JP2001205953A - 増感された感熱性印刷版前駆体 - Google Patents

増感された感熱性印刷版前駆体

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JP2001205953A
JP2001205953A JP2000367090A JP2000367090A JP2001205953A JP 2001205953 A JP2001205953 A JP 2001205953A JP 2000367090 A JP2000367090 A JP 2000367090A JP 2000367090 A JP2000367090 A JP 2000367090A JP 2001205953 A JP2001205953 A JP 2001205953A
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John Michael Kitteridge
ジヨン・マイケル・キタリツジ
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Agfa Gevaert NV
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    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1008Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by removal or destruction of lithographic material on the lithographic support, e.g. by laser or spark ablation; by the use of materials rendered soluble or insoluble by heat exposure, e.g. by heat produced from a light to heat transforming system; by on-the-press exposure or on-the-press development, e.g. by the fountain of photolithographic materials
    • B41C1/1033Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by removal or destruction of lithographic material on the lithographic support, e.g. by laser or spark ablation; by the use of materials rendered soluble or insoluble by heat exposure, e.g. by heat produced from a light to heat transforming system; by on-the-press exposure or on-the-press development, e.g. by the fountain of photolithographic materials by laser or spark ablation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より低いエネルギーレベルで非−画像領域に
おける金属層の融蝕を達成できる平版印刷版前駆体を提
供すること。 【解決手段】 平版印刷版前駆体は、研磨され且つ陽極
酸化されたアルミニウム基質を含んでなり、それに金属
層、好ましくは銀層がコーティングされ、その上に金属
性表面上に吸着され、それによりヒートモードレーザー
露出に対して系を増感する少なくとも1種の増感材料を
含む層が適用されている。好ましくは、増感材料は少な
くとも1つの硫黄、セレンもしくはテルル含有基を含む
材料を含有し、増感層はさらに親水性材料を含む。本発
明は、中間のフィルム及び現像液薬品の使用の必要な
く、強力レーザービームを用いて画像通りに露出するこ
とができ、高い画質、優れた印刷性及び印刷機上におけ
る高い耐久性を示す、印刷の準備ができた版を与える高
い感度を有する平版印刷版前駆体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は電子的に構成されるデジタル源か
らの直接の画像の形成に関し、特に平版印刷版前駆体上
における画像の形成に関する。さらに特定的には、本発
明は金属性銀を含んでなる画像形成層が導入されている
平版印刷版前駆体ならびに化学的処理の使用を必要とし
ない平版印刷版の作製法に関する。
【0002】平版印刷は、ある領域がインキを受容する
ことができるが(親油性領域)、他の領域がインキを受
容しない(疎油性領域)ようなやり方で作製された表面
からの印刷法である。親油性領域は印刷領域を形成し、
疎油性領域は背景領域を形成する。
【0003】写真材料を露光し、続いて化学的処理を行
うと画像通りにインキに対して受容性又は反発性とされ
る写真材料を用いて、平版印刷法において用いるための
版を作製することができる。しかしながら、写真処理技
術に基づくこの作製法は数段階を含み、従ってかなりの
量の時間、労苦及び費用を必要とする。
【0004】結局、電子的に構成されるデジタルデータ
ベースから直接、すなわちいわゆる「ダイレクト刷版
(computer−to−plate)」システムに
より画像を形成する長期目的が印刷産業に長年存在し
た。印刷版を作製する通常の方法を越えるそのようなシ
ステムの利点は: (i)経費のかかる中間の銀フィルム及び処理化学品の
排除; (ii)時間の節約;ならびに (iii)システムを自動化し、結果として労働費の減
少を伴い得ることである。
【0005】レーザー技術の導入は、前駆体の表面を横
切ってレーザービームを走査し、ビームを変調してそれ
を有効につけたり消したりすることにより、印刷版前駆
体上に直接画像を形成する最初の機会を与えた。この方
法で、高感度のポリマーコーティングを含む放射線感受
性版が水冷UVアルゴン−イオンレーザーが発生するレ
ーザービームに露出され、可視分光領域中に及ぶ感度を
有する電子写真版が低出力空冷アルゴン−イオン、ヘリ
ウム−ネオン及び半導体レーザー装置を用いて成功裏に
露出された。
【0006】サンドイッチ構造を含む画像形成系も利用
可能であり、それは発熱赤外レーザービームに露出され
ると選択的(画像通りの)剥離及び続く材料の転移を経
る。そのようないわゆる剥離系は一般にハロゲン化銀フ
ィルムのための代替物として用いられる。
【0007】印刷の間に非−画像領域を湿らせるために
水性湿し液で湿らせる必要のない、いわゆるドライオグ
ラフィ版をスパーク放電により作製するデジタル画像形
成法が米国特許第4911075号に記載されている。
この場合、導電性基質上にコーティングされた導電性粒
子を含有するインキ−反発性コーティングを含む版前駆
体が用いられ、コーティングは融蝕により(ablat
ively)基質から除去される。しかしながら、不運
なことに、融蝕的スパーク放電は比較的劣った解像度を
有する画像を与える。
【0008】例えば、“Laser Ablation
of Polymers”(“Photochemi
cal Processing of Electro
nic Materials”,Academic P
ress,1992,p359−385のChapte
r 14)においてP E Dyerにより記載されて
いる通り、レーザーを用いて高解像度融蝕を得ることに
より、この特徴を改善することは既知である。近年ま
で、この方法を介する画像形成は一般に高出力二酸化炭
素又はエキシマーレーザーの使用を含んだ。不運なこと
に、そのようなレーザーは、それらの高い電力消費及び
過剰の経費ならびに高圧ガスの取り扱いシステムの必要
性の故に印刷用途にあまり適していない。しかしなが
ら、近年の発展はもっと適した赤外ダイオードレーザー
を利用できるようにし、それは簡潔で高度に有効で且つ
非常に経済的なソリッドステート装置である。
【0009】最高で3000mJ/cm2を送達するこ
とができる、そのようなレーザーの高出力型が現在商業
的に入手可能である。
【0010】赤外線を用いる融蝕により画像形成され得
るコーティングは以前に提案されている。かくして、例
えば着色層の画像通りの融蝕により受像シート上に画像
が形成される校正フィルムがPCT出願No90/12
342に記載されている。しかしながら、この系は画像
形成段階において材料の物理的転移を必要とする点で不
利であり、そのような方法は劣った画像解像度を生ずる
傾向がある。
【0011】ヨーロッパ特許第649374号に記載さ
れている融蝕法によってもっと優れた解像度が得られ、
その方法では赤外ダイオードレーザー又はYAGレーザ
ーによりドライオグラフィ印刷版前駆体がデジタル的に
画像形成され、画像は望ましくない材料の排除を介して
直接形成される。該方法は、赤外レーザーからのビーム
をコーティングの連続領域に方向付けてそれらの領域に
おいてコーティングを融蝕し、そのインキ反発性を失わ
せて画像を形成することにより、透明カバーシートで覆
われた赤外線融蝕可能なコーティングが導入された版前
駆体を露出し、カバーシート及び融蝕生成物を除去し、
画像にインキを供給することを含む。
【0012】親水性層がコーティングされた陽極酸化さ
れたアルミニウム支持体を含むヒートモード記録材料が
米国特許第4034183号に開示されている。レーザ
ーを用いて画像通りに露出されると、露出領域は疎水性
とされ、それによりインキを受容する。
【0013】公衆の閲覧に公開された日本特許出願第4
9−117102(1974)号は、印刷版前駆体の画
像形成層に金属を導入し、電気信号により変調されるレ
ーザービームを用いる照射により印刷版前駆体を画像形
成する、印刷版の作製法を開示している。典型的には、
版前駆体はアルミニウムのような金属ベースを含んでな
り、それに典型的にはニトロセルロースである樹脂フィ
ルムがコーティングされ、その上に銅の薄層が設けられ
ている。レーザーがあたった領域において樹脂及び金属
層が除去され、それにより印刷版が作製される。しかし
ながら、この系の欠点は、最初に銅を除去し(例えばア
ルゴン−イオンレーザーにより)、次いで樹脂を除去す
る(例えば二酸化炭素レーザーを用いて)ために2つの
型のレーザービーム照射が必要であり;従って必要な装
置が高価なことである。
【0014】続いて、第2のレーザー露出の必要を排除
する印刷版作製の方法が公衆の閲覧に公開された日本特
許出願第52−37104(1977)号に開示され
た。かくして、支持体、典型的にはアルミニウム、陽極
酸化された酸化アルミニウム層ならびに黄銅、銀、グラ
ファイト又は好ましくは銅の層を含んでなる印刷版前駆
体を高エネルギー密度のレーザービームに露出し、露出
領域を親水性として印刷版を得る。しかしながら、印刷
版前駆体はいくぶん低感度のものであり、露出のために
高エネルギーレーザーの使用を必要とする。
【0015】平版印刷版の作製のための別のヒートモー
ド記録材料がヨーロッパ特許第609941号に開示さ
れており、それは親水性表面を有するか、又は親水性表
面が設けられた支持体を含んでなり、その上に金属層が
コーティングされ、その上に50nm未満の厚さを有す
る疎水性層がある。化学線に画像通りに露出し、それに
より露出領域を親水性且つ脂性インキに反発性とするこ
とによって、該材料から平版印刷版を作製することがで
きる。
【0016】逆に、ヨーロッパ特許第628409号
は、支持体及び金属層を含んでなり、金属層の上に50
nm未満の厚さを有する親水性層が設けられている、平
版印刷版の作製のためのヒートモード記録材料を開示し
ている。材料を化学線に画像通りに露出して露出領域を
疎水性且つ脂性インキに対して受容性とすることによ
り、平版印刷版が作製される。
【0017】しかしながら、前記の2つのヒートモード
記録材料のそれぞれの場合、印刷における困難さに出会
うであろう。材料を化学線に露出すると、金属層との相
互作用により画像領域においてエネルギーが熱に変換さ
れ、それによりこれらの領域における最上層の−用いら
れる材料に依存して−親水性又は疎水性が破壊される。
結局、金属層の表面が露出されることとなり、印刷操作
の成功は金属性表面と、場合次第で親水性層又は疎水性
層の間の親水性及び親油性における差に依存する。金属
層は1つの場合には疎水性表面として働き、別の場合に
は親水性表面として働くので、親水性及び親油性におけ
るそのような差は、満足できる印刷面を与えるために十
分に明確には区画されないであろうと予測される。さら
に、親水性層が存在し、金属性表面が版の親油性領域と
して働く場合、画像領域は必然的に金属性表面から印刷
される;そのような配置は不満足なものであり、許容さ
れ得る印刷の質の達成において困難さを生ずることが既
知である。
【0018】続いて、1連のPCT特許出願(WO 9
8/55307〜WO 98/55311及びWO 9
8/55330〜WO 98/55332)は、研磨さ
れ且つ陽極酸化されたアルミニウム基質及び融蝕可能な
金属層を含んでなるヒートモード記録材料を開示してお
り、該材料は高い画質及び優れた印刷性を示す平版印刷
版を与える。該印刷版の作製のための画像形成法も開示
されており、これらの方法はダイレクト刷版露出法(d
irect−to−plate exposure t
echniques)に頼っており、それにより経費の
かかる中間のフィルム又は露出の後の処理現像液の使用
の必要性を排除している。
【0019】この一連の特許出願内のそれぞれの明細書
は、種々の独特の追加の特徴、例えば金属層の上にさら
に別の層を含むことも開示している;例えば、WO 9
8/55311は透明カバーシート又は融蝕された砕片
を集めるための材料の層の存在を記載しており、WO9
8/55308はタンパク質分解酵素及び親油化剤を含
む疎水化層を記載しており、この層は画像領域のインキ
−受容性を向上させ、それにより親水性領域と親油性領
域の間の差の程度を増加させる。
【0020】しかしながら、この型の平版印刷版前駆体
は、金属層の有効な融蝕及び画像形成を達成するために
必要な露出時間が比較的長く、非常に多量のエネルギー
が消費されるという欠点に苦しむ。明らかに、版前駆体
の感度を向上させ、該露出時間及びエネルギーの量をあ
る有意な程度に減少させることができたら、そのような
方法の商業的な生存性は非常に強化されるであろう。結
局、本発明の主たる目的は、非−画像領域における金属
層の融蝕をより低いエネルギーレベルで達成することが
できる平版印刷版前駆体を提供することである。
【0021】本発明者等は、親水性基質上に金属層を付
着させ、続いて金属層上に吸着され、放射線感受性前駆
体のための増感剤として作用する材料を含む層を金属層
にオーバーコーティングすることによって平版印刷版前
駆体を作製することにより、驚くべきことに、放射線感
受性平版印刷版前駆体のヒートモードレーザー露出に対
する感度の向上を達成できることを見いだした。
【0022】かくして、本発明の第1の側面に従えば、
(a)研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム基質を
含んでなり、その上に(b)金属層が設けられており、
その上に(c)金属性表面上に吸着され且つそれにより
系をヒートモードレーザー露出に対して増感する少なく
とも1種の増感材料を含んでなる層が適用されている平
版印刷版前駆体が提供される。
【0023】本発明で用いられる基質は、少なくとも1
つの表面上において電気化学的に研磨され且つ陽極酸化
されてその平版印刷性が強化されているアルミニウム基
質である。場合により、アルミニウムに伴う優れた寸法
安定性を保持しながらその柔軟性を強化するために、ア
ルミニウムを他の材料、例えば紙又は種々のプラスチッ
ク材料に積層することができる。
【0024】アルミニウムの研磨され且つ陽極酸化され
た表面に適用される金属層は1つの金属又は数種の金属
の組合わせを含んでなることができ、その特定の例には
銅、ビスマス及び黄銅が含まれる。しかしながら、最も
好ましくは、金属層は銀層を含む。金属層の厚さは好ま
しくは1nm〜100nm、最も好ましくは10nm〜
50nmである。
【0025】研磨され且つ陽極酸化されたアルミニウム
基質への金属層の適用のために、蒸着もしくは真空蒸着
又はスパッタリングを含む種々の方法を利用できる。し
かしながら、金属層が銀層を含んでなる場合、層の適用
のための最も好ましい方法は、銀塩拡散転写法に従うハ
ロゲン化銀材料の処理を含む。
【0026】拡散転写法においては、ハロゲン化銀乳剤
層をいわゆるハロゲン化銀溶剤を用いる処理により可溶
性の銀錯体化合物に変換し、それを次いで受像層中に拡
散させ、そこで一般には物理現像核の存在下で現像薬を
用いて還元し、金属性銀層を形成する。
【0027】ハロゲン化銀乳剤層を1つの要素上に設
け、物理現像核層を第2の要素上に設け、2つの要素を
単数もしくは複数の現像薬及び単数もしくは複数のハロ
ゲン化銀溶剤の存在下に、アルカリ性処理液の存在下で
接触させて置き、続いて剥がして第2の要素上に金属性
銀層を得る2シート系;ならびに要素に物理現像核層を
設け、その上にハロゲン化銀乳剤層を設け、アルカリ性
処理液の存在下で要素を単数もしくは複数の現像薬及び
単数もしくは複数のハロゲン化銀溶剤で処理し、要素を
洗浄して使用済みの乳剤層を除去し、物理現像核を含有
する層に形成される金属性銀層を残す1シート系の2つ
のそのような系が利用可能である。
【0028】あるいはまた、拡散転写法を用い、ポジテ
ィブ作用性ハロゲン化銀乳剤層を全体的に露出してネガ
ティブ潜像を形成し、それを次いで物理現像核層と接触
させて現像し、金属製銀層を形成することにより、金属
性銀層を適用することができる。この場合も1シート系
又は二重シート系を用いて該方法を行うことができる。
【0029】銀錯体拡散転写法の原理は、刊行物“Ph
otographic Silver Halide
Diffusion Processes”by An
dre Rott and Edith Weyde,
The Focal Press,London an
d New York,1972に十分に記載されてお
り、それを参照することによりさらなる詳細を集めるこ
とができる。
【0030】金属層の上に適用される層は、金属性表面
上に吸着され、ヒートモードレーザー露出への感度の向
上を与える少なくとも1種の増感材料を含む。種々の材
料が金属性表面上に吸着されることが既知であり、これ
らのいくつかは感度におけるそのような向上を与えるこ
とが見いだされている。特に、金属層が銀層を含んでな
る場合には、少なくとも1つの硫黄、セレン又はテルル
含有基を含有する材料を含んでなる層の適用から、有意
な感度の向上が生じた。特に、適した基にはチオール
基、容易に加水分解されてチオール基を与える置換チオ
基、ジスルフィド基、チオ酸基、チオアミド基及びイソ
チオシアナート基、ならびに前記のセレン及びテルル類
似体が含まれる。さらに、カチオン性材料、特にカチオ
ン性界面活性剤又はカチオン性色素をそのような平版印
刷版前駆体の最上層に導入することから、感度における
向上が生じた。
【0031】本発明の平版印刷版前駆体の最上層中への
導入に適した増感材料の特定の例には以下のものが含ま
れる: 1.チオール誘導体、例えばドデシルメルカプタン、1
−メチル−5−メルカプトテトラゾール、1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール、ナトリウム1−オクチ
ル−5−メルカプトテトラゾール、n−ヘプチル−2−
メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール、2−メル
カプトベンゾチアゾール、1,4−ジチオエリトリトー
ル、チオサリチル酸、メルカプトコハク酸カリウム塩、
2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベ
ンズイミダゾール及び3−メルカプト−4−メチル−4
H−1,2,4−トリアゾール。 2.加水分解可能なチオ化合物、例えばS−ジエチルア
ミノエチルイソチウロニウムクロリド塩酸塩。 3.ジスルフィド化合物、例えばテトラメチルチウラム
ジスルフィド、シスチン及び2,2’−ジチオ安息香
酸。 4.チオ酸、例えばチオ安息香酸ならびに、例えばエチ
ルキサントゲン酸カリウム及びナトリウムジエチルジチ
オカルバメートを含むその塩。 5.チオアミド、例えばチオ尿素、アリルチオ尿素、チ
オセミカルバジド、ジチゾン、ジチオオキサミド及び2
−チオバルビツル酸。 6.イソチオシアナート、例えばフェニルイソチオシア
ナート。 7.前記のチオ化合物のセレン及びテルル類似体、例え
ば2−セレニルベンゾチアゾール及びセレノ尿素。 8.カチオン性界面活性剤、例えばベンジルジメチルテ
トラデシルアミモニウムクロリド、セチルピリジニウム
ヨーダイド、ジ−ドデシルジメチルアンモニウムクロリ
ド、(ジイソブチルフェノキシエチル)ジメチルベンジ
ルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニ
ウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブ
ロミド、メチルポリオキシエチレン(15)ココアンモ
ニウムクロリド、ジメチルオクタデシルスルホニウム−
p−トルエンスルホネート及びZonyl FSD(E
I du Pont de Nemours & C
o.により供給されるフッ素化カチオン性界面活性
剤)。 9.カチオン性色素、例えばメチレンブルー、ブリリア
ントグリーン、フェノサフラニン、ピナクリプトルイエ
ロー及びクリスタルバイオレット。
【0032】好ましくは、最上層はさらに親水性材料を
含み、それは増感材料のための結合剤として働く他に、
上の金属層の画像通りの融蝕の後に現れる陽極酸化され
たアルミニウム表面のためのインキ減感剤(ink d
esensitiser)として作用することができ、
結局は該アルミニウム表面をより親水性とし、従って背
景の非−画像領域における望ましくないインキの吸収を
減少させる。通常の版作製操作の際、そのような減感剤
は一般に、画像通りの露出及び適宜現像に続いて版表面
に適用される。
【0033】しかしながら、露出の前に該親水性材料が
存在することは、そのような露出後処理の必要を排除
し、印刷版の直接印刷(direct−to−pres
s)用途を促進する。かくしていずれの中間処理の必要
もなく、露出に続いて版を印刷機に直接移すことがで
き、それは親水性材料が水洗により印刷領域における銀
画像から容易に除去可能だからである;そのような洗浄
は印刷機上で普通に用いられる典型的な水性湿し液及び
湿し液−インキ混合物の作用により有効に達成され、そ
れにより親水性材料は画像領域においてはインキのフィ
ルムで、そして背景の非−画像領域においては湿し液で
置き換えられる。直接印刷露出(direct to
press exposure)の他の手段も可能であ
り、その場合、版前駆体は印刷機上でその場露出され
る。
【0034】事実上、印刷操作の間に平版印刷版の背景
領域のための減感剤として通常用いられる親水性材料の
いずれも本目的のために用いられ得るが、特定の例には
ヘキサメタリン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、
デキストリン、アラビアゴム及びソルビトールが含まれ
る。
【0035】本発明は、基質及び金属層を含む平版印刷
版前駆体の放射線感度をさらに向上させることができる
方法も有効に提供する。かくして、本発明の第2の側面
に従えば、非−増感平版印刷版前駆体のヒートモードレ
ーザー露出に対する感度を向上させるための方法が提供
され、該方法は: (a)上に金属層が設けられている研磨され且つ陽極酸
化されたアルミニウム基質を含む非−増感平版印刷版前
駆体を準備し; (b)金属性表面上に吸着され且つそれにより系をヒー
トモードレーザー露出に対して増感する増感材料を含ん
でなる層を金属層上に適用することを含んでなる。
【0036】最上層は水溶液もしくは有機溶媒溶液か
ら、当該技術分野において周知の方法、例えば浸漬コー
ティング、グラビアコーティング、噴霧コーティング、
スロットコーティング又は逆ロールコーティングから選
ばれるいずれかの適したコーティング法を用いて適用さ
れ得る。層は金属性表面上に吸着される増感材料のみを
含んでなることができるが、好ましくはさらに前に議論
した親水性材料に加えて湿潤剤、分散剤、殺生物剤、緩
衝剤、色素又は最終的印刷版の印刷性能(press
performance)を強化することができる他の
材料から選ばれる別の材料を含む。好ましくは増感材料
は層中に、5〜50%の程度まで存在する。
【0037】コーティング溶液は好ましくは3〜10の
pHを有していなければならず、それは、高すぎるか又
は低すぎるpHを有するコーティング溶液から金属層へ
の損傷が生じ得るからである。コーティング溶液中にお
ける酸化剤の存在を避けるのも有利である。例えば、ヨ
ーダイド塩は有機材料と相互作用して遊離のヨウ素を放
出し得、それは次いで金属層と反応し、それにより放射
線感受性系の有効性を損ない得る。そのような万一の場
合に対する予備注意として、適した還元剤、例えばアス
コルビン酸を最上層中に導入するのが多くの場合に賢明
である。
【0038】増感材料は単層として存在することができ
るか、あるいはそれを前に特定した他の材料と一緒に適
用して最高で10g/m2の乾燥コーティング重量を得
ることができる。いずれの場合も、該増感材料は版表面
上に少なくとも単層を与えるのに十分な量で存在しなけ
ればならない。かくして、他の材料の不在の場合、増感
材料は単層と0.5μmの間、好ましくは0.01〜
0.1μmのコーティング厚さで存在しなければならな
い。最上層中に他の材料が存在する場合、これは0.0
1〜10g/m2、好ましくは0.05〜0.5g/m2
の乾燥コーティング重量を与えるように適用されねばな
らない。該層のいずれの追加の成分も、露出の後に、簡
単な水洗により容易に金属層の表面から除去され、画像
領域における急速なインキ受容性を助長し、それにより
版が優れた盛り換え性(roll−up proper
ties)を有することを保証しなければならない。
【0039】本発明の第3の側面に従えば、平版印刷版
の作製法が提供され、該方法は: (a)前記で記載したような平版印刷版前駆体を準備
し; (b)ヒートモードレーザービームを用いて該前駆体を
画像通りに露出することを含んでなる。
【0040】平版印刷版前駆体は、好ましくはスペクト
ルの赤外領域で働くレーザーからの放射線のビームによ
り画像形成される。適した赤外レーザーの例には半導体
レーザー及びYAGレーザー、例えば1064nmで出
力する10WのYAGレーザーを有するGerber
Crescent 42T Platesetterが
含まれる。放射線のビームへの露出は、放射線があたっ
た領域において金属層の融蝕を起こさせる。さらに、他
の波長の放射線を与えるレーザーに金属層を露出して加
熱効果−それが融蝕に導く−を生むことができる。適し
た例は248nmで出力し、3MW/cm2の出力密度
を発するKrFレーザーである。
【0041】該露出は印刷機上に搭載された印刷版前駆
体を用いて、あるいはまた、分離された露出ステーショ
ンを用いて行われ得る。後者の場合、画像通りの露出に
続き、得られる版を印刷機上に直接搭載することができ
る;いずれの場合も最上層の除去は、露出領域に残る銀
粒子と一緒に、版表面上の印刷機の湿し液、又は他の始
動化学品の作用の結果として、あるいは印刷操作に含ま
れる他の手順の経過中に起こる。印刷機上における露出
又は露出ステーションから印刷機への直接の転移の場
合、最上層中の吸着された増感材料の少なくとも1種が
さらに金属層に親油性の向上を与え、かくして画像領域
における優れたインキ受容性を保証することができるの
が望ましい。
【0042】あるいはまた、露出の後に、水溶液を用い
る手動もしくは自動スクラビング及び/又はソーキング
処理に版を供し、最上層を除去することができる;PC
T特許出願no.WO 98/55309に記載されて
いるこの手順は、露出領域に残る銀粒子の除去をさらに
促進し、印刷機操作の前に版の美的外観を向上させるこ
とを可能にする。この清浄化段階に続いて、又はそれと
同時に、画像領域のための少なくとも1種の親油化剤及
び非−画像領域をインキに対して減感させることができ
る少なくとも1種の化合物を含む水性組成物を用いる処
理により、版を印刷操作のために準備する。この方法
で、画像領域における優れたインキ受容性及び背景領域
における高度の親水性を保証し、かくして印刷機上にお
ける優れた始動の達成を可能にすることができる。
【0043】上記の組成物において用いるために適した
親油化剤は、“Photographic Silve
r Halide Diffusion Proces
ses”by Andre Rott and Edi
th Weydeの105〜106ページに開示されて
いるものから選ばれ得るが、メルカプト化合物及びカチ
オン性界面活性剤、例えば第4級アンモニウム化合物が
特に価値のあるものである。非−画像領域の減感のため
に有用な化合物の例には、炭水化物、例えばアラビアゴ
ム及びデキストリン、無機ポリホスフェート、例えばヘ
キサメタリン酸ナトリウム、アルコール類、グリコール
類ならびにアニオン性及び非−イオン性界面活性剤が含
まれる。有利には、組成物にトリプシン、ペプシン、フ
ィシン、パパインあるいはバクテリア性プロテアーゼ又
はプロテイナーゼのような酵素を導入することができ
る。
【0044】典型的には、該組成物は0.05重量%〜
5.0重量%の親油化剤、1.0重量%〜10.0重量
%の減感化合物及び0重量%〜10.0重量%の酵素を
含有する水溶液を含む。
【0045】本発明は、経費のかかる中間のフィルム及
び現像液薬品(developerchemistr
y)の使用の必要性ならびにこれらの材料の使用から生
ずる付随の不便さなくして、本発明の第3の側面の方法
に従って用い、高い画質、優れた印刷特性(press
properties)及び印刷機上における高い耐
久性を示す、印刷の準備ができた版を与えることができ
る高い放射線感度を有する平版印刷版前駆体を提供す
る。
【0046】以下の実施例は本発明の例示であり、本発
明の範囲に何らの制限も与えるものではない:
【0047】
【実施例】実施例1 Agfa−Gevaert Ltd.から商業的に入手
可能なHowsonSILVERLITHTM SDB印
刷版の試料を露出せずに、製造者の推薦に従って、しか
し水洗段階にバクテリア性プロテアーゼ酵素を加え、特
殊な仕上げゴムの適用の最終段階を省略し、拡散転写反
転法により自動プロセッサを介して処理した。得られる
印刷版前駆体の試料は研磨され且つ陽極酸化されたアル
ミニウム基質を含んでなり、その陽極酸化された表面上
に0.5g/m2のコート重量でコーティングされた銀
の層があった。
【0048】版の試料に、水、イソプロパノール及びメ
チルエチルケトンを含む溶媒混合物中に増感材料及び結
合剤としての0.2%w/vのポリビニルピロリドン
(分子量700,000)を含有する溶液を旋回コーテ
ィングした(whirlercoated)。表1に詳
細を示す種々の増感材料を用いた。旋回コーティングに
続いて試料を60℃で2分間乾燥し、0.3g/m2
乾燥トップコート重量を得た。
【0049】次いで試料をGerber Cresce
nt 42T内部ドラムレーザープレートセッター上に
搭載し、1064nmの波長で出力する10WのYAG
レーザーに画像通りに露出した。各試料に関する適切な
露出は、50%ドットチント(50% dot tin
t)の最も正確な再現を生ずる露出であった。Gerb
er 42T Platesetter上において得ら
れ得る最大露出は255単位である;結局、その値より
低い露出要求は、より速い、より感受性の版の指標であ
った。評価の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】実施例2 実施例1で詳細を記述した通りに0.5g/m2の銀コ
ート重量を有する平版印刷版前駆体の試料を作製した。
次いでトップコートを以下の詳細に従って試料に適用し
た:試料A(標準) 版前駆体の試料に、 ヘキサメタリン酸ナトリウム 50g トリエタノールアミン 20ml グルコン酸ナトリウム 90g Lutensit APS(アニオン性界面活性剤) 30ml ポリエチレングリコール200 60ml クエン酸 3.3g Alcalase(バクテリア性プロテアーゼ) 25ml 水 1リットルまで を含有する溶液をローラーコーティングし、0.1g/m2の乾燥トップコート 重量を得た。試料B 版前駆体の試料に、 ヘキサメタリン酸ナトリウム 50g トリエタノールアミン 25ml グルコン酸ナトリウム 50g Lutensit APS(アニオン性界面活性剤) 43ml ソルビトール 50g クエン酸 5.2g ナトリウム1−オクチル−5−メルカプトテトラゾール 2.0g Alcalase(バクテリア性プロテアーゼ) 25ml 水 1リットルまで を含有する溶液をローラーコーティングし、0.1g/m2の乾燥トップコート 重量を得た。試料C 80/20 v/vのイソプロパノール/メチルエチル
ケトンの溶媒混合物中に0.4%w/vのセチルピリジ
ニウムクロリド及び0.4%w/vのポリビニルピロリ
ドンを含有する溶液を版前駆体の試料に旋回コーティン
グし、60℃で2分間乾燥して0.4g/m2の乾燥ト
ップコート重量を得た。試料D 80/20 v/vのイソプロパノール/水の溶媒混合
物中に0.4%w/vのベンジルジメチルテトラデシル
アンモニウムクロリド、0.1%のヨウ化カリウム、
0.2%のクエン酸及び0.2%w/vのポリビニルピ
ロリドンを含有する溶液を版前駆体の試料に旋回コーテ
ィングし、60℃で2分間乾燥して0.4g/m2の乾
燥トップコート重量を得た。版の処理 それぞれの場合に版前駆体の試料を、1064nmで画
像形成するAgfaGalileo Tプレートセッタ
ー上に搭載した。1画素チェッカーボード(one p
ixel checkerboard)を適切に露出す
るのに必要なエネルギーを決定した。結果を表2に示
す。
【0052】
【表2】
【0053】露出に続き、トップコートを水で洗い落と
し、版の試料をタンパク質分解酵素、親油化剤及び減感
性ゴムを含む仕上げ組成物で処理してから印刷機上に搭
載した。この処理は印刷操作への優れた始動を保証し、
画像領域は優れたインキ受容性を有する高い親油性を示
し、背景の非−画像領域は清浄であり、インキの付着が
なかった。版はすべてDrent Web Offse
t印刷機上で85,000枚の優れた質のコピーを与え
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 7/07 7/07 7/11 7/11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)研磨され且つ陽極酸化されたアル
    ミニウム基質を含んでなり、その上に(b)金属層が設
    けられており、その上に(c)金属性表面上に吸着され
    且つそれにより系をヒートモードレーザー露出に対して
    増感する少なくとも1種の増感材料を含んでなる層が適
    用されている平版印刷版前駆体。
  2. 【請求項2】 該金属層が銀層を含んでなる請求項1で
    定義した平版印刷版前駆体。
  3. 【請求項3】 該金属層が1nm〜100nmの厚さを
    有する請求項1又は2で定義した平版印刷版前駆体。
  4. 【請求項4】 該増感材料が少なくとも1つの硫黄、セ
    レン又はテルル含有基を含む材料を含んでなる請求項1
    〜3のいずれかで定義した平版印刷版前駆体。
  5. 【請求項5】 該硫黄、セレン又はテルル含有基がチオ
    ール、置換チオ、ジスルフィド、チオ酸、チオアミド又
    はイソチオシアナート基あるいはそのセレン及びテルル
    類似体を含んでなる請求項4で定義した平版印刷版前駆
    体。
  6. 【請求項6】 該増感材料がカチオン性材料を含んでな
    る請求項1〜5のいずれかで定義した平版印刷版前駆
    体。
  7. 【請求項7】 該カチオン性材料がカチオン性界面活性
    剤又はカチオン性色素を含んでなる請求項6で定義した
    平版印刷版前駆体。
  8. 【請求項8】 該増感材料が5〜50%の程度まで該層
    中に存在する請求項1〜7のいずれかで定義した平版印
    刷版前駆体。
  9. 【請求項9】 少なくとも1種の増感材料を含有する該
    層が、他の材料の不在の場合、単層と0.5μmの間の
    コーティング厚さを有する請求項1〜8のいずれかで定
    義した平版印刷版前駆体。
  10. 【請求項10】 少なくとも1種の増感材料を含有する
    該層が少なくとも1種の他の材料を含んでなり、0.0
    1〜10g/m2の乾燥コーティング重量を有する請求
    項1〜9のいずれかで定義した平版印刷版前駆体。
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