JP2002511113A - ジラクトン環を有する新規なモノマー及びこれに対応するポリマー - Google Patents

ジラクトン環を有する新規なモノマー及びこれに対応するポリマー

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Abstract

(57)【要約】 本発明はジラクトン環を有するなモノマー及びこれに対応するポリマー、その製造並びにこれらのるポリマーを含有する材料に関する。このモノマーは式IIIa(式中、Rはアルドン酸、ウロン酸又はアルダン酸のごとき、糖から誘導される酸の残基であり、Xは、特に、場合により、アルキル、アリル、アリール又はアラルキルの少なくともに一つよって置換されている、メチレン又はエチレン基を表わす)で表されるものである。対応するモノマーは分解性の無毒製品の形であり、例えば、包装(フィルム)又は医薬(移植片)に使用するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ジラクトン環を有する新規なモノマー及びこれに対応するポリマー 本発明はジラクトン環を有する新規なモノマー及びこれに対応するポリマー、 その製造並びにこれを含有する材料に関する。周知のごとく、医療と外科の分野 においては、例えば、骨接合用部材、医薬徐放性移植片、縫合糸を製造するため に、現在、生体適合性の(biocompatible)かつ生体吸収性の(bioabsorbable)ポ リマーが利用され、研究されている。 生体適合性及び/又は生体分解性のポリマーは、また、環境保護に関連する制 約が増大していることから、農産食品(agri-foodstuff)産業を含む、産業分野で 製造される製品用の包装材料の製造においても大きな興味がもたれている。 従って、無毒性の物質に分解できかつ種々の特性(特に、機械的、熱機械的、 物理化学的特性)を有するある種のポリマーを提供し得ることは重要なことであ る。 今般、上記した分野で大きな有用性を有するポリマーを得るための新規なモノ マーが見出だされた。 無毒性の物質をベースとする生体分解性のポリマーを製造するためには、毒性 の無い化合物、特に、天然製品に分解できる材料を得ることを希望する場合には 、特に複雑な化学合成を必要としないという利点を有する農産、植物又は動物に 由来する原料を利用できることが望ましい。 農産起源の物質の内、糖(ose)及びその誘導体により、より豊富でしかも比較 的安価な原料が提供される。 しかしながら、これらを利用する場合、種々の問題、特に、多数のヒドロキシ ル基が存在し、これらが全て、反応することができ、従って、一定の製品を得る ことが困難であるという問題が生じる。 この問題は、ヒドロキシル基の幾つかを、既知の方法で、適当な保護基により 一時的にまたは完全に、選択的に保護することにより解決し得る。しか しながら、かかる保護基の利用は、遭遇する問題の全てを解決するには、不十分 である。従って、本発明者は、その研究の過程で、δ−ラクトンが重合性である ことは周知であるが、ラクトン環の形成に関与していないヒドロキシル基が保護 されているδ−グルコラクトンは低分子量のオリゴマーの形成を最も良好に抑制 することを知見した。 今般、ジラクトン環を有する、かつ、特に所望の場合には重合度の十分に大き い重合体を提供する新規なモノマーが見出だされた。かくして、例えば、特に、 コモノマーのそれぞれの比率を調節することにより、その特性を容易に制御し得 る全範囲のコポリマーを製造し得る。本発明のモノマーを構成する、ジラクトン 環を有する化合物は、式IIIa: [式中、Rは糖(ose)から誘導される酸R-CHOR-CO2Hの残基であり、R中に存在す る官能基は場合により置換されている;Xは基-C(R1)(R2)-又は-C(R1)(R2)-C(R3 )(R4)-(式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、Hまたはアルキル、アリル 、アリール又はアラルキル基を表す)を表す]で表される。 本発明は、更に、式IIIのモノマーと、場合により、他のコモノマーとから得 られたポリマー(ホモポリマー及びコポリマー)に関する。これらのポリマーは 式I: -[-O-CH(R)-CO-O-X-CO-]- (I) (式中、R及びXは前記の意義を有する)の単位を含有している。 本明細書において、アリール基という用語は、アラルキル基中に存在するもの も含めて、特に、場合により置換されているフェニル基を意味し、アルキル基は 、特に、1〜4個の炭素原子を有するものである。 本発明のポリマーは、特に、例えば1000〜約300万の平均分子量を有する線状 ポリマーである。 糖から誘導される酸は、例えば、3〜7個の炭素原子、特に、4〜6個のの炭 素原子を有する糖、例えば、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、 リキソース、キシロース、アラビノース、リボース、グルコース、ガラクトース 及びマンノースであって、その種々の異性体の形、特に、D系列の異性体から誘 導されたものである。糖から誘導される酸は、特に、アルドン酸、ウロン酸及び アルダン酸である。 アルドン酸としては、特に、グルコン酸、マンノン酸、ガラクトン酸、リボン 酸、アラボン酸、キシロン酸及びエリトロン酸が挙げられる。 ウロン酸としては、例えば、グルクロン酸、ガラクツロン酸及びマヌロン酸が 挙げられる。 アルダン酸としては、特に、タルトロン酸及び酒石酸、グルカン酸、ガラクタ ル酸及びキシラン酸が挙げられる。 上記のしたことから、以下のことが判る: −糖から誘導される酸がアルドン酸、即ち、式: H-(CHOH)m-CO2H (式中、mは、特に、2〜6の整数である)の酸である場合には、式IIIのモノマ ーは、特に、Rが基: H-(CHOH)m-1- であるか、又は、1個又はそれ以上のヒドロキシル基が置換されている対応の基 であるモノマーである; −糖から誘導される酸がウロン酸、即ち、式: O-CH-(CHOH)p-CO2H (式中、pは、特に、1〜5の整数である)の酸である場合には、式IIIのモノマ ーは、特に、Rが基: O-CH-(CHOH)p-1- であるか、又は、1個又はそれ以上のヒドロキシル基が置換されている対応の基 であるモノマーである; −糖から誘導される酸がアルダン酸、即ち、式: HO2C-(CHOH)q-CO2H (式中、qは、特に、1〜5の整数である)の酸である場合には、式IIIのモノ マーは、特に、Rが基: HO2C-(CHOH)q-1- であるか、又は、1個又はそれ以上のヒドロキシル基が置換されている対応の基 及び/又はカルボキシル基が変性されている、例えば塩化されているか又はエス テル化されている対応の基であるモノマーである;また、qが少なくとも2に等 しい数である場合には、式IIIのモノマーは、容易に理解されるごとく、両端に ジラクトン環を有する誘導体の形を採ることができる;換言すれば、この場合、 Rは式VI: (式中、qは2〜5の整数である)の基であり得る。 二つのジラクトン環を有する、これらの最後のモノマーは、重合剤を構成する という利点ばかりでなしに、二官能特性を有することから、特に、ラクトンと反 応し得る任意のポリマー、即ち、アルコール官能基、酸官能基(カルボン酸、ヘ ミサルフェート、ジホスフェート、スルホン酸)、又は更に、第一又は第二アミ ン官能基のごとき移動し得るプロトンを有する官能基を含有する任意のポリマー を架橋させることのできる架橋剤を構成するという利点も有する。 保護されたヒドロキシル基、又はより一般的には、置換されたヒドロキシル基 を得る方法は既知である。 ヒドロキシル基の保護及び場合により脱保護は既知であり、従って、ここでは 詳述はしない;例えばT.W.Green,Protective groups in Organic Synthesis,P GMWuts,Wiley-Interscience Publication,USA(1991)を引用し得る。 より一般的には、本明細書においては、保護された基(又は官能基)という用 語は、置換により可逆的に又は不可逆的に変性された基を意味している (この意味からは、“保護された”という用語と“置換された”という用語は同 一の意義を有する):置換基は、通常の意味においては、保護基であるか又は( 一時的であるか否かに拘らず)保護的役割に他に、薬剤学的又は美容学的活性、 着色力、蛍光特性、植物の病害抑制特性、特に、殺虫効果(例えば殺虫剤)、熱 可逆特性、感熱又は感光特性等の有用な特性をもたらし得る基である。従って、 本明細書においては、“保護基”という用語は、一般的には、上記した置換基を 意味するものとする。 一時的であるか否かに拘らず、ヒドロキシル基を保護し得る基は知られている 。例えば下記のものが挙げられる: −メチル、ビニル、ベンジル、トリチル、テトラヒドロフラニル、p-ニトロベ ンジル、3,4-ジメトキシベンジル及び2-メトキシエトキシメチルエーテルのごと きエーテル;又はトリアルキルシリルエーテル、アルキルジフェニルシリルエー テル及びアルキルフェニルアルコキシシリルエーテルのごとき、対応するハロゲ ン化シリルとアルコールとの反応により得られるシリルエーテル; −エステル、特に、アルキルスルホン酸塩を包含するスルホン酸塩、ジアルキ ル燐酸塩を包含する燐酸塩、硼酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、ピバル酸塩、硫酸塩 、硝酸塩等; −カルボニル化合物又はその誘導体(特にアセトン、ベンズアルデヒド及びホ ルムアルデヒド)と、保護すべきヒドロキシル基を担持する化合物上のα又はβ 位に相互に位置する2個の炭素に担持された2個のヒドロキシル基とを反応させ て得られる環状アセタール;上記反応では、特に、対象とする2個のヒドロキシ ル基を結合するイソプロピリデン、ベンジリデン又はメチレン基を含む環状アセ タールが得られるが、例えばグルコン酸と、パラホルムアルデヒドとの反応によ り、2,4-3,5-ジアセタールが得られ、アセトンとの反応により、3,4-5,6-ジアセ タールが得られる。 出発物質として使用される糖から誘導される酸のカルボキシル基に対してα位 のヒドロキシル基の一時的保護方法(この保護は、他方のヒドロキシル基を保護 する工程を行う前に必要であることが証明されている)は、金属錯 体を形成させることからなる。実際に、アルドン酸及びアルダン酸は種々の金属 (特に、銅、鉄、錫、バリウム)と錯体を形成することは知られている。 例えば、キシラル酸の場合、カルボキシル基に対してα位にある2つのヒドロ キシル基は、例えばメトキシトルエンを使用して環状アセタールを形成させるこ とにより、一時的に保護することができる。ついで、2-メトキシエトキシメチル クロライドを使用して、残りの未保護のヒドロキシル基を保護して対応するエー テルを形成させ得る。ついで、接触水素添加によりα位にある2つのヒドロキシ ル基を遊離させ得る。 酒石酸の場合には、特にヒドロキシル基の保護を行わずに、式IIIa(Rは式VI の基を表す)の化合物を得られることが指摘される。 前記したごとく、式Iの単位中の基R中に存在する官能基は、場合により、前 記した保護基により置換される。 式IIIaのモノマーは、従来の方法によりホモ重合又は共重合させ得る。重合は ヒドロキシル基及び場合により存在するカルボキシル基が保護されている式IIIa のモノマーについて行われることが好ましい。重合条件は、特殊な共重合の場合 については後述する条件である。重合後、保護された基を全体的に又は部分的に 脱保護し、ついで、所望ならば、官能化(functionalize)して(特に、エステル 化、エーテル化等)、望ましい特性、例えば、生体分解性及び/又は、生体吸収 性、(水又は他の溶剤中への)溶解性、親水性又は疎水性、機械的強度特性、ガ ス透過性、架橋特性等を付与し得る化学的な基をポリマーに導入し得る。 例えば、ポリマーを脂肪鎖により官能化することにより、特に、オクテニルコ ハク酸無水物のごときアシルコハク酸無水物又はアルケニルコハク酸無水物を使 用して官能化することにより、ポリマーの非極性特性(apolarchracter)を増大さ せることができる。 本発明のポリマーの溶解性及びガラス転移温度は、脱保護したヒドロキシル基 の反応性を利用して架橋させることにより、又は、シリカ又は粒状デンプンのご とき多官能化合物にポリマーをグラフトさせることにより調節できる。前記した ごとく、架橋は、2個のラクトン環を有するアルダン酸から誘 導された式IIIaの化合物について行い得る。 本発明のモノマー及びポリマーは農業、製薬、医療、外科、農芸化学、製紙、 包装等の多くの分野で利用し得る。これらの利用分野では、本発明のポリマーは 、場合により、レオロジー変性剤、サイズ剤、懸濁剤、バインダー、表面活性剤 、架橋剤又は包装助剤として利用し得る。 本発明のポリマーは、特に、包装の分野で(場合により金属箔又は紙シート上 に被覆されたフィルムの形で)、医療及び外科の分野で(骨接合部材、移植材料 又は医薬徐放性微小球、縫合糸として)、製紙の分野で(紙の被覆剤として)、 農業の分野で(フィルムを使用する苗床用として)利用し得る。 式IIIaのモノマーは、移動し得るプロトンを含有する他の任意のモノマー、特 に、 −糖又は糖の誘導体、特に、ペントース及びヘキソース; −酸、特に、非糖構造(non-osidic)ジカルボン酸、特に、イタコン酸のごとき 5個又はそれ以上の炭素原子を有する酸; −ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ラクチド又はグリコリドのごときラク トン; −欧州特許 EP 735104号に記載されるごときポリマー、例えばデンプン及び その誘導体、セルロース及びその誘導体、蛋白質及びその誘導体、ビニル又はア クリル重合体; −ジラクトン環又はモノラクトン環を形成することのできるヒドロキシ酸HO-L -CO2H; と共重合し得る。 ジラクトン環を形成することのできるヒドロキシ酸HO-L-CO2Hは、例えば、式 : HO-C(R5)(R6)-CO2H (式中、R5及びR6は、独立して、H、アルキル、アリール(特に、フェニル) 又はカルボキシアルキル(特に、カルボキシメチル)を表す)で表されるα−ヒ ドロキシ酸であり、この酸は式IV: のジラクトン環を形成することができる。 これらのヒドロキシ酸は、特に、置換基R5とR6の少なくとも一方がHである もの、例えば、グリコール酸又は乳酸、マンデル酸及びリンゴ酸である。従って 、これらのヒドロキシ酸を用いて形成される式IIの単位は下記のごときものであ る: -[-O-C(R5)(R6)-CO-]- R5及び/又はR6中に存在し得るカルボキシ基は、遊離の形であるか又は保護 された形でりあり得る。 モノラクトン環を形成することのできるヒドロキシ酸HO-L-CO2Hは、特に、カ ルボキシル基に対してγ、δ又はε位にヒドロキシル基を有するヒドロキシカル ボン酸である。特に、少なくとも6員の環を形成するモノラクトンを生じること のできるヒドロキシ酸を挙げることができる。 少なくとも6員の環を形成するラクトンを生じることのできる、式HO-L-CO2H のヒドロキシ酸は、特に、ラクトンの形成に関与しないヒドロキシル基が遊離の 形であるか又は保護された形でりあり得る、前記したごとき少なくとも5個の炭 素原子を有するアルドン酸から選ばれる。 少なくとも6員のラクトン環を形成することのできるヒドロキシ酸としては、 特に、5-ヒドロキシペンタン酸、2,3,4-トリメトキシ-5-ヒドロキシペンタン酸 又は6-ヒドロキシヘキサン酸が挙げられる。 本発明は、特に、式I: -[-O-CH(R)-CO-O-X-CO-]- (I) [式中、Rは糖から誘導される酸R-CHOH-CO2Hの残基であり、R中に存在する官 能基は場合により置換されている;Xは基-C(R1)(R2)-又は-C(R1)(R2)-C(R3)(R4 )-(式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、Hまたはアルキル、アリル、ア リール又はアラルキル基を表す)を表す]で表される単位を、単位の合計数に基 づく単位の数で表して、1〜99%と、 式II: -[-O-L-CO-]- (II) (式中、Lはジラクトン環又はモノラクトン環を形成することのできるヒドロキ シ酸から選ばれたヒドロキシ酸HO-L-CO2Hの残基を表す)で表される単位を、単 位の合計数に基づく単位の数で表して、少なくとも1%含有するコポリマーに関 する。 本発明のコポリマーとしては、特に、式IIの単位を少なくとも5%含有するコ ポリマー、特に、式IIの単位を5〜95%含有するコポリマーを挙げることができ る。 本発明のホモポリマー及びコポリマーは、粉末、微小球、フィルム、成形物(m oldings)、押出物等に転化することができ、これらは慣用の方法で製造し得る。 本発明は、更に、酸: R’-CHOH-CO2H (式中、R’は糖から誘導される酸の残基であり、R’中に存在し得るヒドロキ シル基は保護されていてもよい)を、式: Y-X-CO-Z (式中、Xは請求項1で定義したものであり、Y及びZは、独立して、ハロゲン を表す)の酸クロライドと反応させて、式V: Y-X-CO-O-CH(R’)-CO2H (V) の化合物を製造し、これを、分子内環化により、式III: の化合物に転化し; −所望ならば、式IIIの化合物を単独重合により、又は、他のコモノマーとの共 重合により重合させ; −所望ならば、R’中のヒドロキシル基の少なくとも幾つかを脱保護及び/又は 官能化し;そして、 −所望ならば、得られたコポリマーを粉末、微小球、フィルム、成形物、押出物 等に転化する;ことからなる、前記モノマー又はポリマーの製造方法に関する。 本発明は、特に、前記したごときモノマー又は材料又は最終製品の製造方法に 関する。特に、本発明は、 a)式III: (式中、R’は糖から誘導される酸R’-CHOH-CO2Hの残基であり、R’中に存在 し得るヒドロキシル基は保護されていてもよく、X、R1、R2、R3及びR4は前 記で定義したものである)のモノマーの少なくとも一つと、前記したごときヒド ロキシ酸HO-L-CO2Hから誘導されるジラクトン及びモノラクトンから選ばれたモ ノマーの少なくとも一つとを、共重合を生起させる条件下で反応させ; b)所望ならば、R’中のヒドロキシル基の少なくとも幾つかを脱保護及び/又は 官能化し:そして、 c)所望ならば、得られたコポリマーを粉末、微小球、フィルム、成形物、押出 物等に転化する;ことからなる方法に関する。 従って、本発明の共重合方法は、a)前記したごとき式IIIの化合物を、a)式IV の化合物、例えば、グルコリド又はD-,L-又はDL-ラクチド、及び/又は、b)モノ ラクトン、特に、少なくとも6員の環を形成するモノラクトン、特に、5又は6 個の炭素原子を有するアルドン酸のラクトン(例えば、δ−ルコノラクトン)、 δ−バレロラクトン又はε−カプロラクトンと反応させることからなる。 式IIIの化合物と式IVの化合物又はモノラクトンとの共重合は、塊状で又は溶 剤溶液中で、通常、適当な触媒又は開始剤の存在下で行い得る。 反応温度と反応時間は、特に、使用される反応剤と、製造する共重合体の平均 分子量により変動する。これらのパラメーターは簡単な日常試験によっ て容易に決定し得る。重合反応は通常、20〜200℃の温度で、不活性雰囲気下又 は密閉容器中で、数分〜30日間行われる。 共重合反応で使用される開始剤又は触媒はこの種の反応について既知のもので あり、特に、オクタン酸錫、テトラフェニル錫、粉末状金属亜鉛、乳酸亜鉛、ア ルコキシアルミニウム化合物及びランタニド又はイットリウム誘導体が挙げらる 。 得られた重合体は慣用の方法で精製し得る。 得られた共重合体の保護基の全て又は一部を脱保護すること及び/又は脱保護 基又は非保護基を官能化することができる。官能化は、特に、前記した脱保護さ れた基又は保護されていない基を前記した他の保護基で置換することからなる。 官能化により、特殊な特性、特に、製剤学的特性(医薬から誘導される置換基 を使用)、物理的特性(例えば,熱的特性又は溶解性)及び物理化学的特性(例 えば親水性又は疎水性)、又は、特殊な化学的特性、例えば、生分解性、及び/ 又は生分解性をコポリマーに付与し得る。二官能性薬剤による官能化により、架 橋を行わせ得る。例えば、イタコン酸のごときジカルボン酸は、ポリマーのヒド ロキシ基との反応により架橋を可能にし、ポリオール(例えば、糖又はポリエチ レングリコール)は、ポリマーの予め活性化させたカルボキシル基との反応によ り架橋を可能にする。 式IIIの出発物質は、前記した酸R’-CHOH-CO2Hと、式: Y-X-CO-Z (式中のXは前記の意義を有し、Yはハロゲン、特に塩素、又は、好ましくは臭 素であり、Zはハロゲン、特に臭素、又は、好ましくは塩素である)の酸クロラ イドとを反応させることにより調製し得る。 この反応により、式V: Y-X-CO-O-CH(R’)-CO2H (V) の化合物が得られ、この化合物を分子内環化を行いかつハイドロハロ酸YHを除去 することにより、式IIIの化合物に転化する。 本発明のコポリマーはA−B型、A−B−A型又はB−A−B型のランダ ム共重合体又はブロック共重合体であり得る;Aは、例えば、式Iの単位から構 成される重合生成物であり、Bは使用されたコモノマーから誘導された単位、例 えば、式IIの単位から構成される重合生成物である。ブロック共重合体は、コモ ノマー、例えば、モノラクトン又はジラクトンを添加する前に式IIIの化合物の 重合を開始させることにより特に得られ得ることは容易に理解されるであろう。 IIIから誘導される単位と、コモノマーから誘導される単位、特に、IVから誘 導される単位(又はモノラクトンから誘導される単位)のそれぞれの比率を変化 させることにより、コポリマーの特性を調節し得る。例えば、化合物IIIがグル コン酸誘導体であり、化合物IVがラクチドである場合、コポリマーのガラス転移 温度は、化合物IIIから誘導される単位の割合を増大させた場合、ポリ乳酸のガ ラス転移温度と比較して、高くなることが認められた(後記実験の部参照)。 以下の実施例は本発明を例示するものである。 実施例 以下の実験の部では次ぎの省略略号を用いる。 Tf: 溶融温度 Tv: ガラス転移温度 DMF: ジメチルホルムアミド エーテル: エチルエーテル PLA50: ポリ(D,L-ラクチド) δ-グルコノラクトン δ-D-グルコラクトン グルコン酸 D-グルコン酸実施例1DIPAGYL (グルコン酸から誘導されるモノマー)の製造 A.3,4-5,6- ジイソプロピリデン-グルコン酸メチル(MDIPAG)の製法 20gのδ-グルコノラクトン,34cm3の2,2-ジメトキシプロパン,20cm3のアセト ン、6cm3のメタノール及び0.24gのp-トルエンスルホン酸を混合する。 得られた不均一混合物を室温で48時間撹拌すると,反応が進むにつれ均一化する 。 減圧下、30℃で溶剤を蒸発させる。蒸発残渣をエーテルに溶解し水洗する。硫 酸マグネシウムを用いて有機相を乾燥し、次いで溶剤を蒸発させる。 得られた生成物は無色の粘稠油状を呈し,水およびヘキサン中には不溶である が、エーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、ジオ キサンおよびDMF等の有機溶剤には溶解する。 〔α〕D=-1.8°cm2/g(589nm,ジオキサン) 赤外線スペクトル、1H及び13CNMRスペクトルは目標構造と一致している。 B.3,4-5,6- ジイソプロピリデン-グルコン酸(DIPAG)の製造 2903gのMDIPAGを1モルNaOH溶液の80cm3に溶解させる。撹拌しつつ80℃で10分 間溶液を加熱する。次いで0℃に冷却し,0℃に冷却した2モルの塩酸溶液を加え てpHを2に調整する。ジクロロメタンで抽出し,得られる有機相を硫酸マグネシ ウムを用いて乾燥させ,減圧下で蒸発濾過する。 エーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン、ジオキ サン及びDMF等の有機溶剤に可溶で,アルカリ側のpHで水に溶解する白色の粉末 が得られる。酸性側のpHで生成物が再沈殿してくるが,このものは炭化水素系溶 剤には不溶である。 Tf=154℃ 〔α〕D=-1.6°cm2/g(589nm,ジオキサン) C.2- ブロモアセチル-3,4-5,6-ジイソプロピリデン-グルコン酸(BIDIPAG)の 製造 25.1gのDIPAGを窒素気流中で300cm3のエチルエーテル中に溶解させる。常温で 30分間撹拌しつつ塩化ブロモアセチルの8cm3を添加する。15分間反応させた後 ,溶液を0〜5℃の間で冷却し、温度が5℃を越さない程度でトリエチルアミン の15cm3を加える。混合物を5℃で4時間撹拌しながら放置する。次いでエーテ ルの450cm3を加える。有機相を塩酸水溶液で洗浄し,硫酸マグネシウム上で乾燥 し、溶剤を蒸発させる。エーテル,トルエン,テトラヒドロフラン、クロロホル ム、アセトン、ジオキサン、DMF及びメタノール に可溶で、水には溶けず、ヘキサンとシクロヘキサン(熱)に一部可溶の油状を 呈する生成物が得られる。加水分解に鋭敏なこの生成物はフリーザ中に貯蔵する 。 〔α〕D=+14.1°cm2/g(589nm,ジオキサン) 赤外線スペクトル、1H及び13CNMRスペクトルは目標構造と良く一致している 。 D.3-(1,2-3,4- テトラオキソブチル-ジイソプロピリデン)-1,4-ジオキサン-2, 5-ジオン(DIPAGYL)の製造 BDIPAGの31.8gをDMF100cm3に溶解させる。得られた溶液を40℃で強く撹拌し、 11.4gのNaHCO3と1lのDMFとの混合物に5時間で加え,添加後、4時間撹拌を続 ける。減圧下で溶剤を蒸発し残渣はエーテル抽出する。抽出物を水洗後,硫酸マ グネシウムを用いて乾燥し、次いで減圧下で溶剤を蒸発させる。残渣はジクロロ メタン/ヘプタン4:1(V:V)混合物を溶離剤として使用して、シリカカラムで のクロマトグラフイー精製を行なう。 目的の生成物含有の留分を集め、溶剤は蒸発させる。蒸発残渣はシクロヘキサ ン/ヘブタンの3:1(V:V)混合物中で再結晶させる。 生成物は減圧下(0.1Pa)、85℃で昇華させ精製することが出来る。白色結晶 (Tf=87℃)が得られ,これを不活性気流(アルゴン)中で貯蔵する。 赤外線スペクトルと1HNMRによるスペクトルは目標構造に一致している。 生成物はエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、アセトン 、ジオキサン、DMF、メタノールおよび(熱)シクロヘキサンに溶ける。 〔α〕D=-29.2°cm2/g(589nm,ジオキサン) これと同様に,前記C)の段階で塩化ブロモアセチルの代わりに塩化ブロモプロ ピオニルを使用することにより、グルコン酸から誘導される、式III-(Xは-CH( CH3)-を表す)の化合物が得られる。実施例2: 3-(1,2- ジオキソエチル-イソプロピリデン)-ジオキサン2,5-ジオン の製造 a)出発物質としては,エリスロノラクトンと平衡状態のエリスロン酸を 含有する溶液を使用する。この水溶液には、29.4重量%のエリスロン酸と30.4重 量%のエリスロノラクトンが含まれている。この溶液の20gを60℃,減圧下で蒸 発させる。白色粉末が得られ、これをメタノール中で再溶解させ,エーテルを使 って沈殿させる。減圧下で沈殿を濾過し、乾燥させる。9.5gのエリスロノラクト ンが得られ、これをP-トルエンスルホン酸の50mgを加えたメタノール50cm3中に 溶解させる。溶液を3時間還流させる。ラクトン環の開環とメチルエステルの生 成赤外線分光分析で確認出来る。3時間の反応後には変化は観察されない。反応 媒体を冷却し、2,2-ジメトキシプロパンの30mlを加える、20℃で24時間撹拌する 。次いでOHイオン交換樹脂の1.5gを加える。2分反応させた後、混合物を濾過し 、溶剤を蒸発させる。ここで3、4-イソプロピリデンエリスロン酸メチルを得る 。 b)この生成物8.7ggを1.2モルの水酸化ナトリウム水溶液の45cm3中に溶解する 。2分撹拌した後溶液を0℃に冷却し、0℃に冷却した1モル塩酸水溶液を加え て、pHを7になるように調整する。この溶液を20cm3になるまで蒸発、濃縮し、 0℃に冷却する。十分な量の塩化ナトリウムを加えて飽和溶液を得る。0℃に冷 却した1モル塩酸溶液を加えて溶液のpHを2に調節し、0℃に冷した1lのジク ロロメタンを用いて抽出する。有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させることによ り、3、4-イソプロピリデンエリスロン酸が得られる。赤外線スペクトルは目標 構造と一致している。 c)ジクロロメタン60cm3中に3.2gの3,4-イソプロピリデンエリスロン酸を溶解 する。窒素雰囲気中で撹拌しつつ1.9cm3の塩化ブロモアセチルを加える。これを 0℃に冷却し、温度が5℃を越さないように4.2cm3のトリエチルアミンを滴加す る。混合物を3時間撹拌し、次いでジクロロメタンで抽出する。抽出物を水洗し 、硫酸マグネシヴム上で乾燥する。抽出物を濾過し、溶剤を蒸発させると、3、4 -イソプロピリデンエリスロン酸2-ブロモアセテートが得られる。 d)この生成物4.2gをジメチルホルムアミド中に溶解する。この溶液を撹拌しつ つ1.9gのNaHCO3と100m3のジメチルホルムアミドとの混合物に加え,引き続き4 時間撹拌する。溶剤は蒸発し残渣をエーテルで抽出して水洗する。 エーテルを蒸発させ、得られた製品をシリカカラム上でのクロマトグラフイーに より精製し、ジクロロメタン/ヘプタンの9:1(V:V)の混合物を用いて溶離する。 目的生成物を含む留分を集積し、溶剤を蒸発させ、シクロヘキサン中で残渣を再 結晶させる。得られた3-(1,2-ジオキソエチルイソプロピリデン)-ジオキサン-2, 5-ジオンは融点92℃の固体である。この物質は減圧下(103mm水銀柱,即ち0.13P a)、80℃での昇華により精製することが出来る。赤外線スペクトル、1HNMRス ペクトルは目標の構造と良く一致している。 上記のC)段階で塩化ブロモアセチルの代りに塩化2−ブロモプロピオニルを使 用することにより,Xが-CH(CH3)-である、エリスロン酸から誘導された式IIIの 化合物が得られる。実施例3: 3-(1,2-3,4- テトラオクソブチルジイソプロピリデン)-1,4-ジオキサ ン-2,5-ジオン(DIPAGYL)のホモ重合 1gのDIPAGYLを密封管に充填する。モノマーを溶融状態にしついで真空−窒素 の反復サイクル操作により脱ガスする。次いで窒素気流下で反応開始剤を装填す る。塊状重合試験を行うために、反応管は真空下で密閉する。この管を撹拌しな がら7日間1100℃で放置する。実験条件を表1に示した。。 表1:3-(1,2-3,4-テトラオクソブチルジイソプロピリデン)-1,4-ジオキサン-2, 5-ジオン重合条件 注*〔A/M〕=開始剤/モノマーのモル比 重合反応の終わりで得られる生成物は異なる外観を有する。 得られた生成物の分子量を求めるため、ジオキサンの有機基質中でサイズ排除 クロマトグラフィー(SEC)により分析を行なった。 異なる分子量を示す留分の分離するための、試料1をジオキサン中に溶解しエ タノール中で沈殿させて精製した。 精製後にSEC技術を使って分子量を測定した結果を、表2に示す。 表2:DIPAGYLを重合して得られた生成物の、精製後の分子量 実施例4: 3-(1,2-3,4- テトラオキソブチルホジイソプロピリデン)1,4-ジオキ サン-2,5-ジオン(DIPAGYL)とD,L-ラクチドとの共重合 DIPAGYLとD,L-ラクチドとを共重合させることにより、ポリエステル型のコポ リマー族を得ることができ、その物理化学的及び機械的特性を原料コモノマーの 比率に応じて調節することができる。 DIPAGYLとD,L-ラクチドを丸底フラスコ内に充填し、90℃で真空(103mbar)状 態としついで冷アルゴン気流を通過させることからなるサイクルを3回繰り返し て脱ガスした。反応開始剤/コモノマーのモル比は1/600とする。フラスコは減 圧下で密封し、これを油浴中に漬ける。フラスコは共重合期間、傾斜軸の周りを 回転させる。共重合反応は120℃の温度で真空下に5日間行なわせる。反応の終 期に反応混合物を冷却し、圧力は常圧に戻す。反応混合物をアセトン中に溶解し ,濾過して不溶解留分を除去し、ついでメタノール中でコポリマーを再沈殿させ ることにより、粗コポリマーが得られ、これはサイズ排除クロマトグラフィーで 精製できる。DIPAGYLのモル%をそれぞれ50%、30%及び15%を含有するモノマ ーの混合物から三種のコポリマーを合成した。その測定結果を下表に示す。 注(1)NMRで測定したモル% (2)重量平均分子量 (3)多分子性指数 共重合収率は約90%である。 1H及び13CNMRによるスペクトルは目標構造と良く一致している。 得られたコポリマーは非晶質である。PLA中にDIPAGYL単位を組み込むことによ り,ガラス転移温度は著しく変動を受け,下表に見られるごとくコポリマー中の DIPAGYLの比率と共に増大している。 ポリ(DIOAGYL-Co-D,L-ラクチド)はフイル形成性であり、成形用のポリマーで ある。フイルムは特にアセトンまたはジオキサン等の溶剤中のコポリマー溶液を 蒸発させることにより得られる。 注型部材は例えば以下の成形条件で得ることが出来る。 ・150℃で30分間型を予熱する。 ・粉末状でポリマーを析出させる。 ・加圧を行なわずに3分間加熱する。 ・圧力を5MPa/分から20MPaまで高めて成形する。 ・圧力を止め常温で冷却する。実施例5:アルコール官能基の脱保護 実施例4で得られたポリ(DIOAGYL-Co-D,L-ラクチド)はアセタール保護基によ り保護されたアルコール官能基を含有している。酸性域中でこの保護基を取り除 くことにより、対応するポリヒドロキシルポリマーが得られる。 例えば,実施例4で得られたコポリマー3の1gをジクロロメタンの10cm3に溶 解する。更に1.5cm3の水と10cm3のトリフルオロ酢酸を5℃で添加する。混合物 を5分間撹拌し、ついで、エーテル100cm3を補給する。ポリヒドロキシルポリマ ーが析出してくるので、これを傾瀉分離して,減圧下で乾燥 する。 1HNMRにより測定したアルコール官能基の脱保護率は50%程度である。 部分的に脱保護されたコポリマーの重量平均分子量は、原料コポリマーの重量 平均分子量の約75%を示す。実施例6: キシラル酸から誘導される式IIIの化合物の製造 P-トルエンスルホン酸の存在下で,キシラル酸にジメトキシトルエンおよびメ タノールを反応させる。常温で3日撹拌した後、減圧下で冷溶剤を蒸発させる。 精製後には2,4−ベンジリデンキシラル酸メチルが得られる。 得られた生成物をクロロホルムに溶かし,0℃のもとで窒素気流下、ジイソプ ロピルエチルアミンの2.4当量を加える。10分反応させた後、同一条件で塩化メ トキシエトキシメチルを加える。混合物を14時間、60℃に保持する。常温まで冷 却し、ついで、ジクロロメタンで抽出する。抽出物を塩酸の希薄水溶液で洗浄し 、ついで水洗する。有機相を乾燥させ、溶剤を蒸発させると,3-メトキシエトキ シメチル2,4-ベンジリデンキシラル酸メチルが得られる。 実施例1の工程Bに記載の方法に準じて操作し,エチルジエステルを対応する ジカルボン酸に加水分解する。 ついで、活性炭素に担持させたパラジウムを用いて水素添加することにより、 2,4-ベンジリデン基を除去して、キシラル酸3-メトキシエトキシメチルエーテル が得られる。 実施例1の工程CおよびDに記載の方法に準じて操作して,それぞれの末端に 式III(Xは-CH2-を表す)に示される環を備えた、対応するキシラル酸の誘導体 が得られ,この両環は-CH(O-CH2-O-C2H4-OCH3)-基によって連結されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP,U S (72)発明者 クーダン,ジヤン フランス国 エフ―34970 ラテ,リユ デ マンダリニエ,29 (72)発明者 ヴエル,ミシエル ルネ フランス国 エフ―34170 カステルノー ―ル―レ,リユ デユ マレシヤル―ルフ ブル,8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: [式中、Rは糖から誘導される酸R-CHOH-COO2Hの残基であり、R中に存在する官 能基は場合により置換されている;Xは基-C(R1)(R2)-又は-C(R1)(R2)-C(R3)(R4 )-(これらの式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、H又はアルキル、アリ ル、アリール又はアラルキル基を表す)を表す]で表されるモノマー、及び、上 記モノマーの少なくとも1つから得られる、 かつ、式I: -[-O-CH(R)-CO-O-X-CO-]- (I) (式中、R及びXは前記の意義を有する)で表される単位からなるポリマー。 2.前記糖は3〜7個の炭素原子を含有している、請求項1に記載のモノマー 及びポリマー。 3.糖から誘導される前記の酸はアルドン酸、ウロン酸及びアルダン酸から選 ばれる、請求項1又は2に記載のモノマー及びポリマー。 4.糖から誘導される前記の酸はアルドン酸である、請求項1〜3のいずれか 一つに記載のモノマー及びポリマー。 5.請求項1〜4のいずれか一つに記載のモノマーの少なくとも一つを重合さ せて得られるポリマー。 6.請求項1〜4のいずれか一つに記載のモノマーの少なくとも一つと、少な くとも一つのコモノマーとを重合させて得られるコポリマー。 7.前記コモノマーは、移動し得るプロトン有する基を含有している、請求項 6に記載のコポリマー。 8.式II: -[-O-L-CO-]- (II) (式中、Lはジラクトン環又はモノラクトン環を形成することのできるヒド ロキシ酸から選ばれたヒドロキシ酸HO-L-CO2Hの残基である)で表される単位を 含有している、請求項7に記載のコポリマー。 9.単位の合計数に基づく単位の数で表して、1〜99%の式(I)の単位と、単位 の合計数に基づく単位の数で表して、少なくとも1%の式(II)の単位とを含有す る、請求項8に記載のコポリマー。 10.式IIの単位を少なくとも5%含有する、請求項9に記載のコポリマー。 11.前記式IIの単位は、下記の単位: -[-O-C(R5)(R6)-CO-]- (式中、R5及びR6は、独立して、H又はアルキル、アリール又はカルボキシア ルキル基を表す)である、請求項8〜10のいずれか一つに記載のコポリマー。 12.前記式IIの単位は、モノラクトン環であって、そのラクトン環が少なくと も6員を有するモノラクトン環を形成することのできる酸HO-L-CO2Hから誘導さ れる、請求項11に記載のコポリマー。 13.前記式IIの単位は、アルドン酸、5-ヒドロキシペンタン酸及び6-ヒドロキ シヘキサン酸から選ばれた酸HO-L-CO2Hから誘導される、請求項8〜12のいずれ か一つに記載のコポリマー。 14.前記請求項のいずれか一つに記載のホモポリマー又はコポリマーを含有す る材料又は最終製品であって、上記材料は粉末、微小球、フィルム、成形物又は 押出物の形である材料又は最終製品。 15.酸: R’-CHOH-CO2H (式中、R’はオースから誘導される酸の残基であり、R’中に存在し得るヒド ロキシル基は保護されている)を、式: Y-X-CO-Z (式中、Xは請求項1で定義したものであり、Y及びZは、独立して、ハロゲン を表す)で表される酸クロライドと反応させて、式V: Y-X-CO-O-CH(R’)-CO2H (V) の化合物を製造し、これを、分子内環化により、式(III): の化合物に転化し; − 所望ならば、式IIIの化合物を単独重合により、又は他のコモノマーとの 共重合により重合させ; − 所望ならば、R’中のヒドロキシル基の少なくとも幾つかを脱保護及び又 は官能化し;そして、 − 所望ならば、得られたコポリマーを粉末、微小球、フィルム、成形物又は 押出物に転化することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載のモノ マー又はポリマーの製造方法。 16.コモノマーは、請求項8及び11〜13のいずれか一つに記載のヒドロキシ酸 から誘導されたジラクトン又はモノラクトンから選ばれる、請求項15に記載の方 法。 17.前記ジラクトンは、式: (式中、R5及びR6は、独立して、H又はアルキル、アリール又はカルボキシア ルキル基を表す)を有する、請求項16に記載の方法。 18.前記ジラクトンは、グリコリド及びD-、L-又はDL-ラクチドから選ばれる 、請求項17に記載の方法。
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