JP2002512195A - N−アセチルグルコサミンの結腸投与による炎症性腸疾患用の組成物およびその治療 - Google Patents

N−アセチルグルコサミンの結腸投与による炎症性腸疾患用の組成物およびその治療

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炎症性腸疾患(IBD)を治療するための新規組成物および方法に関する。さらに詳細には、本発明は、活性IBD治療剤としてN−アセチルグルコサミン(NAG)、および薬理学上適切な担体を含有する新規組成物、およびIBDに罹ったヒトにおいてIBDを治療するために結腸にその組成物を投与する方法に関連する。炎症性腸疾患に罹っている患者において炎症性腸疾患を治療するための組成物は、上記患者に結腸投与することに適合した(a)有効量のN−アセチルグルコサミン、および(b)薬理学上許容しうる担体を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、炎症性腸疾患(IBD)治療のための新規組成物および新規な治療
方法に関する。詳細には本発明は、活性なIBD治療薬としてN−アセチルグル
コサミン(NAG)ならびに薬理的に好適で結腸に適したNAG用担体とを含む
/新規組成物ならびにその組成物を結腸に投与してIBD患者においてIBDを
治療する方法に関するものである。
【0002】 (背景技術) 「腸」とは一般的に胃から肛門にかけて延び、小腸と大腸を含む。小腸には、
十二指腸(胃に隣接)、空腸(中間部分)および回腸(胃に対して遠位)という
3つの主要部分がある。大腸(結腸と称される)は、回盲弁によって、小腸の回
腸の遠位末端につながっている。大腸(結腸)は、盲腸(小腸の回腸につながっ
ている)および直腸(大腸(結腸)の遠位部分である)という2つの主要部分が
ある。直腸の遠位部分は肛門につながっている。
【0003】 「炎症性腸疾患」(IBD)という用語は、潰瘍性結腸炎、慢性直腸炎および
クローン病などの多くの具体的な腸疾患を含む総称である。これらの疾患は、あ
る程度互いに重複している場合と重複していない場合がある。重複している場合
には、それによって各種IBD症状間で境界が曖昧になる。潰瘍性結腸炎は、結
腸の潰瘍病変が関与する慢性で非特異的な炎症性腸疾患である。慢性直腸炎は結
腸と多くの場合直腸の炎症を含むものである。クローン病はいくつかの種類の小
腸炎症として現れるが、その用語は回腸の末端部分の炎症を指す場合が最も多い
。クローン病の同義語として、限局性腸炎(小腸)または限局性回腸炎がある。
ただし、クローン病は回腸に限定されるものではないことから、後者の名称は必
ずしも適切であるとは限らない。クローン病には多くの場合、疾患、フィステル
(結腸における深い空洞路または管状部)、肛門周囲潰瘍および小腸内腔の狭ま
り(狭窄)が関与する。非常に難治性の患者に関しては、手術を受けた患者の約
半数で、小腸の別の部分において疾患が再発することから、小腸の発症部分の外
科的切除(結腸切除術または回腸切除術と称される)は差し控えられる。クロー
ン病の最も一般的な臨床徴候には、腹痛、発熱、食欲不振、体重減少および右側
下1/4部分の「膨満感」などがある。
【0004】 炎症性腸疾患(IBD)には、血管および基質グリコサミノグリカン(GAG
)の炎症性障害、具体的には腸壁からのGAG喪失が関与する場合があり、それ
によって腸の線維症および機能喪失を生じる(S. H. Murch et al.、文献一覧に
おける参考文献3)。臓器培養から、この障害は基質分解酵素が存在するためで
あることが明らかになっている(S. L. Pender et al., 文献一覧における参考
文献6)。
【0005】 統計データから、北米人口の約1%が何らかの形の炎症性腸疾患(IBD)を
罹患していることがわかる。潰瘍性結腸炎(UC)の年間発生率は、人口10万
人当たり年間で6〜8例と推算されており、この疾患の発症は30歳〜50歳で
起こる頻度が最も高い。数十年前に確認されて以来、クローン病の発生率は上昇
してきており、10万人当たり年間20〜70名が患い、米国では毎年、150
00〜30000名の新たな患者が発生している。85歳までに、人口の約2/
3が、結腸に何らかの憩室を形成していると推算されている。
【0006】 フランスでの最近の調査で、クローン病での発生率は10万人当たり4.9人
であり、潰瘍性結腸炎では3.2人であることが認められた。クローン病に関し
て年齢別発生率が最も高いのは20〜29歳であり、潰瘍性結腸炎の場合には、
20〜39歳であった。フランスにおけるクローン病の発生率は、北欧での研究
と同様であったが、潰瘍性結腸炎の発生率はそれより低かった。
【0007】 従来において炎症性腸疾患(IBD)は、症状に応じて、コルチゾンもしくは
スルファサラジン(sulphasalazine)などのステロイド系抗炎症薬、あるいは緩
下剤もしくは止瀉剤を補給したプロパンテリンおよびジシクロミンなどの鎮痙薬
、ならびに小腸の運動を低下させる薬剤を使用することで治療されてきた。さら
に最近では、スルファサラジンの活性部分であると考えられる5−アミノサリチ
ル酸(5−ASA)および関連薬剤が、炎症性腸疾患の治療において有効である
ことが認められている。これら薬剤の作用は、炎症組織で形成される刺激性の超
酸化物ラジカルを除去する能力に関連するものと考えられる。重度で難治性の疾
患では、アザチオプリンなどの免疫抑制剤を使用することができる。多くの場合
、重度に損傷を受けた小腸組織を切除するための手術が必要である。 米国特許 発行日 発明者 1,318,592 1988年11月 Burton 5,229,374 1992年1月 Burton and Freeman 5,192,750 1993年3月 Burton and Gislason 5,217,962 1993年6月 Burton and McLaen
【0008】 (発明の概要) 本発明は、炎症性腸疾患患者における炎症性腸疾患治療のための組成物におい
て、(a)治療量のN−アセチルグルコサミンおよび(b)前記患者の腸へのN
−アセチルグルコサミン搬送に適した薬理的に許容され腸に適した担体とを含む
ことを特徴とする組成物に関するものである。
【0009】 N−アセチルグルコサミンは、0.5g〜5gの範囲の量で組成物中に存在さ
せることができる。担体は、腸の疾患領域にN−アセチルグルコサミンを搬送す
る媒体であることができる。担体は、蒸留水もしくは精製水、直腸投与に好適な
泡剤、N−アセチルグルコサミンを取り囲むことができる坐剤基剤、あるいは胃
の胃酸による分解に耐え、腸または結腸でN−アセチルグルコサミンを放出する
ことができる経口摂取可能な徐放性物質であることができる。水は、食塩水浣腸
を構成するだけの量で存在させることができる。
【0010】 泡剤は、N−アセチルグルコサミン、界面活性剤、補助剤および発泡剤を含む
ことができる。担体は、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン
−10−ステアリルエーテル、エトキシ化セチルおよびステアリルアルコール、
ステアラス(stearath)−10、セチルアルコール、メチルパラベン、プロピル
パラベン、トロラミン、精製水、セチルアルコール、エトキシ化ステアリルアル
コール、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、メチルおよびプロピ
ルパラベン、プロピレングリコール、脱水エタノールアミン、脱イオン水および
好適な推進剤からなる群から選択される1以上の物質を含むことができる。
【0011】 坐剤基剤は、カカオ脂、グリセロゼラチン、硬化植物油、ポリアルキルグリコ
ール、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステル、ヤシ油基剤、水素化脂肪酸
、硬化植物油、モノグリセリド、カカオ脂、鉱油、蜜ロウ、グリセリン、ジラウ
リル酸ポリエチレングリコール600、水素化カカオグリセリドおよびポリエチ
レングリコールからなる群から選択することができる。
【0012】 徐放物質は、アクリル系樹脂コーティングと、メタクリル酸共重合体と、乳糖
、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン
またはデンプングリコール酸ナトリウムなどの好適な医薬外担体と混合したアク
リル系樹脂と、セルロースもしくはエチルセルロースと、親水性ポリマーおよび
腸溶性ポリマーからなる基質組成物と、セルロース誘導体と、酢酸フタル酸ポリ
ビニルと、軟化剤と混合された酢酸フタル酸ポリビニルと、腸で分解可能な多糖
類と、ローカストビーンガムもしくはグアーガムと、親水基を有する膜形成性ポ
リマーと、アクリル酸の低級アルキルエステルおよびメタクリル酸の低級アルキ
ルエステルからなる群から選択される1以上のモノマーを30〜100重量%含
有する多糖類と混合した膜形成性アクリルポリマーと、高等植物から得られるハ
イドロコロイドガムと、約4以下のpHでは溶解しないが約4〜約7.5の範囲
のpHでは可溶であるアニオン系カルボン酸ポリマーとからなる群から選択する
ことができる。
【0013】 泡剤は、有効成分としてのN−アセチルグルコサミン0.5〜5gとプロピレ
ングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、セ
チルアルコール、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、トロラミン、精製水
および不活性推進剤であるジクロロジフルオロメタンもしくはジクロロテトラフ
ルオロエタンを含む泡剤20gを含むことができる。
【0014】 前記組成物は、親水性ポリマー約5重量%〜約29重量%でコーティングされ
たN−アセチルグルコサミン約0.1重量%〜約90重量%、ならびに約5.0
〜約7.5の範囲のpHで溶解するアクリル系ポリマー約0.5重量%〜約25
重量%を含有することができる。
【0015】 本発明はさらに、炎症性腸疾患患者の治療方法であって、治療量のN−アセチ
ルグルコサミンおよび腸に適合性で薬理的に許容される担体を含む組成物を前記
患者の腸に投与する段階を有する方法に関するものでもある。N−アセチルグル
コサミンは、浣腸剤当たり約0.5g〜5gの量で存在させることができる。
【0016】 薬理的に許容される担体は、蒸留水もしくは精製水、結腸をコーティングする
ことができる腸適合性泡剤、室温で固体であって体温で融解することができる坐
剤、または胃の胃酸による分解に耐え、腸でN−アセチルグルコサミンを放出す
ることができる経口摂取可能な徐放性物質であることができる。水は、食塩水浣
腸を構成するだけの量で存在させることができる。
【0017】 浣腸剤は、浣腸器によって前記患者に投与することができる。 本発明の具体的な実施態様を説明する図面は以下の通りであるが、本発明の精
神および範囲はどのような形でもそれによって限定されるものと解釈すべきでは
ない。
【0018】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明者らは、ある種の炎症性腸疾患(IBD)が、上部腸または結腸の患部
領域に、有効量のN−アセチルグルコサミン(NAG)ならびに蒸留水もしくは
精製水、泡浣腸剤、坐剤、経口摂取することができ、ほとんど分解されずに胃を
通過し、上部腸または結腸でN−アセチルグルコサミンを放出する徐放性担体で
あることができる腸および薬理的に許容される担体を含む組成物を投与すること
で良好に治療可能であることを発見した。胃酸による攻撃からN−アセチルグル
コサミンを保護する徐放コーティング剤に、担体の性質に応じて、アクリル系樹
脂コートしたN−アセチルグルコサミンが上部小腸または下部小腸に達するまで
、N−アセチルグルコサミンの放出を遅延させるアクリル系樹脂コーティング剤
であることができる。好適なアクリル酸には、メタクリル酸共重合体であるユー
ドラジッド(Eudragit)S(登録商標)があり得る。アクリル系樹脂をコーティ
ングしたN−アセチルグルコサミンは、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、ポリ
エチレングリコール、ポリビニルピロリドンまたはデンプングリコール酸ナトリ
ウムなどの好適な医薬外担体と混合することができる。胃酸による攻撃に耐える
さらに好適なコーティング剤としては、セルロースまたはエチルセルロースがあ
り得る。胃酸耐性コーティング剤は、親水性ポリマーおよび腸溶性ポリマーから
なる基質組成物であることもできる。腸溶性ポリマーは、胃の胃液に対しては不
透過性であり、低pH領域でのN−アセチルグルコサミンの放出を遅延させる上
で役立つことから、低い濃度のN−アセチルグルコサミンを用いることが可能と
なる。腸液の相対的に高いpHでは、親水性ポリマーと腸溶性ポリマーは溶解し
、それによって腸内にN−アセチルグルコサミンを放出する。
【0019】 具体的な製剤は、親水性ポリマー約5重量%〜約29重量%でコーティングさ
れたN−アセチルグルコサミン約0.1重量%〜約90重量%、ならびに約5.
0〜約7.5の範囲のpHで溶解するアクリル系ポリマー約0.5重量%〜約2
5重量%を含有することができる。
【0020】 アクリル系樹脂は、5未満のpHでの溶解および攻撃には耐えるが、約5〜約
8の範囲のpHでは分解するよう製剤することができる。さらに好適なコーティ
ング剤は、ポリ酢酸フタル酸ビニルまたは可塑剤と混合したポリ酢酸フタル酸ビ
ニルなどのセルロース誘導体を含むことができる。後者は通常、約3〜約6の範
囲のpHで分解可能である。
【0021】 さらに好適なコーティング剤としては、ローカストビーンガムもしくはグアー
ガムなどの結腸で分解可能な多糖類、ならびに好ましくは親水性基を有する膜形
成性ポリマーがあり得る。そのようなコーティング剤は、結腸中のグリコシド酵
素の影響下に分解する。結腸で分解可能な多糖類は、ガラクトース単位およびマ
ンノース単位を含まなければならない。多糖類との混合物中の膜形成性アクリル
系ポリマーは、アクリル酸の低級アルキルエステルおよびメタクリル酸の低級ア
ルキルエステルからなる群から選択される1以上のモノマーを約30〜100重
量%含有しなければならない。
【0022】 N−アセチルグルコサミンの核および好適な医薬外担体を取り囲む膜の形で使
用されるさらに好適なコーティング剤は、4未満のpHでは溶解が困難であるが
、約4〜約7.5の範囲の相対的に高いpHで可溶である医薬的に許容される膜
形成性アニオン性カルボン酸ポリマーであることができる。さらに好適な胃酸耐
性コーティング剤は、好適な医薬的に許容される結合剤と混合した、高等植物か
ら得た親水コロイドガムであることができる。
【0023】 1以上の適切な胃酸耐性コーティング剤を選択することに加えて、適切な厚さ
の水不溶性コーティング剤を選択することが重要である。容易に理解できるよう
に、コーティング剤が薄いと、厚いコーティング剤の場合と比較して、胃酸が透
過しやすい。
【0024】 坐剤は、親水性であって、通常の室温では固体であるが体温では溶融する担体
物質に封入されたN−アセチルグルコサミンで構成された直腸に進入させること
が容易な形状の小さい固形物であることができる。坐剤の基剤は、カカオ脂、グ
リセロゼラチン、硬化植物油、各種分子量のポリアルキルグリコールの混合物お
よび/またはポリエチレングリコールの脂肪酸エステルであることができる。
【0025】 N−アセチルグルコサミンを封入した体温で溶融するコーティング剤は、周囲
の室温で固体であって体温で溶解するよう製剤されたヤシ油基剤、水素化脂肪酸
または硬化植物油などの多種類の材料および物質から選択することができる。他
の好適なコーティング剤には、モノグリセリド、カカオ脂、植物油および鉱油、
蜜ロウ、グリセリン、ジラウリル酸ポリエチレングリコール600、水素化カカ
オグリセリド、ポリエチレングリコールであることができる。ポリマー材料は体
液に溶けなければならず、好ましくはポリマー材料が体液中に溶解しながら、そ
の際に直腸領域中へN−アセチルグルコサミンを徐々に放出するものでなければ
ならない。前記膜は、生体分解性であってN−アセチルグルコサミンを含む水溶
性ポリマーを含有することができる。
【0026】 直腸泡剤は代表的には、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレ
ン−10−ステアリルエーテル、セチルアルコール、メチルパラベンおよびプロ
ピルパラベン、トロラミン、精製水および不活性推進剤であるジクロロジフルオ
ロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタンを含む泡剤20g中に、有効成
分としてのN−アセチルグルコサミン0.5〜5gを含むことができる。
【0027】 泡剤は親水性でなければならず、推進剤または発泡剤としてジクロロジフルオ
ロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンを用いて、プロピレングリコール
、エトキシ化セチルおよびステアリルアルコール、ステアラス−10、セチルア
ルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、トロラミンおよび精製水で構成
することができる。水混和性粘膜粘着性泡剤基剤を含むN−アセチルグルコサミ
ン用の担体を形成する他の泡剤は、セチルアルコール、エトキシ化ステアリルア
ルコール、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、メチルおよびプロ
ピルパラベン、プロピレングリコール、脱水エタノールアミン、脱イオン水およ
び好適な推進剤を用いて製剤することができる。一般に、泡剤を形成することが
できる液体媒体は、1以上の界面活性剤、環境に影響の少ないハロカーボンなど
の発泡推進剤ならびに有効成分、すなわちN−アセチルグルコサミン用の補助剤
を含まなければならず、泡剤中にN−アセチルグルコサミンを懸濁または溶解さ
せることができるものである。
【0028】 N−アセチルグルコサミンならびにそれの前駆体であるグルコサミンは、生化
学的にはアミノ糖に分類される。アミノ糖は、かなり以前に解明された一連の生
化学反応によって身体のほとんどの細胞が血糖から形成する必須生化学化合物で
ある。他のアミノ糖には、ガラクトサミンおよびマンノサミンならびにそれらの
N−アセチル誘導体などがある。N−アセチルグルコサミンはN−アセチルガラ
クトサミンおよびN−アセチルマンノサミンの前駆体であることから、代謝的に
はN−アセチルグルコサミンは、グリコサミノグリカン(GAG)などの機能性
の複雑な炭水化物中に取り込まれる全てのアミノ糖の利用能において重要な役割
を果たす。しかしながら、ガラクトサミンおよびマンノサミンの場合とは異なり
、N−アセチルグルコサミンは、妥当な経費で商業的量で入手することができる
【0029】 N−アセチルグルコサミンおよび関連のアミノ糖は、以前はムコ多糖類と呼ば
れていた機能的に重要なグリコサミノグリカン類およびプロテオグリカン類のよ
うな非常に多数の高分子量で複雑な多糖類の成分である。グリコサミノグリカン
類は、N−アセチルグルコサミンまたは関連のアミノ糖、およびグルクロン酸も
しくはイズロン酸の繰り返し二糖類単位から構成される。グリコサミノグリカン
類の例には、ヒアルロン酸(N−アセチルグルコサミンとグルクロン酸の繰り返
し単位から構成されている)、硫酸コンドロイチン、硫酸デルマタン、硫酸ケラ
タンおよびヘパリン(これらはいずれも、N−アセチルグルコサミンまたはN−
アセチルグルコサミンから合成されるアミノ糖N−アセチルガラクトサミンを含
む)などがある。グリコサミノグリカン類は、ポリペプチドもしくは蛋白核に連
結した多くのグリコサミノグリカン鎖を含む構造であるプロテオグリカンにも存
在する。
【0030】 N−アセチルグルコサミンは、細胞膜の透過性、皮膚および軟骨などの結合組
織の構造的完全性、ならびに関節の潤滑などの細胞機能の正常な維持において重
要な役割を果たす。小腸ではグリコサミノグリカン類は、胃腸細胞の細胞外被な
らびに小腸杯状細胞が分泌する粘液の形成において必須である。同様にそれらは
、細胞外体液または細胞を一体で保持する「糊」の必須成分、すなわち免疫グロ
ブリン類、血液型抗原および非常に多様な他の生化学的・免疫学的に重要な物質
である。
【0031】 N−アセチルグルコサミンを含むプロテオグリカン類から大部分が構成される
細胞外基質は基底膜に存在し、粘膜固有層および消化管の粘膜下組織にも存在す
る。N−アセチルグルコサミンを含有するプロテオグリカン類は、消化管の内側
を覆う上皮細胞上のムコ多糖層に細胞を固着させる上で、さらには細胞修復およ
び小腸透過性において重要な役割を果たす。
【0032】 N−アセチルグルコサミンは、グリコサミノグリカン類およびプロテオグリカ
ン類の成分として身体の全ての細胞および組織で認められるが、グルコースとは
異なり、血液中や細胞内液において、N−アセチルグルコサミンやそれの前駆体
は高い濃度では得られないように見える。消化管の炎症反応が関与するもの(I
BD)などの疾患状態では、N−アセチルグルコサミンの体内保有量は、細胞の
修復および至適レベルでの機能を支持するには不十分になる場合がある。炎症性
腸疾患患者からの小腸組織は、グルコサミンではなくN−アセチルグルコサミン
を、優先的に腸壁に取り込むが、それが炎症性腸疾患(IBD)で追加のN−ア
セチルグルコサミンが必要であることの根拠となっている。
【0033】 N−アセチルグルコサミンを静注または経口で動物やヒトに投与すると、それ
は直ちに身体全体に分配され、小腸および関節軟骨などのほとんどの組織および
臓器でグリコサミノグリカン類およびプロテオグリカン類中に数分以内に取り込
まれる。遊離のN−アセチルグルコサミンの血中での半減期は10分未満である
が、グリコサミノグリカン類に取り込まれると、その複雑な分子に入ったN−ア
セチルグルコサミンは、代謝が非常に遅く、測定される半減期は数時間および数
日に及ぶこともある。
【0034】 N−アセチルグルコサミンは、通常は非常に良好に耐容される種類の化合物に
属する天然アミノ糖である。担当類およびそれの簡単な誘導体は、高用量であっ
ても、医薬品で広く使用されている。静脈投与する場合であっても、N−アセチ
ルグルコサミンは非常に安全であると考えられる。具体的には、突然変異誘発性
、発癌性または催奇形性はないと予想される。
【0035】 マウスまたはラットに対して投与される25g/kgを超えるN−アセチルグ
ルコサミンの単回静注または経口用量では、毒性効果は認められていない。ヒト
へのN−アセチルグルコサミン20gの静注投与では、有害効果はなく、血糖レ
ベルや血中インシュリンレベルに影響はないことから、糖尿病患者が使用しても
安全であると考えられる。
【0036】 動物およびヒトでの研究から、N−アセチルグルコサミンがほとんどの医学的
目的で使用されるよりかなり大きい用量でも無毒性であることが明らかになって
いる。1日当たり3〜6g/kg以下の用量で30日間にわたって経口投与して
も毒性効果はなく、各種組織および臓器において、肉眼で観察される変化も顕微
鏡的変化も生じなかった。N−アセチルグルコサミンは、ヒト栄養補給剤として
、3g/日以下の用量で経口使用されているが、有害効果はない。過去数ヶ月間
にわたり本発明者らは、経口投与にて4.5g/日または直腸投与にて3g/日
の用量で小児に対して投与したが、有害な結果は生じなかった。
【0037】 バートンらの報告(Burton et al., 文献一覧の参考文献1を参照)により、
炎症を起こした腸組織では、N−アセチルグルコサミンの方がグルコサミンに優
先して取り込まれることが明らかになっている。これは、グルコサミンが小腸細
胞でN−アセチルグルコサミンに変換されるプロセスにおける生化学的欠陥の結
果である可能性がある。グルコサミンからN−アセチルグルコサミンへの変換の
アセチル化段階に欠陥が生じている可能性がある。それは、小腸細胞を覆ってい
る保護のための細胞外被またはプロテオグリカン類の減少、ならびに粘液産生の
低減および発症組織修復の遅延によって起こると考えられる。これら保護要素が
失われた結果として、腸壁が損傷、炎症および潰瘍化をさらに受けやすくなると
考えられる。悪い意味で理論に拘束されるものではないが、N−アセチルグルコ
サミンは細胞膜前後で受動的拡散するために、グルコサミンの細胞内分布に必要
な見かけの能動輸送機序(複雑なエネルギーを要する系)と比較して、細胞への
吸収が容易であるように思われる。本発明者らは、炎症性腸疾患において、腸壁
からのN−アセチルグルコサミン含有グリコサミノグリカン類の喪失があり、そ
の結果、腸壁が異常に厚くなること、すなわち線維化を起こすことを認めた。そ
れが起こると、腸の透過性および機能が障害される。
【0038】 潰瘍性結腸炎およびクローン病の症状は類似しており、識別が困難である場合
が多いが、肉眼的な病理上の相違は、クローン病は、炎症および潰瘍が腸全体の
一部に分布することがある炎症状態であるという点である。クローン病では、腸
の線維化が広範囲であって腸管腔の狭窄を起こして、腸閉塞を生じる場合がある
。潰瘍性結腸炎とクローン病のいずれも重篤となる可能性があり、集中的な薬物
療法や手術が必要となる場合がある。炎症性腸疾患患者は、腸壁において高い細
胞代謝を示し、潰瘍またはフィステルを生じる場合が多い。これら炎症状態の慢
性的性質ならびに比較的若年層が罹患する傾向があり15歳〜30歳に潰瘍性結
腸炎の発生率ピークがあることから、炎症性腸疾患は重大な医学上の問題となっ
ている。この疾患の発症は非常に多くの場合、青年期または成人初期に起こる。
【0039】 憩室炎は、さらに一般的であるが重度の低い消化管状態であり、多くの場合、
炎症性腸疾患に分類される。この障害は、弱い箇所で起こる結腸壁の嚢状の突出
部(outpouchings)である1以上の憩室の炎症である。憩室炎では、結腸の細胞
壁が主として影響され、症状は比較的軽度の不快感から腸管の内側層の疼痛を伴
う穿孔まで多様である。憩室炎発生の原因または寄与因子として食事が示唆され
ているが、加齢にも関連しており、35歳以下では珍しい。この障害は進行性で
あり、軽度の症状から疼痛を伴う炎症を生じる。憩室炎の早期では食事の改善が
有効な場合があるが、後期になると投薬や手術が必要となる。
【0040】 クローン病を含む炎症性腸疾患では、および腸壁からのグリコサミノグリカン
類(GAG)の大量の喪失があり、そのことは、炎症性腸疾患の病理におけるグ
リコサミノグリカン類の関与を示すさらなる証拠となる。本発明者らは、誤った
理論に拘束されるものではない。しかしながら、本発明の基礎となる内容につい
て可能な説明を以下に示す。N−アセチルグルコサミンは、グリコサミノグリカ
ン類を補充する上で必要な基質もしくはアミノ糖成分を提供したり、あるいはグ
リコサミノグリカン類の喪失を防止すると考えられることから、腸壁からGAG
が失われるという所見は、炎症性腸疾患の治療におけるN−アセチルグルコサミ
ンの有益な効果についての根拠を強く裏付けるものである。腸細胞の正常な喪失
および代謝は、約0.5×106個/分である。これは、炎症性腸疾患では3〜
5倍に増える。これにより、全身的な遊離アミノ糖の蓄積は非常に限られたもの
であることから、細胞再生を支持するためにアミノ糖を追加する必要性を説明す
ることができる。腸における上皮細胞の喪失が産生速度を上回ると、次に、粘膜
の完全性が障害されると考えられる。N−アセチルグルコサミンによる炎症性腸
疾患の予防またはその疾患での腸壁グリコサミノグリカン類補給という考え方を
さらに裏付けるものとして、本発明者らは、腸管上皮または腸管腹膜から摘出し
たヒト中皮細胞に加えた場合に、N−アセチルグルコサミンがヒアルロン酸合成
を大幅に刺激する効果を有することを認めている。
【0041】 実施例1 ブリティッシュコロンビア大学で行った予備調査から、N−アセチルグルコサ
ミンは、炎症性腸疾患の炎症損傷組織における構成物質グリコサミノグリカンお
よびプロテオグリカン合成の優先的な前駆体であることが証明されている。この
調査から、組織が過度に破壊および消失するストレスを受けた場合、N−アセチ
ルグルコサミン経口投与により身体の必須アミノ酸供給が補われることが示唆さ
れる。
【0042】 実施例2 N−アセチルグルコサミンの消化組織に対する効果もまた、クイーンズ大学生
物学部(Kingston,Ontario)で行った、信頼できる炎症性腸疾
患動物モデルにおいて証明されている。トリニトロベンゼンスルホン酸およびア
ルコールをラットの直腸内に注入すると、潰瘍、腸壁線維症または肥厚、ならび
に潰瘍性結腸炎で見られる変化に類似する病理学的変化および組織学的変化を伴
う慢性炎症性腸反応が生じた。トリニトロベンゼンスルホン酸(TNB)投与前
にN−アセチルグルコサミン(NAG)小腸注入すると、潰瘍性病変の数および
重篤度の低下ならびに腸壁肥厚の低下に有意な用量に関連した効果が生じること
が認められた(表1を参照のこと)。
【0043】
【表1】
【0044】 実施例3 N−アセチルグルコサミンがグリコサミノグリカン合成を刺激するというさら
なる証拠は、ex vivoラット胃モデルにおいて観察された。このモデルで
は、胃への血液供給は維持されているが、胃は切開され、プラスチックチャンバ
ーに入れられている。このため薬物を内部粘膜表面に置くことができる。N−ア
セチルグルコサミンを胃粘膜表面上に置くと、大量の粘液が胃の杯状細胞から放
出されるのが観察された。この観察に基づいて追加実験を行った。この実験では
、エタノール(胃刺激原薬)の存在下でN−アセチルグルコサミンは、粘膜表面
と漿膜表面との潜在的な違いを有意に小さくしたが、グルコサミンは違いを小さ
くしないことが認められた。この現象は、N−アセチルグルコサミンが硫酸化グ
リコサミノグリカン合成を刺激した結果であり得る。胃による粘液放出刺激に関
するN−アセチルグルコサミン効果は、N−アセチルグルコサミンが非びらん性
胃炎治療に有効であるという逸話的な臨床的主張を説明することができる。
【0045】 炎症性腸疾患では、血管グリコサミノグリカンおよび基質グリコサミノグリカ
ンの分解も起こる。器官培養から、これは基質分解酵素が原因であることがわか
っている。N−アセチルグルコサミンはグリコサミノグリカン産生のための基質
であるが、線維芽細胞基質合成の燃料としての役割に加えて、N−アセチルグル
コサミンは、O−リン酸化アンタゴニストとして細胞内で作用することができ、
それにより多くの炎症経路を調節することができるという証拠がある。
【0046】 実施例4〜23 炎症性腸疾患におけるN−アセチルグルコサミン効果の臨床証拠 調査をRoyal Free Hospital(London,U.K.)
で行い、腸壁肥厚または線維症と関連する炎症性腸疾患の患者の腸壁からグリコ
サミノグリカンが消失することが注目された。経口N−アセチルグルコサミンで
、重篤な難治性の上部炎症性腸疾患または下部炎症性腸疾患の子供を治療するた
めに、倫理承認を受けた。現在まで、20人を超える子供を、1日12グラムま
での用量のN−アセチルグルコサミンで治療した。一般的に、子供達は、アザチ
オプリンおよび静脈内ステロイドのような毒性薬物を含む他の治療に対して抵抗
性であり、従って、N−アセチルグルコサミンにより有意な臨床利益が生じるだ
ろうという最小限の期待はあった。最初に治療した6人の患者のうち、上部炎症
性腸疾患を有する3人はよく反応し、1人の子供は以前のどの治療よりも良好に
反応した。下部炎症性腸疾患を有する3人の子供からは、経口N−アセチルグル
コサミンによる有意な治療反応は証明されなかった。各経口用量のごく一部のみ
が下部腸の罹患組織に達すると予想されていたので、このことは意外ではない。
【0047】 炎症結腸をより高い濃度のN−アセチルグルコサミンに暴露するために、下部
炎症性腸疾患患者に、1日に3回、1〜2グラムの用量の直腸浣腸によりN−ア
セチルグルコサミンを投与した。最初の3人の患者の症状は、治療を開始して4
8時間以内に臨床的に改善した。数人の子供の結腸の前生検および後生検から、
直腸N−アセチルグルコサミン治療の6週間後に、腸壁の組織病理が有意に改善
したことがわかった。
【0048】 この効果の代表的な例を図1および2に示す。図1は、N−アセチルグルコサ
ミン処置前生検からの切片である。このことから、N−アセチルグルコサミン治
療前に、ひどい炎症性浸潤物および線維症を伴う萎縮上皮が存在したことが明ら
かにわかる。治療前では、絨毛はほとんど完全になく、上皮膜は実質的になかっ
た。N−アセチルグルコサミン治療後生検(図2)から、炎症性浸潤物が大幅に
少なくなり、絨毛数が増加し、上皮膜はほとんど正常になったことがわかる。図
3および4は、図1および2に示された同じ生検の写真であるが、高倍率になっ
ている。重要な所見は、腸壁線維症の有意な低下である。
【0049】 単回治療としてNAG(1.5〜2g bd)を、遠位結腸炎である治療抵抗
性直腸炎を有する9人の子供に直腸投与すると、子供達うち4人が臨床上寛解し
、子供達のうち3人が改善し、子供達のうち2人には効果がなかった。治療前後
の生検から、5人の子供のうち4人が組織学的に改善し、子供達の腸におけるグ
リコサミノグリカン(GAG)密度が著しく増加し(他の治療では見られなかっ
た)、上皮内コムギ胚芽凝集素(WGA)染色が著しく増加したことがわかった
。特に上皮形態が改善した。経口NAG(1〜1.5g bd)を、重篤な小腸
結腸疾患を有する11人の子供(危険な狭窄を有する7人を含む)の治療に加え
た。11の子供のうち8人に改善がみられたが、3人には改善がみられず、外科
的切除が必要であった。治療抵抗性狭窄を有する7人の子供のうち6人が症状の
著しい消散がみられた。内視鏡または放射線による評価から、6人の子供のうち
4人において実質的な改善が確認された。GAGおよびWGA染色は、ステロイ
ドまたは非経口栄養法で治療した子供よりもNAGで治療した子供において再度
濃かった。
【0050】 この最初の非対照試験から、NAGは抵抗性IBDに関して治療効力があり、
作用形態は従来の治療とは異なることが示唆される。NAGは既知の副作用がな
いため治療用途に特に適する。
【0051】 1996年4月に、またはその頃に、Royal Free Hospita
lの炎症性腸疾患を罹患している小児患者に対して、規定された用量のN−アセ
チルグルコサミン(NAG)の使用についての大規模な調査を行った。
【0052】 1996年4月に、またはその頃にNAGを用いた試験を始めてから、NAG
を用いて試験された子供に関する広範な病歴を集めた。このような病歴から得た
生検および他の関連情報の詳細を、以下の通りに要約形態で再現する。各症例の
患者は、彼または彼女の頭文字にて特定されている。
【0053】 結腸切除(直腸断端を残した結腸部分の除去)および回腸造瘻(腹部を通して 糞便を排泄するための回腸人工開口)後の、潰瘍性結腸炎(UC)および慢性直 腸炎での直腸投与 UCは、以前の、ほぼ全体的な結腸切除、回腸造瘻、および粘液性フィルテル
が原因である。現在は、慢性直腸炎を伴う(機能低下(defunction)
および基礎をなすUCが原因であると考えられる)。
【0054】 1.ZY。直腸断端内の難治性直腸炎。以前、メトロニダゾルおよびコルチコ
ステロイドに反応しなかった。1996年12月にNAGを始めた。用量2グラ
ム、1日1回、p.r.。失血が止まり、2日以内に臨床反応。2ヶ月での治療
後生検から、特に上皮形態および完全性が有意に改善し、炎症性浸潤物が30〜
50%減少したことがわかった。以後、NAGで継続的に治療し、最小限の症状
しかなかった。
【0055】 2.SG。臨床上の問題は回腸嚢の炎症であり、さらなる問題は、年齢ととも
に嚢が成長しないことが原因であった(従って、症状は、炎症のみが原因である
)。以前、シクロスポリン、インターフェロン−α、コルチコステロイド、長鎖
脂肪酸浣腸、メトロニダゾル、コデインリン酸に反応しなかった。1997年3
月にNAGを始めた。用量2グラム、1日1回、pr(1日2回の浣腸レジメで
は不快感があった)。中程度の臨床反応があったが、1ヶ月後の組織から、治療
前生検と比較して明らかに改善したことがわかり、組織学的回腸嚢炎指数は9/
12から6/12に全般的に減少した。組織学的反応を考慮して直腸NAGを用
いて続けた。その後、NAGと抗生物質(メトロン、ジアゾール、およびシプロ
フロキサシン)とを併用して、臨床的に完全寛解した。
【0056】 3.SB。直腸断端の重篤な長期炎症。コルチコステロイド浣腸、メトロニダ
ゾル、およびシプロフロキサシンに対する非反応性。1997年4月にNAG浣
腸を始めた。用量1グラム、直腸に1日2回。2ヶ月ではわずかな臨床改善しか
報告されなかったが、治療前生検と比較して有意な組織学的反応があった。この
場合、炎症性浸潤物が有意に減少したが、上皮変化はあまり目立たなかった。
【0057】 4.MS。直腸断端の難治性炎症。シクロスポリン、コルチコステロイド、お
よび下痢止め薬に対する非反応性。1996年10月に最初にNAG浣腸(1グ
ラム、1日3回)を始め、実質的に改善した。その時に生検を行わなかった。浣
腸を、1996年12月に良好な臨床進行のために止め、彼の症状は徐々に再発
した。治療前生検の後、1997年6月にNAG浣腸(1グラム、1日2回)を
彼に薦めた。
【0058】 5.LE。(クローン病の可能性があると診断されたが、類似する結腸切除後
直腸断端炎症、コルチコステロイドおよびシクロスポリンに対する非反応性があ
った)。治療前生検後、1997年6月にNAG浣腸(1.5グラム、1日2回
)を始めた。1997年8月での追跡調査による臨床評価および生検から、有意
に改善したことがわかった。
【0059】 6.SE−K。直腸断端の重篤な持続性炎症。局所および全身のステロイド、
メトロニダゾル、シクロスポリンに対する耐性。1997年6月に直腸NAG(
1.5グラム、1日2回)を始めた。治療前生検は肛門粘膜を示し、従って、治
療後生検は解釈しにくい。しかし、臨床反応は迅速かつ著しく、彼女は、出血お
よび分泌の完全な消散を示した。
【0060】 7.RM。直腸断端の持続性炎症。重篤な肛門周囲炎症。治療(1グラム、1
日2回)は短期間の後、挿入浣腸カテーテル痛のために子供の要求で中断した。
【0061】 終末腸疾患での直腸投与(直腸断端を残して結腸の一部を除去する手術(結腸 切断術)なしに) 8.MI。コルチコステロイドおよびシプロフロキサシンに対して耐性のある
不確定な組織学の慢性終末直腸炎。直腸炎は、回腸の最初の5cmのみに限定さ
れ、そして直腸を含まなかった。NAG浣腸剤(1.5グラムbd)を、199
7年2月に開始し、効果なしに2ヵ月後に中止した。
【0062】 9.SE。1996年7月にほとんど緊急手術を必要とする重篤な潰瘍性周辺
大腸炎。この間、彼女は、静脈内アザチオプリン、静脈内ヘパリン、静脈内コル
チコステロイドを受け、そしてさらに、回復期の間にNAGで開始した。これは
、経口で毎日三回1g、そして直腸で毎日二回1gの用量であった。彼女は、引
き続きアザチオプリン、可変のコルチコステロイド用量およびアミノサリシレー
トで維持された。重篤な疾患の状態で、彼女は極めて良好な医療応答を示した。
この状態は通常であれば我々は手術で治療したであろうが、この症例ではそれが
回避された。NAGの個々の寄与を決定するのは不可能であるが、彼女の直腸生
検は、NAG浣腸剤が開始される前には検出可能でなかった、比較的改善された
組織学の兆候を示したことは非常に注目を引く。彼女は、最近、快方に向かい、
そして経口NAG、アザチオプリンおよび低い用量のヘパリンを継続している。
【0063】クローン病(手術を伴うか、またはなし) 10.AT。この少年は、クローン病および堅い肛門狭窄を示しており、そし
てそれは、少年の成長のため、過去3 年間通常の手術的拡張を必要とした。彼は
、彼の疾患について低い用量の経口プレドニソロンおよびアミノサリシレートで
維持され、1996年12月に、NAG浣腸剤(毎日二回1g)を開始した。N
AGの開始以来、彼は、際立った臨床上の改善を示し、そして1997年3月に
、麻酔下での連続試験は、実質的に必要とされる拡張が少ないことを示しつつ、
彼の肛門狭窄に明らかな改善を示した。粘膜炎症も、減少したことが記録された
。彼は、継続して全体的に症状のないままであった。
【0064】 11.HS。先に半結腸切除術および複数狭窄のための手術を受け、長年クロ
ーン病を有する少女。先に、腸栄養、コルチコステロイド、アザチオプリン、シ
クロスポリンおよびアミノサリシレートで治療した。先のバリウム検査は、強度
の狭窄を示し、そして彼女は、ステロイド治療のため酷くクッシング様症状にな
ってきていた。NAGを、1996年7月に開始させ(口により毎日三回1g)
、そしてこれは、狭窄関連の症状において明確な改善に、そして炎症マーカーに
おいては減少と結びついた。彼女は、1997年1月に1回僅かな再発をしたが
、しかし次第によくなってきた。1997年4月の追跡バリウム検査は、正常で
あった。
【0065】 12.GC。腸栄養、アザチオプリンおよびコルチコステロイドに耐性である
(治療にほとんど耐性を示す疾患の変異体として臨床的に周知である)、重篤な
左側クローン病性大腸炎を示す少年。さらに、彼は、炎症性肛門狭窄と結びつい
ていた。集中的な治療計画に加えて、1996年4月に、彼に、NAG(口によ
り毎日三回1g、腸内で毎日二回500mg)を開始した。後の内視鏡検査では
、先には明白でなかった腸の剥離の証拠を示したが、彼の症状は、治療困難なま
まであり、そして彼は、1997年2月に亜全結腸切除術を受けた。
【0066】 13.GN。難治性左側クローン病性大腸炎についてGC(上記)と類似の病
歴を示す少年。彼は、コルチコステロイド、アミノサリシレート、腸栄養および
アザチオプリンに応答できなかった。1996年4月に、彼に、NAG(口によ
り毎日三回1g)を開始した。彼は、これに最小限の応答を示し、そして199
7年3月に亜全結腸切除術を受けた。
【0067】 14.LC。重篤な左側クローン病性大腸炎に罹った第三の患者。彼女を、腸
栄養、アミノサリシレート、コルチコステロイドおよびアザチオプリンで管理し
てきた。アザチオプリンでの開始4ヶ月後に、彼女は、持続的腸出血、重篤な貧
血、および炎症マーカーにおける際立った増加を示しながら酷く気分が悪いまま
であった。彼女に、アザチオプリンおよびステロイドに加えて、1997年2月
に、NAG(口により毎日三回1g)を開始した。彼女は、NAGの開始の2週
間以内に、際立った臨床的改善を示し、そして順次、完全な寛解に入った。この
症例を解釈する上で唯一の複雑な因子は、アザチオプリンが、遅延発生の効力を
示しうるが、NAGでの一時的関連の改善は、非常に目覚しかったことであり、
そして彼女は、我々が先に避けられないと考えた結腸切除術を回避した。最近、
NAG供給の問題があり、そして彼女の徴候は、再発した。
【0068】 15.DB。この少年は、狭窄を伴う終末回腸に影響を及ぼす、過酷で重篤な
クローン病を示す。コルチコステロイド、腸栄養、アザチオプリンおよびアミノ
サリシレートによる治療は奏効しなかった。1996年4月に、彼に、NAG(
口により毎日二回1g)を開始した。彼は、限定された臨床上の応答を示し、そ
して1996年6月に半結腸切除術を受けた。彼の疾患の重篤度は、迅速な早期
再発に示され、そして最近では、疾患は過酷な経過を示している。
【0069】 16.RP。この少女は、狭窄形態のクローン病を示し、そして外科医が、小
腸(腸)じゅうに複数の他の狭窄を記録した時に、2つの小腸狭窄の予備的除去
を受けた(1995年1月)。彼女は、腸栄養およびアミノサリシレート、加え
て間欠的にコルチコステロイドで管理された。重篤な狭窄に結びついた徴候の観
点で、彼女が、複数の小腸狭窄を示した1996年3月にバリウム流通過によっ
て確認し、1996年3月に、彼女に、NAGを開始した(毎日三回当初用量1
g、1996年8月には毎日三回2gに増やした)。バリウム評価は、NAG治
療の1ヶ月後に、非常に際立った臨床的改善と結びついて、狭窄において減少を
示した。1996年9月と12月の続くバリウム検査は、狭窄の証拠はないこと
を示した。したがって、我々は、狭窄する小腸のクローン病でのNAG改善の放
射性および臨床的証拠を示した。
【0070】 17.EH。この少女は、長年のクローン病に関連して、彼女の終末回腸の長
期狭窄を示した。これは、際立ったシナプス前部の拡張があり、彼女が固形物を
取った後の閉塞痛を訴えていた1996年12月にバリウム流通過によって確認
された。彼女は、腸栄養、アミノサリシレートおよびステロイドで管理されてい
た。1996年11月に、彼女に、彼女の最近の治療に加えて、NAG(口によ
り毎日三回1g)を開始した。3から4週間以内に、彼女は、症状なしになり、
そして制限なしの食事を取ることができた。彼女は、徴候がないままであり、そ
してステロイドを徐々に引き離した。彼女は、放射線で明白な狭窄をまだ示した
が、1997年6月での追跡バリウム検査は、狭窄において減少を示した。疑い
なく、NAG治療なしでは、彼女は、これが、1996年11月に重大なレベル
にあった時に、半結腸切除術および彼女の狭窄の除去を必要としていたであろう
。この時点で、我々は、彼女が手術を完全に回避するかどうか疑いがあったが、
しかし彼女にとってのその明らかな利益のために、疑いなく、彼女を、長期間N
AGで維持する。
【0071】 18.ML。この少年は、先に半結腸切除術、狭窄の寛解、そしてその後十二
指腸疾患のため、胃の出口の閉塞の発生の病歴を示す、狭窄性クローン病を示す
。彼は、1996年5月に、内視鏡検査の拡張を受け、そしてその時にNAG(
毎日二回1g)を開始した。彼の追加の治療は、腸栄養に基づいた。オメプラゾ
ール(ステロイド)に加えて、サラゾピリンおよびアザチオプリン。彼は、狭窄
が改善した1996年7月に再拡張を受け、そしてこれは、1996年8月にバ
リウム嚥下によって確認された。1997年3月の繰り返しの内視鏡検査では、
残りの狭窄の証拠はほとんどなく、明らかな改善が示された。しかし、彼は、彼
の狭窄の再発を再び受け、そして、ちょうど、これのための手術を受けた。彼に
、他の治療に加えて、その間にNAG治療を続けた。したがって、狭窄における
初期の外見の改善は、維持されなかったが、彼を、その間にオメプラゾールから
引離していたので利益がある。
【0072】 19.IJ。この少年も、非常に攻撃的なクローン病に伴って、彼の小腸に複
数の狭窄を示す。彼は、先に、腸栄養、アザチオプリンおよび高用量のコルチコ
ステロイドで失敗しており、そして先に、半回腸切除術も受けた。彼は、主要な
治療的問題を表す小腸(小腸)じゅうに複数の重大な狭窄を有することが示され
た。1997年2月に、彼に、アザチオプリンおよび腸栄養での彼の先の治療を
継続するのに加えて、NAG(口により毎日三回1.5g)を開始した。彼は、
彼の狭窄に結びついた徴候および彼の炎症指数の両方の点で、徐々に改善を示し
た。1997年3月の早期バリウム検査では、NAGの1ヶ月後、狭窄において
明白な改善は示されなかった。追跡バリウム検査は、おそらく秋に行われる。
【0073】 20.NBL。この少女は、シノプス前部の拡張での長期の終末回腸狭窄を伴
う、狭窄性小腸クローン病を示す。彼女は、先に、腸栄養およびアミノサリシレ
ートで管理されていた。1997年4月に、彼女に、腸栄養と結びついて、NA
G(毎日三回1.5g)を開始した。彼女は、1997年6月に再検討されたと
きに、最近の狭窄に関連した徴候なしに、臨床的に明らかに改善された。我々は
、追跡バリウム検査を行うことを計画している。
【0074】全体評価 先述の証拠により、NAGが、炎症性腸疾患の治療の上で明確な治療的効果を
示すことが確認された。NAGが、従来の治療と比較して優れていることが明ら
かな特定の領域がある。NAGは、亜全結腸切除術に続いて機能をなくさせる大
腸炎で、直腸投与により効能を明らかに示した。再検討されたNAGで治療した
子供の内の数名は、即座の臨床的改善を示した。3名のNAGで治療した子供に
おける追跡組織学的検査は、明確な改善を示した。さらに、より広範な大腸炎を
示した子供では、以前には見られなかった直腸剥離の証拠が見られた。
【0075】 NAGは、炎症性腸疾患(IBD)の狭窄例において、特に上部小腸狭窄にお
いて有益であるものと思われる。長期治療の失敗は、最終月における一時的なN
AGの供給の問題によるものが一回あったのみであり、NAGによる治療を行っ
た他のすべての小腸狭窄を有する子供では効果が示された。NAGは、NAG治
療を行う以前には重篤な狭窄を有した2人の子供において初期狭窄手術を回避す
るうえで確かに役立った。この子供たちは現在では症状が見られなくなっている
【0076】 終末回腸および上部結腸疾患の治療においてNAGの効果が低かったと思われ
る症例は、NAGが口で与えられた場合である。対照的に、NAGによる直腸治
療は、際立った改善を示した。後者の成功は、おそらく、直腸で投与されたNA
Gが、胃の消化過程を介して通過する必要がないことによる。したがって、NA
GをIBD領域に送達できる適切な担体と共にNAGを投与することが、IBD
の治療において有効である。直腸投与のための適切な担体は、蒸留または精製水
、直腸投与を行ううえで適当な発泡体、または座剤でありうる。経口投与のため
に適切な担体は、病変をきたしたIBD領域に達するまで、NAGが保護される
コーティング剤または二重コーディング剤、胃および小腸による酸性および酵素
による消化に耐性のあるコーティング剤または二重コーティング剤である。その
後、コーティング剤は消化され、NAGは、病変領域まで無傷で送達される。
【0077】 以上の開示に鑑みれば当業者には明らかであるとおり、本発明の実施において
発明の精神または範囲から逸脱することなく多くの変更及び改変を行うことが可
能である。したがって発明の範囲は特許請求の範囲により定義される実質に基づ
いて解釈されるべきものである。
【0078】文献目録 1.Burton,A.F.およびAnderson,F.H. 炎症性腸疾患
を示す患者の小腸粘膜中の3H−N−アセチルグルコサミンに比べた14C−グル
タミンの組込みの減少。J.Biol.Chem.78巻:19頁、1983年
。 2.Vantrappen,G.およびGeboes,K. グリコサミノグリ
カンおよび腸。Lancet 341巻:730頁、1993年。 3.Murch,S.H. 腸の炎症での硫酸グリコサミノグリカンの破壊。L
ancet 341巻:711頁、1993年。 4.Murch,S.H.ら 過酷なアルブミン損失、分泌下痢、および栄養不
全を伴う先天性腸細胞硫酸ヘパリン不全。Lancet 347巻:1299頁
、1996年。 5.Murch,S.H. プロテオグリカンの硫酸エステル化および腸の機能
。J.Gastroenterol.Hepatol 10巻:210頁、19
95年。6.Pender,S.L.、Gut 39巻:284−290頁、1
996、J.Immunol.158巻、1582−1590頁、1997年。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−アセチルグルコサミンによる治療前の直腸組織の組織切片を示
す図。
【図2】N−アセチルグルコサミンによる治療後の直腸組織の組織切片を示
す図。
【図3】図1で示した組織切片を高倍率にて示した図。
【図4】図2で示した組織切片を高倍率にて示した図。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年5月16日(2000.5.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/14 A61K 47/14 47/32 47/32 47/36 47/36 47/44 47/44 A61P 1/04 A61P 1/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マーチ、サイモン イギリス国 NW3 2QG ロンドン ロイヤル フリー ホスピタル ユニバー シティー デパートメント オブ ピーデ ィアトリック ガストローエンターオロジ ー (72)発明者 フレンチ、イーアン ダブリュ. カナダ国 L0N 1E0 オンタリオ カリダン イースト アール.アール.1 ハイウェイ 9 6905 Fターム(参考) 4C076 AA01 BB29 DD08 DD37 DD38 DD46 EE09 EE32 EE51 FF31 FF68 4C086 AA01 EA02 EA03 MA17 MA31 MA60 ZA66 ZB11

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎症性腸疾患患者における炎症性腸疾患治療のための組成物
    であって、 (a)治療量のN−アセチルグルコサミンおよび (b)前記患者の腸へのN−アセチルグルコサミン搬送に適した薬理的に適合
    性で腸適合性である担体とを含む組成物。
  2. 【請求項2】 N−アセチルグルコサミンが、0.5g〜5gの範囲の量で
    組成物中に存在する請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記担体が蒸留水または精製水である請求項1に記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記担体が蒸留水または精製水である請求項2に記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記担体が直腸投与に好適な泡剤である請求項1に記載の組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記担体が直腸投与に好適な泡剤である請求項2に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記担体がN−アセチルグルコサミンを取り囲む坐剤基剤で
    ある請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記担体がN−アセチルグルコサミンを取り囲む坐剤基剤で
    ある請求項2に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記担体が、胃の胃酸による分解に耐え、腸でN−アセチル
    グルコサミンを放出する経口摂取可能な徐放性物質である請求項1に記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】前記担体が、胃の胃酸による分解に耐え、腸でN−アセチル
    グルコサミンを放出する経口摂取可能な徐放性物質である請求項1に記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】水が食塩水浣腸を形成するだけの量で存在する請求項3に記
    載の組成物。
  12. 【請求項12】前記泡剤が、N−アセチルグルコサミン、界面活性剤、補助
    剤および発泡剤を含む請求項5に記載の組成物。
  13. 【請求項13】前記泡剤が、N−アセチルグルコサミン、界面活性剤、補助
    剤および発泡剤を含む請求項6に記載の組成物。
  14. 【請求項14】前記担体が、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシ
    エチレン−10−ステアリルエーテル、エトキシ化セチルおよびステアリルアル
    コール、ステアラス−10、セチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラ
    ベン、トロラミン、精製水、セチルアルコール、エトキシ化ステアリルアルコー
    ル、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、メチルおよびプロピルパ
    ラベン、プロピレングリコール、脱水エタノールアミン、脱イオン水および好適
    な推進剤からなる群から選択される1以上の物質を含む請求項12に記載の組成
    物。
  15. 【請求項15】前記担体が、プロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシ
    エチレン−10−ステアリルエーテル、エトキシ化セチルおよびステアリルアル
    コール、ステアラス−10、セチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラ
    ベン、トロラミン、精製水、セチルアルコール、エトキシ化ステアリルアルコー
    ル、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル、メチルおよびプロピルパ
    ラベン、プロピレングリコール、脱水エタノールアミン、脱イオン水および好適
    な推進剤からなる群から選択される1以上の物質を含む請求項13に記載の組成
    物。
  16. 【請求項16】前記坐剤基剤が、カカオ脂、グリセロゼラチン、硬化植物油
    、ポリアルキルグリコール、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステル、ヤシ
    油基剤、水素化脂肪酸、硬化植物油、モノグリセリド、カカオ脂、鉱油、蜜ロウ
    、グリセリン、ジラウリル酸ポリエチレングリコール600、水素化カカオグリ
    セリドおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項7に記載
    の組成物。
  17. 【請求項17】前記坐剤基剤が、カカオ脂、グリセロゼラチン、硬化植物油
    、ポリアルキルグリコール、ポリアルキレングリコールの脂肪酸エステル、ヤシ
    油基剤、水素化脂肪酸、硬化植物油、モノグリセリド、カカオ脂、鉱油、蜜ロウ
    、グリセリン、ジラウリル酸ポリエチレングリコール600、水素化カカオグリ
    セリドおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される請求項8に記載
    の組成物。
  18. 【請求項18】前記徐放物質は、アクリル系樹脂コーティングと、メタクリ
    ル酸共重合体と、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、
    ポリビニルピロリドンまたはデンプングリコール酸ナトリウムなどの好適な医薬
    外担体と混合したアクリル系樹脂と、セルロースもしくはエチルセルロースと、
    親水性ポリマーおよび腸溶性ポリマーからなる基質組成物と、セルロース誘導体
    と、酢酸フタル酸ポリビニルと、軟化剤と混合された酢酸フタル酸ポリビニルと
    、腸で分解可能な多糖類と、ローカストビーンガムもしくはグアーガムと、親水
    基を有する膜形成性ポリマーと、アクリル酸の低級アルキルエステルおよびメタ
    クリル酸の低級アルキルエステルからなる群から選択される1以上のモノマーを
    30〜100重量%含有する多糖類と混合した膜形成性アクリルポリマーと、高
    等植物から得られるハイドロコロイドガムと、約4以下のpHでは溶解しないが
    約4〜約7.5の範囲のpHでは可溶であるアニオン系カルボン酸ポリマーとか
    らなる群から選択される請求項9に記載の組成物。
  19. 【請求項19】前記泡剤が、有効成分としてのN−アセチルグルコサミン0
    .5〜5gとプロピレングリコール、乳化ロウ、ポリオキシエチレン−10−ス
    テアリルエーテル、セチルアルコール、メチルパラベンおよびプロピルパラベン
    、トロラミン、精製水および不活性推進剤であるジクロロジフルオロメタンもし
    くはジクロロテトラフルオロエタンを含む泡剤20gを含む請求項5に記載の組
    成物。
  20. 【請求項20】前記組成物が、親水性ポリマー約5重量%〜約29重量%で
    コーティングされたN−アセチルグルコサミン約0.1重量%〜約90重量%、
    ならびに約5.0〜約7.5の範囲のpHで溶解するアクリル系ポリマー約0.
    5重量%〜約25重量%を含有する請求項9に記載の組成物。
  21. 【請求項21】炎症性腸疾患患者の治療方法であって、治療量のN−アセチ
    ルグルコサミンおよび腸に適合性で薬理的に許容される担体を含む組成物を前記
    患者の腸に投与する段階を有する方法。
  22. 【請求項22】N−アセチルグルコサミンが、浣腸剤当たり約0.5g〜5
    gの量で存在する請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】前記薬理的に許容される担体が蒸留水または精製水である請
    求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】前記薬理的に許容される担体が蒸留水または精製水である請
    求項22に記載の方法。
  25. 【請求項25】前記浣腸剤を、浣腸器によって前記患者に投与する請求項2
    3に記載の方法。
  26. 【請求項26】前記担体が、結腸をコーティングする腸適合性泡剤である請
    求項21に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記担体が、結腸をコーティングする腸適合性泡剤である請
    求項22に記載の方法。
  28. 【請求項28】前記担体が、室温で固体であって体温で融解する坐剤である
    請求項21に記載の方法。
  29. 【請求項29】前記担体が、室温で固体であって体温で融解する坐剤である
    請求項22に記載の方法。
  30. 【請求項30】前記担体が、胃の胃酸による分解に耐え、腸でN−アセチル
    グルコサミンを放出する経口摂取可能な徐放性物質である請求項21に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】前記担体が、胃の胃酸による分解に耐え、腸でN−アセチル
    グルコサミンを放出する経口摂取可能な徐放性物質である請求項22に記載の方
    法。
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