃度範囲内でなければならないおよび/または成分が疾病、疾患ま
たは状態特異的生物活性アッセイで測定して一定活性レベルを示さなければなら
ないことを意味する。疾病、疾患または状態は、ヒトまたは動物に苦痛をもたら
す。
【0037】 当業者には理解されるように、“医薬グレード”なる用語は植物性医薬が、例
えば、処方の下に提供されるもの、即ち、“Rx(処方)”生産物または売薬、即
ち“OTC”のように調節された生産物のみに適応することを意味しない。本用
語は、処方、売薬を提供する生産物、または食品添加物、即ち、“DSHEA”とし
て同等に適応される。
【0038】 本明細書での使用において、“成分”は、植物性医薬に天然に存在するか、定
義された生物活性範囲および/または組成上の範囲内の成分を有する医薬グレー
ドの植物性医薬を調剤するために植物性医薬に添加されている、別々の成分(即
ち、化学素材)を意味する。
【0039】 本明細書での使用において、“活性成分”は、疾病特異的生物検定における個
々の成分活性の合計が、植物性素材の観察される生物活性の実質的な部分の原因
である、1個またはそれ以上の成分を意味する。好ましくは、活性成分活性の合
計が、観察される生物活性の大多数または50%以上の原因である。
【0040】 本明細書での使用において、“画分”は、典型的に、可溶性、分子量範囲、極
性範囲、吸着係数、結合特性、化学反応性または選択的溶解性のような定義され
たパラメーターを有する成分または構造的に類似の成分のグループを意味する。
最も頻繁に、画分は、選択的溶媒溶解性および、pH依存的分離、クロマトグラ
フィー分離法、即ち、フラッシュクロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)、分取ガスクロマトグラフィー、分配クロマトグラフィー、分取
薄層クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラ
フィー、液−液クロマトグラフィー、例えば、向流クロマトグラフィーまたは求
心性または遠心性クロマトグラフィーを含む、分割法(即ち、液−液抽出)の生産
物である。
【0041】 本発明は、本発明の詳細な記載および具体的態様の実施例および添付の図面に
より、更に完全に理解されよう。
【0042】 4.図面の簡単な説明 図1は、後続処理される植物性原料を医薬グレード薬剤の製造中に比較する標
準化学および/または生物活性フィンガープリントを確立するのに使用される本
発明方法の概略図を示す。 図2は、植物性原料を医薬グレードの薬剤へ加工するのに使用される本発明方
法の概略図を示す。 図3は、異なる種類の生物活性成分を単離する方法の概略図を示す。 図4は、6種類の市販されているイチョウ製品の化学分析を表わし、各製品に
おけるテルペンラクトンおよびフラボングリコシドの相対濃度を示す。
【0043】 5.発明の詳細な記載 5.1.ファーマプリンティング(商標)の方法 この発明は、医薬グレードに属するものとして分類され得る植物性薬剤の製造
方法を提供する。この方法をファーマプリンティング(商標)と称する。本発明
方法により製造される医薬グレードの植物性薬剤は、臨床試験での使用、および
さらに重要なことに患者の処置での使用に特に好適である。この方法によって、
特定プロトコールに使用される薬剤が、人体および獣医学用予防または治療薬剤
として一貫した品質を有し、その用途に一貫して適している状態が確保される。
【0044】 この発明により、植物性抽出物および他の植物性原料、例えばイチョウの植物
性原料(複数も可)の品質、用量および臨床有効性の緊密な制御が可能となる。
本発明の一態様には、様々な植物性原料に関する化学および/または生物活性フ
ィンガープリント標準の確立が含まれる。一旦確立されると、フィンガープリン
ト標準を薬剤製造工程で使用することにより、植物性原料が医薬グレードの必要
条件を満たすことが確保される。本発明のさらに別の態様として若干の植物性原
料について確立された特異的な定量的および生物学的フィンガープリントが提供
される。これらのフィンガープリントは、特定の植物性原料が特定の処置体制に
関する薬理活性レベルおよび組成必要条件を満たしているか否かを測定するのに
有用である。かかる測定結果は、植物性原料を用いた臨床試験および患者処置が
一貫した証明可能な抽出物組成パラメーターに基づくことを確保するのに重要で
ある。
【0045】 この発明は、十分に特性確認され、その組成がバッチ間で一致している植物性
原料の提供に有用であり、その結果、それらは臨床環境で正確に投与され、有効
に使用され得る。ここに記載されている方法により、臨床試験の結果が再生可能
であるという保証が提供される。
【0046】 最初に、興味の対象である植物性原料のサンプルを入手する。多くの植物性薬
品が、原料または加工処理された抽出物として市販されている。それは、植物性
抽出物または薬剤としての使用を意図された他の組成物である場合が多い。加工
処理された原料は、所定の生物活性を呈する複数の活性成分および興味の対象で
ある生物活性を直接呈するわけではない複数の不活性成分を含み得る。一態様で
は、アリコートを植物性原料から取り出し、品質保証または標準化方法に付す。
好ましくは、アリコートは、均一な植物性原料の典型的アリコートである。この
方法は、植物性原料のアリコートを複数のマーカーフラクションに分離すること
を含み、その場合マーカーフラクションの各々は少なくとも1種の活性成分また
は場合により不活性成分の1種を含む。マーカーフラクションの各々における活
性成分または不活性成分の量を測定することにより、アリコートの定量的フィン
ガープリントが提供される。またマーカーフラクションの各々に関する生物活性
の程度を測定することにより、アリコートに関する生物活性フィンガープリント
が提供される。次いで、このアリコートの化学および/または生物活性フィンガ
ープリントを、医薬グレードの薬剤に関して確立された対応するフィンガープリ
ントと比較する。植物性薬品のフィンガープリントが標準フィンガープリントに
適合する場合、この植物性薬品は医薬グレードの植物性薬剤として同定される。
そうではない場合、植物性薬品を修飾することにより、標準フィンガープリント
との適合性が提供され得るかまたは拒絶され得る。
【0047】 5.1.1.ファーマプリント(商標)の展開方法 植物性薬品に関するファーマプリント(商標)の展開方法は、推定活性成分の
範囲が既知であるとき文献の再検討から始められる。その場合、植物性薬品に関
する化学文献、生物学文献、公開されたバイオアッセイおよび臨床データの再検
討が含まれる。特に有用な情報供給源は、シカゴ、ユニバーシティー・オブ・イ
リノイ、医薬科学における共同研究用プログラムにおいてノーマン・ファーンズ
ワース博士により管理されたNAPRALERTコンピューターデータベース、ロイング
およびフォスター、Encyclopedia of Common Natural Ingredients Used in Foo
d,Drugs and Cosmetics、第2版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、ニュー
ヨーク、ニューヨーク、1996、Herbal Drugs and Phytopharmaceuticals、N
.G.ビセット編、CRCプレス、ボカ・レートン、フロリダ、1994、デュー
ク、Handbook of Biologically Active Phytochemicals and Their Activities
、CRCプレス、ボカ・レートン、フロリダ、1992、タイラーおよびフォス
ター、Handbook of Nonprescription Drugs中、”Herbs and Phytomedicinal Pr
oducts″ベラルディら編集、ユナイテッド・ブック・プレス、インコーポレイテ
ッド:ワシントン、DC、1996である。所定の適応症の場合、文献を研究す
ることにより、推定活性成分が実際にその病状と関連していることを確認しなけ
ればならない。さらに、推定活性成分に関して既知であり、および適応症に関し
て既知のバイオアッセイがある場合、バイオアッセイは適応症および推定活性成
分の両方と一致していなければならない。適当なバイオアッセイ(複数も可)で
あれば臨床的に適切な終点(複数も可)に結び付く。バイオアッセイ(複数も可
)は、広い濃度範囲にわたって定量的であるべきである。典型的には、IC50
線(50%阻害濃度)、EC50(50%有効濃度)または適当なKIまたはKd
酵素およびその阻害剤の解離定数)曲線が製作される。次いで、植物性薬品の推
定活性成分およびクロマトグラフィーフラクションの両方の徹底的な化学的およ
び生物学的分析を遂行する。結果を分析することにより、試料中の化学成分の各
々について生物活性の定量分析表を作成する。次いで、全体としての試料の生物
活性を、個々の成分の生物活性と比較する。この時点で、個々の化学成分は、臨
床的に適切な終点と相関関係を示し得る。同様の方法論は、刺激または阻害効果
を測定するバイオアッセイに適用され得る。
【0048】 個々に成分の活性に基づき、総活性についての知識を得ると、これらの成分を
合わせたときに、当然生物活性のかなりの部分が説明される。一般に、活性を合
わせると、総活性の少なくとも25%が説明される。
【0049】 好ましくは、個々の活性成分の活性合計により、観察された生物学的活性の大
部分または50%を越える割合が説明される。さらに好ましくは、単離された個
々の成分は、70%を越える割合の活性に関与している。さらになお好ましくは
、単離された個々の成分は、80%を越える割合の生物活性に関与している。
【0050】 別法として、ファーマプリント(商標)の一部となるのに可能な限り少ない活
性成分を選択するという考え方がある。活性成分が少ないということは、原料の
許容性および製造において実践的に考えるうえで重要なことである。この発明で
は、関連化学成分および生物活性間で相関関係が確立されている。一旦満足すべ
き相関関係が確立されると、各試料に関して生物学的フィンガープリントを遂行
することは必ずしも必要ではない場合があり得る。むしろ、興味の対象である植
物性薬品の各試料の適当な成分および/またはマーカーフラクションの化学分析
をすれば、生物活性の大部分を説明し、所定の植物性サンプルが医薬グレードで
あることを確立するのには十分である。
【0051】 一態様において、この発明は、下記方法のうちの一つを含み得る。一法につい
ては、図1に概略が図示されており、与えられた医薬グレードの植物性薬剤に関
する組成および生物活性フィンガープリント標準の確立が含まれる。一旦フィン
ガープリント標準が確立されると、植物性薬品から医薬グレード薬剤への実際の
加工処理が、図2に概略が図示されている通り遂行され得る。
【0052】 与えられた植物性薬品に関する化学的および/または生物活性フィンガープリ
ントの確立における最初の段階では、図1で段階1により示されているように抽
出物または粉末を1つまたはそれ以上の群に分離する。これらの群を、加工され
た植物性原料に関して確立されるフィンガープリントに対するマーカー(活性成
分を含む場合も含まない場合もあり得る)としてのそれらの能力に基づいて分離
し、同定する。潜在的マーカーとして選択され、同定される推定成分または推定
成分の群は、加工されている植物性薬品および医薬用途によって大きく変化する
。各植物性薬品については少なくとも2種の推定マーカーが選択されるべきであ
る。潜在的マーカーの数は、5より大であり得、複合的な植物性抽出物または粉
末の場合15〜20もまたはそれ以上であり得る。潜在的マーカーは、大部分、
所定の医薬適用に関するそれらの潜在的生物活性または生物活性への寄与度に基
づいて同定され、選択される。異なる適応例の場合、同じ植物性薬品を異なる抽
出方法での抽出物の製造に使用することにより、特異的生物活性成分が最適化さ
れ得る。独力では明白な生物活性を示さないマーカーが分離され得、フィンガー
プリントで使用されるマーカーとして含まれ得る。これらの「代理」マーカーは
内部標準として望ましいものであり得、その場合マーカーの存在は、植物性薬剤
に関して観察された全体的生物活性の実質的部分を提供するのに必要な他の活性
成分の指標である。それらはまた、薬剤の適切な植物同一性を確かめる補助手段
である(すなわち、化学分類学)。
【0053】 植物性薬品から様々な推定マーカー群への初回分離は、単純な抽出および分配
から、複雑なアフィニティークロマトグラフィー技術、例えばゲル濾過クロマト
グラフィー、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラ
フィーを含めた範囲に及ぶ慣用的分離技術により達成される。一旦推定マーカー
が所定の植物性薬品に関して同定されると、マーカーの各々の生物活性が図1に
おける段階2により描かれた要領で測定される。植物性薬品の生物活性測定に使
用される特定のバイオアッセイは、植物性薬品に関して意図された用途に基づい
て選択される。バイオアッセイは、好ましくは植物性薬品で処置される状態また
は適応症に関する推定マーカーの生物活性の映像を提供する。
【0054】 段階2で得られたバイオアッセイ結果を用いることにより、所望の生物活性を
有する成分(段階3)および活性が低いかまたは本質的に不活性な成分(段階4
)が同定される。次いで、段階3および4で同定された群の各々を定量分析する
ことにより、各群に存在する同定された各成分の量を測定する。次いで、バイオ
アッセイおよび定量的組成検定の結果を用いて、図1の段階5により描かれた通
り植物性薬品に関するバイオアッセイフィンガープリントおよび/または化学的
フィンガープリントを製造する。植物性薬品に関するフィンガープリントを確立
する段階の一部として、生物活性および/または化学組成の許容し得る範囲を測
定する。これは、主として全体として加工原料の望ましい薬理学的活性を提供す
る各マーカーについての生物活性および定量的な量の許容し得る範囲の確立に基
づいて行われる。
【0055】 さらに、活性および不活性マーカーフラクションの様々な組み合わせを評価す
ることにより、活性および不活性成分の組み合わせから生じる所望の生物活性に
おける潜在的増加が確立され得る。
【0056】 段階5で確立されるバイオアッセイおよび定量的フィンガープリントにより、
臨床用途に必要である薬剤投与法および処置スケジュールの確立に使用され得る
植物性薬品の正確な同定が行われる。薬剤投与法および処置スケジュールは、新
規薬剤研究時に常用される慣用的臨床方法を用いて確立される。薬剤投与法およ
び処置スケジュールの決定に使用される加工原料は、段階5で確立されたフィン
ガープリントの必要条件に適合し、それらを満たすものでなくてはならない。こ
の方法によって、薬剤投与法およびスケジュール決定試験で使用される加工原料
は全てこの発明による同一フィンガープリントを有するため、薬剤投与法および
処置スケジュールは確実に有効で再生可能なものとなる。
【0057】 図1に示されている概略的方法により決定されるバイオアッセイおよび定量的
フィンガープリントは、医薬グレードの植物性薬剤を生産するための製造方法の
一部として使用される。フィンガープリントを品質保証または標準化方法の一部
として使用することにより、所定の植物性薬品が適当な化合物を含み、正確に加
工される結果、図1に示された方法に従い標準化および試験された原料と臨床的
に同様に機能する植物性薬剤の提供が確保される。
【0058】 本発明による医薬グレード植物性薬品の製造方法の一例は、図2に概略的に示
されている。興味の対象である植物性原料21をまず抽出、粉砕または他の製造
工程により加工処理すると、加工された植物性原料22が形成される。次いで、
加工原料のサンプルを分析することにより、それが図1の標準化工程中に確立さ
れたフィンガープリント必要条件に適合するか否かが確立される。この品質保証
または標準化方法は、図2の段階23で描かれている。加工処理原料が特定原料
に関する予め確立されたフィンガープリント必要条件を満たす場合、それは段階
24により表わされているように医薬グレードを有するものとして認められる。
原料が標準フィンガープリントに近いが完全には適合していない場合、必要に応
じてそれを修飾することによりフィンガープリントに適合させる(段階25)。
加工処理原料をフィンガープリント標準と合致させるための修飾は、様々な方法
により行われ得る。さらに別の植物性薬品処理方法には、必要に応じ、植物性薬
品の追加抽出、選択的抽出、選択的加工処理、バッチの組み合わせ(例、高およ
び低用量バッチの混合による医薬グレード原料の製造)または様々な化合物の追
加が含まれ得る。植物性薬品が、生物活性マーカーおよび定量的マーカーの両方
に関して実質的にフィンガープリント範囲外にある場合、バッチは拒絶される(
段階26)。
【0059】 一態様では、所定の植物性薬品が医薬グレードであるか否かの決定に使用され
る品質保証標準化段階23では、試験される植物性薬品の一様なサンプル、好ま
しくは均一サンプル、またはアリコートを入手する。このサンプルは、原料の観
察される生物活性に寄与し、予め決定された標準の生物活性および/または化学
的フィンガープリントを生じる活性成分を含むべきである。不活性成分は、直接
測定可能な生物活性を有し得ないものである。不活性成分は、次の範疇、すなわ
ち活性の実質的部分を説明するには低すぎる活性しかもたない成分、存在が他の
生物活性成分の存在を示し、これらの成分に関し近いマーカーとして作用し得る
成分、関連した検定において化学的または生物学的に不活性である不活性成分を
含んでいる。サンプルは、好ましくは試験されている植物性原料の小アリコート
のみである。従って、原料の全バッチを表わす一様なサンプル、好ましくは均一
サンプルを得ることが重要である。
【0060】 更に詳細な図式は図3に示されており、植物性薬品の水性抽出物に存在する異
なる成分の初回分離を示す。連続抽出および沈殿を用いることにより、水性また
は有機相における活性成分が単離される。図3における図式は、植物性薬品、例
えばヤドリギから水溶性活性成分の種類を分離するのに特に適している。
【0061】 植物を主たる種類の化学的成分に分離するための一般的方法の一例は、図3に
図示されている。乾燥原料も使用され得るが、主として新鮮な植物(葉、根、花
、漿果および幹を含む)を使用するべきである。特異的植物部分、例えば葉、花
、幹または根が所望ならば使用され得る。
【0062】 この方法では、特定部分または総体植物が液体窒素温度で冷凍され得る。これ
によって、粉砕が容易になり、また活性成分の完全さおよび効力が保存される。
【0063】 微粉化された粉末は、蒸留水を用いて反復抽出される。所望ならば、この抽出
は、温水、アルコール、他の有機溶媒、水性アルコール、希酢酸またはそれらの
組み合わせにより実施され得る。選択される実際の温度は、好ましくは水の沸騰
温度またはそれに近いものである。抽出物の全体的生物活性を最初に測定するの
が好ましい。抽出物を合わせ、特異的バイオアッセイ、例えば、薬剤が抗菌剤と
して使用される場合ペトリ皿における細菌の生長を阻害する試験に付す。別法と
して、薬剤が抗癌剤としての用途を意図したものである場合、好ましくは癌細胞
の細胞培養に対する試験が行われる。これらのデータから、1ml当たりの抽出物
中に含まれる生物活性単位を算出する(生物活性単位は、試験系における細菌ま
たは癌細胞の50%生長阻害に必要とされるこの抽出物の希釈数として定義され
る)。同様に刺激作用、例えば免疫刺激に関する生物活性が算出され得る。
【0064】 本発明による医薬的フィンガープリント(ファーマプリント(商標))を確立
するため、図3に示された方法に従って植物を抽出することにより、それを主成
分(例、サポニン、テルペノイド、脂質、アルカロイド、核酸、タンパク質およ
び炭水化物)に分離する。成分の各分離群を必要に応じ生物活性について試験す
る。これは活性の証拠となり得る(例、ヤドリギ科ヤドリギ(Viscum album)の
場合のようにタンパク質およびアルカロイドフラクションにおいて)。化合物の
活性を示す種類(複数も可)を、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーまたは他のクロマトグラフィーに
より個々の化合物へさらに分離する。生物活性に対して主に影響を与える成分は
、重量および比生物活性単位に基づいて定量される。これらの成分は、もとの草
本抽出物に関する医薬要件を確立するフィンガープリントを提供する。医薬グレ
ード抽出物1ml当たりの生物活性単位により、臨床試験用の正確な用量の確立方
法が提供される。
【0065】 一旦サンプルが個々のマーカーフラクション、および少なくとも一活性成分を
有する少なくとも1種に分離されると、各フラクションを分析することにより、
そこに存在する活性成分量が測定され、サンプルの定量的フィンガープリントが
提供される。各フラクションの定量は、公知定量的分析方法のいずれかを用いて
達成され得る。定量方法の例としては、重量測定分析、スペクトル分析または定
量的検出装置、例えばガスクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィ
ーで使用されるものおよび他の分離システムの使用がある。他の適当な定量的分
析方法には、酵素分析、放射分析、比色定量分析、元素分析、分光測光法、蛍光
または燐光方法および抗体検定法、例えば固相酵素免疫測定法(ELISA)ま
たはラジオイムノアッセイ(RIA)がある。
【0066】 一態様では、各フラクションの定量分析結果を用いることにより、サンプルの
定量的フィンガープリントが製造される。フィンガープリントは、マーカーフラ
クションの各々における成分の量および成分の同一性により構成される。次いで
、この定量的フィンガープリントを、原料が医薬グレードであるとして見なされ
るように確立された(図1)既知標準フィンガープリントと比較する。サンプル
の定量的フィンガープリントが医薬グレードのフィンガープリントについて示さ
れた量の範囲内に含まれる場合、この素材は、医薬グレードであるとして同定さ
れ得る。
【0067】 品質保証検定法の別の一部として、個々のマーカーフラクションは、生物学的
検定法に付され得る。様々なフラクションの試験に使用される生物学的検定法は
、標準フィンガープリントの場合に使用されるものと同じであり、またこの素材
に対して意図された特定臨床用途によって異なる。
【0068】 この原料に対して生成された生物活性フィンガープリントを、原料が医薬グレ
ードであるとして見なされるように確立された標準生物活性フィンガープリント
と比較する。サンプルの生物活性フィンガープリントが医薬グレードのフィンガ
ープリントに関して示された生物活性の範囲内に含まれる場合、この原料は医薬
グレードを有するものとして同定および是認される。
【0069】 5.1.2.別のファーマプリント(商標)展開方法 推定活性成分が未知の場合の植物性薬品に関するファーマプリント(商標)の
展開方法もまた、文献の再検討から始まる。その場合、植物性薬品または関連植
物性薬品または関連活性を有する植物性薬品について入手可能な化学文献、生物
学的文献、公開されたバイオアッセイまたは臨床データを再検討する。病状に基
づいて、一連の適切なバイオアッセイが選択される。全試料または抽出物の活性
はバイオアッセイを用いて分析される。次いで、活性を示すバイオアッセイを用
いることにより、推定活性成分がまだ知られていない植物性原料のフラクション
を分析する。分画は、通常の方法、例えば比誘電率、生物学的親和力、極性、サ
イズ、溶解度または吸着力による分離に基づく。次いで、フラクションを分析す
ることにより、どのフラクションが活性に関与しているかを決定する。活性が見
出されるとして、各活性フラクションを再分画することにより、個々の推定活性
成分、すなわち純粋な化学的化合物が単離される。個々の化学的化合物を知り、
それらの定量的生物活性を知ることに基づいて、定量的効力曲線が描かれ得、個
々の各化学的成分について50%阻害濃度(IC50)が測定され得る。推定活性
成分がアゴニストである場合、他のパラメーター(結合性、活性化、応答)が要
求され得る。一般的な場合、バイオアッセイは、構成成分、フラクションまたは
全抽出物の刺激または阻害作用の適当な試験、次いでそれらの作用の適当な定量
的評価により構成される。標準(または放射能標識)アゴニストまたはアンタゴ
ニストが測定可能な効果を誘発する最も有望な(または典型的な)検定法の場合
、対象素材による阻害および/または刺激は、典型的にはIC50、EC50などの
値、または他の適当な測定値(例、Ki、Kd、Kmなど)により評価および表現
され得る。次いで、個々の推定活性成分の活性を合計し、その合計を非分画化植
物性試料における活性と比較する。これらの成分が活性の実質的部分を説明して
いる場合、活性成分が未知である植物性薬品に関する「活性成分」の初回フィン
ガープリントを有するものである。
【0070】 5.1.3.ファーマプリント(商標)展開方法に関する追加的変形 推定活性成分が未知である植物性薬品のファーマプリンティング(商標)につ
いて上記で概説された一般的方法は、分析過程中に複雑化が生じた場合に幾つか
の変形が加えられる。個々の成分の合計が植物性薬品の生物活性の実質的部分に
相当しないときに一変形が加えられる。この点で個々の成分の活性が低減化され
る有望な理由が幾つかあり、一に活性成分の分解または崩壊または二に相乗効果
である。別の可能なシナリオでは、分画のいずれからも顕著なまたは大きく低減
化された活性はみとめられ得ないが、植物性薬品または抽出物全体の場合はバイ
オアッセイにおいて活性を示す。非特異的マトリックス作用はまた、標準と比較
した場合全抽出物活性を減少させ得る。
【0071】 活性成分が検定経過中に分解しているか否かを決定することは比較的簡単であ
る。単にフラクションの全てを組み合わせ、組み合わされたフラクションの活性
を原原料の活性と比較するだけである。実質的活性が失われた場合、問題となる
のは恐らく分解であると考えられる。どの活性成分が分解されているかを測定す
るため、粗植物性薬品のクロマトグラフィー分析結果を組み合わされたフラクシ
ョンの場合と比較する。ピークが失われているか大きさが縮小されているという
ことは、成分が分解されている可能性があることを示す。分解を克服するために
多くの方法が存在する。典型的には、穏やかな抽出/分画方法、例えば液体−液
体クロマトグラフィー(向流クロマトグラフィー)または超臨界二酸化炭素抽出
またはクロマトグラフィーが使用され得る。
【0072】 予測される総活性の実質的部分に該当しない個々のフラクションの活性に関す
る別の説明は、1種またはそれ以上の活性成分相互または不活性成分との間の相
乗効果である。相乗作用が行われていることを測定するためには、対関係で組み
合わされたフラクションを分析する必要がある。組み合わされたフラクションが
個々のフラクションよりも高い活性を示す場合、フラクションにおける2種また
はそれ以上の個々の成分は相乗的に作用している可能性があり得る。例えば、3
つのフラクションがあり、各々単独では生物活性の10%に関与しているが(す
なわち、それらの非組み合わせ相加的生物活性は30%である)、組み合わされ
ると活性の100%に関与していることになる場合がある。その場合、フラクシ
ョンは相乗的に作用している。フラクションの対関係での組み合わせ反復または
大型フラクションの考察により、何らかの相乗活性が発見される。一旦2つのフ
ラクションが相乗作用を示した場合、それらを上記要領で再分画し、個々のフラ
クション対または単離成分対を試験することにより、相乗的に作用する個々の成
分が見出される。また、個々の成分またはフラクションの3方向比較が試験され
得る。
【0073】 植物性薬品が活性を示すバイオアッセイにおいてフラクションが活性をもたな
い場合はどうなるか。ここで、説明となるものには、分解、相乗作用、または個
々のフラクションで活性を示すものが全く無いような多くの活性成分が含まれる
。第1段階は、各初回フラクションを分画し、活性成分がバイオアッセイで現れ
るか否かを見ることである。それがうまくいかない場合、フラクションを組み合
わせ、検定にかけて活性の分解が行われているか否かを測定するべきである。分
解が行われている場合、上記の適当な手段が採られるべきである。分解が全く存
在しない場合、別の分画方法を試みるべきである。実際的には、十分に大きいか
または適当に大きさが決められたかまたは選択されたフラクションであれば活性
を示す。相乗作用が疑いのある問題である場合、上記相乗効果の項における要領
で続行する。
【0074】 5.2.植物性原料の製造および抽出方法 植物性原料、例えばイチョウを加工処理することにより、総体植物または植物
の選択された部分の水性または有機抽出物が形成され得る。植物性原料はまた、
全体的または部分的に加工処理されることにより、粉末が形成され得る。興味の
対象である植物性原料の多くは、散剤、水性抽出物、有機抽出物または油類とし
て市販されている。一態様では、液体医薬用担体に溶解しやすいため、植物原料
の抽出物が好ましい。しかしながら、粉末植物原料は、薬剤が固体形態、例えば
錠剤またはカプセルで投与される多くの適用法に関して好適である。これらの方
法は、当業界の熟練者には熟知されている。さらに、植物原料および/または抽
出物の多くは市販されている。植物性薬品の加工処理および抽出の例として、下
記の例を提供する。追加例は詳細な記載の項で提供する。
【0075】 典型的な根の場合、根は薄く切断、冷凍または粉砕され得る。粉末にする場合
、それを適当な溶媒と振り混ぜ、濾過する(タナベら、1991、Shoyakugaku
Zassi、45(4):316−320)。別法として、次の方法を使用する。根
をホモジネートし、アセトン抽出し、濾過する。植物性薬品を蒸気蒸留すると、
精油が得られ、留出液はアセトン−水または適当な溶媒に溶解され得る。または
切断された根茎を冷凍および/または凍結乾燥し、生成した粉末をアセトン−水
抽出する(タナベら、1991、Shoyakugaku Zassi、45(4):321−3
26)。植物性薬品の別の製造方法は、100℃の水による水抽出である(ヤマ
ハラら、1985、J.Ethnopharmacology13:217−225)。上記方法に
よる初回溶媒抽出物は、適当な溶媒での液体/液体抽出を用いてさらに抽出され
得る。植物性薬品は、それぞれ極性または非極性溶媒を用いる2段階で抽出され
得る。次いで、溶媒を濃縮し、フラクションを合わせる(Nagabhusanら、198
7、Cancer Let.36:221−233)。また植物性薬品は、調理され得るペ
ーストまたは粉末として加工処理され得る(Zhangら、1994、J. of Food Sc
ience 59(6):1338−1343)。
【0076】 様々な溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、酢酸エチル
、エタノール、ヘキサン、イソプロパノール、メタノール、他のアルコール類お
よび超臨界二酸化炭素を用いることにより、乾燥植物性薬品が抽出され得る(シ
プロら、1990、Int. J. of Food Science and Technology 25:566−
575およびそこに記載された参考文献)。
【0077】 他の植物性薬品、例えばノコギリパルメット(Saw Palmetto)の場合、医薬製
品は種子油または乾燥漿果である。典型的な製品では、ヘキサンまたは超臨界二
酸化炭素抽出物が製造される。多くのノコギリパルメット製品が市販されており
、例えばペルミキソン(商標)またはタルソ(商標)がある。植物性薬品の超臨
界二酸化炭素抽出の一例については、インデナ、ヨーロッパ特許第025095
3B1号を参照。別法として、植物性薬品は、粉砕され、ソックスレー抽出装置
中適当な溶媒(90%)で抽出され得る(エルガムリーら、1969、Experien
tia 25(8):828-829)。また植物性薬品は、エタノール抽出され得る(バイ
サーら、1996、The Prostate 28:300306)。
【0078】 乾燥原料は、凍結乾燥、マイクロ波による乾燥、液体窒素冷却および粉砕、1
0時間70℃で真空乾燥、または日陰で、または熱風送風による風乾を含む様々
な方法で製造され得る(リストおよびシュミット、Hagers Handbuch der Pharma
zeutischen Praxis、スプリンガー−フェルラーク:ニューヨーク、1993、
1973−79、アラヤら、1981、Journal of Comparative Pathology、1
35−141)。茶、希釈水性抽出物、浸出液としても知られているものは、6
0−100℃の水中で製造され得る(ノーゼルおよびシルヒャー、1990)。
煎出もまた利用され得る。粒子サイズが.25mm未満である場合抽出はさらに効
果的である(リストおよびシュミット、Phytopharmaceutical Technology、CR
Cプレス:ボカ・レートン、フロリダ、1989)。
【0079】 様々なガイドラインが、植物性薬品の油抽出物製造に利用可能である。植物性
薬品は、45℃で10日間、また他方では70℃で12−24時間も推奨されて
いるが、油中で消化(マセレーション)され得る(ホブス、1989、HerbalGr
am 18/19:24−33、スミスら、Quality Validation Laboratory Herb
Pharm:ウィリアムズ、オレゴン、1996)。セント・ジョーンズ・ウォルト
(St.John's Wort)では例えば、抽出工程中に製品を日光に曝すことにより、ケ
ルセチンとして算出されたフラボノイド含有量が4倍増加することが報告されて
いる(マイセンバヒェルおよびコヴァー、1992)。さらに、セント・ジョー
ンズ・ウォルトの場合、原料をさらにアルコール抽出し、油と混合した油製品で
はヒペリシンの2倍増加が報告されている(ゲオルギエフら、1983、Nauchn
i Tr.-Vissh Inst.Plovid. 30:175−183)。
【0080】 別法として、アルコール−水製品は、植物性薬品から製造され得る(デュコバ
、1985、Farmitsiya 34:71−72、ゲオルギエフら、1985、Nauch
ni Tr.-Vissh Inst. Plovid. 32:257−263、ワグナーおよびブラット
、1994、コバレブスキら、1981、Herba Pol. 27:295−302)
。Hagers Handbuch によると、植物性薬品、例えばセント・ジョーンズ・ウォル
トのチンキ剤は、薬剤を用いるかまたはエタノール浸漬植物性原料を冷凍し、濾
過し、暗色瓶に保存することにより製造され得る(リストおよびヘルハマー、1
993)。
【0081】 数種の植物性薬品、例えばセント・ジョーンズ・ウォルトは、温度および光の
両方に感受性を示す。このタイプの植物性薬品の場合、原料を冷却剤と共に乾パ
ックするかまたは冷蔵輸送し、光および空気から保護するべきである。セント・
ジョーンズ・ウォルトの場合、ヒペリシン含有量は、6週間を越える期間60℃
−140℃の温度で貯蔵したとき粉末抽出物、錠剤およびジュース製品では顕著
に低下することが示された。20℃で貯蔵された乾燥抽出物は、少なくとも1年
間は安定したままであることが見出された(アダムスキら、1971、Farm. Po
l. 27:237−241、ベニグーニら、Hypericum. Plante Medicinali: Chi
mica, Farmacologia e Terapia、ミラノ:インヴェルニ・アンド・デラ・ベッフ
ァ、1971)。油製品から見出される他のセント・ジョーンズ・ウォルト構成
成分、ヒペルフォリンおよびアドヒペルフォリンは、特に光に曝されると非常に
不安定であり、僅か14日間で分解し得る(マイセンバヒェルら、1992、Pl
anta Med.、351−354)。エタノールで抽出した製品では安定性(空気の
非存在下で)は6ヶ月まで増加した。同様に、4種以下のキサントン類およびケ
ルセチンおよびI3‘、II8−ビアピゲニンを含む数種のフラボノイドが検出さ
れたことから、これらは外部製品における活性成分に含まれ得ることが示唆され
ている(ビストロフら、1975、Tetrahedron Letters 32:2791−27
94)。
【0082】 5.2.1.植物原料および粉末化植物材料の抽出物 イチョウは、典型的には乾燥抽出物である植物性原料として提供される。 植物性原料の液体抽出物の一般的な一形態は「茶」である。茶は、浸出または
煎出のプロセスを通じて製造され得る。茶は一般に水溶性成分を乾燥または生の
植物薬品から抽出する有効な手段である。
【0083】 液体植物性抽出物の別の常用形態は、チンキ剤である。植物性チンキ剤は、典
型的には生または乾燥植物性薬品から製造されるアルコール性または水性アルコ
ール性溶液である。普通、それは濾過またはマセレーション工程により製造され
る。
【0084】 強力な植物性薬品のチンキ剤およびホメオパシーのチンキ母液は、100mlの
チンキ剤中10gの植物性薬品(乾燥重量)に相当し得る。一般的な植物性薬品
は、100mlのチンキ剤中20gに相当する植物性薬品を含む。これらの製品に
おける乾燥植物性薬品対溶媒の各割合は、それぞれ1:10および1:5である
。これらの濃度は米国国民医薬品集により公的に認められたものであるが、チン
キ剤が1:4および他の濃度で製造されるのが普通になっている。
【0085】 粗植物性抽出物と比較すると、チンキ剤は、微生物負荷が低減化され、貯蔵寿
命も長いものであり得る。これは抽出物における20%またはそれ以上の濃度で
のアルコールの存在によるところが大きい。液体抽出物は、溶媒としてグリセリ
ンおよび水により製造されることもある。これらのグリセライトは、微生物汚染
を阻止するために通常少なくとも50%の割合でグリセリンが存在する必要があ
る。またグリセライトは、アルコール分を濃縮し、その代わりにグリセリンを「
戻し加える」ことによりチンキ剤から製造され得る。
【0086】 別のタイプの液体抽出物は、「流動抽出物」である。流動抽出物は、抽出物1
ml中乾燥植物性薬品1gの医薬特性を示す植物性薬品の液体製品である。公認バ
ージョンは、使用される溶媒を決定する公認モノグラフに従い濾過工程により製
造される。
【0087】 通常溶媒の蒸発により濃縮される液体抽出物は、事実上油状、半固体または固
体の抽出物を形成し得る。 乾燥粉末化抽出物は、溶媒除去前に液体抽出物、油状物または半固体を適当な
担体に吸収させることにより製造され得る。別法として、乾燥粉末化抽出物は、
液体抽出物から溶媒を直接除去することにより製造され、粉末化され得る固体抽
出物が提供され得る。
【0088】 5.3.フラクションの分離 一旦植物性抽出物が製造および/または別法として市販の抽出物として購入さ
れると、一分量を分別分析にかける必要がある。フィンガープリントが既に確立
されている場合、サンプルまたはアリコートを、標準フィンガープリント中に存
在する同じ多数のマーカーフラクションへ分離する。マーカーフラクションの各
々は、1つまたはそれ以上の活性または不活性成分を含む。マーカーフラクショ
ンは、試験されている各植物性原料に関する個々のベースに基づいて確立される
。原料によっては、要求されるマーカーフラクションはごく僅かである。他のさ
らに複雑な原料の場合、多数のマーカーフラクションが存在し得る。例えば、ヤ
ドリギ、ヤドリギ科ヤドリギ(Viscum album L.)タンパク質抽出物の場合、好
ましいタンパク質マーカーフラクションは、フラクションの糖結合性親和力に基
づいて分離されるフラクションである。しかしながら、原料を同定し、マーカー
フラクションに分離するための種々のパラメーターは、植物性原料中に存在する
成分のタイプに基づいて確立され得る。マーカーフラクションへの試料の分離は
、液体クロマトグラフィーおよび抽出方法を含む慣用的分離技術のいずれかによ
り達成され得る。標準フィンガープリントの確立に使用したのと同じ方法を使用
すべきである。様々なフラクションが生物活性について試験され得るため、非破
壊的分離技術を利用するのが好ましい。液体カラムクロマトグラフィーは、特に
使用されている化合物(例、炭水化物および標的酵素)の特異的結合能に基づい
たアフィニティークロマトグラフィーによる有用な分離技術である。
【0089】 分画後、溶媒を除去し、原料をバイオアッセイに適した媒質に溶解する。適当
な媒質の例としては、DMSO、エタノール、様々なデタージェント、水および
適当な緩衝液がある。溶媒の選択は、分析されている成分の化学的性質および検
定システムとの和合性により異なる。
【0090】 5.4.適当なバイオアッセイの確立 生物学的検定法は、いずれかの細胞増殖検定法、例えばL1210細胞阻害、
免疫活性または特異疾患に関連のある重大酵素の阻害の測定を含み得る。バイオ
アッセイに使用され得る他の形質転換セルラインの例としては、HDLM−3ホ
ジキンリンパ腫およびラージ・バーキットリンパ腫、ヘパトームセルライン、特
異的細胞受容体または酵素を担うヒト/動物セルラインの1次または樹立培養物
がある。
【0091】 生物学的検定法の結果を用いることにより、原料の生物活性フィンガープリン
ティングが製造される。フィンガープリントは、2つの選択されたマーカーフラ
クションの検定法と同様に簡単であり得る。逆に、フィンガープリントは、多数
の異なるフラクションにおいて行われる多数の異なるバイオアッセイを含み得る
。同じ検定法でも、異なるマーカーフラクションで実施され得ることがある。ま
た、同じマーカーフラクションに対して異なる検定も行われ得る。バイオアッセ
イの組み合わせは、所定の植物性原料の複合性およびその意図された臨床用途に
より異なる。バイオアッセイは、標準原料の生物活性フィンガープリントを確立
する場合に行われたものと同じである。
【0092】 5.4.1.酵素および受容体に基づく検定法 酵素および受容体に基づく検定法は、この発明を実践する場合に好ましい。検
定法は、臨床疾患に関して許容された酵素検定法に基づいて選択されるか、また
はそれらは所定の臨床疾患にとって適切な検定法から選択される。確認され得る
適当なバイオアッセイを選択することが重要である。理想的には、バイオアッセ
イは、堅固である、すなわち時間をかけて再生可能であり、広い濃度範囲にわた
って定量的用量応答を示すべきである。活性成分が知られていない植物性薬品の
場合に直面する問題点は、適切なバイオアッセイの選択である。ここで、ヒト治
療用途は、可能な作用機構に基づいた当業界における公知検定法を選ぶ指針とし
て有用である。作用機構は、臨床的に適切な終点と一致するべきである。酵素活
性、受容体結合活性、細胞培養活性、組織に対する活性および総体動物インビボ
活性に基づいた広いアレイの臨床的に適切な検定法が存在する。
【0093】 この項では、酵素および受容体結合検定法を扱う。酵素または受容体検定に関
する多くの書物が存在し、例えば、アカデミック・プレスによるMethods in Enz
ymology またはボイヤーズ、The Enzymes. Bioactive Natural Products, Detec
tion, Isolation,and Structural Determination、S.M.コルゲートおよびR.
J.モリニュー、CRCプレス(1993)はまた、特異的バイオアッセイにつ
いて検討している。 Methods in Cellular Immunology、R.ラファエル・フェ
ルナンデス−ボトランおよびV.ヴェトヴィカ、CRCプレス(1995)は、
免疫細胞活性化からの検定法およびサイトカイン受容体検定法について報告して
いる。“Screening Microbial Metabolites for New Drugs-Theoretical and Pr
actical Considerations”は、医薬的に適切なバイオアッセイの追加的発見方法
について報告している(ヤルブラフら、(1993)J. Antibiotics 46(4
):536−544)。また、パンラブズ、パラセルシアンおよびノバスクリー
ンを含め、多くの商業契約調査ベンダーがある。
【0094】 例えば、神経学的疾患の処置に有用な植物性薬品の場合、バイオアッセイのア
レイには、アドレナリン作用性受容体、コリン作用性受容体、ドーパミン受容体
、GABA受容体、グルタミン酸受容体、モノアミンオキシダーゼ、酸化窒素シ
ンテターゼ、アヘン剤受容体またはセロトニン受容体が含まれ得る。心臓血管疾
患の場合、検定法のアレイには、アデノシンA1アゴニズムおよびアンタゴニズ
ム;アドレナリン作用性α1、α2、β1アゴニズムおよびアンタゴニズム;アン
ギオテンシンI阻害;血小板凝集;カルシウムチャンネル遮断;回腸収縮応答;
心律動異常;心臓筋変力作用(イノトロピー(inotropy));血圧;心拍数;周期
変動(クロノトロピー(chronotropy));収縮性;低酸素性、低圧;低酸素症、
KCN;門脈、カリウム脱分極;門脈、自発的活性化;またはトロンボキサンA 2 、血小板凝集が含まれ得る。代謝性疾患の場合、次のバイオアッセイ、すなわ
ちコレステロール、血清HDL、血清合計、血清HDL/コレステロール比、H
DL/LDL比、グルコース、血清−グルコース負荷、または腎機能、カリウム
尿、塩排泄および尿量変化が使用され得る。アレルギー/炎症疾患の場合、次の
バイオアッセイ、すなわちアレルギー、アルツス反応、受身皮膚アナフィラキシ
ー、ブラジキニンB2、収縮性、気管、ヒスタミンH1アンタゴニズム、炎症、マ
クロファージ移動に対するカラゲニンの影響、ロイコトリエンD4アンタゴニズ
ム、ノイロキニンNK1アンタゴニズム、または血小板活性化因子、血小板凝集
または重要な炎症伝達物質(例、インターロイキンIL−1、IL−6、腫瘍壊
死因子またはアラキドン酸)の生合成誘導が使用され得る。胃腸疾患の場合、次
のバイオアッセイ、すなわちコレシストキニンCCKAアンタゴニズム、コリン
作用性アンタゴニズム、末梢性、胃酸性度、ペンタガストリン、胃潰瘍、エタノ
ール、回腸電気刺激調節、回腸電気刺激痙縮またはセロトニン5−HT3アンタ
ゴニズムが使用され得る。抗微生物性、抗真菌性または抗トリコモナス性疾患の
場合、次のもの、すなわちカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモナイエ(Klebsi
ella pneumonaie)、ミコバクテリウム・ラナエ(Mycobacterium ranae)、プロ
テウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、シュードモナス・アエルギノサ(Ps
eudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus a
ureus)、メチシリン耐性、トリコモナス・フォエツス(Trichomonas foetus)
、またはトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes
)が使用され得る。他の適応症の場合、当業界の熟練者であれば、バイオアッセ
イの適切なリストを選択できるはずである。
【0095】 酵素または受容体に基づいたアッセイの具体例としては、アセチルコリンエス
テラーゼ、アルドール−レダクターゼ、アンギオテンシン変換酵素(ACE)、
アドレナリン作用性α、β、ラットアンドロゲン受容体、CNS受容体、シクロ
オキシゲナーゼ1または2(Cox1、Cox2)、DNA修復酵素、ドーパミン受容
体、内分泌バイオアッセイ、エストロゲン受容体、フィブリノゲナーゼ、GAB
A AまたはGABA B、β−グルクロニダーゼ、リポキシゲナーゼ、例えば5
−リポキシゲナーゼ、モノアミンオキシダーゼ(MAO−A、MAO−B)、ホ
スホリパーゼA2、血小板活性化因子(PAF)、カリウムチャンネルアッセイ
、プロスタサイクリンサイクリン、プロスタグランジンシンテターゼ、セロトニ
ンアッセイ、例えば5−HT活性または他のセロトニン受容体サブタイプ、セロ
トニン再摂取活性、ステロイド/甲状腺上科受容体、トロンボキサン合成活性が
ある。特異的な酵素アッセイは、パンラブズ(商標)インコーポレイテッド(ボ
ーゼル、ワシントン)およびノバスクリーン(商標)(バルチモア、メリーラン
ド)を含む様々な供給源から入手され得る。追加的アッセイには、アデノシント
リホスファターゼ阻害、ベンゾピレンヒドロキシラーゼ阻害、HMG−CoAレ
ダクターゼ阻害、ホスホジエステラーゼ阻害、プロテアーゼ阻害、タンパク質生
合成阻害、チロシンヒドロキシラーゼおよびキナーゼ阻害、テストステロン−5
α−レダクターゼおよびサイトカイン受容体アッセイがある。
【0096】 5.4.2.細胞培養および他のアッセイ 酵素および受容体アッセイに加えて、他の生物学的アッセイも存在する。好ま
しくは、これらのアッセイは、細胞培養において行われるが、総体生物でも遂行
され得る。細胞培養検定には、培養された肝細胞および肝癌における活性(コレ
ステロールレベル、LDL−コレステロール受容体レベルおよびLDL/HDL
コレステロールの比率に対する効果に関する)、L1210、ヒーラまたはMC
F−細胞に対する抗癌活性、PC12ヒト神経芽細胞腫細胞における受容体レベ
ルの調節、黄体形成ホルモン(LH)、濾胞刺激ホルモン(FSH)またはプロ
ラクチンの1次細胞培養活性の調節、マスト細胞へのCa2+流入、食作用、リン
パ球活性またはTNF放出に関する細胞培養検定、血小板凝集活性またはHDL
M−3ホジキンリンパ腫およびラージ・バーキットリンパ腫細胞に対する活性、
抗ミトティック活性、感染細胞における抗ウイルス活性、抗菌活性(細菌性細胞
培養)および抗真菌活性が含まれる。抗炎症性マウス耳皮膚炎、ラット前足腫脹
、筋肉収縮性アッセイ、受身皮膚アナフィラキシー、血管拡張アッセイまたは総
体動物炭素クリアランス試験を含む組織または総体動物検定もまた使用され得る
。これらのアッセイは、パンラブズ(商標)インコーポレイテッド(ボーゼル、
ワシントン)を含む様々な供給源から入手され得る。
【0097】 5.4.3.抗癌活性 薬剤の抗癌作用は、様々な細胞培養系で試験され得る。これらには、マウス白
血病、L1210、P388、L1578Yなどがある。ヒト由来の腫瘍セルラ
イン、例えばKBおよびヒーラ細胞もまた使用され得る。典型的な検定では、腫
瘍細胞を、10%胎児牛血清含有RPMI−1640のような適当な細胞培養培
地で生長させる。対数的に成長している細胞を、セルラインの細胞周期期間によ
って14−72時間異なる濃度の試験原料により処理する。インキュベーション
の最後に、未処理および処理群における細胞数を計数することにより、細胞成長
を評価する。細胞生存可能性は、トリパン・ブルー排除試験またはミトコンドリ
アデヒドロゲナーゼによるテトラゾリウム染料の還元により確認され得る。薬剤
が培養における細胞成長を阻害し得るということは、それが抗癌効果を有する可
能性があると考えられ得る。これらの効果は、ヒトの病気のモデルである、腫瘍
をもつ動物において証明され得る(クワジャ、T.A.ら(1986)Oncology
、43(補遺1):42−50)。
【0098】 薬剤の抗癌効果を評価する最も経済的な方法は、10%胎児牛血清含有最少必
須培地(MEM)での腫瘍細胞の生長に対するその効果を試験することである。
薬剤暴露細胞(デュプリケイトで)を、腫瘍細胞の集団倍加時間により、37℃
で2−4日間、加湿式CO2インキュベーター中でインキュベーションする。イ
ンキュベーション期間の最後に、細胞を数え、細胞生長阻害程度を同一条件下で
生長させた未処理対照細胞との比較結果から計算する。使用されたセルラインの
タイプは、個々の必要性により研究所ごとに異なっていた。合衆国にある国立癌
研究所(NCI)は、抗癌剤のインビトロ評価についてはKB細胞(ヒト鼻咽頭
癌)の使用を推奨している。細胞成長阻害は、薬剤処置および未処置対照のタン
パク質含有量を評価すること(ローリー法)により測定される。NCIはまた、
植物抽出物および関連天然産物の抗癌効力の評価についてはマウス白血病P38
8の懸濁培養の使用を推奨している。
【0099】 マイクロタイタープレートで培養された、マウス白血病L1210細胞は、抗
癌活性に関するインビトロ検定で常用される。白血病L1210の細胞集団倍加
時間は、10−11時間であり、48時間(対数的成長の3−4世代)の薬剤暴
露がその抗癌活性の評価に使用される。成長阻害試験の場合、貯蔵溶液および希
釈液は全て滅菌0.9%NaCl溶液により製造される。細胞培養物を、マイク
ロタイタープレート(0.18ml/ウェル)において各阻害剤濃度に関しデュプ
リケイトで2−5×10細胞/mlの比率で播種する。阻害剤を0.02ml容量で
加えて各場合とも1:10希釈とする。被覆したマイクロタイタープレートを、
空気中5%CO2含有加湿式CO2インキュベーターにおいて48時間インキュベ
ーションする。インキュベーション期間の最後に、各ウェルのアリコートを測定
された体積の等張食塩水に加え、電子細胞数計測器で計数する。細胞の生存可能
性は、トリパン・ブルー排除により測定される。細胞成長阻害パーセント(食塩
水処理対照の細胞密度と比較)対薬剤濃度の対数をプロットすることにより結果
を計算し、グラフから測定される細胞成長の50%阻害を誘発する濃度(IC50 )として表わす。
【0100】 腫瘍セルラインに対する薬剤の細胞傷害効果についても評価され得る。しかし
ながら、これらの実験は、長い期間にわたる試験時間を必要とし、費用も高くつ
く。これらの試験では、薬剤処理細胞から薬剤を洗い流し、次いで軟寒天または
適当な培地中に置き、生存細胞が増加し、微視的コロニーを形成する能力により
、細胞の生存可能性を評価する。ある種の薬剤により得られる細胞コロニーの数
を、未処理対照から得られる数と比較することにより、細胞致死または細胞傷害
活性を評価する。ヤドリギ抽出物による試験では、EMT−6細胞(マウス乳腺
癌)の弱付着培養物を使用した。これらの細胞を、10%透析胎児牛血清および
抗生物質含有イーグルMEM(F14)で培養する。細胞懸濁液をスピンさせ、
10%透析胎児牛血清を補ったスピナー培地にペレットを懸濁し(70細胞/ml
)、プラスチック製ペトリ皿に入れ、2時間インキュベーションすることにより
、細胞を付着させる。この時点で細胞を2−24時間様々な濃度の抽出物に暴露
する。次いで、培地を除去し、薬剤不含有培地に置き換え、皿を5−7日間イン
キュベーションする。コロニーをメチレンブルー(0.01%KOH中0.33%
)で染色し、自動コロニー計数装置で数える。EMT−6細胞の平板効率は46
%である。(クワジャら、1986、Oncology、43(補遺1):42−50)
【0101】 5.4.4.抗ウイルス活性 種々の薬剤の抗ウイルス活性は、ヒトセルライン、例えばヒーラまたはH9リ
ンパ腫細胞の細胞培養で確認され得る。これらの細胞をウイルス感染させ、細胞
培養物中でウイルスを増殖させる。ウイルスが細胞溶解または細胞変性作用を生
じ得る状況を終点とみなす。例えば、H9細胞がHIV感染することにより、多
核細胞が生産される。これらの細胞変性効果は、それがある濃度の薬剤により低
減化または排除された場合、抗HIV薬剤としての可能性があることを示してい
る。これらの結果は、細胞培養物におけるウイルス性酵素の評価により、例えば
ウイルス性逆転写酵素の発現量を試験することにより確認され得る。ウイルス性
酵素発現の減少は、薬剤処置の抗ウイルス効果を裏付けるものである(クワジャ
、T.A.、米国特許第5565200号、J.レヴィら、1984、Science 2
25:840)。
【0102】 5.5.化学成分を分析するための分析的方法 ガスクロマトグラフィー(GC)、質量分光法(MS)、GC−MS、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)、HPLC−MS、薄層クロマトグラフィー
(TLC)、高速TLC(HPTLC)ゲルクロマトグラフィーおよび逆相クロ
マトグラフィー(RPC)を含め、個々の化学成分を分離および分析する多くの
方法がある。これらのクロマトグラフィー方法は、分析的規模または調製的規模
で遂行され得る。未知成分の実際の化学構造を測定するため、核磁気共鳴(NM
R)および質量スペクトルフラグメント化分析が一般に使用される。
【0103】 クロマトグラフィーのタイプの決定は、生物活性に最も関与すると思われる化
学的成分により変動する。例えば、生物活性が脂肪酸によると思われる場合、脂
肪酸をエステル化し、エステルをGCで分析する。アルコール基をもつ有機化合
物の場合、それらに修飾を加えてエーテル、シリル誘導体または他の極性が低い
官能基を生成する。その場合、これらの誘導体はGC分析に適している(ステイ
ンケら、1993、Planta Med.59:155−160、ブレウら、1992、A
rzneim.-Forsch/Drug Res. 42(1):547−551)。活性がフラボノイ
ドによると思われる場合、HPLCが特に適した方法である。逆相HPLC(R
P−HPLC)は、様々な植物性薬品、具体的にはサンザシ、トケイソウ、カモ
ミール、イチョウからのフラボノイドの分析に使用されている(ピエッタら、1
989、Chromatographia 27(9/10):509−512)。植物構成成分
は、ニンニクに対するMS−分析と同様、TLCにより(ヴァンヘーレンおよび
ヴァンヘーレン−ファストレ、1983、J. Chromatography 281:263
−271)定量的に測定される。“Analysis of Lipids”、K.D.ムクヘルジ
ェー、“Analysis and Characterization of Steroids”、H.ランパルチク、
J.シェルマ、および“High-Performance Liquid Chromatography of Peptides
and Proteins”、C.T.マントおよびR.S.ホジェスに関するクロマトグラフ
ィーのCRCハンドブックは、入手可能であり、カラムおよび溶媒系について記
載している。
【0104】 5.6.フラクションの分析 別の態様では、既知生物活性の個々の化学的成分に基づいたフィンガープリン
トの代わりに、特定されたフラクションまたは種類の化合物を用いるファーマプ
リント(商標)が確立され得る。植物性薬品における化学的成分の中には、密接
に関連した成分の非常に複雑な混合物を形成するものもあるため、実践的観点か
らすると、ファーマプリント(商標)を個々の成分ではなく化合物のフラクショ
ンまたは種類に基づいたものにするのが望ましい。これらのタイプの成分例とし
ては、レクチン(糖結合性タンパク質)または糖タンパク質およびノゲシにおけ
るシリマリンがある。分画分析には多くの例がある(「ゲル濾過の原理および方
法」Pharmacia Biotech、ラームス・イ・ルンド、スウェーデン、ウツミら、1
987、J. Biochem. 101:1199−1208)。
【0105】 5.7.ファーマプリンテッド(商標)原料の使用方法 植物性原料の有するフィンガープリントが確立された後、個々のサンプルを分
析することにより、それらが許容標準内に含まれるか否かを決定する。一旦サン
プルが承認されると、それはヒトおよび動物に関連した様々な病気に適したもの
である。上記原料は臨床試験において有用であるため、試験用製剤に対し一貫し
た品質および正確な用量の原料が提供される。またファーマプリンテッド(商標
)原料は、動物における毒物学的試験でも有用であり、その場合も同様に、原料
の一貫性は定量的毒物分析に有用である。多くの場合、それは分析的または生物
学的用途に関する対照素材として有用である。
【0106】 ファーマプリンテッド(商標)植物性原料は、植物性薬剤が関与する病状に有
用である。例えばロイングおよびフォスター、1996および“Herbal Drugs a
nd Phytopharmaceuticals”1994参照。病状または治療適応症のさらに具体
的な例としては、AIDS、アダプトゲン(adaptogen)、弱−中程度のうつ病
、抗関節炎薬、制癌剤、下痢止め薬、駆虫薬、抗炎症薬、胃腸経由の制吐剤、抗
リューマチ薬、鎮痙薬、抗潰瘍薬、アンギナ、抗菌剤、抗突然変異薬、酸化防止
剤、抗ウイルス剤、動脈硬化、関節炎、喘息、血圧、良性前立腺肥大(BPH)
、気管支喘息、気管支炎、鎮静剤、咳、脳循環障害、コレステロール低下、肝硬
変、皮膚科抗炎症薬、糖尿病、利尿剤、下剤、月経困難、消化不良、気腫、環境
性ストレス、去痰薬、遊離基除去剤、GI困難、痔、肝炎、肝臓保護、高血圧、
高脂血症、過プロラクチン血症、免疫調節活性、フィブリン溶解増加、細菌感染
に対する抵抗力、炎症、不眠、乳汁分泌、肝臓保護、長生き、月経周期調節、片
頭痛、筋肉痛、骨関節炎、疼痛、末梢血管疾患、血小板凝集、PMS、月経促進
、前立腺疾患、トリグリセリド還元、月経痛軽減、呼吸器感染症(RTI)、網
膜症、副鼻腔炎、リューマチ、鎮静薬、睡眠促進剤、咽喉炎、頭髪生長刺激、表
在性創傷治癒、耳鳴り、局所湿疹(皮膚炎)、尿路感染症(UTI)、拡張蛇行
静脈、静脈不全または創傷治癒がある。
【0107】 他の適応例には、止血薬、抗菌剤、駆虫薬、解熱薬、強心剤、駆風薬、胆汁分
泌薬、保護剤、発汗薬、催吐剤、月経促進薬、皮膚軟化薬、解熱剤、催乳薬、肝
臓薬、催眠薬、緩下剤、神経鎮静薬、肺病薬、発赤薬、興奮薬、強壮薬、傷治療
薬、口内糜爛(canker stores)、膿漏症、歯肉炎、胃炎、潰瘍、胆石、間欠性
は行、感冒、インフルエンザ、咽頭炎、頭痛、帯状疱疹、膀胱炎、腎臓結石、ア
トピー性膣炎、子宮フィブロイド、オステオポローシスおよび痛風がある。
【0108】 イチョウは、脳血管疾患および静脈疾患、アルツハイマー病を含む末梢血管疾
患の処置、および酸化抑制治療法として有効であることが報告されている。イチ
ョウ投与に関する一次適応は、血流、特に脳血流の増加である。イチョウ抽出物
は、機能的容量低減化および不眠症を誘発する脳循環障害に対して有効な処置で
あることがドイツ国で示された(タイラー、1994、Herbs of Choice、ハワ
ース・プレス、ニューヨーク)。イチョウはまた、網膜浮腫、網膜における細胞
病変の縮小、およびフォンテインの段階IIの末梢動脈閉塞疾患(間欠性は行)に
おける無疼痛歩行距離の改善にも適応性を示す。また血管および退縮由来の目眩
および耳鳴りも適応症である。
【0109】 5.8.イチョウのファーマプリント(商標) 以下、生物学的および化学的ファーマプリント(商標)値を植物性薬品イチョ
ウについて実例を示す。
【0110】 5.8.1.生物学的ファーマプリント(商標) ここに記載されている方法を用いて誘導された、実例的生物学的ファーマプリ
ント(商標)値を表1−3に示す。表1−3に示された各値について各生物学的
検定の詳細な検討および説明については、後記6.4項を参照。
【0111】 各バイオアッセイに関する値は、特に示されていない場合10-4モルでの阻害
パーセンテージ範囲として表わされている。抽出物およびフラクションに関する
計算は、平均分子量200という仮定に基づいている。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】 表1からの値を用いて、一例として、ファーマプリント(商標)は、5−リポ
キシゲナーゼ検定並びにGABAA検定、ロイコトリエンC4シンターゼ検定、モ
ナミンオキシダーゼA検定、ニコチン酸受容体検定、セロトニン摂取検定、シク
ロオキシゲナーゼ−1検定から選択された1またはそれ以上の検定における抽出
物および/またはPAF受容体検定におけるフラクション18、23および/ま
たは28の生物活性に基づいたものであり得る。
【0115】 別の態様において、ファーマプリント(商標)は、例えば表1および2に示さ
れている生物活性値の範囲の下部末端と同等またはそれより大きい生物活性に基
づいて展開され得る。この態様の一実例として、5−リポキシゲナーゼ検定にお
ける全抽出物の生物活性に基づいたファーマプリント(商標)値(60±20)
は、10-4モルで少なくとも40%阻害率である。
【0116】 好ましい態様では、生物学的ファーマプリント(商標)は、表3に示されたバ
イオアッセイにおける生物活性に基づいたものであり得る。
【0117】
【表3】
【0118】 5.8.2化学的ファーマプリント(商標) ここに記載された方法を用いると、イチョウに関する化学的ファーマプリント
(商標)は、下記表4および5に示されたように特定され得る。一態様では、イ
チョウに関する化学的ファーマプリント(商標)は表4に示された通りである。
好ましい態様では、イチョウに関する化学的ファーマプリント(商標)は表5に
示された通りである。化学的化合物の選択の詳細な検討および説明については、
下記6.5項を参照。
【0119】
【表4】
【0120】
【表5】
【0121】 5.8.3.変換比率 植物性原料、例えばイチョウの乾燥粉末化抽出物を用いて展開されたファーマ
プリント(商標)値は、下記表6に示されている比率を用いて粗植物性原料の乾
燥重量に関する値に変換され得る。すなわち、乾燥粉末化抽出物に基いたファー
マプリント(商標)値を乾燥植物原料に関する値に変換するため、表6における
適当な係数により割る。
【0122】
【表6】
【0123】 下記実施例は、説明を目的としているに過ぎず、何らかの点で発明の範囲を限
定する意図はないものとする。
【0124】 6.実施例:イチョウのファーマプリンティング(商標) 以下、実施例により、イチョウの生物学的および化学的ファーマプリント(商
標)の展開を説明する。
【0125】 6.1.販売業者/製品名 イチョウ製品は、入手され得る中で最も普及している植物性製品の一つである
。イプセン・リサーチ・ラボラトリーズ(パリ、フランス国)によるEGb76
1は、テボニン(商標)、タナカン(商標)およびロカン(商標)という商標名
で市販されている抽出物であり、ヨーロッパにおける様々な臨床試験で広く使用
されている。イプセンによる別のイチョウ抽出物、LI 1370は、カヴェリ
という商標名で市販されている。イチョウ乾燥抽出物は、インデナ・ソシエテ・
アノニム(ミラノ、イタリア国)から入手でき、24%全ギンクゴフラボングリ
コシド、6%ギンゴライドおよびビロバライドを含有するものとして標準化され
ている。またこの抽出物は、ナチュラル・ファクターズ・ヌートリショナル・プ
ロダクツ、リミテッド(バーナブリー、ブリティッシュ・コロンビア、カナダ国
)、マードック・マダウス・シュワベ(スプリングビル、ユタ)、およびボタニ
カルズ・インターナショナル、ツェリヒ・ボタニカルズ、インコーポレイテッド
の一事業部(ドイツ国)、ハーバル・チョイス−ボタリア、トンプソン・ヌート
リショナル、ハドソン、ナチュラライフ、ボタリア・ゴールド、ネイチャーズ・
リソース、ハーブ・ファーム、フィトファルミカ、ネイチャーズ・ウェイ、テボ
ニン(商標)(シュワベ、ドイツ国)、ロカン(商標)(インターサン、ドイツ
国)およびフィトファルミカにより入手できる。
【0126】 6.2.臨床用途 イチョウは、経口摂取用の液体または固体医薬形態で投与され、脳血管疾患お
よび静脈疾患を含む末梢血管疾患の処置に有効であることが報告されている。副
作用としては、副次的な腸不調、頭痛およびアレルギー性皮膚反応がある。イチ
ョウと他の薬剤との相互作用については知られていない。イチョウの投与は、イ
チョウ製品に対して過敏であることが判明している人の場合には禁忌である。さ
らに、処置の目的となる徴候が、別の処置を必要とする病状経過が潜在している
ことの現われではないか否かについての決定が下されるべきである。イチョウの
臨床使用については、最近になって再検討されている(クレイジェンおよびニプ
チャイルド、1992、Lancet 340:1136−1139)。
【0127】 6.2.1.1次適応症 イチョウ投与に関する1次適応症は、血流、具体的には脳血流の増加である。
イチョウ抽出物は、機能的容量の低減化および不眠症を誘発する脳循環障害に対
する有効な処置であることがドイツ国で示されている(タイラー、1994、He
rbs of Choice、ハワース・プレス、ニューヨーク)。記憶欠損、集中障害、抑
うつ的情動状態および頭痛を処置する場合には、2または3回用量で天然乾燥抽
出物120〜240mgの一日用量が推奨されている(German Commission E M
onograph, Ginkgo Biloba Leaf Extract、1994年7月)。
【0128】 6.2.2.2次適応症 イチョウはまた、網膜浮腫、網膜における細胞病変の低減化、およびフォンテ
インの段階IIの末梢動脈閉塞疾患(間欠性は行)における無疼痛歩行距離の改善
にも適応性を示す。また血管および退縮に起因する目眩および耳鳴りも適応症で
ある。間欠性は行、目眩および耳鳴りの場合、2または3回用量で天然乾燥抽出
物120〜240mgの一日用量が推奨される。イチョウ成分および用途について
は、特許文献で報告されている(米国特許第5246216号、ボンバルデリら
、特にカリニ肺炎に対する抗感染剤としての用途を報告、および米国特許第52
02313号、ボンバルデリら、ビロバライド誘導体について)。
【0129】 6.3.分画分析 イチョウ成分の分画分析は、標準クロマトグラフィー技術により行われる。若
干の公開方法が参考として利用できる(例、クロイターら、1993、Planta M
ed. 59:A633、ピエッタら、1992、J. Pharm & Biomed. Anal. 10
:1077−1079、フーおよびスタバ、1992、J.Chromatog. 600:
364−369、ピエッタら、1990、Chromatographia 29:251−25
3、ロプスタイン−グスら、1983、J. Chromatog. 267:431−438
、カメヤマおよびウラカミ、1979、J. Am. Oil Chem. Soc. 5:549−5
51)。
【0130】 イチョウの化学的マーカーは、文献の総括的調査後に選択された。調査結果は
、テルペンラクトンおよびフラボングリコシドを含め、マーカーとして使用され
得る若干の生物活性成分を示していた。
【0131】 6.3.1.分画 限定ではなく、一例として、イチョウの分画はHPLCを用いて行われた。 20グラムのイチョウ抽出物粉末を、40mLの脱イオン水に溶かした。数滴
のMeOHを加えると、澄明な溶液が得られた。溶液を、リクロプレプ(LiChro
prep)RP−18(40−63μm)のカラム(2.5×92cm、カラム体積4
50mL)に充填した。カラムについては、予めパックし、脱イオン水中で平衡
状態にしておいた。カラムを水、水/メタノール混合物および最後に酢酸エチル
によりバッチ方式で展開した。表7に示されている通り全部で28フラクション
を集めた。次いで、フラクションを濃縮し、残留物の重量を得た。各フラクショ
ンの回集残留重量は、表7に列挙されている。フラクション体積は、450mL
であるフラクション20および24、900mLであるフラクション21および
28および675mLであるフラクション27以外は全て225mLであった。
【0132】
【表7】
【0133】 カラムフラクションを、イチョウのテルペンラクトンおよびフラボングリコシ
ドについてHPLCにより分析した。テルペンラクトンを試料フラクション2、
3、10、13−24および28で検定した。HPLC条件としては、30℃で
フェノメネックスIB−SIL C−18カラム(250×4.6mm)、RI検出
装置、および無勾配溶媒MeOH:H2O:DMSO(29:69:2)の使用
が含まれた。フラボングリコシドは、メタノール性HCl中でフラクション2−
28を還流することにより分析後に検定された。HPLC条件としては、フェノ
メネックスIB−SIL C−18カラム(250×4.6mm)、370nmで設
定されたUV/VIS検出装置、および無勾配溶媒58:42メタノール:0.
5%燐酸の使用が含まれた。
【0134】 6.4.生物活性分析 イチョウの組織レベル効果には、膜安定化、酸素およびグルコースの利用向上
、血小板活性化因子(PAF)阻害、脂質ペルオキシダーゼ阻害、Na++
デノシントリホスファターゼの活性化、微小循環および組織灌流の向上、および
内皮由来血管弛緩因子およびプロスタサイクリン放出の刺激がある(コット、J.
Psychopharmacology Bulletin 31:745−751、1995)。また、多数
の報告も、ヒトおよび動物の両方における認識機能の向上を立証しており、イチ
ョウに独特の短期間投与におけるEEG変化を示している。
【0135】 イチョウ抽出物およびイチョウフラクションの生物活性は、様々な検定法を用
いて分析され得、それらの幾つかについては下記に記載されている。
【0136】 各バイオアッセイに関する値は、特に示されていない場合10-4モルでの阻害
のパーセンテージ範囲として表わされている。20%より大きいかまたはそれに
相当するパーセンテージ阻害は、生物学的に顕著であるとみなした。抽出物およ
びフラクションに関する計算は、平均分子量200という仮定に基づいている。
【0137】 6.4.1.血小板に対する効果 近年では、血小板がアテローム性動脈硬化症の発現に重要な役割を果たしてい
ることがより確実視されている。内皮損傷により、内皮下コラーゲンが循環血液
細胞に暴露された結果、損傷部位にマクロファージおよび血小板の蓄積が生じる
。このプロセスの間、血小板は、血管作動性物質および血小板誘導成長因子(P
DGF)を含め多くの化学物質を分泌する。これによって細胞増殖および平滑筋
細胞の移動が誘発されることにより、アテローム性硬化病変が増大する。
【0138】 イチョウ抽出物および構成成分による血小板凝集阻害は、検定が有益なもので
あり得る研究者らにより証明されている(クウォンおよびリー、1995、Yakh
ak Hoeji 39:337−345)。
【0139】 血小板凝集因子(PAF)活性は、喘息、ショック、虚血、アナフィラキシー
、移植拒絶、腎臓病、CNS疾患および多数の炎症状態の病理において重要であ
る。ギンゴライド類は、天然PAF拮抗物質であることが判明し、イチョウ抽出
物の重要な構成成分である。
【0140】 6.4.1.1.血小板凝集検定 簡単に述べると、体重2.5−3.0kgの雄または雌ニュージーランド由来ア
ルビノ(白子)ウサギから採取した静脈血を、10分の1容量のクエン酸3ナト
リウム(0.13モル)と混合し、次に220Gで10分間、室温で遠心分離す
る。生成した上清は、血小板濃厚血漿である(PRP)。37℃でインキュベー
ションした200μMのアラキドン酸ナトリウムにより、これを不可逆的凝集に
付す。光学血小板凝集計により凝集を測定する。30μM濃度の試験素材を、5
分間PRPとインキュベーションする。血小板凝集に対する効果を測定し、阻害
パーセントで記録する。文献参考標準は下記に列挙されている。検定は、バーテ
レらによる研究に基いている(1983、Science 220:517−519)。
【0141】
【表8】
【0142】 は、使用される標準基準薬剤を示す。BW−755C=3−アミノ−1−[3−
(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ピラゾリン、CGS−12970=3
−メチル−2−(3−ピリジニル)−1H−インドール−1−オクタン酸、ND
GA=ノルジヒドログアヤレチン(Nordihydroguaiaretic)酸。
【0143】 200μMアラキドン酸ナトリウムの使用による血小板凝集誘導に加えて、
5ナノモル血小板活性化因子−アセザー(PAF−アセザー)を使用する(ヌネ
ツ、D.ら、1986、Eur. J. Pharmacol 123:197−205)。文献参
考化合物を下記に列挙する。
【0144】
【表9】
【0145】 CGS−12970=3−メチル−2−(3−ピリジニル)−1H−インドー
ル−1−オクタン酸、CV−3988=3−(4−ヒドロキシ−7−メトキシ−
10−オキソ−3,5,9−トリキサ−11−アザ−4−ホスファノナコス−1−
イル)−チアゾリニウム、L−652731=2R,5R−ジ(3,4,5−トリ
メトキシフェニル)。
【0146】 文献に記載された他の検定法もまた使用され得る。キースウェッターら、(1
991、Int'l J. Clin. Pharm. Ther. & Toxic. 29:151−155)は、
栓球凝集を評価する他の技術について報告している。静脈機能不全に関する別の
検定法は、血管拡張剤阻害効果の臨床指標である。これは、アセチルコリンに対
する冠動脈片の収縮応答の試験により行われる(ベッチーニら、1991、Fito
terapia 62(1):15−28)。
【0147】 6.4.1.2.血小板凝集因子検定 この検定では、[3H]−血小板活性化因子(PAF)のPAF受容体への結
合に対するイチョウ抽出物およびフラクションの効果を測定する。体重2.5−
3.0kgを有する雄または雌ニュージーランド由来アルビノ(白子)ウサギの
血小板を、標準技術を用いて修飾トリス−HCl pH7.5緩衝液中で調製する
。膜の50μgアリコートを、25℃で60分間、0.4ナノモル[3H]−PA
Fとインキュベーションする。非特異的結合を、1μM PAFの存在下で評価
する。標識膜を、ガラスフィルターにトラップし、3回洗浄することにより、非
リガンド標識を除去する。フィルターを液体シンチレーション計数器で計数する
ことにより、特異的結合[3H]−PAFの量を測定する。化合物をまず10μ
M濃度でスクリーニングする。文献化合物は下記に列挙されている。市販されて
いるギンゴライドA、BおよびCおよびビロバリドは、抽出物およびフラクショ
ン化合物対照として用いられている(下記参照)。
【0148】
【表10】 *WEB−2086=3−(4−[2−クロロフェニル]−9―メチル―6H
−チエノ[3,2−f][1,2,4]−トリアゾロ−[3,3−a][1,4
]−ジアゼピン−2−イル)−1−(4−モルホリニル)−1−プロパノン
【0149】 ギンゴライドは、PAF−アセザー結合の競合阻害剤である(ブラケット、P
.、Advances in Prostaglandin,Thrombaxine, and Leukotriene Research 1
6:179−198、1986)。
【0150】
【表11】
【0151】 6.4.2. GABAA結合に関するバイオアッセイ 当業界で標準的な技術(例えば、Ennaら、1977、Brain Research. 12
4:185−190;Falchら、1986、J. Neurochem. 47(3):89
8−903)を使用して、イチョウ抽出物および画分でのGABAA結合活性アッ
セイを行うことができる。このアッセイのための対照文献化合物には、ジアゼパ
ムおよびムシモール(Sigma Chemical Company)が含まれる。
【0152】 限定するものではなく、例として、以下に簡単に記載するように、GABAA
アゴニスト部位結合アッセイを行う。
【0153】 ウシ小脳膜から得られたレセプター、最終濃度が5.0nMである[3H]−GA
BA(70−90Ci/mmol)放射性リガンド、およびGABAを使用して、50m
M トリス−HCl(pH 7.4)中、反応を0−4℃で60分間行う。その反応を
ガラス繊維フィルター上への急速減圧濾過により終わらせる。GABAAレセプ
ターとの試験化合物の幾つかの相互作用を確かめるために、そのフィルター上に
捕捉された放射能を測定して、対照値と比較する。
【0154】 <対照化合物> <Ki(nM)> ムシモール 4.4 イソグバシン 9.5 GABA 23.1 THIP 25.1
【0155】 <アッセイ特性> KD(結合親和性):370nM BMAX(レセプター数):0.7pmol/mg(タンパク質)
【0156】 例えば、次のように、中枢GABAAベンゾジアゼピンレセプターアッセイを
行うこともできる。中枢GABAAベンゾジアゼピンレセプター(GABAA、B
DZ、中枢)に結合する[3H]フルニトラゼパム(New England Nuclear、カタ
ログ番号 NET 567)の阻害を測定するために、部分的に精製したレセプタ
ー調製物をラット小脳皮質から製造した。最終放射性リガンド濃度は0.4nMで
あった。部分的に精製したレセプターをアッセイポイント毎に100μg使用し
た。3μM 冷ジアゼパム(Sigma、カタログ番号 D0899)を使用して、非特
異的結合を測定した。50mM トリス−HCl(pH 7.7)、1μM ペプスタチ
ン、1μg/ml ロイペプチン、および10μg/ml トリプシン阻害剤中、物質、
レセプター、およびリガンドを4℃で60分間反応させた。Packard GF/B
装置を使用して、その反応を急速濾過により終わらせた。Packard Topcount装
置(Speth, R. C.ら、1979、Life Sci. 24:351)を使用して、特
異的活性の量を液体シンチレーション計数により測定した。
【0157】 <化合物> <レセプターパラメーター> フルニトラゼパム Kd=2.1nM ジアゼパム IC50=13nM
【0158】 6.4.3. ブラジキニンのバイオアッセイ ブラジキニン2レセプター(BK2)に結合するブラジキニンの物質阻害を調べ
るために、部分的に精製したレセプター調製物をモルモット回腸膜から製造した
。アッセイで使用した放射性リガンドは、最終濃度が0.2nMである[3H]ブラ
ジキニンであった。非特異的結合を1μM ブラジキニン TFA塩の封入で測定
した。25mM TES(pH 6.8)緩衝液中、そのアッセイ反応を1mM 1,10
−フェナントロリン、0.1mM バシトラシン、および0.1% BSAで行った
。その反応を25℃で60分間行った。ガラス繊維フィルターを通しての試料の
急速濾過により、その反応を終わらせた。特異的活性の量を液体シンチレーショ
ン計数(Manning, D.、J. Pharmacol. Exp. Therap. 43:504−51
2、1986)により測定した。
【0159】 6.4.4. 免疫活性に関するバイオアッセイ 6.4.4.1. リポキシゲナーゼのバイオアッセイ 物質の可能性のある抗炎症性を調べるアッセイには、酵素 5−リポキシゲナ
ーゼ(5−LO)のアッセイが含まれ得る。5−LOは、5−ヒドロキシエイコサ
テトラエン酸(5−HETE)へのアラキドン酸の酸化的代謝を触媒し、その初期
反応は、炎症誘発性ロイコトリエンの形成をもたらす。粗製の5−LO酵素は、
ラット好塩基性白血病細胞(RB−1)から製造することができる。物質を粗製の
酵素調製物と共に25℃で5分間プレインキュベートする。次いで、その反応を
[14C]アラキドン酸の添加により開始させる。8分後、その反応をクエン酸の添
加により終わらせる。放射能標識した5−HETEの量をラジオイムノアッセイ
(RIA)(Shimuzuら、1984、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81
、689−693)により測定する。
【0160】 次のアッセイを行って、5−LOに対する物質の阻害活性を測定することもで
きる。5−LO酵素を分化HL60細胞から部分的に精製する。試験物質を酵素
と共に室温で5分間プレインキュベートして、その反応を0.4μM アラキドン
酸の添加により開始させる。室温で8分間インキュベーションした後、その反応
をクエン酸の添加により終わらせる。製造業者の指示(Coffeyら、1992、J
. Biol. Chem. 267、570)に従い、ラジオイムノアッセイを使用して、
生成した5−HETEの量を測定する。
【0161】
【表12】
【0162】 6.4.4.2. ビフラボンのバイオアッセイ 二量体フラボノイド(ビフラボン)は、幾つかの炎症過程をインビトロで阻害す
る(R. Della Loggiaら、Planta Med 59S:588、1993)。抽出物
をインビボで試験して、抗炎症活性を測定した。ビフラボンに富む画分は、用量
依存効果を示した(以下の表を参照)。この応答に加えて、著者は、200μg/
耳の割合で投薬した場合、耳の炎症細胞が62%減少すると報告した。
【0163】 <画分の抗炎症活性> <物質> <用量 μg> <動物数> <浮腫(mg)m±ES> <浮腫阻害> 対照 ――― 48 7.5±0.2 ――― ビフラボン画分 50 13 6.4±0.4* 15% 100 13 4.7±0.3* 37% 200 48 2.0±0.2* 73% インドメタシン 70 14 3.0±0.3* 60% *分散分析でp<0.05。
【0164】 10mg/ml クロトン油の局所適用を使用して、マウス耳における炎症を誘発
する。試験化合物を局所適用として耳に直接塗布するか、または経口胃管栄養法
により与える。試験化合物を投与してから30分後、クロトン油(アセトン20
μl中、8%)を耳に塗る。クロトン油を塗ってから2時間後、有意な応答の基準
が耳腫脹において50%以上減少する。文献試験化合物を以下に挙げる。
【0165】 <化合物> <ED50(mg/耳)> アセトアミノフェン >30 アスピリン >10 BM−13177 >10 デキサメタゾン 3 ヒドロコルチゾン 10 イブプロフェン 10 インドメタシン 10 LY−171883 >10 NDGA >10 フェニドン 3
【0166】 6.4.4.3. シクロオキシゲナーゼ−1のバイオアッセイ アラキドン酸を酵素 シクロオキシゲナーゼ−1または2によりプロスタグラ
ンジンにまで代謝する。プロスタグランジンのホルモン効果には、血圧の低下;
平滑筋収縮の刺激;炎症の制御;血液凝固;および免疫応答が含まれる。
【0167】 アッセイチューブ1本につき125単位のシクロオキシゲナーゼ−1(ラム精
嚢から得られた)を1mM GSH、1mM ヒドロキノン、1.25mM ヘモグロビ
ン、および試験化合物と共に25℃で1分間プレインキュベートする。その反応
をアラキドン酸(100mM)の添加により開始させ、37℃で20分間インキュ
ベーションした後、トリクロロ酢酸(TCA)の添加により終わらせる。遠心分離
して、チオバルビツレートを加えた後、530nmでの吸光度を読み取ることによ
り、シクロオキシゲナーゼ活性を測定する(Evansら、1987、Biochem. Ph
aramac. 36:2035−2037;BoopathyおよびBalasubramanian、19
88、J. Biochem. 239:371−377)。
【0168】 次の対照化合物をシクロオキシゲナーゼ−1の阻害に使用する。 <化合物> <IC50(μM)> アスピリン 240 インドメタシン 1.7
【0169】 化合物および画分を3×10-4の初期濃度でスクリーニングする。50%以上
の阻害活性が3×10-4で観察されたら、完全な用量応答曲線を作成する。
【0170】 6.4.4.4. ロイコトリエン C4 シンセターゼのバイオアッセイ 炎症過程に関与するもう1つの酵素は、ロイコトリエン C4 シンセターゼ(L
TC4)であり、部分的に精製した酵素調製物をラット好塩基性白血病細胞(RB
1)から製造する。アルブミンおよびセリン ボレートの存在下、LTC4のメチ
ルエステルを粗製の酵素調製物と共に15℃で15分間インキュベートする。そ
の反応を氷冷メタノールの添加により終わらせる。LTC4の形成は、RIA読
み取り法(Bachら、Biochem. Pharmacol. 34:2695−2704、198
5)を使用しての酵素活性の指標として用いられる。
【0171】 6.4.4.5. インターロイキン−6のバイオアッセイ U266 ヒト骨髄腫細胞から製造した、部分的に精製したレセプター調製物
を使用して、インターロイキン−6(IL−6)のそのレセプターへの結合に対す
る物質の阻害活性を測定した。本質的には、そのアッセイは、最終濃度が80p
Mである[125I]IL−6の使用を伴った。その反応を22℃で24時間行った
。非特異的結合を40nM IL−6の存在下に測定した(Lida, J.ら、J. Ex
p. Med. 166:967−981、1987)。
【0172】 6.4.4.6. ロイコトリエン B4のバイオアッセイ モルモット脾臓膜から製造した、部分的に精製した調製物を使用して、ロイコ
トリエン B4 レセプターに対する物質の阻害性を測定した。使用した放射性リ
ガンドは、最終濃度が0.5nMである[3H]ロイコトリエン B4であった。非特
異的結合を500nM ロイコトリエン B4の添加で測定した。NaCl、MgCl2
、EDTA、およびバシトリン(bacitrin)を含むリン酸塩緩衝液(pH 7.4)中
、そのアッセイ反応を0℃で2時間行った。ガラス繊維フィルターを通しての反
応物の急速減圧濾過により、その反応を終わらせた。結合した放射能を液体シン
チレーション計数(Gardiner, P. J.ら、Eur. J. Pharmac. 182:29
1−299、1990)により測定した。
【0173】 6.4.5. プロテインキナーゼ Cのバイオアッセイ マウス脳膜から製造した酵素を使用して、プロテインキナーゼ Cを結合アッ
セイでアッセイした。使用した放射性リガンドは、最終濃度が4nMである[3H]
ホルボールエステル ジブチレート(PDBu)であった。非特異的結合を測定する
ために、その反応物には1μM PDBuが含まれていた。1% BSAおよび0.
5mM CaCl2を含む50mM トリス−HCl(pH 7.4)中、そのアッセイ反応
を行った。その反応を37℃で60分間行った。ガラス繊維フィルターを通して
の試料の急速濾過により、その反応を終わらせた。特異的活性の量を液体シンチ
レーション計数(Dunphy, W. G.ら、Cancer Res. 40:3635−364
1、1980)により測定した。
【0174】 6.4.6. チロシンキナーゼのバイオアッセイ 2つのアッセイは、2つのチロシンキナーゼに対する物質の阻害性に焦点を絞
った。アッセイした第1のチロシンキナーゼは、上皮成長因子チロシンキナーゼ
(EGF TK)であった。基本的には、このアッセイは、ヒトEGFレセプター(
EGF−TK)の細胞内チロシンキナーゼドメインをコードするcDNAを用いて
、それをSf9昆虫細胞におけるバキュロウイルス発現システムで発現させるこ
とを伴った。そのキナーゼアッセイは、固定化合成ポリペプチドを基質として使
用することにより、69kD キナーゼドメインの活性を測定する。10分間反応
させた後、リン酸化チロシン残基をモノクローナル抗ホスホチロシン抗体とのイ
ンキュベーションにより検出する。結合した抗ホスホチロシン抗体をビオチン結
合型抗マウスIgG、続いて、ストレプトアビジン結合型β−ガラクトシダーゼ
酵素とのインキュベーションにより定量する。フルオレセイン−ジ−β−ガラク
トシドのフルオレセインへの転換の結果得られる蛍光を測定する。フルオレセイ
ン−ジ−β−ガラクトシドとの反応をβ−ガラクトシダーゼの可逆的競合阻害剤
であるフェニルエチル−β−D−チオガラクトシドの添加により止める(Geissl
erら、1990、J. Biol. Chem. 265:22255−22261)。
【0175】 試験した第2のキナーゼは、ウシ胸腺から部分的に精製したp59fynチロシン
キナーゼ(FYN TK)であった。固定化合成ポリペプチドを基質として使用す
る蛍光終点ELISAを使用する。物質および/またはビヒクルを酵素と共に1
5分間プレインキュベートする。キナーゼを100μM ATPの存在下に10
分間反応させた後、EGF TKに関して記載されているように(Applebyら、1
992、Cell 70:751−763)、リン酸化チロシン残基を検出する。
【0176】 6.4.7. グルタメートレセプターのバイオアッセイ 3つのアッセイをグルタメートレセプターの活性に関して行った。第1のアッ
セイでは、グルタメートレセプターのアゴニスト部位を研究した(NMDA)。当
業界で標準的な技術(例えば、Lehmannら、1988、J. Pharmac. Exp. Th
er. 246:66−75;Murphyら、1987、J. Pharmac. Exp. Ther.
240:778−784)を使用して、イチョウ抽出物および画分でのグルタメ
ートNMDAアゴニスト部位結合アッセイを行うことができる。ここで、レセプ
ターは、ラット前脳から製造した、部分的に精製した物質であった。放射性リガ
ンドは、最終リガンド濃度が2nMである[3H]CGP−39653であった。1
mM NMDAを使用して、非特異的結合を測定した。50nM トリス−アセテー
ト(pH 7.4)中、そのアッセイ反応を0−4℃で60分間行った。ガラス繊維
フィルターを通しての反応混合物の急速減圧濾過により、その反応を終わらせた
(Lehmann, J.ら、J. Pharmac. Exp. Ther. 246:65−75、198
8)。
【0177】 グルタメートレセプターに関する第2のアッセイでは、最終濃度が5nMであ
る[3H]−AMPAを使用して、反応を行った。100μM AMPAを使用して
、非特異的結合を測定した。10mM K2HPO4/100mM KSCN(pH 7.
5)中、そのアッセイ反応を0−4℃で60分間行った。ガラス繊維フィルター
を通しての反応混合物の急速減圧濾過により、その反応を終わらせた(Murphyら
、Neurochem. Res. 12:775−781、1987)。
【0178】 グルタミン酸レセプターに対する第3のアッセイで、ラット表層膜から調製し
た部分精製レセプターを使用して、放射性リガンド[H3]-グリシンを最終濃度1
0nMで使用した。1mM グリシンの存在下で非特異的結合を決定した。50mM
HEPES(pH 7.1)中でアッセイ反応を行ない、4℃で60分間走査した。
反応混合物をガラス繊維フィルターに通すすばやい減圧濾過で、反応を終了した
(Snell et al. Eur. J. Pharmacol. 53: 370-375, 1989)。
【0179】 6.4.8. ムスカリンM1結合に対するバイオアッセイ イチョウ抽出物のムスカリンM1結合アッセイについて、当分野で標準的な技
術を使用して画分および配合を行なった(例えば Watson et al., 1983, Life Sc
iences. 32: 3001-3011; Luthin and Wolfe, 1984, Molec. Pharmac. 26: 164-1
69)。
【0180】 例証として、限定するわけではないが、以下で簡単に記述するようにムスカリ
ンM1結合アッセイを行なった。 ウシ線条体膜由来のレセプターを使用し、[H3]-ピレンゼピン(70-87 Ci/
mmol)放射性リガンドを最終濃度1.0nMで、アトロピンと共に、25mM HE
PES(pH 7.4)中、25℃で60分間反応させた。反応混合物をガラス繊維
フィルター上にあけるすばやい減圧濾過で、反応を終了した。フィルター上でト
ラップした放射能を測定し、対照値と比較し、ムスカリン結合部位を有する試験
化合物の相互作用を確かめる。
【0181】
【表13】
【0182】 6.4.9. ナトリウムチャンネルバイオアッセイ 基質のナトリウムチャンネルに対する活性を測定するために、部位2(Naチ
ャンネル)粗レセプター調製物を、ラット前脳から調製した。放射性リガンド[H 3 ]-バトラコトキシンを最終濃度2nMで使用した。100nMアコニチンの存在
下で非特異的結合を測定した。130mM 塩化コリンを含む50nM HEPES
(pH 7.4)中、37℃で60分間アッセイ反応を行なった。反応混合物をガラ
ス繊維フィルターに通す、すばやい減圧濾過で、反応を終了し、特異的活性をシ
ンチレーション測定した(Creveling, C. R. Mol. Pharmacology 23: 350-358, 1
983)。
【0183】 6.4.10. モノアミンオキシダーゼバイオアッセイ ラット肝ミトコンドリア膜を部分精製酵素源として使用して、MAOA酵素活
性(MAOA)の阻害を測定した。基質は[14C]-セロトニンであり、Ro 41-1049
1μMを使用して非特異的活性を測定した。反応は、基質から[14C]-5-ヒド
ロキシルインドールアセトアルデヒドおよびNH4 +への変換を含む。略記すると
、酵素を、100mM KPO4(pH 7.2)中で、基質およびサブタイプ特異的ブ
ロッカーデプレニル(300nM)と共に、37℃で60分間プレインキュベート
する。基質を加え、さらに10分間インキュベートする。2M クエン酸 0.5m
lを加えて反応を終了する。放射能産物をトルエン/エチルアセテートfluor中へ
抽出し、シンチュレーション分光光度法を使用して対照サンプルと比較した(Ots
uka and Kobayashi, 1964, Biochem. Pharmacol. 13: 995-1006)。
【0184】 物質中の生物活性をアッセイするために、ラット肝ミトコンドリア膜を部分精
製酵素源として使用してMAOB酵素活性(MAOB)阻害を測定した。基質として
[14C]-5-フェニルエチルアミンを使用した。非特異的酵素活性を1μM Ro1
66491の存在下で測定した。略記すると、酵素を、100mM KHPO4(pH 7.
2)中でサブタイプ選択性ブロッカークロルジリン(300nM)と共に37℃、6
0分間プレインキュベートする。その後基質を加え7分間インキュベートする。
2M クエン酸 0.5mlを加えて反応を終了する。放射能産物をMAOA酵素と同
様にアッセイする(Otsuka and Kobayashi, 1964, Biochem. Pharmacol. 13: 995
-1006)。
【0185】 6.4.11. セロトニンレセプター結合バイオアッセイ セロトニンレセプター結合の阻害を同様にアッセイした。粗レセプター調製物
をラット表層膜から調製した。放射性リガンド[H3]-リゼルギン酸ジエチルアミ
ドを最終濃度5nMで使用した。4mM CaCl2、0.1mM パージリンおよび
0.1% アスコルビン酸を含む50mM トリスHCl(pH 7.4)中、37℃で
60分間アッセイ反応を行なった。反応混合物をガラス繊維フィルターに通す、
すばやい減圧濾過で反応を終了し、特異的活性をシンチレーション測定した(Per
outka, S.J. and Snyder, S.H. Mol. Pharmacology 16: 687-699, 1979)。
【0186】 6.4.12. コルチコトロビン放出因子結合に対するバイオアッセイ イチョウ抽出物および画分のコルチコトロビン放出因子(CRF)結合アッセイ
を、当分野で標準的な技術を使用して行なう(例えば De Souza, 1987, J. Neuro
sci. 7:88-100; De Souza et al., 1985, J. Neurosci. 5:3189-3203)。
【0187】 例証として、限定するわけではないが、以下で簡単に記述するようにCRF結
合アッセイを行なう。 ラット表層膜由来のレセプターを使用して、[125I]-Tyr-OCRF(220
0 Ci/mmol)放射性リガンドを最終濃度0.1nMで、Tyr0-OCRF(コルチコ
トロピン放出因子、Tyr0-ヒツジ)と共に、50mM HEPES(pH 7.0、
10mM MgCl2、2mM EGTAおよび0.3% BSAおよび0.12 TlU/
mlアプロチニンを含む)中、25℃で120分間反応させる。反応混合物をアッ
セイチューブ中、4℃で15分間Sorvall遠心分離し、反応を終了する。洗浄を
繰り返した後、残ったペレットを取り出し、試験管に移した。組織ペレット中の
放射能を、ガンマ分光光度法を使用してアッセイする。
【0188】
【表14】
【0189】 6.4.13. ヒスタミンH2レセプターバイオアッセイ 物質のヒスタミンH2(H2)レセプターに対する抑制活性を測定するために、
粗レセプター調製物をモルモット線条膜から調製した。放射性リガンド[H3]チ
オチジン(tiotdine)を、最終濃度4nMで使用し、10mM シメチジンの存在下
で非特異的結合を測定した。50mM NaKPO4緩衝液(pH 7.4)中でアッセ
イ反応を行ない、25℃で20分間走査した。反応混合物をガラス繊維フィルタ
ーに通す、すばやい減圧濾過で反応を終了した(Martinez-Mur, 1990, Brain Res
. 526: 322-327)。
【0190】 6.4.14 ニコチンレセプターバイオアッセイ ラット表層膜から一部精製したレセプターを使用して、ニューロンニコチンレ
セプターをアッセイした。使用した放射性リガンドは最終濃度5nMの[H3] N-
メチルカルバミルコリンヨウ素であった。1μM 硫酸ニコチン中で非特異的結
合を測定した。120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM
MgCl2、および3μM 硫酸アトロピンを含む50mM トリスHCl(pH 7.
4)中で、4℃、60分間アッセイ反応を行なった。反応混合物をガラス繊維フ
ィルターに通す、すばやい減圧濾過で反応を終了した(Boska and Quirion, 1987
, Eur. J. Pharmacology 139: 323-333)。
【0191】 6.4.15. オピエートレセプターバイオアッセイ 物質のオピエートレセプターに対する抑制活性を測定するために、粗レセプタ
ーをラット前脳から精製した。濃度1nMの[H3]-ナロキソンをリガンドとして
使用した;非特異的結合を1μM ナロキソンの存在下で測定するためである。
50mM トリスHCl(pH 7.4)中、25℃で90分間アッセイ反応を行なっ
た。反応混合物をガラス繊維フィルターに通す、すばやい減圧濾過で反応を終了
した(Pert and Snyder, 1974, Mol. Pharmacology 19: 868-879)。
【0192】 6.4.16. ドーパミン取り込みバイオアッセイ 物質のドーパミンレセプター(dp)に対する抑制活性を測定するために、以下の
アッセイを行なった。部分レセプター調製物を、ウシ線条膜から、[H3]-スピペ
ロンをリガンドとして最終濃度0.3nMで使用して、調製した。非特異的結合を
測定するために、1μMで冷スピペロンを試験した。120mM NaCl、5m
M KCl、2mM CaCl2および1mM MgCl2を含む50mM トリスHC
l(pH 7.7)中、37℃で60分間アッセイ反応を行なった。反応混合物をガ
ラス繊維フィルターに通す、すばやい減圧濾過で反応を終了した(leysen et al.
, 1978, Biochem. Pharmacol. 27: 307-316)。
【0193】 6.4.17. アンジオテンシンIIバイオアッセイ 物質が示す活性の付加的なバイオアッセイは、アンジオテンシンII、タイプ2
、中枢(AT2)であった。部分精製レセプターを、ウシ小脳膜から、[125I]-T
yr4-アンジオテンシンを放射性標識リガンドとして最終濃度0.1nMで使用し
て調製した。ヒトアンジオテンシンII 50nMの存在下で非特異的結合を測定し
た。NaCl、EDTA、およびBSAを含むリン酸緩衝液(pH 7.4)中、3
7℃で60分間アッセイ反応を行なった。反応混合物をガラス繊維フィルターに
通す、すばやい減圧濾過で反応を終了し、特異的活性をガンマ測定した(Bennett
and Synder, 1976, J. Bil. Chem. 251: 7423-7430)。
【0194】 6.4.18. 過酸化物ジスムターゼバイオアッセイの抑制 イチョウ抽出物の種々の遊離ラジカルに対する抗酸化剤特性をインビトロで観
察した。この効果のメカニズムは、テルペンを含まないフラボノイドの画分、ま
たはフラボノイドを含まないテルペンの画分を使用して調査されている。
【0195】 N. Haramaki et al.(1996, Antioxidant Health Disease 3:487-510)の最近の
記述で、EGb761(24%フラボノイドおよび6%テルペノイド)の抗酸化剤特性につ
いて検討されている。この抽出物はキサンチンオキシダーゼ活性を投与量に依存
する形で最大抑制(70%から80%)して阻害する。キサンチンオキシダーゼは
過酸化物の重要な根源であるので、この酵素の抑制はEGb761の抗酸化特性の
一因であり得る。
【0196】 化合物活性をアッセイするために、酵素過酸化物ジスムターゼ(SDS)および
キサンチンオキシダーゼをSigma Chemical Companyから購入した。0.3mM キ
サンチン、0.6mM EDTA、1% ウシ血清アルブミン、150μM ニトロ
ブルーテトラゾリウム、0.006U キサンチンオキシダーゼ、400mM Na 2 CO3(pH10.2)および一定量のSODまたは試験化合物を含む混合物中で反
応を走査する。キサンチンオキシダーゼを加えて酵素反応を始め、25℃で20
分間続ける。ホルマザン生成量を550nm 吸光値で測定する。SODまたは試
験化合物の本反応における抑制(%)を計算する。試験化合物を10μMの濃度で
最初にスクリーンする(Sun, Y. et al. Clin Chem. 34:497-500, 1988)。SDS
に対するIC50は2.1nMである。抽出物の参照化合物とその画分はギンコライ
ドA、BおよびCおよびバイロバライドである(Sigma Chemical Company)。
【0197】 6.4.19. 抗ガンアッセイ イチョウの抗ガン活性を評価するためのたくさんの標準バイオアッセイがある
。これらのアッセイは、動物体またはガン細胞株を使用している。Itokawaら(19
87, Chem. Pharm. Bull. 3S:3016-3020)は、細胞培養中のアナカルジン酸、ビロ
ボールおよびカルダノール単離物の抗腫瘍有効性について記載している。
【0198】 好ましいバイオアッセイとして、物質または溶液対照と共に最大10日間イン
キュベートしたガン細胞株(例えば、MCF-7 [乳癌]、HeLa[子宮頚癌]、
SCC-25[有棘細胞癌]、NCI-H446[肺癌]、HL−60[急性前骨髄球
性白血病]、Hep G2[肝臓癌]、COLO 320 DM[大腸癌株])を使用す
る、標準増殖アッセイを含む。実験の最後に、細胞数またはコロニー形成のどち
らかを測定する。配合に対する細胞数を対照と比較し、物質のIC50を測定する
【0199】 6.4.20. 生物活性アッセイ結果 例証として、イチョウの生物活性数種をアッセイした。結果を以下の表8に示
す。
【表15】
【表16】
【0200】 6.4.20.1. PAFアッセイ 限定するものではなく、例として、PAF活性をイチョウ抽出物および画分に
暴露してアッセイした。2つの抽出物、27の画分、および4つの標準品をバイ
オアッセイして、それらがどのようにして上手くその受容体へのPAF結合をア
ンタゴナイズするかを測定した。抽出物(GB300およびGB301)は、商業
的に得られる乾燥イチョウ抽出物であり、画分2−28は、上の6.3.1節に
記載したようにして得た。純粋なギンゴライド(ginkgolides)およびビロバライ
ド(bilobalide)を、商業的に得るか、または主要な米国機関であるSchool of Ph
armacyから得た。実施例のPAF実験の結果を、以下の表9中に示す。
【0201】
【表17】
【表18】
【表19】
【0202】 生物活性が見られない抽出物により、任意の多くの異なる筋書きに帰する生物
活性を有する画分がつくられ得る。1.不活性素材が除去されるため、生物活性
の濃度が画分において増加する。2.画分により、リガンドとの複合による活性
によりブロック活性部位に結合するか、その活性部位に直接拮抗的に結合するか
、何れかである阻害物質が除去され得る。3.化学組成物が分画の間に変化し得
る。例えば、ニンニク、アリインは、アリシンに変換し得る。加えて、抽出物ま
たは油の溶解度により、十分な濃度の抽出物を得ることが妨げられる。
【0203】 6.2.20.2他のアッセイ 更に、実施例の方法により、それに限られないが、示したバイオアッセイ中の
活性を下記の表10に示したように測定した。
【表20】
【0204】 6.5. 化学的分析 イチョウの化学的分析を、GC−MSおよびHPLCを用いて行う。最初の成
分は、フラボノールおよびフラボン(殆どのケルセチンおよびケンペロール)グリ
コシド、ビロバライド(セスキテルペン)、イソギンゲチン、ギンゴライドA、B
、C、MおよびJ(ジテルペンラクトース誘導体)、6-ヒドロキシキヌレン酸、
シキミ酸、プロトカテキュ酸、バニリン酸、パラヒドロキシ安息香酸、プロアテ
ロシアニジン(proanthrocyanidin)、ヘテロシド、バイオフラボン(bioflavone)
、シオピティシン(sciopitysin)、ギンゲチン、ビロベチン(bilobetin)ならびに
ギンコール酸である。
【0205】 イチョウ中の幾つかの生物活性化合物の濃度を評価するため、6つの商業的に
利用可能な産物を上記のように試験した。試験の結果を下記の表11および図#
4に示す。
【表21】 表11.イチョウ産物の比較
【0206】 実施例の方法により、幾つかのイチョウの生物学的活性成分の濃度を、商業的
に利用可能なイチョウ抽出物および上記した方法を用い測定した。これら成分の
レベルを下記の表12に示す。
【表22】
【0207】 本明細書中で記載および請求する本発明は、本明細書で開示の特定の態様によ
り範囲は限定されない。これらの態様は本発明の幾つかの態様を説明することを
目的としているからである。任意の同等の態様は、本発明の範囲内であることを
目的とする。実に、本明細書中で示したものおよび記載したものに加え、本発明
の様々な修飾が、先人の記載によると当業者には明らかとなる。その修飾はまた
、添付の請求項の範囲内であることを目的とする。本出願を通して、様々な刊行
物および特許を括弧の中に引用している。この結果、その内容を引用により本出
願に含める。
【図面の簡単な説明】
【図1】 後続処理される植物性原料を医薬グレード薬剤の製造中に比較す
る標準化学および/または生物活性フィンガープリントを確立するのに使用され
る本発明方法の概略図を示す。
【図2】 植物性原料を医薬グレードの薬剤へ加工するのに使用される本発
明方法の概略図を示す。
【図3】 異なる種類の生物活性成分を単離する方法の概略図を示す。
【図4】 6種類の市販されているイチョウ製品の化学分析を表わし、各製
品におけるテルペンラクトンおよびフラボングリコシドの相対濃度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 タスニーム・エイ・クワジャ アメリカ合衆国92625カリフォルニア州コ ロナ・デル・マール、モンテレー・サーク ル7番 (72)発明者 エリオット・ピー・フリードマン アメリカ合衆国93108カリフォルニア州モ ンテシト、ベロズ2160番 Fターム(参考) 2G045 AA31 AA40 BB02 BB05 BB16 BB20 BB46 BB48 BB60 CB01 CB17 CB20 DA60 DA70 DA80 FB01 FB03 FB06 FB08 JA20 4C088 AB02 AC05 BA07 BA09 BA10 ZA15 ZA59

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを決
    定する方法であって、 生物活性を有し、複数の成分を含むイチョウ素材の代表的アリコートを、少な
    くとも1個のマーカー画分が少なくとも1個の活性成分を有する、複数のマーカ
    ー画分に分け、 少なくとも1個のマーカー画分の生物活性を検定して、当該代表的アリコート
    の生物活性フィンガープリントを得、そして 当該代表的アリコートの生物活性フィンガープリントを、医薬グレードのイチ
    ョウについて確立されている生物活性フィンガープリント標準と比較して、当該
    イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する、 段階を含む方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1個のマーカー画分が少なくとも1個の活性成分
    を含む、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 付加的段階として、 少なくとも1個のマーカー画分の活性成分の量を決定して、当該代表的アリコ
    ートの定量的組成フィンガープリントを得、そして 当該代表的アリコートの定量的組成フィンガープリントを、医薬グレードのイ
    チョウについて確立されている定量的組成フィンガープリント標準と比較して、
    当該イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する、 段階を含む請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 付加的段階として、 当該イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を検定し、そして 当該代表的アリコートの総生物活性を、医薬グレードのイチョウについて確立
    されている総生物活性標準と比較して、当該イチョウ素材が医薬グレードのイチ
    ョウであるかどうかを決定する、 段階を含む請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 当該イチョウ素材がアルコール抽出物である、請求項1の方
    法。
  6. 【請求項6】 当該イチョウ素材が水性または有機抽出物である、請求項1
    の方法。
  7. 【請求項7】 当該イチョウ素材が超臨界二酸化炭素抽出物である、請求項
    1の方法。
  8. 【請求項8】 当該イチョウ素材が油状物である、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 当該イチョウ素材が粉末化植物体である、請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 当該イチョウ素材が均質素材である請求項1の方法。
  11. 【請求項11】 当該イチョウ素材が植物体の混合物である、請求項1の方
    法。
  12. 【請求項12】 少なくとも1個の活性成分がラクトンである、請求項1の
    方法。
  13. 【請求項13】 当該ラクトンがギンゴライドである、請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 当該ギンゴライドがギンゴライドAである、請求項13の
    方法。
  15. 【請求項15】 当該ギンゴライドがギンゴライドBである、請求項13の
    方法。
  16. 【請求項16】 当該ギンゴライドがギンゴライドCである、請求項13の
    方法。
  17. 【請求項17】 当該ラクトンがバイロバライドである、請求項12の方法
  18. 【請求項18】 当該生物活性が、心血管系疾患を処置し、または改善する
    ための使用を指示する、請求項1の方法。
  19. 【請求項19】 当該生物活性が、精神疾患を処置し、または改善するため
    の使用を指示する、請求項1の方法。
  20. 【請求項20】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを
    決定する方法であって、 生物活性を有する複数の成分を含み、少なくとも1個の成分が標準的生物活性
    プロフィルを有するイチョウ素材を用い、 イチョウ素材の代表的アリコートを、少なくとも1個のマーカー画分が少なく
    とも1個の活性成分を有する、複数のマーカー画分に分け、 少なくとも1個マーカー画分中の少なくとも1個の活性成分の量を測定し、 存在する少なくとも1個の活性成分の量と標準的生物活性プロファイルに基い
    て、少なくとも1個のマーカー画分の生物活性を計算して、当該代表的アリコー
    トの計算された生物活性フィンガープリントを得、そして 当該代表的アリコートの計算された生物活性フィンガープリントを、医薬グレ
    ードのイチョウについて確立されている生物活性フィンガープリント標準と比較
    し、当該イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する、 段階を含む方法。
  21. 【請求項21】 付加的段階として、 当該イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を検定し、そして 当該代表的アリコートの総生物活性を、医薬グレードのイチョウについて確立
    されている総生物活性標準と比較して、当該イチョウ素材が医薬グレードのイチ
    ョウであるかどうかを決定する、 段階を含む請求項20の方法。
  22. 【請求項22】 当該イチョウ素材が水性または有機抽出物である、請求項
    20の方法。
  23. 【請求項23】 当該イチョウ素材が粉末化植物体である、請求項20の方
    法。
  24. 【請求項24】 当該イチョウ素材が均質素材である、請求項20の方法。
  25. 【請求項25】 当該イチョウ素材が植物体の混合物である、請求項20の
    方法。
  26. 【請求項26】 少なくとも1個の活性成分がラクトンである、請求項20
    の方法。
  27. 【請求項27】 当該ラクトンがギンゴライドである、請求項20の方法。
  28. 【請求項28】 少なくとも1個の活性成分がバイロバライドである、請求
    項20の方法。
  29. 【請求項29】 当該生物活性が、心血管系疾患を処置し、または改善する
    ための使用を指示する、請求項20の方法。
  30. 【請求項30】 当該生物活性が、精神疾患を処置し、または改善するため
    の使用を指示する、請求項20の方法。
  31. 【請求項31】 少なくとも1個のマーカー画分が1群の関連成分である、
    請求項1,4,20または21の方法。
  32. 【請求項32】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを
    決定する方法であって、 複数の成分を含み、生物活性を有するイチョウ素材を用い、 当該イチョウ素材の代表的アリコートを、少なくとも1個のマーカー画分が少
    なくとも1個の活性成分を有する、複数のマーカー画分に分け、 少なくとも1個マーカー画分の活性成分を測定して当該代表的アルコートの生
    物活性フィンガープリントを得、そして 当該代表的アリコートの生物活性フィンガープリントを、医薬グレードのイチ
    ョウについて確立されている生物活性フィンガープリント標準と比較し、当該イ
    チョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する 段階を含む方法。
  33. 【請求項33】少なくとも1個の活性成分がラクトンである、請求項32の
    方法。
  34. 【請求項34】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを
    決定する方法であって、 当該イチョウ素材の総生物活性を、GABAAアッセイ、GABAベンゾジア
    ゼピンセントラルアッセイ、ロイコトリエンC4シンセターゼアッセイ、5−リ
    ポキシゲナーゼアッセイおよびモノアミンオキシダーゼAアッセイから選ばれた
    バイオアッセイによって検定し、 当該代表的アリコートの総生物活性を、総生物活性標準と比較して、当該イチ
    ョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する、 段階を含む方法。
  35. 【請求項35】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを
    決定する方法であって、 複数の成分を含むイチョウ素材を、少なくとも1個のマーカー画分が少なくと
    も1個の活性成分を含む、複数のマーカー画分に分け、 少なくとも1個の画分中の活性成分の量を検定して当該代表的アリコートの定
    量的組成フィンガープリントを得、 少なくとも1個のマーカー画分の活性成分の量を決定して、当該代表的アリコ
    ートの定量的組成フィンガープリントを得、そして 当該代表的アリコートの定量的組成フィンガープリントを、医薬グレードのイ
    チョウについて確立されている定量的組成フィンガープリント標準と比較して、
    当該イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるかどうかを決定する、 段階を含む方法。
  36. 【請求項36】 イチョウ素材が医薬グレードのイチョウであるがどうかを
    決定する方法であって、 当該イチョウ素材の代表的アリコートの総生物活性を検定し、そして 当該代表的アリコートの総生物活性を、医薬グレードのイチョウについて確立
    されている総生物活性標準と比較して、当該イチョウ素材が医薬グレードのイチ
    ョウであるかどうかを決定する、 段階を含む方法。
  37. 【請求項37】 請求項1、20、32、34、35または36の方法で決
    定された医薬グレードのイチョウ。
  38. 【請求項38】 少なくとも1個のマーカー画分が1群の関連成分を含む、
    請求項1の方法で決定された医薬グレードのイチョウ。
  39. 【請求項39】 少なくとも1個のマーカー画分が少なくとも2個の活性成
    分を含む、請求項1の方法。
  40. 【請求項40】 複数の成分が、アメントフラボン、アナカルジン酸、バイ
    ロバライド、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギンゴライドB、ギンゴライド
    C、グルタミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イソラムネチン、ケンプフェ
    ロール、プロリンおよびケルセチンからなる群から選ばれた少なくとも1個の活
    性成分を含む、請求項1、2、3または4の方法。
  41. 【請求項41】 少なくとも1個のマーカー画分が、アメントフラボン、ア
    ナカルジン酸、バイロバライド、γ−アミノ酪酸、ギンゴライドA、ギンゴライ
    ドB、ギンゴライドC、グルタミン酸、グルタミン、ヒノキフラボン、イソラム
    ネチン、ケンプフェロール、プロリンおよびケルセチンからなる群から選ばれた
    少なくとも1個の活性成分を含む、請求項1、2、3または4の方法。
JP2000516688A 1997-10-23 1998-10-23 医薬グレードのイチョウ Pending JP2002515402A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US95660097A 1997-10-23 1997-10-23
US08/956,600 1997-10-23
PCT/US1998/022506 WO1999020291A2 (en) 1997-10-23 1998-10-23 Pharmaceutical grade ginkgo biloba

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002515402A true JP2002515402A (ja) 2002-05-28

Family

ID=25498427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000516688A Pending JP2002515402A (ja) 1997-10-23 1998-10-23 医薬グレードのイチョウ

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1027603A2 (ja)
JP (1) JP2002515402A (ja)
CN (1) CN1290349A (ja)
AU (1) AU1363399A (ja)
CA (1) CA2307194A1 (ja)
WO (1) WO1999020291A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246507A (ja) * 2006-02-15 2007-09-27 Kracie Seiyaku Kk 疲労の予防・治療組成物及び予防・治療方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1009437C2 (nl) * 1998-06-18 1999-12-21 Xenobiosis Extractiewerkwijze.
US20030044846A1 (en) 2001-04-03 2003-03-06 Gary Eldridge Screening of chemical compounds purified from biological sources
WO2001033193A2 (en) * 1999-11-02 2001-05-10 Sequoia Sciences, Inc. Automated plant extraction method and arrays for high throughput screening
CN110433157B (zh) * 2018-05-02 2022-10-18 成都百裕制药股份有限公司 银杏萜内酯在制备预防和/或治疗眩晕症的药物中的用途
CN109053417B (zh) * 2018-07-27 2021-03-05 山东省分析测试中心 一种高纯度银杏酸的制备方法
CN117024440A (zh) * 2021-03-30 2023-11-10 成都百裕制药股份有限公司 一种萜内酯衍生物及其在医药上的应用
CN113533270A (zh) * 2021-06-16 2021-10-22 万邦德制药集团有限公司 一种银杏叶滴丸的质量控制方法
CN117815223A (zh) * 2024-03-06 2024-04-05 北京市肿瘤防治研究所 银杏双黄酮在制备抗食管鳞癌药物中的应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3940091A1 (de) * 1989-12-04 1991-06-06 Schwabe Willmar Gmbh & Co Extrakt aus blaettern von ginkgo biloba, verfahren zu seiner herstellung und den extrakt enthaltende arzneimittel
JPH11503453A (ja) * 1995-04-14 1999-03-26 ユニバーシティー オブ サザン カリフォルニア ヤドリギ抽出物および方法
US6379714B1 (en) * 1995-04-14 2002-04-30 Pharmaprint, Inc. Pharmaceutical grade botanical drugs

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246507A (ja) * 2006-02-15 2007-09-27 Kracie Seiyaku Kk 疲労の予防・治療組成物及び予防・治療方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU1363399A (en) 1999-05-10
EP1027603A2 (en) 2000-08-16
CN1290349A (zh) 2001-04-04
WO1999020291A2 (en) 1999-04-29
WO1999020291A3 (en) 1999-07-08
WO1999020291A9 (en) 1999-08-12
CA2307194A1 (en) 1999-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6039950A (en) Pharmaceutical grade saw palmetto
US6113907A (en) Pharmaceutical grade St. John&#39;s Wort
Gautam et al. Identification, evaluation and standardization of herbal drugs: A review
CA2307614A1 (en) Pharmaceutical grade echinacea
Naik et al. Physicochemical and Phytochemical Analysis of Different Plant Parts of Annona muricata L.(Annonaceae).
JP2002515402A (ja) 医薬グレードのイチョウ
Ahmad et al. Phytochemical and pharmacological studies on methanolic seeds' extract of Dolichos biflorus.
WO1999021008A1 (en) Pharmaceutical grade garlic
JP2001521876A (ja) 医薬グレードの薬用ニンジン
CA2307339A1 (en) Pharmaceutical grade valerian, black cohosh, vitex agnus-castus, bilberry and milk thistle
Dangi et al. Phytochemical screening and assessment of Adhatoda vasica (Leaf) for antiasthmatic activity
Charles-Okhe et al. Cytotoxic activity of crude extracts and fractions of African peach (nauclea latifolia smith) stem bark on two cancer cell lines
Dai et al. T47D cell-inhibiting indonesian medicinal plants and active constituents of Alpinia galanga rhizome
Shrivastava et al. Extensive review on the analytical methods for the estimation of Thuja occidentalis homeopathic mother tincture
WO1999021005A2 (en) Pharmaceutical grade st. john&#39;s wort
Kumar et al. PHARMACOGNOSTIC EVALUTION AND PHYTOCHEMICAL SCREENING OF FRUITS OF LAGENARIA SICERARIA (MOLINA) STANDLY
Anokwuru Phytochemical, biological and toxicity studies of Terminalia sericea Burch.(Combretaceae)
Khurana et al. FINGERPRINTING PROFILING OF AYURVEDIC PREPARATION: AN OVERVIEW
Megala Pharmacognostical, Phytochemical Studies and Evaluation of Anti-Arthritic Activity of Leaves of Momordica Charantia Linn.
Durai Prabakaran Pharmacognostical, Phytochemical and Anticancer Activity of the Leaves of Asparagus Racemosus Willd.,(Liliaceae)
CN113295807A (zh) 蛇莓药材中没食子酸含量的测定方法及蛇莓药材质量控制方法
Dhiraj Pharmacognostical, Phytochemical and Pharmacological Studies on Leaves of Butea Monosperma (L) Toub
Sikandar et al. Research on the Herbal Formulation “Hectasor Ointment” Topical Dosage form Used against Psoriasis
Singh et al. Pharmacognostical Screening of Blue Flowered Variety of Clitoria ternatea Linn.-A Phytocentric Overview
Khan A Comprehensive Study on the Phytochemistry, Extraction, Biological Evaluation and In Silico Potential of Onosma bracteatum by GC/MS