JP2002515250A - タンパク質の精製をするための新規ペプチド断片 - Google Patents

タンパク質の精製をするための新規ペプチド断片

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JP2002515250A JP2000549740A JP2000549740A JP2002515250A JP 2002515250 A JP2002515250 A JP 2002515250A JP 2000549740 A JP2000549740 A JP 2000549740A JP 2000549740 A JP2000549740 A JP 2000549740A JP 2002515250 A JP2002515250 A JP 2002515250A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規のペプチド断片、前記ペプチド断片を含有する融合タンパク質、その製法ならびにペプチド断片の使用に関する。本発明は、融合タンパク質の精製法およびタンパク質の検出法にも関する。さらに、本発明は、ペプチド断片または融合タンパク質をコードする核酸および前記核酸を含有するベクターに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規のペプチド断片、前記ペプチド断片を含有する融合タンパク質
、その製法ならびに前記ペプチド断片の使用に関する。本発明は、融合タンパク
質の精製方法およびタンパク質の検出法にも関する。
【0002】 さらに、本発明は、ペプチド断片または融合タンパク質をコードする核酸およ
び該核酸を含有するベクターに関する。
【0003】 現代の分子生物学により、殆どの任意のタンパク質、ペプチドまたはそれらの
誘導体を事実上無制限な量で製造することが可能になった。タンパク質精製は、
頻繁に限定的かつ非能率的なことが多く、従って最終的にコストを決定する要因
であることは明白である。
【0004】 従って、タンパク質を精製する多様な技術が発展した。細胞上澄み液、細胞の
未処理抽出物または細胞からのタンパク質を精製するために、通常の技術、例え
ば、塩析出または有機溶剤を用いる析出、超濾過、透析、ゲル電気泳動、等電集
束法、クロマト集束法、イオン交換またはゲルクロマトグラフィー、疎水性クロ
マトグラフィー、免疫沈降またはIMAC(=固定化金属アフィニティークロマトグ
ラフィー)を使用する。精製のために単独の方法を使用することができるが、し
かし通常は、組合わされた種々の技術が必要である。概要は、常用の精製方法、
例えば、テキストブックProtein Purification Process Engineering (Ed. R. G
. Harrison, 1994, Marcel Dekker, Inc., New York, 209-316ページ、ISBN 0-8
247-9009-X)、Protein Purification (Ed. R.K. Scopes, 1994, Springer Verla
g New York, 第4-7章、ISBN 0-387-94072-3)およびMethods for Protein Analys
is (Ed. R.A. Copeland, 1994 Chapman & Hall, 59-112ページ、ISBN 0-412-037
41-6)に記載されている。タンパク質を精製するために、できるだけ丁寧で、か
つできるだけ選択的であり、かつできるだけ迅速である条件下で行われることが
重要である。その際、タンパク質の損失ができるだけ少なくなるように維持され
るべきである。タンパク質精製法の多くは、十分に選択的ではなく、単に僅かな
タンパク質量に適当なだけであり、かつ/または非常に高価である。
【0005】 ポレース等[Porath et al. (Nature, 第258巻、1975: 598-599ページ)]により
記載されたIMAC(=固定化金属アフィニティークロマトグラフィー)を用いるタ
ンパク質精製法は、記載された要求の間で最適な精製に良好な妥協ある。しかし
、この方法は、なお幾つか欠点を有する。従って、例えば全ての金属イオンは、
一様に良好に担体材料に結合されず、その結果イオンは部分的に流されしまい、
従って所望の生成物は汚染される。多くのタンパク質は、クロマトグラフィー材
料に全く結合されず、その結果、精製できないかまたはカラム材料を洗浄するた
めに必要な工程の間に既に溶出される程度に弱くしか結合することができない。
これは、不所望なタンパク質の損失を生じる。通常、選択性は、例えば抗体によ
る精製とは対照的に“1工程の精製”に不適当であるために、さらに精製工程が
必要である。
【0006】 この方法を用いて広範囲のタンパク質の精製を可能にするために、いわゆる種
々のタグ、例えばポリヒスチジン、His-Trp、His-Tyrまたは(His-Asp)
が発展した[スポレノ等(Sporeno et al., J. Biol. Chem. 269(15), 1994: 109
91-10995)、レ グリス等(Le Grice et al., Eur. J. Biochem., 187(2), 1990
: 307-314)、リース等(Reece et al., Gene, 126(1), 1993: 105-107)、デ
ボス等(De Vos et al., Nucl. Acid. Res., 22(7), 1994: 1161-1166)、フェ
ング等(Feng et al., J. Biol. Chem. 269(3), 1994: 2342-2248)、ホチュリ
等(Hochuli et al., Biotechnology, 1988: 1321-1325)、パトワルダム等(Pa
twardhan et al., J. Chromatography A, 787, 1997: 91-100)、ハッチェンス
等(Hutchens et al., J. Chromatography, 604, 1992: 133-141)参照]。これ
らのタグは、核酸レベルで分子生物により精製されるべきタンパク質に結合する
。これらのタグにより、幾つかの分野でさらにタンパク質の精製を改善すること
ができた。しかし、この方法でもなお幾つかの欠点を有する。この方法を用いて
タンパク質が精製されたのか否かという予想が確実にできない(Immobilized Me
tal Ion Affinity Chromatography, L. Kagedal, 227-251ページ、in Protein P
urification, Eds. J. C. Janson, L. Ryden, 1989, VCH出版、Inc., New Yor
k, ISBN 0-89573-122-3参照)、すなわちこの方法は、それぞれのタンパク質に
使用可能でないことを意味する。ここで再び、金属イオンは洗い流されてしまう
か、または洗浄工程の間に部分的に損失する程度にしか弱く結合されない。選択
性は、なお望ましくない。さらに、精製されるべきタンパク質で負荷するカラム
材料の容量は、部分的にまだ低く、その結果、精製に大量のカラム材料を使用し
なければならない。タンパク質収率は、なお十分ではない。これは不必要なコス
トとなる。
【0007】 ボルツ等(Voltz et al.)は、付加的にHis-タグ 配列を使用せずにヘリコバ
クターピロリからのATPアーゼの精製を記載した。このATPアーゼは、IMACによる
精製を可能にする天然の金属結合部位を含有している。我々の研究は、これらの
結合部位が所望のタンパク質を有効に精製するには低すぎる結合親和性しか有さ
ないことを示した。
【0008】 従って、本発明の課題は、IMACによりタンパク質の精製用の別のタグを提供す
ることであり、前記タグは、上記の欠点を有さず、それにより例えばタグのより
広範囲な使用および/またはより高いカラム材料の高い負荷密度が可能となる。
高い選択性が示され、従って精製が単純化される。
【0009】 前記の課題は、 一般配列 His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cys [式中、配列中の可変の基X〜Xは、以下: X=Ala、Val、Phe、Ser、Met、Trp、Tyr、Asn、AspまたはLysの群から選択さ
れるアミノ酸、および可変の基X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、 Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hi
sの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Val、Ile、Phe、Pro、Trp、Tyr、Gln、GluまたはArgの群から選択される
アミノ酸、および可変の基X、X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe
、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの
群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、 Hisの群から選択されるアミノ酸および可変の基X、X、X〜Xは、Gly
、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、 Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Val、Phe、Pro、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、ArgまたはHisの群から選択さ
れるアミノ酸および可変の基X〜X、X、Xは、Gly、Ala、Val、 Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Ly
s 、Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Gly、Ser、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、LysまたはArgの群から選択される
アミノ酸および可変の基X〜X、Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、 Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hi
sの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Phe、Pro、Ser、Cys、Trp、TyrまたはGlnの群から選択されるアミノ酸お
よび可変の基X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、C
ys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの群から選択されるア
ミノ酸の意味を有し、かつ その際、配列中の可変の基X〜Xの少なくとも1つが、相互に独立にGlnま
たはAsnである] を有する本発明によるペプチド断片によって達成されることが見いだされた。
【0010】 有利には、配列中の少なくとも1つの可変の基X〜Xは、さらに相互に独
立にLysまたはArgである。さらに有利には、可変の基X〜Xに含有されてい
るアミノ酸は、Glu、Lys、Arg、Tyr、Cys、Lys、His、AspまたはMetである。Cys
、Glu、Lys、TyrまたはArgを含有、特に有利にはCysを含有しているのが有利で
ある。これらのアミノ酸は、固定化金属イオンへのペプチド断片の有利な結合に
役立つ。さらに、4個以下、有利には3個のヒスチジン基が配列中に連続的に含
まれているのが有利である。
【0011】 さらに、配列中の可変の基X〜Xは、相互に独立に以下: X=Ala、Val、Phe、Ser、Met、Trp、Tyr、Asn、AspまたはLys、特に有利には
、Phe、Ser、Asn、AspまたはLys、殊には、Asnの群から選択されるアミノ酸; X=Val、Ile、Phe、Pro、Trp、Tyr、Gln、GluまたはArg、特に有利には、Val
、Ile、Phe、Pro、Gln、GluまたはArg、殊に有利は、Gln、GluまたはArgの群か
ら選択されるアミノ酸; X=Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、ArgまたはHi
s、特に有利には、Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Asp、Glu、ArgまたはH
is、殊に有利には、Gly、ThrまたはTyrの群から選択されるアミノ酸; X=Val、Phe、Pro、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、ArgまたはHis、特に有利には
、Val、Phe、Cys、Met、Trp、Asn、ArgまたはHis、殊に有利には、AsnまたはArg
の群から選択されるアミノ酸; X=Gly、Ser、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、LysまたはArg、特に有利には、Gly
、Ser、Cys、Met、Asn、Glu、LysまたはArg、殊に有利には、GlyまたはLysの群
から選択されるアミノ酸; X=Phe、Pro、Ser、Cys、Trp、TyrまたはGln 、特に有利には、Phe、Ser、Cy
sまたはTyr、殊に有利には、Cysの群から選択されるアミノ酸 の有利な意味を有する。
【0012】 配列 His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cys中の可変
の基 X〜Xは、相互に独立に種々の有利な意味を有することができ、その際、最
高で5個までの基の個々の可変の基は、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、S
er、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの群から選
択されるアミノ酸である。
【0013】 特に有利なペプチド断片は、以下:
【0014】
【化2】
【0015】 の配列を有する断片である。
【0016】 上記のタンパク質断片配列は、本発明による核酸断片によりコード化されてい
る。この際に、縮重遺伝子コードを考慮しなければならない。本発明による核酸
断片は、原則的に任意の核酸を含有することができる。有利には、核酸断片は、
本発明による融合タンパク質をコードする相補の核酸配列(=遺伝子構文)を製
造することを可能にするような方法でベクター中に挿入される。これらの遺伝子
構文は、発現するために、有利には融合タンパク質の最適な発現を可能にする適
当な宿主生物に調節される。適当なベクターは、当業者に非常に周知であり、か
つ本Cloning Vectors(Eds. Pouwels P. H. et al. Elsevier, Amsterdam- New
York- Oxford, 1985, ISBN 0444904018)に記載されている。プラスミドとは別
に、ベクターとは、当業者に公知のその他全てのベクター、例えばファージ、ウ
イルス、トランスポゾン、ISエレメント、プラスミド、コスミド、線状または環
状DNAを意味する。これらのベクターは、宿主生物中で自律的複製または染色体
複製を行うことができる。
【0017】 本発明による核酸配列は、1種以上の調節シグナルに機能的に結合し、有利に
遺伝子発現を増加させる配列を意味する。これらの配列は、発現を促進する3’
および/または5’末端調節配列であってもよく、かつ最適に発現させるために
宿主生物および遺伝子に応じて選択される。例えば、これらの調節配列は、イン
デューサーまたはレプレッサーが結合している配列であり、従って核酸の発現を
制御する。さらに遺伝子構造は、プロモーターと機能的に結合しているいわゆる
エンハンサー配列を1つ以上含有し、核酸配列の高められた発現を可能にする。
このことは、例えばRNAポリメラーゼとDNAとの間の改善された相互作用によって
生じ得る。DNA配列の3’末端に、さらに有利な配列、例えば他の調節エレメン
トまたはターミネーターを挿入することもできる。本発明による核酸断片は、融
合タンパク質のN末端領域を形成することができるようにベクター中に有利に挿
入される。しかし、それらは、C末端で局在化されるかまたはタンパク質内に存
在するが、しかしその際に、タンパク質の機能は影響されてはならず、かつ融合
タンパク質の切り出しは、もはや不可能である。
【0018】 これらの調節配列は、遺伝子の特定の発現およびタンパク質発現を可能にすべ
きである。このことは、例えば宿主生物に応じて、遺伝子が導入の後にはじめて
発現されるかまたは過剰発現されるか、または即座に発現および/または過剰発
現されることを意味する。
【0019】 有利な調節配列は、例えばプロモーター中、例えばcos−、tac−、trp−、tet
−、trp-tet−、lpp−、lac−、lpp-lac−、lacI−、T7−、T5−、T3−、gal
−、trc−、ara−、SP6−、λ-Pまたはλ-P−プロモーター中に含有され、
有利にはグラム陰性細菌中で使用される。さらに有利な調節配列は、例えばグラ
ム陽性プロモーターamyおよびSPO2中、酵母−または真菌プロモーターADC1、MF
α、AC、P-60、CYC1、GAPDH、TEF、rp28、ADH中または植物プロモーターCaMV/35
S、SSU、OCS、lib4、usp、STLS1、B33、nos中、またはユビキチンプロモーター
中またはファゼオリンプロモーター中に含有されている。これに関連して、例え
ばハンゼヌラ(Hansenula)からのピルビン酸デカルボキシラーゼおよびメタノ
ールオキシダーゼ形のプロモーターも有利である。人工的なプロモーターを調節
に使用することもできる。
【0020】 その際に、調節配列もしくはファクターは、有利に導入された遺伝子の遺伝子
発現において有利に影響しかつそれにより高められる。従って、調節エレメント
の強化は、上記のプロモーターおよび/または“エンハンサー”のような強い転
写シグナルを用いることにより転写レベルで有利に使用することができる。しか
し、さらに、例えばmRNAの安定性を改善することにより、翻訳の強化が可能であ
る。
【0021】 有利には、本発明による核酸配列は、媒体中または細胞コンパートメント中へ
の分泌を可能にするシグナルを含有する。このタイプの配列の例として、一般的
なシグナル配列、例えばompAからのシグナル配列(E.Coli 膜タンパク質)を挙
げることができる。この他に、例えばα−ファクターの配列を含有するようなさ
らに有利な配列、またはYACs(=酵母人工染色体)を使用することができる。
【0022】 本発明による遺伝子構造(=核酸配列)は、有利にはさらに、融合タンパク質
のN末端またはC末端から、有利にはN末端からの上記の配列を有する本発明に
よるタンパク質断片の除去を可能にする配列を含有する。これらの配列は、例え
ば、多様なプロテアーゼ、例えば、ファクターXa、aエンテロキナーゼ、ヒトレ
ニン、カルボキシペプチターゼA、トロンビン、トリプシン、ジペプチジルペプ
チダーゼ、パパイン、プラスミン、ペプシンまたはその他のプロテアーゼの切断
部位をコードする。有利には、ファクターXaの切断部位は、ヒトレニン、ジペプ
チジルペプチダーゼ、カルボキシペプチターゼAまたはエンテロキナーゼである
、それというのも、これらの酵素は高い特異性を有し、従って精製されるべきタ
ンパク質の不所望な消化を回避することができるからである。他のプロテアーゼ
を使用する場合には、どの切断部位も精製すべきタンパク質の内側でないように
考慮すべきである。タンパク質断片もブロモシアン切断[例えば、2−(2−ニ
トロフェニルスルフェニル)−3−ブロモ−3’−メチルインドリニウム、ヒド
ロキシルアミンなど]により、ギ酸の存在下で削除することができる。しかし、
通常この際にタンパク質のリフォールディングが必要であり、このことは、この
方法があまり有利ではないという結果になる。エクソプロテアーゼ消化による タンパク質断片の除去(動力学的制御下)も可能である。しかし、この際に通常
プロダクト混合物が生じる。有利には、精製すべきタンパク質中でタンパク質断
片基を残すことなくタンパク質断片の削除を可能にする切断部位を使用する。融
合タンパク質中で本発明によるタンパク質断片をの機能の損失なしにまたは他の
欠点なしに許容することができる場合には、タンパク質断片を切り離すための特
定の部位は無くてよい。
【0023】 ベクターとして原則的に原核生物または真核生物の細胞の発現が可能な全ての
ベクターが適当である。その際に、ただ1つの遺伝子中でまたは多くの遺伝子中
で複製される(=いわゆるシャトルベクター)を使用することができる。有利な
ベクターは、例えばプラスミド、例えばE.Coli プラスミドpEGFP、pLG338、pACY
C184、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRe4、pHS1、pHS2、pPLc236、pMBL24、pL
G200、pUR290、pIN-III113-B1、λgt11またはpBdcIであり、有利にはpEGFP、
ストレプトミセス中のpIJ101、pIJ364、pIJ702またはpIJ361、バシラス中のpUB1
10、pc194またはpBD214、コリネバクテリウム中のpSA77またはpAJ667、菌類中の
pALS1、pIL2またはpBB116、酵母中の2μM、pAG-1、YEp6、YEp13またはpEMBLYe23
または植物中のpLGV23、pGHlac、pBIN19、pAK2004またはpDH51である。上記の
プラスミドは、可能なプラスミドの少しの選択である。その他のプラスミドは、
当業者に非常に周知であり、かつ上記の本Cloning Vectors(Eds. Pouwels P. H
. et al. Elsevier, Amsterdam- New York- Oxford, 1985, ISBN 0444904018)
に記載されている。
【0024】 他のベクターの実施態様において、本発明による核酸配列は、有利に線状DNA
の形で微生物中に導入することができ、かつ非相同的組換えまたは相同的組換え
により宿主生物のゲノム中で組込まれる。この線状DNAは、プラスミドのような
線状化されたベクターまたは単に核酸、すなわち核酸断片およびタンパク質の遺
伝子(=融合タンパク質遺伝子)、ならびに場合により他の調節配列から成る。
【0025】 本発明による遺伝子構造の宿主生物として、原則として全ての原核生物または
真核生物が該当する。有利には、宿主生物として微生物、例えばグラム陽性また
はグラム陰性細菌、古細菌、真菌類、酵母、動物または植物の細胞、例えばショ
ウジョウバエ、特に黄色ショウジョウバエ(D.melamogaster)、マウス、ゼブラ
フィッシュ(zebrafish)またはタバコが使用される。有利には、グラム陽性ま
たはグラム陰性細菌、真菌類または酵母、特に有利には大腸菌属、バシラス属、
ストレプトミセス属、コウジカビ属またはサッカロミセス属、殊に有利には大腸
菌が使用される。
【0026】 特に有利には、ベクターと宿主生物との以下の組合せ、例えば大腸菌およびそ
のプラスミドおよびファージおよびそれに属するプロモーター、ならびにバシラ
スおよびそのプラスミドおよびプロモーター、ストレプトミセスおよびそのプラ
スミドおよびプロモーター、アスペルギルスおよびそのプラスミドおよびプロモ
ーターまたはサッカロミセスおよびそのプラスミドおよびプロモーターを挙げる
ことができる。
【0027】 本発明による融合タンパク質は、上記のような1つの方法で製造することがで
き、その際、上記の配列を有するタンパク質断片をコードする本発明による核酸
断片は、精製すべきタンパク質をコードする遺伝子に融合され、および場合によ
りさらに有利な配列、例えばプロモーター配列および/またはエンハンサー配列
、プロテアーゼなどの切断部位に融合する。このために必要な場合には、適当な
制限酵素の切断部位は、核酸断片と精製すべきタンパク質の遺伝子との間に導入
され、かつこの構造は、適当な切り出し部位を介してベクター中に挿入される。
このタイプの方法は、当業者に公知であり、かつ例えばサンブルック、J. 等(S
ambrook, J.et al.)(1989)によるテキストブックMolecular cloning: A labo
ratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press、F. M.アウスベル等(F
. M. Ausubel et al.)(1994)によるCurrent Protocols in molecular biolog
y、ジョンウィリー等(John Wiley and Sons or D. M. Glover et al.)によるD
NA cloning 第1巻、(1995)、IRL出版(ISBN 019-96347-9)に記載されている
。さらに有利なベクターは、ピキア属パストリス(Pichia pastoris)ベクター
pPicおよびpGapである。この酵母もまたタンパク質発現に適当な宿主生物であ
る。
【0028】 本発明によるタンパク質断片は、タンパク質断片を用いて簡単に、低コストで
かつ効率的に精製できる融合タンパク質の製造に適当である。従って、本発明に
よるタンパク質断片および融合タンパク質は、有利に、非常に選択的に良好な収
率および高い純度で精製することができる。本発明によるタンパク質断片ひいて
はそれから製造される融合タンパク質は、ヘリコバクターピロリ ATPase-439配
列と比較して固定化金属イオンに少なくとも1.5倍だけ強く結合することで傑
出している。
【0029】 融合タンパク質の製造に原則として全てのタンパク質が適当である。有利には
、ヒト、動物または植物において生物学的作用を示すタンパク質または有機合成
に有利なものが使用される。この際に、例えば、酵素、ホルモン、貯蔵タンパク
質または結合タンパク質または輸送タンパク質のようなタンパク質である。例と
して、タンパク質、例えば加水分解酵素、例えばリパーゼ、エステラーゼ、アミ
ダーゼ、ニトリラーゼ、プロテアーゼ、化学伝達物質、例えばサイトカイン、例
えばリンフォカイン、例えばMIF、MAF、TNF、インターロイキン、例えばインタ
ーロイキン1、インターフェロン、例えばγ−インターフェロン、tPA、ホルモ
ン、例えばプロテオホルモン、グリコホルモン、オリゴ−またはポリペプチドホ
ルモン、例えばバソプレッシン、エンドルフィン、エンドスタチン、アンギオス
タチン、成長因子、エリスロポイエチン、転写因子、インテグリン、例えばGPII
b/IIIaまたはαβIII、レセプター、例えば種々のグルタメートレセプター、
脈管形成因子、例えばアンギオテンシンが挙げられる。
【0030】 融合タンパク質を精製する本発明による方法は、例えば、天然の原料、例えば
植物−または動物の抽出物、植物−または動物の細胞溶解物から、培地、発酵液
体培地からまたは合成液体培地からのタンパク質の精製を若干の例として挙げる
ことができる。
【0031】 本発明による方法は、以下: a)融合タンパク質を含有している液体を金属イオンと融合タンパク質との間で
親和性結合を形成できるように、固定化金属イオンと接触させ、 b)液体中に存在する結合していない物質を除去し、 c)液体媒体を変更することにより親和性結合が解消された結合融合タンパク質
を溶出し、かつ d)精製された融合タンパク質を収集する の反応工程を含む。
【0032】 有利には、適当な宿主生物(上記参照)中の融合タンパク質は、融合タンパク
質の収率を高めるために精製の前に発現させる。宿主生物は、炭素源、窒素源お
よび場合により無機塩、ビタミンおよび微量元素含有する適当な合成または複合
培地中で、適当な温度および通気で培養される。
【0033】 融合タンパク質が細胞から排出されたか否かにより、細胞をまず分解し、かつ
細胞または細胞破片を有利に除去する。細胞分解には、超音波、フレンチプレス
(French Press)、酵素分解、浸透圧衝撃およびその他のような当業者に公知の
方法を使用する。細胞または細胞破片の除去は、例えば、遠心分離または濾過に
より行うことができる。しかし、細胞または細胞破片の除去は必ずしも必要では
ない。
【0034】 引き続き、液体を含有している融合タンパク質を、融合タンパク質と金属イオ
ンとの間で親和性結合を形成することができるように、固定化金属イオンと接触
させる。結合は、pH値7以上、例えば有利にはpH7.0〜9.0、特に有利
にはpH7.5と8.0の間で行われる。有利な緩衝液は、単独の緩衝液または
緩衝混合液、例えば50〜1000mM緩衝液、例えば50mMトリス/H
Cl pH8.0+150mMNaCl、100mM酢酸ナトリウム pH7.7+500mM NaCl、2
0mM燐酸ナトリウム pH7.7+500mM NaClまたは50mM トリス/HCl pH8.0+
150mM NHClである。これらの緩衝液は、融合タンパク質を固定化金属イオ
ン上に負荷することを可能にする。最も簡単で特に有利な場合は、融合タンパク
質を分解に使用する緩衝液に直接に、またはインキュベート培地中で固定化金属
イオンと接触させる。有利には、液体および固定化金属イオンを常用のクロマト
グラフィーカラム中で相互に接触させる。このことは、カラムを適当な緩衝液で
洗浄することにより、結合していない物質、例えばタンパク質の除去を容易にす
る。適当な緩衝液は、本発明によるタンパク質断片の形成または金属イオンへの
融合タンパク質の形成を妨げないものであり、かつ不純物を除去することができ
るものである。このような緩衝液は、有利にはpH値7以上、特に有利にはpH
7.0と9.0の間、殊にはpH7.5と8.0の間のpH値を有する。固定化
金属イオンが容器中に装入され、次に液体が添加されているか、またはその逆で
あるバッチ混合物を精製することも可能である。このバッチ混合物に上記の緩衝
液を使用することができる。個々の洗浄工程の間で、混合物は有利に遠心分離ま
たは濾過される。
【0035】 金属イオンを固定化するために、通常容易に誘導化でき、非特異的吸着を有さ
ないかまたは僅かにしか有さず、物理的、機械的、化学的安定性を有しかつ高い
外部表面積または内部面積を有する全ての担体材料が原則として適当である。適
当な材料は、例えばファルマシア LKB、スウェーデン(SepharoseTM6BまたはS
uperoseTM)、Pierce、USA(固定化されたイミノ二酢酸IまたはII、固定化
されたトリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン)、Sigma、USA(イミノ二
酢酸アガロース)、ベーリンガー マンハイム、ドイツ(亜鉛キレートアガロー
ス)または東京ソーダ、日本(TSKgel Chelate-5PW)から商業的に入手可能であ
る。欧州特許出願第0253303号明細書には、さらに適当な材料が記載されている
。さらに適当で有利な材料は、Ni−被覆したマイクロタイタプレート(nickel-c
helate coated Flashplate(R) 、Nen life science products)または磁石粒
子または特に金属イオンで処理された結合膜のような材料である。
【0036】 種々の金属イオンは、有利には、例えばIDA(=イミノ二酢酸)、NTA(=ニト
リロ三酢酸)またはTED(=トリス(カルボキシメチル)エチレンジアミン)の
ようなグループを介して適当な材料に結合する。適当な金属イオンは、Co、Cu
、Fe、Ca、Mg、Ni、Al、Cd、HgまたはZnであり、有利には、Fe、NiまたはCu、特
に有利には、NiまたはCu、殊に有利には、Niである。金属イオンとの材料の負荷
は、有利には、水性で非緩衝溶液中で0.1〜0.4M金属塩溶液を用いて行わ
れる。
【0037】 洗浄後に、融合タンパク質は、適当な緩衝液を用いて溶出される。この緩衝液
は、融合タンパク質と固定化金属イオンとの間の親和性結合を解消する。融合タ
ンパク質は、pH勾配(低いpH値<pH7.0溶出を生じる)、競合リガンド
、例えばイミダゾール、有機溶剤、例えばアセトンまたはエタノール、キレート
剤、例えばEDTAまたはNTAおよび/または洗浄剤、例えばTween 80により溶出さ
せることができる。競合リガンド、例えばイミダゾールおよび/または洗浄剤に
よる溶出が有利である。イミダゾールは、0.05〜0.7M、有利には0.1
〜0.5Mの範囲内で溶出に使用される。競合リガンドおよび/または洗浄剤は
、有利には緩衝液中で使用されるが、しかし水中で使用することもできる。有利
な緩衝液は、使用される緩衝液が固定化金属イオン上に負荷するのに使用される
緩衝液に相当するものである。これは、カラム材料、結合タンパク質および緩衝
液の間で不所望の相互作用が生じないという利点を有する。有利な緩衝液は、有
利にはpH値7以上、特に有利にはpH7.0と9.0の間、殊に有利にはpH
7.5と8.0の間のpH値を有する。有利には、これらの緩衝液は、上昇勾配
により適用される。pH勾配を用いて溶出する場合には、pH7.0以下の緩衝
液および/または酸を使用することができる。溶出された融合タンパク質は収集
されかつ即座に使用することができるか、または必要かつ所望の場合にはさらに
処理することができる。適当な負荷−および溶離緩衝液は、例えばテキストブッ
クProtein Purification(Eds. J. C. Janson, L. Ryden, VCH出版社、1989、227
〜251ページ)に記載されている。
【0038】 本発明によるタンパク質断片は、上記の方法、例えばブロモシアン切断または
プロテアーゼ切断を用いて削除することができる。その場合に、タンパク質断片
の残留物を分子中に保持するかまたは精製すべきタンパク質から完全に除去する
ことができる。
【0039】 有利には、タンパク質断片はタンパク質から完全に除去される。
【0040】 融合タンパク質を製造するための適当かつ有利なタンパク質断片は、本発明に
よる以下の方法によりスクリーニングすることができる。本発明は、以下の: a)配列 His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cys [式中、配列のヒスチジン基およびシステイン基は、核酸ライブラリーにおいて
保存される]のタンパク質断片をコードする任意の核酸配列から出発する核酸ラ
イブラリーを作成し、 b)固定化金属イオンへのその結合を介して、ライブラリーの核酸を得られた核
酸によりコード化された融合タンパク質の検出を可能するレポーター遺伝子に融
合し、かつ c)天然のヘリコバクターピロリ ATPアーゼ-439の配列に対して少なくとも1.
5倍強い固定化金属イオンへの可逆的結合を有する核酸配列を選択する 工程を実施することを特徴とする、固定化金属イオンと可逆的親和性結合が可能
なタンパク質断片の製法に関する。
【0041】 上記の配列に基づく核酸ライブラリーは、当業者に公知の突然変異誘発法によ
り作成することができる。このために、配列は、例えば“site directed mutage
nesis”を行うことができ、これは、D. M. グローバー等(D.M. Glover et al.
)、DNA Cloning 第1巻、(1995)、IRL出版(ISBN 0199634769)、第6章、19
3ページ以降に記載されている。
【0042】 スピー等(Spee et al.)(Nucleic Acids Research、第21巻、No.3、1993:77
7-778ページ)は、ランダムな突然変異誘発にdITPを用いるPCR法を記載している
【0043】 分子進化のための“インビトロ”組換え技術の使用は、ステマー(Stemmer)
により記載されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第91巻、1994: 10747-10
751ページ)。
【0044】 モール等(Moor et al.)(Nature Biotechnology 第14巻、1996: 458-467ペ
ージ)は、PCR法と組換え法との組合せを記載している。
【0045】 分子進化のための“インビトロ”組換え技術の使用は、ステマー(Stemmer)
により記載されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第91巻、1994: 10747-10
751ページ)。両方の方法の組合せを使用することもできる。
【0046】 DNA修正システムで欠陥を有する突然変異菌株の使用は、ボーンショイアー等
(Bornscheuer et al.)(Strategies、11、1998: 16-17ページ)に記載されて
いる。レロス等(Rellos et al.)は、当モル量ではないヌクレオチドを用いるP
CR法を記載している(Protein Expression and Purification、5、1994: 270-27
7ページ)。
【0047】 有利には、実施例中に記載されているような2つの相補的な縮重オリゴヌクレ
オチド(いわゆる、ゆらぎプライマー)を用いるPCR技術により、核酸ライブラ
リーを製造することができる。この配列中に含有されるヒスチジン基およびシス
テイン基が保存されていることが重要である。
【0048】 改善された金属結合親和性を有するタンパク質断片をスクリーニングするため
に、このタンパク質断片をコードする本発明による核酸断片は、レポーター遺伝
子に融合される。有利には、このレポーター遺伝子は、例えば、レポーター遺伝
子と結合する蛍光染料でラベルされた抗体の結合によるか、または自体が蛍光す
るタンパク質、例えばE. Coliからの有利でかつ好ましいegfタンパク質(=グリ
ーン蛍光タンパク質、Prasher et al., Gene 111(2)、1992: 229-233ページ参照
)またはアエクオリア ヴイクトリア(Aequoria victoria)からの有利な生物
発光タンパク質または光発生タンパク質、例えばルシフェリン/ルシフェラーゼ
系により固定化金属イオンへの結合の容易な検出を可能にする。特に有利には、
2カ所の突然変異(64位でLeuと引き換えにpheが、かつ65位でThrと引き換
えにSerが交換されている)により生じる35倍高い蛍光活性を有するgfpタンパ
ク質突然変異体(=egfp=enhanced green fluorescence protein)が使用され
る。これらのタンパク質突然変異体は、溶解性でありかついわゆる“封入対”を
形成しない利点を野生型のタンパク質に対して有する。egfpタンパク質の使用は
、精製に介入することなく、かつ他のコファクターまたは基質を使用することな
く、タンパク質精製のそれぞれのフェーズにおいて、タンパク質濃度の局在化お
よび定量化を可能にする(Poppenborg et al., J. Biotechnol., 58(2), 1997,
77-88ページ)。さらに、egfpタンパク質は、広いpH範囲(pH5.5〜12)に対し
て、光酸化による漂白に対して、酸化および弱い還元剤、例えば2%メルカプト
エタノール対して高度に安定である点で傑出している。タンパク質は、37℃以
上で蛍光の減少を示す。同様に、gfp-uvタンパク質(青色蛍光)およびeyfpタン
パク質(黄色蛍光)がレポータータンパク質として適当である。
【0049】 適当な配列の選択は、以下: His-Ile-His-Asn-Leu-Asp-Cys-Pro-Asp-Cys の天然のヘリコバクターピロリ ATPアーゼ-439配列の固定化金属イオンへの結合
親和性と比較して行われる。本発明によるタンパク質断片配列は、少なくとも1
.5倍有利には少なくとも2倍、特に有利には3倍強い固定化金属イオンへの可
逆的結合を有する。有利な配列は、精製後に、少なくとも20%、有利には少な
くとも30%、特に有利には少なくとも40%、殊に有利には少なくとも50%
のタンパク質収率を可能にする。
【0050】 核酸ライブラリーをスクリーニングするための本発明による方法は、有利には
オートメーションに適当である。この方法を用いることで、いわゆる“High-Thr
oughput-Screening”で、多数の核酸断片もしくはタンパク質断片のそれらの金
属イオン結合親和性における簡単な試験を可能にする。
【0051】 本発明によるタンパク質断片を用いて、タンパク質は容易に検出される。タン
パク質を検出するための本発明による方法において、本発明による上記のタンパ
ク質断片を有するタンパク質断片を含有する個々のタンパク質が、タンパク質断
片と結合する抗体を用いて検出される。これらの融合タンパク質の検出は、タン
パク質断片(=タグ)と結合するモノ−またはポリクローナル抗体により有利に
行われる。タンパク質混合物は、有利には検出の前にクロマトグラフィーまたは
電気泳動によりフラクションすることができ、引き続き適当な膜(例えば、PVDF
またはニトロセルロース)上に通常の方法(Sambrook et al.参照)で移される
(=ブロッティング)。引き続き、タグと結合する抗体を有するこの膜をインキ
ュベートする。有利には、この膜を数回洗浄し、かつその後に、例えば酵素と複
合した(例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼなど)二次抗体(
一次抗体の定常領域と結合する)との特異的反応により、いわゆるウェスタンブ
ロットまたは免疫ブロットにおいて結合抗体が検出される。相応する抗体は市販
されている。磁粒を使用する場合には、洗浄を省略することができ、抗体で被覆
した磁粒は磁石で引き上げることにより精製することができる。
【0052】 本発明によるタンパク質断片は、タンパク質検出の際に、通常のHis-タグに対
してより強い抗体作用を有し、従ってタグに対してより簡単に抗体を製造するの
に適当であるという利点を有する。
【0053】 本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
【0054】 実施例: 金属キレートカラム(=固定化金属イオン)への結合試験のために、ファルマ
シアLKB、Uppsala、スウェーデンのいわゆる“Chelating Sepharose Fast-Flow
”を使用した。アンピシリン、イミダゾール、EDTAおよびその他の試薬は、Fluk
a社(Buchs、スイス)から購入した。使用したDNAゲルエクストラクションキッ
ト、Midi プラスミドキットおよび Prepspin プラスミドキットは、Quiagen社(
Hilden、ドイツ)から、制限酵素、DNA修飾酵素、T4-DNAリガーゼおよび Taqポ
リメラーゼは、MBI Fermentas社(St. Leon-Rot、ドイツ)からのものである。D
er Taq Dye Cycle シークエンシングキットは、Applied Biosystems社(Weiters
tadt、ドイツ)から購入した。
【0055】 クローニング試験のために、E. Coli 菌株DH5α(F-endA1 hsdR17 [rk-, mk ] supE44 thilλgyrA96 relA1Δ(argF laczya)U169)を使用した。egfタンパク
質の遺伝子を含有するプラスミドは、Clonetech USAから購入した。egfpベクタ
ーで形質転換するクローンを選択するために、E. Coli 菌株を100μg/ml
アンピシリン含有のLuria-Bertani培地(=LB)中で37℃で培養した。溶菌緩
衝液は、50mM燐酸ナトリウム緩衝液pH8.0、300mM NaCl、1mg/ml リソ
チームおよび1mM PMSF(=フェニルメタンスルホニルフルオリド=特殊なトリ
プシンインヒビターおよびキモトリプシンインヒビター)を含有した。
【0056】 DNA法、例えばライゲーション、制限、PCRまたは形質転換などは、Sambroo
k、J. et al.(1989) Molecular cloning: 実験マニュアル、Cold Spring Harbor
Laboratory Press またはF. M. アウスベル等(F. M. Ausubel et al.)(1994)
Current protocols in molecular biology、John Wiley und Sonsに記載されて
いるように実施された。シークエンシングには、蛍光ラベルしたジデオキシDNA
シークエンシング法を使用した。DNAシークエンシングは、Taq Dye DeoxyTM C
ycle シークエンシングキット(Applied Biosystem)および373A DNA シークエ
ンシングシステム(Applied Biosystem)を用いて製造者の指示に応じて実施し
た。
【0057】 例1:egfp遺伝子に結合したランダムに突然変異をさせたN末端金属結合部位 およびhis6-egfpの製造 PCR反応に、プラスミドegfpおよび以下:
【0058】
【化3】
【0059】 の2つの相補的オリゴヌクレオチドを使用した。
【0060】 his6-egfpの場合には、以下:
【0061】
【化4】
【0062】 の2つの相補的プライマーを使用した。
【0063】 PCR反応に使用された条件は、以下のものである: 混合物: dNTP mix(200μmol) 8μl 10 X ThermoPol緩衝液(New England Biolabs) 10μl プライマー1 1μl(100pmol) プライマー2 1μl(100pmol) egfpプラスミド 1μl(100ng) 水 79.5μl Deep Vent polymerase(New England Biolabs) 1μl PCRプログラム 95℃ 7分 95℃ 1分 56℃ 1分 30X 72℃ 3分 72℃ 7分 PCR生成物をそれぞれNcoIおよびNotIを用いて消化させ、かつベクター中で
突然変異を除外するために同様の酵素で消化させておいたegfpベクター中にライ
ゲーションさせた(図1参照)。PCR−ベクターのライゲーション物をE. Col
iの形質転換のために使用した。形質転換体を100μg/mlアンピシリン含
有のLBアガール上でプレーティングし、かつ37℃でインキュベートした。
【0064】 例2:培養条件および細胞溶解物の製造 蛍光を示した形質転換させたコロニー、および蛍光を示さなかった幾つかのも
のを選択し、100μg/mlアンピシリン含有のLB培地50ml中で培養し
た。ハイ−スループット−スクリーニング(High-Throughput-Screening)のた
めに、蛍光を示すコロニーを選択し、かつ100μg/mlアンピシリン含有の
LB培地250μlを含む滅菌マイクロタイタプレート中でインキュベートした
。インキュベート後に培養液を遠心分離した。ペレットを溶菌緩衝液2ml中で
再懸濁し、氷上で20分間インキュベートし次に超音波で分裂させた(2回、Br
anson Sonifier 250で5分間)。遠心分離(15分、4C、2000 x g)後に、上澄
み液中で種々のegfp突然変異体が得られた。選択された全てのクローンを配列決
定した(表IおよびII参照)。蛍光を示さなかったクローンは、配列中に終止
コードを含有し、結果として機能的タンパク質が発現されなかった(表I、A8、
A13、M16a、Z4、Z11およびZ13参照)。全ての実験において結合タンパク質を定
量するために、広範囲でgfp濃度と相間のある蛍光測定を実施した(図2参照)
【0065】 例3:Quiagen社のNi-NTA-カラムを用いたLow-Throughput-Screening 溶解した細胞600μlをNi-NTA-カラム上に負荷し、洗浄溶液(50mM燐酸ナ
トリウム緩衝液、pH8.0、250mM NaCl)600μlで2回洗浄し引き続き0.7
Mイミダゾール溶液で溶出した。
【0066】 例4:膜フィルタープレートを用いたHigh-Throughput-Screening High-Throughput-Screeningのために膜フィルターマイクロタイタプレート(M
ultiScreen 5μm; Millipore社、Molsheim、ドイツ)を使用した。撹拌したキレ
ートセファロース懸濁液250μlを膜フィルタープレートのそれぞれのウェル
中に3回加えた。それぞれの添加後に、セファロースを遠心分離した(2分間、2
3℃、350rpm)。さらに他の工程は、Beckmann Biomek 2000 Roboter中で実施さ
れた。ウェル中のミニカラムを水250μlで2回洗浄した。引き続きセファロ
ースを金属塩溶液250μlで負荷し、かつ緩衝液(50mM燐酸ナトリウム、pH8.0
、250mM NaCl)200μlで3回平衡化した。種々の混合物(金属イオンで負荷
)に、それぞれ0.3M NiCl溶液、0.3M CUSO溶液または0.
3M ZnCl溶液を使用した。水性の非緩衝金属塩溶液を使用した。細胞溶
出物の上澄み液200μlをそれぞれこれらのミニカラムに加えた。引き続きカ
ラムを平衡緩衝液250μlで2回洗浄した。結合タンパク質を平衡緩衝液中で
0.5Mイミダゾール100μlで2回溶出した。フィルター中のキレートセファ
ロースは、50mM EDTA250μl、水中1M NaClで再生することが
でき、さらにスクリーニング実験に使用することができる。
【0067】 例5:IMAC実験 実験のために、ガラスカラム、溶液を被覆するための2つの蠕動ポンプ、UV検
出器(LKB UV-MII)、プリンター (LKB RIC 102)およびフラクションコレクタ
ー(LKB FRAC-200)から成る通常のクロマトグラフィーシステムを選択した。全
ての装置は、ファルマシア社のものである。カラムをchelating Sepharose Fast
-Flow Gel(ファルマシア)を用いて充填し、脱イオン水7充填物容量で洗浄し
、0.3M NiCl溶液と一緒に金属イオンを負荷した。引き続きカラムをI
MAC緩衝液7充填物容量で洗浄(50mM 燐酸ナトリウム、pH8.0、250mM NaCl)し
、かつ平衡化した。細胞溶解物の試料1mlを流量1.5ml/minでカラムに負荷
し、かつIMAC緩衝液10充填物容量で洗浄した。結合タンパク質の溶出は、
溶離液1ml当たり0.5Mイミダゾール溶液の0.5%上昇する勾配で、最後
に0.5Mイミダゾール/水 5充填物容量で行った。タンパク質フラクションを
UV検出により同定しかつ収集した。完了後、カラムを洗浄しかつ50mM EDTA/1
M NaCl溶液で再生した。この洗浄工程は、カラムからの金属、結合細胞残留物お
よびタンパク質を脱離する。溶出されたフラクションを光学および分光分析の両
方で試験した。試験したクローンの幾つかは、マトリックスに対して親和性を示
さなかった(表I、M15、M16参照)のに対して、他のものは良好な結合を示した
(表I、M13、Z5およびZ7参照)。溶出されたクローンM13およびZ5は、鋭いバン
ドの形でカラムから溶出されたのに倒して、クローンZ7は、カラム上で滲んだ。
【0068】 例6:egfp野生型およびhis-タグの比較試験 クローンM13を比較試験において、egfp野生型タンパク質と通常のhis-タグと
を比較した。egfp野生型タンパク質は、金属キレートカラムに結合しなかった。
カラムの洗浄後に、カラム上で蛍光はもはや検出できなかった。クローンM13は
、カラムに鋭いバンドの形で結合したのに対して、his-タグタンパク質は、カラ
ム全体にわたり結合した。これは、最終的にカラムの低い容量を導く低い親和性
の原因となる。タンパク質収率は、M13の場合は、56%で、48%のhis-タグ
よりも高かった。
【0069】
【表1】
【0070】 クローンA6、A10、M13、Z5およびZ7は、金属キレートカラムに良好に結合した
のに対して、クローンM14、M15およびM16は、結合を示さなかった。
【0071】
【表2】
【0072】 例7:金属結合親和性 クローンの多くは、Ni2+またはCu2+に有利な結合を示した。M13の場
合は、Zn2+への結合は観察されなかった。Niキレートカラムを使用する場
合には、クローンM13は、his-タグと比較して著しく良いタンパク質の精製を示
した。逆に言えば、これはCuキレートカラムを使用する場合には、M13と比較
してより純粋な物質を生じるが、しかしその際、両方の場合ともカラム物質への
結合が非常に強いため、Cuイオンは徹底的な溶出条件により洗い流されてしま
う。このことは、生成物の汚染を導く。
【0073】 例8:ATPアーゼ-439と本発明によるタンパク質断片との比較試験 ATPアーゼ-439の比較クローンを例1〜6と同様に実施した。プライマーとし
て、以下:
【0074】
【化5】
【0075】 のプライマーを使用した。その他のプライマーおよびPCR条件は、例1に記載さ
れているものである。
【0076】 実験は、Quiagen社のNi-NTA Spin キットを用いて、自然の条件下で実施し、
これらの条件下で記載されているように溶菌化した;すでに負荷を終えたカラム
を50mM燐酸ナトリウム600μl、pH8.0、300mM NaClを用いて平衡化
し、かつ2000rpm(=420 × g)で2分間遠心分離した。引き続き、溶解物
600μlを負荷し、同様に2分間遠心分離した。50mM燐酸ナトリウム緩衝液
600μl、pH8.0、300mM NaClを用いて2回洗浄した。その後、50mM
燐酸ナトリウム緩衝液600μl、pH8.0、300mM NaCl、0.5M イミダ
ゾールを用いて、2回溶出した。クローンM13を用いた純粋なタンパク質の収率
は、ATPアーゼ439の比較クローンの金属結合部位よりも1.5倍高かった。従っ
て、クローンM13は、良好に結合しかつ良好に溶出することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NcoIおよびNotIを用いて消化させたPCR生成物のegfpベクター
中へのライゲーションを示す図
【図2】 結合タンパク質の定量における蛍光測定結果を示す図
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月21日(2000.11.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 一般配列His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cysは、
配列番号1に一致し、その際Xは、配列番号1中の2番目のXaaで示されるる
アミノ酸に一致し、かつXは、4番目のXaaに一致し、Xは、5番目のXaaに
一致し、Xは、6番目のXaaに一致し、Xは、8番目のXaaに一致し、および
は、9番目のXaaに一致する。上記のアミノ酸X〜Xは、配列番号1中
でXaaで示される相応のアミノ酸を表していてもよい。有利には、配列中の少な
くとも1つの可変の基X〜Xは、さらに相互に独立にLysまたはArgである。
さらに有利には、可変の基X〜Xに含有されているアミノ酸は、Glu、Lys、
Arg、Tyr、Cys、Lys、His、AspまたはMetである。Cys、Glu、Lys、TyrまたはArg
を含有、特に有利にはCysを含有しているのが有利である。これらのアミノ酸は
、固定化金属イオンへのペプチド断片の有利な結合に役立つ。さらに、4個以下
、有利には3個のヒスチジン基が配列中に連続的に含まれているのが有利である
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 の配列を有する断片である。上記の配列は、それぞれの場合、配列番号2、配
列番号3、配列番号4および配列番号5に一致する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】 配列表
【外1】
【外2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AU,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,GE, HU,ID,IL,IN,JP,KR,KZ,LT,L V,MK,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG ,SI,SK,TR,UA,US,ZA (72)発明者 マルクス エンツェルベルガー ドイツ連邦共和国 シュツットガルト ア ルマントリング 31 (72)発明者 シュテファン ミニング ドイツ連邦共和国 シュツットガルト ア ルマントリング 31 Fターム(参考) 4B024 BA80 CA04 CA07 DA01 DA02 DA05 DA11 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 4B064 AG01 CA01 CA19 CC24 CE12 4H045 AA10 AA20 BA10 BA41 FA72 FA74 GA26

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般配列 His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cys [式中、配列中の可変の基X〜Xは、以下: X=Ala、Val、Phe、Ser、Met、Trp、Tyr、Asn、AspまたはLysの群から選択さ
    れるアミノ酸、および可変の基X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、
    Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、 Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Val、Ile、Phe、Pro、Trp、Tyr、Gln、GluまたはArgの群から選択される
    アミノ酸、および可変の基X、X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe
    、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、 Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、 Hisの群から選択されるアミノ酸および可変の基X、X、X〜Xは、Gly
    、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、 Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Val、Phe、Pro、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、ArgまたはHisの群から選択さ
    れるアミノ酸および可変の基X〜X、X、Xは、Gly、Ala、Val、 Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Ly
    s 、Arg、Hisの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Gly、Ser、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、LysまたはArgの群から選択される
    アミノ酸および可変の基X〜X、Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、 Phe、Pro、Ser、Thr、Cys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hi
    sの群から選択されるアミノ酸であるか、または X=Phe、Pro、Ser、Cys、Trp、TyrまたはGlnの群から選択されるアミノ酸お
    よび可変の基X〜Xは、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Pro、Ser、Thr、C
    ys、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、Arg、Hisの群から選択されるア
    ミノ酸 の意味を有し、かつ その際、配列中の可変の基X〜Xの少なくとも1つが、相互に独立にGlnま
    たはAsnである] を有するペプチド断片。
  2. 【請求項2】 可変の基X〜Xが、請求項1に記載された意味を有し、
    その際、配列中の可変の基X〜Xの少なくとも1つが、相互に独立にLysま
    たはArgである、請求項1に記載のペプチド断片。
  3. 【請求項3】 配列中の可変の基X〜Xが、相互に独立に以下: X=Ala、Val、Phe、Ser、Met、Trp、Tyr、Asn、AspまたはLysの群から選択さ
    れるアミノ酸; X=Val、Ile、Phe、Pro、Trp、Tyr、Gln、GluまたはArgの群から選択される
    アミノ酸; X=Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Gln、Asp、Glu、Lys、ArgまたはHi
    sの群から選択されるアミノ酸; X=Val、Phe、Pro、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、ArgまたはHisの群から選択さ
    れるアミノ酸; X=Gly、Ser、Cys、Met、Trp、Asn、Glu、LysまたはArgの群から選択される
    アミノ酸; X=Phe、Pro、Ser、Cys、Trp、TyrまたはGlnの群から選択されるアミノ酸 の意味を有する、請求項1または2に記載のペプチド断片。
  4. 【請求項4】 配列中の可変の基X〜Xが、相互に独立に以下: X=Phe、Ser、Asn、AspまたはLysの群から選択されるアミノ酸; X=Val、Ile、Phe、Pro、Gln、GluまたはArgの群から選択されるアミノ酸; X=Gly、Ile、Thr、Met、Trp、Tyr、Asn、Asp、Glu、ArgまたはHisの群から
    選択されるアミノ酸; X=Val、Phe、Cys、Met、Trp、Asn、ArgまたはHisの群から選択されるアミノ
    酸; X=Gly、Ser、Cys、Met、Asn、Glu、LysまたはArgの群から選択されるアミノ
    酸; X=Phe、Ser、CysまたはTyrの群から選択されるアミノ酸 の意味を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のペプチド断片。
  5. 【請求項5】 配列中の可変の基X〜Xが、相互に独立に以下: X=Asn; X=Gln、GluまたはArg; X=Gly、ThrまたはTyr; X=AsnまたはArg; X=GlyまたはLys; X=Cys の意味を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のペプチド断片。
  6. 【請求項6】 配列 【化1】 を有するペプチド断片。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれか1項に記載のタンパク質断片
    を有する融合タンパク質。
  8. 【請求項8】 請求項1から6までのいずれか1項に記載のタンパク質断片
    をコードする核酸断片。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の核酸断片を有する核酸。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の融合タンパク質をコードする核酸。
  11. 【請求項11】 請求項8または10に記載の核酸断片を有するベクター。
  12. 【請求項12】 タンパク質をコードする遺伝子を有する請求項8に記載の
    核酸断片を融合させることを特徴とする、請求項7に記載の融合タンパク質の製
    法。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の融合タンパク質を精製する方法において
    、 a)融合タンパク質を含有している液体を金属イオンと融合タンパク質との間で
    親和性結合を形成できるように、固定化金属イオンと接触させ、 b)液体中に存在する結合していない物質を除去し、 c)液体媒体を変更することにより親和性結合が解消された結合融合タンパク質
    を溶出し、かつ d)精製された融合タンパク質を収集する ことを特徴とする、融合タンパク質の精製法。
  14. 【請求項14】 請求項1から6までのいずれか1項に記載のタンパク質断
    片または請求項8に記載の核酸断片のタンパク質の精製のための使用。
  15. 【請求項15】 固定化金属イオンと可逆的親和性結合が可能なタンパク質
    断片の製法において、以下: a)配列 His-X-His-X-X-X-Cys-X-X-Cys [式中、配列のヒスチジン基およびシステイン基は、核酸ライブラリーにおいて
    保存される]のタンパク質断片をコードする任意の核酸配列から出発する核酸ラ
    イブラリーを作成し、 b)固定化金属イオンへのその結合を介して、ライブラリーの核酸を得られた核
    酸によりコード化された融合タンパク質の検出を可能にするレポーター遺伝子に
    融合し、 c)天然のヘリコバクターピロリのATPアーゼ-439の配列に対して少なくとも1
    .5倍強い固定化金属イオンへの可逆的結合を有する核酸配列を選択する の工程を実施することを特徴とする、固定化金属イオンと可逆的親和性結合が可
    能なタンパク質断片の製法。
  16. 【請求項16】 レポーター遺伝子として、Aequoria victoriaからのegfタ
    ンパク質を使用する、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 タンパク質を検出する方法において、タンパク質断片と結
    合する抗体を介してタンパク質混合物から請求項1に記載のタンパク質断片を含
    む個々のタンパク質を検出することを特徴とする、タンパク質を検出する方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から6までのいずれか1項に記載のタンパク質断
    片または請求項8に記載の核酸断片のタンパク質精製のための使用。
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