JP2002501132A - 柔軟で吸収性のあるティッシュ製品 - Google Patents

柔軟で吸収性のあるティッシュ製品

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JP2002501132A JP2000528758A JP2000528758A JP2002501132A JP 2002501132 A JP2002501132 A JP 2002501132A JP 2000528758 A JP2000528758 A JP 2000528758A JP 2000528758 A JP2000528758 A JP 2000528758A JP 2002501132 A JP2002501132 A JP 2002501132A
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デイル アラン バーガード
デュエイン ジェラード クルジシク
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キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 ３層のティッシュペーパーの外側２表面のように、ティッシュ製品の相対する外側表面にアミン修飾ポリシロキサンを塗布すると、表面の柔軟性と疎水性の程度が改善し、使用中に液体でびしょぬれになるのを防ぐ。しかし、疎水性の程度は、アミン修飾ポリシロキサンの化学構造、および／またはアミン修飾ポリシロキサンに、より親水性の高い修飾ポリシロキサンを混ぜることによってコントロールされており、液体がかなり短い時間でティッシュ構造に入って中間層によって吸収されても、外側表面の疎水性との組合わせで、ティッシュ製品を完全に貫通するのが実質的に遅れることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 （背景技術） ティッシュ製品には、顔用ティッシュおよび浴用ティッシュが含まれるが、そ
の業界では、消費者の「柔らかい」ティッシュへの要求を満足させる触感特性に
改善するために、多大な努力を積み重ねてきた。化学的添加物によってティッシ
ュの柔軟性を高めるには、基本的に２種類の方法がある。第1に、基本シートの 剛性を抑制するため、そして/または表面の触感特性の改善をもたらすために、 形成前に紙料に添加することができる化学的柔軟材がある。第2に、表面の触感 を改善するために、シートの成形後にティッシュ表面に用いることができる化学
処理がある。
【０００２】 しかし、顔用ティッシュおよび浴用ティッシュに関して、柔軟性以外の望まし
い属性は、使用中の手を保護する能力である。そのため、消費者用ティッシュ製
品に関しては、柔軟性と手の保護が消費者にとっての重要な利点であることから
、いずれの特性をももたらすことができるよう単一の化学処理システムの必要性
がある。
【０００３】 (発明の開示) 多層ティッシュ・ベースシートを局所的に一種類またはそれ以上の適切なアミ
ン修飾ポリシロキサンで処理すると、表面の触感が改善され、ベースシートの剛
性が抑制されるという２つのメカニズムを介して、柔らかいティッシュになり、
また撥水性と吸水性をコントロールすることで使用中に手を保護することができ
ることが解ってきた。このアミン修飾ポリシロキサンは、好ましくは、水素結合
、電荷引力、またはそれ以外の化学的相互作用の結果、修飾ポリシロキサンを用
いたティッシュ層の外側表面に存在し、それによって表面に柔軟性をもたらし、
ある程度の水、即ち液体をはじく性質を付与する。しかし、液体がティッシュの
外側表面を貫通したときには、ティッシュの中心の、未処理部分ですぐに吸収さ
れ、ティッシュのｘ−ｙ平面に拡散する。同時に、反対側の表面にアミン修飾ポ
リシロキサンが存在する場合には、ティッシュの外側へ液体が貫通するのを遅ら
せ、基本的には、そのティッシュの中間部に液体を閉じ込めることになる。この
「一方向バルブ」効果によって、ユーザーが通常の使用を行っている間は、手を
濡らすことから護り、柔らかさという利点がもたらされる。柔らかさ、撥水性お
よび吸収性の組合わせは新規であり、消費者には有益なものである。
【０００４】 しかし、すべてのアミン修飾ポリシロキサンが本発明の目的に適合するわけで
はない。液体の貫通を適度に遅らせるが、ティッシュの内部で液体を吸収させる
程度に十分貫通させることができるように、ティッシュ表面へ親水性と疎水性に
関する適切なバランスを付与する必要がある。疎水性の増減に関する要因には、
（１）疎水性を高めるためにはアミン修飾ポリシロキサンの分子量を増やし、親
水性を高めるためにはアミン修飾ポリシロキサンの分子量を減らすこと；（２）
アミン修飾ポリシロキサン内のアミン官能基のモル・パーセントを変えることに
よって、疎水性を高める、または低下させることができること；（３）疎水性を
高めるために、ティッシュの表面に加えるアミン修飾ポリシロキサンのアドオン
量を増やすことがきること；また、（４）疎水性を低下させるために、アミン修
飾ポリシロキサンに、親水性の高い金属、例えば、ポリエーテル修飾ポリシロキ
サンのような修飾ポリシロキサンを混ぜることがあげられるが；これらのうちの
１つまたはそれ以上のものを変えることによって、望ましいバランスを達成する
ことができる。このようなファクターのバランスをとることによって、化学分野
における当業者は、本発明のティッシュの特性を成し遂げるアミン修飾ポリシロ
キサンおよび修飾ポリシロキサンの混合物を得ることができる。
【０００５】 そのため、ある態様では、本発明は、２層またはそれ以上の層を有し、MD弾性
率（MD Modulus（下記に定義））が約30キログラムまたはそれ以下で、ぬれ拡散
面積（Wet Out Area（下記に定義））が約2平方インチまたはそれ以上で、また ぬれ貫通時間（Wet Through Time（下記に定義））が約15秒またはそれ以上を示
す柔らかいティッシュ製品に属す。使用中にユーザーの手を液体から護るために
、このようなティッシュ製品は、柔軟さ（MD弾性率によって評価される）と吸水
性（ぬれ拡散面積およびぬれ貫通時間によって評価される）に関して適切なバラ
ンスを備えている。
【０００６】 より好ましくは、本発明は２層またはそれ以上の重ね数をもち、外に面する２
つの表面は局所的にアミン修飾ポリシロキサンで処理された柔らかいティッシュ
製品に属し、前記ティッシュ製品は、MD 弾性率が約30キログラムまたはそれ以 下、ぬれ拡散面積が約2平方インチまたはそれ以上、またぬれ貫通時間が約15秒 またはそれ以上を示す。
【０００７】 さらに好ましくは、ぬれ拡散面積が約3平方インチまたはそれ以上で、さらに 好ましくは約4平方インチまたはそれ以上で、さらに好ましくは約2平方インチ〜
約6平方インチである。また、さらに好ましくは、ぬれ貫通時間が約20秒または それ以上で、さらに好ましくは約30秒またはそれ以上で、さらに好ましくは約45
秒またはそれ以上で、さらに好ましくは約15〜約60秒である。また、さらに好ま
しくは、MD 弾性率は、約20キログラムまたはそれ以下で、さらに好ましくは約5
〜約20キログラムである。
【０００８】 別の態様では、本発明は、ａ）製紙繊維の水性懸濁液を作成する工程と；ｂ）
ウェブを成形するための成形用布に水性繊維懸濁液を堆積させる工程と；ｃ）テ
ィッシュ・シートを形成するためにウェブを乾燥させる工程と；ｄ）２つの外側
表面をもつ多層ティッシュのベースシートを形成するために、そのティッシュ・
シートを、１枚またはそれ以上のティッシュ・シート様のものと結合させる工程
と、；ｅ）ティッシュ製品を形成するために、ティッシュの２つの外側両面を、
局所的に、アミン修飾ポリシロキサンの水性エマルジョンで処理する工程を有し
、ぬれ拡散面積が約2平方インチまたはそれ以上で、ぬれ貫通時間が約15秒また はそれ以上の、柔軟なコントロールされた吸収性を備えた多層ティッシュ製品を
製造する方法にある。
【０００９】 ここで用いられている「MD 弾性率（MD Modulus）」とは、ティッシュ・シー トの柔軟性の測定基準で、サンプルの伸び率に対する荷重の70および157グラム の点の間の最小２乗直線の勾配である。MD 弾性率値は、通常の引張試験器具（ 例、Sintech/2 Computer統合テストシステム）を使って得られる。１枚の顔用テ
ィッシュを、機械方向に3インチ幅で、ダイ・カッターを用いてカットする。試 験サンプルの長さは、ゲージ長（引張試験機の顎間の距離）を少なくとも2イン チ越えるものでなければならない。試験サンプルに裂け目または折り目があって
はならず、切り口が鋭利で、両端が平行になっている必要がある。引張試験機の
顎を開き、試験標本を顎と顎の真中に、まっすぐに設置する。標本の上で顎を閉
め、試験プロトコルを開始する。通常の試験スピードの1/3（10インチ/分）で標
本を引っ張る。試験の負荷が最大測定限界の0.5％に達した時に伸びを測定し、 試験標本の緩みを修正する。その時点でクロスヘッドのスピードを変え、正常な
試験スピードで継続する。負荷がピークに達し、その負荷がピーク負荷の65％に
落ちるまで、データが収集される。最適な引張試験機は、Sintech inc., P.O.Bo
x 14226, Research Triangle Park, NC 27709-4226から入手することができる。
【００１０】 「ぬれ貫通時間（Wet Through Time）」「ぬれ拡散面積（Wet Out Time）」の
求め方は、図面と関連させて詳しく説明する。
【００１１】 本発明のティッシュ製品は、２層、３層、４層またはそれ以上を有する。本発
明によると、外側にある２層において、それぞれの外側に面した表面を修飾ポリ
シロキサンで処理することができるため、３層製品が好ましい。その結果できる
３層製品は、柔らかくて水をはじく２つの外表面と、内部の吸収層を有している
。これによって、液体は内層で吸収されるだけでなく、層間の空隙にも閉じ込め
られ、さらにそのことによって、使用中にティッシュがびしょぬれになるのをユ
ーザーが経験する可能性を防ぐ。特にふさわしいティッシュ製品としては、顔用
ティッシュ、浴用ティッシュ、キッチンタオルおよびそれに類するものがある。
これらの製品は、通常の製紙繊維を用いて適切に製造される。個々の層は、層状
化または均質化されて、湿潤プレスされるかまたは通気乾燥される。
【００１２】 本発明の目的に適したアミン修飾ポリシロキサン物質は、次の一般式で示され
：
【００１３】
【化３】
【００１４】 式中、ｘとｙは>0の整数値である。（ｘ＋ｙ）に対するｘのモル比は0.005％か ら約25％であってよい。R1-R9部分は、C1またはさらに大きいアルキル置換基で あってよい。その上、R2とR5は、ヒドロキシル置換基またはC1またはさらに大き
いアルキルアルコール置換基であってよい。好ましいR1-R9分子としては、C1-C4 が含まれる。R10部分は、アミン関連官能基、即ちアミン、イミン、および/また
はアミドなどを含んでいてよい。
【００１５】 例えば、アミン修飾ポリシロキサンは、R10部分が、各置換基に１個のアミン 基、または各置換基に２個またはそれ以上のアミン基を含み、C1またはさらに大
きい直鎖状または分岐状のアルキル鎖により分けられているポリシロキサンであ
ってよい。
【００１６】 本発明に従って疎水性のバランスをとるために、アミン修飾ポリシロキサンと
の混合に適した修飾ポリシロキサン物質は、次の一般式を有し：
【００１７】
【化４】
【００１８】 式中、ｘとｙは>０の整数値である。（ｘ＋ｙ）に対するｘのモル比は0.005％〜
約25％であってよい。R1-R9部分は、C1またはさらに大きいアルキル置換基であ ってよい。その上、R2とR5は、ヒドロキシル置換基またはＣ1またはさらに大き いアルキルアルコール置換基であってよい。好ましいR1-R9部分はC1-C4を含む。
R11部分は、エーテル、ポリエーテル、エステル、アミン、イミン、アミドまた はこのような官能基のアルキルおよびアルケニル類似体を含む他の官能基などの
有機官能基を含んでいてよい。
【００１９】 例として、R11部分は、一般式 -R12-(R13-O)a-( R14-O)b- R15で表されるポリ
エーテル官能基であってよく；式中、R12、R13およびR14は、C1またはそれより も大きいアルキル鎖で、R15は水素またはC1- C4アルキル基で、"a"および"b"は1
-100の整数で、より好ましくは10-30である。
【００２０】 アミン修飾ポリシロキサンの粘度範囲は分子量を示すものであって、約25〜約
2,000,000センチポアズまたはそれ以上、さらに好ましくは約100〜約1,000,000 センチポアズとなる。
【００２１】 修飾ポリシロキサンのティッシュの表面への適用にふさわしい方法としては、
スプレー、焼き付けおよびコーティングが含まれる。グラビア印刷は、ティッシ
ュ表面に加える量に関してコントロールする上で好ましい。ティッシュの表面に
用いる修飾ポリシロキサンの量は、特定の修飾ポリシロキサンに依存する。しか
し、適切なアドオン量は、ティッシュ製品の乾燥重量の約0.1〜約5重量パーセン
トで、さらに好ましくは約0.5〜約3重量パーセントで、さらに好ましくは約0.7 〜約2重量パーセントである。ティッシュの表面にエマルジョンを加える前に、 まず、適切な界面活性剤を用いて、水の中で修飾ポリシロキサンを乳化するのが
好ましい。修飾ポリシロキサンは、適用するティッシュの表面にあることが好ま
しいが、ポリシロキサンが固有に移動した結果、三層ティッシュ製品の中間層に
も、シリコン物質の一部が含まれることがある。しかし、このような量はティッ
シュの外側表面にある量に比較するときわめて少量であるため、中間層は実質的
に親水性を保ち、毛細管現象によって液体を拡散し、吸収することができる。
【００２２】 さらに、修飾ポリシロキサン処理による柔軟性、手の保護、また吸収性という
利点を最大限に利用し、均衡をはかるために、2種類またはそれ以上の修飾ポリ シロキサン物質の混合物をティッシュの表面に塗布してもよい。ある１つの実施
例としては、疎水性アミノ修飾ポリシロキサンと親水性ポリエーテル修飾ポリシ
ロキサンの混合物を使って、完成品であるティッシュ製品のぬれ貫通時間に合わ
せることができる。ポリエーテル修飾ポリシロキサンに対するアミノ修飾ポリシ
ロキサンの比率は、100％〜約10％、さらに好ましくは100％〜約50％である。
【００２３】 ポリマー分野に詳しい技術者は、本発明に従って、望ましいぬれ貫通時間sと ぬれ拡散面積sに到達するために、ティッシュの表面に塗布される修飾ポリシロ キサンの疎水性に影響を与えるには、単独の修飾ポリシロキサン類の分子量(粘 性)、置換基の程度、各種R基とその鎖の長さに関して選択される種類、単独の修
飾ポリシロキサン種の「X」成分と「Y」成分のモル比、また2種類またはそれ以 上の修飾ポリシロキサン種の混合を変えることができると認識するであろう。
【００２４】 (発明を実施するための最良の形態) 図面を参照しながら、ぬれ貫通時間とぬれ拡散面積を求める方法を記載する。
一般的に、この方法は、ティッシュサンプルの上面に、正確に測った染色液をの
せ、その液がサンプルを貫通して、ティッシュの底面に設置されている湿潤セン
サーを作動させるまでにかかる時間を測定することを意味している。その時間が
ぬれ貫通時間（Wet Through Time）である。その時点で、ティッシュのｘ−ｙ方
向に拡散された染色液の程度は、円形または楕円形のスポットとして目にするこ
とができる。このスポットの面積がぬれ拡散面積（Wet Out Area）である。
【００２５】 図１は、試験手順を実行するための装置のセットアップを図示したものである
。平面に設置されて、湿潤指示燈2に接続されている湿潤感知装置1が示されてい
る。（好ましい湿潤感知装置は、Barnant Company,Barrington,Illinoisによっ て、Cole-Parmer Liqui-Sense Sensor 77095-00と共に製造されたCole-Parmer L
iqui-Sense Controller 77096-00である)。製造者の説明書によると、この湿潤 感知装置の感度では、試験液0.2mlに反応して（下記するように）修正が行われ る。ティッシュサンプル3を半分に折り畳んで湿潤感知装置の上面に置き、湿潤 感知装置の両側に取り付けられている2個のレキサン・サイドウエイト4と5で固 定する。各サイド・ウエイトの切断面は3/4インチ×1/4インチを示し、長さは4 インチである。これらのウエイトが取り付けられているため、折りたたまれたテ
ィッシュ・サンプルは、湿潤感知装置の表面に対して平坦な状態にあるが、引っ
張られてはいない。さらに図２に示されているように、サンプルの上には、4×4
×1/2インチのレキサン・サンプルカバー6が取り付けられる。サンプルカバーに
は、上面の直径が3/8インチで、底面の直径が1/16インチの円錐形の孔7があり、
中心を貫いている。湿潤感知装置の厚みがサイドウエイトの厚さの1/4インチに わずかに達しないため、サンプルホルダーは最初にサイドウエイトの上に置く。
【００２６】 サンプルカバーの上に位置するのは、ビデオカメラ8（JVCによる日本製JVC TK
-1070U Color Video Camera）である。ビデオカメラ出力は、ビデオカセットレ コーダー9（Panasonic Industrial Co., Secaucus, NJにより流通されたPanason
ic AG-1960 Prline）とカラーモニター 10（Panasonic CT-1381-Y Color Video
Monitor）に接続されている。ビデオカメラを三脚の上に置くことによって、湿 潤指示燈2をビデオカメラの視野内で見ることができる。
【００２７】 試験を実施するために使われた試験液はHercules Size Tester Green Dyeであ
り、Hercules Incorporated, Wilmington, Delawareから入手できる。この試験 液は22℃では次のような特性：Brookfield Synchro-lectric Viscometer model
RVTをspindle No.1の50rpmで使用して測定した場合、粘性が10センチポアズ；du
Nouy ring 引張計（Fisher Scientific Surface Tensiometer 20）を使って測定
した場合、表面張力が60.5ダイン/センチメーター；pH 7.3；固有伝導力18マイ クロシーメンズ／センチメーターを有する。
【００２８】 ぬれ貫通時間とぬれ拡散面積sを求める試験を実施するために、ビデオ画像を 調製すると、ビデオモニターではサンプルカバーが6インチ×6インチを示す。Li
qui-Senseコントロールユニットを設置しているため、ビデオスクリーンで警告 ライト(湿潤指示燈)を明瞭に見ることができる。先に記載したように、試験が行
われるティッシュ製品のサンプルは、半分に折りたたまれ、湿潤感知装置の上に
置かれ、サイドウエイトで固定され、サンプルカバーで覆われる。ビデオカセッ
トレコーダー（VCR）がスタートする。マイクロピペットを用いて試験液0.5mlを
サンプルカバーの孔5に置くと、試験が開始する。湿潤モニターの警告ライトが 作動する時の秒表示の経過時間がそのサンプルに関するぬれ貫通時間である。そ
のポイントの後でVCRが停止する。ビデオのジョグと一時停止を用いると、ビデ オ画像は警告ライトが作動したフレームに調製され、色のついた試験液によって
できたスポットの大きさを示す。その時点でのビデオスクリーン上での染色像の
面積は平方インチで示されるが、これがぬれ拡散面積である。染色像の形状は、
一般的には楕円形であるため、楕円の長軸と短軸を測定し、面積を算出すること
によって、その面積を容易に求めることができる。しかし、より正確であること
が望まれる場合には、さらに高度な像解析技術を用いてその面積を算出すること
も可能である。
【００２９】 図３および図４は、次に述べる実施例によって製造されたティッシュと数種類
の市販ティッシュのぬれ貫通時間とぬれ拡散面積を示す棒グラフである。これに
示されるように、本発明のティッシュは、高い撥水性（ぬれ貫通時間に関して比
較的高い値を示した）と、高い吸収性（ぬれ拡散面積に関して比較的高い値を示
した）との新規な組合わせによるものである。
【００３０】 実施例 (実施例１(参考例)) 完成した紙の秤量が2880平方フィート当たり22.7ポンドで、65％の硬材と35％
の軟材から成る完成紙料の三層ティッシュウェブは、同時輪転グラビア印刷方法
で、修飾ポリシロキサン水性エマルジョン（Witco Corporation, Greenwich, CT
によって製造されたFTS-226）で両面に印刷された。修飾ポリシロキサン水性エ マルジョンは、アミノ修飾ポリシロキサンを約20重量パーセント、ポリエーテル
修飾ポリシロキサンを約20重量パーセント、水を約57重量パーセント、乳化剤を
約2重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.75重量パーセントおよび最終的 なエマルジョンのpHを6.5〜7.5の範囲内に調製するために少量の緩衝剤を含んで
いた。ポリエーテル修飾ポリシロキサンに対するアミノ修飾ポリシロキサンのパ
ーセント比は50/50であった。
【００３１】 グラビアロールは、Southern Graphics Systems, Louisville, Kentuckyによ って提供された銅ロールの上のクロムを電子的に彫ったものである。このロール
は1インチの直線ごとに360セルのラインスクリーンがあり、１平方インチのロー
ル表面ごとに1.5ビリオンキュービックミクロン（BCM）の量があった。このロー
ルに関する典型的なセルの大きさは、長さ65ミクロン、幅110ミクロン、深さ13 ミクロンであった。ラバーバッキング・オフセットアプリケーター・ロール（ru
bber backing offset applicator rolls）は、American Roller Company, Union
Grove, Wisconsinによって提供された75ショアAデュロメーター・キャスト・ポ
リウレタン（Shore A durometer cast polyurethane）であった。その工程は、 グラビアロールとラバーロールとの間に0.375インチの干渉と、フェイシングラ バー・バッキングロール間に0.003インチのクリアランスのある状態に設定され た。同時オフセット／オフセット・グラビア印刷装置は、毎分2000フィートのス
ピードで稼動した。この処理工程は、ティッシュの重量を基準にして、1.0重量 パーセント全アドオン量のアドオンレベルをもたらした。その結果できたソフト
ティッシュ製品は、ぬれ貫通時間が2.4秒であって、ぬれ拡散面積が0.9平方イン
チであった。このMD 弾性率は約16.54キログラムであった。
【００３２】 （実施例２（本発明）） ティッシュ製品は、修飾ポリシロキサン水性エマルジョン（Witco Corporatio
n のY-14344シリコンエマルジョン）が、第1の修飾ポリシロキサン水性エマルジ
ョン（Witco Corporation のY-14264シリコンエマルジョン）と第2の修飾ポリシ
ロキサン水性エマルジョン（Witco Corporation のY-14275シリコンエマルジョ ン）を重量で1:1の混合物であったこと以外は、実施例１に記載されたとおりに 調製された。さらに好ましくは、第1の修飾ポリシロキサン水性エマルジョンは 、アミノ修飾ポリシオキサンを約32重量パーセント、水を約63.2重量パーセント
、乳化剤パッケージを約3.2重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.75重量 パーセント、凍結-解凍安定剤を約0.8重量パーセントおよびpH 6.5-7.5の範囲内
にするために十分な緩衝剤を含んでいた。第2の修飾ポリシロキサン水性エマル ジョンは、アミノ修飾ポリシロキサンを約24重量パーセント、2種類のポリエー テル修飾ポリシロキサンの混合物を約11重量パーセント、水を約61.2重量パーセ
ント、乳化剤パッケージを約2.4重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.75 重量パーセント、凍結-解凍安定剤を約0.6重量パーセント、およびpH 6.5-7.5の
領域内にするために十分な緩衝剤を含んでいた。ポリエーテル修飾ポリシロキサ
ンに対するアミノ修飾ポリシロキサンの百分率比は84/16であった。その結果で きたソフトティッシュ製品は、ぬれ貫通時間が22.8秒であって、ぬれ拡散面積が
3.8平方インチであった。このMD 弾性率は約14.18キログラムであった。
【００３３】 （実施例３（本発明）） ティッシュ製品は、修飾ポリシロキサシン水性エマルジョン（Witco Corporat
ion のY-14316シリコンエマルジョン）が、第1の修飾ポリシロキサン水性エマル
ジョン（Witco Corporation のY-14264シリコンエマルジョン）と第2の修飾ポリ
シロキサン水性エマルジョン（Witco Corporation のY-14275シリコンエマルジ ョン）を重量で1:1の混合物であったこと以外は、実施例１に記載されたとおり に調製された。さらに好ましくは、第1の修飾ポリシロキサン水性エマルジョン は、アミノ修飾ポリシオキサンを約32重量パーセント、水を約63.2重量パーセン
ト、乳化剤パッケージを約3.2重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.75重 量パーセント、凍結-解凍安定剤を約0.8重量パーセント、またpH 6.5-7.5の範囲
内にするために十分な緩衝剤を含んでいた。第2の修飾ポリシロキサン水性エマ ルジョンは、アミノ修飾ポリシロキサンを約24重量パーセント、2種類のポリエ ーテル修飾ポリシロキサンの混合物を約11重量パーセント、水を約61.2重量パー
セント、乳化剤パッケージを約2.4重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.7
5重量パーセント、凍結-解凍安定剤を約0.6重量パーセント、およびpH 6.5-7.5 の領域内にするために十分な緩衝剤を含んでいた。ポリエーテル修飾ポリシロキ
サンに対するアミノ修飾ポリシロキサンの百分率比は97/3であった。その結果で
きたソフトティッシュ製品は、ぬれ貫通時間が31.7秒であって、ぬれ拡散面積が
5.3平方インチであった。このMD 弾性率は約17.24キログラムであった。
【００３４】 （実施例４（本発明）） ティッシュ製品は、修飾ポリシロキサシン水性エマルジョンが、アミノ修飾ポ
リシオキサンを約32重量パーセント、水を約63.8重量パーセント、乳化剤パッケ
ージを約3.2重量パーセント、殺生物剤パッケージを約0.2重量パーセント、およ
び凍結-解凍安定剤（Witco Corporation のY-14240シリコンエマルジョン）を約
0.8重量パーセント含んでいたこと以外は、実施例１に記載されたとおりに調製 された。ポリエーテル修飾ポリシロキサンに対するアミノ修飾ポリシロキサンの
百分率比は100/0であった。その結果できたソフトティッシュ製品は、ぬれ貫通 時間が53.4秒であって、ぬれ拡散面積が4.6平方インチであった。このMD 弾性率
は約11.65キログラムであった。
【００３５】 （実施例５（市販ティッシュ）） 前記のように、Kleenex（商標）顔用ティッシュ（Kimberly-Clark Corporatio
n）のサンプルで試験が行われた。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が2.0秒であ
って、ぬれ拡散面積が1.1平方インチであった。
【００３６】 （実施例６（市販ティッシュ）） 前記のように、Kleenex（商標）Cold Care（商標）with Lotion顔用ティッシ ュ（3層）のサンプルで試験が行われた。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が15.
1秒であって、ぬれ拡散面積が1.3平方インチであった。
【００３７】 （実施例７（市販ティッシュ）） 前記のように、Puffs（商標）Soft and Strong Lotion顔用ティッシュのサン プルで試験が行われた。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が8.1秒であって、ぬ れ拡散面積が1.0平方インチであった。
【００３８】 （実施例８（市販ティッシュ）） 前記のように、Puffs（商標）Advanced Extra Strength顔用ティッシュのサン
プルで試験が行われた。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が2.2秒であって、ぬ れ拡散面積が1.2平方インチであった。
【００３９】 （実施例９（市販ティッシュ）） 前記のように、Puffs Plus（商標）顔用ティッシュのサンプルで試験が行われ
た。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が6.8秒であって、ぬれ拡散面積が0.9平方
インチであった。
【００４０】 （実施例１０（市販ティッシュ）） 前記のように、Scotties（商標）顔用ティッシュ（3層）のサンプルで試験が 行われた。そのティッシュは、ぬれ貫通時間が1.2秒であって、ぬれ拡散面積が0
.8平方インチであった。
【００４１】 前記実施例は例証の目的で示されたものであって、本発明の範囲を制限するも
のと解釈されるものではなく、本発明は前記請求項とそれに均等なものすべてに
よって定義される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ここに記載されているように、ぬれ貫通時間およびぬれ拡散面積を測定するた
めに用いられる装置の略図である。
【図２】 図１に示したサンプルカバーの平面図である。
【図３】 本発明のティッシュのぬれ貫通時間を、別のティッシュのものと比較して示し
た棒グラフである。
【図４】 本発明のティッシュのぬれ拡散面積を、図３にあげた他のティッシュのものと
比較して示した棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ， ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，Ｌ Ｕ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，Ｕ Ｇ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 バーガード デイル アラン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54927 ブート ド モルト ワシントン ストリート 4947 ピーオーボックス 347 (72)発明者 クルジシク デュエイン ジェラード アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54911 アップルトン イースト メルロ ーズ プレイス 1112 Ｆターム(参考） 4L055 AG86 AG97 AH50 AJ01 BE08 EA10 EA27 FA16 GA29

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 MD 弾性率が約30キログラムまたはそれよりも小さく、ぬれ 拡散面積が約2平方インチまたはそれよりも大きく、ぬれ貫通時間が約15秒また はそれよりも長く、2層またはそれよりも多数の層を有することを特徴とするソ フトティッシュ製品。
  2. 【請求項２】 さらに中心層を備えることを特徴とする請求項１に記載のテ
    ィッシュ製品。
  3. 【請求項３】 前記ぬれ拡散面積が約3平方インチまたはそれよりも大きい ことを特徴とする請求項１に記載のティッシュ製品。
  4. 【請求項４】 前記ぬれ拡散面積が約4平方インチまたはそれよりも大きい ことを特徴とする請求項１に記載のティッシュ製品。
  5. 【請求項５】 前記ぬれ拡散面積が約2〜約6平方インチであることを特徴と
    する請求項１に記載のティッシュ製品。
  6. 【請求項６】 前記ぬれ貫通時間が約20秒またはそれよりも長いことを特徴
    とする請求項１に記載のティッシュ製品。
  7. 【請求項７】 前記ぬれ貫通時間が約30秒またはそれよりも長いことを特徴
    とする請求項１に記載のティッシュ製品。
  8. 【請求項８】 前記ぬれ貫通時間が約45秒またはそれよりも長いことを特徴
    とする請求項１に記載のティッシュ製品。
  9. 【請求項９】 前記ぬれ貫通時間が約15〜約60秒であることを特徴とする請
    求項１に記載のティッシュ製品。
  10. 【請求項１０】 アミン修飾ポリシロキサンを用いて局所的に処理された外
    側2表面と、2層またはそれ以上の層とを有し、MD 弾性率が約30キログラムまた はそれよりも小さく、ぬれ拡散面積が約2平方インチまたはそれよりも大きく、 ぬれ貫通時間が約15秒またはそれよりも長いソフトティッシュ製品であって、該
    アミン修飾ポリシロキサンが、次の一般式： 【化１】 で示され、式中、ｘとｙは>0の整数値で；（ｘ＋ｙ）に対するｘのモル比は0.00
    5％〜約25％で；R1、R3、R4およびR6-R9は、C1またはさらに大きいアルキル置換
    基で；R2とR5は、C1またはさらに大きいアルキル置換基、C1またはさらに大きい
    アルキルアルコール置換基、またはヒドロキシル置換基で；また、R10は、アミ ン、イミン、および／またはアミドから成る群から選択された１つまたはそれ以
    上の官能基を含むC1またはさらに大きいアルキル鎖である ことを特徴とするソフトティッシュ製品。
  11. 【請求項１１】 R10がC1またはさらに大きいアルキル鎖によって分離され た、１つまたはそれよりも多数のアミン基を含むことを特徴とする請求項１０に
    記載のティッシュ製品。
  12. 【請求項１２】 前記アミン修飾ポリシロキサンが、式、 【化２】 の別の修飾ポリシロキサンと混合され、式中、ｘとｙは>0の整数値で；（ｘ＋ｙ
    ）に対するｘのモル比は0.005％〜約25％で；R1 、R3 、R4およびR6-R9は、C1または
    さらに大きいアルキル置換基で；R2とR5は、C1またはさらに大きいアルキル置換
    基、C1またはさらに大きいアルキルアルコール置換基、またはヒドロキシル置換
    基で；また、R11は、エーテル、ポリエーテル、エステル、アミン、イミン、ア ミド、またはこのような官能基のアルキル類似体およびアルケニル類似体からな
    る群から選ばれた、ひとつまたはそれよりも多数の官能基を備えるC1またはさら
    に大きいアルキル鎖であることを特徴とする請求項１０のティッシュ製品。
  13. 【請求項１３】 R11が一般式 -R12-(R13-O)a-( R14-O)b- R15で；式中、R1 2 、R13およびR14は、C1またはそれよりも大きいアルキル鎖で、R15は水素または
    C1- C4アルキル基で、"a"および"b"は1-100の整数であることを特徴とする請求 項１２のティッシュ製品。
  14. 【請求項１４】 柔軟な、吸収性をコントロールした多層ティッシュ製品を
    製造する方法であって、ａ）製紙繊維の水性懸濁液を作成する工程と；ｂ）ウェ
    ブを形成するための形成用布に水性繊維懸濁液を堆積させる工程と；ｃ）ティッ
    シュ・シートを形成するために前記ウェブを乾燥させる工程と；ｄ）２つの外側
    表面をもつ多層ティッシュのベースシートを形成するために、そのティッシュ・
    シートを、１枚またはそれより多数の同様のティッシュ・シートと結合させる工
    程と；ｅ）ティッシュ製品を形成するために、該ティッシュ製品の２つの外側表
    面を、局所的に、アミン修飾ポリシロキサンの水性エマルジョンで処理する工程
    とを含み、該ティッシュ製品のぬれ拡散面積が約2平方インチまたはそれよりも 大きく、ぬれ貫通時間が約15秒またはそれよりも長いことを特徴とする前記方法
    。
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