JP2002515258A - M−4およびm−4’として知られる水酸化ml−236b誘導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法 - Google Patents

M−4およびm−4’として知られる水酸化ml−236b誘導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法

Info

Publication number
JP2002515258A
JP2002515258A JP2000549757A JP2000549757A JP2002515258A JP 2002515258 A JP2002515258 A JP 2002515258A JP 2000549757 A JP2000549757 A JP 2000549757A JP 2000549757 A JP2000549757 A JP 2000549757A JP 2002515258 A JP2002515258 A JP 2002515258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
fermentation
microorganism
group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000549757A
Other languages
English (en)
Inventor
クランジク,サッソ
イヴァンク,イレナ
シャウエル,マニカ
Original Assignee
エルイーケー ファーマシューティカル アンド ケミカル カンパニー ディー.ディー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルイーケー ファーマシューティカル アンド ケミカル カンパニー ディー.ディー. filed Critical エルイーケー ファーマシューティカル アンド ケミカル カンパニー ディー.ディー.
Publication of JP2002515258A publication Critical patent/JP2002515258A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/62Carboxylic acid esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/02Oxygen as only ring hetero atoms
    • C12P17/06Oxygen as only ring hetero atoms containing a six-membered hetero ring, e.g. fluorescein
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • Y10S435/872Nocardia

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 アミコラトプシス−オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)種に属する微生物、または該微生物より得られた抽出物、もしくは該微生物より得られた、水酸化に対して効果的な酵素を用いた、ML−236B物質およびその誘導体の、6’−水酸化生成物への非常に効果的な転換が説明される。得られる生成物は、HMG−CoAリダクターゼ抑制剤、またはその中間体として好適なものであるため、該生成物は、例えば、製薬での抗高コレステロール血症剤(antihypercholesterolemic)として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の分野) 本発明は、M−4およびM−4’として知られる水酸化ML−236B誘導体
、およびその類似体の新規の製造方法に関し、特に微生物学的手法による酵素水
酸化に関するものである。
【0001】 (従来の技術) ML−236B、およびその誘導体や類似体は、HMG−CoAリダクターゼ
抑制剤として知られており、GB Pat.No.1,555,831に開示さ
れている。これらは、Gilbertella,Streptomyces,Circinella,Monascus,Nocardi
a,Amycolata,Mucor,もしくはペニシリウム(Penicillium )に属する様々な微生
物を用いた醗酵により製造される(US Pat.No.4,346,227、
およびUS Pat.No.4,537,859に開示)。ML−236Bの水
酸化物、およびその誘導体や類似体、特に、M−4およびM−4’として知られ
るものは、HMG−CoAリダクターゼの非常に効果的な抑制剤として知られて
おり、これらの混合物は、ナトリウム塩などの製薬的に使用可能な形態で、高抗
コレステロール血症剤として治療価値を有している。これら全ての物質は、酸も
しくはラクトンの形態で存在している。
【0002】 従来、M−4およびM−4’物質など、HMG−CoAリダクターゼ抑制剤の
製薬的に使用可能なナトリウム塩の生成は、フィードバッチ方式で行なわれてき
た。この方式の第1部では,US Pat.No.4,137,322に記載さ
れているように、ペニシリウム(Penicillium)の微生物を用いた醗酵により、
ML−236B物質が生成され、従来の単離方法により単離が行なわれると共に
、該物資のナトリウム塩が生成される。そして、この方式の第2部では,US
Pat.No.4,346,227、およびUS Pat.No.4,537,
859に記載されているように、上記属に属する微生物の一つを培地で培養し、
ML−236Bが、通常、ナトリウム塩の形態で該培地に添加され、M−4およ
びM−4’物質の単離が行なわれると共に、必要に応じて、該物質の、製薬的に
利用可能な塩が生成される。
【0003】 (発明の目的) ML−236B物質と、該誘導体と、類似体との、水酸化物への最も効果的な
転換を可能にする、新規および向上したバイオテクノロジーを用いた方法への必
要性がある。水酸化物への転換における収率の向上は、開始材料が高価なことか
らも重要なものとなっている。
【0004】 (発明と好ましい実施の形態の説明) 本発明の目的は、以下の式(I)で定義される化合物の製造方法により達成さ
れるものであり、
【0005】
【化6】
【0006】 式中、R1 は、置換されたもしくは無置換のアルキル基、あるいは置換されたも
しくは無置換のアリール基を表すものであり、R2 は、独立して、H、または置
換されたもしくは無置換のアルキル基、あるいは陽イオンを表し、或いは、本発
明の目的は、上記式(I)に対応するラクトン(II)の製造方法により達成され
るものであり、
【0007】
【化7】
【0008】 式中、R1 は、上記で定義したとおりであり、上記方法では、水酸化のために
、上記式(I)または(II)の6’−H類似体を、アミコラトプシス−オリエ
ンタリス(Amycolatopsis orientalis)種に属する微生物、もしくはその抽出物
、あるいは該微生物から得られた水酸化に対して効果的な酵素と接触させる。
【0009】 本発明によると、特定の微生物が見出され、該微生物を、微生物学的方法、も
しくは該微生物から得られる抽出物、または該微生物から得られる、水酸化に対
して効果的な酵素の形態で使用することにより、所望の化合物基質、即ち、式(
I)の化合物または式(II)のラクトンの、6’−H類似体の水酸化物への転
換が向上され、比較的高収率が得られる。上記の水酸化物を生産することができ
る可能性を有するものとして、様々な微生物が文献に報告されており、それらを
研究した結果、驚くべきことに、微生物アミコラトプシス−オリエンタリス、特
に系統ATCC19795、もしくは、それから得られた抽出物または水酸化に
対して効果的な酵素を用いた時に最良の結果が得られることが見出された。現在
まで、アミコラトプシス−オリエンタリスは、単に、抗生物質バンコマイシンの
生産者としてのみ知られている。
【0010】 アミコラトプシス−オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)の系統ATC
C19795は、特定の状態で短い粒子状に分裂する多岐の菌糸体により特徴付
けられる。固体寒天培地で成長したコロニーは、薄い青色を有しており、ベルベ
ット状の形態であり、若干の畳み込みおよび隆起が観られ、直径は5〜10mm
である。最も簡便な成長温度は、24℃〜30℃の範囲であり、これは、該微生
物がほとんど胞子形成しないことに関連している。
【0011】 本発明は、酵素水酸化方法に関するものであり、これは、上記式(I)の化合
物または上記式(II)の対応ラクトンの、6’−H類似体を、適切な醗酵培地
で、アミコラトプシス−オリエンタリス、特にATCC19795として寄託さ
れている系統と接触させることによって好適に行なうことができる。
【0012】 醗酵培地は、以下のものを含むことが好ましい。グルコース、サッカロース、
デキストリン、グリセロール、デンプン、大豆油、および糖みつなどの、同化可
能な炭素の供給源;大豆小麦粉、肉および酵母抽出物、ペプトン、およびアンモ
ニア塩などの同化可能な窒素の供給源;および、必要に応じて、塩化ナトリウム
、塩化カリウム、硫酸マグネジウム、炭酸カルシウム、およびリン酸塩などの様
々な無機塩。醗酵のためには、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属する
微生物を用いた最も慣例的な培地を使用することができる。好適な接種および醗
酵培地は、本発明で参照される、例えば、以下の文献に説明されている。J.J. M
cIntyre et al.: Biotechnology and Bioengineering, vol. 49, pp. 412-420 (
1996); L.D. Boeck et al.: The Journal of Antibiotics, Vol. XXXVII No. 5,
pp. 446-453 (1984); G.J. Clark et al.: Microbiology, Vol. 141, pt. 3, p
p. 663-669 (1995);およびUS Patent No. 4,547,488 。
【0013】 醗酵は、好気条件下、および、例えば、20℃〜36℃、好ましくは、24℃
〜30℃の適切な温度範囲で行なわれ、水酸化される上記化合物基質は、好まし
くはナトリウム塩の形態で、醗酵期間中および醗酵の終了後のいずれの時点で微
生物と接触されてもよいが、通常、培養の開始から24〜48時間である、醗酵
の増殖期間内で添加されることが特に好ましい。化合物基質は、醗酵ブロスの総
重量もしくは接触液に対して、総最終濃度が0.01重量%〜5重量%、好まし
くは、0.05重量%〜0.5重量%となるように添加される。醗酵培地に対す
る添加は、バッチ、フィードバッチ、および連続式のいずれで行なわれてもよい
。醗酵は、通常、基質化合物の添加から2〜5日以内に完了する。その後、微生
物細胞が、好ましくはろ過により分離され、得られるろ液が、エチルアセテート
、エーテル(例えば、ジエチルエーテル)、およびクロロホルムなどの、好まし
くは、水混和性を有さない、もしくは制限された水混和性を有する有機溶媒によ
り抽出される。その後、有機溶媒は、蒸発によって好適に除去され、さらに、必
要であれば、得られる粗生成物は、例えば、シリカゲルカラム等を用いた化学ク
ロマトグラフィーなどの従来の純化および単離処理に供されてもよく、適切な溶
離液により所望の化合物が溶出される。必要ならば、得られる生成物は、当業者
に公知の方法により、再結晶化、造塩(塩の形態が望まれる場合)、ラクトン化
、またはエステル化処理に供されてもよい。
【0014】 上記の接触工程が、培養の開始から約4〜5日後など、醗酵の完了後に行なわ
れる場合、微生物細胞は、例えば、ろ過により収集することができ、必要に応じ
て、リン酸緩衝液などの適切な緩衝液で洗浄され、その後、適切な緩衝液内で(
pH=5〜9であって20〜45℃の適切な温度範囲、好ましくは25℃〜30
℃)、基質化合物と接触される。
【0015】 また、水酸化処理は、アミコラトプシス−オリエンタリスの細胞抽出物によっ
て行なうこともできる。細胞抽出物は、そのまま使用してもよく、例えば、事前
に乾燥させておくか、水酸化に対して無効な細胞組成を分離しておくなど、変性
された状態で使用することもできる。さらに、上記微生物から得られた、水酸化
に対して有効な酵素を用いて水酸化処理を行なうこともできる。例えば、水酸化
工程に対して有効な酵素を、アミコラトプシス−オリエンタリスから事前に単離
しておく。
【0016】 上記微生物から得られる酵素を用いる概念でさらに熟考されるのは、例えば、
安定酵素或いは担持体に担持された酵素などの変性酵素の使用、および、該微生
物から得られ、水酸化に有効な酵素に対応する、遺伝子操作された酵素の使用で
ある。細胞抽出物、もしくは水酸化に対して有効な酵素、またはこれらの変性物
を得るための適切な方法は、当業者に公知のものである。
【0017】 上記微生物学的方法により得られる生成物は、通常、6’−ヒロドキシα−と
β−配置との混合物であり、これはそのまま使用することができる。必要ならば
、α−およびβ−配置のそれぞれの異性体は、当業者に公知の適切な異性体分離
方法により分離されてもよい。
【0018】 R1 およびR2 の構造分子は、HMG−CoAリダクターゼ抑制剤、もしくは
その中間体を得るために上記に定義したものの中から選択することができる。し
たがって、R1 は、必要に応じて置換されたアルキル基、もしくは必要に応じて
置換されたアリール基を表してもよい。アルキル基は、直鎖、分鎖、もしくは環
状の炭水化物を含んでおり、該炭水化物は、必要に応じて非飽和二重結合を有し
てもよく、必要に応じて置換されてもよい。アルキル基の主鎖は、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシルなど、1〜15の炭素数、好ましくは1〜10の炭素数、さらに好ましく
は1〜6の炭素数を有すると共に、これらの異性体、および分鎖した誘導体など
を含んでいる。必要に応じた置換基としては、クロロなどのハロゲン、アミノ、
モノまたはジメチルアミノなどの低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ
、シアノ、およびニトロなどの一つ以上の基が挙げられる。好ましい置換基はヒ
ドロキシである。分鎖した炭化水素基が存在する場合は、該炭化水素基は、メチ
ル基やエチル基のように、1〜4の炭素数を有することが好ましい。アリール残
基としては、置換された、または無置換のフェニル、ビフェニル、およびナフチ
ル基が挙げられ、必要に応じた置換基は、低級アルキル、アルコキシ、クロロな
どのハロゲン、モノまたはジメチルアミノなどのアミノ、ヒドロキシ、アルコキ
シ、シアノ、およびニトロなどからなる群より選ばれる。
【0019】 R1 は、以下の構造を有するアルキル残基であることが特に好ましく、 H3 C−CHR4 −C(CH3 )R3 − 式中、R3 は、HまたはCH3 を表すものであり、R4 は、独立してHまたは
OHを表すものである。
【0020】 さらに、R2 は、遊離酸が存在する場合に対応する、H、アルキル基、または
陽イオン、もしくは上記式(I)の化合物のエステルまたは塩を表してもよい。
可能なアルキル残基は、R1 に関して上記に説明したように、必要に応じて非飽
和二重結合を有すると共に、必要に応じて置換された、直鎖、分鎖、もしくは環
状の炭水化物を含んでいる。陽イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム
、リチウム、カルシウム、マグネジウムなどの金属陽イオン、好ましくは、ナト
リウム、アンモニウム基、およびアルキルアンモニウム基などのアルカリ金属陽
イオンが挙げられる。
【0021】 さらに有効なHMG−CoAリダクターゼ抑制剤を得るために、好ましい上記
式(I)の化合物は、以下の立体配置(Ia)、
【0022】
【化8】
【0023】 もしくは対応するラクトン化合物(IIa)を有しており、 式中、R1 およびR2 は、上記で定義したとおりであり、6’−OH基は、α−
またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の混合物を表している。式(Ia
)および式(IIa)の化合物は、それぞれに対応する立体配置を有する6’−
H類似体を開始材料として用いることによって得られる。 特に好ましいR1
例は、以下の構造および立体配置を有するアルキル残基である。
【0024】
【化9】
【0025】 本発明の特に好ましい実施形態では、特に活性が高く有効なHMG−CoAリ
ダクターゼ抑制剤もしくはその中間体を得るために、以下の式(III)
【0026】
【化10】
【0027】 を有する化合物、またはその塩もしくは対応ラクトンが生成され、 式中、6’−OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の
混合物を表している。塩が生成される場合、通常、塩は製薬的に使用可能な塩で
あり、特にナトリウム塩である。
【0028】 本発明の方法の開始化合物を得るために、また、得られる6’−水酸化生成物
から、ラクトン形態、エステル形態、または塩形態の誘導体、類似体、および変
異体(R1 およびR2 の定義に対する)を生成するために、GB Patent
No.1,555,831、US Pat.No.4,346,227、および
US Pat.No.4,537,859を参照する。
【0029】 本発明の方法により得られる化合物は、合成処理、準合成処理、または生化学
処理によりさらに変性することができる。したがって、本発明により得られる化
合物は、それ自身、さらなるHMG−CoAリダクターゼ抑制剤を製造するため
の中間体を構成することができる。例えば、式(I)または式(II)を有する、
得られた化合物の環構造の二重結合の一方または両方を水素化することができる
【0030】 本発明に係る方法によって得られ、好ましくは少なくとも99.5%、さらに
好ましくは99.6%まで精製されたHMG−CoAリダクターゼ抑制剤は、疾
患の予防および/または治療のための製薬の製造に好適に使用することができる
。本発明に係る方法により得られる化合物、またはそれから得られるHMG−C
oAリダクターゼ抑制剤は、高抗コレステロール血症剤として効果的に使用する
ことができる。したがって、該化合物は、個人の体内のコレステロールを制御す
るための薬剤の生成のために使用することができる。さらに、上記化合物は、ア
テローム性動脈硬化症(athrosclerosis)の予防または治療に使用することがで
きる。得られる抑制剤および製薬は、発作、一過性脳虚血発作、および心筋梗塞
(myocardinal infarction)のリスクを低減するための予防剤として特に好適に
使用されるものである。
【0031】 以下に、本発明をさらに説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定
されるものではない。
【0032】 (実施例1) 〔接種物の生成〕 典型的な形質を有する個々の培地を選択することによって、最も好適で生産的
な培地を決定した。選択された培地を、無菌ポッタ−(potter)を介して寒天側
面に転移し、均一化した。得られた培地をサーモスタットへ移し、26℃〜30
℃で、7〜14日培養した。この期間内で、均一で、畳み込まれており、平滑で
、かつ白色から淡い灰色を帯びた青色の菌糸体を、寒天側面上で過剰成長させた
。得られた培地の一部(0.5〜1ml)を、増殖培地で培養した。
【0033】
【表1】
【0034】 〔醗酵の増殖期〕 寒天側面上で26℃〜30℃の温度で10日間成長し、実施例1で説明する方
法で生成された接種物を、50mlの増殖培養液を含んだ、容量500mlの三
角フラスコに接種した。2日後、培養液の一部(5〜10%)を、醗酵培地に移
した。
【0035】
【表2】
【0036】 (実施例2) 〔ML−236B物質の6’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4’への転
換〕 実施例1の方法により生成した培養液の一部を、醗酵培地1と共に三角フラス
コに移し、ナトリウム塩の形態で、以下の式を有するML−236B物質を、2
00mg/Lの濃度となるように、醗酵の2日目に添加した。醗酵ブロス内の6
’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4’化合物の濃度を分析した結果、醗酵
ブロス内のM−4およびM−4’物質の総最終濃度は、24℃〜30℃の範囲の
温度で、醗酵の3日後において60mg/mlであることが分かった。
【0037】
【化11】
【0038】
【表3】
【0039】 全ての原料を水道水で溶解し、1MのNaOH水溶液を添加することにより、
pHを7.8に調節した。得られた培養液を、300mlの容量を有するフラス
コに、フラスコ毎に30ml注入した。
【0040】 (実施例3) 〔ML−2368物質の6’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4への転換
〕 実施例1の方法により生成した培養液の一部を、醗酵培地1と共に三角フラス
コに移し、ナトリウム塩の形態のML−236B物質を、400mg/Lの濃度
となるように、醗酵の2日目に添加した。醗酵ブロス内の6’−ヒドロキシ誘導
体M−4およびM−4’化合物の濃度を分析した結果、醗酵ブロス内のM−4お
よびM−4’物質の総最終濃度は、24℃〜30℃の範囲の温度で、醗酵の3日
後において160mg/mlであることが分かり、40%の転換率を示している
【0041】 〔醗酵培地3〕 原料 使用量 グリセロール 20 g 大豆小麦粉 20 g カルシウムグルコネート 12 g 塩化マグネシウム × 6H2 O 1.3g 硫化マグネジウム × 7H2 O 1 g NaNO3 10 g 1000mlの水道水 全ての原料を水道水で溶解し、pHを7.8に調節した。得られた培養液を、
300mlの容量を有するフラスコに、フラスコ毎に30ml注入した。
【0042】 (実施例4) 〔ML−236Bの物質、パイロットプラントスケールでの、6’−ヒドロキ
シ誘導体M−4およびM−4’への転換〕 実施例1で説明した方法で生成し、醗酵の増殖期が24時間に短縮された培養
液を含んだ三角フラスコの内容物を用いて、10lの醗酵培地を含んだ醗酵槽(
41l)を接種した。24時間の醗酵後、ナトリウム塩の形態のML−236B
(500mlの水に溶解された470mgのML−236B)を、6時間かけて
連続的に該培養液に添加した。醗酵ブロス内の物質M−4およびM−4’化合物
の濃度を分析した結果、醗酵ブロス内のM−4およびM−4’物質の総最終濃度
は、24℃〜30℃の範囲の温度で、醗酵の36時間後において300mgであ
ることが分かり、64%の転換率を示している。
【0043】 〔醗酵培地2〕 原料 使用量 グリセロール 20 g 醗酵用コーンスターチ 20 g 醗酵用大豆小麦粉 14 g グルコース 10 g 酵母抽出物 5 g NaH2 PO4 × 2H2 O 3.3 g 1000mlの水道水 全ての原料を水道水で溶解し、pHを7.8に調節した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月7日(2000.6.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 M−4およびM−4’として知られる水酸化ML−236B誘
導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】 式(I)中、R1 は、置換されたもしくは無置換のアルキル基、または置換さ
れたもしくは無置換のアリール基であり、R2 は、独立して、H、置換されたも
しくは無置換のアルキル基または陽イオンであり、 式(II)は、式(I)の対応ラクトンであり、式(I)中、R1 は、上記で
定義したとおりであり、水酸化のために、上記式(I)または(II)の6’−
H類似体を、アミコラトプシス−オリエンタリス種に属する微生物と接触させる
上記化合物の製造方法
【化3】 または、対応ラクトン化合物(IIa)を有しており、 式(Ia)中、R1 およびR2 は、請求項1で定義したとおりであり、6’−
OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の混合物を表すも
のである請求項1に記載の方法。
【化4】 を有するものである請求項4に記載の方法。
【化5】 を有する化合物またはその塩、もしくはその対応ラクトンを製造する方法であっ
て、式(III)中、6’OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ
−配置の混合物を表すものである請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、M−4およびM−4’として知られる水酸化ML−236B誘導体
、およびその類似体の新規の製造方法に関し、特に微生物学的手法による酵素水
酸化に関するものである。
【0001】 (従来の技術) ML−236B、およびその誘導体や類似体は、HMG−CoAリダクターゼ
抑制剤として知られており、GB Pat.No.1,555,831に開示さ
れている。これらは、Gilbertella,Streptomyces,Circinella,Monascus,Nocardi
a,Amycolata,Mucor,もしくはペニシリウム(Penicillium )に属する様々な微生
物を用いた醗酵により製造される(US Pat.No.4,346,227
、およびUS Pat.No.4,537,859に開示)。US Paten
t No.5,153,124では、StreptomycesまたはAmycolata 属に属する
微生物を用いた、ML−236B誘導体の水酸化を説明している。EP0649
907A1は、Amycolatopsis mediterranei (ATCC 21411) を含んだ、多種多様
な微生物の使用を開示している。ML−236Bの水酸化物、およびその誘導体
や類似体、特に、M−4およびM−4’として知られるものは、HMG−CoA
リダクターゼの非常に効果的な抑制剤として知られており、これらの混合物は、
ナトリウム塩などの製薬的に使用可能な形態で、高抗コレステロール血症剤とし
て治療価値を有している。これら全ての物質は、酸もしくはラクトンの形態で存
在している。
【0002】 従来、M−4およびM−4’物質など、HMG−CoAリダクターゼ抑制剤の
製薬的に使用可能なナトリウム塩の生成は、フィードバッチ方式で行なわれてき
た。この方式の第1部では,US Pat.No.4,137,322に記載さ
れているように、ペニシリウム(Penicillium)の微生物を用いた醗酵により、
ML−236B物質が生成され、従来の単離方法により単離が行なわれると共に
、該物資のナトリウム塩が生成される。そして、この方式の第2部では,US
Pat.No.4,346,227、およびUS Pat.No.4,537,
859に記載されているように、上記属に属する微生物の一つを培地で培養し、
ML−236Bが、通常、ナトリウム塩の形態で該培地に添加され、M−4およ
びM−4’物質の単離が行なわれると共に、必要に応じて、該物質の、製薬的に
利用可能な塩が生成される。
【0003】 (発明の目的) ML−236B物質と、該誘導体と、類似体との、水酸化物への最も効果的な
転換を可能にする、新規および向上したバイオテクノロジーを用いた方法への必
要性がある。水酸化物への転換における収率の向上は、開始材料が高価なことか
らも重要なものとなっている。
【0004】 (発明と好ましい実施の形態の説明) 本発明の目的は、以下の式(I)で定義される化合物の製造方法により達成さ
れるものであり、
【0005】
【化6】
【0006】 式中、R1 は、置換されたもしくは無置換のアルキル基、あるいは置換されたも
しくは無置換のアリール基を表すものであり、R2 は、独立して、H、または置
換されたもしくは無置換のアルキル基、あるいは陽イオンを表し、或いは、本発
明の目的は、上記式(I)に対応するラクトン(II)の製造方法により達成され
るものであり、
【0007】
【化7】
【0008】 式中、R1 は、上記で定義したとおりであり、上記方法では、水酸化のために
、上記式(I)または(II)の6’−H類似体を、アミコラトプシス−オリエ
ンタリス(Amycolatopsis orientalis)種に属する微生物、もしくはその抽出物
、あるいは該微生物から得られた水酸化に対して効果的な酵素と接触させる。
【0009】 本発明によると、特定の微生物が見出され、該微生物を、微生物学的方法、も
しくは該微生物から得られる抽出物、または該微生物から得られる、水酸化に対
して効果的な酵素の形態で使用することにより、所望の化合物基質、即ち、式(
I)の化合物または式(II)のラクトンの、6’−H類似体の水酸化物への転
換が向上され、比較的高収率が得られる。上記の水酸化物を生産することができ
る可能性を有するものとして、様々な微生物が文献に報告されており、それらを
研究した結果、驚くべきことに、微生物アミコラトプシス−オリエンタリス、特
に系統ATCC19795、もしくは、それから得られた抽出物または水酸化に
対して効果的な酵素を用いた時に最良の結果が得られることが見出された。現在
まで、アミコラトプシス−オリエンタリスは、単に、抗生物質バンコマイシンの
生産者としてのみ知られている。
【0010】 アミコラトプシス−オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)の系統ATC
C19795は、特定の状態で短い粒子状に分裂する多岐の菌糸体により特徴付
けられる。固体寒天培地で成長したコロニーは、薄い青色を有しており、ベルベ
ット状の形態であり、若干の畳み込みおよび隆起が観られ、直径は5〜10mm
である。最も簡便な成長温度は、24℃〜30℃の範囲であり、これは、該微生
物がほとんど胞子形成しないことに関連している。
【0011】 本発明は、酵素水酸化方法に関するものであり、これは、上記式(I)の化合
物または上記式(II)の対応ラクトンの、6’−H類似体を、適切な醗酵培地
で、アミコラトプシス−オリエンタリス、特にATCC19795として寄託さ
れている系統と接触させることによって好適に行なうことができる。
【0012】 醗酵培地は、以下のものを含むことが好ましい。グルコース、サッカロース、
デキストリン、グリセロール、デンプン、大豆油、および糖みつなどの、同化可
能な炭素の供給源;大豆小麦粉、肉および酵母抽出物、ペプトン、およびアンモ
ニア塩などの同化可能な窒素の供給源;および、必要に応じて、塩化ナトリウム
、塩化カリウム、硫酸マグネジウム、炭酸カルシウム、およびリン酸塩などの様
々な無機塩。醗酵のためには、アミコラトプシス(Amycolatopsis)属に属する
微生物を用いた最も慣例的な培地を使用することができる。好適な接種および醗
酵培地は、本発明で参照される、例えば、以下の文献に説明されている。J.J. M
cIntyre et al.: Biotechnology and Bioengineering, vol. 49, pp. 412-420 (
1996); L.D. Boeck et al.: The Journal of Antibiotics, Vol. XXXVII No. 5,
pp. 446-453 (1984); G.J. Clark et al.: Microbiology, Vol. 141, pt. 3, p
p. 663-669 (1995);およびUS Patent No. 4,547,488 。
【0013】 醗酵は、好気条件下、および、例えば、20℃〜36℃、好ましくは、24℃
〜30℃の適切な温度範囲で行なわれ、水酸化される上記化合物基質は、好まし
くはナトリウム塩の形態で、醗酵期間中および醗酵の終了後のいずれの時点で微
生物と接触されてもよいが、通常、培養の開始から24〜48時間である、醗酵
の増殖期間内で添加されることが特に好ましい。化合物基質は、醗酵ブロスの総
重量もしくは接触液に対して、総最終濃度が0.01重量%〜5重量%、好まし
くは、0.05重量%〜0.5重量%となるように添加される。醗酵培地に対す
る添加は、バッチ、フィードバッチ、および連続式のいずれで行なわれてもよい
。醗酵は、通常、基質化合物の添加から2〜5日以内に完了する。その後、微生
物細胞が、好ましくはろ過により分離され、得られるろ液が、エチルアセテート
、エーテル(例えば、ジエチルエーテル)、およびクロロホルムなどの、好まし
くは、水混和性を有さない、もしくは制限された水混和性を有する有機溶媒によ
り抽出される。その後、有機溶媒は、蒸発によって好適に除去され、さらに、必
要であれば、得られる粗生成物は、例えば、シリカゲルカラム等を用いた化学ク
ロマトグラフィーなどの従来の純化および単離処理に供されてもよく、適切な溶
離液により所望の化合物が溶出される。必要ならば、得られる生成物は、当業者
に公知の方法により、再結晶化、造塩(塩の形態が望まれる場合)、ラクトン化
、またはエステル化処理に供されてもよい。
【0014】 上記の接触工程が、培養の開始から約4〜5日後など、醗酵の完了後に行なわ
れる場合、微生物細胞は、例えば、ろ過により収集することができ、必要に応じ
て、リン酸緩衝液などの適切な緩衝液で洗浄され、その後、適切な緩衝液内で(
pH=5〜9であって20〜45℃の適切な温度範囲、好ましくは25℃〜30
℃)、基質化合物と接触される。
【0015】 また、水酸化処理は、アミコラトプシス−オリエンタリスの細胞抽出物によっ
て行なうこともできる。細胞抽出物は、そのまま使用してもよく、例えば、事前
に乾燥させておくか、水酸化に対して無効な細胞組成を分離しておくなど、変性
された状態で使用することもできる。さらに、上記微生物から得られた、水酸化
に対して有効な酵素を用いて水酸化処理を行なうこともできる。例えば、水酸化
工程に対して有効な酵素を、アミコラトプシス−オリエンタリスから事前に単離
しておく。
【0016】 上記微生物から得られる酵素を用いる概念でさらに熟考されるのは、例えば、
安定酵素或いは担持体に担持された酵素などの変性酵素の使用、および、該微生
物から得られ、水酸化に有効な酵素に対応する、遺伝子操作された酵素の使用で
ある。細胞抽出物、もしくは水酸化に対して有効な酵素、またはこれらの変性物
を得るための適切な方法は、当業者に公知のものである。
【0017】 上記微生物学的方法により得られる生成物は、通常、6’−ヒロドキシα−と
β−配置との混合物であり、これはそのまま使用することができる。必要ならば
、α−およびβ−配置のそれぞれの異性体は、当業者に公知の適切な異性体分離
方法により分離されてもよい。
【0018】 R1 およびR2 の構造分子は、HMG−CoAリダクターゼ抑制剤、もしくは
その中間体を得るために上記に定義したものの中から選択することができる。し
たがって、R1 は、必要に応じて置換されたアルキル基、もしくは必要に応じて
置換されたアリール基を表してもよい。アルキル基は、直鎖、分鎖、もしくは環
状の炭水化物を含んでおり、該炭水化物は、必要に応じて非飽和二重結合を有し
てもよく、必要に応じて置換されてもよい。アルキル基の主鎖は、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシルなど、1〜15の炭素数、好ましくは1〜10の炭素数、さらに好ましく
は1〜6の炭素数を有すると共に、これらの異性体、および分鎖した誘導体など
を含んでいる。必要に応じた置換基としては、クロロなどのハロゲン、アミノ、
モノまたはジメチルアミノなどの低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ
、シアノ、およびニトロなどの一つ以上の基が挙げられる。好ましい置換基はヒ
ドロキシである。分鎖した炭化水素基が存在する場合は、該炭化水素基は、メチ
ル基やエチル基のように、1〜4の炭素数を有することが好ましい。アリール残
基としては、置換された、または無置換のフェニル、ビフェニル、およびナフチ
ル基が挙げられ、必要に応じた置換基は、低級アルキル、アルコキシ、クロロな
どのハロゲン、モノまたはジメチルアミノなどのアミノ、ヒドロキシ、アルコキ
シ、シアノ、およびニトロなどからなる群より選ばれる。
【0019】 R1 は、以下の構造を有するアルキル残基であることが特に好ましく、 H3 C−CHR4 −C(CH3 )R3 − 式中、R3 は、HまたはCH3 を表すものであり、R4 は、独立してHまたは
OHを表すものである。
【0020】 さらに、R2 は、遊離酸が存在する場合に対応する、H、アルキル基、または
陽イオン、もしくは上記式(I)の化合物のエステルまたは塩を表してもよい。
可能なアルキル残基は、R1 に関して上記に説明したように、必要に応じて非飽
和二重結合を有すると共に、必要に応じて置換された、直鎖、分鎖、もしくは環
状の炭水化物を含んでいる。陽イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム
、リチウム、カルシウム、マグネジウムなどの金属陽イオン、好ましくは、ナト
リウム、アンモニウム基、およびアルキルアンモニウム基などのアルカリ金属陽
イオンが挙げられる。
【0021】 さらに有効なHMG−CoAリダクターゼ抑制剤を得るために、好ましい上記
式(I)の化合物は、以下の立体配置(Ia)、
【0022】
【化8】
【0023】 もしくは対応するラクトン化合物(IIa)を有しており、 式中、R1 およびR2 は、上記で定義したとおりであり、6’−OH基は、α−
またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の混合物を表している。式(Ia
)および式(IIa)の化合物は、それぞれに対応する立体配置を有する6’−
H類似体を開始材料として用いることによって得られる。 特に好ましいR1
例は、以下の構造および立体配置を有するアルキル残基である。
【0024】
【化9】
【0025】 本発明の特に好ましい実施形態では、特に活性が高く有効なHMG−CoAリ
ダクターゼ抑制剤もしくはその中間体を得るために、以下の式(III)
【0026】
【化10】
【0027】 を有する化合物、またはその塩もしくは対応ラクトンが生成され、 式中、6’−OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の
混合物を表している。塩が生成される場合、通常、塩は製薬的に使用可能な塩で
あり、特にナトリウム塩である。
【0028】 本発明の方法の開始化合物を得るために、また、得られる6’−水酸化生成物
から、ラクトン形態、エステル形態、または塩形態の誘導体、類似体、および変
異体(R1 およびR2 の定義に対する)を生成するために、GB Patent
No.1,555,831、US Pat.No.4,346,227、および
US Pat.No.4,537,859を参照する。
【0029】 本発明の方法により得られる化合物は、合成処理、準合成処理、または生化学
処理によりさらに変性することができる。したがって、本発明により得られる化
合物は、それ自身、さらなるHMG−CoAリダクターゼ抑制剤を製造するため
の中間体を構成することができる。例えば、式(I)または式(II)を有する、
得られた化合物の環構造の二重結合の一方または両方を水素化することができる
【0030】 本発明に係る方法によって得られ、好ましくは少なくとも99.5%、さらに
好ましくは99.6%まで精製されたHMG−CoAリダクターゼ抑制剤は、疾
患の予防および/または治療のための製薬の製造に好適に使用することができる
。本発明に係る方法により得られる化合物、またはそれから得られるHMG−C
oAリダクターゼ抑制剤は、高抗コレステロール血症剤として効果的に使用する
ことができる。したがって、該化合物は、個人の体内のコレステロールを制御す
るための薬剤の生成のために使用することができる。さらに、上記化合物は、ア
テローム性動脈硬化症(athrosclerosis)の予防または治療に使用することがで
きる。得られる抑制剤および製薬は、発作、一過性脳虚血発作、および心筋梗塞
(myocardinal infarction)のリスクを低減するための予防剤として特に好適に
使用されるものである。
【0031】 以下に、本発明をさらに説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定
されるものではない。
【0032】 (実施例1) 〔接種物の生成〕 典型的な形質を有する個々の培地を選択することによって、最も好適で生産的
な培地を決定した。選択された培地を、無菌ポッタ−(potter)を介して寒天側
面に転移し、均一化した。得られた培地をサーモスタットへ移し、26℃〜30
℃で、7〜14日培養した。この期間内で、均一で、畳み込まれており、平滑で
、かつ白色から淡い灰色を帯びた青色の菌糸体を、寒天側面上で過剰成長させた
。得られた培地の一部(0.5〜1ml)を、増殖培地で培養した。
【0033】
【表1】
【0034】 〔醗酵の増殖期〕 寒天側面上で26℃〜30℃の温度で10日間成長し、実施例1で説明する方
法で生成された接種物を、50mlの増殖培養液を含んだ、容量500mlの三
角フラスコに接種した。2日後、培養液の一部(5〜10%)を、醗酵培地に移
した。
【0035】
【表2】
【0036】 (実施例2) 〔ML−236B物質の6’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4’への転
換〕 実施例1の方法により生成した培養液の一部を、醗酵培地1と共に三角フラス
コに移し、ナトリウム塩の形態で、以下の式を有するML−236B物質を、2
00mg/Lの濃度となるように、醗酵の2日目に添加した。醗酵ブロス内の6
’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4’化合物の濃度を分析した結果、醗酵
ブロス内のM−4およびM−4’物質の総最終濃度は、24℃〜30℃の範囲の
温度で、醗酵の3日後において60mg/mlであることが分かった。
【0037】
【化11】
【0038】
【表3】
【0039】 全ての原料を水道水で溶解し、1MのNaOH水溶液を添加することにより、
pHを7.8に調節した。得られた培養液を、300mlの容量を有するフラス
コに、フラスコ毎に30ml注入した。
【0040】 (実施例3) 〔ML−2368物質の6’−ヒドロキシ誘導体M−4およびM−4’への転
換〕 実施例1の方法により生成した培養液の一部を、醗酵培地1と共に三角フラス
コに移し、ナトリウム塩の形態のML−236B物質を、400mg/Lの濃度
となるように、醗酵の2日目に添加した。醗酵ブロス内の6’−ヒドロキシ誘導
体M−4およびM−4’化合物の濃度を分析した結果、醗酵ブロス内のM−4お
よびM−4’物質の総最終濃度は、24℃〜30℃の範囲の温度で、醗酵の3日
後において160mg/mlであることが分かり、40%の転換率を示している
【0041】 〔醗酵培地3〕 原料 使用量 グリセロール 20 g 大豆小麦粉 20 g カルシウムグルコネート 12 g 塩化マグネシウム × 6H2 O 1.3g 硫化マグネジウム × 7H2 O 1 g NaNO3 10 g 1000mlの水道水 全ての原料を水道水で溶解し、pHを7.8に調節した。得られた培養液を、
300mlの容量を有するフラスコに、フラスコ毎に30ml注入した。
【0042】 (実施例4) 〔ML−236Bの物質、パイロットプラントスケールでの、6’−ヒドロキ
シ誘導体M−4およびM−4’への転換〕 実施例1で説明した方法で生成し、醗酵の増殖期が24時間に短縮された培養
液を含んだ三角フラスコの内容物を用いて、10lの醗酵培地を含んだ醗酵槽(
41l)を接種した。24時間の醗酵後、ナトリウム塩の形態のML−236B
(500mlの水に溶解された470mgのML−236B)を、6時間かけて
連続的に該培養液に添加した。醗酵ブロス内の物質M−4およびM−4’化合物
の濃度を分析した結果、醗酵ブロス内のM−4およびM−4’物質の総最終濃度
は、24℃〜30℃の範囲の温度で、醗酵の36時間後において300mgであ
ることが分かり、64%の転換率を示している。
【0043】 〔醗酵培地2〕 原料 使用量 グリセロール 20 g 醗酵用コーンスターチ 20 g 醗酵用大豆小麦粉 14 g グルコース 10 g 酵母抽出物 5 g NaH2 PO4 × 2H2 O 3.3 g 1000mlの水道水 全ての原料を水道水で溶解し、pHを7.8に調節した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 7/42 (C12P 7/42 (C12P 17/06 (C12P 17/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 イヴァンク,イレナ スロヴェニア,1526 リュブリャナ,ヴェ ロフスコヴァ 57,エルイーケー ファー マシューティカル アンド ケミカル カ ンパニー ディー.ディー.内 (72)発明者 シャウエル,マニカ スロヴェニア,1526 リュブリャナ,ヴェ ロフスコヴァ 57,エルイーケー ファー マシューティカル アンド ケミカル カ ンパニー ディー.ディー.内 Fターム(参考) 4B064 AD65 AE46 CA03 DA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の式(I)または(II)で定義される化合物の製造方法であり、 【化1】 【化2】 式(I)中、R1 は、置換されたもしくは無置換のアルキル基、または置換さ
    れたもしくは無置換のアリール基であり、R2 は、独立して、H、置換された、
    もしくは無置換のアルキル基または陽イオンであり、 式(II)は、式(I)の対応ラクトンであり、式(I)中、R1 は、上記で
    定義したとおりであり、水酸化のために、上記式(I)または(II)の6’−
    H類似体を、アミコラトプシス−オリエンタリス種に属する微生物、もしくは該
    微生物より得られた抽出物、または該微生物より得られた、水酸化に効果的な酵
    素と接触させる上記化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記式(I)を有する生成化合物は、以下の立体配置(Ia) 【化3】 または、対応ラクトン化合物(IIa)を有しており、 式(Ia)中、R1 およびR2 は、請求項1で定義したとおりであり、6’−
    OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ−配置の混合物を表すも
    のである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記R2 は、HまたはC1 −C6 アルキル基、もしくはアルカリ金属と、アン
    モニア基と、アルキルアンモニウム基とからなる群より選択される陽イオンを表
    すものである請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記R1 は、R3 がHもしくはCH3 を表し、R4 が独立してHもしくはOH
    を表す時に、以下の構造 H3 C−CHR4 −C(CH3 )R3 − を有するアルキル残基を表すものである請求項1乃至3のいずれかに記載の方法
  5. 【請求項5】 上記アルキル残基は以下の構造および立体配置 【化4】 を有するものである請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 以下の式(III) 【化5】 を有する化合物またはその塩、もしくはその対応ラクトンを製造する方法であっ
    て、式(III)中、6’OH基は、α−またはβ−配置、もしくはα−およびβ
    −配置の混合物を表すものである請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記微生物は、アミコラトプシス−オリエンタリスATCC19795である
    上記請求項のいずれか一つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 上記微生物の醗酵期間中に行なわれるものであり、上記6’−H類似体は、バ
    ッチ、フィードバッチ、または連続式の手法を用いて醗酵ブロスに添加される上
    記請求項のいずれか一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 上記6’−H類似体は、培地の総重量に対する最終含有量が、0.05重量%
    〜0.5重量%となるように醗酵培地に添加される請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 同化可能な炭素、窒素、および/もしくはリンの供給源が、醗酵期間中に添加
    される請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 HMG−CoAリダクターゼ抑制剤の製造に使用される上記請求項のいずれか
    一つに記載の方法。
JP2000549757A 1998-05-21 1999-05-21 M−4およびm−4’として知られる水酸化ml−236b誘導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法 Withdrawn JP2002515258A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SI9800144A SI9800144A (sl) 1998-05-21 1998-05-21 Nov biotehnološki postopek pridobivanja 3-hidroksi-ML-236B derivatov poznanih kot M-4 in M-4'
SI9800144 1998-05-21
PCT/IB1999/000923 WO1999060151A1 (en) 1998-05-21 1999-05-21 New biotechnological process for preparing hydroxylated ml-236b derivatives, known as m-4 and m-4', and analogues thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002515258A true JP2002515258A (ja) 2002-05-28

Family

ID=20432267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000549757A Withdrawn JP2002515258A (ja) 1998-05-21 1999-05-21 M−4およびm−4’として知られる水酸化ml−236b誘導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6365382B1 (ja)
EP (1) EP1080220A1 (ja)
JP (1) JP2002515258A (ja)
AU (1) AU3724799A (ja)
SI (1) SI9800144A (ja)
WO (1) WO1999060151A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100633867B1 (ko) * 1999-01-20 2006-10-16 교와 핫꼬 고교 가부시끼가이샤 히드록시메틸글루타릴 코에이 환원효소 저해제의 제조방법
CZ20012728A3 (cs) 1999-01-29 2002-02-13 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Způsob výroby inhibitorů HMG-CoA reduktasy
GB2581122B (en) * 2018-11-27 2023-07-26 Hypha Discovery Ltd Biocatalytic techniques

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4137322A (en) 1976-11-02 1979-01-30 Sankyo Company Limited ML-236B carboxylic acid derivatives and their use as antihyperlipemic agents
DK149080C (da) 1980-06-06 1986-07-28 Sankyo Co Fremgangsmaade til fremstilling af derivater af ml-236b-carboxylsyre
JPS5889191A (ja) * 1981-11-20 1983-05-27 Sankyo Co Ltd 3−ヒドロキシ−ml−236b誘導体の製造法
US4547488A (en) 1984-04-16 1985-10-15 Eli Lilly And Company Antibiotic M43D, pharmaceutical compositions and method of use
DE3682557D1 (de) 1985-09-13 1992-01-02 Sankyo Co Hydroxy-ml-236b-derivate, deren herstellung und anwendung.
US6043064A (en) * 1993-10-22 2000-03-28 Bristol-Myers Squibb Company Enzymatic hydroxylation process for the preparation of HMG-CoA reductase inhibitors and intermediates thereof

Also Published As

Publication number Publication date
AU3724799A (en) 1999-12-06
SI9800144A (sl) 1999-12-31
EP1080220A1 (en) 2001-03-07
WO1999060151A1 (en) 1999-11-25
US6365382B1 (en) 2002-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR880002483B1 (ko) 3-히드록시-ml-236b 유도체의 제조방법
EP0606899A2 (en) Processes for production of optically active 4-halo-3-hydroxybutyric acid esters
US5686298A (en) Enzymatic reduction method for the preparation of compounds useful for preparing taxanes
AU717771B2 (en) The bioresolution of n-acylazetidine-2-carboxylic acids
JPH0775589A (ja) プロトカテキュ酸の製造方法
JP2002515258A (ja) M−4およびm−4’として知られる水酸化ml−236b誘導体、およびその類似体のバイオテクノロジーを用いた新規の製造方法
KR880001354B1 (ko) Ml-236b 유도체의 제조방법
EP0067938B1 (en) Polyprenyl sulfone derivatives, process for producing them and their uses
US4908443A (en) 7-Beta-substituted 3-lower alkanoylacetoxy-methyl-7-alpha-methoxy-3-cephem-4-carboxylic acid
US4452897A (en) Method of preparing optically active β-(S)-aminoglutaric acid monoalkyl esters
US4456558A (en) Polyprenyl ketone derivatives
JPH04262789A (ja) 複素環式化合物のアルキル基を微生物により酸化する方法
US5559017A (en) Microbial reduction of benzazepines and benzothiazepine derivatives
WO2006131933A1 (en) Enzymatic reduction of keto groups in 3-keto-propionic acid derivatives
JP4266296B2 (ja) サリチル酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、またはγ−レゾルシン酸の製造方法
WO2003097851A1 (fr) Procede de production de derive d'acide alkylcarboxylique optiquement actif
CA1239886A (en) R-(z)-4-amino-3-chloro-2-pentenedioic acid, novel antibacterial agent
JPS63188393A (ja) 光学活性の2−ヒドロキシ酪酸誘導体の製造方法
US4370415A (en) Process for producing uroporphyrin III
EP0481712B1 (en) Process for production of optically active methylsuccinic acid
JP4042557B2 (ja) 光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸及びそのエステルの製法
JPH04248989A (ja) 8−ヒドロキシカルボスチリル及び/または8−ヒド            ロキシクマリンの製造方法
JPH0366297B2 (ja)
JPS6219158B2 (ja)
JPS6219159B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060801