【発明の詳細な説明】
フィルターカートリッジ用ポリアミド分散の使用
関連申請の前後参照
本出願は、1997年3月31日申請による約定出願第60/042,193号に対する優先権
を主張する。
発明の背景 発明の属する技術分野
本発明は、フィルターに関するものであり、特にフィルターカートリッジ作成
用接着剤の使用に関する。従来の技術
フィルターとは、一般的に機械類を循環する液体から微粒子不純物を除去する
ために使用される。例えば、自動車は一般的には、吸入空気及びモーターオイル
から微粒子不純物を除去するためにフィルターを使用する。ドライクリーニング
装置は、洗剤溶媒から塵や埃を除去するためにフィルターを使用する。
そのようなフィルターは、しばしば置換可能なカートリッジ型として供給され
る。典型的には、そのようなフィルターは、支持体に粘着する波形または襞形フ
ィルター紙を含む。例えば、フィルターは、液体がフィルターを通過して放射状
にポンプされるように一般的には円筒形に形成し得る。カートリッジは、通常は
エンドキャップで密閉される。
接着剤は、カートリッジ内でエンドキャップ及び/または円筒形支持体に、フ
ィルター紙を固定するために使用する。一般的には、プラスチゾル(plastisol
)のようなポリビニル塩化物(PVC)ベースの接着剤が使用される。例えば、プラ
スチゾルをエンドキャップに適用して、フィルター紙をエンドキャップ内に配置
して、オーブン中でプラスチゾルを硬化する。
フィルターが、フィルター内の波形フィルター材の前端に添付する金属製エン
ドキャップを持ち、金属製エンドキャップが放射状に伸長する部分、及び内部及
び外部の軸方向伸長部分を持ち、一方の軸方向伸長部分が他方よりも長い、放射
状密閉空気フィルターが発表されている。プラスチゾルは、金属製エンドキャッ
プを波形フィルター材の末端表面に接着し、35〜40ヂュロメーターの硬度を持つ
加硫ゴムから成るシールをエンドキャップの外表面に接着するために使用される
。フィルターの対端は、プラスチゾルで接着される円形金属皿で閉鎖する。フィ
ルターの指定期間経過後または目ずまりを生じた後で、フィルターハウジングか
らのフィルター回収を可能とするために、円形金属皿上にループをピボットする
。
内部の襞を正確に配置してフィルターパックを立体的に安定化するために内部
周囲に配列する接着性樹脂から成る複数の縦間隔のバンドを持つ縦折りフィルタ
ー紙から成る環状フィルターパックが発表されている。フィルターパックは、様
々な液体を濾過するために使用されるフィルターカートリッジ中に組込まれる。
PVCベースのプラスチゾル接着剤系は、その塩素含有量のために健康危険物質
として精査されている。従って、エンドキャップまたはフィルターカートリッジ
内のその他の支持体及びその類似物へのフィルターの固定に使用するための代わ
りの非PVCベース接着剤があれば有利である。
発明の概要
本発明では、液体濾過用の装置を供給する。該装置は、ハウジング、液体から
微粒子物質を分離するためのフィルター、及びハウジング内においてフィルター
を保定するための支持体を含む。フィルターは、例えば、波形または襞にし得る
多孔性紙であり得る。該フィルターを、支持体及び/またはフィルター紙に適用
し得るポリアミドの水性分散の手段により支持体に粘着し、樹脂を固形化するた
めに大気条件またはオーブン中で乾燥する。ポリアミドは、好ましくは、約8〜
24炭素原子を含む脂肪酸に由来する。該分散は任意に、界面活性剤または増粘剤
を含み得る。
ポリアミドの水性分散は含塩素樹脂の使用を好都合に排除して、カートリッジ
内にフィルターを保定するための容易に使用可能な接着剤を供給する。
図の簡単な説明
図1は、フィルターカートリッジの側正面図である。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明による方法は、空気、油、水またはその他の液体のためのフィルターカ
ートリッジ内のエンドキャップまたはその他の支持構造にフィルターを固定する
ための接着剤として水性ポリアミド分散を使用する。ポリアミド分散は、自動車
に使用されるような空気フィルターカートリッジのために特に有用である。ポリ
アミド分散は、工程必要条件を満たすために適切な増粘剤(以下に説明)により
濃化し得る。下分に示す全ての数量は、実施例また特に指摘されなければ、"約"
という言い方により緩和されると理解すべきであることを特記する。
本発明に使用する適切なフィルターカートリッジの構成要素を図1に例示する
。図1によると、実例化自動車空気フィルターカートリッジ10は、内部及び外部
円筒形メッシュ支持体各々11及び12を含み、支持体は2枚のエンドプレート16及
び17間に同心的に配置される。通常は紙から加工される様な襞付き多孔性フィル
ター13を、内部及び外部メッシュ支持体11及び12間の環状空間内に配置して、接
着層14及び15によりエンドプレート16及び17に粘着させる。接着剤はエンドプ
レート16、17及び/またはフィルター13に適用される水性ポリアミド分散であり
、大気条件または例えば、50℃〜100℃の穏かな加熱下のオーブン中における乾
燥により硬化し得る(すなわち、水と分散内の残留溶媒の蒸発である)。
本発明に使用出来る水性分散を形成するために使用し得る多種類のポリアミド
樹脂が存在することは好都合である。好ましいポリアミド樹脂分散は、Henkel
Corporationから、製品名Macromelt 6211として市販されており、以下に説明す
る方法に従って調製し得る。本明細書中において使用する、術語"ポリ
アミド樹脂"または"樹脂"は、個々の、化学的に明瞭な重合脂肪酸ポリアミド樹
脂及びその混合物を含む組成物を含むことを意味する。ポリアミド樹脂は、市販
されており、また一般的に既知の方法により調製し得る。
ポリアミド樹脂は、最低軟化点が90℃であり、好ましい軟化点が120℃〜200℃
の範囲である。
術語"重合脂肪酸"は、天然において一般的であり、脂肪酸から獲得される重合
酸を言及する。術語"脂肪酸"は、飽和、エチレン化不飽和、アセチレン化不飽和
、8〜24炭素原子を含む、天然発生及び合成一塩基性脂肪族カルボン酸を言及す
る。本申請中にC18脂肪酸から収得される重合脂肪酸ポリアミド樹脂についての
特別の参照があるが、本明細書に説明する方法は、同様にその他の重合脂肪酸ポ
リアミドについても使用し得る。
本発明に使用する重合脂肪酸の調製のための好ましい開始酸は、即入手可能で
あり、また重合化が比較的容易であるために、オレイン酸とリノール酸である。
オレイン酸とリノール酸の混合物は、トール油脂肪酸内に発見され、これらの酸
の好都合な商業的原料である。脂肪酸は様々な既知の触媒及び非触媒重合法を使
用して重合化し得る。本明細書中に使用されるポリアミド樹脂のための開始物質
として使用される重合C18トール油脂肪酸の典型的組成は:
C18一塩基酸(単量体) 重量比 0‐15%
C36二塩基酸(二量体) 重量比 60‐95%
C54(またはそれ以上)三量体酸または多塩基酸 重量比 0.2‐35%
本発明における使用のための重合脂肪酸ポリアミド樹脂の調製において、最終
産物における最適の物理特性を獲得するために、開始重合脂肪酸ができるだけ高
率の二量体(C36二塩基)酸、例えば、少なくとも90重量%を含むことが好ましい
。
重合脂肪酸の他に、脂肪族、環状脂肪族、及び芳香族ジカルボン酸を含む、広
範囲のジカルボン酸を重合脂肪酸ポリアミド樹脂の調製のために使用し得る。そ
のような酸(2〜22炭素原子を含む)の代表は、シュウ酸、グルタル酸、マロン
酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ピメリ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ドデカンジオ酸、及びフタル酸、ナフタレ
ン−ジカルボン酸、及び1,4‐または1,3‐シクロヘキサンジカルボン酸である。
本発明に使用する好ましいジカルボン酸は、少なくとも6炭素原子を有し、また
より好ましくは、アゼライン酸、セバシン酸、及びドデカンジオ ジカルボン酸
のような6〜22炭素原子を持つ直鎖状脂肪族二酸である。対応する酸無水物、エ
ステル、及びこれらの酸の酸塩化物の使用は、術語 "ジカルボン酸"に含まれる
と理解すべきである。これらの酸及び無水物は、市販の製品として商業的入手が
容易であり、またその調製方法は既知である。
モノカルボン酸を分子量制御のために添加し得る。好ましいモノカルボン酸は
直鎖状で2〜22炭素原子を持つ。最も好ましくは、ステアリン酸、トール油脂肪
酸及びオレイン酸である。
本発明に使用する重合脂肪酸ポリアミド樹脂の調製に使用するジアミンは、1
またはそれ以上の、2〜20炭素原子を持つ、既知脂肪族、環状脂肪族、または芳
香族ジアミンである。好ましくは、エチレンジアミン、1,3‐ジアミノプロパン
、1,4‐ジアミノブタン、p‐キシレンジアミンとして既知のテレフタルジアミ
ン、1,6‐ヘキサメチレンジアミン、ビス‐(4‐シクロヘキシルアミン)メタ
ン、2,2‐ビス‐(4‐シクロヘキシルアミン)プロパン、ポリグリコールジア
ミン、イソホロンジアミン、m-キシレンジアミンとして既知のイソフタルジアミ
ン、シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,4'‐ビス‐(2‐アミノエチル)
ベンゼン、二量体ジアミン、ポリエーテルジアミン、メチルペンタメチレンジア
ミン、及びピペラジンのような、アルキレンジアミンである。これらのジアミン
化合物は、全て既知の方法により調製され、その多数は市販されている。特に好
ましくは、2〜20炭素原子を持つ直鎖状脂肪族ジアミンであり、特にエチレンジ
アミン及びヘキサメチレンジアミン、また脂環式ジアミン、特に4,4'‐メチレン
ビス(シクロヘキシルアミン)及びピペラジンである。
ある実施態様においては、ポリアミドはさらにポリオキシアルキレンジアミン
を含む反応体から調製される。ポリオキシアルキレンジアミン反応体は、アミノ
化合物がアミノ基及び特に水溶性ポリエーテル鎖を含む、1またはそれ以上のア
ミノ化合物を含む。ポリオキシアルキレンアミン反応体は水溶性であるか、また
は少なくとも一部水溶性である。
有用なポリオキシアルキレンジアミンの実例は次の構造式を持つ:
H2N‐CH(R2)CH2‐O‐R1‐CH2CH(R2)‐NH2
式中:
R1は、以下の構造式を持つポリオキシアルキレン鎖を表示する:
(O‐CH2‐CH2‐)a‐(O‐CH2‐CH(R3))b
式中:R3は、C1〜C4脂肪族炭化水素から成る群から選択する一価有機遊離基であ
り、
'a'は、エトキシ基(O‐CH2‐CH2)数を指定し、
'b'は、一置換エトキシ基(O‐CH2‐CH(R3))の数を指定し、
'a'と'b'の合計は、10以上であるが、300に等しいかまたは以下であり、a
及びbのいずれの値に関しても、ポリオキシアルキレン鎖内のエトキシ基及び一
置換エトキシ基の配列が完全にランダムであり、及び/またはエトキシ基及び/ま
たは一置換エトキシ基のブロックがあり得ることを規定し、また
R2は、水素またはC1〜C4脂肪族炭化水素から成る群から選択される一価有
機遊離基を示す。
適切なポリオキシアルキレンアミンの調製法は当該分野において既知であり、
また2ヒドロキシル基を含む反応開始剤のエチレンオキシド及び/または一置換
エチレンオキシドとの反応の結果として生じる末端ヒドロキシル基のアミン変換
を含む。本発明に使用するポリオキシアルキレンアミン反応体の実例は、Huntsm
an Corporation、Houston、Texas販売によるJeffamineTM商標のポリオキシアル
キレンアミンである。これらのポリオキシアルキレンアミンは、二官能反応開始
剤のエチレンオキシド及びプロピレンオキシドとの反応結果生じる末端ヒドロキ
シル基のアミン変換により調製する。最も好ましいポリオキシアルキレンアミン
は、Huntsman Chemical CompanyによるJeffamineTMD‐シリーズポリオキシア
ルキレンアミンであり、約600〜6000の数平均分子量を持つ。
開始重合脂肪酸とジアミン間の可能な限り完全アミド化の結果である重合脂肪
酸ポリアミドを原料として使用することが好ましい。当業者は、アミド化工程の
完了度が、最終産物ポリマーの酸価とアミン価を評価することにより測定し得る
ことを認識する。理想的には、使用するポリアミド樹脂の酸官能性はゼロ(0)
であるべきである。しかし、完全反応を達成することは、不可能ではないにして
も、しばしば困難であり、酸価は2またはそれ以下、好ましくは1以上であるべ
きではない。ポリアミドは、比較的低アミン価を持つべきであり、典型的には40
以下、より典型的には2〜20である。好ましいポリアミドは6〜12、好ましくは
7〜10の範囲のアミン価を持つ。
重合脂肪酸ポリアミド樹脂中に存在する遊離酸基及び遊離アミン基数は、重合
反応に包含する重合脂肪酸、ジカルボン酸、及びジアミンの相対量及び反応完了
度に直接に関連する。前記の理由により、利用可能な酸基及びアミン基の総数に
基づく重合脂肪酸とジカルボン酸及びジアミンのおおよその化学量論的量(典型
的にはアミノ基がわずかに過剰であり、例えば、総アミン基の総酸基に対する比
率は、1.02:1〜1.1:1であり、より典型的には1.04:1〜1.08:1である)
を、本発明のためのポリアミド樹脂の調製に使用すべきであり、アミド化反応の
完了または実質的な完了を保証するようにその反応条件を選択すべきである。ア
ミド化反応に必要な反応条件は一般的に当該分野において既知であり、一般的に
は100℃〜300℃の温度で1〜8時間、反応を行う。特に反応後期において、より
完全なアミド化反応を生起するために、リン酸のような酸性触媒及び真空を使用
し得る。
有用なポリアミド樹脂の実例は、例えば、米国特許第3,377,303号、第4,777,2
38号、及び5,154,760号に発表されるポリアミド樹脂を含み、その発表を参照と
して本明細書中に引用する。
一般的には、本明細書において最も有用であるポリアミド樹脂は、中程度の分
子量、すなわちナイロンのような高ポリアミドポリマーよりも分子量が小さいが
、ポリアミドオリゴマー、例えばエポキシ硬化剤として使用されるアミノポリア
ミドよりは分子量が大きい。好ましいポリアミドは典型的には、重量平均分子量
が35,000以上であり、40,000以上がより典型的であるが、200,000以下、さらに1
5
0,000以下がより典型的であり、50,000〜100,000が特に典型的である。好ましい
ポリアミドはまた、多分散性(重量平均分子量/数平均分子量により定義される
)が4以下であり、より典型的には3.5以下、さらに典型的には3.0以下であり、
典型的には1.5〜3.0であり、より典型的には2.0〜2.8である。ポリアミドの分子
量は、以下により詳細に説明する粒度排除クロマトグラフィーにより測定し得る
。
本発明による工程の第一段階は、有機溶媒中におけるポリアミド樹脂溶液の形
成である。有機溶媒は典型的には、9〜12、より典型的には10〜11.5、また最も
典型的には10.5〜11のヒルデブランド溶解度パラメーターを有する。有機溶媒は
、水和性を持ち、または少なくとも水中でわずかに可溶性でなければならない。
有用な溶媒の実例は、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及び
シクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸メチル及び酢酸エチル)、エー
テル類(例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、1,4‐ジオキサン及
びテトラヒドロフラン)、及び複素環式化合物(例えば、N‐メチル2‐ピロリ
ドン)のような酸素化炭化水素を含む。有機溶媒の好ましい実例は、n‐プロパ
ノール、イソプロパノール、n‐ブタノール、及びイソブタノールを含む中鎖(
例:C3‐C5アルカノール類)である。好ましい溶媒は、水と低沸点を持つ共沸混
合物を形成して、蒸留により分散からの溶媒除去を促進する。好ましい溶媒はま
た、ポリアミドの軟化点(例:ASTM E28‐67の環球法による)の温度以下まで、
ポリアミド溶液を、加圧なしに、加熱することを可能とするために、大気圧下で
少なくとも100℃の沸点を持つ。本加熱によりポリアミド溶液の粘度を減少して
、溶液と分散のその他の成分との混合を促進する。
有機溶媒は通常では、ポリアミド全量を溶解し、分散を形成し、およそ水の常
圧沸点、例えば90℃〜100℃、の温度で流動粘度を供給するのに丁度十分である
量を使用する。典型的には、ポリアミド樹脂固形の溶媒に対する重量比は、1:
2〜5:1であり、より典型的には、1:1〜3:1であり、さらに典型的には
、1.5:1〜2.5:1である。
界面活性剤もまた分散の調製に使用され、主としてポリアミド溶液と有機溶媒
中に溶解されるが、ポリアミド及び/または溶媒とのプレミックス(前混合)中
に存在してもよい。界面活性剤の使用量は典型的には、ポリアミド樹脂固形重量
の0.15〜20%、より典型的には1%〜15%、またさらに典型的には5%〜10%である。
界面活性剤は典型的には、非イオン界面活性剤であるが、非イオン界面活性剤
にアニオン界面活性剤を併用し得る。アニオン界面活性剤を非イオン界面活性剤
と併用する場合は、非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤の重量比は典型的
には20:1〜1:1の範囲であり、より典型的には9:1〜1:1であり、さら
に典型的には4:1〜2:1である。
非イオン界面活性剤は、疎水基及び非イオン親水基、典型的にはポリオキシエ
チレン基を含む化合物である。非イオン界面活性剤の実例は、7〜18炭素原子か
ら成るアルキル基及び、6〜60オキシエチレン単位を持つアルキルフェノキシポ
リエトキシエタノールを含み、例えば、ヘプチルフェノキシポリエトキシエタノ
ール、メチルオクチルフェノキシポリエトキシエタノール、及びその類似物;メ
チレン‐結合によるアルキルフェノールのポリエトキシエタノール誘導体;6〜
60(より典型的には20〜50)モルのエチレンオキシドをノニルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、及びその類似物、またはアルキル基が6〜16炭素原子を含
むアルキルチオフェノールを添加して縮合することにより作製するイオウ含有剤
;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びその類似物、ま
たは1分子当たり6〜60オキシエチレン単位を含むトール油内に発見されるよう
な酸の混合物ような、長鎖カルボン酸のエチレンオキシド誘導体;、オクチル、
デシル、ラウリル、またはセチルアルコールのような長鎖アルコールの同属エチ
レンオキシド縮合物、C11〜C15である第二級アルコールの混合物のような長鎖第
二級アルコールの同属エチレンオキシド縮合物;6〜60オキシエチレン単位を含
むソルビタンモノステアリン酸塩のような、疎水性炭化水素鎖を持つエーテル化
またはエステル化ポリヒドロキシ化合物;また、6〜60オキシエチレン単位を含
む、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、及びオクタデシルアミンのような、
長鎖または分岐鎖アミンを持つエチレンオキシド縮合物;1またはそれ以上の疎
水性プロピレンオキシド部位と結合するエチレンオキシド部位から成るブロック
共ポリマー。好ましい界面活性剤は、20〜50の反復する
オキシエチレン単位と10〜18炭素原子を持つアルキル基を有するエトキシル化脂
肪アルコールである。
アニオン界面活性剤は、疎水基及び陰イオン基、典型的にはカルボン酸塩、硫
酸塩またはリン酸塩基を含む化合物である。アニオン界面活性剤の典型的実例は
、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン
酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセロールエーテルスルホン酸塩、α
‐メチルエステルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸、例えば、ラウリル硫酸塩、脂肪
アルコールエーテル硫酸塩、グリセロールエーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エー
テル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫
酸塩のようなアルキル硫酸塩、、モノ‐及びジアルキルスルホコハク酸塩、モノ
‐及びジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、
エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオン酸塩、脂肪酸サルコシン酸塩
、脂肪酸タウリン酸塩、アシル乳酸塩、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩
、アシルアスパラギン酸塩、アルキルオリゴグルコシド硫酸塩、タンパク脂肪酸
縮合物(特に、コムギベースの植物性物質)アルキル(エーテル)リン酸塩、及
びアルカリル(エーテル)リン酸塩である。
好ましいアニオン界面活性剤は、エトキシル化アルカノールまたはアルキルフ
ェノールのリン酸エステルである。アニオン界面活性剤の特に好ましい種類の代
表は、(I)R‐O‐(CH2CH2O)n‐PO3M2、及び(II)(R‐O‐(CH2CH2O)n)2PO2Mの構造
式を持つ化合物の混合物であり、式中、nは1〜40の数であり、Rはアルキル基ま
たはアラルキル基、及びMは水素、アンモニアまたはアルカリ金属である。好ま
しくは、RはC4〜C12アルキルフェノールで、nは5〜15である。この種の好まし
いアニオン界面活性剤の特に好ましい代表例は、Rhone‐Poulenc、Cranberry N
ew JerseyによりRhodafac RE‐610として市販されており、構造式IとIIの各々
の化合物の4:1混合物であり、Rはノニルフェニル、nは平均9であると考え
られる。
有機溶媒中におけるポリアミド溶液はまた、溶液を水中油分散を形成するのに
十分量の無機アルカリ物質を含み得る。典型的に、該無機アルカリ物質は、該溶
液中に、水中油分散を形成するために分散中に水を添加する以前に、溶液を少な
くともpH10、より典型的には少なくとも11、またさらに典型的には少なくとも12
とするのに十分量存在する。無機アルカリ物質の実例は、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ソーダ灰、及びその類似物のハイソリッド水溶
液を含む。典型的には、無機アルカリ物質の水溶液を、混合しながら有機溶媒中
のポリアミド及び界面活性剤溶液中に添加する。アルカリ物質は、しかしながら
、その他の物質のいずれとプレミックスしてもよい。好ましい無機アルカリ物質
は、水酸化ナトリウムであり、また水酸化ナトリウム量は典型的にはポリアミド
重量の0.75%以上、より典型的には少なくとも0.80%であり、さらに典型的には0.
90%であり、好ましくは少なくともポリアミドの重量比1.0%である。
水中油分散を形成するために十分な量の含酸水を次に、混合しながら、混合物
へ添加する。水中油分散形成のために添加する場合は、水性酸は通常は室温であ
る。生成混合物の温度は従って、典型的にはポリアミド樹脂の軟化点よりかなり
低く、より典型的にはポリアミド樹脂の軟化点より50℃以上低く、例えば、生成
混合物の温度は通常では60℃〜85℃である。水性酸を、水中油分散を形成するた
めに、典型的には一分間に100重量部のポリアミド樹脂固形当たり1重量部〜5
重量部の水性酸の割合で通常はゆるやかに添加する。混合物を通常は水性酸の添
加期間中、生成混合物の温度上昇の維持のために加熱する、すなわち水性酸添加
中は、生成混合物は通常は60℃〜85℃の温度である。この温度上昇は典型的には
、ポリアミド樹脂軟化点よりも50℃以上は低い。添加する水性酸の総量は、水の
ポリアミド樹脂固形に対する重量比が1:1〜5:1、より典型的には1:1〜
3:1、またさらに典型的には1.5:1〜2.85:1の範囲である混合物を供給す
るのに十分な量である。勿論、有機溶媒の蒸留が、例えば有機溶媒との共沸混合
物としての水分をある程度除去するならば、従って蒸留後に適切な水量を有する
分散を獲得するために、添加する水の量を調整しなければならない。
水性酸は希釈酸としての特性を持つ。分散からポリアミドの凝析なしに水中油
分散を形成するために、有機溶媒除去以前の水中油分散のpHが十分高いように、
水中における酸濃度は十分に低くなければならない。水中の酸濃度は、有機溶媒
除去前の水中油分散のpHが少なくとも9、またより典型的には少なくとも9.5、
好ましくは少なくとも10.0であるために十分低くなければならない。
酸は分散と適合性のあるいかなる酸でもよい。実例は、塩酸、硫酸、及びリン
酸のような鉱酸、及びカルボン酸やスルホン酸のような有機酸を含む。好ましい
酸は、酢酸やプロピオン酸のような下級アルキルモノカルボン酸、及びシュウ酸
のような下級アルキレンジカルボン酸である。好ましい酸は酢酸であり、無機ア
ルカリ物質を一部中和するために使用する酢酸量は、典型的にはポリアミド重量
の0.5%以上〜1%までであり、無機アルカリ物質と酸のモル比は1.25:1〜3:1
、より典型的には1.5:1〜2.5:1である。
分散形成に使用する混合法は高速剪断混合の必要はない。従って、適切な粒子
サイズから成る分散収得のためには、従来のホモジナイザーまたはディスペンサ
ーを使用する必要はない。主として、低‐中等度の回転数、例えば、350〜450rp
mの速度で作動する、直径5〜10cmの単純かい式ミキサーで操作されるプロペラ
式撹拌器が供給するような低‐中等度な剪断混合でよい。
有機溶媒を次に、蒸留により水中油分散生成物から本質的に完全に除去する。
蒸留は、通常は大気圧または減圧における従来の分別蒸留であり、分散中の水重
量の大部分を保留するように実施する。蒸留は、本質的には有機溶媒全量を除去
するために有効でなければならず、例えば、残留有機溶媒の重量の2%以下、より
典型的には1%以下が分散中に残存する。重量比で1%以下量の除去は一般的には必
要または有効と見なされないために、残留溶媒量は通常では0.5%〜0.95%の範囲
である。蒸留後、水中油分散生成物を冷却する。分散のpHを次に本質的に中和pH
、例えば、典型的にはpH4〜8.5、より典型的には6.0〜8.0に、酸性物質、例え
ば塩酸または硫酸のような鉱酸、または酢酸またはプロピオン酸のような有機酸
を加えて中和し得る。
生成分散の体積平均粒子サイズは典型的には、0.01〜20ミクロメーターであり
、より典型的には0.01〜5ミクロメーター、またさらに典型的には0.05〜1ミク
ロメーターである。アニオン界面活性剤の非イオン界面活性剤との併用は、非イ
オンまたはアニオン界面活性剤の単独使用と比較して、より小さい平均粒子サイ
ズ、例えば0.05〜0.1ミクロメーターの分散を生成することが発見されている。
本発明の工程がポリアミドの分子量を全くまたはほとんど影響しないこと、
すなわち、ポリアミド分散工程中に実質的にはポリアミドの加水分解が行われな
いこともまた発見されている。
形成する凝析物量を、分散を60メッシュ(250ミクロメーター)スクリーンを
通過することにより測定し得る。収集物質量が分散の重量比で2%以上の場合に、
ポリアミドが分散から凝析したと見なされる。
本発明によるポリアミド水性分散は、前記の物質の他に、重合有機酸の水溶性
アルカリ金属塩及びリグニン誘導体、タンパク質、水溶性セルロース誘導体、ス
ターチ、アルギン酸、及び長鎖アルコール及びレシチンのような保護コロイドの
ような様々な添加物を含み得る。使用する添加物量は、ポリアミド樹脂の重量に
基づいて、重量比で0%〜5%まで変化し得る。
水性分散はまた増粘剤(シックナー)を含み得る。増粘剤量は、必要な粘度を
持つ分散を収得するために調整し得る。増粘剤は、通常は次の2種類、すなわち
、水溶性ガムまたは結合増粘剤、の一つである。水溶性ガムは、ポリマー科学と 工学辞典
、vol 7、pp.589‐613(John Wiley & Sons,Inc.N.Y.、N.Y.
1987)において説明されており、その発表を参照として引用する。これらの物質
は高分子量ポリマーで、典型的には多糖類(ポリサッカリド)であり、水溶性で
ポリマー鎖の絡み合いにより濃化する。そのようなポリマーの実例は、ヒドロキ
シエチルセルロース及びカルホキシメチルセルロースを含む。鎖の絡み合いによ
ってまた濃化を起こす合成ポリマーもまた利用できる。実例は、アルカリ膨化ア
クリルポリマー、例えば、下級アルキル(例:メチル、エチル、またはブチル)
アクリル酸エステルとアクリルまたはメタアクリル酸の共ポリマーを含む。これ
らのポリマーは典型的には、中性またはアルカリpH、例えばpH6以上で水を濃化
する。
増粘剤は好ましくは結合増粘剤である。結合増粘剤は、濃化機構が、増粘剤分
子内の疎水種と、増粘剤分子または濃化する反応系内の分子のその他の疎水表面
との疎水性結合を含むために、結合増粘剤と呼称される。結合増粘剤の他の種類
は、疎水変性ポリウレタン、疎水変性ポリエーテル、疎水変性アルカリ可溶性エ
マルジョン、疎水変性ヒドロキシエチルセルロースまたはその他の生成物、及び
疎水変性ポリアクリルアミドを含むが、それに限定されるわけではない。通常は
水溶性であるか分散ポリマーである、これらの結合増粘剤の分子量及びHLBを、
増粘剤を含む水性組成物に適切なレオロジー特性(流動学的特性)を与えるのに
十分高位であるように選択する。通常ではポリマーは、本ポリマーの2‐3重量
パーセントを含む溶液が、少なくとも5,000、好ましくは少なくとも15,000、最
も好ましくは少なくとも20,000センチポアス(ブルックフィールド粘度計におい
て、25℃、10RPMで3番スピンドルを使用して測定)の粘度を呈示するような構
造を持つ。結合増粘剤の実例は、米国特許第5,425,806号(Doolanら)において
発表されており、その発表を本明細書中に参照として引用する。
分散内の増粘剤の正確な準位は、その増粘剤の特質と効率、及び分散の必要粘
度により変化するが、一般的には濃化する系の総重量の0.1%〜10%、より典型的
には0.1%〜5%である。増粘剤を添加しない分散の粘度は、通常は10〜100センチ
ポアズ範囲内である。増粘剤量は、通常では分散に100センチポアズ以上、例え
ば150〜5,000センチポアズ、の粘度を付加するのに十分量であればよい。
結合増粘剤のうち、以下の2つの化学型、すなわち、ウレタン増粘剤及びポリ
エーテル増粘剤が好ましい。本発明において有用であるウレタン増粘剤は、少な
くとも1つの親水セグメントにより分離される少なくとも2つの疎水セグメント
を持つウレタン‐官能化合物である。これらのセグメントは、水中油エマルジョ
ンのためにポリマーが結合増粘剤として作用することを可能とする。そのような
化合物の実例は、米国特許第4,079,028号(Emmonsら)中に記載されており、そ
の発表を本明細書中に参照として引用する。典型的には、ポリマーは少なくとも
そのうち2つが末端(外部)疎水基である、少なくとも3つの低分子量疎水基を
持つ。多数のポリマーがまた1またはそれ以上の内部疎水基を持つ。疎水基は典
型的には併せて少なくとも20炭素原子を持ち、主として少なくとも分子量が15,0
0、好ましくは少なくとも3,000であるポリエーテルセグメントを含む親水(水溶
)基を介して結合しており、自己可溶、または水和性アルコールまたは界面活性
剤のような既知の可溶剤との相互作用を介して、ポリマーは水に容易に溶解する
。ポリウレタンの分子量は典型的には10,000〜200,000の次数である。
ポリエーテル増粘剤は、少なくとも1つの親水セグメントにより分離される少
なくとも2つの疎水セグメントを持つポリエーテル官能‐化合物である。これら
のセグメントは、水中油エマルジョンのためにポリマーが結合増粘剤として作用
することを可能とする。このような化合物の実例は、1991年11月7日申請による
、米国申請番号第07/787,905号及び1994年5月9日申請による、米国申請番号第
08/236,328号に記載されており、本明細書中に参照として引用する。後者の申請
は、構造式(I)を持つ化合物を発表する:
R1‐(O‐A)a‐B1‐R2‐(B2‐R3)d‐(B3‐(A'‐O)bf‐(A'‐B4)f‐R4‐(B5−R5)e
)n‐B6‐(A"O)c‐R6式中、R1及びR6は、脂肪族、置換脂肪族、芳香族、置換芳
香族から成る群より自由に選択する一価疎水基;
R2及びR4は、脂肪族、置換脂肪族、芳香族、または置換芳香族から成る群
より自由に選択し、各基が二価または三価である;
R3及びR5は、水素、下級アルキル及び下級アラルキルから自由に選択する
;
B1、B2、B3、B4、B5、及びB6は、酸素原子(エーテル結合:‐O‐を形成)
、カルボン酸塩基(エステル結合:R2‐C(O)‐O、及び/またはR4‐C(O)‐Oを形
成)、アミノ基(アミノ結合:R2‐N(R)‐及び/またはR4‐N(R)‐を形成、式中、
Rは水素、下級アルキル、下級アラルキル、下級アシル)、及びアミノ基(アミ
ノ結合:R2‐N(R)‐C(O)‐及び/またはR4‐N(R)‐C(O)‐を形成、式中、Rは水素
、下級アルキル、下級アラルキル、下級アシル);
a,、b、c、d、e、f、及びnは、整数であり、aとcは各々20以上‐200から自
由に選択する整数、bは20以上‐450である整数、d、e、fはゼロ(0)または1、;
及びnは1‐5である整数;そして
A、A’及びA"は、各々エチレン、1,2‐プロピレン、1,2‐ブチレン単位また
はその組み合わせである。
好ましい化合物では、R1とR6は各々、4〜50炭素原子を持つ脂肪族、置換脂肪
族、芳香族、または置換芳香族基であり;B1‐B6は各々、酸素原子;R2とR4はい
ずれも、プロパントリイル基またはメタ‐キシリル基;dとeは、(i)両方とも0
(例えば、R2とR4が両方共メタ‐キシリル基の場合)または(ii)両方が1で
R3とR5が水素、メチル基またはベンジル基(例えば、R2とR4が両方共プロパント
リイル基の場合);fはO;A、A'、及びA"が各々、エチレン、nが1、bが50‐45
0、より好ましくは90‐450、aとcの値は各々、50‐150の範囲である。
ポリアミド分散は同様に、粘度調節剤、可塑剤、染料、顔料及びその類似物の
ようなその他の物質を含み得る。分散は通常では、米国特許第5,407,985号に発
表されるようなアミノ酸安定剤を含まない。水性分散は例えば、建築または積層
接着剤と同様に、オーバープリントワニス及び水性インクにも使用される。
以下の実施例は、好ましいポリアミド樹脂とそれから調製する分散の調製法を
さらに詳しく例証するが、追加請求により特に説明されない限り本発明の範囲は
これに限定されるものではない。全ての部、割合、及び比率は特記されない限り
重量による。本明細書において使用する術語"大量"は、少なくとも重量比で50%
以上を意味し、術語"少量"は、重量比で50%以下を意味する。
実施例 試験方法 SEC によるポリアミド分散の分子量及び分子量分布(MED)の測定法 試料調製
:約60mgの試料を計量して、ディスポーザブルシンチレーション瓶内に
入れる。5mlの溶媒混合物(テトラヒドロフラン/メタノール75/25に0.5%トリエ
チルアミンを添加)をディスポーザブル5ml用メスピペットを使用して添加する
。溶解後、約1ml溶液を0.5ミクロンのメタルフィットを通して自動試料瓶中に濾
過する。分子量の較正及び計算
:1ダースの細いMWDポリスチレン標準で、SECカラムの分
子量1,000ダルトン〜分子量2,000,000ダルトンの範囲を較正した。試料の分子量
平均値を、検出器反応及びこの較正曲線に対する保持時間から、PE Nelson SE
Cソフトを使用して計算した。クロマトグラフィー条件
:
実施例 1
ポリアミド樹脂を樹脂鍋の中で、以下のように二塩基酸とジアミンの混合物か
ら調製する。二塩基酸混合物は、VERSADYME 288としてHenkel Corp.から市販
されており、重量比による最低二量体含有量が約90%である、54当量%の二量酸と
46等量%のアゼライン酸である。ジアミン混合物は、24.5当量%のエチレンジアミ
ンと74.5当量%のピペラジンである。総酸当量に対する総アミン当量の比率は、
約0.95:1である。混合物は、100重量部の二量酸当たり0.022重量部のリン酸触
媒と100重量部の二量酸当たり0.0005重量部の泡止め剤をまた含み、1.5‐2時間
、225℃の温度で、窒素散布下で加熱する。225℃で約1.5時間後、約40mmHgの減
圧を約1時間加える。その後、常圧に戻して混合物を樹脂鍋から取り出す。
ポリアミド樹脂の分散は以下のように調製する。
方法:
固形ポリアミド樹脂、界面活性剤、及びイソブタノールを反応器に入れる(Tr
ycol 6969界面活性剤は70%固体30モルであるノニルフェノールのエトキシル酸
塩であり、HLBが約17.1である)。ゆるやかな撹拌を開始して、100℃に加熱して
15分間保持する。85℃まで温度を低下する。水酸化ナトリウム溶液を加えて、15
分間混合する。反応器内の温度を70℃‐75℃に低下しながら、酢酸(0.33%水溶液
)を1.32部/分の割合で反応器に加える。泡止め剤を加えて、環流加熱により共沸
混合物を除去する。40℃に温度を低下して、エチレングリコールを添加する。分
散のpHを酢酸で7.0‐7.5に調整する。25℃‐30℃に冷却して分散を取り出す。実施例 2
60.5当量%二量体酸、0.5当量%ステアリン酸、39当量%アザレイン酸である酸成
分、また55当量%ピペリジン、25当量%エチレンジアミン及び20当量%N‐アルキル
1,3‐プロピレンジアミンであるアミン成分を使用することにより、アルキル基
がその鎖の長さ及び分布においてトール油脂肪酸に対応するような組成で実験1
を反復することが可能である。
実施例 3
実施例1のポリアミド樹脂分散を以下のように調製する。
方法:
固形ポリアミド樹脂、界面活性剤、及びイソプロパノールを反応器に入れる(
Trycol 6969界面活性剤は、70%固体30モルであるノニルフェノールのエトキシ
ル酸塩であり、HLBが約17.1である)。ゆるやかな撹拌を開始し、環流加熱して
(約85℃)15分間保持する。75℃まで温度を低下する。水酸化ナトリウム溶液を
添加して15分間混合する。70℃で酢酸(0.33%水溶液)を1.32部/分の割合で反応
器に添加する。泡止め剤を加えて、環流加熱により共沸混合物を除去する。40℃
まで温度を低下して、エチレングリコールを添加する。分散のpHを酢酸で7.0‐7
.5に調整する。25℃‐30℃まで冷却して、分散を取り出す。60メッシュスクリー
ンで濾過する。
実施例 4
実施例2のポリアミド樹脂分散を以下のように調製する。 方法:
固形ポリアミド樹脂、界面活性剤、及びイソプロパノールを反応器に入れる。
(Trycol 6969界面活性剤は、70%固体30モルであるノニルフェノールのエトキ
シル酸塩であり、HLBが約17.1である)。ゆるやかな撹拌を開始し、環流加熱し
て(約85℃)15分間保持する。75℃まで温度を低下する。水酸化ナトリウム溶液
を添加して15分間混合する。70℃で酢酸(0.33%水溶液)を1.32部/分の割合で反
応器に添加する。泡止め剤を加えて、環流加熱により共沸混合物を除去する。40
℃まで温度を低下して、エチレングリコールを添加する。分散のpHを酢酸で7.0
‐7.5に調整する。25℃‐30℃まで冷却して、分散を取り出す。60メッシュスク
リーンで濾過する。
実施例 5
MACROMELT 6211(Henkel Corp.、Elgin、ILにより市販の商標ポリアミド分
散)の分散を、フィルターメタルエンドキャップにフィルター媒質を接着する目
的で使用した。乾燥後、フィルター媒質のプリーツは剛性を維持し、メタルエン
ドキャップは所定位置に接着した。
本明細書中に説明する実施態様を様々に変化することが可能であることが理解
されている。従って、前記の説明はそれに限定されるべきではなく、単に好まし
い実施態様の実例にすぎない。当業者は、これに追加される請求の範疇及び精神
内で多数の変異物を企画し得る。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),AU,CN,ID,J
P,KR,NZ,SG,US
(72)発明者 ミラー,マリー,スー.
アメリカ合衆国,イリノイ州 60435,ジ
ョリエット,パンドラ アヴェニュー
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