JP2002509195A - 快削用マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents
快削用マルテンサイト系ステンレス鋼Info
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Abstract
Description
ール可削性、硬度機能及び耐食性を固有に組み合わせるようにバランスを取った
組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼合金に関する。
ステンレス鋼と比較して高いレベルの可削性を提供する硬化可能マルテンサイト
系ステンレス鋼合金である。タイプ416合金のASTM、UNS及びAMSの
標準の組成は重要パーセントで次の組成表1の通りである。
テルル、アルミニウム及び銅を連結したりし、これによってその可削性を向上さ
せてきた。これらの元素はタイプ416ステンレス鋼の可削性にとってよい効果
を持つことは周知であるが、過度に多量に存在すると耐食性や処理性などの好ま
しい特性を劣化させることもまた知られている。処理性は、高温加工性と合金の
溶融の容易さに関連している。
する業界容認の組成限度から外れた合金となる。タイプ416合金の現時点にお
ける顧客や潜在的な顧客はこのような変性された等級の製品を購入したがらない
が、その理由は、可削性以外のタイプ416合金の好ましい特性に対する組成的
変性の効果に対して懐疑的であるからである。
に関連している。この特許は、合金中のクロム当量、従って鉄の分量をタイプ4
16合金のドリル可削性が向上することを開示している。しかしながら、鉄がタ
イプ416合金などのマルテンサイト系ステンレス鋼中の過度に存在すると硬度
機能に対して逆効果があって、この鋼に対して一般的に指定される高いレベルの
硬度と強度が達成されなかったりする。
鉄無し微少構造を持つ鋼にも等しく応用可能である」ことを示している。しかし
ながら、このような合金の組成をどのようにしてバランスを取って、フォームツ
ールの可削性をかなり改善すべきかは論じられていない。
これらの等級と少なくとも同じレベルの硬度機能を持つマルテンサイト系ステン
レス鋼合金に対する需要が存在する。
合金によってかなりの程度まで解決される。本発明による合金は、可削性と硬度
機能を固有に組み合わせたマルテンサイト系ステンレス鋼である。この合金の重
量パーセントに表した広い組成と好ましい組成は実質的にほぼ次の組成表2の通
りである。
特徴として、急冷直後の状態と焼きなまし直後の状態では鉄の含有量が非常に少
ない。この目的のために、合金中におけるシリコンとクロムの分量は周知の市販
の等級における場合よりもかなり低い。本発明による合金では、周知の等級のタ
イプ416合金と少なくとも同じ程度に良好な硬度機能を持つフォームツール可
削性がかなり改善される。
れる本発明による合金の個別の元素の上限と下限を制限したり、互いにだけ組み
合わせて用いられる元素同士の範囲を制限する意図はない。したがって、1つ以
上の範囲を残余の元素の他の1つ以上の範囲と共に採用してもよい。加えて、あ
る1つの好ましい実施形態での元素の最小分量又は最大分量を別の好ましい実施
形態におけるその元素の最小分量又は最大分量と共に用いてもよい。
は、特に記載のない限り重量パーセントを意味する。
気冷却されたときに少なくとも約35HRCの硬度機能を与えるような連結分量
の炭素及び窒素を含有する。所望の硬度を得るために、合金は少なくとも約0.
10%の炭素プラス窒素を含有する。しかしながらこの合金中の過剰な炭素及び
窒素の存在は合金の可削性に悪影響を与える。
0.06〜0.10%の炭素、及び0.04%までの微量の窒素がこの合金には
含まれる。合金中の窒素の量は、この範囲内で、選択される炭素の量によって決
まる。
が所望のレベルの耐食性を確実に得るために、特にパッシベーション中の腐食作
用から実質的に免れるために、マンガンは約0.50以下に抑えられる。
行われる付加から保持される量が必ず含まれる。しかしながらシリコンは鉄の形
成を促進するので、その使用は、その保持量が約0.40%以下に、好ましくは
0.35%以下になるように制限される。
ロムがその中に含まれる。クロムはまたこの合金中の鉄の形成も促進する。従っ
てこの合金中に存在する鉄の量を制限するために、クロムは約12.60%以下
に、さらに好ましくは約12.50%以下に制限される。
化物を形成するので、この合金中に含まれる。この点から、少なくとも0.15
%、より好ましくは少なくとも約0.20%、さらに好ましくは少なくとも約0
.30%の硫黄がこの合金中に存在する。しかしながら過剰な硫黄は、合金の可
削性、耐食性及び延性等の機械的特性に悪影響を与える。
くは約0.50%以下に制限される。この合金中には約0.30〜0.40%の
硫黄が含まれることが好ましい。
られる荷電物質を通して付随的な付加から保持される量の他の元素がこの合金中
に存在してもよい。しかしそのようの元素の量は、合金の可削性、耐食性及び硬
度機能が悪影響を受けることのないように制御される。
の元素が過剰に存在すると、単独であれ連結してであれ、過度に高い焼きなまし
硬度をもたらすからである。
限される。銅は約0.50%以下に、好ましくは0.25%以下に制限される。
モリブデンは、クロムと同様に合金中の鉄形成を助長するので、約0.10%以
下に制限される。
益な効果のために、0.1%以下、しかし好ましくは0.05%以下この合金中
に含まれる。この合金中に0.01%以下のカルシウムを含むことによって、カ
ルシウム−アルミニウム珪酸の形成を促進し、それはカーバイド切削ツールによ
る合金の可削性を高める。合金の高温加工性に対する有益な効果のために、約0
.0005〜0.01%の少量であるが効果的なホウ素が合金中に含まれる。
、合金のバランスは本質的に鉄である。そのような不純物の量は、可削性、耐食
性及び硬度機能の基本的特性が悪影響を受けないように制御される。
しくは約0.030%以下に制限される、この合金中の不純物と見なされる。約
0.10%以下の非常に少量のコバルト及び0.08%以下のバナジウムが、特
性の所望の連結に悪影響を与えることなく、この合金中に含まれ得る。さらに、
チタン及びジルコニウムのような元素は、約0.02%、好ましくは約0.01
%以下に制限されて、合金中のチタン−ジルコニウム浸炭窒化物の量を制御する
。
様にアルミニウムは約0.02%以下に、好ましくは0.01%以下に制限され
て、この合金の可削性に対してやはり悪影響を与える合金中の酸化アルミニウム
の量を制御する。
る硬度機能又は耐食性に悪影響を与えることなく、合金中の鉄の量を制限するよ
うに、注意深くバランスを取られる。この合金によって与えられるフォームツー
ルの可削性は、鉄のパーセント量がタイプ416の合金の周知の等級に通常認め
られるレベルよりも著しく低いレベルに制限されている場合に実質的に改善され
るということが発明者によって発見された。
ン等の鉄形成元素の量がタイプ416合金の周知の市販の等級より極めて低くな
るようにバランスを取られる。合金中の鉄の量は鉄形成元素のパーセント量に直
接関係するので、相対的な鉄のレベルは、クロム当量の要因に基づいて確定する
ことができる。
Cu−30(%C+%N) として定義されている。本発明による合金中の%クロム当量は、前記の公式によ
って決定されるように、約9.5%以下、好ましくは約9.0%、さらに好まし
くは8.75%以下である。
びそれに引続くアルゴン酸素脱炭(AOD)は、合金の溶融及び精製に望ましい
方法である。しかしながら真空誘導溶融(VIM)のような他の方法を用いるこ
ともできる。この合金は連続的鋳造プロセス中での使用に適しており、所望の場
合は粉末冶金法によって作ることができる。
、好ましくは華氏2100度〜2250度(摂氏1149〜1232度)の炉温
度から、必要に応じ中間還元後の再加熱を伴って、高温加工される。この合金は
、約華氏1800〜1900度(摂氏982〜1038度)でオーステナイト化
し、好ましくは焼入れ油中で急冷し、それから約華氏300〜1450度(摂氏
149〜788度)の炉温度で、約2〜8時間、好ましくは約4時間、焼きもど
し又は焼きなましすることによって、硬化する。合金は、焼きもどし又は焼きな
まし温度から空気冷却されるのが望ましい。
の硬度、例えば100HRB最大、26〜32HRC、又は32〜38HRC等
の硬度に作られる。この合金によって与えられる改善された可削性は、焼きなま
し状態(100HRB最大)において、及び合金は中間レベルの硬度(26〜3
2HRC)に硬化したときに、最も良いと断定される。
行を用いるビレット、バー、ロッド、ワイヤ、ストリップ、プレート又はシート
に役立つ。好ましい手段は、ビレットをバー、ワイヤ又はストリップに熱間圧延
した後に、引き続き合金をビレットの形態に鋳造する。そしてその形態から有用
な部品に容易に加工することが可能となる。
その例が示されている。比較のために、本発明の範囲外の組成を持ち市販の等級
のタイプ416合金に典型的なヒートA及びBが用意されており、その重量%組
成もまた表1に示される。
ロセスを用いて溶融、精製される。例1の最大急冷硬度38HRCは、華氏18
25度(摂氏996.1度)で30分間加熱されそして空気冷却された鋳造され
たままの材料のサンプルから決定される。ヒートA及びBの最大急冷硬度38H
RC及び37.5HRCはそれぞれ合金の組成に基づく数学モデルから決定され
る。
(25.4cm×20.32cm)のビレットが形成される。例1及びヒートA
のビレットは幾つかの異なる部分に再分割される。各部分は、2つの合金の可削
性が1つ以上のサイズ及び1つ以上の硬度で検査できるように、別々に処理され
る。
温度華氏2250度(摂氏1232.2度)から熱間圧延されて、0.6875
インチ(1.75cm)の円形バーが作られる。バーは、8時間にわたり700
℃で一括焼きなましされてそれから空気冷却される。
切断され、それから0.625インチ(1.6cm)の直径に旋削、研磨される
。そのプロセス、すなわちプロセスA1は、100HRB(条件A)以下の焼き
なまし硬度を得ることを目的とする。
cm)に熱間圧延される。熱間圧延された材料は8時間にわたり780℃で焼き
なましされ、それから空気冷却される。焼きなましされたバーはそれから適当な
長さに切断され、真っ直ぐにされて、直径0.625インチ(1.6cm)に旋
削、研磨される。
気冷却されることを除けば、前記と同様に処理されて0.625インチ(1.6
cm)の円柱形バーに形成される。780℃の焼きなましプロセス、すなわちプ
ロセスA2は、100HRB以下の焼きなまし硬度を得ることを目的とする。
22250度(摂氏1232.2度)の炉温度から熱間圧延されて、直径0.7
212インチ(1.98cm)の円柱バーが得られる。バーは8時間にわたり6
80℃〜700℃で一括焼きなましされそれから空気冷却される。各ヒートから
の焼きなましバーは、直径0.7512インチ(1.91cm)にシェービング
され、30分にわたり1000℃のオーステナイト化温度で加熱され、それから
焼入れ油の中で急冷される。
されて、空気冷却される。焼きもどしされたままのバーは直径0.632インチ
(1.61cm)に冷間引抜きされ、真っ直ぐにされて適当な長さに切断され、
それから直径0.625インチ(1.6cm)に研磨される。T1とされるこの
プロセスは約26〜32HRC(条件T)のロックウェル硬度を得ることを目的
とする。
分は、華氏2250度(摂氏1232.2度)の炉温度から直径1.0625イ
ンチ(2.7cm)の円柱バーに熱間圧延され、それから炉内冷却される。各ヒ
ートからのバーは1時間にわたり1000℃のオーステナイト化温度で加熱され
それから焼入れ油中で急冷される。急冷されたままのバーはそれから4時間にわ
たり550℃で焼きもどしされて空気冷却される。
され、再び真っ直ぐにされ、そして直径1.000インチ(2.54cm)に研
磨される。T2とされるこのプロセスは約26〜32HRCのロックウェル硬度
を得ることを目的とする。
32.2度)の炉温度から直径0.6875インチ(1.75cm)に熱間圧延
され、それから炉内冷却される。各ヒートからのバーは1時間にわたり1000
℃のオーステナイト化温度で加熱され、それから焼入れ油中で急冷される。急冷
されたままのバーはそれから1時間にわたり510℃の温度で焼きもどしされて
、空気中で冷却される。
たり520℃で再焼きもどしされ、それから空気冷却される。焼きもどしされた
ままのバーは直径0.637インチ(1.62cm)に旋削され、真っ直ぐにさ
れ、そして直径0.625インチ(1.6cm)に研磨される。H1とされるこ
のプロセスは、約32〜38HRC(条件H)のロックウェル硬度を得ることを
目的とする。
おいて、測定される。硬度検査の結果を平均断面硬度として表2に示す。
す。この検査は、合金のフォームツール可削性をフォームカッティングツールの
寿命によって測定されたものとして示すことを目的とする。
.625インチ(1.6cm)及び1.000インチ(2.54cm)のバーか
らの試料に対して行われた。0.002ipr(0.0051mm/回転)のラ
フフォームツールの送り、及び濃度5%の水性切削エマルジョンが用いられた。
件Aに加熱処理された試料に用いられた。条件Tに加熱処理された試料について
は、257SFPM(78.3m/分)の加工速度が0.625インチ(1.6
cm)のバーから取られた試料に用いられ、256SFPM(78.0m/分)
の加工速度が1.000インチ(2.54cm)のバーから取られた試料に用い
られた。206SFPM(62.8m/分)の加工速度が、条件Hに加熱処理さ
れた試料に用いられた。
た直径が0.003インチ(0.07mm)に成長する前に加工された部品(加
工部品)の数として記録される。表3A〜3Dに記録されている結果は標準のフ
ォームツールを用いて得られたものである。
ムツールインサートを用いて得られた。
6cm)のバーから用意された。円錐形試料は角度60°の頂点を持ち、600
グリットでポリッシュ仕上げされた。いくつかの円錐形試料からの3重のセット
は、華氏160〜180度(摂氏71〜82度)で30分間、5重量%の水酸化
ナトリウム溶液に浸漬することによりパッシベートされて、それから水ですすぎ
洗いされる。
間、二クロム酸ナトリウムを含む20体積%の硝酸(HNO3)溶液に浸漬され
、それから再び水ですすぎ洗いされた。最後に円錐形試料は、華氏160〜18
0度(摂氏71〜82度)で30分間、5重量%の水酸化ナトリウム溶液に再び
浸漬され、それから水ですすぎ洗いされた。残りの円錐形試料はパッシベートさ
れなかった。
対湿度を有する管理された環境下に置かれ、そして腐食の有無について検査され
た。
料が受けた腐食の程度の定性的な評価(検査結果)とを含む、各ヒートのパッシ
ベートされた円錐試料の腐食検査の結果を示す。表5Bにはパッシベートされな
かった試料の結果を示す。
ヒートA及びBについて、及び中間硬化状態(26〜32HRC)でのヒートA
について、優れたフォームツール可削性を与えるということを示している。
8HRCを与えるので、可削性におけるこの著しい向上は硬度機能を犠牲にする
ことなしに達成される。さらに表5A及び5Bのデータは、例1がヒートAと基
本的に同じ耐食性を持つことを示している。従って本合金によって与えられるフ
ォームツール可削性における向上は、耐食性を犠牲にすることなしに達成される
。
的な用語として用いられたものではない。そのような用語及び表現を用いること
によって、図示され説明された特徴又はその部分のいかなる同等物をも排除する
意図は無い。しかしながら,クレームによって主張される本発明の態様の範囲内
で、様々な変更例が可能であることが理解されよう。
Claims (5)
- 【請求項1】 フォームツール可削性、硬度機能及び耐食性を固有に組み合
わせたマルテンサイト系ステンレス鋼合金において、前記合金が重量パーセント
で実質的にほぼ 重量% 炭素 0.06-0.10 マンガン 最大0.50 シリコン 最大0.40 燐 最大0.060 硫黄 0.15-0.55 クロム 12.00-12.60 ニッケル 最大0.25 モリブデン 最大0.10 銅 最大0.50 窒素 最大0.04 という組成を有し、バランスが実質的に鉄である、マルテンサイト系ステンレス
鋼合金。 - 【請求項2】 約0.35%以下のシリコンを含有する、請求項1に記載の
合金。 - 【請求項3】 約0.20%以下のニッケルを含有する、請求項1に記載の
合金。 - 【請求項4】 約12.50%以下のクロムを含有する、請求項1に記載の
合金。 - 【請求項5】 フォームツール可削性、硬度機能及び耐食性を固有に組み合
わせたマルテンサイト系ステンレス鋼合金において、前記合金が重量パーセント
で実質的にほぼ 重量% 炭素 0.06-0.10 マンガン 最大0.50 シリコン 最大0.35 燐 最大0.060 硫黄 0.15-0.50 クロム 12.00-12.50 ニッケル 最大0.20 モリブデン 最大0.10 銅 最大0.50 窒素 最大0.04 という組成を有し、バランスが実質的に鉄であるマルテンサイト系ステンレス合
金。
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