JP2002506411A - 多条ねじのねじ筋配列構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 多条のねじ筋を有する第一の部品を、相補形の多条のねじ筋を有する第二の部品に対して、特に、ねじ付き蓋（１０）を容器部材（１）に対して、周方向に角度を定めて配置するためのねじ筋配列構造である。各部品の多条ねじのねじ筋（１１、１２、１３）のねじ込み端の少なくとも一部で、隣接するねじ込み端同士の角度間隔（α）は、周方向に見たとき、ねじ込み端の別の部分の角度間隔と異なる、及び／又は、各多条ねじの少なくとも一つのねじ筋の寸法が他のねじ筋の寸法とは異なる。部品の形が回転非対称であるとき、一方の部品を他方にしっかりと螺合すると、二つの部品は正確に整合する。

Description

【発明の詳細な説明】 多条ねじのねじ筋配列構造 本発明は、多条のねじ筋を有する第一の部品を、相補形の多条のねじ筋を有す る第二の部品に対して、より具体的には、ねじ付き蓋を容器部材に対して、周方 向に角度位置を定めて配置するための多条ねじのねじ筋配列構造に関する。 様々な理由から、特に包装産業で、例えば、化粧品を貯蔵するための容器を、 例えばその容器の周壁の一部を平坦にし、残りの周囲部分を円形又は楕円形にす るか、他の方法でデザインして、回転非対称にすることがしばしば望まれている 。審美的に心地よい外観を有する、容器と蓋との完全な組み合わせ体を提供する ためにしばしば望まれるように、対応する回転非対称の蓋をそのような容器の上 に配置するのならば、閉じた位置にあるとき蓋が特定の方法で容器に対して常に 整合することを保証しなければならない。その理由は、整合しなければ、蓋の一 部が容器に対して突出し、ひいては組み合わせ体の外観を損なうだけでなく、そ れを輸送し、貯蔵する際に問題を起こすおそれがあるからである。そのうえ、組 み合わせ体の二つの部分にまたがる宣伝文がそれによって分断されるおそれもあ る。軸方向への反撥によって容器に取り付ける蓋の場合には、蓋が容器に対して 特定の角度で整合する場合にのみ反撥を可能にする機構を二つの部品に設けるこ とにより、所望の整合を比較的容易に得ることができる。しかし、当然、そのよ うな問題解決方法は、ねじ付きの蓋には適さない。反撥とは違って、ねじ止めに よる蓋の容器への固定には、より使いやすく、力の要らない操作を可能にすると いう利点がある。 したがって、第一の部品、例えばねじ付き蓋と、第二の部品、例えば容器との 回転非対称な組み合わせ体であって、完全にねじ止めされると、第一の部品が常 に第二の部品に対して特定の整合状態で位置し、それにより、第一の部品をねじ 止めする間、第一の部品の取り扱いに特別な注意を要しない組み合わせ体の必要 性がある。 本発明によると、この目的は、請求項１記載のタイプの組み合わせ体における ねじ筋配列構造によって解消される。そのようなねじ筋配列構造を設けられたね じ付き蓋を容器部材に螺合するときには、蓋と容器部材とがねじ係合するねじ筋 同士を互いに整合させ、それにより、互いに螺合することができるように、まず 、二つの部品の間に特定の相互角度での整合 が求められる。換言するならば、蓋は、容器部材に対していかなる角度での整合 状態ででも螺合できるわけではない。しかし、最初の試験的な蓋の回転によって 整合状態を自動的にセットするか、確認することができるため、これはユーザ側 に注意深い取り扱いを要求しない。その結果、ねじ経路の適切な寸法決定により 、蓋が、完全にねじ付けられた状態にあるとき、容器部材に対して常に特定の位 置をとるようにすることができる。それにより、回転非対称の合同形を有する蓋 と容器との組み合わせ体の外観は、突出部をもたず、宣伝文を、例えば二つの部 品の平坦な重なり合う周囲部に配置することを可能にする。本発明の有利な実施 態様は従属項で特定する。 以下、本発明をその実施態様及び図面を参照しながらさらに詳細に説明する。 図１Ａ〜１Ｃは、本発明の第１実施態様のねじ筋配列構造を有する、容器部材 とねじ付き蓋との組み合わせ体の一部断面分解図を示し、図１Ａは容器部材の側 面図であり、図１Ｂはねじ付き蓋を縦断面図で示し、図１Ｃは容器部材の平面図 である。 図２Ａ〜２Ｃは、本発明の第２実施態様のねじ筋配列構造を有する、容器部材 とねじ付き蓋との組み合わせ体を図１Ａ〜１Ｃに類似した図で示す。 以下、本発明を、流体状、ペースト状もしくは注入性の製品、例えば洗浄剤、 化粧品などを収容するための容器、ビン及び他の器とでの使用に関連して説明す るが、そのような適用分野に限定されないことを理解すべきである。それどころ か、ねじ係合されるように設計された二つの部品を、螺合操作を続ける前に、特 定角度による整合状態に配することが必要である場合には常に利用することがで きる。ねじ係合される合成材料で製造された部品の場合には、射出成形による製 造中に、本発明の多条ねじのねじ筋配列構造をとりわけ有利に実現することがで きる。 以下、図１Ａ〜１Ｃに示す本発明の実施態様を参照する。図１Ａには、図１Ｃ から見られるように、その周囲の一部が円形であり、隣接する周囲部分が矩形で あるという点で回転非対称形である容器部材１が示されている。容器部材１の軸 方向端部の一方には管状のネック又は肩部２が形成され、このネック又は肩部２ が、その外周に、本実施態様では同様なピッチ及び寸法である三つのねじ筋３、 ４及び５からなる多条のねじを形成している。 容器部材１の多条ねじは、容器部材１のねじ筋３、４及び５に対して相補的で あるねじ筋１１、１２、１３からなる蓋１０上の相補形多条ねじと係合して、ね じ付き蓋１０を、蓋１０の下端自由面１４が、ネック部２の外周に沿って設ける ことができる容器部材１の肩面９ に載るか、直接容器部材に載るまで、容器部材１のネック部２に螺合することが できる。 蓋１０は、本発明に関する手段により、その末端位置で、容器部材に対して特 定角度での整合状態を有する。その結果、容器部材１と同様、ねじ付き蓋１０は 、回転非対称形（図示せず）を有することができる。例えば、容器部材１の矩形 の周囲部に類似した矩形をねじ付き蓋１０の外周に設けてもよい。これにより、 容器部材１及びねじ付き蓋１０の矩形部分同士がそれらの末端位置で相互に整合 することが望まれる。 本発明によると、これは、容器部材１のねじ筋３、４、５それぞれのねじ込み 端６、７、８及びねじ付き蓋１０の相補的なねじ筋１１、１２、１３のねじ込み 端（図示せず）（図１Ｂには一つのねじ込み端しか見えない）をネック部２及び ねじ付き蓋１０の周囲に均一に分布させることによって達成されるのではなく（ これらのねじ込み端は共通の半径方向面に位置する）、それらを、周方向に見た ときに、隣接するねじ込み端６、７の対が、他の隣接するねじ込み端７、８及び ８、６それぞれの対の角度間隔α₂及びα₃とは異なる角度間隔α₁を有するよう に配置することによって達成される。本実施態様では、α₁は１８０°に等しく 、角度間隔α₂及びα₃はそれぞれ９０°に達する。 ねじ付き蓋１０のねじ筋１１、１２、１３のねじ込み端は、対応する方法で設 けられる。その結果、ねじ付き蓋１０は、係合するねじ筋３、４、５及び１１、 １２、１３のねじ込み端同士が予め角度を合わせてはじめて、容器部材１のネッ ク部２に螺合することができる。ねじ付き蓋１０が末端位置にくる位置までのネ ック部２の多条ねじの軸方向ねじ長が適切な寸法であると、二つの部品の所望の 整合状態が自動的に生じる。 本発明の前記実施態様では、容器のネック部２及びねじ付き蓋１０それぞれに 三つのねじ筋が設けられているが、これらのねじ筋すべてが主要なねじ筋である 根本的な必要性はない。三条又は多条のねじ筋の代わりに、ねじ込み端が対称な 角度間隔を有していないならば、二条のねじ筋を設けてもよい。例えば、角度間 隔は、一つの周方向に見ると２７０°に達することができるが、反対の周方向で は９０°に達する。 以下、図２Ａ〜２Ｃを参照しながら本発明の第２実施態様を説明する。図２Ａ 〜２Ｃにおける同一又は類似要素は、図１Ａ〜１Ｃに関して記載した第１実施態 様で使用したものと同じ参照番号を有する。したがって、これらの要素の説明の 繰り返しは省略する。本発明の第２実施態様では、容器部材１のネック部２及び 蓋１０それぞれに二条のねじ筋が設けられている。ネック部２のねじ筋は参照番 号１５、１６を有し、蓋１０のねじ筋は参照番号１７、 １８を有する。容器のネック部２のねじ筋１５、１６のねじ込み端６、７−及び 同様に蓋１０の相補形ねじ筋のねじ込み端−は、図２Ｃに示すように、ねじ込み 端６、７がα₁＝α₂＝１８０°の角度間隔を有する点で対称に配置されている。 蓋１０を螺合できるように容器ネック部２に対する蓋１０の特定角度での整合 状態を得るための事前要件は、ネック部２のねじ筋１５、１６及びねじ付き蓋１ ０のねじ筋１７、１８それぞれの幅Ａ、Ａ’及びＢ、Ｂ’を異ならせることによ って達成されるが、これらは同じピッチを有してもよい。例えば、比Ｂ：Ａ及び Ｂ’：Ａ’は３：２であってもよい。その結果、一致する幅を有する、容器ネッ ク部２及びねじ付き蓋１０のねじ筋１５、１８及び１６、１７だけを互いに係合 させることができる。これは、第１実施態様に類似した効果が得られるよう、容 器ネック部２に対するねじ付き蓋１０の特定の角整合状態を要する。 望むならば、本発明の第１実施態様と第２実施態様との組み合わせであるねじ 筋配列構造を容器ネック部及びねじ付き蓋に設けてもよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＥＥ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ， ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＧ，Ｓ Ｉ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 多条のねじ筋を有する第一の部品を、相補形の多条のねじ筋を有する第二 の部品に対して、特に、ねじ付き蓋を容器部材に対して、周方向に角度位置を定 めて配置するための、各部品の多条のねじ筋のねじ込み端が周方向に互いに角度 的に離間しているねじ筋配列構造であって、各部品（１、１０）の多条ねじのね じ筋（３、４、５、１１、１２、１３；１５、１６、１７、１８）のねじ込み端 の少なくとも一部で、隣接するねじ込み端の角度間隔（α）が、周方向に見たと き、ねじ込み端の別の部分の角度間隔と異なる、及び／又は、各多条のねじ筋の 少なくとも一つのねじ筋の寸法（Ａ、Ｂ）が他のねじ筋の寸法とが異なることを 特徴とするねじ筋配列構造。 ２． 各多条ねじのねじ筋（３、４、５、１１、１２、１３）の条数ｎに関して 、隣接するねじ込み端同士の角度間隔が３６０°／ｎに等しくないことを特徴と する請求項１記載のねじ筋配列構造。 ３． 各多条ねじの一部のねじ込み端の角度間隔（α）が１８０°であり、他の 部分のねじ込み端の角度間隔が１８０°よりもに小さいことを特徴とする請求項 １記載のねじ筋配列構造。 ４． ねじ筋（１７、１８）の少なくとも一つが他のねじ筋の幅よりも幅が小さ いことを特徴とする、各多条ねじのねじ筋のねじ込み端の対称構造を有する請求 項１記載のねじ筋配列構造。