JP2992694B2 - ヒドロキシカルボン酸共重合体 - Google Patents

ヒドロキシカルボン酸共重合体

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は生体吸収性ポリマーとして有用な新規なヒド
ロキシカルボン酸共重合体に関する。
従来の技術 近年、生体吸収性ポリマーの医用材料への利用が進ん
でおり、とりわけ、ポリヒドロキシカルボン酸は生体内
で非特異的加水分解を受けて、ヒドロキシカルボン酸に
なり、代謝経路を通じて体外に排出され、体内に蓄積さ
れる危険性が少ないので、生体の一時補修材や薬剤のキ
ャリヤーとして利用されている。
このヒドロキシカルボン酸の重合体および共重合体の
代表例としては、ポリグリコール酸(PGA)やポリ乳酸
(PLA)およびその共重合体があげられ、これらは繊維
に加工されて生体吸収性の手術用縫合糸として市販さ
れ、臨床分野ですでに広く使用されている。
一方、オキシ酸の一種であるリンゴ酸は1分子内に2
つのカルボキシル基を有しており、そのホモポリマーは
ポリマー側鎖にカルボキシル基を有するので薬物を担持
できるなどの機能性があるが、水中で強い酸性を示し、
担持した薬物を分解したり、側鎖のカルボキシル基の自
己触媒によって主鎖のエステル結合が加水分解されるこ
とがあり、目的によっては分解速度がやや速すぎる欠点
を有することが知られている。
このリンゴ酸のポリマーには、ポリマー形成の仕方に
より、 式: で示されるαタイプと 式: で示されるβタイプが知られている。このうち、βタイ
プのポリリンゴ酸およびその共重合体については、例え
ば、米国特許第4265247号に式: で示されるβ−マロラクトンのベンジルエステルを開環
重合したポリマーが開示されている。
αタイプのポリリンゴ酸およびリンゴ酸−乳酸共重合
体については、式: で示されるマライドジベンジルエステルを単独で、ある
いはラクチドと開環重合したポリマーが報告されている
(高分子学会予稿集、35,2330(1985))。
また、αタイプおよびβタイプ、または、それらの混
在したポリリンゴ酸およびリンゴ酸の共重合体の縮重合
による製造法については、特開昭62−201926号および特
開昭62−212423号に開示されている。
解決しようとしている課題 しかしながら、分子内閉環化合物である4員環のβ−
マロラクトンの開環重合によって得られるポリマーはβ
タイプであり、その反応性はラクチドやグリコリドとは
かなり異なり、共重合ではその組成比のコントロールが
容易でなく不利であることが予測される。
また、αタイプおよびβタイプの単独またはそれらの
混在した共重合体についてはその製造法が縮重合であ
り、得られるポリマーの分子量は最大で5,000程度であ
る。
一方、マライドジベンジルエステルの開環重合によっ
て、αタイプのポリリンゴ酸が得られるが、そのモノマ
ーであるマライドジベンジルは、大量合成が困難であ
り、共重合においては大きな側鎖の存在のため、他のモ
ノマーとの共重合性が低く、収量も低くなり、αタイプ
のリンゴ酸共重合体の合成法は未だ確立されるに至って
いない。
このような事情に鑑み、本発明者らはポリマー内にα
タイプのリンゴ酸を有する共重合体を効率的に合成する
ため、鋭意研究を重ねた。その結果、反応性の高い新規
な六員環ジエステルモノマーを得ることに成功し、すで
に特許出願した(特願昭63−146640号)。その後さらに
研究を続けた結果、この六員環ジエステルモノマーを、
環状ジエステルであるグリコリドおよびラクチド、ω−
ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環エステルであるラク
トン類と共重合することによって、αタイプのリンゴ酸
−グリコール酸単位を含む新規なヒドロキシカルボン酸
共重合体が効率よく得られることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
課題を解決するための手段 本発明は式: (式中、R1は炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキ
レン基、各アルキレンの炭素数が1〜2のアルキレンオ
キシアルキレン基または所望によりアリールで置換され
た炭素数1〜5のアルキリデン基、R2は水素、炭素数1
〜12の直鎖または分枝状のアルキル基、アラルキル基、
糖類の残基または塩を形成する基、xは0.001〜0.99の
数を意味する)で示される繰り返し単位からなる新規ヒ
ドロキシカルボン酸共重合体を提供するものである。
本発明の式(I)で示されるヒドロキシカルボン酸共
重合体において、R1で示されるアルキレン基としては、
例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、デカメチレン、プロパン−1,
2−ジイル、2−メチルプロパン−1,2−ジイル、ペンタ
ン−1,2−ジイル、3−メチルブタン−1,2−ジイル、2
−メチルブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、
ペンタン−1,4−ジイルなど、アルキレンオキシアルキ
レン基としては、例えば、メチレンオキシエチレン、エ
チレンオキシエチレンなど、アルキリデン基としては例
えば、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチ
リデン、ベンジリデン、2−フェニルエチリデンなどが
挙げられ、好ましくはメチレン、エチレン、ペンタメチ
レンおよびエチリデンである。
R2で示されるアルキル基としては、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ドデシルなど、アラルキル基としてはベンジル、スチリ
ルなど、糖類の残基としては、例えば、D−グルコー
ス、D−フラクトース、D−キシロース、L−アラビノ
ースなどの単糖類、サッカロース、ラクトース、マルト
ースなどの少糖類、デンプン、グリコーゲン、セルロー
ス、キチンなどの多糖類の残基があげられ、好ましくは
メチル、エチル、イソプロピル、あるいはベンジルであ
る。塩を形成する基としては、カルボキシル基と造塩す
るいずれの基でもよく、ナトリウム、カリウムのような
アルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウムの
ようなアルカリ土類金属、アンモニウム、アミン、その
他各種の塩基性基が挙げられる。
xは0.001〜0.99の範囲の数を意味し、共重合体を合
成する際の以下のモノマーの仕込比に依存して、得られ
た共重合体に占めるリンゴ酸−グリコール酸単位の組成
比を示す。
本発明の式(I)で示されるポリマーは、一般に、1,
000〜1,000,000の分子量を有し、例えば、R1が炭素数が
2以上のアルキレン基またはアルキリデン基で、R2が水
素の場合、約1,000から300,000、好ましくは10,000〜10
0,000の分子量を有し、R1がメチレン基で、R2が水素の
場合、10,000〜300,000、好ましくは20,000〜100,000の
分子量を有する。
本発明のポリマーは式: (式中、R3はカルボキシル保護基を意味し、例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ルなどの低級アルキルおよびベンジルなどが挙げられ、
好ましくは、メチル、エチルあるいはベンジルである) で示されるモノマーと、もう一方のモノマーであるα−
ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルまたはω−ヒド
ロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類
を共重合させることによって製造できる。
環状ジエステルとしては、例えば、グリコール酸、乳
酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン
酸、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2−ヒドロ
キシヘキサン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン
酸、α−ヒドロキシフェニル酢酸および3−フェニル乳
酸などの環状ジエステルが挙げられ、好ましくは、グリ
コール酸および乳酸の環状ジエステルであるグリコリド
およびラクチドである。
ω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環エステルであ
るラクトン類としては、例えば、β−プロピオラクト
ン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β
−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチ
ル−β−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バ
レロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクト
ン、11−オキシデカン酸ラクトン、p−ジオキサノン、
1,5−ジオキセパン−2−オンおよびε−カプロラクト
ンなどが挙げられ、好ましくは、β−プロピオラクトン
およびε−カプロラクトンである。
式(II)で示される化合物とこれらの環状ジエステル
またはラクトン類との共重合は、例えば、窒素またはア
ルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、例えば、オクチル酸
スズ、トリアルキルアルミニウム−水、塩化第二スズ、
ジエチル亜鉛などのルイス酸触媒またはアルミニウムイ
ソプロオキシドなどのアニオン触媒のような開示剤、好
ましくはオクチル酸スズの10モル%から0.0001モル%、
好ましくは1モル%から0.001モル%の存在下、100〜23
0℃、好ましくは150〜180℃にて塊状重合を行うことが
でき、式: で示される共重合体が得られる。
また別法として、窒素またはアルゴンなどの不活性ガ
ス雰囲気下、式(II)で示される化合物と環状ジエステ
ルまたはω−ヒドロキシカルボン酸のラクトン類とを溶
媒、例えば、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ア
セトニトリル、エチレングリコールおよびジエチルグリ
コールのジメチルエーテルなどのエーテル類、好ましく
はトルエン中、開始剤の存在下に、50〜180℃、好まし
くは80〜150℃にて、溶液重合しても同様に式(III)で
示される共重合体が得られる。
ついで、得られた共重合体のR3がベンジル基である場
合、溶媒、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール、
ジオキサン、酢酸エチル、N−メチルピロリドン、エタ
ノールまたはこれらの混合溶媒に溶解後、触媒、例え
ば、パラジウム−炭素(5および10%)または二酸化白
金の存在下、水素化分解により、また、R2が低級アルキ
ル基である場合、緩和な加水分解によって、R2が水素で
ある式(I)の共重合体が得られる。得られたR2が水素
である共重合体の側鎖カルボキシル基は、通常のカルボ
キシル基として作用し、容易に化学修飾され、水酸基、
アミノ基などの官能基を有する化合物と反応して、R2
水素以外の基の式(I)の共重合体、例えば、側鎖がエ
ステル化、酸アミド化されたポリマーとなり、ポリアニ
オン、または、ナトリウム塩、カルシウム塩などの無機
塩となすことができる。例えば、カルボン酸のエステル
化剤として知られているジアゾメタンおよびDMFジアル
キルアセタール類、例えば、DMFジメチルアセタール、D
MFジエチルアセタール、DMFジプロピルアセタール、DMF
ジイソプロピルアセタール、DMF−n−ブチルアセター
ル、DMF−tert−ブチルアセタールまたはDMFジネオペン
チルアセタールなどと容易に反応し、対応するエステル
を与える。また、アルコール類、例えば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコ
ール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウ
リルアルコールなど、糖類、例えば、D−グルコース、
D−フラクトース、その他の糖類などとは酸触媒、また
は、DCCなどの縮合剤を用いた通常の方法により反応さ
せれば、側鎖がエステル化されたポリマーが得られる。
また、R3は通常の方法によるエステル交換によって直
接R2に変換でき、R3とR2が同一の場合は、式(III)の
共重合体の保護基を脱離する必要はなくそのまま式
(I)の共重合体として用いることができる。
このように、式(II)で示される化合物とグリコリ
ド、ラクチド、β−プロピオラクトンまたはε−カプロ
ラクトンとの共重合によって、式(III)で示される共
重合体が得られ、保護基を脱離することにより、式
(I)のR2が水素である共重合体、例えば、α−リンゴ
酸−グリコール酸、α−リンゴ酸−グリコール酸−乳
酸、α−リンゴ酸−グリコール酸−3−ヒドロキシプロ
ピオン酸、α−リンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロキ
シヘキサン酸共重合体が得られる。
なお、式(I)の化合物には、光学異性体が存在する
が、ラセミ体も含めてそれらは全ての光学異性体は本発
明に包含される。
かくして、得られた本発明の式(I)のヒドロキシカ
ルボン酸共重合体は、ポリグリコール酸やポリ乳酸と同
様に、吸収性手術用縫合糸などの種々の医療用材料やマ
イクロカプセルの器材および薬剤のキャリヤーとして使
用できる。
実施例 つぎに参考例および実施例を挙げて、本発明をさらに
詳しく説明する。実施例中、ポリマーの分子量は、実施
例4と5はポリメチルメタクリレートを基準とした以
外、ポリスチレンを基準とするGPCにより測定した。
参考例 1 モノマーの合成および精製 (1−a)L−3−ベンジルオキシカルボニルメチル−
1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(以下L−BMDと略す)
の合成 特願昭63−146640号の方法に従って合成した。
すなわち、L−アルパラギン酸200gを80%硫酸200ml
に溶解し、70℃に保ちながら、ベンジルアルコール500g
を加えて反応させ、β−位のカルボキシル基を保護した
L−ベンジルアスパラレートを得た。この生成物100gに
1N硫酸1400mlを加え、0〜5℃にて攪拌しながら、亜硝
酸ナトリウム47gを含む水溶液100mlを約3時間にわたっ
て滴下し、30分間攪拌を続けた。さらに、亜硝酸ナトリ
ウム10gを含む水溶液30mlを30分間にわたって滴下し、
室温にて一晩放置した。エーテルで抽出し、抽出液を硫
酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、残った粗結晶をベンゼ
ンから再結晶して、L−β−ベンジルマレートを得た。
この化合物20gおよびブロモアセチルクロライド18.4gを
エーテル300mlに溶かし、5℃以下に冷却し、1.1倍モル
量のトリエチルアミン9.9gを含むエーテル溶液50mlを30
分間にわたって滴下した。反応混合物をさらに室温にて
6時間攪拌後、濾過し、濾液に水50mlを加え30分間攪拌
した。エーテル層を分液し、数回水で洗浄後、硫酸ナト
リウムを加えて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し、L−
ブロモアセチルベンジルマレート29.7gを得た。収率96
%。
このL−ブロモベンジルマレート10gを含むDMF50ml溶
液を、炭酸水素ナトリウム3.7gを含むDMF950ml溶液(不
均一溶液)に、室温にて約8時間かけて滴下した。さら
に室温にて12時間反応した後、濾過し、濾液を濃縮乾固
する。残渣をイソプロパノール50mlで洗浄し、濾過し
た。得られた白色粉末をアセトン200mlに溶かし、不溶
物を濾去し、濾液を濃縮した。残渣を少量のイソプロパ
ノールで洗浄し、濾過後、濾液を濃縮し、十分に乾燥し
た。この白色粉末を昇華し、イソプロピルアルコールで
再結晶して、針状結晶のL−BMD2.3gを得た。融点150
℃。
▲[α]25 D▼=−127゜(アセトン)。
1H−NMR(アセトン−d6) δ(PPM)3.18(m,CH2CO,2H)、5.16(m,OCH2CO,2
H)、5.20(s,CH2Ph,2H)、5.68(t,OCH,1H)、7.38
(s,C6H5,5H) (1−b)グリコリドの合成 ギルデイングら(ポリマー、20,1459(1979))の方
法に準じてグリコール酸500gを180℃、4時間加熱して
水分を除き、ついで、減圧下(18mmHg)、180℃で4時
間加熱し、低分子量のポリグリコール酸300gを得た。こ
の低分子量のポリグリコール酸100gに三酸化アンチモン
を1%加え、減圧下(5mmHg)、280℃に加熱し、留出し
てくる白色〜褐色の留分を取り、酢酸エチルで再結晶を
3〜4回繰り返して白色の板状結晶60gを得た。融点83.
5〜84℃。
1H−NMR(アセトンd6) δ(PPM)5.10(OCH2,2H) (1−c)L−ラクチドの精製 市販L−ラクチド(ベーリンガー・マンハイム社製)
を酢酸エチルで再結晶を2回繰り返して精製した。融点
96〜97.0℃。
(1−d)β−プロピオラクトンの精製 市販β−プロピオラクトン(グランドラボラトリー社
製)を減圧蒸留(14mmHg、53.5〜54.0℃)して精製し
た。
(1−e)ε−カプロラクトンの精製 市販ε−カプロラクトン(ナカライテスク社製)を減
圧蒸留(5mmHg、90〜90.5℃)して精製した。
実施例 1 リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体の製造(モ
ノマー仕込モル比;L−BMD:L−ラクチド=5:95) 参考例1で得られたBMD0.90g(3.41mM)に参考例1で
精製したL−ラクチド9.50g(65.91mM)を加え、これに
さらに、オクチル酸スズ(100mg/ml)のトルエン溶液28
0μ(0.01M%)を加え、減圧下、トルエンを除去し、
窒素中、160℃、2時間重合させた。反応生成物をジオ
キサンに溶かし、エーテル中で再沈澱を行った。得られ
た白色のポリマーを取り出し、乾燥して分子量57,000の
L−BMD−L−ラクチド共重合体8.42gを得た。収率81
%。
1HNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)1.48(d,CHCH3,3H)、2.90(m,CHCH2CO,2
H)、4.61(m,OCH2CO,2H)、5.08(m,CHCH3,OCH2Ph,3
H)、5.51(m,OCHCO,1H)、7.23(s,C6H5,5H) 13CNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)16.5(CHCH3)、35.2(CHCH2CO)、60.4(O
CH2CO)、66.5(OCH2Ph)、68.2(OCHCO)、128.4(C6H
5由来のCH)、135.3(C6H5由来のC)、166.2(OCH2C
O)、167.5(L−BMD由来のOCHCO)、168.2(CO2CH2P
h)、169.4(L−ラクチド由来のOCHCO) このL−BMD−L−乳酸共重合体8.0gをジオキサン−
エタノール(75:25)の混合溶液800mlに溶かし、該溶液
に5%パラジウム/炭素(Pd/C)触媒1gを加え、反応容
器内を水素で満たし、室温で1日間攪拌し、脱ベンジル
化反応を行った。反応終了後、メンブランフィルター
(0.2ミクロン)で濾過してPd/Cを除去し、濾液を濃縮
後、エーテル中で再沈澱した。得られた白色ポリマーを
乾燥し、所望の分子量79,000のリンゴ酸−グリコール酸
−L−乳酸共重合体7.30gを得た。
1HNMR(N,N−ジメチルホルムアミド−d8) δ(PPM)1.47(d,CHCH3,3H)、3.08(m,CHCH2CO,2
H)、4.67(m,OCH2CO,2H)、5.08(m,CHCH3,1H)、5.51
(m,OCHCO,1H) 13CNMR(N,N−ジメチルホルムアミド−d8) δ(PPM)17.2(CHCH3)、35.2(CHCH2CO)、60.4(O
CH2CO)、69.6(OCHCO)、166.9(OCH2CO)、168.2(リ
ンゴ酸単位由来のOCHCO)、170.4(乳酸単位由来のOCHC
O) 1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体であ
ることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの5.5ppm、4.7ppm、5.1ppmの
シグナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリン
ゴ酸−グリコール酸:L−乳酸=0.07:0.93であった。
実施例 2 リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体の製造
(モノマー仕込モル比;L−BMD:L−ラクチド=10:90) 参考例1で得られたBMD1.80g(6.81mM)に参考例1で
精製したL−ラクチド9.00g(62.44mM)を加え、これ
に、オクチル酸スズ(100mg/ml)のトルエン溶液280μ
(0.01M%)を加え、減圧下、トルエンを除去し、窒
素中、160℃、2時間重合させた。反応生成物をジオキ
サンに溶かし、エーテル中で再沈澱を行った。得られた
白色のポリマーを取り出し、乾燥して分子量43,000のL
−BMD−ラクチド共重合体9.18gを得た。収率85%。
このL−BMD−L−乳酸共重合体8.00gをジオキサン−
エタノール(75:25)の混合溶液800mlに溶かし、該溶液
に5%パラジウム/炭素(Pd/C)触媒1gを加え、反応容
器内を水素で満たし、室温で1日間撹拌し、脱ベンジル
化反応を行った。反応終了後、メンブランフィルター
(0.2ミクロン)で濾過してPd/Cを除去し、濾液を濃縮
後、MeOH中で再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾
燥して、所望の分子量61,000のリンゴ酸−グリコール酸
−L−乳酸共重合体6.90gを得た。
1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体であ
ることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの5.5ppm、4.7ppm、5.1ppmの
シグナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリン
ゴ酸−グリコール酸:L−乳酸=0.13:0.87であった。
実施例 3 リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体の製造(モ
ノマー仕込モル比;L−BMD:L−ラクチド=15:85) 参考例1で得られたBMD2.70g(10.22mM)に参考例1
で精製したL−ラクチド8.50g(58.97mM)を加え、これ
に、オクチル酸スズ(100mg/ml)のトルエン溶液280μ
を加え、減圧下、トルエンを除去し、窒素中、160
℃、2時間重合させた。反応生成物をジオキサンに溶か
し、エーテル中で再沈澱させた。得られた白色のポリマ
ーを取り出し、乾燥して分子量37,000のL−BMD−L−
ラクチド共重合体10.98gを得た。収率98%。
このL−BMD−L−乳酸共重合体8.00gをジオキサン−
エタノール(75:25)の混合溶液800mlに溶かし、該溶液
に5%パラジウム/炭素(Pd/C)触媒1gを加え、反応容
器内を水素で満たし、室温で1日間攪拌し、脱ベンジル
化反応を行った。反応終了後、メンブランフィルター
(0.2ミクロン)で濾過してPd/Cを除去し、濃縮後、MeO
H中に再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥し
て、所望の分子量54,000のリンゴ酸−グリコール酸−L
−乳酸共重合体6.40gを得た。
1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−L−乳酸共重合体であ
ることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの5.5ppm、4.7ppm、5.1ppmの
シグナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリン
ゴ酸−グリコール酸:L−乳酸=0.19:0.81であった。
実施例 4 リンゴ酸−グリコール酸共重合体の製造(モノマー仕込
モル比;L−BMD:グリコリド=40:60) 参考例1で得られたBMD0.86g(3.27mM)に参考例1で
得られたグリコリド0.57g(4.91mM)を加え、これに、
オクチル酸スズ(1.21mg/ml)のベンゼン溶液820μ
(0.03M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去し、窒素
中、160℃、3時間重合させた。反応生成物をヘキサフ
ルオロイソプロパノールに溶かし、エーテル中で再沈澱
させた。ポリマーを取り出し、乾燥して対数粘度(30
℃、0.5mg/mlヘキサフルオロイソプロパノール溶液中)
{η}inh=0.99のL−BMD−グリコリド共重合体0.64g
を得た。収率45%。
1HNMR(ヘキサフルオロアセトン−1.6重水) δ(PPM)3.18(d,CHCH2CO、2H)、4.96(t,OCH2CO,2
H)、5.23(s,OCH2Ph,2H)、5.76(t,OCHCO、1H)、7.4
2(s,C6H5,5H) 13CNNR(ヘキサフルオロアセトン−1.6重水) δ(PPM)36.0(CHCH2CO)、61.7(OCH2CO)、69.2
(OCH2Ph)、70.0(OCHCO)、168.3(OCH2CO)、169.4
(OCHCO)、171.3(CO2CH2Ph) このL−BMD−グリコリド共重合体0.28gをヘキサフル
オロイソプロパノール30mlに溶かし、該溶液に5%パラ
ジウム/炭素(Pd/C)触媒140mgを加え、反応容器内を
水素で満たし、室温で3日間攪拌し、脱ベンジル化反応
を行った。反応溶液をメンブランフィルター(0.2ミク
ロン)で濾過してPd/Cを除去し、濾液を濃縮後、エーテ
ル中で再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥して
対数粘度(30℃、0.5mg/mlヘキサフルオロイソプロパノ
ール溶液中){η}inh=0.60、分子量30,000の、所望
のリンゴ酸−グリコール酸共重合体0.13gを得た。
1HNMR(ヘキサフルオロアセトン−1.6重水) δ(PPM)3.14(d,CHCH2CO,2H)、4.95(t,OCH2CO,2
H)、5.74(t,OCHCO,1H) 13CNMR(ヘキサプルオロアセトン−1.6重水) δ(PPM)35.2(CHCH2CO)、61.7(OCH2CO)、70.2
(OCHCO)、169.5(OCH2CO)、172.3(OCHCO)、172.5
(CH2CO2H) 1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸共重合体であることが確
認された。
また、1HNMRスペクトルの3.1ppm、5.0ppmのシグナル
の積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ酸:グ
リコール酸=0.175:0.825であった。
実施例 5 リンゴ酸−グリコール酸共重合体の製造(モノマー仕込
モル比;L−BMD:グリコリド=5:95) 参考例1で得られたBMD0.32g(1.22mM)に参考例1で
得られたグリコリド2.71g(23.36mM)を加え、これに、
オクチル酸スズ(1.21mg/ml)のベンゼン溶液825μ
(0.01M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去し、窒素
中、170℃、3時間重合させた。反応生成物をヘキサフ
ルオロイソプロパノールに溶かし、エーテル中で再沈澱
させた。得られたポリマーを取り出し、乾燥して、対数
粘度(30℃、0.5mg/mlヘキサフルオロイソプロパノール
溶液中){η}inh=1.81のL−BMD−グリコリド共重合
体1.98gを得た。収率65.5%。
このL−BMD−グリコリド共重合体2.40gをヘキサフル
オロイソプロパノール120mlに溶かし、該溶液に10%パ
ラジウム/炭素(Pd/C)触媒600mgを加え、反応容器内
を水素で満たし、室温で3日間攪拌し、脱ベンジル化反
応を行った。反応溶液をメンブランフィルター(0.2ミ
クロン)で濾過してPd/Cを除去し、濃縮後、エーテル中
で再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥して対数
粘度(30℃、0.5mg/mlヘキサフルオロイソプロパノール
溶液中){η}inh=1.12、分子量55,000の所望のリン
ゴ酸−グリコール酸共重合体1.52gを得た。
1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸共重合体であることが確
認された。
また、1HNMRスペクトルの2.8ppm、4.7ppmのシグナル
の積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ酸:グ
リコール酸=0.04:0.96であった。
実施例 6 リンゴ酸−グリコール酸−3−ヒドロキシプロピオン酸
共重合体の製造(モノマー仕込モル比;L−BMD:β−プロ
ピオラクトン=10:90) 参考例1で得られたBMD0.41g(1.54mM)に参考例1で
精製したβ−プロピオラクトン1.00g(13.88mM)を加
え、これに、オクチル酸スズ(2mg/ml)のベンゼン溶液
150μ(0.03M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去
し、窒素中、170℃、3時間重合させた。反応生成物を
ジオキサン3mlに溶かし、エーテル中で再沈澱させた。
エテール不溶部およびエーテル可溶部に分けて、乾燥
後、エーテル不溶部から分子量3,100のL−BMD−β−プ
ロピオラクトン共重合体1.17を得た。収率83%。
1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6) δ(PPM)2.36(t,CH2CH2CO,2H)、2.86(m,CHCH2CO,
2H)、4.08(t,OCH2CH2CO,2H)、4.67(m,OCH2CO,2
H)、4.96(s,OCH2Ph,2H)、5.24(t,COHCO,1H)、7.31
(s,C6H5,5H) 13CNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6) δ(PPM)33.0(CH2CH2CO)、35.4(CHCH2CO)、59.6
〜60.6(OCH2CH2,OCH2CO)、66〜69(OCH2Ph,OCHCO)、
128.4(C6H5由来のCH)、135.7(C6H5由来のC)、166.
8〜171.9(CH2CH2CO,OCH2CO,OCHCO,CO2CH2Ph、連鎖配列
により複雑なパターンを示す) このL−BMD−β−プロピオラクトン共重合体0.50gを
ジオキサン/エタノール(1:1)80mlに溶かし、該溶液
にパラジウム/炭素(Pd/C、5%)触媒100mgを加え、
反応容器内を水素で満たし、室温で3日間攪拌し、脱ベ
ンジル化反応を行った。メンブランフィルター(0.2ミ
クロン)でろ過してPd/Cを除去し、濃縮後、エーテル中
で再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥して、分
子量2,000の所望のリンゴ酸−グリコール酸−3ヒドロ
キシプロピオン酸共重合体0.36gを得た。
1HNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6) δ(PPM)2.60(t,CH2CH2CO,2H)、2.90(m,CHCH2CO,
2H)、4.35(t,OCH2CH2CO,2H)、4.67(m,OCH2CO,2
H)、5.28(m,OCHCO,1H) 13CNMRスペクトル(ジメチルスルホキシド−d6) δ(PPM)33.0(CH2CH2CO)、35.5(CHCH2CO)、59.5
〜60.6(OCH2CH2,OCH2CO)、66〜69(OCHCO)、166.9〜
171.9(CH2CH2CO,OCH2CO,OCHCO,CHCH2CO2H,連鎖配列に
より複雑なパターンを示す) 1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−3ヒドロキシプロピオ
ン酸共重合体であることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの2.9ppm,4.7ppm4.4ppmののシ
グナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ
酸−グリコール酸:3ヒドロキシプロピオン酸=0.19:0.8
1であった。
実施例 7 リンゴ酸−グリコール酸−3−ヒドロキシプロピオン酸
共重合体の製造(モノマー仕込モル比;L−BMD:β−プロ
ピオラクトン=40:60) 参考例1で得られたBMD0.65g(2.47mM)に参考例1で
精製したβ−プロピオラクトン0.27g(3.70mM)を加
え、これに、オクチル酸スズ(2mg/ml)のベンゼン溶液
375μ(0.03M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去
し、窒素中、170℃、3時間重合させた。反応終了後、
得られたポリマーをジオキサン3mlに溶かし、エーテル
中で再沈澱させた。エーテル不溶部およびエーテル可溶
部に分けて、乾燥後、分子量7,000のL−BMD−β−プロ
ピオラクトン共重合体0.79gを得た。収率86%。
このL−BMD−β−プロピオラクトン共重合体0.30gを
ジオキサン/エタノール(1:1)80mlに溶かし、該溶液
に5%パラジウム/炭素(Pd/C)触媒90mgを加え、反応
容器内を水素で満たし、室温で3日間攪拌し、脱ベンジ
ル化反応を行った。メンブランフィルター(0.2ミクロ
ン)でろ過してPd/Cを除去し、ろ液を濃縮後、エーテル
中に再沈澱し、ポリマーを取り出し、乾燥して、分子量
1,700所望のリンゴ酸−グリコール酸−3ヒドロキシプ
ロピオン酸共重合体0.22gを得た。
1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−3ヒドロキシプロピオ
ン酸共重合体であることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの2.9ppm,4.7ppm4.4ppmのシグ
ナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ酸
−グリコール酸:3ヒドロキシプロピオン酸=0.66:0.34
であった。
実施例 8 リンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロキシヘキサン酸共
重合体の製造(モノマー仕込モル比;L−BMD:ε−カプロ
ラクトン=10:90) 参考例1で得られたBMD0.26g(0.97mM)に参考例1で
精製したε−カプロラクトン1.00g(8.76mM)を加え、
これに、オクチル酸スズ(2mg/ml)のベンゼン溶液590
μ(0.03M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去し、
窒素中、170℃、3時間重合させた。反応生成物をジオ
キサン3mlに溶かし、エーテル中で再沈澱させた。エー
テル不溶部およびエーテル可溶部に分けて、乾燥後、エ
ーテル不溶部から分子量31,000のL−BMD−ε−カプロ
ラクトン共重合体0.80gを得た。収率63.6%。
1HNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)1.15〜1.51(m,(CH23,6H)、2.16(t,CH
2CH2CO,2H)、2.85(m,CHCH2CO,2H)、3.94(t,OCH2C
H2,2H)、4.66(m,OCH2CO,2H)、5.10(s,OCH2Ph,2
H)、5.49(m,OCHCO,1H)、7.30(s,C6H5,5H) 13CNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)24.9、27.7、23.9(CH2CH2CH2CH2CH2)、3
3.5(CH2CH2CO)、35.4(CHCH2CO)、59〜61(OCH2C
O)、63.5(OCH2CH2)、66〜67(OCH2Ph)、67〜69(OC
HCO)、128.0(C6H5由来のCH)、134.8(C6H5由来の
C)、166.3〜171.7(OCH2CO,OCHCO,CO2CH2Ph,CH2CH2C
O,連鎖配列により複雑なパターンを示す) このL−BMD−ε−カプロラクトン共重合体0.50gをジ
オキサン/エタノール(7:3)70mlに溶かし、該溶液に
パラジウム/炭素(Pd/C、5%)触媒200mgを加え、反
応容器内を水素で満たし、室温で2日間攪拌し、脱ベン
ジル化反応を行った。メンブランフィルター(0.2ミク
ロン)でろ過してPd/Cを除去し、濃縮後、エーテル中で
再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥して、分子
量14,000の所望のリンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロ
キシヘキサン酸共重合体0.40gを得た。
1HNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)1.22〜1.53(m,(CH23,6H)、2.18(t,CH
2CH2CO,2H)、2.83(m,CHCH2CO,2H)、3.99(t,OCH2C
H2,2H)、4.51(m,OCH2CO,2H)、5.44(m,OCHCO,1H) 13CNMR(クロロホルム−d) δ(PPM)25.5、28.4、24.6(CH2CH2CH2CH2CH2)、3
4.1(CH2CH2CO)、35.8(CHCH2CO)、61.3(OCH2CO)、
64.2(OCH2CH2)、67〜69OCHCO)、167.0〜173.8(OCH2
CO,OCHCO,CH2CO2H,CH2CH2CO,連鎖配列により複雑なパタ
ーンを示す) 1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロキシヘキサ
ン酸共重合体であることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの2.8ppm,4.5ppm4.0ppmのシグ
ナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ酸
−グリコール酸:6−ヒドロキシヘキサン酸=0.221:0.77
9であった。
実施例 9 リンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロキシヘキサン酸共
重合体の製造(モノマー仕込モル比;L−BMD:ε−カプロ
ラクトン=40:60) 参考例1で得られたBMD0.37g(1.39mM)に参考例1で
精製したε−カプロラクトン0.24g(2.08mM)を加え、
これに、オクチル酸スズ(2mg/ml)のベンゼン溶液210
μ(0.03M%)を加え、減圧下、ベンゼンを除去し、
窒素中、170℃、3時間重合させた。反応生成物をジオ
キサン3mlに溶かし、エーテル中で再沈澱させた。エー
テル不溶部およびエーテル可溶部に分けて、乾燥後、エ
ーテル不溶部から分子量20,000のL−BMD−ε−カプロ
ラクトン共重合体0.40%を得た。収率66%。
このL−BMD−ε−カプロラクトン共重合体0.30gをジ
オキサン/エタノール(7:3)70mlに溶かし、該溶液に
パラジウム/炭素(Pd/C、5%)触媒200mgを加え、反
応容器内を水素で満たし、室温で2日間攪拌し、脱ベン
ジル化反応を行った。メンブランフィルター(0.2ミク
ロン)でろ過してPd/Cを除去し、ろ液を濃縮後、エーテ
ル中に再沈澱し、白色のポリマーを取り出し、乾燥し
て、分子量8,000の所望のリンゴ酸−グリコール酸−6
−ヒドロキシヘキサン酸共重合体0.22gを得た。
1HNMRスペクトルおよび13CNMRスペクトルの測定結果
から、リンゴ酸−グリコール酸−6−ヒドロキシヘキサ
ン酸共重合体であることが確認された。
また、1HNMRスペクトルの2.7ppm,4.5ppm3.9ppmのシグ
ナルの積分値から算出した共重合体の組成比はリンゴ酸
−グリコール酸:6−ヒドロキシヘキサン酸=0.867:0.13
3であった。
実施例 10 リンゴ酸−グリコール酸−乳酸共重合体の加水分解試験 (1)ポリ−L−乳酸の合成 参考例1で精製したL−ラクチド3.0gにオクチル酸ス
ズ(2mg/ml)のベンゼン溶液0.45ml(0.03wt%)を加
え、減圧下、ベンゼンを除去し、窒素中、170℃、3時
間重合させた。反応終了後、反応生成物をジオキサン15
mlに溶かし、メタノール中で再沈澱させた。沈澱物を取
り出し、乾燥後、分子量300,000のポリ−L−乳酸2.30g
を得た。収率76.6%。
(2)フィルムの作成 (1)で合成したポリ−L−乳酸はクロロホルムに溶
解し、ガラス板上にキャスト後、一昼夜放置して、徐々
にクロロホルムを除去した。固化後、減圧乾燥し、生じ
たフィルムをガラク基板から剥離し、厚さ0.1mmの透明
なフィルムを得た(試料1)。
実施例1で合成したリンゴ酸−グリコール酸−L−乳
酸共重合体をジオキサンに溶解し、ガラス板上にキャス
ト後、一昼夜放置して、徐々にジオキサンを除去した。
固化後、減圧乾燥し、生じたフィルムをガラス基板から
剥離し、厚さ約0.1mmの透明なフィルムを得た。(試料
2) 実施例2および実施例3で合成したリンゴ酸−グリコ
ール酸−L−乳酸共重合体についても同様な操作でそれ
ぞれフィルムを作成した。(試料3および試料4)。
(3)加水分解試験 それぞれ作成したフィルム、試料1−4(縦:50mm、
横:5mm、厚さ:0.1mm)をエタノールに浸して殺菌し、ガ
ラスアンプルにいれ、あらかじめ、100℃で2〜3時間
加熱して滅菌処理したpH7.2のリン酸緩衝液10mlを加え
た後、ガラスアンプルを密閉し、37℃の水浴に浸した。
所定時間経過後、アンプルを開封し、フィルムを取り出
し、十分に水洗し、乾燥した。これらの各試料の分子量
をGPCにより測定し、また、その形態を走査型電子顕微
鏡により観察した。
対照のポリ−L−乳酸フィルム(試料1)は4週間経
過後も分子量の変化を認めなかったのに対し、リンゴ酸
−グリコール酸単位を7%含む試料2は1週間で分子量
が約半分になった。リンゴ酸−グリコール酸単位を13%
含む試料3およびリンゴ酸−グリコール酸単位を19%含
む試料4の分子量変化はそれよりもずっと早く、約1週
間で初期分子量の1/10程度となった。このように、リン
ゴ酸含有率が増えるにしたがって、加水分解速度が著し
く上昇する事が認められた。
走査型電子顕微鏡により観察では、試料1の1週間経
過後のものは大きな割れ目が認められた。
実施例11 リンゴ酸−グリコール酸−乳酸共重合体の埋没試験 実施例10で作成した試料1、2、および3を常法によ
りエチレンオキサイドガスで滅菌処理し、ウィスター系
雄ラット(9週齢、体重:264〜322g、10匹)の背部皮下
に間隔をおいて埋入し、一定条件下のバリアー動物室で
飼育した。所定時間(3、7、11および14日)経過後、
ラットを麻酔下、放血致死せしめ、直ちにフィルムを取
り出し、水洗し、乾燥したものについて、分子量をGPC
により測定し、その形態を走査型電子顕微鏡により観察
した。
埋没時間(日)とGPCにより測定した試料の分子量と
の関係を第1図に示す。図中、コントロールのポリ−L
−乳酸(試料1)の分子量は変化している様に見える
が、これは測定に使用したGPCカラム(TSKゲルG4000
H8、7.5mmID×60cm)の排除限界に近いためであり、14
日間経過後においても分子量がほとんど変化していな
い。
一方、リンゴ酸−グリコール酸単位を7%含む試料2
は7日目に組織内で細片に破断され、分子量は2/3、14
日目では分子量は約半分になった。リンゴ酸−グリコー
ル酸単位を13%含む試料3は埋没後、3日目から、組織
内で細片に破断され、分子量は約半分になり、7日目で
約1/3、11日、14日目では組織内で細かく分断され、破
片の回収が困難であった。
このように、リンゴ酸−グリコール酸単位の含有率が
高い試料3の方が、生体内での分解速度は上昇すること
が認められた。両試料とも走査型電子顕微鏡による観察
では埋没時間の経過にしたがって、フィルム表面に割れ
目が生じ、分解し、劣化する様子が認められた。
発明の効果 本発明によれば繰り返し単位の中にαタイプのリンゴ
酸単位とグリコール酸単位およびグリコール酸をはじめ
その他のヒドロキシカルボン酸単位を含む共重合体が効
率よく得られる。得られた共重合体は高い生体適合性を
有し、その共重合体組成を変えることや側鎖のカルボキ
シル基および末端のカルボキシル基に生体での分解速度
の調整を目的として疎水性の基を導入したり、薬物の担
持させるような機能性をも合わせもつことができ、生体
に対する種々の用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の共重合体フィルムの埋没試験の結果
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−3415(JP,A) 木村、城谷、山根、北尾「高分子論文 集」46(4)p.281−284 城谷、木村、山根、北尾「日本化学会 第56春季年会講演予稿集」p.973 城谷、木村、山根、北尾「第37回高分 子学会予稿集」p.260 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/00 - 63/91 A61L 27/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中、R1は炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキ
    レン基、各アルキレンの炭素数が1〜2のアルキレンオ
    キシアルキレン基またはアリールで置換されていてもよ
    い炭素数1〜5のアルキリデン基、R2は水素、炭素数1
    〜12の直鎖または分枝状のアルキル基、アラルキル基、
    D−グルコース、D−フラクトース、D−キシロース、
    L−アラビノース、サッカロース、ラクトース、マルト
    ース、デンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは
    アミン、xは0.07〜0.19の数を意味する)で示される繰
    り返し単位からなるヒドロキシカルボン酸共重合体。
  2. 【請求項2】R1がエチリデン基、R2が水素である請求項
    第1項のヒドロキシカルボン酸共重合体。
  3. 【請求項3】R1がメチレン、R2が水素で、分子量が10,0
    00〜300,000である請求項第1項のヒドロキシカルボン
    酸共重合体。
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Title
城谷、木村、山根、北尾「日本化学会第56春季年会講演予稿集」p.973
城谷、木村、山根、北尾「第37回高分子学会予稿集」p.260
木村、城谷、山根、北尾「高分子論文集」46(4)p.281−284

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Publication number Publication date
JPH02209918A (ja) 1990-08-21

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