JP2002508009A - ラクトフェリンおよび関連分子を用いた感染性因子を不活化する方法および組成物 - Google Patents

ラクトフェリンおよび関連分子を用いた感染性因子を不活化する方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 蛋白質を除去または分解するのに十分な条件下で、感染性因子を、実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラクトフェリンと接触させることによって感染性因子の表面蛋白質を除去または分解することにより、感染性因子を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 ラクトフェリンおよび関連分子を用いた感染性因子を 不活化する方法および組成物 連邦政府の支援を受けたことの言明 本発明は国立衛生研究所、助成番号NIDDK DK34928、DE 09677、HD 20859、お よびAI 19641により資金供給を受けて行った。政府は本発明における一定の権利 を有する。 発明の背景 本発明は細菌およびウイルスなどの感染性因子を不活化する方法および組成物 に関する。 感染、特に細菌、真菌、およびウイルス感染は、健康に対しますます重大な脅 威となっている。微生物およびウイルスの多様性、ならびにこれらを不活化する ために用いられる治療薬に対し耐性を生ずる能力が、現代医学において絶えず問 題となっている。免疫無防備状態の患者では、比較的一般的な感染が重大な疾病 を引き起こし、死にいたることさえある。感染はまた、それ以外は健康な患者の 長期的健康に影響をおよぼすこともある。感染自体の治療には成功しても、二次 的影響によって身体に持続的障害を来すことがある。 非常に多くの人が、生後早い時期に初めての細菌感染を経験する。例えば、特 に多い幼児期感染は急性中耳炎で、中耳の化膿性感染症である。3歳になるまで に、幼児の80%は急性中耳炎に罹り、40〜50%は少なくとも3回の発症を経験して いる。中耳炎は米国の小児科来診理由の3分の1以上を占め、経口抗生物質を処方 する原因として最も多い。中耳炎発症後、液体が中耳に数週間から数ヶ月も残存 し、聴覚障害を引き起こして言語獲得、言語発達、および認知成就に欠陥をもた らすこともある。 中耳炎のほとんどの症例は、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌、またはモラク セラカタラリス(Moraxella catarrhalis)による感染が原因である。感染は鼻 咽頭の定着に始まり、続いてエウスタキオ管を通って中耳に近接拡散する。定着 は複雑な過程で、細菌と宿主の因子の相互作用が関与する。定着が成功するには 、生物が局所免疫応答をかわし、粘液線毛エスカレーターによるクリアランスを 乗 り越える必要がある。例えば、肺炎連鎖球菌およびインフルエンザ菌はいずれも 、上気道の主な分泌抗体であるヒトIgA1を特異的に切断して不活化するIgA1プロ テアーゼを分泌する。さらに、これら3つの呼吸器病原体はすべて付着因子を産 生して、宿主上皮への付着を促進し、定着部位からの細菌の物理的除去を妨害す る。 発明の概要 一つの局面において、本発明は、感染性因子の表面蛋白質を除去または分解す ることにより、感染性因子を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法であ って、蛋白質を除去または分解するのに十分な条件下で、感染性因子を実質的に 純粋で低温殺菌されていない天然ラクトフェリンに接触させることを含む方法を 特徴とする。感染性因子の例には、インフルエンザ菌などの細菌およびウイルス が含まれる。表面蛋白質の例には、IgA1プロテアーゼなどの自己輸送定着因子お よびHapなどの付着因子が含まれる。 関連する局面において、本発明は、感染性因子の表面蛋白質を除去または分解 することにより、感染性因子を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法で あって、蛋白質を除去または分解するのに十分な条件下で、感染性因子を組換え ラクトフェリンに接触させることを含む方法を特徴とする。他の関連局面におい て、本発明は、感染性因子の表面蛋白質を除去または分解することにより、感染 性因子を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法であって、蛋白質を除去 または分解するのに十分な条件下で、感染性因子を、低温殺菌されていない天然 ラクトフェリンの実質的に純粋な断片に接触させることを含む方法を特徴とする 。好ましい断片はラクトフェリンのN末端突出部である。 第二の局面において、本発明は、実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラ クトフェリンの治療上有効な量をヒトなどの哺乳動物に投与することにより、哺 乳動物における微生物定着を阻害する方法を特徴とする。関連局面において、本 発明は、低温殺菌されていない天然ラクトフェリンの実質的に純粋な断片、例え ばラクトフェリンのN末端突出部などの治療上有効な量を哺乳動物に投与するこ とにより、哺乳動物における微生物定着を阻害する方法を特徴とする。 第三の局面において、本発明は、感染性因子を実質的に不活化する方法であっ て、不活化条件下で感染性因子を実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラク トフェリンに接触させることを含む方法を特徴とする。関連局面において、本発 明は、感染性因子を実質的に不活化する方法であって、不活化条件下で感染性因 子を、少なくとも100のアミノ酸残基を有するラクトフェリンの実質的に純粋な 断片と接触させることを含む方法を特徴とする。好ましい方法において、断片は 少なくとも200のアミノ酸残基を有する。例えば、好ましい断片はラクトフェリ ンのN末端突出部である。好ましくは、断片は低温殺菌されておらず、且つ/ま たは天然ラクトフェリンから単離されたものである。 第四の局面において、本発明は、実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラ クトフェリンと薬学的に許容される担体とを含む抗菌性薬学的組成物を特徴とす る。組成物は、例えば、胃腸管から(例えば経口投与により)、吸入により、粘 膜から、または眼から投与するために処方されていてもよい。関連局面において 、本発明は、低温殺菌されていない天然ラクトフェリンの実質的に純粋な断片と 薬学的に許容される担体とを含む抗菌性薬学的組成物を特徴とする。好ましい断 片はラクトフェリンのN末端突出部である。 第五の局面において、本発明は、(a)感染性因子を実質的に不活化させるのに 十分な条件下で感染性因子をラクトフェリンに接触させる段階と、(b)不活化さ れた感染性因子をワクチンへと処方する段階とを含む、弱毒ワクチンの製造方法 を特徴とする。好ましくは、ラクトフェリンは低温殺菌されておらず、且つ/ま たは天然原料から単離されたものである。関連局面において、本発明は、(a)感 染性因子を実質的に不活化させるのに十分な条件下で感染性因子をラクトフェリ ンの実質的に純粋な断片に接触させる段階と、(b)不活化された感染性因子をワ クチンへと処方する段階とを含む、弱毒ワクチンの製造方法を特徴とする。好ま しい断片はラクトフェリンのN末端突出部である。 第六の局面において、本発明は、ラクトフェリンにより不活化された、実質的 に不活化された感染性因子を含む弱毒ワクチンを特徴とする。好ましくは、ラク トフェリンは低温殺菌されておらず、且つ/または天然原料から単離されたもの である。関連局面において、本発明は、実質的に不活化された感染性因子で、ラ クトフェリンのN末端突出部などのラクトフェリンの実質的に純粋な断片により 不 活化された感染性因子を含む弱毒ワクチンを特徴とする。 第七の局面において、本発明は、ラクトフェリンのN末端突出部で、低温殺菌 されていない天然ラクトフェリンから単離された突出部を含む実質的に純粋なペ プチドを特徴とする。 「低温殺菌されていない」という用語は、乳製品の滅菌を行う物理的(例えば 加熱)または化学的(例えば酸)処理などの処理を受けていないことを意味する 。 「ラクトフェリンの断片」という用語は、抗菌活性を有するが、いかなる所与 の哺乳動物種のラクトフェリン蛋白質全長よりも短いアミノ酸配列を意味する。 「実質的に不活化された」という用語は、媒介物の感染性または病原性が任意 の標準的アッセイによって測定した場合に低減していることを意味する。 「実質的に改変された」という用語は、感染性に必要な1つまたは複数の因子 の全部または一部が感染性因子から除去されているまたは分解されていることを 意味する。 「実質的に純粋な」という用語は、ラクトフェリンまたはラクトフェリンの断 片などの化合物が天然に付随する成分または調製中もしくは抽出中に発生する成 分から分離されていることを意味する。例えば、「ラクトフェリンの実質的に純 粋な断片」はラクトフェリンの他の断片から分離されている。好ましくはラクト フェリン調製物は少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、最も 好ましくは少なくとも95重量%の純度で、天然に付随する他の蛋白質、脂質、お よびその他の天然分子を含まない。ラクトフェリンまたはラクトフェリンの断片 の純度はいかなる適切な方法でも、例えばカラムクロマトグラフィー、ポリアク リルアミドゲル電気泳動、またはHPLC分析によっても測定することができる。 「不活化条件」という用語は、本発明の方法および組成物によって感染性因子 を不活化することのできる、処理時間、温度、pH、塩の組成、およびラクトフェ リンまたはラクトフェリン断片の濃度などの条件を意味する。 「感染性因子」という用語は、動物の疾病の原因となりうる細菌またはウイル スなどの因子を意味する。 「抗菌」という用語は、いかなる細菌またはウイルスをも含むがこれらに制限 されることのない顕微鏡的感染性因子の感染性または病原性を低減させうる物質 を意味する。 「表面蛋白質」という用語は、感染性因子の感染性に寄与する、細胞壁または ウイルス外皮などの表面上または表面近辺で認められる蛋白質または蛋白質様因 子を意味する。 「ワクチン」という用語は、感染性因子に対する必要な程度の免疫を与えるの に有効である一方で、好ましくは宿主生物群においては非常に低い罹患率または 死亡率の原因にしかならない物質を意味する。 「薬学的に許容される担体」という用語は、リン酸緩衝塩類溶液、水、水中油 乳液、油中水乳液、湿潤剤、およびアジュバントを含むがこれらに制限されるこ とのない、現在用いられているいかなる標準的な薬学的担体、緩衝液、または賦 形剤をも意味する。 本発明の方法および組成物は、ウイルスを含む微生物感染の阻害に有用である 。これらは定着または感染性に必要な表面蛋白質など、微生物の表面蛋白質を選 択的に不活化するために用いることができる。同時に、これらは他の微生物活性 を未変化のまま残すため、弱毒ワクチン調製に有用な組成物を提供する。 本発明の他の特徴および利点は、下記の詳細な説明、および請求の範囲から明 らかになると思われる。 図面の簡単な説明 図1A〜1Dは、IgA1プロテアーゼ前駆体に対するラクトフェリンの作用を示すウ ェスタンブロット分析の図である。図1Aは、乳清による野生型Rdインフルエンザ 菌細胞からの天然IgA1プロテアーゼ前駆体および残遺ヘルパードメインの除去を 示す。図1Bおよび1Cは、ヒト乳清によるインフルエンザ菌Rd3-13細胞からのIgA1 プロテアーゼプレ蛋白質の除去を示す。図1Dは、組換えヒトラクトフェリンによ るインフルエンザ菌細胞からのIgA1プロテアーゼプレ蛋白質の除去を示す。 図2A〜2Cは、インフルエンザ菌株DB117の人乳ラクトフェリンまたはA.awamor i組換えヒトラクトフェリンによる処理の結果、Hapプレ蛋白質およびHapβが分 解されたことを示すウェスタンブロット分析の図である。図2Aは、PBS単独なら びにPBSおよび13μMのヒト乳清ラクトフェリンと共に予備インキュベートしたイ ンフ ルエンザ菌株DB117派生株の全細胞溶解産物を示す。図2Bは、PBS単独ならびにPB Sおよび13μMのA.awamori組換えヒトラクトフェリンと共に予備インキュベート したインフルエンザ菌株DB117派生株の全細胞溶解産物を示す。図2Cは、PBS単独 ならびにPBSおよび13μMのA.awamori組換えヒトラクトフェリンと共に予備イン キュベートしたインフルエンザ菌株DB117派生株の培養上清を示す。 図3A〜3Cは、ヒト上皮細胞へのHap仲介インフルエンザ菌付着に対するヒトラ クトフェリンの作用を示す図である。図3Aは、PBS、ヒト乳清ラクトフェリン、 または組換えラクトフェリン中でインキュベートした後の、DB117/ベクターおよ びDB117/HapS243AによるChang上皮細胞への付着を示すグラフである。図3Bは、P BS中でインキュベートした後の、Chang上皮細胞サンプルへのDB117/HapS243A付 着を示す光学顕微鏡写真である。図3Cは、組換えラクトフェリン中でインキュベ ートした後の、Chang上皮細胞サンプルへのDB117/HapS243A付着を示す光学顕微 鏡写真である。 図4は、インフルエンザ菌Hapのラクトフェリンによる蛋白質分解に対するセリ ンプロテアーゼ阻害物質PMSFの作用を示すウェスタンブロット分析の図である。 図5A〜5Dは、ヒト乳清への曝露により外膜蛋白質P2、P5、およびP6が除去され ないことを示すウェスタンブロット分析の図である。 好ましい態様の説明 本発明は、天然原料から単離された低温殺菌されていないラクトフェリンが、 細菌などの感染性因子を殺さずに不活化するという知見に基づくものである。例 えば、ラクトフェリンは、細菌の定着および感染に必要な細菌細胞壁蛋白質およ び類似因子を抽出および/または不活性化することにより細菌の病原性を減弱す るが、細菌の生存力は比較的変わらずに保たれると考えられている。ラクトフェ リンの断片もこれらの蛋白質を抽出および不活性化することができる。さらに、 ウイルスも宿主生物への感染能力において重要な役割を果たす外皮蛋白質を有す るため、ラクトフェリンおよびその断片がウイルスの不活化においても有用であ る。 1つの具体例において、ラクトフェリンは細菌細胞壁からインフルエンザ菌IgA 1プロテアーゼプレ蛋白質を除去する。この蛋白質はいったん細胞壁から分離さ れ ると、乳抗IgA1プロテアーゼ抗体により阻害されうる。ラクトフェリンおよびそ の断片はまた、細菌表面のHap付着因子を蛋白質分解して不活化し、それにより 細菌が上皮細胞に付着する能力を減弱する。 ラクトフェリンおよびその断片の膜蛋白質を抽出および分解する能力は、少な くとも部分的には、蛋白質分解に依存していると考えられている。すなわちラク トフェリンはプロテアーゼである、または標的蛋白質との相互作用を通じて蛋白 質分解活性を獲得すると考えられている。この仮説は、抽出および分解はいずれ もラクトフェリン調製物をセリンプロテアーゼ阻害物質であるフッ化フェニルメ チルスルホニル(PMSF)と予備処理することにより阻害されるという所見により 裏付けられる。 ラクトフェリンの断片も、これらの膜蛋白質を抽出および分解するために用い ることができる。用いることができる断片に最小サイズはない。唯一の条件は断 片が蛋白質分解活性を保持するのに十分な大きさがあるということである。ラク トフェリン断片は分子生物学の標準的方法(例えば、標準の欠失法)または、特 に短い断片に対しては、化学的合成法により産生することができる。いったん産 生すると、断片を標準アッセイ(本明細書に記載のアッセイを含む)のいずれか を用いて蛋白質分解活性について試験する。これら断片のグリコシル化は、適当 な宿主細胞(例えば哺乳動物宿主細胞)中での産生によりインビボで達成するこ ともでき、または精製グリコシル化酵素もしくは細胞抽出物を用いてインビトロ で達成することもできる。 しかし、適用例によっては大きいラクトフェリン断片が好ましいこともある。 例えば、少なくとも100、より好ましくは200のアミノ酸残基を有するラクトフェ リン断片が、用途によっては好ましいこともある。 抽出/分解能に寄与する活性部位は、ラクトフェリンN末端の334アミノ酸を有 する突出部にあると考えられる。したがって、少なくともN末端突出部の一部を 含み、この活性を有するラクトフェリンの断片も、本発明において有用である。 好ましい断片はN末端突出部自体である。この突出部は、細菌細胞からのインフ ルエンザ菌IgA1プロテアーゼの抽出、およびHap付着因子の分解において、完全 長のラクトフェリンと同等の効果があることが明らかにされている。 様々な原料からのラクトフェリンを本明細書に記載の方法および組成物として 用いることができる。天然原料から単離したラクトフェリンと組換えラクトフェ リンのいずれも、蛋白質分解活性を示すことが明らかにされている。低温殺菌処 理によりラクトフェリンの蛋白質分解活性が破壊されるため、ラクトフェリンは 低温殺菌されていないことが重要である。ラクトフェリンの原料の具体例には牛 乳および人乳が含まれる。ラクトフェリンおよびラクトフェリンの断片は、例え ば、Stowellら、Biochem.J.276:349-355(1991)に記載のとおり、合成または組 換え法を用いて産生することもできる。組換えラクトフェリンまたはラクトフェ リンの断片を用いる場合、これらが天然ラクトフェリンと同様に、例えば前述の 方法を用いてグリコシル化されることが重要である。 ラクトフェリンの標的には、任意の数の表面蛋白質が含まれる。蛋白質の具体 例には、グラム陰性菌自己輸送分泌蛋白質の同じ系統に属するIgA1プロテアーゼ およびHapが含まれる。IgAプロテアーゼは、Joseら、Mol.Microbiol.18:378-3 80(1995)に記載のとおり、自己分泌されるグラム陰性菌蛋白質ファミリーのプロ トタイプである。本明細書に記載のインフルエンザ菌株Rdプロテアーゼは、N末 端シグナル配列、中心セリンプロテアーゼ(IgAp)、高塩基性らせん状アルファ ドメイン(IgAα)、およびカルボキシ末端ベータまたはヘルパードメイン(IgA β)を含む4つの領域を有する185kDaの蛋白質として合成される(Poulsenら、In fect.Immun.57:3097-3105(1989);Pohlnerら、Nature 325:458-462(1987)) 。シグナル配列は細菌内膜を通過する移送を指示し、次いで切断される。その後 、蛋白質の残り(以後、プレ蛋白質と呼ぶ)がベータドメインから外膜中に入る 。このドメインが親水性チャネルを有するβバレル構造を形成し、したがってプ ロテアーゼおよびアルファドメインの細胞外間隙への転位を促進すると予測され る。最終的に、プロテアーゼドメインが触媒活性を獲得し、アルファドメイン内 で切断して生物の表面からそれ自体を放出する。 インフルエンザ菌Hap蛋白質は、ヒト上皮細胞との密接な相互作用を促進する 非線毛蛋白質である(St.Geme IIIら、Mol.Microbiol.14:217-233(1994))。 これは当初、非付着性、非侵襲性のインフルエンザ菌実験株で発現させた場合に 、インビトロで付着性および侵襲性を付与する能力を示すことから同定された。 Hapはインフルエンザ菌および淋菌IgA1プロテアーゼと有意な配列相同性を示し (30〜35%の同一性および51〜55%の類似性)、類似の経路により自己分泌される 。これは、N末端シグナル配列、表面局在セリンプロテアーゼドメイン(Haps) 、およびC末端外膜ドメイン(Hapβ)を含む3つの機能的ドメインを有する155kD aの蛋白質として産生される(Hendrixsonら、Mol.Microbiol.26:505-518(1997 ))。最終的に、Hapsドメインは自己蛋白質分解による切断を仲介し、Hapβおよ び生物の表面からそれ自体を放出する。宿主上皮細胞への付着は、自己蛋白質分 解による切断前のプレ蛋白質(Hapβに結合しているHaps)の機能であると考え られている。ラクトフェリンはHapsドメインを分解することによりこの蛋白質を 不活化する。 したがって、これらの蛋白質はいずれも膜に埋め込まれたC末端ドメインと、 プレ蛋白質の自己蛋白質分解により細胞外媒質に放出されるまで生物の表面に存 在するN末端プロテアーゼドメイン(パッセンジャー領域)とを含む。これらの 特徴を有する蛋白質も、ラクトフェリンまたはその断片により影響を受けると考 えられる。このような蛋白質の例には、淋菌、H.mustelae、ボルデテラ属菌、 霊菌、ヘリコバクターピロリ、大腸菌、フレクスナー赤痢菌、および百日咳菌の ポリ蛋白質前駆体が含まれる。 インフルエンザ菌の他の特定の外膜蛋白質はラクトフェリンの蛋白質分解作用 に対して抵抗性であるため、N末端パッセンジャー領域の存在がラクトフェリン およびその断片との相互作用に重要であると考えられる。例えば、P2、P5、およ びP6は、IgAβおよびHapβと同様、β樽状構造を形成すると考えられているイン フルエンザ菌外膜蛋白質である。しかし、P2、P5、およびP6にはN末端パッセン ジャー領域がない。これらの蛋白質はラクトフェリンによる影響を受けない。用途 ラクトフェリンおよびその断片は感染性因子の定着能を阻害するため、ラクト フェリン調製物は治療上大きな可能性を有する。ラクトフェリン、またはラクト フェリンの断片を含む薬学的組成物は、胃腸管からの投与用に処方することがで きる。経口投与用製剤の例には、錠剤、カプセル剤、および液剤が含まれる。ラ クトフェリン経口製剤は特に乳児用調製粉乳の補助薬として有用であり得る。ラ クトフェリンを経口投与すると、例えば消化管吸収を介して血流に入り、それに よって投与部位から離れた組織に作用することができる。 ラクトフェリンおよびその断片は、点眼剤、鼻スプレー、または吸入に適した 他のいかなる製剤としても調合できる。 低温殺菌されていないラクトフェリンおよびその断片は定着に必要な蛋白質を 不活化する一方で、細菌の生存力を比較的変えずに残すため、ラクトフェリンお よびその断片は弱毒ワクチンの産生にも利用できる。例えば、細菌細胞壁中の蛋 白質を抽出および/または分解するのに十分な条件下で細菌をラクトフェリンと 接触させ、次いで弱毒化された細菌をワクチンに調合することができる。ワクチ ンの調整法は当技術分野では公知で、例えば、ワクチン(Vaccines)、G.Slore inおよびE.Martance編、第2版、Sanders、Harcourt-Brace 1994にも記載されて いる。 以下に本発明による感染性因子不活化の具体例を示す。これらは本発明の例示 のために示したにすぎず、本発明を限定するものと考えてはならない。 実施例1:乳清中におけるインフルエンザ菌Rdからのプロテアーゼ抽出 インフルエンザ菌Rd株は、1型IgA1プロテアーゼを分泌する血清型Rd株の非被 包性派生株である。Rd株を、ヘミン(10μg/ml)およびニコチンアミドアデニン ジヌクレオチド(2μg/ml)を添加した脳心臓浸出物培地中で対数期中期まで培 養し、次いで遠心分離により回収した。 人乳を、Plautら、J.Infect.Dis.166:43(1992)に記載のとおり、抗生物質 を服用していない健康な母体から分娩の3から6日後に得た。サンプルはすべて滅 菌ビーカーに採取し、採取後6時間以内に10,000 x gでの遠心分離を4℃で20分間 行い、脂質および細胞を除去した。得られた乳清を-70℃で貯蔵し、それ以上の 加工は行わず、使用時にゆっくり解凍して調製した。2x109のインフルエンザ菌 細胞を、未加工ヒト乳清1ml中に再懸濁し、ゆっくり撹拌しながら37℃でインキ ュベートした。2分から1時間間隔でサンプルを取り出した。全細胞および上清を 、プレ蛋白質の全領域に対する抗血清を用いたウェスタン免疫ブロット法により 調べた。 図1Aに示すとおり、ヒト乳清は野生型Rdインフルエンザ菌細胞から天然IgA1プ ロテアーゼ前駆体および残遺ヘルパードメインを除去した。レーン1および2は、 Rd細胞の液体培養物を示す。レーン1の細胞はプレ蛋白質(P)、および処理され たプレ蛋白質からの残遺ヘルパードメイン(β)を含んでいた。レーン2の培養 上清は2つの主なバンドを示し、いずれも培養中に放出された活性IgA1プロテア ーゼであった。レーン3は乳清と共に1時間インキュベートした同じRd細胞を示し ており、乳清により前駆体およびベータドメインが除去された。前駆体(*)は レーン4の人乳上清に移行した。人乳は溶液中の前駆体の処理を阻害する抗体を 含むため、前駆体は処理されていなかった。抽出されたヘルパーベータドメイン は溶液中では不安定で検出されなかった。ラクトフェリンは矢印Lfで示している 。 用いた抗血清は抗Rd3-13で、IgAp、IgAα、およびIgAβと反応する。ラクトフ ェリン(Lf)は第2の抗体である酵素結合ヤギ抗ウサギIgGにより検出された。 実施例2:乳清中におけるインフルエンザ菌RD3-13からのプロテアーゼ抽出 インフルエンザ菌株Rd3-13は、自己処理できずに細菌外膜中にプレ蛋白質蓄積 を引き起こす、酵素として不活性なIgA1プロテアーゼを発現するRd派生株である 。対数期中期のRd3-13菌を乳清中でインキュベートし、示した時点で一部を取り 出した。抽出直前には、細胞に結合したプレ蛋白質が電気泳動ゲル上で予想より も高い位置まで移動した。 細菌ペレット(図1B)およびそれらの対応する乳上清(図1C)を、非吸着ウサ ギ抗Rd3-13プレ蛋白質を用いて調べた。乳中で10分間インキュベートした後、少 量のIgA1プロテアーゼプレ蛋白質のみが細胞と結合したままであった。60分まで に抽出は完了した。上清移行後、蛋白質は非常にゆっくり分解して低分子量のも のとなった。黒い矢じりはプレ蛋白質を示し、ブラケットは乳清中のプレ蛋白質 分解産物を示す。レーンCの対照は緩衝液のみで60分間インキュベートしたRd3-1 3細胞であった。対照中のプレ蛋白質は細菌細胞と結合したままであった。 乳中で2時間インキュベートした後、すなわちプレ蛋白質がほとんどすべて抽 出された時点で、RdまたはRd3-13コロニー形成ユニットを定量したところ、生存 力に対する影響はまったく見られなかった。 実施例3:乳清の活性成分の測定 アセトンで蛋白質を沈殿させ、次いでアニオン交換(DE52、Whatman、英国) 後 、分子ふるいクロマトグラフィ(Biogel P200、Pharmacia、カリフォルニア州Ri chmond)にかけて乳清蛋白質を分別した。すべての段階を中性緩衝液中、室温ま たは4℃で実施した。得られた画分の活性を試験した。RdおよびRd3-13いずれの 実験においても、ラクトフェリンを含む画分によってのみ未加工乳清による所見 が再現された。 2種類の原料、すなわちハムスターの仔の腎臓(BHK)細胞およびAspergillus awamori組換えラクトフェリン(Agennix Corporationより供与、Stowellら、Bio chem.J.276,349-355(1991)に記載)から得た完全長の蛋白質の高度に精製さ れた組換え体、ならびにBHK細胞中で産生されたヒトラクトフェリンの野生型N- 突出部を試験した。 組換え蛋白質を、人乳中のラクトフェリン濃度(Massonら、Clin.Chim.Acrt a 14,735(1966))と近似の1mg/ml(13μM)で用いた。結果を図1Dに示す。レー ンA1〜4は未加工ヒト乳清である。レーンB1〜4はハムスターの仔の腎臓由来組換 えヒトラクトフェリンである。レーンA1およびB1はRd3-13細胞(矢印Pはプレ蛋 白質を示す)を示す。レーンA2およびB2は乳清(A)または13μM組換えラクトフ ェリン(B)中でインキュベーション後の細胞を示す。レーンA3およびB3は対応 する上清を示す。レーンA4およびB4は細菌を含まない対照の乳およびラクトフェ リンを示す。用いた抗血清は、IgAp、IgAaNおよびIgAbと反応する抗Rd3-13であ った。ラクトフェリン(Lf)は第2の抗体である酵素結合ヤギ抗ウサギIgGにより 検出した。 図1Dに示すとおり、BHK細胞から精製したラクトフェリンはRd3-13株からIgA1 プロテアーゼプレ蛋白質(*)を除去し、次いでゆっくりと抽出蛋白質を分解し た(レーンB1〜4、ブラケット)。ヒトラクトフェリンのN-突出部は同等の作用 を示した。さらに、ラクトフェリンのいずれの原料もプレ蛋白質の上方へのシフ トを引き起こした。MazurierおよびSpikのプロトコル(Biochem.Biophys.Acta 629:399-408(1980))によればラクトフェリンの鉄含有量は異なっていたが、そ の含有量が抽出および分解に影響することはなかった。 組換えラクトフェリン調製物中に他の蛋白質が存在しないことを保証するため に、Maldi-Tof線形機器を用いた質量分析法によりこれら蛋白質の分子質量測定 を 実施した。完全なグリコシル化BHKラクトフェリンは79,338ダルトンで、グリコ シル化N-突出部は36,890ダルトンであった。これらの値はいずれも、これらの分 子種の予測値と非常に近いものであった。 実施例4:Hap付着因子に対する人乳ラクトフェリンの作用 IgA1プロテアーゼに構造的に類似のHap付着因子に対する13μMの人乳ラクトフ ェリンの作用も調べた。図2AはPBS単独(左)ならびにPBSおよび13μMヒト乳清 ラクトフェリン(右)と共に予備インキュベートしたインフルエンザ菌株DB117 派生株の全細胞溶解産物の分析を示す。図2Bは、PBS単独(左)ならびにPBSおよ び13μMのA.awamori組換えヒトラクトフェリン(右)と共に予備インキュベー トしたインフルエンザ菌株DB117派生株の全細胞溶解産物の分析を示す。図2Cは 、PBS単独(左)ならびにPBSおよび13μMのA.awamori組換えヒトラクトフェリ ン(右)と共に予備インキュベートしたインフルエンザ菌株DB117派生株の培養 上清の分析を示す。 Hapプレ蛋白質であるHapsおよびHapβと反応する抗血清Rab730によりウェスタ ン分析を行った。すべてのパネルのゲルに下記の通りにのせた:レーン1、DB11 7/ベクターとPBS;レーン2、DB117/野生型HapとPBS;レーン3、DB117/HapS243A とPBS;レーン4、DB117/HapβとPBS;レーン5、DB117/ベクターとラクトフェリ ン;レーン6、DB117/野生型Hapとラクトフェリン;レーン7、DB117/HapS243Aと ラクトフェリン;レーン8、DB117/Hapβとラクトフェリン。矢じりはHapプレ蛋 白質およびHapβを示し、矢印はHap分解産物を示し、アスタリスクはHapsを示す 。 図2A〜2Cに示すとおり、野生型Hapを発現する菌株DB117をラクトフェリン処理 すると、Hapの抽出ではなく蛋白質分解が起こった。プレ蛋白質およびHapβは消 失し、Hapβよりもわずかに小さいC末端断片(45kDa対39kDa)が現れた。 蛋白質分解がHapセリンプロテアーゼ活性に依存しているかどうかを調べるた め、突然変異活性部位セリンを有するHap(HapS243A)を発現するDB117に対する ラクトフェリンの作用を試験した。この蛋白質には自己蛋白質分解活性がなく、 プレ蛋白質の形で外膜中に残存する。全細胞のウェスタン分析により、Hapプレ 蛋白質の消失とHap C末端断片の生成が明らかとなった(図2A、レーン3および7 )。Hapβに融合するHapシグナル配列を含むHap誘導体発現DB117の処理により、 やはり 細胞に結合した39kDaのC末端断片の生成が認められ(図2A、レーン4および8)、 ラクトフェリンによるHapβの曝露部分の蛋白質分解は全Hapsドメインがなくて も起こりうることが示された。 実施例5:Hapに対する組換えヒトラクトフェリンの作用 図2Bに示すとおり、A.awamoriから調製された組換えヒトラクトフェリン13μ Mにより2つの生成物が生じ、1つは乳由来ラクトフェリンで見られたものと同じ3 9kDaのC末端断片であり、もう1つはわずかに小さいC末端断片であった。さらに 分析することにより、HapsまたはHapプレ蛋白質の関連断片が上清中に遊離され ていることが明らかとなった(図2C)。 87nM、217nM、430nMの天然ヒトラクトフェリンによるHap蛋白質分解を13μMの 組換えラクトフェリンと比較する実験により用量−反応関係が確立され、最低濃 度では細胞を1時間処理した後に蛋白質分解が検出されるが不完全であった。 BHK組換えヒトラクトフェリンを用いたさらなる試験により、A.awamori組換 え蛋白質と同等の結果が得られた。IgA1プロテアーゼで見られたとおり、組換え N-突出部は完全長の蛋白質と全く同じ挙動を示した。 実施例6:Hap仲介付着の阻害 HapS243Aを発現する菌株DB117を、PBS単独、および13μMラクトフェリンを含 むPBS中で1時間インキュベートした。これを2回洗浄し、次いで単層Chang上皮細 胞に接種した。30分間のインキュベーション後、St.Geme IIIら、Proc.Natl. Acad.Sci.USA 90:2875(1993)に記載のとおり付着を定量した。付着は、PBS中 でインキュベーションした後のDB117/HapS243Aを100%に補正し、これと比較して 報告する。 図3Aは、PBS、13μMヒト乳清ラクトフェリンを含むPBS、または13μM A.awam ori組換えラクトフェリンを含むPBS中でインキュベーション後、DB117/ベクター およびDB117/HapS243AによるChang上皮細胞への付着を示す。図3Bおよび3Cはギ ームザ染色後のChang上皮細胞サンプルに結合したDB117/HapS243Aの光学顕微鏡 写真を示す。図3BのサンプルはPBS中でインキュベートし、図3Cのサンプルは13 μM A.awamori組換えラクトフェリンと共にインキュベートした。 HapS243Aを発現するDB117は野生型Hapを発現するDB117に比べてインビトロで の 増強された付着を示し、活性部位セリンが突然変異した場合にも完全で細胞に結 合したまま残るHapのプレ蛋白質型により付着が仲介されるという事実を反映し ている。図3Aに示すとおり、DB117/HapS243Aを乳由来または組換えラクトフェリ ンにより処理することで、Hap仲介付着が85〜97%減少した。DB117/ベクターは陰 性対照として用い、ラクトフェリン処置に関係なく非付着性であった。実施例7:インフルエンザ菌Hapのラクトフェリンによる蛋白質分解に対するセ リンプロテアーゼ阻害物質PMSFの作用 ラクトフェリンがセリンプロテアーゼとして機能しているかどうかを調べるた めに、セリンプロテアーゼの広汎な阻害物質であるフッ化フェニルメチルスルホ ニル(PMSF)のHap分解を阻害する能力について試験した。結果を図4に示す。DB 117/HapS243AをPBS(レーン1)、430nM A.awamori組換えラクトフェリンを含む PBS(レーン2)、430nM組換えラクトフェリンおよび7.5%イソプロパノールを含 むPBS(レーン3)、または組換えラクトフェリンおよびイソプロパノール中7.5m MのPMSFを含むPBS(レーン4)中でインキュベートした。全細胞溶解物を調製し 、Hapプレ蛋白質、Haps、およびHapβと反応する抗血清Rab730を用いたウェスタ ンブロット分析により試験した。矢じりはHapプレ蛋白質を示し、矢印はHap分解 産物を示す。図4に示すとおり、430nMの組換えラクトフェリンによるHapの部分 的蛋白質分解は7.5mMのPMSFにより有意に阻害された。 IgA1プロテアーゼプレ蛋白質のラクトフェリン抽出も、10mMのPMSFまたは10mM のジイソプロピルフルオロホスフェート(DFP、第2のセリンプロテアーゼ阻害物 質)存在下で阻害された。 実施例8:ラクトフェリンとインフルエンザ菌蛋白質との相互作用の特異性評 インフルエンザ菌の主要な外膜蛋白質P2、P5、およびP6は、IgAβおよびHapβ と同じく、一連の膜貫通逆平行両親媒性βシートを含むβバレル構造を形成する と予測される(Vachonら、Biochim.Biophys.Acta 861:74-82(1986);Nelsonら 、Infect.Immun.56:128-134(1988);Deichら、J.Bacteriol.170:489-498(198 8);Munsonら、Infect.Immun.61:4017-4020(1993))。しかし、P2、P5、および P6には、自己輸送蛋白質においてIgAβおよびHapβをそのN末端パッセンジャー 領域に結合する特徴的な大きい細胞外ドメインが欠けている。 インフルエンザ菌の対数期細胞を食塩水(sal)または乳清とインキュベート した。結果を図5A〜5Dに示す。細胞を遠心分離し、ペレット(レーンP)および 対応する上清(レーンS)を免疫ブロットアッセイにより調べた。IgAプロテアー ゼと記されたパネル(図5A)は、IgAp、IgAα、およびIgAβを認識する抗血清で あるウサギ血清#331を用いて調べた。他のパネル(図5B〜5D)は、次の蛋白質特 異的モノクローナル抗体を用いて調べた:OMP P2;抗体6G3;OMP P5:抗体2C7; OMP P6:抗体7F3。蛋白質を蛋白質Aペルオキシダーゼおよびホースラディッシュ ペルオキシダーゼ発色剤により検出した。OMP P2パネル(図5B)の細胞は抗体6G 3が特異的な菌株1479であった。他のすべてのパネルの細胞はRd3-13であった。 分子質量マーカー(kDaとして)を右側に示す。 図5A〜5Dに示すとおり、IgAプロテアーゼ前駆体は乳清により細胞から上清に 転位したが、P2、P5、およびP6外膜蛋白質は影響を受けなかった。3つの蛋白質 はすべて細胞に結合したままであった。 本明細書で言及したすべての出版物および特許は、個々の出版物および特許が 参照として本明細書に組み入れられると特別に且つ個別に示されているのと同程 度に、参照として本明細書に組み入れられる。 他の態様 前述の記載から、本明細書に記載の発明を様々な用途および条件に適合させる ために改変および修飾が可能であることは明らかであると思われる。このような 態様も下記の請求の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/12 C07K 14/47 C07K 14/47 C12N 9/50 C12N 9/50 A61K 37/14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.感染性因子の表面蛋白質を除去または分解することにより、該感染性因子 を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法であって、該蛋白質を除去また は分解するのに十分な条件下で、該感染性因子を、実質的に純粋で低温殺菌され ていない天然ラクトフェリンに接触させることを含む方法。 2.前記感染性因子が細菌またはウイルスである、請求項1記載の方法。 3.前記感染性因子がインフルエンザ菌である請求項2記載の方法。 4.前記蛋白質が自己輸送定着因子、IgA1プロテアーゼ、付着因子、またはHa pである、請求項1記載の方法。 5.感染性因子の表面蛋白質を除去または分解することにより、該感染性因子 を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法であって、該蛋白質を除去また は分解するのに十分な条件下で、該感染性因子を組換えラクトフェリンに接触さ せることを含む方法。 6.感染性因子の表面蛋白質を除去または分解することにより、該感染性因子 を殺さずにその病原性を実質的に低下させる方法であって、該蛋白質を除去また は分解するのに十分な条件下で、該感染性因子を、低温殺菌されていない天然ラ クトフェリンの実質的に純粋な断片に接触させることを含む方法。 7.哺乳動物に、実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラクトフェリンの 治療上有効な量を投与することを含む、哺乳動物における微生物定着を阻害する 方法。 8.前記哺乳動物がヒトである、請求項7記載の方法。 9.哺乳動物に低温殺菌されていない天然ラクトフェリンの実質的に純粋な断 片の治療上有効な量を投与することを含む、哺乳動物における微生物定着を阻害 する方法。 10.前記断片がラクトフェリンのN末端突出部である、請求項6または9記 載の方法。 11.不活化条件下で、感染性因子を実質的に純粋で低温殺菌されていない天 然ラクトフェリンに接触させることを含む、感染性因子を実質的に不活化する方 法。 12.不活化条件下で、感染性因子を、ラクトフェリンの実質的に純粋な断片 であって少なくとも100のアミノ酸残基を有する断片に接触させることを含む、 感染性因子を実質的に不活化する方法。 13.前記断片が、少なくとも200のアミノ酸残基を有するか、ラクトフェリ ンのN末端突出部であるか、低温殺菌されていないか、または天然ラクトフェリ ンから単離された、請求項12記載の方法。 14.実質的に純粋で低温殺菌されていない天然ラクトフェリンと薬学的に許 容される担体とを含む抗菌性薬学的組成物。 15.胃腸管から、吸入により、粘膜から、眼から、または経口で投与するた めに処方された、請求項14記載の組成物。 16.低温殺菌されていない天然ラクトフェリンの実質的に純粋な断片と薬学 的に許容される担体とを含む抗菌性薬学的組成物。 17.前記断片がラクトフェリンのN末端突出部である請求項16記載の組成 物。 18.(a)感染性因子を実質的に不活化させるのに十分な条件下で該感染性因 子をラクトフェリンに接触させる段階と、 (b)不活化された該感染性因子をワクチンに処方する段階とを含む、弱毒ワクチ ンの製造方法。 19.ラクトフェリンが低温殺菌されていない、または天然原料から単離され た、請求項18記載の方法。 20.(a)感染性因子を実質的に不活化させるのに十分な条件下で該感染性因 子をラクトフェリンの実質的に純粋な断片と接触させる段階と、 (b)不活化された該感染性因子をワクチンに処方する段階とを含む、弱毒ワク チンの製造方法。 21.前記断片がラクトフェリンのN末端突出部である、請求項20記載の方 法。 22.実質的に不活化された感染性因子であってラクトフェリンにより不活化 された感染性因子を含む弱毒ワクチン。 23.ラクトフェリンが低温殺菌されていない、または天然原料から単離され た、請求項22記載のワクチン。 24.実質的に不活化された感染性因子であってラクトフェリンの実質的に純 粋な断片により不活化された感染性因子を含む弱毒ワクチン。 25.前記断片がラクトフェリンのN末端突出部である、請求項24記載のワ クチン。 26.ラクトフェリンのN末端突出部であって低温殺菌されていない天然ラク トフェリンから単離された突出部を含む実質的に純粋なペプチド。
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