JP2002511058A - N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)の抗寄生虫作用および皮膚におけるその活性を持続する製剤 - Google Patents

N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)の抗寄生虫作用および皮膚におけるその活性を持続する製剤

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Abstract

(57)【要約】 リポソーム類およびその他の担体を含む、DEETの新規製剤を提供する。住血吸虫症およびその他の寄生虫性および微生物性疾患を阻止するための方法および材料も提供する。同様に刺咬性昆虫を忌避するための改良された材料および方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)の抗寄生虫作用 および皮膚におけるその活性を持続する製剤 関連出願への相互参照 本出願は、1997年2月10日に出願した、米国仮出願第60/040,251号に基づく優 先権を主張する。 本発明の背景 ヒトおよび動物宿主体内に、(a)皮膚を穿通することにより、または(b)他のベ クター(例えば、蚊、ダニ、ハエなど)を介して皮膚を通して“送達”されるこ とにより、侵入する寄生虫および微生物は、非常に多くの人々の疾患の原因とな っている。皮膚を穿通する微生物の具体例は、住血吸虫症であり、それらは世界 の多くの熱帯性および亜熱帯性地域において、ヒトおよび動物の生命を脅かす感 染である。世界保健機関(WHO)の推定によれば、この寄生虫に感染した人々は 、現在200万人以上存在し、そしてさらに600万人の人々が危険にさらされている 〔住血吸虫症の抑制に関するWHO専門委員会:住血吸虫症疾患の公衆衛生的イン パクトおよび世界保健機関の死亡率報告、71:657-662,1993〕。このような地方 病のある地域を訪れる旅行者は、疾患をもらってしまい、そしてそれをさらに散 布させる危険性が高い。皮膚は、水への接触の後ほんの数分以内に正常皮膚を穿 通する能力を有する寄生虫の感染ステージ(セルカリア)によって、この寄生虫 がヒトおよび動物へ侵入するただ一つ知られている経路である。したがって、皮 膚の内部にセルカリアが進入することを阻止するであろういずれの剤も本質的に 住血吸虫症を防止することができる。“沼地皮膚症”または“セルカリア皮膚炎 ”と呼ばれている別の疾患症状は、動物住血吸虫(すなわち、Trichobilharzia ocellata)がヒトの皮膚中に偶然に侵入することによって引き起こされ、重度の 皮膚炎を引き起こす。この症状は、アメリカ合衆国、アジア、ニュージーランド の多くの淡水湖、そしてアジアの稲作水田において、幅広く流行している。同様 に、鉤虫寄生虫、特にNecator americanusは、ヒトおよび動物の正常皮膚を穿通 することにより直接感染する。成熟した虫は胃の中で生存し、毎日血液を食物と して摂取しそして宿主の栄養失調をひき起こす。さらに、この寄生虫に感染する と、しばしば他の疾患状態を併発する。控えめに見積もったとしても、およそ10 億人の人々が鉤虫に感染しているであろう。 節足動物および関連する種は、宿主を刺した後、皮膚を介して寄生虫およびそ の他の微生物病を発生させる微生物を“送達する”。もっともよく知られるそし てもっとも問題のあるものはマラリアであり、マラリアには世界の熱帯地域およ び亜熱帯地域の数百万人の人々が感染している。WHOの推定によれば、マラリア は、世界中の死亡の主要原因トップ5にランクされている。過去20年間にわたっ て、マラリアの問題は薬剤耐性系統の出現によって悪化してきた。蚊もまた、デ ング熱、黄熱、そしてその他の症状などの非寄生虫性疾患のキャリアとなること が知られている。様々な種のダニは、ライム病、ロッキー山紅斑熱、エールリッ ヒ病、コロラドダニ熱、野兎病、回帰熱、ポワソン脳炎およびダニ麻痺の原因と なる。 疾患抑制および予防のためのセンター(CDC)によれば、1994〜1997年の期間 には、米国内での麻疹、おたふく風邪、百日咳、風疹、ジフテリア、コレラ、レ プトスピラ症、ハンセン病、悪疫、破傷風、旋毛虫症、腸チフス、ジアルジア症 そしてレジオネラ病について報告されたケースのあわせた総数よりも、ダニによ り運ばれる疾患の方がより多く報告された。ダニはヒトおよび動物に血液の餌を 摂取することにより感染し、それによりダニ自身の感染した唾液を宿主体内に導 入する。 ヌカカ(sand fly)もまた、ヒト宿主を刺し、それによりヒトリーシュマニア 症の原因となる生物を導入する。皮膚刺傷を介して疾患を引き起こしうる節足動 物には、さらに多くの例がある(ブユ(black flies)、ブヨ(gnats)、ツツガ ムシ(chiggers)、メクラアブ(deer flies)、ノミ、ツェツエバエ、サシガメ など)。 これらの節足動物および関連する種により引き起こされる疾患とは別に、熱帯 気候およびより温帯性の夏の気候の両方において、それらの刺傷は顕著な不快感 および苦痛の原因となる。これらすべての疾患および苦痛の経済的インパクトは 、顕著である。 発明の概要 本発明は、寄生虫疾患を予防するための材料および方法に関する。特に、本発 明は、皮膚穿通性寄生虫によりまたは節足動物ベクターを介して宿主動物中に導 入される寄生虫により引き起こされる、寄生虫疾患を予防することに関する。本 発明はまた、昆虫を忌避する材料および方法にも関する。 具体的な寄生虫性疾患には、住血吸虫症の沼地皮膚症およびAncylostoma種、N ecator種、Strongyloides種およびその他により引き起こされる疾患が含まれる 。刺咬性昆虫(biting insects)の具体例としては、ダニ、ヌカカ、ブユ、オオ サシガメ、サシガメ、ノミ、蚊およびヒトおよび動物中に感染性疾患を移す節足 動物ベクターのその他の種が含まれる。 本発明の実施に有用な材料としては、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)お よびDEETの効果を持続させ、そして一般的に使用されるものよりも低い濃度しか 必要としない、DEET製剤が含まれる。このような製剤には、リポソームに封入さ れたDEETまたはポリマーおよびポリオールプレポリマーと組み合わせたDEETが含 まれる。本発明によるリポソーム/DEET製剤は、その効果のためにはさらに別の 皮膚固定化化学物質部分の存在を必要としない。上述した製剤もまた、刺咬性昆 虫を忌避するために有用である。 リポソームは、陰イオン性、陽イオン性または中性であってもよい。好ましい リポソームは、L-α-ホスファチジルコリン、ステアリルアミンおよびコレステ ロールを含む陽イオン性リポソームである。好ましいDEETの濃度は、約1%〜約5 0%w/vである。より好ましくは、約7%〜約10%の濃度である。もっとも好まし くは、約7.5%のDEET濃度である。本発明の好ましいポリオールプレポリマーに は、ポリオールプレポリマー2およびポリオールプレポリマー15が含まれる。 図面の簡単な説明 図1は、S.mansoniのセルカリアに対するDEETのin vitro作用を説明する。Sc histosoma mansoniのセルカリアに対するDEETのin vitro作用。30%から0.24% の範囲のDEETの二倍階段希釈液であらかじめコートした96穴タイタープレート中 にセルカリアを静置した。DEETに曝露した後様々な時間に、セルカリアの%生存 率をニュートラルレッド排除法により評価した。実験はそれぞれの処理について ‘n”が189から440のセルカリアを伴い17回繰り返した。 図2は、S.mansoniのセルカリアに対するリポdeetのin vivo作用について説 明する。陽性のリポdeet調製物の10%溶液の場合には100μlをマウスの剃毛した 腹部皮膚に投与し、15分かけて乾燥させた。リポdeetが皮膚中で乾燥した後様々 な時間(4時間、24時間および48時間)に、皮膚を蒸留水の流水中で1分間洗浄し 、そして300の35S標識したS.mansoniのセルカリアで感染させた。感染7日後に 皮膚中および肺中の寄生虫数を圧迫器官オートラジオグラフィーにより決定した 。 発明の詳細な説明 最近30〜40年間のあいだ、いくつかの化学物質化合物がセルカリア穿通に対す る防御を付与する能力について、様々な研究室でスクリーニングされた。これら の中で、ニクロサミド、セデロール、アルテメーター(artemether)、ヘキサク ロロフェン、ジブチルフタラート、ベンジルベンゾアートなどのいくつかの化合 物および土地固有の植物由来の多くの粗製調製物が、組織培養中で顕著なセルカ リア殺傷効果を有することが見いだされた。しかしながら、ニクロサミド以外に は(Naples,J.M.,et al.,J.of Tropical Med.and Hygiene 95:390-396 199 2;Grenan,M.M.,et al,.Rev.Inst.Med.Trop.Sao Paolo 27:190-196(1985) ;Ghandour,A.M.,et al.J.of Helminthology,49:245-250(1975);Fripp,PJ. ,et al.,SouthAfrican Medical Journal 47:526-527(1974);Abu-Elyazeed,R. R.,et al.,Am.J.of Trop.Med.and Hygiene 49:403-409(1993))、他の化 学物質のどれもヒトにおける臨床的使用について試験されなかった。 N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)は、多くの昆虫の忌避において活性な成 分である。その相対的安全性および忌避の幅広いスペクトル(すなわち、ほとん どの蚊の系統、ダニ、ヌカカなど)により、DEETはほとんど理想的な産物となっ ている。さらに、科学的研究により、多くのDEET類似体および米国政府により決 定された関連する化合物が産生され、それらは様々な程度で様々な種の昆虫を忌 避し、様々な時間の長さで、様々な安全性またはその他の不利益を有している。 たくさんの化合物(N-ベンゾイルピペリジン、N-トルイルピペリジン、2-エトキ シベンズアミド、N-ブチルアセトアニリド、N-エチルアセトアニリド、N,N-ジエ チル-3-メチルベンズアミド、ジエチルフェニルアセトアミド、ジメチルフタラ ート、N,N-ジエチル-2,5-ジメチルベンズアミドまたは例えば、N,N-ジエチル-p- トルアミドおよび2-エチル-1,3-ヘキサンジオールなどのDEET異性体)がヒトおよ び動物の多くの刺咬性昆虫に対して昆虫忌避剤と匹敵する活性を有しているが、 いずれもDEETほど一貫して幅広く使用されることはなかった。 現在までのDEETについてのほとんどすべての研究で、注意深く使用する場合に は、DEETは生命を守る化学物質であることが確認されている。いったん皮膚に適 用すれば、DEETは30分から2時間の間、昆虫忌避活性を有する。しかしながら、6 0分以上活性を長くもたせるためには、より高い濃度のDEET(70%もの高い濃度で )しばしば繰り返し、適用する必要がある。残念ながら、皮膚を介して定量以上 のDEETの吸収が起こるために、感受性の高いヒトや子供では時々神経毒性の兆候 を引き起こす(Abou-Donia,M.B.et al.,J of Toxicol and Clinical Toxicol 32:1-16(1996);Veltri J.C.,et al.,J.of Toxicol.and Clinical Toxicol ,32:1-16,(1994);Verschoyle R.D.,et al.,Fundamentals of Applied Toxic ol 18:79-88(1992);Dorman D.C.,Veterinary Clinics of North America Small Animal Practice 20:387-391(1990))。したがって、皮膚からのDEETの吸収を 遅らせるいずれかの剤により、高濃度のDEETに関連する毒性を減少し、皮膚の表 在層上で忌避作用を持続することができる。DEETが皮膚上でより長い期間残存す るならば、ずっと低濃度のDEETをより効率的に使用し、その結果、吸収に関連す る毒性のいずれの可能性をも減少することができるというさらなる利点もある。 以下に記載するように、本発明は、DEETについての新規の用途、すなわち、皮 膚穿通性寄生虫に対する保護を付与することを提供する。以下に示すように、皮 膚に1回適用することで、DEETは皮膚を介してこれらの寄生虫が侵入してくるこ とを非常に効果的に防ぎ、そしてその結果致死性のおよび/または衰弱性の疾患 から宿主を保護した。この結果はまた、DEET製剤の忌避活性が水耐性であること を示している。適用から4時間後でさえも、これらの水を含んでいる寄生虫の大 多数が皮膚を穿通することができなかった。実際にDEETを適用した領域を穿通し たも のは、数分以内に皮膚中で殺され、宿主が寄生虫に対して免疫反応を確立するた めに潜在的な役割を果たしている。 細胞内表皮性脂質は、皮膚にバリア機能を付与し、そしてその結果皮膚透過性 を調節するために主要な役割を果たす、不均一な極性脂質の群である(Elias P.M .,Archives of Derm.Res.270:95-102(1981))。これらの脂質バリアのために 、皮膚の表面に適用されるこれまでの薬剤の多くは、作用する場所を得ることが できない場合がある。この理由のために、多くの浸透増強剤が皮膚疾患の局所療 法として導入された(Santus,et al.,J.Control.Rel.Subst.,25:1-27(199 3))。しかしながら、これらの浸透増強剤の大多数は、細胞内脂質二重層をかく 乱し、そしてその結果しばしば明らかな毒性または刺激性の効果を示す。この点 から、いくつかのポリマーおよびリポソームが皮膚の表在層に対して薬剤を転移 するための優れたビヒクルであることが証明された。 本発明によれば、送達のためおよび皮膚の表在層からのDEETの吸収を遅らせる ため、二種のこのようなポリマーPp2(ポリオールポリマー2)、Pp15(ポリオー ルポリマー15)およびリポソーム調製物が開発された。その結果、皮膚中でのDEE Tの活性を持続するためには、10%DEETを含む3種の新規な具体的な製剤(Pp2dee t、Pp15deetおよびリポdeet)を調製した。皮膚に投与する場合、これらの調製 物は、一回の適用で48時間までの皮膚穿通性寄生虫に対する保護を付与した。14 C標識DEETを使用する薬学的および組織学的研究により、これらの製剤は皮膚の 表在層に、適用後最初の24時間の間適用したDEETの90%以上を残存させることが できることを示唆する。本発明の製剤はまた、ダニおよび蚊などのいくつかの刺 咬性昆虫に対しても効果的であった。皮膚穿通性寄生虫および刺咬性昆虫に対し て、長い時間(48時間以上)強力な活性を有することを考慮すると、本発明の長 期作用DEET製剤は、皮膚を介して感染する感染性疾患の野外抑制のためには大き な潜在性を有している。 1960年代半ばにAlec Baghainは、ホスホリピッドは水の存在下において閉鎖小 胞を形成し、そしてその小胞の物理化学的性質が細胞膜と同様であることを示し た。ホスホリピッドの大多数は、両親媒性である。両親媒性脂質の分子は、ホス ホリピッドを形成する親水性の丸い頭と長い非極性疎水性の尾を持ち、棒付きキ ャンディー(lollipop)に似ている。これらの両親媒性脂質のいくつかの分子は 、頭の部分を外にして尾の領域で平行に並びそして互いに結合し、脂質二重層を 形成する。水性培地中では、二重層はそれ自体で折りたたまれ、閉鎖球体を形成 し、その中に水性分子をとらえる。これらの小胞は現在ではリポソームと呼ばれ ている。リポソームは熱力学的に安定であり、皮膚に適用した場合に、解質層( stratum corneum)内の脂質と融合し、そしてその結果皮膚層中非常に深くまで は浸透しない。このことから、リポソーム送達薬剤の全身的吸収は最小限になる だろう。リポソームの利点は、それらが潜在的に非毒性であり、分解性であり、 そして非免疫原性であるという点である。さらにリポソームは、その両親媒性の 構造により、水可溶性および脂質親和性の物質の両方を貯蔵することができる。 C.T.Wang(ジョンソン&ジョンソン・コンシューマプロダクツ・ワールドワイ ド(Skillman NJ)の製剤テクノロジーリソースセンターの研究・テクノロジー 部門副総裁)が強調しているように、すべての用途に叶う普遍的なリポソームシ ステムは存在しないことに注意することは重要である(“化粧用成分の送達シス テム:テクノロジーの流行およびマーケットの好機”、P.Bassett,Southborou gh,MA1997を参照)。リポソームシステムの特別の型および構造設計は、通常リ ポソーム送達の利点を最大限達成するために、選択した分子を必要とする。 一般的にはリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、ステアリ ルアミン、ホスファチジルセリン、そしてホスファチジルグリセロールなどの天 然のグリセロホスホリピッドから調製する。低度に厳しい条件下で水(または水 可溶性バッファーのいずれか)と混合する場合、ホスホリピッドのそれぞれの分 子はそれぞれが方向付けがあるように並んで整列し(頭が上で尾が下)、シート を形成する。DEETがホスホリピッド混合物中に添加されると、脂質可溶性である DEETはホスホリピッドとともに不均一に散在し、そしてシートの一部を形成する 。2種のこのようなシートを尾と尾とで結合させて、水を内部に含む小胞の小さ な層をとらえた二重膜を形成することができる。疎水性の性質により、一般的に はこれらの小胞のいくつかはその小胞の内部に小さなサイズの別の小胞を形成し 、水の層で分離された同心円状のホスホリピッドのマルチラメラ構造を形成する 。これらの球状小胞は、マルチラメラリポソームミセルと名付ける。DEETはミセ ル中 に組み込むことができるので、これらのDEET含有リポソームについてはリポdeet と名付けた。本発明の目的のためには、リポdeetは、DEETまたはその誘導体をい ずれかの濃度または形態で組み込むリポソームのいずれかの調製物について言及 するであろう。リポdeetは、水ベースのバッファーを使用してミセルを形成する ため、本発明は、皮膚を通して感染する多くの寄生虫性感染を効果的に防止しう る、リポdeetミセル中に抗寄生虫薬剤を組み込むという可能性のある使用法のア レイを開発する。我々のリポdeet調製においては天然のホスホリピッドを使用す るので、リポソームによる宿主に対する毒性効果は最小限である。 ホスホリピッド分子のミセル中での電子安定的荷電は、究極的にはリポdeet調 製物の最終的な荷電を決定する。したがって、中性の荷電を有するホスファチジ ルコリンおよびコレステロールは、中性のリポdeetを産生することができる。一 方で、調製のためにステアリルアミンを添加すると、陽性に荷電したリポdeetを 作ることができる。同様にホスファチジルセリンまたはホスファチジルグリセロ ールによりリポdeet調製物に対して全体として陰性の荷電を与えることができる 。本発明においては、我々はこれらの異なる荷電を有するリポdeet(陽性、陰性 、および中性)をすべて使用し、そしてこれらの調製物すべてから比較的同様の 結果を得た。 したがって、本発明の製剤もまた、駆虫薬、抗原生動物薬(antiprotozoans) 、ワクチンなどを含む水可溶性薬剤のどんな数の組合せであっても、リポdeetミ セル中に組み込むことができるというさらなる利点を有する。さらに、本発明は また、DEETを皮膚の表在層中に残存させることができる、1-ドデシルアザシクロ ヘプタン-2-オン(ラウロエパラム(lauroeparam)、Azone)、Catzomes、ヘキ サメチレンラウルアミド誘導体、アザシクロアルカノン誘導体、ピロリドン、脂 肪酸およびテルペン類など(しかしこれらの剤に限定されるものではない)を含む 様々な小胞と組み合わせてDEETを使用するという適用まで拡大する。DEETを含む マイクロエマルジョンもまた、本発明に含まれる。このようなマイクロエマルジ ョンは、油中、水中および顕微鏡的には単一相的であり、視覚的には等方性であ り、熱力学的には安定であり、そして超低界面張力値により特徴づけられる両親 媒性システム中にDEETを含む。DEETが皮膚の表在層中に残存すると、刺咬性昆虫 に対 して強力な忌避作用を有し、そして皮膚穿通性寄生虫に対しては、以下に示すよ うな致死作用を有するであろう。 ヒトおよび動物の住血吸虫のセルカリア期に対するDEETの適用 既に論じたように、皮膚は住血吸虫寄生虫がヒトおよび動物体内に侵入する唯 一知られている経路である。寄生虫の感染期(セルカリア)は、水へ接触した後 数分以内に正常皮膚を穿通する。したがって、セルカリアが皮膚内に侵入するこ とを阻止しうるいずれかの剤は、住血吸虫症を本質的に阻止しうる。以下の実施 例は、DEETがSchistosoma mansoniのセルカリアに対して非常に致死的であり、 そして皮膚に適用したときに侵入を阻止しそして感染の成立を阻止しうることを 示している。一回の適用の後、長時間作用するDEET製剤、特にリポdeetは、セル カリアの穿通に対して48時間まで宿主を保護し、そしてしたがって住血吸虫症に 対して保護しうる。 本発明にしたがって本明細書中に記載される製剤を使用してヒトにおいて阻止 される、“沼地皮膚症”または“セルカリア皮膚症”と呼ばれる別の疾患症状を 、DEETを使用して阻止しまたは治療することができる。Trichobilharzia ocella ta、T.physellae、T.stagnicola、T.anatina、T.berghei、T.schoutedeni 、Tmaegraithi、Giganthobilharziahuttoni、G.gyrauli、G.huronensis、G.s turniae、Austrobilharzia variglandis、A.enneri、Ornithobilharzia canali culata、O.pricei、Schistsosomatiumdouthittiを含む、1ダースを超える種の 皮膚炎原因住血吸虫が、アメリカ合衆国の五大湖周辺で記載されている。これら の疾患を伝播させる巻き貝は、北アメリカ大陸の多くの湖で優勢である。これら の疾患は、激しいかゆみ、浮腫および水に曝露された皮膚に赤く充血した領域が でることを特徴とする。重度の感染では、不眠症および発熱を引き起こしうる。 反応は、繰り返し接触するごとに激しくなる。我々の発明は、リポdeetが住血吸 虫のセルカリア期に対して非常に効果的であることを示すため、皮膚に対して持 続作用のDEETを適用することによりセルカリア皮膚炎を阻止することができる。 その他の皮膚穿通性寄生虫に対する適用 Necator americanus、Ancylostoma sp.およびStrongyloides stercolarisなど の、皮膚を体内に侵入するための入り口として使用するいくつかのヒトおよび動 物の線虫が存在する。これらの寄生虫は非常に短時間しか(数分)皮膚内に残存 しないが、DEETはこれらの皮膚穿通性寄生虫に対しても致死効果を有しそしてそ の結果それらが皮膚を通って移動することを阻害する。したがって本発明は、衰 弱性の疾患を引き起こす多くの皮膚穿通性線虫寄生虫に対して宿主動物を保護す ることにも関する。 蚊が保有する疾患を抑制するための蚊に対する適用 本発明のDEET製剤の活性が48時間以上にわたって皮膚において残存しているこ とを考慮すると、それらはAnophilusおよびCulicineの種の蚊に対して、他のDEE T製剤と比較してより低い濃度で長時間にわたって忌避作用を得るために使用す ることができる。 ダニおよびダニが保有する疾患に対する適用 ダニが保有する疾患は、北アメリカ大陸でもっとも素早く広まった感染性疾患 の一つである。ダニにより伝播する感染症には、ライム病、バベシア病、エール リッヒ病、ロッキー山紅斑熱、コロラドダニ熱、野兎病、回帰熱、ポワソン脳炎 およびダニ麻痺が含まれる。これらの感染病原体は、ダニが餌をとっている間に その唾液を介して宿主体内に伝播する。疾患抑制および予防のためのセンター( CDC)によれば、1994〜1997年の期間には、米国内での麻疹、おたふく風邪、百 日咳、風疹、ジフテリア、コレラ、マラリア、レプトスピラ症、ハンセン病、悪 疫、破傷風、旋毛虫症、腸チフス、ジアルジア症そしてレジオネラ病について報 告されたケースのあわせた総数よりも、ダニが保有する疾患の数の方がより多く 報告された。したがって、ダニが皮膚を咬むことを忌避するかまたは阻止するこ とができるいずれかの剤は、ダニにより伝播する疾患のすべてを本質的に阻止し うる。DEETは、研究室的条件下では、ダニに対して効果的であることが知られて いる(Solberg,V.B.,et al.,J.of Med.Entomology 32:870-875(1995);Kuma r,S.,et al.,Med.Veterinary Entomology 6:47-50(1992);Couch P.,et al. , American Journal of Hosp.and Pharm.49:1164-1173(1992))。しかしながら 、野外条件下でダニの刺咬を抑制するためにDEETを適用することは、DEETが皮膚 から素早く取り除かれてしまうためおよび活性が短期間であるため限定的である 。牧草を食べている動物またはダニが繁殖している植生の中をハイキングをして いるヒトに対して、30分ごとにDEETを適用することは非現実的である。以下に示 すように、10%のリポdeetを皮膚に適用する場合、72時間以上ダニが皮膚に付く のを阻止することができる。実際にリポdeetを適用した皮膚を刺そうとするダニ は、数分以内に殺される。したがって、本発明の持続作用のDEET製剤(リポdeet 、Pp2deet、Pp15deet)は、野外条件下でダニの刺咬を抑制し、そしてその結果 ダニが伝播する疾患を阻止するために、大いに利点となりうる。 ヌカカ、オオサシガメ、ノミおよびブユなどのその他の刺咬性昆虫に対する適用 本発明の長時間作用のDEET製剤は、リーシュマニア症を伝播するヌカカ、トリ パノソーマ症を伝播するオオサシガメ、そしてオンコセラ症を伝播するブユなど の他の刺咬性昆虫を抑制する際にも有用である。リポdeetは、皮膚の表在層中に より長い時間残存するので、一回適用すると、刺咬性昆虫は長時間にわたって忌 避されうる。昆虫が寄りつかない領域では、DEETの繰り返し適用に関連した偶然 の毒性を減少することもできる。 ヒルおよびその他のシラミなどの皮膚刺咬性生物に対する適用 DEETはヒルおよびシラミに対して有効性を示したので(Mehr Z.A.et al.,J .of Med Entomology 21:665-669(1984);Bar-Zeev M.,et al.,J.of Med.Ent omology 9:215-218(1972))、本発明の製剤は、ヒルの刺咬およびシラミの侵襲 を抑制するための方法において使用することもできる。 以下の実施例は、説明の目的にのみ提供するものであり、添付する請求の範囲 において説明する本発明の範囲を限定することを意図するものではない。 実施例1は、放射標識セルカリアの調製および回収について記載する。 実施例2は、セルカリアによる動物の感染について記載する。 実施例3は、全器官オートラジオグラフィーについて記載する。 実施例4は、抗穿通剤としての化学物質化合物のスクリーニングについて記載 する。 実施例5は、S.mansoniのセルカリアに対するDEETのin vitro作用について記 載する。 実施例6は、セルカリアの形態に対するDEETの作用について記載する。 実施例7は、in vivo作用について記載する。 実施例8は、セルカリアの穿通および虫の定着に対する様々な濃度のDEETの作 用について記載する。 実施例9は、S.mansoniによる感染に曝露した後のDEETの作用について記載す る。 実施例10は、一回の皮膚適用の後のDEET活性の期間について記載する。 実施例11は、DEETの作用を持続する製剤の調製について記載する。 実施例12は、DEET製剤の皮膚における局在に関する研究について記載する。 実施例13は、刺咬性昆虫に対するDEET製剤の作用について記載する。 実施例14は、皮膚に接着するダニに対する長時間作用性DEET製剤の作用につ いて記載する。 実施例1 放射標識セルカリアの調製と採取 S.mansoniに感染したBiomphalaria glabrata種の巻き貝は、国立アレルギー および感染性疾患研究所からの下請け契約の一部として、Dr.Fred Lewis(マサ チューセッツ大学、Lowell,MA)から入手した(Al#052590)。感染した巻き貝 は、持続的に通気した塩素を含まない水中、85〜87°Fの定常温度室温条件に維 持された暗室で飼育した。巻き貝タンク中の水は、1週間に3回交換し、そして巻 き貝にはオートクレーブして滅菌した少量のレタスとひとかけらのチョーク(ch alk)を給餌した。感染した日からおよそ30日後に、明るい光源に1時間曝露した 結果として巻き貝からセルカリアが出現するかどうかを観察することにより、巻 き貝について寄生虫が存在するかどうかについてそれぞれチェックした。巻き貝 がセルカ リアを放出したことを確認した後、Liら(Parasitology International,46:55- 65(1997))に以前に記載されたように、35S-メチオニンでセルカリアを放射標識 した。簡単にいうと、蒸留水(0.5ml/巻き貝)中に懸濁した巻き貝を20μCi/ml の放射標識35S-メチオニン(Tran35S-label,ICN Pharmaceuticals,Inc.,Irvi ne,CA;比活性:1047 Ci/mmol;カタログ# 51006)に対して、37℃暗黒下で曝露し た。ラジオアイソトープに16時間曝露した後、巻き貝をすすぎ、そして通気した 新鮮な水に移し、そしてセルカリアの脱皮を誘導する3日前まで暗黒下で飼育し た。 セルカリアは、暖かい蒸留水中に巻き貝を懸濁しそしてそれらに明るい光源を 1時間曝露することにより採取した。その後、出現した放射標識セルカリアを採 取し、そしてワイヤメッシュのふるい(38μm;Newark Wire Cloth Co.,Newark ,NJ)を通すことにより濃縮した。採取の後、放射標識セルカリアを蒸留水中に 懸濁し、数を数え、そして感染に使用した。この手順により一貫して>99%の放 射標識セルカリアを得た。 実施例2 住血吸虫のセルカリアでの実験動物の感染 in vivo動物実験については、Charles River Laboratories(Wilmington,MA )から購入した、体重がおよそ18-20グラムのCD1系統のオスマウスを使用した。 これらの実験における動物の使用は、動物福祉条例(Animal Welfare Act)およ び国立保健研究所の刊行物:実験動物の飼育および使用に関するガイドに記載さ れているような、動物に関する連邦政府のその他のstatuesおよび規則にしたが って行った。マウスは住血吸虫のセルカリアを尾の皮膚または剃毛した腹部皮膚 のいずれかを介して個別に感染した。尾の皮膚を介した感染については、マウス をケージ中に拘束しそして尾を60分間にわたって、10mlの蒸留水中に懸濁した25 0-300匹の35S-標識セルカリアを含むチューブ中に室温で浸けた。腹部皮膚を介 した感染については、マウスを仰向けに固定した。腹部皮膚を剃毛した後、150- 200匹の35S-標識セルカリアを蒸留水の一滴中で適用し、カバースリップで覆い 、そして30分間曝露した。 実施例3 全器官オートラジオグラフィー 皮膚穿通および虫の定着を確認するために、上述したようにセルカリアに曝露 した尾の皮膚の全部または腹部皮膚の領域および肺を、それぞれのマウスから感 染後7日目に採取し、そして以前に記載されている圧迫器官オートラジオグラフ ィー手法(Li JW et al.,Parasitology Inbternational 46:55-65(1997))用に 処理した。簡単に説明すると、皮膚および肺を厚紙のシート上に載せ、プラスチ ックラップで覆い、室温での組織圧迫下で48時間にわたって保持した。その後、 圧迫しそして乾燥した組織を、-70℃で7-9日間、X線フィルム(FUji RX,Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)に曝露した。オートラジオグラフィーの現像の 後、暗い点(フィルム上の減衰した銀の焦点を示す)を計数し、そして虫の定着 パーセントを計算した(スポット数/感染に使用したセルカリアの総数×100) 。この研究の結果から、セルカリアの有効濃度の約28%以上が正常皮膚を穿通す ることが示された。皮膚に侵入したセルカリアの総数のうち、50%以上が7日目 までに肺に移行した。 実施例4 住血吸虫のセルカリアに対する強力な抗穿通剤としてのDEET 過去30年間の間、特に皮膚に適用された後にセルカリアの穿通に対する保護を 付与することができる能力について、いくつかの化学物質化合物がスクリーニン グされた。これらの中で、N,N-ジエチルラウルアミド、ニクロサミド、セデロー ル、ヘキサクロロフェン、ジブチルフタラート、およびベンジルベンゾアートな どのいくつかの化合物が、in vitroで顕著な殺セルカリア作用を有するものとし て見いだされた(Naples,J.M.,et al.,上述;Grenan,M.M.,et al.,上述;Ghan dour,A.M.,et al.,上述;Fripp,P.J.,et al.,上述;Abu-Elyazeed RR,et al. 上述)。しかしながら、ニクロサミドを除き、どの他の化学物質も、野外条件下 での臨床適用について試験されなかった。 セデロールの皮膚適用のための適切なビヒクルをスクリーニングするための試 験の間に、シーダー材油から化学物質が単離され、それがin vitroにおいてセル カリアに対していくらかの殺セルカリア作用を有することが示され(Naples JM e t al.,上述)、それ自体がビヒクルを含有するN,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET )が非常に効果的にセルカリアの皮膚穿通を阻止することが発見された。ビヒク ル中のそれぞれの構成要素についてさらに解析を進めると、調製物の抗穿通活性 は、DEETによるものであることが示唆された。 実施例5 S.mansoniのセルカリアに対するDEETのin vitro作用 前述の観察に基づき、DEETをS.mansoniのセルカリアに対するその作用につい て試験した。DEETは、商業的に入手可能であり、Fluka Chemicals Corp.(Ronko nkoma,NY)から購入した。in vitro研究のために、連続二倍階段希釈して30%か ら0.24%の範囲のDEETをイソプロパノール中で調製し(Sigma,St.Louis,MO) 、そして96穴平底マイクロタイタープレート(Costar,Cambridge,MA)のそれ ぞれのウェル中にそれぞれの希釈液を50μl移した。対照のウェルには、50μlの イソプロパノールをそれぞれ入れた。その後、プレートをドラフトチャンバーで 覆いをしたままにし、そして液体は一晩かけて蒸発させた。翌日、50μlのRPMI- 1640培地(pH7.4;Gibco BRL)またはリン酸緩衝液(PBS,pH7.0)中に懸濁した およそ50匹のS.niansoniのセルカリアを、それぞれのウェル中に静置し、そし てセルカリアの生存率を30分、60分および4時間の時点でモニターした。いずれ か一つの所定の実験において、それぞれの希釈およびそれぞれの時間点について 総数17個のレプリカを作成した。セルカリアの生存率を測定するために、10μl の0.05%ニュートラルレッド(Sigma Chemical Co.)を実験の最後にそれぞれの ウェルに添加し、そして生存しているセルカリアおよび死んだセルカリアのパー セントをHeら(ActaZoologica Sinica,31:240-245(1985))に記載されるように 測定した。 これらのin vitro研究により、15%およびそれ以上の濃度のDEETは、S.manso niのセルカリアに対して非常に致死的であることが示された(図1)。このよう な濃度のDEETに曝露した場合、セルカリアは即座に動けなくなった。30分後のニ ュートラルレッド染色では、100%のセルカリアが死んだことが確認された。経 時的研究では、7.5%の濃度のDEETでは、5分以内にすべてのセルカリアが動けな くな り、そして4時間までに100%のセルカリアが死んだ。しかしながら、7.5%以下 の濃度のDEETでは、S.mansoniのセルカリアを動けなくするまたは死亡させるた めには有効性が低かった。 実施例6 セルカリアの形態に対するDEETの作用 セルカリアの形態に対するDEETの作用は、透過電子顕微鏡的研究により評価し た。これらの実験において、100μlのPBS中に懸濁したおよそ300-500匹のS.man soniのセルカリアを様々な濃度のDEET(7.5%-40%の範囲)または上述したよう にイソプロパノール(対照)でコートした96穴プレートのそれぞれのウェルに静 置した。サンプルは、DEETに曝露した後5分、10分、20分、30分および240分に回 収し、そしてSalafskyら(Exper.Parasitol.,67:116−127(1988))に記載され るように透過電子顕微鏡用に処理した。簡単に説明すると、それぞれのチューブ から採取したセルカリアを10%ウシ胎児血清(Sigma Chemical Co.)を添加した PBSを含む新しいチューブに移し、そして500rpm(300g)で5分間遠心分離するこ とによりペレット中に濃縮した。次いでペレットは3%のグルタールアルデヒド および0.1Mリン酸バッファー(pH7.2)中の1%ホルムアルデヒドを含む固定液中 で4℃で一晩固定した。1%四酸化オスミウム中で固定化後1時間の後、濃度勾配 をつけたアセトン系列を通してペレットを脱水し、そしてエポン(epon)樹脂中 に包埋した。切片は、酢酸ウラニルとクエン酸鉛で染色した後、日立のH-500透 過電子顕微鏡中で調べた。 正常セルカリアの透過電子顕微鏡画像は、外部糖衣および一重膜があり、そし て細胞体顆粒が存在しない、無傷の波形をした外被を有することが示された。筋 層および深部実質は無傷で、浮腫または分解性変化はなかった。 しかしながら、7.5%のDEETに曝露した場合、二種類の原形質の不可視微小構 造的(ultrastructural)変化が観察された:住血吸虫(schistosomulum)への 変形の間のセルカリアの外被中の正常な変化を模した変形させる傾向のある変化 、そして重度の細胞性傷害を示す分解性変化である。両方の変化は、曝露後5分 間という早期にはっきりとするものであるが、曝露の時間を増加させるとより重 度にな る。DEET曝露の5分後の典型的な変化には、細胞体顆粒の外被への移動(変形性 変化を示す)、糖衣の量の減少、そして細胞内および細胞外膨張、実質における 拡散浮腫性変化、そして病巣溶解などの初期分解性変化が含まれる。これらの変 化は、程度の差はあるが、すべての試験した寄生虫にみられた。 変化は、曝露の時間が10分および30分の時に進行した。糖衣および細胞体顆粒 移動の喪失を伴う変形性変化はより顕著なものとなるが、しかし一般的には分解 性変化の方が重要(overshadow)である。広範囲に及ぶ細胞外体液の蓄積が一般 的であり、外被の平板化が起こり、そして外被の完全性の局部的な破壊が観察さ れた。空胞化、凝縮、および筋層内の筋フィラメントの崩壊、核膨大およびクロ マチンの濃縮、そして細胞融解といった細胞内分解性変化が時間とともに進行す る。セルカリアの明らかな溶解は、DEETの曝露後240分で観察された。 実施例7 マウスにおけるセルカリアの皮膚を介した穿通 および感染の成立に対するDEETのin vivo作用 前述の結果を考慮して、実験はin vivoでのセルカリア穿通に対するDEETの作 用を決定するために行われた。 尾の皮膚に対するDEETの適用のために、マウスはそれぞれ制限ケージ内で飼育 され、そしてそれらの尾を7.5%のDEET溶液(イソプロパノール中に調製)中に5 分間つけた。適用の後、皮膚は30分間風乾し、そして蒸留水で1分間洗浄し、そ の後実施例3で言及した放射標識したS.mansoniのセルカリアに曝露した。 DEETを腹部皮膚に適用するためには、マウスは仰向けに固定され、そしてその 腹部を剃毛した。200μlのイソプロパノール溶液中適切な濃度のDEETを腹部に滴 下し、そして15分間乾燥させた。乾燥の後、皮膚を蒸留水で1分間洗浄し、そし て放射標識したセルカリアを30分間曝露した。 in vivo研究の結果は、イソプロパノールだけで処理した対照動物においては 、感染性濃度の顕著な比率(28%より多い)が無傷の皮膚に穿通した。皮膚に侵 入した総数のうち、50%を超えるものが7日までに肺に移動した。7.5%のDEETを 皮膚に適用した後感染させた場合は、無傷の皮膚を穿通する寄生虫の能力が顕著 に 減退した。これらの結果から、感染性濃度の総数のうちほんの0.13%のみが7.5 %のDEETでコートした皮膚を穿通することができたことを示している(表1)。 しかしながら、それらが肺に移動する能力は、7.5%DEETで処理した後に完全に 失われた(表1)。このことから、7.5%DEETは、住血吸虫のセルカリアに対す る強力な抗穿通剤であることが示唆される。 表1 マウスの皮膚中へのセルカリアの侵入および感染の成立に対するDEETの作用 実施例8 セルカリア穿通および虫の定着に対する様々な濃度のDEETの作用 実施例7に記載した実験は、様々な濃度のDEET(5%、10%、20%、40%)で 繰り返した。5%の時には、保護は72%でしかなく、このことからこのDEETの濃 度は完全に効果的ではないということが示唆され、一方、DEETを10%、20%また は40%の濃度で皮膚に適用した場合、マウス皮膚中へのセルカリアの侵入を100 %効率的に阻止した。この結果、これらの研究は上記の結果を確認しそしてDEET がS.mansoniによる感染を阻止するためにうまく使用することができることを示 した。 実施例9 S.mansoniによる感染に対する曝露後のDEETの作用 DEETがセルカリアへの曝露後にセルカリアの穿通および移動に対してどのよう な作用を有するかどうかについて調べるために、我々は感染後様々な時間に皮膚 に対して40%DEETを適用した。侵入後肺に移動する前に、寄生虫は24-72時間皮 膚に残存することがよく確かめられた。したがって、感染のために曝露した後、 皮膚に対して適用した場合に、DEETがまだ寄生虫を殺すことができるかどうかを 調 べるために、実験を行った。効果的である場合には、強力で偶然な感染への曝露 をDEETで治療することができる。マウスに腹部皮膚を介して放射標識したセルカ リアを感染させ(実施例2に記載されている)、そして40%DEETを感染部位に30 分後、4時間後、24時間後または48時間後に適用した。虫の定着を圧迫器官オー トラジオグラフィー(実施例7に記載されている)により調べた。これらの研究 から、セルカリアへの曝露から30分以内にDEETを皮膚に適用した場合、DEETは感 染を阻止する際に100%有効であった。しかしながら、感染から4時間またはそ れ以上後に皮膚にDEETを適用した場合には何の保護も付与することができなかっ た。これらの結果から、感染に対して曝露した後30分後までならば住血吸虫症の 抑制に際して効果的に使用することができた。 実施例10 一回皮膚適用後のDEET活性の期間 DEETを一回適用した後皮膚においてどのくらい長く殺セルカリア活性を持続し ているかを見るためにも、実験を行った。これらの実験においては、10%のDEET をマウスの剃毛した腹部皮膚に適用し、そして乾燥させた。DEET適用後30分後に 、皮膚の領域を蒸留水の流水で1分間連続的に洗浄した。DEET適用後の様々な時 間点に(30分、1時間、4時間および24時間)、マウスに放射標識したセルカリア を感染させ(実施例2に記載されている)、そして虫の定着を圧迫器官オートラ ジオグラフィー(実施例3に記載されている)により調べた。これらの研究によ り、DEET適用後30分、1時間および4時間に感染に対して曝露すると、住血吸虫症 に対してそれぞれ、100%、98±1%および85±1%の保護を付与した。しかしな がら、感染への曝露後24時間以降の場合は、全く保護を付与しなかった。この結 果、これらの結果から、皮膚中でのDEETの作用は、ほんの短期間しか持続しない 、すなわち、30分から1時間の間しか持続しないことが示唆された。 実施例11 皮膚中におけるDEETの作用を持続させる製剤 皮膚の上部層、特に解質層において、より長時間DEETの作用を持続させうる適 したビヒクルを同定するという目的で、我々はポリオールプレポリマー2(Pened erm Incorporated,Foster City,CA;Barnet Products Corp.Englewood Cliffs ,NJにより拡充された)、ポリオールポリマー15(Barnet Products Corp.)、 および陽性に荷電したリポソームキット(L-α-ホスファチジルコリン63μモル、 ステアリルアミン18μモル、コレステロール9μモル、lot 47H8350,Sigmaカタ ログ番号L-4395)の能力を解析した。1mlの100%DEET溶液を9mlのイソプロパノー ル中10%ポリオールプレポリマー2に添加し、そして室温にて10分間激しくボル テックスをかけることにより、Pp2deet(イソプロパノール中10%ポリオールプレ ポリマー2を添加した10%DEETを含有する調製物)を作成した。Pp15deet(イソプ ロパノール中10%ポリオールプレポリマー15を添加した10%DEET)をPp2deetと同 様な方法により調製した。 その他の濃度のポリオールプレポリマーおよびDEETもまた、本発明の実施にお いて有用である。例えば、ポリオールプレポリマー濃度は、約10%w/vが好まし いが、約1%w/vから約70%w/vの範囲であってもよい。 陽性に荷電したマルチラメラのリポdeetは、1.0mlの100%DEETに63μモルのL- α-ホスファチジルコリン、18μモルのステアリルアミンおよび9μモルのコレス テロールを添加することにより調製した。混合物は均一な溶液を形成するまでよ く混合した。次いで、9.0mlのリン酸緩衝液(PBS)を混合物に添加し、そして室 温にて10分間激しくボルテックスすることにより、マルチラメラのリポdeetミセ ルの10%溶液を調製した。次いで、リポdeet混合物は室温にて10分間静置させた 。ミセルのサイズおよび構造は、顕微鏡下で観察し(×100)、均一性を確認し た。本発明によるリポソームは、特許番号第5,173,303号(本明細書中で参考文 献として援用する)のリポソームにより必要とされているようなピリジネチオン (Pyridinethione)ナトリウムなどのアンカー分子が存在することを必要としな い。 セルカリア穿通および移動に対する組成物の作用を決定するために、ビヒクル 、Pp2deet、Pp15deet、またはリポdeetを、実施例7に詳説したように、腹部皮 膚に適用した。皮膚適用後様々な時間に(4時間、24時間または48時間)、マウ スに放射標識したセルカリアを感染させ、そして虫の定着を圧迫器官オートラジ オグラ フィーにより測定した。これらの研究から、DEET単独と比較して、試験した3種 すべてのビヒクルが48時間までの間、皮膚におけるDEETの作用を延長することが 示された。結果は図2に示す。試験した3種のビヒクルのうち、3種すべての化合 物が効果的であるようだったが、リポdeetが皮膚へのDEET活性の残存に関しては より効果的であるようだった。これらのデータは、本発明の組成物、すなわち、 長時間作用のDEET調製物により、皮膚におけるDEETの活性がより長時間残存する ことができ、その結果その吸収および代謝および毒性を最小限にする。 荷電が異なるか(それらのリポソームに対して陽性、陰性および中性)、また は親水性の分子(PBSではなく、プラジカンテルまたはチアベンダゾールなどの 水可溶性で広いスペクトルを有する駆虫薬)の配合物が異なる、その他のリポソ ーム調製物を使用して、DEETとともにまたは伴わずに、治療的/予防的混合組成 物を提供できる。 実施例12 皮膚におけるDEET製剤の量の定量および局在 14C-標識リポdeet調製物(陽性に荷電したリポソームを添加した14C-DEETおよ び上述したもの)を使用して、リポdeet組成物中で投与したときの皮膚に残存す るDEETの量を定量しそして評価し、そしてDEETが皮膚のいずれの層に局在してい るかについて同定することができる。シンチレーションカウンターによりおよび オートラジオグラフィーにより、皮膚の様々な層におけるDEETの配置を(組織学 的染色により決定するように)測定する。組成物を皮膚に適用し、そして皮膚片 を適用後様々な時間(30分、4時間、8時間、24時間、48時間および72時間)に取 り出し、そして評価する。これらの研究から、適用後30分、4時間および8時間の 時点では100%の14C-リポdeetが皮膚の表在層に存在することが示された。24時 間後のシンチレーションカウンターによる測定では、84±2%の14C-リポdeetが 未だ皮膚に存在することが示された。48および72時間での解析では、皮膚におけ る14C-リポdeetが徐々に減少していること(それぞれ、52±12%および36±17% )が示された。これらの結果は、Artmannら(Drug Research,40:12-28(1965)) に記載されているように、皮膚ストリップ法により確認された。これらの研究か ら、一 回適用後最初の24時間の間は、91%以上の14C-リポdeetが解質層中に残存するこ とが示された。 実施例13 ダニに対するDEETの作用 ダニの攻撃および餌の摂取に対するDEETの作用を調べるため、我々はオクラホ マ大学から購入した2種類のダニ、Amblyoma americanumおよびDermacetor varia bilisを使用した。ダニには、チャールズリバー社から購入したオスのニュージ ーランド白色種ウサギの耳で給餌した。給餌のためには、5匹のダニを60μmシー ブセルウェル(Fisher Scientific社)中に導入し、マニキュアでウサギの耳に 接着した。ダニを最初の8時間の間30分ごとに観察し、皮膚への接着および摂食 行動を観察した。ダニの接着は、5匹のダニ中3匹が耳に接着するために必要とす る最小の時間として測定した。24時間がたってもダニが接着しなかった場合には 、そのダニは除去し、そして新しく5匹のダニを同じウェル中に導入し、前と同 様に観察した。観察は両方のダニ種について72時間まで継続した。それぞれのダ ニ種に対しておよびそれぞれの処置に対しては、別個のウサギを使用した。結果 から、DermacetorおよびAmblyomaが正常ウサギの耳に接着する時間は、それぞれ 、4.5時間および20時間であった。しかしながら、ダニを導入する前に10%DEET を適用することは、結果としてDermacetorの場合には最初の7.0時間の間、そし てAmblyomaの場合には最初の22.0時間の間、ダニは接着しなかった。このことか らDEETはそれぞれの基線を超えて、数時間の間、効果的であることが示唆された 。本研究のすべてのダニは、接着するまでは活発であった。これらの結果から、 DEETの作用は短期間ではあるが、ダニの刺咬に対して効果的な忌避剤であるとい う以前の研究を確認する。 実施例14 ダニに対するリポdeetの作用 ダニの攻撃および餌の摂取に対する長期間作用性のリポdeetの作用を調べるた め、100μlの上述した10%リポdeet調製物をウサギ耳の背面に適用し、そして5 匹のダニを、実施例13に記載されたように、それぞれのシーブカップに導入し た。ダニを最初の8時間の間30分ごとにモニターし、その後は24時間ごとにモニ ターした。5匹の新しいダニを24時間ごとに72時間まで導入した。これらの実験 においては、実施例13で記載したのと同一の2種のダニを使用した。結果から 、ダニがリポdeet適用後72時間後まで皮膚に接着することができないことが示さ れる。最初の48時間の間に導入されるすべてのダニは、導入後5時間までに死亡 し、そのことから、10%リポdeetはダニに対して致死的であることが示唆される 。48時間より後に導入されたダニは、5匹中3匹が5時間までに死亡し、その残り は72時間まで接着しなかった。これらの結果から、リポdeetの一回適用後72時間 までは、ダニの刺咬に対してリポdeetは100%効果的であった。 実施例15 その他の刺咬性昆虫に対するリポdeetの作用 本発明の製剤はまた、ヒトおよび動物の両方において致死性の感染症を伝播す るヌカカ、蚊、および虫(bug)などのその他の刺咬性節足動物ベクターに対し ても忌避剤として有用である。マウス(虫に対する)、イヌ(ヌカカに対する) そしてヒト(蚊に対する)などの実験上の宿主は、当業者によく知られている。 これらの宿主動物を本発明の製剤で処理しそして節足動物ベクターが宿主上で摂 食する能力を評価する。適切な製剤の濃度は、当該技術分野においてよく知られ ている上述した様な方法により、容易に決定することができる。 前述の実施例は、説明のために提示されるものであり、どんな場合であっても 添付する請求の範囲に説明するような本発明の範囲を限定することを意図しては いない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),CA,JP,US (72)発明者 ラマスワミ・カルヤナスンダラム アメリカ合衆国イリノイ州61107,ロック フォード,イリニ・ドライブ 1423 (72)発明者 渋谷 健 東京都品川区上大崎2−4―19―101

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 皮膚穿通性寄生虫により引き起こされる寄生虫性疾患を阻止する方法で あって、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)を含む組成物の抗寄生虫有効量を 宿主ほ乳動物の皮膚に適用することを含む、前記方法。 2. 組成物がおよそ1%w/vから50%w/vのDEETを含む、請求項1に記載の方 法。 3. 組成物が約7.0%から約10%のDEETを含む、請求項1に記載の方法。 4. 組成物が約7.5%のDEETを含む、請求項1に記載の方法。 5. 組成物が水可溶性の駆虫薬物および水不溶性の駆虫薬物からなる群から 選択される駆虫薬物をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 6. 皮膚穿通性寄生虫が住血吸虫である、請求項1〜4のいずれか1項に記 載の方法。 7. 皮膚穿通性寄生虫が住血吸虫である、請求項5に記載の方法。 8. 住血吸虫が、Schistosoma mansoni、Schistosoma hematobium、およびS chistosoma japonicum、Trichobilharzia ocellata、T.stagnicola、T.anatin a、T.berghei、T.schoutedeni、T.maegraithi、Giganthobilharzia huttoni 、G.gyrauli、G.huronensis、G.sturniae、Austrobilharzia variglandis、A .enneri、Ornithobilharzia Canaliculata、O.pricei、Schistsosomatium dou thittiからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。 9. 住血吸虫が、Schistosoma mansoni、Schistosoma hematobium、およびS chistosoma japonicum、Trichobilharzia ocellata、T.stagnicola、T.anatin a、T.berghei、T.schoutedeni、T.maegraithi、Giganthobilharzia huttoni 、G.gyrauli、G.huronensis、G.sturniae、Austrobilharzia variglandis、A .enneri、Ornithobilharzia Canaliculata、O.pricei、Schistosomatium dout hittiからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。 10. 組成物が、ポリオールプレポリマー類およびリポソーム類からなる群 から選択される担体をさらに含む、請求項1〜4および7〜9のいずれか1項に 記載の方法。 11. 組成物がポリオールプレポリマー類およびリポソーム類からなる群か ら選択される担体をさらに含む、請求項5に記載の方法。 12. 組成物がポリオールプレポリマー類およびリポソーム類からなる群か ら選択される担体をさらに含む、請求項6に記載の方法。 13. 担体が、中性、陽イオン性および陰イオン性のリポソームからなる群 から選択されるリポソームである、請求項5に記載の方法。 14. 担体が、中性、陽イオン性および陰イオン性のリポソームから選択さ れるリポソームである、請求項6に記載の方法。 15. リポソームおよびN,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)を含む、抗寄 生虫組成物。 16. リポソームが、陽イオン性、陰イオン性および中性のリポソームから なる群から選択される、請求項15に記載の組成物。 17. 駆虫薬物をさらに含む、請求項15に記載の組成物。 18. リポソームが、L-α-ホスファチジルコリン、ステアリルアミンおよ びコレステロールを含む、請求項15に記載の組成物。 19. 前記DEETが約1%から約50%のDEETである、請求項15〜18のいず れかい1項に記載の組成物。 20. 前記DEETが約7%から約10%のDEETである、請求項15〜18のいず れか1項に記載の組成物。 21. 前記DEETが約7.5%のDEETである、請求項15〜18いずれか1項に 記載の組成物。 22. 宿主ほ乳動物の皮膚に、N,N-ジメチル-m-トルアミド(DEET)を担体 中に含む抗昆虫効果濃度の組成物を適用することを含み、前記担体がリポソーム 類およびポリオールプレポリマー類からなる群から選択される、昆虫を忌避する 方法。 23. 組成物が約1%w/vから約50%w/vのDEETを含む、請求項22に記載の 方法。 24. 組成物が約7.0%から約10%のDEETを含む、請求項22に記載の方法 。 25. 組成物が約7.5%のDEETを含む、請求項22に記載の方法。 26. 昆虫が節足動物である、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方 法。 27. 昆虫が、蚊、ダニ、ブユ、ヌカカ、ツツガムシ、サシガメ、ツェツェ バエ、およびメクラアブからな群から選択される節足動物である、請求項20に 記載の方法。 28. リポソームおよびN,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)を含む、昆虫 忌避組成物。 29. リポソームが陽イオン性、陰イオン性、および中性のリポソームから なる群から選択される、請求項28に記載の組成物。 30. リポソームが本質的にホスファチジルコリン、ステアリルアミンおよ びコレステロールからなる群から選択される、請求項28に記載の組成物。 31. 前記DEETが約1%から約50%のDEETである、請求項28〜30のいず れか1項記載の組成物。 32. 前記DEETが約7%から約10%のDEETである、請求項28〜30のいず れか1項記載の組成物。 33. 前記DEETが約7.5%のDEETである、請求項28〜30のいずれか1項 記載の組成物。 34. a) N,N,-ジエチル-n-トルアミド(DEET)溶液を調製し; b) 工程a)のDEETをグリセロホスホリピッドと混合し; c) 工程b)で得られた混合物をリン酸緩衝液に添加し;そして d) 工程c)で得られた混合物を激しく攪拌し、リポソームを形成する; 工程を含む、寄生虫病を防止するための、医薬を製造するための方法。 35. 工程b)のグリセロホスホリピッドが、ホスファチジルコリン、コレス テロール、ステアリルアミン、ホスファチジルセリン、およびホスファチジルグ リセロールからなる群から選択される、1またはそれ以上のグリセロホスホリピ ッドを含む、請求項34に記載の方法。
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