JP2002510975A - アルツハイマー病の診断方法 - Google Patents

アルツハイマー病の診断方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アポリポプロテインE遺伝子の発現を制御するゲノムDNA域にあって、コントロール集団に比してアポリポプロテインE遺伝子に変化を誘導し、またはアポリポプロテインE遺伝子の対立遺伝子に関する発現を変更する1つまたは複数の変異を実証することを含む、アルツハイマー病の診断方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 アルツハイマー病の診断方法 本発明は、アルツハイマー病の診断方法に関する。 アルツハイマー病は、神経細線維混乱(neurohibrillary tanyle)及びほとん どの場合、アミロイド血管障害(amyloid anyiopathy)の、β−アミロイドプラ ークに関連する皮質ニューロン(cortical neuron)の損失により特徴づけられる 神経変性痴呆である。アルツハイマー病の病因に遺伝学的影響が存在することは 強く推測される(WO94/01772)。 この遺伝学的成分は、アルツハイマー病のある種のファミリー形を説明するた めに年齢−依存性侵透度(penetrance)を伴う常染色体優性態様で疾病が遺伝さ れることを示唆する間接的な観察により長年にわたって有力な役割を演じて来た 。最近の分子遺伝学的研究は、染色体−特異的多型性遺伝子マーカーを見出すこ とによって、アルツハイマー病についての推定上の遺伝子の単離を可能にした(B irdなど、1989,Neurobiology of Aging 10,432-434)。 次の4種の染色体位置付けが関与されるものとして記載されている:早期開始 ファミリー形(60才以下の開始年齢)における染色体1,14及び21上に3 点及び後期開始家族形及び散在性形における染色体19上の1点。2つの連鎖(l inkaye)研究は、染色体領域19q13.2がアルツハイマー病の後期開始家族形に関 連していることを示唆している(Pericak-Vanceなど、Am.J.Hum.Genet.(199 1),48,1034-1050)。この染色体領域内で、アポリポタンパク質(APO)の ための遺伝子のグループE−CI−CI’−CIIが候補領域である。それらの遺 伝子の生成物の中で、アポリポタンパク 質E(APOE)が特に、神経系において関与している。APOEは老人プラークに存在 し、そしてペプチドAβについての結合親和性を有する。APOEは3種の主要対立 遺伝子ε2,ε3,ε4により特徴づけられる。Stritlmatterなど、(Proc.Na tl.Acad.Sci.(1993)90,177-181)は、アルツハイマー病の後期開始ファミ リー形におけるAPOE遺伝子のε4対立遺伝子の高頻度の存在を記載している。こ の観察は、アルツハイマー病のファミリー形(Corderなど、Science(1993),261 ,921-923)及び散在性性(Corderなど、Science(1993),261,921-923;Saunder sなど、Neurology(1993),13,1467-1472)に関して確認されている。 フランス特許第2716894号は、一般的集団に関して、アルツハイマー病を進行 せしめる危険性の予知を可能にする方法を記載している。この方法は、APOE遺伝 子のε4対立遺伝子、マーカーD19S178の短い対立遺伝子及びAPO CII遺 伝子の長い対立遺伝子(すべては、染色体19上に位置する)の検出に基づかれ ている。 いくつかの仮説が、この現象の説明を可能にしている。 本発明者による最近の研究は、今や、19q13.2領域における少なくとも1つの 他の機能的突然変異の存在の仮説を確認する。 実際、アポリポタンパク質Eの多型性に対して特異的な機能的効果の他に、本 発明者による研究は、健康な対照に比較して、疾病患者において有意である発現 のレベルの差異を示しており、これは、APOE遺伝子の調節領域における1又は複 数の突然変異がアルツハイマー病の開始に関与していることを示唆している。さ らに、発現における相対的差異が対照に見出されている。 本発明者は特に、Th1/E47cs転写因子のための可能性ある結合部位に見出さ れるアポリポタンパク質Eタンパク質をコードする遺伝子のプロモーターの領域 に新規な多型性を同定している。 この多型性の決定に関しては、Paikなど、(1985,Proc.Natl.Acad.Sci., vol.82,p.3447)により記載される配列が参照として取られるであろう。 この多型性は、それがTh1/E47cs転写因子の結合のためのコンセンサス配列 に位置しているので、Th1/E47csコンセンサスのためのTh1/E47csとして発 明者により呼ばれて来た。 同定される突然変異は、下記配列におけるチミンとグアニンとの置換(G→T )により特徴づけられる: GGGTGTCTGT(又はG)ATTACTGGG, ここで、Gは、正常な集団における最とも頻度の高い対立遺伝子である。 この多型性に対応する対立遺伝子は、この後、T(塩基がチミンである場合) 又はG(塩基がグアニンである場合)として呼ばれる。 対立遺伝子の決定は、この多型性を含んで成るDNA領域のPCR増幅の後、 −対立遺伝子の1つを担持する個人に存在しない制限酵素のための切断部位を 、PCRプライマーの1つに創造することによって、又は −対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いてのハイブ リダイゼーション技法により実施され得る。 本発明者は、APOE遺伝子の対立遺伝子の発現に対するTh1/E47cs多型性の影 響について研究し、そしてこの対立遺伝子に対して特異的な、Th1/E47csのT 対立遺伝子に関連し、そしてε4対立遺伝子には関連しない進行性アルツハイマ ー病の危険性の上昇を示している。 さらに、Th1/E47cs多型性は、ε3/ε4遺伝子型を有する個 人におけるε4対立遺伝子に関連する危険性を調整し、ここでGT遺伝子型を有 する個人は、Th1/E47cs多型性に対してホモ接合性個人に比較して、進行性ア ルツハイマー病の高い危険性を有する。この観察を補強して、本発明者は、同じ 染色体上のε4対立遺伝子とTh1/E47csのT対立遺伝子との組合せが最とも好 ましくない組合せに相当すると見なしている。 従って、本発明の対象は、対照集団に関するアポリポタンパク質E遺伝子の発 現の変更、又はアポリポタンパク質E遺伝子の対立遺伝子の相対的発現の変更を 誘発する、アポリポタンパク質E遺伝子の発現を調節するためのゲノムDNA領 域における1又は複数の突然変異の同定を含んで成る、アルツハイマー病の診断 方法である。 本発明の目的のため、診断とは、臨床像が、アルツハイマー病に寄与する症候 学、又はそれに代って、全体としての集団に対しての進行性アルツハイマー病の 対象における高められた確率(確率の上昇は統計学的有意性を示す)を表示する 、患者におけるAPOE遺伝子の調節領域における突然変異の確認を意味することが 理解される。 APOE遺伝子を調節するための染色体DNA領域は、アポリポタンパク質Eをコ ードする領域以外の染色体領域19q13.2であるとして広く定義されている(Huma n Molecular Genetics,1994,Vol.3,No.4,569-574)。 好都合には、1又は複数の突然変異が同定されている染色体DNA領域は、マ ーカーD19S178とAPO CII遺伝子との間に位置し、そしてより具体的には 、イントロン、及びAPOE遺伝子の5Kb上流及び下流の距離にわたって伸びる、AP OE遺伝子のフランキング領域を含んで成る。 本発明の目的は、より具体的には、APOE遺伝子のTATAボックスから186個の 塩基に位置する、APOE遺伝子のプロモーターにおける 、前記で定義された配列における置換T→Gから成る少なくとも1つの突然変異 の同定を含んで成る、アルツハイマー病の診断方法である。 より具体的には、本発明の方法は、Th1/E47転写因子のための可能性ある結 合部位に特に存在する、アポリポタンパク質Eをコードする遺伝子のプロモータ ーの領域における1又は複数の突然変異について試験することを含んで成る。 本発明の目的はまた、アポリポタンパク質の遺伝子型の決定、及びAPOE遺伝子 の調節領域における上記の型の突然変異についての試験を含んで成る、アルツハ イマー病の診断方法である。 本発明の診断方法によれば、APOE遺伝子の調節領域における突然変異、特にAP OE遺伝子の発現の変更、又は適切な場合、アポリポタンパク質Eの対立遺伝子の 発現の相対的差異を誘発する、上記で定義された突然変異の存在と共に、アポリ ポタンパク質Eの少なくとも1つのε4対立遺伝子の存在が、臨床像がアルツハ イマー病に寄与する徴候を表示する患者におけるアルツハイマー病の診断に対す る範囲であり、又は進行性アルツハイマー病の高められた危険性を有する、カテ ゴリー上、良好な健康の対象の分類を可能にするであろう。 対立遺伝子の発現の相対的差異は、遺伝子の発現の絶対的レベルに関係なく、 他の対立遺伝子に対する1つの対立遺伝子の発現の差異を意味することが理解さ れる。 ε4対立遺伝子についての試験は、最とも広く行きわたっている、ε3イソフ ォームのためのそれらの位置における残基CYS及びARGに関して、ε4のた めのアポリポタンパク質Eの位置112でのARG残基及びε2対立遺伝子のた めの位置158でのCYS残基の存在に基づいてのいづれかの適切な方法により 実施される。 上記で定義されたようなAPOE遺伝子の調節領域における追加の突然変異の同定 は、いづれかの適切な方法、特に、この遺伝子のTATAボックスから186個の塩 基に位置する、APOEをコードする遺伝子のプロモーターにおける少なくとも1つ の突然変異の同定を含んで成る、アルツハイマー病の診断方法により実施される 。 フランス特許第2,716,894号に記載されるような、APOE遺伝子の少なくとも1 つのε4対立遺伝子、マーカーD19S178の少なくとも1つの短い対立遺伝子及 びAPO CII遺伝子の少なくとも1つの長い対立遺伝子の存在、並びにAPOE遺 伝子の調節領域における少なくとも1つの突然変異の存在が、症候性対象におけ るアルツハイマー病の診断の判断に強く寄与し、又は症候性対象における実質的 な危険因子に寄与するであろう。 アルツハイマー病に関与する突然変異は、脳におけるAPOE遺伝子の対立遺伝子 の相対的発現の変動を担当しているので、上記で定義されたAPOE遺伝子の調節領 域の代わりに、又はそれに代って、APOE遺伝子の発現のレベルを決定し、そして 一般的集団の発現レベルに対してこの発現レベルを比較することがまた可能であ る。 アポリポタンパク質Eの発現のレベルの決定に基づく診断方法は、特に、ε4 対立遺伝子を担持するヘテロ接合性対象において特に好都合である。それらの対 象においては、本発明のための診断方法は好都合には、ε2又はε3対立遺伝子 に対してのε4対立遺伝子の発現レベルの決定を含んで成る。 同じ態様においては、ε2/ε3遺伝子型を有する個人における診断方法は好 都合には、ε3対立遺伝子に対してのε2対立遺伝子の発現レベルの決定を含ん で成る。 ヘテロ接合性対象ε4ε2又はε4ε3におけるε4対立遺伝子、及びヘテロ 接合性対象ε2ε3におけるε2対立遺伝子の発現/ 転写のレベルにおけるそれぞれの上昇又は有意な低下は、さらに対象がアルツハ イマー病の症候を引き起こす臨床像を表わす場合、アルツハイマー型の痴呆に対 する診断を正しく判断するであろう。明らかな臨床像を表わさない対象において は、それぞれ、ε4及びε2対立遺伝子の発現の上昇又は低下は、続く進行性ア ルツハイマー病の対象における高められた確率の表示であろう。 APOE遺伝子、そしてさらに具体的には、APOE遺伝子のε4及びε2対立遺伝子 の発現レベルの決定は、ε4ε2及びε4ε3遺伝子型を有する個人の場合、ε 2又はε3対立遺伝子に対するε4対立遺伝子の転写の割合を確立することによ り、又はε2ε3対立遺伝子を有する個人の場合、ε3対立遺伝子に対するε2 対立遺伝子の転写の割合を確立することにより、APOE遺伝子のためのmRNAの相対 レベルを測定することによって好都合には実施される。 転写レベルの測定は、発現のレベルを測定することが所望される対立遺伝子に 対して特異的な適切なプライマーの助けを伴って、生検組織からの又は培養物に おける細胞からのmRNAの抽出、及びRT−PCR(逆転写ポリメラーゼ鎖反応)による 増幅に従って実施される。 使用される組織は、大脳組織、特に前頭葉の生検に由来し、従って、脳におけ るAPOEの対立遺伝子の発現レベルの測定を可能にする。それはまた、細胞培養物 におけるリンパ球又は線維芽細胞におけるAPOEのためのmRNAの転写レベルの決定 も可能にする。一般的に、それは、患者と病気である者との間で、他の対立遺伝 子に対する1つの対立遺伝子の発現の百分率の変動を示すことができるいづれか の組織におけるAPOEの対立遺伝子の転写レベルの決定を可能にする。同様に、こ の方法はまた、APOEの対立遺伝子を用いての細胞又は動物モデルの開発及び使用 のためにも適用され得る。 APOE遺伝子の対立遺伝子の発現の割合は次の様にして決定される : a)cDNAが対立遺伝子の少なくとも1つの多型性配列の特異的増幅を可能にす るプライマーの存在下でPCR増幅にかけられ; b)増幅されたDNAが、対立遺伝子の分別を可能にする、少なくとも1つの 制限酵素の作用にかけられ; c)DNAフラグメントが分離され; d)得られるフラグメントの量が検出できるシグナルを発するマーカーにより 評価され; e)異なった対立遺伝子における初期割合が次の式により決定される: ここで、NoはDNA分子の初期数であり、 Aは、異なった制限フラグメント間のサイズ差異の訂正を可能にする比例係数 であり、そして個々の対立遺伝子の特徴を示す制限フラグメントの長さの割合に 等しく、 そしてα’が、 ・次の式: 〔ここで、ODmaxは、測定され得る最大の光学密度であり、 K’は定数であり、 ODmax及びK’は次の関数fにより決定され: ここで、Vは段階c)にかけられたPCRにより得られるサンプル の体積であり、そしてODは測定される光学密度である〕;又は ・次の関数g: 〔ここで、ODは測定される光学密度であり、Vは段階c)にかけられたPCR により得られるサンプルの体積であり、そしてODmaxは測定され得る最大光学 密度である〕のいづれかにより決定され; APOEの異なった対立遺伝子に関しては、対立遺伝子1を含むDNAの増幅E1 の係数は、対立遺伝子2を含むDNAの増幅E2の係数に等しい。 本発明の段階a)において増幅されるDNAは、RT−PCRの通常の技法によりm RNAから得られる注目の対立遺伝子配列を含んで成るcDNAである。その対立遺伝 子は、上記段階b)及びc)に従って分別され、制限多型現象(RFLP)を示す。 段階c)に従ってのDNAフラグメントの分離は、ゲル電気泳動、好ましくは ポリアクリルアミドゲル電気泳動により実施され得る。 APOE遺伝子の場合、ε3,ε2及びε4対立遺伝子は、それぞれ、91bp、8 3bp及び72bpの制限フラグメントにより特徴づけられ得る。 従って、比例係数Aは、ε3/ε4対立遺伝子に関してAは91/72であり 、ε2/ε4個人に関してAは83/72であり、そしてε2/ε3個人に関し てAは91/83である。後者の遺伝子型に関しては、2種のε2及びε3対立 遺伝子は91bpの長さの制限フラグメントを提供するので、AODallele1+O Dallele2= OD91bpの関係が生成される。 さらに、この方法は特に単純である。実際、サンプルの体積Vの関数として光 学密度(OD)の値を示すのみで十分であり、それは、最小二乗法を用いて、O D=f(V)がプロットされるよう関数fの代表的曲線を可能にし;又はサンプ ルの体積の逆数の関数として値1/OD、すなわち1/Vを示すのみで十分であ り、それは、 線の傾斜がα’の逆数に等しい)、関数gの代表的曲線を可能にする。 本発明の目的はまた、異なった多型現象ε及びTh1/E47csの相、及び任意に は、進行性アルツハイマー病の高められた危険性を引き起こすことができる−49 1AT及び1E1の決定を含んで成る、アルツハイマー病の診断方法である。 ε3ε4遺伝子型を有する集団のレベルで、GT遺伝子型に関連する危険性は 、GG遺伝子型に関連する危険性よりも高い。この観察は、APOEの多型現象Th1 /E47cs及びε2,ε3又はε4の相を考慮することによって説明され得る。実 際、ヘテロ接合性GT及びε3ε4のレベルで、疾病の進行する危険性は、同じ 染色体上のG対立遺伝子及びε4対立遺伝子の組合せに依存し、従って、APOEの 多型現象ε及びTh1/E47csの相を決定する。この相に続いて、次の2種の可能 性が存在する:(i)ε4の高レベル発現、及びε3対立遺伝子の高レベル発現 。最初の可能性は、同型体APOε4の性質のための生理学的応答を引き起こし 、そしてε3ε4及びGT遺伝子型を担持する個人のレベルで、より著しい効果 を説明するであろう。前記相に連鎖される発現のレベルのこの差異は、すべての ヘテロ接合性遺伝子型のために真実であろう。しかしながら、G対立遺伝子に関 連する危険性はたぶん、APOEのε多型現象とTh1/E 47cs多型現象との間で可能である異なった組合せのために、弱められる。 本発明によれば、APOE及びTh1/E47csの多型現象の相が、次の態様で研究さ れる: APOE及びTh1/E47csのε多型現象を含む4600bpのフラグメントが、PCRに より増幅される。この増幅が、キット、すなわちセンスオリゴヌクレオチドとし て、5'-GGGGGAGGTGCTGGAATCT-3'及びアンチセンスオリゴヌクレオチドとして、5 '-CAGATGCGTGAAACTTGGTGA-3'を用いての延長された長い鋳型PCRシステム(Bo ehringer)を用いて実施される。 次に、増幅生成物が、制限酵素Af1IIIにより消化され、増幅されたフラグ メント上のその単独の切断部位はε3対立遺伝子からのε4対立遺伝子の分化を 可能にする。0.8%アガロースゲル上での消化生成物の移動の後、DNAはニ トロセルロース膜上に移され、そしてUV下で固定される。T対立遺伝子とG対 立遺伝子との間の識別は、この多型現象のASO遺伝子型分類のために使用され るプロトコールに類似するプロトコールにより実施される。 APOE及びTh1/E47cs多型現象の相に依存して、疾病対象のサブグループを定 義し、そして個々のサブグループについての最適な治療法を決定することが可能 であろう。同様に、その発現に影響を及ぼすことができるAPOE遺伝子の調節領域 の他の多型現象、たとえばBullidoなど、により記載される−491AT,1E1,A PO CI,APO CII及びD19S178を有する相の決定はまた、その進行性 疾病の高い危険性での対象のサブグループの決定のために有用であることがわか っている。 従って、アルツハイマー病を有する対象は、一定の治療、特にAPOE遺伝子の対 立遺伝子の型及びコピー数に依存して、コリン様作用 型の治療に応答する素因を有することが知られている。 従って、本発明の目的はまた、たとえばコリン様作用性型の一定の治療に応答 できる、アルツハイマー病を有する対象を同定するための方法にも関し、ここで 前記方法は、 a)アポリポタンパク質Eの遺伝子型の決定; b)Th1/E47cs多型現象の遺伝子型の決定;及び c)任意には、アポリポタンパク質E及びTh1/E47csの多型現象の相の決定 を包含する。 APOE及びTh1/E47csの異なった多型現象は、多かれ少なかれ、APOEを十分に 発現する動物又は細胞モデルを創造するために開発され、そして単独で、又は病 理学の開発に影響を及ぼすことができる遺伝子因子、たとえばAPP,PS1, PS2及び同様のもの、又はアルツハイマー病の他のマーカー、たとえばタンパ ク質Tauの異常リン酸化と組合して使用され得る。 従ってまた、本発明は、正常な集団に比較して、進行性アルツハイマー病の危 険性を変えることができる、APOE遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子、及びTh l/E47cs多型現象の1つの対立遺伝子、並びに任意には、他の遺伝子又はこの 遺伝子に隣接するマーカーの1又は複数の他の対立遺伝子を含んで成る、真核細 胞のためのトランスフェクションベクターにも関する。 それらのベクターは、トランスフェクトされた真核細胞、又はトランスジェニ ック動物の生成のために使用され得る。 従って、本発明のもう1つの目的は、上記のようなベクターによりトランスフ ェクトされた真核細胞、又はそのようなベクターにより生成されるトランスジェ ニック動物から成る。 脳におけるAPOE遺伝子のためのmRNAの発現レベルの研究の結果が、下記に与え られるであろう。例1:健康な対照に比較して、アルツハイマー病を有する患者におけるAPOE遺 伝子の脳における発現 1)RNAの抽出及び転写体の増幅 組織を、年齢65又はそれ以上の対照、及びアルツハイマー病の後期開始を有 する患者(この診断は、ヘテロ接合性APOE遺伝子型を有することが、神経病理学 的試験により確認されている)から選択した。 RNAの抽出を、J.Biol.Chem.247,4621-4627(1972)に記載のようにして 、又は抽出キット(QIAGEN)を用いて、前頭葉のサンプルに対して実施し、そし て次に、RNAをDNアーゼ(Eurogentec)により消化した。RT−PCRを、J.Li pid.res.31,545-548(1990)に記載されるプライマーの助けにより実施した 。逆転写反応を、製造業者の説明書(Gibco/BRL)に従って、M−MLV逆転写酵素 のための鋳型として全RNA 1μgを用いて、50pモルでのプライマーF4 (5'-ACAGAATTCGCCCCGGCCTGGTA-3')の助けにより、37℃で1.5時間、実施し た。PCRを、94℃で10分、続いて、58℃で1分、72℃で1分、及び9 4℃で1分、30サイクル実施した。 PCRのための25μlの反応体積は、50pモルでのプライマーF6(5'-TA A GCT TGC CAC GGC TGT CCA AGG A-3')、0.5mMでのdNTP,0.1mMでのMgCl2 ,0.1%でのTriton X−100,15%でのグリセロール及び0.05単位でのTaq −Polymerase(Engentec)を含んだ。 mRNAの差別的な発現を計算する方法は、上記の通りである。 れた。 制限フラグメントの長さを、対立遺伝子ε3のために91bpで、 対立遺伝子ε2のために83bpで、及び対立遺伝子ε4のために72bpで決定し た。 係数Aの値は、それぞれ、遺伝子型ε3ε4及びε2ε4に関しては、A=9 1/72及びA=83/72に対応する。係数Aの値は、遺伝子型ε2ε3に関 しては、A=91/83に対応する。遺伝子型ε2ε3を、94及び83bpでの バンドにより特徴づける。この場合、2種の対立遺伝子ε2及びε3が91bpの 制限フラグメントを与えると、AODε2=ODε3=OD91bpである。 2)結果 結果は、図1〜4に示されている: 図1は、染色後、RT−PCRによる増幅の生成物を表わし; 図2は、アルツハイマー病を有するヘテロ接合性個人ε2ε3、ε3ε4、及 びε2ε4、及び対照のmRNAの発現を表わす。黒の線は、平均値を表わす。矢印 は、ε2/ε4遺伝子型を有する個人におけるε4対立遺伝子の発現レベルの予 測される値を表わす。それらの値は、それぞれ、ε2/ε4、及びε3/ε4遺 伝子型を有する個人における対立遺伝子ε2及びε4について観察される百分率 から推定される。 図3は、サンプリングの時点で認識できる障害を示さない若い健康な対象、及 びアルツハイマー病の可能性ある診断を示す痴呆対象における対立遺伝子の発現 レベルの測定値を表わす。 図4は、Th1/E47cs及び−491AT遺伝子型の関数としての患者及び対照にお けるε4対立遺伝子の発現の百分率を表わす。対照個人は、円により表わされ、 そして疾病個人は、三角により表わされる。黒の図柄は、−491AT多型現象のた めのヘテロ接合性遺伝子型個人に対応する。発現のための平均値は、黒の棒によ り表わされる。 対象の数は、アルツハイマー病を有する患者に関しては、49人であり、そし て対照に関しては、45人であった。 結果は、ε3対立遺伝子のためのmRNAの発現が、すべての場合、ε4対立遺伝 子のためのmRNAの発現よりも高かったことを示す。この結果は、遺伝子型が決定 された個人の脳に見出されたAPOEタンパク質のレベルの既知測定値と一致する。 この研究においては、ε3ホモ接合体におけるAPOEのレベルは、ε4ホモ接合体 についてのそのレベルよりもそれ自体、高い、ε3ε4ヘテロ接合体についての そのレベルよりも高かったことが示されている。お互いに付加されると、その結 果は、異なったmRNA種の安定性に差異が存在するか、又は遺伝子多型現象と不均 衡に2種の対立遺伝子の発現に遺伝子変動性が存在することを示唆することがで きる。しかしながら、明確且つ一定した差異がさらに、患者と対照との間の対立 遺伝子発現の割合に存在する場合、第2の仮説がたぶん、正しい仮説である。ア ルツハイマー病を有する患者は、対照よりも高いε4mRNAの相対的発現を表わす (それぞれ、22.9±2.4%に対して34.9±2;Mann and Whitney非母数試験に よれば、P<0.0001)。ε4対立遺伝子の発現の上昇がまた、同じ遺伝子型の対 照と比較して、ε2ε4遺伝子型を有する患者において検出される(28.0±2. 8%に対して46.0±5.4%,P<0.01)。他方では、ε2対立遺伝子の相対的 発現の有意な低下が、同じ遺伝子型の対照に比較して、ε2ε3遺伝子型を有す る患者の脳に示される(47.8±3.9%に対して32.8±4.5%,P<0.002)( 図1)。得られるデータを確かめると、ε2ε4遺伝子型を有する、疾病又は対 照個人において測定された値は、他の遺伝子型から推定される値に対応する(図 1)。 APOEの対立遺伝子の発現の差異が脳に対して特異的であるか、又は生存する患 者から得るために容易である他の組織(リンパ球、線 維芽細胞及び同様のもの)に見出され得るかどうかを知るために、本発明者は、 リンパ球におけるAPOEの対立遺伝子の差別的発現を研究して来た。この研究に関 する結果は下記に与えられるであろう。 例2:アルツハイマー病を有する個人、及び研究の時点で、認識できる障害を 示さない若い個人のリンパ球におけるAPOE遺伝子の発現 1)リンパ球及び培養物の分離 血液サンプルを、アルツハイマー病をたぶん有する個人、及び研究の時点で、 認識できる障害を有さない若い個人から集める。すべてのそれらの個人は、ε3 ε4遺伝子型を有する特異的な特徴を有する。 リンパ球の分離を、Ficollグラジエントを含むLeucosep管上で実施した。RPMI によるリンパ球の数回の洗浄の後、それらを、RPMI,10%のFCS,2mMのグ ルタミン酸塩、100μMのストレプトペニシリン及び1%の植物凝集系から構 成される培養培地(Gibco/Brl)に再懸濁した。次に、細胞濃度は、1×106個 の細胞/mlである。懸濁液における細胞を、48時間、培養する。 2)RNAの抽出及び転写体の増幅 使用される方法は、上記例1に記載される通りである。 3)結果 本発明者は、研究されたすべての個人(疾病又は対照の個人のいづれにせよ) において、ε4対立遺伝子と比較して、ε3対立遺伝子の高レベルの発現を観察 し、従って、大脳組織において行なわれた観察に一致する。リンパ球においては 、患者はε3ε4遺伝子型を有する患者の脳のレベルで観察されるレベルに近い レベルでε4対立遺伝子を発現する。7人の潜在的に疾病の個人のうち、すべて は、アルツハイマー病の診断が確かである個人からの大脳サンプル から得られたレベルに類似するε4対立遺伝子の発現レベルを示す。 本発明者は、ε3ε4遺伝子形を有し、そしてサンプリングの時点で、認識で きる障害を有さない23〜55才の5人の個人におけるε4対立遺伝子の相対的 発現を研究した。これは、ε4対立遺伝子の発現レベルの変性が、アルツハイマ ー病の臨床学的徴候を示さない個人に認識できるかどうかを決定することを意図 される。従って、進行性アルツハイマー病の高い危険性での個人を早期に決定す る可能性が存在する。研究された5人の個人のうち、すべては、対照の脳におい て観察される発現レベルに近い発現レベルを示した。それらの結果は、従って、 この試験の感度及び特異性が卓越していることを示唆する。 結論においては、ε4対立遺伝子の発現の相対的レベルが明確なアルツハイマ ー型患者の大脳組織、及び可能性あるアルツハイマー型患者のリンパ球において 類似することを示すことが好都合である。同様に、この発現レベルは、認識でき る障害を示さない人々に関して、それらの2種の細胞型において類似することが できた。現在まで、アルツハイマー病におけるAPOEの役割の関連性を要求するす べての仮説は、APOEの異なった対立遺伝子が同等の態様で、及び同一の濃度で脳 において発現される事実に基づかれていた。本発明の結果は、これが問題ではな く、そしてこの差異が対照集団に比較して、アルツハイマー病を有する患者にお いて有意により目立つことを、最初に示している。APOE遺伝子の他のヘテロ接合 性遺伝子型、及び遺伝子型にかかわりなく、APOE遺伝子の絶対的定量化について の同じタイプの研究が進行中である。 結論においては、現在までに得られた結果は、APOE遺伝子の調節領域における 突然変異の存在と一致する。 Th1/E47cs多型現象を証明した結果が下記に与えられるであろう。 例3:Th1/E47cs多型現象の特徴化及びアルツハイマー病におけるその影響 1.APOE の配列決定 375塩基対のフラグメントを、センス鎖のためのプライマー:5' TACTTTCTT TCTGGGATCCAGG 3'及びアンチセンス鎖のためのプライマー:5' ACTCAAGGATCCCAG ACTTG 3'を用いて、PCRにより増幅した。増幅は、35のサイクル(オリゴヌ クレオチドのハイブリダイゼーションのための温度:53℃)にわたって、最終 的に1mMのMgCl2を含む緩衝液において実施される。得られるフラグメントを、 前処理(アメリカ特許第70993号−Amersham)及び配列決定(USB−Amersham−T 7 PCR生成物配列決定キット)のためのキットにおいて、記載される条件に 従って配列決定した。 2.制限酵素による多型現象ポリLBP1の検出 ポリLBP1多型現象を含む228塩基対のフラグメントの増幅を、0.5mM のMgCl2,0.5%のDMSOの存在下で、40サイクルにわたって実施した。オリゴ ヌクレオチドのハイブリダイゼーションのための温度は、53℃である。アンチ センスオリゴヌクレオチドは、配列決定のために使用されるものと同一である。 センスオリゴヌクレオチドは次の通りである:5' AGAATGGAGGAGGGTGCCTG 3'。制 限酵素BstnIのためのG対立遺伝子を有する切断部位の創造を可能にする修飾さ れたヌクレオチドは太字で示されている。消化は、60℃で一晩、実施される。 消化生成物を、12%ポリアクリルアミドゲル(アクリルアミド:ビスアクリル アミド、19:1)上で分離し、そして臭化エチジウム浴において染色する。T 対立遺伝子を、49bpでの制限フラグメントにより特徴づけ、そしてG対立遺伝 子を31bpでの制限フラグメントにより特徴づける。 3.個々の対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドのアニーリングに よる多型現象の検出(アニーリング特異的オリゴヌクレオチド又はASO) ポリLBP1多型現象を検出するために使用されるASO技法は、Tiretなど 、(1994,Lancet,Vol.344,910-913)により記載されるプロトコールに基づかれ る。オリゴヌクレオチドに関連するポリLBP1多型現象の検出に対して特異的 な修飾、及び洗浄温度は次の通りである:G対立遺伝子に対して特異的なオリゴ ヌクレオチドは配列5' GCCCAGTAATCCAGACACCC 3'及び洗浄温度61℃を有し、T 対立遺伝子に対して特異的なオリゴヌクレオチドは、配列5' GCCCAGTAATACAGACA CCC 3'及び洗浄温度62℃を有する。 4.結果 本研究で使用した最初のヨーロッパ人集団は、310名のコントロール(年齢 =73.5±10.9;37.3%男)と初期及び後期の散発型のアルツハイマ ー病にかかっている293名の被験者(年齢74.6±9.3;発病時の年齢= 71.0±8.9歳;32.2%男)から成る。この集団について、APOE座 の3種類の遺伝多形を試験した;上記の方法によるTh1/E47cs多形、M uiら、(Neurology、1996、47巻、196−201)の用いた 方法による1E1多形、HixonとVernier(J.Lipid.Res .31巻、545−548)の技術によるAPOEの多形である。被験者の数は 、試験した多形により変動した;Th1/E47csの研究では病人279名と コントロール310名;1E1の研究では病人293名とコントロール307名 であった。 APOE遺伝子型に関する個々のヘテロ接合性のレベル解析にお ける研究の統計力を改善するために、著者らはε3/ε4遺伝子型の被験者を別 集団より加え、該遺伝子型の個体数を増加し、最終的に合計152名の病気個体 と91名のコントロール個体(それぞれ73.3±8.5歳及び70.3±8. 5歳)を得た。 調べた3種類の多形の分布を表1に示す。いずれの多形についても、ハーディ ーワインベルク(Hardy−Weinberg)平衡に対する偏差は観察され なかった。 本病気の発症傾向は相対リスクOR(”オッズ比”)を近似する係数により表 される。 CIは95%の信頼幅を表す。 結果は表1ないし5に示されている。 予想通り、ε4対立遺伝子はアルツハイマー病と密接に関連していた(OR= 4.67 CI95%[3.28−6.67])が、一方ε2対立遺伝子は保護 効果(OR=0.27 CI95%[0.14−0.52])を示した。コント ロール集団(0.531)において、病気集団(0.468)の観察結果と最も 逆の結果を示したものはTh1/E47csのG対立遺伝子であった。病気個体 の対立遺伝子および遺伝子型の分布は、コントロールに比べ有意に異なっていた (それぞれP=0.03およびP=0.007)。Th1/E47csのT対立 遺伝子はアルツハイマー病の発病リスクの増加と関連し(OR=1.29 CI 95%[1.02−1.63]、また少なくともT対立遺伝子を1つ有する個人 のORは1.79(CI95%[1.21−12.65]、P=0.002)で あった。1E1多形に関して、対立遺伝子と遺伝子型の分布は2つの集団で有意 に異なっていた(それぞれp=0.002およびp=0.0005)。1E1の C対立遺伝子は病気の発症のリスクの低下と関連していた(OR=0.56 C I95%[0.40−0. 78]、P=0.0003)。 著者らは、調べた異なる多形について、対にした連鎖不平衡を計算した(表2 )。Th1/E47cs、1E1およびAPOE多形の間に、明瞭な連鎖不平衡 が存在していた。次に、著者らはミリアッド(Myriad)のハプロタイプア ルゴリズムを利用し、これら3種類の多形より得られるハプロタイプを推定した (表3)。ハプロタイプの推定分布は病気個体とコントロール個体の間で有意に 異なっていた。さらに、ε4対立遺伝子とアルツハイマー病との強い関連性を考 慮にするために、著者らはε3/ε3およびε3/ε4遺伝子型のサブタイプの 推定ハプロタイプ分布を比較したところ、患者とコントロールの間に分布の有意 な違いが存在した(表3)。これらの結果は、APOEのε多形に比べTh1/ E47cs及び1E1の多形が特異的な効果を有していることを示唆している。 一般集団(患者=261名、及びコントロール=253名)について、著者ら は各多形の対立遺伝子を少なくとも1つ有している個人に関するアルツハイマー 病の発症リスクを見積もり、まず第一段階としてこれら多形間について独立に見 積もった(表4)。全ての多形を同時に算定回帰に加えると、Th1/E47及 び1E1の効果が存続し、さらに増加することさえあり、複数の多形がQPOE 座内部に存在するという仮説は支持された。 APOE対立遺伝子の発現のレベルが、APOE遺伝子のプロモーター域内の シス型変異の存在により増加するのであれば、次の3点について検証しなければ ならない:(1)プロモータ内に存在する変異がAPOE対立遺伝子の発現を変 調、すなわちε4対立遺伝子の有害作用を提示するか、あるいはε2対立遺伝子 の保護効果を亢進しなければならない;(2)ヘテロ接合性個体では、APOE の2対立遺伝子の発現の相対レベルがリスクを決定しているのであ れば、この変異の持つインパクトは、APOEについてヘテロ接合性である遺伝 子型の集団とホモ接合性である遺伝子型集団で同じでないはずであり;(3)ヘ テロ接合型個体内のシス型変異の作用は、APOEの対立遺伝子に関する多形の 相(即ちハプロタイプ)に依存していなければならない。Th1/E47csの 遺伝子型がヘテロ接合性であるε4対立遺伝子コピーを有する個体では、ε4対 立遺伝子はTh1/E47csのT対立遺伝子、またはG対立遺伝子のいずれか に関連しているだろう。これらの組合せの1つがε4対立遺伝子の発現の相対レ ベルを増加し、ε3対立遺伝子の発現相対レベルを減少させ、そして他の組合せ は逆の作用を有するのであろう。 即ち、ε3/ε4遺伝子型の個体に於いては、Th1/E47csに関するヘ テロ接合体とホモ接合体でアルツハイマー病の発症リスクが異なるだろう。これ ら仮説を検証するために、著者らはTh1/E47csについてヘテロ接合性で ある個体と、同一多形についてホモ接合体である個体について病気の発症リスク (性別及び年齢で補正した)を比較し、調べた。Th1/E47cs遺伝子型と APOE遺伝子型がヘテロ接合性である個体のみが、病気発症リスクの増加を示 し(OR=2.40 CI95%[1.40−4.12]、P=0.001)、 APOE遺伝子型がホモ接合性である個体ではこの作用は認められなかった(O R=1.02 CI95%[0.67−1.57]、p=0.91)。アルツハ イマー病の発症リスクは、Eh1/E47cs遺伝子型がホモ接合型である個体 に比べて、該遺伝子型がヘテロ接合型である個体の方高いことから(OR=1. 90 CI95%[0.97−3.70]、P=0.06;患者=107名及び コントロール=54名)、このインパクトはε3/ε4遺伝子型の亜集団で特に 顕著であった。このリスク 上昇はε3/ε4遺伝子型集団を拡張することで顕著になった(OR=2.07 CI95%[1.21−3.54]、P=0.008;患者152名およびコ ントロール=91名)(表5)。段階理論回帰を利用し、著者らは病気発症リス クがTh1/E47cs遺伝子型がヘテロ接合性である個体でのみ変化し(OR =1.89CI95%[1.07−3.35]、P=0.027)、そして1E 1遺伝子型についてヘテロ接合型である個体では変化しないことを示した。従っ てこれらの結果は、2つの多形Th1/E47csと1E1を比べた場合では、 APOE対立遺伝子の発現相対レベルを変調させる候補がTh1/E47csと 考えられることを示唆している。 アルツハイマー病の発症リスクに及ぼすTh1/E47csおよびAPOE多 形の相の影響を調べるために、著者らは患者またはコントロールを対象に、遺伝 子型がε3/ε4である個体に於けるTh1/E47csのTまたはG対立遺伝 子とε4対立遺伝子とが連関したハプロタイプの頻度について見積もった。ε3 /ε4とGTの遺伝子型を持つ個体では、コントロールの57.6%が同一染色 体上にTおよびε4対立遺伝子が連関していると考えられ、この比率は患者では 69.7%となった。従ってこのハプロタイプを有する個体の推定ORは1.7 であり、この結果もまたTh1/E47cs多形がε4対立遺伝子の発現レベル に影響できることを示唆している。 これらの結果を確認するため、著者らはより大規模の症例及びコントロール集 団に於けるTh1/E47cs多形のインパクトについて調べた。さらに彼らは 本研究と、同様にAPOEの発現レベルを変えることができるAPOE遺伝子の プロモーターの新規多形、−491AT(Bullidoら、Nat.Gene t、1998 )を組み合わせた。選択された集団は、573名のアルツハイマー病と思われる 症例(年齢=73.8±8.1歳、発病時年齢=70.4±7.9歳、35.9 %男)および509名のコントロール(年齢=74.9±9.9歳、35.9% 男)を含んでいる。 上記の如く、ε4対立遺伝子は強く病気と関連している(OR=5.40 C I95%[4.11−7.09]、p<0.0001)のに対しε2対立遺伝子 は保護効果を有する(OR=0.47CI95%[0.31−0.70]、p= 0.0003)ことから、本集団はアルツハイマー病のAPOE遺伝子のインパ クトの研究に適している。Th1/E47cs多形のT対立遺伝子の頻度は、コ ントロールに比べ患者例で増加しており(表6)、また少なくとも1つのT対立 遺伝子を有する個体に於けるAD発症のリスクは2.13である(CI95%[ 1.61−2.83])。 −491ATの多形に関する研究のレベルでは、著者らはまず第一に上記の北 米集団に観察した頻度と同様の頻度分布を対立遺伝子及び遺伝子型について観察 した。コントロールに比べて患者では−491AT多形のT対立遺伝子座の頻度 は低下し、−491AT多形のT対立遺伝子を少なくとも1つ持つ個体のAD発 症リスクの関連ORは0.67(CI95%[0.52−0.88]、p=0. 004)であった(表4)。 2つのTh1/E47cs及び−491AT体型とADとの関連性に対しε4 対立遺伝子に拠るバイアスが加わる可能性を除外するために、著者らは理論回帰 補正を用い、各遺伝子座のε4対立遺伝子の有無に及ぼす効果を試験した。補正 後、Th1/E47cs多形のT対立遺伝子が少なくとも1つ存在することに伴 うリスクは残ったが(OR=1.56 CI95%[1.15−2.11]、p =0.004)、一方−491AT多形が少なくとも1つ存在する ことに伴うリスクは消失した(OR=0.820 CI95%[0.62−1. 10]、p=0.19)。 この観察は、Th1/E47csのT対立遺伝子の作用がε4対立遺伝子の存 在から説明されないことを示唆している。最初の研究中に上記示唆された如く、 APOE対立遺伝子の発現レベルがプロモーター領域のシス型変異の関数として 増減するものであれば、これら変異は主にε2/ε3/ε4のヘテロ接合型個体 に於いて様々な、検出可能な作用を有しているはずである。この仮説を検証する ために、著者らは年齢、性別、及びTh1/E47csならびに−491AT多 形のT対立遺伝子が少なくとも1つ存在する事に関し理論回帰補正し、APOE 遺伝子型がヘテロ接合型及びホモ接合型である個体を対象に、AD発症リスク関 連するORsを調べた。ε2/ε3/ε4ホモ接合型個体については、いずれの 効果も検出されなかった(Th1/E47cs及び−491ATのT対立遺伝子 を少なくとも1つ持つ個体それぞれに関し、OR=1.13、CI95%[0. 77−1.65]及びOR=0.99 CI95%[0.68−1.44]、p =0.19)、p=0.19)。一方、ε2/ε3/ε4ヘテロ接合型個体の場 合、Th1/E47csのT対立遺伝子を少なくとも1つ持つ例では病気発症リ スクが高くなった(OR=3.57 CI95%[2.22−5.75]、p< 0.0001)のに対し、−491ATのT対立遺伝子を少なくとも1つ持つ例 は保護効果を有していた(OR=0.57 CI95%[0.37−0.90] 、p=0.19)。従って、これらの観察は著者らの最初の仮説と一致した。 即ち、2つの疫学研究より著者らが得た結果は、APOE遺伝子のプロモータ ー領域、特にTh1/E47cs多形に、APOE遺伝子のε体型とは無関係に アルツハイマー病の発生を促進できる変 異があることを示している。この多形は研究対象集団に於けるε4対立遺伝子の インパクトを変化せしめ、ε3/ε4集団内に様々なリスクを有する亜集団を定 義し、最も高いリスクを示すTh1/E47cs多形がヘテロ接合型である個体 を定義する。相を推定することで、最もリスクの高い亜集団をより理解する事が 可能となり、それは同一染色体上にε4対立遺伝子とT対立遺伝子の組合せを有 する例であった。 これら多形の影響は、他の対立遺伝子と比較したε4対立遺伝子の発現レベル の上昇またはε2対立遺伝子の発現低下から説明することができ、この仮説は患 者及びコントロールの脳のAPOE対立遺伝子に由来するmRNAsの発現の差 に関する分析より支持されている。各多形に特異的な対立遺伝子を用いて、これ ら2種類の多形間の相を研究することが重要であろう。 即ち、まず2つの疫学研究で著者らは2つの多形がAD発症リスクに対し特異 的な効果、Th1/E47csと−491ATのT対立遺伝子それぞれが有害効 果と保護効果を持つことを示した。第2に著者らはAPOE対立遺伝子の発現に 顕著な差、即ち同遺伝子型コントロールと比較した場合のε3ε4及びε2ε4 遺伝子型患者に於けるε4対立遺伝子の過剰発現、及びε2ε3型患者に於ける ε2対立遺伝子の低発現、があることを観察した。最後に、コントロールの研究 より演鐸されたデータと一致し、ε3ε4患者の脳に於けるε4対立遺伝子の発 現レベルは、AOPE遺伝子の調整領域内に存在する変異に相関した。Th1/ E47csのT対立遺伝子は患者に於けるε4対立遺伝子の発現の相対レベルを 増加し、一方−491ATのT対立遺伝子はそれを低下した(図3および表5) 。これらの結果は、肝細胞癌樹立株に於いてこれら2種類の変異によりAPOE 遺伝子の発現が変化することを示唆している最近のデ ータに合致するものである。 Th1/E47cs多形が転写因子Th1/E47の結合に関するコンセンサ ス部位内、よりさらにヘリクッス−ループ−ヘリクッス転写因子E47の結合域 内に存在することを書き留めることは重要である。この因子は広範に発現するク ラスA蛋白に属し、クラスB蛋白と複数の結合体を形成し遺伝子の組織特異的発 現をコントロールする(Murreら、Cell.15巻、451−459)。 具体的には、E47は、複数のBクラス蛋白と結合し脳で発現しており、哺乳動 物の神経系の発生と維持に関与している。一方、マウス胚のcDNAライブラリ ーのスクリーニング中に特定された転写因子Th1についてはほとんど分かって いない。相同の蛋白がショウジョウバエで報告されており、その発現が神経形成 に必須であるクラスA転写因子、Daughterlessと結合する。 結論として著者らにより集められた全てのデータは、APOE遺伝子の発現を 調べることでAPOE遺伝子型に関するヘテロ接合個体での診断が可能になるだ けでなく、リスクの高い亜集団をさらに定義することができるようになることが 示された。従って、この情報は新しい治療目標の設定及び最適治療の処方にとっ て重要になるだろう。表1: コントロール及び患者集団に於ける、APOE Th1/E47cs及び 1E1多形の各種対立遺伝子の組合せ APOEおよび1E1多形の組合せAPOEおよび1E1多形の組合せ 表2:染色体域19q13.2領域の連鎖不平衡 APOE体型は2対立遺伝子マーカー(即ち対立遺伝子4対対立遺伝子2又は3 )として分析した。連鎖不平衡の標係数△は表の対角線の上に示す。特定の対立 遺伝子頻度に関する連鎖不平衡の最大%D’は対角線の下に示す。 表3:染色体域19q13.2内にある、試験対象の各種多形間で可能なハプロ タイプの推定。非定型マーカーD19S178を本研究に加えた。b.ε3/ε3遺伝子型集団C.ε3/ε4遺伝子型集団 表4:多重理論回帰により推定されたORs表5:拡大ε3ε4集団に於ける1E1及びTh1/E47cs遺伝子型の分布 表6.APOE Th1/E47cs及び−491AT多形の、対立遺伝子及び 遺伝子型の分布 表7.Th1/E47cs及び−491AT多形の関数としての、患者及びコン トロール内のε4対立遺伝子の相対発現
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A (72)発明者 シャルティエ−アルラン,マリー−クリス ティーヌ フランス国,59139 ワティグニエ,リュ サディ カルノ,39 (72)発明者 ランベール,ジャン−シャルル フランス国,エフ―59000 リール,アブ ニュ レオ ラグランジュ,76 (72)発明者 アムイエル,フィリップ フランス国,エフ―59700 マルク アン バルール,リュ デュ ケスヌ,75

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アポリポプロテインEをコードする遺伝子の発現を制御しているゲノムD NA域内にあり、コントロール集団に対しアポリポプロテインE遺伝子の発現を 変化、またはアポリポプロテインE遺伝子の対立遺伝子の相対発現の変化を誘導 する1つ、またはそれ以上の変異を特定することを含むアルツハイマー病の診断 方法。 2.染色体領域19q13.2内にあって、アポリポプロテインEをコードす る遺伝子の発現またはアポリポプロテインE遺伝子の対立遺伝子の相対発現に差 を誘導する、アポリポプロテインEをコードする染色体DNA域以外にある1つ 、またそれ以上の変異を特定することを含む、請求項1のアルツハイマー病診断 法。 3.マーカーD19S178とAPO CII遺伝子の間にあって、アポリポ プロテインEをコードする染色体DNA域以外の染色体DNA域内にある1つ、 またはそれ以上の変異を特定することを含む、請求項1または請求項2のアルツ ハイマー病診断法。 4.APOE遺伝子の5kb上流または下流の距離に広げたアポリポプロテイ ンE遺伝子のイントロン及びフランキング域にある1つ、またはそれ以上の変異 を特定することを含む、前記請求項のいずれかのアルツハイマー病診断法。 5.Th1/E47cs転写因子の潜在結合部位に特に存在するアポリポプロ テインEをコードする遺伝子のプロモーター域内の1つ、またはそれ以上の変異 を特定することを含む前記請求項いずれかのアルツハイマー病診断法。 6.アポリポプロテインEをコードする遺伝子のTATAボックスから186 塩基の位置にある、該遺伝子プロモーター内にある1つ、またはそれ以上の変異 を特定することを含むアルツハイマー病 診断法。 7.正常集団に於いてはGが最も多い対立遺伝子であり、変異がGGGTGT CTG(G→T)ATTACTGGGであることを特徴とする、請求項5のアル ツハイマー病診断法。 8.多形領域のPCR増幅のためのプライマー内に、対立遺伝子の1つを有す る個体には存在しない制限酵素切断部位を作ること、又は この多形を含む領域をPCR増幅した後に、対立遺伝子特異的な折り語ヌクレ オチドプローブを用いるハイブリダイゼーション法により、変異を特定すること を特徴とする、前記請求項いずれかのアルツハイマー病診断法。 9.次の工程を特徴とする前記請求項いずれかのアルツハイマー病診断法: a)アポリポプロテインE、特にε4対立遺伝子の遺伝子型を決定し、 b)アポリポプロテインE遺伝子の発現を制御するゲノムDNA域にある変異 、特にアポリポプロテインE遺伝子の発現の変更またはアポリポプロテインE遺 伝子の対立遺伝子の相対発現の変更を誘導するタイプの変異、特に請求項2ない し7に規定される変異を特定する。 10.APOE遺伝子型がヘテロ接合性である個体のε2、ε3及び/または ε4対立遺伝子の発現レベルを決定することを特徴とする、アルツハイマー病診 断法。 11.生検により採取した脳組織、リンパ細胞または培養繊芽細胞、またはA POE対立遺伝子の発現に差があるその他の組織の生体サンプルを用い、請求項 1ないし7に規定される変異を特定し、及び/または請求項10に規定されるA POE対立遺伝子の発現レ ベルを測定することを特徴とする、前記請求項いずれかのアルツハイマー病診断 法。 12.各種εとTh1/E47cs多形間および、場合によりアルツハイマー 病のリスク増加をもたらす−491ATおよび1E1間の相を決定することを特 徴とする、アルツハイマー病診断法。 13.εおよびTh1E47csの多形、並びに随意APOEの−491AT 及び1E1を加えたハプロタイプを、APOE遺伝子に近接するその他の遺伝子 またはマーカー、特にAPO、CI、APO CIIおよび/またはD19S1 78と組合せ、決定することを特徴とするアルツハイマー病診断法。 14.APOE遺伝子の対立遺伝子発現の変動を更に測定することを特徴とす る、請求項12または13の診断法。 15.つぎを含む、特定の治療法、例えば固リン作動性治療薬に対し反応でき るアルツハイマー病患者を特定する方法; a)アポリポプロテインEの遺伝子型を決定し; b)Th1/E47cs多形および該対立遺伝子のコピー数を決定し;及び c)随意、アポリポプロテインE及びTh1/E47csの多形の相を決定す る。 16.APOE遺伝子の対立遺伝子を少なくとも1つ、及びTh1/E47c s多形の対立遺伝子を1つ含み、さらに場合により1つまたそれ以上のその他の APOE多形対立遺伝子及び/または該遺伝子に近接するその他の遺伝子または マーカーを含み、正常集団に比して高いアルツハイマー病の発症リスクを修飾す ることができる真核生物細胞用形質導入ベクター。 17.形質導入真核生物細胞又はトランスジェニック動物の作成を目的とした 請求項16のベクターの使用。 18.請求項16規定のベクターによりトランスフェクトされた真核動物細胞 。 19.請求項16規定のベクターにより作成されたトランスジェニック動物。
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