JP2002501916A - トコール含有混合物からのトコトリエノールの分離方法及びその組成物 - Google Patents

トコール含有混合物からのトコトリエノールの分離方法及びその組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トコトリエノール、少なくとも1種のトコフェロール、脂肪酸及び該脂肪酸をエステル化するためのエステル化化合物からなる第1のトコール含有混合物を加熱して、トコトリエノール、トコフェロール、エステル化脂肪酸及び非エステル化脂肪酸からなる第2のトコール混合物を生成せしめ;第2のトコール混合物をエステル化脂肪酸と共に蒸留することによって、第2のトコール混合物から非エステル化脂肪酸を除去して、トコトリエノール及びトコフェロールからなるエステル化脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール混合物を生成せしめ;第3のトコール混合物からトコトリエノール及びトコフェロールを実質的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第3のトコール混合物を蒸留して、除去されたトコトリエノール、トコフェロール及び非トコール成分からなる第4のトコール混合物を生成せしめ;そして水と混和性の極性有機溶剤からなる抽出溶剤(但しトコフェロールに対する、該抽出溶剤のトコトリエノールの選択率は1より大きい)によって第4のトコール混合物からトコトリエノールを抽出して、該抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相からなる2相系を生成せしめ;そして、該第2の相から該第1の相を除去する(但し、該抽出溶剤は純アルコールではない)ことによって、第1のトコール混合物からトコトリエノールを分離する方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法によって製造される組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、トコール含有混合物からトコトリエノールを分離する方法及びその
方法によって製造される組成物に関する。
【0002】背 景 α,β,γ及びδ−トコフェロールならびにα,β,γ及びδ−トコトリエノ
ール(以下、このようなトコフェロール類及びトコトリエノール類をトコール類
と総称する)は、粗製植物油、例えば、大豆油、ヒマワリ油、カノラ油、ナタネ
油、綿実油、パーム油及び米ぬか油中に種々の割合及び濃度で見出されている。
トコール類は、植物油の有用成分であり、多くの実用的用途がある。例えば、ト
コール類は食品の酸化及び腐敗を防ぐのに役立つ。また、トコール類はある種の
癌の危険を減少させることができるので、有用な補助食品である。
【0003】 植物油の精製の過程において、トコール類のかなりの部分が種々の副生物及び
廃棄物流中に失われる。これらの副生物及び廃棄物流としては、脱臭剤蒸留物、
蒸気精製蒸留物及び酸性化石鹸原料が挙げられるがこれらに限定するものではな
い。植物油精製副生物は一般に、1重量%未満から20重量%を超えるトコール
類を含む。従って、植物油精製副生物は有用なトコール供給源である。
【0004】 トコール類を含む副生物流はまた、20〜99重量%の遊離脂肪酸、1重量%
未満〜20重量%のステロール類、1重量%未満〜20重量%の脂肪酸のステロ
ールエステル類、1重量%未満〜40重量%のモノ、ジ及びトリグリセリド類、
1重量%未満〜30重量%の炭化水素、及び有意な量で存在する他の化合物を含
む。従って、有用なトコール濃縮物流を得るためには、これらの物質を除去する
ことが必要である。
【0005】 植物油精製副生物からトコール類を回収する多くの方法がこれまでに提案され
てきた。トコール含有混合物からのトコール類の除去は、この混合物を一連の蒸
留操作に供することによって行うことができる。米国特許第5,512,691
号;同第5,660,691号及び同第5,487,817号には、脱臭剤蒸留
物からトコール濃縮物を得る方法が開示されている。この方法は、混合物中に既
に存在する遊離脂肪酸によってステロール類をエステル化し、そしてエステル化
生成物を一連の蒸留工程に供してトコール濃縮物流を生成することによって行う
。また、ヨーロッパ特許第610742号公開公報及び特開昭60−18577
6号公報も蒸留技術を用いた脂肪残渣からのトコフェロール類の分離を開示して
いる。しかし、これらの参考文献は、いずれも、トコール含有混合物からトコー
ルを分離するための抽出工程を開示していない。
【0006】 特開昭60−048981号公報及び同60−149582号公報は、超臨界
条件下で水と下混和性の無極性有機溶剤である超臨界二酸化炭素によってトコフ
ェロール含有物質を抽出することによって、トコフェロール類を濃縮できること
を開示している。さらに、これらの方法は、少なくとも73バールの圧力に耐え
ることができる高価な高圧装置の使用を必要とする。
【0007】 DE3615029は、トコフェロール含有物質を純メタノールと接触させて
2層を形成し、メタノール層を分離し、メタノール層を冷却してメタノール相及
びラフィネート層を生成せしめ、そして該メタノール層からトコフェノール類を
回収することによる、トコフェロール類の精製を開示している。この方法の欠点
は、かなり多くのトコフェロール類がラフィネート(残留油)中に失われ、それ
によって回収可能な総収量が減少することである。米国特許第4,550,18
3号は、トコフェロール含有材料をメタノールの苛性アルカリ溶液で抽出するこ
とによる2相系の生成を開示している。メタノール層は除去され、酸で中和され
る。この方法の欠点は、塩基性メタノール層の中和に追加の工程が必要な点であ
る。特開平3−127730号公報は、不飽和油または脂肪を、純粋なブタノー
ル、エチレングリコール、メチルエチルケトン、アセトン、ベンゼンまたはシク
ロヘキサンからなる純粋な抽出溶剤で抽出した後に一連の蒸留工程を行うことを
開示している。
【0008】 トコール類の濃度を増大させる別のアプローチは、アルコールのようなエステ
ル化剤を添加することによってトコール含有混合物中に存在する遊離脂肪酸を対
応エステルに転化させてから、蒸留することによってトコールを除去するもので
ある。例えば、米国特許第2,432,181号は、脂肪酸グリセリドをアルカ
リ性アルコーリシス触媒の存在下において脂肪族一価アルコールと反応させ、次
いでフラッシュ蒸留することによって、植物性油脂からトコフェロール類を回収
できることを開示している。米国特許第3,153,055号は、強酸性条件下
において低級一価アルコールエステルを用いて遊離脂肪酸及びグリセリドをエス
テル化することによって、脱臭剤蒸留物からステロール類及びトコフェロール類
を単離する方法を開示している。米国特許第3,335,154号は、脱臭剤蒸
留物を鹸化及び酸性化して、グリセリド類及びステロールエステル類を遊離脂肪
酸と遊離アルコール(各々、グリセロール、ステロール類)に転化することを開
示している。遊離脂肪酸は、一価低級アルコール及び鉱酸触媒によってエステル
化される。ステロール類は、混合物への水の添加によって沈澱/結晶化され、ト
コフェロール類は、分子蒸留による脂肪酸エステルの除去によって濃縮される。
米国特許第4,454,329号は、酸触媒の存在下または不存在下において遊
離脂肪酸を二価または多価アルコールでエステル化することによって、脱臭剤蒸
留物からトコフェロール濃縮物が得られることを記載している。
【0009】 アルコールの添加には多くの欠点がある。外部から一価アルコールを添加する
と、植物油副生物供給物質中に通常は存在しない脂肪酸エステルが生成される。
過剰の一価アルコールは別の処理工程で除去されなければならない。さらに、高
濃縮トコフェロール生成物を生成するためには、ステロール類は結晶化または他
の手段によって除去されなければならない。最後に、脂肪酸の鹸化は、酸性化の
ために多量の苛性酸を必要とし、そのために、過剰の塩廃棄物が生じる。
【0010】 前記点に鑑みて、本発明の目的は、トコール含有混合物からトコール類を分離
するための効率の良い方法を提供することにある。
【0011】 本発明の別の目的は、トコール含有混合物からのトコトリエノール類の分離方
法を提供することにある。トコトリエノール類は、人間の多くの病気を治療また
は防止することが明らかになっている。予備的な医学研究により、トコトリエノ
ール類、特にγ−トコトリエノール他の抗ガン剤と共に使用された時には特に、
乳ガンの増殖を抑制できることがわかっている(Nasaretnam K, Guthrie N, Cha
mbers AF, 及びCarrol KK Lipids 1995 30 1139 ;ならびにGuthrie N, Gapor A
, Chambers AF,及びCarroll KK J. Nutr. 1997 127 544S)。トコトリエノール
類はまた、コレステロールの低比重リポ蛋白フラクションの血中レベルと総血清
コレステロールを添加させると共に、コレステロールの低比重リポ蛋白フラクシ
ョンに対する高比重リポ蛋白クラクションの比を増加させるので、そのコレステ
ロール低下作用のために特別な関心が持たれている。このような作用は、心臓疾
患の危険を減少させる上で臨床的に意義深いことが示されている(T. Gordon ら
、“High Density Lipoproteins as a Protective Factor Against Coronary He
art Disease",The America Journal of Medicine, 62, pp. 707〜714(1977) )
【0012】 従って、より多量のトコトリエノール類を単離する方法が得られれば望ましい
であろう。
【0013】 本発明の別の目的は、トコール含有混合物からのトコフェロール類の分離方法
を提供することにある。特に、α−トコフェロールは胃ガン及び前立腺ガンの危
険を減少させることができる。従って、現在、より多量のトコフェロール類に対
する需要は高い。
【0014】 トコール濃度を増大させる先行技術の方法は、トコール類の分離に必要な工程
数及び回収トコール類の総収率の点で不十分である。さらに、より多量のトコト
リエノール類を生成するための、系統立てられた方法は先行技術にはない。本発
明は、トコール含有混合物からトコール類及び/またはトコトリエノール類を分
離する効率の良い方法を開示している。
【0015】発明の要約 本明細書中で具体的に且つ広義に記載した本発明の目的によれば、本発明は一
面において、少なくとも1種のトコトリエノール及び少なくとも1種のトコフェ
ロール、第1の脂肪酸ならびにエステル化化合物を含む第1のトコール混合物か
らトコトリエノールを分離する方法に関し、この方法は、 (a)トコトリエノール、トコフェロール、第1の脂肪酸及びエステル化化合
物を含む第1のトコール混合物を、第1の脂肪酸を該エステル化化合物で実質的
にエステル化するのに充分な時間及び充分な温度で加熱して、トコトリエノール
、トコフェロール、エステル化された第1の脂肪酸及びエステル化されていない
第1の脂肪酸を含む第2のトコール混合物を生成せしめ; (b)エステル化されていない第1の脂肪酸を第2のトコール混合物から実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第2のトコール混合物を蒸留して
、トコトリエノール、エステル化された第1の脂肪酸及びトコフェロールを含み
且つエステル化されていない第1の脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール
混合物を生成せしめ; (c)第3のトコール混合物からトコトリエノール及びトコフェロールを実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第3のトコール混合物を蒸留して
、除去されたトコトリエノール、トコフェロール及び非トコール成分を含む第4
のトコール混合物を生成せしめ;そして (d)水と混和性の極性有機溶剤を含む抽出溶剤(但しトコフェロールに対す
る、抽出溶剤のトコトリエノールの選択率は1(unity)より大きい)によ
って、第4のトコール混合物からトコトリエノールを抽出して、抽出溶剤の大部
分を含む第1の相と第2の相を含む2相系を生成せしめ、そして第2の相から第
1の相を除去する ことを含んでなり(ただし、抽出溶剤は純アルコールではない)、工程(b)を
工程(c)の前に行っても、工程(c)を工程(b)の前に行ってもよいが、工
程(b)及び(c)は、工程(a)の後であって工程(d)の前において行うこ
とから成る。
【0016】 本発明はさらに、トコトリエノール及び少なくとも1種のトコフェロールを含
むトコール混合物からトコトリエノールを分離する方法であって、水と混和性の
極性有機溶剤及び水を含む水性組成物からなる抽出溶剤によってトコール混合物
からトコトリエノールを抽出して、抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相
からなる2相系を生成せしめ、そして第2の相から第1の相を除去することを含
んでなる方法に関する(但しトコフェロールに対する、トコトリエノールの該抽
出溶剤の選択率は1(unity)より大きく、該抽出溶剤はアルコールを含ま
ない)。
【0017】 本発明はさらに、本発明の前記方法によって生成される組成物に関する。 本発明はさらに、γ−トコトリエノール及びα−トコフェロールを、1:1〜
10:1(前者対後者)の比で含む組成物に関する。
【0018】 本発明はさらに、少なくとも1種のトコール、第1の脂肪酸ならびにエステル
化化合物を含む第1のトコール混合物からトコールを分離する方法に関し、この
方法は、 (a)トコール、第1の脂肪酸及びエステル化化合物を含む第1のトコール混
合物を、第1の脂肪酸を該エステル化化合物で実質的にエステル化するのに充分
な時間及び充分な温度で加熱して、トコール、エステル化された第1の脂肪酸及
びエステル化されていない第1の脂肪酸を含む第2のトコール混合物を生成せし
め; (b)エステル化されていない第1の脂肪酸を第2のトコール混合物から実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第2のトコール混合物を蒸留して
、トコール及びエステル化された脂肪酸を含み且つエステル化されていない第1
の脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール混合物を生成せしめ; (c)第3のトコール混合物からトコールを実質的に除去するのに充分な時間
及び充分な温度で第3のトコール混合物を蒸留して、除去されたトコール及び非
トコール成分を含む第4のトコール混合物を生成せしめ;そして (d)水と混和性の極性有機溶剤を含む抽出溶剤(ただし、抽出溶剤は純アル
コールではない)によって、第4のトコール混合物からトコールを抽出して、抽
出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相を含む2相系を生成せしめ(但し第4
のトコール混合物中の非トコール成分に対する、抽出溶剤のトコールに対する選
択率は1(unity)より大きい)、そして第2の相から第1の相を除去する
ことを含んでなり、工程(b)を工程(c)の前に行っても、工程(c)を工程
(b)の前に行ってもよいが、工程(b)及び(c)は、工程(a)の後であっ
て工程(d)の前において行うことからなる。
【0019】 本発明はさらに、少なくとも1種のトコール及び非トコール成分を含むトコー
ル混合物からトコールを分離する方法であって、水と混和性の極性有機溶剤及び
水を含む水性組成物からなる抽出溶剤によってトコール混合物からトコールを抽
出して、抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相からなる2相系を生成し、
そして第2の相から第1の相を除去することを含んでなる方法(但しトコール混
合物中の非トコール成分に対する、該抽出溶剤のトコールの選択率は1(uni
ty)より大きく、該抽出溶剤はアルコールを含まない)に関する。
【0020】 本発明のその他の利点は、一部は以下の説明に記載されており、一部は説明か
ら自明であるか、又は本発明を実施することによってわかるであろう。本発明の
利点は、特許請求の範囲に詳細に記載された構成要素及び組み合わせによって実
現及び達成できる。前述の一般的説明及び以下の詳細な説明は共に、単に代表的
且つ解説的なものであり、特許を請求する際に本発明を制限するものではないこ
とを理解されたい。
【0021】発明の詳細な説明 本発明は、以下に示した、本発明の好ましい実施態様の詳細な説明及びそこに
含まれる実施例を参照することによってより理解しやすくなるであろう。
【0022】 本発明の組成物及び方法を開示及び説明する前に、本発明は、特定の合成方法
または特別な製剤に限定されず、当然、変化し得ることを理解されたい。また、
本明細書中で使用した専門用語は、具体的な実施態様の説明のためにのみ用いた
のであって、限定的な意味ではないことを理解されたい。
【0023】 明細書及び特許請求の範囲中において多くの用語に言及したが、それらは以下
の意味を有すると定義する:
【0024】 単数形(a,an及びthe)の表現は、文脈から複数ではないことが明白に
示されない限り、複数の対象物も含むものとする。
【0025】 「任意の」または「場合によっては」は、次に記載される事象または状況が起
こっても起こらなくてもよいこと、ならびに記載が、その事象または状況が起こ
る場合と起こらない場合を含むことを意味する。
【0026】 用語「トコール」は、公知の任意のトコフェロールまたはトコトリエノールと
定義される。用語「トコール類」は、2種またはそれ以上のトコフェロール類ま
たはトコトリエノール類、あるいは少なくとも1種のトコフェロール及び少なく
とも1種のトコトリエノールと定義される。トコフェロール類の例としては全て
のトコフェロール類、例えば、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−
トコフェロール及びδ−トコフェロールが挙げられる。トコトリエノール類の例
としては全てのトコトリエノール類、例えば、α−トコトリエノール、β−トコ
トリエノール、γ−トコトリエノール及びδ−トコトリエノールが挙げられる。
これら全てのトコフェロール類及びトコトリエノール類の構造は当業者に良く知
られている。
【0027】 「γ−トコトリエノール」は以下の構造(I)を有する:
【0028】
【化1】
【0029】 「α−トコフェロール」は以下の構造(II)を有する:
【0030】
【化2】
【0031】 用語「分離する」は、1種の物質の量を1種またはそれ以上の他の物質に比べ
て増加させることと定義される。例えば、第1の混合物が50%のAと40%の
Bを含むならば、第1の混合物からBを「分離する」と、20%のAと40%の
Bからなる第2の混合物が生成される。この例では、Bの量はAの量に比べて増
加している。用語「分離する」はまた、2種またはそれ以上の化合物の混合物か
ら1種の化合物のみを単離することも含むことができる。
【0032】 「水と混和性の極性有機溶剤」は本明細書中においては、25℃において少な
くとも5重量%、より好ましくは10重量%、さらに好ましくは25重量%、さ
らに好ましくは50重量%、さらに好ましくは75重量%、さらに好ましくは1
00重量%が水に溶解する任意の極性有機化合物と定義される。
【0033】 本明細書中で具体的に且つ広義に記載した本発明の目的によれば、本発明は一
面において、少なくとも1種のトコトリエノール及び少なくとも1種のトコフェ
ロール、第1の脂肪酸ならびにエステル化化合物を含む第1のトコール混合物か
らトコトリエノールを分離する方法に関し、この方法は、 (a)トコトリエノール、トコフェロール、第1の脂肪酸及びエステル化化合
物を含む第1のトコール混合物を、第1の脂肪酸を該エステル化化合物で実質的
にエステル化するのに充分な時間及び充分な温度で加熱して、トコトリエノール
、トコフェロール、エステル化された第1の脂肪酸及びエステル化されていない
第1の脂肪酸を含む第2のトコール混合物を生成せしめ; (b)エステル化されていない第1の脂肪酸を第2のトコール混合物から実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第2のトコール混合物を蒸留して
、トコトリエノール、エステル化された第1の脂肪酸及びトコフェロールを含み
且つエステル化されていない第1の脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール
混合物を生成せしめ; (c)第3のトコール混合物からトコトリエノール及びトコフェロールを実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第3のトコール混合物を蒸留して
、除去されたトコトリエノール、トコフェロール及び非トコール成分を含む第4
のトコール混合物を生成せしめ;そして (d)水と混和性の極性有機溶剤を含む抽出溶剤(但し抽出溶剤は純アルコー
ルではない)によって、第4のトコール混合物からトコトリエノールを抽出して
、抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相を含む2相系を生成せしめ(但し
トコフェロールに対する、抽出溶剤のトコトリエノールの選択率は1(unit
y)より大きい)、そして第2の相から第1の相を除去する ことを含んでなり、工程(b)を工程(c)の前に行っても、工程(c)を工程
(b)の前に行ってもよいが、工程(b)及び(c)は、工程(a)の後であっ
て工程(d)の前において行うことからなる。
【0034】 本発明はさらに、トコトリエノール及び少なくとも1種のトコフェロールを含
むトコール混合物からトコトリエノールを分離する方法であって、水と混和性の
極性有機溶剤及び水を含む水性組成物からなる抽出溶剤によってトコール混合物
からトコトリエノールを抽出して、抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相
からなる2相系を生成せしめ、そして第2の相から第1の相を除去することを含
んでなる方法(トコフェロールに対する、該抽出溶剤のトコトリエノールの選択
率は1(unity)より大きく、該抽出溶剤はアルコールを含まない)に関す
る。
【0035】 本発明はさらに、本発明の前記方法によって製造された組成物に関する。 本発明はさらに、γ−トコトリエノール及びα−トコフェロールを、1:1〜
10:1の比(前者対後者)で含む組成物に関する。
【0036】 本発明はさらに、少なくとも1種のトコール、第1の脂肪酸及びエステル化化
合物を含む第1のトコール混合物からのトコールの分離方法であって、 (a)トコール、第1の脂肪酸及びエステル化化合物を含む第1のトコール混
合物を、第1の脂肪酸を該エステル化化合物で実質的にエステル化するのに充分
な時間及び充分な温度で加熱して、トコール、エステル化された第1の脂肪酸及
びエステル化されていない第1の脂肪酸を含む第2のトコール混合物を生成せし
め; (b)エステル化されていない第1の脂肪酸を第2のトコール混合物から実質
的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第2のトコール混合物を蒸留して
、トコール及びエステル化された脂肪酸を含み且つエステル化されていない第1
の脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール混合物を生成せしめ; (c)第3のトコール混合物からトコールを実質的に除去するのに充分な時間
及び充分な温度において第3のトコール混合物を蒸留して、除去されたトコール
及び非トコール成分を含む第4のトコール混合物を生成せしめ;そして (d)水と混和性の極性有機溶剤を含む抽出溶剤(ただし、抽出溶剤は純アル
コールではない)によって、第4のトコール混合物からトコールを抽出して、抽
出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相を含む2相系を生成せしめ(第4のト
コール混合物中の非トコール成分に対する、抽出溶剤のトコールの選択率は1(
unity)より大きい)、そして第2の相から第1の相を除去する ことを含んでなり、工程(b)を工程(c)の前に行っても、工程(c)を工程
(b)の前に行ってもよいが、工程(b)及び(c)は、工程(a)の後であっ
て工程(d)の前において行う方法に関する。
【0037】 本発明はさらに、少なくとも1種のトコールと非トコール成分を含むトコール
混合物からトコールを分離する方法であって、水と混和性の極性有機溶剤及び水
を含む水性組成物からなる抽出溶剤によってトコール混合物からトコールを抽出
して、抽出溶剤の大部分を含む第1の相と第2の相からなる2相系を生成し、そ
して第2の相から第1の相を除去することを含んでなる方法(該トコール混合物
中の非トコール成分に対する、該抽出溶剤のトコールの選択率は1(unity
)より大きく、該抽出溶剤はアルコールを含まない)に関する。
【0038】トコール含有混合物の組成 第1のトコール混合物は、トコールを含む任意の組成物であることができる。
一般に、第1のトコール混合物は1種またはそれ以上のトコトリエノール類及び
1種またはそれ以上のトコフェロール類を含む。一実施態様において、第1のト
コール混合物はナッツ油または動物油を含む。別の実施態様においては、第1の
トコール混合物は植物油精製の廃棄物流または副生物である。廃棄物流及び副生
物流の例としては、脱臭剤蒸留物、水蒸気精製蒸留物及び酸性化石鹸材料が挙げ
られるが、これらに限定するものではない。一実施態様において、第1のトコー
ル混合物は植物油脱臭剤蒸留物を含む。トコール類を含む植物油脱臭剤蒸留物の
例としては、パーム油、米ぬか油または大豆油脱臭剤蒸留物が挙げられるが、こ
れらに限定するものではない。好ましい実施態様において、第1のトコール混合
物は米ぬか油脱臭剤蒸留物を含む。植物油精製副生物は一般に、1重量%未満か
ら20重量%より多いトコール類を含む。脱臭剤蒸留物は一般に約0.1〜5重
量%のトコトリエノール類を含む。脱臭剤蒸留物は公知の方法を用いて得ること
ができる。
【0039】 第1のトコール混合物はまた、トコール類と同様な沸点を有するワックスも含
む。ワックスの組成は、油の種類に応じて変化できる。一般に、ワックスは脱水
ステロール類、線状炭化水素、例えば、ノナコサン(C2960)及びスクワレン
からなる。ワックスはトコール類と沸点が類似しているので、蒸留によって分離
することができない。ワックスからのトコール類の分離はクロマトグラフィーに
よって可能であるが、この方法は高価である。従って、本発明はトコール類の分
離及び/またはより具体的には第1のトコール混合物からのトコトリエノール類
の分離に抽出工程を使用する。これは、先行技術の方法に比較して安価で効率の
よい方法である。
【0040】エステル化及び蒸留工程 一実施態様においては、第1のトコール混合物を初めに加熱し、次いで、一連
の蒸留操作を行って、第1のトコール混合物からトコール類を分離する。Bar
nickiらの米国特許第5,660,691号(ここで言及することによって
その全体を本明細書中に取り入れる)に開示された方法は、第1のトコール混合
物を第4のトコール混合物に転化するのに使用できる。図1は、本発明のこの実
施態様を示すフローレートである。第1のトコール混合物は、ライン(1)を経
て、温度70〜300℃、好ましくは150〜230℃及び圧力20〜760ト
ル、好ましくは20〜200トルにおいて運転される撹拌タンクまたはバッチ反
応器(2)に供給される。一実施態様において、この反応器中の滞留時間は2〜
10時間である。
【0041】 場合によってはエステル触媒が、ライン(1)において加熱の前に第1のトコ
ール混合物に添加されることができる。別の実施態様において、エステル化触媒
は反応器(2)中で添加されることができる。本発明において有用なエステル化
触媒の例としては、モノアルキル錫化合物、有機酸の亜鉛塩、チタン(IV)アル
コキシド、酸化亜鉛、リン酸及び他の弱鉱酸が挙げられるが、これらに限定する
ものではない。エステル化触媒を使用する場合には、反応器中の滞留時間は一般
に1〜24時間、好ましくは90分〜2時間とすることができる。
【0042】 理論によって拘束するつもりはないが、加熱工程(a)の間に、第1のトコー
ル混合物中に存在する脂肪酸はエステル化化合物と反応して、エステル化された
第1の脂肪酸が生成されると考えられる。第1のトコール混合物中に存在する第
1の脂肪酸としては、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、ステアリン酸(st
eric acid)、パルミチン酸、リノレン酸ならびに他のC16、C18及びC20または
それ以上の炭素数のカルボン酸が挙げられるがこれらに限定されない。脂肪酸を
エステル化できる、第1のトコール混合物中に存在する化合物は全てエステル化
化合物と考えられる。第1のトコール混合物中に存在するエステル化化合物の例
としては、ステロール類、トリテルペノイドアルコール類、またはグリセロール
のモノ−及びジ−脂肪酸エステル類が挙げられるが、これらに限定するものでは
ない。トコール類はまた、一部が第1の脂肪酸と反応してトコールエステル及び
水を形成する。エステル化反応の相対速度は、グリセリド類>ステロール類>ト
コール類である。従って、トコール類のエステル化は、反応温度及び時間の適切
な選択によってコントロールできる。一実施態様において、ステロール類の75
〜100%、一般には85〜95%が加熱工程後にステロールエステルに転化さ
れる。トコール類及びステロール類を蒸留によって分離するのは困難であるので
、本発明の1つの目的は、蒸留前にトコール混合物からステロール類を除去する
ことにある。ステロール類が除去されない場合には、最終トコール濃度はステロ
ール類の存在のために低下するであろう。別の実施態様においては、トコール類
の80〜97%、一般に85〜92%が加熱工程後に第1のトコール混合物から
回収される。
【0043】 別の実施態様においては、C14〜C22脂肪酸を含む第2の脂肪酸が、加熱工程
前に第1のトコール混合物に添加される。第2の脂肪酸は一般に、パルミチン酸
、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸またはそれらの組み合わせからなる。第
1のトコール混合物の総重量に基づき40重量%以下の第2脂肪酸が第1のトコ
ール混合物に添加されるのが好ましい。
【0044】 一方、反応器(2)には、加熱工程の間に生成される水を除去するための手段
が設けられる。ライン(3)による水の除去により、反応平衡は脂肪酸エステル
生成物の形成の方向に移動する。
【0045】 次いで、第2のトコール混合物(流れ(4))は一連の蒸留工程に供され、そ
こでトコール類よりも沸点の高い成分と低い成分が第2のトコール混合物から分
離される。本発明の工程(b)と(c)とは入れ替えることができる。一実施態
様において、工程(b)は工程(c)の前に実施される。一実施態様において、
蒸留工程は、加熱工程(a)からの非エステル化遊離脂肪酸を除去するための1
つまたはそれ以上の別の蒸留操作である。好ましい実施態様においては蒸留工程
は2工程である。低沸点化合物(例えば、非エステル化脂肪酸)及び高沸点化合
物(例えば、トコール類、ステロール類及びワックス類)を除去するのに必要な
蒸留工程の順序は固定する必要はない。一般に、ステロールエステル類及びトリ
グリセリド類は、蒸留工程を実施する温度において沸騰しないので、残液中に残
る。
【0046】 一実施態様において、第2のトコール混合物は、非エステル化脂肪酸を除去す
るために蒸留されて、第3のトコール混合物が生成される。蒸留工程(b)は、
単位装置(5)において高真空下で行われて、非エステル化脂肪酸が実質的に除
去される。非エステル化脂肪酸は一般に第2のトコール混合物から50〜90%
、より好ましくは60〜80%が除去される。非エステル化脂肪酸(流れ(6)
)は他の低沸点化合物と共に除去されて、トコール類が濃縮された第3トコール
混合物(流れ(7))が生成される。蒸留工程(b)は、第3のトコール混合物
が残液中に残されるような温度及び圧力で実施される。一実施態様において、蒸
留工程(b)の温度及び圧力は一般に、125〜300℃及び0.05〜10ト
ルである。好ましい実施態様において、温度及び圧力範囲は150〜200℃及
び0.5〜4トルである。好ましくは、蒸留装置(5)は、ショート・パス・エ
バポレータ、ワイプド・フィルム・エバポレータ、遠心分子蒸留機、または低圧
操作が可能な流下フィルム形エバポレータを含む高真空設計である。
【0047】 蒸留工程(b)によって生成される第3のトコール混合物(流れ(7))は場
合によっては、蒸留操作(8)(工程(b′))において高真空下で2回目の蒸
留がされて、残っている非エステル化脂肪酸及び他の低沸点化合物が全て除去さ
れる。全ての残留非エステル化脂肪酸がほとんど完全に除去されるようにするた
めに、蒸留工程(b′)の温度を蒸留工程(b)より高くするか、圧力を低くし
なければならない。蒸留工程(b′)の温度及び圧力は125〜300℃及び0
.01〜5トルの範囲である。好ましい温度及び圧力範囲は150〜220℃及
び0.1〜2トル、より好ましくは150〜200℃及び0.1〜2トルである
。これらの条件下において、少量のトコール類が残留非エステル化脂肪酸と共に
上部から蒸留されて流れ(9)に入り、トコールが濃縮された残液生成物(10
)が残される。若干のトコール類と残留遊離脂肪酸を含む留出物(9)は廃棄さ
れるか、あるいはトコール類の全収率が向上させるために反応器(2)または第
1の蒸留操作(5)に再循環される。蒸留(5)及び蒸留(8)は、異なる温度
及び圧力条件下で実施されるので、トコールの減量を減らし且つ脂肪酸の除去を
増やす多平衡多段式装置(multi-equilibrium staged device)として組み合わせ
て行われることもできる。蒸留装置(8)は、ショート・パス・エバポレータ、
ワイプド・フィルム・エバポレータ、遠心分子蒸留機、または流下フィルムエバ
ポレータを含む(これらに限定するものではない)任意の高真空設計とすること
ができる。
【0048】 第3のトコール混合物(流れ(7)または(10))は、蒸留工程(c)(1
1)に供される。トコール類及び類似の沸点を有する、前述の他の高沸点化合物
は、トコールを多く含む最終蒸留生成物(12)として採取される。トリグリセ
リド類、ステロールエステル類、他の高沸点脂肪酸エステル類及び他の高沸点化
合物はほとんどトコールを含まない蒸留残液(13)中に除去される。エステル
化触媒を用いる場合には、それは流れ(13)から残渣中に除去される。一実施
態様において、蒸留工程(c)の温度及び圧力は、150〜270℃及び0.0
05〜2トルの範囲である。好ましい実施態様において、温度及び圧力は190
〜250℃及び0.01〜0.05トル、より好ましくは200〜250℃及び
0.01〜0.05トルである。蒸留装置(11)は、ショート・パス・エバポ
レータ、ワイプド・フィルム・エバポレータ、遠心分子蒸留機、または流下フィ
ルムエバポレータを含む(これらに限定するものではない)任意の高真空設計で
あることができる。
【0049】 本発明の工程(a)〜(c)では、最少の工程数を用いて効率よく且つ経済的
にトコールブレンドが生成される。本発明の1つの利点は、加熱工程(a)の前
に第1のトコール混合物にアルコールを添加しないことである。第1のトコール
混合物に溶剤及びアルコール類のような外部からの物質を添加しないので、これ
らの物質を除去するための追加の工程は必要ない。さらに、第4のトコール混合
物のトコール濃度は、他の先行技術の方法によって生成された他の組成物のトコ
ール濃度に比べて高い。第4のトコール混合物中に存在するトコール類の量は、
第1のトコール混合物の供給源及び第1のトコール混合物中のトコール類の濃度
に応じて変化し得る。別の実施態様において、第4のトコール混合物は1〜50
重量%、5〜45重量%、10〜40重量%、15〜35重量%または20〜3
0重量%の濃度のトコール類を含む。別の実施態様において、第4のトコール混
合物は8〜30重量%の濃度のトコール類を含む。一実施態様において、第4の
トコール混合物は45〜50重量%の濃度のトコール類を含む。前述の工程(a
)〜(c)からのトコール類の全回収率は、一般に72〜97%、より代表的に
は75〜92%、さらに代表的には80〜85%である。
【0050】 一般に、第4のトコール混合物は非トコール成分を含む。非トコール成分は、
第1のトコール混合物の供給源によって変化し得る。非トコール成分の例として
は、炭化水素、ジグリセリド類及び/または未反応ステロール類が挙げられるが
これらに限定されない。
【0051】 一実施態様において、加熱工程及び蒸留工程は回分式、半回分式または連続式
で実施できるが、好ましくは連続式である。蒸留工程は連続して実施される。
【0052】トコール含有混合物からのトコトリエノール類及びトコール類の分離方法 第4のトコール混合物が生成されると、第4のトコール混合物は、そこからト
コトリエノール類またはトコール類を分離するために抽出工程に供される。本発
明において使用できる抽出方法としては、単接触抽出(すなわち、回分式)、簡
易な多段接触抽出、向流多段抽出、真の連続向流抽出、または連続向流抽出が挙
げられるがこれらに限定されない。Perry ら、Chemical Engineers' Handbook,
5 th Edition (McGraw-Hill, 1973)及びLoら、Handbook of Solvent Extraction
, Reprint Edition (Krieger, 1991) (言及することによってその全体を本明細
書中に取り入れる)に開示された抽出法はいずれも本発明において使用できる。
好ましい実施たいようおいて、抽出工程は連続向流抽出である。
【0053】 本発明において有用な向流抽出装置としては、カラム(撹拌及び非撹拌)、混
合装置−沈降タンク、または遠心抽出機が挙げられるがこれらに限定されない。
撹拌カラムの例としては、Karr往復板、回転ディスク、非対称型ディスク、Kuhn
i, York-Scheibel, 及びOldshue-Rushton が挙げられるがこれらに限定されない
。非撹拌カラムの例としては、噴霧板、じゃま板、充填板、及び多孔板が挙げら
れるがこれらに限定されない。遠心抽出機の例としては、Robatel Inc., Pittsf
ield, MA;Westfalia Separator Inc., Northvale, New Jersey ;及びBaker Pe
rkins Inc. (Podbielniak), Saginaw, Michigan 製のものが挙げられるがこれら
に限定されない。
【0054】 好ましい実施態様において、第4のトコール混合物及び抽出溶剤は、抽出機に
半連続的または連続的に、好ましくは連続的に装填される。第4のトコール混合
物と抽出溶剤は抽出機中で十分に接触させられ、そこで互いに向流的に流動する
。一実施態様において、抽出溶剤がさらに補助溶剤を含む場合には、抽出方法は
連続向流単位装置中で行われ、そこで抽出溶剤及び補助溶剤は抽出機の反対側に
装填される。第4のトコール混合物は物理的に抽出機内の抽出溶剤と補助溶剤と
の間に入る。回分式、半連続式または連続式抽出は所定の温度及び圧力範囲で行
うことができる。抽出温度は、抽出溶剤の凝固点と沸点の間であって、トコトリ
エノール類及びトコール類が熱分解し始める温度より低くしなければならない。
【0055】 第4のトコール混合物が抽出溶剤と接触すると、第1の相と第2の相を含む2
相系が生成される。一般に、第1の相は抽出溶剤の大部分(すなわち、50%よ
り多く、通常は90%より多いかまたは95%より多い場合すらある)または圧
倒的大部分を含むが、選択される抽出溶剤の型及び量によっては少量の抽出溶剤
が第2の相に溶解することもある。第2の相は一般に、非トコール成分を含むラ
フィネート(残留油)である。さらに、最初に第4トコール混合物中に存在する
トコール類及びトコトリエノール類の大部分は第1の相に存在するが、少量のト
コール類及びトコトリエノール類はまた第2の相にも存在することもあり、これ
は使用する抽出溶剤及び方法によって変化する。
【0056】 一実施態様において、抽出工程は多数の理論段で実施できる。一実施態様にお
いて、理論段数は1より大きく、一般に2〜50、好ましくは2〜7である。本
発明の一般的な抽出方法において、第4のトコール混合物を抽出溶剤と共に撹拌
した後、得られる混合物は2相に分離させられる。第4のトコール混合物に比較
した、抽出溶剤の密度によって、第1の相が上相であるか下相であるかが決定さ
れる。一実施態様においては、第1の相が上相であり、第2の相が下相である。
一実施態様において、分離されたトコール類またはトコトリエノール類を含む第
1の相は、公知の技術を用いて第2の相から除去される。次いで、第2の相は、
前の抽出工程で抽出されなかった残りのトコール類またはトコトリエノール類を
全て分離するために新しい抽出溶剤で再び抽出されることができる。
【0057】 第1の相が第2の相から除去されたら、抽出溶剤は、トコトリエノール類また
はトコール類を単離するために、第1の相から除去されることができる。一実施
態様において、抽出溶剤は第1の相から蒸発または蒸留される。別の実施態様に
おいては、第1の相中に存在するワックスの結晶化を引き起こすために第1の相
を冷却することができる。第1の相を冷却する温度は使用する抽出溶剤によって
決まる。第1の相は一般に−10〜35℃、好ましくは20〜25℃に冷却され
る。次いで、ワックスを除去するために第1の相は濾過される。
【0058】 抽出工程を行う温度は、第4のトコール混合物中に存在するトコトリエノール
類及びトコール類によって変化し得る。温度は一般に、トコトリエノール類また
はトコール類の分解温度及び滞留時間によって決まる。一実施態様において、温
度勾配は、抽出カラムを横断して適用できる。例えば、抽出カラムの上部は抽出
カラムの底部と異なる温度に保持されることができる。一実施態様において、温
度は0〜100℃、好ましくは20〜55℃、さらに好ましくは40〜55℃で
ある。抽出の滞留時間は、使用する抽出溶剤及び抽出装置に応じて10秒から1
0時間まで変化し得る。
【0059】 抽出工程(d)において使用する抽出溶剤は、水と混和性で且つ第4のトコー
ル混合物中に存在する非トコール成分よりも性質が極性である種々の有機溶剤か
ら選ばれる。一般に、抽出溶剤は次の4つの要件をみたさなければならない:(
1)第4のトコール混合物との接触時に平衡状態にある第2の液相を形成する;
(2)第4のトコール混合物中の他の成分よりもトコトリエノール類またはトコ
ール類を溶解する選択性が高い;(3)蒸発、蒸留、結晶化またはいくつかの他
の分離操作によってトコトリエノール類またはトコール類から分離され得る特性
を有する;(4)トコトリエノール類及びトコール類に関して不活性である。
【0060】 水と混和性である公知の極性有機溶剤の大部分は、トコール含有混合物からト
コトリエノール類及びトコール類を分離するための本発明の抽出溶剤として使用
できる。一実施態様において、抽出溶剤は水性組成物である。別の実施態様にお
いて、抽出溶剤はアルコールを含まない。トコール混合物からトコトリエノール
類及びトコール類を分離するために使用できる抽出溶剤の例としては以下のもの
が挙げられるがこれらに限定されない:酢酸、酢酸水溶液、プロピオン酸、プロ
ピオン酸水溶液、アセトン、アセトン水溶液、1,4−ジオキサン、1,4−ジ
オキサン水溶液、ジメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド水溶液、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルホルムアミド水溶液、N−メチルピロリジノン、N−
メチルピロリジノン水溶液、ブタジエンスルホン、ブタジエンスルホン水溶液、
ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド水溶液、2−メトキシエチルエー
テル、2−メトキシエチルエーテル水溶液、ジメトキシエタン、ジメトキシエタ
ン水溶液、メタノール水溶液、エタノール水溶液、2−メトキシエタノール水溶
液、2−エトキシエタノール水溶液、2−プロポキシエタノール水溶液またはそ
れらの組み合わせ。好ましい実施態様において、抽出溶剤は酢酸、酢酸水溶液、
プロピオン酸、プロピオン酸水溶液、アセトン水溶液、アセトニトリル水溶液、
1,4−ジオキサン水溶液、ジメチルアセトアミド水溶液、ジメチルホルムアミ
ド水溶液またはそれらの組み合わせを含む。
【0061】 第4のトコール混合物からトコトリエノール類またはトコール類を分離するの
に必要な抽出溶剤の量は、第4のトコール混合物の量及び使用する抽出装置によ
って異なる。通常、2相を生成するのに充分な抽出溶剤を使用しなければならな
い。使用する理論段数及び抽出を行う温度もまた、使用する抽出溶剤の量を左右
する。一実施態様において、抽出溶剤/第4のトコール混合物の比は100:1
〜1:100、好ましくは20:1〜1:20である。
【0062】 抽出溶剤としての純アルコールの使用は、本発明の特徴ではない。抽出溶剤が
純アルコールである場合には、抽出溶剤とラフィネートとの相分離を行うのは困
難である。しかし、本発明はアルコールを他の補助溶剤と組み合わせて使用する
ことは排除しない。本発明において使用できる補助溶剤の例として炭化水素溶剤
または水が挙げられるがこれらに限定されない。補助溶剤は抽出溶剤と部分的に
または完全に混和性であってもよいし、抽出溶剤と完全に不混和性であってもよ
い。補助溶剤は、抽出工程の前に抽出溶剤と混合してもよいし、補助溶剤と抽出
溶剤が連続的に第4のトコール混合物を抽出してもよい。一実施態様において、
水が補助溶剤である場合には、水は抽出工程の前に抽出溶剤と混合される。
【0063】 本明細書中において、「炭化水素溶剤」とは、抽出溶剤と不混和性の第2の液
相の形成を促進する無極性成分からなる任意の溶剤と定義する。炭化水素溶剤は
ハロゲン化されていてもいなくてもよい。使用できる炭化水素溶剤の量は、使用
する抽出装置及び目的とする分離によって異なることができる。一実施態様にお
いて、抽出溶剤/炭化水素溶剤の比は20:1〜1:20である。
【0064】 炭化水素溶剤は一般に、直鎖もしくは分枝鎖C5 〜C30アルカン、直鎖もしく
は分枝鎖C5 〜C30アルケン、芳香族化合物またはそれらの組み合わせを含む。
炭化水素溶剤は好ましくは、ヘプタン、ベンゼン、トルエンまたはそれらの組み
合わせを含む。好ましい実施態様において、炭化水素溶剤はヘプタンまたはトル
エンを含む。別の実施態様において、炭化水素溶剤はキシレン、塩化メチレン、
四塩化炭素、二塩化エチレン、モノクロロベンゼン、トリクロロエチレン、トリ
クロロエタンまたはそれらの組み合わせを含む。さらに、植物油にもともと含ま
れる任意の炭化水素、例えば、スクアレンを炭化水素溶剤として使用することも
できる。
【0065】 本発明は、少なくとも1種のトコフェロールを含むトコール混合物から特定の
型のトコトリエノール類を選択的に分離するのに使用できる。一実施態様におい
て、本発明はα−トコフェロールを含むトコール含有混合物からγ−トコトリエ
ノールを選択的に分離できる。適当な抽出溶剤を選択することによって、特定の
型のトコトリエノール類を選択的に分離できるように抽出を調整することができ
る。トコール混合物からγ−トコトリエノールを分離する場合には、抽出溶剤は
アセトン水溶液を含むのが好ましい。より好ましい実施態様においては、アセト
ン水溶液は水15〜30重量%及びアセトン70〜85重量%を含み、アセトン
と水の合計量は100%である。より好ましい実施態様において、アセトン水溶
液は水20〜26重量%及びアセトン74〜80重量%を含み、アセトンと水の
合計量が100%である。
【0066】 トコール混合物からのトコトリエノールの分離を向上または増加させるために
、前に挙げた任意の補助溶剤を抽出溶剤に添加できる。例えば、炭化水素溶剤ま
たは水を抽出溶剤と組み合わせて使用できる。
【0067】 別の好ましい実施態様において、γ−トコトリエノールをトコール含有混合物
から分離する場合には、(1)使用する第1のトコール混合物は米ぬか油脱臭剤
蒸留物であり;(2)抽出溶剤はアセトン74〜80重量%及び水20〜26重
量%からなるアセトン水溶液であり、且つ(3)抽出工程は連続的且つ向流であ
る。
【0068】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤はアセトニトリル水溶液を含み、該アセトニトリル水溶液は
水5〜25重量%及びアセトニトリル75〜95重量%を含み、アセトニトリル
と水の合計量は100%である。好ましい実施態様において、γ−トコトリエノ
ールをトコール含有混合物から分離する場合には、(1)使用する第1のトコー
ル混合物はパーム油脱臭剤蒸留物であり;(2)抽出溶剤はアセトニトリル75
〜95重量%及び水5〜25重量%からなるアセトニトリル水溶液であり、且つ
(3)抽出工程は回分式または連続向流式である。
【0069】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤は酢酸水溶液を含み、該酢酸水溶液は水5〜15重量%及び
酢酸85〜95重量%を含み、酢酸と水の合計量は100%である。別の実施態
様のついて、抽出溶剤は純酢酸を含む。
【0070】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤はプロピオン酸水溶液を含み、該プロピオン酸水溶液は水2
1〜30重量%及びプロピオン酸70〜79重量%を含み、プロピオン酸と水の
合計量は100%である。
【0071】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤はメタノール水溶液を含み、該メタノール水溶液は水7〜1
5重量%及びメタノール85〜93重量%を含み、メタノールと水の合計量は1
00%である。
【0072】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤はエタノール水溶液を含み、該エタノール水溶液は水17〜
30重量%及びエタノール70〜83重量%を含み、エタノールと水の合計量は
100%である。
【0073】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤はイソプロパノール水溶液を含み、該イソプロパノール水溶
液は水25〜40重量%及びイソプロパノール60〜75重量%からなり、イソ
プロパノールと水の合計量は100%である。
【0074】 別の実施態様において、トコトリエノールをトコール含有混合物から分離する
場合には、抽出溶剤は2−メトキシエタノール水溶液を含み、該2−メトキシエ
タノール水溶液は水5〜20重量%及び2−メトキシエタノール80〜95重量
%を含み、2−メトキシエタノールと水の合計量は100%である。
【0075】 理論によって拘束しようとは思わないが、トコトリエノール類の大部分は本発
明の抽出溶剤(第1の相)に可溶であるが、トコフェロール類は少量だけが溶解
する。トコフェロール類は炭化水素相(第2の相)に可溶である。第1の相と第
2の相との間のトコフェロール類の分配は、抽出溶剤中の水の割合によって左右
され得る。抽出溶剤中の水の量を増加させることによって、トコフェロールは第
2の相に移動するが、トコトリエノールは第1の相にとどまる。
【0076】 別の実施態様において、第4のトコール混合物を抽出溶剤で抽出して該混合物
からトコトリエノール(類)を除去したら、トコフェロール濃度を増加させるた
めに第2相(ラフィネート相)を本発明の第2相抽出溶剤で抽出できる。一実施
態様において、本方法は、工程(d)において第1の相を第2の相から除去し、
水と混和性の極性有機溶剤からなる第2相抽出溶剤(但し、第2相抽出溶剤は純
アルコールではない)で第2の相を抽出して、第2相抽出溶剤の大部分を含む第
3の相と第4の相とを含む2相系を生成せしめ(非トコール成分に対する、第2
の抽出溶剤のトコフェロールの選択率は1(unity)より大きい)、そして
第3の相を第4の相から除去することを含んでなる好ましい実施態様において、
トコフェロールはα−トコフェロールである。
【0077】 通常、第2相抽出溶剤は、前に挙げた任意の抽出溶剤であることができる。一
般に、第2相抽出溶剤は第4のトコール混合物中のトコフェロール(類)からト
コトリエノール(類)を分離するのに使用する抽出溶剤とは異なる。第2の相か
らのトコフェロール(類)の抽出に使用する第2相抽出溶剤が、第4トコール混
合物からトコトリエノール(類)を抽出するのに使用する抽出溶剤と同じ場合に
は、それらの量は通常、同じではない。例えば、第2の相からトコフェロール(
類)を分離するためには、第4のトコール混合物の抽出のための抽出溶剤とは異
なる量の補助溶剤、例えば、炭化水素溶剤または水を第2相抽出溶剤に添加する
ことができる。一実施態様において、第2相抽出溶剤は、アセトン81〜93重
量%及び水7〜19重量%(アセトンと水の合計は100%である)からなるア
セトン水溶液を含む。好ましい実施態様において、アセトン水溶液はアセトン8
3〜87重量%及び水13〜17重量%である。
【0078】 好ましい実施態様において、第4のトコール混合物からγ−トコトリエノール
を分離するためにすでに1回目の抽出がなされたトコール含有混合物からα−ト
コフェロールを分離する場合には、(1)第1のトコール混合物は米ぬか油脱臭
剤蒸留物を含み;(2)第2相抽出溶剤はアセトン85重量%及び水15重量%
からなるアセトン水溶液を含み;(3)抽出工程は連続的且つ向流である。
【0079】 別の実施態様において、第4のトコール混合物からトコール類を選択的に分離
するために第4のトコール混合物を本発明の抽出溶剤で抽出する。トコール混合
物からトコールを分離するためには、トコール混合物からトコトリエノール(類
)を分離するための前述の任意の抽出溶剤を使用できる。一実施態様において、
抽出溶剤は水性組成物を含む。一実施態様において、抽出溶剤は純アルコールを
含まない。好ましい実施態様において、抽出溶剤はアセトン水溶液を含む。好ま
しい実施態様において、アセトン水溶液は、アセトン70〜98重量%、好まし
くは75〜93重量%、より好ましくは83〜88重量%及び水2〜30重量%
、好ましくは7〜25重量%、より好ましくは12〜17重量%を含み、アセト
ンと水の合計は100%である。別の実施態様において、アセトン水溶液は、ア
セトン70〜85重量%、好ましくは74〜80重量%、及び水15〜30重量
%、より好ましくは20〜26重量%を含み、アセトンと水の合計量は100%
である。
【0080】 トコール混合物からのトコールの分離を向上または増加させるために、前に挙
げた任意の補助溶剤を抽出溶剤に添加してもよい。例えば、炭化水素溶剤または
水を抽出溶剤と組み合わせて使用することができる。一実施態様において、抽出
溶剤はアセトン水溶液を含み、炭化水素溶剤はヘプタンを含む。別の実施態様に
おいて、抽出溶剤はメタノールを含み、炭化水素溶剤はヘプタンを含む。
【0081】 好ましい実施態様において、トコール含有混合物からトコール類を分離する場
合には、(1)第1のトコール混合物は米ぬか油脱臭剤蒸留物を含み;(2)抽
出溶剤は、アセトン70〜98重量%及び水2〜30重量%を含んでなるアセト
ン水溶液を含み、(3)抽出工程は連続的且つ向流である。
【0082】 一方、抽出工程(d)の後に第4のトコール混合物からトコール類が分離され
たら、得られたトコール混合物は、トコール混合物からトコトリエノール(類)
を選択的に分離するために本発明の第3の抽出溶剤でさらに抽出することができ
る。一実施態様において、本方法は、工程(d)の後に生成された第1の相から
、水と混和性の極性有機溶剤を含む第3の抽出溶剤でトコトリエノールを抽出し
て、第3の抽出溶剤の大部分を含む第3の相と第4の相からなる2相系を生成し
(トコフェロールに比べた、第3の抽出溶剤のトコトリエノールに対する選択率
は1より大きい)、第4の相から第3の相を除去することを含んでなる(但し、
第3の抽出溶剤は純アルコールではない)。トコール混合物からのトコトリエノ
ールの分離に必要な第3の抽出溶剤の型及び量はトコール混合物中に存在する炭
化水素溶剤の量及び分離しようとするトコトリエノールの特定の型によって決ま
るであろう。前に挙げた任意の抽出溶剤を第3の抽出溶剤として使用することが
できる。好ましくは、トコトリエノールはγ−トコトリエノールである。
【0083】 本発明の抽出溶剤は、トコール含有混合物からトコトリエノール類、トコフェ
ロール類またはトコール類を選択的に除去する。本明細書中で言及する用語「選
択率」は、本発明の抽出工程の効率を、トコール含有混合物からのトコトリエノ
ール、トコフェロールまたはトコールの分離に関して定量化するのに使用できる
。例えば、トコフェロール類に比較したトコトリエノールの選択率を式(I):
【0084】
【数1】
【0085】 (式中、トコトリエノール類及びトコフェロール類の分配係数は各々、式II及び
III :
【0086】
【数2】
【0087】
【数3】
【0088】 を用いて計算できる) で定義する。 非トコール成分に比較したトコール類の選択率は式IV:
【0089】
【数4】
【0090】 (式中、トコール類及び非トコール成分の分配係数は各々、式V及びVI:
【0091】
【数5】
【0092】
【数6】
【0093】 を用いて計算できる) によって計算できる。 非トコール成分の分配係数は、公知の技術を用いて求めることができ、ラフィネ
ート(第2の相)の組成によって異なる。
【0094】 非トコール成分に比較したトコフェロール類の選択率は式VII :
【0095】
【数7】
【0096】 (式中、トコフェロール類及び非トコール成分の分配係数は各々、式VIII及びIX
【0097】
【数8】
【0098】
【数9】
【0099】 を用いて計算できる) によって計算できる。 向流抽出技術(非平衡)を用いて第4のトコール混合物を抽出する場合には、
抽出の選択率は、一例としてトコフェロールに比較した、抽出溶剤のトコトリエ
ノールに対する選択率を用いて式X:
【0100】
【数10】
【0101】 他の修正選択率も、前記式Xを用いて同様に計算できる。
【0102】 一実施態様において、抽出工程の選択率は1より大きい。抽出選択率の上限は
理論的には無限大に近づくことができるが、トコトリエノール類、トコフェロー
ル類、トコール類及び非トコール成分の分配係数によって決まる。種々の実施態
様において、抽出選択率は、1,1.5,2,3又は5より大きく、5,10,
15,20,40,50,60,70,80または90までである。
【0103】物質の組成 本発明はさらに、本発明によって製造されるトコトリエノール含有組成物に関
する。好ましい実施態様において、この組成物は高濃度のトコトリエノール類を
含む。一実施態様において、この組成物はγ−トコトリエノール及びα−トコフ
ェロールを1:1〜10:1(前者対後者)の比で含んでなる。一実施態様にお
いて、この組成物はγ−トコトリエノール及びα−トコフェロールを9:1,8
:1,7:1,6:1,5:1,4:1,3:1又は2:1(前者対後者)の比
で含む。別の実施態様において、この組成物はγ−トコトリエノールを組成物の
4〜20重量%、好ましくは4.5〜17.0重量%含む。
【0104】実施例 以下の実施例は、当業者に対して、本出願において特許請求をした方法及び組
成物の評価の仕方を完全に開示及び説明するために記載する。これらは、本発明
の単なる代表例であって、本発明者らが自己の発明と考えるものの範囲を限定す
るものではない。数値(例えば、量、温度など)に関する制度を保証するために
努力はしたが、若干の誤差及び偏差を明らかにしなければならない。特に断りの
ない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧で
あるか大気圧に近い。
【0105】例1 米国特許第5,660,691号(Barnickiら)に記載された方法に
従って、米ぬか油脱臭剤蒸留剤をエステル化及び蒸留して、第4のトコール混合
物を生成した。第1のトコール混合物の500kgのバッチを最初に170℃及び
50mmHgで14時間加熱し、加熱工程の最後に圧力を30mmHgまで低下させた。
加熱工程の間に、反応混合物に窒素を100SCF/時でスパージした。得られ
た混合物は第2のトコール混合物である。
【0106】 直径1インチのガラス蒸留カラムに真空ポンプ、還流蒸留ヘッド、還流比コン
トローラー、計量供給ポンプ、加熱供給ライン、加熱供給タンク、ならびに蒸留
物採取容器及び残液生成物採取容器を装着した。カラムは、6インチの構造充填
物を含む精留部、18インチの構造充填物を含むストリッピング部、及び12イ
ンチの1/8インチ球形ガラスビーズを含むリボイラー部から構成されていた。
リボイラーには、黄銅ブロックヒーターが取り付けられ、精留部及びストリッピ
ング部には加熱テープが巻かれ、絶縁されていた。
【0107】 第2のトコール混合物を、300mL/時の速度でカラムに連続供給され、リボ
イラー温度は240〜315℃であり、還流比は0.33〜2.00であった。
カラム上部の圧力は0.7トルに、カラム加熱テープは全て220℃に保持した
。各リボイラー温度及び還流比設定において、カラムを平衡化した。この蒸留工
程の残液は第3のトコール混合物である。
【0108】 第3のトコール混合物を、加熱マントル、供給ポンプ、高真空ポンプ、ならび
に蒸留物受け器及び残液受け器を装着した一段の6インチワイプ・フィルム蒸留
機に400mL/時の速度で連続供給した。この蒸留機を、圧力0.1トル及び温
度240℃に、または50ミクロン及び220℃に保持した。この蒸留物は第4
のトコール混合物であり、トコール類11.4%からなっていた。
【0109】 第4のトコール混合物をジャケット付き供給タンク中で51℃に保持し、連続
向流抽出装置の上部に1.2mL/分の速度で供給した。連続向流抽出装置は、カ
ラムの長手方向に1インチ間隔で配置された45枚のテフロン板によって撹拌さ
れる、45インチ×1/2インチの完全ジャケット付きカラムであった。このテ
フロン板は、Karr往復板をまねて全工程長0.5インチで往復した。抽出装
置は、理論段数2〜7で操作されるように計算した。アセトン75%及び水25
%の溶剤混合物を12mL/分の速度で底部に供給した。温度は、カラムジャケッ
トを通る水の循環によって51℃に保持した。トコール類をほとんど含まないワ
ックス類(ラフィネート)がカラム底部から採取し、トコール類を含む溶剤は上
部からオーバーフローした。抽出カラム中の材料の滞留時間は約15分であった
。この時間は、抽出溶剤が抽出カラムに入ってから出るまでの時間である。15
分間隔で、オーバーフロータンクが空にし、アンダーフローが完全に排出した。
生成物及びラフィネートの組成は、2回の排出後に一定であることがわかった。
分析の前に、溶剤を蒸発させ、サンプルを乾燥した。サンプルは液体クロマトグ
ラフィー(検出限界0.1%)によってトコール類の重量%に関して分析した。
結果を表1に列挙する。表2は、混合物中の総トコール類の一部分としての各ト
コールの量を示す。これらのサンプル中のα−トコトリエノールの量は、分析検
出限界未満であった。例1〜36に関する、α−トコフェロールに比較したγ−
トコトリエノールの選択率を表19に示す。
【0110】例2 溶剤としてアセトン80%及び水20%を用いた以外は例1の方法に従った。
【0111】例3 溶剤としてアセトン85%及び水15%を用いた以外は例1の方法に従った。
【0112】例4 溶剤としてアセトン70%及び水30%を用いた以外は例1の方法に従った。
【0113】例5 第4のトコール混合物の総トコール類が8.8%であった以外は例1の方法に
従った。
【0114】例6 第4のトコール混合物の総トコール類が18.3%であった以外は例1の方法
に従った。オーバーフロータンクは10分間隔で空にした。
【0115】例7 例5からのラフィネート(第2の相)を、アセトン85%及び水15%からな
る第2の抽出溶剤で抽出した。例5からのラフィネートは、γ−トコトリエノー
ル0.3%、γ−トコフェロール0.9%、及びα−トコフェロール2.4%(
総トコール類3.6%)からなっていた。ラフィネートの15gのサンプルを第
2の抽出溶剤で抽出することにより、γ−トコトリエノール1.6%、δ−トコ
フェロール0.3%、γ−トコフェロール4.1%、及びα−トコフェロール9
.5%(総トコール類15.5%)からなるトコール類3.9gを含む第3相が
生成された。この抽出によるラフィネート(第4の相)(11.1g)は総トコ
ール類をわずか0.2%しか含んでいなかった。この2つの連続抽出の最終結果
は、δ−トコトリエノール0.3%、γ−トコトリエノール3.9%、δ−トコ
フェロール0.2%、γ−トコフェロール1.6%及びα−トコフェロール2.
8%(総トコール類8.8%)からなる第4のトコール混合物を、異なる相対量
のトコール類を有する2つのフラクションに分離したことである。第1の抽出後
、γ−トコトリエノールを多く含む第1の相は、δ−トコトリエノール1.7%
、γ−トコトリエノール17.0%、δ−トコフェロール0.5%、γ−トコフ
ェロール4.2%、及びα−トコフェロール4.4%を含んでいた。第2の相の
第2の抽出後、α−トコフェロールを多く含む第3の相は、γ−トコトリエノー
ル1.6%、δ−トコフェロール0.3%、γ−トコフェロール4.1%、及び
α−トコフェロール9.5%を含んでいた。これらの結果を表3に要約する。こ
の例は、本発明の方法を用いることによってγ−トコトリエノール及びα−トコ
フェロールの濃度を選択的に増加できることを示している。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】例8 試薬用メタノール(抽出溶剤)5.410g、ヘプタン(補助溶剤)0.63
4g、及び例1に記載の方法(食用油供給物質)によって調製された第4のトコ
ール混合物2.707gからなる液液分散体を、円錐底部を有する10mLガラス
遠心管中で調製した。分散体を3分間、ボルテックスミキサーで十分に接触させ
てから、遠心管を45℃に保持された温度浴に移した。この分散体を3時間、4
5℃に保持しながら電磁撹拌機で撹拌した。この間に、確実に液液相平衡に達す
るように、この分散体をさらに、1時間間隔で3分間、ボルディクスミキサーで
撹拌した。次いで、遠心管を加熱遠心機に入れて、重力の1512倍で10分間
回転させた。得られた2つの不混和性液相を各々サンプリングし、α,γ及びδ
−トコフェロールならびにα,γ及びδ−トコトリエノールに関して分析した。
ラフィネート(第2の相)中のこれらの成分の重量%は各々、0.00,0.9
2,0.07,0.81,0.38及び0.09であった。抽出相(第1の相)
中のこれらの成分の重量%は各々、0.00,2.34,0.15,3.99,
1.36及び0.22であった。従って、抽出物相とラフィネート相との間の総
トコフェロール類及びトコトリエノール類の分配係数は0.28であった。
【0120】例9 試薬用アセトン(抽出溶剤)5.317g、水0.66g、ヘプタン(補助溶
剤)0.486g、及び例1に記載の方法(食用油供給物質)によって調製され
た第4のトコール混合物1.406gからなる液液分散体を、円錐底部を有する
10mLガラス遠心管中で調製した。分散体を3分間、ボルテックスミキサーで十
分に接触させてから、遠心管を45℃に保持された温度浴に移した。この分散体
を3時間、45℃に保持しながら電磁撹拌機で撹拌した。この間に、確実に液液
相平衡に達するように、この分散体をさらに、1時間間隔で3分間、ボルディク
スミキサーで撹拌した。次いで、遠心管を加熱遠心機に入れて、重力の1512
倍で10分間回転させた。得られた2つの不混和性液相を各々サンプリングし、
α,γ及びδ−トコフェロールならびにα,γ及びδ−トコトリエノールに関し
て分析した。ラフィネート(第2の相)中のこれらの成分の重量%は各々、0.
00,0.89,0.07,0.80,0.36及び0.08であった。抽出相
(第1の相)中のこれらの成分の重量%は各々、0.00,1.49,0.11
,3.21,1.00及び0.19であった。従って、抽出物相とラフィネート
相との間の総合計トコフェロール類及びトコトリエノール類の分配係数は0.3
7であった。
【0121】例10 試薬用アセトン(抽出溶剤)5.853g、水(補助溶剤)0.692g、ヘ
プタン(補助溶剤)0.338g、及び例1に記載の方法(食用油供給物質)に
よって調製された第4のトコール混合物1.328 153gからなる液液分散
体を、円錐底部を有する10mLガラス遠心管中で調製した。分散体を3分間、ボ
ルテックスミキサーで十分に接触させてから、遠心管を45℃に保持された温度
浴に移した。この分散体を3時間、45℃に保持しながら電磁撹拌機で撹拌した
。この間に、液液相平衡に確実に達するように、この分散体をさらに、1時間間
隔で3分間、ボルディクスミキサーで撹拌した。次いで、遠心管を加熱遠心機に
入れて、重力の1512倍で10分間回転させた。得られた2つの不混和性液相
を各々サンプリングし、α,γ及びδ−トコフェロールならびにα,γ及びδ−
トコトリエノールに関して分析した。ラフィネート(第2の相)中のこれらの成
分の重量%は各々、0.88,0.76,0.05,0.83,0.32及び0
.17であった。抽出相(第1の相)中のこれらの成分の重量%は各々、0.0
0,1.21,0.12,3.44,0.98及び0.16であった。従って、
抽出物相とラフィネート相との間の総合計トコフェロール類及びトコトリエノー
ル類の分配係数は0.51であった。
【0122】例11〜14 機械的撹拌機及び還流冷却器を装着した清浄な125mLの目盛付き、完全ジャ
ケット付き分液漏斗に、例1に記載の方法(食用油供給物質)によって調製され
た第4のトコール混合物15.1g及び抽出溶剤60gを加えた。得られた分散
液を、51℃に保ちながら60分間激しく撹拌した。撹拌を止め、混合物を45
分間放置して、2つの液相を分離させた(51℃において)。第1の相よりも密
度の高いラフィネート(第2の相)はほとんど炭化水素からなり、一定重量まで
減圧乾燥させた。抽出溶剤を第1の相から蒸発させ、得られた残渣を一定重量ま
で減圧乾燥させた。これらの2つの層からの残渣を、総トコール類の重量%及び
総炭化水素対総トコール類の相対比に関して液体クロマトグラフィーによって分
析した。抽出溶剤は例11〜14においてはアセトン水溶液であった。これらの
例の結果を表4に列挙する。
【0123】
【表4】
【0124】 a 例11〜14における抽出前の第4のトコール混合物。 b 全ての値は%で表す。 c 増加%は、第4のトコール混合物中のγ−トコトリエノールの濃度に比較し
た、上相中のγ−トコトリエノールの濃度の増加として測定してある。 d 100%の抽出溶剤の残りは水である。 e 上相は第1の相であり、下相は第2の相である。
【0125】例15〜37 トコール含有混合物からトコトリエノール類、特にγ−トコトリエノールを分
離するために、例1の方法によって製造された第4のトコール混合物を、本発明
の種々の抽出溶剤で抽出した。抽出完了後、抽出溶剤を蒸発させ、分析前にサン
プルを乾燥させた。溶剤を%で表す場合には、溶剤の残りの量は水であり、水と
溶剤の合計が100%となるようにする。δ−トコトリエノール(δ−tri)
、γ−トコトリエノール(γ−tri)、α−トコトリエノール(α−tri)
、δ−トコフェロール(δ−toco)、γ−トコフェロール(γ−toco)
、β−トコフェロール(β−toco)及びα−トコフェロール(α−toco
)の量を液体クロマトグラフィー(検出限界0.1%)によって測定した。これ
らを重量%で表す。トコトリエノール類及びトコフェロール類の合計は、表5,
7,9,11,13,15及び17において、「重量」の下にgで表す。表5〜
18のデータは、水と混和性の種々の極性有機溶剤を、トコール混合物からのト
コトリエノール類の分離に使用できることを示している。例1〜10,15〜2
2及び24〜37に関しては、α−トコフェロールと比較した、抽出溶剤のγ−
トコトリエノールに対する選択率は表19に記載してある。
【0126】
【表5】
【0127】
【表6】
【0128】
【表7】
【0129】
【表8】
【0130】
【表9】
【0131】
【表10】
【0132】
【表11】
【0133】
【表12】
【0134】
【表13】
【0135】
【表14】
【0136】
【表15】
【0137】
【表16】
【0138】
【表17】
【0139】
【表18】
【0140】
【表19】
【0141】 a 第2の相においてはトコトリエノール類は検出されなかったので、トコフェ
ロール類に比較したトコトリエノール類の選択率は無限大に近い。 b 第2の相においてはγ−トコトリエノールは検出されなかったので、α−ト
コフェロールに比較したγ−トコトリエノールの選択率は無限大に近い。 c 第4のトコール混合物においてはα−トコフェロールは検出されなかったの
で、α−トコフェロールに比較したγ−トコトリエノールの選択率は計算できな
い。 d 第2の相においてはトコトリエノール類は検出されなかったので、トコフェ
ロール類に比較したトコトリエノール類の選択率は無限大に近い。 e 第2の相においてはγ−トコトリエノールは検出されなかったので、α−ト
コフェロールに比較したγ−トコトリエノールの選択率は無限大に近い。
【0142】 本出願全体を通して、種々の出版物を参照した。本発明が関係する最新技術を
より詳細に説明するために、これらの出版物の開示全体を、ここに参照すること
によって本明細書中に取り入れる。
【0143】 本発明の範囲または精神から逸脱しない限り、本発明において種々の変更及び
変形が可能なことは当業者には明らかであろう。本発明の他の実施態様は、明細
書及び本明細書中に開示された本発明の実施を考察することによって当業者には
明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる代表例と考えるものであり、本発
明の真の範囲及び精神は特許請求の範囲によって示されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様であり、本発明の代表的な蒸留工程(a)〜(c)を示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),BR,CN,I D,JP (72)発明者 カネル,ジェフリー エス. アメリカ合衆国,ウエストバージニア 25526,ハリケーン,グレードウッド レ ーン 89 (72)発明者 フォスター,メアリー ケー. アメリカ合衆国,テネシー 37659−1020, ジョーンズボロウ,ローカスト ストリー ト 512 Fターム(参考) 4C062 FF16 FF25 4C086 AA04 BA09 ZC29

Claims (67)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のトコトリエノール及び少なくとも1種のト
    コフェロール、第1の脂肪酸ならびにエステル化化合物を含む第1のトコール混
    合物からのトコトリエノールの分離方法であって、 (a)トコトリエノール、トコフェロール、第1の脂肪酸及びエステル化化合
    物を含む前記第1のトコール混合物を、第1の脂肪酸を該エステル化化合物で実
    質的にエステル化するのに充分な時間及び充分な温度で加熱して、トコトリエノ
    ール、トコフェロール、エステル化された第1の脂肪酸及びエステル化されてい
    ない第1の脂肪酸を含む第2のトコール混合物を生成せしめ; (b)第2のトコール混合物からエステル化されていない第1の脂肪酸を実質
    的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第2のトコール混合物を蒸留して
    、トコトリエノール、エステル化された第1の脂肪酸及びトコフェロールを含む
    がエステル化されていない第1の脂肪酸が実質的に除去された第3のトコール混
    合物を生成せしめ; (c)第3のトコール混合物からトコトリエノール及びトコフェロールを実質
    的に除去するのに充分な時間及び充分な温度で第3のトコール混合物を蒸留して
    、除去されたトコトリエノール、トコフェロール及び非トコール成分を含む第4
    のトコール混合物を生成せしめ;そして (d)水と混和性の極性有機溶剤を含む抽出溶剤(但し抽出溶剤は純アルコー
    ルではない)によって、第4のトコール混合物からトコトリエノールを抽出して
    、抽出溶剤の大部分を含む第1の相、第2の相を含む2相系を生成せしめ(但し
    、トコフェロールに対する、抽出溶剤のトコトリエノールの選択率は1より大き
    い)、そして第2の相から第1の相を除去する ことを含んでなり、工程(b)を工程(c)の前に行っても、工程(c)を工程
    (b)の前に行ってもよいが、工程(b)及び(c)は、工程(a)の後であっ
    て工程(d)の前に行う方法。
  2. 【請求項2】 前記抽出溶剤がアルコールを含まない請求項1に記載の方法
  3. 【請求項3】 工程(b)を工程(c)の前に行う請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 トコトリエノールがγ−トコトリエノールである請求項1に
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 トコフェロールがα−トコフェロールである請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記エステル化化合物が脂肪酸のステロールエステル、ステ
    ロール、トリテルペノイドアルコール、メチル−ステロール、モノグリセリド、
    ジグリセリドもしくはトリグリセリド又はそれらの組み合わせからなる請求項1
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 加熱工程(a)を温度70〜300℃及び圧力20〜760
    トルで行う請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 加熱工程(a)を温度150〜230℃及び圧力20〜20
    0トルで行う請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 加熱工程の間に水を除去することをさらに含んでなる請求項
    1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 加熱工程の前に触媒を第1のトコール混合物に添加するこ
    とをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記触媒が、アルキル錫化合物、有機酸の亜鉛塩、酸化亜
    鉛、チタン(IV)アルコキシドもしくは鉱酸又はそれらの組み合わせからなる請
    求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 加熱工程(a)の前に第1のトコール混合物に第2の脂肪
    酸を添加することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記の第2の脂肪酸がC14〜C22脂肪酸を含む請求項12
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 加熱工程(a)の前において、第1のトコール混合物にア
    ルコールを添加しない請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 工程(b)において第2のトコール混合物を温度125〜
    320℃及び圧力0.01〜10トルで蒸留する請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 工程(b)において第2のトコール混合物を温度150〜
    200℃及び圧力0.01〜10トルで蒸留する請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 蒸留工程(b)の後で且つ蒸留工程(c)の前に、第3の
    トコール混合物を温度150〜300℃及び圧力0.01〜5トルでさらに蒸留
    する請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(c)において第3のトコール混合物を温度170〜
    270℃及び圧力0.005〜2トルで蒸留する請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(a)〜(c)を連続して行う請求項1に記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記工程(a)〜(c)を1〜24時間行う請求項1に記
    載の方法。
  21. 【請求項21】 前記工程(a)〜(c)を2〜10時間行う請求項1に記
    載の方法。
  22. 【請求項22】 第4のトコール混合物がトコール類1〜50重量%を含む
    請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記抽出溶剤が水性組成物である請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記抽出溶剤が酢酸、プロピオン酸、アセトン、メタノー
    ル水溶液、エタノール水溶液、アセトニトリル、2−メトキシエタノール水溶液
    、2−エトキシエタノール水溶液、2−プロポキシエタノール水溶液、1,4−
    ジオキサン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
    ジノン、ブタジエンスルホン、ジメチルスルホキシド、2−メトキシエチルエー
    テル、ジメトキシエタンもしくはそれらの水性溶剤又はそれらの組み合わせを含
    む請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記抽出溶剤が酢酸、酢酸水溶液、プロピオン酸、プロピ
    オン酸水溶液、アセトン水溶液、アセトニトリル水溶液、1,4−ジオキサン水
    溶液、ジメチルアセトアミド水溶液、ジメチルホルムアミド水溶液又はそれらの
    組み合わせを含む請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記抽出溶剤がアセトン水溶液を含む請求項1に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 前記抽出溶剤がアセトン水溶液を含み、該アセトン水溶液
    が水15〜30重量%及びアセトン70〜85重量%を含み、アセトンと水の合
    計量が100%である請求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記抽出溶剤がアセトン水溶液からなり、該アセトン水溶
    液が水20〜26重量%及びアセトン74〜80重量%からなり、アセトンと水
    の合計量が100%である請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記抽出溶剤がアセトニトリル水溶液を含む請求項1に記
    載の方法。
  30. 【請求項30】 前記抽出溶剤がアセトニトリル水溶液を含み、該アセトニ
    トリル水溶液が水5〜25重量%及びアセトニトリル75〜95重量%を含み、
    アセトニトリルと水の合計量が100%である請求項1に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記抽出溶剤が酢酸水溶液を含む請求項1に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記抽出溶剤が酢酸水溶液を含み、該酢酸水溶液が水5〜
    15重量%及び酢酸85〜95重量%を含み、酢酸と水の合計量が100%であ
    る請求項1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記抽出溶剤が純酢酸からなる請求項1に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記抽出溶剤がプロピオン酸水溶液を含む請求項1に記載
    の方法。
  35. 【請求項35】 前記抽出溶剤がプロピオン酸水溶液を含む、該プロピオン
    酸水溶液が水21〜30重量%及びプロピオン酸70〜79重量%を含み、プロ
    ピオン酸と水の合計量が100%である請求項1に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記抽出溶剤がメタノール水溶液を含む請求項1に記載の
    方法。
  37. 【請求項37】 前記抽出溶剤がメタノール水溶液を含み、該メタノール水
    溶液が水7〜15重量%及びメタノール85〜93重量%を含み、メタノールと
    水の合計量が100%である請求項1に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記抽出溶剤がエタノール水溶液を含む請求項1に記載の
    方法。
  39. 【請求項39】 前記抽出溶剤がエタノール水溶液を含み、該エタノール水
    溶液が水17〜30重量%及びエタノール70〜83重量%からなり、エタノー
    ルと水の合計量が100%である請求項1に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記抽出溶剤がイソプロパノール水溶液を含む請求項1に
    記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記抽出溶剤がイソプロパノール水溶液を含み、該イソプ
    ロパノール水溶液が水25〜40重量%及びイソプロパノール60〜75重量%
    を含み、イソプロパノールと水の合計量が100%である請求項1に記載の方法
  42. 【請求項42】 前記抽出溶剤が2−メトキシエタノール水溶液を含む請求
    項1に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記抽出溶剤が2−メトキシエタノール水溶液を含み、該
    2−メトキシエタノール水溶液が水5〜20重量%及び2−メトキシエタノール
    80〜95重量%を含み、2−メトキシエタノールと水の合計量が100%であ
    る請求項1に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記抽出溶剤がハロゲン化または非ハロゲン化炭化水素溶
    剤をさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  45. 【請求項45】 抽出溶剤対炭化水素溶剤の比が1:20〜20:1である
    請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記抽出工程を0〜100℃で行う請求項1に記載の方法
  47. 【請求項47】 前記抽出工程を45〜55℃で行う請求項1に記載の方法
  48. 【請求項48】 前記抽出工程が連続向流抽出である請求項1に記載の方法
  49. 【請求項49】 抽出溶剤対供給物質の比が20:1〜1:20である請求
    項1に記載の方法。
  50. 【請求項50】 第2の相から第1の相を除去した後、蒸発又は蒸留によっ
    て第1の相から抽出溶剤を除去することをさらに含んでなる請求項1に記載の方
    法。
  51. 【請求項51】 第1のトコール混合物が植物油脱臭剤蒸留物を含む請求項
    1に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記植物油脱臭剤蒸留物がパーム油、米ぬか油または大豆
    油脱臭剤蒸留物を含む請求項42に記載の方法。
  53. 【請求項53】 第1のトコール混合物が米ぬか油脱臭剤蒸留物を含む請求
    項1に記載の方法。
  54. 【請求項54】 (1)第1のトコール混合物が米ぬか油脱臭剤蒸留物を含
    み;(2)抽出溶剤がアセトン74〜80重量%及び水20〜26重量%を含む
    アセトン水溶液を含み;(3)トコトリエノールがγ−トコトリエノールであり
    ;且つ(4)抽出工程が連続向流法である請求項1に記載の方法。
  55. 【請求項55】 工程(d)において第2の相から第1の相を除去した後に
    、水と混和性の極性有機溶剤を含む第2相抽出溶剤(但し、第2相抽出溶剤は純
    アルコールではない)で第2の相を抽出して、第2相抽出溶剤の大部分を含む第
    3の相と第4の相からなる2相系を生成せしめ(但し非トコール成分に対する、
    第2の抽出溶剤のトコフェロールの選択率は1より大きい)、そして第4の相か
    ら第3の相を除去することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記トコフェロールがα−トコフェロールである請求項5
    5に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記第2相抽出溶剤がアセトン水溶液を含む請求項55に
    記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記第2相抽出溶剤がアセトン水溶液を含み、該アセトン
    水溶液がアセトン81〜93重量%及び水7〜19重量%を含み、アセトンと水
    の合計量が100%である請求項55に記載の方法。
  59. 【請求項59】 (1)第1のトコール混合物が米ぬか油脱臭剤重量物を含
    み;(2)第2相抽出溶剤がアセトン83〜87重量%及び水13〜17重量%
    を含むアセトン水溶液を含み;(3)トコフェロールがα−トコフェロールであ
    り;且つ(4)抽出工程が連続向流法である請求項55に記載の方法。
  60. 【請求項60】 トコトリエノール及び少なくとも1種のトコフェロールを
    含むトコール混合物からトコトリエノールを分離する方法であって、水と混和性
    の極性有機溶剤と水を含む水性組成物からなる抽出溶剤(但しトコフェロールに
    対する、抽出溶剤のトコトリエノールに対する選択率は1より大きい)でトコー
    ル混合物からトコトリエノールを抽出して、該抽出溶剤の大部分を含む第1の相
    と第2の相からなる2相系を生成せしめ、そして第2の相から第1の相を除去す
    ることを含んでなる(但し、該抽出溶剤はアルコールを含まない)方法。
  61. 【請求項61】 請求項1に記載の方法によって製造される組成物。
  62. 【請求項62】 請求項4に記載の方法によって製造される組成物。
  63. 【請求項63】 請求項28に記載の方法によって製造される組成物。
  64. 【請求項64】 請求項54に記載の方法によって製造される組成物。
  65. 【請求項65】 請求項56に記載の方法によって製造される組成物。
  66. 【請求項66】 請求項59に記載の方法によって製造される組成物。
  67. 【請求項67】 γ−トコトリエノール及びα−トコフェロールを1:1〜
    10:1(前者対後者)の比で含んでなる組成物。
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