JP2002502331A - 感熱性印刷版前駆体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 平版印刷版前駆体は、上部に透明なカバーシートまたは材料の層が適用されている金属層、好ましくは銀層でコーテイングされた研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム基質を含んでなる。高強度レーザービームによる前駆体の像通りの露光で、中間フィルムおよび現像剤化学物質の使用を必要とせずに、高い像品質、良好な印刷機械性質および印刷機械上での高い耐性を示す印刷可能な版を直接与える。透明なカバーシートまたは材料の層が、像通りの露光で露呈された領域で生成するゆるく結合された破片を捕獲することを可能にし、そしてそれにより大気への放出を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】 感熱性印刷版前駆体 本発明は、電子的に構成されたデジタル源からの直接的な像の形成に関し、特 に、平版印刷版前駆体上に像を形成することに関する。より特に、本発明は、金 属銀を含んでなる像形成層を組み入れた平版印刷版前駆体、および化学処理の使 用を必要としない平版印刷版の製造方法に関する。 平版印刷は、ある領域（親油性領域）はインキ受容可能であるが他の領域（疎 油性領域）はインキを受容しないような方法で製造された表面からの印刷方法で ある。親油性領域が印刷領域を形成し、疎油性領域が背景領域を形成する。 平版印刷法における使用のための版は、写真材料の露光およびその後の化学処 理で像通りにインキ受容性または反撥性にされる写真材料を使用して製造しても よい。しかしながら、写真処理技術に基づくこの製造方法は数段階を包含し、そ してその結果としてかなりの量の時間、労力および費用を要する。 従って、長年にわたり、像を電子的に構成されたデジタルデータベースから、 すなわちいわゆる「ダイレクト刷版」（“conputor−to−plate”）システムに より、直接形成することが印刷産業における長期間にわたる目標であった。伝統 的な印刷版製造方法に比べてそのようなシステムの利点は、 （ｉ）費用のかかる中間の銀フィルムおよび処理化学物質の省略、 （ii）時間の節約、並びに （iii）その結果としての労働コストの減少を伴うシステムの自動化の 可能性 である。 レーザー技術の導入は、レーザービームを前駆体の表面を横切って走査させそ してビームを調整してそれを効果的にオンおよびオフに切り換えることにより印 刷版前駆体上に像を直接形成する最初の機会を与えた。この方法で、高感度重合 体コーテイングを含んでなる照射感光性版が水冷紫外線アルゴン−イオンレーザ ーにより発生させたレーザービームに露光されそして可視スペクトル領域中にわ たる感度を有する電子写真版が低動力の空冷アルゴン−イオン、ヘリウム−ネオ ンおよび半導体レーザー装置を使用して上首尾に露光される。 熱発生赤外レーザービームへの露光で選択的な（像通りの）離層（delaminati on）およびその後の材料の移送を受けるサンドイッチ構造を含む像形成システム も入手可能である。そのようないわゆる剥離システム（peal−apart system） はハロゲン化銀フィルムの代替品として一般的に使用されている。 デジタル像形成技術は米国特許第４９１１０７５号に記載されており、それに よると印刷中に非像領域を湿らせるための湿し水溶液での湿しを必要としないい わゆるドライオグラフィー版がスパーク放電により製造される。この場合には、 伝導性基質上にコーテイングされた電気伝導性粒子を含有するインキ−反撥性コ ーテイングを含んでなる版前駆体が使用されそしてコーテイングは基質から融蝕 除去される。しかしながら、残念なことに、融蝕スパーク放電は相対的に劣悪な 解像度を有する像を与える。 例えば、P E Dyerにより"Laser Ablation of Polymers"(Chapter 1 4 of"Photochemical Processing of Electronic Materials"，Academic Press， 1992，p395-385)に記載されているような高い解像度の融蝕を得るためにレーザ ーの使用によりこの特徴を改良することが知られている。最近までは、この方法 による像形成は一般的には高動力二酸化炭素またはエキシマーレーザーの使用を 包含していた。残念なことに、そのようなレーザーはそれらの高い動力消費およ び過剰な費用並びに高圧気体取り扱いシステムの必要性のために印刷用途には良 く適していない。しかしながら、最近の開発は小型で、高効率的で且つ非常に経 済的なソリッドステートの装置であるより適する赤外ダイオードレーザーの利用 を導入した。３０００ｍＪ／ｃｍ²までを放出可能な高出力型のそのようなレー ザーは現在商業的に入手できる。 赤外線での融蝕により像形成できるコーテイングはすでに提案されている。そ れ故、例えば、受容体シート上での着色層の像通りの融蝕により像が形成される 校正刷りフィルム（proofing film）はＰＣＴ出願番号９０／１２３４２に記載 されている。しかしながら、このシステムは像形成段階において材料の物理的な 移送が必要である点で不利であり、そしてそのような方法は劣った像解像度をも たらす傾向がある。 ヨーロッパ特許第６４９３７４号に記載された融蝕技術によりはるかに優れた 解像度が得られ、そこではドライオグラフィー印刷版前駆体が赤外ダイオードレ ーザーまたはＹＡＧレーザーによりデジタル式に像形成され、そして望ましくな い融蝕の除去により像が直接形成される。この技術は、版前駆体を露光し、赤外 レーザーからのビームをコーテイングの順次続く領域に向けてコーテイングを融 蝕しそしてこれらの領域においてそのインキ反撥性を失わせて像を形成すること により透明なカバ ーシートで被覆された赤外線融蝕可能なコーテイングを組み入れ、カバーシート および融蝕生成物を除去し、そして像にインキを付けることを包含する。 親水性層でコーテイングされた陽極酸化されたアルミニウム支持体を含んでな る熱方式記録材料が米国特許第４０３４１８３号に開示されている。レーザーを 使用する像通りの露光で、露光された領域は疎水性にされ、そしてそれによりイ ンキを受容する。 日本特許出願公開番号４９−１１７１０２（１９７４）は、電気信号により調 節されたレーザービームでの照射により像形成される印刷版前駆体の像形成層の 中に金属が組み入れられている印刷版の製造方法を開示している。典型的には、 版前駆体は典型的にはニトロセルロースである樹脂フィルムでコーテイングされ た金属ベース、例えばアルミニウムを含んでなり、そしてその上部に銅の薄い層 が付与されている。樹脂および金属層はレーザーが当たった領域で除去され、そ れにより印刷版を製造する。しかしながら、このシステムの欠点は最初に銅を（ 例えばアルゴン−イオンレーザーにより）そして次に樹脂を（例えば二酸化炭素 レーザーで）除去するために２つのタイプのレーザービーム照射が必要であり、 従って必要な装置が高価であることである。 引き続き、第二レーザー露光の必要のない印刷版製造方法が日本特許出願公開番 号５２−３７１０４（１９７７）に開示されている。かくして、支持体、典型的 にはアルミニウム、陽極酸化アルミニウム層、および黄銅、銀、グラファイトま たは好ましくは銅の層を含んでなる印刷版前駆体を、露光した領域を親水性にす るために、高エネルギー密度のレーザービームに露光して印刷版を生成する。し かしながら、印刷版前駆 体はむしろ低感度でありそして露光のためには高エネルギーの使用を必要とする 。 親水性表面を有するかまたは親水性層が付与されている支持体を含んでなり、 その上に金属層がコーテイングされており、その上部が５０ｎｍより薄い厚さを 有する疎水性層である平版印刷版の製造のための別の熱方式記録材料がヨーロッ パ特許第６０９９４１号に開示されている。平版印刷版は該材料から、活性線に 像通りに露光し、それにより露光された領域を親水性にし且つグリース状インキ に対して反撥性にすることにより製造することができる。 逆に、ヨーロッパ特許第６２８４０９号は、支持体および金属層を含んでなり 、その上部に５０ｎｍより薄い厚さを有する親水性層が付与されている平版印刷 版を製造するための熱方式記録材料を開示している。平版印刷版は露光された領 域を疎水性にし且つグリース状インキに対して反撥性にするために材料を活性線 に像通りに露光することにより製造される。 しかしながら、二種の前記の熱方式記録材料の各々では、印刷において困難に 遭遇するであろう。活性線に対ずる材料の露光で、エネルギーは像領域中で金属 層との相互作用により熱に変換され、それによりこれらの領域中の最上部層の一 使用した材料に依存して一親水性または疎水性を破壊する。従って、金属層の表 面は露呈され始め、そして印刷操作の成功は金属表面と場合次第で親水性または 疎水性層との間の親水性および親油性における差に依存する。金属層はある場合 には疎水性表面として、そして別の場合には親水性表面として機能するため、そ のような親水性および親油性における差が満足のいく印刷表面を与えるのに充分 なほど明白に区画されないであろうことが予測されるであろう。さらに、親水性 層が存在しそして金属表面が版の親油性領域として機能する時には、像領域は必 然的に金属表面から印刷されるであろうし、そのような構造は不満足なものであ りそして許容可能な印刷品質を得る際の難点となることが知られている。 本発明の目的は、露光後の処理現像剤の使用の必要のない優れた印刷品質を有 する平版印刷版および該版の製造方法を提供することである。 本発明の別の目的は、費用のかかる中間フィルムの使用を必要とせず且つダイ レクト−ツー−プレート露光技術（direct−to−plate exposure techniques ）による平版印刷版の製造方法を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、親水性支持体からの金属層の融蝕により高品質像 が生じて、親水性および親油性領域の間の高度の差異を与えるような平版印刷版 の製造方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、露光中に生成する融蝕された材料を効率的に集めそ して使用者または環境に害を与えずに除去することができる前記の目的に従う平 版印刷版の製造方法を提供することである。 本発明の第一の面によると、 透明なカバーシートまたは材料の層（iii）が上部に適用されている金属層（ii ）が上部にコーテイングされている研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム基 質（ｉ）を含んでなる平版印刷版前駆体が提供される。 本発明で使用される基質は、その平版性質を増加させるために、少なくとも１ つの表面上で電気化学的に研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム基質である 。場合により、アルミニウムに伴う良好な寸法安定性を保有しながらその柔軟性 を増加させるために、アルミニウムを他の材 料、例えば紙または種々のプラスチック材料と積層してもよい。 アルミニウムの研磨され且つ陽極酸化された表面に適用される金属層は、数種 の金属のいずれかを含んでなっでいてもよく、それらの特定の例は銅、ビスマス および黄銅を包含する。しかしながら、最も好ましくは、金属層は銀層を含んで なる。金属層の厚さは好ましくは２０ｎｍ〜２００ｎｍ、最も好ましくは４０ｎ ｍ〜１００ｎｍ、である。 研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム金属に対する金属層の適用のために は、蒸気もしくは真空沈着またはスパッタリングを包含する種々の技術を利用す ることができる。しかしながら、金属層が銀層を含んでなる場合には、層の最も 好ましい適用方法は銀塩拡散転写法に従うハロゲン化銀写真材料の処理を包含す る。 拡散転写法では、いわゆるハロゲン化銀溶媒での処理によりハロゲン化銀乳剤 層は可溶性の銀錯体化合物に転化され、それらは次いで像受容層中に拡散可能と なりそしてその中で現像剤により、一般的には物理的現像核の存在下で、還元さ れて金属銀層を形成する。 二種のそのようなシステム、すなわちハロゲン化銀乳剤層が一つの要素の上に 付与されそして物理的現像核層が第二要素の上に付与され、これらの二つの要素 を一種もしくは複数の現像剤および一種もしくは複数のハロゲン化銀溶媒の存在 下でアルカリ性処理液の存在下で接触させて配置しそして引き続き剥離して第二 要素の上に金属銀層を与える二シートシステム、および要素に物理的現像核層が 付与され、ハロゲン化銀乳剤層がその上部に付与され、要素を一種もルくは複数 の現像剤および一種もしくは複数のハロゲン化銀溶媒でアルカリ性処理液の存在 下で処理し、そして要素を洗浄して消費された乳剤層を除去しそして物理的現像 核を含有する層の中で形成される金属銀層を残すような単一シートシステムを利 用することができる。 或いは、拡散転写法を使用してポジティブ作用性ハロゲン化銀乳剤層を全体的 に露光することにより金属銀層を適用してネガティブ潜像を形成し、それを次に 物理的現像核層と接触させて現像して金属銀層を形成してもよい。ここでも、こ の方法は単一シートまたは二重シートシステムのいずれかを使用して実施するこ とができる。 銀錯体拡散転写法の原則は、文献”Photographic Silver Halide Diffusion P rocesses”by Andre Rott and Edith Weyde，The Focal Press，London and New York，1972に完全に記載されており、そしてさらなる詳細はそれに対する参考 文献から集めることができる。 金属層の上に適用される透明なカバーシートまたは材料の層は、露光で像領域 中に生成するゆるく結合された破片を捕獲することが可能であるため、大気への 放出が防止される。すなわち、露光で生成した全ての化学的生成物がカバーシー トまたは膚の上にまたはその中に含有されるため、平版印刷版の製造方法はより 簡単に且つより効率的になり、そしてその結果として使用者または環境への害を 与えず、さらに像形成露光装置に対する損傷が起きる可能性が防止される。 本発明のカバーシートまたは層は、版をフィルム材料の予備成形されたシート で被覆することによりまたほ版を露光後に版の上に残っているフィルム生成材料 の上部層でコーテイングすることにより適用することができる。 カバーシートまたは予備成形されたフィルムは赤外線透過性である適当なフィ ルム材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ（エ チレンテレフタレート）またはＥＰ−Ａ−３２３８８０に記載されている構造お よび組成を有するマスキングフィルムからなっていてもよい。場合により、接着 剤層をカバーシートと金属層との間に存在させてもよい。 赤外透過性材料のコーテイングされた上部層は、水性または有機溶媒溶液から 、好ましくは水性溶液から適用することができ、そして例えばポリ（ビニルアル コール）、ポリ（エチエングリコール）、ポリ（ビニルホスホン酸）、アラビア ゴム、カルボギシメチルセルロースの如き物質を含んでなっていてもよいが、好 ましくは層の材料は水洗により容易に除去できるべきである。場合により、他の 化学物質をコーテイングに加えて印刷版の印刷機械性能を増加させでもよい。そ のような他の化学物質は、蛋白質分解酵素、”Photographic Silver Halide Dif fusion Processes”by Andre Rottand Edith Weydeの１０５〜１０６頁に開示さ れているような銀親油化用の化合物を含んでなっていてよく、メルカプト化合物 が特に好ましく、そして化合物はコーテイングを一定のｐＨに緩衝するために選 択される。 カバーシートを用いて製造される平版印刷版前駆体の像通りの露光後に、カバ ーシートを簡便には版の表面から剥離により除去すると、像形成された印刷可能 な印刷版が残る。次に捕獲された融蝕破片を含有するカバーシートを安全な方法 で廃棄してもよい。 コーテイングされた上部層を有する製造された平版印刷版前駆体の像通りの露 光後に、コーテイングされた層を布による物理的なこすり（rubbing）または湿 ったブラシもしくはプラシ天布を用いる手動式または自動式のこすり洗い（scru bbing）により除去できる。或いは、融蝕さ れた破片と一緒に、コーテイングされた層が印刷機械の湿し水または通常の印刷 操作工程中に使用される他の印刷機械始動化学物質もしくは工程の作用の結果と して除去されるような方法で版を印刷機械上に設置する。この場合には、コーテ イングされた層の材料が版表面から印刷機械の作用により容易に除去されること が好ましい。 カバーシートの厚さは２００μｍまで、好ましくは２０μｍ〜１００μｍであ ることができる。コーテイングされた上部層を適用して０.５〜１０ｇ／ｍ²の間 、好ましくは２〜６ｇ／ｍ²の間の乾燥コーテイング重量を与えることができる 。 本発明の第二の面によると、 ａ）上記の平版印刷版前駆体を準備し、 ｂ）該前駆体を高強度レーザービームにより像通りに露光し、そして ｃ）透明なカバーシートまたは層を除去する ことを含んでなる平版印刷版の製造方法が提供される。 平版印刷版を製造するためには、前駆体を好ましくはスペクトルの赤外領域で 操作されるレーザーからの廁射ビームにより像形成する。適する赤外レーザーの 例は、半導体レーザーおよびＹＡＧレーザー、例えば１０６４ｎｍの出力の１０ Ｗ ＹＡＧレーザーを有するガーバー・クレッセント４２Ｔ版セッター(Gerber C rescent ４２Ｔ Platesetter)を包含する。照射ビームへの露光が照射線が当た った領域中で金属層の融蝕を引き起こす。 露光およびカバーシートの除去または融蝕された破片と一緒のコーテイングさ れた上部コートの洗浄除去後に、蛋白質分解酵素、銀親油化剤および減感化合物 を含んでなる組成物での処理により印刷操作用の版が 好ましく製造される。この方法で、像領域中の良好なインキ受容性および背景領 域中の高度の親水性を確実にすることができ、その結果として、印刷機械上での 良好な始動を得ることを可能にする。しかしながら、コーテイングされた上部コ ートを印刷機械上で除去しようとする場合には、この段階においてさらなる処理 は必要ない。 上記の組成物中での使用に適する酵素は、例えば、トリプシン、ペプシン、フ ィシン、パパインまたは細菌性プロテアーゼ類またはプロテイナーゼ類を包含し うる。親油化のための化合物は、”Photographic Silver Halide Diffusion Pro cesses”by Andre Rott and Edith Weydeの１０５〜１０６頁に開示されている ものから選択することができるが、メルカプト化合物およびカチオン性界面活性 剤、例えば第四級アンモニウム化合物が特に価値がある。炭水化物、例えばアラ ビアゴム、デキストリンおよび無機ポリ燐酸塩類、例えばヘキサメタ燐酸ナトリ ウムがこれらの組成物中で有用な減感化合物を与える。 典型的には、該組成物は０.１〜１０.０重量％の酵素、０.０５〜５.０重量％ の親油化用の化合物および１.０〜１０.０重量％の減感化合物を含有する水溶液 を含んでなる。 本発明の方法は、高い像品質、良好な印刷機械性質および印刷機械上の高い耐 性を示す印刷可能な版を、高価な中間フィルムおよび現像剤化学物質の使用の必 要性並びにこれらの物質の使用から生ずる付随する不便さなしに提供する。 以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではな い。 実施例 実施例１ アグファ−ゲヴェルト・リミテッド(Agfa-Gevaert Ltd.)から入手できる市販 のホウソン(Howson)SILVERLITH^RSDB印刷版を、製造業者の推奨に従い拡散転写反 転法による自動処理器を通して露光せずに処理したが、適用の最終段階で指定さ れた仕上げ用のゴムは省略した。生じた印刷版前駆体は研磨され且つ陽極酸化さ れた基質を含んでなり、その陽極酸化された表面は銀の層でコーテイングされて いた。 シリコーンレリース接着剤を有する一面にコーテイングされた５０μｍの厚さ を有するポリエチレンのシート（英国、リーズのサムエル・グラント・リミテッ ド(Samuel Grant Ltd)により供給される）を印刷版前駆体上の銀層にしっかり適 用して版表面」ニに良好に接着された被覆を与えた。 アセンブリーを次に、版の表面から約１ｃｍにあるノズルおよび柔軟管により ノズルに連結された空気吸引ポンプを含有する抽出システムを装備したガーバー ・クレッセン(Gerber Crescent)４２Ｔ内部ドラムレーザー版セッター上に充填 した。空気サンプル採取口がポンプの排出側面に装備されていた。版前駆体を１ ０６４ｎｍの波長の出力で６.５ＭＷ／ｃｍ²の電力密度で放出する１０Ｗ ＹＡ Ｇレーザーに像通りに露光した。カバーシートを次に除去してレーザービームが 衝突した領域において平版基質の陽極酸化物層を露呈し、ぞして露光中に生成し た残存する破片はカバーシート上に保有されていた。揮発性破片からの悪影響は 観察されなかった。 カバーシートの除去後に、印刷版の表面を印刷機械上に設置する前に蛋白質分 解酵素、親油化剤および減感ゴムを含んでなる水溶液で処理し た。この処理が印刷操作の良好な始動を確実にし、像領域は高い親油性を良好な インキ受容性と共に示し、そしで背景の非像領域はきれいであり且つインキ付着 がなかった。この版はドレント・ウェブ・オフセット・プリンティング(Drent W eb Offset Printing)印刷機械上で８０,０００枚の良好な品質のコピーを作成し た。 対照として、カバーシートを適用しなかったこと以外は同じ方式で平版印刷版 前駆体を製造した。露光時に、大気中に放出された融蝕された材料は非常に不快 な臭いを生じた。 実施例２ ホウソンＳＩＬＶＥＲＬＩＴＨ^R印刷版を実施例１に従い処理したが、この場 合にはカバーシートは適用されずそしてその代わりにある範囲のコーテイングを ワイヤーバーにより印刷版前駆体の銀層に適用した。適用後に、実施例１の通り にしてコーテイングされた層を乾燥しそして版アセンブリーをガーバー・クレッ セン４２Ｔ内部ドラムレーザー版セッター上に充填しそして像通りに露光した。 このようにして露光された版を版セッターから除去しそしてさらなる処理なしに 印刷機械シリンダー上に設置するかまたは実施例１で印刷版前駆体を製造するた めに使用された自動版処理器の再導入部分の中を通すことによりコーテイングさ れた上部コートを除去した。このセクションはプラシ天で被覆されたローラー（ plush covered roller）を含んでなり、その上に上部コートを効率的に除去す るために水を噴霧した。次に、仕上げ剤を版にプロセッサーにより従来法で適用 しながら、それを再導入セクションから仕上げ剤セクションの中に通した。版を 次に印刷機械上に設置した。 本発明の効果の立証を助けるために種々のコーテイング重量の上部コ ートを適用した。融蝕を含む際の上部コートの効果は標準的な分析空気サンプル 採取法によりそして排気空気中で嗅ぐことができる臭いの程度を評価することに より測定された。結果を表１にまとめる。 約２ｇ／ｍ²のコート重量のトップコートが印刷版の銀層に適用される時には 、空中の融蝕生成物の有意の抑制が示された。少なくとも４ｇ／ｍ²のコート重 量のトップコートが印刷版の銀層上にコーテイングされた時にのみ、空中で発生 する融蝕生成物の完全除去が得られた。全ての示された実施例は印刷機械上で首 尾よく性能を発揮した。１.製造業者により推奨される標準仕上げ剤はヘキサメタ燐酸ナトリウム、１− オクチル−５−メルカプト−１,２,３,４−テトラゾール、酵素(Alcalase^R２.５ Ｌ)、およびｐＨ７を与える緩衝剤を含んでなる。 ２.１０−２３Ｋモル重量；８８％が加水分解された；１０％水溶液からコーテ イングされた。 ３.１０％アンモニア水溶液からコーテイングされた市販のアルカリ可溶性アク リル系共重合体。 ４.１０Ｋモル重量；２０％水溶液からコーテイングされた。 ５.Alcalase^R２.５Ｌは市販の酵素であり；ＯＭＴ＝１−オクチル−５ −メルカプト−１,２,３,４−テトラゾールであり；トリエタノールアミンは緩 衝剤として作用する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ズムステツグ，フレドリク・クラウス，ジ ユニア アメリカ合衆国デラウエア州19810ウイル ミントン・シルバーサイドロード2715

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １.透明なカバーシートまたは材料の層（iii）が上部に適用されている金属層（ ii）が上部にコーテイングされでいる研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム 基質（ｉ）を含んでなる平版印刷版前駆体。 ２.該金属層が銀層を含んでなる請求の範囲第１項で定義された平版印刷版前駆 体。 ３.該銀層が銀塩拡散転写法により適用される請求の範囲第２項で定義された平 版印刷版前駆体。 ４.該金属層が２０ｎｍ〜２００ｎｍの厚さを有する請求の範囲第１、２または ３項で定義された平版印刷版前駆体。 ５.該透明なカバーシートまたは材料の層が赤外線透過性であるフィルム材料の シートを含んでなる請求の範囲第１〜４項で定義された平版印刷版前駆体。 ６.該フィルム材料がポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリ（エチレンテレ フタレート）を含んでなる請求の範囲第５項で定義された平版印刷版前駆体。 ７.該透明なカバーシートまたは材料の層が水性または有機溶媒溶液から適用さ れる材料のコーテイングされた層を含んでなる請求の範囲第１〜４項で定義され た平版印刷版前駆体。 ８.該材料がポリ（ビニルアルコール）、アラビアゴム、ポリ（ビニルホスホン 酸）、カルボキシメチルセルロースまたはポリ（エチレングリコール）を含んで なる請求の範囲第７項で定義された平版印刷版前駆体。 ９.該フィルム材料のシートが２００μｍまでの厚さを有する請求の範囲第５ま たは６項で定義された平版印刷版前駆体。 １０.該材料のコーテイングされた層が０.５ｇ／ｍ²〜１０ｇ／ｍ²の間の乾燥コ ーテイング重量を有する請求の範囲第７または８項で定義された平版印刷版前駆 体。 １１.（ａ）請求の範囲第１〜１０項のいずれかで定義された平版印刷版前駆体 を準備し、 （ｂ）該前駆体を高強度レーザービームにより像通りに露光し、そして （ｃ）透明なカバーシートまたは層を除去する ことを含んでなる平版印刷版の製造方法。 １２.該透明なカバーシートまたは層を像通りの露光後に版の表面から剥離する ことにより除去する請求の範囲第１１項で定義されている方法。 １３.該透明なカバーシートまたは層をこすりまたはこすり洗いの物理的手段に より除去する請求の範囲第１１項で定義されている方法。 １４.該透明なカバーシートまたは層を印刷操作中の印刷湿し水の作用により除 去する請求の範囲第１１項で定義されている方法。