JP2002512045A - 核酸プローブアレイに対する非特異的な結合を減少させるための方法 - Google Patents

核酸プローブアレイに対する非特異的な結合を減少させるための方法

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JP2002512045A
JP2002512045A JP2000544837A JP2000544837A JP2002512045A JP 2002512045 A JP2002512045 A JP 2002512045A JP 2000544837 A JP2000544837 A JP 2000544837A JP 2000544837 A JP2000544837 A JP 2000544837A JP 2002512045 A JP2002512045 A JP 2002512045A
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polyanion
monomer
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JP2000544837A
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グレン マックガール,
マーティン ゴールドバート,
トーマス ビー. ライダー,
スティーブ ウッドマン,
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アフィメトリックス インコーポレイテッド
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase
    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/156Polymorphic or mutational markers

Abstract

(57)【要約】 本発明は、標的分子または複数の標的分子の、オリゴヌクレオチドのアレイに対する非特異的な結合を減少するための種々の方法を提供する。本発明の方法は、表面改変技術およびオリゴヌクレオチド改変技術を含む。本発明の1つの方法に従って、オリゴヌクレオチドのアレイに対する標的分子の非特異的な結合は、i)その複数のオリゴヌクレオチドの各々における保護基、およびii)その基材の保護領域の各々における保護基のうちの少なくとも1つを、負に荷電したホスフェート残基に置き換えることによって、減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本発明は、固相ポリマー合成の分野に関する。より詳細には、本発明は、調製
スケールでのオリゴヌクレオチドアレイまたは単一の化合物の固相合成における
適用を見出す方法および支持体を提供する。このオリゴヌクレオチドアレイは、
例えば、結合アフィニティーの決定のためのスクリーニング研究および診断的適
用において使用され得る。本発明の表面修飾は、結合アフィニティーおよび診断
的適用における標的分子のアレイへの非特異的結合を減少する。
【0002】 生物学的ポリマー(例えば、ペプチドおよびオリゴヌクレオチド)の合成は、
最も初期の溶液合成の段階から、単一のポリマーの固相合成へ、より最近の、単
一の固体支持体またはチップ上の多くの種々のオリゴヌクレオチド配列を有する
ライブラリーの調製まで、劇的な様式で発展してきた。
【0003】 オリゴヌクレオチド、ペプチド、および他のポリマー配列の大きなアレイを形
成する改善された方法が、短い期間の間に考案されてきた。特に注目すべきもの
として、Pirrungら、米国特許第5,143,854号(PCT出願番号
WO 90/15070もまた参照のこと)、およびFodorら、PCT公
開番号 WO92/10092(本明細書中にすべて参考として援用される)は
、例えば、光指向性合成技術を使用して、ペプチド、オリゴヌクレオチド、およ
び他のポリマー配列の巨大なアレイを形成する方法を開示する。Fodorら、
Science、251:767−777(1991)もまた参照のこと(すべ
ての目的のために本明細書中で参考として援用される)。これらの手順はまた、
現在、VLSIPSTM手順といわれる。
【0004】 上記で引用したFodorらのPCT出願において、VLSIPSTM手順を管
理するためのコンピューター制御システムを使用することについて見事な方法が
記載されている。このアプローチを使用して、ポリマーの1つの異種アレイが、
多くの反応部位の同時カップリングを通して、異なる異種アレイに転換される。
Winklerらへの米国特許第5,384,261号および同第5,677,
195号を参照のこと。これらの開示は、すべての目的のために本明細書中で援
用される。
【0005】 上記で言及された米国特許第5,143,854号およびPCT公開番号WO
90/15070および92/10092において記載されるように、VLS
IPSTM技術の開発は、コンビナトリアル合成およびコンビナトリアルライブラ
リーのスクリーニングの分野にある先駆的な技術であると考えられている。より
最近では、1993年6月25日に出願された米国特許出願番号第08/082
,937号は、標的核酸の部分配列もしくは完全配列を提供するため、および特
定のオリゴヌクレオチド配列を含む核酸の存在を検出するために使用され得るオ
リゴヌクレオチドプローブのアレイを作製する方法を記載する。
【0006】 化学合成およびバイオアッセイの両方におけるVLSIPSTM基材の実行を最
適化するための表面特性の制御は、合成開始のための部位密度、表面の湿潤性、
および開始部位を表面に結合させる結合基の長さのようなパラメーターを含むこ
とが認識されている。
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、標的分子または複数の標的分子の、オリゴヌクレオチドのアレイへ
の非特異的結合を減少させるための種々の方法を提供する。
【0008】 第1の局面として、本発明は、標的分子または検出/シグナル生成分子の、固
体支持体の表面の複数のオリゴヌクレオチドへの非特異的結合を減少させるため
の方法を提供し、ここでこの表面は、複数の指定領域および複数の保護領域を有
する。各々の複数の保護領域は、その上に保護基を有する。この方法は以下の工
程を含む:a)各々の指定領域で複数のオリゴヌクレオチドを生成する工程であ
って、ここで各々の複数のオリゴヌクレオチドは、末端保護基を有する、工程;
およびb)各々の複数の保護領域上で保護基を除去する工程。標的分子の、オリ
ゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合は、保護基の除去の結果として減少する
。別の実施態様において、本発明の方法は、複数のオリゴヌクレオチドおよび保
護領域の両方からの保護基の除去を含む。この保護基は、感光性の保護基、また
は化学的に除去可能な保護基、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【0009】 第2の局面として、本発明は、標的分子または検出/シグナル生成分子の、オ
リゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合を減少させるための別の方法を提供す
る。この方法は以下の工程を含む:a)各々の指定領域で複数のオリゴヌクレオ
チドを生成する工程であって、ここで各々の複数のオリゴヌクレオチドは、末端
保護基を有する、工程;ならびにb)少なくとも1つの:i)工程a)中で生成
された各々の複数のオリゴヌクレオチド上の保護基、およびii)各々の複数の
保護領域上の保護基を、負に荷電したリン酸残基で置換する工程。標的分子の、
オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合は、保護基を、負に荷電したリン酸
残基に置換することによって減少する。本発明はさらに、オリゴヌクレオチド上
および保護領域上の両方の保護基を置換する工程を包含する。保護基を置換する
負に荷電したリン酸残基は、負に荷電したリン酸残基に共有結合する化合物との
反応、または負に荷電したリン酸残基のポリアニオン鎖を結合させることによっ
て提供され得る。
【0010】 第3の局面として、本発明は、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非
特異的結合を減少させるための、なお別の方法を提供する。この方法は以下の工
程を含む:a)固体支持体上の表面の各々の指定領域に、保護基を有するポリア
ニオン鎖を結合させる工程、およびb)各々の指定領域のポリアニオン鎖上に、
末端保護基を有する複数のオリゴヌクレオチドを形成する工程。オリゴヌクレオ
チドアレイへの標的分子の非特異的結合は、固体支持体の表面の指定領域上のポ
リアニオン鎖の存在によって減少する。このポリアニオン鎖は、指定領域上でポ
リアニオン鎖を形成すること、またはあらかじめ形成したポリアニオン鎖を指定
領域に結合することによって、指定領域に結合され得る。1つの実施態様におい
て、保護基を有するポリアニオン鎖はまた、固体支持体の保護領域に結合される
【0011】 第4の実施態様において、本発明は、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイ
への非特異的結合を減少させるための方法を提供する。この方法は、以下の工程
を包含する:a)保護基を有するポリアニオン鎖を各々の保護領域に結合させる
工程;およびb)各々の指定領域において末端保護基を有する複数のオリゴヌク
レオチドを形成する工程。標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的
結合は、固体支持体の表面の保護領域上のポリアニオン鎖の存在によって減少す
る。このポリアニオン鎖は、保護領域上でポリアニオン鎖を形成すること、また
はあらかじめ形成したポリアニオン鎖を保護領域に結合することによって、保護
領域に結合され得る。
【0012】 第5の実施態様において、本発明は、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイ
への非特異的結合を減少させるための方法を提供する。この方法は、以下の工程
を含む:a)保護基を有するポリアニオン鎖を、各々の指定領域に結合させる工
程;b)各々の指定領域のポリアニオン鎖上で、末端保護基を有する複数のオリ
ゴヌクレオチドを形成する工程、ならびにc)少なくとも1つの:i)工程b)
で生成された各々の複数のオリゴヌクレオチド上の保護基、およびii)各々の
複数の保護領域上の保護基、を除去する工程。標的分子のオリゴヌクレオチドア
レイへの非特異的結合は、指定領域上のポリアニオン鎖、ならびに固体支持体の
表面のオリゴヌクレオチドまたは保護領域のいずれかまたは両方からの保護基の
除去の組み合わせによって減少する。別の実施態様において、ポリアニオン鎖は
、保護領域に結合され、そして標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特
異的結合は、保護領域上のポリアニオン鎖、ならびに固体支持体の表面のオリゴ
ヌクレオチドまたは保護領域に結合したポリアニオン鎖のいずれかかまたは両方
からの保護基の除去の組み合わせ、によって減少する。別の実施態様において、
ポリアニオン鎖は、指定領域および保護領域の両方に結合し、そしてオリゴヌク
レオチドアレイへの標的分子の非特異的結合は、ポリアニオン鎖、ならびに、固
体支持体の表面の保護領域に結合したオリゴヌクレオチドまたはポリアニオン鎖
のいずれかまたは両方からの保護基の除去の組み合わせにより減少する。
【0013】 別の実施態様において、本発明は、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへ
の非特異的結合を減少させるための方法を提供する。この方法は以下の工程を含
む:a)保護基を有するポリアニオン鎖を、各々の指定領域に結合させる工程;
b)各々の指定領域で、ポリアニオン鎖上に末端保護基を有する複数のオリゴヌ
クレオチドを形成する工程;ならびにc)少なくとも1つの、または両方の:i
)工程b)中で生成された各々の複数のオリゴヌクレオチド上の保護基、および
ii)各々の複数の保護領域上の保護基を、負に荷電したリン酸残基で置換する
工程。標的分子のオリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合は、指定領域上の
ポリアニオン鎖、および、固体支持体の表面のオリゴヌクレオチド上または保護
領域上のいずれかまたは両方での保護基の置換の組み合わせによって減少する。
別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、保護領域に結合され、そして標的分
子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合は、保護領域上のポリアニオ
ン鎖、および、固体支持体の表面の保護領域に結合したオリゴヌクレオチド上ま
たはポリアニオン鎖上のいずれかまたは両方の保護基の置換の組み合わせによっ
て減少する。別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、指定領域および保護領
域の両方に結合され、そして標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異
的結合は、ポリアニオン鎖、および、固体支持体の表面の保護領域に結合された
オリゴヌクレオチド鎖上のもしくはポリアニオン鎖上のいずれかまたは両方での
保護基の置換の組み合わせによって減少する。
【0014】 別の実施態様において、本発明は固相合成のための固体支持体を提供する。こ
の固体支持体は、複数の指定領域および複数の保護領域ならびに少なくとも1つ
のi)各々の指定領域、およびii)各々の保護領域、に結合した保護基を有す
るポリアニオン鎖を有する表面を含む。
【0015】 なお別の実施態様において、本発明は、複数のオリゴヌクレオチドに対するハ
イブリダイゼーションのための標的分子をスクリーニングするための方法を提供
する。この方法は以下の工程を含む:a)複数の指定領域および複数の保護領域
、ならびに少なくとも1つのi)各々の指定領域、およびii)各々の保護領域
に結合した保護基を有するポリアニオン鎖を有する表面を含む固体支持体を提供
する工程;b)標的分子を複数のオリゴヌクレオチドに接触させる工程;ならび
にc)複数のオリゴヌクレオチドに対する標的分子のハイブリダイゼーションを
検出する工程。このオリゴヌクレオチドは、ポリアニオン鎖が各々の指定領域と
結合する場合に、ポリアニオン鎖に結合される。標的分子の、オリゴヌクレオチ
ドアレイへの非特異的結合は、指定領域および保護領域の1つまたは両方におけ
るポリアニオン鎖の存在によって減少する。
【0016】 前述の方法は、その上、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的
結合を減少させるための種々の方法と組み合わされ得る。前述の方法の任意の適
切な組み合わせが、本発明に従って利用され得る。
【0017】 本発明のこれらのおよび他の局面は、以下の好ましい実施態様の説明および本
発明の実施例の説明においてさらに記載される。
【0018】 (好ましい実施態様の説明) 本発明は、一般的には、標的分子の、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的
結合を減少させるための方法に関する。このような方法には、オリゴヌクレオチ
ドが提供される基剤表面に対する表面修飾、ならびにオリゴヌクレオチドに対す
る修飾およびこれらの技術の組み合わせが含まれる。
【0019】 本明細書中で使用される場合、「EDA」はエチレンジアミンを意味し;「A
cOH」は酢酸を意味し;「ALLOC」はアリルオキシカルボニルを意味し;
「BOP」はベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)
ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを意味し;「CAP」はε−アミノカ
プロン酸を意味し;「DIEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し;「D
IGLY」はグリシルグリシンを意味し;「DMF」はジメチルホルムアミドを
意味し;「DMT」はジメトシトリチルを意味し;「DTT」はジチオスレイト
ールを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し;「FMOC」はフルオレ
ニルメトキシカルボニルを意味し;「MeNPOC」はαメチルニトロ−ピペロ
ニルオキシカルボニルを意味し;「MP」は融点を意味し;「NVOC」はニト
ロベラトリル(veratryl)オキシカルボニルを意味し;「OBt」はヒ
ドロキシベンゾトリアゾールラジカルを意味し;「PBS」はリン酸緩衝化生理
食塩水を意味し;「TFA」は、トリフルオロ酢酸を意味し;「15−ATOM
−PEG」はH2N−(CH2CH2O)2−CH2CH2NHCO−(CH23−C
2Hを意味し;そして「TRIGLY」はグリシルグリシルグリシンを意味す
る。
【0020】 以下の用語は、それらが本明細書中で使用される場合、以下の一般的な意味を
有することが意図される: 化学用語:本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、飽和炭化水素
ラジカルをいう。これは、直鎖または分枝鎖(例えば、エチル、イソプロピル、
t−アミル、または2,5−ジメチルヘキシル)であり得る。「アルキル」また
は「アルキレン」が結合基またはスペーサーをいうために使用される場合、これ
は、共有結合のために2つの利用可能な原子価を有する基(例えば、−CH2
2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)CH2−、および、−
CH2(CH2CH22CH2−)であるととられる。置換基として好ましいアル
キル基は、1〜10炭素原子を含むアルキル基であり、特に好ましいのは、1〜
6炭素原子を含むアルキル基である。結合基として好ましいアルキル基はまたは
アルキレン基は、1〜20炭素原子を含むアルキル基はまたはアルキレン基であ
り、特に好ましいのは、3〜6炭素原子を含むアルキル基はまたはアルキレン基
である。用語「ポリエチレングリコール」は、エチレングリコールの反復単位を
有するそれらの分子(例えば、ヘキサエチレングリコール(HO−(CH2CH2 O)5−CH2CH2OH))をいうために用いられる。用語「ポリエチレングリ
コール」が、結合基およびスペーサー基をいうために使用される場合、他のポリ
エーテルまたはポリオール(すなわち、ポリプロピレングリコール、またはエチ
レングリコールとプロピレングリコールとの混合物)が同様に使用され得ること
が当業者に理解される。
【0021】 本明細書中で使用される用語「保護基」は、感光性の保護基および化学的に除
去可能な保護基をいう。
【0022】 本明細書中で使用される用語「感光性保護基」は、化学反応が別の反応部位で
行われる間、分子中の1つの反応性部位を遮断するように設計され、そして光照
射のような放射に曝露することによって除去可能な任意の基をいう。本明細書中
で利用されるその用語の意味内での感光性の保護基の特定の例には、ジメトキシ
ベンゾイン、2−ニトベラトリルオキシカルボニル(NVOC)、α−メチル−
2−ニトロベラトリルオキシカルボニル(MeNVOC)、2−ニトロピペロニ
ルオキシカルボニル(NPOC)、α−メチル−2−ニトロピペロニルオキシカ
ルボニル(MeNPOC)、2,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル(DN
BOC)、α−メチル−2,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル(MeDN
BOC)、2−(2−ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(NPEOC)
、2−メチル−2−(2−ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(MeNP
EOC)、1−ピレニルメチルオキシカルボニル(PYMOC)、9−アントラ
セニルメチルオキシカルボニル(ANMOC)、3’−メトキシベンゾイニルオ
キシカルボニル(MBOC)、3’,5’−ジメトキシベンゾイニルオキシカル
ボニル(DMBOC)、7−ニトロインドリニルオキシカルボニル(NIOC)
、5−ブロモ−7−ニトロインドリニルオシキカルボニル(BNIOC)、5,
7−ジニトロインドリニルオキシカルボニル(DNIOC)、2−アントラキノ
ニルメチルオキシカルボニル(AQMOC)、α,α−ジメチル−3,5−ジメ
トキシベンジルオキシカルボニル、および上記の任意のものの非カルボネートベ
ンジリック形態(例えば、NV、MeNVなど)のような基が含まれるが、これ
らに限定されない。
【0023】 本明細書中で使用される用語「化学的に除去可能な保護基」は、化学反応が別
の反応部位で行われている間に、分子中の1つの反応部位を遮断するように設計
され、そして化学薬剤への曝露、すなわち、放射への曝露以外の手段によって除
去され得る任意の基をいう。例えば、化学的に除去可能な保護基の1つの型は、
塩基への曝露によって除去可能である(すなわち、「塩基除去可能な保護基」)
。特定の塩基除去可能な保護基の例として、フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル(FMOC)、2−シアノエチル(CE)、N−トリフルオロアセチルアミノ
エチル(TF)、2−(4−ニトロフェニル)エチル(NPE)、および2−(
4−ニトロフェニル)エチルオキシカルボニル(NPEOC)が含まれるが、こ
れらに限定されない。化学的に除去可能な保護基の別の型は、求核試薬への曝露
によって除去可能である(すなわち、「求核試薬除去可能保護基」)。求核除去
可能な保護基の特定の例には、レブリニル(Lev)およびアリールオキシカル
ボニル(AOC)が含まれるが、これらに限定されない。他の化学的除去可能な
保護基は、酸に対する曝露によって除去される(すなわち、「酸除去可能保護基
」)。特定の酸除去可能な保護基には、トリフェニルメチル(Trまたはトリチ
ル)、4−メトキシトリフェニルメチル(MMTまたはモノメトキシトリチル)
、4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル(DMTまたはジメトキシトリチル
)、tert−ブトキシカルボニル(tBOC)、α,α−ジメチル−3,5−
ジメトキシベンジルオキシカルボニル(DDz)、2−(トリメチルシリル)エ
チル(TMSE)、および2−(トリメチルシリル)エチルオキシカルボニル(
TMSEOC)が含まれるが、これらに限定されない。別の型の化学的除去可能
な保護基は、還元剤への曝露によって除去可能である(すなわち、「還元剤除去
可能な保護基」)。還元剤除去可能な保護基の特定の例には、2−アントラキノ
ニルメチルオキシカルボニル(AQMOC)および2,2,2−トリクロロエチ
ルオキシカルボニル(TROC)が含まれるが、これらに限定されない。化学的
に除去可能な保護基のさらなる例には、アリル(All)およびアリルオキシカ
ルボニル(AllOC)保護基が含まれる。化学的に除去可能な保護基の他の例
は、当業者に公知である。
【0024】 モノマー:モノマーは、2つ以上のモノマー単位から構成されるポリマーまた
は化合物を形成するように互いに結合されたか、または互いに結合され得る低分
子のセットのメンバーである。本発明は、固相合成において有用である組成物お
よび方法に関して本明細書に記載される。多くの適用において、固相方法は、オ
リゴヌクレオチドのような生物学的ポリマーの調製のために使用される。これら
の生物学的ポリマーのための、モノマーのセットには、例えば、ヌクレオチドの
セットおよびペントースおよびヘキソースのセットが含まれるが、これらに限定
されない。生物学的ポリマー内のモノマーの特定の順序は、ポリマーの「配列」
として本明細書中で言及される。本明細書中で使用される場合、モノマーは、ポ
リマーの合成のための基本のセットの任意のメンバーをいう。モノマーの異なる
基本セットは、ポリマーの合成における連続的な工程で使用され得る。さらに、
セットの各々は、合成後に修飾される保護されたメンバーを含み得る。本発明は
、ヌクレオチドのようなモノマーの配列を含有する分子の調製に関して主に本明
細書中に記載されるが、他のポリマーの調製に容易に適用され得る。このような
ポリマーには、例えば、核酸の直線状および環状の両方のポリマー、ポリサッカ
ライド、リン脂質、およびα、β、またはωアミノ酸のいずれかを有するペプチ
ド、公知の薬物が任意の上記のものに共有結合したヘテロポリマー、ポリヌクレ
オチド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエチレンイミン、ポリアリーレンスルフィド(polyarylen
e sulfide)、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリアセテート、または
本開示を検討すると明らかになる他のポリマーが含まれる。このようなポリマー
は、異なるモノマー配列を有するポリマーが、基質の異なる指定された領域で形
成された場合、「多様」である。ポリマーの環状化およびポリマー反転の方法は
、本明細書中に参考として全ての目的で援用される「Polymer Reve
rsal on Solid Surfaces」と題された同時係属中の出願
である米国特許第5,550,215号に開示されている。
【0025】 固体支持体:本明細書で使用される場合、用語「固体支持体」または「基材」
は、剛性の、または半剛性の表面を有する部材のことをいう。多くの実施態様に
おいて、支持体の少なくとも1つの表面は、実質的に平坦であるが、いくつかの
実施態様では、例えば、ウェル、盛り上がった領域、エッチングした溝、などで
、異なるポリマーについての合成領域を物理的に分離していることが所望であり
得る。いくつかの実施態様では、支持体自体は、合成領域の全部かまたは一部を
形成するウェル、溝、フロースルー領域、などを備える。他の実施態様に従って
、小ビーズが、その表面に提供され得、そしてそこで合成された化合物が、合成
の完了に伴って放出され得る。
【0026】 チャンネルブロック:その表面上に、複数の溝またはくぼんだ領域を有する部
材。溝またはくぼんだ領域は、縞、円、曲がりくねった路、などを含むが、これ
らに限定されない種々の幾何学的なコンフィギュレーションを取り得る。チャン
ネルブロックは、エッチングシリコンブロック、成型ポリマーまたは加圧ポリマ
ー(pressing polymer)などを含む種々の様式で調製され得る
【0027】 異なるプローブを、支持体の表面の異なる既知の位置に合成するか、または付
着させる。既知の位置は、任意の都合の良い形状(例えば、環状、長方形、楕円
形、楔型など)を有し得る。いくつかの実施態様において、各異なるポリマー配
列が合成される領域は、約1cm2より小さく、より好ましくは、1mm2よりも
小さく、そしてなおより好ましくは、0.5mm2よりも小さい。最も好ましい
実施態様では、その領域は、約10,000μm2よりも小さいか、またはより
好ましくは、100μm2よりも小さい面積を有する。これらの領域内で、そこ
で合成されたポリマーは、好ましくは、実質的に純粋な形態(例えば、優勢な種
)で合成される。さらに、そのポリマーの複数のコピーは、代表的には、任意の
公知の位置内で合成される。コピー数は、数千から数百万であり得る。
【0028】 保護領域:保護領域は、オリゴヌクレオチドポリマーの形成について使用され
ない固体支持体の表面上の局在した領域である。従って、保護領域は、オリゴヌ
クレオチドが合成されることを意図されない、そして保護基を結合させた固体支
持体の表面上の全ての領域として規定される。保護領域は、任意の従来の形状(
例えば、環状、長方形、楕円形、楔形、など)を有し得る。いくつかの実施態様
において、保護領域は、約1cm2よりも小さく、より好ましくは、1mm2より
も小さく、そしてなおより好ましくは、0.5mm2よりも小さい。最も好まし
い実施態様では、保護領域は、約10,000μm2よりも小さい面積、または
より好ましくは、100μm2よりも小さい面積を有する。
【0029】 標的分子:本明細書で使用される用語「標的分子」は、アレイ上の複数のオリ
ゴヌクレオチドにハイブリダイズし、それにより有利に検出および/または同定
される1つの分子または複数の分子をいう。代表的には、標的分子は、種々の分
子を含有する混合物(例えば、生物学的サンプル)中に含有される。本明細書で
使用される用語「生物学的サンプル」は、生物または生物の成分(例えば、細胞
)から得られるサンプルをいう。サンプルは、任意の生物学的組織または体液で
あり得る。頻繁には、そのサンプルは、患者由来のサンプルである「臨床的サン
プル」である。このようなサンプルには、疸、血液、血液細胞(例えば、白血球
)、組織または細針生検サンプル、尿、腹膜液、および胸膜液、またはこれら由
来の細胞を含むが、これらに限定されない。生物学的サンプルはまた、組織学的
目的のために取り出された凍結切片のような組織の切片を含み得る。本発明は、
生物学的サンプル中の標的分子についてのアッセイにおいて特定の有用性を見出
す。
【0030】 核酸プローブ(ときどきオリゴヌクレオチドプローブといわれる)は、任意の
長さであり得、そして任意の手段によって産生され得る。プローブには、6〜3
0または10〜25塩基の範囲の長さを有するものもある。プローブには、10
00塩基以上の長さを有するものもある。プローブは、代表的には、一本鎖であ
り、そしてDNAまたはRNAあるいはPNAのようなそれらのアナログであり
得る。プローブは、予め合成されて、支持体にインタクトに結合されるか、また
はインサイチュで支持体上で成分を連続的に付加することによって合成され得る
【0031】 (1.標的分子を含有するサンプルをアッセイする一般的な方法) 固体支持体上での多様な化学化合物の合成のための方法の出現により、このよ
うな化学ライブラリーのための多数の研究および診断的適用が発生した。これら
の研究および診断適用の多くは、サンプルを、ペプチドおよびオリゴペプチドの
ような多数の生物学的ポリマー、または段階的な様式でビルディングブロックか
ら合成された他の低リガンド分子が複数付着した固体支持体またはチップと接触
させて、1つ以上の付着したポリマーまたは低リガンド分子と特異的に結合する
任意の種を同定する。
【0032】 例えば、1993年6月25日に出願された特許出願第08/082,937
号は、標的核酸の完全配列を提供するために、および特定のオリゴヌクレオチド
配列を含有する核酸の存在を検出するために使用され得るオリゴヌクレオチドプ
ローブのアレイを作製するための方法を記載する。「Surface Boun
d Unimolecular Double Stranded DNA」と
題された米国特許第5,556,752号は、p53タンパク質および多くの癌
状態に寄与する遺伝子と関連するもののようなタンパク質/DNA結合相互作用
を含む診断適用に使用され得る単一分子の二本鎖オリゴヌクレオチドのアレイを
作製する方法を記載する。二本鎖オリゴヌクレオチドのアレイはまた、特定の結
合親和性を有する新たな薬物をスクリーングするために使用され得る。
【0033】 本発明の方法および組成物は、1つ以上の標的分子のオリゴヌクレオチドアレ
イへの非特異的結合を減少するために有用である。これらの方法は、配列が公知
である1つ以上の選択された標的分子に対して相補性を示すプローブを含むオリ
ゴヌクレオチドアレイを利用する。代表的には、これらのアレイは、米国特許第
5,143,854号およびPCT出願第WO90/15070、WO92/1
0092およびWO95/11995(これらの各々が本明細書中に参考として
援用される)に記載されるような固体支持体上の高密度のアレイ(「チップ上の
DNA」)に固定される。一般的に、1つ以上の標的分子を含有するサンプルは
、アレイ上の複数のオリゴヌクレオチドに対してアッセイまたはスクリーニング
され、サンプル中の標的分子を検出および/または同定し得る。この方法は、複
数のオリゴヌクレオチドプローブをその上に有する固体支持体を提供する工程、
複数の標的分子をオリゴヌクレオチドアレイと接触させる工程、およびその複数
のオリゴヌクレオチドへのその標的分子のハイブリダイゼーションを検出する工
程を包含する。ハイブリダイゼーションおよびアッセイ技術は、1997年2月
2日に出願された同時係属中の米国特許第08/797,812号(その全体が
本明細書中に参考として援用される)に記載される。発現分析技術は、PCT出
願WO97/10365(その全体が参考として援用される)に記載される。
【0034】 種々のストラテジーが、チップ上にオリゴヌクレオチドアレイを整列しそして
ディスプレイし、それにより、標的核酸に関して導き得るハイブリダイゼーショ
ンパターンおよび配列情報を最大化するために利用可能である。例示的なディス
プレイおよび整列化ストラテジー(基本的なタイリングストラテジーを含む)は
、本明細書に参考として援用されるPCT出願第WO94/12305号、およ
び1997年2月2日に出願された米国特許出願第08/797,812号[1
8547−018550]に記載される。1つ以上の標的分子をオリゴヌクレオ
チドアレイに曝露して、その標的分子のオリゴヌクレオチドアレイへのハイブリ
ダイゼーションを決定する技術は、当該分野で公知である。
【0035】 オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的な結合は、標的分子ではない分子がア
レイにハイブリダイズするようである場合に生じる。非特異的結合の結果として
、サンプル中の標的分子の定性的および/または定量的測定における精度の減少
が生じる。非特異的結合は、多くの要因から生じ得る。非特異的結合は、サンプ
ル内のタンパク質成分(例えば、フルオレセイン−ストレプトアビジンまたはフ
ィコエリトリン−ストレプトアビジン)のオリゴヌクレオチドアレイへの結合か
ら生じるようである。他の場合には、RNAフラグメント化またはTdT標識に
使用される緩衝液中に存在する不溶性のマグネシウム、コバルト、または他の塩
の沈殿した粒子の接着によって引き起こされるようである明るい「斑点」が生じ
る。両方の種類の非特異的結合は、EDA中の最終基質脱保護の前に光分解して
いない反応していない保護基(例えば、MeNPOC保護基)を有するアレイま
たはチップの領域において最も重度である。オリゴヌクレオチドプローブが合成
されているチップ上の領域は、一般に、最も低い強度の蛍光非特異的結合を示す
。光分解されていない表面のリンカー部位は、EDAと反応して、遊離の末端ヒ
ドロキシ基の混合物ならびにアミノエチルカルバモイル残基を生成することが公
知である。後者は、そのように処理された表面領域に正味の正電荷を与える。こ
れは、負であるアレイのプローブ含有領域と対照をなす。本発明のいかなる特定
の理論に縛られることを望まないが、これらの領域での正味の正電荷は、非特異
的結合へ寄与すると考えられる。
【0036】 (III.固体支持体) 固体支持体は、生物学的、非生物学的、有機、無機、またはこれらの任意の組
み合わせであり得、粒子、ストランド、沈殿物、ゲル、シート、管状材料、球体
、容器、毛管、パッド、スライス、フィルム、プレート、スライドなどとして、
存在する。固体支持体は、好ましくは平坦であるが、代替の表面外形を取り得る
。例えば、固体支持体は、隆起したまたは陥没した領域を含み得、ここで、合成
が起こる。いくつかの実施態様において、固体支持体は適切な光吸収特性を提供
するように選択される。例えば、支持体は、重合したLangmuir Blo
dgettフィルム、機能化したガラス、溶融シリカ、Si、Ge、GaAs、
GaP、SiN4、アルミナまたは二酸化ケイ素のような金属酸化物フィルム、
修飾したシリコンあるいは(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデ
ン二フッ化物、ポリスチレン、ポリカーボネート、またはそれらの組み合わせの
ような種々のゲルまたはポリマーのいずれか1つであり得る。他の適切な固体支
持体材料は、当業者にとって容易に明らかである。好ましくは、固体支持体の表
面は、反応性基を含み、この反応性基は、カルボキシル、アミノ、ヒドロキシ、
チオールなどであり得る。より好ましくは、この表面は、光学的に透明であり、
そして、シリカ表面上に見出されるような表面Si−OH官能性を有する。
【0037】 固体支持体の表面は、本質的に2つの領域、すなわち、複数の指定された領域
(本明細書中で公知の領域とも呼ばれる)、および複数の保護領域に、分割され
る。プローブは、複数の指定された領域の各々において付着されるかもしくは合
成されるか、付着されたかもしくは合成されたか、または今後付着されるかもし
くは合成される。プローブは、任意のメカニズムによって付着され得るか、また
は合成され得る。例えば、比較的長いプローブが支持体にそのまま付着され得る
。あるいは、プローブは、成分の段階的取り込みによって支持体上に合成され得
る。表面の保護領域は、固体支持体の表面上の指定された領域から区別される。
表面上の複数の保護領域の各々は、オリゴヌクレオチドが結合も合成もされてお
らず、そしてそこに除去可能な保護基を付着させた領域である。各保護領域の保
護基は、好ましくは、標準の感光性または化学的に除去可能な保護基であり、こ
れらの保護基は、市販され、そして放射または化学的条件に対する曝露によって
除去可能であることが公知である。このような保護基の例として、FMOC、D
MT、NVOC、MeNPOC、BOC、ALLOC、t−ブチルエステルおよ
びt−ブチルエーテルが挙げられる。現在、保護領域のための好ましい保護基は
、NVOC、MeNVOCまたはMeNPOC基のような感光性保護基である。
【0038】 本発明の1実施態様に従って、固体支持体の表面は、その表面上でのオリゴヌ
クレオチドの合成の前に、固体支持体の表面上の指定された領域の各々における
リンカーモノマーの付着によって誘導体化され得る。リンカーモノマーを用いた
誘導体化は、本発明の方法を実施するのに必須ではない。特に、ポリアニオン鎖
が固体支持体の表面の指定された領域に付着される実施態様において、基板は、
好ましくは、オリゴヌクレオチドの合成の前にリンカーモノマーを用いて誘導体
化されない。
【0039】 固体支持体の表面がリンカーモノマーを用いて誘導体化される実施態様におい
て、各オリゴヌクレオチドが、上記の一般的技術の適用によってリンカーモノマ
ー上に合成される。このリンカーモノマーは、固体支持体を、一方の末端上に基
板付着基を有し、遠位末端(表面から離れている)上に反応性部位を有する誘導
体化試薬と反応させることによってこの固体支持体の表面に付着され、反応性部
位の均一な分布を有する支持体表面を提供する。次いで、この誘導体化した表面
をリンカー分子と接触させられる。このリンカー分子の各々は、誘導体化表面上
の反応性部位と共有結合し得る反応性基を有する。リンカー分子は、さらに、保
護基で保護される官能基を有する。接触は、固体支持体の表面へリンカー分子を
結合するのに十分な時間をかけて行われる。
【0040】 誘導体化試薬は、例えば、(ポリ)トリフルオロクロロエチレン表面を有する
固体支持体を使用する炭素−炭素結合を介して、またはより好ましくは、シロキ
サン結合(例えば、固体支持体としてガラスまたはシリコン酸化物を使用する)
によって、固体支持体に付着され得る。支持体の表面とのシロキサン結合は、ト
リクロロシリル基またはトリアルコキシシリル基を有する誘導体化試薬の反応を
介する1実施態様において形成される。
【0041】 使用される特定の誘導体化試薬は、特定のレセプター、タンパク質または薬物
への、付着したオリゴヌクレオチドの提示を改良するために、その親水性/疎水
性特性に基づいて選択され得る。上記のように、固体支持体への結合の前に、誘
導体化試薬は、一方の末端に基板付着基を有し、そして他方の末端に反応性部位
を有する。この反応性部位は、リンカーモノマー、ヌクレオチドモノマー、また
は負に荷電したホスフェートモノマーへの付着に対して適切である基である。例
えば、シリカ表面への付着に対して適切な基として、トリクロロシリル官能基お
よびトリアルコキシシリル官能基が挙げられる。リンカーモノマー、ヌクレオチ
ドモノマーまたは負に荷電したホスフェートモノマーへの付着に対して適切であ
る基として、アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、エステル、アミド
、エポキシド、イソシアネートおよびイソチオシアネートが挙げられる。さらに
、合成の際の使用において、本明細書中で使用される誘導体化試薬は、典型的に
、誘導体化試薬の遠位末端または終結末端(固体支持体の反対側)上の反応性部
位に付着した保護基を有する。好ましい誘導体化試薬として、アミノアルキルト
リアルコキシシラン、アミノアルキルトリクロロシラン、ヒドロキシアルキルト
リアルコキシ−シラン、ヒドロキシアルキルトリクロロシラン、カルボキシアル
キルトリアルコキシシラン、ポリエチレングリコール、トリエトキシシラン、エ
ポキシアルキルトリアルコキシシラン、およびそれらの組み合わせが挙げられる
【0042】 リンカーモノマーが各々の指定された領域において使用される実施態様におい
て、誘導体化した表面は、リンカーモノマーと接触される。このリンカーモノマ
ーは、固体支持体の誘導体化した表面上の反応性部位と反応性がある1つの中心
を有する。さらに、リンカーモノマーは、保護基で保護され、そして、後に合成
開始部位として役立ち得る官能基を有する。
【0043】 本発明で使用されるリンカーモノマーは、好ましくは、そこで合成される任意
のオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドに曝される標的分子と自由に相互
作用するのを可能にするのに十分な距離であり得る。リンカーモノマーは、それ
らのレセプターに対するリガンドの十分な曝露を提供するために、3〜50原子
長であるべきである。典型的には、リンカーモノマーは、アルキレン((−CH 2n−)、アリールアセチレン、2〜14個のモノマーユニットを含むエチレン
グリコールオリゴマー、ジアミン、ジオール、二酸、アミノ酸、ペプチド、また
はそれらの組み合わせである。いくつかの実施態様において、リンカーモノマー
はポリヌクレオチドであり得る。使用される特定の連結分子は、その親水性/疎
水性特性に基づいて選択され得、特定のレセプター、タンパク質または薬物への
、そこで合成されるポリマーの提示を改良する。上記のように、誘導体化した表
面への結合の前に、リンカーモノマーは、それぞれの末端に適切な官能基、すな
わち、誘導体化表面上の反応性部位への付着に適切な一方の基、およびおよび合
成開始部位として適切な他方の基を有する。例えば、誘導体化した表面への結合
に適切な基として、アミノ、ヒドロキシ、チオール、カルボン酸、エステル、ア
ミド、イソシアネートおよびイソチオシアネートが挙げられる。さらに、オリゴ
ヌクレオチドアレイまたはライブラリの合成の際の後の使用のために、本明細書
中で使用されるリンカーモノマーは、典型的に、リンカーモノマーの遠位末端ま
たは終結末端(固体支持体と反対側)上の官能基に結合される保護基を有する。
【0044】 リンカーモノマーは、表面の正味の疎水性または親水性の性質に寄与する。例
えば、リンカーモノマーが−(CH2n−のような炭化水素鎖を含む場合、湿潤
性を軽減する効果がある。ポリオキシエチレン(−(CH2CH2O)n−)鎖、
またはポリアミド(−(CH2CONH)n−)鎖を含むリンカーモノマーは、そ
の表面をより親水性にし、これによって湿潤性が向上する傾向がある。1つの好
ましい実施態様において、リンカーモノマーは、保護基を有するポリエチレング
リコール分子を含む。リンカーモノマー上の保護基は、好ましくは、市販されそ
して典型的な化学的条件下で除去可能であることが公知である基を含む、標準の
感光性または化学的に除去可能な保護基である。このような保護基の例として、
FMOC、DMT、NVOC、MeNPOC、BOC、ALLOC、t−ブチル
エステル、およびt−ブチルエーテルが挙げられる。現在、リンカーモノマーに
対して好ましい保護基は、NVOC、MeNVOC、MeNPOC、またはDM
T基のような感光性基、あるいは化学的に除去可能な基である。
【0045】 IV.一般的固相合成技術 オリゴヌクレオチドプローブは、固体支持体上の指定された領域にて合成され
得、光指向性方法、フローチャネルおよびスポット法、ピンに基づく方法および
ビーズに基づく方法を含む種々の従来の技術のいずれかを使用してオリゴヌクレ
オチドアレイを製造する。固相合成のこれらの方法は、例えば、米国特許第5,
624,711号および同第5,677,195号に詳細に記載され、これらの
開示は、本明細書中において、全体を通して、参考として援用される。これらの
技術の幾つかは、本明細書中以下で簡潔に記載される。
【0046】 「光指向性」方法(VLSIPSTM法として公知である方法の系統内の1技術
である)は、米国特許第5,143,854号に記載され、これは以前に参考と
して援用された。’854特許で議論される光指向性方法は、基板または固体支
持体の指定された領域を活性化する工程、および次いでこの表面を予め選択され
たモノマー溶液と接触させる工程を包含する。この指定された領域は、典型的に
はマスクを通して示される(たいてい、一体化した回路作製に使用されるフォト
リソグラフィー技術の様式で)光源を用いて活性化され得る。表面の他の領域は
不活性のままである。なぜなら、それらは、照明からのマスクによって遮蔽され
、従って化学的に保護されたままであるからである。この様式で、光パターンは
、基板のどの領域が所定のモノマーを反応するかを規定する。種々の組の、予め
規定された、指定された領域を活性化する工程、および種々のモノマー溶液を基
板と接触させる工程とを繰り返すことによって、ポリマーの様々なアレイが基板
上に製造される。当然のことながら、この基板から未反応モノマー溶液を洗浄す
る工程のような他の工程は、必要に応じて使用され得る。
【0047】 単一の基板上でのライブラリー合成に適用され得るさらなる方法は、米国特許
第5,384,261号および同第5,677,195号に記載され、これらは
、全ての目的のために、本明細書中において参考として援用される。これらの出
願に開示される方法では、試薬は、(1)予め規定された領域上に規定されたチ
ャネル内で流動する工程または(2)予め規定された領域上で「スポット」する
工程のいずれかによって支持体に送達される。しかし、他のアプローチ、ならび
にスポットする工程および流動する工程、またはフォトレジストの使用が使用さ
れ得る。それぞれの例において、モノマー溶液が種々の反応部位に送達される場
合、表面のある活性化された領域は、他の領域から機械的に分離される。
【0048】 本発明の化合物およびライブラリーに適用される典型的な「フローチャネル」
法は、概して、以下のように記載され得る。様々なポリマーシーケンスは、適切
な試薬が流動するかまたは適切な試薬が設置される支持体の表面上にフローチャ
ネルを形成する工程によって、基板または固体支持体の指定された領域にて合成
される。例えば、モノマー「A」が選択された領域の第1グループ内の基板に結
合されると想定。必要ならば、選択された領域の全てまたは一部内の基板の表面
の全てまたは一部が、例えば、全てまたは幾つかのチャネルを通して適切な試薬
を流動する工程、または基板全体を適切な試薬で洗浄する工程によって結合のた
めに活性化される。支持体の表面上のチャネルブロックの設置後、モノマーAを
有する試薬が全てまたは幾つかのチャネルを通して流入するかまたはそのチャネ
ル内に設置される。これらのチャネルは第1の指定された領域との流体接触を提
供し、このことによって、第1の指定された領域内で、直接的にまたは間接的に
(スペーサーを介して)表面上にモノマーAを結合する。
【0049】 その後、モノマーBが第2の指定された領域にカップリングされ、それらの幾
つかが第1の指定された領域に含まれ得る。この第2の指定された領域は、支持
体の表面上でのチャネルブロックの転換、回転、または置換を介して;選択した
バルブの開閉を介して;または一層の化学物質またはフォトレジストの累積を介
して第2フローチャネルと流体接触する。必要ならば、少なくとも第2の領域を
活性化するための工程が実施される。その後、モノマーBは第2フローチャネル
を介して流入されるかまたは第2フローチャネル内に設置され、第2の指定され
た位置にてモノマーBを結合する。この特定の例において、プロセシングのこの
段階で支持体に結合した得られたシーケンスは、例えば、A、B、およびABで
ある、このプロセスは、支持体の表面上の既知の位置において所望の長さのシー
ケンスの莫大なアレイを形成するために繰り返される。
【0050】 基板が活性化された後、モノマーAは、幾つかのチャネルを通して流入され得
、モノマーBは、他のチャネルを通して流入され得、モノマーCは、さらに他の
チャネルなどを通して流入され得る。この様式において、多くのまたは全ての反
応領域がモノマーと反応され、後に、チャネルブロックが移動されなければなら
ないか、または基板が洗浄されおよび/または再活性化されなければならない。
多くのまたは全ての有効な反応領域を同時に使用することによって、洗浄する工
程および活性化工程の数が最小化され得る。
【0051】 当業者は、チャネルを形成する、または別に支持体の表面の一部を保護する代
替の方法が存在することを理解し得る。例えば、いくつかの実施態様に従って、
親水性または疎水性コーティングのような保護コーティング(溶媒の性質に依存
する)が、基板の保護されるべき部分にわたって利用され、時に、このコーティ
ングは他の領域で反応物溶液によって湿潤を容易にする材料と組み合わされる。
この様式では、流入する溶液はそれらの指定された流路の外側を通過することを
さらに防がれる。
【0052】 本発明の化合物およびライブラリを調製する「スポットティング」法は、フロ
ーチャネル法とほぼ同じ様式で実行され得る。例えば、モノマーAが、適切に活
性された反応領域の第1グループに送達され得、そしてカップリングされ得る。
その後、モノマーBは、活性化された反応領域の第2グループに送達され得、そ
して第2グループと反応され得る。上記のフローチャネル実施態様と異なり、指
定された領域内で、それらの比較的少量を(流入するよりむしろ)直接堆積する
工程によって反応物が送達される。当然のことながら、いくつかの工程において
、支持体の表面全体が溶液で噴霧され得るか、または他の方法でコーティングさ
れ得る。好ましい実施態様において、ディスペンサーが領域間を移動し、各工程
において必要な量のモノマーのみ堆積する。典型的なディスペンサーとして、表
面にモノマー溶液を送達するためのマイクロピペットおよび表面に対するマイク
ロピペットの位置を制御するためのロボットシステム、またはインクジェットプ
リンタが挙げられる。他の実施態様において、ディスペンサーは、一連のチュー
ブ、マニホルド、一列に並んだピペットなどを備え、その結果、種々の試薬が同
時に反応領域に送達され得る。
【0053】 本発明の化合物およびライブラリの調製の有用な別の方法として、「ピンに基
づく合成」が挙げられる。この方法は米国特許第5,288,514号で詳細に
記載され、これは本明細書中にて以前に参考として援用された。この方法は、複
数のピンまたは他の伸長物を有する基板を利用する。ピンは、トレイ中の個々の
試薬容器にそれぞれ同時に挿入される。共通の実施態様において、一列に並んだ
96ピン/容器が利用される。
【0054】 各トレイは、個々のピン上の特定の化学反応でカップリングするための特定の
試薬で充填される。従って、このトレイは、しばしば、異なる試薬を含む。本明
細書中で開示される化学は、比較的同様の組の反応条件が各反応を実施するため
に利用され得るように確立されているため、複数の化学カップリング工程を同時
に行うことが可能となる。このプロセスの第1工程において、本発明は、化学カ
ップリング工程が行われる基板の使用を提供する。基板は、必要に応じて、活性
部位を有するスペーサーと共に提供される。オリゴヌクレオチドの特定の場合に
おいて、例えば、スペーサーは、合成に関連した有機環境および結合研究と関連
した水性環境において使用され得る広範な分子から選択され得る。適切なスペー
サーの例は、例えばメトキシ基およびエトキシ基と置換されたポリエチレングリ
コール、ジカルボン酸、ポリアミンおよびアルキレンである。さらに、スペーサ
ーは、遠位末端に活性部位を有する。この活性部位は必要に応じて始めに保護基
によって保護される。有用である広範な種々の化学的に除去可能な保護基の中に
は、FMOC、BOC、t−ブチルエステル、t−ブチルエーテルなどがある。
種々の例示的な保護基は、例えば、Athertonら、Solid Phas
e Peptide Synthesis、IRL Press(1989)に
記載され、これは本明細書中において参考として援用される。いくつかの実施態
様において、スペーサーは、例えば酸または塩基に対する曝露によって開裂可能
な機能を提供し得る。
【0055】 固体支持体におけるポリマーおよび小リガンド分子の合成に有用ななお別の方
法は、「ビーズに基づく合成」である。ビーズに基づく合成のための一般的なア
プローチは、米国特許第5,541,061号に記載され、この開示は、本明細
書中に参考として援用される。
【0056】 ビーズ上のオリゴヌクレオチドのような分子の合成のために、大量のビーズが
、容器中の適切なキャリア(例えば、水)中に懸濁される。このビーズは、活性
部位を有する任意のスペーサー分子と共に提供される。活性部位は、任意の保護
基によって保護される。
【0057】 合成の第一工程では、ビーズを、複数の容器に、カップリングさせるために分
割する。この簡単な説明のため、容器の数を3つに限定し、モノマーをA、B、
C、D、E、およびFと記す。次いで、保護基を取り除き、そして合成されるべ
き分子の第一部分を、3つの容器の各々に添加する(すなわち、Aを容器1に添
加し、Bを容器2に添加し、そしてCを容器3に添加する)。
【0058】 その後、種々のビーズを、過剰の試薬で適当に洗い流し、そして1つの容器中
に再混合する。再度、最初に利用される多数のビーズによって、同様に、多数の
ビーズが、容器中に無作為に分散され、その各々は、その表面上に、合成される
べきモノマーの特定の第一部分を有することが認識される。
【0059】 その後、種々のビーズを再度、3つの容器の別の群において、カップリングさ
せるために分割する。第一の容器中のビーズを脱保護し、そして第二のモノマー
(D)に曝露し、一方、第二および第三の容器中のビーズを分子部分EおよびF
のそれぞれにカップリングさせる。従って、分子AD、BD、および、CDが、
第一の容器中に存在するが、一方、AE、BE、およびCEが、第二の容器中に
存在し、そして分子AF、BF、およびCFが第三の容器中に存在する。しかし
、各ビーズは、その表面上に、単一のタイプの分子のみを有する。従って、第一
の部分A、B、Cと第二の部分D、E、Fとから形成される可能な分子の全てが
、形成されている。
【0060】 次いで、ビーズを1つの容器中に組み入れ、そしてポリマー分子の合成を完了
するために、さらなる工程を行う。好ましい実施態様では、ビーズは、特定の二
本鎖オリゴヌクレオチドに独特の認識タグまたは各ビーズ上に存在するプローブ
でタグ化される。合成ライブラリーにおける使用のための認識タグの完全な記載
は、欧州特許公開第0604552号(1992年9月16日出願)に提供され
る。
【0061】 固体支持体上のポリマー合成のための一般的な光指向性方法は、固体支持体上
でオリゴヌクレオチドを合成するための、現在、1つの好ましい方法である。こ
の一般的な技術における変法もまた、米国特許第5,624,711号(その全
体が、本明細書中において参考として既に援用されている)において記載される
。簡潔には、オリゴマー合成のためのこの技術は、保護基が、指定された領域の
各々に位置するように感光性(photolabile)保護基を付着させた、
指定された領域を有する固体支持体を構成することを包含する。上述の一般方法
の節で記載のフォトリソグラフィー技術を用いて、感光性保護基は、1つの指定
された領域から除去され得、そして化学的に除去可能な保護基を有するヌクレオ
チドモノマーが、モノマーカップリングのためのホスホルアミダイト化学を使用
して付着される。本発明のこの特定の実施態様は、モノマーカップリングのため
にホスホルアミダイト化学の使用を例示するが、モノマーはまた、H−ホスホネ
ート法または当業者に公知の他のカップリング方法を用いて、増大中のオリゴマ
ーに付加され得る。
【0062】 標準的な化学的に除去可能な保護基には、市販の基、および代表的な化学条件
(例えば、酸、塩基、酸化剤、還元剤もしくは他の化学薬剤への曝露)下で除去
可能であることが公知である基が含まれる。このような保護基の例としては、F
MOC、DMT,BOC,t−ブチルエステルおよびt−ブチルエーテルが挙げ
られる。このような保護されたヌクレオチドモノマーの付着後、保護基は、例え
ば、Greeneら、Protective Groups In Organ
ic Chemistry、第2版、John Wiley & Sons、N
ew York、NY,1991(本明細書中に参考として以前に援用された)
に記載される条件下で除去される。化学的に除去可能な保護基で以前に保護され
た反応性官能基は、次いで、例えば、以下の式の誘導体を用いて、感光性保護基
で再保護される: R−O−C(O)X ここで、Rは、感光性部分(例えば、o−ニトロベンジル、(2−ニトロベラト
リルオキシカルボニル、α−メチル−2−ニトロベラトリルオキシカルボニル、
2−ニトロピペロニルオキシカルボニル、α−メチル−2−ニトロピペロニルオ
キシカルボニル、2,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル、α−メチル−2
,6−ジニトロベンジルオキシカルボニル、2−(2−ニトロフェニル)エチル
オキシカルボニル、2−メチル2−(2−ニトロフェニル)エチルオキシカルボ
ニル、1−ピレニルメチルオキシカルボニル、9−アントラセニルメチルオキシ
カルボニル、3’−メトキシベンゾイニルオキシカルボニル、3’,5’−ジメ
トキシベンゾイニルオキシカルボニル、7−ニトロインドリニルオキシカルボニ
ル、5−ブロモ−7−ニトロインドリニルオキシカルボニル、5,7−ジニトロ
インドリニルオキシカルボニル、2−アントラキノニルメチルオキシカルボニル
を含む)であり、そしてXは、適切な脱離基(例えば、Cl、F、ペンタフルオ
ロフェノキシ、p−ニトロフェノキシ、N−スクシンイミジルオキシ、アダマン
タンカルボキシ、またはテトラゾリル)である。好ましくは、誘導体は、MeN
POC、MeNVOC、またはNVOC基の適切に活性化された誘導体である。
適切に活性化された誘導体の例は、MeNPOCの混合された無水誘導体(例え
ば、MeNPOC塩化物とトリエチルアンモニウムピバロエート(pivalo
ate)との反応により調製されたMeNPOCピバロエート)またはMeNP
OCのカーボネート(例えば、MeNPOC塩化物とペンタフルオロフェノール
との反応により産生されたカーボネート)のような試薬を含む。
【0063】 このような試薬を用いる表面官能基の再保護は、代表的には、非求核塩基を含
む有機溶媒(例えば、2,6−ルチジン、ピリジン、トリエチルアミン、または
ジイソプロピルエチルアミン)中で実施される。いくつかの実施態様では、求核
触媒(例えば、M−メチルイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、また
は4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン)もまた、再保護工程の速度および
効率のさらなる増大を提供するように含まれる。
【0064】 感光性保護基を付加した後、VLSIPSサイクルは、フォトリソグラフィッ
ク脱保護、続いてさらなるヌクレオチドモノマーのカップリング、保護基置換な
どを用いて、所望のオリゴマーが完成するまで継続され得る。好ましくは、この
サイクルは、1〜120回繰り返される。
【0065】 例示される感光性脱保護基(MeNPOC)は、NVOCのような別の感光性
保護基、または従来公知の他の感光性保護基で置換され得る。一旦、化学的に除
去可能な保護基が除去されると、感光性保護基が、混合された保護基の無水物を
用いて添加され得る。本方法は、従来のVLSIPS合成を超える特定の利点を
提供する。例えば、化学的に除去可能な保護基を有する多数のモノマーは市販さ
れている。
【0066】 リンカーモノマーが、指定された領域に付着された実施態様では、オリゴヌク
レオチド合成のための前述の方法が等しく適用可能である。例えば、ヌクレオチ
ドモノマーを反応させ、それによりリンカーモノマーに付着される。これは、各
リンカーモノマー中の化学的に除去可能な保護基を感光性保護基で置換すること
、および以前のヌクレオチドモノマーへの各ヌクレオチドモノマーの付着のため
に上述した光指向性方法を用いることによって感光性保護基の位置でヌクレオチ
ドモノマーを付着させることによる。上述のように、各ヌクレオチドモノマーは
、化学的に除去可能な保護基を有する。これは、感光性保護基での置換および光
指向性方法を用いる反応によって、別のヌクレオチドモノマーの付着を可能にす
る。ヌクレオチドモノマー上のいかなる残存する官能基も、キャップまたは保護
される。
【0067】 一般的な光指向性技術についての別の変法は、1997年11月13日に出願
された同時係属出願第08/969,227号に記載の方法を包含し、その記載
事項は、あらゆる目的のために、その全体が、参考として援用される。簡潔には
、この方法は、表面でのオリゴヌクレオチドの製造のために、化学的に除去可能
な保護基(例えば、上記の保護基)を有するヌクレオチドモノマーを用いる。本
方法に従って、放射シグナルは、例えば、光活性化剤(これは、光活性化触媒(
PAC)である)を含む触媒系によって検出される。光活性化剤は、自己触媒剤
(または「増強剤」)を活性化し、これは、後続の化学反応において、光子の有
効量子収量を増大させる。このような後続の反応は、パターン化されたアレイの
合成における化学的に除去可能な保護基の除去を包含する。
【0068】 特定の実施態様では、光酸生成因子(photoacid generato
r)(すなわち、光活性化酸触媒(PAAC))が照射される。光酸生成因子か
ら生じた得られた酸は、自己触媒剤を活性化し、酸触媒反応を受け、それ自体、
付着された分子またはオリゴマーから酸不安定保護基を除去する酸を生成させる
【0069】 本方法の1つの実施態様によれば、化学的に除去可能な保護基を有するモノマ
ーが基材の表面に提供される。モノマーは、リンカーモノマー、ヌクレオチドモ
ノマー、または負に荷電したリン酸単位および保護基を有するモノマーであり得
る。光活性化剤および自己触媒剤を含む活性化層(または「触媒系」)もまた、
表面に提供される。基材の表面上の選択された領域のセットは、周知のリソグラ
フ方法(例えば、Thompson、L.F.、Willson、C.G.、お
よびBowden、M.J.、INTRODUCTION TO MICROL
ITHOGRAPHY、American Chemical Society
、212−232頁、1994(これは、あらゆる目的のためにその全体が本明
細書中に参考として援用される)において議論される)を用いて放射に曝露され
る。
【0070】 領域選択照射により活性化された光活性化剤は、自己触媒剤の反応を開始させ
るように作用する。自己触媒剤は、第一の選択された領域中で基材に付着された
分子またはオリゴマーから保護基を除去する少なくとも1つの生成物を生成する
。好ましくは、自己触媒剤は、触媒様式で保護基を除去し得る。次いで、基材は
、洗浄されるか、またはそうでなければ、付加される次のモノマーと接触させら
れ、次いで以前に付加されたモノマーの曝露された官能基と反応する。
【0071】 その後、選択された領域の第二のセットが、放射に曝露される。照射開始反応
は、選択された領域の第二のセット中の分子上の保護基を除去する。この基材は
、次いで、添加される次のモノマーと接触させられる。このモノマーは、曝露さ
れた官能基との反応のために化学的に除去可能な保護基を有する。このプロセス
は、所望の長さおよび所望の化学配列のポリマー(例えば、オリゴヌクレオチド
)が得られるまで、モノマーを選択的に適用することを繰り返される。次いで、
保護基は、必要に応じて除去され、配列は、その後、必要に応じてキャップされ
る。側鎖保護基はまた、存在する場合、必要に応じて除去される。
【0072】 本方法の他の実施態様では、化学的に除去可能な保護基は、塩基、酸化剤、ま
たは還元剤への曝露によって除去される。各実施態様において、光活性化剤およ
び自己触媒剤は、所定の保護基の除去のための適切な化学試薬が生成され、そし
てそれにより保護基が除去されるようなものである。塩基、酸化剤、または還元
剤の生成は、フォトレジストの分野で従来公知である光活性化剤を使用し、そし
て酸触媒を生成する例において上記で提供した指針を適用して達成され得る。
【0073】 基材上でオリゴヌクレオチドポリマーを生成する、一般的な光指向性方法に対
するなお別の改善は、Phillip Brockらに発行された米国特許第5
,658,734号に記載される。この開示内容は、あらゆる目的のためにその
全体が本明細書中に参考として援用される。この方法もまた、表面でのオリゴヌ
クレオチドの生成のために、化学的に除去可能な保護基を有するヌクレオチドモ
ノマーを用いる。簡潔には、本方法は、基材に付着される基盤分子(例えば、化
学的に除去可能な保護基を有する第一のヌクレオチドモノマー、または化学的に
除去可能な保護基を有するリンカーモノマー、または化学的に除去可能な保護基
を有するポリアニオン鎖)の層上に展開可能なポリマーの層をコーティングする
ことを包含する。基盤分子は、リンカーモノマーまたはポリアニオン鎖を介して
基材に付着され得る。この方法において使用するための適切なポリマーとしては
、可溶性ポリイミドおよびポリ(ビニルアルコール)(PVA)が挙げられる。
展開可能なポリマーは、適切なコーティング溶媒(例えば、アニソール、水(P
VAに対して)、N−メチルピロリドン、またはN,N−ジメチルアセトアミド
)中に溶解される。
【0074】 展開可能なポリマーは、周知技術(例えば、スピンもしくはスプレーコーティ
ング、またはドクターブレード処理)を用いて基盤分子の層上にコーティングさ
れ得る。好ましくは、次いで、ポリマー層が加熱されて、キャスティング溶媒を
除去する。
【0075】 その後、ポリマー性放射感受性レジストが、展開可能なポリマー層の適用に類
似の様式で、展開可能なポリマー層上にコーティングされる。好ましいレジスト
は、架橋ネガティブトーンレジスト(closslinking negati
ve tone resist)であり、これは、リソグラフパターンをレジス
トから展開可能なポリマーを介して転写させるために利用される有機溶媒に対し
て抵抗性である。適切なレジストとしては、架橋エポキシレジスト、環状化ゴム
レジスト(例えば、KTFR)、ポリビニルシンナメート(polyvinyl
cinnamate)レジスト(例えば、KPR)、およびW.DeFores
t、PHOTORESIST MATERIALS AND PROCESSE
S、McGraw−Hill、New York 1975およびW.More
au、SEMICONDUCTOR LITHOGRAPHY、Plenum
Press、New York 1988に記載のレジストが挙げられる。
【0076】 適用後、レジスト層の選択領域は、放射に曝露され、そしてレジスト中の潜在
画像は、適切な現像溶媒(これらの多くは、フォトレジストリソグラフィーの分
野において公知である)を用いて現像される。放射曝露の画像は、適切な溶媒の
使用によって、レジスト層および展開可能なポリマー層を介して下層の基盤分子
層に現像される。このように下層の基盤分子層の剥き出しにされた部分が、次い
で、処理されて、曝露された分子から化学的に除去可能な保護基を除去し、そし
てそれにより、曝露された基盤分子を活性化させる。好ましくは、曝露された基
盤分子は、各分子から保護基を開裂するために、溶液で処理される。適切な開裂
溶液の例としては、強酸、およびアンモニア、アミン、もしくは他の強塩基の溶
液、ならびに酸化剤および還元剤が挙げられる。
【0077】 曝露された基盤分子上の化学的に除去可能な保護基の除去後、レジスト層の残
りの部分および展開可能なポリマー層が除去される。続いて、次のモノマーが適
用され、これは、曝露された、保護されない、基盤分子に結合する。基盤分子へ
の第二のモノマーの付加により生成されたオリゴマーは、次いで、プロセスの次
の反復のための基盤となる。これらの工程は、所望の数のモノマー単位が接続さ
れてポリマーを提供するまで、繰り返される。
【0078】 前出の方法の各々は、固体支持体の表面上でのオリゴヌクレオチドの生成のた
めに当業者によって用いられ得る一般的な技術を例示する。当業者に明らかであ
るように、モノマー上で種々のタイプの保護基を利用することもまた可能である
。例えば、連結モノマーは、感光性保護基を利用し得るが、一方、ヌクレオチド
モノマーは、化学的に除去可能な保護基を利用する。保護領域上の保護基は、化
学的に除去可能な保護基であり得、一方、リンカーおよびヌクレオチドモノマー
上の保護基は感光性保護基である。前出の方法のいずれにおいても、全ての保護
基が同一でなければならないということは必要ない。前出の技術のいずれかが、
必要とされるような異なる活性化因子の組み合わせにより、異なるタイプの保護
基を除去するために用いられ得る。前出の方法のこのような類似の組み合わせは
、当業者の範囲内である。
【0079】 (VI.表面修飾) 1つの実施態様においてオリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合を減少さ
せるための本発明の方法は、固体支持体の表面修飾を包含する。オリゴヌクレオ
チドアレイへの標的分子の非特異的結合を減少させるために、表面修飾のいくつ
かの方法が利用され得る。
【0080】 (保護領域からの保護基の除去) 本発明の1つの実施態様において、オリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結
合は、固体支持体の表面上の保護領域で保護基を除去することにより減少される
。表面の保護領域上の保護基は、複数の保護領域の各々から保護基を除去するた
めに、保護領域の各々を適切な活性化因子に曝露することにより除去され得る。
オリゴヌクレオチド合成に使用するための上記に列挙された活性化因子は、保護
領域からの保護基の除去のために用いられ得る。
【0081】 いかなる特定の理論に縛られることも望まないが、複数の保護領域の各々から
の保護基の除去が、固体支持体の表面上の極性の変化のために、オリゴヌクレオ
チドアレイへの標的分子の非特異的結合を減少させると考えられる。この変化は
、これらの保護基の除去によって引き起こされる。より詳細には、保護基の除去
は、非特異的結合における寄与因子であると考えられる、これらの保護基が有す
る正電荷を除去する。この正電荷の除去は、それにより、非特異的結合への1つ
の寄与因子を除去する。
【0082】 (保護領域上の保護基の置換) 本発明の別の実施態様において、固体支持体の表面は、保護領域上の保護基を
、負に荷電したリン酸残基で置換することにより改変される。この表面の保護領
域上の保護基は、有利には、複数の保護領域をアクチベータに曝して活性化部位
を生成すること、およびこの活性化部位を、負に荷電したリン酸残基を複数の保
護領域の各々に共有結合する化合物と反応することにより、負に荷電したリン酸
残基で置換され得る。採用されるアクチベータは、オリゴヌクレオチド合成およ
び保護基の除去において使用するために、上記に記載の任意の適切なアクチベー
タであり得る。活性化部位と反応する化合物は、以下の式Iおよび式IIからな
る基から選択される:
【0083】
【化5】
【0084】
【化6】 ここで、DMTはジメトキシトリチル保護基、Xは塩基で除去可能な保護基(例
えば2−シアノエチル)、およびiPr2Nはジイソプロピルアミノ保護基であ
る。
【0085】 有利なことに、式IまたはIIの化合物は市販されている。式IまたはIIの
範囲内の適切な化合物の例は、Xが2−シアノエチルである規定された化合物を
含むがこれに限定されない。これらの化合物は、表面の保護領域上の保護基を置
換する方法における使用に好適である。これら化合物の活性化部位との反応は、
固体支持体の表面上の活性化部位を、溶液相中で、式IまたはIIの化合物の上
記保護領域への共有結合が起こるに十分な時間、このような化合物に接触するこ
とにより実施され得る。この方法における使用に適切な試薬は、無水アセトニト
リル中の0.45Mテトラゾールを含むがこれに限定されない。好ましくは、式
IまたはIIの化合物は、約0.5分〜約15分の期間の間活性化部位と反応さ
せる。採用される技法は、オリゴヌクレオチド合成について上記に記載の技法と
同じかまたは類似である。
【0086】 本発明の1つの実施態様では、基板の表面は、基板の表面上の指定領域および
保護領域の1つまたは両方で、シチジンの単層を提供するように改変される。
【0087】 別の実施態様では、この表面の保護領域上の保護基は、ポリアニオン鎖の付着
により置換され得る。この固体支持体の表面上の保護領域および指定領域のいず
れかまたは両方へのポリアニオン鎖の付着のための方法を、以下に記載する。
【0088】 (ポリアニオン鎖の付着) 本発明の別の方法によれば、固体支持体の表面は、ポリアニオン鎖で誘導体化
される。このポリアニオン鎖は、この表面の指定領域(オリゴヌクレオチドが付
着する場所)で、リンカーモノマーの代わりに付着され得る。この実施態様では
、指定領域の各々でリンカーモノマーを提供するよりむしろ、ポリアニオン鎖が
代わりに提供され、そしてオリゴヌクレオチドが、付着するか、またはこの表面
の指定領域でポリアニオン鎖の各々上で合成される。別の実施態様では、このポ
リアニオン鎖は、この固体支持体の表面上の保護領域の各々でのみ付着する。こ
の実施態様では、この表面の指定領域は、好ましくは、上記のようなそれに付着
したリンカーモノマーを有する。なお第3の実施態様では、ポリアニオン鎖は、
i)指定領域の各々およびii)保護領域の各々の両方に付着され得る。このポ
リアニオン鎖の、この固体支持体の表面上の指定領域および保護領域のいずれか
または両方への付着は、ハイブリダイゼーションアッセイの間に標的分子のオリ
ゴヌクレオチドプローブへの非特異的結合を低減する効果を有する。本発明の方
法の1つの好適な実施態様では、i)指定領域およびii)保護領域の少なくと
も1つが、それに付着したポリアニオン鎖を有し、その結果この固体支持体の表
面が指定領域および保護領域の1つまたは両方でポリアニオン鎖を含むように改
変される。
【0089】 ポリアニオン鎖は、この表面上の所望の領域(単数または複数)に、所望の領
域(単数または複数)でポリアニオン鎖を合成もしくは形成することか、または
所望の領域(単数または複数)で予備形成されたポリアニオン鎖を付着すること
のいずれかにより付着され得る。この固体支持体の表面は、ポリアニオン鎖の付
着のために、リンカーモノマーの付着のために上記で論議した様式で、誘導体化
試薬を利用することにより調製され得る。第1の実施態様では、このポリアニオ
ン鎖は、所望の領域(単数または複数)で、負に荷電したリン酸単位および所望
の領域(単数または複数)(すなわち、i)表面上の指定領域の各々またはii
)表面上の保護領域の各々の少なくとも1つまたは両方)に対する保護基を有す
るモノマーを付着することにより形成され、その結果、このモノマーは、所望の
領域(単数または複数)に共有結合する。その後、このモノマーは、アクチベー
タに曝され、保護基を除去し、それによって第1のモノマーにモノマーの単位を
付加するさらなるモノマーと反応し得る活性化部位を生成し、それによってポリ
マー鎖を構築する。このモノマーをアクチベータに曝して活性化部位を生成する
工程およびさらなるモノマーと反応する工程を、0〜20回繰り返し、所望の領
域(単数または複数)でポリアニオン鎖を生成する。
【0090】 ポリアニオン鎖を構築するために利用されるモノマーは、有利には、負に荷電
したリン酸単位および感光性または化学的に除去可能な保護基を有し、そして選
択された特定の固体支持体の表面に付着し得る、任意の市販のモノマーを含む。
例えば、所望の領域(単数または複数)でポリアニオン鎖を形成するための適切
なモノマーは以下の式IIIで示されるモノマーである:
【0091】
【化7】 ここでR1は、ヌクレオシド成分、デオキシリボース成分、C1-8アルキレン、お
よび−(CH2CH2O)m−(ここでmは1〜8の整数である)からなる群から
選択され;R2は、ジメトキシトリチル保護基およびMeNPOC保護基からな
る群から選択され;Xは、塩基で除去可能な保護基(例えば、2−シアノエチル
);そしてiPr2Nは、ジイソプロピルアミノ保護基である。上記式IIIの
範囲内の好適なモノマーの特定の例は、Xが2−シアノエチル、R1がC3または
−(CH2CH2O)3−、そしてR2がDMTまたはMeNPOCである規定され
たポリマーを含むがこれに限定されない。
【0092】 リンカーおよびヌクレオチドモノマーとともに利用される保護基の場合のよう
に、ポリアニオン鎖を生成するために用いられるモノマーに対して利用される保
護基は、化学的に除去され得るかまたは感光性の保護基であり得る。従って、感
光性保護基を除去するために利用されるアクチベータは、電子ビーム、γ線、x
線、紫外線照射、光、赤外線照射、マイクロ波、電流、電波、およびそれらの組
み合わせからなる群から選択される。化学的に除去可能な保護基を除去するため
に利用されるアクチベータは、酸、塩基、酸化剤、および還元剤からなる群から
選択される。1つの好適な実施態様では、この保護基は、感光性保護基であり、
そしてモノマーをアクチベータに曝す工程は、光をモノマーの各々に適用し、感
光性保護基を除去し、そしてさらなるモノマーとの反応のために活性化部位を生
成することを含む。あるいは、予備形成されたポリアニオン鎖を、複数の保護領
域の各々で化学的に除去可能な保護基を感光性保護基で置換すること、および保
護領域の各々にポリアニオン鎖を付着する光指向性方法を用いることか、または
オリゴヌクレオチド合成のための上記に記載のその他の一般的な技法のいずれか
を用いることにより、この保護領域の各々に付着し得る。
【0093】 予備形成されたポリアニオン鎖が、表面の所望の領域(単数または複数)に付
着する実施態様では、この方法は、所望の領域(単数または複数)の各々に、負
に荷電したリン酸単位のポリマーのポリアニオン鎖を付着することを含む。所望
の領域に付着され得る1つのポリアニオン鎖は、以下の式III−Aのポリアニ
オンである:
【0094】
【化8】 ここでR1は、ヌクレオシド成分、デオキシリボース成分、C1-8アルキレン、お
よび−(CH2CH2O)m−(ここでmは1〜8の整数であり、そしてnは0〜
18の整数である)からなる群から選択される。所望の領域に付着され得るポリ
アニオン鎖のその他の例は、ポリカルボキシセルロース、ポリカルボキシデキス
トラン、ポリビニルリン酸,ポリビニルホスホン酸、ポリグルタメート、ポリア
スパルテート、およびポリアクリル酸を含むがこれらに限定されない。
【0095】 適切な予備形成されたポリアニオン鎖は、有利には、市販されるか、または当
業者に公知の技法を用いて生産され得る。
【0096】 予備形成されたポリアニオン鎖の複数の指定領域の各々への付着は、表面の指
定領域へのリンカーモノマーの付着のための上記と同じ技法を用いて達成され得
る。予備形成されたポリアニオン鎖の複数の保護領域の各々への付着は、保護領
域の各々で、化学的に除去可能な保護基をアクチベータに曝し、活性化部位を提
供すること、およびこの活性化部位を、予備形成されたポリアニオン鎖と反応さ
せ、ポリアニオン鎖を保護領域の各々に共有結合することにより達成され得る。
あるいは、予備形成されたポリアニオン鎖は、複数の保護領域各々で、化学的に
除去可能な保護基を、感光性保護基で置換すること、およびこのポリアニオン鎖
を保護領域の各々に付着する光指向性方法を用いることにより保護領域の各々に
付着され得る。
【0097】 形成または付着したポリアニオン鎖は、鎖の遠位端(すなわち、固体支持体の
表面の反対の末端)に保護基を含む。ポリアニオン鎖が、表面の指定領域に付着
する実施態様では、オリゴヌクレオチドプローブが、上記に記載の光指向性技法
を用いてポリアニオン鎖の遠位端に付着する。詳細には、このオリゴヌクレオチ
ドは、ポリアニオン鎖の各々上の保護基をアクチベータに曝し保護基を除去する
ことによりポリアニオン鎖上で合成され得、そして活性化部位を提供する。次い
でこの活性化部位を、第1のヌクレオチドモノマーと反応させ得、この第1のヌ
クレオチドモノマーのポリアニオン鎖鎖への共有結合を提供する。別の実施態様
では、オリゴヌクレオチドを、ポリアニオン鎖の各々の遠位端で化学的に除去可
能な保護基の各々を、感光性保護基で置換すること、および第1のヌクレオチド
モノマーを、光指向性方法を用いてポリアニオン鎖の遠位端に付着することによ
るか、またはオリゴヌクレオチド合成のための上記のその他の一般的技法のいず
れかを用いてポリアニオン鎖上で合成する。このように、第1のヌクレオチドモ
ノマーを、複数の指定領域の各々でポリアニオン鎖に付着する。さらなるヌクレ
オチドモノマー単位を、オリゴヌクレオチド合成のための上記の一般的技法を用
いてこの第1のヌクレオチドモノマーに付加する。
【0098】 当業者に明らかなように、2つ以上の先に記載の表面改変方法は、オリゴヌク
レオチドアレイへの非特異的結合を低減するために組み合わせられ得る。例えば
、基板の表面は、保護領域上の保護基の除去、および指定領域へのポリアニオン
鎖の付着により改変され得る。別の例として、基板の表面は、保護領域上の保護
基の置換および指定領域へのポリアニオン鎖の付着により改変され得る。なお別
の例として、領域の一部分を別に処理し得、その結果、例えば、保護基は保護領
域の一部分から除去され、その一方、ポリアニオン鎖は、保護領域の別の一部分
で付着される。これらの技法の組み合わせの多くのバリエーションは、これらの
例に基づけば、当業者の範囲内にあり、そしてこれらの組み合わせは、それ故本
発明により意図される。
【0099】 (VII.オリゴヌクレオチド改変) オリゴヌクレオチドアレイに対する標的分子の非特異的結合を低減するための
他の方法は、固体支持体の表面上の複数の指定領域の各々に付着したオリゴヌク
レオチドを改変することを含む。オリゴヌクレオチド改変は、オリゴヌクレオチ
ドの遠位端または終点端(すなわち、オリゴヌクレオチドが付着される表面の反
対の末端。)で保護基を除去するか、または保護基を、負に荷電したリン酸残基
またはポリアニオン鎖のいずれかで置換する形態であり得る。
【0100】 (オリゴヌクレオチドからの保護基の除去) 上記の方法に従って生成されたオリゴヌクレオチドは、その遠位端に保護基を
有する。オリゴヌクレオチド(ポリマー)を形成するために付加される各ヌクレ
オチドモノマーは、オリゴヌクレオチドを構築するプロセスにおいて次の引き続
くモノマーの付着を可能にする保護基を有する。従って、付加される最後のモノ
マーは、その上に保護基を有する。この保護基は、オリゴヌクレオチドの遠位端
における保護基である。
【0101】 保護基は、表面上のオリゴヌクレオチドの各々をアクチベータに曝し、複数の
オリゴヌクレオチドの各々から保護基を除去することによりオリゴヌクレオチド
から除去され得る。オリゴヌクレオチド合成における使用のために上記に列挙さ
れたアクチベータは、オリゴヌクレオチドの遠位端からの保護基の除去のために
採用され得る。オリゴヌクレオチドからの保護基の除去は、上記に既に記載の理
由のために非特異的結合を低減すると考えられる。
【0102】 (オリゴヌクレオチド上の保護基の置換) オリゴヌクレオチドから保護基を単に除去するための代替として、オリゴヌク
レオチド上の保護基を、負に荷電したリン酸残基と置換し得る。1つの実施態様
に従って、オリゴヌクレオチド上の保護基を、複数のオリゴヌクレオチドをアク
チベーターに曝露し、活性化部位を生成し、そしてその活性化部位を、負に荷電
したリン酸残基を複数の各オリゴヌクレオチドに共有的に結合する化合物と反応
させることにより、負に荷電したリン酸残基と置換し得る。使用されるアクチベ
ーターは、オリゴヌクレオチド合成および保護基の除去における使用のために本
明細書中上記に記載される、任意の適切なアクチベーターであり得る。活性化部
位と反応される化合物は、式I:
【0103】
【化9】 および、式II:
【0104】
【化10】 からなる群より選択される。ここで、DMTは、ジメトキシトリチル保護基であ
り、Xは、塩基を除去可能な保護基であり、そしてiPr2Nは、ジイソプロピ
ルアミノ保護基である。式IおよびIIの適切な化合物の例は、上記に提供され
る。
【0105】 活性化部位とこれらの化合物との反応を、オリゴヌクレオチドに対して式Iま
たはIIの化合物の共有的結合をもたらすために十分な時間、溶液相中でこのよ
うな化合物に対して、オリゴヌクレオチド上の活性化部位を接触させることによ
って実行し得る。使用される技術は、上記のオリゴヌクレオチド合成について記
載される技術と同じであるか、または類似である。
【0106】 (ポリアニオン鎖の付着) 別の実施態様において、オリゴヌクレオチド上の保護基を、ポリアニオン鎖の
付着によって置換する。
【0107】 固体支持体の表面へのポリアニオン鎖の付着について上記に記載される実施態
様のように、ポリアニオン鎖を、複数の各オリゴヌクレオチド上にポリアニオン
鎖を合成または形成するか、あるいは予め形成されたポリアニオン鎖を各オリゴ
ヌクレオチドに付着することによって、オリゴヌクレオチドに付着し得る。第1
の実施態様において、ポリアニオン鎖を、各オリゴヌクレオチドに対して、負に
荷電したリン酸単位、および保護基を有するモノマーに付着することによってオ
リゴヌクレオチド上に形成し、その結果モノマーを、各オリゴヌクレオチドに共
有結合させる。その後、このモノマーをアクチベーターに曝露して保護基を除去
し、それによって、第1のモノマーにモノマー単位を付加するためにさらなるモ
ノマーと反応し得る活性化部位を生成し、それによって、ポリマー鎖を構築する
。モノマーを、生成した活性化部位に対するアクチベーターに曝露し、そしてさ
らなるモノマーと反応させる工程は、オリゴヌクレオチド上にポリアニオン鎖を
生成させるために、0〜20回繰り返される。使用されるモノマー、アクチベー
ターおよび方法は、固体支持体の表面上でのオリゴヌクレオチドの形成について
、上記で記載される通りである。
【0108】 予め形成されたポリアニオン鎖をオリゴヌクレオチドに付着する、この実施態
様において、この方法は、所望の領域の各々に、負に荷電したリン酸単位の重合
体のポリアニオン鎖(例えば、上記に記載されるポリアニオン鎖)を付着する工
程を含む。複数の各オリゴヌクレオチドへの予め形成されたポリアニオン鎖の付
着は、保護領域において、固体支持体の表面への予め形成されたポリマーの付着
のために、上記のようなポリマーおよび技術を使用して達成され得る。形成また
は付着されるポリアニオン鎖は、この鎖の遠位末端(すなわち、固体支持体の表
面の反対側の末端)において保護基を含む。
【0109】 (VIII.組み合わせ技術) 上記の任意の表面修飾技術またはオリゴヌクレオチド修飾技術の利用は、標的
分子のオリゴヌクレオチドアレイへの非特異的結合を減少させるが、上記の技術
はまた、非特異的結合をさらに減少させるために組み合わせられ得る。
【0110】 本発明の1つの実施態様において、保護領域上の保護基およびオリゴヌクレオ
チド上の保護基は、両方とも除去される。
【0111】 別の実施態様において、保護領域上の保護基およびオリゴヌクレオチド上の保
護基は、両方とも置換される。これらの保護基は、式Iまたは式IIの化合物と
反応することによるか、あるいはポリアニオン鎖の付着により、置換され得る。
式Iまたは式IIの化合物との反応によって表面の保護領域上の保護基を置換す
ること、ならびポリアニオン鎖の付着によってオリゴヌクレオチド上の保護基を
置換することおよびその逆もまた可能である。従って、一貫した様式において、
保護領域上およびオリゴヌクレオチド上の保護基を置換する必要はない。
【0112】 さらに別の実施態様において、置換技術および除去技術が組み合わせられる。
例えば、基材の保護領域上の保護基は除去され得るが、一方オリゴヌクレオチド
上の保護基は、式Iまたは式IIの化合物のいずれかとの反応によるか、あるい
はポリアニオン鎖の付着により、置換される。同様に、保護領域上の保護基は置
換され得るが、一方オリゴヌクレオチド上の保護基は、除去される。
【0113】 保護基を除去または置換するいずれかの技術はまた、固体支持体の表面にポリ
アニオン鎖を付着する方法と組み合わせて使用され得る。すでに上記で記される
ように、本発明の1つの実施態様は、以下のいずれかまたは両方にポリアニオン
鎖を付着することを含む:i)各指定領域およびii)固体支持体の表面上の各
保護領域。本発明の1つの実施態様において、ポリアニオン鎖は、複数の各保護
領域に付着され、そして保護領域に付着されるポリアニオン鎖上の保護基、また
はオリゴヌクレオチド上の保護基のいずれか、あるいは両方が、除去される。従
って、この実施態様は、各保護領域へのポリアニオン鎖の付着、およびこれらの
ポリアニオン鎖上の保護基の除去を想定する。この実施態様はまた、各保護領域
へのポリアニオン鎖の付着、およびオリゴヌクレオチド上の保護基の除去を想定
する。この実施態様内のさらに別の特定の実施例は、アレイであり、ここで、ポ
リアニオン鎖は各保護領域に付着され、そして保護基はポリアニオン鎖およびオ
リゴヌクレオチドの両方から除去される。
【0114】 本発明の別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、複数の各保護領域に付着
され、そしてポリアニオン鎖上の保護基、またはオリゴヌクレオチド上の保護基
のいずれか、あるいは両方が、置換される。ポリアニオン鎖および/またはオリ
ゴヌクレオチド上の保護基の置換は、式IもしくはIIの化合物との反応によっ
てもよいし、またはポリアニオン鎖の付着によってもよく、あるいはこれらの技
術の組み合わせによってもよい。ポリアニオン鎖の付着は、上記で詳細に記載さ
れるように、ポリアニオン鎖の形成または予め形成されたポリアニオン鎖の付着
によるものであり得る。従って、この実施態様は、保護領域へのポリアニオン鎖
の付着、および複数の各オリゴヌクレオチド上のポリアニオン鎖の付着を想定す
る。この実施態様はまた、保護領域へのポリアニオン鎖の付着、および式Iまた
は式IIの化合物との反応によるオリゴヌクレオチド上の保護基の置換を想定す
る。この実施態様は、保護領域へのポリアニオン鎖の付着、および式Iまたは式
IIの化合物との反応による保護領域でのポリアニオン鎖上の保護基の置換を想
像する。この実施態様のさらに別の特定の実施例は、保護領域へのポリアニオン
鎖の付着、および式IまたはIIの化合物との反応によるポリアニオン鎖上の保
護基の置換、ならびにまた、(鎖の形成または予め形成された鎖の付着のいずれ
かによる)ポリアニオン鎖の付着によるオリゴヌクレオチド上の保護基の置換を
含む。保護領域においてすでに付着されたポリアニオン鎖へポリアニオン鎖を付
着することは必要ではないが、本発明のこの実施態様はまた、考慮される。本発
明のこの実施態様によって考慮される多くの可能な修飾されたオリゴヌクレオチ
ドアレイの他の特定の例は、先の詳細な説明および特定の実施例に基づいて、当
業者に容易に明らかである。
【0115】 本発明の別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、複数の各指定領域で付着
され、次いで、オリゴヌクレオチドは、ポリアニオン鎖上で合成される。関連す
る実施態様において、ポリアニオン鎖は、指定領域において付着され、そして保
護基は、保護領域または(指定領域においてポリアニオン鎖に付着された)オリ
ゴヌクレオチドのいずれか、あるいは両方から除去される。従って、この実施態
様は、各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、および保護領域上の保護基の除去
を想定する。この実施態様はまた、各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、およ
びオリゴヌクレオチド上の保護基の除去を想定する。この実施態様内のさらに別
の特定の例は、アレイであり、ここで、ポリアニオン鎖は各指定領域に付着され
、そして保護基は保護領域およびオリゴヌクレオチドの両方から除去される。
【0116】 別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、指定領域において付着され、そし
て保護領域上の保護基、または(指定領域でポリアニオン鎖に付着される)オリ
ゴヌクレオチド上の保護基のいずれか、あるいは両方が、置換される。保護領域
およびオリゴヌクレオチド上のいずれかまたは両方の保護基の置換は、式Iもし
くはIIの化合物との反応、またはポリアニオン鎖の付着、あるいはこれらの技
術の組み合わせによるものであり得る。ポリアニオン鎖の付着は、上記で詳細に
記載されるように、ポリアニオン鎖の形成または予め形成されたポリアニオン鎖
の付着によるものであり得る。従って、この実施態様は、指定領域へのポリアニ
オン鎖の付着、および次いで指定領域においてポリアニオン鎖に付着されるオリ
ゴヌクレオチド上の第2のポリアニオン鎖の付着を想定する。この実施態様はま
た、指定領域へのポリアニオン鎖の付着、および式Iまたは式IIの化合物との
反応による保護領域上の保護基の置換を想定する。この実施態様はまた、指定領
域へのポリアニオン鎖の付着、および式Iまたは式IIの化合物との反応による
オリゴヌクレオチド上の保護基の置換を想定する。この実施態様のさらに別の特
定の例は、指定領域へのポリアニオン鎖の付着、および式Iまたは式IIの化合
物との反応による保護領域上の保護基の置換、ならびにまた(鎖の形成または予
め形成された鎖の付着のいずれかによる)第2のポリアニオン鎖の付着によるオ
リゴヌクレオチド上の保護基の置換を含む。本発明のこの実施態様によって考慮
される多くの可能な修飾されたオリゴヌクレオチドアレイの他の特定の例は、先
の詳細な説明および特定の実施例に基づいて、当業者に容易に明らかである。
【0117】 本発明の別の実施態様において、ポリアニオン鎖は、i)複数の各指定領域、
およびii)複数の各保護領域、の両方において付着される。従って、この実施
態様において、固体支持体の表面全体は、ポリアニオン鎖によってコーティング
される。次いで、オリゴヌクレオチドは、ポリアニオン鎖上で合成されて、各指
定領域において付着される。関連する実施態様において、ポリアニオン鎖は、保
護領域および指定領域の両方において付着され、ならびに保護領域のポリアニオ
ン鎖上の保護基、または(指定領域でポリアニオン鎖に付着される)オリゴヌク
レオチド上の保護基のいずれか、あるいは両方が、除去される。従って、この実
施態様は、各保護領域、および各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、ならびに
保護領域に付着されるポリアニオン鎖上の保護基の除去を想定する。この実施態
様はまた、各保護領域、および各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、ならびオ
リゴヌクレオチド上の保護基の除去を想定する。この実施態様内のさらに別の特
定の例は、アレイであり、ここで、ポリアニオン鎖は、各保護領域、および各指
定領域に付着され、そして保護基は、保護領域およびオリゴヌクレオチド上の両
方のポリアニオン鎖から除去される。
【0118】 別の実施態様において,ポリアニオン鎖は、各保護領域上および各指定領域の
両方で付着され、そして保護領域のポリアニオン鎖上、または(指定領域でポリ
アニオン鎖に付着される)オリゴヌクレオチド上のいずれかの保護基、あるいは
両方が、置換される。保護領域およびオリゴヌクレオチドにおけるポリアニオン
鎖上の保護基のいずれかまたは両方の置換は、式Iもしくは式IIの化合物との
反応、またはポリアニオン鎖の付着、あるいはこれらの技術の組み合わせによる
ものであり得る。ポリアニオン鎖の付着は、上記で詳細に記載されるように、ポ
リアニオン鎖の形成または予め形成されたポリアニオン鎖の付着によるものであ
り得る。従って、この実施態様は、各保護領域および各指定領域へのポリアニオ
ン鎖の付着、および各オリゴヌクレオチド上の第2のポリアニオン鎖の付着を想
定する。この実施態様はまた、各保護領域および各指定領域へのポリアニオン鎖
の付着、ならびに式Iまたは式IIの化合物との反応による保護領域でのポリア
ニオン鎖上の保護基の置換を想定する。この実施態様はまた、各保護領域および
各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、ならびに式Iまたは式IIの化合物との
反応によるオリゴヌクレオチド上の保護基の置換を想定する。この実施態様のさ
らに別の特定の例は、各保護領域および各指定領域へのポリアニオン鎖の付着、
ならびに式Iまたは式IIの化合物との反応による、保護領域におけるポリアニ
オン鎖上の保護基の置換、ならびにまた(鎖の形成または予め形成された鎖の付
着のいずれかによる)第2のポリアニオン鎖の付着によるオリゴヌクレオチド上
の保護基の置換を含む。本発明のこの実施態様によって考慮される多くの可能な
修飾されたオリゴヌクレオチドアレイの他の特定の例は、先の詳細な説明および
特定の実施例に基づいて、当業者に容易に明らかである。
【0119】 当業者に既に明らかであるべきであるように、保護領域上の保護基をポリアニ
オン鎖で置換する工程を含む表面改変と、この支持体を誘導体化する手段として
それらの表面へのポリアニオン鎖の付着との間の差異は、各技術の時期である。
詳細には、ポリアニオン鎖を付着させることによる固体支持体の表面の誘導体化
技術は、各々の指定された領域上でオリゴヌクレオチドを合成する前に実施され
る。保護領域上の保護基をポリアニオン鎖で置換する技術は、各々の指定された
領域上でのオリゴヌクレオチドの合成後に実施される。この違いは、これらの技
術を明快にするため、および本発明の方法を実施する際に用いられ得る技術の多
くの可能な組み合わせをより明確に記載するために有用である。しかし、当業者
に明らかなように、最終的な結果は、同じである。すなわち、固体支持体の表面
上の各々の保護領域に付着したポリアニオン鎖である。
【0120】 以下の実施例は、本発明をさらに例示するために提供され、そして本発明を限
定するとは解釈されないべきである。本発明は、以下の特許請求の範囲によって
のみ定義される。
【0121】 以下の実施例では、基材表面を改変して、DNAプローブアレイの合成の完了
時および最終的な脱保護時に単一または複数の負の荷電を付与した。次いで、実
験を行って、サンプル中のタンパク質および他の成分の表面非特異的結合NSB
に起因した蛍光バックグラウンドレベルの減少を測定した。観察されたバックグ
ラウンドは、2つの型のものであり得る:サンプル混合物中のタンパク質および
他の可溶性成分のNSBに起因する「分散」バックグラウンド;およびサンプル
中の不溶性粒子成分(すなわち、金属水酸化物の微細な沈澱物(例えば、サンプ
ル調製手順において用いられる種々の緩衝液の組合せから生じ得る))のNSB
に起因する「鏡」バックグラウンド。
【0122】 (基材調製)オリゴヌクレオチド合成のためのガラスウェハ(5”×5”×0
.027”)を、各工程の間では、脱イオン水を用いて直ちにかつ徹底的にリン
スしながら、Nanostrip(Cyantek,Fremont,CA)/
15分間、10%NaOH水溶液/70℃/3分間、次いで1%HCl水溶液/
1分間中に連続的に浸漬することにより清浄にした。次いで、このウェハを、3
5℃にて窒素流の下で5分間スピン乾燥した。次いで、スライドを、穏やかに攪
拌したN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン(Gelest,Inc.)の溶液(95:5のエタノール−水中で1
%容量/容量)中で15分間シラン処理し(silanated)、2−プロパ
ノールで徹底的にリンスし、次いで脱イオン水で徹底的にリンスし、そして最終
的に90〜110℃にて5分間スピン乾燥した。
【0123】 (アレイ合成)アレイ合成を、マスクアラインメントおよびUV曝露システム
からなり、そしてフローセルが試薬送達システムに連結されている特製のAff
ymetrixシンセサイザーで行った。この基材を、フローセルに対してねじ
で締め付け、そしてホスホルアミダイト添加を、標準的な自動化オリゴヌクレオ
チド合成プロトコル、特に、このフローセルの特定の容量および混和の必要条件
に従う液体試薬および加圧アルゴンの送達のためのプログラムに従って実施した
【0124】 (実施例1) 本実施例では、蛍光タンパク質結合体フィコエリトリン−ストレプトアビジン
(「SAPE」)の非特異的表面結合に対する表面改変の効果を調べた。
【0125】 標準的な、非改変「コントロール」アレイを、まず、標準的なカップリングプ
ロトコルを用いて、ヘキサエチルオキシリンカー(「HEX」)をO−MeNP
OC−(ヘキサエチルオキシ)−O−(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプ
ロピルホスホルアミダイト(Peaseら,1994;McGallら,199
7)、ホスホルアミダイトとして添加することにより調製した。次いで、この基
材を、チェッカーボードパターンで表面の交互の四角領域を照射するマスクを通
してUV光に曝露し、そして20マー配列の第1のMeNPOC塩基(G)を、
光不安定性5’−O−MeNPOC−(N2−p−イソプロピルフェノキシアセ
チル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル)−N,N
−ジイソプロピルホスホルアミダイトとして添加した(Peaseら,1994
;McGallら,1997)。光不安定性5’−O−MeNPOC−ヌクレオ
シドホスホルアミダイトを用いる、曝露と結合との交互のサイクルを用いて、基
材上のチェッカーボードパターンにおける20マーオリゴヌクレオチド配列の合
成を完了させた: 「コントロール」アレイ: バックグラウンド:[基材]−OPO2 (-)O(CH2CH2O)6 -McNPOC(非
光分解性) フォアグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH2CH2O)6]−OP
2 (-)O−(3'GACTTGCCATCGTAGAACTG5')。
【0126】 表面改変を有する「C3試験」アレイを、以下の通りに調製した:最初に、モ
ノマービルディングブロック3−(ジメトキシトリチルオキシ)プロピル(2−
シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト(「C3スペーサ
ー」,Glen Research,Sterling,VA)を用い、標準的
結合/TCA脱保護プロトコルを用いて、「C3スペーサー」の短いオリゴマー
(0、1、5)を基材に添加した。このことには、必要に応じて、標準的結合/
TCA脱保護プロトコルをまた用いて、(DMT−ヘキサエチルオキシ)ホスホ
ルアミダイト(ChemGenes,Waltham,MA)として添加したヘ
キサエチルオキシリンカー(「HEX」)の添加を続けた。次いで、20マーの
試験配列の最初の塩基(G)を、光不安定性5’−O−MeNPOC−(N2−
p−イソプロピルフェノキシアセチル)−2’−デオキシグアノシン−3’−O
−(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピルホスホルアミダイト(Pea
seら,1994;McGallら,1997)として結合させた。次いで、こ
の基材を、チェッカーボードパターンで表面の交互の領域を照射するマスクを通
して曝露し、そして次に20マー配列におけるMenPOC−塩基を添加した。
曝露と結合との交互のサイクルを用いて、基材上のチェッカーボードパターンに
おける20マーオリゴヌクレオチド配列の合成を完了させた: 試験アレイ: バックグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH23O]m(PO2 (-)
O(CH2CH2O)6nOPO2 (-)3'−(G)5'OH フォアグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH23O]m(PO2 (-)
O(CH2CH2O)6nOPO2 (-)3'−(GACTTGCCATCGTAGA
ACTG)5'
【0127】 (アレイハイブリダイゼーション):次いで、このコントロールおよび試験ア
レイを、相補的な5’−ビオチン化標的オリゴヌクレオチド(5'CTGAACG
GTAGCATCTTGAC3')の溶液とハイブリダイゼーションさせ、次いで
結合したオリゴヌクレオチド標的を、Affymetrixハイブリダイゼーシ
ョンステーションで以下の標準的なGeneChipTMプロトコルを用い、フィ
コエリトリン−ストレプトアビジン結合体(「SAPE」,Molecular
Probes,Inc.)の溶液を用いて「染色」した: (HYBWASH A条件): オリゴの濃度=5×SSPE/0.05% triton X−100中1
00pM サンプルバイアル中のオリゴの容量=650 ml 洗浄緩衝液=6×SSPE/0.005% triton X−100 Hyb温度=50℃ Hyb時間=1800秒間 洗浄温度=50℃ 洗浄サイクル数=4 1サイクルあたりの排水および充填の数=4 保持温度=20℃ (染色条件): SAPE=6×SSPE/0.005% triton X−100中で1
:500希釈 洗浄バイアルにおけるSAPEの容量=200ml 染色温度=RT Rotisserieのスピード=60rpm 持続時間=5分間 (WASHA条件): 洗浄温度=22℃ 洗浄サイクル数=10 1サイクルあたりの排水および充填の数=2 保持温度=20℃ (アレイ走査):表面蛍光レベルを、Hewlett−Packard Ge
neArrayTM共焦点蛍光スキャナーで獲得した画像から抽出した: (走査条件): 走査温度=20℃ 画素サイズ=30m フィルター=560nm。
【0128】 代表的な画像を、図1に示し、そしてこのデータを、以下の表1にまとめる。
測定された「フォアグラウンド」蛍光強度は、オリゴヌクレオチドプローブ配列
を含むチェッカーボードアレイ(「+」)の四角内のシグナル強度に対応し、そ
して「バックグラウンド」蛍光を、プローブ配列を含まないチェッカーボードア
レイ(「−」)の四角内で決定した。コントロールアレイと比較して、アレイ合
成の前の少なくとも1つの「C3」を用いる基材の改変が、バックグラウンド蛍
光強度において6倍の減少を生じたことが理解され得る。
【0129】
【表1】 (実施例2) 本実施例は、分散および鏡の両方のNSBに対する表面改変の効果を調べるこ
とを目的とする。後者は、代表的にはGeneChipアレイを用いて分析され
る、より複雑なサンプルにおいて頻繁に観察される。
【0130】 「コントロール」アレイを、実施例1におけるコントロールアレイについて記
載されたのと正確に同じに調製した: バックグラウンド:[基材]−OPO2 (-)O(CH2CH2O)6 -O-MeNPOC(非
光分解性) フォアグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH2CH2O)6]−OPO2 (-) O−(3'GACTTGCCATCGTAGAACTG5')。
【0131】 「光分解についてのコントロール」アレイを、オリゴヌクレオチド合成後に、
アレイ全体を、HEX改変基材の非合成(「−」)領域から残りのMeNPOC
光不安定性基を取り出すように光に曝露したこと以外は、コントロールと同じ方
法で調製した: バックグラウンド:[基材]−OPO2 (-)O(CH2CH2O)6 -OH(光分解性
) フォアグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH2CH2O)6]−OPO2 (-) O−(3'GACTTGCCATCGTAGAACTG5'OH
【0132】 (C3)n(HEX)表面改変を有する「C3試験」アレイを、実施例1にお
いて「C3試験」アレイについて記載された方法に従って調製した: バックグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH23O]m(PO2 (-)
(CH2CH2O)6)−OPO2 (-)3'−(G)5'OH フォアグラウンド:[基材]−O[PO2 (-)O(CH23O]m(PO2 (-)
(CH2CH2O)6)−OPO2 (-)3'−(GACTTGCCATCGTAGA
ACTG)5'OH
【0133】 ハイブリダイゼーション:アレイを、100pMの最終濃度でGeneChi
p試験サンプル中にスパイクされた相補的な5’−ビオチン化標的オリゴヌクレ
オチド(5'CTGAACGGTAGCATCTTGAC3')の溶液とハイブリダ
イズさせた。このGeneChip試験サンプルを、Affymetrix P
450アッセイキットパッケージの挿入物とともに提供されるプロトコルに従っ
て調製した。これを、DNAse−Iを用いて断片化し、そして末端トランスフ
ェラーゼの存在下でビオチン−ジデオキシATPを用いて標識した、精製されて
いない多重PCR反応物から本質的に調製する。いくつかの場合、1mg/ml
のウシ血清アルブミン(BSA)をまた、サンプル中に含めて、それがNSBに
おいてさらなる減少を提供するその能力を調べた。ハイブリダイゼーション、S
APE染色、洗浄、および走査を、上記の実施例1に記載される通りに実施した
【0134】 代表的な画像を、図2および図3に示し、そしてこのデータを、以下の表2に
まとめる。図2は、表2のエントリー1におけるデータに対応する。図3は、表
2のエントリー3におけるデータに対応する。測定した「フォアグラウンド」蛍
光強度は、オリゴヌクレオチドプローブ配列を含むチェッカーボードアレイ(「
+」)の四角内の配列内のシグナル強度に対応し、そして「バックグラウンド」
蛍光をプローブ配列を含まないチェッカーボードアレイ(「−」)の配列内の四
角内で決定した。多数の結論が、このデータから得られ得る。第1に、HEX改
変基材(C3改変なし)を有するコントロールアレイの場合、非プローブ含有領
域からのMeNPOC保護基の最終的な光分解性除去は、これらの領域における
分散NSBレベルの有意な減少を生じた(エントリー1およびエントリー2)。
光分解はまた、非光分解コントロールアレイについて観察されたやや厳しい鏡バ
ックグラウンドを減少させたが、これを排除しなかった。HEX添加およびオリ
ゴヌクレオチド合成の前の、「C3」オリゴマー(長さ5〜20)を有する基材
の改変は、バックグラウンド蛍光強度における実質的減少をもたらし、そして鏡
バックグラウンドの大部分を完全に排除した。サンプル中にBSAを含むことは
、最低の分散バックグラウンドレベルを提供するようであった。
【0135】
【表2】 前述は、本発明の例示であり、そして本発明を限定するとは解釈されない。本
発明は、以下の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の等価物は、
特許請求の範囲の中に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のプロセスによって得られたイメージである。
【図2】 図2はコントロールアレイであり、ここで基材はハイブリダイゼーションの前
に光分解されていない。
【図3】 図3はアレイであり、ここで基材は、鏡面の非特異的結合を減少させるために
、ハイブリダイゼーションの前に本発明の方法に従って修飾される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ライダー, トーマス ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95030, ロス ガトス, スプリング ストリー ト 100 (72)発明者 ウッドマン, スティーブ アメリカ合衆国 カリフォルニア 95129, サン ノゼ, デルモット ドライブ 1165 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 HA11 HA14 4B063 QA18 QA19 QQ41 QR31 QR41 QR55 QR63 QR84 QS34 QX02

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体支持体の表面において複数のポリヌクレオチドプローブ
    に対する標的分子の非特異的結合を減少させるための方法であって、該方法は、
    以下の工程: a)保護基を有する表面を有する支持体を提供する工程; b)該支持体からすべてはないがいくつかの該保護基を除去する工程であって
    、該保護基は、該表面の既知の位置において除去される、工程; c)該既知の位置において複数の異なるポリヌクレオチドプローブを形成させ
    る工程であって、該ポリヌクレオチドプローブは、末端保護基を有する、工程; d)該プローブにおける末端保護基もしくは該支持体における除去されていな
    い保護基のいずれかまたはその両方を、負に荷電したホスフェート残基に置き換
    える工程であって、これにより、該標的分子の非特異的結合が減少する、工程 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記固体支持体が、重合化
    したLangmuir Blodgettフィルム、官能化ガラス、ゲルマニウ
    ム、シリコン、ポリマー、(ポリ)テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ガ
    リウムヒ素、金属酸化物フィルムおよびそれらの組合せを含む、方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記複数のプローブを産生
    する工程a)が以下: 1)前記既知の位置の各々に対して、独立に選択された、光分解性保護基を有
    するリンカーモノマーを付着させる工程; 2)光指向性方法を用いて該付着したリンカーモノマーの各々に対して光分解
    性保護基を有する独立に選択されたヌクレオチドモノマーを、付着させて、光分
    解性の末端保護基を有する複数のプローブを生成する工程;および 3)工程2)を1〜120回反復して、続きのヌクレオチドモノマーを工程2
    )において生成された該プローブの各々に対して付着させて,光分解性の末端保
    護基を有する複数のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記複数のプローブを産生
    する工程a)が以下: 1)前記既知の位置の各々に対して、独立して選択された、化学的に除去可能
    な保護基を有するリンカーモノマーを付着させる工程; 2)該付着されたリンカーモノマーの各々における該化学的に除去可能な保護
    基の各々を光分解性保護基へと置き換える工程; 3)光指向性方法を用いて、化学的に除去可能な保護基を有する独立して選択
    されたヌクレオチドモノマーを該付着したリンカーモノマーの各々へと付着させ
    て、化学的に除去可能な末端保護基を有する複数のプローブを生成する工程; 4)該プローブの各々における該化学的に除去可能な保護基の各々を光分解性
    保護基に置き換える工程;および 5)工程3)および4)を1〜120回反復して,工程3)において生成した
    該プローブの各々に対して続きのヌクレオチドモノマーを付着させて、化学的に
    除去可能な末端保護基を有する該複数のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、前記複数のプローブを産生
    する工程a)が以下: 1)前記既知領域の各々に対して、独立して選択された、化学的に除去可能な
    保護基を有するリンカーモノマーを付着させる工程; 2)該既知の位置の内部および外部に活性化層を形成させる工程であって、該
    活性化層が、以下: i)光活性化因子、ここで該光活性化因子は、照射される場合、触媒を生成
    する光活性化因子、および ii)自己触媒因子、ここで該自己触媒因子は、該自己触媒因子が該触媒に
    よって活性化される場合、該化学的に除去可能な保護基を除去する生成物を生成
    する自己触媒因子、 を含む、工程; 3)該既知の位置と重複する該活性化層の部分を照射して、該リンカーモノマ
    ーにおける該化学的に除去可能な保護基を除去する工程; 4)該付着したリンカーモノマーの各々に対して、化学的に除去可能な保護基
    を有する独立して選択されたヌクレオチドモノマーを付着して、化学的に除去可
    能な末端保護基を有する複数のプローブを生成する工程; 5)該既知の位置に重複する該活性化層の部分を照射して、該プローブにおい
    て該化学的に除去可能な保護基を除去する工程; 6)工程4)および5)を1〜120回反復して、工程4)において生成され
    た該プローブの各々に対して続きのヌクレオチドモノマーを付着させて、化学的
    に除去可能な末端保護基を有する該複数のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、前記置き換える工程b)が
    以下: 1)前記プローブにおける末端保護基もしくは前記支持体における除去されて
    いない保護基のいずれかまたは両方を、アクチベーターに曝露して、該保護基を
    除去し、活性化部位を生成する工程;および 2)該活性化部位を、該プローブまたは該支持体、またはその両方に対して負
    に荷電したホスフェート残基を共有結合する化合物と反応させる工程、 を包含する、方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法であって、前記保護基が、光分解性保
    護基であり、そして前記アクチベーターがイオンビーム、電子ビーム、ガンマ線
    、x線、紫外線照射、光、赤外線照射、マイクロ波、電流、電波、およびそれら
    の組合せからなる群より選択される、方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の方法であって、前記保護基が化学的に除去
    可能な保護基であり、そして前記アクチベーターが、酸、塩基、酸化剤および還
    元剤からなる群より選択される、方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の方法であって、前記活性化部位と化合物と
    を反応させる工程2)が、以下: 以下の式I 【化1】 および式II 【化2】 からなる群より選択される化合物と該活性化部位の各々とを反応させる工程を含
    み、ここで、 DMTは、ジメトキシトリチル保護基であり; 各Xは塩基除去可能な保護基であり;そして iPr2Nは、ジイソプロピルアミノ保護基である、 方法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の方法であって、前記置き換える工程b)
    が、以下: 1)前記プローブにおける末端保護基もしくは前記支持体における除去されて
    いない保護基またはその両方をアクチベーターに曝露して、該保護基を除去して
    、活性化部位を生成する工程; 2)該活性化部位を、負に荷電したホスフェート単位および保護基を有するモ
    ノマーと反応させる工程であって、それにより該モノマーが該プローブもしくは
    該支持体またはその両方と共有結合する、工程;ならびに 3)工程1)および2)を1〜20回反復して、該複数のプローブまたは該支
    持体のi)の各々の少なくとも1つにおける負に荷電したホスフェート単位のポ
    リアニオン鎖を生成する工程、 を包含する、方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の方法であって、前記工程2)が、以下
    の式III 【化3】 のモノマーと反応させる工程であって、ここで、 R1は、ヌクレオシド部分、デオキシリボース部分、C1-8アルキレン、および
    −(CH2CH2O)m−からなる群より選択され、ここで、mは1〜8の整数で
    あり; R2は、ジメトキシトリチル保護基およびMeNPOC保護基からなる群より
    選択される保護基であり; Xは、塩基除去可能な保護基であり;そして iPr2Nがジイソプロピルアミノ保護基である、 工程を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の方法であって、前記置き換える工程b)
    が、以下: 前記プローブにおける末端保護基および前記支持体における除去されていない
    保護基の両方を置き換える工程、 を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 固体支持体の表面における複数の核酸プローブに対する標
    的分子の非特異的な結合を減少させるための方法であって、以下の工程: a)複数の既知の位置に対してポリアニオン鎖を付着させる工程; b)該既知の位置の各々にて該ポリアニオン鎖の各々において該複数の異なる
    核酸プローブを形成させる工程であって、これにより、該標的分子の非特異的な
    結合が減少する、工程、 を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、前記ポリアニオン鎖が
    保護基を有する、方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、前記固体支持体が、重
    合化したLangmuir Blodgettフィルム、官能化ガラス、ゲルマ
    ニウム、シリコン、ポリマー、(ポリ)テトラフルオロエチレン、ポリスチレン
    、ガリウムヒ素、金属酸化物フィルムおよびそれらの組合せを含む、方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の方法であって、前記ポリアニオン鎖を
    付着させる工程a)が、以下: 前記既知の位置の各々における該ポリアニオン鎖を形成させる工程であって、
    ここで、該ポリアニオン鎖を形成させる工程が、以下、 1)該既知の位置の各々にモノマーを付着させる工程であって、該モノマーは
    、負に荷電したホスフェート単位および保護基を有し、それにより、該モノマー
    は、該既知の位置の各々に共有結合している、工程; 2)該モノマーの各々を、アクチベーターに曝露して、該モノマーの各々から
    該保護基を除去して、活性化部位を生成する工程; 3)該活性化部位と、負に荷電したホスフェート単位および保護基を有する該
    モノマーとを反応させて、第二のモノマーを付加する工程;ならびに 4)工程2)および3)を0〜20回反復して、該既知の位置の各々における
    保護基を有するポリアニオン鎖を生成する工程、を包含する、工程、 を包含する、方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の方法であって、前記工程1)および3
    )が、以下の式III: 【化4】 のモノマーであって、ここで、 R1は、ヌクレオシド部分、デオキシリボース部分、C1-8アルキレン、および
    −(CH2CH2O)m−からなる群より選択され、ここで、mは1〜8の整数で
    あり; R2は、ジメトキシトリチル保護基およびMeNPOC保護基からなる群より
    選択され; Xは、塩基除去可能な保護基であり;そして iPr2Nがジイソプロピルアミノ保護基である、 モノマーを使用する工程を含む、 方法。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の方法であって、前記保護基は、光分解
    性保護基であり、そして前記工程2)は、イオンビーム、電子ビーム、ガンマ線
    、x線、紫外線照射、光、赤外線照射、マイクロ波、電流、電波、およびそれら
    の組合せからなる群より選択されるアクチベーターを使用する工程を包含する、
    方法。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載の方法であって、前記保護基が、化学的
    に除去可能な保護基であり、そして前記工程2)が、酸、塩基、酸化剤および還
    元剤からなる群より選択されるアクチベーターを使用する工程を包含する、方法
  20. 【請求項20】 請求項14に記載の方法であって、前記ポリアニオン鎖を
    付着させる工程a)が、さらに、前記既知の位置の外側の基材に対して、保護基
    を有するポリアニオン鎖を付着させる工程を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 請求項14に記載の方法であって、前記保護基が、光分解
    性の保護基を含み、そして前記複数のプローブを形成させる工程b)が、以下: 1)光指向性方法を用いて、該既知の位置の各々にて該ポリアニオン鎖の各々
    に対して光分解性の末端保護基を有する独立に選択されたヌクレオチドモノマー
    を付着させる工程;および 2)工程1)を1〜120回反復して、続きのヌクレオチドモノマーを工程1
    )において付着された該ヌクレオチドモノマーの各々に対して付着させて,複数
    のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 請求項14に記載の方法であって、前記保護基が化学的に
    除去可能な保護基を含み、そして前記複数のプローブを形成させる工程b)が、
    以下: 1)前記既知の位置の各々にて、前記付着したポリアニオン鎖の各々における
    該化学的に除去可能な保護基の各々を、光分解性保護基に置き換える工程; 2)光指向性方法を用いて、該付着したポリアニオン鎖の各々に対して、化学
    的に除去可能な保護基を有する独立して選択されるヌクレオチドモノマーを付着
    させて、化学的に除去可能な保護基を有する、複数の付着したヌクレオチドモノ
    マーを生成する工程、 3)該ヌクレオチドモノマーの各々における該化学的に除去可能な保護基の各
    々を、光分解性保護基と置き換える工程; 4)光指向性方法を用いて、該付着されたヌクレオチドモノマーの各々に対し
    て、独立に選択された化学的に除去可能な保護基を有するヌクレオチドモノマー
    を付着させて、化学的に除去可能な末端保護基を有する複数のプローブを生成す
    る工程; 5)工程3)および4)を1〜120回反復して、工程3)において生成した
    該プローブの各々に対して続きのヌクレオチドモノマーを付着させて、化学的に
    除去可能な末端保護基を有する該複数のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項14に記載の方法であって、前記保護基が化学的に
    除去可能な保護基であって、そして前記複数のプローブを生成する工程a)が、
    以下: 1)前記既知の位置の内部および外側に活性化層を形成させる工程であって、
    該活性化層は、以下を含む: i)光活性化因子、ここで該光活性化因子は、照射される場合、触媒を生成
    する、および ii)自己触媒因子、ここで該自己触媒因子は、該自己触媒因子が該触媒に
    よって活性化される場合、該化学的に除去可能な保護基を除去する生成物を生成
    する; 2)該既知の位置と重複する該活性化層の部分を照射して、該ポリアニオン鎖
    における該化学的に除去可能な保護基を除去する工程; 3)該既知の位置の各々にて該付着したポリアニオン鎖の各々に対して、独立
    して選択されたヌクレオチドモノマーを付着して、化学的に除去可能な末端保護
    基を有する複数のヌクレオチドモノマーを生成する工程; 4)該既知の位置に重複する該活性化層の部分を照射して、該ヌクレオチドモ
    ノマーの各々において該化学的に除去可能な保護基を除去する工程; 5)工程3)および4)を1〜120回反復して、工程3)において付着され
    た該ヌクレオチドの各々に対して続きのヌクレオチドモノマーを付着させて、該
    複数のプローブを生成する工程、 を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 固体支持体の表面における複数の核酸プローブに対して標
    的分子の非特異的な結合を減少させるための方法であって、以下の工程: (a)該支持体における支持体の外側の既知の位置に対してポリアニオン鎖を
    付着させる工程; (b)該既知の位置の各々にて該複数のプローブを形成させ、それにより該標
    的分子の非特異的な結合が減少する工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 固体支持体の表面における複数の核酸プローブに対して標
    的分子の非特異的な結合を減少させるための方法であって、以下: a)保護基を有する表面を有する支持体を提供する工程; b)該支持体からすべてはないがいくつかの該保護基を除去する工程であって
    、該保護基は、既知の位置において除去される、工程; c)該既知の位置において保護基を有するポリアニオン鎖を形成させる工程; d)該ポリアニオン鎖において該複数のプローブを形成させる工程であって、
    該複数のプローブの各々は、末端保護基を有する、工程;および e)該プローブにおける末端保護基もしくは該支持体における除去されていな
    い保護基のいずれかまたはその両方を除去する工程、 を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載の方法であって、前記プローブにおける
    前記末端保護基および前記支持体における前記除去されていない保護基の両方が
    、除去されている、方法。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載の方法であって、前記ポリアニオン鎖を
    付着させる工程a)が、さらに、前記既知の位置の外側の基材に対して保護基を
    有するポリアニオン鎖を付着させる工程を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 請求項27に記載の方法であって、前記除去する工程c)
    が、以下: i)工程b)において生成される前記複数のプローブの各々における前記保護
    基、および ii)前記既知の位置の外側の前記支持体に付着した前記複数のポリアニオン
    鎖の各々における該保護基、 の両方を除去する工程、 を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 固体支持体の表面における複数の核酸プローブに対する標
    的分子の非特異的な結合を減少させるための方法であって、以下: a)支持体における既知の位置の外側に保護基を有するポリアニオン鎖を形成
    させる工程; b)該支持体の該表面の該既知の位置に複数の核酸プローブを形成させる工程
    であって、該複数のプローブの各々は、末端保護基を有する、工程;および c)該プローブにおいてもしくは該既知の位置の外側の該基材のいずれかまた
    はその両方から該保護基を除去する工程であって、これにより、該標的分子の非
    特異的な結合が減少する、工程、 を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の方法であって、前記除去する工程c)
    が、該プローブ、および該既知の位置の外側の該基材から、両方の該保護基を除
    去する工程を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 固体支持体の表面における複数の核酸プローブに対する標
    的分子の非特異的な結合を減少させるための方法であって、以下、 a)既知の位置の外側に保護基を有する基材の該表面上に該既知の位置にてポ
    リアニオン鎖を形成させる工程; b)該ポリアニオン鎖において該既知の位置の各々にて複数の核酸プローブを
    形成させる工程であって、該複数のプローブの各々が末端保護基を有する、工程
    ;ならびに c)以下: i)該複数のプローブの各々における該保護基;および ii)該既知の位置の外側の該保護基、 の少なくとも1つを、負に荷電したホスフェート残基に置き換える工程であって
    、それによって該標的分子の非特異的な結合が減少する、工程 を包含する、方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の方法であって、前記置き換える工程c
    )が、以下: 1)以下: i)前記複数のプローブの各々;および ii)前記既知の位置の外側の前記基材における前記保護基の各々、 の少なくとも1つを、アクチベーターに曝露して、該保護基を除去して、活性化
    部位を生成する工程;および 2)負に荷電したホスフェート残基を、該複数のプローブもしくは該既知の位
    置の外側の該基材のいずれかまたはその両方に共有結合する化合物と該活性化部
    位を反応させる工程、 を包含する、方法。
  33. 【請求項33】 請求項31に記載の方法であって、前記置き換える工程c
    )が、以下: 1)以下: i)前記複数のプローブの各々;および ii)前記既知の位置の外側の前記基材における前記保護基、 の少なくとも1つを、アクチベーターに曝露して、該保護基を除去して、活性化
    部位を生成する工程; 2)該活性化部位を、負に荷電したホスフェート単位および保護基を有するモ
    ノマーと反応させる工程であって、それにより該モノマーが:i)前記複数のプ
    ローブの各々;およびii)前記既知の位置の外側の前記基材の少なくとも1つ
    と共有結合する、工程;ならびに 3)工程1)および2)を1〜20回反復して:i)前記複数のプローブの各
    々;およびii)前記複数の既知の位置の各々の少なくとも1つにおける負に荷
    電したホスフェート単位のポリアニオン鎖を生成する工程、 を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 請求項31に記載の方法であって、前記置き換える工程c
    )が、以下: i)工程b)において生成した前記複数のプローブの各々における前記保護基
    、および ii)前記既知の位置の外側の前記基材における前記保護基、 の両方を、負に荷電したホスフェート残基に置き換える工程、 を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 請求項31に記載の方法であって、前記工程a)が、さら
    に、 前記既知の位置の外側の前記基材の前記表面においてポリアニオン鎖を形成さ
    せる工程、 を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載の方法であって、前記置き換える工程c
    )が、以下: i)工程b)において生成した前記複数のプローブの各々における前記保護基
    、および ii)前記既知の位置の外側の前記基材の前記表面における前記保護基の 両方を置き換える工程、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 固体支持体の表面における複数のプローブに対する標的分
    子の非特異的な結合を減少させる方法であって、該方法は以下の工程: a)前記基材の前記表面上の既知の位置の外側に保護基を有するポリアニオン
    鎖を形成させる工程; b)該既知の位置にて該複数のプローブを形成させる工程であって、該複数の
    プローブの各々が末端保護基を有する、工程;ならびに c)以下: i)工程b)において生成された該複数のプローブの各々における該保護基;
    および ii)該既知の位置の外側の該ポリアニオン鎖における該保護基、 の少なくとも1つを、負に荷電したホスフェート残基に置き換える工程であって
    、それによって該標的分子の非特異的な結合が減少する、工程 を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の方法であって、前記置き換える工程c
    )が、以下: i)工程b)において生成した前記複数のプローブの各々における前記保護基
    、および ii)前記既知の位置の外側の前記基材の前記表面に付着した前記複数のポリ
    アニオン鎖の各々における前記保護基、 の両方を、負に荷電したホスフェート残基に置き換える工程、 を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 複数の核酸プローブに対するハイブリダイゼーションにつ
    いて標的分子をスクリーニングするための方法であって、該方法は以下の工程: a)既知の位置において核酸プローブを有する表面を有する固体支持体を提供
    する工程であって、該支持体は、該既知の位置の外側もしくは該既知の位置の内
    部のいずれかまたはその両方にてさらにポリアニオン鎖を有し、該プローブは、
    該ポリアニオン鎖が該既知の位置に存在する場合に該ポリアニオン鎖を通じて該
    支持体に付着している、工程; b)該プローブを有する該支持体と、標的分子とを接触させる工程;および c)該複数のプローブに対する該標的分子のハイブリダイゼーションを検出す
    る工程であって、ここで、該ポリアニオン鎖が、該複数のプローブに対する該標
    的分子の非特異的な結合を減少させる、工程、 を包含する、方法。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載の方法であって、前記支持体が、前記既
    知の位置の内部およびその外側に前記ポリアニオンを有し、そして前記プローブ
    は、該既知の位置の内部の該ポリアニオンに付着している、方法。
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