JP2002514043A - 内胚葉、心臓、および神経の誘導因子 - Google Patents

内胚葉、心臓、および神経の誘導因子

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Abstract

(57)【要約】 新規なタンパク質をそれぞれ「サーベラス」および「frzb−1」と命名した。サーベラスは、アフリカツメガエル胚の発生の過程で分泌されるペプチドとして発現され、頭部形成体領域に特異的に発現される。この新規な分子は、内胚葉、心臓、および神経組織の誘導活性を有しており、そのことは、これらのおよび他の組織の再生、分化、または修復を必要とする、治療、診断、およ臨床への適用に有用であることを証明するはずである。Frzb−1は、細胞外空間においてWnt成長因子に結合することによって作用する、Wntファミリーの成長因子の可溶性の拮抗物質である。第三の新規なタンパク質はPAPCと命名され、胚における背部中胚葉および体節の形成を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】 内胚葉、心臓、および神経の誘導因子 技術分野 本発明は、概して成長因子、神経栄養因子、およびそれらの阻害剤に関し、特 に、神経、内胚葉、および心臓組織を誘導する活性を有するいくつかの新規な成 長因子と、当該因子を含んでいる複合体ならびに組成物と、当該因子のための配 列をコードしているDNAおよびRNAに関する。さらに、当該成長因子の一つは、腫 瘍抑制遺伝子治療に有用と考えられる。 本願は、1996年6月20日出願の米国仮出願第60/020、150号の 恩典を請求する。 本発明は、国立衛生研究所(NIH)により授与された、助成金契約番号HD −21502による政府の援助のもとに行なわれた。政府は本発明において一定 の権利を有する。 背景技術 成長因子は、インビボまたはインビトロにおいて動物細胞の限定された集団の 成長に影響を及ぼすが栄養物質ではない、ポリペプチドホルモンのような物質で ある。組織の成長および分化に関係するタンパク質は、成長を促進または阻害す る能力や、分化を促進または阻害する能力を有し得、従って、「成長因子」とい う概括的な用語にはサイトカイン、栄養因子、およびそれらの阻害剤が含まれる 。 一般的な神経細胞の死は、中枢ならびに末梢神経系の正常な発生に伴うもので ある。発生中の末梢の標的組織の研究は、神経細胞死が、限られた量の生存因子 (「神経栄養因子」)をめぐるニューロン間の競合の結果であることを示した。 これらのうち最も早く同定された神経成長因子(「NGF」)は、最も完全に特 質が解明されており、ニワトリおよびラットの両者の初期発生の間の交感神経性 および神経冠由来の感党ニューロンの生存に必須であることが示されている。 神経栄養因子の一つのファミリーはWnt類であり、それらは背軸誘導活性を 有する。ほとんどのWntタンパク質は細胞表面に結合している。(例えば、So kol等、Science,249,第561‐564頁、1990参照。)アフリカツメガエル胚にお けるこのファミリーの一員(Xwnt−8)による胚軸誘導活性は、1991年に、 SmithおよびHarlandによりCell,67,第753‐765頁に記載された。著者等は、紫 外線照射により腹側決定されている胚において、背方の発生を奪還するための 背方のパターニング(patterning)に関係している、内在性のRNAを同定する ための戦略として、RNA注入を用いることを記載した。 成長および神経栄養因子ファミリーのもう一つの一員は、HarlandおよびSmith により実質的に発見および記載されており、彼等はそれを「ノジン(noggi n)」と命名した。(Cell,70,第829‐840頁(1992)。)ノジンは、ニュークー プ(Nieuwkoop)中心においては母方由来の転写物の力により、またシュペーマ ンの形成体においては接合子の形成体に特異的な発現を通して、信号物質として 機能するための良好な候補である。ノジンの他には、他の分泌された因子類が形 成体現象に関係しているであろう。 「コルディン(chordin)」と命名された、アフリカツメガエルのもう 一つの遺伝子は、シュペーマンの形成体において発現され始めることと、腹側化 された胚において軸発生を完全に救済できることがsasai等により報告された(Ce ll,79,第779‐790頁,1994)。中胚葉を背方化することに加えて、chord inは神経組織を誘導する能力を有しており、その活性は骨形成タンパク質4に より拮抗される(Sasai等、Nature,376,第333‐336頁,1995)。 従って、アフリカツメガエル胚の背唇またはシュペーマンの形成体は、新規な 成長および神経栄養因子類を探すための理想的な組織である。新規な成長および 神経栄養因子類は有用な薬剤であり、特に生理学的に活性があり可溶性の形態で 用いることが可能であるよう分泌されるものは、これらの因子類、そのレセプタ ー、その配列をコードしているDNAまたはRNA、およびそのフラグメントが 、数多くの治療、臨床、研究、診断、およびドラッグデサインへの応用に有用で あるという理由から、有用な薬剤である。 発明の開示 本発明の一つの局面においては、実質的に精製された形にすることが可能な新 規なペプチドの配列が、配列番号No:1によって示される。アフリカツメガエ ル由来の配列番号No:1は、「サーベラス(cerberus)」と命名され ており、このペプチドは脊椎動物において発現された場合には、内胚葉、心臓、 および神経組織の発生を誘導することができる。発現された結果cerberu sを生じるヌクレオチド配列は、配列番号No:2によって例示される。本発明 のペプチドは脊椎動物において、内胚葉、心臓、および神経組織の発生を誘導す るがゆえに、数多くの治療、臨床、および診断への応用のために生理学的に活性 な形で調製され得るはずである。 サーベラスは、シュペーマンの形成体において特異的に発現された分泌シグ ナル配列を含んでいる分子を捜す間に単離された。サーベラスに加えて、他の二 つの新規なcDNAが同定された。 配列番号No:3から推論されるアフリカツメガエル由来のペプチドは、発明 者等が早期に「フラズルド(frazzled)」と命名した、アフリカツメガ エル胚において背方化活性を有する318個のアミノ酸から成る分泌タンパク質 である、新規なタンパク質をコードしている。発明者等は、現在この新規なタン パク質を「frzb−1」と命名している。frzb−1の遺伝子は、多くの動 物の多くの成体組織において発現されており、三つのcDNA(アフリカツメガ エル、マウス、およびヒト)が発明者等によりクローン化されている。当該遺伝 子の、アフリカツメガエル、マウス、およびヒトのfrzb−l cDNA配列 の公式承認番号は、それぞれU68059、U68058、およびU68057 である。Frzb−1は、細胞膜を7回貫通するタンパク質をコードしているこ とが示されており、そのタンパク質がシグナルおよびレセプタータンパク質とし て作用することが可能であるショウジョウバエの遺伝子frizzledと、あ る程度の配列の類似性を有する(Vinson等、Nature,338,第263‐264頁、1989;V insonおよびAdler,Nature,329,第549‐551頁、1987)。脊椎動物でのFriz zledの相同物が単離されており、それらも7つの膜にかかったドメインによ り細胞膜に固定されていることがわかっている(Wang等、J.Blol.Chem.,271,第 4468‐4476頁、1996)。Frzb−1は、完全に可溶性かつ拡散性の分泌タンパ ク質であり、従って治療用の薬剤として適しているという点で、frlzzle dタンパク質とは異なる。発現された結果frzb−1タンパク質となる、アフ リカツメガエルに由来するヌクレオチド配列は、配列番号NO:4によって例示 される。マウスに由来するfrzb−1タンパク質は、配列番号NO:7に示さ れ、一方マウスfrzb−1ヌクレオチド配列は、配列番号NO:8である。ヒ トに由来するfrzb−1タンパク質は、配列番号NO:9に例示され、ヒトf rzb−1ヌクレオチド配列は、配列番号NO:10である。 frZb−1は、インビボにおけるWntsの拮抗物質であり、従って、Wn tタンパク質の過度の発現が癌を引き起こすことから、腫瘍抑制遺伝子としての 実用性が見い出されると信じられている。frZb−1はまた、これと複合体を 形成しているwntタンパク質の可溶化および治療のためのデリバリーに有用な 媒体ともいってよい。 シグナル配列を含んでいる、単離された最終的なcDNAは、結果的にはパラ キシャルプロトカドヘリン(arxial rotoadherin) (PAPC)と命名されたペプチドに終わる。PAPCのcDNAは、カドヘリ ン多重遺伝子ファミリーの分岐した一員である。PAPCは、Sano等によって報 告されたプロトカドヘリン43(The EMBO J.,12,第2249‐2256頁、1993)に 最も関係している。配列番号NO:5に示すように、PAPC遺伝子は896個 アミノ酸の膜貫通タンパク質をコードしており、そのうち187個は細胞内ドメ インの部分である。PAPCは細胞接着分子であり、アフリカツメガエル胚への PAPCmRNA構成物のマイクロインジェクションにより、PAPCが中胚葉 の分化に関係する分子として作用することが示唆されている。PAPCの細胞外 ドメインの可溶型は、アフリカツメガエル胚において筋肉および中胚葉の形成を 妨げることができる。アフリカツメガエルのPAPCをコードしているヌクレオ チド配列は、配列番号NO:6に供されている。 cerberus、frzb−1、またはPAPCか、あるいはそれらのフラ グメント(インビトロの方法により合成されてもよい)は、(組み換え体の発現 またはインビトロの共有結合による方法により)免疫原性ポリペプチドに融合さ れ、次いでこれを用いて、この新規なタンパク質に対して抗体を高めるために動 物に免疫化してもよい。抗体は、免疫化された動物の血清から回収することがで きる。代りに、モノクローナル抗体を、免疫化した動物の細胞から通常のやり方 で調製してもよい。固定化された抗体は、特に(インビトロおよびインビボにお ける)診断またはcerberus、frzb−1、またはPAPCの精製に有 用である。 当該新規のポリペプチドの置換、欠損、または挿入による突然変異体は、イン ビトロまたは組み換え法により調製されてよく、サーベラス、frzb−1、ま たはPAPCとの交叉反応性についてと、サーベラス拮抗物質または作用活性と についてスクリーニングされしてもよい。 サーベラスまたはfrzb−1はまた、インビトロにおいて、固定化または 標識されたタンパク質を調製するため、特にそれらの機能不全の診断のため、ま たはそれらに対する抗体の親和性利用による精製のため、誘導体化されてよい。 当該新規のタンパク質の傑出した応用は、組織置換療法および、frzb−1 がWntのシグナル化の拮抗物質であることから、腫瘍抑制療法である。cer berusのレセプターは、新規なシグナル化経路を規定しうる。さらに、fr zb−1は、成長因子のWntファミリーの新規なメンバーの単離を可能にした 。 図面の簡単な説明 第1図は、第2図のサーベラスのcDNAクローンからの、アミノ酸配列(配 列番号NO:1)を例示しており; 第2図は、アフリカツメガエル由来のサーベラスのcDNAのクローン(配列 番号NO:2)を例示している。センス鎖は上部(5'から3'の方向)であり、 アンチセンス鎖は下の列(反対向き)であり; 第3および4図は、アフリカツメガエル由来の完全な長さのfrzb−1の、 それぞれアミノ酸およびヌクレオチド配列(配列番号NO:3および4)を示し ており; 第5および6図は、アフリカツメガエル由来の完全な長さのPAPCの、それ ぞれアミノ酸およびヌクレオチド配列(配列番号NO:5および6)を示してお り; 第7および8図は、マウス由来の完全な長さのfrzb−1の、それぞれアミ ノ酸およびヌクレオチド配列(配列番号NO:7および8)を示しており; 第9および10図は、ヒト由来の完全な長さのfrzb−1の、それぞれアミ ノ酸およびヌクレオチド配列(配列番号NO:9および10)を示している。 発明を実施するための最良の形態 本明細書に記載される数個の新規タンパク質及びそのヌクレオチド配列の中で 、本発明者らが「サーベラス」と命名したタンパク質は、脊椎動物の新規な内胚 葉、心臓及び神経の誘導因子である。本発明において、「サーベラス」というと きには、サーベラス分子のフラグメント、誘導体、作用薬、又は拮抗物質の使用 をも含むことを意図する。サーベラスは報告されたどの成長因子ともホモロジー を有していないので、強力な生物活性を有する成長因子の新しいファミリーメン バーの基礎となると考えられる。サーベラスは、配列番号:2を用いて単離でき る。 両生類の形成体は、領域−特異的誘発活性を有するいくつかの細胞集団からな る。形態形成活動に基づいて、3つの非常に異なる細胞集団が形成体の内で区別 される。第1は、這うような移動活動をする細胞は退縮し、展開して脊索前方板 を形成する。第2は、細胞は集合と伸長活動によって、体幹の脊索の基となる背 唇部を経由して退縮する。第3は、退縮が終了し、中外側への挿入運動が継続し て後期伸長運動が起こり、尾部脊索と脊索神経ヒンジが形成される。この3つの 細胞集団は、それぞれ、頭部、体幹及び尾部形成体に対応する。 サーベラス遺伝子は正しい時と場所で発現し、シュペーマンの形成体によって 、細胞のシグナリングに関与する。特に、サーベラスは、這うように移動する細 胞からなる頭部形成領域で発現する。サーベラス発現領域は将来の前腸に対応し 、肝臓及び膵臓原基並びに心臓中胚葉を含む。サーベラス発現はクロディン、ノ ジン、及び形成体特異的ホメオボックス遺伝子で活性化される。 本発明者らの研究は、アフリカツメガエル(ゼノプス レービス)の初期胚を 用いて行われた。このカエルの胚は実験に最適である。特に、胚内で領域の差異 の発生と維持に関する実験ができるので、これらの組織分化における役割が決定 できる。胚の培養が容易なので、分化の非常に早い段階からでも胚にアクセスで き(身体パターンの形成及び分化の前及びその間)、かつ、胚自体が大きい。ノジ ン及びクロディンを用いる初期の研究もまた、アフリカツメガエルの胚で行われ 、そして、予想されたように、脊椎動物間で、高度に保存されていた。アフリカ ツメガエルを用いた研究に基づく予測がヒトノジンにも当てはまることは、真実 であることが証明され、ヒトノジンの遺伝子が容易にクローンニングされた。( アフリカツメガエルに関する研究の記載を参照のこと。クローニングに関する情 報は、1994年3月17日に公開されたPCT出願WO9,405,800、及びこれに 基づき、引き続き行われたヒトのクローニングは、又、1994年3月17日に 公開されたPCT出願WO9,405,791に記載されている)。 クローニング サーベラス、frzb−1、及びPAPCは、シュペーマンの形成体に濃縮さ れたcDNAの包括的なスクリーニングによりクローニングされた。サブトラク ティブディファレンシャルスクリーニングは、以下のように行なった。簡単に述 べると、300個の背唇部及び101/2のステージの腹部周縁ゾーン(VMZ)移植 片からポリA+RNAを単離し、第1ストランドのcDNA合成後、約70〜8 0%の共通配列を、1500個の半分の腹部原腸胚から調製したビオチニル化したV MZのポリA+RNAを用いてサブトラクションにより除去した。ディファレン シャルスクリーニングには、増幅していない、配列させた背唇部のライブラリー の二重フィルター(15cmプレート当たり2000プラーク、合計80,000ク ローンのスクリーニング)を放射標識した背唇部cDNA又はVMZcDNAと ハイブリダイズした。仮の形成体特異的クローンを単離し、5’末端からの配列 解析及び全体に亘るIn Situハイブリダイゼーションでグループ分けし、ついで 、既知の及び新規の背面特異的遺伝子に分類した。ライブラリー(100,000個の 個々のファージ)をサーベラスのプローブで再度スクリーニングし、さらに45 個のクローンを単離し、その31個は、11個のもとのクローン中で最も長いも のと同じサイズを有しており、これらが恐らく、全長cDNAであると考えられ る。サーベラス、frzb−1、及びPAPCの最長のcDNA配列を完全に決 定した。 シュペーマンの形成体の分子の複雑性を研究するために、背面特異的cDNA の包括的なディファレンシャルスクリーニングを行なった。方法をデザインして 、機能に関して偏りがない多数のcDNAを同定した。表1に示すように、5個 の既知のcDNAと5個の新規なcDNAが単離された。そのうちの3個(それ ぞれ、サーベラス、frzb−1、及びPAPCを発現した)は、分泌シグナル 配列を有していた。 最も多かった背面特異的cDNAはコルディン(chd)であり、70個単離 された。2番目に多かったcDNAは11個あり、(多数の頭を有する神話の守 護犬にちなんで)サーベラスと名付けた。サーベラスcDNAは、分泌タンパク 質をコードすると推定され、270個のアミノ酸と、アミノ末端に疎水性のシグ ナル配列とカルボキシ末端にシステインリッチな領域を有する(図1)。サーベラ スは、アフリカツメガエル胚の、前腸予定領域を含む、頭部形成体領域で特異的 に発現する。 アフリカツメガエルの原腸胚の背面部で多量に見出されるmRNAは、サーベ ラスと名付けた新規な推定分泌タンパク質を発現した。サーベラスmRNAはア フリカツメガエル胚で強力な誘導活性を有し、異所性の頭を形成する。他の形成 体特異的因子と異なって、サーベラスは中胚葉を背面化しないが、その代わり、 体幹一尾部中胚葉の阻害剤である。サーベラスは背唇部の深層部の前縁を含む原 腸胚の最も前部ドメインで発現される。この領域は、前腸及び中腸の内胚葉とな る。サーベラスは、セメント腺、嗅覚原基、キュープロスの眼、前脳、及び重複 した心臓と肝臓(前腸誘導体)の形成を促進する。膵臓もこの前腸に由来するた め、サーベラスは肝臓に加えて膵臓も誘導するようである。サーベラスの発現パ ターン及び誘導活性は、以前無視されていた胚、将来の前腸内胚葉の領域が胚の 前頭領域の誘発に役割を担っていることを示唆する。 図1に戻って、アフリカツメガエルのサーベラスは、胚発生の間、一過的に発 現する分泌タンパク質と推定されるタンパク質をコードする。アフリカツメガエ ルのサーベラスの推定アミノ酸配列を示す。シグナルペプチド配列及びカルボキ シ末端の9つのシステイン残基は、太字で示す。推定N−結合グリコシル化部位 は下線で示す。データベース検索によると、サーベラスタンパク質は哺乳動物の Danタンパク質にだけ限られた相同性を有している。Danは、DNA結合タ ンパク質と考えられる腫瘍抑制剤である可能性がある。 サーベラスはパイオニアタンパク質と思われる。なぜなら、そのアミノ酸配列 及びその9つのシステイン残基の配置はデータベース(NCBI-GenBankリリース93 .0)の他のタンパク質と有意に類似しているものはなかったからである。2番目 に多い背面特異的cDNAは新規な推定分泌因子をコードすると結論した。これ は細胞分化において活性な成長因子の新しいファミリーメンバーの基礎となる。サーベラスは前部形成体ドメインの境界を定める サーベラスmRNAは未受精卵では低レベルで発現され、接合体転写物が初期 原腸胚で蓄積され始める。発現は原隅胚及び初期神経胚の間継続し、神経胚形成 の間に急激に減少する。重要なことは、サーベラスの発現はchdの発現開始約 1時間後に開始することであり、サーベラスはchdシグナルの下流で働き得る ことが示唆されている。 全体に亘るin situハイブリダイゼーションで、発現は、卵黄の内中胚葉細胞 で開始することがわかった。この細胞は形成体の深層に位置する。サーベラスド メインは、形成体細胞の最も前部の前縁を含んでおり、外側の中胚葉内に広がっ ている。前縁は、その中央線で肝臓、膵臓となり、中頃が前腸となり、より後方 の領域は、後の発達段階で心臓の中胚葉となる。 図2は、アフリカツメガエルのサーベラスのcDNAの全長配列を示す。 この全く新しい分子の生理学的性質が示され、再生、分化、組織の修復、その 傷の修復、神経細胞の再生又は移植、心筋分化の補足、膵臓及び肝臓の分化、が 必要とされる治療、診断、医療への応用に有用であることが示された。また、他 の、細胞分化のプロセスが誘発されるべき場合の応用にも有用である。 本発明者らが発見した第二の、新規な分泌タンパク質は、frzb−1と呼ば れており、アフリカツメガエル卵母細胞へのマイクロインジェクションの実験で 分泌タンパク質であることが示された。従って、このタンパク質は、ショウジョ ウバエ及び脊椎動物の細かく縮れた(frizzled)タンパク質の細胞外ドメインに 関連して、天然の可溶性形態を提供する。後者のタンパク質は最初のトランスメ ンブランドメインの前に停止コドンを導入することにより、可溶性形態に変換で きることを提案する。frzb−1及び細かく縮れたタンパク質のシステインリ ッチな領域は、Wntタンパク質と全体的な構造相同性があるが、これは、相同 性検索プログラム(Gribskov,Meth.Enzymol.,183,pp 146-159,1990)を用い て決定された。これによって、frzb−1が、細胞外空間で、Wnt成長因子 と直接作用できるという興味ある可能性がもたらされた。これは、アフリカツメ ガエルの胚にマイクロインジェクションしたとき、frzb−1構築物は適度な 背面化活性を有しており、大きくなった脳及び頭部と短くなった体幹を有する胚 の形成を導くことが、本発明者らにより発見されたからである。Xwnt−8を 必要とする身体の筋肉の分化は阻害された。frzb−1の場合、これがWnt −8の阻害剤として作用し得るという魅力的な仮説が構造的相同性によって示唆 された。なお、Wnt−8は成長因子であり、アフリカツメガエル胚で腹部化活 性を有する(Christian及びMoon,GenesDev.,7,pp13-28,1993)。本発明者らは 、frzb−1はXwnt−8及びWnt−1と相互作用し得ることを示し、成 長因子のWntファミリーの他のメンバーとも相互作用し得ることが期待される 。哺乳動物においては、Wntには少なくとも15のメンバーが存在する。さら に、Wnt類と相互作用し得ることが最近の研究によって示唆されているが、そ れは、無羽根(winglessウイングレス)の下流で作用する乱雑な(dishevelled )遺伝子は、ショウジョウバエの縮れをもたらす突然変異と遺伝子的に強い相互 作用を有しているからである(Krasnowら、Development,121,pp4095-4102,1995) 。この可能性はさらに深く検討された(Leynsら、Cell,88,pp747-756,3月21日, 1997)が、それは、タンパク質のWntファミリーの可溶性拮抗物質は治療的価 値が非常に高いと考えられるからである。実施例1及び2は、Xwnt−8のf rzb−1への結合による拮抗作用を示す実験を示す。 脊椎動物における縮れたタンパク質の相同体が単離され、それらも、7つの膜 スパニングドメインによって細胞膜に固定される(Wangら、J.Biol.Chem.,271,pp 4468-4476,1996)。Frzb−1は、縮れたタンパク質とは、完全に可溶性の、 拡散し得る分泌タンパク質であるという点で異なり、従って、治療剤として好適 である。ヌクレオチド配列は、発現されるとfrzb−1タンパク質となり、配 列番号:4に示される。 配列番号:4は、アフリカツメガエルにおける相同体に対応するが、それをBL AST検索に用いて(及びマウスfrzb−1のクローニングによって)収集して 、全成熟ヒトfrzb−1タンパク質配列、配列番号:9を組み立てることがで きた。事実、ヒトfrzb−1は、ジーンバンクから入手可能な6個の発現配列 タグ(EST)にコードされていた。ヒトfrzb−1配列は、このESTの5 ’から3’の方向にオーバーラップさせて、組み立てた。ESTは、以下のジー ンバンクの番号を有している:H18848、R63748、W38677、W44760、H38379、及び N71244。これらの配列の機能はまだ同定されていないが、ヒトfrzb−1はア フリカツメガエルfrzb−1について記載されたと同様の、細胞分化の機能を 有すると考え、かつ提案する。ヒトfrzb−1のヌクレオチド配列は、配 列番号:10に示される。マウスfrzb−1タンパク質及びヌクレオチド配列 は、それぞれ、配列番号7及び8に示される。 特に、frzb−1は、ヒトガン細胞の遺伝子治療に有用であることが証明さ れると考える。この急速に発展している分野で、ひとつのアプローチはアンチセ ンス配列を発現するベクターを導入し、優勢なオンコジーン及び成長因子レセプ ターの発現をブロックすることである。他のアプローチは、細胞を形質転換する ことなく、ヒト細胞内で、調節された様式で複製できるエピゾームのベクターを 作成することである。後者(ヒト遺伝子治療のためのエピゾーム発現ベクター系) の例は、発明者Cooperの、1997年4月29日に発行された米国特許第5,624,820号 を参照のこと。 現在、遺伝子治療はヒト腫瘍抑制遺伝子の使用を含む。例えば、1996年2月13 日に発行された米国特許第5,491,064号には、染色体11上に位置する腫瘍抑制 遺伝子が、その遺伝子の発現が欠失又は変化したガンの遺伝子治療に潜在的に有 用であると記載されている。Frzb−1は、染色体2q31-33にマップされて おり、2q31-33の1コピー及び2qアームの1コピーの欠失は、肺ガン、結隅 直腸ガン、及び神経芽腫を非常に招きやすいことが観察されている。これにより 、この2qアームが腫瘍抑制遺伝子を有していると考えられる。frzbは腫瘍 抑制遺伝子と考えられ、腫瘍抑制への応用に有用である。 サーベラス及びfrzb−1の薬学的(生物学的活性)性質から、多数の応用 例が考えられる。 例えば、サーベラス及びfrzb−1cDNAは、診断用具として有用である (セルラインにおけるタンパク質のアッセイへの抗体の使用、又はPCR実験に 用いるプライマーとしてオリゴヌクレオチドを使用し、このオリゴヌクレオチド プライマーに類似する配列を有する配列の増幅、及び、本新規タンパク質の存在 量の決定)。 サーベラスは、もちろん、それ自身のレセプターを経由して標的細胞に作用す る。サーベラスは、それゆえ、このレセプターを単離する鍵を提供し得る。多く のレセプターは細胞性オンコジーンに変異するので、サーベラスレセプターは、 特定の腫瘍タイプに対する診断用プローブとして有用であることが示される。こ のように、サーベラスを複合体のリガンドとして考えるとすれば、本発明の複合 体は、サーベラスに結合する抗体、サーベラスに由来するペプチドに結合する抗 体、レセプターに結合するサーベラス、又はサーベラスに由来しそのレセプター あるいは他の因子に結合するペプチドを含む。サーベラスの突然変異の形態は、 より強力な作用薬または拮抗物質のいずれかであるが、臨床上有用であると考え られる。これらのサーベラス複合体及びその結合タンパク質パートナーの、多数 の応用への使用が見出されるであろう。 本発明の実施は、オリゴヌクレオチド構築物の使用を含む。この構築物はサー ベラス配列又はfrzb−1をコードする配列とプロモーター配列とが哺乳動物 発現ベクター及びウイルス発現ベクターに作動可能に結合している。発現及びク ローニングベクターは、1又はそれ以上の選択された宿主細胞中でベクターを複 製させるヌクレオチド配列を含んでいる。一般的に、クローニングベクター中で は、この配列は、宿主染色体とは独立してベクターを複製させる配列であり、複 製開始点又は自己複製配列を有している。周知のプラスミドpBR322は、ほ とんどのグラム陰性細菌に好適であり、酵母の2μプラスミド開始点及び他の種 々のウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBP V)は、哺乳動物細胞のクローニングベクターとして用いられる。 発現及びクローニングベクターは、選択遺伝子(選択マーカーともいう)を含 むべきである。典型的には、ベクターで形質転換された宿主細胞が生存する又は 生育するために必要なタンパク質をコードする遺伝子である。この遺伝子が存在 することにより、ベクターを含まないどの宿主細胞も形質転換宿主以上に生育で きず、繁殖しない。典型的な選択遺伝子は以下のタンパク質をコードする:(a) 抗生物質あるいは他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキ セートもしくはテトラサイクリンに対して耐性を付与する:(b)栄養要求性を補 足する。 哺乳動物の適切な選択マーカーの例はジヒドロフォレートレダクターゼ(DH FR)又はチミジンキナーゼである。このようなマーカーにより、サーベラス核 酸を取り込むコンピテントな細胞が確認できる。哺乳動物細胞の形質転換体を選 択圧力下におくと、形質転換体だけがそのマーカーを取り込むことによつて適応 し、生存する。形質転換体培地中の選択薬剤濃度を連続的に変化させる条件下で 培養することにより選択圧力がかけられる。増幅は、組換え細胞が継続的に生育 する間、染色体中において生育に必須のタンパク質をより多く生産するために要 求される遺伝子がタンデムに反復されるプロセスである。それゆえ、増加したD NAからの合成で、サーベラス又はfrzb−1の合成量が増加する。 例えば、DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞は、まず、DHFRの競合 的拮抗物質であるメトトレキセート(Mtx)を含有する培地ですべての形質転 換体を培養することにより同定される。この場合、適切な宿主細胞は、DHFR 活性を欠損しているチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)セルラインであ る。この細胞は、Urlaub及びChasln,Proc.Nat.Acad.Sci.,77,4216(1980 )に記載のように調製し、増殖される。形質転換細胞は、次に、Mtxのレベル が増加した条件に曝される。これにより、DHFR遺伝子の多コピー合成が導か れ、これに付随して発現ベクターを含む他のDNA、例えば、サーベラスまたは frzb−1をコードする遺伝子が多コピーとなる。あるいは、サーベラスまた はfrzb−1をコードする遺伝子とアミノグリコシド3’フォスフォトランス フェラーゼ(APH)タンパク質をコードするDNAを有する発現ベクターで形 質転換した宿主細胞を、アミノグリコシド系抗生物質、例えばカナマイシン又は ネオマイシン又はG418を含む培地で細胞を生育させて選択する。真核細胞は 通常、内因性のAPH活性を発現しないので、一般的にはneo抵抗性遺伝子と 言われるAPHタンパク質をコードする遺伝子が、広範囲の真核宿主細胞に主な 選択マーカーとして用いられ、ベクターによって形質転換された細胞が容易に同 定される。 発現ベクターは、クローニングベクターと違って、プロモーターを含有しなけ ればならない。このプロモーターは宿主生物に認識され、サーベラス核酸に作動 可能に結合している。プロモーターは翻訳されない配列であり、構造遺伝子の開 始コドンから上流(一般的に、約100から1000bpの範囲内)に位置し、そのコ ントロールの下、転写及び翻訳をコントロールする。プロモーターは、典型的に は、誘導性及び構成性の、2つのクラスに分類される。誘導的プロモーターは、 そのコントロールの下、培養条件のある変化、例えば栄養素の存在又は非存在、 又は温度変化に対応して、DNAの転写レベルの増加を開始する。この場合、宿 主細胞となり得る種々の細胞により認識される多数のプロモーターは公知である 。これらのプロモーターはサーベラスをコードするDNAに作動可能に結合され ているが、これは、このプロモーターをオリジンの遺伝子から制限酵素消化で取 り出し、サーベラスまたはfrzb−1の開始コドンの5’側に挿入して作成さ れる。 核酸は、他の核酸配列と機能的な関係になるように置かれたときに、作動可能 に結合している。例えば、プレ配列又は分泌リーダー配列のDNAがポリペプチ ドのDNAに作動可能に結合しているのは、ボリペプチドの分泌に関与するプレ タンパク質として発現される場合であり;また、プロモーター又はエンハンサー がコード配列に作動可能に結合しているのは、その配列の転写に影響を与える場 合であり、;あるいはリボゾーム結合部位がコード配列に作動可能に結合してい るのは、翻訳が進行するように配置されている場合である。一般的に作動可能に 結合したとは、結合したDNA配列が連続し、分泌リーダーの場合には、連続的 であり、読み取り枠にある場合である。結合は、適切な制限部位における結合で 行われる。もし、そのような部位がない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダ プターあるいはリンカーを、常法により、使用する。 哺乳動物宿主細胞におけるタンパク質をコードするDNAの転写は、プロモー ターでコントロールされる。このプロモーターは、ウイルスのゲノム、例えば、 ポリオーマ、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、レトロウイルス、B型肝 炎ウイルス、及び最も好ましくは、シミアンウイルス40(SV40)のゲノム から、又は、ヘテロな哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーターであ る。もちろん、宿主細胞又は関連する種からのプロモーターもまた本発明には有 用である。 サーベラス又はfrzb−1は、細胞培養、例えば内胚葉、心臓及び神経細胞 のインビトロでの培養に使用する培地の成分として明らかに有用である。サーベ ラス及びfrzb−1は、肝臓、膵臓、心臓、及び神経細胞の生育を強化し、又 は誘発する薬剤としての用途、例えば、組織置換療法があると考えられる。 単離された最後のcDNAはシグナル配列を有しており、パラキシャルプロト カドヘリン(PAPC)と名付けたペプチドとなる。PAPCのcDNAはカド ヘリン多重遺伝子ファミリーから分かれたメンバーである。PAPCが最も関連 するのはプロトカドヘリン43であり、Sanoら、The EMBOJ.,12,pp2249-2256, 1993により報告されている。配列番号:5に示されるように、PAPC遣伝子は トランスメンブレンタンパク質をコードしている。このタンパク質は、896個の アミノ酸を有し、その187個は、細胞内ドメインの一部である。PAPCは細胞 接着分子であり、PAPCmRNA構築物をアフリカツメガエル胚にマイクロイ ンジェクションしたとき、PAPCは中胚葉の分化に作用することが示唆され た。アフリカツメガエルのPAPCをコードするヌクレオチド配列は配列番号: 6に記載されている。 本新規タンパク質の治療用組成物は、所望の純度を有するポリペプチドと、必 要に応じて生理学的に受容可能なキャリアー、賦形剤あるいは安定剤とを混合し て、例えば、凍結乾燥ケーキ、又は、水溶液の形態へ調製されて保存される。受 容可能なキャリアー、賦形剤あるいは安定剤は、受容者に用いる用量及び濃度で 毒性がなく、リン酸、クエン酸及び他の有機酸の緩衝液;アスコルビン酸を含む 抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド;血清アルブミン、 ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質:を含む。グリシン、グルタミン 、アスパラギン、アルギニン又はリジン;グルコース、マンノース、あるいはデ キストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭化水素;EDTA等のキレート剤 ;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成性対 イオン;及び/又はツイーン、プルロニック、またはPEG等の非イオン性界面 活性剤:等の他の成分もまた、含まれ得る。 本新規タンパク質に対するポリクローナル抗体は、一般的には、サーベラス又 はfrzb−1とアジュバンドとを複数回の皮下(sc)又は腹腔(ip)注入 して、動物内で引き起こされる。これらのタンパク質、あるいは標的アミノ酸配 列を含むフラグメントをタンパク質と結合するのは、有益である。このタンパク 質は、免疫される種で免疫原性を有するタンパク質、例えば、キーホールリンペ ットヘモシアニン、血清アルブミン、牛サイログロブリン、又は大豆トリプシン インヒビターであり、結合には、二官能性又は誘導化剤、例えば、マレイミドベ ンゾイルスルフオスクシンイミドエステル(システイン残基を介する結合)、N-ヒ ドロキシスクシンイミド(リジン残基を介して)、グルタルアルデヒド、コハク酸 無水物、SOCl2、又はR1N=C=NRを用いる。 動物を免疫原性結合物あるいは誘導体を免疫化するが、1mgまたは1μgの 結合物(ウサギ又はネズミのそれぞれ)と、3倍量のフロイント完全アジュバン トとを混合して、溶液を多数部位で皮内注入する。一カ月後、フロイント完全ア ジュバント中の、もとの1/5から1/10量の結合物をその動物の皮下に多数 部位でブーストする。7から14日後に動物から採血し、血清の抗−サーベラス タイターをアッセイする。タイターがプラトーに達するまで動物をブーストする 。好適には、動物を同じサーベラスまたはfrzb−1ポリペプチドの結合物で ブ ーストするが、異なるタンパク質及び/又は異なる架橋結合剤を介して結合して もよい。結合物はまた、組換え細胞培養で融合タンパク質として、作成され得る 。又、ミョウバン等の凝集剤を用いて、免疫反応を強化できる。 モノクローナル抗体は、免疫した動物から脾臓細胞を回収し、常法、例えば、 ミエローマ細胞との融合、あるいは、EBウイルスを用いる形質転換で不死細胞 化し、所望の抗体を発現するクローンをスクリーニングする。 抗体は、サーベラス、frzb−1、あるいはPAPC、あるいはこれらの抗 体の診断アッセイ及びファミリーメンバーを同定するのに有用である。レセプタ ー結合アッセイの一つの態様においては、選択したサーベラスファミリーの複数 のメンバーのすべてと結合する抗体組成物を不溶性マトリックス上に不溶化する 。テストサンプルを不溶化抗体組成物と接触させて、すべてのサーベラスファミ リーメンバーを吸着させ、次いで不溶化したファミリーメンバーをそれぞれのメ ンバーに特異的な複数の抗体と接触させる。それぞれの抗体は、個々に予め決定 したファミリーメンバーに対する特異性、例えば別個の発蛍光団等による唯一の ラベルにより、同定可能である。それぞれの唯一のラベルの存在及び/又は量を 決定することにより、それぞれのファミリーメンバーの相対比率と量を測定する ことができる。 抗体はまた、組換え細胞培養物あるいは天然の採取源から本新規タンパク質を アフィニティ精製するのに有用である。他の成長因子と検出できる程度に交差反 応しない抗体を用いて、これらの他のファミリーメンバーを含まないタンパク質 が精製される。 実施例1 frzb−1はXwnt−8と非細胞的に自律的に拮抗する frzb−1が、注入された細胞による分泌の後にXwnt−8によって引き 起こされる二次軸と拮抗することができるかどうかを調べるために、一つの実験 計画を用いた。例えば、frzb−1のmRNAを8細胞胚の4つの動物割球の それぞれに注入し、続いて16ないし32細胞期に、Xwnt−8のmRNAを 植物腹側割球に単回注入した。二回の独立した実験において、発明者等は、fr zb−1のみの注入(n=13)は、すべての胚においてセメント腺の拡張を伴 う穏やかな背方化を引き起こすことと、Xwnt−8のみの注入(n=53)は 、 67%の胚において完全な二次軸を誘導することを見い出した。しかしながら、 frzb−1の動物極への注入は、Xwnt−8によって誘導される完全な軸の 形成を阻止し(n=27)、残りの14%の胚にごく弱い二次軸を残したにすぎ ない。二重に注入された胚は、frzb−1のmRNAのみの注入によって引き 起こされるセメント腺拡張の表現型を保持していた。両mRNAは分泌タンパク 質をコードしており、異なる細胞にマイクロインジェクトされていることから、 発明者等は、frzb−1およびXwnt−8の拮抗効果は、これらのタンパク 質が分泌された後に細胞外の空間において起こるものと結論する。 実施例2 膜に結合したWnt−1はfrzb−1を結合させる frzb−1とWntの間の可能な相互作用を研究するため、第一の工程はC MV(サイトメガロウイルス)プロモーターにより駆動されるアフリカツメガエ ルのfrzb−1構成物に、HAエピトープのタグを挿入することであった。F rzb1−HAを、アフリカツメガエル胚におけるmRNAのマイクロインジェ クション分析法により検査し、生物学的に活性があることを見い出した。一時的 にトランスフェクトされた細胞からの調節された培地は、10μg/mlまでの Frzb1−HAを含んでいた(HAをタグした標準タンパク質を用いたウエス タンブロットで定量した)。 293個の細胞の一時的なトランスフェクションは、ウィングレス(wing less)とフリズルド(frizzled)タンパク質の間の相互作用を説明 する手段となった。発明者等はそこで、Wnt−1がCD8のアミノ末端で融合 している構成物を利用し、細胞外の区分に露出している生物学的に活性のあるW nt−1を含んでいる膜貫通タンパク質を作成した。Wnt1CD8cDNA構 成物(H.Varmus博士(NIH)の寛大な贈与による)を、pcDNA(インビトロ ジェン(Invitrogen))ベクターにサブクローニングし、293個の細胞にトラン スフェクトした。Frzb1−HA調節培地と共にインキュベート(37℃一晩 )した後、強く標識された細胞を免疫蛍光により観察した。ネガティブコントロ ールとしては、無関係な分泌タンパク質である、アフリカツメガエルのコルディ ン(chordin)の120個のアミノ酸を含んでいる構成物を用いた。この構成物の トランスフェクションは、均一および点状の両細胞外マトリックスに対するFr xb1−HAの結合のバックグラウンドを示す。Wnt1CD8の、pcDNA −LacZとのコトランスフェクションは、トランスフェクトした細胞がF rzb1−HAおよびLacZについてポジティブに染まることを示した。Wn t1CD8はCD8分子全体を含むため、CD8cDNAをさらなるネガティブ コントロールとして用いた。LacZおよび完全な長さのCE8でトランスフェ クトした後、Frzb1−HAはトランスフェクトした細胞に結合できない。発 明者等の実験はほとんど37℃において行なったが、Frzb1−HA調節培地 では、4℃2時間のインキュベーションの後に、Wnt1CD8でトランスフェ クトした細胞を染色した。 Wnt1CD8でトランスフェクトした細胞に対する、Frzb−1の結合を 生化学的に定量する試みは、おそらくは細胞外マトリックスへの結合のせいであ る、対照の培養物への高いバックグラウンド結合のため失敗に終わった。従って 、発明者等は、Frzb−1/Wnt−1相互作用の親和性のKDを推定するこ とができなかった。しかしながら、Frzb1−HAを含んでいるコンディショ ンドメディウムの連続的な希釈を行なった場合には(2.5x10-7〜1.25 x10-10Mの範囲)、Wnt1CD8でトランスフェクトした細胞の染色が、す べての濃度において見られた。 発明者等は、Wntとfrzb−1との間の直接的な結合の生化学的証拠を提 供することはできなかったが、この細胞生物学的分析法は、Frzb1−HAが 直接または間接的に、細胞膜上のWnt−1に10-10Mの領域で結合することが できることを示している。 前文には、好ましい特別の態様をもって本発明について記述してきたが、この 記述および実施例は説明を意図したものであり、添付の請求の範囲によって規定 される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 ボウメスター、テウィス アメリカ合衆国 90024 カリフォルニア 州 ロスアンジェルス レバリング アヴ ェニュー 827 アパートメント 708

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.生理学的に活性型であることを特徴とし、配列番号NO:2のDNAにコー ドされたアミノ酸配列を含んでいる、実質的に純粋なタンパク質。 2.神経栄養、成長、または分化因子活性を有する、請求の範囲第1項記載のタ ンパク質。 3.請求の範囲第1項記載のタンパク質と、前記ペプチドが混合される生理学上 許容される担体とを含んで成る組成物。 4.タンパク質をコードしている配列と、これに機能的に連結された発現ベクタ ーとを含んで成り、前記タンパク質が神経栄養、成長、または分化因子活性を有 し、かつ配列番号NO:2から発現され得ることを特徴とするオリゴヌクレオチ ド構成物。 5.発現ベクターが哺乳類またはウイルスの発現ベクターである、請求の範囲第 4項記載の構成物。 6.生理学的に活性型であることを特徴とし、配列番号NO:4、配列番号N0 :8、または配列番号NO:10のDNAにコードされたアミノ酸配列を含んで いる、実質的に純粋なタンパク質。 7.神経栄養、成長、または分化因子活性を有する、請求の範囲第6項記載のタ ンパク質。 8.請求の範囲第6項記載のタンパク質と、前記タンパク質が混合される生理学 上許容される担体とを含んで成る組成物。 9.タンパク質をコードしている配列と、これに機能的に連結された発現ベクタ ーとを含んで成り、前記タンパク質が神経栄養、成長、または分化因子活性を有 し、かつ配列番号NO:4、配列番号NO:8、または配列番号NO: 10から発現され得ることを特徴とするオリゴヌクレオチド構成物。 10.前記タンパク質が可溶性の形で発現可能である、請求の範囲第9項記載の 構成物。 11.前記発現ベクターが哺乳類またはウイルスの発現ベクターである、請求の 範囲第9項記載の構成物。 12.少なくとも一つのWntタンパク質と複合している実質的に純粋なfrz b−1タンパク質を含んで成る複合体。 13.生理学的に活性型であることを特徴とし、配列番号NO:6のDNAにコ ードされたアミノ酸配列を含んでいる、実質的に純粋なタンパク質。 14.中胚葉を分化させる活性を有する請求の範囲第13項記載のタンパク質。 15.請求の範囲第13項記載のタンパク質と、前記タンパク質が混合される生 理学上許容される担体とを含んで成る組成物。
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