JP2002512969A - マイコバクテリウム属菌を使用する、乳頭腫ウイルス感染症の治療 - Google Patents

マイコバクテリウム属菌を使用する、乳頭腫ウイルス感染症の治療

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JP2002512969A
JP2002512969A JP2000545545A JP2000545545A JP2002512969A JP 2002512969 A JP2002512969 A JP 2002512969A JP 2000545545 A JP2000545545 A JP 2000545545A JP 2000545545 A JP2000545545 A JP 2000545545A JP 2002512969 A JP2002512969 A JP 2002512969A
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アンドレアス ベーレ、
ディーター ヨクハム、
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アンドレアス ベーレ、
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Abstract

(57)【要約】 乳頭腫ウイルスによって引き起こされた疾患を、感染した部位へマイコバクテリウム属菌の有効量を施用することによって治療する。特に、尖圭コンジロームはヒト乳頭腫ウイルス感染によって引き起こされる。数多くの治療療法では、これらの患者にしばしば再発性疾患が見出される。 BCG療法は、一次治療として、また、標準的な治療に反応しない、あるいは、その後再発した患者に使用する。急速な再発性を示す尿道外および尿道内尖圭コンジロームに罹っている6人の男性が、レーザ治療の後、BCG療法を受けた。BCGの外部施用および尿道内点滴注入を、1週間の間隔で6回行った。追跡調査には、尿道および膀胱の検査および内視鏡視診が含まれた。これらの患者はBCGの1つのクールを終え、尖圭コンジロームの再発はなかった。2人の患者がBCGの第2のクールを受け、そのうち1人が再発した。1人の患者は、陰茎水腫のため療法を中断した後に再発した。年間再発率は、BCG療法を行う前の3.2から、BCG療法を行った後の0.75にまで低下した(p<0.05、非有意性 2 %)。さらに、8人の男性は、角質溶解を促進するためのサリチル酸と共にクリームに含ませたBCGを使用した他は、同じ治療クールに従って、初めにレーザ治療を行うことなく一次療法としてBCG療法を受けた。8人の患者のうち6人は完全に回復した。BCGにより誘発された免疫反応が、尖圭コンジロームを持つ患者の再発率を低下させたと考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野) 本発明は、乳頭腫ウイルスの感染によって引き起こされるヒトにおける疾患の
治療に関し、具体的には、ヒト乳頭腫ウイルスによって引き起こされるヒトにお
ける尖圭コンジロームの治療に関する。
【0002】 (発明の背景) 尿生殖路のヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染症は、ヒトにおいて最も頻繁に
性感染するウイルス性疾患である(参考文献1〜3 本発明が関係する現況技術
についてより十分な記述をなす目的で、括弧内に記す様々な参考文献を参照する
。各引用文献についての完全な書誌情報は、本明細書の末尾に示される。それに
より、これらの参考文献の開示も、参照することより本明細書の開示中に組み込
まれる)。HPVは二本鎖DNAウイルスであり、近年開発された分子生物学的
技法によれば、55種類以上の異なるタイプのHPVが認められている(参考文
献4)。HPVは、尖圭コンジローム、潜伏感染症および不顕性感染症、ボーエ
ン病を含む、広い範囲の臨床状態と関連している。特に尿生殖部における、侵食
癌ではHPV DNAが頻繁に検出されることから、不顕性感染症は上皮内新形
成を引き起こすと考えられるため、ますます重要さを増している(参考文献5)
。侵食癌への進展という著しい危険性は、HPVタイプ16、18、および33
による感染が原因とされている(参考文献6〜9)。
【0003】 尖圭コンジロームを引き起こす最も一般的なHPVタイプは、タイプ6および
11である。尖圭コンジロームは、顕在性、多病巣性、多中心性で、かつ多型の
病変である。発生し易い部位は、陰茎、陰嚢、会陰、尿道、肛門周囲部、間擦帯
、および口腔粘膜である。割礼を行っていない男性の場合、包皮小帯、冠状溝、
および包皮の内面が最もよく冒されるのに対し、割礼を行った患者の場合は陰茎
の幹部も含まれる。性器いぼは、性的能力の主な障害とも、多いに心理学的、美
容的面での関連性がある。
【0004】 治療として選択できるものには、切除、電気メス、凍結手術、レーザ昇華法な
どの外科的方法が含まれる。分子ハイブリダイゼーションの研究において、二酸
化炭素レーザによる性器いぼの除去後、隣接する正常組織中にもHPV DNA
配列が存在することが示された(参考文献10)。この発見および、初期治療後
における、周知の高い再発率は、目に見えない疾患の根絶のために合併療法が必
要であることを示している。しかし、例えば、5−フルオロウラシルやポドフィ
リン/ポドフィロトキシンなどの細胞毒性薬剤の局所的な塗布による治療結果は
、満足できるものではなかった(参考文献11〜13)。さらに、幾つかのタイ
プのインターフェロン(IFN)ならびに自己由来のワクチンが試されたものの
、成果はバラツキがあった(参考文献2、14〜17)。ごく最近になって、経
口イソトレチノインが、再発率の低減にある適度の成果を挙げている。
【0005】 (発明の概要) 本発明の一態様によれば、乳頭腫ウイルスによって引き起こされる疾患を治療
する方法が提供され、この方法は、感染部位に有効量のマイコバクテリウム(M
ycobacterium)属菌を塗布することを含む。
【0006】 特には、本発明は、マイコバクテリウム属菌を使用する、ヒト乳頭腫ウイルス
(HPV)によって引き起こされた感染症の治療に関する。このような感染症に
は、尋常性ゆうぜいと尖圭コンジロームを含むヒトの皮膚いぼおよび性器いぼ、
頚部上皮内新形成、性器癌を含めることができる。一般に、この治療は、男性の
場合には、陰茎感染、尿道内感染、肛門周囲感染、肛門内感染、または会陰感染
、女性の場合には、頚部感染、膣感染、性器周囲感染、尿道内感染、肛門内感染
、および会陰感染を含む、HPVによって引き起こされるヒトにおける、尖圭コ
ンジローム、陰茎癌、ボーエン病、子宮頚癌、頭頚部癌、喉頭乳頭腫症、および
喉頭癌を含む、任意の病状に適用できる。本発明は、男性における、尿道外およ
び尿道内尖圭コンジロームの再発への適用例によって説明される。
【0007】 使用することができるマイコバクテリウム属菌は、結核複合体の弱毒型マイコ
バクテリウム属菌であってもよく、例えば、弱毒型のM.bovis、特には、
カルメット−ゲラン杆菌(BCG)でもよい。
【0008】 治療は、マイコバクテリウム属菌を適切な担体に入れて感染部位に塗布するこ
とによって行うことができ、それには、皮膚、陰茎、および肛門周囲領域への局
所塗布、または尿生殖路への尿道内施用をも含めることができる。この治療は、
吸入薬、経口施用、あるいは、注腸剤によって行うこともできる。この治療では
、単回、または時間間隔をおいて複数回用量の投与も含むことができる。個々の
投与レベルは約1mgから約500mgまででもよく、その際、投与の間の時間
間隔は約1から約30日まで変えることができる。施される治療の回数は、1回
から約30回までである。この治療は、レーザまたはその他の、外科的あるいは
局所的な療法を前もって行うことができる。
【0009】 マイコバクテリウム属菌は、感染部位への局所塗布の用に、特に、感染部位へ
の付着塗布用のクリームとして、角質溶解薬と共に処方することができる。角質
溶解薬はサリチル酸でもよく、それは粉末化されていてもよい。角質溶解薬は、
約0.1から約50重量%、好ましくは、約1から約10重量%の量で含有する
ことができる。
【0010】 感染領域に塗布される組成物は、例えば、クリームやパウダ、軟膏剤など、所
望の剤型をとることができる。徐放系、硬膏、および経皮系を含む、所望の型の
塗布を使用することもできる。
【0011】 本発明は、その付加的態様において、乳頭腫ウイルスによって引き起こされた
病状を治療するための、感染部位へ局所塗布するための、角質溶解薬と共に処方
された有効量のマイコバクテリウム属菌を含む、治療用組成物をさらに含む。こ
の組成物は、先に述べたように処方することができる。
【0012】 本発明は、その別の態様において、乳頭腫ウイルス、特にヒト乳頭腫ウイルス
によって引き起こされた感染症を治療するための医薬の製造における、マイコバ
クテリウム属菌の使用にも及ぶ。
【0013】 (発明の概略的な説明) 過去数年にわたり、尖圭コンジロームの処理に際して広い範囲に及ぶ治療手法
が使用されてきた。しかし、どの形の療法も、一貫して有効な結果をもたらさな
かった。疾患の再発を回避するため、外科的な剥離法と免疫調節剤との組合せが
有望であるように考えられる。インターフェロンは、その抗ウイルス性、免疫調
節性、および抗増殖性により、尖圭コンジロームに対する局所的かつ全身的な形
の治療として与えられてきた。またインターフェロンは、その副作用が軽いプロ
フィルであるという理由からも選択されたが、再発率は最大75%であることが
報告された(参考文献2、14〜17)。
【0014】 以下に報告する症例研究では、BCGで治療した患者からは、いぼ、およびH
PVの細胞学的な形跡が全くなくなり、疾患は再発しなかった。1つの組の患者
は、以前、尖圭コンジロームの再発を2回から5回経験していた。年間再発率は
、標準的な療法の場合3.2であったものが、BCGによる療法では0.75に
まで著しく低下した。BCGに起因する副作用の発生数は低かった。1人の患者
は、この第1の治療クールの第2および第3のBCG施用後に、軽い排尿障害が
報告された。別の患者には陰茎水腫および熱があり、これは保存的に処理した。
陰茎水腫は、膀胱内にBCGを点滴注入した後の、まれな合併症である。しかし
、尿道の移行性細胞癌に対するBCGの尿道内点滴注入の場合について、Ban
iel他によって報告されている(参考文献21)。この報告されたグループの
中で、敗血症または血尿などの重い合併症は観察されなかった。
【0015】 第2の組の患者は、この状態に関して前の治療を受けておらず、予めレーザ手
術をすることなくBCGで治療をした。8人の患者のう6人について、目に見え
る全ての尖圭コンジロームの完全消滅が実現され、再発は報告されなかった。2
つの症例では不完全な後退が得られた。副作用は報告されなかった。
【0016】 (実施例) 上記開示は、本発明について概略的に記述している。以下の具体的な実施例を
参照することによって、より完全な理解を得ることができる。これらの実施例は
、単に例示を目的として記述され、本発明の範囲を限定することを意図するもの
ではない。情況が得策を提案しまたは実現することができるときは、形の変更お
よび均等物の代替が企図される。本明細書では特定の用語を使用するが、そのよ
うな用語は説明をするためであることが意図され、限定を目的とするものではな
い。
【0017】 実施例1 この実施例は、レーザ手術に対し補助的な療法としてBCGを使用した、臨床
試験の結果を含む。
【0018】 1994年10月から1997年3月までの間、急速に進行する再発性の尿道
外および尿道内尖圭コンジロームを持つ6人の男性を選択してBCG療法を行っ
た。平均年齢は27歳であった(範囲 22〜32歳)。全ての患者は、他の皮
膚科および泌尿器科で予め再発性尖圭コンジロームの療法を受けていた(下記の
表1参照)。これらの患者には、実験的な治療手法をとることを知らせ、一人一
人全てに書面にしたインフォームド・コンセントを渡した。
【0019】 酢酸を施用しまたは施用せずに、陰茎および陰嚢の検査を行い、10〜20W
のネオジム:イットリウム・アルミニウム・ガーネット(ND:YAG)レーザ
(Dornier Medilas Fibertome 4060)で病変を
治療した。尿道および膀胱の内視鏡視診も行い、目に見える病変をNd:YAG
レーザで治療した。最後に、肛門周囲部位を視診し、必要な場合はレーザ治療を
施した。
【0020】 レーザ療法とBCGの施用との間が3週間という最小限の間隔を使用した。B
CGの内部施用では、Connaught菌株(Pasteur Merieu
x Connaught Canada、North York、Ontari
o、カナダ)81mgを滅菌食塩水2mlに溶解した。この溶液を、尿道に低圧
で直接点滴注入し、最小限2時間維持した。事前に空になるのを避けるため、包
帯を尿道口上に巻いた。2時間後、包帯を外し、患者に自発的に排尿させた。1
週間の間隔で、合計6回のBCG点滴注入を行った。
【0021】 外部施用では、この場合もBCG Connaught菌株81mgを滅菌食
塩水2mlに溶解した。溶液を包帯に滴らし、これを溝またはその他の疾患のあ
る領域に静かに巻いた。包帯を固定し、湿気のある室内で2時間維持した。この
手順も、1週間の間隔で6回繰り返した。
【0022】 6人の患者の推移を以下に示し、かつ以下の表1に示す。
【0023】 症例1 22歳の男性患者は、1994年に尖圭コンジロームが発症した。初めに小帯
および尿道口に症状が出た。彼には局所的にポドフィリンで治療を行ったが二度
再発し、1995年4月に泌尿器科にまわした。内部および外部にレーザをあて
たにもかかわらず、13ヵ月の期間にわたって5回再発が生じた。1996年7
月から10月まで、1週間の間隔で6回、BCGを尿道内に点滴注入しかつ外部
に塗布した。11ヵ月の追跡調査では、再発は認められなかった。
【0024】 症例2 28歳の男性患者は、1995年5月に肛門周囲および包皮にコンジロームが
出た。膀胱鏡検査によって尿道の追加の病巣が明らかになり、したがって、内部
および外部レーザ療法を行った。3ヵ月後、尿道に再発したことが診断され、再
びレーザで治療した。その後この患者は、BCGの外部施用と組合せて6回の尿
道内点滴注入を受けた。29ヵ月の追跡調査では、再発は認められなかった。
【0025】 症例3 26歳の男性患者は、1992年に尖圭コンジロームという最初の診断があっ
た。症状が出た部位には、尿道口および小帯、ならびに肛門周囲部が含まれてい
た。15ヵ月の期間にわたって4回再発が生じ、これらは全てレーザ療法で処理
した。1995年9月に、BCGの尿道内点滴注入および外部施用を行った。2
4ヵ月の追跡調査では再発は認められなかった。
【0026】 症例4 32歳の男性は、1995年2月に尖圭コンジロームが発症した。彼には、手
術による矯正を必要としない尿道下裂があった。初めに症状が出た部分には尿道
口が含まれ、その後、小帯および尿道に症状が出た。次の16ヵ月の間、4回再
発が診断され、レーザで治療した。1996年8月および9月に尿道内にBCG
を与えた。さらに2回再発した後、BCGの尿道内点滴注入および外部施用を1
997年1月および2月に繰り返した。8ヵ月の追跡調査では、再発は認められ
なかった。
【0027】 症例5 31歳の男性は、1993年1月に尖圭コンジロームという最初の診断があっ
た。主に、尿道口および包皮に症状が出ていた。次の27ヵ月で4回再発が生じ
、レーザ療法で処理した。1995年5月および6月に、尿道内点滴注入および
外部BCG施用の第1のクールを行った。患者には3回再発があり、これをレー
ザで治療した。1996年6月および7月に、彼はBCGの第2のクールを受け
た。彼は、1回再発が出たが、これをレーザ凝固させ、12ヵ月の追跡調査では
再発は生じなかった。
【0028】 症例6 27歳の男性患者は、1996年8月に尖圭コンジローマが出た。陰茎、尿道
口、および尿道に症状が出た。二度再発した後、1997年7月にBCGを施用
した。副作用のため、3回目の点滴注入後に治療を停止した。彼は、陰茎水腫お
よび熱(38.5℃)が出て、消炎薬およびアイス・パックで治療した。3ヵ月
の追跡調査では、1つの新しい陰茎病変を発症した。
【0029】 この実施例で得られた臨床結果の概要では、3人の患者がBCGの1つのクー
ルを終えた。追跡調査によれば、これらの患者には再発がなかった(表1)。2
人の患者は、尖圭コンジロームの再発後にBCGの第2のクールを受けた。8ヵ
月間の追跡調査によれば、このうち1人は、第2のクールの後は再発しないまま
であった。第2のBCGクールの後、もう1人の患者には一度再発があった。1
人の患者は、彼の第1のクールの3回目のBCG点滴注入後、副作用のため療法
を中断した後に、再発が生じた。
【0030】 副作用に関し、1人の患者は彼の第1の治療クールの2回目および3回目のB
CG点滴注入の後、軽い排尿障害が報告された。別の患者は、陰茎水腫および熱
のためにBCG療法を取りやめた。その他の副作用は報告されなかった。治療後
の96ヵ月の間に6回の再発の症状の発現があったのに比べ、BCG療法の前で
は、136ヵ月の観察期間中に、36回の尖圭コンジロームの再発が認められた
。したがってBCG療法を行う前の年間再発率は3.2であり、この療法の後は
0.75であった。これらの結果は統計的に重要であった(p<0.05、非有
意性 2 %(参考文献22))。
【0031】 実施例2 この実施例は、先にレーザ手術を行わずにBCGを単独で使用した臨床試験の
結果を含む。
【0032】 一次性の尿道外(n=6)および尿道内(n=2)尖圭コンジロームがあり、
この状態に対して事前の治療をしていない8人の男性のグループについて、事前
にどのようなレーザ手術も行わない他は実施例1で述べたプロトコルに従って、
1週間の間隔でBCGを6回塗布しまたは点滴注入することにより治療した。
【0033】 使用した製剤は、以下の通りに調製した。
【0034】 二酸化ケイ素の0.5%D−マンニトール溶液からなる不活性賦形剤30mg
に加え、サリチル酸粉末30mgを、3mlの滅菌(0.9%)食塩水に溶解し
て懸濁させた。
【0035】 次いでConnaught菌株81mgを添加してペーストまたはクリームを
形成した。ペーストまたはクリームは、皮膚に非常によく接着した。塗布または
点滴注入を行った後、コンドームを2時間装着させ、他の包帯は着けなかった。
【0036】 8症例のうち6症例では、外部視診および酢酸試験の両方で決定されたように
、全ての目に見える尖圭コンジロームが消失した。再発が報告された患者はまだ
いない。
【0037】 共に尿道口のコンジロームがあるその他の2症例では不完全な後退があっただ
けであり、いずれの患者も、Nd:YAGレーザ治療の後にBCG治療の第2の
クールを受けた。
【0038】 これらの患者のいずれについても副作用は報告されなかった。
【0039】 (開示の概要) この開示の概要では、尖圭コンジローム、特に、速く再発する症状の治療には
BCG療法が有用である。概して乳頭腫ウイルスによって引き起こされる感染の
治療には、マイコバクテリア細菌が有用である。本発明の技術的範囲内で、変形
例が可能である。
【0040】
【表1】
【0041】 参考文献
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月9日(2000.11.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 31/20 31/20 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ヨクハム、 ディーター ドイツ連邦共和国 デー−23568 ルーベ ック ツヴィンクリシュトラッセ 1 Fターム(参考) 4C076 AA06 AA12 BB01 BB22 BB29 BB31 CC17 CC18 DD23 DD29 DD38 4C085 BA09 CC07 4C086 AA01 AA02 DA17 MA02 MA04 MA05 MA13 MA28 MA43 MA52 MA57 MA60 MA63 NA05 ZA81 ZA89 ZB33 ZC75 4C087 AA01 AA02 BC29 MA02 MA13 MA28 MA43 MA52 MA57 MA60 MA63 NA14 ZA81 ZA89 ZB33 ZC75

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳頭腫ウイルスによって引き起こされた病状を治療する方法
    であって、感染した部位へマイコバクテリウム属菌の有効量を施用することを含
    む方法。
  2. 【請求項2】 乳頭腫ウイルスがヒト乳頭腫ウイルスである請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 病状には、人間の皮膚いぼおよび性器いぼが含まれる請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 病状が、人間の尿道外および尿道内尖圭コンジロームである
    請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 マイコバクテリウム属菌が、結核複合体の弱毒型マイコバク
    テリウム属菌である請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記弱毒型マイコバクテリウム属菌が、弱毒型のM.bov
    isである請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記マイコバクテリウム属菌がカルメット−ゲラン杆菌(B
    CG)である請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 複数回の治療間の時間間隔が約1日から約30日である、約
    1回から約30回の治療であり、個々の治療の用量は、約1mgから約500m
    gの範囲のマイコバクテリウム属菌である請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 感染した部位の剥離手術が前もって行われる請求項1に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記剥離手術がレーザによって行われる請求項9に記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 感染した部位へ局所的に施用するため、前記マイコバクテ
    リウム属菌は角質溶解薬と共に処方される請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 感染した部位への粘着塗布用のクリームとして、前記マイ
    コバクテリウム属菌は角質溶解薬と共に処方される請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 感染した部位へ塗布するため、粘着クリームとして、前記
    BCGは粉末状のサリチル酸と共に処方される請求項7に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記サリチル酸は、組成物の約0.1から約50重量%の
    量で存在する請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記サリチル酸は、約1から約10重量%の量で存在する
    請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 乳頭腫ウイルスによって引き起こされた病状を治療するた
    めの治療用組成物であって、感染した部位へ局所的に施用するため角質溶解薬と
    共に処方された、マイコバクテリウム属菌の有効量を含む組成物。
  17. 【請求項17】 前記マイコバクテリウム属菌が、結核複合体の弱毒型マイ
    コバクテリウム属菌である請求項16に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 マイコバクテリウム属菌が、弱毒型のM.bovisであ
    る請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記マイコバクテリウム属菌が、カルメット−ゲラン杆菌
    (BCG)である請求項16に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記角質溶解薬が粉末状のサリチル酸である請求項19に
    記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記サリチル酸が、組成物の約0.1から約50重量%の
    量で存在する請求項20に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記サリチル酸が、約1から約10重量%の量で存在する
    請求項21に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 感染した部位へ粘着塗布用のクリームとして、処方される
    請求項16に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 乳頭腫ウイルス、特にヒト乳頭腫ウイルスによって引き起
    こされた感染を治療するための薬剤の製造におけるマイコバクテリウム属菌の使
    用。
  25. 【請求項25】 クリーム、パウダ、徐放性調剤、吸入薬、注腸、経口施用
    など、マイコバクテリウム属菌の任意の施用または製剤を含む、請求項24に記
    載の使用。
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