JP2002504512A - 慢性の痛みおよび女性特有の痛みを包含する痛みの治療方法 - Google Patents

慢性の痛みおよび女性特有の痛みを包含する痛みの治療方法

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Abstract

(57)【要約】 慢性の痛みおよび/または女性特有の痛みに感受性のある、あるいはこれらに苦しんでいる患者を、有効量のメタニコチンをベースにした化合物を投与することにより治療する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 A.発明の分野 本発明は、痛み、詳細には、慢性の痛み、急性および慢性の女性特有の痛みの
治療に関し、さらにこのようなタイプの痛みに関連した能力障害の予防方法に関
する。
【0002】 B.関連技術の説明 痛みは種々の異なる疾病または傷害に関連している。痛みは急性または慢性の
いずれかである。 慢性または処置しにくい痛みは、しばしば、何年または何十年も持続する。慢
性の痛みに苦しむ患者は、しばしば、うつ病に発展しうる感情の問題を生じ、最
悪の場合、自殺を試みる。長期の痛みは、しばしば、特に、関節、筋肉、結合組
織(例えば、線維筋肉痛)および背中に発生する。米国だけにおいて、慢性の痛
みは1年に2億5千万時間以上の就労時間の損失を引き起こす。 6カ月以上痛みを訴え続けている場合、患者は慢性の痛みを有していると考え
られる。慢性の痛みは時間とともに目立ってきて、完全に独立した臨床的症候群
を形成するようになる可能性がある。今日、慢性の痛みの症候群の大部分は、脊
髄収斂ニューロンの恒久的な興奮であると説明されている。この興奮は、内蔵ま
たは体性の求心性刺激により引き起こされうる。 一般的に、「侵害受容経路」と呼ばれる脊髄への感覚求心的シナプス接続につ
いてはいくぶん明らかとなっているが、痛みの知覚を支配している脳の経路はま
だ完全には理解されていない。かかる経路の最初の部分において、末梢部位から
脊髄へと突出しているCおよびA線維は侵害受容シグナルを伝達する。脊髄の背
中側の角にある多シナプス性ジャンクションは、痛みの感覚の種々の脳領域(中
脳水道周囲の灰白質領域を包含)への伝達およびモジュレーションに関与してい
る(McGeer et al.、1987 Molecular Neurobiology of the Mammalian Brain) 。無痛法、あるいは痛みの知覚を減じることは、かかる侵害受容経路に沿った伝
達を減少させることにより、直接有効でありうる。無痛阿片剤は、エンドルフィ
ンまたはエンケファリンペプチド含有ニューロンの効果を模倣することにより作
用すると考えられており、エンドルフィンまたはエンケファリンペプチド含有ニ
ューロンのシナプスは、活性化された場合、シナプス前部のCまたはA線維末端
において、サブスタンスPを包含する神経伝達物質の放出を阻害する。脳からの
下行性の経路も、CおよびA線維活性化に対して阻害的である。 特定のタイプの痛みは複雑な病因を有している。例えば、ニューロパシー性の
痛みは、一般的には、傷害または末梢神経の部分的離断を原因とする慢性症状で
ある。このタイプの痛みは、感覚過敏または外部からの有害な刺激に対する感受
性向上により特徴づけられる。ニューロパシー性の痛みの感覚過敏成分は、より
全身的および急性の痛みが応答するのと同じ薬剤療法には応答しない。 モルヒネのごときオピオイド(阿片剤)は、多くのタイプの痛みに対する無痛
を引き起こすのに有効であるが、患者の耐性を誘導する可能性がある。対象が阿
片性麻薬に耐性を有する場合、満足な無痛効果を達成するには用量増加が必要で
ある。高用量において、これらの化合物は、呼吸抑制のごとき副作用を生じ、そ
れは生命を脅かす可能性がある。さらに、オピオイドは頻繁に患者の身体的依存
性を引き起こす。依存性は対象への接種オピオイド量および摂取期間に関連して
いると考えられる。この理由のため、慢性の痛みを管理するための別療法が探索
されている。さらに、オピオイド治療薬の代替物または付加物として役立って必
要な無痛化合物の用量を減少させる化合物は、痛み、特に慢性の処置しにくい痛
みの治療において有用である。
【0003】 ヒトの痛みを管理するための無痛剤を投与することにより、薬剤の作用部位に
応じていくつかの生化学的機構が活性化されうる。1のかかる機構は、傷害部位
において痛みを引き起こすプロスタグランジンのごとき物質を生じさせる経路を
阻することにより、局所的なメディエイタを介して作動する。このようにして痛
みを軽減する薬剤の例は非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)であり、それ
らは1のクラスを形成しており、通常には軽度無いし中程度の痛みに対してのみ
有効である。そのうえ、多くのNSAIDsの長期使用は潰瘍および出血のごと
き胃腸に対する副作用を生じる。無痛を誘導するもう1つの機構は、局所麻酔剤
のごとき末梢神経伝達を介するものであり、痛みのシグナルを伝達する神経をブ
ロックすることにより作動する。これらの薬剤は注射によりデリバリーされ、痛
み以外の他の感覚もブロックする。高用量の局所麻酔剤は、心臓に悪影響を及ぼ
して不整脈を引き起こし、脳においては痙攣を引き起こす。CNSにより媒介さ
れる機構(脊髄および脊柱上の機構)を介しても痛みの緩和を行うことができる
。このようにして、病理学的状態または非病理学的状態に関連した痛みを緩和す
るための多くの試みがなされている。すでに述べたように、最もよく知られてい
るCNSに作用する無痛剤はモルヒネのごとき麻薬性阿片剤である。それらは有
効かつ強力であるが、しばしば、いくつかの有害な副作用を有する。
【0004】 性別による痛みの比較に関する多くの研究が医学文献に報告されている。これ
らの研究は、解剖学的および生理学的相違が中枢のコリン作動性活性および抗侵
害受容において重要な役割を果たしているということを確立する傾向にある。か
かる研究はUnruh、Pain、65: 123-167 (1996)により概説されている。例えば、 多くの女性は、月経(月経前の痛みを包含)、排卵、妊娠および出産により生じ
る非病理学的な痛みを経験する。さらに、頭痛および偏頭痛、顔面および口腔の
痛み、背中の痛み、筋肉−骨の痛みならびに腹部の痛みのごとき通常の再発性の
痛みの罹病率における性差が明らかにされている。結局、多くの病理学的状態は
、男性よりも女性において、より大きな痛みを経験させる(上記Unruh)。 無痛における中枢でのニコチンの神経伝達への関与についての最近の報告は、
無痛特性を有するニコチンアゴニストの探求を刺激した。南アメリカの毒ガエル
Epipedobates tricolor(Dendrobatidae属)由来の少量アルカロイドであるエピ
バチジンは強力なニコチンアゴニストであり、ラットおよびマウスにおいて無痛
を誘導し、モルヒネよりも3オーダー高い有効性を示す(Spande et al.、J. Am
. Chem. Soc.、114: 3475-3478、1992; Bradley D.、Science、261: 1117、1993
)。エピバチジンの無痛効果はCNS(脊髄/脊柱上)におけるアゴニスト作用
により媒介されると考えられ、オピオイド放出とは無関係である。エピバチジン
は神経節ニコチン受容体の強力なアゴニストであるが、ニコチンと同様の心臓呼
吸系に対する影響を誘発し(Fisher et al.、J. Pharmacol. Exp. Therap.、270
: 702-707、1994)、痛みの管理に有効な薬剤としてのその有効性が著しく限定 されている。 CNS受容体を標的とするニコチン様リガンドは、阿片剤とは独立した機構に
より無痛を誘導することができ、モルヒネよりもずっと有効性がある。 メタニコチンは、末梢神経節および筋肉のニコチン受容体と比較して、中枢ニ
コチン受容体サブタイプに対して高い選択性を有し、動物実験において用量依存
的な抗侵害受容効果を誘発することが報告されている。JPET、279: 1422-29 (19
96)。Damaj et al.、Society for Neuroscience Abstracts、Vol. 23、Rt. 1、N
o. 266.9 (1997)も参照。 メタニコチンはアルツハイマー型の老人性痴呆およびパーキンソン病のごとき
中枢神経系(CNS)疾患の治療、ならびに炎症性腸疾患、例えば、潰瘍性大腸
炎においても治療効果が示されている。例えば、米国特許第5212188号、
5616716号および5604231号参照。これら3つの特許の全開示を参
照により本明細書に一体化させる。 知られているかぎり、女性特有の痛みおよび/または慢性の痛みの治療のため
のメタニコチンおよび構造的に類似した化合物の使用はまだ報告されていない。
【0005】発明の概要 本発明は、女性特有の痛みおよび/または慢性の痛みの治療方法を提供する。
本発明の方法は、式:
【化3】 [式中、XおよびX'は、Hansch et al., Chem. Rev. 91: 165 (1991)に従って 決定した場合に0より大、しばしば0.1より大、一般的には0.2より大、0
.3より大きことさえあり;あるいは0未満、一般的には−0.1未満;あるい
は0のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置換基種に結合した窒素ま
たは炭素からそれぞれ独立して選択され;mは整数であり、nも整数であり、m
とnとの和が1、2、3、4、5、6、7、または8、好ましくは1、2、また
は3、最も好ましくは2または3であり;構造式中の波線は、化合物がシス(Z
)またはトランス(E)型でありうることを示し;EI、EII、EIII、EIV、E V およびEVIは水素であるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(メチル、 エチル、またはイソプロピルのごとき)を包含する直鎖状もしくは分枝状アルキ
ルであるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(トリフルオロメチルまたは
トリクロロメチルのごとき)を包含するハロ置換直鎖状もしくは分枝状アルキル
であり、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIの少なくとも1つは水素でな く、残りのEI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIは水素であり、好ましくは 、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIは水素であり;Z'およびZ''は水素
であるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(メチル、エチル、またはイソ
プロピルのごとき)を包含する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、好ましく
は、Z'およびZ''の少なくとも1つは水素であり、最も好ましくは、Z'は水素
でありZ''はメチルであり;あるいはまた、Z'は水素でありZ''はシクロプロ ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダ
マンチル、キヌクリジニル、ピリジル、キノリニル、ピリミジニル、フェニル、
またはベンジルからなる群より選択される未置換または置換環状脂肪族または芳
香族環構造であり、環状脂肪族または芳香族環構造の置換基はC1−C8を包含す
るアルキル、ハロもしくはアミノ置換基からなる群より選択される少なくとも1
つのものであり;あるいはまた、Z'およびZ''、ならびに結合窒素原子はアジ リジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、キヌクリジニル、ピペ
ラジニル、またはモルホリニルのごとき環構造を形成しうる] で示される治療上有効量の化合物を、かかる治療を必要とする女性患者に投与す
ることを含む。
【0006】 より詳細には、XおよびX'はN、C−H、C−F、C−Cl、C−Br、C −I、C−R’、C−NR’R”、C−CF3、C−OH、C−CN、C−NO2 、C−C2R’、C−SH、C−SCH3、C−N3、C−SO2CH3、C−OR ’、C−SR’、C−C(=O)NR’R”、C−NR’C(=O)R’、C−
C(=O)R’、C−C(=O)OR’、C(CH2qOR’、C−OC(=O
)R’、COC(=O)NR’R”およびC−NR’C(=O)OR”を包含し
、R'およびR''はそれぞれ水素または低級アルキル(例えば、C1−C10アルキ
ル、好ましくはC1−C5アルキル、より好ましくはメチル、エチル、イソプロピ
ルまたはイソブチル)、未置換または置換芳香族基含有種であり、qは1ないし
6の整数である。R'およびR''は直鎖状または分枝状アルキルであってもよく 、あるいはR'およびR''はシクロアルキル部分(例えば、シクロプロピル、シ クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル
、およびキヌクリジニル)を形成してもよい。典型的な芳香族基含有種は、ピリ
ジル、キノリニル、ピリミジニル、フェニル、およびベンジルを包含する(適当
には、上記のものはいずれも少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく、
置換基は、例えば、アルキル、ハロ、またはアミノ置換基である)。他の典型的
な芳香族環システムはGibson et al., J. Med. Chem. 39: 4065 (1996)に示され
ている。XおよびX'が置換基種に結合した炭素原子である場合、その置換基種 はしばしば約−0.3ないし約0.75の間、頻繁には約−0.25ないし約0
.6の間のシグマm値を有する。特定の状況において、置換基種は0に等しくな
いシグマm値を有するものとして特徴づけられる。 A、A'およびA''はそれぞれ、すでにXおよびX'に関して説明した芳香族炭
素原子に対する置換基種として記載した置換基種であり、通常には、水素、ハロ
(例えば、F、Cl、Br、またはI)、アルキル(例えば、低級直鎖状または
分枝状C1-8アルキル、好ましくはメチルまたはエチル)、またはNX''X'''(
X''およびX'''はそれぞれ水素またはC1−C8を包含する低級アルキル、好ま しくはC1−C5アルキル)を包含する。さらに、Aが水素であるのが非常に好ま
しく、A'が水素であるのが好ましく、通常にはA''は水素である。一般的には 、AおよびA'は両方とも水素であり;時々、AおよびA''は水素であり、A'' はアミノ、メチルまたはエチルであり;しばしば、A、A'およびA''はすべて 水素である。好ましい具体例において、mは1または2であり、nは1であり、
I、EII、EIII、EIVおよびEVIはそれぞれ水素であり、EVはアルキル(例 えば、メチル)である。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIそれぞれの同 一性および位置によっては、特定の化合物は光学活性でありうる。さらに、本発
明の化合物はアルケニル側鎖中にキラル中心を有していてもよく、例えば、EII I 、EIV、EVおよびEVIの選択によっては、化合物はRまたはS配置を有してい
てもよく、S配置が好ましい。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIによっ ては、本発明の化合物はキラル中心を有していてもよく、本発明は、かかる化合
物のラセミ混合物ならびに実質的にエナンチオマー的に純粋な化合物にも関する
。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIと命名された置換基のうち、典型的 には、約4個まで、しばしば3個まで、通常には1個または2個の置換基が水素
でない置換基(すなわち、低級アルキルまたはハロ置換低級アルキル)であるよ
うにm、n、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIを選択する。典型的には 、XはCH、CBrまたはCORである。最も好ましくは、X'は窒素である。
【0007】 本発明の方法は、末梢節および筋肉部位の検知できるほどの活性を生じさせる
ことなく、女性特有の痛みを緩和し、そのことにより血圧上昇および心拍数増加
のごとき不利な心臓呼吸器系の副作用を最小化する。 本発明の方法を用いて、検知できるほどの副作用を生じさせることなく慢性の
痛みの治療を有利に行ってもよい。 好ましくは、上記構造式(I)[式中、Xは、0より大または0未満のシグマ
m値を有するものとして特徴づけられる置換基種に結合した窒素または炭素であ
り;X'は窒素であり;A、A'およびA''はそれぞれ0より大、0未満、または
0のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置換基種であり;mは整数で
あり、nは、mとnとの和が1、2、3、4、5、6、7または8となるような
整数であり;EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIはそれぞれ水素、C1−C 8 を包含する低級アルキル、またはC1−C8を包含するハロ置換低級アルキルで あり;ZおよびZ''はそれぞれ水素または低級アルキルである]を有する治療上
有効量の化合物を投与することにより本発明の方法を行う。 より好ましくは、本発明の方法は、構造式(I)[式中、Z'は水素またはメ チルであり、Z''は水素であり;E'およびE''はそれぞれ水素であり;X'は窒
素であり;EIII、EIVおよびEVは水素であり、EVIは水素またはメチルであり
;A、A'およびA''はそれぞれ水素であり、m+n=2または3である]で示 される化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む。
【0008】発明の詳細な説明 本発明の方法に使用する化合物は、その医薬上許容される塩を含めて、式:
【化4】 [式中、XおよびX'は、Hansch et al., Chem. Rev. 91: 165 (1991)に従って 決定した場合に0より大、しばしば0.1より大、一般的には0.2より大、0
.3より大きいことさえあり;あるいは0未満、一般的には−0.1未満;ある
いは0のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置換基種に結合した窒素
または炭素からそれぞれ独立して選択され;mは整数であり、nも整数であり、
mとnとの和が1、2、3、4、5、6、7、または8、好ましくは1、2、ま
たは3、最も好ましくは2または3であり;構造式中の波線は、化合物がシス(
Z)またはトランス(E)型でありうることを示し;EI、EII、EIII、EIV
VおよびEVIは水素であるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(メチル 、エチル、またはイソプロピルのごとき)を包含する直鎖状もしくは分枝状アル
キルであるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(トリフルオロメチルまた
はトリクロロメチルのごとき)を包含するハロ置換直鎖状もしくは分枝状アルキ
ルであり、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIの少なくとも1つは水素で なく、残りのEI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIは水素であり、好ましく は、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIは水素であり;Z'およびZ''は水
素であるか、またはC1−C8、好ましくはC1−C5(メチル、エチル、またはイ
ソプロピルのごとき)を包含する直鎖状もしくは分枝状アルキルであり、好まし
くは、Z'およびZ''の少なくとも1つは水素であり、最も好ましくは、Z'は水
素でありZ''はメチルであり;あるいはまた、Z'は水素でありZ''はシクロプ ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ア
ダマンチル、キヌクリジニル、ピリジル、キノリニル、ピリミジニル、フェニル
、またはベンジルからなる群より選択される未置換または置換環状脂肪族または
芳香族環構造であり、環状脂肪族または芳香族環構造の置換基はC1−C8を包含
するアルキル、ハロもしくはアミノ置換基からなる群より選択される少なくとも
1つのものであり;あるいはまた、Z'およびZ''、ならびに結合窒素原子はア ジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、キヌクリジニル、ピ
ペラジニル、またはモルホリニルのごとき環構造を形成しうる] を有する。 より詳細には、XおよびX'はN、C−H、C−F、C−Cl、C−Br、C −I、C−R’、C−NR’R”、C−CF3、C−OH、C−CN、C−NO2 、C−C2R’、C−SH、C−SCH3、C−N3、C−SO2CH3、C−OR ’、C−SR’、C−C(=O)NR’R”、C−NR’C(=O)R’、C−
C(=O)R’、C−C(=O)OR’、C(CH2qOR’、C−OC(=O
)R’、COC(=O)NR’R”およびC−NR’C(=O)OR”を包含し
、R'およびR''はそれぞれ水素または低級アルキル(例えば、C1−C10アルキ
ル、好ましくはC1−C5アルキル、より好ましくはメチル、エチル、イソプロピ
ルまたはイソブチル)、未置換または置換芳香族基含有種であり、qは1ないし
6の整数である。R'およびR''は直鎖状または分枝状アルキルであってもよく 、あるいはR'およびR''はシクロアルキル部分(例えば、シクロプロピル、シ クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル
、およびキヌクリジニル)を形成してもよい。典型的な芳香族基含有種は、ピリ
ジル、キノリニル、ピリミジニル、フェニル、およびベンジルを包含する(適当
には上記のものはいずれも少なくとも1個の置換基で置換されていてもよく、置
換基は、例えば、アルキル、ハロ、またはアミノ置換基である)。他の典型的な
芳香族環システムはGibson et al., J. Med. Chem. 39: 4065 (1996)に示されて
いる。XおよびX'が置換基種に結合した炭素原子である場合、その置換基種は しばしば約−0.3ないし約0.75の間、頻繁には約−0.25ないし約0.
6の間のシグマm値を有する。特定の状況において、置換基種は0に等しくない
シグマm値を有するものとして特徴づけられる。 A、A'およびA''はそれぞれ、すでにXおよびX'に関して説明した芳香族炭
素原子に対する置換基種として記載した置換基種であり、通常には、水素、ハロ
(例えば、F、Cl、Br、またはI)、アルキル(例えば、低級直鎖状または
分枝状C1-8アルキル、好ましくはメチルまたはエチル)、またはNX''X'''(
X''およびX'''はそれぞれ水素またはC1−C8を包含する低級アルキル、好ま しくはC1−C5アルキル)を包含する。さらに、Aが水素であるのが非常に好ま
しく、A'が水素であるのが好ましく、通常にはA''は水素である。一般的には 、AおよびA'は両方とも水素であり;時々、AおよびA''は水素であり、A'' はアミノ、メチルまたはエチルであり;しばしば、A、A'およびA''はすべて 水素である。好ましい具体例において、mは1または2であり、nは1であり、
I、EII、EIII、EIVおよびEVIはそれぞれ水素であり、EVはアルキル(例 えば、メチル)である。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIそれぞれの同 一性および位置によっては、特定の化合物は光学活性でありうる。さらに、本発
明の化合物はアルケニル側鎖中にキラル中心を有していてもよく、例えば、EII I 、EIV、EVおよびEVIの選択によっては、化合物はRまたはS配置を有してい
てもよく、S配置が好ましい。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIによっ ては、本発明の化合物はキラル中心を有していてもよく、本発明は、かかる化合
物のラセミ混合物ならびに実質的にエナンチオマー的に純粋な化合物にも関する
。EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIと命名された置換基のうち、典型的 には、約4個まで、しばしば3個まで、通常には1個または2個の置換基が水素
でない置換基(すなわち、低級アルキルまたはハロ置換低級アルキル)であるよ
うにm、n、EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIを選択する。典型的には 、XはCH、CBrまたはCORである。最も好ましくは、X'は窒素である。
【0009】 本発明の方法に使用される好ましい化合物の群は上記構造式(I)[式中、X
は、0より大または0未満のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置換
基種に結合した窒素または炭素であり;X'は窒素であり;A、A'およびA''は
それぞれ0より大、0未満、または0のシグマm値を有するものとして特徴づけ
られる置換基種であり;mは整数であり、nは、mとnとの和が1、2、3、4
、5、6、7または8となるような整数であり;EI、EII、EIII、EIV、EV およびEVIはそれぞれ水素、低級アルキル、またはハロ置換低級アルキルであり
;ZおよびZ''はそれぞれ水素または低級アルキルである]を有する。
【0010】 化合物のもう1つの好ましい群は上記構造式I[式中、Z'は水素またはメチ ルであり、Z''は水素であり;E'およびE''はそれぞれ水素であり;X'は窒素
であり;EIII、EIVおよびEVは水素であり、EVIは水素またはメチルであり;
A、A'およびA''はそれぞれ水素であり、m+n=2または3である]で示さ れるEまたはZ型の化合物およびその医薬上許容される塩を包含する。
【0011】 式:
【化5】 [式中、m、EI、EII、EIII、EIV、X、Z'、Z''、A、A'およびA”は上
記定義に同じ] で示される化合物が特に興味深い。 典型的な化合物は、(4E)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (
4E)-N-メチル-5-(5-ピリミジニル)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)-N-メチル-5-(5
-メトキシ-3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)-N-メチル-5-(6-アミノ-5-
メチル-3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (2R)-(4E)-N-メチル-5-(3-ピリジ ル)-4-ペンテン-2-アミン、 (2R)-(4E)-N-メチル-5-(5-イソプロポキシ-3-ピリ ジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)-N-メチル-5-(5-ブロモ-3-ピリジル)-4-ペン
テン-2-アミン、 (4E)-N-メチル-5-(5-エトキシ-3-ピリジル)-4-ペンテン-2-ア ミン、 (2S)-(4E)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)-N-メ
チル-5-(5-イソプロポキシ-3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミンおよび(2S)-(4E)-
N-メチル-5-(5-イソプロポキシ-3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミンを包含する。
【0012】 他の典型的な化合物は、(3E)および(3Z)-N-メチル-4-(3-ピリジル)-2-メチル-
3-ブテン-1-アミン、 (3E)および(3Z)-N-メチル-4-(3-ピリジル)-3-メチル-3-ブ
テン-1-アミン、 (5E)および(5Z)-N-メチル-6-(3-ピリジル)-5-ヘキセン-3-アミ
ン、 (4E)および(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-2-メチル-4-ペンテン-2-アミン
、 (4E)および(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-3-メチル-4-ペンテン-2-アミン、
(4E)および(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)および
(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-1,1,1-トリフルオロ-4-ペンテン-2-アミン、 (4
E)および(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-4-メチル-4-ペンテン-1-アミン、 (4E)
および(4Z)-N-メチル-5-(3-ピリジル)-4-メチル-4-ペンテン-2-アミン、 (1E)お
よび(1Z)-N-メチル-1-(3-ピリジル)-1-オクテン-4-アミン、 (1E)および(1Z)-N-
メチル-1-(3-ピリジル)-5-メチル-1-ヘプテン-4-アミン、 (5E)および(5Z)-N-メ
チル-6-(3-ピリジル)-5-メチル-5-ヘキセン-2-アミン、 (5E)および(5Z)-N-メチ
ル-6-(3-ピリジル)-5-ヘキセン-2-アミン、 (5E)および(5Z)-N-メチル-6-(3-ピ リジル)-5-メチル-5-ヘキセン-3-アミン、 (3E)および(3Z)-4-(3-ピリジル)-2- メチル-3-ブテン-1-アミン、 (3E)および(3Z)-4-(3-ピリジル)-3-メチル-3-ブテ
ン-1-アミン、 (5E)および(5Z)-6-(3-ピリジル)-5-ヘキセン-3-アミン、 (4E)お
よび(4Z)-5-(3-ピリジル)-2-メチル-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)および(4Z)-5-
(3-ピリジル)-3-メチル-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)および(4Z)-5-(3-ピリジル
)-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)および(4Z)-5-(3-ピリジル)-1,1,1-トリフルオロ
-4-ペンテン-2-アミン、 (4E)および(4Z)-5-(3-ピリジル)-4-メチル-4-ペンテン
-1-アミン、 (4E)および(4Z)-5-(3-ピリジル)-4-メチル-4-ペンテン-2-アミン、
(1E)および(1Z)-1-(3-ピリジル)-1-オクタン-4-アミン、 (5E)および(5Z)-6-(3-
ピリジル)-5-メチル-5-ヘキセン-2-アミン、 (5E)および(5Z)-6-(3-ピリジル)-5
-ヘキセン-2-アミン、ならびに(5E)および(5Z)-6-(3-ピリジル)-5-メチル-5-ヘ キセン-3-アミンを包含する。米国特許第5616716号参照。
【0013】 たの典型的な化合物は、Caldwellらに付与された米国特許第5212188号
、Crooksらに付与された5616707号、Reucroftらに付与された第5663
356号、Bencherifらに付与された第5811442号、およびCaldwellらに 付与された第5861423号に示されている。
【0014】 本明細書の用語「メタニコチン」は、そのシス(Z)異性体およびトランス(
E)異性体の両方を包含するが、本発明の実施における使用にはトランス(E)
型が好ましい。Loeffler et al., Chem. Ber., 42, pp. 3431-3438 (1909)およ びLaforge, J.A.C.S., 50, p. 2477 (1928)により示された方法を用いて、置換 ニコチン型化合物から(E)−メタニコチン型化合物を調製することができる。
ある種の6−置換メタニコチン型化合物を、Acheson et al., J. Chem. Soc. Pe
rkin Trans. 1, 2, pp. 579-585 (1980)の一般的方法を用いて対応6−置換ニコ
チン型化合物から調製することができる。かかる化合物に必要な前駆体である6
−置換ニコチン型化合物を、Rondahl, Acta Pharm, Suec., 14, pp. 113-118 (1
977)により開示された一般的方法を用いて6−置換ニコチン酸エステルから合成
することができる。ある種の5−置換メタニコチン型化合物の調製を、Acheson
et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2, pp. 579-585 (1980)の一般的方法
を用いて対応5−置換ニコチン型化合物から行うことができる。5−ハロ−置換
ニコチン型化合物(例えば、フルオロおよびブロモ置換ニコチン型化合物)およ
び5−アミノニコチン型化合物を、Rondahl, Acta Pharm, Suec., 14, pp. 113-
118 (1977)により開示された一般的方法を用いて調製することができる。5−ト
リフルオロメチルニコチン型化合物を、Ashimori et al., Chem. Pharm. Bull.,
38(9), pp. 2446-2458 (1990)およびRondahl, Acta Pharm, Suec., 14, pp. 11
3-118 (1977)に開示された方法および材料を用いて調製することができる。 さらにそのうえ、ある種のメタニコチン型化合物の調製を、ハロゲン化芳香族
と保護アミン置換基を有する末端オレフィンとのパラジウム触媒によるカップリ
ング反応、第1級アミンを得るための保護基の除去、次いで、所望により第2級
または第3級アミンを得るためのアルキル化を用いて行うことができる。詳細に
は、3−ハロ置換、5−置換ピリジン化合物または5−ハロ置換ピリミジン化合
物を、保護アミン官能基を有するオレフィン(例えば、フタルイミド塩と3−ハ
ロ−1−プロペン、4−ハロ−1−ブテン、5−ハロ−1−ペンテンまたは6−
ハロ−1−ヘキセンとの反応により得られるオレフィン)とのパラジウム触媒に
よるカップリング反応に供することにより、ある種のメタニコチン型化合物を調
製することができる。Frank et al., J. Org. Chem., 43(15), pp. 2947-2949
(1978) および Malek et al., J. Org. Chem., 47, pp. 5395-5397 (1982)参照
。別法として、4−(N−メチル−N−tert−ブチルオキシカルボニル)ア
ミノ酪酸メチルエステルのごときN−保護された修飾アミノ酸残基をアリールリ
チウム化合物(適当なハロゲン化アリールおよびブチルリチウムから誘導されう
るような)とカップリングさせることにより、ある種のメタニコチン型化合物を
調製することもできる。次いで、得られたN−保護アリールケトンを化学的に還
元して対応アルコールとし、ハロゲン化アルキルに変換し、次いで、脱ハロゲン
化水素を行ってオレフィン官能基を導入する。ついで、N−保護基の除去により
所望メタニコチン型化合物を得る。
【0015】 (Z)−メタニコチン型化合物を得るための多くの異なる方法がある。1の方
法において、EおよびZ異性体混合物となったニコチン型化合物から(Z)−メ
タニコチン型化合物を合成することができ、次いで、Sprouse et al., Abstract
s of Papers, p. 32, Coresta/TCRC Joint Conference (1972)により開示された
多くのタイプの方法を用いるクロマトグラフィーにより(Z)−メタニコチン型
化合物を分離することができる。もう1つの方法において、対応アセチレンか青
(例えば、N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブチン−1−アミン型化
合物)の制御された水素添加によりメタニコチン型化合物を調製することができ
る。例えば、ある種の5−置換(Z)−メタニコチン型化合物およびある種の6
−置換(Z)−メタニコチン型化合物を、それぞれ、5−置換−3−ピリジンカ
ルボキシアルデヒドおよび6−置換−3−ピリジンカルボキシアルデヒドから調
製することができる。(Z)−メタニコチン型化合物の典型的な合成方法は、Du
llらに付与された米国特許第5597919号に示されている。
【0016】 アリール置換オレフィンアミン化合物の(Z)−オレフィン異性体を合成的に
製造できる多くの方法がある。1のアプローチにおいて、Lindlar et al., Org.
Syn. 46: 89 (1966)に示された方法を用い、市販Lindlar触媒(A;drich Chemic
al Company)を用いる対応アルキニル化合物(例えば、N−メチル−5−(3−
ピリジル)−4−ブチン−2−アミン型化合物)の制御された水素添加により、
アリール置換オレフィンアミン化合物の(Z)−異性体を調製することができる
。ハロゲン化芳香族、好ましくは3−ブロモピリジン型または3−ヨードピリジ
ン型化合物とアルキニル側鎖化合物(例えば、N−メチル−4−ペンチン−2−
アミン型化合物)とのパラジウムにより触媒されるカップリングにより、必要な
アルキニル化合物を調製することができる。典型的には、L. Bleicher et al.,
Synlett. 1115 (1995)に示された方法を用いて、ヨウ化銅(I)およびトリフェ
ニルホスフィンの存在下で炭酸カリウムを塩基として、ハロゲン化アリールと一
置換アルキンとのパラジウムにより触媒されるカップリングを行う。市販4−ペ
ンチン−2−オール(Aldrich Chemical Company)を塩化p−トリエンスルホニ
ルで処理し、次いで、得られた4−ペンチン−2−オールp−トルエンスルホネ
ートを過剰のメチルアミン(40%水溶液またはテトラヒドロフラン中2.0M
溶液)で処理することにより、N−メチル−4−ペンチン−2−アミンのごとき
アルキニル化合物を調製することができる。いくつかの場合、N−メチル−4−
ペンチン−2−アミン型化合物のアミノ官能基をジ−tert−ブチルジカルボ
ネート保護してtert−ブトキシカルボニルにより保護されたアミン型化合物
を得る必要があるかもしれない。かかる保護アミン化合物を、パラジウム触媒に
よりハロゲン化アリールとカップリングさせて、次いで、得られたアルキニル化
合物の制御された水素添加を、未保護アミン化合物よりも容易に行うことができ
る。トリフルオロ酢酸のごとき強酸を用いてtert−ブトキシカルボニル保護
基を容易に除去してアリール置換オレフィンアミン化合物の(Z)−オレフィン
異性体を得ることができる。本発明のアリール置換オレフィンアミン化合物を合
成的に製造する方法は様々である。4−ペンテン−2−オールのごときオレフィ
ンアルコールを、3−ブロモピリジンまたは3−ヨードピリジンのごときハロゲ
ン化芳香族と縮合させる。典型的には、Frank et al., J. Org. Chem., 43, pp.
2947-2949 (1978)およびMalek et al., J. Org. Chem., 47, pp. 5395-5397 (1
982)に示されたタイプの方法は、オレフィンとハロゲン化芳香族とのパラジウム
により触媒されるカップリングを用いる。所望により、カップリング前にオレフ
ィンアルコールをt−ブチルジメチルシリルエーテルとして保護することができ
る。次いで、脱シリル化によりオレフィンアルコールを得る。次いで、deCosta
et al., J. Org. Chem., 35, pp. 4334-4343 (1992)に示されたタイプの方法を 用いてアルコール縮合生成物をアミンに変換する。典型的には、塩化メタンスル
ホニルまたは塩化p−トルエンスルホニルを用いてアルコール縮合生成物をアリ
ール置換エフィンアミンに変換し、次いで、アンモニア、第1級アミンまたは第
2級アミンを用いてメシレートまたはトシレート置換する。かくして、アミンが
アンモニアである場合、アリール置換オレフィン第1級アミンが得られ、アミン
がメチルアミンまたはシクロブチルアミンのごとき第1級アミンである場合、ア
リール置換オレフィン第2級アミン化合物が得られ、アミンがジメチルアミンま
たはピロリジンのごとき第2級アミンである場合、アリール置換オレフィン第3
級アミン化合物が得られる。他の典型的なオレフィンアルコールは、4-ペンテン
-1-オール、 5-ヘキセン-2-オール、 5-ヘキセン-3-オール、 3-メチル-3-ブテ ン-1-オール、 2-メチル-3-ブテン-1-オール、 4-メチル-4-ペンテン-1-オール 、 4-メチル-4-ペンテン-2-オール、 1-オクテン-4-オール、 5-メチル-1-ヘプ テン-4-オール、 4-メチル-5-ヘキセン-2-オール、 5-メチル-5-ヘキセン-2-オ ール、 5-ヘキセン-2-オールおよび5-メチル-5-ヘキセン-3-オールを包含する。
1,1,1−トリフルオロ−4−ペンテン−2−オールのごときトリフルオロメ
チル置換オレフィンアルコールを、Kubota et al., Tetrahedron Letters, Vol.
33(10), pp. 1351-1354 (1992)の方法を用いて1−エトキシ−2,2,2−ト リフルオロエタノールおよびアリルトリメチルシランから、あるいはIshihara e
t al., Tetrahedron Letters, Vol. 43(56), pp. 5777-5780 (1993)の方法を用 いてトリフルオロ酢酸エチルエステルおよびアリルトリブチルスタナンから調製
することができる。ある種のオレフィンアルコールは光学的に活性であり、エネ
ンチオマー混合物または純粋エナンチオマーとして使用して、対応するアリール
置換オレフィンアミン化合物の光学活性形態を得ることができる。メタリルアル
コールのごときオレフィンアリルアルコールをハロゲン化芳香族と反応させる場
合、アリール置換オレフィンアルデヒドが得られ、得られたアルデヒドを、還元
的アミノ化により(例えば、アルキルアミンおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウ
ムを用いる処理により)アリール置換オレフィンアミン化合物に変換することが
できる。好ましいハロゲン化芳香族は3−ブロモピリジン型化合物および3−ヨ
ードピリジン型化合物である。典型的には、かかる3−ハロピリジン型化合物の
置換基は、試薬(例えば、トシルクロリドおよびメチルアミン)と接触しても生
き残り、アリール置換オレフィンアミン化合物の調製の間の反応条件においても
生き残るものである。あるいはまた、−OH、−NH2および−SHのごとき置 換基を対応アシル化合物として保護することができ、あるいは−NH2のごとき 置換基をフタルイミド官能基として保護することもできる。
【0017】 (4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペ
ンテン−2−アミンのごとき分枝側鎖を有するある種のアリール置換オレフィン
アミン化合物を得る方法は様々である。1の合成法を用いることにより(4E)
−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2
−アミンを簡便に合成でき、その方法において、Heck反応条件下で、側鎖(N−
メチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ペンテン−2−アミン)
を3−置換5−ハロ−置換ピリジン(5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジン
)とカップリングさせ、次いで、tert−ブトキシカルボニル保護基を除去す
る。典型的には、W. C. Frank et al., J. Org. Chem. 43: 2947 (1978)およびN
. J. Malek et al., J. Org. Chem. 47: 5395 (1982)に示されたタイプの方法(
オレフィンとハロゲン化芳香族とのパラジウム触媒カップリングを用いる)を用
いる。必要なN−メチル−N−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ペンテ
ン−2−アミンを次のようにして合成することができる:(i)すでにT. Miche
l, et al., Liebigs Ann. 11: 1811 (1996)により説明されているように、市販 4−ペンテン−2−オール(Aldrich Chemical Company, Lancaster Synthesis
Inc.)をピリジン中で塩化p−トルエンスルホニルで処理して4−ペンテン−2
−オールp−トルエンスルホネートを得ることができる。(ii)得られたトシ
レートを20モル当量のメチルアミン(40%水溶液となっている)とともに加
熱してN−メチル−4−ペンテン−2−アミンを得ることができる。(iii)
A. Viola et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun. (21): 1429 (1984)により述 べられたように、得られたアミンを乾テトラヒドロフラン中で1.2モル当量の
ジ−tert−ブチルジカルボネートで処理して側鎖、N−メチル−N−(te
rt−ブトキシカルボニル)−4−ペンテン−2−アミンを得る。ハロ置換ピリ
ジン(例えば、5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジン)を2つの異なる経路
で合成することができる。1の調製法において、密封ガラス製試験管中の乾イソ
プロパノール中、銅粉末(3,5−ジブロモピリジンの5%重量%)の存在下で
3,5−ジブロモピリジンを2モル当量のカリウムイソプロポキシドとともに1
40℃で14時間加熱して5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジンを得る。5
−ブロモニコチン酸からの5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジンの第2の調
製法を以下のようにして行うことができる:(i)塩化チオニルで処理し、次い
で、中間体である酸塩化物を水性アンモニアと反応させることにより、5−ブロ
モニコチン酸を5−ブロモニコチンアミドに変換する。(ii)得られた5−ブ
ロモニコチンアミドを、C. V. Greco et al., J. Heterocyclic Chem. 7(4): 76
1 (1970)により記載されたようにして、水酸化ナトリウムおよび次亜塩素酸カル
シウム70%溶液で処理することによるHofmann分解に供す。(iii)得られ た3−アミノ−5−ブロモピリジンを、C. V. Greco et al., J. Heterocyclic
Chem. 7(4): 761 (1970)により記載されたようにして、酸性条件下で亜硝酸イソ
アミルでジアゾ化し、次いで、中間体ジアゾニウム塩をイソプロパノールで処理
して5−ブロモ−3−イソプロポキシピリジンとすることができる。5−ブロモ
−3−イソプロポキシピリジンとN−メチル−N−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−4−ペンテン−2−アミンとのパラジウムにより触媒されるカップリン
グを、アセトニトリル−トリエチルアミン(2:1,v/v)中において1モル
%の酢酸パラジウム(II)および4モル%のトリ−o−トルイルホスフィンを
用いて行う。80℃で20分加熱することにより(4E)−N−メチル−N−(
tert−ブトキシカルボニル)−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)
−4−ペンテン−2−アミンを得る。アニソール中、0℃において30モル当量
のトリフルオロ酢酸で処理することによりtert−ブトキシカルボニル保護基
の除去を行って、(4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリ
ジル)−4−ペンテン−2−アミンを得ることができる。
【0018】 分枝側鎖を有するある種のアリール置換オレフィンアミン化合物を得る方法は
様々である。1の合成法を用いると、ハロ置換ピリジンである5−ブロモ−3−
メトキシピリジンと第2級アルコール官能基を有するオレフィン4−ペンテン−
2−オールとを、Heck反応条件下でカップリングさせ、次いで、得られたピリジ
ルアルコール中間体をそのp−トルエンスルホネートエステルに変換し、その後
、メチルアミンで処理することにより、(4E)−N−メチル−5−(5−メト
キシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミンのごとき化合物を合成するこ
とができる。典型的には、W. C. Frank et al., J. Org. Chem. 43: 2947 (1978
)およびN. J. Malek et al., J. Org. Chem. 47: 5395 (1982)に示されたタイプ
の方法(オレフィンとハロゲン化芳香族とのパラジウム触媒カップリングを用い
る)を用いる。必要なハロ置換ピリジン(5−ブロモ−3−メトキシピリジン)
を、H. J. den Hertog et al., Recl. Trav. Chim. Pays-Bas 74: 1171 (1955) により記載されたのと同様の方法を用いて、すなわち、密封ガラス製試験管中の
乾メタノール中、銅粉末(3,5−ジブロモピリジンの5%重量%)の存在下に
おいて、3,5−ジブロモピリジンを2.5モル当量のナトリウムメトキシドと
ともに150℃で14時間加熱することにより合成する。得られた5−ブロモ−
3−メトキシピリジンを、D. L. Comings, et al., J. Org. Chem. 55: 69 (199
0)により記載されたようにして、アセトニトリル−トリエチルアミン(1.1:
1、v/v)中で、1モル%の酢酸パラジウムおよび4モル%のトリ−o−トル
イルホスフィンからなる触媒を用いて4−ペンテン−2−オールとカップリング
させることができる。密封ガラス製試験管中、140℃で14時間加熱すること
により反応を行って、(4E)−N−メチル−5−(5−メトキシ−3−ピリジ
ル)−4−ペンテン−2−オールを得る。得られたアルコールを、乾ピリジン中
、0℃において2モル当量の塩化p−ルエンスルホニルで処理して(4E)−N
−メチル−5−(5−メトキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−オールp
−トルエンスルホネートを得る。トシレート中間体を120モル当量のメチルア
ミン(40%水溶液となっている、少量のエタノールを共溶媒として含有)で処
理して(4E)−N−メチル−5−(5−メトキシ−3−ピリジル)−4−ペン
テン−2−アミンを得る。
【0019】 (2S)−(4E)−N−メチル−5−(3−ピリジル)−4−ペンテン−2
−アミンのごとき光学活性形態の、ある種のアリール置換オレフィンアミン化合
物を得る方法は様々である。1の合成方法において、ハロ置換ピリジン(3−ブ
ロモピリジン)とキラルな第2級アルコール官能基を有するオレフィン((2R
)−4−ペンテン−2−オール)とのHeck反応条件下でのカップリングにより(
2S)−(4E)−N−メチル−5−(3−ピリジル)−4−ペンテン−2−ア
ミンのタイプの化合物を合成する。得られたキラルなピリジルアルコール中間体
(2R)−(4E)−5−(3−ピリジル)−4−ペンテン−2−オールをその
対応p−トルエンスルホネートエステルに変換し、次いで、これをメチルアミン
で処理して、立体配置の逆転を伴うトシレート置換を起こさせる。典型的には、
W. C. Frank et al., J. Org. Chem. 43: 2947 (1978)およびN. J. Malek et al
., J. Org. Chem. 47: 5395 (1982)に示されたタイプの方法(パラジウムにより
触媒されるカップリングを用いる)を用いる。A. Kalivretenos, J. K. Stille,
and L. S. Hegedus, J. Org. Chem. 56: 2883 (1991)の合成法を用いて、テト ラヒドロフラン中、低温(−25℃ないし10℃)においてキラルエポキシド(
R)−(+)−プロピレンオキシド(Fluka Chemical Companyから市販されてい
る)をビニルマグネシウムブロミドで処理することにより、キラル側鎖(2R)
−4−ペンテン−2−オールを調製することができる。得られたキラルアルコー
ルを、アセトニトリル−トリエチルアミン(1:1,v/v)中で1モル%の酢
酸パラジウムおよび4モル%のトリ−o−トルイルホスフィンからなる触媒を用
いてHeck反応に供す。密封ガラス製試験管中で140℃で14時間加熱すること
により反応させてHeck反応生成物(2R)−(4E)−5−(3−ピリジル)−
4−ペンテン−2−オールを得る。得られたキラルなピリジルアルコールを、乾
ピリジン中、0℃において3モル当量の塩化p−トルエンスルホニルで処理して
トシレート中間体を得る。p−トルエンスルホン酸エステルを82モル当量のメ
チルアミン(40%水溶液となっている、共溶媒として少量のエタノールを含有
)とともに加熱して、(2S)−(4E)−N−メチル−5−(3−ピリジル)
−4−ペンテン−2−アミンを得る。同様の方法において、3−ブロモピリジン
と(2S)−4−ペンテン−2−オールとのHeckカップリングにより(2R)−
(4E)−N−メチル−5−(3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミンのご
とき対応アリール置換オレフィンアミンエナンチオマーを合成することができる
。得られた中間体(2S)−(4E)−5−(3−ピリジル)−4−ペンテン−
2−オールをそのp−トルエンスルホネートに変換し、これをメチルアミン置換
反応に供す。A. Kalivretenos, J. K. Stille, and L. S. Hegedus, J. Org. Ch
em. 56: 2883 (1991)により報告されたような、(R)−(+)−プロピレンオ キシドからの(2R)−4−ペンテン−2−オールの調製に関する方法と類似の
方法を用いて、(S)−(−)−プロピレンオキシド(Aldrich Chemical Compa
nyから市販されている)からキラルなアルコール(2S)−4−ペンテン−2−
オールを調製する。
【0020】 本明細書の用語「慢性の痛み」は、長期にわたり処置できない痛みをいう。慢
性の痛みの原因は様々である。源は、癌、骨の変性疾患、ニューロパシー、自己
免疫性疾患、関節炎および他の炎症性疾患、潰瘍性大腸炎およびクローン病のご
とき胃腸疾患、傷害等を包含する。
【0021】 本明細書の用語「女性特有の痛み」は、男女間の解剖学的および/または生理
学的相違により女性のみに生じる痛み、あるいは男性よりも女性により経験され
る程度が大きいと臨床的に決定されている痛みをいう。よって、女性特有の痛み
は、月経、排卵、妊娠および/または出産により生じる痛みのみならず、流産、
子宮外妊娠、卵胞または黄体のう胞の破裂、逆行性月経、化学薬剤による骨盤臓
器(pelvic viscera)の刺激、子宮線維症、子宮腺筋腫症、子宮内膜症、感染症
および炎症、骨盤器官(pelvic organ)の虚血、閉塞症、腹腔内癒着、骨盤臓器
の解剖学的歪み、卵巣膿瘍、骨盤担持の損失、腫瘍、骨盤うっ血または非婦人科
学的原因による痛みを包含する。
【0022】 本発明の方法を用いて女性における偏頭痛の徴候を有利に治療してもよい。偏
頭痛の痛みは女性特有のものではないが、本発明の化合物は、男性の同じ症状を
治療するのに必要な用量よりも少ない用量で、女性の偏頭痛の痛みを有効に緩和
するはずである。 特定の理論に拘束されることを望まないが、ニコチンアセチルコリン受容体数
(nAChR)は男性よりも女性において多い。それゆえ、AChRアゴニスト
の投与は男性よりも女性において大きな無痛効果を生じさせる傾向がある。
【0023】 本発明は、慢性または女性特有の痛みの症状または疾患に感受性のある対象の
慢性および/または女性特有の痛みを緩和するための方法、ならびにそのような
痛みに苦しんでいる対象を治療するための方法を提供する。例えば、当該方法は
、ある程度の痛みの緩和(すなわち、防御的効果)、疾患の徴候の改善、ならび
に疾患の再発の抑制を提供するに有効な量の化合物を患者に提供することを含む
。当該方法は、上記一般式から選択される有効量の化合物を投与することを含む
。また本発明は、上記一般式から選択される化合物を含有する医薬組成物を提供
する。最適には、活性化合物をラセミ混合物またはエナンチオマーとして用いる
ことができる。化合物を遊離塩基または塩の形態で使用することができる(例え
ば、医薬上許容される塩)。適当な医薬上許容される塩の例は、塩酸塩、臭化水
素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩のごとき無機酸付加塩;酢酸塩、ガラ
クタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸
塩酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩のごとき有機酸付加塩;アス
パラギン酸塩およびグルタミン酸塩のごとき酸性アミノ酸との塩;ナトリウム塩
およびカリウム塩のごときアルカリ金属塩;マグネシウム塩およびカルシウム塩
のごときアルカリ土類金属塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリ
ジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N'−ジベンジル エチレンジアミン塩のごとき有機塩基性塩;ならびにリジン塩およびアルギニン
塩のごとき塩基性アミノ酸との塩を包含する。いくつかの場合において、塩は水
和物またはエタノール溶媒和物であってもよい。典型的な塩は、Dullらに付与さ
れた米国特許第5597919号、Dullらに付与された第5616716号およ
びRuecroftらに付与された第5663356号に記載されたようなものである。
【0024】 医薬組成物は添加物または付加物として種々の他の成分を含んでいてもよい。
適当な状況下で使用される典型的な医薬上許容される成分または付加物は、抗酸
化剤、遊離ラジカルスカベンジング剤、ペプチド、成長因子、抗生物質、静細菌
剤、免疫抑制剤、抗凝集剤、緩衝化剤、抗炎症剤、抗発熱剤、除放性結合剤、麻
酔剤、ステロイド類およびコルチコステロイド類を包含する。かかる成分はさら
なる治療上の利益を提供し、医薬組成物の治療作用を有効ならしめ、あるいは医
薬組成物を投与した結果として生じうる副作用を防止する作用をするものであっ
てもよい。ある種の状況下において、本発明の化合物を、特定の疾患を予防また
は治療するための他の化合物を含有する医薬組成物の一部として本発明の化合物
を使用してもよい。
【0025】 化合物を投与する方法は様々である。化合物を吸入(例えば、鼻腔内に、ある
いはBrooksらに付与された米国特許第4922901号に示されたタイプのデリ
バリー器具を用いてエアロゾル形態として)、局所投与(例えば、ローション形
態で)、経口投与(例えば、水性または非水性液体のごとき溶媒中の液体として
、あるいは固体担体中に入れて)、静脈投与(例えば、ブドウ糖またはセイライ
ン溶液に入れて)、輸液または注射(例えば、医薬上許容される液体または液体
混合物中の懸濁液またはエマルジョンとして)、髄腔内、大脳内、脳室投与また
は経皮投与(例えば、経皮パッチを用いて)により投与してもよい。化合物をそ
のまま活性化学薬剤の形態で投与することもできるが、効率的かつ有効な投与の
ための医薬組成物または処方の形態として各化合物を提供することが好ましい。
例えば、化合物を錠剤、硬ゼラチンカプセルまたは除放性カプセルの形態で投与
することができる。もう1つの例として、Novartis and Alza Corporationから 入手できるパッチ法のタイプを用いて化合物を経皮的にデリバリーすることがで
きる。本発明の医薬組成物の投与は間欠的であってもよく、あるいは段階的に、
連続的に、定量的または制御された速度で温血動物(例えば、マウス、ラット、
ネコ、ウサギ、イヌ、ブタ、ウシ、またはサルのごとき哺乳動物)に投与しても
よい。しかしながら、ヒトへの投与が有利で好ましい。さらに、医薬組成物を投
与する投与時刻および1日あたりの投与回数も様々である。好ましくは、医薬処
方の有効成分が慢性または女性特有の痛みの疾患を伴うヒト対照の体内の受容体
部位と相互作用するように投与を行う。より詳細には、慢性または女性特有の痛
みの治療において、好ましくは、痛みの原因に関与する関連受容体サブタイプへ
の効果が最適となり、筋肉タイプの受容体サブタイプへの影響が最小となるよう
に投与を行う。本発明化合物の他の適当な投与方法はSmithらに付与された米国 特許第5604231号に記載されており、参照によりその開示を本明細書に一
体化させる。
【0026】 化合物の適当な用量は、疾患の徴候の発生を予防し、あるいは患者の疾患のい
くつかの徴候を治療する有効な量である。「有効量」、「治療量」または「有効
用量」は、所望の薬理学的または治療効果を誘発し、疾患の有効な予防または治
療を行う十分な量を意味する。疾患の予防は、疾患の徴候発生の遅延により明ら
かとなる。疾患の治療は、疾患に関連した徴候の減少あるいは疾患の徴候の再発
抑制により明らかとなる。(E)−メタニコチンと比較して、本発明の化合物は
哺乳動物系において代謝の程度が低い(すなわち、代謝産物が少なく、血液から
の除去速度が遅い)。
【0027】 有効用量は様々であり、患者の状態、疾患の徴候の重さ、および医薬組成物の
投与様式のごとき要因に依存する。ヒト患者に関しては、典型的な化合物の有効
用量としては、一般的に、関連受容体を活性化させ、神経伝達物質(例えば、ド
パミン)を放出させるに十分な量であるが、骨格筋および節に有意な程度の影響
を及ぼすには不十分な量の化合物を投与することが必要である。もちろん、化合
物の有効用量は患者により異なるが、一般的には、慢性または女性特有の痛みが
改善され、あるいは他の所望治療効果が発生する量から、筋肉への影響が観察さ
れるまでの量を包含する。
【0028】 典型的には、化合物の有効用量としては、一般的に患者体重1kgあたり5m
g未満の量の化合物を投与することが必要である。しばしば、本発明の化合物を
、患者体重1kgあたり1μgないし100μg未満の量、頻繁には、患者体重
1kgあたり約10μgないし100μg未満の量、好ましくは、約10μgな
いし約50μgの量で投与する。筋肉タイプのニコチン受容体に対して低濃度で
は影響を誘発しない本発明の化合物に関しては、有効用量は患者体重1kgあた
り5mg未満であり、しばしばかかる化合物は患者体重1kgあたり50μgな
いし5mg未満の量で投与される。典型的には、上記有効用量は1回に投与され
る量、あるいは24時間に1回またはそれ以上投与される量を示す。
【0029】 ヒト患者に関しては、典型的な化合物の有効用量としては、一般的に、患者1
人あたり24時間で少なくとも約1μg、しばしば少なくとも約10μg、頻繁
には少なくとも約25μgの量の化合物が必要である。ヒト患者に関しては、典
型的な化合物の有効用量は、一般的に、患者1人あたり24時間で500μgを
超えず、しばしば約400μgを超えず、頻繁には約300μgを超えない。さ
らに、有効用量の投与は、患者血漿中の化合物濃度が通常には500ng/ml
を超えないように、頻繁には100ng/mlを超えないようにする。
【0030】 本発明の方法において有用な化合物は患者の脳−血液関門を通過する能力と有
する。そのようなものとして、かかる化合物は患者の中枢神経系に入る能力を有
する。典型的な化合物のlogP値(本発明の実施において有用)は、一般的に
は、約0より大であり、しばしば約0.5より大、頻繁には約1より大である。
かかる典型化合物のlogP値は、一般的には、約3.5より大、しばしば約3
より大、時々約2.5より大である。logP値は、化合物が生物学的膜のごと
き拡散障壁を通過する能力の尺度を提供する。Hansch, et al., J. Med. Chem.
11: 1 (1968)参照。
【0031】 本発明の方法において有用な化合物は、患者の脳のニコチンコリン作動性受容
体(例えば、ドパミン放出をモジュレーションする受容体のごとき)に結合する
能力があり、たいていの場合にはこれを活性化させる能力を有する。そのような
ものとして、かかる化合物はニコチン様薬理作用を示す能力があり、詳細には、
ニコチンアゴニストとして作用する能力がある。本発明の実施において有用な典
型的な化合物の受容体結合定数は、一般的には、約0.1nMを超え、しばしば
約1nMを超え、頻繁には約10nMを超える。かかる典型化合物の受容体結合
定数は、一般的には、約1μM未満であり、しばしば約100nM未満であり、
頻繁には約50nM未満である。受容体結合定数は、患者の特定の脳細胞の対応
受容体部位の半分に結合する化合物の能力の尺度を提供する。Cheng et al., Bi
ochem. Pharmacol. 22: 3099 (1973)参照。
【0032】 本発明の方法において有用な化合物は、神経終末調合物(例えば、視床または
線状体シナプトソーム)を通るイオン流れおよび/または神経終末調合物(例え
ば、視床または線状体シナプトソーム)から神経伝達物質の分泌を有効に誘発す
ることによりニコチン様機能を示す能力を有する。そのようなものとして、かか
る化合物は対応ニューロンを活性化するようにし、アセチルコリン、ドパミンま
たは他の神経伝達物質を放出させる能力を有する。一般的には、本発明の実施に
有用な典型化合物は、(S)−(−)−ニコチンにより提供される最大受容体活
性化の少なくとも約30%、しばしば少なくとも約50%、頻繁には少なくとも
約75%の活性化を有効に提供する。一般的には、本発明の実施に有用な典型化
合物は、対応受容体活性化において(S)−(−)−ニコチンよりも強力である
。一般的には、一般的には、本発明の実施に有用な典型化合物は、(S)−(−
)−ニコチンにより提供される最大ドパミン分泌の少なくとも約50%、しばし
ば少なくとも約75%、頻繁には少なくとも約100%の量のドパミンの分泌を
有効に提供する。一般的には、本発明の実施に有用な典型化合物は、(S)−(
−)−ニコチンにより提供される最大ドパミン分泌を超えうる量のドパミン分泌
を提供しうる。一般的には、本発明の実施に有用な典型化合物は、ドパミン分泌
のごとき神経伝達物質分泌の誘発において(S)−(−)−ニコチンよりも強力
でない。
【0033】 本発明の化合物は、本発明の方法に従って有効量で使用された場合、ヒト筋肉
のニコチン受容体の有意な程度の活性化を誘発する能力を欠く。その点において
、本発明の化合物は、筋肉タイプのニコチンアセチルコリン受容体を発現する細
胞調合物中のニコチン受容体を通るアイソトープ(ルビジウム)イオンの流れを
引き起こす能力に乏しい。よって、かかる化合物は極端に高い(すなわち約10
0μMより大きい)受容体活性化定数またはEC50値(すなわち、患者の骨格
筋の対応受容体部位の半分を活性化するのに必要な化合物濃度の尺度を提供する
)を示す。一般的には、本発明の実施において有用な典型的な好ましい化合物は
、S(−)ニコチンにより提供される最大アイソトープ(ルビジウム)イオン流
れの10%未満、しばしば5%未満のアイソトープ(ルビジウム)イオン流れを
活性化する。
【0034】 本発明の化合物は、本発明の方法に従って有効量で使用された場合、ある種の
対応ニコチン受容体には選択的であるが、望ましくない副作用を伴う受容体の有
意な活性化を引き起こさない。このことは、女性特有の痛みおよび/または慢性
の痛みの予防および/または治療を行う特定用量の化合物では、ある種の神経節
タイプのニコチン受容体の活性化を誘発するには有効でないことを意味する。ア
ドレナリンクロマフィン組織のニコチン様機能を活性化する化合物の能力の欠如
により、心臓血管系の副作用の原因となる受容体に対する本発明化合物のかかる
選択性が示される。そのようなものとして、かかる化合物は、アドレナリン腺由
来の細胞調合物中のニコチン受容体を通るアイソトープ(ルビジウム)イオン流
れを引き起こす能力に乏しい。一般的には、本発明の実施において好ましい典型
化合物は、S(−)ニコチンにより提供される最大アイソトープ(ルビジウム)
イオン流れの10%未満、しばしば5%未満の活性化を提供する。
【0035】 本発明の化合物は、本発明の方法に従って有効量で用いられた場合、慢性の痛
み、女性特有の痛みに対してある程度の予防または改善を提供し、かかる痛みの
ある程度の再発を抑制する。しかしながら、かかる有効量の化合物は、心臓血管
系に対する影響をあるいは骨格筋への影響反映すると考えられる調合物に対する
減少した効果により示されるような検知できる副作用を誘発するには十分でない
。そのようなものとして、本発明の化合物の投与は、慢性および女性特有の痛み
が治療され、副作用が回避される治療を提供する。すなわち、本発明化合物の有
効用量は、痛みの改善、詳細には、女性における痛みの改善による所望の効果を
得るに十分であるが、望ましくない副作用を引き起こすには不十分である(すな
わち、十分に高いレベルではない)。好ましくは、女性特有の痛みおよび/また
は慢性の痛みの治療を提供する本発明化合物の有効な投与量は、有意な程度にま
で副作用を生じさせるに十分な量の1/3未満、頻繁には1/5未満、しばしば
1/10未満の投与量である。
【0036】 以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明するためのものである。実施例は本
発明を説明するでけであり、本発明を限定するものではない。 実施例Iは、メスおよびオスのラットにおける本発明化合物の髄腔内投与の無
痛効果を評価するために行われた。
【0037】 実施例I オスおよびメスのSprague Dawleyラットに挿入された髄腔内カテーテルを通し
てトランス−メタニコチンを投与して、カテーテルの先端が上部腰椎領域にある
ようにした。光熱源から後ろ足を引っ込めるまでの時間の増加として無痛を調べ
た。傷害を防止するために、30秒以上の時間を超えないこととした。これらの
ラットにおいて、トランス−メタニコチンの髄腔内注射前および後の足を引っ込
めるまでの時間を調べ、可能な最大効果の%値としてデータを表した。 この研究は、オスおよびメスのラットにおいて、トランス−メタニコチンの髄
腔内注射は、20μgまでは輻射熱刺激に対して足を引っ込めるまでの時間を用
量依存的に長くしたが、60μgではそれ以上の効果の増大はなかった。抗侵害
受容応答は約10分間継続し、オスよりもメスにおいて2倍大きく、可能な最大
無痛効果はメスおよびオスにおいてそれぞれ45%および20%であった。これ
らのデータは、トランス−メタニコチンがラットにおいて、明らかに頭打ちのあ
る脊髄の無痛を引き起こすことを示す。さらにそのうえ、これらの結果は、オス
のラットと比較すると、メスのラットにおいて髄腔内投与されたニコチン性アセ
チルコリン受容体アゴニストに対する増大した感受性が示される傾向がある。
【0038】 実施例II 本発明化合物の無痛有効性を、ニューロパシー性または神経原性の痛みに関す
る動物モデルにおいて試験することもできる。1のかかるモデルは、末梢神経傷
害後のカウザルギーまたは反射交感神経不全(RSD)と呼ばれるヒトの症状を
模している。この症状は感覚過敏(自然な刺激に対する感受性が高まっている)
、痛覚過敏(痛みに対する異常な感受性)、異痛(感覚過敏および通常には痛く
ない熱的刺激または触覚刺激に対する痛み)、ならびに突発性灼熱痛により特徴
づけられる。ヒトにおいて、ニューロパシー性の痛みは慢性化する傾向があり、
心身を弱らせる可能性がある。 一般的には、このタイプの痛みは、慣用的なオピオイド無痛法には無応答であ
るかまたは部分的に応答するだけである(Jadad, A. R. et al. (1992) Lancet
339: 1367-1371)。 本発明によれば、以下の段落に記載したように、無痛効果 のあるメタニコチン化合物およびそのアナログはニューロパシー性の痛みの緩和
に有効である。 簡単に説明すると、使用モデルにおいて、再現性があるように末梢神経(脊髄
神経L5およびL6)に傷害を与えるように設計された、Kimらにより記載され た外科的手順(Kim, S. H. and Chung, J. M. (1992) Pain 50: 355-363)にラ ットを付す。これらのラットは感覚過敏状態を発症し、当該分野で知られた1ま
たはそれ以上の典型例を用いて測定することができる。ここでは、硬さの程度に
よりグレード付けされたナイロン糸を用いてニューロパシーラットの後ろ足を刺
激することにより異痛を測定した。 (E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミンに対
する応答の性差を、上記アッセイを用いて試験した。軽く触れることに対する感
覚過敏(キャリブレーションされたvon Frey糸の適用に対して足を引っ込める閾
値)は1週間後に実証された。(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−
3−ブテン−1−アミンの髄腔内注射はオスのラットにおいては効果がなかった
が、メスのラットにおいては、100μg注射後に感受性のレベルを術前レベル
の50±4%(平均値±標準偏差)のレベルにまで戻した。
【0039】 実施例III オスおよびメスの成体Sprague Dawleyラットに上記のごとく髄腔内カテーテル
を挿入して準備した。10μl中30μgの濃度のカプサイシン(8−メチル−
N−バニリルノナミド)を調製した。簡単に説明すると、まず、カプサイシン粉
末をTween80に溶解し、次いで、等張セイライン中に添加し、70℃に加熱し た。得られた溶液を濾過し、滅菌ガラスバイアル中で保存した。各群のラットは
6匹のオスと6匹のメスを含み、それらは同時に試験され、各動物は後ろ左足底
面に1回だけ注射された。各動物をハロタンで軽く麻酔し、動かなくなった直後
にカプサイシン30μgを28Gの針を用いて左足底面中央部に皮内注射した。
少なくとも2時間継続する機械的痛覚過敏を引き起こすという理由で(Gilchris
t, H. D., Allard, B. L., and Simone, D. A. Enhanced withdrawal response
to heat and mechanical stimuli following intraplantar injection of capsa
icin in rats. Pain 1996; 67: 179-188)、この用量を選択した。 麻酔からの覚醒は迅速で、すべての動物は5分未満継続する侵害受容挙動を示
し、次いで、正常な挙動を示し、運動のために足を用いた。カプサイシン注射前
および注射後30分毎に2時間、von Frey糸および上記アップダウン法を用いて
後ろ足を引っ込める閾値を試験した。糸を用いて足を引っ込める閾値を測定する
場合に、注射ポイントに直接触れないように注意した。カプサイシン注射前にセ
イラインまたは(E)−N−メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1
−アミン(50μg)を髄腔内注射した。 カプサイシンの足底内注射は、オスおよびメスの両方において迅速な効き目が
あり、足を引っ込める閾値の減少は持続的であった。しかしながら、オスおよび
メスの対照動物は、ベースラインおよびカプサイシン注射後において足を引っ込
める閾値が相違し、それゆえ、カプサイシン注射前の閾値からの変化の%値を両
性について比較した。この分析により、カプサイシン注射後2時間にわたる足を
引っ込める閾値の平均減少%値は、メスにおいて74±5.3%であり、オスに
おいて64±6.7%であった(p=0.47,NS)。よって、(E)−N−
メチル−4−(3−ピリジニル)−3−ブテン−1−アミンは、この痛みのモデ
ルにおいて、オス、メス間で同様の無痛効果を発揮した。
【0040】 いくつかの米国特許および科学文献が上記明細書において参照されている。そ
れぞれの全開示を、参照により本明細書に記載されているものとみなす。 本発明の特定の具体例を上に記載し、説明したが、上記開示から他の種々の具
体例が当業者に明らかであろう。例えば、上記メタニコチンのホモログおよびア
ナログもまたニコチン様アセチルコリン受容体アゴニストとして機能し、女性特
有の痛みおよび/または慢性の痛みの治療において同様に治療上有効である。そ
れゆえ本発明は、詳細に説明した特定の具体例に限定されず、添付した請求の範
囲の範囲から逸脱しない、相当な変更および修飾が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 BA02 BA52 CA03 CA06 CA27 CA39 CA42 CB02 DA01 4C086 AA01 AA02 BC17 BC42 MA01 MA04 NA14 ZA08 ZC51

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、Xは、0より大きいかまたは0未満のシグマm値を有する置換基種に結
    合した窒素または炭素であり;X'は窒素であり;A、A'およびA''はそれぞれ
    0より大、0未満、または0のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置
    換基種であり;mは整数であり;nはmとnとの和が1、2、3、4、5、6、
    7または8となるような整数であり;EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVI はそれぞれ水素、C1−C8を包含する低級アルキル、またはC1−C8を包含する
    ハロ置換低級アルキルであり;ZおよびZ''はそれぞれ水素または低級アルキル
    であり;式I中の波線は、化合物がシス(Z)またはトランス(E)型でありう
    ることを示す] を有する治療上有効量の化合物または該化合物の医薬上許容される塩を投与する
    ことによる、女性特有の痛みの治療を要する女性患者おける女性特有の痛みを治
    療する方法。
  2. 【請求項2】 Z'が水素またはメチルであり、Z''が水素であり;EI、E II がそれぞれ水素であり;EIII、EIVおよびEVが水素であり、EVIがメチルで
    あり;A、A'およびA''がそれぞれ水素であり、m+n=2または3であるE 型の化合物が投与される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該化合物中のZ'が水素またはメチルであり、該化合物中の Z''が水素である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該化合物がE型であり、該化合物中のE'およびE''がそれ ぞれ水素である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 該化合物がZ型であり、該化合物中のE'およびE''がそれ ぞれ水素である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 該化合物中のEIII、EIVおよびEVがそれぞれ水素であり、
    該化合物中のEVIがメチルである請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該化合物中のA、A'およびA''が水素である請求項1記載 の方法。
  8. 【請求項8】 EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIがそれぞれ水素で ある請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 Aが水素である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 Z'およびZ''の少なくとも1つが水素である請求項1記 載の方法。
  11. 【請求項11】 該化合物中のm+nが2または3である請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 該化合物中のm+nが3である請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 トランス異性体の該化合物が投与される請求項1記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 1日につき患者体重1kgあたり約0.005mgないし
    約0.5mgの範囲の量の該化合物が投与される請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 該女性特有の痛みが月経により生じるものである請求項1
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 該女性特有の痛みが排卵により生じるものである請求項1
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 該女性特有の痛みが妊娠により生じるものである請求項1
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 該女性特有の痛みが出産により生じるものである請求項1
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 式: 【化2】 [式中、Xは、0より大きいかまたは0未満のシグマm値を有する置換基種に結
    合した窒素または炭素であり;X'は窒素であり;A、A'およびA''はそれぞれ
    0より大、0未満、または0のシグマm値を有するものとして特徴づけられる置
    換基種であり;mは整数であり;nはmとnとの和が1、2、3、4、5、6、
    7または8となるような整数であり;EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVI はそれぞれ水素、C1−C8を包含する低級アルキル、またはC1−C8を包含する
    ハロ置換低級アルキルであり;ZおよびZ''はそれぞれ水素または低級アルキル
    である] を有する治療上有効量の化合物または該化合物の医薬上許容される塩を投与する
    ことによる、慢性の痛みの治療を要する患者おける慢性の痛みを治療する方法。
  20. 【請求項20】 Z'が水素またはメチルであり、Z''が水素であり;EI
    IIがそれぞれ水素であり;EIII、EIVおよびEVが水素であり、EVIがメチル
    であり;A、A'およびA''がそれぞれ水素であり、m+n=2または3である E型の化合物が投与される請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 該化合物中のZ'が水素またはメチルであり、該化合物中 のZ''が水素である請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 該化合物がE型であり、該化合物中のE'およびE''がそ れぞれ水素である請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 該化合物がZ型であり、該化合物中のE'およびE''がそ れぞれ水素である請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 該化合物中のEIII、EIVおよびEVがそれぞれ水素であり
    、該化合物中のEVIがメチルである請求項19記載の方法。
  25. 【請求項25】 該化合物中のA、A'およびA''が水素である請求項19 記載の方法。
  26. 【請求項26】 EI、EII、EIII、EIV、EVおよびEVIがそれぞれ水素 である請求項19記載の方法。
  27. 【請求項27】 Aが水素である請求項19記載の方法。
  28. 【請求項28】 Z'およびZ''の少なくとも1つが水素である請求項19 記載の方法。
  29. 【請求項29】 該化合物中のm+nが2または3である請求項19記載の
    方法。
  30. 【請求項30】 該化合物中のm+nが3である請求項19記載の方法。
  31. 【請求項31】 トランス異性体の該化合物が投与される請求項19記載の
    方法。
  32. 【請求項32】 1日につき患者体重1kgあたり約0.005mgないし
    約0.5mgの範囲の量の該化合物が投与される請求項19記載の方法。
  33. 【請求項33】 該慢性の痛みが癌により生じるものである請求項19記載
    の方法。
  34. 【請求項34】 該慢性の痛みが骨の変性疾患により生じるものである請求
    項19記載の方法。
  35. 【請求項35】 該慢性の痛みが関節炎により生じるものである請求項19
    記載の方法。
  36. 【請求項36】 該慢性の痛みが傷害により生じるものである請求項19記
    載の方法。
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