JP2002508698A - 流体サンプルを濾過するためのフィルタを組み込んだ装置 - Google Patents

流体サンプルを濾過するためのフィルタを組み込んだ装置

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ビューチラー,ケネス・フランシス
バット,リチャード・ロジャー
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バイオサイト・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 装置及びその使用に関し、装置はフィルタと、フィルタの領域特定圧縮を行う手段とを有する。代わりに、装置はフィルタと、フィルタを収容する領域と、フィルタを収容する領域への流体アクセスポートと、フィルタを収容する領域からの流体出口ポートと、フィルタを通り、流体アクセスポートを流体出口ポートに接続する横方向の流体流れ経路とを有する。代わりに、毛細管力の作用により装置を通る流体の運動が実質上単独に生じるような単一ステップの分析評価装置を設け、この装置はフィルタと、フィルタを収容する領域と、フィルタを収容する領域への流体アクセスポートと、フィルタの周辺表面を通る粒子の運動を遅滞させる手段と、フィルタを収容する領域からの流体出口ポートと、フィルタを通り、流体アクセスポートを流体出口ポートに接続する横方向の流体流れ経路とを有し、もって、粒状物質を実質上含まないサンプル流体が出口ポート及び出口ポートに流体接続された退出領域を通ってフィルタから解放される。オプションとして、装置は装置の退出領域内で分析評価結果を生じさせる手段を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】 流体サンプルを濾過するためのフィルタを組み込んだ装置 発明の分野 本発明は流体サンプルを濾過するためのフィルタを備えた装置に関する。特定 の実施の形態においては、フィルタ包含装置は生物学的なサンプルから細胞又は 粒状物質を濾過し、濾過物(液)を毛細管空間へ導入し、しかも外部から供給さ れる力を使用せずに作動する。背景技術 病院の救急部門での診断時テスト(point of care testing)の到来により、ユ ーザーが簡単、迅速かつ便利に使うことのできる診断用の生成物を開発する重要 性が増してきている。この要求が生じた理由は、救急部門での健康管理従事者が 診断試験を行うために与えられた最小時間で迅速に結果を必要とするからである 。診断結果を数分で得ることができれば、医師は患者を迅速に処置できる。 診断時テストはしばしば完全血液又は尿の如き生物学的なサンプルを用いて行 われる。生物学的なサンプル内の細胞及び粒状物質は試験装置内での流体流れを 阻害する虞れがあり、従って、生物学的な流体内の分析物の測定を害する虞れが ある。 例えば、血液において、赤血球は分光測定を阻害する虞れがあり、ヘマトクリ ットが変化すると、一定容積の血液内の血漿の容積が変化する。これらの問題を 克服するため、一層明確で均一なサンプルを得ることができるように赤血球を血 漿から分離する。 別の例として、尿は、分光測定に影響を辱えフィルタ及び毛細管を通って流れ ることのできるリンパ球を含むことができる。従って、細胞、粒状物質又は異物 を生物学的なサンプルから濾過除去する装置はサンプルに対して行われる分析手 順の質を改善できる。 粒子の除去を達成するため、分析評価(assay)装置にフィルタを組み込むこと が従来技術として記載されてきた。例えば、米国特許第4,477,575号、 同第4,753,776号、同第4,987,085号及び同第5,135,7 19号各明細書は、フィルタを通る血液の横断方向の流れが血漿からの赤血球の 分離を生じさせるような血液フィルタ装置を述べている。有効な濾過を達成し、 サンプルがフィルタをバイパスしないようにするための装置内でのフィルタのシ ールが、従来技術における問題となっていた。初期のシール不良又は時間が経つ につれて形成されるギャップのため、フィルタとフィルタ室の壁との間に小さな 毛細管即ちギャップがしばしば存在する。その結果、流体サンプル内の粒子はフ ィルタを通る代わりに毛細管空間即ちギャップ内を進む。フィルタのまわりを進 む粒状物質は濾過効率及び反復性を減少させ、ある応用にとってフィルタを許容 できないものにすることがある。にかわやテープ等を使用するような技術がこの ような装置のフィルタ室内でフィルタをシールするために使用されてきた。シー ルに影響を及ぼすこれらの材料の使用は、可変で時には不良のシールを生じさせ ていた。更に、これらのシール方法は可変量のシール化合物をフィルタに吸着さ せる結果を招いた。 従来のフィルタ装置の別の欠点はフィルタを通る比較的短い横断方向の流体流 れ経路の使用に起因する。従来の形状のフィルタ(長さ、幅及び実質的に一層薄 い深さを有するフィルタ)における横断方向の流れ経路はフィルタの頂部と底部 との間の距離であり、フィルタの深さは普通フィルタの厚さとして参照される。 フィルタの厚さはほぼ0.1mmないし6mmであり、この比較的短い流れ経路 は比較的乏しい分離効率を生じさせる。一層長い流れ経路は一層多量の粒子を流 体から除去させることができ、分離効率を増大させる。米国特許第4,678, 757号、同第5,135,719号、同第5,262,067号及び同第5, 435,970号各明細書は血漿からの赤血球の分離に影響を与えるために炭水 化物、アグルチン及びレクチンの如き材料で処理されたフィルタを開示している 。しかし、比較的短い流体流れ経路のため、これらの技術における濾過効率は最 適ではない。ヨーロッパ出願第89300416.8号明細書は処理されたポリ カチオンフィルタに赤血球を拘束させる方法及び装置を記載している。しかし、 フィルタの処理は装置の製造に付加的な工程を導入させる。処理を必要としない フィルタ装置の設計は有利である。その理由は、フィルタが高価過ぎ、装置の製 造が一層複雑でなくなり;一層複雑でない装置の設計が一層製造を容易にく、製 造コストを一層安くするからである。 しかし、一層長い横断方向流れ経路を有する実施の形態も不利である。米国特 許第5,139,685号(「685号特許」)明細書は、装置が比較的長い流 れ経路を有するように積層したフィルタの円倚体を記載している。685号特許 は分離したフィルタの積層体により比較的長い横断方向の流体流れ経路を有する が、この技術の応用は限られる。すなわち、685号特許においては、分離した フィルタは積層され、血漿からの赤血球の有効な濾過を達成するために適用圧力 の下に置かれる。フィルタの加圧はサンプルからの粒状物質の迅速で有効な分離 を達成するのに必要である。 685号特許の比較的多量の必要な空間及び設計形状は診断時テストを便利に はしない。診断時テストは、健康管理従事者により容易に取り扱うことのできる 一層小さく一層便利な設計、及び、分析評価結果の定量性を提供する手持ち式の 器具内へ供給できる設計により、容易化される。(リーダーの如き)手持ち式の 器具内へ供給できる装置は小型で平坦にすべきであり、円滑な表面を有するべき である。好ましくは診断時装置は外部から供給される圧力を必要とすべきでなは い。 従って、有効で、コンパクトで、安価な濾過装置の要求がある。また、流体流 れ経路を最適化して濾過効率を増大させるために装置内でフィルタを有効にシー ルする手段の要求がある。最も望ましくは、装置の製造公差を一層重要とならな いようにし、装置の製造を一層経済的なものとするシール手段の要求がある。図面の説明 第1A、1B、1C、1D図は装置の1つの実施の形態を示し、ここに、第1 A図はベース10の上面図である。第1B図はベース10の横断面図である。第 1C図は第1A図の1B−1B面における、組立てられた装置の上面図である。 第1D図はフィルタ20、蓋18及びベース10を示す、第1C図の1D−1D 面における、組立てられた装置の横断面図である。 第2A、2B、2C図は装置の別の実施の形態を示し、ここに、第2A図はベ ース10の上面図である。第2B図は第2A図の2B−2B面におけるベース1 0の横断面図である。第2C図はフィルタ20、蓋18及びベース10を含む組 立てられた装置の、第2B図の横断面面における横断面図である。 第3A、3B、3C図は装置の別の実施の形態を示し、ここに、第3A図はベ ース10の上面図である。第3B図は第3A図の3B−3B面におけるベース1 0の横断面図である。第3C図はフィルタ20、蓋18及びベース10を含む組 立てられた装置の、第3B図の横断面面における横断面図である。 第4A、4B、4C、4D、4E図は装置の別の実施の形態を示し、ここに、 第4A図はベース10の上面図である。第4B図は第4A図の4B−4B面に沿 って見たベース10の横断面図である。第4C図はフィルタ20、蓋18及びベ ース10を含む組立てられた装置の、第4B図と同じ面における横断面図である 。第4D図は破線で示す蓋空所42を備えた実施の形態の上面図である。第4E 図は4E−4E面における第4D図の横断面図である。 第5A、5B、5C図は装置の別の実施の形態を示し、ここに、第5A図はベ ース10の上面図である。第5B図は第5A図の5B−5B面におけるベース1 0の横断面図である。第5C図はフィルタ20、蓋18及びベース10を含む組 立てられた装置の、第5B図と同じ面における横断面図である。 第6A、6B、6C、6D図は装置の別の実施の形態を示し、ここに、第6A 図はベース10の上面図である。第6B図は第6A図の6B−6B面に沿って見 たベース10の横断面図である。第6C図はこの実施の形態の組立てられた装置 の上面図である。第6D図はフィルタ20、蓋18及びベース10を含む組立て られた装置の、第6C図の6D−6Dの如き面に沿って見た横断面図である。発明の開示 本発明は生物学的なサンプルの簡単で迅速な濾過を提供し、サンプルが同じ装 置又は別の装置で分析できるようにする。 1つの実施の形態においては、本開示はフィルタを通る横方向の流れの使用及 びフィルタから毛細管空間へ濾過流体を排出させるために毛細管力の使用を教示 する。 本発明の装置の別の実施の形態では、装置がフィルタと、フィルタの領域特定 圧縮のための手段とを有する。代わりに、装置はフィルタと;フィルタを収容す る領域と;フィルタを収容する領域への流体アクセスポートと;フィルタを収容 する領域からの流体出口(egress)ポートと;フィルタを通り、流体アクセスポー トを流体出口ポートに接続する横方向の流体流れ経路とを有する。代わりに、単 一ステップの分析評価装置によって装置を通る流体の運動が実質上毛細管力のみ により生じ、この装置はフィルタと;フィルタを収容する領域と;フィルタを収 容する領域への流体アクセスポートと;フィルタの周辺表面を通る粒子の運動を 抑制する手段と;フィルタを収容する領域からの流体出口ポートと;フィルタを 通り、流体アクセスポートを流体出口ポートに接続する横方向の流体流れ経路と を有し、粒状物質を実質上含まないサンプル流体は出口ポートを通ってフィルタ から解放され、マタ、出口ポートに流体的に接続された退出(exit)領域に解放さ れる。オプションとして、装置の使用は装置の退出領域で分析評価結果を生じさ せる手段を含む。符号の一覧表 10 ベース 12 フィルタ空所 14 流体アクセスポート 15 フィルタ20の流体アクセス領域 16 フィルタ20の流体出口領域 17 退出領域 18 蓋 20 フィルタ/フィルタマトリックス/膜 22 圧縮構造体 23 支持バー 24 フィルタ空所12のデッドスペース 26 サンプルリザーバ 28 フィルタ支持/ポート 30 通気穴 32 フィルタステイ 34 溝 36 圧縮構造体22の横方向圧縮領域 38 圧縮構造体22の基端側圧縮領域 40 圧縮構造体22の末端側圧縮領域 42 蓋空所発明を実施するための形態 本発明は、サンプル、特に化学的、環境的又は生物学的なサンプルを迅速に濾 過し、好ましくは濾過されたサンプルを毛細管空間へ導入するフィルタを有する 新規な装置を説明する。本発明はここに提供される教示に従って任意の装置フォ ーマットに利用できる。例えば、普通の形状の分析評価装置のフィルタを説明す るが、本出願の原理は他の形状の装置に提供されることを理解すべきである。好 ましい実施の形態においては、本発明は米国特許第5,458,852号明細書 に開示された技術に使用される。本発明の形態を以下に説明する。横方向及び横断方向の流体流れ ここで使用されるような流体流れは次のように述べられる。普通のフィルタは 幅、長さ、寸法及び実質上一層小さな深さ(「厚さ」)寸法を有する。このよう な寸法を有するフィルタに対しては、横断方向の流れはフィルタの長さ及び幅に 対して垂直であり、フィルタの深さに平行な方向においてほとんど行われる。逆 に、横方向の流れはフィルタの長さ又は幅面に平行な方向においてほとんど行わ れる。代わりに、横方向の流れ経路はフィルタを通る横断方向の流れ経路より大 きな距離を有し、典型的には、これらの流れ経路は互いに直交する方向を向いて いる。本発明の1つの実施の形態においては、横方向の流体流れ経路はフィルタ を通り、流体アクセスポートと流体出口ポートとを接続し、この場合、流れ経路 は、流れ経路に沿った任意の地点に垂直な方向で決められるようなフィルタの最 大横断面距離より大きいか又はその距離に等しい。 従来の装置のフィルタはある程度の毛細管能力を有する。例えば、小径の孔又 は緻密な繊維により生じる毛細管力のため、ある程度、流体はフィルタを通って 移動する。流体は、外部の圧力を用いて又は用いずに、このようなフィルタを通 って移動することができる。フィルタの全体寸法に関してミクロレベルでは、流 体は毛細管力のため多数の方向に進む。しかし、マクロレベルでは、流体は1方 向、即ち、フィルタを通り、フィルタから流体が出るような位置へのほとんど横 方向又は横断方向に進む。 サンプルを濾過するためには、横方向又は横断方向の流体流れは少なくとも1 つの流体入力表面と、少なくとも1つの流体出口表面とを必要とする。流体入力 表面は、未濾過サンプル流体がフィルタに接して位置するようなフィルタ表面と して定義され;流体出口表面は、そこから大半の濾過されたサンプル流体(「濾 過物」又は「濾過液」)が出て行くフィルタ表面である。後に説明するが、ある 実施の形態においては、少量の流体が周辺表面から出ることができる。周辺表面 は、流体入力表面ではなくしかも流体出口表面ではない表面として定義される。 横断方向の流れに対しては、入力及び出口表面は普通の形状のフィルタの頂部及 び底部の表面、例えば、長さ及び幅面に平行な表面である。代わりに、横方向の 流体流れを有するフィルタに対しては、入力表面及び出日表面は、頂面、底面又 はフィルタの周辺表面ではない任意の表面とすることができる。 本開示によれば、装置のフィルタを通る好ましい流れの方向性は横方向の流れ である。横断方向の流れに比べ、横方向の流れはいくつかの利点を有する。第1 に、流体流れ経路は標準の形状のフィルタにおいて著しく増大できる。普通の形 状のフィルタに対しては、横方向の流れは横断方向の流れよりも一層大なる濾過 効率を生じさせる。その理由は、横方向の流体流れ経路が横断方向の流体流れ経 路よりも長いからである。例えば、従来の分析評価フィルタは一般に0.1mm と6mmとの間の厚さを有し(最も普通には約2mm)、長さ及び幅は厚さより も相当大きく、普通数センチメートルのオーダーである。従って、横方向の流れ は装置の形状の最小効果で一層大なる濾過効率を生じさせた。第2に、流体がフ ィルタを通ってその流体出目領域へ横方向に流れることができる限り、フィルタ 内の横方向の流れは流体出口領域以外のフィルタの任意の領域への流体の付加を 可能にした。横方向の流れを持つ装置においては、流体出口領域以外のフィルタ の領域への流体の付加により、1側においてのみ進入する場合よりも有効に一層 大きい(約2倍)面積で流体がフィルタに進入できるようにした。流体の進入の ための一層大なる面積はフィルタの一層効率的な使用を提供し、フィルタを通る 流量を最大化し、サンプルから濾過されるべき粒状物質による目詰まりの可能性 を最小化した。 更に、装置内での数個のフィルタの積層の代わりに単一のフィルタを装置に組 み込むと、装置の空間の浪費を避け、装置上にフィルタを容易に位置させること ができ、多くの可能な設計形状を許容する。フィルタ材料 生物学的サンプルから細胞及び粒状物質を濾過するために種々のフィルタ材料 を利用できる。例えば、サンプルから異物(例えば、尿から細胞、及び、血漿か ら赤血球)を除去するフィルタを作るために、セルロース繊維、ナイロン、ガラ ス繊維、ポリエステル繊維又はこれらの材料の組み合わせが有用である。 好ましくは、フィルタの多孔又は繊維性マトリックスがサンプルからの粒状物 質により目詰まりを起こさないように、フィルタが選択される。血漿から赤血球 を分離する場合は、フィルタは一般に赤血球を拘束し、保持し、遅滞させ、血漿 が血液から分離されてフィルタを通れるようにする。 フィルタは繊維性マトリックス又は多孔性材料から作ることができる。好まし いフィルタはホウケイ酸塩のガラス微繊維で作られた繊維性マトリックスフィル タである。ホウケイ酸塩のガラス微繊維のフィルタは、(赤血球の如き粒状物質 を含む)サンプルがフィルタへ侵入できるようにすることにより、完全血液サン プルを濾過することができる。完全血液サンプルに対しては、フィルタは赤血球 を遅滞させ、血漿が遅滞しない一層大なる流量で繊維性マトリックスを通れるよ うにする。これらのフィルタが使用され、細胞及び血漿がフィルタを通って移動 せしめられたとき、血漿は赤血球の更に前方へ移送される。 一層多孔性の構造を有する別のフィルタ、例えば、ニトロセルロース、アクリ ル共重合体又はポリエーテルスルフォンからなるフィルタを使用することもでき る。これらのフィルタは一般に、典型的には均一直径の孔のような通路を有する 点で、繊維性マトリックスからなるフィルタとは異なる機能を果たした。典型的 には、孔の直径がサンプルから分離したい粒子の直径より小さくなるように、多 孔性フィルタが選択される。これらのフィルタは赤血球を遅滞させる代わりに赤 血球を保持し、すなわち、赤血球は実質上フィルタ表面を越えてフィルタへ侵入 しない。当業者は、サンプル内の粒状物質がフィルタの孔の直径にほぼ等しいか 又はそれより大きな場合に、粒状物質が迅速に孔を目詰まりさせ、孔を通る流体 流れを遅くするか停止させることを認識できよう。 従って、本開示によれば、種々のフィルタを使用できる。フィルタはアールス トロム・チトセップ社(Ahlstrom Cytosep)(ペンシルバニア州のマウント・ホリ ー・スプリングス)又はミクロ・フィルトレーション・システム(Micro Filtrat ion System)社(カリフォルニア州のダブリン(Dublin))のガラス繊維媒体を含 む(ただし、これらに限定されない)いくつかの市販のフィルタのうちの1つで よい。米国特許第5,186,843号、同第4,774,039号、同第4, 629,563号及び同第5,171,445号各明細書はこれら及び類似の媒 体の組成を開示している。サンプルリザーバ 好ましくは、サンプルリザーバはいくつかの機能を果たす。(1)サンプルリ ザーバは分析評価結果を達成するのに十分な容積の範囲を定め、従って、適当な 容積を提供しようとする装置の使用者の努力を容易にする;(2)サンプルリザ ーバは分析評価結果を害さないような方法で入力容積の種々の範囲を許容しなが ら前述のことを達成する;(3)毛細管空間であるリザーバは流体の逃避を阻止 ずる補助を行う。好ましい実施の形態においては、サンプルリザーバはサンプル の下流側での処理に必要な容積の約100倍の流体容積を収容した。 第6A、6B、6C、6Dに示すように、毛細管空間からなるサンプルリザー バ26は装置内に組み込まれ、サンプルがサンプルリザーバの毛細管空間内に収 容され、リザーバがフィルタ(第6D図)の縁、頂部及び(又は)底部と連通す るようにする。サンプルをフィルタに導入するための毛細管空間を利用する利点 は、毛細管空間内に含まれた例えば有害な化学的、環境的又は生物学的な流体の 如き流体が装置から溢れたり漏れたりする傾向を有しないことである。フィルタの周辺表面の「シール」 好ましくは、フィルタの周辺表面は、(1)流体がフィルタを通って流れねば ならないように、及び(2)フィルタと装置との間の毛細管に例えば粒子の如き 流体サンプルがフィルタのまわりを流れて濾過物を汚染するのを阻止するように 、装置内でシールされる。フィルタを通らずに毛細管空間内でフィルタのまわり を進むサンプルが退出領域17に入る可能性がある。未濾過流体が退出領域17 に入ると、装置の濾過効率が減少する。周辺表面の「シール」は液密である必要 はなく、本発明によるシールはまた、液体及び粒子又は粒子が、フィルタとフィ ルタに隣接する装置の壁との間の空間内へ流れるのを遅らせる能力をも有する。 フィルタの周辺表面をシールするいくつかの方法がある。好ましくは、シール は液密であるが、フィルタの外側の低抵抗流体流れ経路が生じない限り、ある程 度の液体解放を許容できる。1つの実施の形態においては、シールは装置の壁と フィルタとの間の液体の存在を許容するが、周辺表面に沿った毛細管空間の発展 を抑え、シールはまた、圧縮により、周辺表面に沿った任意の空間に入ることは なくフィルタ内に粒状物質を保持するように作用することができる。いずれの場 合も、フィルタ20の流体アクセス領域15において又はその近傍で、好ましく は粒子密、一層好ましくは液密、最も好ましくは流体密の(装置の)シールが存 在する。 流れ経路の方向に拘わらず、フィルタ表面は次の技術(即ち、圧力接着テープ 、にかわ又はシーラント)の1つ又はその組み合わせを使用してシールすること ができる。このような技術はフィルタの縁及びフィルタ空所12の側壁に沿って の注意深いシーラントの配置を必要とする。周辺表面の好ましい液体シールは圧 入により達成される。圧入は、フィルタのすべての周辺表面がフィルタ空所の壁 に接触するように、僅かに超過寸法にしたフィルタをフィルタ空所12内に配置 することにより、達成できる。長さ及び幅寸法に関して、フィルタは、直接接触 を保証するようにフィルタを配置するフィルタ空所よりも、好ましくは1−10 %、一層好ましくは1ないし5%だけ大きい。深さ寸法の圧縮は後に詳細に説明 する。フィルタとフィルタ空所の壁との間の直接の接触は、流体がフィルタの周 辺表面とフィルタ空所の壁との間を進むのを防止する。その理由は、毛細管空間 がフィルタと装置の壁との間に存在しないからである。従って、フィルタの側縁 の周辺は、第1A図に示すように、フィルタ空所12の壁に接触したままである 。 フィルタは、これを圧搾でき、長い間その形状を保持するような弾性度を有し なければならない。ここで述べる普通の媒体はこれらの特性を有し、粒子及び( 又は)液体を有効にシールするためにここで開示するように使用できる。フィル タが空所の壁に圧力を加え、低抵抗流体流れ経路が回避されるのを保証するため には、フィルタが柔順なほど、フィルタはこれを配置する空所に関して一層大き くせねばならない。 本発明に係る装置を準備するため、フィルタの形状はフィルタ空所12(第1 A図)とほぼ等しくしなければならない。フィルタ空所12は任意の三次元寸法 形状、例えば、台形、矩形、丸形等とすることができる。現時点で好ましいフィ ルタの形状は第1A−1D図のフィルタ空所12の形状である。フィルタの領域特定圧縮 本発明の好ましい実施の形態はフィルタ内での粒状物質(例えば、細胞又は異 物)の運動を制限又は遅滞させるため及び粒状物質がフィルタから逃げたりフィ ルタ周辺表面に沿って進むのを阻止するために限定領域におけるフィルタの圧縮 を利用する。流体がフィルタの周辺表面に沿って流れるのを阻止する場合は、フ ィルタ空所12内の圧縮構造体22(例えば、第2、3、4又は5A図参照)が フィルタ20とこのフィルタが接触する表面(たとえば、蓋18又は空所12を 画定する表面)との間における毛細管ギャップの形成を阻止する補助をなす。毛 細管ギャップは回避すべきである。その理由は、ギャップが流体退出領域17へ の低抵抗流れ経路を形成し、未濾過サンプルが濾過物を汚染するのを可能にする からである。 領域特定圧縮に加え、毛細管力、にかわ、感圧テープ又はシーラントを使用し て行うフィルタの周辺表面の液体シールは粒子の逃避及び周辺表面に沿う液体の 流れを阻止するために使用できる。にかわ、感圧テープ又はシーラントを避ける ことが有利である。その理由は、これらが時間の経過に伴いそのシール特性を失 う傾向を有し、このような材料におけるシーラントがフィルタに滲出し、濾過物 に影響を及ぼす可能性があるからである。逆に、領域特定フィルタ圧縮は持続す るシールを与え、任意の添加物又は付加的な部品無しに機能し;従って、製造工 程の複雑さを減少させ、濾過物の汚染の可能性を避ける。 領域特定圧縮を使用する構造は例えば第4図に示す実施の形態において示され る。上面図である第4A図には、圧縮構造体22が示されている。圧縮構造体2 2及び蓋18の如き当接表面によるフィルタ20の厚さの圧縮の好ましい度合い はフィルタの元の厚さの1ないし50%であり、一層好ましくは1ないし30% である。従って、装置の好ましい実施の形態においては、フィルタの特定の領域 のみが圧縮され;フィルタのすべての領域が圧縮されるわけではなく、流量は不 当に阻害されない。従って、本発明の1つの利点は、有効で迅速な濾過が達成さ れることである。 第4C図における組立てた装置の横断面図はフィルタ空所12と圧縮構造体2 2との間の好ましい高さ変化を示す。この高さ変化は空所12内でのフィルタ2 0の配置時にフィルタ20の下方にデッドスペース24(例えば、第4C図)を 形成する。 デッドスペース24は最小の毛細管力を有し、それ故、フィルタ20外へ流体 を吸引しないので、デッドスペース24は有効に液体シールを達成する。フィル タ20とフィルタ空所12との間の比較的大きなギャップのため、デッドスペー ス24にとって毛細管力は小さい。 液体シールを達成する領域特定圧縮はまた、フィルタを通る迅速な流体流れを 容易にする。デッドスペースの上方のフィルタ領域は、圧縮構造体22と当接表 面との間のフィルタ領域と同じ程度には圧縮されない。フィルタの孔又はマトリ ックスはこの領域では顕著に圧縮されず、そこを通る流体流れは容易になる。流 体出口領域からの最大流量が望ましいような実施の形態においては、フィルタを 非圧縮状態に維持するのが有利である。 要約すると、デッドスペース24はある圧縮構造体の設計から得られ、いくつ かの理由により有用である。第1に、デッドスペースは最小の毛細管力を有し、 その空所内に流体を吸引しない。従って、液体シールはデッドスペースに隣接す る対応するフィルタ表面に沿って形成され、フィルタを通して流体を強制的に流 させる。第2に、デッドスペースに隣接するフィルタは圧縮されず、それ故、フ ィルタ内の孔又は繊維構造は不変のままである;このようなフィルタ形状は従来 のものとは異なるものであり、一層大きな流量を有効に生じさせる。 上述のように、圧縮構造体22及び蓋18によるフィルタの圧縮の好ましい度 合いはフィルタの元の厚さの1ないし50%、好ましくは1ないし30%である 。このような圧縮を達成するためには、圧縮構造体22は1つの一様なレベル即 ち高さに限定されるべきではない。むしろ、圧縮構造体22は同じ高さ又は異な る高さの多数の区分で構成することができる。第5A図は本発明の実施の形態を 示し、この実施の形態においては、圧縮構造体22は支持バー23と、横方向圧 縮領域36と、基端側圧縮領域38と、末端側圧縮領域40とを含む副領域を有 する。各副領域はシール、濾過又は流量特性を容易にする圧縮を生じさせるよう に寸法決めすることができる。第5図の実施の形態においては、支持バー23と 、横方向圧縮領域36と、末端側圧縮領域38との組み合わせがフィルタ20を 蓋18に強制的に接触させ、各副領域の上方に好ましい液密を形成させ、従って 、フィルタの周辺表面に沿う流れの阻止を容易にする。末端側領域40は液密シ ールを形成しないが、流体出口領域16での液体の排出を許容する。従って、フ ィルタ20は均一には圧縮されず、むしろ、圧縮構造体22の副領域の上方での み圧縮される。 領域特定圧縮の別の有利な面はフィルタの指定された領域からの粒状物質の移 動を遅らせる能力である。すなわち、フィルタの周辺縁又は流体出口領域への粒 状物質の到達を遅滞させる能力である。粒状物質の運動の遅滞が生じる理由は、 フィルタの圧縮がフィルタ内の繊維間隔及び(又は)孔の同時の圧縮を生じさせ ;これらミクロ構造の圧縮により、粒状物質又は細胞がフィルタを通って進むこ とが困難又は不可能になるからである。 当業者なら、圧縮構造体22でのフィルタの選択的な圧縮がサンプルからの粒 状物質の分離にとって必要ではなく、むしろ、このような圧縮は、装置内でフィ ルタの周辺表面をシールするため及び粒子の運動を調整するために利用できる1 つの実施の形態であることを認識できよう。好ましい実施の形態においては、粒 状物質はフィルタ20の周辺表面又は流体出口領域に沿って出ることができない 。圧縮構造体22を使用する別の実施の形態においては、粒状物質はフィルタを 通るその運動を遅滞させられるが、フィルタから出ることはでき;この実施の形 態においては、好ましくは、退出領域は(当業者により認識される分析評価結果 を達成するための材料又はモダリティを介して)分析評価に必要な量の液体を保 持し、この場合、その容積は遅滞させられた粒状物質の前方でフィルタを通って 流れる流体の容積より小さい。フィルタの流体出口領域に連通する退出領域 好ましい実施の形態においては、粒子の無い流体がフィルタを通過した後、好 ましくは、流体は流体退出領域17(第1D図参照)内へ吸引される。好ましく は、退出領域17はその間の流体の流れを容易にするためにフィルタ20よりも 大きな毛細管能力を有する。従って、本発明の好ましい実施の形態は毛細管力を 利用し、フィルタの流体出口領域16が退出領域17にじかに隣接し、領域17 が毛細管空間となるようにする。ここで教示されるような毛細管能力の使用のた め、流体は外部の圧力無しにフィルタを去り、退出領域17の毛細管空間を均一 に満たし、流体はフィルタより小さな毛細管能力を持つ任意の領域、例えばデッ ドスペース24へ進入しない。従って、毛細管力は、静圧の如き外部の圧力を加 えることなく、フィルタから退出領域17内への流体の排出を生じさせるために 使用できる。この実施の形態によれば、圧縮構造体22(特に、末端側圧縮領域 40)によるフィルタの圧縮は、フィルタ内に流体を保持する毛細管力が退出領 域17の毛細管能力をより大きくなるのに十分な程度までフィルタの孔を小さく させてはならない。装置の組立て 便宜的には、横方向の流れにより機能するフィルタを組み込んだ装置は、装置 全体の厚さがフィルタの厚さにより制約を受けないように設計することができる 。 ここで述べる濾過装置は一般に数個の部品の組立て及び結合を必要とする。蓋 18及びベース10は分析評価すべき化学的、環境的又は生物学的流体に対して 矛盾を生じない普通の材料から作ることができる。これらの材料は、例えば、ア クリル、ポリスチレン、ポリカーボネートの如きプラスチック材料又は類似のポ リマー材料、シリコン半導体チップの如きシリコン複合体、ガラス、又は金属で ある。プラスチックポリマー材料の場合、蓋18及びベース10は熱射出成形技 術又は機械加工を用いて製造することができる。シリコン複合体から蓋及びベー スを製造する場合は、電子機器分野で普通に使用されるマイクロ機械加工及びフ ォトリソグラフィー技術を利用して室及び毛細管を形成できる。 ベース10及び蓋18は互いに接触せしめられて、特定の結果を達成するため に望まれる物理的な形状を形成する。ベース10及び蓋18を結合するために使 用できる方法のいくつかは、超音波溶接、接着剤、物理的な嵌め合い及び熱溶接 である。例えば、シリコン複合体又はプラスチックの蓋及びプラスチック又はシ リコン複合体のベースを有する実施の形態では、ベース及び蓋は接着剤により結 合できる。 好ましい実施の形態においては、ベース10、蓋18又はその双方のプラスチ ック表面は親水性即ち「湿潤可能」になされ、サンプル流体のメニスカスとベー ス10及び蓋18との間の接触角度を減少させるようになっている。接触角度を 減少させる方法はいくつかあり、例えば、コロナ放電、プラズマ処理又は表面上 への界面活性剤又はタンパク質の乾着であるが、これらに限定されない。標準の 方法によれば、プラスチック表面をコロナ放電又はプラズマガスに晒すと、表面 上に官能基が形成される。従って、表面化学性及び疎水性が修正され、種々の応 用に使用できる。例えば、米国特許第5,458,852号明細書に記載された ような時間ゲートを流体出日領域に組み込んでフィルタ内でのサンプルのための 潜伏時間を提供できる。 当業者なら、本開示に基づき、フィルタ空所が多くの可能な設計形状及び具体 例を有することができることを認識できよう。ここに開示された濾過概念は種々 の分析評価に使用できる種々の装置に組み入れることができる。次の例は現時点 で好ましい実施の形態を示すが、本発明を限定する意図のものではない。例1 本発明の1つの実施の形態を第1図に示す。ベース10は射出成形技術を使用 して製造し、白色アクリル共重合体(Polysar NAS(登録商標名)、 コネチカット州マジソン(Madison)のポリサー社(Polysar Inc.)製)で作った。 全体の装置の長さ、幅及び厚さはそれぞれ8.7、3.5及び0.26cmとし た。ベース10の表面はコロナ放電処理により親水性とした。 標準の方法に従い、フィルタ空所12(第1A、1B図)はベース10内に形 成した。フィルタ空所は左右対称の台形形状を有し、平行な辺は1.0及び1. 34cmの長さを有し、0.72cmだけ離れている。フィルタ空所12に関し て1−30%(好ましくは1−5%)だけ僅かに超過寸法としたフィルタ20を 空所(第1D図)内に嵌め込んだ。フィルタ(#GB100R、カリフォルニア 州ダブリン(Dublin)のマイクロ・フィルトレーション・システム(「MFS」) 社(Micro Filtration System)製)はホ1ツケイ酸塩のガラス繊維で作り;その 厚さは0.038cmとし、約50μlの吸収容積を有していた。 透明のプラスチックの蓋18(第1C、1D図)はBranson 941 AE溶接器(コネチカット州ダンバリー(Danbury)のブランソン社(Branson Inc. )製)を使用した超音波溶接によりベース10に結合した。ベース10への蓋1 0の結合により、フィルタ20が僅かに圧縮された。この圧縮により、フィルタ 20の周辺縁のまわりでの流体及び粒子の流れを阻止するのに役立つシールが形 成された。ここで、第1D図を参照すると、流体アクセスポート14はフィルタ の直接上方に位置した。蓋18及びベース10はフィルタ20の流体出口領域1 6に隣接する退出領域17内に毛細管空間を形成した。フィルタ20の圧縮によ る毛細管能力の増大にも拘わらず、退出領域17はフィルタ20から濾過流体( 例えば、血漿)を引き出すのに十分な毛細管能力を有するように圧縮された。こ の実施の形態においては、退出領域は毛細管空間を有し、フィルタ20の流体出 口領域にじかに当接する退出領域17の横断面は約25μm×1.0cmの寸法 を有していた。この退出領域により囲まれた容積は好ましくは、(当業者により 認識される材料又はモダリティを介して)有効な分析評価結果が得られるように 装置を通して十分な流体が流れ得るのに十分な容積であり、その後に、退出領域 が流体で満たされ、流れが停止する。このような実施の形態に対しては、ガス状 の流体の解放を許容するが液体状の流体の解放は許容しない逃げポート(図示せ ず)が存在する。 第1図に示す実施の形態の使用は次の通りであった。酸性クエン酸デキストロ ーゼ(ACD)と一緒にVacutainer(登録商標名)血液収集チューブ 内に吸引された人間の新鮮な完全血液(70μl)を流体アクセスポート14に 注入した。血液の一部はフィルタ20に直ちに吸収され、残りは流体アクセスポ ート14を覆う小さな液滴を形成した。流体がフィルタ20を通る横方向の流れ により動かされると、2つの明確な流れ最前線(fronts)が形成された。フィルタ が粒子の流れを遅滞させるので、2つの流れ最前線は赤血球の不透明な最前線よ り先行する透明な血漿の最前線からなる。従って、血漿の最前線は赤血球より先 にフィルタの出口領域16に到達し、赤血球の流れ最前線がフィルタの端部に到 達する前に、粒子の無くなった濾過物が退出領域17に入った。例2 本発明の別の実施の形態を第2図に示す。ベース10は射出成形技術を使用し て製造し、白色アクリル共重合体(Polysar NAS 30(登録商標名 )、コネチカット州マジソン(Madison)のポリサー社(Polysar Inc.)製)で作る 。全体の装置の長さ、幅及び厚さはそれぞれ8.7、3.5及び0.26cmと した。ベース10の表面はコロナ放電処理により親水性とした。 圧縮構造体22を有するベース10は普通の方法により形成された。僅かに超 過寸法としたフィルタ20(第2C図)を圧縮領域22上に嵌め込み、デッドス ペース24を画定させた(第2C図)。フィルタはデッドスペース24を含まな いフィルタ空所12の部分より1−30%、好ましくは1−5%だけ大きくした 。フィルタ(MFSフィルタ、カタログ番号GB100R、カリフォルニア州ダ ブリン(Dublin)のマイクロ・フィルトレーション・システム(「MFS」)社(M icro Filtration System)製)はホウケイ酸塩のガラス繊維で作った。その厚さ は0.038cmとし、約50μlの吸収容積を有していた。従って、フィルタ 20の流体アクセス領域15と流体アクセスポート14との間にシールが存在し 、本質的にサンプルが領域15を通ってのみフィルタへ進入できた。 有利なことに、この実施の形態はデッドスペース24(第2C図)を有する。 従来の装置においては、流体はフィルタとフィルタのまわりの装置の壁との間の 毛細管空間内に蓄積できた。毛細管空間内での流体の形成はフィルタ空所とフィ ルタとの緊密な接触により及びフィルタの変形性により生じた比較的大きな毛細 管力に由来するものと思われる。このような領域内での流体の形成は、サンプル が全体的にフィルタ内に進入するようなルートを形成する虞れがあるので、望ま しくなく、粒子が空間に進入した場合は、分離効率が低下する。本発明は実質的 に毛細管力を有しない空間(デッドスペース24)によりフィルタ20と空所1 2の壁との間での流体の形成の可能性を減少させる。それ故、毛細管力がフィル タを通して流体を移動させるために使用される限り、流体は指定された領域、即 ち、流体出口領域16のみから出る。 透明のプラスチックの蓋18(第2C図)はBranson 941 AE溶 接器セットを使用した超音波溶接により、50ジュール及び40psiで、ベー スに結合した。ベース10への蓋10の結合により、圧縮構造体22の上方でフ ィルタ20が僅かに圧縮された。フィルタは元の厚さに関して1−50%、好ま しくは1−30%だけ圧縮された。この領域特定圧縮は、その領域でフィルタの 周辺表面上の流体の流れを阻止し、その領域で圧縮されたフィルタ内で粒子を遅 滞させるように作用するのに十分なシールを形成させた。流体アクセスポート1 4は台形のフィルタの真上に位置した。第2C図に示すように、蓋18及びベー ス10はフィルタ20の下流側の縁に隣接してフィルタからの流体出口領域16 を画定した。流体出口領域16にじかに隣接する退出領域17の横断面は約25 μm×1.0cmの寸法を有していた。 第2図に示す実施の形態に対しては、薄いフィルムの積層体をフィルタに適用 して、フィルタの剛性を増大させ、サンプルが供給されたときにフィルタがデッ ドスペース内へ落下するのを回避できる。積層体はまた、フィルタが支えられて いない領域におけるフィルタの曲げを阻止し、曲げは周辺表面に沿う流体及び粒 子の流れを生じさせて濾過物の汚染を生じさせる虞れがあり、実質的に回避すべ きである。ARcare 7396(登録商標名)(ベンシルバニア州グレン・ ロック(Glen Rock)のアドヘッシーブス・リサーチ社(Adhesives Research Inc.) 製)の如き感圧テープは使用された市販のプラスチップ積層体の一例である。 第2図の実施の形態は次のように使用された。人間の新鮮な完全血液(70μ l)がACDと一緒にVacutainer(登録商標名)血液収集チューブ内 に吸引され、流体アクセスポート14に注入された。血液の一部はフィルタ20 に直ちに吸収され、残りは流体アクセスポート14を覆う小さな液滴を形成した 。フィルタを通る粒子の流れの遅滞のため、流体がフィルタ20を通って横方向 に動かされると、2つの明確な流れ最前線が形成された。2つの流れ最前線は赤 血球からなる粒状物質の不透明な最前線より先行する透明な血漿の最前線からな る。従って、血漿の最前線は赤血球より先にフィルタの下流側縁に到達し、粒状 物質が下流側縁に到達したときまでに、透明な血漿は退出毛細管17に既に入っ ている。退出毛細管17は濾過流体即ち血漿について分析評価を行う材料/モダ リティを含んでおり、従って、分析評価は粒状物質(例えば、赤血球)からの汚 染を実質上伴わずに遂行された。 一般に、アクセスポート14での流体サンプルが装置内で使い尽くされるまで 、または、退出領域17の収容可能な容積が満たされるまで、流体はフィルタ出 口領域16から退出領域17へ流れ続ける。この概念を踏まえて、本発明の装置 の実施の形態は、例えば、米国特許第5,458,852号明細書に記載された 装置のように、退出領域17で特定の容積の濾過物(例えば、血漿)を保持する ように設計され、退出領域が特定の容積の液体を収容したとき、装置を通る流体 の流れを停止させた。サンプルがアクセスポート14又はサンプルリザーバ26 に残っているか否かで流体の流れを停止させた。従って、過剰なサンプルの付加 は装置の機能に悪影響を及ぼさなかった。 表1に示すように、例2の実施の形態の使用によりフィルタ20から出る血漿 の8μl/分までの流量を生じさせた。この実施の形態の使用により、少なくと も6μlの血漿を回収した。末端側の圧縮領域40においてフィルタ圧縮の面積 を変化させる効果を表1に示す。末端側の圧縮領域40の面積が0.041in2 から0.004in2に減少すると、フィルタ20の圧縮領域の百分率は32% から3%へと同時に減少し、フィルタを通る血漿の流量は40%の一定のフィル タ圧縮で1μl/分から8μl/分へと増大した。このデータは、圧縮されるフ ィルタの面積によりフィルタからの流体の流量を制御できることを示す。 1は構造体22の領域の表面積[平方インチ] 2は圧縮された合計フィルタ面積の百分率例3 第3図は本発明に係る濾過装置の別の実施の形態を示す。第3図における実施 の形態は例1、2に記載されたような普通の方法により構成される。この実施の 形態の態様はベース10の2つの付加的な側部(横方向圧縮領域36)に沿った 圧縮構造体22の延長にある。フィルタを圧縮できる横方向の圧縮領域36を設 けることにより、流体がフィルタの周辺表面に沿って低抵抗経路を生じさせて粒 状物質が濾過物を汚染できる可能性を減少させる。更に、圧縮構造体22の横方 向の圧縮領域はフィルタ20のための付加的な支持を提供し、任意の形態のデッ ドスペース24においてフィルタ20がフィルタ空所12の底部に接触ずる可能 性を最小化した。例4 第4図は本発明に係る濾過装置の別の実施の形態を示す。この実施の形態は例 1、2に記載されたような標準の方法により構成された。この実施の形態の態様 は、フィルタ20の周囲が支持され、圧縮可能となるように、横方向の圧縮領域 36と基端側圧縮領域38とを有する圧縮構造体22にある。第4A図に示すよ うに、圧縮構造体22は、大きな塊のサンプルが高速で装置に付加される場合に 特に有用である。従って、フィルタの縁に沿って与えられた予備の支持は任意の 形態のデッドスペース24においてフィルタがフィルタ空所12の底部に接触す る可能性を最小化する。 この例及び第4図で述べた実施の形態はフィルタ20のための一層大きく一層 安定した圧縮構造体22を提供する。先に述べたように、デッドスペースが毛細 管力を実質上有さず、それ故、デッドスペース24が第4図に示す実施の形態の 作動全体にわたって流体の無い状態に維持されるので、デッドスペース24は有 利である。 濾過装置にサンプルを付加する方法に従って、すなわち、大きな塊のサンプル がフィルタに迅速に付加されるか否かに応じて、圧縮領域でのフィルタの圧縮の 度合いをフィルタの厚さの約50%に増大させることができる。しかし、この圧 縮量はフィルタを通る流量に強い影響を与える。一般に、フィルタがフィルタ厚 さの約5%以上圧縮されると、フィルタ内を動くサンプルの流量が減少する。 第4D、4E図に示すように、蓋18は、蓋18をベース10に対して組立て たときにフィルタ20の上方に位置する蓋空所42を有し;蓋空所は圧縮構造体 22位置においてはフィルタの上方の領域内へ延びない。従って、圧縮構造体2 2は、蓋18に対して完全なフィルタ20を圧縮することなく、フィルタ空所1 2内でフィルタ20をシールし、保持するのに必要な任意の度合いにフィルタ2 0を圧縮して、フィルタ20を通る全体の流体流れを遅くすることができる。 表2は、末端側圧縮領域40を一定に保ったまま基端側領域38及び横方向領 域36の面積を変化させた効果を示す。結果は、合計面積が横方向又は基端側の 圧縮領域を持たない状態から0.05in2の組み合わせた面積まで増大すると 、流量が5μl/分から0.5μl/分に減少したことを示した。 従って、表2は圧縮構造体22の基端側領域38及び横方向領域36の組み合 わせ面積の変化による流量への強い影響を示すデータを提供する。 1 は構造体22の基端側領域38及び横方向領域36の組み合わせ面積 [平方インチ] 2 は圧縮された合計フィルタ面積の百分率例5 第5図は圧縮構造体22の別の実施の形態を示す。特に、圧縮構造体22はデ ッドスペース24を2つの別個のデッドスペースに分割する支持バー23(第5 A、5B図)を有するように延長された。圧縮構造体22の支持バー23は流体 アクセスポート14に隣接してその僅かに下流側に位置するフィルタ20の領域 内でフィルタに付加的な支持を付加した。更に、支持バー23は圧縮構造体22 の他の領域に比べて異なる圧縮を提供できる。支持バー23は、フィルタの周辺 表面と空所の壁との間でのサンプルの流れを排除するのに丁度十分な圧縮をフィ ルタの小さな表面積上に提供できるが、この圧縮は装置を通る流体流れを妨げた り消失させたりするほど大きくはない。 表3は圧縮構造体22の末端側圧縮領域40の面積の変化に基づく流量のデー タを示す。表3は第5A−C図に示す実施の形態のための流量、血漿回収容積及 びフィルタ圧縮百分率に関する経験的なデータを提供する。従って、表3は末端 側圧縮領域40でフィルタの元の厚さの4%から31%までフィルタ20を圧縮 したときに、領域特定圧縮を維持した状態で、流量が約3μl/分から2μl/ 分へと減少することを示す。表3のデータは第5図に示すように具体化された装 置の入口ポートへ人間の新鮮な完全血液を付加することにより得られたものであ る。このような各装置はフィルタ20(ロット番号94−49B、厚さ0.06 6cm、アールストロム・チトセップ社製)を間に挟んで蓋18に超音波結合さ れたベース10(Polysar NAS 30(登録商標名)、コネチカット 州マジソンのポリサー社製)を有していた。 好ましくは、フィルタ20に接触する圧縮構造体22の表面積は最小に保持さ れる。全体のフィルタを圧縮した場合、全体のフィルタの有効多孔性が低下する ので、フィルタ20からの流量及び濾過流体回収は実質的に減少する。 各例2−5においては、フィルタ20のシールはフィルタ20のある領域にお ける圧縮を使用した。各例において、圧縮構造体22の形状を変化させた。当業 者なら、粒状サンプルに使用する圧縮領域の形状の選択は、フィルタ支持、流量 又は粒子の遅滞の如きパラメータを強調したい度合いに基づき、本開示から容易 に認識できよう。例えば、第3図の圧縮構造体22を使用すれば、血漿内への赤 血球の漏洩が減少し、流量を最大化したまま分離効率が増大した。例6 第6A−D図は本発明の現時点で好ましい実施の形態を示す。この実施の形態 は流体サンプルを安全に収容するサンプルリザーバ26(第6D図)を提供した 。好ましくは、サンプルリザーバ26は毛細管空間を有し、フィルタ20及び退 出領域17と流体連通する。 第6図に示す実施の形態は次のように構成された。ベース10は射出成形技術 を使用して製造し、白色アクリル共重合体(Polysar NAS 30(登 録商標名))で作った。全体の装置の長さ、幅及び厚さはそれぞれ8.7、3. 5及び0.26cmとした。ベース10の表面は標準の方法に従ったガスプラズ マでの処理により親水性にした。代わりに、表面を親水性にするため、コロナ放 電処理を使用した。 第6D図に示すように、僅かに超過寸法としたフィルタ20を圧縮構造体22 及び二重領域デッドスペース24へ嵌め込んだ。フィルタ20(Ahlstro m CytoSep(登録商標名)フィルタ、ペンシルバニア州のマウント・ホ リー・スプリングス社製)はセルロースとホウケイ酸塩ガラスとポリエステル繊 維との混合物で作った。その厚さは0.063cmとし、約200μlの吸収容 積を有していた。フィルタの支持を高めるため、フィルタポスト28を追加し、 これらのポストはフィルタ20の安定性及び位置決めを改善するものと思われる 。 透明なプラスチックで作った蓋18をベース10に超音波溶接した。蓋は約8 ×2.5×0.1cmの寸法を有していた。ベース10への蓋18の結合により 、元の厚さに関する約4%のフィルタ20の僅かな圧縮が生じた。構造体22に おける領域特定圧縮は、フィルタ20の周辺表面上での流体及び粒子の流れを阻 止する助けとなるシールを生じさせた。 表4−6は退出領域17のための流量データを含んでいる。表4−6のデータ は少なくとも15μlの濾過流体を得る実験から得たものである。 例えば、表4に示すように、圧縮構造体22によるフィルタ20の25%の圧 縮がフィルタにおけるサンプルの流量を23%もの大きさだけ低下させた。圧縮 を約50%に増大させると、流量が61%まで減少した。 表5はフィルタからの流体流れに対する支持バー23によるフィルタ圧縮の効 果を示す。末端側圧縮領域40でのフィルタ20の一定の1%の圧縮を基準(con trol)とした。支持バー23によるフィルタ厚さの圧縮が1%から50%に増大 すると、流量は6.4μl/分から1.7μl/分へと減少した。 表6はフィルタからの流体流れに対する末端側領域40及び支持バー23の双 方におけるフィルタ圧縮の効果を示す。圧縮領域がフィルタの圧縮を1%から5 0%に増大させると、流量は6.4μl/分から1.8μl/分へと減少した。 フィルタの孔又はマトリックスが圧縮により小さくされ、流れに対する抵抗が 増大するため、サンプルの流量は減少した。ここに開示するように、蓋18が第 4D図に示すように蓋空所42を有するように修正された場合は、流体の流量を 実質的に減少させずに圧縮構造体22でのフィルタの圧縮は50%もの大きさに なることができる。 流体アクセスポート14はサンプルリザーバ26の上方に位置した。当業者な ら、流体アクセスポート14がフィルタ20(第6D図)の一部と共にサンプル リザーバ26上に位置できることを認識できよう。蓋18及びベース10はフィ ルタ20の下流縁に隣接して(即ち、フィルタ20の流体出口領域16に隣接し て)流体退出領域17(第6D図)を形成した。好ましくは、流体退出領域は毛 細管空間を有することができる。退出領域17が毛細管を有するような実施の形 態においては、退出領域17はフィルタ出口領域16に隣接した25μm×1. 0cmの寸法の横断面を有し、毛細管ギャップ(ここでは、毛細管空間としても 参照される)を生じさせる。毛細管を有する流体出口領域の寸法は約0.1μm から約100μmまで、最も好ましくは約10μmから50μmまで変化できる 。 退出領域17の毛細管能力は、流れ経路の前又はこれに沿った任意の地点で外 部の圧力を適用することなく流体を退出領域内へ引き込むような実施の形態にと って重要であった。このような実施の形態に対しては、フィルタ20及び退出領 域17の相対毛細管能力はフィルタから退出毛細管内への流体の運動を与えるよ うに設計された。従って、退出領域17は最大の毛細管能力を有し、フィルタ2 0は中間の毛細管能力を有し、サンプルリザーバ26は最も低い毛細管能力を有 する。サンプルリザーバの毛細管能力はフィルタ及び下流側の装置(特に、米国 特許第5,458,852号明細書に記載されたような装置)へ流体が進入する のを阻止するような大きさにすべきでない。 第6D図に示すように、サンプルリザーバ26はフィルタ20の頂部、底部及 び縁に流体連通する。当業者なら、サンプルリザーバ内の流体に接触するフィル タの表面積を変えることができ、流体に接触するフィルタの表面積を最大化する と、フィルタに侵入できない粒状物質がより大きな領域にわたって拡散し、フィ ルタの目詰まりの傾向が減少するので、フィルタの濾過特性が改善されることを 認識できよう。 サンプルリザーバ26はまた装置への種々の容積のサンプルの付加を容易にす る。当業者なら、装置により分析評価されるべきサンプルの容積を収容するよう にサンプルリザーバ26の容積を調整すべきであることを認識できよう。サンプ ルリザーバのための好ましい容積は0.1μlから1000μlまでの間であり 、特に好ましい容積は5μlから300μlまでの間である。 1つの実施の形態においては、サンプルリザーバ26は蓋18をベース10に 取り付けたときに毛細管空間を構成し;それ故、リザーバ26の毛細管ギャップ の寸法は、流体流れ及び濾過が得られるように、種々の装置の領域の毛細管能力 に従って設計される。 有利なことには、流体リザーバ26の毛細管力はリザーバ内に流体サンプルを 保持させ、装置からの流体サンプルの溢れ又は駆出の危険性を最小化した。これ は、流体サンプルが、例えば、有害なバクテリアやウィルスで汚染されるかもし れない生物学的流体又は汚染物質で汚染された環境的な水サンプルである場合に 特に有利である。 好ましくは、リザーバ26は蓋18内に通気穴30を有する。通気穴30は流 体サンプルで満たされている間にリザーバ28からの空気の排出を可能にし、リ ザーバの一層完全な充填を容易にする。 第6図に示すようなザンプルリザーバ26の特に好ましい実施の形態はリザー バ26の床上及びフィルタステイ32上の溝34を含む。溝(又は他の適当な構 造)が無い場合、サンプルリザーバ26の床が平坦なときには、あるサンプル流 体がサンプルリザーバ26の隅部に毛細管作用により保持された。1つの実施の 形態においては、溝34はほぼ0.013cmの深さ及び0.043cmの幅を 有し、サンプル流体が溝34に沿う流れによりフィルタ20に導かれるように方 位決めされる。従って、溝34が、サンプル流体がリザーバから使い尽くされる ときに生じるサンプルリザーバ26の隅部に形成されたサンプル流体のメニスカ スの毛細管張力を破る作用を行うので、サンプル流体はサンプルリザーバ26の 隅部から完全に排出された。 当業者なら、溝の寸法及び方位を変史することができ、溝に代えて、本発明の 要旨を変更することなくサンプルリザーバの床から突出するポストの表面構造を 使用できることを認識できよう。 この例で述べた寸法を有する特定の実施の形態においては、EDTAと一緒に Vacutainer(登録商標名)血液収集チューブ内に吸引された人間の新 鮮な完全血液(220μl)が流体アクセスポート14を介してサンプルリザー バ26内へ付加された。同時に、流体はフィルタ20内を流れ始めた。フィルタ 20がサンプルリザーバ26より強い毛細管力を有するので、血液はサンプルリ ザーバ26からフィルタ20内へ移動し続けた。流体はフィルタ20を通って横 方向に流れ、2つの明確な流れ最前線が形成され、先行する最前線は透明な血漿 であり、後行する最前線は赤血球の如き粒状物質からなっていた。この血漿最前 線は約50秒後にフィルタ20の下流側縁(即ち、流体出口領域16)に到達し 、この時点で、血漿最前線は赤血球最前線の前方約2mmの所に位置した。上述 の寸法を有するフィルタ20においては、2mmの距離に相当する血漿の容積は 約20ないし30μlであった。この容積は赤血球がフィルタ20の下流側縁に 到達して退出領域17内へ移動する前に分析評価に利用できる血漿の容積を表し ていた。この形状が選択された理由は、分析評価結果を得るために15ないし2 0μlの容積が必要だからである。フィルタ20を通る流体流れは退出領域17 の毛細管力により高められた。上述のように、退出領域17は毛細管空間構造を 有し、血漿は、毛細管作用により、約7μl/分の流量で、フィルタから出て、 退出領域17に入った。約15ないし20μlの血漿が回収され、赤血球を含ま なかった。 好ましい実施の形態においては、退出領域17内の濾過流体が粒状物質で汚染 される可能性を最小化するため、退出領域は、一定の装置の実施の形態に対して 、粒状物質の最前線より先行する流体の容積に等しいか又はそれより小さい流体 の容積に対応する容積に適応するように設計された。従って、第6図に示す実施 の形態においては、上述の寸法により、退出領域は20−30μl又はそれ以下 に適応するように設計された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 バット,リチャード・ロジャー アメリカ合衆国カリフォルニア州95126, サン・ノゼ,デービス・ストリート 1646,ナンバー18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 装置において、 流体サンプル内の液体物質から粒状物質を分離できるフィルタと; 上記フィルタの領域特定圧縮を行う手段と; を有することを特徴とする装置。 2. 請求の範囲第1項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手段は 、流体サンプル内の粒状物質が上記フィルタから、当該フィルタをシールする箇 所に隣接して該フィルタの外部に位置する毛細管空間内へ、移動するのを遅滞さ せることを特徴とする装置。 3. 請求の範囲第2項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手段は 、流体サンプル内の粒状物質が上記フィルタから、当該フィルタをシールする箇 所に隣接して該フィルタの外部に位置する毛細管空間内へ、移動するのを遅滞さ せることを特徴とする装置。 4. 請求の範囲第1項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手段が 更に、流体不透過性のにかわ、シーラント又は圧力接着テープを使用することを 特徴とする装置。 5. 請求の範囲第1項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手段が 2つ又はそれ以上の表面間で上記フィルタを圧縮することを特徴とする装置。 6. 請求の範囲第5項に記載の装置において、上記領域特定圧縮が上記フィル タの元の厚さの1−50%のフィルタ圧縮であることを特徴とする装置。 7. 装置において、 流体アクセス領域と流体出口領域とを有する流体透過性のフィルタと; 上記フィルタを通る流体流れ経路であって、上記流れ経路が横方向の流れ経路 であり、上記横方向の流れ経路が当該フィルタを通る横断方向の流れ経路の距離 より大きいか又はそれに等しい距離を有する流体流れ経路と; 上記フィルタからの上記流体出日領域に流体接続された毛細管空間と; を有することを特徴とする装置。 8. 請求の範囲第7項に記載の装置において、上記フィルタが上記流体アクセ ス領域に隣接して流体密の方法でシールされて、サンプル流体が当該流体アクセ ス領域を通ってのみ当該フィルタに進入できるようにしたことを特徴とする装置 。 9. 請求の範囲第7項に記載の装置において、上記フィルタの周辺表面及び装 置の領域により画定されたデッドスペースを更に有することを特徴とする装置。 10. 請求の範囲第7項に記載の装置において、上記フィルタの周辺表面を通 る当該フィルタ内の任意の粒状物質の運動を遅滞させる手段を更に有することを 特徴とする装置。 11. 請求の範囲第10項に記載の装置において、上記フィルタがすべての周 辺表面上で粒子密の方法でシールされて、粒状物質を含むサンプルに対して、当 該フィルタ内の任意の粒状物質が該フィルタ内に保持され、該フィルタの周辺表 面に沿った毛細管空間内の任意の流体が粒状物質を含まなくなることを特徴とす る装置。 12. 請求の範囲第11項に記載の装置において、上記フィルタがすべての周 辺表面上で液密の方法でシールされることを特徴とする装置。 13. 請求の範囲第11項に記載の装置において、上記フィルタがすべての周 辺表面上で流体密の方法でシールされることを特徴とする装置。 14. 請求の範囲第7項に記載の装置において、領域特定圧縮を行う手段を更 に有することを特徴とする装置。 15. 請求の範囲第14項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手 段が更に、流体不透過性のにかわ、シーラント又は圧力接着テープを使用するこ とを特徴とする装置。 16. 請求の範囲第14項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手 段が2つ又はそれ以上の表面間で上記フィルタを圧縮することを特徴とする装置 。 17. 請求の範囲第7項に記載の装置において、上記フィルタのサンプルアク セス領域に流体接続したサンプルリザーバを更に有することを特徴とする装置。 18. 請求の範囲第17項に記載の装置において、上記サンプルリザーバが毛 細管空間を構成することを特徴とする装置。 19. 請求の範囲第7項に記載の装置において、上記流体出口領域に流体接続 した上記毛細管空間が分析評価結果を生じさせる手段を有することを特徴とする 装置。 20. 流体サンプルを分析評価する方法において、 請求の範囲第17項に記載の装置の上記流体アクセス領域に流体を付加する工 程を有することを特徴とする方法。 21. 流体サンプルを分析評価することのできる装置において、 流体サンプル内の粒状成分をサンプル内の液体成分から分離することのできる フィルタと; 上記フィルタを収容する領域と; 上記フィルタを収容する領域への流体アクセスポートを画定する領域と; 上記フィルタを収容する領域からの流体出口ポートを画定する領域と; 上記フィルタを通り、上記流体アクセスポートを上記流体出口ポートに接続す る流体流れ経路であって、上記流れ経路が、当該流れ経路に沿った任意の地点に 垂直な方向で決定されるような当該フィルタの最大横断面距離の流れ経路より大 きいか又はそれと等しくなっている流体流れ経路と; を有することを特徴とする装置。 22. 請求の範囲第21項に記載の装置において、上記フィルタの領域特定圧 縮を行う手段を更に有することを特徴とする装置。 23. 請求の範囲第21項に記載の装置において、上記フィルタの周辺表面及 び装置の領域により画定されたデッドスペースを更に有することを特徴とする装 置。 24. 請求の範囲第21項に記載の装置において、上記フィルタの周辺表面を 通る当該フィルタ内の粒状物質の運動を遅滞させる手段を更に有することを特徴 とする装置。 25. 請求の範囲第24項に記載の装置において、上記フィルタがその周辺表 面上で粒子密の方法でシールされることを特徴とする装置。 26. 請求の範囲第25項に記載の装置において、上記フィルタがその周辺表 面上で液密の方法でシールされることを特徴とする装置。 27. 請求の範囲第26項に記載の装置において、上記フィルタがその周辺表 面上で流体密の方法でシールされることを特徴とする装置。 28. 請求の範囲第21項に記載の装置において、上記流体アクセスポートに 流体接続したサンプルリザーバを更に有することを特徴とする装置。 29. 請求の範囲第28項に記載の装置において、上記サンプルリザーバが毛 細管空間を更に有することを特徴とする装置。 30. 請求の範囲第21項に記載の装置において、上記流体出口ポートに流体 接続した退出領域を更に有することを特徴とする装置。 31. 請求の範囲第30項に記載の装置において、上記退出領域が毛細管空間 を有することを特徴とする装置。 32. 請求の範囲第30項に記載の装置において、上記退出領域が分析評価結 果を生じさせる分析評価手段を有し、上記分析評価手段が分析評価結果を生じさ せるために設定容積の液体を必要とすることを特徴とする装置。 33. 請求の範囲第32項に記載の装置において、上記退出領域が、少なくと も、分析評価結果を生じさせるのに必要な液体の設定容積である容積を有するこ とを特徴とする装置。 34. 分析評価結果を生じさせる方法において、 請求の範囲第32項に記載の装置のサンプルアクセスポートにある容積の流体 サンプルを付加する工程を有し; 上記容積が分析評価結果を生じさせるために上記分析評価手段により必要とさ れる容積より大きいか又はそれに等しいことを特徴とする方法。 35. 単一のステップで流体サンプルを分析評価できる装置であって、装置を 通る流体の運動が実質上毛細管力の作用のみにより生じるような装置において、 流体サンプル内の粒状成分をサンプル内の液体成分から分離することのできる フィルタと; 上記フィルタを収容する領域と; 上記フィルタを収容する領域への流体アクセスポートを画定する領域と; 上記フィルタから、当該フィルタと上記フィルタを収容する領域との間の領域 内への粒子の運動を遅滞させる手段と; 上記フィルタを収容する領域からの流体出口ポートを画定する領域と; 上記フィルタを通り、上記流体アクセスポートを上記流体出口ポートに接続す る流体流れ経路であって、上記流れ経路が当該フィルタを通る横方向の流れ経路 であり、上記横方向の流れ経路が該フィルタを通る横断方向の流れ経路の距離よ り大きいか又はそれに等しい距離を有し、粒状物質を実質上含まないサンプル流 体が当該出口ポートを通して該フィルタから解放されるようになった流体流れ経 路と; 上記出口ポートに流体接続された退出領域と; を有することを特徴とする装置。 36. 請求の範囲第35項に記載の装置において、上記流体アクセスポートに 流体接続したサンプルリザーバを更に有することを特徴とする装置。 37. 請求の範囲第36項に記載の装置において、上記サンプルリザーバが毛 細管空間を有することを特徴とする装置。 38. 請求の範囲第37項に記載の装置において、上記サンプルリザーバが毛 細管距離だけ離れた表面を有することを特徴とする装置。 39. 請求の範囲第35項に記載の装置において、上記フィルタの領域特定圧 縮を行う手段を更に有することを特徴とする装置。 40. 請求の範囲第39項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手 段が2つ又はそれ以上の固体表面間でフィルタマトリックスを圧縮することを特 徴とする装置。 41. 請求の範囲第40項に記載の装置において、上記領域特定圧縮を行う手 段が上記フィルタの元の厚さの1−50%のフィルタ圧縮であることを特徴とす る装置。 42. 請求の範囲第39項に記載の装置において、上記フィルタ内で任意の粒 状物質を保持する手段を更に有することを特徴とする装置。 43. 請求の範囲第42項に記載の装置において、上記粒状物質を保持する手 段が流体不透過性のにかわ、シーラント又は圧力接着テープを使用することを特 徴とする装置。 44. 請求の範囲第35項に記載の装置において、上記退出領域が毛細管空間 を有することを特徴とする装置。 45. 請求の範囲第44項に記載の装置において、上記退出領域が毛細管距離 だけ離れた表面を有することを特徴とする装置。 46. 請求の範囲第35項に記載の装置において、上記退出領域が分析評価結 果を生じさせる手段を有することを特徴とする装置。 47. 分析評価結果を生じさせる方法において、 請求の範囲第46項に記載の装置の上記流体アクセスポートに流体を付加する 工程を有することを特徴とする方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004029619A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Arkray, Inc. 分析用具
US7201042B2 (en) 2002-11-01 2007-04-10 Arkray, Inc. Measuring instrument provided with solid component concentrating means
JP2011504588A (ja) * 2007-11-26 2011-02-10 アトノミックス アクティーゼルスカブ 物理障壁を含む隔離デバイス

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