JP2002511429A - 直鎖の水不溶性ポリサッカライドから調製される徐放性錠剤 - Google Patents

直鎖の水不溶性ポリサッカライドから調製される徐放性錠剤

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JP2002511429A JP2000543168A JP2000543168A JP2002511429A JP 2002511429 A JP2002511429 A JP 2002511429A JP 2000543168 A JP2000543168 A JP 2000543168A JP 2000543168 A JP2000543168 A JP 2000543168A JP 2002511429 A JP2002511429 A JP 2002511429A
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シルケ シュス
ユールゲン グランデ
ギィッテ ベーム
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セラニーズ ベンチャーズ ゲー・エム・ベー・ハー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、部分的または全面的に、水不溶性の直鎖ポリサッカライド、好ましくはポリ(1,4-α-D-グルカン)を微粒子の形態で遅延物質として含む、制御放出錠剤に関する。該錠剤は、活性物質の制御放出も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、直鎖の水不溶性ポリサッカライドを含む徐放性錠剤、その調製方法
、および特に活性化合物の制御放出のためのその使用に関する。
【0002】 最近の薬学技術では、その投与形態が、生体分布、バイオアベイラビリティお
よび吸収に耐える影響を特異的にもたらす賦形剤の製剤が重要である。さらに、
賦形剤は、適切な硬度ならびに張力および応力に対する耐性のような優れた機械
的特性を有しなければならない。
【0003】 数種類の化合物が、既に、コンパクトで安定な塊(例えば、スクロースまたは
ラクトース)を与えるよう圧縮され得るけれども、結合剤、充填剤、滑沢剤およ
び添加剤のような成分−錠剤助剤−も必要である。本明細書で使用される安定性
を増加させるための代表的な乾燥結合剤は: リン酸カルシウム、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標)、PH102(登録
商標)、特にCelsphere)、ポリビニルピロリドン(例えば、Kollidon(登録商標)、
LuviskolVA64、Plasdone(登録商標))、トウモロコシ、コムギまたはジャガイモ
のスターチ、誘導体化ポリサッカライド、いわゆるガム類(例えば、キサンタン
ガム)、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース:Kluc
el(登録商標))またはエチルセルロース(Aqualon(登録商標))。
【0004】 さらに、賦形剤は、体液と接触して、最適で制御された様式で、体内で崩壊し
なければならない。従って、いわゆる崩壊剤が、崩壊コントロールのために、し
ばしば添加される。この目的のための代表的な化合物は、コーンスターチ、ゼラ
チン化スターチおよびスターチ修飾物である。使用され得る物質は、水吸収性お
よび随伴する膨潤により崩壊力を発揮するものである。これらは、架橋されたポ
リビニルピロリドン(Kollidon CL(登録商標))、カルボキシメチルセルロースお
よびそれらのカルシウム塩またはガラクトマンナンを含む。幾つかの化合物(例
えば、Avicel(登録商標)およびPH102(登録商標))を用いると、必要な機械的安定
性を達成し、錠剤崩壊をコントロールすることが共に可能である。
【0005】 アミロースを含む特殊なスターチが、錠剤製剤のための有利な賦形剤として記
載されている(Journal of Pharmaceutical Sciences 55(1966), 340)。しかしな
がら、使用されるNepolアミロース(A.E.Stanley Manufacturing Co., 米国)は、
活性化合物が徹底的には放出されず、賦形剤が高い含水量(10-12%)を有するので
不利であることを実証し、それは、加水分解的に不安定な活性化合物がなぜ製剤
化され得ないかの理由である。特に、架橋されたアミロース(架橋度15%)は、最
も優れた結合剤として記載され(S.T.P. Pharma Sciences 4(1994), 329-335およ
びJournal of Controlled Release 15, (1991)39-46, Journal of Controlled R
elease 15, (1991)3946)、それは、その水吸収能力故に崩壊促進剤として作用す
る。WO94/21236では、架橋アミロース(架橋度25%)は、結合剤および崩壊剤とし
て使用される。しかしながら、高い架橋度は、生物学的適合性に不利な効果を有
する。使用される架橋剤は、不耐性エピクロロヒドリンの30重量%までである。
数%の範囲内の低い架橋でさえ、迅速に増加する反応の遅延をもたらし、その結
果、残り続ける未反応架橋剤の残渣が予想されなければならない。
【0006】 現在まで市場に出ている全てのスターチおよびアミロース含有賦形剤は、植物
起源のものを使用している。
【0007】 本明細書では、これらのバイオポリマーは、全ての天然に生じる物質と同様に
、組成および構造においてかなりのバリエーションを有し、従って、活性化合物
の制御放出に関してでさえ、必要な再現性および、このために産物の一定の品質
は保証されない。
【0008】 天然のスターチの場合、アミロースおよびアミロペクチンの含量は、その起源
に応じて、非常に変化する。例えば、ジャガイモからのスターチは、約20重量%
のアミロースおよび約80重量%のアミロペクチンを含むが、トウモロコシからの
スターチは、約50重量%のアミロースおよび約50重量%のアミロペクチンを含む
。植物群落内では更なる変動が、土壌条件、肥料吸収、季節的な気候差などによ
り、生じる。
【0009】 さらに、アミロース、約50,000〜150,000ダルトンの分子量を有する1,4-結合
ポリグルカン、およびアミロペクチン、約300,000〜2,000,000ダルトンの分子量
を有する高度に分岐した1,4-結合および1,6-結合ポリグルカンが、広い分子量の
分布を有する。
【0010】 高度に分岐したものから直鎖のものまでの変化は、流動的で、起源となる植物
材料において変化し、その結果、鮮明な限定決定は殆ど不可能である。特に、い
まだにアミロペクチンを含む賦形剤は、分岐により不規則な膨潤を生じ、それに
より、担体の安定性が不利に影響される。従って、アミロペクチンは通常、酵素
的脱分岐化により、苦心して除去される(Journal of Controlled Release 45, (
1997)25-33 およびEP0499 648 B1=US5,468,286)。
【0011】 これらの際だった不利な点、広い分子量分布または異なる空間的配置のポリマ
ーの混合物に加えて、天然ポリマーは、低分子量化合物のような更なる成分、例
えば、油脂を含み、それらは、困難を伴って分離され得るのみで、さらなる加工
および用途に不利な効果を有する(例えば、US3,490,742)。特に、収量を減少さ
せる作業工程が行われなければならず、ある場合には、不純物を完全に除去する
のは不可能である。
【0012】 バイオポリマー、即ち、スターチでさえ、植物起源のものを遺伝的に修飾する
ことにより最適化する実験も公知である。WO94/03049は、遺伝的に修飾されたト
ウモロコシからの高いアミロース含有スターチの調製および使用を記載している
。それとは無関係に、非均一性および不純物混入の不利な点が、残っている。
【0013】 再現性および品質は、均一性および純度に実質的に依存する。高い品質の製品
を保証するために、これらの出発物質は、明らかに定義可能で、特徴付け可能で
なければならない。
【0014】 本発明は、上記の不利な点を回避しながら、活性化合物の制御放出のための、
好ましくは経口投与のための薬学的組成物中で徐放性錠剤として使用され得る徐
放性物質を利用可能とする目的を有する。
【0015】 該目的は、徐放性物質として、生物学的適合性で、化学的に不活性で、圧力安
定な出発物質である水不溶性の直鎖ポリサッカライドを使用することにより達成
され、該出発物質は、さらなる添加剤なく活性化合物の制御放出を可能にする。
好ましくは、使用される出発物質は、そのままの又は球状の微粒子形態である直
鎖の水不溶性ポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)である。
【0016】 本発明の意味における「徐放性錠剤」は、特に、錠剤、被覆錠剤、ピル、ペレ
ット、圧縮剤、小プレート、ディスクなどであり、その製剤は、圧縮を要求する
。同様に含まれるのは、徐放性物質を充填したカプセル剤である。
【0017】 徐放性物質は、以下で、直鎖の水不溶性ポリサッカライドであると見なされる
【0018】 本発明の意味における直鎖の水不溶性ポリサッカライドは、ポリサッカライド
、好ましくはポリグルカン、特にポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)であり、それ
は、モノサッカライド、ジサッカライド、さらにそのオリゴマーまたは誘導体か
らなる。
【0019】 これらは、常に、同じ様式で互いに連結している。この様に定義されるそれぞ
れの基本ユニットは、各々が他のモノマーに正確に2つの結合を有する。それか
ら排除されるのは、2つの基本ユニットであり、それはポリサッカライドの始め
と終わりを形成する。これらの基本ユニットは、さらなるモノマーに1つのみの
結合を有する。モノマーの、他の基への、好ましくは更なるサッカライド・ユニ
ットへの、3または4個の結合(共有結合)の場合、分岐があてはまる。少なくと
も3つのグリコシド結合は、続いて、ポリマー骨格中の各サッカライド・ユニッ
トから離れる。
【0020】 本発明によれば、分岐は、起こらないか、または一般にそれらが、既存の非常
に小さい分岐比率において、慣用されている分析的方法はもはや利用し得ない小
さい範囲にしか起こらない。これは、例えば、直鎖ポリサッカライドの合成に必
要でない100個のヒドロキシル基に存在する全てのヒドロキシル基全体に基づき
、多くとも5個のヒドロキシル基が、他のサッカライド・ユニットへの結合によ
り占領されている場合である。
【0021】 ここで、分岐の程度は、遊離ヒドロキシル基(または生起する他の官能基)が、
各サッカライド・ユニットにおいて、更なるサッカライドへの更なるグリコシド
(または、他の)結合を有する場合に、最大(100%)である。分岐の程度は、ポリマ
ーの直鎖性を決定するヒドロキシル基とは別に、サッカライド中では更なるヒド
ロキシル基が、化学反応により修飾されない場合に、最小(0%)である。
【0022】 好ましい水不溶性の直鎖ポリサッカライドの例は、直鎖ポリ-D-グルカンであ
り、その結合のタイプは、本発明の意味内にある直鎖性が存在する限り重要でな
い。例は、ポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)およびポリ(1,3-ベータ-D-グルカン)
であり、ポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)が特に好ましい。
【0023】 基本ユニットが3以上の結合を有する場合、これは分岐と称される。いわゆる
分岐の程度は、ここでは、直鎖ポリマー骨格の合成に関与しないで分岐を形成す
る、100個の基本ユニット当りのヒドロキシル基の数から生じる。
【0024】 本発明によれば、直鎖の水不溶性ポリサッカライドは、8%未満の分岐の程度を
有し、即ち、それらは、100個の基本ユニットに対し8未満の分岐を有する。好ま
しくは、分岐の程度は、4%未満であり、特に、多くとも1.5%である。
【0025】 水不溶性の直鎖ポリサッカライドがポリグルカン、例えば、ポリ(1,4-アルフ
ァ-D-グルカン)である場合、6位での分岐の程度は、4%未満、好ましくは多くと
も2%、特に多くとも0.5%であり、好ましいポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)の場
合の直鎖的結合に関与しない他の位置での、例えば2または3位での分岐の程度
は、それぞれの場合、好ましくは多くとも2%、特に多くとも1%である。
【0026】 特に好ましいのは、ポリサッカライド、特にポリ-アルファ-D-グルカンであり
、それは分岐を有さず、或いは、その分岐の程度は最小であるので、慣用されて
いる方法を用いてもはや検出し得ない。
【0027】 本発明によれば、接頭辞「アルファ」、「ベータ」または「D」は、それら自
身において、ポリマー骨格を形成する結合に関し、分岐には関しない。
【0028】 本発明の意味における「水不溶性」は、通常の条件(25℃の室温および101325
パスカルの空気圧力またはそれから多くとも20%異なる値に基づく)下では、化合
物の検出可能な溶解性は存在しないことを意味する。
【0029】 本発明に従い使用されるポリサッカライド、特にポリ(1,4-アルファ-D-グルカ
ン)のようなポリグルカンの場合、これは、使用される量の少なくとも98%、好ま
しくは99.5%超の量が水不溶性であることを意味する。用語「不溶性」はまた、
ここでは、下記の観察によって説明され得る。調べられる直鎖ポリサッカライド
1gが、1バールの圧力下に1 lの脱イオン水中で130℃に加熱される場合、得られ
る溶液は、僅か数分しか安定を維持しない。通常の条件下で冷却すると、物質は
、再沈殿する。更に冷却および遠心分離を用いて分離した後は、実験的損失を含
め、使用される量の少なくとも66%が、この様にして回収され得る。
【0030】 本発明に関連して、一般に確立されたバイオテクノロジーまたは遺伝子工学的
方法によって得ることができる、直鎖の水不溶性ポリサッカライドが、好ましく
使用される。本明細書に記載される本発明の特に有利な実施態様は、バイオテク
ノロジーの方法、特に生物触媒方法における調製である。
【0031】 本発明に関連して生物触媒作用(生物変換でも)により調製される直鎖ポリサッ
カライドは、直鎖ポリサッカライドが、いわゆる生物触媒、慣用的には酵素を好
適な条件下で用いて、オリゴマー・サッカライド、例えば、モノおよび/または
ジサッカライドのようなモノマー性基本ユニットの触媒的反応により調製される
ことを意味する。好ましくは、ポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)は、特に、ポリ
サッカライドシンターゼおよび/またはスターチシンターゼおよび/またはグリ
コシルトランスフェラーゼおよび/またはアルファ-1,4-グルカントランスフェ
ラーゼおよび/またはグリコーゲンシンターゼおよび/またはアミロスクラーゼ
および/またはホスホリラーゼにより調製される。
【0032】 同様に考えられるのは、発酵からの直鎖ポリサッカライドである。本発明に関
連すると、これらは、真菌、藻類または微生物のような天然に生じる生物を用い
て、又は真菌、藻類または微生物のような天然の生物を一般的定義の遺伝子工学
方法によって修飾して得ることができる天然に生じない生物を用いて、酵素的方
法によって得ることができる直鎖ポリサッカライドである。
【0033】 さらに、直鎖ポリサッカライドは、本発明に記載される徐放性錠剤の調製のた
めに、分岐を有する非直鎖ポリサッカライドからそれらを酵素で処理することに
よって得ることができ、その直鎖ポリマーは、(例えば、アミラーゼ、イソアミ
ラーゼ、グルコノヒドロラーゼ、プルラナーゼのような酵素による)開裂および
分岐の除去によって得ることができる。
【0034】 本発明に従い使用される直鎖ポリサッカライドの分子量Mwは、103g/mol〜107g
/molの広い範囲内で変化し得、分子量Mwは、好ましくは2×103g/mol〜5×104g/m
ol、特に3×103g/mol〜2×104g/molの範囲内にある。好ましく使用される直鎖ポ
リサッカライドであるポリ(1,4-アルファ-D-グルカン)のために、対応する範囲
が使用される。
【0035】 分子量分布または多分散性Mw/Mnは、ポリサッカライドの調製方法に応じて、
広い範囲内で変化し得る。1.01〜50の多分散性が好ましく使用され、特に好まし
くは、1.5〜15である。この場合、多分散性は、分子量の2モード分布と共に増
加し、これは、錠剤製剤の特性に悪影響しない。
【0036】 本発明による直鎖ポリサッカライドと微粒子形態での非直鎖ポリサッカライド
の混合物は、排除されない。「活性化合物の制御放出」は、活性化合物が、環境
に対応する統計的偏差を許容して、生物学的生体に有利な用量で、一定の時間お
よび/または期間の後に、放出されることを意味するものとして理解される。
【0037】 定義は、極端も包含する。一方で、製剤中に存在する全ての活性化合物の自発
的な放出は、或る時間内に数値ゼロに近づいていき、他方で、治療効果の達成の
ために最小必要な量/用量が、長い定まらない時間にわたり、製剤中に存在する
全ての活性化合物を放出するのに必要な少なくとも或る時間にわたる。
【0038】 従って、本明細書では存在する徐放製剤のために、デポー製剤または遅延放出
を有する製剤が同義的に参照される。「活性化合物」は、任意の生物学的活性物
質および最も広い意味(特に、ヒトおよび獣医領域)、特に、医薬適用のための物
質組合せと見なされる。特に:鎮痛剤、狭心症製剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタ
ミン剤、抗炎症剤、気管支拡張剤、気管支鎮痙剤、利尿剤、抗コリン剤、抗付着
分子、サイトカイン調節剤、生物学的に活性なエンドヌクレアーゼ、組換えヒト
DNase、神経伝達物質、ロイコトリンインヒビター、血管作用性腸管ペプチド、
エンドセリンアンタゴニスト、蘇生薬、局所麻酔剤、麻酔剤、抗てんかん剤、鎮
痙剤、抗パーキンソン剤,制吐剤、ホルモン系を調節または刺激する化合物、心
臓血管系を調節または刺激する化合物、気道系を調節または刺激する化合物、ビ
タミン、微量元素、抗酸化剤、細胞増殖抑制剤、抗代謝剤、抗感染症剤、免疫調
節剤、免疫抑制剤、抗生物質、タンパク質、ペプチド、ホルモン、成長ホルモン
、増殖因子、キサンチン、ワクチン、ステロイドおよびβ2ミメティクス。
【0039】 本発明の意味における「治療効果」は、治療的に有効な量の活性化合物が、所
望の標的部位に到達し、そこでその作用を発揮し、生理学的反応を生じることを
意味する。待期的および/または治癒的効果が、含まれる。
【0040】 本発明の意味における「生物学的に適合性である」は、使用されるポリサッカ
ライドが、完全な生物学的分解に従い得、いかなる濃度も生体内に生じないこと
を意味する。生物学的分解は、本明細書では、ポリマーの分解または破壊をもた
らす、インビボで生じる任意のプロセスを意味するとして理解される。特に、加
水分解的または酵素的プロセスが、同様に、この領域の範疇にある。ポリサッカ
ライドおよびその分解産物(代謝産物)の生物学的適合性のために、使用されるポ
リサッカライドの天然に同一の特性でさえも、特に大きな重要性を有する。従っ
て、本発明に従い使用されるポリサッカライドは、治療的、診断的または予防的
使用に好適である。本発明の意味における用語「薬学的に許容される」は、活性
化合物の担体、助剤またはいわゆる賦形剤が、生物に生じる重大な副作用なしに
、生体によって吸収され得ることを意味する。
【0041】 錠剤は、出発成分を混合することによって調製され、直鎖ポリサッカライドは
、例えば、ボールミルにより、公知の方法に従って、活性化合物と混合または共
に均質化される。活性化合物は、50%までの濃度を有し得、1〜20%の濃度、特に
好ましくは5〜15%が好ましく使用される。さらに慣用されている助剤および添加
剤が、使用され得る。全組成(可能な助剤および添加剤を含む)中の、活性化合物
および本発明によるポリサッカライドの合計は、少なくとも50%であるべきであ
るが、しかしながら、70〜100%が好ましく、85〜98%が特に好ましい。助剤の組
成は、広い範囲で変化し得、組成の比率は、活性化合物および直鎖の水不溶性ポ
リサッカライドとの相互作用に依存する。
【0042】 錠剤製造および予め挿入された混合プロセスで使用され得る助剤は、溶媒であ
り、容易に揮発性の溶媒が好ましい。
【0043】 錠剤製造のための、本発明によるポリサッカライドの原構造は、合成で直接得
られるもののように非結晶または結晶構造または粒状、或いは、特許出願(ドイ
ツ特許庁、整理番号:197 37 481.6)に記載されるように微粒子であり得る。単
純な混合プロセスが、錠剤の原材料または原材料混合物の調製のために、好まし
く使用される。錠剤のこの調製手順は、錠剤の特性に影響し得る。例えば、活性
化合物を、ポリサッカライドの原構造上で直接的に又はそれに、スプレー技術に
より、例えば、流動床プロセスまたは本発明により使用されるポリサッカライド
の懸濁液中でコーティングすることにより、結合することが可能である。吸収プ
ロセスが、ここで使用され得、そこでは、微粒子の多孔性構造が、溶液(スポン
ジ特性)中で活性化合物を吸収するために、または噴霧乾燥技術が利用される。
本明細書では、直鎖ポリサッカライドおよび活性化合物の溶液、懸濁液または乳
濁液が、公知のスプレー技術により乾燥される。溶液の場合、対応する有機溶媒
が使用される。より高い温度または圧力、および超臨界プロセスが、短時間で必
要な溶解度を生じるのに寄与し得る。
【0044】 錠剤製造中に使用される圧力は、広い範囲で変化し得る。圧力変化は、本発明
に従い記載されるポリサッカライドと共に特異的に使用され、更なる正に作用す
る徐放効果を達成し得る。圧力は、1 MPa〜103MPaの広範囲で変化し得る(105Pa=
1バール)。10MPa〜300MPaの範囲の圧力が、好ましく使用され、特に有利な圧力
は、100MPa〜250MPaの範囲である。
【0045】 下記の実施例および図面は、実施例に記載される生成物および実施態様に限定
されることなく、本発明をさらに説明するのに寄与する。
【0046】 (実施例) 下記の実施例は、特許出願(ドイツ特許庁、整理番号:197 37 481.6)に記載さ
れるように、特に微粒子の調製に関し、明らかにそれが参照される。さらに、ポ
リ(1,4-アルファ-D-グルカン)を調製するための特に有利な方法が、WO95/31553
に記載されている。
【0047】 実施例1 酵素アミロスクラーゼを用いた、生物触媒作用プロセスにおけるポリ(1,4-α-D-
グルカン)のインビトロ産生 10 lの20%濃度のショ糖溶液を、滅菌した(蒸気滅菌)15 l容器に加える。発酵
により得られたアミロスクラーゼを含む酵素抽出物を、ショ糖溶液に一度に加え
る。酵素活性は、16単位である(1単位は、酵素1mg当り毎分1μモルのショ糖
の反応に対応する)。装置には、KPGスターラーが備えてあり、それも滅菌されて
いる。容器は、密封され、40℃に維持され、攪拌される。一定時間の後、白い沈
殿物が形成する。反応は、180時間後に終了する。沈殿物を濾過し、何回も洗浄
して、低分子量の糖を除去する。フィルターに残る残渣を、乾燥オーブン中で30
〜40℃の温度で、膜ポンプ(Vacuubrand GmbH & Co, CVC2)を使用し真空を適用し
ながら、乾燥する。マスは、685gである(収率69%)。
【0048】 実施例2 実施例1からのアミロスクラーゼを用いて合成されたポリ(1,4-α-D-グルカン)
の、ゲル浸透クロマトグラフィーによる特徴付け 実施例1からの2mgのポリ(1,4-α-D-グルカン)を、ジメチルスルホキシド(Rie
del-de-HaenからのDMSO, p.a.)に室温で溶解し、濾過する(2mmフィルター)。溶
液の一部を、ゲル浸透クロマトグラフィーカラムに注入する。DMSOを、溶出液と
して使用する。シグナル強度を、RI検出器で測定し、プルラン標準物(Polymer S
tandard Systems)に対して評価する。流速は、毎分1.0mlである。
【0049】 測定は、2700g/モルの数平均分子量(Mn)および11,700g/モルの重量平均分子量
(Mw)を示す。これは、4.3の分散度に対応する。
【0050】 実施例3 ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子の調製 400gのポリ(1,4-α-D-グルカン)を、2 lのジメチルスルホキシド(Riedel-de-H
aenからのDMSO, p.a.)に60℃で1.5時間かけて溶解する。続いて、溶液を、室温
で1時間攪拌する。溶液を、20 lの二重蒸留水に、滴下漏斗を用い2時間かけて
、攪拌しながら加える。混合物を、6℃で40時間貯蔵する。細かい懸濁液が形成
する。先ず、上清をデカントすると、粒子が分離される。沈殿物をスラリー化し
、小部分で遠心分離する(超遠心分離機RC5C:毎分5000回転を各5分間)。固体残
渣を、二重蒸留水でスラリー化し、再度トータルで3回遠心分離する。固形物を
集め、約1000mlの懸濁液を凍結乾燥する(Christ Delta 1-24KD)。283gの白色固
形物が単離される(実施例3a: 収率71%)。集められた上清を、18℃の温度で、終
夜維持する。ワーキングアップを、記載されたように行う。さらに55gの白色固
形物を、単離する(実施例3b: 収率14%)。トータル収率は、85%である。
【0051】 実施例4 実施例3からの微粒子の脱硫化 粒子中に残るジメチルスルホキシドを除去するには、手順は次の通りである。
実施例9からの100gのアミロース粒子を、1000mlの脱イオン水に加える。混合物
を、僅かに渦巻かせながら、それ自身で24時間放置する。粒子を、実施例9に記
載されるように除去する(超遠心分離機RC5C:3000rpmで各15分間)。凍結乾燥後、
最終重量98.3gが生じる(98%収率)。元素分析による硫黄測定は、下記の値を示す
(テスト方法は燃焼およびIR検出): 実施例2からの粒子の硫黄含量:6% ± 0.1% 実施例3からの粒子の硫黄含量:<0.01%。
【0052】 実施例5 実施例3からの微粒子の電子顕微鏡による調査 粒子を特徴付けるために、走査電子顕微鏡写真(SEMs)(Camscan S-4)を行なう
。図1および図2は、それらが球状で、形状、サイズおよび表面荒さに関して非
常に均一な粒子であることを示す粒子の写真を示す。
【0053】 実施例6 実施例3からの粒子のサイズ分布の調査 実施例1および9からの粒子のサイズ分布を特徴付けるために、Mastersizer
を用いて調査を行なった(Malvern Instruments)。調査は、Fraunhoferモード(評
価:多重モード、数)で、1,080g/cm3の密度および0.012%〜0.014%の範囲の体積
濃度で行なった。
【0054】
【表1】
【0055】 実施例7 ポリ(1,4-α-D-グルカン)を含む微粒子からの錠剤の一般的調製方法 270mgの錠剤助剤(ポリ(1,4-α-D-グルカン))および30mgの活性化合物を、ボ
ールミル(Retsch MM2000)中で、10分間100のアンプリチュード(製造業者の情報)
で粉砕する。250mgの均質化された量を採り、圧縮ツール (Perkin Elmer、ラム1
3mmの直径)に移す。圧縮ツールを、圧力下に置く(Perkin Elmer、油圧プレス)。
続いて、材料を、2tの圧力で10分間圧縮する。装置の圧力を開放した後、完成し
た錠剤を、注意深く取り除き、さらなる特徴付け、例えば、安定性測定または放
出実験のために貯蔵する。
【0056】 以下に、比較目的で、錠剤を、公知の錠剤製剤化材料(比較例)、例えば:微結
晶セルロース(Avicel(登録商標))、ジャガイモスターチ(Toffena(登録商標)-Sud
starke) 、およびポリアクリレート(Eudragits(登録商標)-Rohm)から調製する。
【0057】 実施例8 時間の関数としての活性化合物放出の測定 実施例7に従い調製された錠剤の放出を、次のようにして測定する。錠剤を、
50ml Erlenmeyerフラスコ中で、25mlの水(脱イオン水)に加える。開口部を、パ
ラフィルムでカバーする。フラスコを、シェイカーに固定する(IKA Labortechni
k; KS125ベーシック)。シェイカーは、毎分約150のセッティングで操作する。
【0058】 一定の時間後、サンプル−約1.5ml−を、得られた溶液の上清から除去する。
充分量のこの体積を、使い捨てのキュベット(Sarstedt No.67.741)に移し、分光
計(Kontron Instruments, Uvikon 860)中で測定する。個々の活性化合物または
モデル物質に関して起こる吸収極大が適用される。
【0059】 実施例9 さらなる活性化合物の吸収極大 さらなる活性化合物の吸収極大を、実施例10のように測定する。言及された
全ての活性化合物は、その結果として様々な可能な適用について結論を引き出し
得る、徐放効果の観察をもたらす。
【0060】
【表2】
【0061】 実施例10 モデル化合物ビタミンB12により例示される活性化合物に関するカリブレーショ
ン曲線のプロッティング 1%濃度のストック溶液を、100mgのビタミンB12を10mlのメスフラスコ中に秤
量し、脱イオン水を用いてカリブレーション標識まで充満させることにより調製
する。希釈シリーズにより、0.005%、0.01%および0.02%の濃度をこれから調製し
、分光器(Kontron Instruments, Uvikon 860)中で測定する。吸光度を、λ=549n
mの吸収極大で読み取る。さらなる測定ポイントは、直線からの偏差が認識し得
る場合に、必要なだけである。このカリブレーション直線は、活性化合物放出実
験の上清中の濃度測定のための開始点として役割を果たす。他の活性化合物およ
びモデル物質のカリブレーション直線のプロットにおいて、データ収集が同じよ
うに行なわれる。
【0062】 ビタミンB12に関するカリブレーションのグラフ的説明を(水中の吸光度を、濃
度の関数として)、図3に示す。
【0063】 実施例11 ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびその微粒子を用いて製造された錠剤からのビタ
ミンB12の放出に関する実験 インビトロ放出実験の上清の吸光度を、実施例10に記載されるように、特定
の時間後に測定する。測定された吸光度を介してカリブレーション曲線から対応
する濃度値を得るためには、上清を1:10の比率で希釈することが必要かもしれな
い。このファクターは、従って、考慮に入れられる。
【0064】 表3では、数値は、要約された形態で示されている。対応する図4では、数値
は、グラフ中で比較される。最大可能な濃度−実施例8によると、これは0.1%で
ある−は、より明確な説明のために数値100%に等しくされたので、その結果とし
て、どの程度の完了が何時間後に達成されるかについての評価が、より可能にさ
れる。
【0065】
【表3】
【0066】 表3: 本発明により記載された錠剤助剤物質ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびその微粒
子に関する、時間関数としての水性上清の濃度値 様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびb)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の
微粒子の錠剤からのビタミンB12の放出を、図4に示す。
【0067】 実施例12 微結晶セルロース(Avicel(登録商標))およびジャガイモスターチ(Toffena(登録
商標))(比較例)を用いて製造された錠剤からのビタミンB12の放出に関する実験 表4に示す結果が測定され、実施例11に記載されるように計算される。図8
は、本発明により記載される錠剤助剤ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびポリ(1,4-
α-D-グルカン)の微粒子の結果を、比較物質である微結晶セルロース(Avicel(登
録商標))およびジャガイモスターチ(Toffena(登録商標))と、比較形態で示す。
徐放効果は、ここで明らかに認識し得る。 表4: 比較物質である微結晶セルロース(Avicel(登録商標))およびジャガイモスターチ
(Toffena(登録商標))に関する、時間の関数としての水性上清の濃度値
【0068】
【表4】
【0069】 図5: 様々な助剤の錠剤からのビタミンB12の放出を、図5に示す:a)ポリ(1,4-α-D-
グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子、c)微結晶セルロース(Avicel(
登録商標))(比較例)およびd)ジャガイモスターチ(Toffena(登録商標))比較例。
(より明確な説明のために、表3および4に示される数値の平均値を計算した)
【0070】 実施例13 ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子からなるテオ
フィリン錠剤からの放出に関する実験 様々な錠剤助剤からなる錠剤からのテオフィリンの放出に関する実験を、実施
例12と同様に行なう。使用される錠剤助剤は、適切なワーキングアッププロセ
ス(実施例1を参照)後に生物触媒から直接的に得られたポリ(1,4-α-D-グルカン
)、およびポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子である。結果を、図6に示す。それ
ぞれに関して2重の測定を行なったが、それは再度、高い再現性の結果の証拠を
提供する。
【0071】 実施例14 c)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))、d)Eudragit RS(登録商標)およびe)Eud
ragit RL(登録商標)(比較例)からなるテオフィリン錠剤からの放出に関する実験 比較物質である錠剤助剤の錠剤からのテオフィリンの放出に関する実験を、実
施例13と同様に行なう。使用される錠剤助剤は:微結晶セルロース(Avicel(登
録商標))、Eudragit RS(登録商標)およびEudragit RL(登録商標)である。結果を
、図8に示す。それぞれに関して、1つの二重測定を行なった。
【0072】 図6では、実施例13からの放出プロフィールを、比較するために並べる。
【0073】 図6は、様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカ
ン)の微粒子、c)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))、d)Eudragit RS(登録商
標)およびe)Eudragit RL(登録商標)の錠剤からのテオフィリンの放出を示す。
【0074】 実施例15 ポリ(1,4-α-D-グルカン)、さらにポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子および微結
晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)からなるテオフィリン錠剤からの人工
胃液中での放出に関する実験。
【0075】 人工胃液中での、錠剤助剤ポリ(1,4-α-D-グルカン)(微粒子を含む)および微
結晶セルロース(Avicel(登録商標))を有する錠剤からのテオフィリン放出に関す
る実験を、実施例8(人工胃液:2gの塩化ナトリウム、3.2gのペプシン、7mlの濃
塩酸(HClaq)、脱イオン水で1リットルのトータル体積にまでされる)と同様に行
なった。自然環境を反映する媒体を用いるときでさえ、放出における徐放効果は
、再現的に観察され得る。
【0076】 図7は、様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカ
ン)の微粒子およびc)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)の錠剤から
のテオフィリンの放出を示す。
【0077】 実施例16 ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびそれから調製される微粒子からなるRamorelix(
登録商標)錠剤からの放出に関する実験 Ramorelix(登録商標)からの放出に関する実験を、先に記載された実施例に従
い行なった。Ramorelix(登録商標)は、次のアミノ酸配列(構造):1-(N-アセチル
-3-(2-ナフチル)-D-アラニル-p-クロロ-D-フェニルアラニル-D-トリプトフィル-
L-セリル-L-チロシル-O-(6-デオキシ-アルファ-L-マンノピラノシル)-D-セリル-
L-ロイシル-L-アルギニル-L-プロリル)セミカルバジドアセテートを有するLHRH
アンタゴニストである。しかしながら、使用される放出媒体は、脱イオン水の代
わりに、人工胃液であった。人工胃液に関するレシピは、2gの塩化ナトリウム、
3.2gのペプシン、7mlの濃塩酸(HClaq)を、脱イオン水で1リットルのトータル体
積にまでされる。溶液のpHは、1.2である。
【0078】 実施例17 微結晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)からなるRamorelix(登録商標)錠
剤の放出に関する実験 放出に関する実験を、実施例8に記載されるように行なう。使用される放出媒
体は、人工胃液である。
【0079】 図8は、様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカ
ン)の微粒子、c)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)の錠剤からのRam
orelix(登録商標)の放出を示す。
【0080】 実施例18 ポリサッカライドの溶解度の測定 100mgのポリ(1,4-α-D-グルカン)を、5mlの二重蒸留水に加える。反応器を、
攪拌しながら(マグネチックスターラー)ゆっくりと加熱する。それは、20度の間
隔を有する段階的プログラムで加熱され、目視で観察される。40℃、60℃、80℃
および100℃の温度では、いかなる変化も観察されない。これらの観察によれば
、化合物は、特徴的な「水不溶性」であると判定し得る。
【0081】 実施例19 ポリサッカライドの溶解度の測定およびドイツ薬局方(GP)による分類 564mgのポリ(1,4-α-D-グルカン)を、約0.5 lの二重蒸留水中、オートクレー
ブ内で、1.3バールおよび130℃で1.5時間加熱する(Certoclav装置)。予め、反応
器の重量を測定した。続いて、装置内の圧力を開放し、それを室温に冷却する。
含量を、秤量する。それらは、501.74gに対応する。さらに24時間後、混合物を
遠心分離し、上清をデカントする。固体残渣を乾燥し、秤量する:468mg。96mg
の溶解した分画が、それから計算される。使用された溶媒に基づくと、1mgのポ
リ(1,4-α-D-グルカン)に関して、5226mgの水が必要であることが、それから計
算される。ドイツ薬局方の分類によると、1部の物質を溶解させるために、1000
〜10,000部の溶媒が必要であるので、この物質は「極めて溶けにくい」という分
類が、それから得られる。溶解度の分類の7クラス(「極めて溶けやすい」(クラ
ス1)から「ほとんど溶けない」(クラス7))の中で、これは、クラス番号6で
ある。
【0082】 実施例20 ポリサッカライドの溶解度の測定およびドイツ薬局方(GP)による分類 実験を、実施例19のように行なう。唯一の差異は、オートクレーブ処理およ
び室温への冷却後に挿入される冷却プロセスである。物質混合物を、5℃で3時
間貯蔵する。
【0083】 526mgのポリ(1,4-α-D-グルカン)を、約480mlの二重蒸留水中に秤量する。熱
処理の後、最終重量468.09gが生じる。乾燥された沈殿物は、488mgの量になる。
38mgのポリ(1,4-α-D-グルカン)が、従って、溶解した。これは、1mgの物質の、
12,318部の溶媒の比率に対応する。物質は、この処理方法によりGPに特定される
クラス番号7に属し、従って、物質1部に対して10,000部以上の溶媒が必要とさ
れるので、ほとんど溶けないと分類される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 球状で、形状、サイズおよび表面荒さに関して非常に均一な粒子であることを
示す粒子の写真を示す。
【図2】 球状で、形状、サイズおよび表面荒さに関して非常に均一な粒子であることを
示す粒子の写真を示す。
【図3】 ビタミンB12に関するカリブレーションのグラフ的説明を(水中の吸光度を、濃
度の関数として)示す。
【図4】 様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)およびb)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の
微粒子の錠剤からのビタミンB12の放出を示す。
【図5】 様々な助剤の錠剤からのビタミンB12の放出を示す:a)ポリ(1,4-α-D-グルカ
ン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒子、c)微結晶セルロース(Avicel(登録商
標))(比較例)およびd)ジャガイモスターチ(Toffena(登録商標))比較例。
【図6】 様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒
子、c)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))、d)Eudragit RS(登録商標)およびe
)Eudragit RL(登録商標)の錠剤からのテオフィリンの放出を示す。
【図7】 様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒
子およびc)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)の錠剤からのテオフィ
リンの放出を示す。
【図8】 様々な助剤:a)ポリ(1,4-α-D-グルカン)、b)ポリ(1,4-α-D-グルカン)の微粒
子、c)微結晶セルロース(Avicel(登録商標))(比較例)の錠剤からのRamorelix(登
録商標)の放出を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月11日(2000.4.11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グランデ ユールゲン ドイツ国 デー−65812 バド ソーデン アム ヒューベンブッシュ 36 (72)発明者 ベーム ギィッテ ドイツ国 デー−60439 フランクフルト アム マイン イム ブルクフェルト 243 (72)発明者 シュネラー アーノルド ドイツ国 デー−64409 メッセル ベル リナー シュトラーセ 37 Fターム(参考) 4C076 AA37 AA38 BB01 CC15 CC24 CC32 DD67 FF04 FF31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の水不溶性の直鎖ポリサッカライドを徐放性
    物質として全面的または部分的に含む、徐放性錠剤。
  2. 【請求項2】 バイオテクノロジー方法で調製された少なくとも1種の水不
    溶性の直鎖ポリサッカライドを全面的または部分的に含む、請求項1に記載の徐
    放性錠剤。
  3. 【請求項3】 生物触媒方法により調製された少なくとも1種の水不溶性の
    直鎖ポリサッカライドを全面的または部分的に含む、請求項1に記載の徐放性錠
    剤。
  4. 【請求項4】 発酵方法により調製された少なくとも1種の水不溶性の直鎖
    ポリサッカライドを全面的または部分的に含む、請求項1に記載の徐放性錠剤。
  5. 【請求項5】 直鎖の水不溶性ポリサッカライドから得ることができる徐放
    性錠剤。
  6. 【請求項6】 少なくとも1種の水不溶性の直鎖ポリ(1,4-α-D-グルカン)
    を全面的または部分的に含む、請求項1〜5の1つに記載の徐放性錠剤。
  7. 【請求項7】 水不溶性の直鎖ポリサッカライドが全面的または部分的に微
    粒子として存在する、請求項1〜6の1つ以上に記載の徐放性錠剤。
  8. 【請求項8】 生物学的適合性および/または薬学的に許容されるものであ
    る、請求項1〜7の1つ以上に記載の徐放性錠剤。
  9. 【請求項9】 活性化合物の制御放出のための、請求項1〜8の1つ以上に
    記載の徐放性錠剤の使用。
  10. 【請求項10】 1種以上の活性化合物、および適切な場合、さらに添加剤
    および助剤を含む、請求項1〜9の1つ以上に記載の徐放性錠剤。
  11. 【請求項11】 薬学的組成物として治療効果を達成する、請求項1〜10
    の1つ以上に記載の徐放性錠剤。
  12. 【請求項12】 製剤としての、好ましくは経口投与形態としての、請求項
    1〜11の1つに記載の徐放性錠剤の使用。
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