【発明の詳細な説明】
ダブルロックコネクタ
本発明はハウジングに移動可能にして取り付けられたダブルロック部材を有し
、そのダブルロック部材が、ハウジングのコンタクトキャビティ内にコンタクト
を挿入可能な仮係止位置から、コンタクトをロックする本係止位置まで摺動可能
とされるダブルロックコネクタに関する。
この種のダブルロックコネクタの公知例が特開昭64−54678号公報に開
示される。このダブルロックコネクタのダブルロック部材によれば、連結板の長
さ方向の所定位置に板状の挿入ピンが形成され、挿入ピンに沿ってコンタクトを
ロックするための係止突起が形成される。コンタクトは、ダブルロック部材が仮
係止位置に取り付けられた状態にあるときキャビティ内に挿入され、挿入された
後でダブルロック部材が本係止位置まで摺動されることにより係止される。ダブ
ルロック部材がコンタクトを係止するのでコンタクトはコンタクトキャビティ内
に確実に抜け止めされる。
しかしながら、開示されるダブルロックコネクタのダブルロック部材はコンタ
クトを収容するキャビティが縦横に行列状に配列される場合には好適であるが、
他の配列の場合、例えばキャビティが千鳥配列された場合には適用できない。
従って本発明はキャビティが千鳥配列された場合にも適用可能なダブルロック
部材を含むダブルロックコネクタを提供することを目的とする。ダブルロックコ
ネクタは仮係止位置から本係止位置までの摺動操作をスムーズに且つ確実に行う
ことができることが望ましく、更に比較的単純な構成で安価であることが望まし
い。
本発明は、ダブルロック部材が、ハウジング内のコンタクトキャビティに直交
する方向にハウジングのコンタクトキャビティ内に挿入され得る仮係止位置から
コンタクトがロック係合される本係止位置へと摺動可能となるようハウジングに
対して装着されるダブルロックコネクタに関する。ダブルロック部材は、ハウジ
ングの側壁の外面に沿って摺動する細長アームを有する。細長アームはダブルロ
ック部材の移動方向に沿って延び、略L字形状の断面を有するロック部が本係止
位置でコンタクトをロック係合又は係止することができる所定の間隔で突設され
る。ハウジングの側壁の外面には略L字形状の断面を有する溝が形成され、その
形状はロック部の収容を可能とし、ダブルロック部材が本係止位置へと移動され
る際に、ロック部と溝とが係合することによってハウジングの側壁の外面上にア
ームを維持することを可能にする。
本発明は、電気コンタクトを受容するためのコンタクトキャビティを有するハ
ウジングを具え、該ハウジング上に前記電気コンタクトをロック係合するための
ダブルロック部材が装着されるダブルロックコネクタにおいて、前記ダブルロッ
ク部材は、前記ハウジングの外面に沿って仮係止位置から本係止位置まで摺動可
能とされる細長アームを具え、前記ダブルロック部材の内面には長さ方向に所定
の間隔にしてロック部が設けられ、該ロック部は前記ダブルロック部材が仮係止
位置にあるときに前記コンタクトキャビティ内に前記電気コンタクトを挿入可能
にする第1部分と、前記ダブルロック部材が本係止位置にあるときに前記電気コ
ンタクトをロック係合する第2部分とを有し、前記ハウジング及び前記ロック部
材上の保持用構造は、前記ダブルロック部材が本係止位置に移動されるときに前
記ダブルロック部材を前記ハウジング上に保持することを特徴とする。
好ましくは、前記ダブルロック部材は前記アームの1対が一側で連結され、夫
々が前記ハウジングの対向外側面上を摺動するよう構成される。このとき前記ア
ームを連結する連結部分にダブルロック部材が本係止位置に達したことをチェッ
クするチェック手段が設けられるのが好ましい。
好ましくは、前記アームの各一に対して1つの係止手段が設けられ、該係止手
段がハウジングの仮係止手段及び本係止手段と係合可能に構成される。このとき
、前記係止手段は弾性ラッチ片であり、前記仮係止手段及び前記本係止手段は係
合用凹部又は切欠であっても良い。
好ましくは、前記ダブルロック部材の前記アームは前記外側面に沿って設けら
れる案内手段によってその摺動を案内される。このとき前記案内手段としては前
記外側面に対して直立する1対の案内壁を含んでも良い。
好ましくは前記ダブルロック部材及び前記ハウジングには前記ダブルロック部
材が仮係止位置にあるとき前記コンタクトが前記キャビティ内に挿入されたこと
を確認できる確認窓が設けられる。前記ダブルロック部材が本係止位置まで摺動
されたときは前記ハウジングの確認窓が前記ダブルロック部材により閉鎖される
のが良い。
以下に添付図面を参照して本発明が例示される。
図1は、本発明によるダブルロックコネクタの分解斜視図である。
図2は、図1に示されるダブルロックコネクタに使用されるダブルロック部材
の斜視図である。
図3は、図1に示されるダブルロックコネクタを組立完成状態でダブルロック
部材を仮係止位置に置いて示す斜視図である。
図4は、図3類似の図であり、ダブルロック部材を本係止位置に置いて示す図
である。
図5は、図1に示されるダブルロックコネクタの断面図であり、ダブルロック
部材を本係止位置に置いて、コネクタを相手コネクタに接続させた状態にして示
す図である。
図1に示されるダブルロックコネクタ10は、図示しない複数の電気コンタク
トを収容する内部ハウジング20、内部ハウジング20が取り付けられる外部ハ
ウジング80、及び外部ハウジング80の後面に取り付けられるワイヤカバー8
5を有する。内部ハウジング20にはダブルロック部材50及び防水部材90が
取り付けられる。また外部ハウジング80には、相手コネクタとの低挿入力嵌合
を実現するスライドカムレバー95が摺動可能にして取り付けられる。
図2に示すように、ダブルロック部材50は1対の細長板状のアーム51a、
51bが長さ方向の一側で連結部分52により連結され、略U字形状とされる。
アーム51aの長さ方向の所定位置には内方へ向けて突出する係止爪又はロック
部60が形成される。係止爪60は、仮係止位置にあるときコンタクトの挿入を
可能にすべく比較的低くされた第1部分61及び本係止位置にあるときコンタク
トをロックするべく比較的高くされた第2部分62を有する。図示しないがアー
ム51bにも同様にして複数の係止爪60が形成される。また、アーム51a、
51bの係止爪60の第1部分61に対応する板面上に位置には複数の窓63が
形成される。窓63の作用については後述する。更にアーム51a、51bの連
結部分52に近い位置に板厚方向に撓み可能なラッチ片53a、53bを有する
。ラッチ片53a、53bの端には突起54a、54bが形成される。
ダブルロック部材50は図3に示す仮係止位置から図4に示す本係止位置まで
摺動可能である。図1に示すように内側ハウジング20には仮係止手段及び本係
止手段としての凹部21、22が形成される。ラッチ片53a、53bの突起5
4a、54bは仮係止位置では凹部21と係合し、本係止位置では凹部22と係
合する。
図1、図3及び図4から理解されるようにダブルロック部材50は、内部ハウ
ジング20に形成された嵌合端側の第1壁24と内側の第2壁25との間に形成
された凹溝27内を摺動可能とされる。摺動の際には第1壁24及び第2壁25
がダブルロック部材50のアーム51a、51bの摺動を案内すべく作用する。
図示しない電気コンタクトはダブルロック部材50が図3に示す仮係止位置に
あるとき内部ハウジング20のキャビティ30内に嵌合面31と逆側から挿入さ
れる。図1に示すように内側ハウジング20のキャビティ30に対応する位置に
は外側に開いた複数の窓23が形成される。図3に示す仮係止位置ではダブルロ
ック部材50の窓63は窓23と連通する。従ってコンタクトの挿入を窓23、
63を通して確認可能となる。図4に示す本係止位置では窓23、63は互いに
連通しないよう配置されるのでキャビティ内への異物の進入が防止される。(図
5参照)
図5に示すようにキャビティ30内のコンタクト100を係止するためのダブ
ルロック部材50の係止爪60の第2部分62は、断面が略L字形を成す。また
、図2から理解されるように第1部分61も断面が略L字形となる。一方、図示
さ
れるようにこの係止爪60は内部ハウジング20に形成された長さ方向にわたっ
て断面が略L字形の溝28内に収容される。従って、ダブルロック部材50が図
3及び図4に示す仮係止位置及び本係止位置間を摺動するとき、係止爪60と溝
28との係合によりアーム51a、51bの外方への開きが防止される。また溝
28と係止爪60との係合は摺動の案内手段としても作用する。
なお図1、図3、及び図4から理解されるようにキャビティ30は千鳥配列し
た構成とされる。これは図5から理解されるように各コンタクト100の後方位
置に設けられた防水部材120の配置密度を高めるための構成であり、これによ
り内部ハウジング20を比較的小型にすることができる。
また、図1、図3及び図4の如く内部ハウジング20の第1壁24は一側端に
切り欠き部29を有する。ダブルロック部材50は本係止位置にあるとき、切り
欠き部29を通して連結部分52の位置を確認できるので、ダブルロック部材5
0が本係止位置にあることを確認できる。なお、第1壁24は、ダブルロック部
材50が切り欠き部29以外で嵌合面31側に露出するのを防止するカバーとし
て作用し、これにより嵌合時にダブルロック部材50が破損するのを防止してい
る。
以上の如く本発明の好適実施形態となるダブルロックコネクタについて詳細に
説明したが、これはあくまでも例示的なものであり、当業者により更に様々な変
形、変更が可能である。例えば係止爪60は第1及び第2部分61、62共に略
L字形状とされるが、コンタクトを係止する第1部分62のみを略L字形として
も良い。
本発明のダブルロックコネクタによれば、ダブルロック部材は摺動方向に延び
て外側面上を摺動する細長アームを有し、アームには本係止位置でコンタクトを
係止する断面が略L字形の係止爪が長さ方向の所定位置に設けられ、ハウジング
には係止爪を受容可能な断面が略L字形の溝が外側面に沿って形成され、溝が係
止爪と係合することによりダブルロックの摺動時にアームがハウジングの外側面
上に維持されるよう構成される。従って、コンタクトキャビティを行列状に配置
せず千鳥配列等の変形した配列とした場合にも適用でき、またダブルロック部材
を仮係止位置から本係止位置へと摺動させる操作をスムーズに行うことができる
。
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【要約の続き】
(20)の側壁外面に沿って維持される。