JP2002503128A - 高熱用の組織内超音波アプリケータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 高熱用の組織内超音波アプリケータ。治療用設備。超音波を吸収する媒体を内部手段により過熱するためのアプリケータは、超音波に対して透過性の漏出防止膜（２１）が距離を置いて重ねられる「放出」面（１７）を持ち、かつ超音波をほとんど又は全く伝搬しない手段（１５）と結合される放出面の反対側の面を持つ超音波変換器（８）を、少なくとも１つ持つアプリケーション・ヘッド（１）と、変換器を遠隔的に発電機に接続するための手段（１１、１２）と、膜と超音波結合させるための手段（２２、２３、２４）とを持つことを特徴とする。本発明は局部的高熱により腫瘍を治療するための設備に応用される。

Description

【発明の詳細な説明】 高熱用の組織内超音波アプリケータ 発明の技術分野 本発明は、腫瘍一般的には悪性腫瘍の局部高熱治療に使われる装置に関するも のである。 上記の技術分野においては、温度を局部的に上げることによって腫瘍を治療す ることが知られている。多くの刊行物に、組織を放射線療法及び化学療法など伝 統的治療方法に反応しやすくするために該当部位の温度を約４５℃に上げる方法 について言及されている。 これまでに、組織をもっと高熱つまり約８０℃まで加熱して凝固壊死させるこ とにより腫瘍を治療することが何度か提案されている。したがって、この開発の 目的は、もはや伝統的治療方法への感度を上げるように組織を準備することでは なく、局部的な制御された壊死により組織を破壊しようとする直接的な試みであ る。 このような新規の治療方法を成功させるために、これまでに、各種の物理原則 に依存する発熱手段を装備することによって問題の組織に熱を与えるよう設計さ れたヘッドを持つアプリケータについて提案がなされている。これに関しては、 マイクロ波、超音波、耐熱エレメント、レーザーなどを例としてあげることがで きる。 先行技術 この種の治療を行うために、先行技術は２種類の提案を含んでいる。 皮下又は皮膚の浅い部分にある又は実際に皮膚から直接触れることのできる腫 瘍を治療するために表皮に配置される外部高熱アプリ ケータについて、提案がなされている。 外から触れることのできない腫瘍に関しても、内視鏡又は管路内手段により治 療される部位に入れるよう設計された「組織内」アプリケータが提案されている 。 本発明は、特に第二の種類の装置に関するものであり、組織内アプリケータ、 もっと特定して言うと内部アプローチ手段により治療対象部位を加熱するために 超音波を使用するアプリケータに関するものである。 この種の設備に言及している刊行物には、アプリケータの作動部分の形状に付 与される円筒形又は球形の熱の覆いを形成するアプリケータについて説明されて いる。 米国特許第５，６２０，４７９号は、ほぼ円筒形のアプリケーション・ヘッド を持つ組織内アプリケータについて説明している。このアプリケーション・ヘッ ドは、導線で発電機に接続された円筒形の超音波変換器を多数持つ。各変換器の 外面又は放出面は超音波に対して透過性のアプリケーション・ヘッドの壁と重な り、放出面と反対側の内面は空気と接する。 このアプリケーション・ヘッドは、円筒形の変換器が超音波を発生し、超音波 が、発生した熱量がしたがって温度の上昇が発熱源からの距離が増大するにつれ て非常に急速に下降するように発散することを特徴とする。したがって、アプリ ケータが与えるエネルギー量の増加のためにヘッド付近及び／又はヘッドと接触 する組織が気化するという不利益と結びつくより高い電力を使用しない限り、所 定の方向に向かって深部を治療する効果は比較的小さい。 このため、深部での制御がより困難となり、問題の組織が多かれ少なかれ可変 的に不作為に血管化する可能性があるので、すべてがより不確実になる。 既知のアプリケータに伴うもう１つの不利益は、円筒形又は球形のヘッドが治 療のために選択される特定の方向性を持てず、したがって既知の領域に充分限定 されたすなわち壊死の対象ではない周囲組織を保存する凝固壊死を生じさせない 。 既知のアプリケータのもう１つの不利益は、アプリケーション・ヘッドは全方 向拡散を行うのでこれによって生じる熱の分散を長時間の使用により補う必要が あり、治療を比較的難しく、コスト高で、周囲組織の濯流に大きく依存するもの にする。 発散性の円筒形変換器が発生する超音波に伴う放出音響エネルギーの分散の問 題を解決するために、先行技術は、１つ又は複数の標的に焦点を合わせた超音波 を発生する１つ又は複数の変換器をもつ組織内アプリケータを実現することを提 案している。 米国特許第５，４０２，７９２号は、変換器を１つ中に配置するためのキャビ ティを形成するほぼ円筒形のヘッドを１つ持ち、変換器の放出面が２つの音響焦 点を持つ凹面音響レンズから成る、組織内アプリケータについて説明している。 変換器の放出面は、超音波に対して透過性の漏出防止膜によって距離を置いて被 覆され、ガス抜き水を充填したキャビティを形成して、放出面と膜の間で音響結 合させる。 集束超音波を使用することによって、放出音響エネルギーを非常に局部的な小 さな範囲の領域に集中することができる。にもかかわらず、これは範囲が小さい ので、治療対象の部位にごく正確にアプリケータが配置されるようにすることが 不可欠である。残念ながら、上記のような正確さは、治療される患者の体の部位 に依存して必ずしも可能ではない。 さらに、集束変換器から放出される超音波は、焦点で集束することから始まり 、その後、円筒形変換器の場合と同様、音響放射が均 等でなく発熱量が焦点から及び変換器から離れるにつれて急速に低下するように 焦点から離れていく。 発明の要約 本発明は、特定方向に熱を送る一方で、音響エネルギーの浸透を良くしてその 分布を均等にし、かつ必要な場合には全方向治療を可能にするために選択される 設計の新規の超音波アプリケータ、できれば高熱を局部的に加えるための組織内 アプリケータを提案することによって、以上の不利益をすべて是正しようとして いる。 本発明の別の目的は、自然の通路に直接又は手術による内視鏡用管路を通じて 挿入される内視鏡又は管路内パスを通じて簡単に使用できる超音波アプリケータ を生産することである。 以上の目的を達成するために、超音波吸収媒体を内部で加熱するための超音波 アプリケータは、 超音波に対して透過性の漏出防止膜が距離を置いて重なる「放出」面及び超音 波をほとんど又は全く伝搬しない手段と結合する放出面の反対側の面を持つ超音 波変換器を、少なくとも１つ持つアプリケーション・ヘッドと、変換器を発電機 に遠隔的に接続するための手段と、膜と超音波連結させるための手段と、を提供 する。 本発明によれば、アプリケータは、超音波変換器が平らであり、放出面にほぼ 直交する方向にほぼ平らの超音波を放出するための平らな放出面を持つことを特 徴とする。 本発明のもう１つの目的は、気化の微細気泡を形成する危険を冒さずに大幅な 温度上昇を可能にするように、アプリケーション・ヘッドの温度を制御及び調節 するための手段を提供することである。 本発明の別の特徴によれば、アプリケータは変換器を冷却するための手段を含 む。 本発明は、また、超音波変換器（８）を少なくとも１つ持つアプリケータを前 記媒体の中又はその近くに配置する段階と、前記媒体を過熱するために前記変換 器（８）から超音波を放出する段階とを具備するタイプの超音波吸収媒体を加熱 する手段を提供する。 本発明によれば、方法は、放出面に対してほぼ直交する方向にほぼ平らな超音 波を放出するための平らな放出面を持つ平らな変換器を装備し、前記放出面と重 なる位置にある吸収媒体の領域を加熱することを特徴とする。 本発明の別の特徴によれば、方法は、アプリケータの同じ一般的ポジションを 始点として平らな変換器を回転させてより大きな質量を加熱することから成る。 本発明の別の特徴によれば、アプリケータは単独で又はアプリケーション・ヘ ッドと一緒に変換器を回転させるための手段をもつ。 本発明の加熱方法及びアプリケータは、超音波を吸収する人体の部位の内部通 路を通じて特に局部的治療のために装備することができる。 したがって、本発明は、超音波変換器を少なくとも１つ持つアプリケータを治 療対象の部位の中又はその近くに配置する段階と、前記部位を加熱するために前 記変換器から超音波を放出する段階とを具備するタイプの、超音波を吸収する人 体又は動物の体の部位に対して高熱治療を施すための療法を提供する。 本発明によれば、方法は、放出面に対してほぼ直交する方向にほぼ平らの超音 波を放出するための平らな放出面を持つ平らな変換器を装備し、前記放出面と重 なる位置にある部位を加熱するものである。 非制限的例として本発明の実施態様を示す添付図面を参照する以下の説明から その他の各種の特徴が明らかになる。 図面の簡単な説明 図１は、本発明のアプリケータの立面断面図である。 図２及び３は、図１の線II−II及びIII−IIIに沿って見た断面図である。 図４は、アプリケータの別の実施態様の部分的な断面の平面図である。 図５及び６は、図４の線Ｖ−Ｖ及びVI−VIに沿って見た断面図である。 図７は、図５の点線VII−VIIに沿って見た断面図である。 発明の好適な実施方法 図１〜３において、組織内超音波アプリケータは、核磁気共鳴の原理を使用す る並行する治療又は監視装置と一緒に使用できるようにするために、できれば（ ただし必ずしもこれに限らない）強磁性体を使って実現されるアプリケーション ・ヘッド１を含む。 ヘッド１は、この場合にはヘッド１の部分３つまり「貫入」前端ピース４に対 して後部と見なされる部分に任意の適切な漏出防止方法で適合される剛性のエレ メントにより構成される管状エレメント２によって、支えられている。管状エレ メント２は、全面的に又は一部を可撓性のシースによって構成され、制御された 内視鏡又は管路内移動を容易にすることができると、考えるべきである。例とし て、この種のシースは、円形又は多角形断面のワイヤから作られる連続巻きの同 軸巻き線によって有利に構成することができる。 ヘッド１は、後部３及び前部４を形成する本体５を持ち、前部と後部との間に 凹部６があり、この凹部が本体５の周縁の少なくとも一部で開放されている。図 示されている応用例において、本体５は一般的に円筒形が望ましく、部分４は球 形又は半球形も可能である が円錐形又は円錐台形の弾丸形が有利である。 凹部６は、図示される例においてその高さのほぼ中央に、平らな超音波変換器 ８を漏出防止方法で取り付けられ、適合されうる又は保持できる肩部又はシート ７を形成するように作られる。超音波変換器は一般に長方形で、本体５の縦軸ｘ −ｘ’と同じ方向に伸びる、もっと特定して言うと図示される例においては前記 軸に平行に延びる長さを持つ。 超音波変換器８は、表面接続部９及び１０を通じて２本の電源ワイヤ１１及び １２に接続され、電源ワイヤは凹部６に向かって開く穴１３を通じて後部３を通 る。電源ワイヤ１１及び１２は、変換器に約５ＭＨｚから１０ＭＨｚの周波数を 与えることのできる電源(図示されていない)に接続される。変換器８には、希望 の超音波放出の性質に応じて単一周波数で又は多重周波数で電気信号により電力 を供給することができる。 変換器８を肩部７に漏出防止方法で取り付ける方法、及び凹部６の底部１４に 対する肩部の位置は、変換器が所定の位置に置かれた後に変換器が底部１４と共 にチャンバ１５を形成するように決定される。チャンバには、超音波が変換器８ の後部大口面から伝搬するのを防ぐための手段を構成するように、空気で充填さ れる。 これにより、前部大口面１７から成る１つの平面つまり本体５の周縁のうち凹 部６の開口に向いた面から特定的に放出が行われることを保証する。できれば、 平らな放出面は、変換器がほぼ平らで変換器及びアプリケータ付近では発散しな い超音波を作動中に放出できるようにするのに十分な大きさの寸法のものが望ま しい。 超音波変換器８は、その温度上昇を評価するための手段と結合される。図示さ れる例においては、この手段は、視覚的表示１９例えば温度計に接続されるよう にヘッド１の後部３に漏出を防止するよ うに通される熱電対１８によって構成される。熱電対１８は、下記の機能を持つ レギュレータ２０にも連結されることが望ましい。熱電対１８をこれと同等の手 段、例えばその温度に応じて超音波変換器の静電容量の変動を測定するための手 段と置き換えることができる。 凹部６は、超音波減衰係数の小さい材料のシートによって構成される膜２１に より塞がれ、本体５の周縁に向かって開く部分を有する。膜２１は、１２μmの 厚みで、シアノアクリレート・タイプの接着剤などの適切な接着剤で本体５に取 り付けられる低圧ポリエチレンのシートによって構成されると有利である。 膜２１は、本体５を完全に取り巻く管状セグメントにより又は凹部６の開口を 覆う扇状セグメントにより構成することができる。 変換器８の面１７とともに、膜２１が存在することにより、凹部６内部に漏出 を防止するように閉鎖されたキャビティ２２を形成することができる。このキャ ビティ２２は、第一に、部分４に形成されその外面に通じる穴２３と連絡し、第 二に、後部３を通る「フィード」ダクト２４と連絡する。ダクト２４は、供給源 ２７からポンプ２６で送られる冷却流体を循環させるための回路の一部を形成す る管状エレメント２５に接続される。冷却流体は、キャビティ２２を完全に塞ぎ ながら変換器８と膜２１の間の超音波連結を行う役割を果たすために選択される 限り、さまざまな種類のものが考えられる。この流体はガス抜き水によって構成 されることが望ましい。 ポンプ２６の機能は、少なくともポンプが運搬するその流量に関しては、超音 波変換器８の温度上昇を監視するレギュレータ２０に依存する。 流体の循環回路は、往路２５だけでなく、排出穴２３の代わりに前部４に形成 される復路２８も含むことができる。この復路は直接 的に供給源２７に接続することができる。 一般に、ヘッド１の本体の後部３に続く管状エレメント２の部分には、電源ワ イヤ１１及び１２、熱電対１８及び回路２５により構成されるサーボ制御ライン を絶縁し、内蔵し、保持し、囲い込み、保護する目的で占拠し、封止し、充填す るための材料が充填されている。 上記のアプリケータは、その形状により、内部通路を通じて例えば内視鏡を通 じて又は管路内を通じて治療対象の腫瘍の近くに又はその内部にまで挿入するこ とができ、変換器８が電源に接続されると放出面と重なる位置にある吸収媒体又 は組織に超音波が吸収されることにより、前記の部位の温度が上昇する。 チャンバ１５を占める空気のクッションがあるため、変換器８が作動すると、 非発散性の近接音場を放出する放出面１７からのみ超音波が放出されて、放出面 １７の平面に垂直の伝搬方向に沿ってキャビティ２２及び膜２１を通り抜ける。 電気から音響への変換効率が単次元より小さいために生じる超音波変換器８の温 度上昇は、レギュレータ２０に情報を送る手段１８により監視され、レギュレー タ２０は、ポンプ２６の運転状態を制御して、常に充満した状態のキャビティ２ ２の内部に適切な流量で冷却流体を送り、冷却流体が、穴２３を通じて組織への 自然の灌流により排出されるか、ダクト２８により戻されるようにすることがで きる。 このように、過熱により膜が破損してしまうほど、又は膜２１と組織の間で沸 騰して微細気泡を生じ、その結果超音波の伝搬を妨害して超音波変換器を破壊す るほど局部的に温度を高くすることなく、強力な場を放出することができる。 矢印Ｆにより示されるように放出面にほぼ直交する特定方向に近接音場を放出 することによって、集中的又は遠隔的方法で選択的で 正確で局部的な治療を腫瘍に対して行うことができ、変換器８をある角度で又は ３６０°回転させることによって多量に熱を加えることにより、腫瘍をより完全 に治療することもできる。このために、本発明のアプリケータは変換器を回転さ せるための手段を含んでいる。図示される例において、この回転手段は、アプリ ケーション・ヘッド１をその軸ｘ−ｘ’の周りで回転できるようにする、したが って変換器８が回転できるようにし、管状エレメント２により構成される。管状 エレメント２は、アプリケーション・ヘッドを適切に回転できるようにするため に高いねじり抵抗係数を持つことが望ましい。 変換器を回転させるための手段は、同時にアプリケーション・ヘッドを動かさ ずに変換器に独自に回転を与えることができるモーター手段又は伝動手段により 構成することができる。変換器を放出面の長い方の軸に平行の軸の周りで回転さ せることが望ましいが、これに限定されない。さらに、放出を交互に行いながら 変換器を連続的に回転させることができること、あるいは例えば変換器を段階的 に回転させて隣接する部位を順次加熱するように回転と放出を順次行うことがで きることに、留意しなければならない。 反復的に又は直線的に、またより大きな質量の組織に壊死を生じるようにヘッ ド１の軸ｘ−ｘ’に沿って振幅を変動させて変位を続けることも可能である。ヘ ッドの並進を変換器の回転運動と組み合わせることもできる。 このように、変換器８の放出面１７からの温度を監視し調節するための本発明 の手段を使用することにより、また矢印Ｆに沿った方向性の近接音場を放出する ことにより、ヘッド１からのさまざまな距離で小さい又はその他の腫瘍の局部的 高熱治療を行うことができるようになり、またこれらの手段により、特別な位置 のために通常 は局部的に高熱を当てることが不可能と見なされるような腫瘍の治療を行うこと が可能になる。 ＰＺＴ４６２で作られ、３ＭＨｚから２０ＭＨｚの周波数範囲で運転するのに 適した長さ１０mm、幅３mm、厚みλ/２（ここで、λは波長である）の変換器を 使用することにより、キャビティ２２内の冷却流体の循環を流量７ミリリットル /分（ml/分）に維持するために適した直径０．８mmの回路２５を使用する外径約 ３．６mmのアプリケータを作ることができる。 上記の手段は、短時間であるが凝固により壊死を生じさせるのに充分な長さの 時間、高温を与えるのに適している。 平面の放出面を持つ変換器を使用すると、吸収媒体に音響エネルギーを均等に 深く拡散させるほぼ平らの超音波を発生させることができる。 さらに、平らな変換器から放出される音波は平らなので、変換器は、変換器に 送られる電力に対する放出される音響出力の点で、先行技術の円筒形の変換器よ り高い効率を示す。 豚の肝臓に関する生体テストにおいて、放出面から１４ワット/cm²の電力を放 射するように１０mm×３mmの寸法で周波数１０ＭＨｚの電気信号を動力とする平 らな変換器を装備する本発明のアプリケータは、２０秒の放出後、放出面に接す る病変は１０mmから１２mmの深さまで得られた。 これに対して、同様の生体テストにおいて、上記のアプリケータと同じ外寸法 を持つが、放出面から１４ワット/cm²のパワーを放射するように周波数１０ＭＨ ｚの電気信号を動力とする外径３mm長さ１０mmの先行技術の円筒形変換器を装備 するアプリケータは、２０秒の放射後、変換器の円筒形放射面に接する病変の深 さはわずか２mmから３mmしか得られなかった。 したがって、他の条件が同じであれば、本発明の平らな変換器を装備すること により、円筒形の変換器を使用する場合に比べて３．３３〜６倍で病変の深さを 増すことが可能になる。 同様に、上に説明されるとおりの、同じ電力供給条件の下で装備される本発明 のアプリケータを使用することにより、アプリケーション・ヘッドをその軸の周 りに回転させ、７分から８分間放出を行うことによって、外径１０mmから１２mm の円筒形病変を生じることができる。 これに対して、上に説明されるとおりの円筒形変換器を持つ先行技術のアプリ ケータは、１８分から２０分間放出しなければ外径１０mmから１２mmの円筒形病 変を得ることができない。 このように、本発明の平らな変換器を装備することにより、他の条件が同じで あれば、円筒形変換器と比べて１．５〜２倍で放出時間したがって過熱時間を短 縮することができ、有利である。 その構造的及び機能的特徴のため、内視鏡を使ってあるいは管路内経路を使っ て内部通路を通じて、エレメント２の少なくとも一部を可撓性のシースとして構 成することにより、又は剛性チューブ形のエレメント２を使用する経皮使用によ り、アプリケータを使用できる広範な可能性がある。 管路内又は手術による内視鏡ガイド内の通過を容易にするために、本体５が、 ガイド・ワイヤ３１とかみ合うために適した溝又は通路３０を含み、これにより 、特に問題の管路の断面が比較的小さく、小さい曲線半径で方向が変化する場合 、管路内でのヘッド１の移動を容易にする。本体５の後部３を牽引ワイヤ・エレ メント３２に接続するための措置も講じられる。牽引ワイヤの役割は、特にシー ス２がワイヤのらせん巻き線によって構成される場合、アプリケータが占拠して いる管路内から又は手術による内視鏡ガイドから引き 抜くことができるようにアプリケータに牽引力を加えることができるようにする ことである。 図４から７までは、前の例と同様、ヘッド１を遠隔操作できるようにするライ ンを収める変形可能な可撓性のシースと結合される、典型的な内視鏡機能又は典 型的な管路内機能に適した長さ（後部３₁からの長さ）の管状エレメント２₁に挿 入される本体５₁を含むヘッド１の望ましい産業用実施態様を示している。 このような状況のもとで、図示されていないが、管状エレメント２₁は、凹部 ６₁と重なる窓を持ち、窓は前の例と同様、膜２１₁で塞がれる。 図４から７までの実施態様において、前の例と同じ構成要素には、下付き文字 ｌをつけて同じ参照番号が与えられている。この実施態様において、ワイヤ１１ 及び１２を通すために、穴１３を使う代わりに本体５の周縁にノッチ又は溝３５ 及び３６を用意している。 上記の実施態様において、できれば変換器８が本体５₁の縦軸に平行の位置に その大口面を持つように、ヘッド１に変換器８が取り付けられると想定している 。 ヘッドには、本体５の周縁すべて又はその一部を占拠するように同様の特徴を もち同様の方法で取り付けられる多数の変換器８を取り付けることができ、変換 器の各々が、冷却流体を通じて放出面１７を連結するためのキャビティを残すよ うに、前記の周縁から下がった位置に配置されるものと、理解されなければなら ない。このような状況の下では、各変換器が、面１７を通じて有益な近接音場の 放出だけを強化するように後部面１６に重なる位置に配置される、ほとんど又は 全く超音波を伝播できないようにするための手段と結合されるものと、理解され なければならない。 このようにして、ヘッド１に例えば２つ又は３つの変換器を取り 付けることができる。 本発明によれば、軸ｘ−ｘ’に平行でなくこの軸に対して傾斜するように伸び て、放出される近接音場が前記の軸に垂直でない方向をとるように、１つ又はそ れ以上の変換器を配置することもできる。 また、軸ｘ−ｘ’に対して直交して伸びる変換器８を少なくとも１つプローブ に取り付けて、前部４付近に配置できるものと、理解されなければならない。こ のような状況の下で、冷却流体を閉じ込めて超音波連結としても機能する保護体 を形成するように、距離を置いて変換器を取り囲むバルーン状の膜２１を配備す ることができる。 図７は、本体５が例えば凹部６に放射線不透過のマーカー４０を含むようにし て、内視鏡を通じて又は管路内で本体を所定の場所に移動しながら、Ｘ線透視マ ーキング機能を果たすことができ、有利であることを示している。 上の例において、アプリケータは変換器を冷却するための手段を含むことが望 ましい。ただし、アプリケータは冷却手段を備えなくてもよい。 産業上の利用性 アプリケータの使用については治療に言及しながら上に説明している。ただし 、アプリケータは、処置対象の外面から深い位置にある領域において超音波を吸 収する媒体を局部的に加熱する必要がある場合、産業用に使用できる。 例えば、破壊したくない木材又は樹木の寄生虫の巣を熱で破壊する場合、本発 明の加熱方法では、アプリケータが巣にまで達するように小さい直径の通路を穿 孔する。当然、この種の通路は、アプリ ケータを受けるための人工的な内部経路となる。 本発明のアプリケータが所定の位置に置かれると、寄生虫の巣の性質及びその サイズに応じて予め決められた長さの時間、変換器に所定の周波数の電力が与え られる。当然、変換器に複数の周波数の電気を供給することができる。 寄生虫の巣の大きさに応じて、変換器を回転させて、より大きな範囲の環状領 域を加熱することができる。処置時間中、連続的に、交互に又はその他の方法で 変換器を回転させるか、処置領域の隣接部分を順次加熱するように順次、段階的 に回転させることができる。 本発明の加熱方法は、例えば修復において木材の深部に注入される熱硬化性樹 脂を加熱するために使用することもできる。 本発明は、発明の範囲を越えることなくさまざまな修正を加えることができる ので、説明され図示される例に限定されない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年７月２４日（１９９９．７．２４） 【補正内容】 請求の範囲 １．超音波に対して透過性の漏出防止膜（２１）が距離を置いて重なる「放出 」面（１７）を持ち、かつ超音波をほとんど又は全く伝搬しない手段（１５）と 結合される放出面の反対側の面を持つ超音波変換器（８）を、少なくとも１つ持 つアプリケーション・ヘッド（１）と、 変換器を遠隔的に発電機に接続するための手段（１１、１２）と、 前記膜と超音波結合させるための手段（２２、２３、２４）と、を持つタイプ の内部経路を通じて超音波吸収媒体を加熱するための超音波アプリケータにおい て、 前記超音波変換器（８）が、膜（２１）を通り抜けて放出面にほぼ直交する方 向に、ほぼ平らで変換器及びアプリケーション・ヘッド（１）付近で発散しない ように超音波を放出するように、平らな放出面（１７）を持つことを特徴とする 、内部経路を通じて超音波吸収媒体を加熱するための超音波アプリケータ。 ２．前記平らな変換器を回転させるための手段を含むことを特徴とする、請求 項１に記載のアプリケータ。 ３．前記変換器を冷却するための手段を含むことを特徴とする、請求項１又は ２に記載のアプリケータ。 ４．一端で前記アプリケーション・ヘッド（１）を支えかつ、監視手段及び／ 又は電源との接続用のライン（２５、１１、１２、１８）を収納する管状エレメ ント（２）を含むことを特徴とする、請求項１から３までのうちいずれかに記載 のアプリケータ。 ５．前記ヘッドが、主寸法がヘッドの縦軸（ｘ−ｘ’）と平行である平らな超 音波変換器を少なくとも１つ含むことを特徴とする、 請求項１から４までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 ６．前記ヘッドが、前記ヘッドの縦軸に平行の放出面を持つ平らな超音波変換 器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項５に記載のアプリケータ。 ７．前記ヘッドが、前記ヘッドの縦軸と角度を成す放出面を持つ平らな超音波 変換器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項５に記載のアプリケータ 。 ８．前記ヘッドが、前記ヘッドの軸にほぼ垂直の放出面を持つ平らな超音波変 換器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項１から４までのうちいずれ かに記載のアプリケータ。 ９．前記ヘッドが強磁性でない材料で作られることを特徴とする、請求項１か ら６までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １０．前記アプリケーション・ヘッド（１）の保護膜（２１）が、中に平らな 変換器（８）が少なくとも１つ配置されるヘッドのアプリケーション・キャビテ ィ（２２）の少なくとも一部を塞ぐ包被状に作られることを特徴とする、請求項 １から９までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １１．前記アプリケーション・ヘッドの保護膜が、中に平らな変換器が少なく とも１つ配置されるヘッドのアプリケーション・キャビティを囲むバルーン状に 作られることを特徴とする、請求項１から９までのいずれかに記載のアプリケー タ。 １２．前記ヘッドが、変換器の放出面上を循環しキャビティ（２２）が形成す る体積全体を占める冷却流体を送るためのライン（２５）に接続されるダクト（ ２４）を含むことを特徴とする、請求項３に記載のアプリケータ。 １３．前記ヘッドが、冷却流体を外に排出するための穴（２３）を含むことを 特徴とする、請求項１２に記載のアプリケータ。 １４．前記ヘッドが、冷却流体を戻すためのラインに接続される第二の「復路 」ダクト（２８）を含むことを特徴とする、請求項１２に記載のアプリケータ。 １５．前記ヘッドが、前記変換器の温度を測定するための手段(１８)及び温度 を調節するための手段（２０）と結合されることを特徴とする、請求項１２に記 載のアプリケータ。 １６．超音波がアプリケーション・ヘッドから伝搬しないようにするための手 段（１５）が、空気で充填された漏出防止チャンバーによって構成されかつ、前 記変換器の放出面の反対側の面と共に前記ヘッドによって形成されることを特徴 とする、請求項１から１５までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １７．前記ヘッドが、管路内を移動するためにワイヤ・ガイドとかみ合うよう に設計されるヘッドの縦軸にほぼ平行の貫通ダクト又は通路を持つことを特徴と する、請求項１から１６までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １８．前記ヘッドがワイヤ牽引エレメント（３２）に接続されることを特徴と する、請求項１から１７までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １９．前記ヘッドが、可撓性のシースにより構成される管状エレメントの末端 で支えられることを特徴とする、請求項１から１８までのうちいずれかに記載の アプリケータ。 ２０．前記ヘッドが、Ｘ線透視マーキング機能を果たすための放射線不透過性 マーカ（４０）を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項１から１９まで のうちいずれかに記載のアプリケータ。 ２１．前記変換器を回転させるための手段がアプリケーション・ヘッドのほぼ 円筒形の形状であることを特徴とする、請求項２に記載のアプリケータ。 ２２．超音波変換器（８）を少なくとも１つ持つアプリケータを下記の媒体の 中又はその付近に配置し、 媒体を加熱するために前記変換器から超音波を放出するタイプの超音波を吸収 する媒体を加熱する方法において、 前記変換器及びアプリケータの付近では発散しないほぼ平らな超音波を放出面 にほぼ直交する方向に吸収媒体の中に向かって放出するための平らな放出面（１ ７）を持つ平らな変換器を使用して、放出面と重なる位置にある吸収媒体領域を 加熱することを特徴とする、超音波を吸収する媒体を加熱する方法。 ２３．前記平らな変換器を回転させることを特徴とする、請求項２２に記載の アプリケータ。 ２４．超音波変換器（８）を少なくとも１つ持つアプリケータを治療対象部位 の中又はその付近に配置し、 前記の部位を加熱するために変換器から超音波を放出するタイプの、高熱によ り超音波を吸収する人体又は動物の体の部位を治療するための療法において、 変換器及びアプリケータの付近では発散しないほぼ平らな超音波を放出面にほ ぼ直交する方向に超音波吸収媒体の中に向かって放出するための平らな放出面を 持つ変換器を装備して、放出面と重なる位置にある吸収媒体領域を加熱すること を特徴とする、高熱により超音波を吸収する人体又は動物の体の部位を治療する ための療法。 ２５．前記平らな変換器を回転させることを特徴とする、請求項２４に記載の 療法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カチグノール，ドミニク フランス国，エフ―69740 ジェナ，リュ デュ フォール，14 (72)発明者 プラー，フレデリック フランス国，エフ―91140 ビルボン ス ール イブット，レジダンス ラ アイエ ドゥ ポン，８

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．超音波に対して透過性の漏出防止膜（２１）が距離を置いて重なる「放出 」面（１７）を持ち、かつ超音波をほとんど又は全く伝搬しない手段（１５）と 結合される放出面の反対側の面を持つ超音波変換器（８）を、少なくとも１つ持 つアプリケーション・ヘッド（１）と、 前記変換器を遠隔的に発電機に接続するための手段（１１、１２）と、 前記膜と超音波結合させるための手段（２２、２３、２４）と、を持つタイプ の超音波アプリケータにおいて、 前記超音波変換器（８）が平らで、放出面にほぼ直交する方向に、ほぼ平らな 超音波を放出するために平らな放出面を持つことを特徴とする、内部経路を通じ て超音波吸収媒体を加熱するための超音波アプリケータ。 ２．前記平らな変換器を回転させるための手段を含むことを特徴とする、請求 項１に記載のアプリケータ。 ３．前記変換器を冷却するための手段を含むことを特徴とする、請求項１又は ２に記載のアプリケータ。 ４．アプリケーション・ヘッド（１）、及び一端で前記のヘッド（１）を支え 、ヘッドから遠隔操作できるようにするためのライン（２５、１１、１２、１８ ）を収納する管状エレメント（２）を含むことを特徴とする、請求項１から３ま でのうちいずれかに記載のアプリケータ。 ５．前記ヘッドが、主寸法がヘッドの縦軸（ｘ−ｘ’）と平行である平らな超 音波変換器を少なくとも１つ含むことを特徴とする、請求項1から４までのうち いずれかに記載のアプリケータ。 ６．前記ヘッドが、前記ヘッドの縦軸に平行の放出面を持つ平らな超音波変換 器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項５に記載のアプリケータ。 ７．前記ヘッドが、前記ヘッドの縦軸と角度を成す放出面を持つ平らな超音波 変換器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項５に記載のアプリケータ 。 ８．前記ヘッドが、前記ヘッドの軸にほぼ垂直の放出面を持つ平らな超音波変 換器を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項１から４までのうちいずれ かに記載のアプリケータ。 ９．前記ヘッドが強磁性でない材料で作られることを特徴とする、請求項１か ら６までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １０．前記ヘッドが、中に平らな変換器（８）が少なくとも１つ配置されるヘ ッドのアプリケーション・キャビティ（２２）の少なくとも一部を塞ぐ包被状に 作られる保護膜（２１）を含むことを特徴とする、請求項１から９までのうちい ずれかに記載のアプリケータ。 １１．前記ヘッドが、中に平らな変換器が少なくとも１つ配置されるヘッドの アプリケーション・キャビティを囲むバルーン状に作られる保護膜を含むことを 特徴とする、請求項１から９までのいずれかに記載のアプリケータ。 １２．前記ヘッドが、変換器の放出面上を循環しキャビティ（２２）が形成す る体積全体を占める冷却流体を送るためのライン（２５）に接続されるダクト（ ２４）を含むことを特徴とする、請求項３に記載のアプリケータ。 １３．前記ヘッドが、冷却流体を外に排出するための穴（２３）を含むことを 特徴とする、請求項１２に記載のアプリケータ。 １４．前記ヘッドが、冷却流体を戻すためのラインに接続される 第二の「復路」ダクト（２８）を含むことを特徴とする、請求項１２に記載のア プリケータ。 １５．前記ヘッドが、前記変換器の温度を測定するための手段(１８)及び温度 を調節するための手段（２０）と結合されることを特徴とする、請求項１２に記 載のアプリケータ。 １６．前記ヘッドが、超音波が伝搬しないようにするための手段を含み、変換 器の放出面の反対側の面と前記ヘッドによって形成される空気で充填された漏出 防止チャンバによって構成されることを特徴とする、請求項１から１５までのう ちいずれかに記載のアプリケータ。 １７．前記ヘッドが、管路内を移動するためにワイヤ・ガイドとかみ合うよう に設計されるヘッドの縦軸にほぼ平行の貫通ダクト又は通路を持つことを特徴と する、請求項１から１６までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １８．前記ヘッドがワイヤ牽引エレメント（３２）に接続されることを特徴と する、請求項１から１７までのうちいずれかに記載のアプリケータ。 １９．前記ヘッドが、可撓性のシースにより構成される管状エレメントの末端 で支えられることを特徴とする、請求項１から１８までのうちいずれかに記載の アプリケータ。 ２０．ヘッドが、Ｘ線透視マーキング機能を果たすための放射線不透過性マー カ（４０）を少なくとも１つ持つことを特徴とする、請求項１から１９までのう ちいずれかに記載のアプリケータ。 ２１．変換器を回転させるための手段がアプリケーション・ヘッドのほぼ円筒 形の形状であることを特徴とする、請求項２に記載のアプリケータ。 ２２．超音波変換器（８）を少なくとも１つ持つアプリケータを 下記の媒体の中又はその付近に配置し、 媒体を加熱するために前記変換器から超音波を放出するタイプの超音波を吸収 する媒体を加熱する方法において、 ほぼ平らな超音波を放出面にほぼ直交する方向に放出するための平らな放出面 を持つ平らな変換器を装備すること、及び放出面と重なる位置にある吸収媒体領 域を加熱するすることを特徴とする、超音波を吸収する媒体を加熱する方法。 ２３．前記平らな変換器を回転させることを特徴とする、請求項２２に記載の アプリケータ。 ２４．超音波変換器（８）を少なくとも１つ持つアプリケータを治療対象部位 の中又はその付近に配置し、 前記の部位を加熱するために変換器から超音波を放出するタイプの高熱により 超音波を吸収する人体又は動物の体の部位を治療するための療法において、 ほぼ平らな超音波を放出面にほぼ直交する方向に放出するための平らな放出面 を持つ平らな変換器を装備すること、及び放出面と重なる位置にある部位を加熱 することを特徴とする、高熱により超音波を吸収する人体又は動物の体の部位を 治療するための療法。 ２５．平らな変換器を回転させることを特徴とする、請求項２４に記載の療法 。