JP2002512792A - インスリン様増殖因子iiアンチセンスオリゴヌクレオチド配列および細胞増殖を調節するためのその使用方法 - Google Patents

インスリン様増殖因子iiアンチセンスオリゴヌクレオチド配列および細胞増殖を調節するためのその使用方法

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JP2002512792A JP2000545998A JP2000545998A JP2002512792A JP 2002512792 A JP2002512792 A JP 2002512792A JP 2000545998 A JP2000545998 A JP 2000545998A JP 2000545998 A JP2000545998 A JP 2000545998A JP 2002512792 A JP2002512792 A JP 2002512792A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物において腫瘍細胞増殖を調節するIGF−II遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドに関する。本発明はまた、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を阻害する際に、このような化合物を用いる方法に関する。本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の本発明の化合物を含む薬学的組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願に対する参照) 本願は、1998年4月23日に出願した米国仮出願番号第60/082,7
91号に対して優先権を主張する。その出願は全体として本明細書中で参考とし
て援用される。
【0002】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、哺乳動物インスリン様増殖因子II(IGF II)遺伝子に相補
的なオリゴヌクレオチドに関連し、そのオリゴヌクレオチドは哺乳動物において
腫瘍細胞の増殖を調節する。本発明はまた、哺乳動物における腫瘍細胞の増殖を
阻害するのにそのような化合物を使用する方法にも関連する。本発明はまた、薬
学的に受容可能な賦形剤および有効な量の本発明の化合物を含む、薬学的組成物
にも関連する。
【0003】 (参考文献) 以下の刊行物、特許出願、および特許が本出願において引用される。
【0004】
【数1】 上記の全ての刊行物、特許出願、および特許は、個々の刊行物、特許出願また
は特許が具体的におよび個々に全体として参考として援用されるのと同じ程度、
本明細書中で全体として参考として援用される。
【0005】 (技術水準) インスリン様増殖因子II(IGF−II)は、発生中のヒト胚組織に広く発
現し、および種々の組織の成長および分化に関連する、67アミノ酸のポリペプ
チド増殖因子である。誕生後、その発現はほとんど全てのヒト組織でだんだんと
失われる。成体ヒトでは、約100ng/mlの血清中レベルは主に肝臓によっ
て産生される。IGF−IIの生物学的な機能は、IGF−IIレセプター(炭
水化物の代謝、悪性細胞の運動性、および/または腫瘍により誘導される脈管形
成に関連する)またはIGF−Iレセプター(シグナル伝達経路および有糸分裂
誘発に関連する)のいずれかへの結合を介して媒介される。
【0006】 IGF−IIは、多くの腫瘍において、種々の機構によって腫瘍の進行および
転移に関係している((1、2)で概説されている)。IGF−IIが大きく関
与している腫瘍は、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍および神経芽腫のような小児期
腫瘍を含む。これらの腫瘍はIGF−IIの過剰発現を示し、パラクリンまたは
オートクリンループの存在を示し、そしてこのループが妨害された際に腫瘍の増
殖または転移の阻害を生じる。IGF−IIは、骨肉腫、乳ガン、肝芽腫、生殖
細胞腫瘍、肝細胞ガン、副腎皮質ガン、肺腫瘍、平滑筋肉腫、脳腫瘍および結腸
ガンを含む種々の腫瘍において、様々な程度に腫瘍の増殖および転移に寄与する
。さらに、腫瘍形成におけるIGF−IIの直接の役割が、トランスジェニック
マウスおよびそれを過剰発現するヒト細胞株によって解明された(3−5)。
【0007】 ヒトIGF−II遺伝子は、インスリン遺伝子のすぐ下流、染色体11p15
に位置し、30kbにわたる((6)で概説されている;図1参照のこと)。そ
れは9つのエキソンを含み、そのエキソン7、8、および9の一部が前駆体タン
パク質をコードする。エキソン1、4、5、および6の前にはそれぞれ別々のプ
ロモーターP1、P2、P3、およびP4が存在する。プロモーターP1は、成
体肝臓でのみ活性であり、一方P2〜4はほとんどの胎児組織で活性である。P
2、3、および4からの少量の転写物(胎児転写物)を発現しているいくつかの
成体組織が存在する。4つの主なmRNA種(胎児転写物では6Kb、4.8〜
5Kb、および2.2Kb、成体転写物では5.3Kb)が同定されており、そ
れらは別々のプロモーターから異なるスプライシングによって産生される。種々
の原発性ガンおよび細胞株で観察されるIGF−IIの過剰発現は、胎児mRN
A種の再活性化(肝臓において)または過剰発現(他の器官において)から生じ
るようであり、その発現は主にP3およびP4由来である。これらの胎児転写物
は、P1に由来する成体転写物(エキソン1、2および3を含む5’UTR)に
は存在しない、独特の5’非翻訳領域(エキソン4または5または6を含む5’
UTR)を含む。
【0008】 アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS−ODN)は、標的mRNAに対する
配列特異的ハイブリダイゼーションによって、標的特異的な方法で遺伝子発現を
阻害するために広く利用されてきた。多くの研究で、アンチセンスオリゴヌクレ
オチドに媒介されるガン遺伝子の抑制は、これらの化合物はガン遺伝子を支配す
る生化学的機構を詳細に描写するのに非常に有用であるだけでなく(7)、ヒト
ガンの治療のために新規治療化合物として大いに将来有望であること(8、9)
を明らかにした。さらに、オリゴヌクレオチドを基礎にした治療は、比較的毒性
が少ないとされた(10)。
【0009】 少数の研究(11、15〜17)が、ヒトまたはマウス成体IGF−II転写
物に対して標的化された特定のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、インビトロ
で腫瘍細胞の増殖を妨げるのに有効であったことを示した。1つの研究では(1
5)、ヒト成体転写物の翻訳開始部位に対して標的化されたアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドによるIGF−II産生の抑制が、ヒト肝細胞ガン細胞株、HuH
−7およびHepG2の増殖阻害を生じた。ヒト子宮頸ガン細胞株を利用する別
の研究では(16、17)、IGF−IIのタンパク質をコードする領域に対し
て標的化されたアンチセンスオリゴヌクレオチドが、上皮増殖因子(EGF)誘
導有糸分裂誘発効果を阻害したことを示した。
【0010】 従って、より高い特異性およびより少ない毒性でIGF−IIの発現および産
生を阻害するように作用する、IGF−IIに対するアンチセンスオリゴヌクレ
オチドを同定することが望ましい。
【0011】 (発明の要旨) 本発明は、哺乳動物においてIGF−II遺伝子の発現およびIGF−IIの
産生を調節するアンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびにそのようなアンチセ
ンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物に関する。本発明はまた、そのよう
なアンチセンスオリゴヌクレオチドを哺乳動物における腫瘍の増殖および転移を
阻害するために使用する方法にも関連する。
【0012】 従って、その組成物の局面の1つでは、本発明は、哺乳動物胎児IGF−II
mRNAに相補的なヌクレオチドを含む、約3から約100ヌクレオチドのオ
リゴヌクレオチドである、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。そのアン
チセンスオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性であり得、そして1つ以上の
ホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有し得る。そのアンチセンスオリゴヌ
クレオチドは、さらにIGF−II mRNAに相補的でない追加のヌクレオチ
ドを含み得る。そのオリゴヌクレオチドは、表1の配列番号1から15からなる
群より選択される配列を含み得る。
【0013】 本発明はまた、表2の配列番号17〜31からなる群より選択される、哺乳動
物成体IGF−II mRNAに相補的なヌクレオチドを含む、約20から約1
00ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである、アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドにも関する。
【0014】 別の組成物の局面では、本発明は、哺乳動物胎児IGF−II mRNAの5
’非翻訳領域に相補的な配列を含む、約3から100ヌクレオチドのアンチセン
スオリゴヌクレオチド配列を含むベクターに関する。
【0015】 別の組成物の局面では、本発明は、表2の配列番号17〜31からなる群より
選択される配列を含む、約20から100ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌ
クレオチド配列を含むベクターに関する。
【0016】 さらに別の組成物の局面では、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤、および
哺乳動物胎児IGF−II mRNAに相補的なヌクレオチドを含む約3から約
100ヌクレオチドの有効な量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的
組成物に関する。そのオリゴヌクレオチドは、表1の配列番号1から15からな
る群より選択される配列を含み得る。
【0017】 さらに別の組成物の局面では、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤、および
表2の配列番号17〜31からなる群より選択される配列を含む約20から約1
00ヌクレオチドの有効な量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組
成物に関する。
【0018】 その方法の局面の1つでは、本発明は、腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、
哺乳動物胎児IGF〜II mRNAに相補的な、約3ヌクレオチドから約10
0ヌクレオチドの、有効な量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、腫瘍の増殖
が阻害される条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物腫瘍の増殖を阻害する
方法に関する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、化学療法剤と共に投与され
得る。オリゴヌクレオチドは、表1の配列番号1から15からなる群より選択さ
れる配列を含み得る。
【0019】 本発明はまた、腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、表2の配列番号17〜3
1からなる群より選択される、哺乳動物成体IGF−II mRNAに相補的な
、約20ヌクレオチドから約100ヌクレオチドの、有効な量のアンチセンスオ
リゴヌクレオチドを、腫瘍の増殖が阻害される条件下で投与する工程を包含する
、哺乳動物腫瘍の増殖を阻害する方法に関する。
【0020】 別の方法の局面では、本発明は、転移性腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、
哺乳動物胎児IGF−II mRNAに相補的な約3ヌクレオチドから約100
ヌクレオチドの、有効な量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、腫瘍の転移が
阻害される条件下で投与する工程を包含する、哺乳動物腫瘍の転移を阻害する方
法に関する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、化学療法剤と共に投与さ
れ得る。このオリゴヌクレオチドは、表1の配列番号1から15からなる群より
選択される配列を含み得る。
【0021】 本発明はまた、転移性腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、表2の配列番号1
7〜31からなる群より選択される、哺乳動物成体IGF−II mRNAに相
補的な約20ヌクレオチドから約100ヌクレオチドの、有効な量のアンチセン
スオリゴヌクレオチドを、腫瘍の転移が阻害される条件下で投与する工程を包含
する、哺乳動物腫瘍の転移を阻害する方法に関する。
【0022】 (発明の詳細な説明) 本発明は、哺乳動物IGF−II遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドに関連
し、このオリゴヌクレオチドは哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を調節する。種
々のヒト原発性ガンおよび細胞株で観察されるIGF−IIの過剰発現は、胎児
mRNA種の再活性化(肝臓において)または過剰発現(他の器官おいて)から
生じるようである。従って、5’UTRにおける胎児転写物を特異的に標的化し
、成体転写物をそのままに残すように設計したアンチセンスオリゴヌクレオチド
は、標的腫瘍細胞に高度に特異的である。
【0023】 理論または機構に限られることなく、これらのアンチセンス化合物は、腫瘍細
胞のオートクリン増殖を抑制し、そしておそらくアポトーシスを誘導するだけで
なく、腫瘍細胞運動性および/または内皮細胞移動および脈管形成の誘導のよう
な、IGF−IIのオートクリン/パラクリン機能を阻害することによって、そ
れらの抗腫瘍活性を発揮する。
【0024】 (定義) 本明細書中で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
【0025】 本明細書中で使用される「アンチセンスオリゴヌクレオチド」という用語は、
所望のmRNAに相補的なヌクレオチド配列を意味する。アンチセンスオリゴヌ
クレオチドは、IGF−IIの発現を阻害するための標的として有効に作用する
哺乳動物IGF−II mRNAの任意の部分に相補的である。好ましくは、ア
ンチセンスオリゴヌクレオチドは、IGF−II胎児転写物の5’非翻訳領域に
相補的である。より好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、図11A
〜Cに示すようなエキソン4、5または6のヌクレオチド配列に相補的である。
【0026】 いかなる理論または機構に限定されることなく、一般的に、アンチセンスオリ
ゴヌクレオチドの活性は、オリゴヌクレオチドの標的核酸(例えば少なくとも一
部のゲノム領域、遺伝子またはそのmRNA転写物)への結合、従ってハイブリ
ダイゼーションによる停止またはRNaseHによる標的RNAの破壊(RNA
にハイブリダイズした場合のRNaseHを活性化する能力)のいずれかによる
、標的の機能の破壊に依存すると考えられている。
【0027】 「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然に存在する塩基、糖、および糖間
(骨格)結合からなる、ヌクレオチドのオリゴマーもしくはポリマー、またはヌ
クレオシドモノマーをいう。この用語はまた、同様に機能する、天然には存在し
ないモノマーまたはその一部を含む、修飾または置換オリゴマーを含む。そのよ
うな修飾または置換オリゴマーは、増強された細胞への取り込み、またはヌクレ
アーゼ存在下での増加した安定性のような性質のために、天然に存在する形態よ
りも好ましくあり得る。この用語はまた、2つ以上の化学的に別の領域を含むキ
メラオリゴヌクレオチドを含む。例えば、キメラオリゴヌクレオチドは、有益な
性質を与える(例えば増加したヌクレアーゼ耐性、増加した細胞への取り込み)
修飾ヌクレオチドの少なくとも1つの領域を含み得るか、または2つ以上の本発
明のオリゴヌクレオチドが結合してキメラオリゴヌクレオチドを形成し得る。
【0028】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、リボ核酸またはデオキシリボ核
酸であり得、そして、アデニン、グアニン、シトシン、チミンおよびウラシルを
含む、天然に存在するかまたは合成の単量体塩基を含み得る。オリゴヌクレオチ
ドはまた、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチル、2
−プロピルおよび他のアルキルアデニン、5−ハロウラシル、5−ハロシトシン
、6−アザウラシル、6−アザシトシンおよび6−アザチミン、プソイドウラシ
ル、4−チオウラシル、8−ハロアデニン、8−アミノアデニン、8−チオール
アデニン、8−チオールアルキルアデニン、8−ヒドロキシルアデニン、および
他の8−置換アデニン、8−ハログアニン、8−アミノグアニン、8−チオール
グアニン、8−チオアルキルグアニン、8−ヒドロキシルグアニン、および他の
8−置換グアニン、他のアザおよびデアザウラシル、チミジン、シトシン、また
はグアニン、5−トリフルオロメチルウラシルおよび5−トリフルオロシトシン
のような、修飾塩基も含み得る。修飾はまた、メチル基、エチル基、プロピル基
のような他の化学基の、糖、塩基、または骨格構成要素を含むオリゴヌクレオチ
ドの種々の部分への結合を含み得る。
【0029】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、リン酸骨格に修飾亜リン酸
酸素へテロ原子、短鎖アルキルまたはシクロアルキル糖間結合または短鎖へテロ
原子または複素環式糖間結合を含み得る。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオ
チドはメチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホス
ホトリエステル、およびモルホリノオリゴマーを含み得る。アンチセンスオリゴ
ヌクレオチドは、4から6の3’末端ヌクレオチドの間を結合するホスホロチオ
エート結合を含み得る。ホスホロチオエート結合は全てのヌクレオチドを結合し
得る。ホスホロチオエート結合はRpおよびSpエナンチオマーの混合であり得る
か、あるいはRpまたはSp形態のいずれかで立体規則性または実質的に立体規則
性であり得る。
【0030】 アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、糖模倣物を有し得る。オリゴヌクレ
オチドは、2’−O−置換リボヌクレオチドのような修飾塩基および/または糖
を有する、少なくとも1つのヌクレオチドを有し得る。本発明の目的のために、
「2’−O−置換」という用語は、5炭糖部分の2’位の、1〜6の飽和または
不飽和炭素原子を含む−O−低級アルキル基による、または2〜6の炭素原子を
有する−O−アリールまたはアリル基による置換を意味する。ここでそのような
アルキル、アリールまたはアリル基は、置換されなくても、例えばハロ、ヒドロ
キシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキ
シ、カルボキシル、カルバルコキシル(carbalkoxyl)、またはアミ
ノ基で置換されていてもよい。本発明のオリゴヌクレオチドは5’末端で2’−
O−アリル化された4または5のリボヌクレオチド、および/または3’末端で
2’−O−アルキル化された4または5のリボヌクレオチドを含み得る。
【0031】 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、ヌクレオチドの構造が根本
的に変化したヌクレオチドアナログを含み得る。そのようなオリゴヌクレオチド
アナログの1つの例は、ペプチド核酸(PNA)である。ここで、DNA(また
はRNA)におけるデオキシリボース(またはリボース)リン酸骨格は、ペプチ
ドで見られるものと同様のポリアミド骨格に置換されている(Nielsenら 29 ;GoodおよびNielsen30;Buchardt、故人、ら31;米国特
許第5,766,855号;Buchardt、故人、ら32;米国特許第5,7
19,262号)。PNAアナログは酵素による分解に抵抗性であり、そしてイ
ンビボおよびインビトロで延長した寿命を有することが示された。PNAはまた
、PNA鎖とDNA鎖との間に電荷の反発が無いために、天然に存在する核酸分
子よりも強く相補的なDNA配列に結合する。
【0032】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、ポリマー骨格、環状骨格、または非環状
骨格を含む他のヌクレオチドを含み得る。例えば、ヌクレオチドはモルホリノ骨
格構造を含み得る(米国特許第5,034,506号(33))。
【0033】 本発明のオリゴヌクレオチドは、それらが修飾されてDNAおよびRNAヌク
レアーゼによる分解を受け難いか、またはあるいはオリゴヌクレオチドをDNA
またはRNAヌクレアーゼから保護する輸送ビヒクルに置かれた場合、「ヌクレ
アーゼ耐性」である。ヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドは、例えばメチルホ
スホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル
、およびモルホリノオリゴマーを含む。ヌクレアーゼ耐性を与える適切な輸送ビ
ヒクルとしては、例えばリポソームが挙げられる。
【0034】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的性質
を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的性質を改善する基のような
基を含み得る。
【0035】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくはIGF−II遺伝子に相補的
な配列から選択され、その結果、その配列は2重鎖形成、ヘアピン形成、および
ホモオリゴマー/配列反復を示す最も少ない見込みを示すが、IGF−II遺伝
子配列に結合する高度から中程度の可能性を有する。これらの性質はコンピュー
ターモデリングプログラムOLIGO Primer Analysis So
ftware、Version 5.0(National Bioscien
ces,Inc.、Plymouth、MNによって配布)を用いて決定され得
る。このコンピュータープログラムはこれら5つのパラメーターの質的な推定の
決定を可能にする。
【0036】 あるいは、アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、2つ以上の哺乳動物種間
でIGF−II遺伝子の配列が高度に保存されていることに基づいて選択され得
る。これらの性質は、University of Wisconsin Co
mputerグループ(GCG)ソフトウェア(Devereux J.ら(3
5))のBLASTNプログラム(Altschulら(34))を、Nati
onal Center for Biotechnology Inform
ation(NCBI)データベースと共に用いて決定され得る。
【0037】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、置換、挿入および欠失のような変異を含
み得る。好ましくは、変異を有する配列は10%より少ない。
【0038】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは一般的に、少なくとも約3ヌクレオチドま
たはヌクレオチドアナログ、より好ましくは少なくとも約5ヌクレオチド、より
好ましくは少なくとも約7ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約9ヌクレ
オチド、および最も好ましくは少なくとも約20ヌクレオチドからなる。アンチ
センスオリゴヌクレオチドは、好ましくは約100ヌクレオチドまたはヌクレオ
チドアナログより少なく、より好ましくは約50ヌクレオチドまたはヌクレオチ
ドアナログより少なく、最も好ましくは約35ヌクレオチドまたはヌクレオチド
アナログより少ない。
【0039】 好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、胎児IGF−II転写物の
5’非翻訳領域に相補的である。「胎児IGF−II転写物の非翻訳領域」は、
胎児細胞で転写され主なIGF−II転写物を形成するし、そして成体IGF−
II転写物(成体細胞における主な転写物)の部分を形成しないIGF−II遺
伝子の部分を意味する。好ましくは、「胎児IGF−II転写物の非翻訳領域」
は、IGF−II遺伝子のエキソン4、5、および6である。最も好ましくは、
「胎児IGF−II転写物の非翻訳領域」は、実質的に図11A〜Cに示すエキ
ソン4、5、および6の配列である。
【0040】 好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは表1および2に示す配列を含
む(下記)。
【0041】
【表1】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトIGF−II mRNAに相補的な
配列から選択され、その結果、その配列は2重鎖形成、ヘアピン形成、およびホ
モオリゴマー/配列反復を示す最も少ない見込みを示すが、IGF−II mR
NA配列に結合する高い可能性を有し、そしてGCクランプ(clamp)を含
む。さらに、ヒトおよびマウスにおいて他の頻繁に存在するまたは反復する配列
に対する誤ったプライミングが排除された。これらの性質は、コンピューターモ
デリングプログラムOLIGO(登録商標)Primer Analysis
Software、Version 5.0(National Biosci
ences,Inc.、Plymouth、MNによって配布)を用いて決定し
た。
【0042】
【表2】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトIGF−II mRNAに相補的な
配列から選択され、その結果、その配列は2重鎖形成、ヘアピン形成、およびホ
モオリゴマー/配列反復を示す最も少ない見込みを示すが、IGF−II mR
NA配列に結合する高い可能性を有し、そしてGCクランプを含む。さらに、ヒ
トおよびマウスにおいて他の頻繁に存在するまたは反復する配列に対する誤った
プライミングが排除された。これらの性質は、コンピューターモデリングプログ
ラムOLIGO(登録商標)Primer Analysis Softwar
e、Version 5.0(National Biosciences,I
nc.、Plymouth、MNによって配布)を用いて決定した。
【0043】 表1および2において、「Tm」は最近接(nearest−neighbo
ur)の熱力学値によって計算したオリゴヌクレオチド2重鎖の溶解温度である
。この温度で50%の核酸分子が2重鎖であり、そして50%が変性する。「Δ
G」は、オリゴヌクレオチドの自由エネルギーであり、それはオリゴヌクレオチ
ド2重鎖の安定性の測定値である。
【0044】 「アルキル」という用語は、好ましくは1から20の炭素原子、およびより好
ましくは1から6の炭素原子を有する、1価のアルキル基をいう。この用語は、
メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、
n−ヘキシル等のような基によって例示される。
【0045】 「アリール」という用語は、単一の環(例えばフェニル)または複数の縮合し
た(融合した)環(例えばナフチルまたはアントリル)を有する、6から14炭
素原子の不飽和芳香族炭素環式基をいう。好ましいアリールは、フェニル、ナフ
チル等を含む。
【0046】 「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およ
びヨードを指し、そして好ましくはフルオロまたはクロロのいずれかである。
【0047】 1つ以上の置換基を含む上記の任意の基に関して、もちろんそのような基は立
体的に実行不可能な、および/または合成的に実行不可能な任意の置換または置
換パターンを含まないことが理解される。さらに、本発明の化合物はこれらの化
合物の置換により発生する全ての立体化学的異性体を含む。
【0048】 「薬学的に受容可能な」という用語は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨
害しない、無毒性の物質を意味する。その物質は細胞、細胞培養物、組織または
器官のような生物学的系に適合する。
【0049】 「薬学的に受容可能な塩」という用語は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレ
オチドの生物学的有効性および性質を保持し、そして生物学的にまたは他の点で
有害でない塩をいう。多くの場合、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは
、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれと同様の基の存在によって酸
性塩および/または塩基性塩を形成し得る。
【0050】 薬学的に受容可能な塩基を加えた塩は、無機および有機塩基から調製され得る
。無機塩基に由来する塩は、単なる例証として、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。有機塩基に由来す
る塩は、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキ
ルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニ
ルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン
、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキ
ルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換
シクロアルキルアミン、ジ置換シクロアルキルアミン、トリ置換シクロアルキル
アミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シク
ロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、ジ置換シクロアルケニル
アミン、トリ置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン
、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリ
へテロアリールアミン、複素環式アミン、ジ複素環式アミン、トリへテロサイク
リックアミン、混合ジ−およびトリ−アミン(少なくとも2つのアミンの置換基
が異なり、そしてアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シク
ロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、
アリール、ヘテロアリール、複素環等からなる群より選択される)のような、一
級、二級および三級アミンの塩を含むがこれらに限定されない。2つまたは3つ
の置換基が、アミノ窒素と共に、複素環またはヘテロアリール基を形成するアミ
ンもまた含まれる。
【0051】 適切なアミンの例は、単なる例証として、イソプロピルアミン、トリメチルア
ミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n−プロピル)ア
ミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リシ
ン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン
、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン、テオ
ブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジ
ン等を含む。他のカルボン酸誘導体、例えばカルボキサミド、低級アルキルカル
ボキサミド、ジアルキルカルボキサミド等を含むカルボン酸アミドが、本発明の
実施において有用であることも理解される。
【0052】 薬学的に受容可能な酸を加えた塩は、無機および有機酸から調製され得る。無
機酸に由来する塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を含む。有機酸
に由来する塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、蓚酸、リン
ゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香
酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、サリチル酸等を含む。
【0053】 「IGF−II遺伝子」または「インスリン様増殖因子II」という用語は、
IGF−IまたはIGF−IIレセプターに結合できるタンパク質をコードする
任意の遺伝子をいう。好ましくは、IGF−II遺伝子は、図11A〜Dに示す
エキソン4、5、6または7〜9の配列と実質的に同様なヌクレオチド配列を有
する、1つ以上の領域を有する。
【0054】 「〜に相補的な」という用語は、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列が標的
配列、すなわちIGF−II遺伝子(またはmRNA)に結合し得ることを意味
する。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは生理的な条件下で、例え
ばワトソン−クリック型塩基対(オリゴヌクレオチドと1本鎖核酸との間の相互
作用)によって、またはフーグスティーン型塩基対(オリゴヌクレオチドおよび
2本鎖核酸の間の相互作用)によって、またはオリゴヌクレオチドがRNAに結
合して擬節(pseudoknot)の形成を生じる場合を含む任意の手段によ
って、核酸配列に結合する。生理的条件下でのワトソン−クリックまたはフーグ
スティーン型塩基対による結合は、実施上の問題として、核酸配列の機能の妨害
を観察することによって測定される。
【0055】 好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列は、標的配列と少なくとも
約75%同一であり、好ましくは少なくとも約90%同一、および最も好ましく
は標的配列と少なくとも約95%同一であり、いくつかの塩基でギャップまたは
ミスマッチを可能にする。同一性は、例えばUniversity of Wi
sconsin Computer Group(GCG)ソフトウェアのBL
ASTNプログラムを用いることによって決定され得る。本明細書中で記載した
OLIGO Primer Analysis Software、versi
on5.0プログラムによって決定されるように、好ましくは、アンチセンスオ
リゴヌクレオチド配列は、少なくとも45℃、より好ましくは少なくとも約50
℃、および最も好ましくは少なくとも約55℃の溶解温度で、IGF−II m
RNAとハイブリダイズする。
【0056】 「増殖の阻害」という用語は、少なくとも1つの腫瘍細胞型の、好ましくは少
なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%、および最も好ましくは少な
くとも75%の、増殖の抑制または阻害を意味する。腫瘍の増殖の阻害は、ヌー
ドマウスにおける腫瘍の大きさ、またはインビトロにおいて腫瘍細胞がコロニー
を形成できないことを測定することによって決定され得る。
【0057】 「転移の阻害」という用語は、発達する転移腫瘍の数を、好ましくは少なくと
も10%、およびより好ましくは少なくとも50%抑制または阻害することを意
味する。これは実施例に示す方法および当該分野で公知の他の方法によって決定
され得る。
【0058】 「IGF−IIの発現の阻害」という用語は、オリゴヌクレオチドを細胞に投
与した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドがIGF−II mRNAレベル
または細胞によって産生されるIGF−IIタンパク質レベルを抑制することを
意味する。
【0059】 「哺乳動物」または「哺乳動物の」という用語は、ヒト、ヒツジ、ウシ、ウマ
、ブタ、イヌ、ネコ、およびマウス等を含む全ての哺乳動物を意味し、好ましく
はヒトを意味する。
【0060】 「腫瘍を有すると疑われる哺乳動物」は、哺乳動物が増殖性障害または腫瘍を
有し得ること、または増殖性障害または腫瘍と診断されたこと、または以前に増
殖性疾障害または腫瘍と診断され、腫瘍は外科的に除去され、そして哺乳動物が
残留するいくらかの腫瘍細胞を有すると疑われることを意味する。
【0061】 (アンチセンスオリゴヌクレオチドの調製) 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、従来のおよび周知の技術によっ
て調製され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは固相合成を用いて、および特に
Applied Biosystems Canada,Inc.、Missi
ssauga、Canadaから入手可能な装置のような、市販の装置を用いて
調製され得る。オリゴヌクレオチドはまた、当該分野で公知の方法によって、天
然に存在するIGF−II遺伝子を酵素的に消化することによって調製され得る
【0062】 これらのオリゴヌクレオチドは、ホスホロアミデート(phosphoram
idate)またはH−ホスホエート化学のような、当該分野で認められた方法
によって調製され得る。それはUhlmannら(21)およびAgrawal
ら(22)によって記載されたように、手動で、または自動化合成機によって行
われ得る。
【0063】 (アンチセンスオリゴヌクレオチドの単離および精製) 本明細書中で記載したアンチセンスオリゴヌクレオチドの単離および精製は、
所望であれば、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層ク
ロマトグラフィー、厚層(thick−layer)クロマトグラフィー、分離
低圧液体クロマトグラフィーもしくは分離高圧液体クロマトグラフィー、または
これらの手順を組み合せたもののような、任意の適切な分離または精製によって
実施され得る。しかし、もちろん他の同等な分離または単離手順も使用され得る
【0064】 アンチセンスオリゴヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、オリゴヌクレオ
チドの配列を考慮して、および当該分野で公知の手順を用いて構築され得る。
【0065】 ベクターは、当業者によって、アンチセンスオリゴヌクレオチド配列の所望の
転写を達成するのに必要な全ての発現エレメントを含むように、構築され得る。
従って、本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドをコードする配列に作動可
能に連結された転写調節配列を含むベクターを提供する。適切な転写および翻訳
エレメントは、細菌、真菌、ウイルス、哺乳動物または昆虫遺伝子を含む種々の
供給源に由来し得る。適切なエレメントの選択は、選択した宿主細胞に依存する
【0066】 リポーター遺伝子がベクターに含まれ得る。適切なリポーター遺伝子は、βガ
ラクトシダーゼ(例えばlacZ)、クロラムフェニコール、アセチルトランス
フェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、または免疫グロブリンもしくはその一部を
含む。アンチセンスオリゴヌクレオチドの転写を、リポーター遺伝子の発現をモ
ニターすることによってモニターし得る。
【0067】 当該分野で公知の、種々の任意の方法によってベクターを細胞または組織に導
入し得る。そのような方法はSambrookら24;Ausubelら25;Ch
angら36;Vegaら37およびVectors:A Survey of M
olecular Cloning Vectors and Their U
ses38において一般的に記載されているのを見出すことができ、そして例えば
安定または一過性トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレー
ション、および組換えウイルスベクターを用いた感染を含む。
【0068】 感染による核酸の導入は、いくつかの利点を提供する。組織の型に対するより
高い有効性および特異性を得ることができる。ウイルスは代表的には特定の細胞
の型に感染し、そして増殖する。従って、ウイルスの特異性を、インビボまたは
組織もしくは細胞の混合培養物において、ベクターを特定の細胞の型に標的化す
るのに使用し得る。ウイルスベクターを特異的なレセプターまたはリガンドで修
飾し、レセプターが媒介する事象によって標的特異性を変化させ得る。
【0069】 本発明のオリゴヌクレオチドがmRNAを切断するリボザイムであり得ること
が意図される。リボザイムは、好ましくは本発明のオリゴヌクレオチドの配列と
相同な配列、およびmRNAの切断に必要な触媒中心を有する。例えば、IGF
−II mRNAを破壊する、相同なリボザイムの配列を選択し得る。本発明で
利用されるリボザイムの型は、当該分野で公知の型から選択され得る。グループ
Iイントロン、RNaseP、肝炎デルタウイルスリボザイム、ハンマーヘッド
リボザイムおよびもともとはtobacco ringspotウイルスサテラ
イトRNA(sTRSV)のマイナス鎖に由来するヘアピンリボザイムを含む、
いくつかのリボザイム構造ファミリーが同定された(Sullivan 199
4、米国特許第5,225,34739)。ハンマーヘッドおよびヘアピンリボザ
イムモチーフが、遺伝子治療におけるmRNAのトランス切断のために最も一般
に適応される(Sullivan 1994)。好ましくはヘアピンリボザイム
が本発明において使用される。一般的に、リボザイムは30から100ヌクレオ
チドの長さである。
【0070】 本発明のオリゴヌクレオチドは、不溶化し得る。例えば、オリゴヌクレオチド
は適切なキャリアに結合し得る。適切なキャリアの例は、アガロース、セルロー
ス、デキストラン、セファデックス、セファロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリスチレン、濾紙、イオン交換樹脂、プラスチックフィルム、プラスチッ
クチューブ、ガラスビーズ、ポリアミン−メチルビニル−エーテル−マレイン酸
コポリマー、アミノ酸コポリマー、エチレン−マレイン酸コポリマー、ナイロン
、絹等である。キャリアは例えば、チューブ、テストプレート、ビーズディスク
、球等の形状であり得る。
【0071】 不溶化オリゴヌクレオチドを、物質を適切な不溶性キャリアと、公知の化学的
または物理的方法、例えば臭化シアンカップリングによって反応させることによ
って調製し得る。
【0072】 (薬学的処方物) 医薬品として採用される場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは通常、薬学
的組成物の形態で投与される。これらの化合物は、経口、直腸、経皮、皮下、静
脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む種々の経路によって投与され得る。これらの
化合物は注射用および経口用組成物のどちらとしても有効である。そのような組
成物は、薬学的な分野で周知の方法で調製され、そして少なくとも1つの活性化
合物を含む。薬学的組成物は、例えば静脈内投与される。薬学的組成物は処置さ
れる腫瘍に直接投与され得ることが意図される。
【0073】 本発明はまた、活性成分として薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と関
連した1つ以上のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物を含む。
本発明の組成物を作成する場合、活性成分を通常、賦形剤と混合し、賦形剤によ
って希釈し、またはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得るその
ようなキャリアに封入する。賦形剤が希釈剤として作用する場合、それは固体、
半固体、または液体の物質であり得、活性成分のビヒクル、キャリア、または媒
体として作用する。従って、組成物は錠剤、丸薬、粉末、トローチ剤、サシェ、
カシェ剤、エリキシル、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(
固体としてまたは液体の媒体中で)、例えば重量で10%までの活性化合物を含
む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液、および滅
菌包装粉末の形態であり得る。
【0074】 処方を調製する場合、他の成分と組み合せる前に、適切な粒子の大きさを提供
するために、活性化合物を製粉する必要があり得る。活性化合物が実質的に不溶
性の場合、通常200メッシュより小さい粒子の大きさに製粉される。活性化合
物が実質的に水溶性の場合、粒子の大きさは通常、製粉によって、処方中で実質
的に均一な分布を提供するために、例えば約40メッシュに調節される。
【0075】 適切な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、
ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、ア
ルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、珪酸カルシウム、微結晶性セルロー
ス、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセル
ロースを含む。処方物はさらに次のものを含み得る。すなわち、タルク、ステア
リン酸マグネシウム、および鉱油のような潤滑剤;湿潤剤;乳化および懸濁剤;
メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸塩のような保存剤;甘味料;およ
び香料。本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を採用することによって、患
者に投与した後、活性成分の迅速な、持続する、または遅延する放出を提供する
ために処方され得る。
【0076】 組成物は、好ましくは単位投薬量形態で処方され、それぞれの投薬量は約1%
から約95%まで、より通常には約5%から約90%までの活性成分を含む。「
単位投薬量形態」という用語は、ヒト被験体および他の哺乳動物における単位投
薬量として適切な物理的に別々の単位をいい、それぞれの単位は所望の治療効果
を産生するために計算した、前もって決定した量の活性物質を、適切な薬剤学的
賦形剤と共に含む。
【0077】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは広い投薬量の範囲で有効であり、および一
般的に薬剤学的に有効な量で投与される。有効な量は、投与した時に症状を軽減
する量である。好ましくは、有効な量は腫瘍細胞の増殖を阻害できる量である。
好ましくは、有効な量は約0.1mg/kg体重から約20mg/kg体重であ
る。しかし、実際に投与されるアンチセンスオリゴヌクレオチドの量は、処置さ
れる状態、選択した投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、体重
、および反応、患者の症状の重症度等を含む関連する状況を考慮して、医師によ
って決定されることが理解される。治療の過程は数日から数ヶ月、または疾患の
縮小が達成されるまで続き得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、他の公知
の治療と組み合せて投与され得る。1つ以上の他の治療と共に投与される場合、
オリゴヌクレオチドは他の処置と同時、または連続的のいずれかで投与され得る
。連続的に投与される場合、他の治療と組み合せたオリゴヌクレオチドの投与の
適切な順序を、担当の医師が決定する。
【0078】 錠剤のような固体の組成物を調製するために、主な活性成分/アンチセンスオ
リゴヌクレオチドを薬学的賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を
含む、固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均一である
という場合、それは活性成分が組成物中で均一に分散し、その結果、組成物を容
易に、錠剤、丸薬、およびカプセルのような同等に有効な単位投薬量形態にさら
に分け得ることを意味する。
【0079】 本発明の錠剤または丸薬は、延長した作用の利点を与える投薬量形態を提供す
るために、コーティングされるか、またはそうでなければ調合され得る。例えば
、錠剤または丸薬は、内部投薬成分および外部投薬成分を含み得、後者は前者を
覆う被膜の形態である。2つの成分は、胃における分解に抵抗し、そして内部成
分をそのまま十二指腸に通過させるために、または放出を遅らせるために働く腸
溶性の膜で分離され得る。種々の物質をそのような腸溶性の膜またはコーティン
グに使用し得、そのような物質は、多くのポリマー性酸(plymeric a
cid)、およびセラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような
物質とポリマー性酸の混合物を含む。
【0080】 本発明の新規組成物が経口または注射によって投与するために組み込まれ得る
液体形態は、水溶液、適切に味付けしたシロップ、水性または油性懸濁液、およ
びコーン油、綿実油、ごま油、ココナッツオイル、またはピーナッツオイルのよ
うな食用油で味付けしたエマルジョン、およびエリキシルおよび同様の薬学的ビ
ヒクルを含む。
【0081】 吸入(inhalation)または吹送(insufflation)のた
めの組成物は、薬学的に受容可能な水性または有機溶媒の溶液または懸濁液、ま
たはそれらの混合物、および粉末を含む。液体組成物または固体組成物は、本明
細書中で記載したような、適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。好まし
くは、組成物は、局所または全身性の効果のために、経口または鼻呼吸経路で投
与される。好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物を、不活性ガスの使用
によって噴霧し得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか
、または噴霧デバイスは、フェイスマスクテント(face mask ten
t)または間欠性の加圧呼吸器に連結され得る。溶液組成物、懸濁液組成物、ま
たは粉末組成物を、好ましくは経口または鼻腔内に、処方物を適切な方法で送達
するデバイスから投与し得る。
【0082】 本発明の薬学的組成物は、リポソームの形態であり得、ここでオリゴヌクレオ
チドは、他の薬学的に受容可能なキャリアに加えて、水溶液中でミセル、不溶性
の単層膜、液晶または層状の層として凝集した形態で存在する脂質のような両親
媒性の試薬と組み合せられる。リポソーム処方物に適切な脂質は、モノグリセリ
ド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸
などを含むがこれらに限定されない。1つの特に有用な脂質キャリアは、リポフ
ェクチンである。そのようなリポソーム処方物の調製は、当該分野における技術
、例えば国際特許第WO97/21808号(28)の範囲内である。薬学的組
成物はさらに、オリゴヌクレオチドの細胞中への送達を増強するシクロデキスト
リンなど、または徐放性のポリマーのような化合物を含み得る。
【0083】 本発明の方法において用いられる別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(
「パッチ」)を用いる。そのような経皮パッチは、制御された量において、本発
明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの連続的または非連続的な注入を提供する
ために使用され得る。薬学的薬剤の送達のための、経皮パッチの構築および使用
は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,023,252号40(本明
細書中で参考として援用される)を参照のこと。そのようなパッチは、薬学的薬
剤の連続的な、拍動性の、または要求による送達のために構築され得る。
【0084】 別の好ましい送達方法は、皮膚の層を横切る、裸のアンチセンスオリゴヌクレ
オチドの「ショットガン」送達を含む。「裸」のアンチセンスオリゴヌクレオチ
ドの送達は、当該分野で周知である。例えば、Felgnerら、米国特許第5
,580,859号41を参照のこと。アンチセンスオリゴヌクレオチドが、アン
チセンスオリゴヌクレオチドの「ショットガン」送達の前に脂質小胞に封入され
得ることが意図される。
【0085】 以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を説明する。
【0086】 (処方例1) 以下の成分を含むハードゼラチンカプセルを調製する。 成分 量(mg/カプセル) 活性成分 30.0 デンプン 305.0 ステアリン酸マグネシウム 5.0 上記の成分を混合して、そして340mgの量をハードゼラチンカプセルに充
填する。
【0087】 (処方例2) 錠剤処方物を下記の成分を用いて調製する。 成分 量(mg/錠) 活性成分 25.0 セルロース、微結晶性 200.0 コロイド状二酸化珪素 10.0 ステアリン酸 5.0 化合物を混和および圧縮して、それぞれ240mgの重さの錠剤を形成する。
【0088】 (処方例3) 以下の成分を含む乾燥粉末吸入処方物を調製する。 成分 重量% 活性成分 5 ラクトース 95 活性成分をラクトースと混合し、そしてこの混合物を乾燥粉末吸入装置に加え
る。
【0089】 (処方例4) それぞれ30mgの活性成分を含む錠剤を以下のように調製する。 成分 量(mg/錠) 活性成分 30.0mg デンプン 45.0mg 微結晶性セルロース 35.0mg ポリビニルピロリドン(滅菌水中の10%溶液として) 4.0mg カルボキシメチルデンプンナトリウム 4.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg タルク 1.0mg 合計 120mg 活性成分、デンプンおよびセルロースを20番メッシュのU.S.ふるい(s
ieve)に通し、そして完全に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得ら
れた粉末と混合し、それを次いで16番メッシュU.S.ふるい(sieve)
に通す。そのように産生した顆粒を50℃から60℃で乾燥し、そして16メッ
シュU.S.ふるいに通す。次いで、予め30番U.S.ふるいに通したカルボ
キシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆
粒に加え、混合した後にそれを打錠機で圧縮して、それぞれ120mgの重量の
錠剤を産生する。
【0090】 (処方例5) それぞれ40mgの薬剤を含むカプセルを以下のように作製する。 成分 量(mg/カプセル) 活性成分 40.0mg デンプン 109.0mg ステアリン酸マグネシウム 1.0mg 合計 150.0mg 活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混和し、20番メッ
シュU.S.ふるいに通し、そして150mgの量をハードゼラチンカプセルに
充填する。
【0091】 (処方例6) それぞれ25mgの活性成分を含む坐剤を、以下のように作製する。 成分 量 活性成分 25mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000mgまで 活性成分を60番メッシュU.S.ふるいに通し、そして必要最低限の熱を用
いて予め融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで混合物を公称(no
minal)2.0gの容量の坐剤鋳型に注ぎ、そして冷却する。
【0092】 (処方例7) 5.0mLの投与量あたりそれぞれ50mgの薬剤を含む懸濁液を以下のよう
に作製する。 成分 量 活性成分 50.0mg キサンタンガム 4.0mg カルボキシメチルセルロースナトリウム(11%) 微結晶性セルロース(89%) 50.0mg スクロース 1.75g 安息香酸ナトリウム 10.0mg 香料および色素 適量 精製水 5.0mLまで 活性成分、スクロースおよびキサンタンガムを混和し、10番メッシュU.S
.ふるいに通し、次いで、水中で予め作製した微結晶性セルロースおよびカルボ
キシメチルセルロースナトリウムの溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料
、および色素をいくらかの水で希釈し、そして攪拌しながら加える。次いで十分
な水を加えて必要な容量を産生する。
【0093】 (処方例8)
【0094】
【表3】 活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを混和し、20番メッ
シュU.S.ふるい(sieve)に通し、そして425.0mgの量をハード
ゼラチンカプセルに充填する。
【0095】 (処方例9) 処方を以下のように調製し得る。
【0096】
【表4】 (処方例10) 局所用の処方を以下のように調製し得る。
【0097】
【表5】 白色ソフトパラフィンを溶解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ワ
ックスを組み入れ、そして溶解するまで攪拌する。活性成分を加え、そして分散
するまで攪拌を続ける。次いで混合物を固くなるまで冷却する。
【0098】 本発明で使用するのに適切な他の処方物を、Remington’s Pha
rmaceutical Sciences(23)に見ることができる。
【0099】 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを含
む薬学的組成物を、適切な容器に包装した必要な材料を提供する、便利なキット
に包装し得る。
【0100】 治療処方物の形態である本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、腫瘍の
増殖に関連する疾患、ならびに障害および状態を治療するのに有用である。その
ような方法では、IGF−IIの胎児転写物の発現を阻害するのに有効な、治療
的な量のオリゴヌクレオチドが、細胞に投与される。この細胞は、細胞培養物、
組織培養の一部であり得、またはヒトのような哺乳動物の体全体の一部であり得
る。
【0101】 本発明のオリゴヌクレオチドおよびリボザイムは、腫瘍細胞の増殖を調整する
。従って、腫瘍または腫瘍細胞を、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドと
接触させる工程を含む、哺乳動物において腫瘍細胞の増殖を妨害または阻害する
方法が提供される。
【0102】 「接触」という用語は、オリゴヌクレオチド、リボザイム等を細胞懸濁液また
は組織試料に加えること、またはオリゴヌクレオチド等を直接または間接に、動
物内の細胞または組織に投与することを指す。
【0103】 本方法を用いて、白血病、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、肉腫、黒
色腫、腺腫、固形組織のガン腫、低酸素腫瘍、口、咽喉、喉頭および肺の扁平上
皮細胞ガン、子宮頸ガンおよび膀胱ガンのような尿生殖器ガン、造血性ガン、結
腸ガン、乳ガン、膵臓ガン、腎臓ガン、脳のガン、皮膚ガン、肝臓ガン、頭部お
よび首部のガン、および神経系のガン、ならびに乳頭腫のような良性の病変のよ
うな、種々の形態のガンまたは腫瘍を含む、増殖性障害を治療し得る。乾癬のよ
うな他の増殖性障害および関節硬化症を含む増殖性障害も含まれる。
【0104】 本発明のオリゴヌクレオチドはまた、薬剤耐性腫瘍を処置するために使用され
得る。薬剤耐性腫瘍の例は、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メトト
レキサート、またはヒドロキシウレアのような化学療法剤に耐性の腫瘍、ならび
にコルヒチン、ビンブラスチン、およびドキソルビシンのような複数の抗癌剤に
対する耐性を与えることが知られているP−糖タンパク質を高レベルに発現して
いる腫瘍;またはDreeleyら(28)によって記載されたような多剤耐性
タンパク質を発現している腫瘍である。従って、本発明のオリゴヌクレオチドが
公知の抗癌化合物または化学療法剤と組み合せて、またはそれに加えて投与され
得ることが意図される。化学療法剤は、腫瘍の増殖を阻害し得る化合物である。
そのような薬剤は、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、メトトレキサー
トおよびヒドロキシウレアを含むがこれらに限定されない。化学療法剤の量は、
有効な量、すなわち腫瘍の増殖を阻害するのに十分な量、または有効な量より少
ない量のいずれかであり得ることが意図される。
【0105】 本発明のオリゴヌクレオチドは、C8161黒色腫細胞のような転移性の腫瘍
の増殖を減少させることが見い出された。本発明の実施態様では、哺乳動物胎児
IGF−II mRNAの5’非翻訳領域に相補的な配列を含む、約3から約1
00ヌクレオチドの、有効な量のオリゴヌクレオチドを投与する工程を含む、哺
乳動物において転移性腫瘍の増殖を減少させる方法が提供される。その配列は、
表1に示したオリゴヌクレオチドの群から選択され得る。別の実施態様では、表
2に示した配列番号17〜31の群から選択される配列を含む、約20から約1
00ヌクレオチドの、有効な量のオリゴヌクレオチドを投与する工程を含む、哺
乳動物において転移性腫瘍の増殖を減少させる方法が提供される。
【0106】 オリゴヌクレオチドは、ウイルス性ベクターまたは非ウイルス性ベクターを用
いて送達され得る。配列は、本発明のオリゴヌクレオチドが細胞内で発現される
ように、カセットまたは構築物に組み込まれ得る。好ましくは、構築物は、オリ
ゴヌクレオチドが細胞内で転写されることを可能にする、適切な転写制御領域を
含む。
【0107】 従って、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドをコードする配列に作動可能
に連結した転写制御配列を含むベクターを提供する。本発明はさらに、これらの
ベクターで形質転換される、適切な真核生物細胞および原核生物細胞から選択さ
れた宿主細胞を提供する。
【0108】 適切なベクターは公知であり、そして好ましくは配列の望ましい転写を達成す
るのに必要な全ての発現エレメントを含む。ファージミドは、プラスミドまたは
バクテリオファージベクターのいずれかとして使用され得るので、そのような有
用なベクターの特定の例である。ベクターの例は、バクテリオファージ、バキュ
ロウイルス、レトロウイルス、DNAウイルスのようなウイルス、リポソームお
よび他の組換えベクターを含む。ベクターはまた、原核生物宿主系または真核生
物宿主系のいずれかで使用するためのエレメントを含み得る。当業者は、どの宿
主系が特定のベクターと適合性であるかをわかる。
【0109】 ベクターは、安定なまたは一過性のトランスフェクション、リポフェクション
、エレクトロポレーション、および組換えウイルスベクターでの感染によって細
胞に導入され得る。
【0110】 その安全性を保証するためおよび/またはその治療的効力を増強するために、
さらなる特徴をベクターに加え得る。そのような特徴は、例えば、組換えウイル
スに感染した細胞をネガティブ選択するのに使用され得るマーカーを含む。その
ようなネガティブ選択マーカーの例は、抗ウイルス剤ガンシクロビルに対する感
受性を与えるTK遺伝子である。特定の細胞の型へ発現を制限する特徴も含まれ
得る。そのような特徴は、例えば、望ましい細胞の型に特異的なプロモーターお
よび調節エレメントを含む。
【0111】 レトロウイルスベクターは、側方感染および標的化特異性のような利点を提供
するので、望ましい核酸のインビボ導入に有用なベクターの別の例である。側方
感染は、1つの感染細胞が、隣接細胞に感染する多くの子孫ビリオンを産生する
過程である。結果として大きな領域が迅速に感染される。
【0112】 本発明の方法で使用されるベクターは、標的とされる望ましい細胞の型に依存
して選択され得る。例えば、乳ガンを治療する場合、上皮細胞に特異的なベクタ
ーを使用し得る。同様に、造血系の細胞を治療する場合、血球に特異的なウイル
スベクターが好ましい。
【0113】 (有用性) 本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、種々の目的に使用され得る。本
発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、哺乳動物細胞におけるIGF−II
遺伝子の発現を阻害するのに使用され得る。それはその細胞の増殖阻害を引き起
こす。このオリゴヌクレオチドは、哺乳動物細胞においてIGF−II mRN
Aの存在を検出するためのハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る
。そのように使用される場合、このオリゴヌクレオチドは、適切な検出基(例え
ば、放射性同位元素、リガンド、特異的な結合対の別のメンバー、例えば、ビオ
チン)で標識され得る。最後に、このオリゴヌクレオチドは、分子量マーカーと
して使用され得る。
【0114】 本発明およびその利点をさらに説明するために、以下の特定の実施例が与えら
れるが、いかなる方法でも本特許請求の範囲を制限することを意味しない。
【0115】 (実施例) 下記の実施例で、全ての温度は摂氏であり(他に述べない限り)、および全て
の%は重量%である(これもまた、他に述べない限り)。
【0116】 下記の実施例で、以下の省略は以下の意味を有する。省略が定義されない場合
、それは一般に受け入れられた意味を有する。 AS=アンチセンス cDNA=相補的デオキシリボ核酸 ODN=オリゴデオキシヌクレオチド μM=マイクロモル濃度 mM=ミリモル濃度 M=モル濃度 ml=ミリリットル μl=マイクロリットル mg=ミリグラム μg=マイクログラム PAGE=ポリアクリルアミドゲル電気泳動 rpm=1分あたりの回転数 ΔG=自由エネルギー、オリゴヌクレオチド二重鎖安定性の測定値 kcal=キロカロリー FBS=ウシ胎児血清 DTT=ジチオトレイトール SDS=ドデシル硫酸ナトリウム PBS=リン酸緩衝化生理食塩水 PMSF=フェニルメチルスルホニルフルオリド GDPDH=グリセルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ IgG=免疫グロブリンG kDa=キロダルトン PCR=ポリメラーゼ連鎖反応 Tris−HCl=トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸 TRIzol=全RNA単離試薬 ECL=ウェスタンブロッティング検出試薬 IGF−I=インスリン様増殖因子I IGF−II=インスリン様増殖因子II UTR=非翻訳領域 (分子生物学における一般的な方法) 当該分野で公知であり、具体的に記載されていない標準的な分子生物学技術は
、一般的にSambrookら24、Ausubel25、およびPerbal26
従った。
【0117】 (オリゴヌクレオチド) アンチセンスオリゴヌクレオチドは、その配列が、二重鎖形成、ヘアピン形成
、およびホモオリゴマー/配列反復を示す可能性は最も少ないが、IGF−II
mRNA配列に結合する高い可能性を有するように、IGF−II mRNA
に相補的な配列から選択した。それに加えて、ヒトおよびマウスにおいて他の頻
繁に存在する配列、または反復配列に対する誤ったプライミングを排除した。こ
れらの特質をコンピューターモデリングプログラムOLIGO(登録商標) P
rimer Analysis Software、Version5.0(I
nternational Biosciences,Inc. Plymou
th MN)を用いて決定した。この分析に基づいて、ホスホロチオエートアン
チセンスオリゴヌクレオチドを設計し、そして次いで当該分野で周知の方法によ
って作製した。
【0118】 (細胞株) 胎児性横紋筋肉腫(RD)、神経芽腫(SK−N−AS)、ウィルムス腫瘍(
G401)、黒色腫(C8161)、ヒト前立腺ガン(PC−3)、転移性膵臓
腺ガン(AsPC−1)を含む5つの異なるヒトガン細胞株を、America
n Type Culture Collection(ATCC)から得た。
細胞株を、10%ウシ胎児血清(FBS)を補充したα−MEM培地(Gibc
o BRL、Gaithersburg、MD)中で維持した。
【0119】 (実施例1.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドによる
、ガン細胞株の増殖阻害) 異なるホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドによって処理した
ガン細胞株のコロニー形成能を、前に記載された(Choyら18)方法を用いて
評価した。具体的には、腫瘍細胞懸濁液のアリコートを60mmの組織培養皿に
約1×104の密度で播種し、そして10%FBSを補充したα−MEM培地中
で、37℃で一晩インキュベートした。細胞を5mlのPBSで1回洗浄し、そ
して陽イオン性脂質(リポフェクチン試薬、最終濃度5μg/ml、Gibco
−BRL、Gaithersburg、MD)の存在下で4時間、0.2μMの
示したアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理した。そのアンチセンスオリゴヌ
クレオチドを、細胞をPBSで1回洗浄することによって除去し、そしてこの細
胞を増殖培地(10%FBSを補充したα−MEM培地)中で、7から10日間
、37℃で培養した。コロニーをメチレンブルーで染色し、そして記載された(
Choyら18およびHuangおよびWright20)ように直接計数すること
によってスコアした。パーセント阻害を、アンチセンスオリゴヌクレオチドの非
存在下で増殖した培養物に存在するコロニーの数と比較することによって計算し
た。全ての実験を4連で行った。
【0120】 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒト腫瘍細胞株のコロニー形成能に対し
て阻害効果を発揮した。それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドのパーセン
ト阻害を、横紋筋肉腫(RD)に関しては図2Aに、ヒト前立腺ガン細胞株(P
C−3)に関しては図2Bに、ヒト膵臓ガン細胞株(AsPC−1)に関しては
図2Cに、およびヒト神経芽腫細胞株(SK−N−AS)に関しては図2Dに示
す。
【0121】 (実施例2.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理
した後、減少したmRNAレベル) ヒト神経芽腫細胞(SK−N−AS)または横紋筋肉腫細胞(RD)をサブコ
ンフルエント(subconfluency)(70−80%)になるまで増殖
させ、そして陽イオン性脂質(リポフェクチン試薬、最終濃度5μg/ml、G
ibco−BRL)およびOpti−MEM(Gibco−BRL)存在下で、
0.2μMのIGF−IIに相補的なホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌ
クレオチドで4時間処理した。細胞をPBSで1回洗浄し、そして10%FBS
を含むα−MEM培地(Gibco−BRL)中で16時間インキュベートした
。全RNAをTRIzol試薬(Gibco−BRL)中で調製し、そしてノー
ザンブロット分析を、HurtaおよびWright(27)に記載のように、
いくらか改変して行った。ブロットを、順方向プライマー(5’−TAC CG
C CCC AGT GAG ACC CT−3’)[配列番号32]、逆方向
プライマー(5’−TGA CGT TTG GCC TCC CTG AA−
3’)[配列番号33]、およびヒト結腸直腸腺ガン5’−ストレッチプラスc
DNAライブラリー(Clonetech、Palo Alto CA)を鋳型
として用いて合成した、32P標識した389bpのPCR断片と、ハイブリダイ
ズさせた。ヒトIGF−II mRNAは、約6kbのヌクレオチド転写物とし
て発現した(Wernerら6)。同等のRNAのローディングを、ハイブリダ
イゼーションの前に、ブロットのメチレンブルー染色によって実施した。
【0122】 図3は、アンチセンスオリゴヌクレオチドがIGF−II mRNAレベルを
少なくともコントロールレベルの50%まで減少することを示す。
【0123】 (実施例3.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドで処理
した後、減少したIGF−IIタンパク質レベル) ヒト神経芽腫細胞(SK−N−AS)または横紋筋肉腫細胞(RD)をサブコ
ンフルエント(70−80%)になるまで増殖させ、そして陽イオン性脂質(リ
ポフェクチン試薬、最終濃度5μg/ml、Gibco−BRL)およびOpt
i−MEM(Gibco−BRL)の存在下で、0.2μMのIGF−IIに相
補的なホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドで4時間処理した。
細胞をPBSで1回洗浄し、そして10%FBSを含むα−MEM培地(Gib
co−BRL)中で20時間インキュベートした。処理およびインキュベーショ
ンをもう1回繰り返し、全細胞タンパク質抽出物を2×試料ローディング緩衝液
(100mMのTris−HCl、pH6.8、0.2MのDTT、4%のSD
S、20%のグリセロール、および0.015%のブロモフェノールブルー)中
で調製した。
【0124】 ウェスタンブロット分析を、前に記載された(Choyら(18)、Fanら
(19))ように、いくらか改変して行った。IGF−IIの発現を、抗IGF
−II抗体(1−2μg/ml)(Research Diagnostics
Inc.、Flanders NJ)で、続いて1:7,000希釈の西洋ワ
サビペルオキシダーゼ結合抗ヤギIgG(sigma、St.Louis MO
)で検出した。約7.5kDaのタンパク質を、ECL(Amersham、A
rlington heights、IL)によって可視化した。
【0125】 図4は、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチド処理後の、ヒト神経芽腫細胞
におけるIGF−IIタンパク質の減少を示す。
【0126】 図5は、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチド処理後の、ヒト横紋筋肉腫細
胞におけるIGF−IIタンパク質の減少を示す。
【0127】 (実施例4.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い
た静脈内処置による、マウスにおけるヒト腫瘍細胞増殖の阻害) CD−1無胸腺症ヌードマウスをCharles River Labora
tories(Montreal Canada)から購入した。SK−N−A
Sヒト神経芽腫細胞(代表的には100μlのPBS中で3×106細胞)を6
−7週齢のCD−1無胸腺症雌ヌードマウスの右横腹に皮下注射した。各実験群
は5匹のマウスを含んだ。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(代
表的には腫瘍細胞注射後6日)、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、1
0mg/kgで1日おきに尾静脈にボーラス注入によって投与した。コントロー
ル動物には同じ期間、生理食塩水のみを投与した。処置は代表的にはその後14
日間続いた。
【0128】 図6Aは、CD−1ヌードマウスにおけるヒト神経芽腫の増殖に対する、種々
のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を示す。抗腫瘍活性を、14日間にわ
たる2日間隔の平均値をカリパーで測定する、腫瘍体積の阻害によって評価した
。図のそれぞれの点は、実験群あたり5匹の動物から計算した平均腫瘍体積を表
す。それぞれの処置群内の、時間に対するマウスの回帰曲線を比較するために、
共分散分析を使用した。傾きの同等性または傾きが同じ場合の切片の同等性の特
定の仮説を、この分析から得る。全ての分析はSAS(Statistical
Analysis System)version6.12を使用した。生理
食塩水のコントロールと比較した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与
は、腫瘍の増殖を0.0001以下のp値で阻害した。
【0129】 処置の終了時(通常最後の処置の24時間後)、動物を屠殺し、そして腫瘍の
重量を測定した。図6Bは腫瘍の平均重量を示す。アンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、腫瘍の増殖に対して有意な阻害効果を示した。分散の一方向分析を使用
して、処置群の平均値を比較した。群全体の効果が有意である場合、最小二乗平
均値を用いた先験的な複数の比較を使用して、有意に異なる処置群の組を見出し
た。腫瘍重量を比較した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、生理食
塩水コントロールと比較した場合統計学的に有意な阻害を示した。
【0130】 (実施例5.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い
た静脈内処置による、マウスにおけるヒト腫瘍細胞増殖の阻害) CD−1無胸腺症ヌードマウスをCharles River Labora
tories(Montreal Canada)から購入した。G401ヒト
ウィルムス腫瘍細胞(代表的には100μlのPBS中で3×106細胞)を、
6−7週齢のCD−1無胸腺症雌ヌードマウスの右横腹に皮下注射した。各実験
群は5匹のマウスを含んだ。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(
代表的には腫瘍細胞注射後8日)、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを1
0mg/kgで1日おきに尾静脈にボーラス注入によって投与した。コントロー
ル動物には同じ期間、生理食塩水のみを投与した。処置は代表的にはその後18
日間続いた。
【0131】 図7Aは、CD−1ヌードマウスにおけるヒトウィルムス腫瘍の増殖に対する
、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果を示す。18日間にわたる2日
間隔の平均値をカリパーで測定する腫瘍体積の阻害によって、抗腫瘍活性を評価
した。図のそれぞれの点は、実験群あたり5匹の動物から計算した平均腫瘍体積
を表す。共分散分析を使用して、それぞれの処置群内のマウスの時間に対する回
帰曲線を比較した。傾きの同等性または傾きが同じ時切片の同等性の特定の仮説
を分析から得る。全ての分析はSAS(Statistical Analys
is System)version6.12を使用した。生理食塩水のコント
ロールと比較した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は、腫瘍の増殖
を0.0002以下のp値で阻害した。
【0132】 処置の終了時(通常最後の処置の24時間後)、動物を屠殺し、そして腫瘍の
重量を測定した。図7Bは腫瘍の平均重量を示す。アンチセンスオリゴヌクレオ
チドは、腫瘍の増殖に対して有意な阻害効果を示した。分散の一方向分析を使用
して、処置群の平均値を比較した。群全体の効果が有意である場合、最小二乗平
均値を用いた先験的な複数の比較を使用して、有意に異なる処置群の組を見出し
た。腫瘍重量を比較した場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、生理食
塩水コントロールと比較した場合統計学的に有意な阻害を示した。
【0133】 (実施例6.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い
た静脈内処置による、マウス内のヒト腫瘍におけるIGF−II mRNAレベ
ルの減少) CD−1無胸腺症ヌードマウスをCharles River Labora
tories(Montreal Canada)から購入した。SK−N−A
Sヒト神経芽腫細胞(代表的には100μlのPBS中で3×106細胞)を6
−7週齢のCD−1無胸腺症雌ヌードマウスの右横腹に皮下注射した。各実験群
は、5匹のマウスを含んだ。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(
代表的には腫瘍細胞注射後6日)、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを1
0mg/kgで1日おきに尾静脈にボーラス注入によって投与した。コントロー
ル動物には同じ期間、生理食塩水のみを投与した。7回注射した後マウスを屠殺
し、そして同様の大きさの摘出腫瘍断片をすぐにTRIzol試薬(GIBCO
BRL)中に採取し、そしてmRNAの調製のために迅速にホモジナイズした
【0134】 IGF−II mRNAレベルに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの効
果を測定するために、ノーザンブロット分析を、前に記載された(Hurtaお
よびWright(27))ように、いくらか改変して行った。ブロットを、順
方向プライマー(5’−TAC CGC CCC AGT GAG ACC C
T−3’)[配列番号32]、逆方向プライマー(5’−TGA CGT TT
G GCC TCC CTG AA−3’)[配列番号33]、およびヒト結腸
直腸腺ガン5’−ストレッチプラスcDNAライブラリー(Clonetech
、Palo Alto CA)を鋳型として用いて合成した、32P標識した38
9bpのPCR断片とハイブリダイズさせた。ヒトIGF−II mRNAは、
約6kbのヌクレオチド転写物として発現し(Wernerら6)、そしてその
レベルを、前に記載された(HurtaおよびWright(27))ように、
グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)mRNAと比
較した。
【0135】 図8は、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドGTI4006[配列番号
6]によって処置した腫瘍において、IGF−II mRNAレベルが減少した
ことを示す。
【0136】 (実施例7.IGF−IIに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用い
た静脈内処置による、マウス内のヒト腫瘍におけるIGF−IIタンパク質レベ
ルの減少) CD−1無胸腺症ヌードマウスをCharles River Labora
tories(Montreal Canada)から購入した。SK−N−A
Sヒト神経芽腫細胞(代表的には100μlのPBS中で3×106細胞)を、
6−7週齢のCD−1無胸腺症雌ヌードマウスの右横腹に皮下注射した。各実験
群は5匹のマウスを含んだ。腫瘍の大きさが約100mm3の体積に達した後(
代表的には腫瘍細胞注射後6日)、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを1
0mg/kgで1日おきに尾静脈にボーラス注入によって投与した。コントロー
ル動物には同じ期間、生理食塩水のみを投与した。7回注射した後マウスを屠殺
し、そして同様の大きさの摘出腫瘍断片をすぐにRIPA抽出緩衝液(50mM
のTris−HCl、pH7.5、150mMのロイペプチン)中に採取し、そ
してタンパク質の調製のために迅速にホモジナイズした。
【0137】 IGF−IIタンパク質レベルに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオ
チドの効果を測定するために、ウェスタンブロット分析を、前に記載された(C
hoyら(18)、Fanら(19))ように、いくらか改変して行った。タン
パク質抽出物(10−20μg)を15%のSDS−PAGEゲルで分画し、そ
してニトロセルロース膜に移して、そしてIndiaインク染色によって可視化
した。抗IGF−II抗体(1−2μg/ml)(Research Diag
nostics Inc.、Flanders NJ)、続いて1:7,000
希釈の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヤギIgG(sigma、St.Lo
uis MO)によって、IGF−IIの発現を検出した。約7.5kDaのタ
ンパク質がECL(Amersham、Arlington Heights、
IL)によって可視化された。
【0138】 図9は、腫瘍細胞から抽出したタンパク質のウェスタンブロットを示す。試験
したアンチセンスオリゴヌクレオチドはそれぞれ、腫瘍におけるIGF−IIタ
ンパク質レベルを減少させた。それぞれのレーンにおける同等のローディングを
実証するために、Indiaインクで染色したブロットの一部をすぐ下に示す。
【0139】 (実施例8.アンチセンスオリゴヌクレオチドによる実験的転移の阻害) 異なるアンチセンスオリゴヌクレオチドによって処理したC8161ヒト黒色
腫細胞の実験的転移を、前に記載された(Fanら、199619)ように評価し
た。細胞懸濁液のアリコートを、100mmの組織培養皿に2×106の密度で
播種し、そして10%FBSを補充したα−MEM培地中で、37℃で一晩イン
キュベートした。細胞を10mlのPBSで1回洗浄し、そして陽イオン性脂質
(リポフェクチン試薬、最終濃度5μg/ml、Gibco−BRL)の存在下
で、0.2μlのオリゴヌクレオチドで4時間処理した。そのアンチセンスオリ
ゴヌクレオチドを、細胞をPBSで1回洗浄することによって除去し、そして細
胞をトリプシン処理した。次いで細胞を遠心分離によって回収し、そして0.1
mlのPBSに懸濁した約1×105の細胞を、6−8週齢のCD−1無胸腺症
雌ヌードマウスの尾静脈に注射した。5週間後に、肺腫瘍の数を個々のマウスか
ら摘出した肺をピクリン酸色素溶液(75%のピクリン酸、20%のホルムアル
デヒド、5%の氷酢酸)で染色した後、推定した。
【0140】 図10は、肺腫瘍細胞を種々のアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドで処
理した後、雌ヌードマウスにおいて減少された肺腫瘍の数を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ヒトIGF−II遺伝子および選択的に転写およびスプライシングさ
れたmRNAの地図である。数字の付いた箱(1〜9)は、IGF−II遺伝子
のエキソンを示す。4つのプロモーター(P1〜P4)もまた矢印で示す。種々
のIGF−II mRNA種をその対応する大きさとともに、図の下の部分に描
く。ぬりつぶした箱は、IGF−II前駆体タンパク質をコードする領域を表す
【図2A】 図2A〜Dは、示したアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与による、異なっ
た細胞株におけるコロニー形成能の、阻害割合のグラフである。図2Aはヒト横
紋筋肉腫細胞株RDの阻害割合を示す。
【図2B】 図2A〜Dは、示したアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与による、異なっ
た細胞株におけるコロニー形成能の、阻害割合のグラフである。図2Bはヒト前
立腺ガン細胞株PC−3の阻害割合を示す。
【図2C】 図2A〜Dは、示したアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与による、異なっ
た細胞株におけるコロニー形成能の、阻害割合のグラフである。図2Cはヒト膵
臓ガン細胞株AsPC−1の阻害割合を示す。
【図2D】 図2A〜Dは、示したアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与による、異なっ
た細胞株におけるコロニー形成能の、阻害割合のグラフである。図2Dはヒト神
経芽腫細胞株SK−N−ASの阻害割合を示す。
【図3】 図3は、アンチセンスオリゴヌクレオチド:GTI4006(配列番号6)ま
たはGTI4011(配列番号11)の投与後、ヒト神経芽腫細胞株SK−N−
ASまたは横紋筋肉腫細胞株(RD)のいずれかにおける、RNAのノーザンブ
ロットのオートラジオグラフである。
【図4】 図4は、異なるアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用いた処理後の、
ヒト神経芽腫細胞におけるIGF−II発現のウェスタンブロットの写真である
【図5】 図5は、異なるアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用いた処理後の、
ヒト横紋筋肉腫細胞におけるIGF−II発現のウェスタンブロットの写真であ
る。
【図6】 図6Aは、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を伴う、または伴わ
ない(コントロール)、マウスにおけるヒト神経芽腫細胞(SK−N−AS)の
注射後の、腫瘍の体積のグラフである。 図6Bは、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を伴う、または伴わ
ない(コントロール)、マウスにおけるヒト神経芽腫細胞(SK−N−AS)の
注射から20日後の、腫瘍の重量のグラフである。
【図7】 図7Aは、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を伴う、または伴わ
ない(コントロール)、マウスにおけるヒトウィルムス腫瘍細胞(G401)の
注射後の、腫瘍の体積のグラフである。 図7Bは、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を伴う、または伴わ
ない(コントロール)、マウスにおけるヒトウィルムス腫瘍細胞(G401)の
注射から20日後の、腫瘍の重量のグラフである。
【図8】 図8は、アンチセンスオリゴヌクレオチドGTI4006(配列番号6)を用
いた処理後、ヒト神経芽腫(SK−N−AS)腫瘍におけるIGF−II mR
NAレベルの、ノーザンブロットのオートラジオグラフである。
【図9】 図9は、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた処理後の、ヒト神経
芽腫(SK−N−AS)腫瘍におけるIGF−IIタンパク質レベルの、ウェス
タンブロットの写真である。下のバンドはロードした全体のタンパク質を示すた
めに墨で染色したゲルの写真である。
【図10】 図10は、種々のアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたヒト黒色腫細胞株
(C8161)の治療後のこの細胞による肺転移の、1マウスあたりの平均数の
グラフである。
【図11A】 図11は、ヒトIGF−II遺伝子のヌクレオチド配列の一部である。図11
Aは、エキソン4の配列である(配列番号34)。
【図11B】 図11は、ヒトIGF−II遺伝子のヌクレオチド配列の一部である。図11
Bは、エキソン5の配列である(配列番号35)。
【図11C】 図11は、ヒトIGF−II遺伝子のヌクレオチド配列の一部である。図11
Cは、エキソン6の配列である(配列番号36)。
【図11D】 図11は、ヒトIGF−II遺伝子のヌクレオチド配列の一部である。図11
Dは、エキソン7〜9の配列である(配列番号37)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ヤング, エイピング エイチ. カナダ国 エム2アール 1ピー3 オン タリオ, ノース ヨーク, センラック ロード 201 (72)発明者 リー, ユーン エス. カナダ国 エル5エイ 2エル7 オンタ リオ, ミシサウガ, コルサー ロード 2219 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA20 DA02 EA04 GA11 HA17 4C084 AA13 AA19 AA20 MA02 NA14 ZB261 4C086 AA01 AA02 EA16 NA14 ZB26

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約3〜約100ヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌク
    レオチドであって、ここで該オリゴヌクレオチドは、哺乳動物胎児性IGF−I
    I mRNAの5’非翻訳領域に相補的な配列を含む、アンチセンスオリゴヌク
    レオチド。
  2. 【請求項2】 1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに
    含む、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 IGF−II mRNAに相補的ではないさらなるヌクレオ
    チドをさらに含む、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記配列が、表1の配列番号1〜15からなる群より選択さ
    れる、請求項1に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 約20〜約100ヌクレオチドを含むアンチセンスオリゴヌ
    クレオチドであって、ここで該オリゴヌクレオチドが、表2の配列番号17〜3
    1からなる群より選択される配列を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 1つ以上のホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに
    含む、請求項5に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 IGF−II mRNAに相補的ではないさらなるヌクレオ
    チドをさらに含む、請求項5に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 約3〜100ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチ
    ド配列を含むベクターであって、該オリゴヌクレオチド配列が、哺乳動物胎児性
    IGF−II mRNAの5’非翻訳領域に相補的な配列を含む、ベクター。
  9. 【請求項9】 約20〜約100ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレ
    オチド配列を含むベクターであって、ここで該オリゴヌクレオチド配列が、表2
    の配列番号17〜31からなる群より選択される配列を含む、ベクター。
  10. 【請求項10】 薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の約3〜約100
    ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物であって、
    該オリゴヌクレオチドが、哺乳動物胎児性IGF−II mRNAの5’非翻訳
    領域に相補的な配列を含む、薬学的組成物。
  11. 【請求項11】 前記配列が、表1の配列番号1〜15からなる群より選択
    される、請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 【請求項12】 薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の約20〜100
    ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む薬学的組成物であって、
    ここで該オリゴヌクレオチドが、表2の配列番号17〜31からなる群より選択
    される配列を含む、薬学的組成物。
  13. 【請求項13】 哺乳動物腫瘍の増殖を阻害するための方法であって、該方
    法は、該腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、該腫瘍の増殖が阻害されるような
    条件下で、有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を包含し、
    該オリゴヌクレオチドが、哺乳動物胎児性IGF−II mRNAの5’非翻訳
    領域に相補的な配列を含む、約3〜100ヌクレオチドを含む、方法。
  14. 【請求項14】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに包含す
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記オリゴヌクレオチドが、表1の配列番号1〜15から
    なる群より選択される配列を含む、請求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性である、請求
    項13に記載の方法。
  17. 【請求項17】 哺乳動物腫瘍の増殖を阻害するための方法であって、該方
    法は、該腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、該腫瘍の増殖が阻害されるような
    条件下で、有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を包含し、
    該オリゴヌクレオチドが、表2の配列番号17〜31からなる群より選択される
    配列を含む、約20〜100ヌクレオチドを含む、方法。
  18. 【請求項18】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性である、請求
    項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに包含す
    る、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 哺乳動物の腫瘍の転移を阻害するための方法であって、該
    方法は、転移性の腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、該腫瘍の転移が阻害され
    るような条件下で、有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を
    包含し、該オリゴヌクレオチドが、哺乳動物胎児性IGF−II mRNAの5
    ’非翻訳領域に相補的な配列を含む、約3〜100ヌクレオチドを含む、方法。
  21. 【請求項21】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに包含す
    る、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性である、請求
    項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記オリゴヌクレオチドが、表1の配列番号1〜15から
    なる群より選択される配列を含む、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物腫瘍の転移を阻害するための方法であって、該方
    法は、転移性の腫瘍を有すると疑われる哺乳動物に、該腫瘍の転移が阻害される
    ような条件下で、有効量のアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を包
    含し、該オリゴヌクレオチドが、表2の配列番号17〜31からなる群より選択
    される配列を含む、約20〜100ヌクレオチドを含む、方法。
  25. 【請求項25】 前記哺乳動物に化学療法剤を投与する工程をさらに包含す
    る、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ耐性である、請求
    項25に記載の方法。
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