JP2002509102A - リポマトリックス製剤 - Google Patents

リポマトリックス製剤

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ベイテンジャニー,マイケル・エム
ネヴィル,メアリ・イー
ロブ,リチャード・ジェイ
ポペスク,ミルセア・シー
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バイオミラ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水和したときリポソームを形成する積層された二重層の脂質格子状構造を含むリポマトリックス(Lipomatrix)に関する。本発明はまた、有効性の高いリポソーム製剤を製造するために使用される簡易法を提供する。優れた免疫学的特性を有するワクチン組成物は、安全で効率的な方法を使用して、リポマトリックスから製造することができる生医学用等級のリポソームを使用する。本発明の方法を使用すると、腫瘍抗原に対する強力なワクチンが製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の背景] リポソームは、薬剤を送達するための担体としてますます重要になっている。
このような用途に加えて、免疫アジュバントとしての用途が得に重要である。
【0002】 従来のワクチンは、一般に、精製抗原または弱毒菌を用いた免疫化を伴う。こ
のような従来の方法は、例えば、人を免疫しようとすると同時に、実際に人に感
染する危険が生じる。精製抗原に伴う別の永続的な問題は、精製抗原は必ずしも
長期免疫応答を誘導するわけではなく、全く応答を誘導しないこともあるという
ことである。しかし、ある種の抗原単独による直接免疫化は短期免疫応答を形成
することができるが、リポソームに封入された抗原による免疫化は、いかなる効
果的なワクチンにとっても必須である長期応答を誘導することができることが発
見された。従って、リポソームは、従来の免疫化の障害を克服する際に有望であ
る。
【0003】 1種以上の脂質または脂質および親油性分子を含むリポソームを製造するため
の一般的な方法では、成分が有機溶媒に溶解される。次に、2種の一般的方法の
うち1つが実施される。例えば、バンガム(Bangham)、Chem.Ph
ys.Lipids 64:275−285(1993);スゾカ(Szoka
)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.75:4194−98(197
8);およびキム(Kim)ら、Biochem.Biophys.Acta
728;339−48(1983)を参照のこと。
【0004】 第1の方法では、脂質混合物を有機溶媒に加えたものを回転式留去装置を使用
して乾燥して薄層を形成する。次いで、通常被封入溶質を含有する水相を撹拌し
ながら添加してリポソームを形成する。他の方法では、溶質が封入されている水
相を有機相に添加し、その後真空下または不活性ガスの通気により有機相を除去
して、リポソームを形成する。
【0005】 しかし、周知の方法は、技術的、経済的および環境的に重大な欠点を有する。
具体的には、薄層法は容易にスケールアップすることができない。さらに、有機
相と水相の混合系では、有機相の除去が煩わしく、完全でないことが多い。従っ
て、最終製品は、毒性で、発癌性である可能性が高い残存有機溶媒を含有してい
る。実際、両方法は、一般に、クロロホルム、アセトニトリルおよびアセトンを
例とするこのような毒性の物質を使用している。
【0006】 従って、このような欠点を回避する、リポソームを製造するための改良法が必
要とされている。さらに、このような改善された方法によって製造することがで
きる、免疫学的および製薬的媒体として有効性の高い生医学的な用途に使用する
ための改善されたリポソーム組成物の必要性が存在する。
【0007】 [本発明の概要] 従って、本発明の目的は、リポソームを主成分とするワクチン組成物を提供す
ることである。本発明の目的によると、再水和したときのみリポソームを形成す
るリポマトリックス(Lipomatrix)組成物が提供される。本発明の組
成物は、優れた免疫応答を誘導する新規の腫瘍ワクチンを製造するのに特に好適
である。
【0008】 本発明の他の目的は、(a)スケールアップすることができ、(b)許容され
得ない残存溶媒を含有せず、(c)製造の点で迅速で簡単であることを特徴とす
る、リポマトリックス(Lipomatrix)を製造する方法を提供すること
を含む。これらも目的および他の目的とはさらに別に、多種多様の生医学的な用
途、特にワクチン用途に好適であるリポソームを製造するために使用することが
できるリポマトリックスを、経済的且つ安全に製造するための方法が提供される
【0009】 一つの実施態様において、リン脂質および少なくとも1種の他の脂質を含有す
る水混和性有機相を水相と、約100:1〜約5:1の容量比(v/v)で混合
し、次いで、混合物を乾燥することを特徴とする、リポマトリックスを製造する
方法が提供される。
【0010】 本発明の別の実施態様は、約20モル%〜約60モル%のコレステロールを含
有するリポマトリックスを提供する。
【0011】 さらに別の実施態様では、リポソームを製造する方法であって、本発明のリポ
マトリックスが再水和される方法が提供される。
【0012】 さらに別の実施態様では、本発明の方法によってリポマトリックスから製造し
たリポソームを含むワクチンが提供される。
【0013】 [詳細な説明] 本発明は、水和したときリポソームを形成する、脂質の格子状構造(または重
ねられた二重層の構造)を実質的に含むリポマトリックスを提供する。本発明は
また、リポマトリックスを水和することによって、有効性の高いリポソーム製剤
を製造するための簡易法を提供する。リポマトリックスからリポソームを製造す
る本発明の方法は、リポソームの効率的且つ安全な製造に対する上記の欠点を多
くを克服する。具体的な例では、ムチン系癌ワクチンを製造する際に、リポマト
リックスの有用性が実証されている。
【0014】 本発明のリポマトリックスは、実質的に、溶解したときリポソームを形成する
ことができる乾燥(例えば、凍結乾燥)された脂質組成物である。このような乾
燥状態では、組成物は積層された二重層のマトリックスとして特徴づけられ、実
質的にリポソームを含有しない。組成物は、ほとんどが脂質であり、多くとも痕
跡量程度の溶媒と約5重量パーセント未満の水とを含む乾燥形態中に含まれる。
痕跡量の溶媒は、一般に、約0.1重量%未満であり、典型的には約0.05重
量%未満である。いくつかの例示的な組成物は約93〜94重量%の脂質を含有
し、約3〜4重量%の水を含有するものもある。
【0015】 乾燥前には、リポマトリックスは、実質的にリポソームを含有しない脂質懸濁
液として存在する。この状態では、リポマトリックスはほとんどが溶媒と水であ
り、脂質濃度は、通常、約10重量パーセント未満である。しかし、多くの場合
において、脂質は約5重量パーセント未満であるような、さらに低濃度で存在す
る。いくつかの例示的な組成物では、脂質は約1.5重量パーセント未満の濃度
である。以下の実施態様は約0.9%の脂質濃度を使用している。溶媒濃度は、
通常、約80%を越えており、約95%であってもよい場合もある。いくつかの
例示的な組成物は約85%〜約90%であるが、約90%を越えるものもある。
一方、水は、通常はいくぶん低い濃度で存在し、典型的には約20%未満である
。多くの組成物は約10重量%〜約15重量%の水を有する。
【0016】 (乾燥する前の)懸濁液では、リポマトリックス組成物の一部は溶媒:水が容
量比で約5:1〜約20:1であり、2つの例示的な組成物は比が7:1および
9:1である。特に、ワクチン用途が考慮される場合には、脂質:溶媒の質量比
は約1:20より大きくするべきであり、通常、約1:50未満である。優れた
ワクチンの製造を可能にするためには、この範囲の上限(例えば、約1:35〜
1:50)が好ましい。
【0017】 簡単に説明すると、基本的な方法は、先ず、適当な脂質を水混和性有機溶媒に
溶解して有機相を形成し、これを少量の水相と混合して分子配列を誘導、すなわ
ちリポマトリックスを形成することを含む。得られたリポマトリックスを凍結乾
燥する。乾燥した混合物を適当な媒体中で水和し、それによって水相を封入する
ことができるリポソームを自然に形成することができる。従来技術と異なり、本
発明の方法では水和前のいかなるときでもリポソームは全く形成されていない。
実際、以下の実施例において実証されているように、水和前にはリポソーム構造
は検出されていない。従って、従来技術の方法とは異なり、本発明の方法は、乾
燥され水の添加によってのみ再水和される、事前形成のリポソームを含まない。
実際、以下に記載するように、本発明のリポマトリックス製剤は水和されるまで
、実質的にリポソームを含有しない。
【0018】 特に、本発明の方法は、水和して、コレステロール含量が高く、有効性の高い
リポソーム組成物を製造することができるリポマトリックスを製造するために使
用することができる。添加されたコレステロールは、転移温度を広げ、リン脂質
、コレステロールまたは他の脂溶性成分およびそれらの組み合わせの領域を排除
すると考えられている。ラドブローク(Ladbroke)ら、Biochem
.Biophys.Acta 150:333−40(1968)を参照。これ
らの過去の研究は、リポソームサイズを改良するため、または血漿膜組成を模倣
するために、リポソームにコレステロールを使用してリポソームからの溶質の漏
出を低下した。しかし、当技術は、高コレステロール含量のある種のリポソーム
が優れたアジュバント特性を有するとは認識していなかった。以下の実施例に実
証するように、このようなリポソームが本発明のリポマトリックスから製造され
ると、驚くべきことに、それらはより優れた免疫刺激特性を有する。
【0019】 [リポマトリックスを製造する方法] リポマトリックスを製造する本発明の方法は、先ず、少なくとも1種の脂質を
水混和性の有機溶媒に溶解することによって有機相を作製することを含む。好適
な脂質には、リン脂質、特に、レシチン、ホスファチジルグリセロール、ホスフ
ァチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン並びに当技術上周知の他の天
然および合成化合物が含まれる。例えば、国際公開公報第91/04019号(
1991年)の8ページおよび9ページを参照。好ましいリン脂質には、具体的
には、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホス
ファチジルコリン(DPPC)およびジミリストイルホスファチジルグリセロー
ル(DMPG)が含まれる。他の好適な脂質にはステロール、特にコレステロー
ルが含まれる。また、糖脂質およびモノホスホリルリピドA(MPL)またはリ
ピドAなどの脂質アジュバントも好適である。
【0020】 好ましいリポマトリックス懸濁液では、リン脂質の最終濃度は、15mg/m
L〜約36mg/mLであり、これは選択した溶媒に対する特定の脂質の溶解性
による。リポマトリックスを形成する際に軽度な加熱、例えば50℃〜約60℃
に加熱してもよい。選択的に行う加熱の程度は、それぞれの有機相成分の溶解度
および安定度に大部分依存する。
【0021】 本発明のリポマトリックスは、高含量のコレステロールを用いて製造する場合
に特に有用である。例えば、本発明の方法は、リン脂質マトリックス中に約20
モル%以上のコレステロールを含んでもよい。いくつかの好ましいリポマトリッ
クス製剤は約30モル%〜60モル%のコレステロールを含有する。有機溶媒は
水混和性であるべきで、通常脂肪族アルコールである。好ましい脂肪族アルコー
ルには、エタノールおよびtert−ブタノールが含まれるが、これらに限定さ
れない。他の有機溶媒、特に他のアルコールを使用してもよい。しかし、それら
は、例えば、凍結乾燥によって乾燥できるべきであり、またそられは毒性であっ
てはならない。従って、薄層法に一般に使用されるものなどの溶媒は一般に許容
されない。
【0022】 第2に、水相を提供する。水相は1種以上の緩衝液、塩および充填剤を含有し
てもよい。好ましい充填剤には糖が含まれ、好ましい糖にはマンニトールが含ま
れる。適当な緩衝液、糖および充填剤は、好ましくは、生理学的に適合性であり
、そのようなものは当業者に周知である。当然のことであるが、選択したこれら
の緩衝液、塩および充填剤の濃度は、主に、生理学的な適合性に依存することが
、当業者に理解されている。
【0023】 第3に、有機相および水相を混合し、選択的に滅菌ろ過するか、または選択的
に別個に滅菌ろ過し、次いで混合する。混合時、水相に対する有機相の比は、好
ましくは、容量比で約7:1〜約9:1である。しかし、この比は有機相:水相
が約100:1と高くても、また約5:1と低くてもよい。約20:1〜約6:
1などの範囲も許容されうる。また、脂質:溶媒の質量比は約1:20〜約1:
50であるべきで、この範囲の上限に近い方が好ましい(例えば、約1:35〜
約1:50)。混合は周囲温度で実施されてもよいが、使用した脂質の融点のう
ち最も高い融点程度の高い温度で実施してもよい。この段階では、分子配列が起
こり、開いた二重層(open bilayers)(すなわち、リポマトリッ
クス)が形成されるが、リポソームは検出されない。
【0024】 リポマトリックスは凍結乾燥または他の好適な手段によって乾燥することがで
きる。リポマトリックスは全体として乾燥することができる。乾燥前に、好適な
サイズの分量に分割されてもよい。典型的には、リポマトリックス溶液は連続的
に混合しながらバイアルに小分けされ、次に凍結乾燥される。得られたリポマト
リックス製剤は安定で、貯蔵に好適である。
【0025】 乾燥されたリポマトリックスフィルムまたは塊が、選択的にに封入用溶質を含
有する水、生理食塩液または適当な緩衝液などの好適な水溶液で水和されるとリ
ポソームが形成される。水和溶液の温度は、周囲温度から融点が最も高い脂質の
転移温度までであってもよい。水和されたときだけ、水溶性溶質を封入すること
ができるリポソームが形成される。これは、乾燥前にリポソームを事前成形する
従来技術よりもかなり簡単である。さらに、従来技術の方法はこのような事前成
形を使用したので、リポソームの完全性を維持するために安定剤が必要であった
。本発明の方法では水和前にリポソームが形成さることはないので、このような
安定剤は必要ない。
【0026】 [リポマトリックスの用途] 本発明により製造されたリポマトリックスは、水和してリポソームを形成した
あとの種々の用途、特に生医学的な用途に使用することができる。例えば、それ
らは薬理学的に活性な多種多様の薬剤を送達するために使用することができる。
従って、脂溶性の薬剤、例えば疎水性ペプチドを有機相に含ませることができる
。また、親水性の薬理学的に活性な薬剤を、水和の結果得られるリポソーム内に
封入することができる。荷電分子はリポソームのリン脂質と静電気的に結合する
と思われる。好適な親油性および親水性薬剤の例は、引用することにより本明細
書の一部をなすものとする、ポペスク(Popescu)ら、米国特許第5,1
45,930号(1992年)に見いだすことができる。他の薬理学的に活性な
薬剤には、例えば、アジュバント、サイトカイン、抗体および任意の他の周知の
薬剤が含まれる。特に有用な薬剤には、インターロイキン2(IL−2)、顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)およびインターフェロンγ
(IFN−γ)などのサイトカインが含まれ、単独または他の薬剤と併用して使
用してもよい。これらの薬剤の任意のものの組み合わせも含まれる。
【0027】 本発明の方法はワクチンを製造する際に特に有用である。ほとんどいかなる種
類の抗原を使用することもできるが、特に腫瘍抗原を使用することができる。腫
瘍抗原は、例えば、肺癌、結腸癌、黒色腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌糖から
誘導することができる。好ましい腫瘍抗原はMUC−1および関連する抗原ペプ
チドである。MUC−1ムチンは、アミノ酸20個の配列のタンデムリピートお
よび高分岐炭水化物測鎖からなるタンパク質コアを有する高分子量糖タンパク質
である。乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌および膵臓癌などの多数のヒトの腺癌はグ
リコシル化不足のMUC−1タンパク質を多量に過剰発現して分泌する。重要な
ことは、高レベルのMUC−1ムチン発現は高い転移の可能性および予後不良に
関連があることである。従って、MUC−1はこれらの癌の臨床的に重要なマー
カーである。特に有用な抗原性MUC−1ペプチド誘導体はアミノ酸20個の繰
り返し配列に基づいている。
【0028】 腫瘍抗原以外に、臨床的に関連のある他の抗原にはアレルゲン、ウィルス抗原
、細菌抗原および寄生虫から誘導される抗原が含まれる。抗原は、通常、ペプチ
ド、脂質、炭水化物およびそれらを単に混合したものでも、または糖ペプチド、
糖脂質のようにそれらを共有結合したものでもよい、それらの組み合わせなどの
高分子である。
【0029】 一般的なワクチン組成物は、腫瘍抗原などの抗原を含有する本発明のリポマト
リックス製剤から水和されたリポソームを含む。また、ワクチン組成物は1種以
上の免疫調節剤を含有してもよい。免疫調節剤は、免疫応答を変更し、好ましく
は抗原免疫応答を刺激する任意の物質である。一般的な免疫調節剤には、モノホ
スホリルリピドAおよびリピドAなどのアジュバントが含まれる。他の免疫調節
剤にはリンフォカインおよびサイトカイン、具体的にはインターロイキン、特に
IL−2が含まれる。
【0030】 ワクチンは、一般に製薬的に許容されうる賦形剤を使用して製剤化される。こ
のような賦形剤は当技術上周知であるが、一般的には生理学的に耐性のある水溶
液である。生理学的に耐性のある溶液は、実質的に毒性のないものである。好ま
しい賦形剤は抗原性に関して不活性または増強性である。
【0031】 以下の実施例において、腫瘍抗原である合成MUC−1ペプチドを含有するリ
ポソームを含む抗腫瘍ワクチンを、モノホスホリルリピドA(MPL)またはリ
ピドAを免疫調節アジュバントとして使用して製造した。コガンティ(Koga
nty)ら、DDT 1:190−98(1996);アルビング(Alvin
g)ら、リポソームと免疫(Liposomes and Immunolog
y)、67−78ページ(1980)を参照。MUC−1ペプチドは、親MUC
−1糖タンパク質と同様の抗原特性を有する合成ペプチド物質である。このペプ
チド抗原を用いて製剤化したワクチンは現在臨床検討中である。コガンティ(K
oganty)ら、DDT 1:190−98参照。抗原特異的T細胞応答の誘
導について種々の製剤をマウスで試験した。
【0032】 [実施例] [実施例 1] [リポマトリックスの製造] DPPC(200mg/mL)、コレステロール(50mg/mL)、MUC
−1リポペプチド(BP1−148、5mg/mL)およびリピドAまたはMP
L(5mg/mL)の適当なストック試薬のエタノール溶液を湯浴中で55℃ま
での温度において15〜20分間加温した。BP1−148リポペプチドは以下
の構造を有する。NH2−[STAPPAHGVTSAPDTRPAPGSTAP
P(K脂質に結合)G]−COOH。加温したストックソリューションのうち、 49.1μLのDPPC、103.5μLのコレステロール、60μLのBP1
−148、30μLのリピドAおよび657.4μLの無水アルコールを透明な
栓つきの5mLのガラスバイアルに添加した。混合物を手短に撹拌し(3秒を7
回)、55℃の湯浴に戻した。100マイクロリッターの脱イオン水(55℃)
をバイアルに添加し、上記のように混合物を撹拌した。混合物を55℃の湯浴に
戻して、15〜20分おき、その間(上記のように)2回撹拌した。その後、バ
イアルを室温に冷却し、デューラ−ストップ(Dura−Stop)MPシェル
フ凍結乾燥器(FTSシステムズ製(FTS Systems)、ニューヨーク
州、ストーンリッジ)中に置いた。
【0033】 水を溶媒:水を容量比で9:1で添加すると、上記の結果、脂質:溶媒が質量
比で1:47である典型的なリポマトリックスを形成した。凍結乾燥後、各バイ
アルは15mgの原料脂質(50モル%のコレステロールのとき)、300μg のBP1−148および150μgのリピドAを含有した。マイクロプロセッサ 制御下で実施した典型的な凍結乾燥サイクルを以下に記載する。 温度(℃) 真空 時間(分) −60 2000 240 −40 100 1440 −5 10 720 5 10 360
【0034】 [実施例2] この実施例は、乾燥された脂質製剤が水和されるまで、本発明のリポマトリッ
クスはリポソームを形成しないことを実証している。9:1または7:1のエタ
ノール:水の容量比で混合した水相を、14.8mgのDPPC、7.8mgの
コレステロール、0.2mgのMPLおよび0.11mgのMUC−1ペプチド
を含有する0.297mLのエタノールに55℃において添加した。周囲温度ま
で冷却すると沈殿が生成した。9:1または7:1のエタノールと水の混合物で
2倍希釈すると沈殿物は再度溶解した。これは、沈殿は溶解度の低下によって形
成し、かならずしもリポソームではないことを意味している。
【0035】 上記混合物の別の0.297mLを、カルボキシフルオレセイン(CF)を含有
する水相に溶媒:水の容量比が9:1または7:1となるように混合した。総蛍
光を測定し、図2に示す。これは、リポソームが溶質を100%封入して存在す
る場合に予測される値を示す。この試料を生理食塩水でさらに2倍に希釈し、次
に遠心分離して5回洗浄すると、容量比で9:1および7:1の総CFはそれぞ
れ1%および2%であった。これは、リポソームが9:1または7:1で最初に
混合されたとき形成される場合に予測されるものより低いが、リポソームが過剰
の生理食塩水で希釈されたときに形成される場合に予測されるものである。
【0036】 上記のように、エタノールを生理食塩水と容量比で9:1または7:1となる
ように混合して製造したリポソームについて凍結割断電子顕微鏡撮影を実施した
。凍結乾燥しなかった試料では、シート状の二重層が観察されたが、容量比で9
:1のリピドA製剤ではリポソーム構造は観察されなかった。図3のパネル(a
)参照。しかし、凍結乾燥製剤を溶解すると、リポソームが観察された。図3の
パネル(b)参照。エタノール相を水相と7:1の容量比で混合したときも同様
の結果が観察された。
【0037】 [実施例3] この実施例は、免疫応答を形成する際の、本発明の方法によってリポマトリッ
クスから製造された種々のリポソーム製剤の有効性を示す。概略するように、脂
質およびリポペプチドを含有する9部のエタノール溶液を、1部の水に添加する
ことによってリポマトリックスを製造した。得られたリポソームは、0.1mL
用量あたり、10μgのMUC−1ペプチド(例えば、コガンティ(Kogan ty)ら、DDT 1:190−98(1996))、20μgのMPL、およ びMB−IX−1には2mgのDMPC、MB−IX−2には2mgのDPPC
、MB−IX−3には1.86mgのDMPCと0.14mgのDMPG、MB
−IX−4には1.86mgのDPPCと0.14mgのDMPG、MB−IX
−5には1.63mgのDPPCと0.37mgのコレステロール、MB−IX
−6には1.6mgのDPPCと0.125mgのDMPGと0.375mgの
コレステロールを含有した。
【0038】 マウスは、鼡径部に皮下注射することによって免疫し、9日後に犠牲にした。
リンパ節および脾臓を切除した。ナイロンウールカラムを通過させてリンパ節T
細胞を精製した。リンパ節アッセイでは、未処理のマウスの脾臓細胞をマイトマ
イシンCで処理することによって抗原提示細胞(APCs)を調製した。細胞増
殖アッセイでは、リンパ節細胞(APCsを有する)および脾臓細胞を適当なペ
プチド抗原と共に4日間インキュベーションし、次にアラマーブルーと共に24
時間インキュベーションし、その後610〜570nmにおけるOD比を測定し
た。アラマーブルーを添加する前に、細胞増殖アッセイ液の上清を採取し、免疫
蛍光アッセイ(IFA)でγインターフェロンを測定した。アフメン(Ahme
n)ら、J.Immunol.Methods 170:211−224参照。
【0039】 結果を図4に示す。試料MB−IX−1およびMB−IX−2などの単一脂質
製剤は有効でなかった。一方、DPPCとコレステロールを含むリポソーム製剤
は高いIFN−γ応答を誘導し、強力な免疫応答を示している。対照実験は、こ
れらの結果はコレステロール自体のせいでも、リポソームのサイズのせいでもな
いことを確認している。
【0040】 [実施例4] この実施例は、本発明によって製造したDPPCとコレステロールを含むリポ
ソームによって誘導される免疫応答に対するコレステロールの重要性を実証して
いる。以下のコレステロール濃度が10、20、30、40および50モル%の
ものを用いて実施例3のようにリポソームを製造した。
【0041】 図5からわかるように、DPPCとコレステロールを含む製剤は、リンパ球I
FN−γ産生に関しては強力な免疫を誘導する。応答は製剤中のコレステロール
のモル%に依存し、10または20モル%のコレステロールを含有する製剤では
生物応答は観察されなかった。
【0042】 [実施例5] この実施例は、エタノール:水が容量比で9:1であるものを用いて製造され
たリポマトリックスプロセスを使用して製造した水和後の製剤の均一性を示す。
示差走査熱量測定法(DSC)およびラマン振動分光法を使用して製剤を分析し
た。最終製品は13.1mg/mLのDPPC、6.9mg/mLのコレステロ
ール(すなわち、50モル%)、200μg/mLのリピドAおよび400μg/
mLのBP1−148を含有した。
【0043】 DSC走査は、ハート社製(Hart)(現CSC)サイエンティフィック(
Scientific)モデル7707シリーズ示差走査熱量計(プロボ、ユタ
州)で60℃/hrで実施した。各経過時間において、55℃で水和した1試料
から採取直後の少量を使用した。各走査には、ベースライン測定用の通常の生理
食塩水を含有する細胞を含めた。ベースライン値を差し引き、熱効果計器応答に
ついて補正した後、ハートサイエンティフィック(HartScientifi
c)より提供されたソフトウェアーを使用して、熱量分析データを分析して過剰
の熱含量(μワット)を温度の関数として得た。ベースラインおよびオフセット
補正、スムージング並びにプロッティングのために熱量分析データをGrams
/32、v.5.0(ギャラクティック インダストリーズ コーポレーション
社製(Galactic Industries Corporation)、
サレム、ニューハンプシャー州)に入力した。データは、サビツスキーゴレイ(
Savitsky−Golay)スムージングルーティンを使用してスムージン
グされないか、またはごくわずかにスムージングされただけだった。この方法は
回旋近接法(convolution approach)を使用し、指定され たウィンドウに対する最小自乗法フィットを実施する。データは3次元多項式お
よび5〜11データポイントウィンドウを使用してスムージングした。
【0044】 ラマン振動分光は室温においてラマン顕微分光計を使用してデータ採取した。
凍結乾燥した粉末については、アルゴンレーザーを1〜2μmスポットに焦点を
絞った(励起波長514nm、対物レンズ50倍)。水和した製剤については、
ヘマトクリット遠心分離器で室温において15分間遠心分離することによって試
料をガラス製の毛細管に充填した。50倍の対物レンズを使用してラマンスペク
トルを再度収集したが、二重層構造の局所的な加熱を防止するためにレーザーは
80%焦点をぼかした。両方の場合において、レーザーヘッドの電源は300m
Wに設定し、顕微鏡では25%まで低下した。ラマンシグナルは、CCD検出器
では分光器によって分散された(1800gr/回折格子1mmあたり)。一般
には、収集あたり30〜60秒の時定数を使用して、10スペクトルを同時加算
した。スペクトルの分解能は1cm-1であった。
【0045】 図6に示すように、実施例1に概略を示すリポマトリックスプロセスによって
製造されたリポソーム製剤のDSCプロフィールは、時間経過によって変化しな
い非常に平坦な吸熱グラフを示した。比較のために、DPPCを単独で含むリポ
ソームのDSC加熱プロフィールは、38℃(前駆転移)および41℃(主転移
)に2カ所の顕著な転移を示す。50モル%のコレステロールのリポマトリック
ス製剤にこのような転移が見られないのは、成分がDPPC豊富領域を含有しな
いことを示し、成分が十分に混合されたリポソーム製剤を示す。分子レベルでリ
ポマトリックス製剤の均一性をさらに特徴づけるために、ラマン振動分光法を使
用した。図7Aは、凍結乾燥したフィルムの2カ所の異なる部位において(実線
および点線)、DPPCに対するコレステロールの相対濃度に有意な差がなかっ
たことを示す。さらに、水和した製品においてもDPPCに対するコレステロー
ルの同じ相対比を観察した(図7B)。
【0046】 [実施例6] この実施例は、本発明の方法がより大規模でも利用性を維持することを実証し
ている。実施例1に概略したように、1バイアルあたり15mgの原料脂質(5
0モル%のコレステロール)、300μgのBP1−148、150μgのリピド
Aを用いたリポソームMUC−1ワクチンのリポマトリックスプロセスによって
120mLのバッチを製造し、製造後1時間経過してから(MB−XLIV−B
)、また製造後8時間してから(MB−XLIV−A)室温でろ過した。以下の
表に示すように、HPLCでは検出できるような損失は観察されなかった。
【0047】
【表1】
【0048】 [実施例7] この実施例は、腫瘍抗原特異的癌ワクチンを製造する際の本発明のリポマトリ
ックス製剤の用途を例示する。実施例1のように、1バイアルあたり15mgの
原料脂質(50モル%のコレステロール)、300μgのBP1−148、15 0μgのリピドAを含有するリポソームMUC−1ワクチンを製造した。以下の パラメーター、a.アルコール、エタノールまたはtert−ブタノール、b.
水に対する溶媒比、c.溶媒に対する脂質の質量比を変更した。
【0049】 簡単に説明すると、実施例4のように、試料を55℃において水和し、室温ま
で冷却し、マウスに注射した。以下の表は、ほとんど全ての変更下において、特
に、より大きい質量比の溶媒:脂質において強力なIFN−γ応答が観察された
ことを示す。より大きい質量比の溶媒:脂質にしたことによる利益は少なくとも
2倍である。先ず、溶媒の量を増加することによって、充填容量が増加されると
思われる(製造をより容易にする)。第2に、より大きい質量比の溶媒:脂質に
したことにより、室温ろ過および充填が可能になり、スケールアップという大き
な利点が得られる(下記参照)。表はまた、8時間後のろ過(実施例6のように
)は活性に有害な影響を与えないことを示す。
【0050】
【表2】
【0051】 [実施例8] この実施例は、凍結乾燥したリポマトリックスの安定性を示す。実施例1の方
法により1バイアルあたり15mgの原料脂質(50モル%のコレステロール)
、300μgのMP1−148、150μgのリピドAを有するリポソームMUC
−1ワクチンを製造し、0、3、6ヶ月経過時にHPLC分析によって安定性を
求めた。AおよびBの命名は実施例6に規定するとおりである。以下に示すよう
に、最初の経過時点からの有意な変化は観察されなかった。
【0052】
【表3】
【0053】 [実施例9] この実施例は、本発明の水和されたリポマトリックス製剤が室温で安定である
ことを示す。リポマトリックスプロセスを使用して、エタノール溶媒:水を容量
比で9:1としたものを使用して1バイアルあたり15mgの原料脂質(50モ
ル%のコレステロール)、150μgのBP1−148、150μgのリピドAを
有する、いくつかのバイアルのリポソームMUC−1ワクチンを製造した。
【0054】 水和した製剤を0、2、4、24時間室温保存してから、マウスにこれらの製
剤を皮下注射した。各経過時点において4匹のマウスからなる2セットに注射し
た。図8に示す平均値は、全ての経過時点において水和後の安定な製品を実証し
ている。
【0055】 上記の詳細な記載および例は例示的な目的のためだけに示されており、限定す
る意図のもではない。従って、当業者は、具体的に例示されていない追加の実施
態様が本発明の範囲内にあることを容易に認識するべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明によりリポマトリックスを製造するための一般的な方法を例示す
る略図である。
【図2】 図2は封入率100%について予測されるものと比較した、リポマトリックス
に封入されたカルボキシフルオレセインの蛍光発光スペクトルを示す。
【図3Aおよび3B】 図3Aおよび3Bは電子顕微鏡写真である。図3Aは凍結乾燥前に典型的なリ
ポマトリックス中にリポソーム構造が見られないことを示し、図3Bはリポマト
リックスの水和後にリポソームが形成されていることを示す。
【図4Aおよび4B】 図4Aおよび4Bは抗原投与に応答したマウスリンパ節(図4A)および脾臓
細胞(図4B)のインターフェロンγ(IFN−γ)産生を示す。マウスは、実
施例3に記載するリポマトリックス製剤を水和することによって製造したリポソ
ームMUC−1で免疫した。
【図5】 図5は抗原投与に応答したマウスリンパ節細胞および脾臓細胞のインターフェ
ロンγ(IFN−γ)産生を示す。マウスは、実施例4に記載する種々の量のコ
レステロールを含有したリポマトリックス製剤を水和することによって製造した
リポソームMUC−1ワクチンで免疫した。
【図6】 図6は50モル%のコレステロールで製剤化したリポマトリックスを水和する
ことによって製造したリポソームMUC−1製剤の示差走査熱量測定法(DSC
)の加熱走査図と同じ原料脂質濃度(20mg/mL)のDPPCリポソームの
それとを比較している。
【図7】 図7は実施例1に記載するように製造したリポマトリックス製剤のラマン振動
分光プロフィールを示す。パネルAでは、実線および点線は凍結乾燥フィブロネ
クチンの2カ所の異なる部位を示す。パネルBは水和した製剤のラマンプロフィ
ールを示す。
【図8】 図8はリポマトリックスから製造したリポソームMUC−1ワクチンで免疫化
した後に、抗原投与に応答してリンパ節細胞および脾臓細胞が産生したインター
フェロンγ(IFN−γ)を示す。経過時間は、マウスに皮下注射する前に水和
したリポマトリックス製剤を室温に放置した時間を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,HU,ID ,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ネヴィル,メアリ・イー アメリカ合衆国ニュージャージー州08831, ジェイムズバーグ,ストアリー・ヒル・ロ ード 19 (72)発明者 ロブ,リチャード・ジェイ アメリカ合衆国ニュージャージー州08850, プリンストン・ジャンクション,ハンティ ントン・ドライヴ 24 (72)発明者 ポペスク,ミルセア・シー アメリカ合衆国ニュージャージー州08536, プレインズボロ,パークウェイ・アヴェニ ュー 5 Fターム(参考) 4C076 AA19 CC07 DD37 DD63 DD70 FF36 FF67 4C085 AA03 BB50 EE06 FF21

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にリポソームを含有しない積層された二重層のマトリ
    ックスであり、総脂質含量が少なくとも約90重量パーセントであり、総水分含
    量が約10重量パーセント未満であり、ごく少量の溶媒を有する、少なくとも1
    種のリン脂質を含むリポマトリックス(Lipomatrix)。
  2. 【請求項2】 総脂質含量が少なくとも約93重量パーセントであることを
    特徴とする、請求項1に記載のリポマトリックス。
  3. 【請求項3】 総水分含量が約4重量パーセント未満であることを特徴とす
    る、請求項2に記載のリポマトリックス。
  4. 【請求項4】 前記リン脂質がジミリストイルホスファチジルコリン、ジパ
    ルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール
    からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のリポマトリック
    ス。
  5. 【請求項5】 約20モル%〜60モル%のコレステロールをさらに含むこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のリポマトリックス。
  6. 【請求項6】 親油性の薬理学的に活性な薬剤をさらに含むことを特徴とす
    る、請求項1に記載のリポマトリックス。
  7. 【請求項7】 親水性の薬理学的に活性な薬剤をさらに含むことを特徴とす
    る、請求項1に記載のリポマトリックス。
  8. 【請求項8】 抗原をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のリポ
    マトリックス。
  9. 【請求項9】 前記抗原が腫瘍抗原であることを特徴とする、請求項8に記
    載のリポマトリックス。
  10. 【請求項10】 前記腫瘍抗原がペプチド、脂質、炭水化物およびそれらの
    組み合わせからなる群から選択される高分子であることを特徴とする、請求項9
    に記載のリポマトリックス。
  11. 【請求項11】 前記ペプチドがMUC−1ペプチドであることを特徴とす
    る、請求項10に記載のリポマトリックス。
  12. 【請求項12】 少なくとも1種の免疫調節剤を含むことを特徴とする、請
    求項1に記載のリポマトリックス。
  13. 【請求項13】 前記免疫調節剤がリンフォカイン、サイトカインおよびア
    ジュバントからなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載のリ
    ポマトリックス。
  14. 【請求項14】 前記アジュバントが、モノホスホリルリピドAまたはリピ
    ドAであることを特徴とする、請求項13に記載のリポマトリックス。
  15. 【請求項15】 少なくとも1種のリン脂質と少なくとも1種の他の脂質を
    含有する水混和性有機相と水相とを、約100:1〜約5:1の容量比(v/v
    )、且つ1:20〜1:50の脂質:溶媒の質量比で混合することによって、実
    質的にリポソームを含有しない混合物を形成するステップと、該混合物を乾燥す
    るステップとを含む、水和したときリポソームを形成することができるリポマト
    リックスを製造する方法。
  16. 【請求項16】 前記混合比が、有機相:水相が約9:1〜約7:1の容量
    比(v/v)であることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記有機相がアルコールであることを特徴とする、請求項
    15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記アルコールがエタノールまたはtert−ブタノール
    であることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記乾燥するステップが凍結乾燥によって達成されること
    を特徴とする、請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 リポマトリックスが実質的にリポソームを含有しない積層
    された二重層のマトリックスであり、少なくとも1種のリン脂質を含み、総脂質
    含量が少なくとも約90重量パーセントであり、総水分含量が約10重量パーセ
    ントより少なく、ごく少量の溶媒を有することを特徴とする、リポマトリックス
    を水溶液で水和することによってリポソームを形成するステップを含むリポソー
    ムを製造する方法。
  21. 【請求項21】 前記水和が抗原および許容されうる賦形剤の存在下で実施
    され、それによってリポソームワクチンが製造されることを特徴とする、請求項
    20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項21の方法により製造されるリポソームワクチン。
  23. 【請求項23】 前記抗原が腫瘍抗原である、請求項21に記載のワクチン
  24. 【請求項24】 前記腫瘍抗原がペプチド、脂質、炭水化物およびそれらの
    組み合わせからなる群から選択される高分子であることを特徴とする、請求項2
    3に記載のワクチン。
  25. 【請求項25】 少なくとも1種のリン脂質、免疫調節剤および少なくとも
    20モル%のコレステロールをさらに含むことを特徴とする、請求項23に記載
    のワクチン。
  26. 【請求項26】 前記免疫調節剤がモノホスホリルリピドAまたはリピドA
    であることを特徴とする、請求項25に記載のワクチン。
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