JP2002508156A - Hsp60ファミリーのStreptococcus熱ショックタンパク質 - Google Patents

Hsp60ファミリーのStreptococcus熱ショックタンパク質

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JP2002508156A JP2000527654A JP2000527654A JP2002508156A JP 2002508156 A JP2002508156 A JP 2002508156A JP 2000527654 A JP2000527654 A JP 2000527654A JP 2000527654 A JP2000527654 A JP 2000527654A JP 2002508156 A JP2002508156 A JP 2002508156A
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リー ミッツェン,
ジャン ウィスニュースキー,
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Abstract

(57)【要約】 Streptococcus pneumoniaeおよびStreptococcus pyogenesに対して特異的な、単離された核酸分子を含む方法および組成物、ならびにStreptococcus pneumoniaeおよびStreptococcus pyogenesに対して特異的な、ベクター構築物および単離されたポリペプチドが、提供される。このような組成物および方法は、Streptococcus感染を診断するため、およびStreptococcus細菌に対する免疫応答を生じるために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の技術分野) 本発明は、特に、Streptococcus pneumoniaeおよび
Streptococcus pyogenes由来の、Streptococ
cus Hsp60タンパク質(そのフラグメント)、ならびにこのようなタン
パク質およびフラグメントをコードする核酸分子、ならびにこのようなタンパク
質および核酸分子の使用に関する。
【0002】 (発明の背景) 世界保健機関は、世界中で、5歳以下での小児の死亡の約30%、すなわち約
400〜500万人が、急性呼吸感染から生じると見積った。David Kl
ein、Pneumococcal Conjugate Vaccines:
Review and Update、Microbial Drug Res
istance 1:49、1995。これらの死亡の原因となる最も頻繁な原
因となる因子は、Streptococcus pneumoniaeであり、
これはまた、肺炎球菌として呼ばれ、そして静脈洞炎、耳炎、肺炎、菌血症、お
よび髄膜炎のような広範な種々の感染を生じる。この生物は、健康な小児の15
〜35%および呼吸感染を患う小児の80%までの呼吸粘膜に見出される。Gr
ayら、J.Infect.Dis.142:923.1980;Hendle
yら、J.Infect.Dis.132:55、1975。さらにStrep
tococcus pneumoniaeは、70,000の髄膜炎での死亡、
ならびに敗血症および他の感染に由来する同様の数の死亡の原因である。
【0003】 発展途上国では、肺炎球菌感染は、5歳以下の小児のうちの約120万人の死
亡の原因であり、これは、全ての肺炎に関連する死亡の約40%に対応する。世
界保健機関、Pneumococcal Conjugate Vaccine
sは、1993年11月15〜17日の会合の報告書(WHO/ARI/94.
34)中で報告した。工業国では、アメリカ合衆国を例として挙げると、肺炎球
菌は、一般の集団における重篤な病的状態、ならびに高齢者および免疫無防備状
態の集団の死亡の主な原因である(Kleinら(前出))。肺炎球菌は、年を
取った成人において、任意の他の感染因子よりも多い死亡(約50,000件)
を生じる。ハイリスクな個体は、鎌状赤血球貧血、ネフローゼ症候群、無脾症、
アルコール症およびHIV感染を患う個体を含む。肺炎球菌はまた、2歳以下の
小児に対して大きな危険性を引き起こす。2歳未満の乳児では、肺炎球菌は、髄
膜炎、菌血症および中耳炎の主要な原因である。生命の初めの2年内では、約2
5%の小児が肺炎球菌により引き起こされる中耳炎を経験し、6歳までに割合は
75%にまで上昇する。フィンランドでは、2歳の小児は、平均して、中耳炎の
1つより多いのエピソードを経験した。急性中耳炎の症例の約半数は、肺炎球菌
により引き起こされたと決定された。Eskola,J.およびKaeyhty
,H.、Ann.Med.27:53、1995。
【0004】 肺炎球菌は、型特異的莢膜多糖類を有するグラム陽性生物である。83の異な
る型の特異性が同定されており、そしてアメリカのシステムで1〜83と命名さ
れている。Jennings、Current Topics in Micr
obiology and Immunology 150:97〜121、1
990。異なる肺炎球菌の多糖類の構造は、The Polysacchari
des 2:282〜363(Aspinal編、1983)中でKenneお
よびLindbergにより総説されている。
【0005】 Streptococcus pneumoniaeに対する免疫応答を生成
する効果的な方法に対する必要性は、昔から認識された。1945年には、単離
された莢膜多糖類は、ヒトにおいて型特異的防御を提供し得ることが実証された
。MacLeodら、J.Exp.Med.82:445〜65、1945。し
かし、この防御は、完全な防御に必要とされる異なる多糖類の数が多いことに起
因して不適切であった。ワクチンにおける関心は、感染の抗生物質処置の成功に
よりすぐに鎮静した。
【0006】 最近、有効なワクチンの開発における関心が再び始められた。1つの理由は、
肺炎球菌のような被包性細菌により引き起こされる感染疾患の抗生物質の処置が
、いつも罹患および死亡を予防するとは限らないこということである。類似の例
について、治癒したHemophilus influenzae髄膜炎は、後
天性の精神遅滞の主要な原因であった。Sellら、Pediatrics 4
9:206〜11、1972。ワクチン開発において再び始まった関心について
の別の重要な理由は、肺炎球菌の抗生物質耐性株の出現および迅速な広がりであ
った。例えば、フランスのパリにおける2つの病院では、患者から単離された耐
性株の頻度は、1987年で1.8%であったのが1990年では17%に上昇
した。スペインのバルセロナでは、耐性の割合は、1979年で4.3%であっ
たのが1990年では40%に上昇した。LonksおよびMedeiros、
Antimicrobial Therapy 1 79:523〜35、19
95を参照のこと。多剤耐性肺炎球菌はまた、アメリカ合衆国の50の州のうち
18を含む多数の国で出現した。
【0007】 83の莢膜型のうち14に対する多糖類抗原を含むワクチンが開発され、そし
て1978年に発表された。LonksおよびMedeiros(前出)。この
ワクチンは、23の異なる多糖類を含む第2世代ワクチンの作製により1983
年に改良された。しかし、このワクチンを使用する2つの大きな研究(1つは、
2837人の患者)は、この改良されたワクチンが肺炎球菌菌血症に対して約5
7%のみの効力であったことを示した。Butlerら、JAMA 270:1
826、1993。
【0008】 多糖類に基づいたワクチンの弱点は、これらのワクチンの効力がこれらのワク
チンに非常に応答しにくい2歳未満の乳児において問題であるということである
。Gotschlichら、Antibodies in Human Dia
gnosis and Therapy 391〜402(Haber and
Krause編、1977)。さらなる弱点は、多糖類に基づくワクチンによ
り産生される抗体が主にIgMアイソタイプであり、従って、免役応答が抗原に
対する第2の曝露で増強されないということである。
【0009】 多糖類に基づくワクチンについてのこれらおよび他の問題は、当該分野におい
て、Streptococcus pneumoniaeに関する免疫応答を生
成するために使用され得る、改良された組成物に対する需要が存在することを実
証する。
【0010】 A型streptococcus(「GAS」)としても呼ばれる、Stre
ptococcus pyrogenesに関して、急性咽頭炎(連鎖球菌性咽
頭炎)から、心臓弁の変性(急性リウマチ熱)および急性溶連菌感染後性糸球体
腎炎を含む侵襲性疾患に及ぶ、多数のヒト疾患状態と原因的に関連するグラム陽
性細菌でもある。Facklam、Development of Group
A Streptococcal Vaccines、Manual of
Clinical Microbiology 1〜22(Lennette、
Balows、HauslerおよびTruant編、1980)。この細菌に
よる感染はまた、インペチゴ(化膿性粘膜感染)、侵襲性筋膜炎(すなわち、人
喰いバクテリア症)、腫脹および皮膚膿瘍(膿皮症)、猩紅熱、、敗血症、重篤
なトキシックショック様症候群および肺炎を生じ得る。
【0011】 抗生物質治療の適用の前に、リウマチ熱は、小児における死亡および全身性感
染を生存した個体における慢性心臓疾患を生じる主な原因であった。発展途上国
では、リウマチ熱はなお、非常に大きな問題である。インドでは、6百万人を越
える就学年齢の子供がリウマチ性心臓疾患を患っていると見積もられている。A
garwalら、Lancet I 910〜11、1981。アメリカ合衆国
では、CDCは、毎年Streptococcus pyogenes誘導性咽
頭炎の2500〜4000万人の症例が生じており、医者への訪問、培養研究お
よび抗生物質治療のために20億ドル以上の費用がかかっていると見積もった。
生物により引き起こされるトキシックショック様症候群においてもまた上昇が存
在している。現在、連鎖球菌性およびブドウ球菌性トキシックショック様感染の
10,000〜15,000症例がアメリカ合衆国で毎年生じている。現在、G
AS感染は、抗生物質を用いて処置されているが、肺炎球菌(上記に詳述される
)を含む他の細菌について公知であることを考慮した場合、抗生物質耐性株の増
殖が懸念される。
【0012】 GASは、ラムノースおよびN−アセチルグルコサミンを含む、それらのA型
糖質細胞壁部分によって他の連鎖球菌から区別される。GASの異なる株は、血
清学的に、それらのMタンパク質またはT抗原に基づいて分類される。GASは
、病理学的な株を特徴付けるための原則的な基礎を形成する、80〜100の異
なるMタンパク質群に分類され得る。このMタンパク質は、表面タンパク質であ
り、そして主要な病原性因子および主要な保護性抗原の両方である。Lance
field、J.Immunol.89:307、1962。Mタンパク質に対
する抗体は、オプソニンであり、そして食細胞による細菌の殺傷を促進する。L
ancefield、前出。
【0013】 Mタンパク質は、ワクチンの構成に潜在的に有用であるが、いくつかの障害が
効果的なワクチンまでの道のりに残っている。第1に、このMタンパク質は、ヒ
ト組織、特に心筋層と交差反応するエピトープを含む。DaleおよびBeac
hy、J.Exp.Med.161:113、1985。従って、抗Mタンパク
質抗体は、疾患を予防するよりもむしろ疾患を生じ得る。第2に、GASの全て
の80〜100の異なる株に対するワクチンを産生することは実用的であり得な
い。少数の型のMタンパク質のみを含む任意のワクチンは、部分的にのみ有効で
あり得る。第1の問題は、免疫源のような交差反応性エピトープを欠損するMタ
ンパク質フラグメントを使用することによって克服され得るが(Daleら、J
.Immunol.151:2188〜94、1993)、このようなアプロー
チは未だ、証明されておらず、そして多数の異なるMタンパク質に対する免疫化
の後者の問題はまだ、克服されることが必要である。従って、当該分野において
、Mタンパク質の抗原性に基づかないS.pyogenesに対する免疫原性応
答を生成することを提供する組成物が必要である。
【0014】 (発明の要旨) 本発明は、Streptococcus pneumoniaeおよびStr
eptococcus pyogenesに特異的な単離された核酸分子を含む
方法および組成物、ならびにStreptococcus pneumonia
eおよびStreptococcus pyogenesに特異的なベクター構
築物および単離されたポリペプチドを提供する。このような組成物および方法は
、Streptococcus感染を診断するため、およびStreptoco
ccus細菌に対する免疫応答を生じるために有用である。
【0015】 従って、本発明の1つの局面において、Streptococcus pne
umoniae Hsp60および/またはStreptococcus py
ogenes Hsp60をコードする、単離された核酸分子を提供する。いく
つかの実施態様において、単離された核酸分子は、以下からなる群から選択され
る:(a)配列番号1のヌクレオチド15〜1652の配列を含む単離された核
酸分子;(b)配列番号3のヌクレオチド15〜1640の配列を含む単離され
た核酸分子;(c)配列番号5のヌクレオチド15〜1649の配列を含む単離
された核酸分子;(d)配列番号7のヌクレオチド15〜1652の配列を含む
単離された核酸分子;(e)(a)〜(d)に記載される配列番号1、3、5ま
たは7のヌクレオチドの任意の1つにそれぞれ相補的な、単離された核酸分子;
(f)(a)〜(e)の任意の1つの核酸分子に対して高ストリンジェンシー条
件下でハイブリダイズする、単離された核酸分子。
【0016】 1つの局面における別の局面において、本発明は、配列番号1のヌクレオチド
15〜1652、配列番号3のヌクレオチド15〜1640、配列番号5のヌク
レオチド15〜1649、もしくは配列番号7のヌクレオチド15〜1652の
任意の1つの核酸分子、またはそれらの相補体に対して高ストリンジェンシー条
件下において特異的にハイブリダイズする、単離された核酸分子を提供する。さ
らなる局面において、本発明は、配列番号1のヌクレオチド15〜1652、配
列番号3のヌクレオチド15〜1640、配列番号5のヌクレオチド15〜16
49、もしくは配列番号7のヌクレオチド15〜1652の任意の1つの少なく
とも25%の連続するヌクレオチド塩基を含むセグメントまたはそれらの相補体
に同一のヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子、あるいは配列番号2、4
、6もしくは8の任意の1つを含むポリペプチドをコードする核酸配列を含むH
sp60、または配列番号2、4、6もしくは8の任意の1つに記載されるポリ
ペプチドに対して少なくとも95%相同である改変Hsp60をコードする単離
された核酸分子を提供する。
【0017】 1つの実施態様において、本発明は、上記のような単離された核酸分子であっ
て、すなわち、Streptococcus pneumoniae Hsp6
0またはStreptococcus pyogenes Hsp60に対して
特異的な抗体によって選択的に結合され得るポリペプチドをコードする分子を提
供する。
【0018】 1つの局面におけるさらに別の局面において、本発明は、配列番号2のアミノ
酸残基1〜545、配列番号4のアミノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ
酸残基1〜544、および配列番号8のアミノ酸残基1〜545から選択される
、StreptococcusのHsp60ポリペプチドの少なくとも8つのア
ミノ酸をコードする、単離された核酸分子を提供し、ここで、コードされるSt
reptococcusのHsp60ポリペプチドは、主要組織適合遺伝子複合
体に結合し得る。
【0019】 なおさらなる局面において、本発明は、単離されたStreptococcu
s pneumoniae Hsp60ポリペプチドおよび単離されたStre
ptococcus pyogenes Hsp60ポリペプチドを提供する。
【0020】 いくつかの実施態様において、単離されたHsp60ポリペプチドは、配列番
号2のアミノ酸残基1〜545、配列番号4のアミノ酸残基1〜541、配列番
号6のアミノ酸残基1〜544、および配列番号8のアミノ酸残基1〜545か
ら選択される、StreptococcusのHsp60ポリペプチドの任意の
1つのアミノ酸配列、またはそれらの改変体を含み、好ましくは、ここでこのポ
リペプチドは、Streptococcus pneumoniae Hsp6
0および/またはStreptococcus pyogenes Hsp60
のいずれかに対して特異的な抗体によって選択的に結合され得る。さらなる実施
態様において、この単離されたHsp60ポリペプチドは、融合タンパク質を作
製するためにさらなるポリペプチドに融合される。
【0021】 なおさらにさらなる局面において、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基1〜
545、配列番号4のアミノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜
544、および配列番号8のアミノ酸残基1〜545から選択される少なくとも
8つのアミノ酸を含む、単離されたHsp60ポリペプチドを提供し、ここで、
このHsp60ポリペプチドは、主要組織適合遺伝子複合体に結合し得、そして
ヒトにおけるStreptococcusに対する免疫応答を誘発または増強し
得る。
【0022】 特定の実施態様において、単離されたHsp60ポリペプチドは、タンパク質
分解性切断または化学合成に由来し、Hsp60またはその一部をコードする核
酸分子を含む形質転換宿主細胞の発現産物である。さらなる特定の実施態様にお
いて、単離されたHsp60ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基1〜5
45、配列番号4のアミノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜5
44、および配列番号8のアミノ酸残基1〜545から選択されるStrept
ococcusのHsp60ポリペプチドの任意の1つに対して95%より大き
い相同性を含み、そしてここで、Hsp60ポリペプチドは、Streptoc
occus pneumoniae Hsp60もしくはStreptococ
cus pyogenes Hsp60のいずれか、または両方に対して特異的
な抗体によって選択的に結合され得る。
【0023】 なおさらに別の局面において、本発明は、単離されたポリペプチドを提供し、
ここで、このポリペプチドは、本明細書中に記載される1つ以上の核酸分子を含
む形質転換宿主細胞の発現産物である。
【0024】 なおさらにさらなる局面において、本発明は、本明細書中に記載される1つ以
上の核酸分子を含むベクターを提供する。特定の実施態様において、このベクタ
ーは、Hsp60またはその一部をコードする単離された核酸分子に作動可能に
連結されたプロモーターを含む発現ベクターであり、好ましくは、選択マーカー
もしくは同定マーカーをさらに含み、および/またはここで、このプロモーター
は、構成性プロモーターもしくは誘導性プロモーターである。本発明はまた、こ
のようなベクターを含む宿主細胞を提供する。特定の実施態様において、この宿
主細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、および昆虫細胞からなる群から
選択される。
【0025】 なおさらに他の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるようなHs
p60ポリペプチドを薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈液と組み合わせて
含む組成物を提供する。特定の実施態様において、この組成物は、全身投与、経
口投与または非経口投与に適切である。
【0026】 さらに他の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるようなHsp6
0ポリペプチドの有効量を、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈液と組み合
わせて哺乳動物に投与する工程を含む、Streptococcusに対する哺
乳動物における免疫応答を誘発または増強するための方法、本明細書中に記載さ
れるようなHsp60ポリペプチドに結合されている標的抗原を、薬学的に受容
可能なキャリアまたは希釈液と組み合わせて哺乳動物に投与する工程を包含する
、標的抗原に対して哺乳動物における免疫応答を誘発または増強するための方法
を提供する。
【0027】 別の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるような単離された核酸
分子を含む組成物を提供し、ここで、この単離された核酸分子は、Strept
ococcus以外の生物由来のHsp60タンパク質の対応するポリペプチド
との少なくとも1つのアミノ酸の相違を有するポリペプチドをコードする。
【0028】 本発明のこれらの局面または他の局面は、本明細書および添付された図面を参
照すれば明確になる。さらに、種々の参考文献は、特定の手順または組成物(例
えば、プラスミドなど)をより詳細に記載する本明細書中で示される;すべての
このような参考文献は、これらの全体が本明細書中で参考として援用される。
【0029】 (発明の詳細な説明) 本発明は、Streptococcus pneumoniaeおよびStr
eptococcus pyogenesに特異的な単離された核酸分子および
ポリペプチドを含む方法および組成物、ならびにベクター構築物、抗体、および
単離された核酸分子およびポリペプチドに関連する他の物質を提供する。このよ
うな組成物および方法は、Streptococcusの感染の診断に、および
Streptococcus属の細菌に対する免疫応答を生じるために有用であ
る。
【0030】 「熱ショック遺伝子」としても公知の「ストレス遺伝子」はまた、ストレッサ
ー(例えば、熱ショックまたはグルコース欠乏またはグルコース添加)への(こ
の遺伝子を含む)生物の接触または曝露に起因して、活性化されるか、そうでな
ければ検出可能に上方制御される遺伝子である。所定の「ストレス遺伝子」はま
た、このような相同遺伝子それ自体がストレッサーによって誘導されなかったと
しても、公知のストレス遺伝子ファミリー内のこのような相同遺伝子(例えば、
Hsp60、Hsp70、およびHsp90ストレス遺伝子ファミリー内の特定
の遺伝子)を含む。本明細書中で定義される、「熱ショックタンパク質」(「H
sp」)としても公知である「ストレスタンパク質」は、ストレス遺伝子により
コードされ、それゆえ、代表的には、生物がストレッサーに接触または曝露され
た際に有意に多い量で生成される、タンパク質である。本明細書中で使用される
用語、ストレス遺伝子およびストレスタンパク質の各々は、文脈がそうでないこ
とを示さない限りは、他方を含む。StreptococcusのHsp、なら
びに他の生物由来のHspは、重要な細胞プロセス(例えば、タンパク質合成な
らびにタンパク質複合体の組み立ておよび解体)に関与するようである。
【0031】 種々のストレス遺伝子およびストレスタンパク質は、当該分野で周知であり、
そして例えば、Hspl00−200、Hsp100、Hsp90、Lon、H
sp70、Hsp60、TF55、Hsp40、FKBP、シクロフィリン、H
sp20−30、ClpP、GrpE、Hsp10、ユビキチン、カルネキシン
、ペプチジルプロリルシス−トランスイソメラーゼ、およびタンパク質ジスルフ
ィドイソメラーゼを含む。Macario,A.J.L.,Int.J.Cli
n.Lab.Res.25:59−70,1995;Parsell,D.A.
,およびLindquist,S.,Ann.Rev.Genet.27:43
7−496(1993);米国特許第5,232,833号(Sandersら
)。
【0032】 細菌では、優勢なストレスタンパク質は、約60および70kDaの分子サイ
ズを有するタンパク質(すなわち、それぞれ、Hsp60およびHsp70)で
ある。Hsp70およびHsp60は、代表的に、ドデシル硫酸ナトリウム−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動(「SDS−PAGE」)および染料クーマシー
ブルーを用いる染色パターンに基づいて約1〜3%の細菌細胞タンパク質を表す
が、ストレスが多い条件下では25%という高いレベルまで蓄積する。従って、
Hspは、動物の環境によって侵入細菌に対して与えられるストレスに起因して
、その侵入細菌において生成され、そしてこのHspは、宿主に対して提示され
、そしてそれに対して宿主が免疫応答を高める、最も重要な細菌抗原のうちのい
くつかとなった。それゆえ、StreptococcusのHspを動物に投与
することにより、このStreptococcusのHspは、動物内における
、Streptococcusに対する、好ましくは、このような細菌感染に対
する抵抗性を提供する、免疫応答を誘導し得る。従って、Streptococ
cusのHsp60遺伝子の単離により、Streptococcus関連疾障
害の診断および阻害に有用な、StreptococcusのHsp60の単離
されたポリペプチドまたはフラグメントもしくは改変体の生成のための足場が提
供される。
【0033】 本明細書中で用いられる、「ポリペプチド」とは、全長タンパク質およびその
フラグメントをいう。
【0034】 本明細書中で用いられる、「ペプチド」とは、化学的に生成されたかまたは生
物学的に生成されたかにかかわらず、タンパク質全体のフラグメントをいう。
【0035】 本明細書中で用いられる、「免疫原性の」とは、免疫応答を惹起する、抗原ま
たは組成物をいう。
【0036】 「単離された核酸分子」とは、その供給源細胞(それが通常存在する染色体を
含む)から、少なくとも一回は実質的に純粋な形態で分離された、別個のフラグ
メントの形態の、またはより大きな核酸構築物の構成要素としての、ポリヌクレ
オチド分子をいう。核酸分子は、当該分野で周知の広範な種々のヌクレオチドお
よび分子(DNA、RNA、核酸アナログ、またはこれらの任意の組合せを含む
)から構成され得る。
【0037】 本明細書中で用いられる、「ベクター」とは、目的の核酸配列の発現および/
または複製を指向し得る、ポリヌクレオチドの組み立て物をいう。このような組
み立て物は、所望であれば、他の構成要素(例えば、タンパク質、脂質、または
リポタンパク質コート)の一部として、ベクターの送達のためか、または他の目
的のために含まれ得る。
【0038】 「発現ベクター」とは、目的の核酸配列に作動可能に連結されたプロモーター
配列を少なくとも有するポリヌクレオチドベクターをいう。
【0039】 本明細書中で用いられる、「プロモーター」とは、作動可能に連結された核酸
配列の転写を指向するエレメントを含むヌクレオチド配列をいう。最小では、プ
ロモーターは、RNAポリメラーゼ結合部位を含む。プロモーター領域はまた、
定義からして、転写を増強するエンハンサーエレメントを含み得る。
【0040】 (A.Streptococcus pneumoniaeおよびStrep
tococcus pyogenes由来のHsP60遺伝子およびポリペプチ
ド) 本明細書中で用いられる、Hsp60とは、約60kDaの熱ショックタンパ
ク質を生成する、Hsp60ファミリーの遺伝子由来の熱ショック遺伝子をいう
;Streptococcus pneumoniaeおよびStreptoc
occus pyogenes由来のHsp60遺伝子および遺伝子産物のヌク
レオチドおよびアミノ酸配列を、図1〜4(配列番号1〜8;このような配列は
また、Hsp60遺伝子を単離するために用いられるPCRプライマーを含む)
に示す。本発明の状況では、Hsp60が、野生型/天然タンパク質配列、なら
びにネイティブなタンパク質配列の他の改変体(対立遺伝子を含む)およびフラ
グメントを含むことが理解されるべきである。手短には、このような改変体は、
天然の多型から生じ得るか、または組換え方法論もしくは化学合成によって合成
され得、そして1以上のアミノ酸の置換、挿入、欠失などによって野生型タンパ
ク質とは異なり得る。さらに、ネイティブな配列に相同な領域では、改変体は、
好ましくは、少なくとも95%のアミノ酸配列相同性を、そして特定の実施態様
では、97%または98%よりも大きな相同性を有するべきである。当業者によ
って認識されるように、Hsp60または改変体をコードするヌクレオチド配列
は、コドンの縮重、ヌクレオチド多型、またはヌクレオチドの置換、欠失、もし
くは挿入に起因して、本明細書中に提示されるネイティブな配列とは異なり得る
【0041】 「Streptococcus Hsp60をコードする単離された核酸分子
」とは、Streptococcusの、好ましくはStreptococcu
s pneumoniaeまたはStreptococcus pyogene
sのHsp60ポリペプチドをコードし得る核酸配列をいう。このような分子の
いくつかの実施態様を配列番号1〜4に示すが、本発明の状況では、1以上のこ
れらの遺伝子に対する参照は、この遺伝子の改変体、すなわち、天然に存在する
改変体またはこの遺伝子(そして適切な場合には、この遺伝子およびそれらの改
変体によりコードされるこのタンパク質(ペプチドおよびポリペプチドを含む)
に実質的に類似である配列を含むことが理解されるべきである。本明細書中で用
いられる、ヌクレオチド配列とは、以下の場合に「実質的に類似する」と考えら
れる:(a)このヌクレオチド配列が、Streptococcusのネイティ
ブな遺伝子のコード領域に由来し、そして実質的に同じ生物学的活性を保持する
(例えば、この配列の部分または上記の配列の対立遺伝子改変体を含む);また
は(b)このヌクレオチド配列が高いストリンジェンシーの下で本発明のヌクレ
オチド配列にハイブリダイズし得る(すなわち、Streptococcus由
来のヌクレオチド配列に選択的にハイブリダイズし得る);または(c)このヌ
クレオチド配列が、(a)もしくは(b)に規定されるヌクレオチド配列に対し
て、遺伝コードの結果として縮重している(すなわち、異なるコドン配列を用い
て同じアミノ酸をコードする配列);または(d)これが、(a)、(b)、も
しくは(c)に記載される配列のいずれかの相補体である。
【0042】 本発明の1つの局面は、動物を免疫するための組換えタンパク質の生成のため
のStreptococcus Hsp60ヌクレオチド配列の使用である。そ
れゆえ、主要組織適合遺伝子複合体に結合し得、そして免疫原性応答を惹起もし
くは増強し得るポリペプチドまたはそのフラグメントをコードする、本発明によ
り開示される任意の長さ(好ましくは24ヌクレオチド以上の長さ)の核酸の使
用は、本発明により意図される。免疫原性応答は、公知の方法(例えば、マウス
またはウサギに目的の抗原を抗原投与し、その後、血漿を収集し、そして目的の
抗体が存在するか否かを決定すること)により容易に試験され得る。T細胞応答
の検出のために特に有用な他のアッセイは、増殖アッセイ、T細胞細胞傷害性ア
ッセイ、および遅延型過敏症についてのアッセイを含む。目的の抗原に特異的な
抗体がその動物によって生成されたか否かを決定する際には、多くの診断ツール
(例えば、血漿由来抗体に対する標識抗原の結合の試験、または目的の抗原に結
合させたタグを用いる酵素連結免疫アッセイの使用)が利用可能である。
【0043】 本発明のStreptococcusのHsp60遺伝子は、種々の方法を用
いて入手され得る。例えば、核酸分子は、1以上のこれらのHsp60に反応性
の単数もしくは複数の抗体を用いてスクリーニングすることにより、cDNAま
たはゲノム発現ライブラリーから入手され得る(例えば、Sambrookら,
Molecular Cloning:A Laboratory Manua
l,Cold Spring Harbor,1989;Ausubelら,C
urrent Protocols in Molecular Biolog
y,Greene Publishing,1987を参照のこと)。さらに、
ランダムプライムPCR(random−primed PCR )が用いられ
得る(例えば、Methods in Enzymol.254:275,19
95を参照のこと)。さらに、特に、特定の遺伝子または遺伝子ファミリーが所
望される場合には、改変版のランダムプライムPCRもまた、用いられ得る。1
つのこのような方法では、プライマーのうちの一方は、ポリデオキシチミンであ
り、そして他方は、関連するHspのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列に基
づく縮重プライマーである。
【0044】 他の方法をまた用いて、StreptococcusのHsp60をコードす
る核酸分子を入手し得る。例えば、核酸分子は、本明細書中に提供される配列情
報を用いて、例えば、放射性標識、酵素標識、タンパク質標識、蛍光標識などを
用いて標識され得るプローブを合成することにより入手され得、そしてファージ
、プラスミド、ファージミド、または他のウイルス性ベクター中に構築されたゲ
ノムライブラリーまたはcDNAライブラリーに対してハイブリダイズさせ得る
(例えば、Sambrookら(前出);Ausubelら(前出)を参照のこ
と)。RNAまたはゲノム核酸配列を表すDNAもまた、実施例1に示すような
、cDNA配列の5’側および3’側の配列に相補的なプライマーの対を用いる
増幅により入手され得る。クローニングを容易にするために、制限部位もまた、
プライマーに組み込み得る。
【0045】 本明細書中に提供されるHsp60遺伝子の改変体(対立遺伝子を含む)は、
天然の改変体(例えば、多型、変異体)から容易に単離され得るか、合成され得
るか、または構築され得る。変異体を生成するための多くの方法が開発されてい
る(一般的に、Sambrookら(前出);Ausubelら(前出)を参照
のこと)。手短には、ヌクレオチド置換を生成するための好ましい方法は、変異
される単数または複数の塩基にまたがり、そして変異した単数または複数の塩基
を含む、オリゴヌクレオチドを利用する。このオリゴヌクレオチドは、相補的な
一本鎖核酸にハイブリダイズし、そして第2鎖合成は、このオリゴヌクレオチド
から開始される。二本鎖核酸は、宿主細胞(例えば、E. coli、他の原核
生物、酵母、または他の真核生物)への形質転換のために調製される。標準的な
スクリーニングおよびベクター増幅プロトコルを用いて、変異体配列を同定し、
そして高収量を得る。
【0046】 同様に、Hsp60遺伝子の欠失および/または挿入は、種々の公知の方法の
いずれかにより構築され得る。例えば、この遺伝子は、制限酵素を用いて消化さ
れ得、そして配列が欠失されるかまたは挿入もしくは大きな置換がされるように
さらなる配列と再連結されるように再連結され得る。当該分野で公知の、改変体
配列を生成する他の手段(例えば、Sambrookら(前出)およびAusu
belら(前出)を参照のこと)が用いられ得る。さらに、改変体配列の確認は
、代表的に、制限酵素マッピング、配列分析、またはハイブリダイゼーションに
より達成される。Streptococcusに特異的な免疫原性応答を惹起す
るポリペプチドをコードする改変体は、本発明の状況において有用である。
【0047】 上記で留意したように、本発明はまた、単離されたポリペプチドを提供する。
本発明の状況の中では、状況からそうでないことが明確でない限り、このような
ポリペプチドは、上記で議論したような1以上のStreptococcusの
Hsp60遺伝子由来の遺伝子産物またはそれらの誘導体の、全体、または部分
/フラグメントを含むことが理解される。本発明の1局面では、このタンパク質
は、ネイティブな遺伝子の一部によってコードされるか、またはネイティブな遺
伝子の誘導体によってコードされ、そしてこのタンパク質またはそのフラグメン
トは、Streptococcusに対して特異的な免疫応答を惹起または増強
する。
【0048】 本発明の「精製された」Hsp60ストレスタンパク質は、そのタンパク質を
生成する細胞から精製されている、Streptococcus pneumo
niaeまたはStreptococcus pyogenes由来のHsp6
0ファミリーの熱ショックタンパク質である。例えば、本発明のStrepto
coccusのHsp60ポリペプチドは、界面活性剤精製工程を含むかまたは
含まない種々の標準的な方法により精製され得る。例えば、Streptoco
ccusのHsp60は、他の方法の中でも、適切な宿主およびベクター系を用
いて培養し、組換えHsp60(本明細書中にさらに考察される)を生成するこ
とにより単離され得る。次いで、このような細胞株由来の上清もしくはHsp6
0封入体が、またはHsp60が上清中に排出されない場合は細胞全体が、種々
の精製手順により処理され得る。例えば、StreptococcusのHsp
60含有組成物を、適切な精製マトリックス(例えば、適切な支持体に結合した
抗Hsp60抗体)に適用し得る。あるいは、陰イオン交換樹脂もしくは陽イオ
ン交換樹脂、ゲル濾過、または親和性クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラ
フィー、もしくは逆相クロマトグラフィーが、このタンパク質を精製するために
用いられ得る。Hsp60ポリペプチドはまた、市販のタンパク質濃縮フィルタ
ー(例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾
過ユニット)を用いて、または減圧透析により、濃縮され得る。別の代替法では
、上清は、上記のタンパク質濃縮フィルターのうちの1つを用いて最初に濃縮さ
れ得、続いて濃縮物が、上記のような適切な精製マトリックスに適用され得る。
【0049】 1つの実施態様では、本発明の単離されたStreptococcusのHs
p60は、当該分野で周知の遺伝子操作技術を利用して組換え形態で生成される
。例えば、StreptococcusのHsp60は、ニッケルキレート化マ
トリックスでの精製を可能にするヒスチジンタグ化分子として発現され得る。あ
るいは、他のタグ(FLAGおよびGSTを含む)が用いられ得る。次いで、会
合したタグが、精製の最終工程において除去され得る。例えば、特定のベクター
については、Hisタグ化タンパク質がトロンビンとともにインキュベートされ
得、タグとHsp60ポリペプチドとの間の認識配列の切断を生じる(例えば、
InvitrogenからのpETベクター)。グラム陰性細菌宿主からのSt
reptococcusのHsp60の精製後、タグ化されているかタグ化され
ていないかにかかわらず、上記のように、Hsp60調製物におけるエンドトキ
シンのレベルを低減させることが必要である。
【0050】 (B.ベクター、宿主細胞、およびStreptococcusのHSP60
の発現) 特定のベクター(例えば、pUC)が、多コピーの目的のヌクレオチド分子を
生成するために使用され得、ならびに遺伝子操作技術(例えば、部位特異的変異
誘発)のために有用であることが当該分野で周知である。Sambrook(前
出)を参照のこと。本開示に対して特に興味深いのは、発現ベクターである。発
現ベクターは、StreptococcusのHsp60の核酸分子に作動可能
に連結された、転写プロモーターエレメント/転写エンハンサーエレメントを含
む。発現ベクターは、デオキシリボ核酸(「DNA」)、リボ核酸(「RNA」
)のいずれか,またはこの2つの組合せ(例えば、DNA−RNAキメラ)から
構成され得る。必要に応じて、発現ベクターは、ポリアデニル化配列または1以
上の制限部位を含み得る。さらに、選択される宿主細胞および用いる発現ベクタ
ーに依存して、他の遺伝的エレメント(例えば、複製起点、さらなる核酸制限部
位、エンハンサー、転写誘導性を付与する配列、および選択マーカーまたは同定
マーカーとして用いるのに適切なタンパク質をコードする遺伝子)もまた、本明
細書中に記載される発現ベクターに取り込まれ得る。
【0051】 StreptococcusのHsp60遺伝子の操作および発現は、Hsp
60遺伝子を発現し得る発現ベクターを含有する宿主細胞を培養することにより
達成され得る。このようなベクターまたはベクター構築物は、適切な転写調節エ
レメントまたは翻訳調節エレメントに作動可能に連結された、Streptoc
occusのHsp60ポリペプチドをコードする、合成またはcDNA由来の
いずれかの核酸分子またはゲノムDNAフラグメントを含む。発現ベクター内の
適切な調節エレメントは、種々の供給源(細菌、真菌、ウイルス、哺乳動物、昆
虫、または植物の遺伝子を含む)に由来し得る。適切な調節エレメントの選択は
、選択される宿主細胞に依存し、そして本明細書を考慮して当業者によって容易
に達成され得る。調節エレメントの例は、転写プロモーターおよびエンハンサー
、またはRNAポリメラーゼ結合配列、転写ターミネーター、およびリボソーム
結合配列(翻訳開始シグナルを含む)を含む。
【0052】 上記のいずれかのStreptococcusのHsp60ポリペプチドをコ
ードする核酸分子は、広範な種々の原核生物性および真核生物性宿主細胞(細菌
、哺乳動物、酵母、または他の真菌、ウイルス、昆虫、および植物の細胞を含む
)によって発現され得る。宿主細胞の選択はまた、使用者の所望に応じてグリコ
シル化されているか(glycosolated)またはグリコシル化されてい
ない(non−glycosolated)Hsp60の生成を支持し得る。こ
のような細胞を形質転換またはトランスフェクトして核酸を発現させるための方
法は、当該分野で周知である(例えば、Itakuraら,米国特許第4,70
4,362号;Hinnenら,PNAS USA 75:1929−1933
,1978;Murrayら,米国特許第4,801,542号;Upshal
lら,米国特許第4,935,349号;Hagenら,米国特許第4,784
,950号;Axelら,米国特許第4,399,216号;Goeddelら
,米国特許第4,766,075号;ならびにSambrookら,Molec
ular Cloning:A Laboratory Manual,第2版
,Cold Spring Harbor Laboratory Press
,1989を参照のこと;植物細胞については、CzakoおよびMarton
,Plant Physiol.104:1067−1071,1994;Pa
szkowskiら,Biotech.24:387−392,1992を参照
のこと)。
【0053】 本発明を実施するために適切な細菌宿主細胞は、E. coli(例えばE.
coli DH5α(Stratagene,La Jolla,Calif
ornia))、M.leprae、M.tuberculosis、M.bo
vis、B.subtilis、Salmonella typhimuriu
m、およびPseudomonas属、Streptomyces属、Stre
ptococcus属、およびStaphylococcus属の種々の種、な
らびに当業者に周知の他の多くの細菌種を含む。
【0054】 細菌発現ベクターは、好ましくは、宿主細胞中で機能するプロモーター、1以
上の選択可能な表現型マーカー、および細菌の複製起点を含む。代表的なプロモ
ーターは、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター
系(Changら,Nature 275:615,1978を参照のこと)、
T7 RNAポリメラーゼプロモーター(Studierら,Meth.Enz
ymol.185:60−89,1990)、λプロモーター(Elvinら,
Gene 87:123−126,1990)、trpプロモーター(Nich
olsおよびYanofsky,Meth.in Enzymology 10
1:155,1983)ならびにtacプロモーター(Russellら,Ge
ne 20:231,1982)を含む。代表的な選択マーカーは、種々の抗生
物質耐性マーカー(例えば、カナマイシン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺
伝子)を含む。宿主細胞を形質転換するために適切な多くのプラスミドは、当該
分野で周知であり、とりわけ、pBR322(Bolivarら,Gene 2
:95,1977を参照のこと)、pUCプラスミド(pUC18、pUC19
、pUC118、pUC119)(Messing,Meth.in Enzy
mology 101:20−77,1983;VieiraおよびMessi
ng,Gene 19:259−268,1982を参照のこと)、ならびにp
NH8A、pNH16a、pNH18a、およびBluescript M13
(Stratagene,La Jolla,Calif.)を含む。
【0055】 本発明を実施するために適切な真菌宿主細胞は、とりわけ、Saccharo
myces pombe、Saccharomyces cerevisiae
、Pichia属またはKluyveromyces属、およびAspergi
llus属の種々の種(McKnightら,米国特許第4,935,349号
)を含む。酵母および真菌に適切な発現ベクターは、とりわけ、酵母に関してY
Cp50(ATCC第37419号)、およびamdSクローニングベクターp
V3(Turnbull,Bio/Technology 7:169,198
9)、YRp7(Struhlら,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 76:1035−1039,1978)、YEpl3(Broachら,
Gene 8:121−133,1979)、pJDB249およびpJDB2
19(Beggs,Nature 275:104−108,1978)、なら
びにそれらの誘導体を含む。
【0056】 酵母における使用のために好ましいプロモーターは、酵母解糖遺伝子(Hit
zemanら,J.Biol.Chem.255:12073−12080,
1980;AlberおよびKawasaki,J.Mol.Appl.Gen
et.1:419−434,1982)またはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝
子(Youngら,in Genetic Engineering of M
icroorganisms for Chemicals,Hollaend
erら(編),355頁,Plenum,New York,1982; Am
merer,Meth.Enzymol.101:192−201,1983)
由来のプロモーターを含む。真菌ベクターに関して有用なプロモーターの例は、
Aspergillus nidulans解糖遺伝子由来のプロモーター(例
えば、adh3プロモーター(McKnightら,EMBO J.4:209
3−2099,1985))を含む。発現単位はまた、転写ターミネーターを含
み得る。適切なターミネーターの一例は、adh3ターミネーター(McKni
ghtら,同書,1985)である。
【0057】 細菌ベクターを用いる場合と同様に、酵母ベクターは、一般的に選択マーカー
を含み、これは、そのために表現型アッセイが存在して形質転換体が選択される
ことを可能にする、優勢な表現型を示す任意の数の遺伝子の一つであり得る。好
ましい選択マーカーは、宿主細胞の栄養要求性を補足するか、抗生物質耐性を提
供するか、または細胞に特定の炭素源を利用することを可能にするマーカーを含
み、そしてleu2(Broachら、同書)、ura3(Botsteinら
、Gene 8:17、1979)、またはhis3(Struhlら、同書)
を含む。別の適切な選択マーカーはcat遺伝子であり、これは酵母細胞にクロ
ラムフェニコール耐性を与える。
【0058】 真菌を形質転換するための技術は、文献において周知であり、そして例えば、
Beggs(同書)、Hinnenら(Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 75:1929〜1933、1978)、Yeltonら(Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 81:1740〜1747、1984
)、およびRussell(Nature 301:167〜169、1983
)によって記載された。宿主細胞の遺伝子型は、発現ベクター上に存在する選択
マーカーによって相補される遺伝子欠損を含み得る。特定の宿主および選択マー
カーの選択は、本明細書を考慮して、当業者のレベル内で十分である。
【0059】 酵母の形質転換についてのプロトコルもまた、当業者に周知である。例えば、
形質転換は、DNAを有する酵母のスフェロプラストの調製(Hinnenら、
PNAS USA 75:1929、1978を参照のこと)またはLiClの
ようなアルカリの塩を用いる処理(Itohら、J.Bacteriology
153:163、1983)のいずれかによって容易に達成され得る。真菌の
形質転換もまた、Cullenらによって記載されたようにポリエチレングリコ
ールを使用して行われ得る(Bio/Technology 5:369、19
87)。
【0060】 ウイルスベクターは、上記のようなStreptococcusのHsp60
をコードする単離された核酸分子の発現を指向するプロモーターを含むものを含
む。広範な種々のプロモーターが、本発明の状況内で利用され得、これらは例え
ば、MoMLV LTR、RSV LTR、Friend MuLV LTR、
アデノウイルスプロモーター(Ohnoら、Science 265:781〜
784、1994)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼプロモーター/エ
ンハンサー、後期パルボウイルスプロモーター(Koeringら、Hum.G
ene Therap.5:457〜463、1994)、Herpes TK
プロモーター、SV40プロモーター、メタロチオネインIIa遺伝子エンハン
サー/プロモーター、サイトメガロウイルス最初期プロモーターおよびサイトメ
ガロウイルス最後期プロモーターのようなプロモーターを含む。このプロモータ
ーはまた、組織特異的プロモーターであり得る(例えば、WO91/02805
;EP0,415,731;およびWO90/07936を参照のこと)。上記
に述べたプロモーターに加えて、他のウイルス特異的プロモーター(例えば、レ
トロウイルスプロモーター(上記に述べたプロモーターならびにHIVプロモー
ターのような他のプロモーターを含む)、肝炎、ヘルペス(例えば、EBV)お
よび細菌、真菌、もしくは寄生生物特異的な(例えば、マラリア特異的)プロモ
ーターは、ウイルス、細菌、真菌、または寄生生物に感染する特異的な細胞また
は組織を標的化するために利用され得る。
【0061】 従って、本発明のStreptococcusのHsp60ポリペプチドは、
種々のウイルスベクターから発現され得、これらのベクターには、例えば、ヘル
ペスウイルスベクター(例えば、米国特許第5,288,641号)、アデノウ
イルスベクター(例えば、WO94/26914、WO93/9191;Kol
lsら、PNAS 91(1):215〜219、1994;Kass−Eis
lerら、PNAS 90(24):11498〜502、1993;Guzm
anら、Circulation 88(6):2838〜48、1993;G
uzmanら、Cir.Res.73(6):1202〜1207、1993;
Zabnerら、Cell 75(2):207〜216、1993;Liら、
Hum Gene Ther.4(4):403〜409、1993;Cail
laudら、Eur.J.Neurosci.5(10):1287〜1291
、1993;Vincentら、Nat.Genet.5(2):130〜13
4、1993;Jaffeら、Nat.Genet.1(5):372〜378
、1992;およびLevreroら、Gene 101(2):195〜20
2、1991)、アデノ関連ウイルス(adenovirus−associa
ted viral)ベクター(Flotteら、PNAS 90(22):1
0613〜10617、1993)、バキュロウイルスベクター、パルボウイル
スベクター(Koeringら、Hum.Gene Therap.5:457
〜463、1994)、ポックスウイルスベクター(PanicaliおよびP
aoletti、PNAS 79:4927〜4931、1982;ならびにO
zakiら、Biochem.Biophys.Res.Comm.193(2
):653〜660、1993)、およびレトロウイルス(例えば、EP 0,
415,731;WO90/07936;WO91/0285;WO94/03
622;WO93/25698;WO93/25234;米国特許第5,219
,740号;WO93/11230;WO93/10218)が含まれる。種々
の実施態様では、ウイルスベクターそれ自体、またはウイルスベクターを含むウ
イルス粒子のいずれかが、以下に記載される方法および組成物において利用され
得る。
【0062】 本発明を実施するために適切な哺乳動物細胞は、とりわけ、PC12(ATC
C番号CRL1721)、N1E−115神経芽細胞腫、SK−N−BE(2)
C神経芽細胞腫、SHSY5アドレナリン作動性神経芽細胞腫、NS20Yおよ
びNG108−15マウスコリン作動性細胞株、またはラットF2後根神経節細
胞株、COS(例えば、ATCC番号CRL1650または1651)、BHK
(例えば、ATCC番号CRL6281;BHK570細胞株(受託番号CRL
10314の下でアメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託された)、C
HO(ATCC番号CCL61)、HeLa(例えば、ATCC番号CCL2)
、293(ATCC番号1573;Grahamら、J.Gen.Virol.
36:59〜72、1977)、およびNS−1細胞を含む。他の哺乳動物細胞
株は、本発明中で使用され得、これらは、Rat HepI(ATCC番号CR
L1600)、Rat HepII(ATCC番号CRL1548)、TCMK
(ATCC番号CCL139)、ヒト肺(ATCC番号CCL75.1)、ヒト
肝ガン(ATCC番号HTB−52)、Hep G2(ATCC番号HB806
5)、マウス肝臓(ATCC番号CCL29.1)、NCTC1469(ATC
C番号CCL9.1)、SP2/0−Ag14(ATCC番号1581)、HI
T−T15(ATCC番号CRL1777)、およびRINm 5AHT2B(
OrskovおよびNielson、FEBS 229(1):175〜178
、1988)を含む。
【0063】 本発明を実施する上での使用についての哺乳動物発現べクターは、クローニン
グされた遺伝子またはcDNAの転写を方向付けることが可能なプロモーターを
含む。好ましいプロモーターは、ウイルスプロモーターおよび細胞プロモーター
を含む。ウイルスプロモーターは、サイトメガロウイルス最初期プロモーター(
Boshartら、Cell 41:521〜530、1985)、サイトメガ
ロウイルス最後期プロモーター、SV40プロモーター(Subramaniら
、Mol.Cell.Biol.1:854〜864、1981)、MMTV
LTR、RSV LTR、メタロチオネイン−1、アデノウイルス E1aを含
む。細胞プロモーターは、マウスメタロチオネイン−1プロモーター(Palm
iterら、米国特許第4,579,821号)、アクションプロモーター(a
ction promoter)、マウスVHプロモーター(Bergmanら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:7041〜7045
、1983;Grantら、Nucl.Acids Res.15:5496、
1987)およびマウスVHプロモーター(Lohら、Cell 33:85〜 93、1983)を含む。プロモーターの選択は、少なくとも部分的には、所望
される発現のレベルまたはトランスフェクトされるレシピエント細胞株に依存す
る。
【0064】 このような発現ベクターはまた、プロモーターから下流かつ目的のペプチドま
たはタンパク質をコードするDNA配列から上流に位置するRNAスプライシン
グ部位のセットを含み得る。好ましいRNAスプライシング部位は、アデノウイ
ルスおよび/または免疫グロブリン遺伝子から得られ得る。目的のコード配列の
下流に位置するポリアデニル化シグナルもまた、この発現ベクター中に含まれる
。適切なポリアデニル化シグナルは、SV40由来の初期または後期ポリアデニ
ル化シグナル(KaufmanおよびSharp、前出)、アデノウイルス5
E1B領域、およびヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNotoら、
Nuc.Acids Res.9:3719〜3730、1981)由来のポリ
アデニル化シグナルを含む。発現ベクターは、非コードウイルスリーダー配列(
例えば、プロモーターとRNAスプライシング部位との間に位置するアデノウイ
ルス2 3成分リーダー)を含み得る。好ましいベクターはまた、エンハンサー
配列(例えば、SV40エンハンサー)を含み得る。発現ベクターはまた、アデ
ノウイルスVA RNAをコードする配列を含み得る。適切な発現ベクターは、
市販の供給源(例えば、Stratagene,La Jolla,Calif
.)から得られ得る。
【0065】 クローニングされたDNA配列を含むベクター構築物は、例えば、リン酸カル
シウム媒介トランスフェクションによって(Wiglerら、Cell 14:
725、1978;CorsaroおよびPearson、Somatic C
ell Genetics 7:603、1981;GrahamおよびVan
der Eb、Virology 52:456、1973)、エレクトロポ
レーション(Neumannら、EMBO J.1:841〜845、1982
)、またはDEAE−デキストラン媒介トランスフェクション(Ausubel
ら(編)、Current Protocols in Molecular
Biology、John Wiley and Sons,Inc.,NY,
1987)によって、培養された哺乳動物細胞に導入され得る。一般的には、S
ambrookら(前出)を参照のこと。クローニングされたDNAを安定に組
み込んだ細胞を同定するために、目的の遺伝子またはcDNAとともに、選択マ
ーカーが一般的に細胞に導入される。培養された哺乳動物細胞における使用のた
めの好ましい選択マーカーは、ネオマイシン、ハイグロマイシン、およびメトト
レキセートのような薬物に対する耐性を与える遺伝子を含む。この選択マーカー
は、増幅可能な選択マーカーであり得る。好ましい増幅可能な選択マーカーは、
DHFR遺伝子およびネオマイシン耐性遺伝子である。選択マーカーは、Thi
lly(Mammalian Cell Technology,Butter
worth Publishers,Stoneham,MA)によって概説さ
れる。
【0066】 適切なベクターを含む哺乳動物細胞は、ある時間の期間、代表的には1〜2日
間増殖することが可能であり、目的のDNA配列の発現を開始することが可能で
ある。次いで、薬物選択が、安定な様式で選択マーカーを発現する細胞の増殖に
ついて選択するために適用される。増殖可能な、選択マーカーを用いてトランス
フェクトされた細胞について、薬物濃度が段階的な様式で増加され得、クローニ
ングされた配列のコピー数の増加について選択され、それによって発現レベルを
増加させる。導入された配列を発現する細胞は、所望の形態または所望のレベル
の目的のタンパク質の産生について選択かつスクリーニングされる。次いで、こ
れらの判断基準を満たす細胞は、クローニングされ、そして産生のためにスケー
ルアップされ得る。
【0067】 当該分野で公知の多数の昆虫宿主細胞もまた、本明細書を考慮して、本発明中
で有用であり得る。例えば、昆虫細胞中で異種DNA配列を発現するためのベク
ターとしてのバキュロウイルスの使用は、Atkinsonら(Pestic.
Sci.28:215〜224、1990)によって概説されている。
【0068】 当該分野で公知の多数の植物宿主細胞もまた、本明細書を考慮して、本発明中
で有用であり得る。例えば、植物細胞中で遺伝子を発現するためのベクターとし
てのAgrobacterium rhizogenesの使用は、Sinka
rら、J.Biosci.(Bangalore)11:47〜58、1987
によって概説されている。
【0069】 宿主細胞におけるStreptococcusのHsp60ポリペプチドまた
はそのフラグメントの発現に際して、そのポリペプチドまたはペプチドは、本明
細書中で以前に議論したような方法を利用して、予備的に宿主細胞から放出およ
び/または単離され得る。
【0070】 上記に記述したように、Hsp60を発現させることが所望される宿主細胞に
依存して、そのタンパク質をコードする遺伝子は、宿主細胞中で活性であるプロ
モーターを含む発現ベクターに導入される。発現ユニットの他の成分(例えば、
コード領域の末端の、転写はされるが翻訳はされない配列)もまた、特定の利用
される宿主に従って選択され得る。場合によっては、高レベルの発現を確かにす
るために、介在配列を人工的に導入することが必要であり得る。発現レベルが十
分に高い場合には、発現はSDS−PAGEおよび染色によってモニターされ得
る。さらに、そのタンパク質がタグを伴って産生された場合、抗タグ抗体による
検出が行われ得、そしてタグを伴わずに産生された場合、宿主の相同なタンパク
質を認識しない抗Hsp−60抗体による検出が利用され得る。さらに、タンパ
ク質の同定のための当該分野で公知の任意の方法が、この目的のために利用され
得る(例えば、高分解能電気泳動法、または二次元電気泳動)。
【0071】 (C.本発明のHsp60ポリペプチドに対する抗体の調製) 別の局面において、本発明のタンパク質は、特異的に結合する抗体(すなわち
、結合パートナー)を調製するために利用され得る。従って、本発明はまた、こ
のような抗体を提供する。本発明の状況において、用語「抗体」は、ポリクロー
ナル抗体、モノクローナル抗体、抗イディオタイプ抗体、それらのフラグメント
(例えば、F(ab’)2およびFabフラグメント)、および組換え的もしく は合成的に産生された結合パートナーを含む。このような結合パートナーは、モ
ノクローナル抗体の特異的な結合を可能にする可変領域を取り込む。このことは
、抗体が本発明のStreptococcusのHsp60遺伝子の1つから産
生されるペプチドに選択的に結合することが可能であることを意味する。モノク
ローナル抗体または結合パートナーのアフィニティーは、当業者によって容易に
決定され得る(Scatchard、Ann.N.Y.Acad.Sci.51
:660〜672、1949を参照のこと)。
【0072】 ポリクローナル抗体は、当業者によって、種々の温血動物(例えば、ウマ、ウ
シ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、七面鳥、ウサギ、マウス、またはラット)
から容易に産生され得る。手短に言えば、所望のタンパク質またはペプチドは、
腹腔内、筋肉内、眼内または皮下注射を通して動物を免疫するために利用される
。目的のタンパク質またはペプチドの免疫原性は、アジュバント(例えば、フロ
イント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバント)の使用を通して
増加され得る。何度かの追加免疫の後、少量の血清のサンプルが収集され、そし
て所望のタンパク質またはペプチドに対する反応性について試験される。
【0073】 特に好ましいポリクローナル抗血清は、バックグラウンドよりも少なくとも3
倍高いシグナルを与える。一旦、動物の力価が、タンパク質に対するその反応性
の点でプラトーに達したならば、毎週の採血によるか、または動物を全採血する
ことによってのいずれかで、より大量のポリクローナル抗血清が容易に得られ得
る。
【0074】 モノクローナル抗体はまた、周知の技術(米国特許第RE32,011号、同
第4,902,614号、同第4,543,439号、および同第4,411,
993号を参照のこと;Monoclonal Antibodies,Hyb
ridomas:A New Dimension in Biologica
l Analyses,Plenum Press,Kennett,McKe
arn、およびBechtol(編)、1980、およびAntibodies
:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane(編
)、Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s、1988もまた参照のこと)を用いて容易に生成され得る。手短に言えば、
1つの実施態様において、対象の動物(例えばラットまたはマウス)に、所望の
タンパク質またはペプチドを注射する。所望の場合、種々の技術が、そのタンパ
ク質によって生成される、結果として起こる免疫応答を増大させるために、より
大きい抗体の反応性を発生させるために利用され得る。例えば、所望のタンパク
質またはペプチドは、別のタンパク質(例えば、オボアルブミンまたはキーホー
ルリンペットヘモシアニン(KLH))と結合され得るか、またはアジュバント
(例えば、フロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバント)
の使用を通じる。最初の免疫応答の誘発は、好ましくは腹腔内、筋肉内、眼内、
または皮下経路を通してであり得る。
【0075】 最初の免疫化の1〜3週間後の間に、その動物は再免疫化される。次いで、そ
の動物は試験のために屠殺され得、そしてその血清は、上記に記載されたような
アッセイを使用して所望の抗原に対する結合について試験され得る。さらなる免
疫化はまた、所望のタンパク質またはペプチドに対するその反応性において、そ
の動物がプラトーに達するまで達成され得る。次いで、その動物は所望のタンパ
ク質またはペプチドの最終の追加免疫を与えられ得、そして3〜4日後に屠殺さ
れ得る。この時点において、脾臓およびリンパ節が収集され得、そして、組織を
網状のふるいに通すことによって、または細胞を包み込む脾臓もしくはリンパ節
の膜を破裂させることによって、単一の細胞懸濁液に破壊され得る。1つの実施
態様において、低張性の溶液の添加によって赤血球が引き続いて溶解され、その
後すぐに等張性に戻される。
【0076】 別の実施態様において、モノクローナル抗体の調製のために適切な細胞は、イ
ンビトロ免疫化技術の使用を通して得られ得る。手短に言えば、動物は屠殺され
、そして脾臓およびリンパ節細胞が上記に記載されたように取り除かれる。単一
な細胞懸濁液が調製され、そしてその細胞は、上記に記載されたような免疫応答
を生成するために適切な目的のタンパク質またはペプチドの形態を含む培養に入
れられる。続いて、そのリンパ球は収集され、そして以下に記載されるように融
合される。
【0077】 上記に記載されるようなインビトロ免疫化の使用を通して得られた細胞、また
は免疫化された動物由来の細胞は、ウイルス(例えば、エプスタイン−バーウイ
ルス(EBV))を用いるトランスフェクションによって不死化され得る。(G
laskyおよびReading、Hybridoma 8(4):377〜3
89、1989を参照のこと)。あるいは、好ましい実施態様において、収集さ
れた脾臓および/またはリンパ節細胞懸濁液は、モノクローナル抗体を分泌する
「ハイブリドーマ」を作り出すための適切なミエローマ細胞と融合される。適切
なミエローマ株は、好ましくは、抗体の構築または発現を欠損しており、そして
さらに、免疫化された動物由来の細胞と同系である。多くのこのようなミエロー
マ細胞株は、当該分野で周知であり、そしてアメリカンタイプカルチャーコレク
ション(ATCC)、Rockville、Marylandのような供給源か
ら入手し得る(細胞株およびハイブリドーマのカタログ、第6版、ATCC、1
988を参照のこと)。代表的なミエローマ株には、ヒトについては、UC 7
29−6(ATCC番号CRL 8061)、MC/CAR−Z2(ATCC番
号CRL 8147)、およびSKO−007(ATCC番号CRL 8033
);マウスについては、SP2/0−Ag14(ATCC番号CRL 1581
)、およびP3X63Ag8(ATCC番号TIB 9);そしてラットについ
ては、Y3−Ag1.2.3(ATCC番号CRL 1631)、およびYB2
/0(ATCC番号CRL 1662)を含む。特に好ましい融合株は、NS−
1(ATCC番号TIB 18)およびP3X63−Ag8.653(ATCC
番号CRL 1580)を含み、これらはマウス、ラット、またはヒトの細胞株
のいずれかとの融合に利用され得る。ミエローマ細胞株と免疫化された動物細胞
株由来の細胞との間の融合は、ポリエチレングリコール(PEG)の使用(An
tibodies:A Laboratory Manual、Harlowお
よびLane、前出を参照のこと)またはエレクトロフュージョン(Zimme
rmanおよびVienken、J.Membrane Biol.67:16
5〜182、1982を参照のこと)の使用を含む、種々の方法によって達成さ
れ得る。
【0078】 融合後、その細胞は、適切な培地(例えば、RPMI 1640またはDME
M(ダルベッコ改変イーグル培地、JRH Biosciences、Lene
xa、Kan))を含む培養プレート中に置かれる。その培地はまた、さらなる
成分(例えば、ウシ胎仔血清(FBS、例えば、Hyclone、Logan、
Utah、またはJRH Biosciences))、免疫化のために使用さ
れたのと同一の種の生まれたての動物から収集した胸腺細胞、または培地を固め
るための寒天を含み得る。さらに、その培地は、融合された脾臓細胞およびミエ
ローマ細胞の増殖を選択的に可能にする試薬を含むべきである。特に好ましいも
のは、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)(Si
gma Chemical Co.,St.Louis,Mo.)の使用である
。約7日後、生じる融合細胞すなわちハイブリドーマを、所望の抗原を認識する
抗体の存在を決定するためにスクリーニングし得る。いくつかのクローンの希釈
および再アッセイに続いて、目的のタンパク質に結合する抗体を産生するハイブ
リドーマが単離され得る。
【0079】 他の技術もまた、モノクローナル抗体を構築するために利用され得る。(Hu
seら、「λファージにおける免疫グロブリンレパートリーの大きなコンビナト
リアルライブラリーの生成」Science 246:1275〜1281、1
989を参照のこと;Sastryら、「モノクローナル触媒抗体の生成のため
のEscherichia coliにおける免疫学的レパートリーのクローニ
ング:重鎖可変領特異的cDNAライブラリーの構築」Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 86:5728〜5732、1989もまた参照のこ
と;Alting−Meesら、「モノクローナル抗体発現ライブラリー:ハイ
ブリドーマに対する迅速な代替手段」Strategies in Molec
ular Biology 3:1〜9、1990もまた参照のこと;これらの
参考文献は、Stratagene、La Jolla、California
から入手可能な市販の系を記載しており、この系は組換え技術を通して抗体の産
生を可能にする)。手短に言えば、mRNAを、B細胞集団から単離し、そして
λIMMUNOZAP(H)ベクターおよびλIMMUNOZAP(L)ベクタ
ー中に重鎖および軽鎖の免疫グロブリンcDNA発現ライブラリーを作製するた
めに利用する。これらのベクターは、個々にスクリーニングされ得るか、または
同時発現されてFabフラグメントまたは抗体を形成し得る(Huseら、(前
出)を参照のこと;Sastryら、(前出)もまた参照のこと)。陽性プラー
クは、続いて非溶解性プラスミドに転換され得、これはE.coliからのモノ
クローナル抗体フラグメントの高レベルの発現を可能にする。
【0080】 同様に、結合パートナーはまた、特異的に結合する抗体をコードする遺伝子の
可変領域を組込むために組換えDNA技術を利用して構築され得る。 これらの 結合パートナーの構築は、本明細書中に提供される開示を与えられた当業者によ
って、容易に達成され得る(Larrickら、「混合プライマーを用いるポリ
メラーゼ連鎖反応:単一のハイブリドーマ細胞からのヒトモノクローナル抗体可
変領域遺伝子のクローニング」Biotechnology 7:934〜93
8、1989;Riechmannら、「治療のためのヒト抗体の再形成」、N
ature 332:323〜327、1988;Robertsら、「タンパ
ク質工学による抗原に対するアフィニティーおよび特異性を高めた抗体の産生」
、Nature 328:731〜734、1987;Verhoeyenら、
「ヒト抗体の再形成:抗リゾチーム活性の移植」、Science 239:1
534〜1536、1998;Chaudharyら、「Pseudomona
sエキソトキシンに融合された2つの抗体の可変ドメインからなる組換えイムノ
トキシン」、Nature 339、394〜397、1989を参照のこと;
「生合成抗体結合部位」という標題の米国特許第5,132,405号もまた参
照のこと)。手短に言えば、1つの実施態様において、目的の特異的抗原結合ド
メインの所望のタンパク質またはペプチドをコードするDNAセグメントは、特
異的に結合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから増幅され、そ
してヒト抗体を産生する細胞のゲノムに直接的に挿入される。(Verhoey
enら、(前出)を参照のこと;Reichmannら、(前出)もまた参照の
こと)。この技術は、特異的に結合するマウスまたはラットのモノクローナル抗
体の抗原結合部位を、ヒト抗体に移すことを可能にする。このような抗体は、ヒ
トにおける治療使用のために好ましい。なぜなら、それらはラットまたはマウス
抗体と同様に抗原性ではないからである。
【0081】 代替的な実施態様において、目的のモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ由来の可変領域をコードする遺伝子は、その可変領域に対するオリゴヌクレ
オチドプライマーを使用して増幅される。これらのプライマーは、当業者によっ
て合成され得るか、または市販の供給源から購入され得る。例えば、とりわけ、
Ha領域、VHb領域、VHc領域、VHd領域、CH1領域、VL領域、およびCL領域
に対するプライマーを含む、マウスおよびヒトの可変領域に対するプライマーは
、Stratagene(La Jolla,Calif.)から入手可能であ
る。これらのプライマーは、重鎖または軽鎖の可変領域を増幅するために使用さ
れ得、次いでこれらは、IMMUNOZAPTM(H)ベクターまたはIMMUN
OZAPTM(L)ベクター(Stratagene)のようなベクターにそれぞ
れ挿入され得る。次いで、これらのベクターは、発現のためにE.coliに導
入され得る。これらの技術を利用して、VHドメインおよびVLドメインの融合を
含む大量の一本鎖ポリペプチドが産生され得る(Birdら、Science
242:423〜426、1988を参照のこと)。
【0082】 モノクローナル抗体および他の結合パートナーは、多くの宿主系において産生
され得、これらは、組織培養物、細菌、真核細胞、植物、および当該分野で公知
の他の宿主系を含む。
【0083】 一旦適切な抗体または結合パートナーが得られれば、それらは当業者に周知で
ある多くの技術によって単離または精製され得る(Antibodies:A
Laboratory Manual、HarlowおよびLane(前出)を
参照のこと)。適切な技術には、ペプチドまたはタンパク質アフィニティーカラ
ム、HPLCもしくはRP−HPLC、プロテインAもしくはプロテインGカラ
ム上での精製、またはこれらの技術の任意の組み合わせが含まれる。本発明の状
況において、用語「単離された」とは、抗体または結合パートナーを規定するた
めに使用する場合、「実質的に他の血液成分を含まない」ことを意味する。
【0084】 本発明の結合パートナーは、多くの使用を有する。例えば、抗体は、このよう
なタンパク質を有する細胞を同定するためのフローサイトメトリーにおいて利用
され得る。手短に言えば、細胞上の目的のタンパク質またはペプチドを検出する
ために、その細胞は、目的のタンパク質に特異的に結合する、標識されたモノク
ローナル抗体とともにインキュベートされ、続いて、結合抗体の存在の検出を行
う。本発明における使用に適切な標識は、当該分野において周知であり、とりわ
け、フルオロセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE
)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、および金コロイドを含む。フロー
サイトメトリーにおける使用のために特に好ましいものはFITCであり、これ
は、「フルオロセインイソチオシアネートの抗体への結合。I.結合条件の実験
」Immunology 18:865〜873、1970におけるKeltk
ampの方法に従って精製抗体に結合され得る。(Keltkamp、「フルオ
ロセインイソチオシアネートの抗体への結合。II.再現方法」Immunol
ogy 18:875〜881、1970;Goding、「抗体の蛍光色素と
の結合:標準的方法の改変」J.Immunol.Methods 13:21
5〜226、1970もまた参照のこと。)この抗体は、Streptococ
cusに対する標的薬剤、ならびにStreptococcusの感染を決定す
るための診断薬としてもまた使用され得る。
【0085】 (D.本発明のHsp60ポリペプチドまたはそれらに対する抗体を利用する
アッセイ) 種々のアッセイを、本発明のStreptococcus pneumoni
aeおよびStretococcus pyogenes由来のHsp60ポリ
ペプチド、またはそのようなHsp60ポリペプチドに特異的に結合する抗体を
検出するために利用し得る。例示的なアッセイが、Antibodies:A
Laboratory Manual、HarlowおよびLane(編)、C
old Spring Harbor Laboratory Press 1
988に詳細に記載される。そのようなアッセイの代表的な例は、以下を含む:
向流免疫電気泳動(CIEP)、ラジオイムノアッセイ、放射性免疫沈降、酵素
結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)、ドットブロットアッセイ、阻害または
競合アッセイ、およびサンドイッチアッセイ、免疫スティック(ディップスティ
ック)アッセイ、同時免疫アッセイ、イムノクロマトグラフィーアッセイ、免疫
濾過アッセイ、ラテックスビーズ凝集アッセイ、免疫蛍光アッセイ、バイオセン
サーアッセイおよび低光検出アッセイ(low−light detectio
n assay)(米国特許第4,376,110号および同第4,486,5
30号を参照のこと;Antibodies:A Laboratoty Ma
nual(前出)もまた参照のこと)。
【0086】 蛍光抗体試験(FA−試験)は、本発明のタンパク質の一つに結合し得る蛍光
標識された抗体を用いる。検出のための視覚的決定は、蛍光顕微鏡を用いる技術
者によってなされ、定性的な結果を生じる。一つの実施態様において、このアッ
セイを組織サンプルまたは組織学的切片の検査に用いる。
【0087】 ラテックスビーズ凝集アッセイにおいて、本発明の一つ以上のタンパク質に対
する抗体を、ラテックスビーズに結合させる。次いで、ラテックスビーズに結合
した抗体を、もしあれば、サンプル中の所望のタンパク質への抗体の結合を許容
する条件下でサンプルと接触させる。次いで、この結果を視覚的に読みとり、定
性的な結果を得る。一つの実施態様において、この形式は、現場試験の分野で用
いられ得る。
【0088】 酵素免疫アッセイ(EIA)は、本発明により提供された抗体を利用し得る多
くの異なるアッセイを含む。例えば、不均一な間接EIAは、本発明の抗体およ
びアフィニティー精製した抗IgG免疫グロブリン調製物と結合させた固相を用
いる。好ましくは、固相は、ポリスチレンマイクロタイタープレートである。次
いで、この抗体および免疫グロブリン調製物を、当該分野で周知の条件である、
抗体が結合し得る条件下でサンプルに接触させる。そのようなアッセイの結果は
、視覚的に読み取り得るが、好ましくは、定量的な結果を産生するELISAプ
レートリーダーのような分光光度計を用いて読み取る。代替的な固相EIA形式
は、磁石を使うアッセイの手順の間、移動可能なプラスチックコートされた鉄金
属ビーズを含む。さらに別の代替は、低光検出免疫アッセイ形式である。この高
感度形式において、適切に標識された結合抗体によって産生される光放射が、自
動的に定量される。好ましくは、その反応は、マイクロタイタープレートを用い
て行われる。
【0089】 代替的な実施態様において、放射活性追跡は、ラジオイムノアッセイ(RIA
)を行うためにEIAにおける酵素媒介検出と置換される。
【0090】 捕捉抗体サンドイッチ酵素アッセイにおいて、所望されるタンパク質を、固相
(好ましくは、ポリスチレンマイクロタイタープレート)に結合した抗体と標識
された抗体との間に結合させる。好ましくは、この結果を、ELISAプレート
リーダーのような分光光度計を用いて測定する。
【0091】 連続的なアッセイ形式において、試薬を、段階様式における捕捉抗体とインキ
ュベートし得る。試験サンプルを、まず捕捉抗体とインキュベートする。洗浄工
程に続いて、標識された抗体とインキュベートする。同時アッセイにおいては、
連続的なアッセイで記載した2つのインキュベート期間を組み合わせる。これは
、1つのインキュベート期間と洗浄工程を排除する。
【0092】 ディップスティック/免疫スティック形式は、固相が、ポリスチレンマイクロ
タイタープレートである代わりに、ポリスチレンパドルまたはディップスティッ
クであることを除いて、本質的に免疫アッセイである。試薬は、同一であり、そ
して形式は、同時であるか、連続的なものであるかのいずれかであり得る。
【0093】 クロマトグラフストリップ試験形式において、捕捉抗体および標識された抗体
を、代表的には、ニトロセルロースまたはセルロースアセテートに結合した多孔
性の高いナイロンである、クロマトグラフストリップ上で乾燥させる。捕捉抗体
を、通常ストリップの片方の端で、線状に噴霧乾燥させる。この末端において、
ストリップと接触する吸着材料が存在する。ストリップの他の末端に、標識され
た抗体を、膜内への吸着を防ぐための手法により沈殿させる。通常、抗体に結合
させた標識は、ラテックスビーズまたはコロイド状の金である。アッセイは、標
識された抗体の前にサンプルを直ちに適用することにより開始され得る。
【0094】 免疫濾過/免疫濃縮形式は、大きな固相表面に、濃縮しかつ抗体への抗原の結
合を促進するサンプル/試薬の指向性の流れを組み合わせたものである。好まし
い形式において、この試験サンプルを、標識された抗体とプレインキュベートし
、次いで、繊維フィルターまたはニトロセルロース膜などのような固相に適用す
る。固相をまた、捕捉抗体でコートされたラテックスまたはガラスビーズでプレ
コートする。分析物の検出は、標準的な免疫アッセイと同じである。サンプル/
試薬の流れは、減圧または基礎をなす吸収材料の運搬作用のいずれかにより改変
され得る。
【0095】 限界バイオセンサーアッセイは、低コストで多くのサンプルのスクリーニング
に受け入れられる、感度が良く、機器を備えたアッセイである。一つの実施態様
において、このようなアッセイは、光を扱うことのできる電位差計の使用を含み
、ここで反応は、捕捉抗体、架橋している抗体およびウレアーゼと結合した抗体
による所望のタンパク質の結合に起因するpH変化の検出を含む。結合している
場合のpHの変化は、電気的な電位(μボルト)への変換により測定測定可能に
もたらされる。アッセイは、代表的に、非常に少ない反応容量で行われ、そして
非常に感度がよい。さらに、報告されたアッセイの検出限界は、毎分1,000
分子のウレアーゼである。
【0096】 本発明はまた、Streptococcus pneumoniaeおよびS
treptococcus pyogenesを検出するのためのプローブおよ
びプライマーを提供する。
【0097】 本発明のこの局面の一つの実施態様において、プローブは、S.pneumo
niaeおよびS.pyogenes Hsp60遺伝子DNAまたはRNAに
特異的にハイブリダイズし得るように提供される。本発明の目的のために、プロ
ーブは、高ストリンジェンシー条件(Sambrookら、(前出)を参照のこ
と)下でハイブリダイズする場合、S.pneumoniaeおよびS.pyo
genes Hsp60遺伝子DNAまたはRNAに「ハイブリダイズし得る」
。好ましくは、プローブを、65℃で、6×SSC、1×Denhardt溶液
(Sambrookら、(前出))、0.1%SDS、そして65℃で0.2×
SSC、1×Denhardt溶液、0.1%SDSの存在下で、過剰なプロー
ブを取り除くための少なくとも1回の洗浄のような高ストリンジェンシー条件下
で適切なヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするために用い得る。本明細
書で提供された他の方法を除いて、プローブ配列を、Streptococca
l DNAまたはRNA配列に対するハイブリダイゼーションを可能にするが、
他の生物、特に他の細菌の配列由来のDNAまたはRNA配列に対するハイブリ
ダイゼーションを可能にしないように設計する。プローブは、例えば、サンプル
中で細胞から暴露された核酸にハイブリダイズさせるために用いられる。次いで
、ハイブリダイズしたプローブを検出し、それにより所望の細胞の核酸の存在を
示す。好ましくは、細胞の核酸は、ハイブリダイゼーションに先立ってPCRの
ような増幅手順を行う。
【0098】 本発明のプローブは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)
のいずれかからなり得、そして約12ヌクレオチドの長さしかなく、通常は約1
4〜18ヌクレオチドの長さであり、そしておそらく、S.pneumonia
eおよびS.pyogenes Hsp60遺伝子の全長配列ほどの長い長さで
あり得る。プローブのサイズの選択は、プローブの用途に多少依存しており、そ
して当業者の範囲内である。
【0099】 適切なプローブを当該分野で周知の技術を用いて構築および標識し得る。例え
ば、12塩基のより短いプローブを、合成的に生成し得る。1.5kb未満の約
75塩基のより長いプローブを、好ましくは、例えば、[α−32P]dCTP、
ジゴキシゲニン−dUTP、またはビオチン−dATPのような標識された前駆
体の存在下でPCR増幅することにより生成させる。1.5kbより大きいプロ
ーブは、一般的に、関連したプローブを含むプラスミドを用いて細胞をトランス
フェクトし、大量にトランスフェクトした細胞を増殖させ、そしてトランスフェ
クトした細胞由来の関連した配列を精製することにより最も簡単に増幅させる(
Sambrookら、(前出)を参照のこと)。
【0100】 プローブを、例えば、放射活性マーカー、蛍光マーカー、酵素的マーカーおよ
び色素生産性マーカーを含む種々のマーカーで標識化し得る。32Pの使用は、特
定のプローブの作製または標識化のために特に好ましい。
【0101】 本発明のこの局面の特徴は、プローブをサンプル中のS.pneumonia
eおよびS.pyogenes Hsp60 mRNAまたはDNAの存在を検
出するために用い得ることである。しかし、細菌が限られた数しか存在しないな
らば、それをより容易に検出または獲得し得るように関連する配列を増幅するこ
とが有益であり得る。
【0102】 種々の方法が、選択された配列を増幅するために用いられ得、これらには、例
えば、RNA増幅(Lizardiら、Bio/Technology 6:1
197−1202、1988;Kramerら、Nature 339:401
−402、1989;Lomeliら、Clinical Chem.35(9
):1826−1831、1989;米国特許第4,786,600号を参照の
こと)およびLCRまたはポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)を用いるDNA
増幅(米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号および同第
4,800,159号を参照のこと;切れやすい結合の使用を含む代替的な検出
/増幅システムを記載する、米国特許第4,876,187号および同第5,0
11,769号もまた参照のこと)または十分に当業者のレベルの範囲内である
他の核酸の増幅手順を含む。PCRに関して、例えば、その方法は、当該分野で
公知のように変更し得る。PCRをまた、逆のドットブロットハイブリダイゼー
ションとの組み合わせにおいても用い得る(Iidaら、FEMS Micro
biol.Lett.114:167−172、1993)。PCR産物を、d
UTPを組み入れることにより定量的に分析し得(Duplaa、Anal.B
iochem.212:229−236、1993)、そしてサンプルは、PC
R−遺伝子プローブ検出のための濾過サンプルであり得る(Bejら、Appl
.Environ.Microbiol.57:3529−3534、1991
)。
【0103】 好ましい実施態様において、PCR増幅を、S.pneumoniaeおよび
S.pyogenes Hsp60 DNAを検出するために用いる。手短に言
えば、DNAサンプルを、一本鎖DNAを生成するために、95℃で変性させる
。次いで、特異的なプライマーを、プライマー中のAT/GCの比率に依存して
、37℃から70℃で一本鎖DNAにアニールさせる。プライマーをテンプレー
トに対して逆の鎖を生成するために、Taq DNAポリメラーゼを用いて72
℃で伸長させる。これらの工程が1サイクルを構成し、これは、選択された配列
を増幅するために繰り返され得る。
【0104】 代替的な好ましい実施態様において、LCR増幅を、増幅のために利用する。
LCRプライマーを、上流プライマーの5’塩基が、所望の遺伝子を有するSt
reptococcusの株を特異的に検出するための所望の遺伝子中の独特の
塩基対に対してハイブリダイズし得るように合成される。
【0105】 別の好ましい実施態様において、プローブを、自動の、非同位体ストラテジー
に用い、ここで、標的の核酸配列をPCRにより増幅し、次いで所望の産物を、
比色定量オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(colorimetri
c oligonucleotide ligation assay)(OL
A)によって決定する(Nickersonら、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 81:8923−8927、1990)。
【0106】 選択された配列の増幅のためのプライマーを、高い特異性でありかつ標的の配
列と安定な二重鎖を形成する配列から選択すべきである。プライマーはまた、特
に3’末端で非相補的であるべきであり、それら自体または他のプライマーとダ
イマーを形成すべきではなく、そしてDNAの他の領域と二次構造または二重鎖
を形成すべきではない。一般的に、約18〜20ヌクレオチドのプライマーが、
好ましく、そして当該分野で周知の技術を用いて容易に合成され得る。PCR産
物および他の核酸増幅産物は、当該分野で公知の技術を用いて定量し得る(Du
plaaら、Anal.Biochem.212:229−236、1993;
Higuchiら、Bio/Technology 11:1026−1030
)。
【0107】 さらに、オリゴヌクレオチドまたはポリペプチドのいずれかが結合し得る基質
を含有する、Streptococcusに特異的なバイオチップアレイは、現
在のバイオチップ技術と組み合わせて本明細書に開示される本発明を用いて生産
され得る。米国特許第5,445,934号。このような基質とStrepto
coccus Hsp60配列由来のオリゴヌクレオチドまたは本発明のStr
eptococcal遺伝子産物に特異的な抗体を用いることにより、高いスル
ープットスクリーニング手段を、多くのサンプル中の特異的なStreptoc
occal株を同定するために作製し得る。
【0108】 (E.薬学的組成物および方法) 本発明の別の局面は、1つ以上の上記に記載したStreptococcus Hsp60ポリペプチドまたはStreptococcus Hsp60に対
する抗体を、1つ以上の薬学的または生理学的に受容可能なキャリア、アジュバ
ント、結合剤または希釈剤との組み合わせで含む組成物および方法を提供する。
そのような組成物を、好ましくはヒトであるレシピエント動物における免疫応答
を誘発または増強し、そしてStreptococcusに対する、または本発
明のStreptococcus Hsp60に融合した抗原と関連した生物体
に対する保護免疫性または部分的な保護免疫性を、好ましくは誘導または増強す
るために使用し得る。
【0109】 好ましくは、そのようなキャリア、アジュバント、結合剤または希釈剤は、利
用される投与量および濃度でレシピエントに非毒性である。通常のそのような組
成物の調製は、単離したStreptococcus Hsp60ポリペプチド
と、緩衝剤、アスコルビン酸のような抗酸化剤、低分子量(10残基より少ない
)ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、糖質(グルコース、スクロースまたは
デキストリンを含む)、EDTAのようなキレート剤、グルタチオンおよび他の
安定化剤、ならびに賦形剤との組み合わせを必要とする。中性の緩衝化生理食塩
水または非特異的血清アルブミンと混合された生理食塩水は、模範的な適切な希
釈液である。アジュバントの例は、ヒトのためのミョウバンまたは水酸化アルミ
ニウムを含む。
【0110】 本明細書を考慮すると、投与の量および頻度を、臨床試験において最適化し得
、そして処置する疾患または障害、要求される免疫誘導、増強または保護の程度
、および多くの他の因子のような因子に依存していることが当業者に明らかであ
る。
【0111】 1つの実施態様において、組成物を経口的に投与し、そして精製されたStr
eptococcus Hsp60は、腸の管腔に位置する細胞のような細胞に
取り込まれる。あるいは、Streptococcus Hsp60組成物は、
皮下経路、または他の非経口経路を介して、非経口的に投与され得る。他の経路
には、頬/舌下、直腸、経鼻、局所(経皮および目のような)、膣、肺、動脈内
、筋肉内、腹腔内、眼内、鼻腔内、または静脈内、あるいは間接的にが挙げられ
る。本発明のStreptococcus Hsp60組成物は、溶液として調
製および投与され得るか、または固体の形態で投与され得るか、もしくは投与と
組み合わせて溶液中に再懸濁して投与され得る固体の形態(例えば、凍結乾燥し
た)として調製され得る。
【0112】 用途に依存して、組成物中の注入されたStreptococcus Hsp
60の量は、一般的に、生理学的に受容可能なキャリア、結合剤または希釈液と
の組み合わせにおいて、約0.1μg〜1000mg、代表的には、約1μg〜
100mg、好ましくは、約10μg〜10mg、および好ましくは、約100
μg〜1mgで変動する。追加免疫を、2〜6週間後に行ない得る。
【0113】 本発明の薬学的組成物を、好ましくは消費者が受容し得るパッケージング材料
とともに容器内に配置し得、これは、本発明での使用のために適切なキットを提
供するためのそのような薬学的組成物の使用を考慮に入れた使用説明書を提供す
る。一般的に、そのような使用説明書は、試薬の濃度ならびに、実施態様におい
ては薬学的組成物を再構成するために必要とされ得る賦形剤成分または希釈液(
例えば、水、生理食塩水またはPBS)の相対的な量を記載する具体的な表現が
含まれる。
【0114】 本発明のHsp遺伝子産物をまた、ワクチンと結合している免疫学的キャリア
として用い得る。Hspは、他のキャリアと異なり免疫抑制効果を有さないため
に、抗原の有益なキャリアである。Barriosら、Eur.J.Immun
ol.22:1365−1372,1992;SuzueおよびYoung、S
tress−Inducible Cellular Responses 7
7:451−465、1996(U,Feigeら、編)を参照のこと。このよ
うなキャリアは、結合した分子に対する免疫応答の増強を誘導するために用い得
る。それゆえ、本発明のStreptococcal Hsp遺伝子産物をキャ
リア(結合タンパク質または融合タンパク質における)として用い得る。
【0115】 本発明のさらなる局面は、腫瘍の処置および/または予防のためのStrep
tococcus Hsp60遺伝子および遺伝子産物の使用である。その方法
は、癌を有する個体への、癌に対する個体の免疫応答を誘発および/または増強
するために効果的な量の、本明細書中で議論する精製されたStreptoco
ccus Hsp60遺伝子産物を含む組成物の投与を含む。本発明はまた、癌
に対する個体の免疫化の方法、またはそのような個体における少なくとも部分的
には効果的な保護免疫応答を提供する方法を提供し、この方法は、個体の免疫化
に効果的な量の本明細書中で議論する精製されたStreptococcus
Hsp60を含む組成物の個体への投与を含む。
【0116】 好ましくは、癌の処置は、実質的に菌体内毒素を有さない、高度に精製された
Streptococcus Hsp60遺伝子産物、そして同じものに関連す
る方法および組成物の使用を含む。このように高度に精製されたタンパク質は、
例えば、そのような菌体内毒素に関連した逆の副作用を受けないので、ヒトの癌
の処置に特に有益である。特に、その組成物は、癌に対する免疫応答の誘導また
は免疫応答の増強の両方を含む、個体に存在する癌に対する免疫応答を誘導し得
る。例えば、処置される癌は、肉腫および/または乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺
癌、膵臓癌および肝臓癌のような内皮細胞癌であり得る。本発明はまた、個体に
今まで存在しなかった癌に対する免疫化による部分的にまたは完全にのいずれか
での保護免疫応答を提供し得る組成物を提供する。
【0117】 本発明のさらなる局面は、本発明のHsp60遺伝子産物を用いる免疫化、ま
たは動物の細胞内で発現されるStreptococcus Hsp60遺伝子
もしくはそれらのフラグメントを含むベクターを送達するための遺伝子転移技術
の使用のいずれかによる種々の細菌性疾患からの保護である。本発明の組成物お
よび方法はまた、癌の予防を提供し得る。
【0118】 本明細書に記載した組成物および方法論は、種々の使用に適切である。この目
的のためにこの後に続く実施例は、例示の目的で提供され、制限するものではな
い。
【0119】 (実施例) (実施例1) (Streptococcus pneumoniaeおよびStretoc
occus pyogenes Hspの遺伝子の単離) 慣用方法により調製された、Streptococcus pneumoni
ae(ATCC6314)およびStretococcus pyogenes
(ATCC12344)由来のゲノムDNAを、Dr.Lee Weber、U
niversity of Nevada Reno、から得た。
【0120】 Hsp60DNA配列を、ポリメラーゼ連鎖反応の使用により単離した。プラ
イマーを、他の生物体由来の公知のHsp60配列のN−およびC−末端相同性
に基づいて設計した。Streptococcal DNAのDNA増幅を、T
aqポリメラーゼ(Perkin−Elmer)を用いて行なった。約20の異
なるプライマー対を異なる反応条件を用いて試験した。1対(対1)を、Hsp
60−1遺伝子を増幅し得るとして同定し、そしてHsp60−2配列を増幅し
得るとして第2(対2)を同定した。Hsp60配列を増幅させ得る反応混合物
は、総用量50μl中に、0.5μgのゲノムDNA、縮重プライマーの対の各
々に付き50pmol、各500μMのdNTP、1×PCR緩衝液(Perk
in−Elmer)、2mM MgSO4、および1.25ユニットのTaqポ リメラーゼ(Perkin−Elmer)を含んだ。以下の2対の縮重プライマ
ーを、首尾よく利用した:
【0121】
【化1】 上記の配列において、Nは、A、C、GまたはTを意味し、そしてHは、A、
CまたはT(Gではない)を意味する。
【0122】 反応は、94℃1分間、50℃2分間および72℃2分間で35サイクル行な
った。PCR産物を、0.6%の低融点アガロースゲル(Gibco−BRL)
上で分子量マーカーと共に電気泳動した。臭化エチジウムで染色した後、DNA
断片を、低強度、長波長UVイルミネーション下で可視化し、そして約1.6k
bpのフラグメントを切り出した。DNAをゲル断片から、フェノール抽出およ
びエタノール沈殿により単離した(Maniatisら)。精製したフラグメン
トを、pCRII TAクローニングベクター(Invitrogen)に連結
し、そして連結混合物を使用してE.coliのDH5a株を形質転換した。(
コンピテント細胞は、Life Technologiesより得た)組換えプ
ラスミドを、標準的なアルカリ溶解法によりカナマイシン耐性コロニーから単離
し、そしてDNAインサートのプラスミド中での存在を、EcoRI消化で、消
化して、続いてアガロースゲル電気泳動を行ない、そして臭化エチジウム染色に
より消化産物を可視化して確認した。
【0123】 (実施例2) (Streptococcus Hsp60のヌクレオチド配列分析) 組換えpCRIIに基くクローンに存在するインサートを、Circum V
ent配列決定キット(New England Biolabs)、35S−d
ATPおよび以下に列挙したプライマーを用いて配列決定した。特定のStre
ptococcus Hsp60遺伝子を含む複数のクローンを配列決定した:
配列は、3つの独立したPCR反応由来である、Streptococcus
pneumoniae Hsp60−1遺伝子の5つのクローン、単独PCR反
応由来である、Streptococcus pneumoniae Hsp6
0−2遺伝子の2つのクローン、3つの独立したPCR反応由来であるStre
ptococcus pyogenes Hsp60−1遺伝子の4つのクロー
ン、そして単独PCR反応由来のStreptococcus pyogene
s Hsp60−2遺伝子の2つのクローンおよび第3のクローンの一部から得
た。配列決定反応は、変性6%ポリアクリルアミド−8M尿素ゲル(60cm長
)で分画し、そしてゲルを乾燥させ、そしてオートラジオグラフィーに曝露させ
た。オートラジオグラフを手動で解読し、そして配列データを、組み立て、そし
てDNA Strider ソフトウェア(CEA、France)を用いて他
の公知のHsp60遺伝子と比較した。
【0124】 使用した配列決定プライマー:
【化2】 各Hsp60遺伝子のための配列決定ストラテジーを、図5に示す。Stre
ptococcus pneumoniae Hsp60−1遺伝子(P60−
1と呼ばれる)、Streptococcus pneumoniae Hsp
60−2遺伝子(P60−2)、Streptococcus pyogene
s Hsp60−1遺伝子(Y60−1)およびStreptococcus
pyogenes Hsp60−2遺伝子(Y60−2)のヌクレオチド配列、
および対応する推論されたアミノ酸配列を、図1〜4(配列番号1〜8)に示す
【0125】 Streptococcus Hsp60タンパク質と、放線菌Hsp65お
よびGroELタンパク質との比較は、DNA Starソフトウェアパッケー
ジ(DNASTAR、Inc.)の、MegAlignモジュールを用いて決定
し、そしてGenbankに列挙された遺伝子およびタンパク質に対する配列類
似性を、BLASTアルゴリズム(National Center for
Biotechnology Infomation、NH、Bethesda
、MD)を用いて明らかにした。そのような配列の1つの比較を、図10に示す
【0126】 (実施例3) (組換えStreptococcus Hsp60の発現) 挿入物(Hsp60遺伝子)は、組換えpCRIIに基づくプラスミドから、
制限酵素NdeIおよびEcoRIを用いて切り出された。ベクターPCRII
のポリリンカー領域中で、NdeIは、正方向PCRプライマー♯1Fまたは♯
2Fの内部を切断し、そしてEcoRIは、逆方向PCRプライマー♯1Rまた
は♯2Rの下流の短い距離で切断する。Hsp60遺伝子配列を含むDNAフラ
グメントは、低融点アガロースゲル上で分画され、このゲルから精製され、そし
てNdeI/EcoRIで二重に消化したpET28a(+)ベクターDNA(
Novagen)中に連結された。ライゲーション反応物を使用し、コンピテン
トEscherichia coli DH5a細胞を形質転換し、そして形質
転換体を、30μg/mlのカナマイシンDを含むLuriaブロスプレート上
で選択した。DNAは、標準的なアルカリ溶菌法を使用して単一コロニーから単
離され、そして正しい挿入物の存在は、NdeIおよびEcoRIでの消化およ
びアガロースゲル電気泳動によって検証された。この得られた発現プラスミドは
、Streptococcus pneumoniae Hsp60−1遺伝子
(pETP60−1と呼ばれる)、Streptococcus pneumo
niae Hsp60−2遺伝子(pETP60−2)、Streptococ
cus pyogenes Hsp60−1遺伝子(pETY60−1)または
Streptococcus pyogenes Hsp60−2遺伝子(pE
TY60−2)のいずれかを含んだ。発現プラスミドの模式図を図6〜図9に示
す。
【0127】 それらのプラスミドが、挿入されたStreptococcus Hsp60
遺伝子を発現し得るか否かについて試験するため、この発現プラスミドを、Es
cherichia coli株BL21(DE3)にエレクトロポレーション
によって導入し、そして形質転換体コロニーを、上記のようにカナマイシン含有
プレート上で選択した。1mlの培養物を単一コロニーとインキュベートし、そ
して形質転換体を、この培養物が濁るまで37℃で増殖した。組換え遺伝子の誘
導の前(誘導していない培養物)に、タンパク質の分析のためにアリコートを取
り出した後、イソプロピルチオガラクトピラノシド(IPTG)を1mMで添加
し、そして培養物を、さらに1時間または2時間インキュベートした(誘導した
培養物)。誘導した培養物および誘導していない培養物の100μlのアリコー
トを、12,000×gで30秒間遠心分離した。細菌ペレットを、100μl
のSDS−PAGEローディング緩衝液中で溶解し、そして3分間煮沸した。溶
解産物の10μlのアリコートを、10% SDS−PAGEにより分析した。
組換えStreptococcus Hsp60タンパク質は、クマシーブルー
染色後、約60kDaの見かけの分子量で移動する顕著なバンドとして検出可能
であり、このバンドは、誘導したサンプルでは存在したが、誘導していないサン
プルでは存在しなかった。
【0128】 (実施例4) (組換えStreptococcus Hsp60の精製) 組換えStreptococcus Hsp60発現プラスミドを含む細菌を
、30μg/mlのカナマイシンDを補充した2×YT培地(1リットル当たり
トリプトン 20g、酵母抽出物 10g、NaCl 10g)中37℃で、6
00nmでの光学濃度が0.5〜0.8まで増殖し、次いで、0.5mMのIP
TGで3時間誘導した。次いで、培養物を氷上で冷やし、そして細菌を、7,0
00×gで5分間(4℃)の遠心分離により収集した。細菌ペレットを−80℃
で凍結した。
【0129】 凍結した細菌ペレットを破砕し、ブレンダーに移し、そして200mlの緩衝
液A(6M グアニジニウム塩酸、50mM Tris−HCl pH7.5、
0.5mM β−メルカプトエタノール)中でホモジナイズした。
【0130】 溶解産物を、10,000×gでの15分間(4℃)の遠心分離により清澄化
した。この上清溶液を、緩衝液A中で平衡化した50mlのNi−Sephar
ose(Chelating Sepharose、Pharmacia)を含
む約100mlのスラリーと室温で一晩混合した。次いで、この樹脂を、約20
0mlの緩衝液Aを用いて濾紙上で洗浄し、少量の同じ緩衝液中で再懸濁し、そ
してグラスクロマトグラフィーカラム(Pharmacia)に重力で充填(g
ravity−pack)した。
【0131】 このカラムを、1%のTriton X−100を含む20mlの緩衝液Aで
洗浄した。このカラムをさらに、50mM Tris−HCl pH7.5、0
.5mM β−メルカプトエタノール(200ml)中の6〜0Mグアニジニウ
ム塩酸/0〜1M NaCl勾配を用いて洗浄し、次いで、200mlの50m
M Tris−HCl pH7.5、1M NaCl、0.5mM β−メルカ
プトエタノールを用いて洗浄し、そして最後に、200mlの50mMイミダゾ
ール、0.5M NaCl、50mM Tris−HCl pH7.5、1.0
25M NaCl、0.5mM β−メルカプトエタノールを用いて洗浄した。
次いで、カラムを、1M NaCl、50mM Tris−HCl pH7.5
、0.5mM β−メルカプトエタノール中の5%〜100%の1M イミダゾ
ール、0.5M NaCl、50mM Tris−HCl pH7.5、0.5
mM β−メルカプトエタノールから構成される緩衝液勾配の200mlを用い
て展開した。9mlの画分を収集した。流速は、4〜5ml/分であり、そして
クロマトグラフィーを、280nmでの吸光度によりモニターした。
【0132】 最も高い濃度の組換えタンパク質を含む画分を、上記のように10% SDS
−PAGEにより同定し、透析バック(12kDaカットオフ)中にプールした
(通常5〜6画分)。次いで、タンパク質溶液(約50ml)を、3リットルの
ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水(2.7mM KH2PO4、4.3mM N
2HPO4、2.7mM KCl、0.137M NaCl)の3回の交換に対
して冷やして、透析した。透析されたタンパク質を、等分し、そして−80℃で
貯蔵した。通常、200〜400mgの組換えタンパク質を得た(ローリーに従
うタンパク質アッセイにより見積もった)。
【0133】 (実施例5) (精製組換えHsp60の特徴付け) Streptococcus Hsp60として組換えタンパク質を明白に同
定するため、精製された組換えタンパク質を、N末端およびC末端配列決定に供
した(Protein Chemistry Facility、W.Alto
n Jones Cell Science Center、Lake Pla
cid、NYにより行われた)。これらの決定は、精製組換えタンパク質が、配
列番号5〜8の推定アミノ酸配列から予測されるC末端配列およびN末端配列を
有することが示された(E.coli細菌中で代表的に切断プロセスされるN末
端メチオニンを除く)。
【0134】 (実施例6) (公知の抗Hsp60モノクローナル抗体との組換えStreptococc
us Hsp60タンパク質の反応性) 精製された組換えStreptococcus Hsp60タンパク質を、以
下の市販される抗体との反応性について分析した: A)Synechococcus sp.Hsp60に対して惹起されたウサギ
ポリクローナル抗体SPA−804(StressGen Biotechno
logies)。この抗体は、広範な範囲の原核生物および真核生物(藍細菌門
、Escherichia coli、ならびに霊長類細胞株、マウス細胞株、
ハムスター細胞株、ラット細胞株を含む)由来のHsp60を認識する。 B)ヒトHsp60に対して惹起されたマウスモノクローナル抗体SPA−80
7(StressGen Biotechnologies)。そのエピトープ
は、そのタンパク質の残基383〜419の間に位置する。この抗体はまた、種
々の他の種(霊長類、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、Borrelia
sp.、Escherichia coli、Streptococcus
pyogenes、Yersinia enterocolitica、Sal
monella typhimurium、Treponema hyodys
enteriae、Treponema innocense、Trichin
ella spiralis、酵母、およびホウレンソウ葉緑体を含む)由来の
Hsp60と交差反応する。 C)Escherichia coli GroELに対して惹起されたマウス
モノクローナル抗体SPA−870(StressGen Biotechno
logies)。この抗体は、真核生物Hsp60タンパク質を認識しない。 D)Mycobacterium tuberculosis BCG Hsp
60に対して惹起されたマウスポリクローナル抗体(StressGen Bi
otechnologies)。この抗体は、Escherichia col
i groELまたは真核生物Hsp60と交差反応しない。 E)組換えヒスチジンタグを認識するマウスモノクローナル抗体(Qiagen
)。
【0135】 0.1μg、0.5μgまたは1μgの組換えタンパク質を含むサンプルを、
10% SDS−PAGE上で分画し、そしてタンパク質を、ニトロセルロース
上に電気ブロットした。抗体SPA−804、SPA−807、SPA−870
、および抗BCG Hsp60を用いる分析についてのブロットを、0.05%
Tween20を含むPBS中の5%スキムミルクで室温で一晩ブロックした。
次いで、ブロットを、一次抗体(1:500希釈で使用された抗BCG Hsp
60抗体を除いて1:1000希釈)を含む同じ緩衝液中で1時間インキュベー
トした。ブロットを、0.05%Tween20を含有するPBSを用いて3回
(各10分)洗浄し、そして5%スキムミルク、0.05%Tween20およ
びヤギ抗ウサギIgG−アルカリホスファターゼ(AP)結合体(Sigma)
またはヤギ抗マウスIgG−アルカリホスファターゼ(AP)結合体(Sigm
a)(1:1000希釈)を含有するPBS中でそれぞれさらに1時間インキュ
ベートした。上記のように、0.05%Tween20を含むPBS中で3回洗
浄した後、ブロットを、アルカリホスファターゼ反応緩衝液(100mM Tr
is−HCl(pH9.5)、150mM NaCl、10mM MgCl2) 中に浸し、次いで、シグナルが明確に見える(約15分)まで、同じ緩衝液中の
0.05%ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)、0.05% 5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリルホスフェート(BCIP)中で発色させた。
【0136】 類似の手順を、TBS(10mM Tris−HCl、pH7.5、150m
M NaCl)中の3%ウシ血清アルブミン中でブロックしたことを除いて、抗
ヒスチジンタグ抗体についても行った。一次抗体および二次抗体を、TBS単独
中で希釈し、そして一次抗体(1:500希釈)を用いて2時間インキュベーシ
ョンした。洗浄を以下のように実行した:ブロットを、0.05%Tween2
0および0.2%TritonX−100を含むTBS中で10分間2回まず洗
浄し、そしてTBS中で10分間1回洗浄した。
【0137】 組換えヒスチジンタグ化Hsp60タンパク質を、過剰発現E.coli細胞
から精製し、そしてポリクローナル抗体SPA−804および抗BCG Hsp
60ならびにモノクローナル抗体SPA−870、SPA−807、ならびに抗
ヒスチジンタグ抗体を用いてウエスタンブロット上でプローブした。表1に示さ
れるように、SPA−804は、全ての4つのStreptococcus H
sp60タンパク質を認識した。対照的に、Streptococcus pn
eumoniae Hsp60−2、SPA−870と交差反応しなかったSP
A−807は、いずれのStreptococcus Hsp60−2タンパク
質とも反応し得ず、そして抗BCG Hsp60は、いずれのStreptoc
occus Hsp60とも交差反応し得なかった。予測されたように、抗Hi
sタグ抗体は、Hisタグ化タンパク質として発現されていた全ての組換えタン
パク質と反応した。陽性反応性は、「+」で示すが、陽性反応の欠損は、「−」
で示す。
【0138】
【表1】 これらのデータは、StreptococcusのHsp60が他の生物のH
sp60と抗原性的に異なることを実証する。それらはまた、Streptoc
occusのHsp60−1およびHsp60−2を区別し得ることを示す。そ
して、それらは、2つの異なる連鎖球菌種由来の関連Hsp60が抗体によって
差示的に認識され得るという証拠を提供する。
【0139】 (実施例7) (組換えStreptococcus Hsp60のペプチドフラグメントの
調製および同定) 精製した組換えタンパク質(1mg/mlで50mg)を、2.5mgのLy
s−Cエンドペプチダーゼ(Boehringer Mannheim)を用い
て37℃で1時間消化した。消化反応物を、キャピラリー電気泳動(3D−HP
CE機器、Hewlett−Packard)により分画した。反応物を、50
mMの二塩基性リン酸ナトリウム(pH7.47)中で75uのむきだしの石英
ガラスキャピラリーを通じて15kVで泳動した。あるいは、逆相クロマトグラ
フィー(1100シリーズHPLC機器、Hewlett−Packard)を
、0.1%のトリフルオロ酢酸の存在下で水中の0〜60%アセトニトリル勾配
で展開したハミルトン(Hamilton)PRP−1 5mカラム上で実行し
た。Hsp60タンパク質の個々のRP−HPLCで分離されたペプチドを、H
ewlett−Packard Laboratories、Palo Alt
o、Californiaによる質量分析法によって同定した。組換えStre
ptococcus Hsp60の消化物のRP−HPLCクロマトグラムを、
図11に示す。
【0140】 (実施例8) (内因性Streptococcus Hsp60の同定) Streptococcus pneumoniae(ATCC6314)お
よびStreptococcus pyogenes(ATCC12344)か
ら抽出された総タンパク質を、Dr.Lee Weber(Nevada大学、
Reno)から入手した。等量の両方の抽出物(SDS−PAGEゲルにおける
タンパク質バンドの染色強度に基づいて同等化した)を、50ngの精製したB
GC Hsp60(StressGen Biotechnologies)と
並行して10%SDS−PAGEにより分画した。ニトロセルロース上に電気転
移した後、実施例6に記載されるように、フィルターをブロックし、抗体SPA
−804を用いてプローブし、そして抗体シグナルを検出した。
【0141】 一方、同様に調製されたフィルターを、抗体SPA−807またはSPA−8
70の1:3000希釈を用いて1時間インキュベートした。ブロットを、水で
2回リンスし、0.05%Tween20を含むPBSを用いて3回(各5分)
洗浄し、次いで、5%スキムミルク、0.05%Tween20および1:30
00希釈のヤギ抗ウサギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合体(
Sigma)を含むPBS中でさらに1時間インキュベートした。その後、フィ
ルターを、水でリンスし、上記のように0.05%Tween20を含むPBS
で洗浄し、ECL基質混合物(Amersham)中で平衡化し、プラスチック
ラップで包み、そして15秒間から20分間の間、X線フィルムに曝露した。
【0142】 これらの実験から得られた結果を、表2に要約する。抗体SPA−804は、
両方の連鎖球菌抽出物と強く反応した。対照的に、抗体SPA−807は、St
reptococcus pneumoniae由来の抽出物と弱く反応したが
、Streptococcus pyogenes由来の抽出物とは強く反応し
た。最後に、抗体SPA−870は、両方の連鎖球菌抽出物と弱く反応した。実
施例6(表1)で決定された抗体特異性に基づくと、Hsp60−2は、連鎖球
菌細胞中では豊富であるが、Hsp60−1は、低レベルでのみ発現されると結
論付けられる。おそらく、Hsp60−1は、より高いストレス誘導性Hsp6
0タンパク質である。
【0143】
【表2】 利用された抽出物の量を、系列希釈を含むクーマシー染色ゲルを比較すること
によって正規化した。
【0144】 上記から、本発明の特定の実施態様は、例証の目的のために本明細書中で記載
されているが、種々の改変が本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなさ
れ得ることが理解される。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によっ
ては限定されない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、Streptococcus pneumoniae Hsp60
−l遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号1およ
び2)を示す。
【図1B】 図1Bは、Streptococcus pneumoniae Hsp60
−l遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号1およ
び2)を示す。
【図2A】 図2Aは、Streptococcus pneumoniae Hsp60
−2遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号3およ
び4)を示す。
【図2B】 図2Bは、Streptococcus pneumoniae Hsp60
−2遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号3およ
び4)を示す。
【図3A】 図3Aは、Streptococcus pyogenes Hsp60−1
遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号5および6
)を示す。
【図3B】 図3Bは、Streptococcus pyogenes Hsp60−1
遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号5および6
)を示す。
【図4A】 図4Aは、Streptococcus pyogenes Hsp60−2
遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号7および8
)を示す。
【図4B】 図4Bは、Streptococcus pyogenes Hsp60−2
遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列(それぞれ、配列番号7および8
)を示す。
【図5】 図5は、S.pneumoniaeおよびS.pyogenes由来のHsp
60遺伝子の配列を推定するために用いられる配列決定ストラテジーの模式図で
ある。
【図6】 図6は、発現ベクターpETP60−1、pETP60−2、pETY60−
1、およびpETY60−2のマップを示し、これらのベクターはそれぞれ、S
.pneumoniaeまたはS.pyogenes由来のHsp60遺伝子を
含む。
【図7】 図7は、発現ベクターpETP60−1、pETP60−2、pETY60−
1、およびpETY60−2のマップを示し、これらのベクターはそれぞれ、S
.pneumoniaeまたはS.pyogenes由来のHsp60遺伝子を
含む。
【図8】 図8は、発現ベクターpETP60−1、pETP60−2、pETY60−
1、およびpETY60−2のマップを示し、これらのベクターはそれぞれ、S
.pneumoniaeまたはS.pyogenes由来のHsp60遺伝子を
含む。
【図9】 図9は、発現ベクターpETP60−1、pETP60−2、pETY60−
1、およびpETY60−2のマップを示し、これらのベクターはそれぞれ、S
.pneumoniaeまたはS.pyogenes由来のHsp60遺伝子を
含む。
【図10A】 図10Aは、S.pneumoniae Hsp60遺伝子(配列番号2およ
び4)ならびにS.pyogenes Hsp60遺伝子(配列番号6および8
)と、他の生物由来の類似の遺伝子(配列番号9〜34)との比較を示す。
【図10B】 図10Bは、S.pneumoniae Hsp60遺伝子(配列番号2およ
び4)ならびにS.pyogenes Hsp60遺伝子(配列番号6および8
)と、他の生物由来の類似の遺伝子(配列番号9〜34)との比較を示す。
【図10C】 図10Cは、S.pneumoniae Hsp60遺伝子(配列番号2およ
び4)ならびにS.pyogenes Hsp60遺伝子(配列番号6および8
)と、他の生物由来の類似の遺伝子(配列番号9〜34)との比較を示す。
【図10D】 図10Dは、S.pneumoniae Hsp60遺伝子(配列番号2およ
び4)ならびにS.pyogenes Hsp60遺伝子(配列番号6および8
)と、他の生物由来の類似の遺伝子(配列番号9〜34)との比較を示す。
【図10E】 図10Eは、S.pneumoniae Hsp60遺伝子(配列番号2およ
び4)ならびにS.pyogenes Hsp60遺伝子(配列番号6および8
)と、他の生物由来の類似の遺伝子(配列番号9〜34)との比較を示す。
【図11A】 図11Aは、S.pneumoniaeおよびS.pyogenes由来のH
sp60遺伝子のRP−HPLCクロマトグラムを示す。
【図11B】 図11Bは、S.pneumoniaeおよびS.pyogenes由来のH
sp60遺伝子のRP−HPLCクロマトグラムを示す。
【図11C】 図11Cは、S.pneumoniaeおよびS.pyogenes由来のH
sp60遺伝子のRP−HPLCクロマトグラムを示す。
【図11D】 図11Dは、S.pneumoniaeおよびS.pyogenes由来のH
sp60遺伝子のRP−HPLCクロマトグラムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ウィスニュースキー, ジャン カナダ国 ブイ0エス 1エヌ0 ブリテ ィッシュ コロンビア, スーク, タラ プレイス アールアール2 5004 Fターム(参考) 4B024 AA13 BA31 CA04 DA02 DA05 EA04 GA11 HA01 HA03 4B065 AA01X AA49Y AA90X AB01 BA02 CA24 CA46 4C085 AA32 BA14 CC07 4H045 AA10 BA10 BA41 CA11 DA86 EA50 FA72 FA74

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Streptococcus pneumoniae Hs
    p60をコードする、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 Streptococcus pyogenes Hsp6
    0をコードする、単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 単離されたヌクレオチド分子であって、以下: (a)配列番号1のヌクレオチド15〜1652の配列を含む、単離された核
    酸分子; (b)配列番号3のヌクレオチド15〜1640の配列を含む、単離された核
    酸分子; (c)配列番号5のヌクレオチド15〜1649の配列を含む、単離された核
    酸分子; (d)配列番号7のヌクレオチド15〜1652の配列を含む、単離された核
    酸分子; (e)(a)〜(d)に記載される配列番号1、3、5または7のヌクレオチ
    ドの任意の1つにそれぞれ相補的な、単離された核酸分子;および (f)(a)〜(e)の任意の1つの核酸分子に対して高ストリンジェンシー
    条件下でハイブリダイズする、単離された核酸分子、 からなる群から選択される、単離されたヌクレオチド分子。
  4. 【請求項4】 単離された核酸分子であって、配列番号1のヌクレオチド1
    5〜1652、配列番号3のヌクレオチド15〜1640、配列番号5のヌクレ
    オチド15〜1649、もしくは配列番号7のヌクレオチド15〜1652の任
    意の1つの核酸分子、またはそれらの相補体に対して高ストリンジェンシー条件
    下において特異的にハイブリダイズする、単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 単離された核酸分子であって、配列番号1のヌクレオチド1
    5〜1652、配列番号3のヌクレオチド15〜1640、配列番号5のヌクレ
    オチド15〜1649または配列番号7のヌクレオチド15〜1652の任意の
    1つの少なくとも25%の連続するヌクレオチド塩基を含むセグメントまたはそ
    れらの相補体に同一のヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 単離された核酸分子であって、配列番号2、4、6もしくは
    8の任意の1つを含むポリペプチドをコードする核酸配列を含むHsp60、ま
    たは配列番号2、4、6もしくは8の任意の1つに記載されるポリペプチドに対
    して少なくとも95%相同である改変Hsp60をコードする、単離された核酸
    分子。
  7. 【請求項7】 Streptococcus pneumoniae Hs
    p60またはStreptococcus pyogenes Hsp60に対
    して特異的な抗体によって選択的に結合され得るポリペプチドをコードする、請
    求項3に記載の単離された核酸分子。
  8. 【請求項8】 配列番号2のアミノ酸残基1〜545、配列番号4のアミノ
    酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜544、および配列番号8の
    アミノ酸残基1〜545から選択される、StreptococcusのHsp
    60ポリペプチドの少なくとも8つのアミノ酸をコードする、単離された核酸分
    子であって、ここで、該コードされたStreptococcusのHsp60
    ポリペプチドが、主要組織適合遺伝子複合体に結合し得る、単離された核酸分子
  9. 【請求項9】 単離されたStreptococcus pneumoni
    ae Hsp60ポリペプチド。
  10. 【請求項10】 単離されたStreptococcus pyogene
    s Hsp60ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 配列番号2のアミノ酸残基1〜545、配列番号4のアミ
    ノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜544、および配列番号8
    のアミノ酸残基1〜545、から選択されるStreptococcusのHs
    p60ポリペプチドの任意の1つのアミノ酸配列またはそれらの改変体を含む、
    単離されたHsp60ポリペプチドであって、ここで、該ポリペプチドが、St
    reptococcus pneumoniae Hsp60および/またはS
    treptococcus pyogenes Hsp60のいずれかに対して
    特異的な抗体によって選択的に結合され得る、単離されたHsp60ポリペプチ
    ド。
  12. 【請求項12】 前記Hsp60ポリペプチドが、融合タンパク質を作製す
    るためにさらなるポリペプチドに融合される、請求項9〜11のいずれか1項に
    記載の、単離されたHsp60ポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号2のアミノ酸残基1〜545、配列番号4のアミ
    ノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜544、および配列番号8
    のアミノ酸残基1〜545から選択される少なくとも8つのアミノ酸を含む、単
    離されたHsp60ポリペプチドであって、ここで、該Hsp60ポリペプチド
    は、主要組織適合遺伝子複合体に結合し得、そしてヒトにおけるStrepto
    coccusに対する免疫応答を誘発または増強し得る、単離されたHsp60
    ポリペプチド。
  14. 【請求項14】 前記ポリペプチドが、タンパク質分解性切断由来である、
    請求項11に記載の単離されたHsp60ポリペプチド。
  15. 【請求項15】 前記ポリペプチドが、化学合成由来である、請求項11に
    記載の単離されたHsp60ポリペプチド。
  16. 【請求項16】 前記Hsp60が、該Hsp60またはその一部をコード
    する核酸分子を含む形質転換宿主細胞の発現産物である、請求項11に記載の単
    離されたHsp60ポリペプチド。
  17. 【請求項17】 前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残基1〜54
    5、配列番号4のアミノ酸残基1〜541、配列番号6のアミノ酸残基1〜54
    4、および配列番号8のアミノ酸残基1〜545から選択されるStrepto
    coccusのHsp60ポリペプチドの任意の1つに対して95%より大きい
    相同性を含み、そしてここで、該Hsp60ポリペプチドが、Streptoc
    occus pneumoniae Hsp60もしくはStreptococ
    cus pyogenes Hsp60のいずれか、または両方に対して特異的
    な抗体によって選択的に結合され得る、請求項11に記載の単離されたHsp6
    0ポリペプチド。
  18. 【請求項18】 単離されたポリペプチドであって、該ポリペプチドが、請
    求項1〜8のいずれか1項に記載の核酸分子を含む、形質転換宿主細胞の発現産
    物である、単離されたポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離された核酸分子
    を含む、ベクター。
  20. 【請求項20】 前記ベクターが、前記Hsp60またはその一部をコード
    する単離された核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現ベクタ
    ーである、請求項19に記載のベクター。
  21. 【請求項21】 選択マーカーまたは同定マーカーをさらに含む、請求項2
    0に記載のベクター。
  22. 【請求項22】 前記プロモーターが、構成性プロモーターまたは誘導性プ
    ロモーターである、請求項20に記載のベクター。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  24. 【請求項24】 前記宿主細胞が、細菌細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、お
    よび昆虫細胞からなる群から選択される、請求項23に記載の宿主細胞。
  25. 【請求項25】 請求項9〜16のいずれか1項に記載のHsp60ポリペ
    プチドを薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈液と組み合わせて含む、組成物
  26. 【請求項26】 前記組成物が、全身投与に適切である、請求項25に記載
    の組成物。
  27. 【請求項27】 前記組成物が、経口投与に適切である、請求項25に記載
    の組成物。
  28. 【請求項28】 前記組成物が、非経口投与に適切である、請求項25に記
    載の組成物。
  29. 【請求項29】 Streptococcusに対する哺乳動物の免疫応答
    を誘発または増強するための方法であって、薬学的に受容可能なキャリアまたは
    希釈液と組み合わせて、請求項9〜16のいずれか1項に記載のHsp60ポリ
    ペプチドの有効量を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 標的抗原に対して哺乳動物における免疫応答を誘発または
    増強するための方法であって、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈液と組み
    合わせて、請求項9〜16のいずれか1項に記載のHsp60ポリペプチドに結
    合されている該標的抗原を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の単離された核酸分子
    を含む組成物であって、ここで、該単離された核酸分子が、Streptoco
    ccus以外の生物由来のHsp60タンパク質の対応するポリペプチドの少な
    くとも1つのアミノ酸の相違を有するポリペプチドをコードする、組成物。
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