JP2002510482A - 軟骨置換組織の調質のための方法及び装置 - Google Patents

軟骨置換組織の調質のための方法及び装置

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ティモシー ダブリュー. フォフォノフ
エウギニ ベル
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ティーイーアイ バイオサイエンシス インク
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Abstract

(57)【要約】 生体高分子組織コンストラクトを、例えば移植片、インプラント、又はプロテーゼなどとして生体内で置換コンストラクトとして用いる前に、生体外で熟成させるための装置及び方法を開示する。当該組織に特異細胞を接種し、ヒアルロン酸を含む滑液様の流体などの熟成流体に曝露し、所定の調質及び熟成力にさらすが、この力には摩擦力、せん断力、及び圧縮圧力を含めることができる。組織を第一支持要素に取り付け、第二表面に所定の力をこの組織に印加させる。この熟成プロセスは熟成室内で発生させる。その結果得られる熟成した置換組織コンストラクトは、より耐久性があり機能的である置換組織を生ずるよう、生体内でより容易に一体化できる置換組織を提供するものとして意図されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本出願は、典型的には損傷した又は罹患した体組織の置換体として用いられる
移植片、インプラント、プロテーゼ又はその他の組織コンストラクトの作製に関
するものである。より具体的には、本出願は、身体内に生体高分子組織コンスト
ラクトを移植する前にそのコンストラクトを熟成させる又は調質することに関す
るものである。
【0002】 組織コンストラクトは、しばしば罹患した又は損傷した体組織を置換する移植
片、インプラント又はプロテーゼとして用いられる。置換を必要とする組織には
、例えば、軟骨、腱及び靱帯組織を含めることができる。完全に機能的な置換組
織は、少なくとも、正常な身体活動が、当該コンストラクトに置換される組織種
類に及ぼすストレス及びひずみには耐えるものでなければならない。さらに、コ
ンストラクトは生体適合性があり、また生体内で一体化しなければならず、即ち
、コンストラクトは身体内に存在する特定の細胞を誘引し、かつ相互作用するよ
う、天然組織に似たものでなければならない。誘引された細胞はさらにこのコン
ストラクトを器質化し、例えば細胞外マトリックスたんぱく及び/又は成長因子
など、置換コンストラクトに結合することで完全な機能的置換組織としてそれを
分解、リモデル及び再生させることができる特異生合成生成物を分泌することと
なる。このような一体化により、コンストラクトは強化及び調質されて、置換組
織としてより良好に機能することができる。
【0003】 体組織の置換材としては、ポリエステルファイバー(ダクロンTM)又はポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)(テフロンTM)などの合成材料が、ある
程度の成功を収めつつ広く用いられてきた。しかしながら、このような合成材料
の生体適合性が低いために、これらはしばしば持続性の炎症性反応を引き起こし
ている。加えて、これらの分解は容易ではなく、組織細胞のリモデリングを介し
て身体に一体化するということは容易には起きない。
【0004】 さらに、抽出され、精製され、そして特殊化細胞と組み合わされたコラーゲン
などの構造生体高分子マトリックス成分から置換コンストラクトを作製する方法
も公知である。この細胞はマトリックスたんぱくに器質化、縮合、もしくは相互
作用して組織様コンストラクトを形成することができるが、この組織様コンスト
ラクトは天然組織により近いものになる場合があり、従って、合成材料に基づい
たインプラント、移植片又はプロテーゼよりも、身体により容易に一体化するこ
とができる。しかしながら、入手可能な生体高分子インプラントは、完全に機能
的な置換材となるのに、それらが置換する組織のマトリックスの複雑な性質を必
ずしも有するものでなく、また生体内でこのような性質を生ずるものでもない。
【0005】 従って、より強靱で、身体環境により容易に一体化できるような優れた置換組
織コンストラクトへのニーズがある。従って、本発明の目的の一つは、優れた置
換組織コンストラクトを作製する方法及び装置を提供することである。
【0006】 本発明のもう一つの目的は、より強靱で、かつ、激しい身体活動が及ぼすスト
レス及びひずみにより耐えることのできる置換組織コンストラクトを提供するこ
とである。
【0007】 本発明の更なる目的は、天然の身体環境により容易に受け入れられ、またより
容易に一体化できるプロテーゼ、移植片及びインプラントを提供することである
【0008】 本発明のまた別の目的は、置換をしようとする組織をより容易に模倣するプロ
テーゼ、移植片及びインプラントの提供である。
【0009】 本発明のその他の目的及び長所は、当業者であれば、図面及び請求の範囲を含
めた以下の開示から理解されることであろう。
【0010】 以下、本発明を多様な好適な実施例と関連させて説明することとする。しかし
ながら、当業者であれば、多様な変更及び改良を、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく行えることは明白に違いない。
【0011】 発明の概要 本発明は、前述及びその他の目的を、生体高分子置換組織又は組織コンストラ
クトを所定の条件、即ち所定の熟成流体及び所定の力及び/又はストレスに曝露
して、この置換組織を身体へ挿入する前に熟成させるための方法及び装置を提供
することにより達成するものである。
【0012】 ここで用いられる場合の組織を熟成させるとは、組織を身体環境により容易に
一体化できるように調質することを言う。従って、一体化の可能な組織は、身体
内でより容易にリモデルし、分解し、再生して、より強靱でより耐久性のある機
能的な置換組織を形成するような組織である。
【0013】 ここで用いられる生体高分子とは、ヒトなどの生体に導入するのに適した高分
子である。生体高分子は多くの場合、非毒性であり、生体内に導入した場合に生
体吸収可能であり、またこの生体高分子の分解生成物もその生体に対して非毒性
である。生体高分子を生体適合性のあるコンストラクトに形成することができる
が、このコンストラクトには、例えば生体高分子フォーム、例えば単一密度又は
二重密度のフォーム、及び/又は生体高分子ファイバーなどが含まれる。典型的
な生体高分子はコラーゲンである。
【0014】 典型的には、本発明の装置及び方法を用いて熟成させる生体高分子組織には、
ヒト又は動物の組織生検から採取した軟骨細胞などの細胞を接種する。置換組織
を熟成流体に曝露し、この組織に所定の力を加えると、天然の身体環境と同様に
、身体により容易に受け容れられる一体化可能な置換組織にするための生物学的
シグナルを、この接種細胞にもたらす環境が得られると考えられる。例えば、本
発明の方法及び装置のもたらす生物学的シグナルは、その他の有益な効果に加え
、細胞外マトリックス物質の分泌、特異細胞を身体から誘引する細胞結合部位の
生成、又は、細胞分化、を促進するかも知れない。
【0015】 有用な熟成流体は、組織表面と、この組織表面に向かい合ってそこから間隔を
置いている第二表面との間の相対的運動の結果当該生体高分子組織にせん断力を
伝える揺変性、滑液様の流体である。組織に印加される所定の力及び/又はスト
レスには、せん断力、摩擦力、ねじれ力及び圧縮力を含めることができる。本発
明は置換軟骨組織の熟成に特に有用なものとして意図されている。
【0016】 一態様では、本発明は、生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるための第
一表面を有する第一支持要素と、前記生体高分子組織の一表面に向かい合う第二
表面を有する第二支持要素とを含む装置を提供するものである。第一及び第二表
面は間隔を置いて間隙を形成していてもよい。さらに、熟成流体を、第一表面が
受け取った組織へ、さらに第二表面へと導入するためのレザバなどの流体要素と
、第一及び第二支持要素の一方又は両方に接続して相対運動を第一及び第二表面
の間で提供する相対運動要素とが含まれる。この相対運動により、組織に対し、
熟成流体が伝達する例えばせん断力などの所定の力が加わるか、又は、第一組織
表面と、この第二支持要素の第二表面との間の接触による直接的な摩擦力が加わ
る。前記流体要素は典型的には熟成流体を閉じ込めており、この流体を、例えば
前記二つの表面を熟成流体に浸漬すると共にその間の間隙を流体で満たすことな
どによって、第一表面に受け取られ、かつ取り付けられた生体高分子組織に連絡
した状態に流体を維持する。しかしながら、流体要素は、閉じ込められた流体の
体積分でこの表面を浸漬するレザバでなくともよい。流体要素には、熟成流体の
流れを生体高分子組織及び第二表面に向けるノズルを含めてもよい。
【0017】 本発明の別の態様では、第二支持要素は、第二支持表面が第二生体高分子組織
に接触するように、第二生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるよう適合さ
れている。
【0018】 本発明のもう一つの特徴では、第二支持要素の第二表面は、組織から第一軸に
沿って間隔を置いており、相対運動要素が組織を、この第一軸に対して概ね直交
する平面内で並進させる。従って、相対運動要素は第一支持要素を第二支持要素
に対して直線的に往復動させる。
【0019】 相対運動要素は、典型的には、第一支持要素の第一表面に受け取られ、かつ取
り付けられた生体高分子組織を、第二支持要素の第二表面に対して、約0.5c
m/秒から約50cm/秒の範囲の速度で並進させる。
【0020】 さらに別の特徴では、本発明は、第一及び第二組織表面間の間隔、即ち間隙を
変化させる要素を含む。この間隙は典型的には、(直接的接触が起きる)約0m
mから約5mmの間で変化させることができる。一態様では、組織表面が第二支
持表面に接触し、相対運動要素が摺動的及び摩擦的に組織表面及び第二表面を係
合させるよう、間隙をなくすこともできる。
【0021】 さらに別の態様では、本発明は、少なくとも組織を所定の圧縮圧力にさらす圧
縮要素を含む。この圧縮要素を、約0psiから約100psiの間の圧縮圧力
を組織上で発生させるように適合させてもよい。圧縮要素は、第一支持要素の第
一表面上に取り付けられた生体高分子組織を第二支持要素に対して圧縮すること
で、組織を圧縮力にさらすものでもよい。圧縮力は、第一組織表面及び第二表面
間に相対運動がない状態で印加されるものでもよく、又は、これら表面が摺動的
に係合して圧縮力だけでなく摩擦力が組織表面に加わるよう、その間に相対運動
があるように印加されるものでもよい。
【0022】 熟成流体は、典型的には、天然発生型の滑液に似た流体である。例えば、熟成
流体は、ハイドローリックアシッド(原語:hydraulic acid)を含んだ血漿透析
液又はその擬似物でもよい。置換軟骨組織を熟成させるためには、組織に軟骨細
胞を接種するが、この軟骨細胞は骨髄又は分化後の間接軟骨由来の細胞を含む組
織試料から得ることができる。典型的には、細胞はコラゲナーゼを用いて酵素的
に分離し、体外で培養して一次細胞集団上に展開させる。生体高分子フォームか
ら形成された生体高分子置換組織を接種するには、典型的には細胞懸濁液はフォ
ーム1ミリリットル当たり約5×10から約1×10細胞を提供するものと
なる。
【0023】 本発明の数多くの変更例が可能である。一実施例では、本発明による装置は、
熟成流体を保持する流体レザバと、ブロックなど、生体高分子組織の第一シート
を取り付けるべく適合させた第一支持要素と、別のブロックなど、生体高分子の
第二シートを、前記第一生体高分子組織から典型的には垂直軸方向に間隔を置い
てその間に概ね均一な間隙を形成しつつ取り付けるべく適合させた第二支持要素
とを含む。第一及び第二支持要素は、第一及び第二生体高分子組織の少なくとも
一部分を熟成流体に浸漬し、こうして熟成流体を間隙に導入して第一及び第二生
体高分子組織に接触させるよう、レザバに対して相対的な位置に配置される。
【0024】 並進要素は、第一組織を第二組織に対して並進させるよう、第一支持要素を第
二支持要素に対して並進させるものでもよい。並進要素は、第一支持要素を、典
型的には垂直軸に対して直交する軸方向に直線上で往復動させるために、第一支
持要素に接続した電気機械的アクチュエータであってもよい。
【0025】 別の態様では、本装置は、第一及び第二支持要素の少なくとも一方に接続し、
第一及び第二生体高分子組織を相互に押圧する圧縮要素をさらに含む。この圧縮
要素には、支持要素の一方に接続した、重りを受け取るためのプラットホームを
含めてもよい。この重りに対する重力は、支持要素の一方に伝達されて支持要素
を互いに押圧する。
【0026】 さらに別の態様では、並進ステージなどの可変間隔要素を含めて、第一及び第
二生体高分子組織間の間隔を変化させてもよい。
【0027】 別の実施例では、本発明は、取り付けられた生体高分子組織が第一の外側に向
かった組織表面を有するように第一生体高分子組織を取り付けるよう適合された
外周表面を有する、回転可能な内側シリンダ支持要素を含む。半シリンダなどの
長寸の円弧状外側支持要素がこの内側シリンダから間隙を置いて配置され、内側
を向いた組織表面を有する第二生体高分子組織を取り付けるよう適合された内側
取付表面を有する。回転可能な内側シリンダ及び外側半シリンダが間隔を置いて
配置された結果、外側を向いた組織表面が内側を向いた組織表面から間隔を置く
ことでその間に間隙を形成しており、また、内部に保持された熟成流体がこの間
隙に導入されて内側を向いた及び外側を向いた組織表面の少なくとも一部分に接
触するよう、回転可能な内側シリンダ及び外側半シリンダは流体レザバと一緒に
操作的に構成されている。本装置は、さらに、回転可能な内側支持シリンダを回
転させるための、電気モータなどの回転要素を含む。典型的には、回転可能な内
側シリンダ及び半シリンダは同軸上に取り付けられる。
【0028】 この実施例の一態様では、外側に向いた及び内側に向いた組織表面間の間隙を
変更してもよい。本発明の別の態様では、外側を向いた組織表面を、内側を向い
た組織表面から約0mmから約5mmの間で間隔を置く。本装置に、さらに、内
側を向いた及び外側を向いた組織表面を相互に圧縮する圧縮要素を含めてもよい
。別の態様では、組織表面を、圧縮圧力あり又はなしの状態で摺動的に係合させ
てもよく、またその間に相対運動を行わせずに組織表面を相互に圧縮してもよい
【0029】 別の実施例では、本発明に基づく装置は第一及び第二孔が内部に形成された筐
体を含み、前記第一孔は第一及び第二端部を有すると共に第一長手軸方向に延び
、また前記第二孔は第一及び第二端部を有すると共に、前記第一孔の長手軸に対
して典型的には直交する、ある角度で傾斜した位置にある第二軸方向に延びる。
第二孔の第二端部は前記第一孔の第一及び第二端部の間で第一孔と交差し、かつ
流体連絡する。
【0030】 長寸のピストンは第一孔内を移動するよう配置され、長寸のピストン第一面、
長寸のピストン第二面、及び、この第一及び第二面の間に延びる連結部分を有す
る。第一及び第二ピストン面に隣接して長手方向に延びるそれぞれ第一及び第二
ピストンスカートがあり、この第一及び第二ピストンスカートは第一孔の壁面か
ら所定間隙をおいて分離されている。連結部分の外側表面は第一生体高分子組織
を受け取り、かつ取り付けるように適合されている。直交ピストンが第二孔内を
移動するように配置されており、直交ピストン第一面及び直交ピストン第二面を
有するが、この第二面は第一生体高分子組織に向かい合う第二生体高分子組織を
受け取り、かつ取り付けるよう配置されている。典型的には、直交ピストンは、
第一及び第二直交ピストンスカートを含み、これらの第一及び第二直交ピストン
スカートはそれぞれ第一及び第二直交ピストン面に隣接し、第二孔の壁面から所
定の間隙をあけて分離されている。
【0031】 長寸のピストンは第一孔を、長寸のピストン第一面及び第一孔の第一端部が部
分的に境界を形成する第一容積と、長寸のピストン第二ピストン面及び第一孔の
第二端部が部分的に境界を形成する第二容積とに分割する。第一及び第二孔は交
差して第三容積を規定するが、この第三容積の境界は、部分的には、長寸のピス
トンの交差部分の外側表面と、直交ピストン第二面とが形成している。第四容積
の境界は、部分的には、第二孔の第一端部及び直交ピストンの第一面によって形
成されている。
【0032】 これら孔の流体ポートによって、熟成流体などの第一流体を、流体供給要素、
又はシステムから、第一、第二及び第四容積などの所定の容積へと送ることがで
きる。流体を第三容積に直接送れるような流体ポートを含めてもよい。あるいは
、例えばピストン面のいずれかにオリフィスを設けたり、ピストン面のスカート
と筐体壁面との間に適した間隙を設けるなど、様々な態様で流体を第一、第二又
は第四容積と第三容積との間で前後に移動させることもできる。
【0033】 流体供給システムによって、前記容積に対して流体を選択的に前後に送り込み
、そして前記容積内の流体圧力を調節して組織間の相対運動を提供し、組織間の
間隙を変化させ、組織に圧縮力をかけ、また圧縮力のある状態又はない状態で組
織を摺動的に係合させることができる。この流体供給装置には、上記の実施例の
様々な流体ポートに送られる流体流を制御するために、流体レザバ、流体ポンプ
、圧力調整装置、及び、適切なバルブ及び導管を含めることができる。例えば、
第一及び第二容積に対する流体の前後の移動によって、第一孔内の長寸のピスト
ンを選択的に並進させてもよい。
【0034】 さらに別の実施例では、本発明に基づく装置は「ローリング・ピン」に似てお
り、外側シリンダの管孔内に配置された、第一湾曲半径を有する内側シリンダを
有する。この内側及び外側シリンダはそれぞれ平行な第一及び第二中心軸方向に
延びる。第一中心軸は第二軸から、中心軸に直交する線に沿ってオフセットにな
っていてもよい。
【0035】 内側シリンダは、外側を向いた組織表面を有する第一生体高分子組織を受け取
るための外側表面を有する。外側シリンダは、その管孔の境界となる内側面を有
すると共に、内側を向いた組織表面を有する第二生体高分子組織を受け取るため
の壁面を含む。内側シリンダ上に取り付けられた第一生体高分子組織の外側を向
いた組織表面は、外側シリンダ上に取り付けられた第二生体高分子組織の内側を
向いた組織表面に向かい合う。
【0036】 本発明の一態様では、内側を向いた組織表面は外側を向いた組織表面から間隙
によって間隔を置いている。本装置には、別の実施例として、中心軸に直交する
方向に外側シリンダに対して内側シリンダを駆動する要素など、間隙を変化させ
る間隔要素を含めてもよい。例えば、内側シリンダをシャフト上に取り付け、こ
のシャフトの位置を変化させることで組織表面間の間隙を変化させてもよい。組
織表面間の間隙は一定でなくともよく、即ち間隙をシリンダの周囲周りで変えて
もよい。例えば、間隔要素は、内側シリンダ中心軸が外側シリンダ中心軸からオ
フセットになっているように内側シリンダを駆動するものでもよい。
【0037】 別の特徴によれば、本発明は、外側を向いた及び内側を向いた組織表面に接触
させるために前記間隙に熟成流体を導入する要素を含む。例えば、内側及び外側
シリンダは、熟成流体が外側シリンダの管孔に侵入し、かつ少なくとも部分的に
充たすよう、流体レザバと一緒に構成することができる。
【0038】 一態様では、本発明は、内側シリンダ及び/又は外側シリンダを回転させる要
素を含む。例えば、この要素は内側シリンダのシャフトに接続したモータであっ
てもよい。このモータを、間隙を変更できるように間隔要素で操作可能なものと
してもよい。例えば、このモータ及びシャフトを、間隔要素で駆動される固定具
で支持してもよい。
【0039】 別の特徴では、外側を向いた組織は、内側を向いた組織に、中心軸に概ね平行
な係合線に沿って係合、即ち接触する。例えば、間隔要素は、組織表面が係合線
に沿って係合するよう、シリンダ中心軸のオフセットを調節できるものとしても
よい。本発明の別の態様では、内側又は外側シリンダの一方を、シリンダを回転
させるために、モータなどの回転駆動要素に接続してもよい。他方のシリンダは
、当該組織が摺動的に係合線で係合するように固定するか、又は、他方のシリン
ダを、例えばベアリング又はその他の回転支持要素を用いて、回転可能に取り付
け、前記回転駆動要素によって回転させられているシリンダが他方のシリンダを
回転させるようにしてもよい。外側を向いた及び内側を向いた組織は、このよう
に、少なくとも係合線に沿っては摩擦係合するが、摩擦的及び摺動的に係合する
ことはない。
【0040】 本発明のさらに別の特徴では、圧縮要素が外側を向いた組織及び内側を向いた
組織を相互に押圧することで、所定の圧縮力を、この外側を向いた及び内側を向
いた組織表面に、典型的には係合線に沿って印加する。
【0041】 本発明のさらなる特徴では、内側シリンダ及び外側シリンダを相互に相対的に
並進させることで、これらの中心軸の間のオフセットを変化させて、内側を向い
た組織表面周りで係合線を円周上で変化させる要素を含めてもよい。例えば、内
側シリンダを、この内側シリンダの中心軸と同軸上にあるシャフトに取り付けて
もよい。このシャフトを、当該シャフトの各端部にあるベアリングによって取付
固定具に回転可能に取り付けてもよい。この取付固定具を、内側及び外側シリン
ダの中心軸に対して直交する平面内で、円弧状、典型的には円形状に並進させる
ことで、係合線が内側を向いた組織周りに円周上で変化するようにしてもよい。
内側シリンダは、内側を向いた及び外側を向いた組織の間の係合線に沿った接触
のために、内側シリンダが外側シリンダの管孔内で並進するにつれて回転するこ
とができる。外側及び内側を向いた組織表面は、このように、摩擦係合するが、
摩擦的及び摺動的に係合することはない。
【0042】 相互に相対的なシリンダの並進を、シリンダの少なくとも一方を回転駆動する
ために、モータなどの少なくとも一つの回転駆動要素と組み合わせてもよい。
【0043】 上記の実施例は、生体高分子組織を支持要素などの装置の一部分に取り付ける
ステップを含むが、この支持要素には、ブロック、ピストンの一部分、又はシリ
ンダの一表面を含めることができる。生体高分子はフォームでもよく、骨セメン
トなど様々な手段で支持要素に取り付けてもよく、又は支持要素じょうに直接フ
ォームとして鋳込んでもよい。フォームの鋳込みは以下に説明することとする。
骨セメントで組織を取り付けるといくつかの利点があるであろうと考えられる。
熟成プロセスは生体高分子組織及び骨セメントの連晶が促進されるものでもよく
、また骨セメントの一部分を身体内に生体高分子組織と一緒に移植してもよい。
組織に取り付けられた骨セメントは、身体内に存在する骨にセメント質化させて
もよい。
【0044】 力は熟成プロセス全般を通じて置換組織に印加する必要はなく、また熟成流体
の組成も一定である必要はない。例えば、接種細胞集団の展開のために、熟成流
体が細胞栄養物質を含んでいてもよい。軟骨細胞接種集団の展開中、典型的には
力を置換組織に印加しない。しかしながら、細胞分化及び/又は細胞外マトリッ
クス物質の分泌を促進する生体シグナルを提供するためには、力を印加する場合
が多く、また細胞栄養物質の熟成流体成分としての重要性は、例えば適正な細胞
分化を促進する成長因子よりも低い。このように、本発明の装置及び方法は、当
業者であれば、ここに提示した開示に基づき、置換組織の調質を調整するのに用
いることのできる、万能な組織熟成ツールを提供することを意図している。本発
明によれば、組織は移植用だけでなく研究の一部として熟成させることができ、
この研究目的の場合では、力及び熟成流体の組成の正確なプログラムは、組織の
貼ったに及ぼす作用を決定するよう変更してもよいかも知れない。研究努力の結
果、優れた又は最適化されたプログラムを得ることができ、生体内で利用できる
組織コンストラクトの熟成にこのプログラムを適用できるかも知れない。
【0045】 本発明は、さらに、ここに提示する本発明の教示に基づいて実施される方法も
含むものである。
【0046】 図示の実施例の詳細な説明 図1は、例えば膝関節に生体高分子置換軟骨組織を移植する前に、当該軟骨組
織を熟成させる装置12を示す。図示の組織熟成室12は、第一外側表面18を
有する第一支持要素14を含むと共に、生体高分子組織26を受け取り、かつ取
り付けるよう適合されている。外側表面24を有する第二支持要素22は、図1
に示すように、Z軸方向で第一支持要素14から離されている。第一外側表面1
8には生体高分子組織26の第一シートが取り付けられる。骨セメントの層(図
示せず)を組織26の第一シートと外側表面18との間に介在させて組織26の
シートを表面18に付着させてもよい。生体高分子組織26の接触表面28は、
概ね均一な間隙36によって、第二支持要素22に取り付けられた生体高分子組
織30の第二シートの第二外側表面から離されている。生体高分子組織32の第
二シートは選択に応じて設けられるものであり、存在しない場合、間隙36は第
一生体高分子組織26の接触表面28を第二支持要素22の外側表面24から分
離することとなる。
【0047】 レザバ40は、熟成流体14が概ね間隙36を充たし、生体高分子組織表面2
8及び32のそれぞれの少なくとも一部分と連絡しているよう、内部に熟成流体
44を閉じ込めている。第二支持要素22及び側面41がレザバ40を形成する
。装置基盤46は、レザバ40だけでなく、以下に説明するように組織熟成装置
12のその他の構成要素も支持する。
【0048】 垂直ロッド52及び水平作動ロッド54は第一支持要素14を相対運動要素5
0に接続する。水平作動ロッド54の内部には孔56が形成されていてもよく、
この孔56を垂直ロッド52が貫通していてもよい。垂直ロッド52は作動ロッ
ド54に、作動ロッド内54内に軸方向に配置された一組のねじ60をによって
固定されていてもよい。相対運動要素50は、作動ロッド54、ひいては第一支
持要素14及びそれに取り付けられた軟骨組織26をY軸方向に往復動させる線
形アクチュエータモータであってもよい。
【0049】 間隙36内の熟成流体44は、第一軟骨組織26の線形往復動に応答してせん
断力を発生させ、このせん断力が第一組織シート26の第一表面に作用し、また
第二組織シート30が存在する場合、第二組織表面32にも作用する。装置12
が生じるせん断力の大きさは、熟成流体の性質と、間隙36の大きさと、線形ア
クチュエータ50の印加する第一組織の線形往復動のストローク及び頻度との関
数である。
【0050】 支持プレート62は線形悪ちゅえーt50を支持し、このアクチュエータ50
を可変間隔要素64に接続する。可変間隔要素64は下側の固定された部分66
及び上側の並進ステージ68を含む。ノブ70が回転すると、上側のステージ6
8が固定された部分66に対して垂直又はZ軸方向に並進し、こうして第一生体
高分子組織表面28と第二生体高分子組織表面32の間、又は、第二生体高分子
組織30が省略された場合、第一生体高分子組織表面28と表面24との間の間
隙32が変更される。
【0051】 垂直ロッド52の上側端部は、重り74を受け取るよう適合されたプラットホ
ーム72をを含む。固定ねじ60を緩めると、第一生体高分子組織26の第一表
面28が第二生体高分子組織30の第二表面32に接触するまで、垂直ロッド5
2を下向きに移動させることができる。生体高分子組織26及び30の表面28
及び32の間で所定の圧力を生ずるために、様々な重りをプラットホーム72上
に配置することができる。作動手段50は、重り74による圧力が生体高分子組
織表面28及び32に印加されるときに相対運動を提供することができる。選択
に応じて、カバー78を利用して、レザバ40、第一取付要素14及び第二取付
要素22や、生体高分子組織26及び32及び熟成流体44を覆うこともできる
【0052】 軟骨関節装置12は開放系、即ち周囲環境に露出しており、典型的には10%
のCO雰囲気を維持したインキュベータ(図示せず)中に配置される。このイ
ンキュベータの10%CO雰囲気は、レザバ44内の熟成流体又は培養基と連
絡して、熟成流体44のpHを所定範囲に維持する。1インチのストロークを有
する適した線形アクチュエータ50が、カリフォルニア州ビスタのメンジマー・
エアクラフト・コンポーネンツ社から部品番号MAC−S4−102で入手が可
能である。このMAC−S4−102は低電圧の直流電流で運転し、この電圧の
極性は、当業者に公知のスイッチング・ギヤを介して1分間当たり約2ストロー
クで往復動させるよう、周期的に反転させることができる。支持要素14及び第
二支持要素42はポリマー製又はTEFLONブロックあるいはその他の適した
生体適合性の非浸出性材料から作製することができる。軟骨組織26及び30は
これにリン酸カルシウム骨セメントを用いて固定してもよい。適した垂直並進ス
テージ64は、ニュージャージー州バリントン、エドマンド・サイエンティフィ
ック・カンパニー社から部品番号D39928で入手が可能である。
【0053】 図2A、2B、及び2Cは、本発明に基づく組織熟成装置100の代替的実施
例を示す。図2Bは、図2Aの一部分の拡大図であり、また図2Cは切断線C−
Cに沿って切断した装置100の断面図である。
【0054】 図2A乃至2Cに示した組織熟成装置100は閉鎖系であり、即ち周囲環境と
連絡していない。組織熟成システム100は内部に形成された二つの孔を有する
筐体102を含む。第一孔104は軸Y−Y方向に延び、軸Z−Z方向に延びる
直交孔106と交差する。第一孔の境界は第一孔端部110及び第二孔端部11
2、及び部分的に第一直交孔端部114によって形成される。第一孔104内を
移動する長寸のピストン120が配置され、第一延伸ピストン面122及び第二
延伸ピストン面124を含む。直交孔106内を移動する直交ピストン130が
配置され、第一直交ピストン面132及び第二直交ピストン面134を有する。
長寸のピストン120は、第一孔104を、前記長寸のピストン面122及び第
一孔端部がY軸に沿って境界を形成する第一容積138と、第二長寸ピストン面
124及び第二孔端部がY軸に沿って境界を形成する第二容積140とに分割す
る。同様に、 直交ピストン130は第三容積を生ずるが、この第三容積の境界は、部分的には
、第二直交ピストン面134と、長寸のピストン120の交差部分152の外側
表面150とによって形成される。直交ピストン130はさらに前記直交孔を、
第一直交孔端部114及び第一直交ピストン面132によってZ軸に沿って境界
が形成される第四容積144にも分割する。
【0055】 長寸のピストン120の交差部分152の外側表面150の一部分は、第一生
体高分子組織コンストラクトを取り付けるための第一取付要素154を形成する
ように適合されている。同様に、直交ピストン面134は、第二生体高分子組織
コンストラクトを取り付けるための第二取付要素156を形成するよう、穿孔さ
れている。具体的には、第一取付要素154の第一表面155には生体高分子組
織158の第一シートが、典型的には概ね均一な間隙163を挟んで、第二取付
要素156の第二面157によって取り付けられた生体高分子組織160の第二
シートから間隔を置いて取り付けられている。
【0056】 筐体102の第一端部120に形成された流体ポート170及び172は第一
容積138によって熟成流体44(図示せず)と連絡する。同様に、筐体102
の第二端部112に設けられた流体ポート174及び176は、孔容積140に
よって熟成流体44と連絡する。直交孔106の第一端部114に設けられた流
体ポート178及び180によって、熟成流体44と直交孔容積144との連絡
が可能となっている。熟成流体44は、必要に応じ、流体ポート170、172
、174及び176を通じて選択的に供給又は吸い出されて、孔104内の長寸
のピストン120をY軸方向に往復動させる。熟成流体44を流体ポート178
又は180から必要に応じて選択的に供給又は吸い出すことで、間隙163、及
び、生体高分子組織158及び生体高分子組織160の間の圧縮力が変更又は調
節される。このように、熟成流体を流体ポート170,172又は174、17
6へ提供することで、ピストンの往復動、ひいてはそれに取り付けられた第一生
体高分子組織の往復動が可能となっている。
【0057】 組織154,156に印加される摩擦力及び圧縮力は、制御システム(図示せ
ず)による圧縮負荷印加及び圧縮負荷除去の所定のプログラムに基づいて調節又
は変更することができる。組織に印加される摩擦力及び/又は圧縮力を変更又は
維持するために、この制御装置は本装置と開放又は閉鎖フィードバック接続して
いてもよい。当業者であれば、本教示を参考に、組織がさらされる力の種類及び
大きさを、組織の意図された部位、意図された使用法、熟成流体及び接種細胞の
種類、及び、本装置の種類及び大きさに基づいて決定できることであろう。
【0058】 組織表面の相対運動がそれに対するせん断力を生ずるよう、第一生体高分子組
織表面159の一部分、及び第二生体高分子組織表面161の一部分が接触する
ために充分な量の熟成流体44(図示せず)が間隙163内になければならない
。熟成流体44は、例えばピストンの外側直径周りに形成された間隙182を通
り、長寸のピストン及び筐体102の壁面の間を、図2Cに示すように通過する
ことによって、端部123,125間の孔容積142に進入することができる。
こうして熟成流体は孔容積138,140、及び142の間を流れていき、結果
として組織158及び160のそれぞれ表面159及び161に接触することが
できる。間隙182は、妥当な差圧が孔容積140及び138間に容易かつ調和
して形成されて長寸のピストン120を孔104内で並進させ、相対的な往復運
動が生体高分子組織表面159及び161間で提供されるのを妨げる程大きくは
ない。このような間隙182は、熟成流体44を間隙163に、生体高分子組織
表面159及び161が接触するように提供するための唯一の手段ではない。例
えば、所定の直径の図2Cのオリフィス181を直交ピストン130を貫通する
ように提供しても、又は、適切な間隙(図示せず)を、ピストン130のスカー
トとハウジング102の間に提供することで、孔容積144から孔容積142へ
の熟成流体144の流れを提供するようにしてもよい。このようなオリフィスを
間隙182の連携して用いると、熟成流体を孔容積144から孔容積142へ、
ひいては孔容積138及び140へと流れさせることができる。あるいは、流体
ポート(図示せず)を筐体102に加えて熟成流体を孔容積142に直接連絡し
てもよい。
【0059】 図3は、組織熟成室100に熟成流体を供給する流体供給システム200を示
す。図示のシステム200は所定流の熟成流体を所定の孔容積に提供することで
、孔104内の長寸のピストン120を往復方向に並進させ、また直交孔106
内の直交ピストン130を並進させて間隙163を調節する。加えて、システム
200は、組織熟成室100と連携して間隙163への熟成流体流を、組織表面
159及び161の少なくとも一部分が熟成流体に浸漬されるように提供する。
流体供給システム200は、さらに、所定圧力の熟成流体を容積144に、ひい
てはピストン130に提供することで、所定圧力を組織表面159及び161間
に印加することができる。
【0060】 図3に示した流体供給システム200は、すべて図示のように接続された、熟
成流体44を含有する熟成流体レザバ202と、ポンプ204と、圧力調整装置
206と、バルブ制御装置225と、バルブ210、212,214、216、
218及び220を含む。具体的には、レザバ202は流体導管203、205
、207及び209によって熟成室100にバルブ210及び214を通じて接
続されている。バルブ210及び214は流れの矢印が示すように、熟成室への
流体の導入を選択的に制御する。流体導管211は導管207を圧力調整装置2
06に接続する。この圧力調整装置の出力は流体導管213により熟成室100
にバルブ218を通じて接続されている。熟成室は熟成流体を所定の出力導管、
例えば出力流体導管221、223及び227を通じて排出するが、この出力流
体導管221、223及び227の他端はレザバ202にそれぞれバルブ212
,220、及び216を通じて接続する。
【0061】 図示のバルブ制御装置225は、圧力制御装置206及びバルブ210、21
2、214及び216とフィードバック回路になっており、熟成流体44のそれ
ぞれ流体ポート170、172、174及び176への流れを選択的に調節して
孔104内の長寸のピストン120を往復的に並進させる。例えば、開放バルブ
210及び閉鎖バルブ212によって、熟成流体44はポート170を介して容
積138内へ流れることができ、そしてその内部の熟成流体44の圧力を高める
ことができる。この結果、長寸のピストン170が図2Aの右側に変位する。閉
鎖バルブ及び開放バルブ216により、熟成流体44は流体ポート176を通じ
て孔容積140から流れることができ、こうしてその内部の熟成流体圧力が解放
可能となっている。従って、長寸のピストン120は図2Aで右側に並進する。
当業者であれば、ここに提供した開示に基づいて、図3に示したバルブの選択的
制御により、どのようにピストン120が往復的に並進し、直交ピストン156
が並進して所定の間隙大きさ163が選択され、また所定の圧力が直交ピストン
130に印加されて所定の圧力が組織表面159及び161に提供されるかを、
容易に理解されることであろう。
【0062】 同様に、バルブ218及び216を操作することにより、組織158及び16
0間の間隙を変化させたり、又は圧力を組織158及び160間の印加すること
ができる。例えば、バルブ218を開放して所定量の流体を流入させ、その後両
バルブ218及び220を閉鎖すると、孔容積144内の所定体積が維持され、
その結果所定の間隙163が組織160及び158間で維持される。必要に応じ
て、バルブ218を開放したままにし、圧力調整装置206に公称圧力体積を維
持させて、そこからの孔容積142への流体漏れを補正してもよい。所定の圧縮
力、即ち組織158及び160間の圧力を印加するために、バルブ218を開放
することができ、圧力調節装置206を操作して流体圧力を孔144内での上昇
した流体圧力に調節し、組織158及び160間の所定の圧力を形成することが
できる。
【0063】 図4A及び4Bは生体高分子置換組織を熟成させる装置の別の実施例300を
示す。内側シリンダ308には、外側を向いた組織表面316を有する第一生体
高分子組織314の外側表面312が取り付けられる。半シリンダ320などの
定置型の外形円弧状の長寸の支持要素の内側表面324には、第二生体高分子組
織328が取り付けられる。組織328は内側を向いた組織表面332を含む。
シャフト310には、組織表面316と332との間に所定の間隙340がある
ようにシリンダ308が取り付けられる。レザバ304は熟成流体を閉じ込める
が、この熟成流体の上側のレベルは波線45で示されており、その結果熟成流体
44は間隙340を充たすと共に組織314及び328、及び組織表面316及
び332に連絡する。
【0064】 図4Bは回転可能なシャフト362及びプーリ364を有するモータ360を
示す。このプーリはベルト368の手段により、シャフト310上に取り付けら
れたプーリ370に接続されている。シャフト310は例えばベアリング及び流
体シール(図示せず)などによってレザバ304に回転接続している。モータ3
60は図4Aで矢印348に示すようにシリンダ308を回転させて、シリンダ
308の相対運動と、組織表面316及び332間のせん断力の伝達とを提供す
る。
【0065】 典型的には、モータ360は、第一生体高分子組織表面316が1秒当たり約
0.5cmから1秒当たり約50cmの範囲の速度で並進するよう、シリンダ3
08を回転させる。
【0066】 当業者であれば、ここに示す教示に基づいて、間隙340を変化させると共に
圧縮力又は摩擦力を組織表面332及び316に印加するための更なる適切な要
素を容易に利用することができる。
【0067】 図5は、本発明の教示に基づく組織熟成装置400の別の実施例の主要な特徴
を概略的に示す。特定の図示した特徴の説明を簡単にするために、本装置のこま
ごました部分を省いて明晰にしたが、それらは既に前述のものである。図示の装
置400は図4A及び4Bで示したものと同様であるが、例外として半シリンダ
320は完全シリンダ406に代えられている。内側シリンダ402の湾曲半径
は外側シリンダ406の湾曲半径とは大きく変えてもよい。図5に示すように、
シャフト404には内側シリンダ402が取り付けられ、この内側シリンダ40
2にはその外側表面に、外側を向いた組織表面403を有する第一生体高分子置
換組織が取り付けられる。外側シリンダ406には、その内側表面に、内側を向
いた組織表面407を有する第二生体高分子組織が取り付けられる。内側シリン
ダ402は、外側を向いた組織表面403が内側を向いた組織表面407に向か
い合うよう、シリンダ406の中央の管孔内に配置されている。シャフト412
上に取り付けられると共にローラ取付部414に回転可能に接続したローラ41
0などのローラが、外側シリンダ406を、この外側シリンダ406の外側表面
409に接触することにより、回転可能に支持する。このように外側シリンダは
矢印426が示すように回転することができる。シャフト404は、フレームに
固定されたベアリングによって回転可能に取り付けることができ、図4Bに示し
た構成と類似のモータによって駆動することができる。
【0068】 外側を向いた組織表面403は内側を向いた組織表面407に係合線424に
沿って接触する。参照番号422で示す方向でシャフト404が回転すると、二
つの組織表面403及び407の係合線424に沿った摩擦接触のために、外側
シリンダ406が矢印426で示す方向に回転する。流体レザバは、組織表面4
03及び407に、少なくともその間の係合線424上で接触するよう、熟成流
体を閉じ込めることができる。内側を向いた組織表面407及び外側を向いた組
織表面403は係合線424に沿って摩擦係合するが、摺動係合はしない。力4
20をシャフト404上に下向きにかけると組織表面407及び403に圧縮力
がかかる。
【0069】 外側シリンダ406を内側シリンダ402から個別に回転させられるよう、第
二モータを駆動シャフト412に加えてもよい。このように、内側を向いた組織
表面407及び外側を向いた組織表面403は線424に沿って摺動的に係合す
ることができる。当業者であれば、シャフト404を昇降させて組織表面407
及び403間の所定の間隙を係合線424に沿って維持する手段を、図5に示し
た装置400に含めることができることは認識されよう。図5に開示した装置4
00は、組織表面403及び407間に概ね均一な間隙を維持するものではない
【0070】 図示の実施例に関連して用いた「間隙」という術語は、組織表面が接触しない
ことを示唆する。組織表面407及び403間に間隙が存在する場合、「係合線
」という文言は、内側を向いた及び外側を向いた組織表面、それぞれ407及び
403の間の最小間隙の線を指すことを意図している。
【0071】 図6は、内側を向いた組織表面407及び外側を向いた組織表面403の間の
係合線424を、内側を向いた組織表面407周りの周囲上で変化させるよう、
図5のシャフト404を経路430に沿って並進させる装置を示す。図示の組織
熟成装置500は、熟成流体44を閉じ込めるための筐体501を含む。駆動シ
ャフト513、オフセットねじ520、及びオフセットシャフト516には、内
側シリンダ502が外側シリンダ506内に取り付けられる。内側シリンダ50
2の外側表面は、外側を向いた組織表面503を有する第一生体高分子組織50
4を受け取る。シリンダ506の内側表面は、組織表面503に向かい合う内側
を向いた組織表面507を有する第二生体高分子組織508を受け取る。ベアリ
ング512によって、駆動シャフト513が筐体501に回転可能に取り付けら
れている。駆動シャフト513は、図4A及び4Bに開示したモータ及びプーリ
構成などのモータ及びプーリ構成によって駆動することができる。
【0072】 ベアリング514によって内側シリンダ502はオフセットシャフト516に
取り付けられている。オフセットねじ520が回転可能に取り付けられると共に
、駆動シャフト513に捕捉され、また、オフセットシャフト516と駆動シャ
フト513との間のオフセット540距離を、ねじ520を回転させることによ
って変更できるよう、オフセットシャフト516にねじ係合している。このよう
に、外側を向いた組織表面503が内側を向いた組織表面507から所定の間隙
分、間隔を置いているように、オフセットシャフト516に続く図5の経路43
0を変更することができる。あるいは、内側を向いた組織表面403と、外側を
向いた組織表面407との間の係合線が、内側を向いた組織表面407周りの周
辺上で変更されるよう、駆動シャフト513及びオフセットシャフト516の間
のオフセット距離を選択してもよい。周辺上とは、内側を向いた組織表面407
の周りの、中心軸に直交する平面内の環状の経路を言う。このように、内側シリ
ンダ502は、組織表面403及び407間の係合線に沿った摩擦接触のために
、ベアリング514周りを回転する。所定の圧力が組織表面503及び507の
それぞれの上に存在するよう、オフセットねじ520を調節してもよい。
【0073】 筐体501は、この筐体内部を熟成流体44で充たし、かつオフセットねじ5
20を調節してオフセット軸516及び駆動シャフト513間のオフセット距離
510を変化させるための媒体アクセスプラグ530を含む。参照番号540に
より、組織表面503が組織表面507と接触しない距離であることが示されて
いる場合、駆動シャフト413が回転させられている間、内側シリンダ502を
個別に回転させる手段を図6に示した装置500に加えてもよい。こうして内側
シリンダ502を回転させると、組織表面507に最も近い部分の組織表面50
3が確実に継続的に変更される。
【0074】 上に開示した実施例では、二つの生体高分子組織を、それぞれの組織表面を間
隙を挟んで他方の組織表面に向かい合うように取り付けているが、二つの別々の
組織が組織の調質に必要であるとは考えられていない。適した間隙をあけて非組
織表面に向かい合うように単一の生体高分子組織を取り付ければ、単一の生体高
分子組織を調質することができる。
【0075】 本発明の装置及び方法に基づいて熟成させる、シート又はその他の形状の生体
高分子組織は、取付要素、又はその他の適した取付表面上に受け取らせ、上に記
載したように骨セメントを用いて取り付けることができる。しかしながら、熟成
用の生体高分子組織を取付表面上に直接、生体高分子フォームとして鋳込んでも
よく、さらに所望に応じて、熟成装置で当該組織を熟成させる前に加工してもよ
い。従って、生体高分子フォームの析出及び加工を下に説明する。
【0076】 図7は、本発明の教示に基づく組織熟成装置600の別の実施例を示す。図示
の装置600は一対の末端キャップ604及び606を取り付けた筐体602を
含む。末端キャップ604には、環状の溝内にOリング608が取り付けられて
、筐体602の内側壁面と末端キャップとの間に流体封止を形成している。同様
に、末端キャップ606には、環状の溝内にOリング610が取り付けられて、
筐体602の内側壁面と末端キャップとの間に流体封止が形成されている。末端
キャップ604には、この末端キャップの上面604A及び底面604Bの間に
延びる換気用通路612が穿孔されている。この換気用通路は筐体室から排気し
てその内部に流体を流入可能にする。末端キャップ604はさらに、一端に球形
圧力印加装置616を持つシャフトが取り付けられた中央開口部を含む。この球
形圧力印加装置616には、さらに、この印加装置の周りに配置されたフォーム
・クランプ617を含めてもよい。シール620が末端キャップの上面604A
に取り付けられて筐体の内側室から外部環境へ流体が漏出するのを防いでいる。
図示の末端キャップ606は、流体を流体源から室624に導入する又は当該室
から流体を吸引する大きさに内部に形成されたポート640を有する。
【0077】 ピストンカップ632が筐体室内に取り付けられて、この室を流入室622及
び流出室624に分割している。ピストンカップ632は筐体の内径に等しい、
又は僅かに小さい外径を有し、好ましくは、このピストンカップの外径に沿った
流体通過を防ぐOリング628が据え付けられているとよい。当業者であれば、
ピストンカップの外側表面は筐体の内側壁面から間隔を置いていることで、そこ
に沿った流体の通過ができるようにしてもよいことは認識されよう。
【0078】 図示のピストンカップ632は上面632Aに形成された凹面外観630を有
する。この凹面外観630は球形支持部616の湾曲半径にぴったり合致する湾
曲半径を有する。前記流入室は流出室624に複数の潅流室638によって流体
接続しており、この潅流室638は、ピストンカップ632の凹面外観630か
ら底面632Bまで延びている。潅流溝によって、流入室622に導入された所
定の程度の熟成流体が、室622及び624を通過して、従ってそこの間を通過
又は拡散することができる。ピストンカップは硬質の緊締具を含む公知の手段に
より図示の位置に支持することができる。
【0079】 球形圧力印加装置の位置を変化させて、この印加装置と凹面外観630の間の
所定の幅の間隙を規定してもよい。例えば、球形圧力印加装置616を昇降させ
てこの間隙の大きさを広くしたり縮めたりすることができる。間隙の大きさは、
とりわけ、ピストンカップ632の上面632Aに支持される組織シートに印加
される力の種類を規定する。例えば、球形圧力印加装置616を、組織に接触し
てこの組織に圧縮力を印加するような位置に配してもよい。こうすると、球形圧
力印加装置616はこの位置で回転させることができ、と同時に組織に摩擦力を
印加することができる。別の態様では、球形圧力印加装置616を組織から所定
程度、間隔を置いて配置してもよい。熟成流体はこの組織を横切って流れること
ができるか、又は、球形圧力印加装置616が回転したせん断力を組織に生じて
もよい。印加装置及びピストン・カップの湾曲により、熟成流体の存在下で特定
のストレスに向けて組織を調質するのに適した二重の湾曲組織熟成構成が規定さ
れる。この態様で調質された組織は、置換膝軟骨としての利用に適しているが、
それはなぜなら、この二重湾曲構成が、関節部が自然環境で経験する関節ストレ
スを模倣するものだからである。
【0080】 作用時、熟成流体を流入室622に導入し、所定のせん断又は圧縮力を印加す
るように球形圧力印加装置616を配置する。球形圧力印加装置616は、必要
に応じてさらに摩擦力が組織表面に印加されるように回転させてもよい。組織に
ストレスを加えている間、熟成流体は組織を被覆し、水638を潅流して流出室
624に向かい、この流出室624で熟成流体はポート640を通じて吐き出さ
れる。
【0081】 図8は、図7の球形圧力印加装置616’及びピストン・カップ632’の代
替的実施例700の斜視接近図である。このように、この装置は図7の容器60
2内に取り付けられるよう意図されている。同様の部品は同様の参照番号に上付
文字を付けて指定されている。球形圧力印加装置616’は、環状のフランジ6
44に当接する肩部分616Aを有する。このフランジは、環状制止リング64
8の環状肩部648Aに据え付けられる大きさになっている。具体的には、肩部
616Aの一番外側の直径は制止フランジ644の一番外側の直径よりも僅かに
大きいため、このフランジが垂直方向に移動して制止リング648と係合及び離
脱できるようになっている。球形圧力印加装置616’は、当該印加装置616
’を本装置のシャフト614に固定的に接続するために、上端部分に接続した係
止ナット678を有する。
【0082】 図示の制止リング648は、複数の案内レール650及び係止シール要素65
2を据え付けた中央開口部を有する。この制止リング648は公知の態様で制止
リングに摺動的に係合し、かつその周りを動く。シール要素652はさらに、制
止リングを特定の位置で係止するよう設計されている。制止リングの位置によっ
て、圧力印加装置616’のピストン・カップ632’に対する最も下の位置を
規定することができる。組織シート660を、凹面外観630’の輪郭になじむ
ように、カップ632’の上面に固定してもよい。制止リング648の位置を変
更すれば、圧力印加装置616’の最も外側の領域と、凹面外観630’との間
に形成される間隙の大きさを調節することができる。このように、これらの二つ
の要素の相互の位置によって、組織660に印加される力の種類を決定すること
ができる。例えば、制止リング648を、印加装置616’及び組織660間に
間隙が形成される位置に配すると、流体がこの表面を横切って流れたとき、又は
印加装置616’を回転させたときにせん断力を形成することができる。別の実
施例では、印加装置が組織に接触してそれに対して圧縮力を印加できるような位
置に制止リングを配することができる。印加装置616’が回転した場合、それ
はさらに、図7に関連して説明した態様で、摩擦力を組織に印加することもでき
る。
【0083】 図示のピストン・カップ632’は、案内レール650の一端が取り付けられ
る孔を穿孔された本体を含む。図示のように、案内レール650がピストン・カ
ップ632’及び制止リング648の両方に取り付けられているため、制止リン
グはピストン・カップに対して相対的に移動することができる。組織シート66
0はピストン・カップの上面に、ひいては凹面外観630’に、一対の保持リン
グアセンブリによって固定されている。このアセンブリは、複数の支柱670に
よって相互に接続された一対の保持リング668を含み、この複数の支柱670
は、ピストン・カップ内に形成された対応する開口部内に取り付けられている。
このように、保持リング及び支柱は、熟成プロセスの間、組織シートを定位置で
保持する働きをする。複数の潅流溝638’がピストン・カップ632’内に形
成されると共に、流入室及び流出室622,624間に延びる。
【0084】 柔軟性の環状ダイアフラム670がピストン・カップ632’に保持リング6
68によって取り付けられている。このダイアフラムはピストン・カップと筐体
602の内側壁面との間に延びるが、好ましくは、流入室及び流出室の間で潅流
溝638’以外の位置で漏出するのを防ぐために、筐体に取り付けられていると
よい。
【0085】 作用時、制止リング648を所定の位置に配して印加装置616’と組織66
0との間の分離又は間隙を決定する。次に、熟成流体を筐体602の流入室62
2に導入する。この熟成流体は流入室を充たし、組織表面を被膜する。この柔軟
性のダイアフラム670によって、熟成流体がピストン・カップ632’の周り
から流出室に漏れるのが防がれる。球形圧力印加装置616が、制止リングの位
置によって規定される、所定の位置である最も下の位置に配されて、所定のせん
断力又は圧縮力が組織660に印加される。例えば、印加装置616’は筐体6
02内で垂直方向のいかなる選択された位置にも配置することができる。具体的
には、この印加装置は、フランジ644が制止リングの肩部648Aに当接する
まで下降させることができる。このように、制止リングは、印加装置がこの最下
位置を越えるのを防止する。印加装置を組織から所定量分離する場合、この印加
装置616’を回転させると組織660上でせん断力を生じさせることができる
。組織に対し、この熟成を所定時間、所定の処置計画に従って行わせることがで
きる。当業者であれば、組織熟成計画を、組織シートの種類、熟成流体の種類、
接種細胞の種類、予測される置換部位、及びその他の因子を参考にして決定する
ことができる。
【0086】 さらに球形圧力印加装置616’を利用して摩擦力を組織シートに印加するこ
とができる。例えば、制止リング648を、印加装置616’が組織660表面
に接触できる位置に配置することができる。印加装置はこの位置で、所定の程度
の圧縮力を組織表面に対して垂直に印加される力の量に基づいて印加することが
できる。次にこの印加装置616’を回転させると、それ自体が規定された湾曲
半径を有する凹面外観630’内に取り付けられた組織に接触するときの印加装
置616’の湾曲半径に相当する全組織に摩擦力が印加される。
【0087】 組織熟成中、熟成流体は組織を被膜し、溝638’を通って流出室へ潅流する
が、この流出室で熟成流体は図7の筐体ポートから排出される。
【0088】 上記の組織コンストラクトと関連した用いられる組織コンストラクトは生体高
分子ファイバー、生体高分子フォーム、又は生体高分子マットのいずれでもよい
。本発明に用いるのに適した生体高分子組織コンストラクトのより完全な記載を
以下に提示する。
【0089】 生体高分子フォームの作製 数多くの生体高分子を、例えば単一又は二重密度のフォームなどの生体適合性
のフォーム、複合フォーム、及び、生体高分子ファイバ、例えばコラーゲンファ
イバ、生体高分子織物、例えばコラーゲン織物、及び/又は細胞外マトリックス
微粒子など、を含む生体適合性コンストラクトに形成することができる。ここで
用いられる「フォーム」という術語は、生体高分子の分子及び/又は生体高分子
のフィラメントを微小区画の壁面内に散在させた、連絡する微小区画のネットワ
ークを言う。生体高分子フォームは単一密度のフォームでも、又は二重密度のフ
ォームでもよい。二重密度のフォームは、単一の密度のフォームよりも容積の小
さい、典型的には約2から10の因数で小さい微小区画を有するものである。
【0090】 フォームを形成することのできる生体高分子の例には、コラーゲン、アルギン
酸、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸などのたんぱく質、エラスチン
、ラミニン、ヘパリン硫酸、フィブロネクチン、及びフィブリノーゲンがある。
一つ又はそれ以上の生体高分子の組み合わせ又は混合物を用いると、本発明の生
体高分子コンストラクトを形成できる、生体高分子フォーム、及び複合材フォー
ム、即ち単一密度及び二重密度のフォームが組み合わさったもの、又は異なる生
体高分子のフォームの組み合わせ、を形成することができる。例えば、コンドロ
イチン硫酸及びフィブロネクチンの組み合わせを用いると、生体高分子フォーム
と一緒に取り入れてここに説明した生体高分子コンストラクトを形成することの
できる生体高分子ファイバを形成することができる。好適な生体高分子はコラー
ゲンである。
【0091】 単一密度又は二重密度のフォームなど、生体高分子のフォームはいかなる型又
は形の構造、例えばひも、シート、チューブ、等々、の構造に形成することがで
きる。ポリマーメッシュ、例えばテフロンメッシュなどの組み合わされた生体高
分子フォームを含む構造が可能である。生体高分子フォームを複数のプレートの
ための組織培養インサートとして利用することができ、このインサートを、内部
で本発明のフォーム及び生体高分子コンストラクトを細胞培養用に形成できる鋳
型として用いることができる。本発明のフォーム及びフォーム組成と一緒に用い
ることのできるポリマーメッシュは、このフォーム及びフォーム組成上又は内に
含まれた細胞を環境に、例えばこのフォーム及びフォーム組成を角質層の形成を
刺激する皮膚等価物として用いたときに、曝露することができる。このメッシュ
及び培養インサートの両方とも、当該フォーム及びフォーム組成を、このフォー
ム及びフォーム組成に実際に接触する必要なく取り扱う手段となるという長所を
有する。当該フォーム及びフォーム組成を成形した構造は、置換しようとする組
織又は身体部分を模倣するものでもよく、従ってプロテーゼ又は移植片として利
用すると、このプロテーゼ又は移植片を組織細胞にリモデルさせてレシピエント
の置換組織の再生を促進させることができる。さらに細胞外マトリックス微粒子
及び/又は生存細胞を生体高分子に加えれば、このフォーム内での細胞成長及び
組織発達並びに器質化をさらに促進することができる。
【0092】 生体高分子フォームは、生体高分子溶液を形成し、この溶液を凍結乾燥させて
生体高分子フォームを形成し、この生体高分子を架橋させることによって作製す
ることができる。あるいは、凍結乾燥ステップの前に架橋ステップを行ってフォ
ームを形成することも可能である。凍結乾燥ステップによって、生体高分子溶液
は、フォーム、即ち生体高分子及び/又はフィラメントをその壁面全体に散在さ
せた微小区間が連絡するネットワーク、に変化する。フォームが架橋すると、物
理的に安定になって水溶液に不溶性となる。好ましくは、当該生体高分子溶液を
凍結乾燥前に重合させて、生体高分子の格子を形成するとよい。ここで用いられ
る場合の生体高分子の格子とは、内部に流体を捕捉する生体高分子フィラメント
のネットワークを言う。生体高分子フィラメントは、ナノメータの大きさの形の
重合化生体高分子である。例えば、生体高分子がコラーゲンである場合、このコ
ラーゲンは重合化すると、自己集合のプロセスによってナノメータの大きさのフ
ィラメントになる。
【0093】 生体高分子溶液は、生体高分子が可溶性になるような態様、即ちそのpHを操
作して溶液にする処理によって形成することができ、またその重合化は当業にお
いて公知の重合法を用いて行うことができる。例えば、コラーゲンなどの生体高
分子は、その生体高分子溶液のpHを、例えばアンモニア蒸気などに曝露するか
、又は塩基を添加するなどによって操作することにより生体高分子の格子を形成
するよう重合化することができる。溶液のpHが中性に達すると、その生体高分
子は重合化する。重合化の速度は温度に比例し、コラーゲン溶液の温度を調整す
ることによって制御が可能である。
【0094】 生体高分子が重合化して生体高分子の格子が形成されたら、典型的にはそれを
凍結乾燥及び/又は架橋させる。多くの場合、これらのステップの順序は用いる
架橋法に依存する。例えば、架橋法が例えばアルデヒド架橋法などの液相法を利
用する場合、架橋ステップは凍結乾燥ステップの前に行う。あるいは、架橋法が
、紫外線照射を用いるなどの固相法である場合、架橋法ステップを凍結乾燥ステ
ップの後で行う。生体高分子の架橋は、当業に公知の架橋法を利用すれば達成が
可能である。例えば、生体高分子は、紫外線照射を行ったり、又はカルボジイミ
ド、グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、及びリボース
などの化学的架橋剤による処理によって架橋することができる。さらに生体高分
子はデヒドロサーマル架橋法によっても架橋することができる。
【0095】 必要に応じて、凍結乾燥前に、所定の補強剤を生体高分子溶液に加えてもよい
。このような補強剤には、生体高分子ファイバー、ひも、例えば編まれた又は撚
られたひも、及び/又は布、例えば紡織法などで作製された不織布が含まれる。
コラーゲン製のひもなどの生体高分子製のひもは、溶液中の生体高分子を凝固浴
槽中に押し出しし、この生体高分子を、エタノール又はアセトンあるいはその他
の脱水溶液を含有する槽に移すことによって作製することができる。あるいは、
当該のひもを真空乾燥によって脱水してもよい。次に、この生体高分子のひもを
例えばここで説明した方法などによって架橋してもよい。コラーゲン・ファイバ
ーなどの生体高分子ファイバーを紡糸する及び加工するための装置の一例は、そ
の内容全体を参考としてここに編入することとする、1994年11月2日出願
の米国連続番号08/333,414号に説かれている。その後このひもを乾燥
させ、例えば動いているひもをより多くのローラ上に引っ張って巻き取り、延伸
し、それを乾燥させた後に、スプール上に巻き付けるなどして巻き取ってもよい
。このひもを織る、編む、束ねる又は撚り合わせて布又はその他の複雑な形にし
ても、あるいはここで説明したような利用に向けて織物法によりコンストラクト
にしてもよい。
【0096】 生体高分子の織物という術語は生体高分子の不織布を包含するものとして意図
されており、典型的には所定の大きさ及び密度の絡み合わせた生体高分子ファイ
バーのマットから構成される。典型的には、生体高分子の不織布は、乾燥した生
体高分子ファイバーを、個々のファイバー要素の長さのそれに等しい周辺を持つ
ドラムに巻き取ることによって作製する。巻き取りは、ファイバーをドラムに巻
き付けた数がその布に必要なファイバのピース数に等しくなるまで続ける。そこ
で巻き付けたファイバーを横切ってドラムの軸に平行な方向に切断し、ファイバ
をドラムから取り外す。ステープルの長さのカッターなどの繊維機械を用いてフ
ァイバーを所定の長さに切断してもよい。こうして、それまでに架橋していなけ
れば、そのファイバーを架橋させることができる。次にこのファイバーを一容量
のリン酸緩衝液に一定時間分散させて、そのpHを降下させ、ファイバーを柔ら
かくする。このファイバーを一容量の水に移し、機械的に攪拌してファイバの鎖
を絡み合わせる。絡み合わせたファイバの鎖が、採集スクリーン上で均一な密度
のマットになってスクリーンの被膜となるまで、この水をふるいにかける。その
後このマットをスクリーン上で乾燥させるか、又は、別の表面、スクリーン又は
細胞培養器具に移した後に乾燥させる。必要に応じて、この不織布マットを、乾
燥後により小型形状に切断するか、又はパンチングしてもよい。
【0097】 その後生体高分子溶液を凍結乾燥させればフォームを形成することができる。
凍結ステップは、その内容を参考としてここに編入することとする米国特許第4
,531,373号に説かれた方法に基づいて行われる制御凍結ステップであっ
てもよい。凍結乾燥サイクルには、典型的には、凍結段階、蒸発段階、及び乾燥
段階が含まれる。本発明の生体高分子フォームの形成に適した凍結温度は、溶液
中又は生体高分子の格子中の生体高分子濃度に依存する。このように、コラーゲ
ンが少なくとも約5mg/mlの濃度であるコラーゲンの格子については、凍結
温度は典型的には26℃未満である。コラーゲンの格子をこの温度の約1時間、
曝露する。次に温度をゆっくり上昇させながら、このコラーゲンの格子を真空下
におく。
【0098】 フォーム中にひびが形成されるのを防ぐためには、そして大きなフォームを作
製できるようにするには、非凍結性ポリペプチド(AFP)又は非凍結性糖たん
ぱく(AFGP)を凍結ステップの前に生体高分子溶液に加えることができる。
AFPの例には、AFPタイプI、II及びIIIに属するAFPが含まれる。様々な
種類のAFPに関する詳細な記載については、例えば、その内容を参考文献とし
てここに編入することとする米国特許第5,358,931号、PCT公報WO
92/12722号を参照されたい。これらのポリペプチド及び糖たんぱくは、
生体高分子溶液の凍結中の大型の氷晶をの形成を防ぎ、さらに乾燥プロセス中の
再結晶化の形成を防ぐ。大型の氷晶によって、できたフォーム内にひびが生じる
可能性があり、このひびはフォームの架橋結合度の低さや、割けにつながる。A
FPやAFGPを利用すると、溝が接続した孔構造の形成や、フォームの様々な
部分の接着が可能となる。この特徴によりフォームの品質が向上し、大型のフォ
ームの作製が可能となる。例えば、AFP又はAFPの組み合わせを高い濃度、
例えば約0.2から0.5mg/ml(約124μM)の濃度の生体高分子と一
緒に凍結乾燥させると、フォームが緊密に詰まった長いファイバーに似てくるま
で、通常のフォーム孔を劇的に減少させる。凍結サイクルでAFPを用いて作製
されたフォームは、例えば特定の細胞プロセスをファーバーに沿った成長などを
通じて命令するインプラントなどとして利用することができる。
【0099】 単一密度のフォームを凍結乾燥させたら、例えば滅菌の水性緩衝液などで水和
させることができる。この水和した単一密度のフォームを成形してさらに所定の
形、例えば所望の形状中に、所望の形状上、又は所望の形状周りに鋳込む又は形
成することができ、例えば管状形状を形成するにはマンドレル周りに鋳込むこと
ができる。典型的には、次に、無菌条件下で約37℃から40℃を越えない温度
でフォームを乾燥させ、例えば空気乾燥させる。37℃を越える温度では、フォ
ーム中の生体高分子は変性し始め、ファイバー、壁面、及び二次元形状は保った
ままではあるが単一密度のフォームの微小区画の大きさは保っていない二重密度
のフォームができあがってしまう。二重密度のフォームは乾燥時には硬質である
が、それは、単一密度のフォームよりも遙かに裂け及び酵素による分解に耐性で
ある。単一密度のフォームとは対照的に、二重密度のフォームは緊密なマトリッ
クスであるが、この緊密なマトリックスは、通常上皮細胞及び内皮細胞などの表
面上で成長する細胞の基質としては好適である。例えば、二重密度のフォームは
、血管又は管腔などの再建に用いるチューブの形状に形成したり、又はシートに
形成して、縫合糸によって大きな領域に固定することができる。選択に応じて、
二重密度のフォームに線維芽細胞、筋細胞、軟骨細胞などの間葉細胞を接種して
もよい。
【0100】 その結果できるフォームを、単一密度又は二重密度に関係なく、本発明に基づ
いて、それが密着している、そして典型的には付着している支持体又は成形構造
物から引き剥がす。
【0101】 コラーゲン・マットの作製 本発明は、例えば再吸収可能な生体高分子マットなど、架橋前であっても単位
容積に対して高い強度を有する、組織修復及び組織再建用の膜組織又は厚層組織
に用いる生体高分子マット又は生体高分子マット複合材、もしくは充填材の形状
の生体高分子骨格の熟成を考察するものである。さらに本発明は、生体高分子マ
ット及び生体高分子フォームの多様な層を含む生体高分子マット組成と、生体高
分子マット及び細胞外マトリックス巨大分子を含む生体適合性コンストラクトと
、前記生体高分子マット、生体高分子マット複合材、生体高分子マット組成、及
び生体適合性マットコンストラクトを作製し、かつ利用するための方法とを特徴
とするものである。
【0102】 本生体高分子マット及び生体高分子マット組成は、例えば研究用のモデル系と
して生体外で用いたり、又は、損傷又は罹患組織を置換するプロテーゼ又はイン
プラントとして生体内で用いたり、あるいは、ホスト細胞などの細胞に占領され
たときにリモデルを行って機能的な組織となる骨格にすることができる。いずれ
の場合も、当該マット、マット複合材、及びマット組成に、当該マット、マット
複合材、又はマット組成を用いて修復、再建、又は置換しようとする組織と同じ
種類、例えばヒト細胞などのほ乳類細胞など、の細胞を接種してもよい。ここに
説明した本マット、マット複合材、及びマット組成を用いて修復及び/又は再建
できる組織の例には、神経組織、皮膚、血管組織、心臓組織、心臓周囲組織、筋
肉組織、眼球組織、歯周組織、骨、軟骨、腱、及び靱帯などの結合組織、腎臓組
織及び肝臓組織などの臓器組織、膵臓組織、乳房組織、及び副腎組織などの腺組
織、膀胱組織及び尿管組織などの泌尿器組織、及び腸管組織などの消化組織が含
まれる。例えば、組織特異細胞を接種した本マット、マット複合材、及びマット
組成を例えばヒトなどのほ乳類など、レシピエントに導入する。あるいは、生体
外で組織に器質化させて、細胞外マトリックスたんぱく及び/又は成長因子など
、当該マット及びマット組成に結合する組織特異的生合成生成物を分泌する機会
を与えた接種細胞を、当該マット又はマット組成をレシピエントに移植する前に
取り除く。
【0103】 本発明は、生体高分子マットと、生体高分子マット複合材と、生体高分子マッ
ト及び生体高分子フォームを含む生体高分子マット組成と、生体高分子マット及
び細胞外マトリックス巨大分子を含む生体高分子コンストラクトと、当該マット
、マット複合材、及びマット組成を作製し、かつ利用するための方法を利用する
ことができる。本生体高分子マット、マット複合材、及びマット組成は、それら
の天然の原線維構造で、損傷した、罹患した又は損失した組織の修復又は再生を
誘起する情報を含んでいる。修復又は再生のための更なる情報は、その他の情報
巨大分子を当該生体高分子マット、マット複合材、及びマット組成に混合するこ
とによって加えることができる。生体高分子マット、マット複合材、及びマット
組成は、再吸収の不可能なファイバーで補強されていない場合、完全に吸収可能
であり、また時間が経つにつれて、新しい正常な純粋なホスト組織に置換させる
ことができる。本生体高分子マット、マット複合材、及びマット組成は、ゲル又
はフォームなど、情報含有率の高いその他のコラーゲン生成物よりも酵素分解に
対してより耐性である。本生体高分子マット、マット複合材、及びマット組成は
、生理条件下で作製が可能であるため、生存細胞を構造全体及び完成した形の上
に組み込んで、生きたインプラントを作製することができる。生体高分子マット
、マット複合材、及びマット組成に含まれた情報によって、本物の治癒及び修復
を誘起することができる。例えば、生存細胞マットは損失ホスト組織及びその機
能に即座に置換することができ、それでもなお、何ら組織機能に妨害を与えるこ
となく本物のホスト組織によって次第にリモデルさせることができる。生体高分
子マット、マット複合材、及びマット組成は、情報含有量の高いその他のコラー
ゲン生成物よりもより強度が高くなるような態様で作製することができる。従っ
て、強度のあるインプラントを必要とする状況でそれらを利用することができる
【0104】 生体高分子は生物系又は生命体中の個々の分子から形成される天然発生型の高
分子物質である。さらに生体高分子は、いったんその生物系又は生命体の外側で
得られた個々の分子を操作することによって人造することも可能である。本生体
高分子は、ヒトなどのほ乳類など、生きた生命体に導入するのに適している。本
生体高分子は、生命体に導入したときに非毒性かつ生体吸収可能であり、この生
体高分子のいかなる分解生成物もまた、その生命体にとって非毒性でなければな
らない。本発明の生体高分子は、すべてその他の細胞外マトリックス巨大分子を
備えた又は備えていない形の生体適合性形状、例えば生体適合性フォーム、生体
適合性ゲル、コラーゲン・ファイバーなどの生体適合性ファイバーやコラーゲン
製布などの生体高分子製布を含む生体適合性のコンストラクト等を含むマット、
マット複合材、マット組成、に形成することができる。生体高分子を形成可能で
あり、本発明に利用することのできる分子の例には、コラーゲン、ラミニン、エ
ラスチン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、トロンボスポンジン、ゼラチ
ン、ポリサッカリド、ポリ−1−アミノ酸及びこれらの組み合わせがある。一実
施例では、一つ又は複数の生体高分子の組み合わせ又は混合物を用いて当該生体
適合性の形状、例えば本発明のファイバー、マット、及びマット組成を形成する
ことができる。例えばラミニン及びタイプIVコラーゲンの組み合わせを用いて、
ここに説明した生体高分子ファイバーを形成してもよい。生体高分子作製にとっ
て好適な分子はコラーゲンである。
【0105】 生体高分子を形成する分子の好適な源には、例えばブタ、例えば産期の近いブ
タ胎児、ヒツジ、ヒツジ胎児、ウシ及びウシ胎児などのほ乳類が含まれる。生体
高分子を形成可能な分子のその他の源には陸生及び海洋脊椎動物及び無脊椎動物
の両方が含まれる。一実施例では、コラーゲンを産期の近い家畜のブタ胎児の皮
膚から得ることができるが、この皮膚は、羊膜に包まれた状態でインタクトで採
取されたものである。コラーゲン又はコラーゲンタイプの組み合わせをここで説
明したマット又はマット組成に用いてもよい。コラーゲン又はコラーゲンタイプ
の組み合わせの例には、コラーゲンタイプI、コラーゲンタイプII、コラーゲン タイプIII、コラーゲンタイプIV、コラーゲンタイプV、コラーゲンタイプVI、コ
ラーゲンタイプVII、コラーゲンタイプVIII、コラーゲンタイプIX、コラーゲン タイプX、コラーゲンタイプXI、コラーゲンタイプXII、コラーゲンタイプXIII、
及びコラーゲンタイプXIVがある。コラーゲンタイプの好適な組み合わせには、 コラーゲンタイプI、コラーゲンタイプIII、及びコラーゲンタイプIVがある。生
体高分子を形成可能な分子を抽出するのに好適なほ乳類組織には、あらゆるほ乳
類の胎児、例えばブタ胎児、真皮、腱、筋肉、及び結合組織がある。コラーゲン
の源としては胎児組織が有利であるが、それは胎児組織のコラーゲンが成体の組
織ほどに架橋が進んでいないからである。このように、コラーゲンを酸抽出液を
用いて抽出する場合には、成体組織よりも高いパーセンテージのインタクトのコ
ラーゲン分子を胎児組織からは得ることとなる。胎児組織にはさらに動物の発生
の異なる段階で正常組織に存在する様々な分子因子が含まれる。
【0106】 好適な実施例の一つでは、本成体高分子マット、マット複合材、又はマット組
成はコラーゲンマット、コラーゲンマット複合材、又はコラーゲンマット組成で
ある。コラーゲン溶液は開始材料からの塩抽出、酸抽出、及び/又は、ペプシン
抽出によって生成が可能である。ある好適な実施例では、用いられるコラーゲン
は、同じコラーゲン含有開始材料から二つの形のコラーゲンを順に精製すること
によって生成させる。まず、インタクトのコラーゲンを開始材料から酸抽出し、
この抽出物を採集してコラーゲンをコラーゲン溶液として、例えばコラーゲンを
塩化ナトリウムで沈殿させこのコラーゲンを酸性pHの媒質中で可溶化するなど
して、調製する。その間に、切端したコラーゲン、即ち、テロペプチドを開裂又
は部分的に開裂させて螺旋部分のみにした、又は、いくらかのテロペプチドを残
した螺旋部分のみにしたコラーゲン、を開始材料から、ペプシンなど、酸性pH
で機能的である酵素など、の酵素抽出を用いて抽出する。次に、このペプシン抽
出液からのコラーゲンを最初の抽出と同様な方法によって別々に精製する。
【0107】 本生体高分子マットには、さらに、生体高分子原線維が密接に並んだ無作為
配列構造が含まれ、単位体積に対して高い強度を有し、生体高分子原繊維の天然
構造を維持している。生体高分子原繊維を形成できる分子の例には、コラーゲン
、ラミニン、エラスチン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、トロンボスポ
ンジン、ゼラチン、ポリサッカリド、ポリ-l-アミノ酸及び生体高分子の組み合 わせがある。生体高分子作製にとって好適な分子はブタ胎児コラーゲンなどのコ
ラーゲンである。別の実施例では、生体高分子マットに、細胞成長、形態形成、
分化、又は組織構築及びこれらの組み合わせに必要な巨大分子、細胞外マトリッ
クス微粒子及び/又は細胞を含めてもよい。
【0108】 本生体高分子マット、マット複合材、又はマット組成は、生体外又は生体内で
用いる前に細胞で調質してもよい。細胞調質は、マット、マット複合材、又はマ
ット組成をその新たな機能に一体化するのを早め、修復組織の回復を早めたり、
また損傷した又は損失した組織の本物の置換を方向付けしたりするのに用いられ
る用途特異的な方法である。生体高分子マット、生体高分子マット複合材、又は
生体高分子マット組成を、使用する部位に適した細胞成長の基質として利用する
ことができる。例えば、骨の欠損を骨膜として修復するのに用いる生体高分子マ
ット、生体高分子マット複合材、又は生体高分子マット組成の場合は、調質細胞
には、例えば骨芽細胞が含まれるであろう。心臓周囲膜として用いられる生体高
分子マット、生体高分子マット複合材、又は生体高分子マット組成の場合は、調
質細胞には、例えば中皮細胞が含まれるであろう。腹部に用いられる生体高分子
マット、生体高分子マット複合材、又は生体高分子マット組成の場合は、調質細
胞には中皮細胞などが含まれるであろう。
【0109】 調質の間、生体高分子マット、生体高分子マット複合材、又は生体高分子マッ
ト組成上に滞留した細胞は、そのマット、マット複合材、又はマット組成に、当
該マット、マット複合材、又はマット組成を配置した場所の欠陥に隣接した細胞
が認識可能なたんぱく質生成物などの巨大分子を沈着させることとなる。細胞の
選択、ひいてはたんぱく質生成物によって二つの事を決定することができる。こ
れらは、隣接細胞のマット、マット複合材、又はマット組成への移動を方向付け
たり、当該マット、マット複合材、又はマット組成材料に対してリモデリングが
行われてそのマット、マット複合材、又はマット組成が本物の被覆組織に置換さ
れたり、又は、その他の細胞が反対側から当該マット、マット複合材、又はマッ
ト組成をリモデルしている間、当該マット、マット複合材、又はマット組成の下
で所望の組織再成長を細胞生成物が刺激するのを方向付けすることができる。調
質細胞が充分なシグナリング分子及び細胞外マトリックス分子を本マット、マッ
ト複合材、又はマット組成に沈着させる時間経過後は、当該マット、マット複合
材、又はマット組成を、生きた組織等価物又はモデル組織系として役立つ生きた
インプラントとして利用してもよい。あるいは、当該マット、マット複合材、又
はマット組成の細胞を、当該コンストラクトを凍結又は凍結乾燥させることで殺
してもよい。凍結乾燥によって生命物質は消失するが、沈着たんぱくはそれらの
天然のままの状態で残ることとなる。
【0110】 本生体高分子マットを単独で、例えば歯周囲のバリヤ、又は骨修復を助ける骨
膜バリヤのためのコラーゲン様膜などとして、利用することもできる。さらに本
生体高分子マットは、異なる原線維スラリの連続層を多孔質の支持体上で採集し
、これらの層を互いに融合させることによって生体高分子複合材としても利用す
ることができる。さらに本生体高分子マット又は生体高分子マット複合材は、例
えば中枢神経系の硬膜の組織修復の場合など、生体高分子マットと、生体高分子
フォームとを含むマット組成としても利用が可能である。例えば、単一密度のフ
ォームを最終形状のマットに鋳込んで、密度が高く多孔度が低い又はゼロのマッ
ト層と、密度が低く多孔度が高いフォーム層という、異なる性質を持つ二つの層
から成る構造を作製してもよい。単一密度及び二重密度の生体高分子フォームは
その内容全体を参考としてここに編入することとする1996年11月21日出
願の米国特許一連番号08/754,818号に説かれている。複合組織を構成
したこのようなインプラント部位は、上皮細胞、中皮細胞又は内皮細胞をマット
上面に含み、間葉細胞をフォーム骨格に含むマット組成で処理してもよい。これ
らの用途では、このマットで低多孔度にした側の面では癒着又は流体の消失を減
少させることができ、多孔度を高くした側では治癒に必要な細胞を誘引し、細胞
成長及び分化を支援することができる。これらの用途や、マットを単独で用いる
ことが必要な用途で癒着及び流体消失をさらに防ぐには、マットの表面を改良す
ればよい。改良は、マットの一方の側でケラチノサイトを成長及び分化させて角
質層を生じさせることで、生物学的に達成することができる。一つ又は複数の層
の生体高分子マット又は生体高分子マット複合材を含むマット組成や、二つ以上
の層の単一又は二重密度の生体高分子フォームを含むマット組成も、特にここで
考察されるところである。
【0111】 上述したように、マットには、例えば一本のファイバ、組み紐、又は織物など
のファイバ構造を含めると、相対的な補強、方向性のある補強を達成したり、又
は方向性のある細胞成長を達成することができる。このような構造を必要とする
インプラントの例には、骨格置換術又は一時的補強構造が含まれる。マットをシ
ート以外の形状に鋳込んでもよい。チューブ状又は球形などの円形に鋳込んで、
特殊化した機能のための材料又は液体を含有できる膜構造を作製してもよい。マ
ット、マット複合材、又はマット組成から作製するインプラントの例には、例え
ば、血管、管路、尿管、膀胱、及び、骨格置換材料で充填したマットシリンダか
ら形成した骨インプラントがある。
【0112】 細胞接種をした、又はせず、凍結乾燥はされていないマット及び単一密度のフ
ォームを含むマット組成を用いると、生体組織等価物又はモデル組織系を構築す
ることができる。これの一例は、皮膚モデル又は生体インプラント系用の、単一
密度のフォーム中での皮膚線維芽細胞の成長、及び、多孔質の表面マット層上で
のケラチノサイトの分化成長であり、この皮膚モデル又は生体インプラント系は
、重要な場所で失われた機能に急速に置換するものであり、備蓄保存用に凍結乾
燥が可能である。生体インプラント系として望ましくない場合は、細胞を埋め込
んで成長させたこの複合体を後日インプラントとして用いるのに凍結乾燥すれば
、この凍結乾燥前に当該構造に培養細胞が沈着させた物質を由来とする情報を通
じてホストの組織に再成長を方向付けることができる。
【0113】 本生体高分子を用いると、ひも、シート状、チューブ状、等々、いかなる形状
にもできるマット、マット複合材、又はマット組成を作製することができる。加
えて、本生体高分子は、例えばテフロンのメッシュなど、ポリマーのメッシュで
支持することのできるマットを作製したり、又は、鋳型として用いることのでき
るマルチウェル型プレートの組織培養インサートと一緒に用いることができ、こ
のインサートのポリカーボネート膜上で本発明のマット、マット複合材、及びマ
ット組成を形成させることができる。本発明のマット、マット複合材、及びマッ
ト組成と一緒にポリマー・メッシュを用いると、当該のマット、マット複合材、
及びマット組成上又は内部に含まれた細胞を、例えばこのマット、マット複合材
、及びマット組成を角質層の形成を刺激する皮膚等価物として用いた場合に、環
境に曝露することができる。このようなメッシュ及び培養インサートの両方とも
、本マット、マット複合材、及びマット組成に実際に接触する必要なくそのマッ
ト、マット複合材、及びマット組成を扱う手段となるという長所を有する。本マ
ット、マット複合材、及びマット組成を作製する形及び形状は、置換しようとす
る組織又は身体部分を模倣するものでもよく、従って組織細胞がリモデルするこ
とでレシピエントの置換組織の再生を促進するようなプロテーゼ又は移植片とし
て用いることができる。
【0114】 さらに細胞成長、形態形成、分化、及び組織構築に必要な巨大分子を当該生体
高分子の分子又は当該生体高分子の原線維に加えると、マット内の細胞内植及び
組織発達及び器質化を促進させることができる。この「細胞成長、形態形成、分
化、及び組織構築に必要な巨大分子」という文言は、例えばたんぱく質などの巨
大分子など、組織の成長に参加する分子を言う。このような分子は組織構造の発
達又は再生や機能のための生物学的、生理学的及び構造的情報を含んでいる。こ
れらの巨大分子の例には、成長因子、細胞外マトリックスたんぱく、プロテオグ
リカン、グリコサミノグリカン及びポリサッカリドが含まれるが、これらに限ら
れるわけではない。あるいは、本発明の生体高分子マット、マット複合材、及び
マット組成に、微粒子形状の細胞外マトリックス巨大分子、又は細胞又は生存細
胞が沈着させた細胞外マトリックス分子を含めてもよい。
【0115】 ここで用いられる「マット」という術語は、生体高分子原線維又は原線維の束
又は粒子、例えばコラーゲン原線維による密接に並んだ無作為配列構造を含む生
体高分子骨格を言う。上述したように、乾燥させた状態のマットは、少なくとも
0.02MPaの湿潤引っ張り強度を有するが、好ましい強度は1MPaより大
きく、また、製品の1cm当たり10単位のコラゲナーゼ濃度のときに1mg
のコラーゲン当たり少なくとも20分間のコラゲナーゼ耐性を有する。典型的に
は、原線維又は原線維の束は、約0.01μm、から50μmの間の直径を有し
、約0.0002から5.0mmの間の長さを有するが、好ましくは幅が0.1
μmから20μmで、長さが0.01mmから3mmであるとよい。マットは、
乾燥させる、又はさせない状態で、以下の性質を有する。(1)水溶液中で物理
的に安定である、(2)生きた生命体に対して非毒性である。(3)細胞接着及
び成長のための基質として働くことができる。及び(4)厚さで約0.01mm
から20mm、好ましくは厚さで0.1から5.0mm。
【0116】 ここで用いられる「原線維」という術語は、線維状の全体的構造を生ずる、分
子の規則正しい多量体を言う。コラーゲン原線維の場合、コラーゲン分子は4分
の1体のねじれ型に配列しており、各隣り合った分子の結合は規則正しく25%
ずつシフトしている(一つのコラーゲン分子の頭は、隣り合った分子に対して、
その分子の鎖の25%下側に並ぶように配列している)。原線維、特にコラーゲ
ン製によるものは、しばしば電子顕微鏡によると特徴的な外観を有している。原
線維が結合して束になっているのである。原線維の束の数がより多いものがファ
イバーである。
【0117】 「マット複合材」という術語は、生体高分子マットの連続層が互いに接着した
ものを含む生体高分子形を言う。
【0118】 「マット組成」という術語は、マット、例えば好ましくは再吸収可能であり、
選択に応じて一つ又は複数の生体高分子フォーム、例えば単一密度又は二重密度
のフォームである生体高分子マットなど、を含む生体高分子組成を言う。単一密
度及び二重密度の生体高分子フォームは、その内容全体を参考としてここに編入
することとする、1996年11月21日出願の米国連続番号08/754,8
18号に説かれている。
【0119】 生体高分子フォームは単一密度又は二重密度のフォームであってもよい。ここ
で用いられる「フォーム」という術語は、生体高分子の分子及び/又は生体高分
子のフィラメントを微小区画の壁面内に散在させた、連絡する微小区画のネット
ワークを言う。「単一密度のフォーム」という文言は、以下の性質のうち少なく
とも二つを有する生体高分子フォームを言う。即ち1)そのうちの二つが概ね等
しいx=長さ、y=幅、及びz=高さであって、この三番目は少なくとも約10
、そしてより好ましくは少なくとも約20以上の因数で同じ寸法の単一密度のフ
ォームに比較して減少又は縮小されている、x、y及びzの容積寸法を持つ微小
区画を有する。またこのx、y、及びzの範囲は約1μmから約300μmまで
、好ましくは約20μmから約200μmまで、より好ましくは約40μmから
約150μmまで、そして最も好ましくは約50μmから約100μmまで、で
ある。2)約10μm未満の平均壁厚を持つ微小区画を有する。3)生体高分子
ファイバー及び/又はフィラメントを含む壁面を持つ微小区画を有する。4)水
溶液中で物理的に安定である。5)生きた生命体に対して非毒性である。及び6
)細胞接着及び成長のための基質として働くことができる、である。コラーゲン
から作製した場合の二重密度のフォームは、例えば約3から約5倍以上など、コ
ラーゲンから作製した単一密度のフォームよりもコラゲナーゼ消化に対する耐性
が高く、単一密度のフォームよりも、0.1%のコラゲナーゼに対してより耐性
である。コラーゲンから作製した二重密度のフォームは、さらに、単一密度のフ
ォームの単位体積当たりのコラーゲン含有量よりも、より高い単位体積当たりコ
ラーゲン密度を有する。水和させると、二重密度のフォームの高さは典型的には
約0.2mmから約0.4mmである。この二重密度のフォームのいずれかの表
面が、シートを形成することのできる、上皮細胞、内皮細胞、及び中皮細胞をプ
レーティングするための適した基質となる。間葉細胞もこの二重密度のフォーム
に接種してもよい。二重密度のフォームは、単一密度のフォームと同じ大きさ及
び同じ形状、例えばあらゆる形及びあらゆる組み合わせ、そしてポリマー・メッ
シュに接着させるものなどとして、又はマルチウェルのプレート用インサートと
して作製することができる。本発明の単一及び二重密度のフォームで成長させた
細胞は両方とも、三次元組織の細胞の形態学的特徴を有し、また正常な細胞間関
係、即ち、それらが由来の又は得られた組織のものと同様な細胞間関係を形成す
ることができる。二重密度のフォームに利用するのに好適な生体高分子は、単一
密度のフォームで説明した通りである。別の実施例では、二重密度の生体高分子
フォームに細胞外マトリックス微粒子及び/又は細胞を含めることができる。マ
ット、マット複合材、又はマット組成のいずれの表面を、上皮細胞、内皮細胞、
及び間葉細胞をプレーティングするのに適した、シート又はその他の物質に形成
することのできる基質とならせることができる。さらに細胞を単一又は二重密度
のフォームに接種してもよい。生体高分子マット及び生体高分子マット組成上で
成長させた細胞は、三次元組織の細胞の形態学的特徴を有し、また正常な細胞間
関係、即ち、それらの由来である又は得られた組織のものと同様な細胞間関係を
形成することができる。
【0120】 生体高分子の不織布は、典型的には所定の大きさ及び密度の絡み合わせた生体
高分子ファイバーの集団から構成する。典型的には、生体高分子の不織布は、乾
燥した生体高分子ファイバーを、個々のファイバー要素の長さのそれに等しい周
辺を持つドラムに巻き取ることによって作製する。巻き取りは、ファイバーをド
ラムに巻き付けた数がその布に必要なファイバのピース数に等しくなるまで続け
る。そこで巻き付けたファイバーを横切ってドラムの軸に平行な方向に切断し、
ファイバをドラムから取り外す。こうして、それまでに架橋していなければ、そ
のファイバーを架橋させることができる。次にこのファイバーを一容量のリン酸
緩衝液に一定時間分散させて、そのpHを降下させ、ファイバーを柔らかくする
。このファイバーを一容量の水に移し、機械的に攪拌してファイバの鎖を絡み合
わせる。絡み合わせたファイバの鎖を、採集スクリーン上に、それらが均一な密
度のマットになってスクリーンの被膜となるまで、この水をふるいにかける。そ
の後この不織布をスクリーン上で乾燥させるか、別の表面、スクリーン又は細胞
培養器具に移した後に乾燥させる。必要に応じて、この不織布マットを、乾燥後
により小型形状に切断するか、又はパンチングしてもよい。
【0121】 マットの補強ファイバー、糸、ひも、ファイバーの束、布及び/又は不織布に
適した材料の例は、生体高分子、再吸収可能なポリマー及び再吸収不能のポリマ
ーを形成する材料である。生体高分子用の材料には、コラーゲン、アルギン酸、
ラミニン、エラスチン、ゼラチン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン、トロ
ンボスポンジン、ポリサッカリド、ポリ-l-アミノ酸及びこれらの組み合わせが ある。再吸収可能なポリマーの材料には、例えばポリ-l-乳酸及びポリ-l-グリコ
ール酸などのポリ-α-ヒドロキシエステル、ポリジオキシノン、ポリビニルアル
コール、外科用ガット及びこれらの組み合わせがある。再吸収不能のポリマー材
料の例には、絹、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリウレタン及びこれらの組み合わせがある。他にも、ファイバの
組み合わせは、再吸収可能なポリマーファイバーを、再吸収不能なポリマー上に
鋳込んだり、又は、生体高分子ファイバーを再吸収可能な又は再吸収不能なファ
イバー上に鋳込むことで、作製が可能である。好適な材料はコラーゲン、好まし
くはブタ胎児コラーゲンである。
【0122】 このような補強された構造を要するインプラントの例には骨格置換術、ヘルニ
ア修復又は一時的補強用の構造がある。例えば回旋腱板を修復するには、強靱な
ファイバー又は縫合糸、好ましくは再吸収可能な縫合糸をマット構造内に、原線
維スラリを沈着させる際に埋め込んで、補強の方向に高い張力を当該完成品にか
けられるようにしてもよい。これらの構造をさらに以下に説明することとする。
【0123】 本発明の生体高分子マット又は生体高分子マット組成と、細胞外マトリックス
巨大分子とを含む生体適合性のコンストラクトをさらに具体的にここで考察する
こととする。生体高分子溶液内に分散又は懸濁させた可溶性又は微粒子型の細胞
外マトリックス巨大分子を本発明のマット及びマット組成上及び/又は内にさら
に施して、細胞外マトリックス巨大分子又は微粒子を有するマット、マット複合
材、又はマット組成を形成することができる。ここで用いられる「微粒子型の細
胞外マトリックス」という文言は、かつては生きた細胞を有していたが、処理し
てこの細胞を取り除き、例えば細胞成長、形態形成、及び分化にとって必要な成
長因子、たんぱく質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカンなどの非細胞性
の細胞外マトリックス因子を維持した組織源を由来とする細胞外マトリックス部
分を言う。移植組織を作製するために細胞外マトリックス微粒子を形成する方法
は、1992年8月7日出願の米国特許出願番号07/926,885号、19
94年9月6日出願の米国特許出願番号08/302,087号、及び、199
5年6月6日出願の米国特許出願番号08/471,535号に開示されている
。米国特許出願番号07/926,885号、08/302,087号及び08
/471,535号の教示を参考としてここに編入することとする。
【0124】 細胞外マトリックス微粒子を形成する方法には、生きた細胞を有する、例えば
結合組織源などの組織源を凍結させて、この生きた細胞を破砕することで、例え
ば細胞質及び核といった構成成分から成る細胞残遺物を形成するステップが含ま
れる。次にこの組織源を、例えば粉砕、洗浄、及びふるい分けなどによって処理
して、細胞成長、移動、分化、及び形態形成に必要な巨大分子を含む細胞外マト
リックスは取り除かずに細胞質及び核構成成分を取り除く。細胞外マトリックス
を凍結乾燥し、断片化、例えば低温粉砕で微細な粒子を生じさせるなど、して、
細胞外マトリックス微粒子を生成させる。
【0125】 細胞外マトリックス微粒子には細胞外マトリックスたんぱくを含めることがで
きる。例えば、皮膚から得られる細胞外マトリックス微粒子には、形質転換成長
因子β1、血小板由来成長因子、塩基性線維芽細胞成長因子、表皮成長因子、I
GF1、bFGF、シンデカン-1、デコリン、フィブロネクチン、コラーゲン、
ラミニン、テナシン、及びデルマタン硫酸が含まれる。肺からの細胞外マトリッ
クス微粒子には、PDGF、TGFβ1、bFGF、VEGF、シンデカン-1、
フィブロネクチン、ラミニン、及びテナシンが含まれる。さらに細胞外マトリッ
クス微粒子には、組織の発達に必要な成長因子などのサイトカインを含めてもよ
い。「サイトカイン」と言う術語には、成長因子、インターロイキン、インター
フェロン及びコロニー刺激因子が含まれるが、これらに限定されることはない。
これらの因子は、細胞分裂、形態形成及び分化が目印となる組織発生の異なる段
階で正常組織中に存在する。これらの因子の中には、生体内での組織修復に必要
なシグナルをもたらす刺激分子がある。これらのサイトカインは、インプラント
の、置換しようとする組織の機能的代替物への転換を刺激することができる。こ
の転換は、組織細胞が、類似の近接組織から、例えば循環系や幹細胞の貯留位置
などから可動化することによって発生が可能となる。細胞は生体吸収可能なプロ
テーゼには接着でき、またそれらを置換組織にリモデルすることができる。
【0126】 マット、マット複合材、及びマット組成を、さらに、ヒトなどのほ乳類レシピ
エントなどのレシピエントに導入又は移植することのできるプロテーゼとして利
用してもよい。例えば、マット、マット複合材、及びマット組成をプロテーゼと
して用いても、又は、例えば以下の種類の組織を再構築するために用いてもよい
。即ち、神経組織、皮膚、血管組織、筋肉組織、骨、軟骨、腱、及び靱帯などの
結合組織、腎組織、肝組織、及び膵組織、である。マット、マット複合材、及び
マット組成に接種する組織細胞は、ヒトなどのほ乳類から得ることができる。組
織細胞を、マット形成中に加えない場合は、まず細胞を少量の組織培養基に懸濁
させることで組織細胞をマット、マット複合材、及びマット組成に送達する。次
に、細胞を含有するこの組織培養基をマット、マット複合材、又はマット組成に
滴下することができる。あるいは、マット、マット複合材、又はマット組成を、
組織培養基及び細胞を懸濁液中に含有した容器に置き、この容器を、細胞を含有
する組織培養基がマット、マット複合材、又はマット組成全体に分布するよう、
震盪する。別の実施例では、組織細胞を低濃度のコラーゲン溶液などの生体高分
子溶液に、約4℃から10℃の温度、約7.0のpHで懸濁させてもよい。こう
して、細胞を含有するこの溶液をマット、マット複合材、及びマット組成に送達
してもよい。マットを37℃に温めると、コラーゲン溶液などの生体高分子溶液
はマット中でゲルを形成する。ここで用いられる「ゲル」という術語は、生体高
分子の原線維による生体高分子の骨格内に捕捉された水溶液と一緒のネットワー
ク又はメッシュあるいは生体高分子フィラメントを言う。細胞を本発明のマット
、マット複合材、又はマット組成に送達する伝播体として用いられるアルギネー
トゲルは、室温及び中性pHで重合化を起こさせるカルシウムの添加によって生
成が可能である。こうして、選択された上皮、内皮、又は中皮細胞を、ゲルを充
填したマット、マット複合材、又はマット組成の表面上にプレーティングしても
よい。
【0127】 生体高分子マットは単独で、例えば歯根バリヤ、又は骨の修復を助ける骨膜バ
リヤとするためのコラーゲン膜として用いてもよい。あるいは、生体高分子マッ
トを、例えば中枢神経系の硬膜の組織修復の場合など、生体高分子マット及び生
体高分子フォームを含む生体高分子マット組成中に利用することができ、例えば
単一密度のフォームを完成マットに鋳込んで異なる特性を持つ二つの層、即ち、
高密度及び低からゼロ多孔度のマット層と、低密度及び高多孔度のフォーム層と
、を持つ構造を生成させてもよい。単一及び二重密度の生体高分子フォームは、
その内容全体を参考としてここに編入することとする1996年11月21日出
願の米国一連番号08/754,818号に説かれている。複合組織、例えば表
皮及び真皮、という二つの組織から成る皮膚など、を必要とするインプラント部
位は、マット表面に表皮、中皮又は内皮細胞を、そしてフォーム骨格内に間葉細
胞を含むマット組成で処理してもよい。これらの用途では、低多孔度のマット側
では一表面上で癒着又は流体の消失を抑えることができ、また多孔度の高い側は
治癒に必要な細胞成長及び分化を誘引し、支持することができる。例えばケラチ
ノサイトをマットの一方の側で成長及び分化させて角質層を生成させるなど、生
物学的に改良を加えることもできる。一つ又は複数の層の生体高分子マット又は
生体高分子マット複合材、及び二つ以上の層の単一又は二重密度の生体高分子フ
ォームを含むマット組成も、ここで特に考察されるところである。
【0128】 上述したように、本マットには、一本のファイバー、ひも、ファイバーの束、
又は布などのファイバー構造を含めて、相対的な補強、方向性のある補強を達成
しても、方向性のある細胞成長を達成してもよい。このような構造を要するイン
プラントの例には、例えば骨格置換構造又は一時的補強構造が含まれる。
【0129】 マット、マット複合材、又はマット組成を、シート以外の形状に鋳込んでもよ
い。チューブ状又は球形などの円形に鋳込んで、特殊化した機能のための材料又
は液体を含有できる膜構造を作製してもよい。マット、マット複合材、又はマッ
ト組成から作製するインプラントの例には、例えば、血管、管路、尿管、膀胱、
及び、骨置換材料で充填したマットシリンダから形成した骨インプラントがある
。ここで用いられる「骨置換材料」という術語は、骨内部の間隙に充填できると
共に骨の修復を支援することのできる材料を言う。骨置換材料の例には、自己骨
移植片、骨粉末、脱灰骨、硫酸カルシウム、及びリン酸カルシウム、例えばハイ
ドロキシアパタイト、ブラッシュ石及びリン酸オクタカルシウムなど、が含まれ
るが、これらに限らない。細胞を加えた、又は加えていない、乾燥はされていな
いマット及び単一密度のフォームを含むマット組成を用いると、生体組織等価物
又はモデル組織系を構築することができる。これの一例は、皮膚モデル又は生体
インプラント系用の、単一密度のフォーム中での皮膚線維芽細胞の成長、及び、
多孔質の表面マット層上でのケラチノサイトの分化成長であり、この皮膚モデル
又は生体インプラント系は、重要な場所で失われた機能に急速に置換することが
でき、備蓄保存用に凍結乾燥が可能である。生体インプラント系として望ましく
ない場合は、細胞を埋め込んで成長させたこの複合体を後日インプラントとして
用いるのに凍結乾燥すれば、上に細胞調質に関して説明したように、この凍結乾
燥前に当該構造に培養細胞が沈着させた物質を由来とする情報を通じてホストの
組織に再成長を方向付けることができる。
【0130】 さらに本発明のマット、マット複合材、及びマット組成をチューブ形状の血管
プロテーゼに形成してもよく、また、送達後にゲル化する中和化させたコラーゲ
ン溶液中に供給した平滑筋細胞で内部的に接種しても、外膜線維芽細胞で外的に
接種しても、またその管腔表面上に内皮細胞を接種してもよい。例えば、管状の
マットは、その内径が所望のマットの外径であるチューブに生体高分子原線維ス
ラリを分配することによって形成することができる。スラリが乾燥する間、この
チューブを継続的にローリングさせる。乾燥中、原線維はチューブ上に沈着する
。より多くのスラリをチューブに施すとマットをより厚くすることができる。す
べての原線維が乾燥したら、マットをシームレス製品としてチューブから取り外
す。管状のマットの補強が好ましい場合は、ファイバー、ファイバーの束、又は
布を、スラリをチューブに施す前又は間にチューブ内に配置すればよい。これら
の方法は、ローリングが二方向以上の方向に起きるであろう、例えば球形などの
他の形状にマットを鋳込む場合にも当てはまる。
【0131】 血管プロテーゼにおいては、マットはその内部に内皮細胞を接種することとな
る内側の層になるであろう。単一密度のフォームを、平滑筋細胞及び外膜線維芽
細胞の、管腔から離れた基質とするために当該マット周囲に鋳込むこととなるで
あろう。
【0132】 本発明の生体高分子のマルチフィラメント型としての靱帯インプラントを、本
発明のマット、マット複合材、及びマット組成で強化して細胞接種を促進しても
よい。例えば、連続靱帯マルチフィラメント構造を、細胞外マトリックス微粒子
あり又はなしで作製して、所定の性質を持たせるようにすることができる。次に
、靱帯細胞を靱帯に送達してもよいが、この靱帯はマット・ケーシング内に埋め
込んでもよい。次に靱帯を管状の組織熟成室に取り付けてもよい。靱帯細胞が靱
帯に付着したら、この靱帯に周期的に軸方向で延伸させる計画を行ってストレス
をかけ、靱帯が熟成するに従ってこのストレスを大きくする。熟成生体高分子靱
帯は例えば靱帯プロテーゼとして用いることができる。
【0133】 歯科用インプラントを本発明のマット、マット複合材、及びマット組成から形
成することができる。例えば、本マット、マット複合材、及びマット組成を、歯
根靱帯修復及び骨再構築術のための特殊歯科インプラントとして作製してもよい
。一実施例では、本発明のマット、マット複合材、及びマット組成を、エプロン
型のインプラントとして作製して、このエプロンの周りのひもを歯の周りで結べ
ば、このインプラントを歯に固定することができる。別の実施例では、本マット
、マット複合材、及びマット組成を、骨置換材料を充填した、抜歯後に骨置換材
料又はコラーゲン組成で充填した歯槽のふたとして設計する。さらに別の実施例
では、当該マット、マット複合材、及びマット組成を、顎堤成型物とそて役立つ
、骨置換材料で充填したチューブとして設計する。
【0134】 歯根靱帯組織修復及び骨再構築を促進するためのエプロン型のマットは、多孔
度の低いマットとしても、又は二重密度又は四重密度のフォーム、即ち二重密度
のフォームを折り畳んだもの、を含むマット組成としても作製することができ、
歯根靱帯修復及び骨再構築を必要とする部分の歯肉片及び歯槽骨の間に配置する
ことができる。清浄にした及び平らになった歯の一帯の付着上皮による侵入を阻
止するよう、マットを設計してもよい。こうして歯根靱帯細胞はそのマット、マ
ット複合材、又はマット組成に移動し、そのマット、マット複合材、又はマット
組成に結合し、細胞外マトリックス生成物をそのマット、マット複合材、又はマ
ット組成内に分泌することができる。このマット、マット複合材、又はマット組
成には、さらに、毛細内皮細胞や、微生物による攻撃からの防御を提供する免疫
細胞を侵入させることができる。表皮細胞を排除し、歯根靱帯細胞を刺激するこ
とによって、本マット、マット複合材、又はマット組成は歯根靱帯及び歯槽骨の
再生を促進することができる。さらにこのエプロン型の歯科用インプラントを改
良して、ここに説明した骨置換材料を含めてもよい。実施例の一つでは、この材
料を、侵食した歯槽骨上に配置可能なこのエプロンの外部ポケット形成に含めて
もよい。この骨置換材料は侵入してくる骨細胞の経路となる。さらに、このエプ
ロン型歯科用インプラントには、歯組織から生成する細胞外マトリックス微粒子
を含めることができる。これらの細胞外マトリックス微粒子は、歯根靱帯細胞及
び骨細胞のインプラントへの成長を促進するための適切な成長因子、例えば骨及
び靱帯特異成長因子など、を提供することとなる。
【0135】 あるいは、本発明によるマット、マット複合材、及びマット組成を抜歯後の窩
のふたとして作製してもよい。本マットを用いると、抜歯後の窩に挿入される窩
充填材をふたすることができる。これらの窩充填材は窩内の骨再生を促進し、最
低でも、金属、例えばチタン、固定具及びその後の歯冠の装着のための基盤とな
る。抜歯直後、チタン又はその他の材料による固定具を、ここでエプロンとして
説明したマット、マット複合材、又はマット組成の一つで補強され、覆われた又
は「テント形成された」リン酸カルシウム骨置換材料で窩内に固定することがで
きる。窩充填剤には、さらに骨組織又は歯乳頭から生じる細胞外マトリックス微
粒子を含めてもよい。これらの細胞外マトリックス微粒子は、インプラント内に
骨細胞が成長するのを促進するための適切な成長因子、例えば骨特異成長因子な
ど、を提供する。加えて、金属から成る歯科用インプラントのための骨の基盤が
その金属製インプラントにとって充分な支持とならない場合、本発明のフォーム
及びフォーム組成で補強又は強化した骨置換材を用いてこの骨の基盤を補強する
ことができる。
【0136】 さらに別の実施例では、本マット、マット複合材、及びマット組成を、顎堤代
替物又は顎堤成型物として設計することができる。顎堤代替物は義歯をアンダー
ピンニングするために用いられる。典型的には、顎堤代替物を、適切な長さの生
体高分子マットチューブとして設計し、このマットチューブを非吸収性のリン酸
カルシウム骨置換材で充填して、顎堤に沿った鉱物化プラットホームを構築し、
このリン酸カルシウム粒子の周りの骨及び結合組織の枠組みの発達を促進する。
本発明による顎堤成型物は顎堤代替物と同じデザインを有するが、例外として、
マットチューブを吸収可能な形の骨置換材で充填して骨発達を促進する。顎堤成
型物の組成によって骨細胞及び血液毛細管透過が促進され、例えば義歯又は金属
製インプラントを埋め込む前などに、堤の再成長及び回復を起こさせる。顎堤成
型物のマットチューブには、さらに、顎堤の骨再生を促進する細胞外マトリック
ス微粒子を含めてもよい。
【0137】 同様に、例えば心臓組織、膀胱組織、小腸由来組織、肺組織、膵組織、肝組織
、皮膚組織、及びその他の器官組織などの器官を由来とする細胞外マトリックス
微粒子で強化した、本発明によるマット、マット複合材、及びマット組成に、例
えば、膵臓内分泌腺、例えば膵臓島細胞、又は肝臓のもの、例えば肝細胞など、
の相似器官細胞を、移植前及び/又は後の細胞増殖を促進する手段として接種し
て、移植後、そして細胞が埋め込まれたマットインプラントの血管分布後に機能
的な置換器官が発達するようにしてもよい。
【0138】 本発明のマット及びマット組成中及び上で成長させるのに成功を収めた細胞種
の例には、間葉細胞、皮膚線維芽細胞、ケラチノサイト、骨芽細胞、歯肉線維芽
細胞、及び腱細胞並びに靱帯細胞が含まれる。
【0139】 生体高分子マットは、その内容を参考としてここに編入することとする199
8年3月17日出願の弁理士整理番号TSS−028に、より十二分に説かれて
いる。
【0140】 コラーゲン・ファイバーの作製 生体高分子コンストラクトは生体高分子ファ
イバーから作製することができる。生体高分子ファイバーを作製する方法及び装
置は、ここに参考文献として編入することとする、1996年10月8日出願の
標題「コラーゲン・ファイバーを紡績及び加工する装置及び方法」の米国特許第
5,562,946号に開示されているように、当業者に公知である。
【0141】 このように、本発明は前述の記載から明白なもののなかで、上記の目的を効率
的に達成するものであることが分かる。概略的には、ここで開示されたのは、生
体高分子置換組織を培養、又は熟成流体に曝露し、所定の力及び/又はストレス
をこの曝露後の組織に印加する方法である。力は熟成流体により組織に伝達して
もよい。本発明は、部分的には、所定の生体内条件、即ち組織が成長する条件、
即ち、滑液などの特定の流体に曝露される条件を刺激し、せん断ストレスなどの
特定のストレスにさらすよう設計された態様で、生体外で組織を調質することに
よって機能する。
【0142】 ここに開示した技術には、組織表面が第二表面から所定の間隙をあけて間隔を
おいているように置換組織を取り付けるステップと、前記表面のそれぞれの少な
くとも一部分に接触するように熟成流体をこの間隙に提供するステップと、前記
表面の一方を他方に対して相対的に動かすステップとが含まれる。これら表面を
相互に押圧すると、組織が圧縮力がさらされるが、この圧縮力はこれら表面間に
相対的な運動がある状態又はない状態で提供してもよい。組織表面は摺動又は摩
擦により係合させてもよく、又は摩擦及び非摺動的に係合させてもよい。装置の
いくつかの実施例は上記の技術を実施するために開示されている。しかしながら
、これらの実施例は本発明を実施するための装置の実例を挙げることを目的とし
ており、限定的なものではない。当業者であれば、ここに提供した開示の知見を
もとに、本発明を包含する、その他の実施例、又は開示された実施例の変更例を
容易に想到でき、またその目的を達成できることであろう。例えば、当業者であ
れば、図2Aの直交ピストン154を流体圧力で駆動するのではなく、電気機械
的アクチュエータに接続するかも知れない。従って、これらの変更例及び実施例
は本発明の精神及び範囲内にあると考えられる。
【0143】 さらに、以下の請求の範囲はここに説明した本発明のあらゆる一般的及び具体
的特徴や、言語上の問題としてその範疇に入ると言ってよい本発明の範囲のあら
ゆる記述を網羅しようとしたものであることは理解されねばならない。
【0144】 以上、本発明を説明したところで、新規であると訴え、特許証よる保護を求め
るところは:
【図面の簡単な説明】
本発明の上述及びその他の目的、特徴及び利点は以下の説明から明白となり、
また添付の図面からも明白となろうが、同図面において同様の参照記号は異なる
図面を通じて同じ部品を言及するものである。図面は本発明の原理の実例を示し
、実寸ではないが相対的寸法を示すものである。
【図1】 本発明の教示に基づく、生体高分子置換組織を、当該組織を身体内
へ移植する前に熟成させる装置の一実施例の横断面図である。
【図2】 図A乃至2Cは、生体高分子置換組織を、当該組織を身体内へ移植
する前に熟成させる、本発明に基づく装置の別の実施例の横断面図である。図2
Bは、図2Aで利用した容器の分解図である。図2Cは、図2Aに示した装置の
、図2Aの切断線C−Cで切断した断面図である。
【図3】 図2A乃至2Cに示した組織熟成装置に流体を供給し、かつこれを
作動させる熟成流体供給システムの概略的システムフロー図である。
【図4】 図4A乃至4Bは、生体高分子置換組織を、当該組織を身体内へ移
植する前に熟成させる装置のさらに別の実施例の横断面図である。図4Bは、図
4A及び4Bに示した装置を駆動するモータを示した、図4Aの切断線B−Bで
切断した横断面図である。
【図5】 組織を身体内へ挿入する前に当該組織を熟成させる、本発明に基づ
く装置のさらに別の斜視図である。
【図6】 図5に示した特徴に基づく組織を熟成させる装置の一実施例の横断
面図である。
【図7】 本発明の教示に基づく組織熟成装置の二重湾曲実施例の平面図であ
る。
【図8】 本発明の教示に基づく図7の球形印加装置の代替的実施例の部分横
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B029 AA02 AA27 BB11 CC03 DF01 DF02 DF04 4B065 AA93X BA30 BB01 BC50 CA44 4C081 AB01 BA12 BA13 CD34 CF011 4C087 AA01 BB46 MA67 NA03 NA06 NA14 ZA96

Claims (87)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一組織表面を有する生体高分子組織を受け取り、かつ取り付
    けるための第一表面を有する第一支持手段と、 前記第一組織表面に向かい合う第二表面を有する第二支持手段と、 熟成流体を、前記第一組織表面及び前記第二表面の一方に導入するための流体
    手段と、 前記第一及び第二支持手段の少なくとも一方に接続して、前記第一表面及び前
    記第二表面に受け取られ、かつ取り付けられた前記組織に相対運動を提供して、
    前記組織に所定の力を印加する、相対運動手段と を含む、生体高分子組織を熟成させるための装置。
  2. 【請求項2】 前記流体手段が、前記熟成流体を、前記第一表面によって受け
    取り、かつ取り付けられた生体高分子と連絡した状態に維持する手段を含む、請
    求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記流体手段が、熟成流体を受け取り、かつ閉じ込めると共に
    、前記第一表面によって受け取り、かつ取り付けられた生体高分子組織の少なく
    とも一部分を前記熟成流体に浸漬するよう適合された流体レザバを含む、請求項
    1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記流体手段が、前記生体高分子組織及び前記第二表面に向か
    う熟成流体の流れを方向付けるノズル手段を含む、請求項1に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記第二支持手段が、第二生体高分子組織を受け取り、かつ取
    り付けるよう適合されている、請求項1に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記相対運動手段が、前記第一支持手段の前記第一表面によっ
    て受け取り、かつ取り付けられた生体高分子組織の前記第一組織表面を、前記第
    二支持手段の前記第二表面に対して、約0.5cm/秒から約50cm/秒の間
    の速度で並進させる手段を含む、請求項1に記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記第二支持手段の前記第二表面が、前記第一支持手段によっ
    て受け取られ、かつ取り付けられた前記第一組織の前記第一組織表面から、第一
    軸方向に間隔を置いており、そして、前記相対運動手段が、前記第一軸に対して
    概ね直交する平面内で、前記第一組織表面を前記第二表面に対して約0.5cm
    /秒から約50cm/秒の間の速度で並進させる手段を含む、請求項1に記載の
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第一及び第二支持手段の少なくとも一方が、前記第一及び
    第二表面の一方を形成するブロックを含み、そして、前記相対運動手段が、前記
    第一及び第二表面の一方に概ね平行な平面内で前記ブロックを周期的に並進させ
    るために、前記ブロックに接続された線形電気機械的アクチュエータを含む、請
    求項1に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記第一及び第二支持手段の少なくとも一方が、前記筐体内に
    孔を形成する手段を含み、前記孔には、内部で並進するピストンが取り付けられ
    、そして前記相対運動手段が、前記孔と連絡する流体ポートを形成する手段と、
    前記孔内で前記ピストンを並進させるために前記流体ポートを介して前記孔に流
    体を導入する手段とを含む、請求項1に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記第一及び第二支持手段の一方が内側回転可能シリンダを
    含み、他方が外側半シリンダを含み、そして、前記相対運動手段が、前記回転可
    能シリンダを回転させる手段を含む、請求項1に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記第一表面に受け取られ、かつ取り付けられた生体高分子
    組織の第一組織表面を、前記第二支持手段の前記第二表面から、所定の間隙をあ
    けて間隔を置く間隔手段をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記間隔手段が、前記第一表面に受け取られ、かつ取り付け
    られた生体高分子組織の第一組織表面と前記第二表面との間の前記間隙を、約0
    mmから約5mmの間で変化させる、請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 前記間隔手段が、前記第一及び第二支持手段の少なくとも一
    方に接続する調節ステージを含む、請求項11に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記第一及び第二支持手段の少なくとも一方が、孔内で並進
    させるために配置されたピストンを含み、前記間隔手段が、前記孔に流体ポート
    を形成する手段と、前記ピストンを前記孔内で並進させるために、前記孔内の流
    体体積を前記流体ポートを通じて変化させる手段とを含む、請求項11に記載の
    装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも、前記第一表面に受け取られ、かつ取り付けられ
    た生体高分子組織を、所定の圧縮圧力にさらす圧縮手段をさらに含む、請求項1
    に記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記圧縮手段が、前記第一支持手段の前記第一表面に受け取
    られ、かつ取り付けられた生体高分子にかかる、約0psiから約100psi
    の間の圧縮圧力を生じるよう適合されている、請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記圧縮手段が、前記第一支持手段の第一表面に取り付けら
    れた生体高分子組織と前記第二支持手段とを相互に圧縮する手段を含む、請求項
    15に記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記圧縮手段が、重りを受け取るよう適合されたプラットホ
    ーム手段をさらに含み、前記プラットホーム手段が、前記重りにかかる重力の少
    なくとも一部分をそれに接続された前記支持手段に伝達するために、前記第一及
    び第二支持手段の少なくとも一方に接続されている、請求項17に記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記第一及び第二支持手段の少なくとも一方が、少なくとも
    一つの流体ポートを内部に形成する手段を有する孔内を移動するよう配置された
    ピストンを含み、そして、前記圧縮手段が、前記流体が所定の圧力を前記孔内で
    有するように前記流体ポートを通じて流体を前記孔に提供する手段を含む、請求
    項17に記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記第一表面によって受け取られ、かつ取り付けられた生体
    高分子組織を、前記第二支持手段の前記第二表面によって受け取られ、かつ取り
    付けられた生体高分子組織に、約0psiから約100psiの間の圧縮圧力が
    これらの生体高分子組織のそれぞれに作用するように、圧縮的に係合させる圧縮
    手段をさらに含む、請求項5に記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記熟成流体が、せん断力を、前記第一表面に取り付けられ
    、かつ受け取られた生体高分子組織と前記第二表面との間で伝達するための揺変
    性流体を含む、請求項1に記載の装置。
  22. 【請求項22】 前記第一表面に取り付けられた前記生体高分子組織が生体高
    分子フォームを含む、請求項1に記載の装置。
  23. 【請求項23】 前記第一支持手段が、前記第一表面と、その上に受け取られ
    、かつ取り付けられた生体高分子組織との間に骨セメントを介在させるよう適合
    されている、請求項22に記載の装置。
  24. 【請求項24】 前記骨セメントがリン酸カルシウムを含む、請求項23に記
    載の装置。
  25. 【請求項25】 流体を閉じ込めるための筐体であって、 第一及び第二端部を有すると共に第一長手軸方向に延びる第一孔を形成する手
    段と、 第一及び第二端部を有すると共に、前記第一長手軸に対して傾斜して配置され
    た第二長手軸方向に延びる第二孔を形成する手段であって、前記第二孔は、その
    第二端部で、前記第一及び第二端部の間の前記第一孔と交差する、手段と を含む筐体をさらに含み、 前記第一支持手段は、前記第一孔内を並進するよう配置された長寸のピストン
    を含み、前記ピストンは、長寸のピストン第一面と、長寸のピストン第二面と、
    それらの間の、外側表面を有する連結部分とを有し、そして 前記第二支持手段が、前記第二ピストン孔内に配置された直交ピストンを含み
    、前記直交ピストンが、直交ピストン第一面及び直交ピストン第二面を有する、
    請求項1に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記直交ピストン第二面は、前記第二支持手段の前記第二表
    面を形成するよう適合されており、そして前記直交部分の前記外側表面は、前記
    直交ピストン第二面に向かい合うよう、前記第一支持手段の前記第一表面の少な
    くとも一部分を形成するよう適合されている、請求項25に記載の装置。
  27. 【請求項27】 所定の圧縮力を、少なくとも、前記第一表面に取り付けられ
    、かつ受け取られた生体高分子組織に印加する圧縮手段をさらに含む、請求項2
    6に記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記第一表面に受け取られ、かつ取り付けられた生体高分子
    組織の第一組織表面と、前記第二表面との間の間隙を変化させるために、前記第
    二孔内で前記直交ピストンを並進させる間隔手段をさらに含む、請求項26に記
    載の装置。
  29. 【請求項29】 前記長寸のピストンが、前記第一孔を、前記長寸のピストン
    第一面及び前記第一孔の前記第一端部が部分的に境界を形成する第一容積と、前
    記長寸のピストン第二面及び前記第一孔の前記第二端部が部分的に境界を形成す
    る第二容積とに分割する、請求項26に記載の装置。
  30. 【請求項30】 前記相対運動手段が、流体を前記第一及び第二容積の一方に
    伝達するために前記第一ピストン孔内に流体ポートを形成する手段と、前記長寸
    のピストンを前記第一孔内で選択的に並進させるために、前記流体の前記第一及
    び第二容積への移動を提供し、かつ制御する手段とを含む、請求項29に記載の
    装置。
  31. 【請求項31】 前記第一及び第二孔が、前記長寸のピストンの前記交差部分
    の前記外側表面と前記直交ピストン第二面とが部分的に境界を形成する第三容積
    を規定するように交差し、そして前記直交ピストンが、前記第二孔を、前記第二
    孔の前記第一端部と前記直交ピストンの前記第一面とが部分的に境界を形成する
    第四容積に分割し、前記装置が、前記第四容積に流体を移動させるために前記第
    二孔に流体ポートを形成する手段をさらに含む、請求項29に記載の装置。
  32. 【請求項32】 前記第一表面に受け取られ、かつ取り付けられた生体高分子
    組織と前記第二表面との間の前記間隙を調節するために、流体の前記第四容積へ
    の移動を制御する手段をさらに含む、請求項31に記載の装置。
  33. 【請求項33】 少なくとも、前記第一表面によって受け取られ、かつ取り付
    けられた生体高分子組織に所定の圧縮圧力を印加するために、前記第一表面に受
    け取られ、かつ取り付けられた生体高分子組織と、前記第二表面とを係合させる
    圧縮手段をさらに含み、前記圧縮手段が、所定の流体圧力が前記第四容積内に提
    供されるよう、前記第四容積に流体を提供し、かつ移動させる手段を含む、請求
    項31に記載の装置。
  34. 【請求項34】 熟成流体を導入するための前記手段が、前記第三容積と、前
    記第一第二及び第四容積のうちの少なくとも一つとの間で流体を移動させる手段
    を含む、請求項31に記載の装置。
  35. 【請求項35】 熟成流体を保持するための流体レザバと、 第一組織表面を有する第一生体高分子組織を取り付けるよう適合された第一支
    持要素と、 前記第一生体高分子組織の第一組織表面に向かい合う第二組織表面を有する第
    二生体高分子組織を取り付けるよう適合された第二支持要素であって、 前記第一及び第二支持要素が、前記第一及び第二生体高分子組織表面を接触さ
    せるように、前記第一及び第二生体高分子組織の少なくとも一部分を熟成流体に
    浸漬するように適合されている、第二支持要素と、 組織が発達するように前記第一組織表面を前記第二組織表面に対して並進させ
    るために、前記第一支持要素を前記第二支持要素に対して並進させる並進手段と
    を含む、軟骨組織を発達させるための装置。
  36. 【請求項36】 前記並進手段が、前記第一支持要素に接続された電気機械的
    アクチュエータを含む、請求項35に記載の装置。
  37. 【請求項37】 前記電気機械的アクチュエータが前記第一支持要素を線形に
    往復動させる、請求項35に記載の装置。
  38. 【請求項38】 前記第一及び第二生体高分子組織を相互に押圧するために、
    前記第一及び第二支持要素の少なくとも一方に接続された圧縮手段をさらに含む
    、請求項35に記載の装置。
  39. 【請求項39】 前記第一組織表面が、前記第二組織表面から、その間に間隙
    を形成するように間隔をおいている、請求項35に記載の装置。
  40. 【請求項40】 前記第一及び第二生体高分子組織の間の間隙を変化させるた
    めの可変間隔手段をさらに含む、請求項39に記載の装置。
  41. 【請求項41】 熟成流体を閉じ込めるためのレザバと、 外側を向いた組織表面を有する第一生体高分子組織を取り付けるよう適合され
    た外側周辺表面を有する回転可能な内側支持シリンダと、 前記支持シリンダから間隔をおくと共に、内側を向いた組織表面を有する第二
    生体高分子組織を取り付けるよう適合された内側取付表面を有する円弧状支持要
    素であって、 前記回転可能な支持シリンダ及び前記円弧状支持要素は、前記外側を向いた組
    織表面が前記内側を向いた組織表面から間隔をおき、かつ向かい合ってその間に
    間隙を形成するように間隔を置いて離れており、前記回転可能な支持シリンダ及
    び前記半シリンダ型支持要素は、内部に保持された熟成流体が前記間隙に導入さ
    れて、前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面のそれぞれの少なくとも一部
    分に接触するよう、前記レザバと操作的に構成されている、円弧状支持要素と、 前記回転可能な内側支持シリンダを回転させる回転手段と を含む、生体高分子組織の発達を促進するための装置。
  42. 【請求項42】 前記外側を向いた組織表面が、前記第二の内側を向いた組織
    表面から約0mmから約5mmの間、間隔を置いている、請求項41に記載の装
    置。
  43. 【請求項43】 前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面を相互に圧縮す
    る圧縮手段をさらに含む、請求項41に記載の装置。
  44. 【請求項44】 前記回転可能な内側支持シリンダ及び前記円弧状支持要素が
    同軸上に取り付けられている、請求項41に記載の装置。
  45. 【請求項45】 前記回転可能な支持シリンダ及び前記円弧状支持要素が同軸
    上に取り付けられ、前記間隙が均一である、請求項41に記載の装置。
  46. 【請求項46】 前記回転手段が、前記回転可能なシリンダに接続されたシャ
    フトを有する電気モータを含む、請求項41に記載の装置。
  47. 【請求項47】 第一及び第二端部を有すると共に第一長手軸方向に延びる第
    一孔を形成する手段と、 第一及び第二端部を有すると共に、前記第一長手軸に対して傾斜して配置され
    た第二長手軸方向に延びる第二孔を形成する手段であって、その第二端部で、前
    記第一及び第二端部の間の前記第一孔と交差する、手段と 前記第一孔内を並進するよう配置され、長寸のピストン第一面と、長寸のピス
    トン第二面と、それらの間の連結部分とを有する長寸のピストンであって、前記
    連結部分が、第一組織表面を有する第一生体高分子組織を受け取り、かつ取り付
    けるよう適合された外側表面を有する、長寸のピストンと、 前記第二孔内を並進するよう配置され、直交ピストン第一面及び直交ピストン
    第二面を有する直交ピストンであって、前記第二面が、前記第一組織表面に向か
    い合う第二組織表面を有する第二生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるよ
    う配置されている、直交ピストンと を有する筐体を含む、生体高分子組織の熟成のための装置。
  48. 【請求項48】 前記長寸のピストンが、前記第一孔を、前記長寸のピストン
    第一面及び前記第一孔の前記第一端部が部分的に境界を形成する第一容積と、前
    記長寸のピストン第二ピストン面及び前記第一孔の前記第二端部が部分的に境界
    を形成する第二容積とに分割する、請求項46に記載の装置。
  49. 【請求項49】 前記第一及び第二孔が交差して、前記長寸のピストンの前記
    直交部分の前記外側表面と前記直交ピストン第二面とが部分的に境界を形成する
    第三容積を規定する、請求項48に記載の装置。
  50. 【請求項50】 前記直交ピストンが、前記第二孔を、前記第二孔の前記第一
    端部と前記直交ピストンの前記第一面とが部分的に境界を形成する第四容積に分
    割する、請求項49に記載の装置。
  51. 【請求項51】 前記第一及び第二容積の一方に第一流体を移動させるための
    、前記第一孔に少なくとも一つの流体ポートを形成する手段をさらに含む、請求
    項50に記載の装置。
  52. 【請求項52】 前記第四容積に第二流体を移動させるための、前記第二孔に
    少なくとも一つの流体ポートを形成する手段をさらに含む、請求項51に記載の
    装置。
  53. 【請求項53】 前記第三容積と、前記第一、第二及び第四容積のうちの少な
    くとも一つとの間で流体を移動させる手段をさらに含む、請求項52に記載の装
    置。
  54. 【請求項54】 前記長寸のピストンを前記第一孔内で選択的に並進させるた
    めに、前記第一及び第二容積への第一流体の移動を制御する手段をさらに含む、
    請求項51に記載の装置。
  55. 【請求項55】 前記第一組織表面及び第二組織表面間で所定の間隙を形成す
    るために、前記第二生体高分子組織から前記第一生体高分子組織を選択的に間隔
    を置いて配置するよう、前記第二流体の前記第四容積への移動を制御する手段を
    さらに含む、請求項52に記載の装置。
  56. 【請求項56】 前記第一及び第二生体高分子組織の少なくとも一方に所定の
    圧縮圧力を提供するために、前記第二生体高分子組織に対して前記第一生体高分
    子組織を選択的に押圧するよう、前記第四容積への前記第二流体の移動を制御す
    る手段をさらに含む、請求項52に記載の装置。
  57. 【請求項57】 第一組織表面を有する第一生体高分子組織を、第一支持構造
    の第一表面に取り付けるステップと、 第二表面を有する第二支持構造を提供するステップと、 前記第二表面及び第一組織表面が互いに向かい合うように前記第一及び第二支
    持構造を配するステップと、 前記第二表面の少なくとも一部分及び前記第一組織表面の少なくとも一部分に
    接触するように熟成流体を導入するステップと、 所定の力を前記熟成流体を介して前記第一組織に印加するために、前記第一及
    び第二支持構造の少なくとも一方を他方に対して並進させるステップと を含む、生体高分子組織を熟成させる方法。
  58. 【請求項58】 前記第二支持構造の第二表面を、前記第一支持構造に取り付
    けられた前記第一組織の第一組織表面から間隔を置いて配置して前記表面間に間
    隙を形成するステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 熟成流体を導入する前記ステップが、熟成流体を前記間隙に
    導入するステップを含み、そして、熟成流体を閉じ込めるためのレザバを提供す
    るステップと、前記第一生体高分子組織の少なくとも一部分及び前記第二表面の
    一部分を前記熟成流体に浸漬するステップとを含む、請求項56に記載の方法。
  60. 【請求項60】 熟成流体を導入する前記ステップが、揺変性流体を導入する
    ステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  61. 【請求項61】 熟成流体を導入する前記ステップが、ヒアルロン酸を導入す
    るステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  62. 【請求項62】 熟成流体を導入する前記ステップが、滑液を導入するステッ
    プをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  63. 【請求項63】 間隙を置く前記ステップが、前記第一組織の少なくとも一部
    分及び前記第二表面の少なくとも一部分が約0mmから約5mmの間の距離を置
    いて分離されているように、前記第二表面及び組織の第一シートを分離するステ
    ップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
  64. 【請求項64】 並進させる前記ステップが、組織の第一シートを前記第二表
    面に対して約0.5cm/秒から約50cm/秒の速度で運動させるステップを
    さらに含む、請求項57に記載の方法。
  65. 【請求項65】 並進させる前記ステップが、前記第一生体高分子組織を前記
    第二表面に対して線形に往復動させるステップをさらに含む、請求項57に記載
    の方法。
  66. 【請求項66】 並進させる前記ステップが、前記第一支持構造を前記第二支
    持構造に対して回転させるステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  67. 【請求項67】 所定の圧縮力を少なくとも前記第一生体高分子組織に印加す
    るステップをさらに含む、請求項57に記載の方法。
  68. 【請求項68】 所定の圧縮力を印加する前記ステップが、前記第二支持構造
    の前記第二表面を第一生体高分子組織に向かって押圧するよう、前記間隙を減少
    させるステップをさらに含む、請求項67に記載の方法。
  69. 【請求項69】 生体高分子組織の第二シートが前記第二表面を形成する一表
    面を有するよう、第二生体高分子組織を前記第二支持構造に取り付けるステップ
    をさらに含む、請求項57に記載の方法。
  70. 【請求項70】 生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるための第一表面
    を有する第一支持手段と、 受け取られ、かつ取り付けられた生体高分子組織に熟成流体を導入すると共に
    、そこへ所定の力を印加するための調質手段と を含む、生体高分子組織を熟成させるための装置。
  71. 【請求項71】 中心軸に沿って長手方向に延びると共に、外側を向いた組織
    表面を有する第一生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるための外側表面を
    有する内側シリンダと、 貫通した管孔を有すると共に、前記第一中心軸に対して概ね平行な第二中心軸
    に沿って長手方向に延びる外側シリンダであって、前記管孔の境界となる内側面
    を有する外側壁面を有し、前記内側面は、内側を向いた組織表面を有する第二生
    体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるものである、外側シリンダと、 前記内側シリンダは、前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面が互いに向
    かい合うように、前記管孔内に配置されており、 前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面に接触するよう、前記管孔内に熟
    成流体を提供する手段と、 前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面間に相対運動を提供するために、
    前記内側及び外側シリンダの少なくとも一方を回転させるための、少なくとも第
    一回転駆動手段と を含む、生体高分子組織の熟成のための装置。
  72. 【請求項72】 前記内側を向いた組織表面が、前記外側を向いた組織表面か
    ら、間隙によって間隔を置いている、請求項71に記載の装置。
  73. 【請求項73】 前記内側シリンダの外側表面の湾曲半径が、前記外側シリン
    ダの前記外側壁面の前記内側面の湾曲半径よりも小さく、そして前記内側を向い
    た組織表面が、前記外側を向いた組織表面から、非均一な間隙によって間隔を置
    いており、前記間隙の大きさが、前記組織表面の周辺周りの点で最小及び最大に
    なっている、請求項72に記載の装置。
  74. 【請求項74】 前記間隙の大きさを変化させるための間隔手段を含み、前記
    間隔手段が、前記シリンダの前記中心軸の間にある、前記中心軸に対して直交す
    る方向のオフセットを変化させる手段を含む、請求項72に記載の装置。
  75. 【請求項75】 前記内側を向いた組織表面が、前記外側を向いた組織表面に
    、少なくとも、前記中心軸に対して概ね平行な係合線に沿って係合する、請求項
    71に記載の装置。
  76. 【請求項76】 前記組織表面が、少なくともその間の前記係合線に沿って摩
    擦接触していることによって、前記回転駆動手段によって前記シリンダのうちの
    回転駆動している一方が前記シリンダの他方を回転させるよう、前記内側及び外
    側シリンダの二番目を回転可能に支持するための回転支持手段を含む、請求項7
    5に記載の装置。
  77. 【請求項77】 前記組織表面が摩擦的及び摺動的に少なくとも前記係合線に
    沿って係合するよう、前記シリンダの他方を回転可能に駆動する第二回転駆動手
    段を含む、請求項75に記載の装置。
  78. 【請求項78】 少なくとも前記組織表面間の係合線に沿って、前記外側を向
    いた組織表面を前記内側を向いた組織表面に向かって圧縮する手段を含む、請求
    項71に記載の装置。
  79. 【請求項79】 前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面の係合線が、前
    記内側を向いた組織表面の周りの周辺上を変化するよう、前記中心軸に対して直
    交する平面内で前記中心軸間のオフセットを変化させるために、前記内側及び外
    側シリンダを相互に対して並進させる並進手段を含む、請求項71に記載の装置
  80. 【請求項80】 前記内側シリンダが、前記内側シリンダの前記中心軸周りを
    回転するためのシャフトに取り付けられており、 前記回転駆動手段が前記並進手段を含み、前記並進手段が前記シャフトを並進
    させる手段を含み、そして 前記内側を向いた及び外側を向いた組織表面の間の、前記係合線に沿った摩擦
    接触が、前記内側シリンダを前記第一中心軸周りに回転させる、請求項79に記
    載の装置。
  81. 【請求項81】 内側室を有する筐体と、 円弧状の圧力印加表面を有すると共に、前記内側室内を運動可能であるよう適
    合された印加装置と、 第一組織表面を有する生体高分子組織を受け取り、かつ取り付けるための第一
    表面を有する第一支持手段であって、前記第一表面が、内部に形成された凹面外
    観を有する、第一支持手段と、 熟成流体を前記内側室に導入する手段と を含み、 前記印加装置が、組織を熟成させるための熟成流体の存在下で組織に力を印加
    するために、組織に対して運動可能である、 生体高分子組織を熟成させるための装置。
  82. 【請求項82】 前記印加装置を回転させる手段をさらに含む、請求項81に
    記載の装置。
  83. 【請求項83】 前記印加装置を組織に接触した状態に置く手段をさらに含む
    、請求項81に記載の装置。
  84. 【請求項84】 前記第一支持手段が、前記筐体室内に取り付けられたピスト
    ン・カップアセンブリを含む、請求項81に記載の装置。
  85. 【請求項85】 前記ピストン・カップアセンブリが、内部に形成された一つ
    又はそれ以上の潅流溝をさらに含む、請求項84に記載の装置。
  86. 【請求項86】 前記ピストン・カップが前記内側室を流入室及び流出室に分
    割し、前記潅流溝によって流体が前記流入室及び流出室の間を通過して流れるこ
    とができ、前記装置が、前記ピストン・カップの周り及び前記流入室及び流出室
    間を通じた流体の漏出を防ぐための封止手段をさらに含む、請求項85に記載の
    装置。
  87. 【請求項87】 前記印加装置上にフランジが設けられ、前記装置が、前記筐
    体の前記内側室内に取り付けられた制止リングをさらに含み、前記制止リングが
    、前記印加装置の所定の位置を規定するために前記印加装置のフランジに係合す
    るよう適合されたフランジを有する、請求項85に記載の装置。
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