JP2002512980A - 生理活性重合開始剤又は促進剤に対して接着組成物を使用する方法 - Google Patents

生理活性重合開始剤又は促進剤に対して接着組成物を使用する方法

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ナラング ウプヴァン
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クロージャー メディカル コーポレイション
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Abstract

(57)【要約】 重合性接着剤モノマーを含む組成物は、前記モノマーの重合に対して生物学的に活性な開始剤または促進剤の上に塗布できる。前記生物学的に活性な開始剤または促進剤は所望の医療または治療活性および前記接着剤の重合を増強をもたらす薬剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノマー組成物及びポリマー組成物をバイオ医薬接着剤及び封止剤
として使用する方法、特に生理活性物質との関連でこれらの組成物を使用する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】
傷を塞ぐのに第1に使用する製品は、手術縫合糸及びステープルである。縫合糸
は、十分に傷の支持をすると認識されている。しかしながら、(針と縫合糸とを
組織に刺す必要性と針で孔を開けて負傷領域に麻酔をかける必要性があるため)
縫合糸は傷部位に対してさらに新たな外傷を与えることになると共に、位置決め
に時間がかかり、皮膚レベルでは醜い傷の閉止痕を残す。手術ステープルは、傷
への適用を迅速化し、かつ化粧成果を改良するために開発されてきた。しかしな
がら、手術ステープルもさらに外傷を与え、ステープルを位置決めして適用する
ために補助的でかつしばしば高価な装置を必要とする。患者が強い不安応答を示
し縫合糸及びステープルを置くのに協力するのを拒む可能性のある小児科の場合
や、皮膚の組織が弱く裂け易い老人の場合には、縫合糸及びステープルは共に特
に問題となる。
【0003】 手術縫合糸及びステープルの代替品として、傷を閉止するために接着剤が使用
されてきた。同様に、表面裂傷、擦り傷、やけど、口内炎および他の開口表面傷
等の局所的な部位における傷を覆いかつ保護する場合に接着剤を使用することが
提案されてきた。このような接着剤の一つのグループに、モノマー形態のα―シ
アノアクリレート等の1,2−二置換エチレンモノマーがある。
【0004】 接着剤を使用して傷を閉止し覆うために、シアノアクリレート接着剤と薬剤と
の混合物が開発されてきた。例えば、Greff et alの米国特許第5,684,042号には
、抗微生物上有効な量のヨウ素含有抗微生物剤を含むシアノアクリレート組成物
が開示されている。ヨウ素含有抗微生物剤は、シアノアクリレート組成物はシア
ノアクリレートに分散可能であるが、シアノアクリレート接着剤を早期に重合さ
せることはない(即ち、重合を開始させない)。
【0005】 Coover et alの米国特許第3,483,870には、メチルα―シアノアクリレートを
骨用セメントとして使用することが開示されている。抗生物質が早期に重合をさ
せることがない(即ち、重合開始剤として機能しない)場合あるいは治癒工程に
悪影響を与えない場合には、メチルα―シアノアクリレートと抗生物質とを混合
することが可能である。
【0006】 接着剤を用いて傷との関連で感染を治療あるいは予防する他の方法としては、
傷部位上の薬剤にシアノアクリレートの層を形成する方法がある。例えば、Tigh
e et alの米国特許第5,580,565には、局所的にα―シアノアクリレート組織用接
着剤を使用して傷ついていない皮膚あるいは破損した皮膚上に保護バリヤを形成
することによって皮膚の治癒を可能とすることが開示されている。皮膚にある湿
気と組織のたんぱく質とに接触させることによってα―シアノアクリレート接着
剤の重合を開始させている。Tighe et alも、薬剤の上に保護層としてα―シア
ノアクリレート接着剤を使用することが開示している。Tighe et alで試験され
ている薬剤は、コーチゾンのみで、コーチゾンはシアノアクリレートモノマー組
成物の重合を開始するものではない。
【0007】 他の者も、薬剤を被覆するためにシアノアクリレート接着剤を使用することを
開示している。例えば、Beasley et alは、バンコマイシン粉末あるいはテトラ
サイクリン等の抗生物質を傷に塗布した後、傷をイソブチルシアノアクリレート
で被覆することを開示している。この種の治療は、バクテリア感染組織の治療に
有望であるとして開示されている(Beasley et al、「感染した傷に対する抗生
物質及び化学接着剤の影響」、Mil.Med.136(6);566−569頁、19
71)。しかしながら、これらの抗生物質のいずれもシアノアクリレートの重合
を開始する作用はない。
【0008】 生理活性剤を被覆するためにシアノアクリレートを用いることがMiles et al
、「オーラル外科、オーラル医薬、オーラル病理」、75巻、No.3、 397-402頁(
生理活性剤としてトリアンシノロンアセトニド(Kenalog)あるいはクロルヘキシ
ジン ジグルコネート(Peridex)を使用)及びKaufmann,R.S.,「喉頭鏡」、1974
年793-804頁(生理活性剤としてデキサメタゾーネリン酸ナトリウム(Decadron
)を使用)に開示されている。
【0009】 Weisberg et alの米国特許第4,669,491には、アクリル保護人工つめによって
被覆した殺生物剤が開示されている。殺生物剤は酸性あるいはフェノール性とす
ることができるが、接着層の硬化速度あるいは結合強度に影響を与えないように
選択することが好ましい。これらのものには、チモール、クロロチモール、安息
香酸、p−ヒドロキシベンゾエートアルキルエステル、4,6−フェニル-二-ク
ロロフェニル、カルボクロール(carvocrol)、ヘキサクロロフェン、ニトロフ
ォラン(nitroforans)、アリシン、2−フェニルフェノール、ホウ酸、水銀剤、
バシトラクシン及びグリセオフルビン等の抗生物質、nーアルキルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等のハロゲン化第
4級アンモニウム、5−メチルー2−イソプロピルーシクロヘキサノール、2−
ボルマノン(bormanone)、シネオール、サフロール、塩化ボルニル、2−フェ
ノキシエタノール、ベンジルアルコールおよびエタノールが含まれる。殺生物剤
は人の指のつめに適用され、その後でシアノアクリレート接着剤を含む溶液で被
覆される。殺生物剤は溶液で天然の指つめに適用され、放置して溶液を乾燥させ
、つめの上に活性殺生物剤を残す。殺生物剤で処理した指のつめを研磨剤で粗く
した後、モノマー性シアノアクリレートで被覆して人工的な指のつめを形成する
。過酸化ベンゾイル触媒を含むポリメタクリレートエステル組成物を加えて、シ
アノアクリレートモノマーを重合させる。殺生物剤が重合に影響を与えるように
モノマー及び殺生物剤を選択することについての示唆はない。
【0010】 Goodsonの米国特許第4,764,377及び第4,892,736号には、歯根膜病の治療に治
療剤及びシアノアクリレート接着剤を使用することが開示されている。治療剤を
歯根膜腔に入れて、その後機械的保持システム(n-ブチルシアノアクリレート等
の接着剤フィルム層の形状とし得る)によって被覆し、それによって歯根膜腔内
に治療剤を保持し、治療剤を歯根膜部位に投与することを可能とする。Goodson
及び共同研究者は、例えば、“J.Periodont. Res”、1990年25巻243-249頁及び
“Recent Advances in Periodontology”、11巻61-68頁において、この形式の
システムを開示している。これらの治療剤には、ヨウ素、スルフォンアミド、水
銀剤、ビスビフアナイド(bisbiguanides)、フェノール剤等の抗菌剤、テトラサ
イクリン、ネオマイシン、カナマイシン、メトラニダゾール(metranidazole)
あるいはカナマイシン等の抗生物質、インドメタシン、オイゲノールあるいはハ
イドロコーチゾン等の抗炎症剤、メトトレキセートあるいはレバルナソール(lev
arnasole)等の免疫抑制剤あるいは覚せい剤、塩化ストロンチウムあるいはフッ
化ナトリウム等の歯科減感剤、ペパーミントオイルやクロロフィル等の香りマス
ク剤、イミュノグロブリンあるいは抗原等の免疫試薬、リドカインあるいはベン
ゾカイン等の局所麻酔剤、アミノ酸、必須脂肪、ビタミンC等の栄養剤、アルフ
ァトコフェロール及びブチル化ヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、ポリマイキ
シン等のリポポリサッカリド複合化剤;あるいは過酸化ウレア等の過酸化剤等が
含まれる。殺生物剤が重合に影響を与えるべくモノマー及び殺生物剤を選択する
ことの示唆はない。
【00011】 Leung et alの米国特許第5,514,371号及び第5,624,669には、シアノアクリレ
ート組成物中に治療剤を加えることが開示されている。シアノアクリレート接着
剤は治療剤のマトリックスを形成し、治療剤はポリマーが生分解する間にマトリ
ックスから時間をかけて生体内に放出される。治療剤は、重合開始剤あるいは重
合速度調整剤として使用されていない。
【0012】 Randenの米国特許第4,940,579号には、薬剤及びシアノアクリレート接着剤を
含む組成物が開示されている。該組成物は哺乳類の体の非粘膜領域に薬剤を移送
するために用いている。しかしながら、Randenは薬剤を重合開始剤あるいは重合
速度調整剤として使用することを開示していない。
【0013】 Barley et alの米国特許第5,254,132号は、抗生物質と組み合わせてシアノア
クリレートを使用することを開示している。抗生物質をシアノアクリレート組成
物に加えて一度に投与する用途で使用するために殺菌アプリケータに貯蔵してい
る。組成物を封止した容器に保持して適用する前に重合が起こることを回避して
いる。従って、抗生物質は接着組成物の重合を開始も促進もしない。
【0014】 典型的には、医療用途では、シアノアクリレート接着剤は、モノマー形態で結
合、封止あるいはその他治療をすべき表面に塗布される。典型的には、その場所
でモノマーはアニオン重合し、所望の接着剤による結合あるいは被覆が行われる
。その場所で重合を開始する際には、典型的には治療する組織に自然に存在して
いる湿気及び/またはたんぱく質が利用される。従って、組織液が存在する場合
には、シアノアクリレート組成物に重合開始剤あるいは重合速度促進剤を加える
必要はない。しかしながら、時としてシアノアクリレート接着剤を乾燥した組織
(即ち、実質的に組織液等を含まない組織)に塗布することが好ましい場合もあ
る。さらに、このような非常に反応性に富むシアノアクリレートモノマーの寿命
を伸ばすために、モノマーを安定化剤と一緒に調合して、モノマーが早期に重合
することを回避する。このような場合には、シアノアクリレート接着剤の重合が
ゆっくりすすみ、使用者には不便を与えることになる。このような不便を解消す
るために、シアノアクリレート接着剤組成物に重合開始剤及び/または重合速度
促進剤を加えることが行われてきた。
【0015】 開始剤あるいは促進剤を組成物に加える場合には、開始剤あるいは促進剤は接
着剤を適用する直前まで加えないで置く。例えば、Dombroski et alの米国特許
第4,042,442号には、シアノアクリレート接着剤組成物に対して重合開始剤(カ
フェインあるいはテオブロミンのいずれか)を加えることが開示されている。カ
フェインあるいはテオブロミンは、2つの方法のうちの1つの方法で接着剤組成
物に加える。第1の方法では、接着剤を結合すべき基材に適用する直前に攪拌す
ることによってカフェインあるいはテオブロミンを接着剤組成物と混合する。第
2の方法では、カフェインあるいはテオブロミンを揮発性溶剤に溶解し、結合す
べき表面に適用し、揮発性溶剤を蒸発させ、その後シアノアクリレート接着剤組
成物を結合すべき基材の表面に適応する。
【0016】 共通して譲渡されているPCT出願No.WO96/40,797の開示内容も全体としてここ
に取り組むが、この出願はアプリケータチップに重合開始剤あるいは速度調整剤
を入れることを開示している。アプリケータチップに開始剤あるいは速度調整剤
を入れることによって傷部位に自然に存在している重合開始物質による場合では
到達することが不可能な重合速度の制御レベルが実現できる。開始剤及び/ある
いは速度調整剤をアプリケータチップに入れる場合には、単一のアプリケータの
み必要であり、さらに攪拌を必要としていないので、使用者には便利である。し
かしながら、この出願には、薬剤をモノマー性シアノアクリレート組成物に対す
る開始剤あるいは速度調整剤として使用することの開示がない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
シアノアクリレート接着剤組成物と組合わせてで薬剤を使用することは既知で
あり、またシアノアクリレート接着剤組成物と共に重合開始剤を使用することは
既知であるが、傷部位にシアノアクリレート接着剤と共に薬理的に有効レベルの
薬剤を移送するために簡便で、信頼性があり、かつ有効な方法を提供することに
対する要求が存在する。この要求に答えるために、本発明はモノマー性接着剤組
成物に対して重合開始剤あるいは促進剤として薬理的に有効な量の薬剤を使用す
る方法及び組成物を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、薬剤はモノマー性接着剤組成物の重合開始剤及び/または促
進剤として、かつ薬理活性物質として作用する。本願で使用するように、重合開
始剤は、実質的に乾燥した組織(即ち、血漿あるいは同様な組織液が実質的にな
い場合)に適用したシアノアクリレート組成物を周囲の温度、例えば21-25℃で
、300秒未満で重合させるような物質であれば良い。開始剤は、シアノアクリレ
ート組成物を周囲の温度、例えば21-25℃で、150秒未満、より好ましくは135秒
未満で重合させる物質を重合させることが好ましい。本願で使用するように、重
合促進剤は、シアノアクリレート組成物を周囲の温度、例えば21-25℃で、300秒
以上で通常かかる重合を、300秒未満、好ましくは150秒未満、より好ましくは13
5秒未満で起こさせるように、シアノアクリレート組成物の重合速度を促進させ
るような物質であればよい。たとえば、開始剤あるいは速度促進剤を触媒とする
ことができるが、重合反応の間に消費あるいは変性をうける物質とすることもで
きる。薬剤は適用されて薬理効果及び重合開始活性あるいは速度促進活性を有す
るような物質とすることができ、限定はされないが、抗生物質、抗菌物質、消毒
剤、バクテリオシン, 静菌剤,殺菌剤, ステロイド剤、麻酔剤, 防カビ剤, 抗炎
症剤, 抗細菌剤, 抗ウイルス剤、抗腫瘍剤および組織成長促進物質を含む。
【0019】 本発明は、特に手術あるいは裂傷、やけど、炎症、擦り傷等から生ずる深い傷
及び/あるいは表面の傷を閉塞し、封止し、被覆し、及び/または保護する方法を
提供する。本方法は、薬剤を傷あるいは炎症に置いて、その薬剤の上に薬剤によ
り重合を開始あるいは促進するための重合性モノマー含有組成物を適用する場合
も含む。
【0020】 実施態様では、本発明は薬剤を組織部位に適用して、その薬剤の上に薬剤によ
り重合を開始あるいは促進するための重合性モノマー含有組成物を適用すること
によって、人あるいは動物に対して薬剤を局所的にあるいは体系的に移送する方
法も含む。本願で用いるように、組織には、皮膚、粘膜、口/鼻の組織、胃腸の
組織、臓器の組織、腫瘍、非角質組織等の人あるいは動物のいずれの組織を含む
【0021】 本発明は、本願で記載するような重合性モノマー組成物の容器(i)及び薬剤、
好ましくは該モノマー組成物の重合開始剤あるいは重合速度調節剤の容器(ii)を
含む封止可能なパッケージからなるキットをも提供する。これらの容器は、アプ
リケーターあるいはアプリケータシステムの形状あるいは一部とすることが好ま
しく、殺菌可能であることが好ましい。例えば、パッケージ及びその内容物は同
時に殺菌できることが好ましい。
【0022】 本発明は、重合可能なモノマー組成物及び薬剤を重合性モノマー組成物と、薬
剤を患者に移送する方法についての指示シートを含むパッケージ製品であって、
該移送方法は、薬理的に有効量の薬剤を該患者の組織に適用し、薬剤上に重合性
モノマー組成物を適用する工程からなり、薬剤は重合開始剤あるいは重合速度促
進剤であり、該薬剤によってモノマー組成物の重合を生起させ、該組織上を覆う
重合性接着剤を形成するパッケージ製品をも提供する。
【0023】 本発明は、現在使用されている傷の処理方法に比較していくつかの利点を提供
するものであり、以下のことが可能となる。 a)(重合開始剤及び/または重合速度促進剤を使用することによって)重合あ
るいは架橋した材料の分子量分布を制御することができる。 b)重合あるいは架橋したシアノアクリレート接着剤の硬化時間を制御するこ
とができる。 c)重合性シアノアクリレート組成物の流れ特性を制御できる。 d)薬剤を患者に付与すると共に、同時に傷を閉止、保護及び/又は覆うこと
ができる。 e) 薬剤を局所的に投与することによって患者に投与できる。 f)上記利点のいずれかの組み合わせた利点を付与できる。
【0024】
【実施の態様】
本発明によれば、モノマー含有組成物を適用する前に組織に薬剤を適用する。
薬剤は、モノマー組成物の重合を開始及び/促進するよう作用する。従って、薬
剤によって生物的活性のみならず、化学的活性も同じく得られる。
【0025】 このような薬剤の例として、抗生物質、抗微生物剤、消毒剤、抗生物質、抗菌
物質、消毒剤、バクテリオシン, 静菌剤,殺菌剤, ステロイド剤、麻酔剤, 防カ
ビ剤, 抗炎症剤, 抗細菌剤, 抗ウイルス剤、抗腫瘍剤および組織成長促進物質及
びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定れるものではない。
【0026】 薬剤の例としては、塩化ベンゼルコニウム、ベンゼトニウムクロライド等の第
4級アンモニウムハライドと、クロルヘキシンサルフェート(chlorhexidine sul
fate)と、ゲンタマイシンサルフェートと、過酸化水素と、キノロンと、チオ尿
素と、限定されるものではないが、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、塩化銀、クエ
ン酸銀、よう化銀、硝酸銀、硫酸銀を含む銀塩と、次亜塩素酸ナトリウムと、限
定されるものではないが、銀、ナトリウム、及び亜鉛の塩を含むサルファサラジ
ン塩と、これらの混合物とを例示することができる。
【0027】 好ましい薬剤は、アニオン系であるか、またはラジカルを発生するのを助長す
るもの、あるいはイオン対あるいはそれ自身ラジカルである。 実施例においては、6-18個の炭素原子を含んだアルキル基を有するアルカリベ
ンジルジメチルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム:BAC)、その
純粋な成分あるいはそれらの混合物あるいはベンゼトニウムクロライド、あるい
は銀、ナトリウムあるいは亜鉛の塩等のサルファサラジンの塩が好ましい。
【0028】 揮発性溶剤中で調整した薬剤の溶液を所定量ピペットで示差熱量アルミニウム
製パンにとって薬剤の開始能力を試験することができる。揮発性溶剤を周囲の条
件で蒸発させる。あるいは、適当な量の薬剤を直接示差熱量アルミニウム製パン
に取る。上記どちらの場合でも、選択したモノマー溶液を25μlピペットでパ
ンにとる。モノマー組成物がゲル点にまで重合するのに要する時間が、重合時間
となる。
【0029】 実施例では、組成物は、薬剤に加えて、他の重合開始剤及び/または速度促進
剤を含むこともできる。不当な実験を行うことなく当業者であれば容易に特定の
システムに対して特定の追加の開始剤を選択することができるであろう。限定は
されないが、シアノアクリレート組成物に対して適当な追加の重合開始剤には他
の薬剤、洗剤組成物、ポリソルベート20(例えば、Tween20TM、ICIアメリカス)、
ポリソルベート80(例えば、Tween80TM、ICIアメリカス)、ポロキサマー(poloxam
ers)等の界面活性剤、テトラブチルアンモニウムブロマイドやベンゼトニウムク
ロライドあるいはその純粋な成分等のカチオン界面活性剤、オクチル酸錫(錫(
II)2−エチルヘキサノエート)及びテトラデシル硫酸ナトリウム等のアニオン
界面活性剤、ドデシルジメチル(3−スルフォプロピル)アンモニウムハイドロ
キサイド等の両性界面活性剤あるいは両性イオン界面活性剤、内部塩(inner sa
lt)、イミダゾール、トリプタミン、尿素、アルギニン及びポビジン(povidine)
等のアミン、イミン、アミド、トリフェニルホスフィン及びトリエチルホスフィ
ン等のホスフィン、ホスフィット及びホスホニウム塩、エチルグリコール等のア
ルコール、メチルガラート、アスコルビン酸、タンニン及びタンニン酸、次亜硫
酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム及び珪酸ナトリウム等
の無機塩基及び塩、チオ尿素及びポリスルフィド等の硫黄化合物、モネンシン、
ノナクシン、クラウンエーテル、カリックスアレーン及びポリマー性エポキサイ
ド等のポリマー性環式エーテル、ジエチルカルボネート等の環式あるいは非環式
カルボネート、アリクエットTM(AliquatTM)(Gneral Mills、ミネアポリス、
MN)等の相移送触媒、有機金属化合物、マグネシウムアセチルアセトネート、過
酸化ジーt-ブチル及びアゾビスイソブチロニトル等のラジカル開始材及びラジカ
ル等が含まれる。
【0030】 重合性及び/または架橋性物質には、触媒あるいは促進剤によって活性化され
るまで不活性となっている開始剤も含むことができる(これも本願で用いる語句
『開始剤』の範囲に含む)。これらの開始剤は、熱及び/または光(例えば、紫外
線あるいは可視光線)等の適当な刺激によって活性化することが可能である。
【0031】 本発明で用いられる組成物は、殺菌可能であることが好ましい。 適用される薬剤の量は、薬剤がモノマー性組成物と接触し混合したら重合を開
始あるいは重合速度を上げるに十分な量とすべきである。また、薬剤は薬理的に
有効な量で適用すべきであり、かつ選択したモノマーに対して重合開始剤及び/
または速度促進剤として機能するように特定の重合性モノマーとの関連で薬剤を
選択すべきである。このような選択は、当業者であれば容易になしえるであろう
【0032】 薬剤は適用部位のみ(即ち薬剤が適用された組織のみに限り)薬理的効果を有
することも可能であるし、あるいは薬剤は全身的に効果を有することも可能であ
る(全身的とは、薬剤が患者の体中に渡って効果を有することも可能であること
を意味するばかりではなく、適用部位以外の特定の場所でも効果を発揮すること
をも意味する)。薬剤が体系的に薬理活性を示すのに十分な量で適用される実施
例では、薬剤は薬理活性が望まれる患者内部の部位、例えば心臓血管あるいはリ
ンパ系に吸収され、移送されあるいはさもなくば分配可能である。
【0033】 使用者による特定の要求によっては、本発明の薬剤及び接着剤組成物を適当な
何らかの装置によって適用することもでき、装置は薬剤及び接着剤組成物に対し
て同一であっても異ならせることもできる。限定はされるわけではないが、例と
しては、ガラス攪拌棒、滅菌ブラシ、あるいは薬剤滴下装置等ある。接着組成物
が相溶性のある無水噴射剤と一緒に溶液状になっている状況の多くの場合、ポン
プあるいは加圧エアロゾールディスペンサーパッケージが好ましい。好ましい装
置としては、吸収剤綿棒あるいはウエブがある。
【0034】 薬剤は粉末あるいは固体フィルム等の固体の形状でも良いし、水状、粘調ある
いはペースト状の物質の形状でも良い。また、薬剤は界面活性剤あるいは乳化剤
等の種々の添加剤あるいはビヒクルと混合しても良い。
【0035】 縫合糸の代わりにあるいはそれに加えて、本発明の方法を用いて、本組成物を
対向する傷表面に適用しその後重合化が進む間一緒に保持することによって、2
つの表面を一緒に結合することができる。本発明の方法を用いて、限定はされな
いが、外面裂傷、擦り傷、やけど、炎症及び口内炎等を含む表面、外面あるいは
その他の局所的傷に対して被覆し、保護し、さもなくば被覆することもできる。
また、組織の損傷の兆候がない組織に対しても本発明の方法を用いることができ
る。例えば、本方法を用いて、健康な組織を介して患者に薬剤を移送することも
できる。例えば、本方法を用いて、腫瘍あるいは器官等の組織に局所的に薬剤を
移送することもできる。
【0036】 一態様において、本発明は縫糸に対する置換を提供し、かつ隣接する組織表面
にわたって生物学的適合性のフィルムを形成することにより、組織に薬剤を送達
する方法を含む。その方法は以下の工程を含む:すなわち、(a)少なくとも2
つの組織表面を一緒に保持して、隣接する組織表面を形成する、(b)重合開始
剤または重合速度促進剤である薬剤を前記隣接する組織表面に塗布する、(c)
前記薬剤上に前記隣接する組織表面にわたって重合性接着剤モノマー組成物を塗
布する、そして(d)前記組成物を重合させ、前記隣接する組織表面上に生物学
的適合性フィルムを形成させる。先のコーティングの塗布直後または先のコーテ
ィングが完全に重合した後、次のコーティングを塗布できる。好ましくは、前記
隣接する組織表面に塗布された前記モノマー組成物は少なくとも部分的に重合し
た後、次のコーティングまたは付加的なモノマー組成物の塗布ができる。第1の
または先のコーティングの前記モノマーとは異なるモノマーを有する接着剤組成
物のコーティングは第2のまたは次のコーティングとして塗布できる。
【0037】 可塑化剤および酸性安定化剤の添加により、このようなポリマーコーティング
に、フィルムまたはコーティングが有意な厚さであっても、充分な結合強度およ
び可撓性を付与する。適当なフィルム厚さの範囲は、0.1〜2.0mmまたは3.0以
上、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.4〜0.8mmである。
【0038】 態様において、縫糸に対する置換として形成された生物学的適合性フィルムは
、傷破壊を誘導するのに要求される少なくとも70mmHg、一般には、70〜400
mmHg、好ましくは90〜400mmHg、より好ましくは100〜400mmHg、の
減圧のインビボのフィルム強度を有し得る。
【0039】 損傷した組織を治す(例えば、止血する)場合、本発明は、先ず治すべき部位
の液体を吸収して、表面のまたは体の組織液を除去することを含む。望ましい組
織の結合または止血は血液や他の体液の存在下および乾燥組織上でも充分に進行
する。形成した結合は適当な可撓性および強度であり、組織の正常な動きに耐え
る。さらに、結合強度は自然の傷治癒の進行時に維持される。
【0040】 別の態様では、本発明は表面のまたは局所の病理を治療する方法を指向し、そ
の病理は、非限定的に、表面の裂傷、火傷、または擦過症等の皮膚傷、または粘
膜上の傷を包含する。前記方法は以下の工程を含む:すなわち、(a)重合開始
剤または速度促進剤である薬剤を前記冒された組織に塗布する、(b)前記薬剤
を覆って重合性モノマー含有組成物を塗布する、(c)前記組成物を重合させる
、そして(d)任意に、前記組成物を少なくともさらに1回同じ箇所に塗布する
【0041】 このような局所の塗布に対して適当なフィルム厚さは好ましくは1〜10,000μ
m、例えば1〜1000μmである。態様において、そのように形成された、前記生
物学的適合性のフィルムは少なくとも5mmHg、例えば5〜400mmHg、好ま
しくは50〜400mmHgのフィルム強度を有する。
【0042】 態様において、本発明は下記のようにして組織に薬剤を送達する方法を提供す
る。すなわち、(a)重合開始剤および/または重合速度促進剤である薬剤を部
位に(例えば、直接組織に)塗布する、(b)重合性モノマー含有組成物を前記
薬剤を覆って塗布する、そして(c)任意に、前記組成物を少なくともさらに1
回同じ部位に塗布する。適当なフィルム厚さおよび強度は好ましくは他の用途に
対して上記したものである。
【0043】 態様において、前記薬剤は接触している前記組織に、一定あるいはほぼ一定の
速度で、前記冒された組織に接している間中放出される。
【0044】 本発明は薬剤を患者に送達するためのキットも提供する。前記キットは、シア
ノアクリレート接着剤等の重合性モノマー組成物を有するコンテナを含む。前記
キットは薬剤を有する別のコンテナも含む。前記薬剤は、一緒にパッケージされ
た重合性モノマー組成物と共に作用して、前記モノマーの重合を開始し、または
前記モノマーに対する重合速度を改変(加速)して、重合性接着剤を形成するよ
うに選択される。薬剤と重合性モノマーの適当な組み合わせは当業者により容易
に決定可能である。前記薬剤は局所的に(すなわち、直接組織に)塗布された場
合薬学的に効果的な量で前記キット中に供給される。
【0045】 態様において、前記モノマー組成物は、好ましくはモノマー(プレポリマーを
含む)接着剤組成物である。態様において、前記モノマーは1,1−二置換エチ
レンモノマー、例えば、α−シアノアクリレートである。本発明の好ましいモノ
マー組成物およびそれから形成されたポリマーは組織接着剤、止血のためのまた
は開口傷を覆うためのシーラントとして、および他の生物医学的な用途において
有益である。発明者らは、例えば、外科的に切ったまたは外傷的に裂いた組織を
くっつける際に、傷からの出血を阻止する際に、薬剤を送達する際に、火傷に包
帯を巻く際に、または皮膚または他の表面的なまたは表面の傷(擦過傷、刻んだ
または剥けた皮膚、および/または口内炎)に包帯を巻く際に、および生きてい
る組織の治癒および再成長を補助する際に、使用することを見出す。
【0046】 本発明で使用可能なモノマーは容易に重合でき、例えば、アニオン重合または
フリーラジカル重合、または両性イオンまたはイオン対による重合が可能であり
、ポリマーを形成する。このようなモノマーはポリマーを形成するものを含み、
非必要的に、生物分解され得る。このようなモノマーは例えば米国特許第5,328,
687号Leung等に開示されており、参照してここに取り込む。
【0047】 使用される1,1−二置換エチレンモノマーは、非制限的に、次式のモノマー
を含む。
【化1】 HRC=CXY (I) (式中、XおよびYはそれぞれ強電子吸引基であり、RはH、−CH=CH
またはXおよびYが共にシアノ基の場合に炭素数1〜4のアルキル基である。)
【0048】 前記式(I)の範囲に入るモノマーの例は、α−シアノアクリレート、シアン
化ビニリデン、シアン化ビニリデンの炭素数1〜4の同族体、マロン酸ジアルキ
ルメチレン、アシルアクリロニトリル、およびビニルスルフィナート、式CH =CX’Y’(式中、X’は−SOR’または−SOR’およびY’は−C
N、−COOR’、−COCH3、−SOR’または−SOR’およびR’
はHまたはヒドロカルビルである。)で表されるビニルスルホナートを含む。
【0049】 本発明で使用する式(I)で表される好ましいモノマーは、α−シアノアクリ
レートである。これらのモノマーは業界では知られており、次式(II)で表さ
れる。
【化2】 (式中、Rは水素であり、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基
;式−R−O−R−O−Rを有する基(式中、Rは炭素数2〜4の1,
2−アルキレン基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rは炭
素数1〜6のアルキル基である。)または次式[化3]で表される基である。)
【化3】 (式中、Rは次式[化4]で表され、Rは有機基である。)
【化4】 (式中、nは1〜10、好ましくは1〜5である。)
【0050】 適当なヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル基の例は、直鎖または分岐鎖
の炭素数1〜16のアルキル基;アシルオキシ基、ハロアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、シアノ基、またはハロアルキル基で置換した直鎖または分岐
鎖の炭素数1〜16のアルキル基;直鎖または分岐鎖の炭素数2〜16のアルケ
ニル基;炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖のアルキニル基;シクロアルキル基
;アラルキル基;アルキルアリール基、およびアリール基を含む。
【0051】 前記有機基Rは置換または非置換であり、直鎖、分岐鎖、または環状、飽和
、不飽和または芳香族であり得る。このような有機基の例は、炭素数1〜8のア
ルキル基;炭素数2〜8のアルケニル基;炭素数2〜8のアルキニル基;炭素数
3〜12環状脂肪族基;フェニルおよび置換フェニル等のアリール基;およびベ
ンジル、メチルベンジルおよびフェニルエチル等のアラルキル基;を含む。他の
有機基は、ハロ(例えば、クロロ−、フルオロ−、およびブロモ−置換炭化水素
)およびオキシ−(例えば、アルコキシ置換炭化水素)置換炭化水素基等の置換
炭化水素基を含む。好ましい有機基は、炭素数1〜8の、アルキル基、アルケニ
ル基、およびアルキニル基;およびこれらのハロ−置換誘導体である。炭素数4
〜6のアルキル基が特に好ましい。
【0052】 式(II)のシアノアクリレートモノマーにおいて、Rは好ましくは炭素数
1〜10のアルキル基または式−AORで表される基であり、式中、Aは炭素
数2〜8の、二価の直鎖または分岐鎖のアルキレンまたはオキシアルキレン基で
あり、Rは直鎖または分岐鎖の、炭素数1〜8のアルキル基である。
【0053】 式−AORで表される基の例は、1−メトキシ−2−プロピル、2−ブトキ
シエチル、2−イソプロポキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチ
ルを含む。
【0054】 本発明で使用する好ましいα−シアノアクリレートモノマーは2−オクチルシ
アノアクリレート、ドデシルシアノアクリレート、2−エチルヘキシルシアノア
クリレート、ブチルシアノアクリレート、メチルシアノアクリレート、3−メト
キシブチルチアノアクリレート、2−ブトキシエチルチアノアクリレート、2−
イソプロポキシエチルシアノアクリレート、または1−メトキシ−2−プロピル
シアノアクリレートを含む。
【0055】 式(II)のα−シアノアクリレートは米国特許第2,721,858号および3,254,1
11号記載の方法により調製でき、これらを参照によりここに取り込む。これらは
α−シアノアクリレートの調製法を開示する。例えば、前記α−シアノアクリレ
ートはアルキルシアノアクリレートをホルムアルデヒドと非水有機溶媒中で塩基
性触媒の存在下で反応させ、次に前記無水中間体ポリマーを重合開始剤の存在下
で熱分解することにより調製できる。水分含量が低く本質的に不純物なく調製さ
れた前記α−シアノアクリレートモノマーは生物医学的使用に対して好ましい。
【0056】 式(II)でRが式R−O−R−O−Rで表される基である場合の前
記α−シアノアクリレートは米国特許第4,364,876号Kimura等に開示され
た方法に従って調製でき、参照によりここに取り込む。前記Kimura等の方
法において、前記α−シアノアクリレートはシアノ酢酸をアルコールでエステル
化するか、またはアルキルシアノアセタートとアルコールをエステル交換するこ
とにより、シアノアセタートを生成し;前記シアノアセタートとホルムアルデヒ
ドまたはパラ−ホルムアルデヒドとを触媒の存在下で0.5〜1.5対1、好ましくは
0.8〜1.2対1のモル比で縮合し、縮合体を得て;前記縮合体反応混合物を直にま
たは前記縮合触媒の除去後に解重合し、粗シアノアクリレートを得て;前記粗シ
アノアクリレートを蒸留し、高純度シアノアクリレートを形成する。
【0057】 式(II)でRが式[化5]で表される基である場合の前記α−シアノアク
リレートは米国特許第3,995,641号Kronenthal等に開示された方法に
準じて調製でき、参照によりここに取り込む。前記Kronenthal等の方
法において、このようなα−シアノアクリレートモノマーはα−シアノアクリル
酸のアルキルエステルを環状1,3−ジエンと反応させて、ディールスアルダー
付加物を形成し、その後、これをアルカリ加水分解し、酸性化して相当するα−
シアノアクリル酸付加物を形成することにより調製される。α−シアノアクリル
酸付加物は好ましくはブロモ酢酸アルキルによりエステル化されて、相当するカ
ルバルクオキシメチルα−シアノアクリレート付加物を形成する。あるいは、α
−シアノアクリル酸付加物を塩化チオニルと反応させてα−シアノアクリルハロ
ゲン化物付加物に転化してもよい。その後、α−シアノアクリルハロゲン化物付
加物をヒドロキシ酢酸アルキルまたはメチル置換ヒドロキシ酢酸アルキルと反応
させて相当するカルバルクオキシメチルα−シアノアクリレート付加物またはカ
ルバルクオキシアルキルα−シアノアクリレート付加物をそれぞれ得る。環状1
,3−ジエンブロッキング基は最終的に除去され、前記カルバルクオキシメチル
α−シアノアクリレート付加物またはカルバルクオキシアルキルα−シアノアク
リレート付加物はわずかに不足する無水マレイン酸の存在下でその付加物を加熱
することにより相当するα−シアノアクリル酸カルバルクオキシアルキルに転化
される。
【化5】
【0058】 式(II)のモノマーの例として、シアノペンタジエン酸エステルおよび[化
6]の式(III)(ここで、Zは−CH=CH2 であり、R3 は上記のとおり
である。)のα−シアノアクリレートを包含して列挙できる。式(III)のモ
ノマー(ここで、R3 は1〜10の炭素原子のアルキル基である。すなわち、2
−シアノペンタ−2,4−ジエン酸エステル)は適切な2−シアノ酢酸エステル
をアクロレインと塩化亜鉛等の触媒の存在下で反応させることにより調製できる
。2−シアノペンタ−2,4−ジエン酸エステルのこの調製法は、例えば、米国
特許第3554990号に記載されており、この参照により全体を取り込む。
【化6】
【0059】 好ましいモノマーはアルキルα−シアノアクリレートであり、より好ましくは
オクチルα−シアノアクリレートであり、さらに好ましくは2−オクチルα−シ
アノアクリレートである。本発明の用途において使用されるモノマーは非常に純
粋であり、不純物は殆ど含まない(例えば、外科的用途の程度に)ことが要求さ
れる。
【0060】 前記組成物は少なくとも1種の可塑化剤をも任意に含むことができ、この可塑
化剤は創傷、切傷または擦過傷上で形成された前記重合されたモノマーに可撓性
を付与する。前記可塑化剤は好ましくは水分を殆どまたは全く含まず、前記モノ
マーの重合に重大な影響を与えないことが必要である。
【0061】 好適な可塑剤の例としては、クエン酸アセチルトリブチル、セバシン酸ジメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリ(p−
クレシル)、三酢酸グリセリル、三酪酸グリセリル、セバシン酸ジエチル、アジ
ピン酸ジオクチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン
酸、トリオクチルトリメリタート(trimellitate)、グルタル酸ジ
オクチル、およびこれらの混合物を包含して列挙できる。好ましい可塑剤は、ク
エン酸トリブチルおよびクエン酸アセチルトリブチルである。具体的には、好適
な可塑剤は、ポリエチレングリコール(PEG)エステルおよびキャップされた
(capped)PEGエステルまたはエーテル、グルタル酸ポリエステルおよ
びアジピン酸ポリエステル等の重合性可塑剤である。
【0062】 前記組成物は少なくとも1つの安定化剤も任意に含み得る。この安定化剤は重
合を阻害する。このような安定化剤はアニオン系安定化剤およびラジカル安定化
剤の混合物も含み得る。
【0063】 適切なアニオン系安定化剤の例は、非制限的に、スルトン(例えば、α−クロ
ロ−α−ヒドロキシ−o−トルエンスルホン酸−γ−スルトン);二炭化硫黄;
硫酸;スルホン酸;ラクトン;三フッ化ホウ素;酢酸またはリン酸等の有機酸;
硫酸アルキル;亜硫酸アルキル;3−スルホレン;アルキルスルホン;アルキル
スルホキシド;メルカプタン;および硫化アルキル;およびこれらの混合物を含
む。好ましいアニオン系安定化剤は酢酸またはリン酸等の有機酸の酸性安定化剤
である。具体的には、二酸化硫黄安定化剤の量は100ppmより少なく、好ま
しくは5〜75ppmであり、より好ましくは約20〜50ppmである。スル
トンおよび/またはトリフルオロ酢酸の量は約500〜3000ppmである。
【0064】 適切なラジカル安定剤の例としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチル
エーテル、カテコール、ピロガロール、ベンゾキノン、2−ヒドロキシベンゾキ
ノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、ブチル化ヒドロキシア
ニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、およびt−ブチルヒドロキ
ノンを包含して列挙できる。具体的には、BHAの量は約1000〜5000p
pmである。
【0065】 適切な酸性安定化剤は、−12〜7、約−5〜約7、好ましくは約−3.5〜約
6の範囲の水性pKaイオン化定数を有するものを含む。例えば、適切な酸性安
定化剤は、硫化水素(pKa7.0)、炭酸(pKa6.4)、トリアセチルメタン(
pKa5.9)、酢酸(pKa4.8)、安息香酸(pKa4.2)、2,4−ジニトロ
フェノール(pKa4.0)、蟻酸(pKa3.7)、亜硝酸(pKa3.3)、フッ化
水素酸(pKa3.2)、クロロ酢酸(pKa2.9)、リン酸(pKa2.2)、ジク
ロロ酢酸(pKa1.3)、トリクロロ酢酸(pKa0.7)、2,4,6−トリニト
ロフェノール(ピクリン酸)(pKa0.3)、トリフルオロ酢酸(pKa0.2)、
硫酸(pKa−3.0)、亜硫酸およびこれらの混合物を含む。具体的には、トリ
フルオロ酢酸の量は約500〜1500ppmである。上記安定化剤の、二酸化
硫黄と硫酸、三フッ化ホウ素と硫酸、二酸化硫黄とクロロ酢酸、三フッ化ホウ素
とクロロ酢酸、二酸化硫黄とトリフルオロ酢酸、および三フッ化ホウ素とトリフ
ルオロ酢酸等の組み合わせを使用できる。
【0066】 上記酸性安定化剤を前記接着剤組成物に添加する際、可塑化剤を約0.5〜約16
重量%、好ましくは約3〜約9重量%、より好ましくは約5〜約7重量%の量で
添加すると、前記重合されたモノマーのフィルム強度(例えば、靱性)を、上に
範囲外の可塑化剤および酸性安定化剤の量を有する重合されたモノマーにわたっ
て、増加する。
【0067】 使用される酸性安定化剤の濃度は前記酸の強さに非常に依存し得る。例えば、
酢酸を使用する場合、80〜200ppm(wt/wt)、好ましくは90〜1
80ppm(wt/wt)、より好ましくは100〜150ppm(wt/wt
)の濃度を使用し得る。リン酸等のより強い酸を使用する場合は、20〜80p
pm(wt/wt)、好ましくは30〜70ppm(wt/wt)より好ましく
は40〜60ppm(wt/wt)の濃度を使用し得る。具体的には、トリフル
オロ酢酸の量は約100〜3000ppm、好ましくは500〜1500ppm
である。 他の態様では、リン酸の量は約10〜200ppm、好ましくは約5
0〜150ppm、より好ましくは約75〜125ppmである。
【0068】 本発明の組成物は、インビボにおける前記ポリマーの生物分解の間に生成され
る活性なホルムアルデヒド濃度レベルを下げる効果のある、少なくとも1種の生
物適合性剤(ここでは「ホルムアルデヒド濃度減少剤」ともいう。)も含み得る
。好ましくは、この化合物はホルムアルデヒド捕捉剤化合物である。本発明発明
で役立つホルムアルデヒド捕捉剤化合物の例としては、亜硫酸塩;重亜硫酸塩;
亜硫酸塩と重亜硫酸塩との混合物;亜硫酸アンモニウム塩;アミン;アミド;イ
ミド;ニトリル;カルバマート;アルコール;メルカプタン:蛋白質;アミン、
アミド、および蛋白質の混合物;環状ケトンおよびb−ジカルボニル基を有する
化合物等の活性メチレン化合物;およびカルボニル基を含まずかつNH基を含み
、窒素または炭素原子からなる環を有し、その環が不飽和であり、またはフェニ
ル基に結合した場合飽和または不飽和であり、かつ前記NH基が炭素または窒素
原子に結合し、その原子が直接二重結合で別の炭素または窒素原子に結合した、
複素環化合物;を含む。
【0069】 本発明において前記ホルムアルデヒド捕捉剤化合物として使用できる重亜硫酸
塩および亜硫酸塩はリチウム、ナトリウムおよびカリウム塩等のアルカリ金属塩
、およびアンモニウム塩を含み、例えば重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム
、重亜硫酸リチウム、重亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム等である。
【0070】 本発明で使用できるアミンの例はアニリン、ベンジジン、アミノピリミジン、
トルエン−ジアミン、トリエチレンジアミン、ジフェニルアミン、ジアミノジフ
ェニルアミン、ヒドラジンおよびヒドラジド等の脂肪族および芳香族アミンを含
む。
【0071】 適切な蛋白質はコラーゲン、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白質、野菜蛋白質、
ケラチン、およびグルーを含む。本発明で使用する好ましい蛋白質はカゼインで
ある。 本発明で使用する適切なアミドは尿素、シアナミド、アクリルアミド、ベンズ
アミド、およびアセトアミドを含む。尿素は好ましいアミドである。 適切なアルコールはフェノール、1,4−ブタンジオール、d−ソルビトール
、およびポリビニルアルコールを含む。
【0072】 b−ジカルボニル基を有する適切な化合物の例はマロン酸、アセチルアセトン
、エチルアセトン、アセタート、マロンアミド、ジエチルマロナート、または他
のマロンエステルを含む。 本発明で使用する好ましい環状ケトンはシクロヘキサノンまたはシクロヘンタ
ノンを含む。
【0073】 本発明で前記ホルムアルデヒド捕捉剤として使用される適切な複素環化合物の
例は、例えば米国特許第4,127,382号(Perry)に開示されており、参照に
よりここに取り込む。このような複素環化合物は例えばベンズイミダゾール、5
−メチルベンズイミダゾール、2−メチルベンズイミダゾール、インドール、ピ
ロール、1,2,4−トリアゾール、インドリン、ベンゾトリアゾール、インド
リン等を含む。 本発明で使用する好ましいホルムアルデヒド捕捉剤は重亜硫酸ナトリウムであ
る。
【0074】 本発明を実施する際、前記ホルムアルデヒド濃度減少剤、例えばホルムアルデ
ヒド捕捉化合物は、効果的な量でシアノアクリレートに添加される。前記「効果
的な量」は続くインビボの重合性シアノアクリレートの生物分解の間に生成され
るホルムアルデヒドの量を減少するのに十分な量をいう。この量は活性なホルム
アルデヒド濃度減少剤の型に応じて決まり、当業者には過度の実験をすることな
く容易に決定できる。
【0075】 ホルムアルデヒド濃度減少剤は本発明において使用できるが、その形態は自由
な形態でもよく、マイクロカプセルに包まれた型でも使用される。他の組成物は
米国特許出願第08/714,288号に例示され、これを参照してここに取り
込む。
【0076】 マイクロカプセルに包まれた型の場合、前記ホルムアルデヒド濃度減少剤は、
シアノアクリレートポリマーのインビボの生物分解の間中連続してマイクロカプ
セルから放出される。 本発明の目的のためには、ホルムアルデヒド濃度減少剤はマイクロカプセル化
した型が好ましい。理由は、この例によるとホルムアルデヒド濃度減少剤によっ
てシアノアクリレートモノマーの重合を阻害あるいは実質的に減少し、これより
貯蔵寿命を延ばし、使用中のモノマー組成物の取り扱いが容易になるからである
【0077】 ホルムアルデヒド捕捉剤のマイクロカプセル化は、知られた多くのマイクロカ
プセル化技術により達成できる。例えば、マイクロカプセル化は揮発溶剤(例え
ば、塩化メチレン)中にコーティングポリマーをポリマー濃度の約6重量%で溶
解し;粒子状のホルムアルデヒド捕捉剤化合物を攪拌下にコーティングポリマー
/溶剤溶液中に添加し、捕捉剤濃度を18重量%にし;界面活性剤含有鉱油溶液
を急速な攪拌下にポリマー溶液中にゆっくり添加し、揮発溶剤を攪拌下に蒸発さ
せ;攪拌機を除去し;鉱油から固形物を分離し;マイクロ粒子を洗浄、乾燥する
ことにより行われる。マイクロ粒子の大きさは、約0.001〜約1000ミク
ロンである。
【0078】 ホルムアルデヒド濃度減少剤をマイクロカプセル化するためのコーティングポ
リマーは好ましくはモノマーにより形成されるシアノアクリレートポリマーと同
じがそれより早い速度でインビボでバイオエロージョンされるポリマーである必
要があり、低固有水分量である必要がある。このようなバイオエロージョンは、
例えば、体液の存在下でカプセル材料が固体から溶質に通過することにより、ま
たは、体にある薬剤によりカプセル材料が生物分解されることにより、カプセル
材料が物理的にあるいは化学的に破壊した結果として生じ得る。
【0079】 ホルムアルデヒド濃度減少剤をマイクロカプセル化するのに使用できるコーテ
ィング材料の例としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ1,4−ジオキサ
−2−オン、ポリオキサラート、ポリカルボナート、ポリグリコール酸とポリ乳
酸のコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリ−b−ヒドロキシブチラート、エプ
シロン−カプロラクトンとデルタ−バレロラクトンのコポリマー、エプシロン−
カプロラクトンとDL−ジラクチドのコポリマー、およびポリエステルヒドロゲ
ルのようなポリエステル;ポリビニルピロリドン;ポリアミド;ゼラチン;アル
ブミン;たんぱく質;コラーゲン;ポリ(オルトエステル);ポリ(無水物);
ポリ(アルキル−2−シアノアクリレート);ポリ(ジヒドロピラン);ポリ(
アセタール);ポリ(ホスファゼン);ポリ(ウレタン);ポリ(ジオキシノン
);セルロース;およびスターチを包含して列挙できる。
【0080】 鉱油に添加できる界面活性剤の例としては、TritonX−100TM(Ro
hmとHaas)、Tween20TM(ICIアメリカ)およびTween80 TM (ICIアメリカ)として表示されて市販されているものを包含して列挙でき
る。
【0081】 また、本発明の組成物は任意に少なくとも1つの増粘化剤を含むことができる
。好適な増粘化剤は、例えば、ポリシアノアクリレート、ポリ乳酸、ポリ−1,
4−ジオキサ−2−オン、ポリオキサラート、ポリグリコール酸、乳酸とグリコ
ール酸のコポリマー、ポリカプロラクトン、乳酸とカプロラクトンのコポリマー
、ポリ−3−ヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル、ポリアルキルアクリレ
ート、アルキルアクリレートと酢酸ビニルのコポリマー、ポリアルキルメタクリ
ラート、およびメタクリル酸アルキルとブタジエンのコポリマーを包含して列挙
できる。アルキルメタクリレートとアクリレートの例としては、ポリ(2−エチ
ルヘキシルメタクリレート)およびポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、
また、ポリ(ブチルメタクリラート)とポリ(ブチルアクリレート)、また、ポ
リ(ブチルメタクリラート−コ−メチルアクリレート)のような種々のアクリレ
ートモノマーとメタクリレートモノマーのコポリマーを包含して列挙できる。
【0082】 本発明の組成物から形成される着剤接の凝集強度を改良するために、ニ官能性
モノマー架橋剤を本発明のモノマー組成物に添加できる。このような架橋剤は知
られている。U.S.特許第3940362号、Overhultsは、このよ
うな架橋剤を開示しており、この参照により、全体を取り込む。好適な架橋剤の
例としては、アルキルビス(2−シアノアクリレート)、トリアリルイソシアヌ
ラート、アルキレンジアクリレート、アルキレンジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、およびアルキルビス(2−シアノアクリレート
)を包含して列挙できる。アミン活性化フリーラジカル開始剤または速度調節剤
の触媒量は重合を開始するためにあるいはシアノアクリレートモノマー/架橋剤
ブレンドの重合速度を調節するために添加される。
【0083】 本発明の組成物はさらに繊維補強材および染料および顔料等の着色剤を含んで
もよい。好適な繊維補強材の例としては、PGAマイクロフィブリル、コラーゲ
ンマイクロフィブリル、セルロースマイクロフィブリル、およびオレフィンマイ
クロフィブリルを包含して列挙できる。好適な着色剤の例としては、1−ヒドロ
キシ−4−[4−メチルフェニルアミノ]−9,10アントラセンジオン(D+
C紫No.2);6-ヒドロキシ−5−[(4−スルホフェニル)アキソ]−2−
ナフタレン−スルホン酸のニナトリウム塩(FD+C黄No.6);9−(o−
カルボキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヨード−3H
−キサンテン−3−オン、ニナトリウム塩、モノハイドレート(FD+C赤No
.3);2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール
−2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−ス
ルホン酸ニナトリウム塩(FD+C青No.2);および[フタロシアニナート
(2−)]銅を包含して列挙できる。
【0084】 本発明が意図するその他の組成物および添加剤は米国特許第5624669号
、第5582834号、第5575997号、第5514371号、第5514
372号および第5259835号に例示さており、この参照により、全体を取
り込む。
【0085】
【実施例】
120マイクロリットルの、メタノール中1000ppmのBAC溶液の試料
を上記の方法に準じて2−オクチルシアノアクリレートを用いてその開始特性に
対して試験した。以下の重合時間を得た。 試料番号 硬化時間(秒) 1 109 2 106 3 111 4 121 5 102 6 101 7 109 8 57 9 126
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月20日(2000.12.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C076 AA88 BB31 CC01 CC04 CC05 CC27 CC30 CC31 CC32 CC35 DD48A 4C081 AA06 CA111 CE01 CE02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パッケージを有し、該パッケージが重合性モノマー組成物を含有す
    る第1の容器と、薬剤を含有する第2の容器と含む、薬剤を患者に移送するキット
  2. 【請求項2】前記薬剤が、重合開始剤あるいは重合速度促進剤であり、該薬剤に
    よってモノマーの重合を生じさせポリマー接着剤を形成する、請求項1のキット
  3. 【請求項3】薬剤が、組織上に局所的に適用されるに薬理的に有効な量で存在し
    ている、請求項1または2のキット。
  4. 【請求項4】外面組織が、皮膚である、請求項2のキット。
  5. 【請求項5】薬剤が、抗生物質、抗菌物質、消毒剤、バクテリオシン, 静菌剤,
    殺菌剤, ステロイド剤、麻酔剤, 防カビ剤, 抗炎症剤, 抗細菌剤, 抗ウイルス
    剤、抗腫瘍剤、組織成長促進物質およびそれらの混合物からなる群から選択され
    る、請求項1乃至3のいずれかのキット。
  6. 【請求項6】重合性モノマーが、1,1−二置換エチレンモノマーである、請求
    項1または2のキット。
  7. 【請求項7】重合性モノマーが、シアノアクリレートである、請求項1、2また
    は6のキット。
  8. 【請求項8】薬剤が、ハロゲン化第4級アンモニウム、スルファジアジンの塩お
    よび銀塩からなる群から選択される、請求項1−3及び5のいずれかのキット。
  9. 【請求項9】薬剤が、炭素原子を6〜18個含有するアルキル基を有する塩化ア
    ルキルベンジルジメチルアンモニウム、その純粋な成分あるいはその混合物及び
    塩化ベンゼトニウムからなる群から選ばれたハロゲン化第4級アンモニウムであ
    る、請求項1−3,5及び8のいずれかのキット。
  10. 【請求項10】薬剤が、銀塩、ナトリウム塩及び亜鉛塩からなる群から選ばれた
    スルファジアジンの塩である、請求項1−3,5及び9のいずれかのキット。
  11. 【請求項11】キットが、殺菌されている、請求項7のキット。
  12. 【請求項12】患者が、動物である、請求項2のキット。
  13. 【請求項13】重合性モノマー組成物と、薬剤を患者に移送する方法のための指
    示シートを含むパッケージ製品であって、該移送方法は、薬理的に有効量の薬剤
    を該患者の組織に適用し、薬剤の上に重合性モノマー組成物を適用する工程から
    なり、薬剤は重合開始剤あるいは重合速度促進剤であり、該薬によってモノマー
    組成物の重合を生起させ、該組織上を覆うポリマー接着剤を形成する、製品。
  14. 【請求項14】薬剤が、薬剤が塗布される組織に対して局所的な薬理効果を有す
    る、請求項13の製品。
  15. 【請求項15】薬剤が、前記患者に体系的な薬理効果を有する請求項13または
    14の製品。
  16. 【請求項16】重合性モノマーが、1,1−二置換エチレンモノマーである、請
    求項13〜15のいずれかの製品。
  17. 【請求項17】重合性モノマーが、シアノアクリレートである、請求項13〜1
    5のいずれかの製品。
  18. 【請求項18】薬剤が、アニオン、あるいはラジカル発生に関するもの、あるい
    はイオン対、あるいはラジカルである請求項13〜17のいずれかの製品。
  19. 【請求項19】薬剤を噴霧、はけ塗り、綿棒塗り、浸漬、こすり付け,あるいは
    振りかけにより適用する、請求項13〜18の製品。
  20. 【請求項20】薬剤が抗生物質、抗菌物質、消毒剤、バクテリオシン, 静菌剤,
    殺菌剤, ステロイド剤、麻酔剤, 防カビ剤, 抗炎症剤, 抗細菌剤, 抗ウイルス
    剤、抗腫瘍剤、組織成長促進物質及びそれらの混合物から選ばれた、製品。
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