JP2002500884A - リーサスウィークd表現型と相関する新規核酸分子 - Google Patents

リーサスウィークd表現型と相関する新規核酸分子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1つのミスセンス突然変異またはミスセンス突然変異の組合せか、RHDおよびRHCE遺伝子の第6〜第9エキソンが関係する遺伝子変換を特徴とするウィークD表現型の一因となるリーサス(Rhesus)D抗原をコードする新規核酸分子に関する。さらに本発明は、本発明の核酸分子を含むベクター、そのベクターで形質転換された宿主、上記核酸分子によってコードされるタンパク質、およびそれらのポリペプチドを生産する方法に関する。上記のミスセンス突然変異と遺伝子変換をウィークD表現型に直接相関させうるという事実は、血液検体の日常検査に著しい影響を持つ。例えば検体中のウィークD表現型の検出を広く可能にするオリゴヌクレオチドと抗体を今では設計することができる。そのようなオリゴヌクレオチド、抗体と、種々の診断方法は全て、本発明の範囲に包含される。本新規核酸分子によってコードされるRhD抗原はモノクローナルおよびポリクローナル抗D抗血清の特徴づけ、標準化および品質管理に利用できる。最後に本発明はウィークD表現型の存在について検査するのに役立つキットに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、1つのミスセンス突然変異またはミスセンス突然変異の組合せか、
RHDおよびRHCE遺伝子の第6〜第9エキソンが関係する遺伝子変換を特徴
とするウィークD表現型の一因となるリーサス(Rhesus)D抗原をコード
する新規核酸分子に関する。さらに本発明は、本発明の核酸分子を含むベクター
、そのベクターで形質転換された宿主、上記核酸分子によってコードされるタン
パク質、およびそれらのポリペプチドを生産する方法に関する。上記のミスセン
ス突然変異と遺伝子変換をウィークD表現型に直接相関させうるという事実は、
血液検体の日常検査に著しい影響を持つ。例えば検体中のウィークD表現型の検
出を広く可能にするオリゴヌクレオチドと抗体を今では設計することができる。
そのようなオリゴヌクレオチド、抗体と、種々の診断方法は全て、本発明の範囲
に包含される。本新規核酸分子によってコードされるRhD抗原はモノクローナ
ルおよびポリクローナル抗D抗血清の特徴づけ、標準化および品質管理に利用で
きる。最後に本発明はウィークD表現型の存在について検査するのに役立つキッ
トに関する。
【0002】 RhDタンパク質が持っているリーサスD抗原(ISBT 004.001;
RH1)は、タンパク質によって決定される最も重要な血液型抗原である。これ
は今も新生児溶血性疾患の主要原因である(Mollisonら,1993)。
白人の約0.2%〜1%は、D抗原の発現が低下している(ウィークD(以前は
uといった))赤血球を持っている(Mourantら,1976;Stra tton,1946;Wagnerら,1995)。ウィークD検体のごく一部
は、質的に変化したRhDタンパク質(これはパーシャル(partial)D
と呼ばれる(Salmonら,1984)により説明され、それはしばしばRH
D/RHCE雑種対立遺伝子によって引き起こされる(最近、Huang(19
97)に概説されている)。また別の一部はトランス位にあるCdeハプロタイ
プの抑制作用によって引き起こされる(Ceppelliniら,1955)。
これらのウィークDは、その保因者の両親と子供がしばしば正常なRhD抗原密
度を発現することから、おそらく正常なRHD対立遺伝子を持つ。このようなウ
ィークDは、RhD抗原発現の軽微な低下しか示さず、大雑把に「ハイグレード
(high−grade)Du」と呼ばれていたが、モノクローナル抗D抗体の 感度の向上ゆえに、現在ではしばしば正常RhDとして型別される。
【0003】 中等度ないし強度に弱められた抗原Dの大部分は、その弱いD発現がそのRh
D表現型と一緒に遺伝されることから(Stratton,1946)、リーサ
ス遺伝子座そのものか、その近傍に位置する1つまたは複数の遺伝子型によるも
のである。単なる量的低下の他には、この最も一般的なタイプのウィークDのR
hD抗原に質的な相違を認めることはできなかった。最近行なわれた2つの研究
ではこの一般的なウィークD表現型の分子的原因が扱われた。Rouillac
ら(1996)とBeckersら(1997)の両グループはRT−PCRを
行い、ウィークD検体中のRHD cDNAを配列決定したが、突然変異は何も
見つからなかった。Rouillacら(1996)は、半定量的RT−PCR
を用いて、ウィークD検体中のRHD転写物の定常状態レベルが低下しているこ
とを報告し、彼らの観察が正常な赤血球とウィークD赤血球との間のRhDの単
に量的な相違の直接的な証拠になると発表した。しかしBeckersら(19
95と1997)は、同様のアプローチで、RHD転写物の量に相違を見出さず
、その産物が赤血球膜中に不十分にしか(または全く)組み込まれえないスプラ
イスバリアント(variant )(Beckersら,1997)の過剰について排
除した(Kajiiら,1995)。彼らは、ウィークDは転写過程の調節欠損
によって引き起こされるのではないと結論し、ウィークDの考えうる原因として
、Rh関連複合体に関与する未同定の調節遺伝子または因子を挙げた。それゆえ
に、弱いD発現の機序はあいまいなままであり、分子的原因は何も確立されなか
った。
【0004】 ランダムなウィークD検体をPCRによりRHD特異的多形に関してスクリー
ニングしたところ、正常なRHD対立遺伝子に典型的なPCR増幅パターンが確
認された(Aventら,1997b;Leglerら,1997)。しかし、
パーシャルDに相当することが知られていない極めてわずかなウィークDが構造
的に異常なRHD対立遺伝子を保有するらしいという証拠が蓄積しつつあった。
すなわち、イギリスでの44例のウィークDのうち4例はRHD特異的な第4イ
ントロンのPCRアンプリコンを欠き(Aventら,1997b)、ドイツ北
部での94例のウィークDのうち1例はRHD特異的な第5エキソンのPCRア
ンプリコンを欠いていた(Leglerら,1997)。後者の例では、667
位のヌクレオチドTが、F223Vアミノ酸置換をコードするRHCE特異的な
Gによって置換されていた(TJ LeglerとA Humpeの私信)。
【0005】 このように、異常対立遺伝子はウィークD表現型のごく一部でしか観測されず
、そのことが、分子レベルでのこれらの変化が実際にウィークD表現型の一般的
現象の原因であるという可能性を疑わしいものにしていた(Aubinら,19
97;Aventら,1997b;Fukumoriら,1997;Huang
,1997;IssittおよびTelen,1996;Roubinetら,
1996も参照されたい)。結果として、先行技術を総合しても、検体中のウィ
ークリーサスD表現型の検出に簡便に応用できて信頼できる手段を、今まで提供
することができないでいた。
【0006】 したがって、本発明の根底にある技術的課題は、リーサスウィークD表現型の
分析に簡便に広く使用できる、そのような手段と方法を確立することであった。
【0007】 上述の技術的課題の解決は、本特許請求の範囲に特徴づける態様を提供するこ
とによって達成される。したがって本発明は、ウィークD表現型の一因となるか
それを指し示すリーサスD抗原をコードする核酸分子であって、野生型リーサス
D抗原と比較してその膜貫通領域および/または細胞内領域に少なくとも1つの
ミスセンス突然変異を保持するものに関する。
【0008】 本発明によれば、「ウィークD表現型の一因となる」という用語がアミノ酸交
換によって引き起こされるであろうその突然変異の積極的役割を含意するのに対
して、「ウィークD表現型を指し示す」という用語は必ずしもそのような役割を
意味するのではなく、サイレント突然変異も指しうる。そのようなサイレント突
然変異は、例えば、以下に詳述するミスセンス突然変異などの他の突然変異と共
に生じてもよい。
【0009】 本発明によれば、観察されたミスセンス突然変異は、赤血球膜へのRhDタン
パク質組み込みの減少と関連するだけでなく、実際にそれを引き起こすことが見
出された。したがって本発明により、(i)ウィークD対立遺伝子は異なるハプ
ロタイプで独立して生成したものであって、それぞれ別個の事象がRhDコード
配列中のある変化と関連すること;(ii)164検体中に16種類の対立遺伝
子が観察されたにもかかわらず、正常なコード配列を持つ検体は存在しなかった
こと;および(iii)観察されたヌクレオチド置換のタイプと分布はランダム
変化の帰無仮説には合致しなかったこと、が実証される。
【0010】 RHD中のミスセンス突然変異がD抗原発現の低下につながるという発見は、
RhD膜組み込みの最新のモデルに合致した(Table7参照)。両Rhタン
パク質は、LW、CD47、およびグリコホリンBのようないくつかの付加的タ
ンパク質によって結合されうるRh50タンパク質との複合体中に見出される(
Huang,1997)。Rh複合体全体の発現は、少なくとも一つのRhタン
パク質(ISBT/DGTI会議(1997年9月フランクフルト)でのJP
Cartonによる口頭発表)とRh50タンパク質(Cherif−Zaha
rら,1996)の完全性に依存する。ミスセンス突然変異によって引き起こさ
れるRh50タンパク質の微細な構造上の変化は、Rh複合体の発現を妨げるの
に充分である(Cherif−Zaharら,1996)。同様に、RhDタン
パク質中のそのような微細な構造上の変化もまた、RhDが関わるRh複合体の
発現に影響を及ぼすようである。
【0011】 アミノ酸置換の分布と種類に基づいて、RhD構造とRhD発現の関係の一般
像をここに確立できる。すなわち、上記の最新モデルに従ってアラインメントを
行なった場合、ウィークD中の全てのアミノ酸置換は、RhDタンパク質の細胞
内または膜貫通部分に位置する(Table7参照)。外部表面(exofac
ial)置換を持つ既知のRHD対立遺伝子(Aventら,1997a;Jo
nesら,1997;Liuら,1996;Rouillacら,1995)は
それらのパーシャルD抗原ゆえに発見されたが、それらは離散的(DNUおよび
VII)ないし中等度(DII、DHRおよびDHMi)のRhD発現の低下を示 しうる(FlegelおよびWagner,1996;Jonesら,1997
;Jonesら,1996)。本発明に従って報告される大半の置換は非保存的
であり、導入されたアミノ酸(特にプロリン)はおそらく二次または三次構造を
破壊しているだろう。2つのウィークD対立遺伝子(2型と11型)は保存的置
換を伴い、295位と385位の関与アミノ酸領域が最適なRhD膜組み込みに
とって極めて重要であることを示した。2つの対立遺伝子(4型と14型)では
、第4と第5エキソンの一部がRHCE遺伝子の対応する部分で置換されていた
。同様の交換は、RhDタンパク質発現のかなりの低下を示すDVII型とDVI
I型にも見出された(Jonesら,1996)。第3エキソン中のN152T
置換が膜組み込みを容易にすると考えると、先の逆説的観察を説明できる。つま
り、(i)N152T置換をウィークD4型との唯一の相違点とするDIIIa(H
uangら,1997)は正常なRhD抗原密度を持ち(Jonesら,199
6)、(ii)N152T置換を保有するDIIIc、DIVaおよびDVIIII型は 、それらの適当な対照(正常RhDおよびDVIII型)と比較して、抗原密度が
増加している(Flegelら,1997;Jonesら,1996)。
【0012】 DVI、DV、DBT、一部のDIVとDFRのような、弱いD発現を伴ういくつ かの表現型は、ずっと以前に、抗Dを産生するというそれらの保因者の性質によ
り、別々の物として認識された(Lomasら,1994;Tippettおよ
びSanger,1977;TippettおよびSanger,1962)。
その後、モノクローナル抗Dとの異なる反応パターンによってこれらの表現型が
確認されグループ分けされた(Lomasら,1993;Lomasら,198
9;Scott,1996)。しかし、大部分のウィークD表現型はモノクロー
ナル抗Dとの一貫した反応パターンを持たず、それらの保因者は抗D免疫化を起
こしにくいようであったため、その血清学的分類は成功していない(Moore
,1984)。また、正常なDとウィークDの間の境界線さえ明確にされていな
かった(Agreら,1992;Moore,1984;Nelsonら,19
95)。それにもかかわらず、ウィークD表現型でのRhD抗原密度(1細胞あ
たりの抗原数)の変動性(Hasekuraら,1990;Jonesら,19
96;Nelsonら,1995;Nicholsonら,1991;Tazz
ariら,1994;Wagner,1994)と、RHD PCRでの稀な異
常パターン(Aventら,1997b;Leglerら,1997)から、そ
の根底にある分子的多様性は排除されなかった。本発明は、ウィークDの簡便な
分類を始めて可能にし、別個の対立遺伝子の臨床データとの明瞭な相関を初めて
可能にするものである。先に定義された稀なRHD対立遺伝子と共に、低下した
D抗原密度を持つ表現型の大部分の正確な分子的定義が、ここに可能になる。特
定の分子タイプのウィークDを保有する患者が抗Dを発達させやすい場合は、本
発明によって可能になった分類が、リーサス陰性輸血方針を誘導する助けになる
だろう。分子構造とRhD抗原密度に関して特徴づけられたウィークD検体を入
手できることは、抗D試薬の品質保証を促進するだろう。それらは、発端者(pr
oband )を、そのRhDタンパク質が頻繁な抗D免疫化を起こしにくいRhD陽
性として、確実に型別するはずである(Wagnerら,1995)。したがっ
て、抗D免疫化の推定上の可能性によって正当化されてきた、ウィークD患者へ
の輸血のためのRhD陰性赤血球ユニットの使用は、最終的に、科学的に演繹で
きる最小限まで減らすことができる。
【0013】 また、本発明によれば、当該突然変異は、リーサスDポリペプチドの一定の区
間(certain stretches )に密集することが見出された。さらに、ウィークD表
現型と相関する遺伝子変換も検出された。このように本発明は、ウィークD表現
型の一因となるかそれを指し示すリーサスD抗原をコードする核酸分子であって
、 (a)野生型リーサスD抗原と比較して、アミノ酸位置2〜16、114〜14
9、179〜225または/および267〜397に、少なくとも一つのミスセ
ンス突然変異を保持する(ただし、そのD抗原はアミノ酸位置223にあるフェ
ニルアラニンのバリンによる置換または位置283にあるトレオニンのイソロイ
シンによる置換につながる単一ミスセンス突然変異を保持しないものとする)か
、もしくは、 (b)第6〜第9エキソンが関わり、それらがRHCE遺伝子の対応するエキソ
ンによって置換される遺伝子変換を保持するもの、 に関する。
【0014】 本発明に従って見出され上記の領域中に位置するミスセンス突然変異はすべて
、上に示したRhDの最新モデルを使用すると、そのポリペプチドの膜貫通領域
か細胞内部分と関係する。しかし、異なるモデルを使用すると、ウィークD表現
型と関係する突然変異が細胞外領域に見出される場合もある。上記の領域は、最
新モデルを適用した場合に細胞外領域に位置するアミノ酸位置も含んでいる。そ
れらの位置も突然変異を起こし、ウィークD表現型と相関させうるかもしれない
。そのような突然変異も本願の範囲に包含される。
【0015】 ミスセンス突然変異の他に、ウィークDを指し示す遺伝子変換も同定された。
その遺伝子変換は、基本的にミスセンス突然変異と同じ程度に、診断目的に使用
できる。本発明によれば、切断点(breakpoint)は第5と第9イント
ロンにあると決定される(Fig.3も参照されたい)。
【0016】 上記の、また本明細書のあらゆる部分で言及する、突然変異体は、RhD診断
、予防および治療に関連して使用されるモノクローナルおよびポリクローナル抗
体の特徴づけに、簡便に使用できる。例えば、そのような突然変異体をコードす
る所望の核酸分子を適当な系で発現させることにより、上記の抗体または抗血清
の反応性プロフィールを確立することができる。当該突然変異体は、二次抗体と
して使用されるモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体(例えば抗グロブ
リンおよび抗ヒトグロブリン抗血清)の特徴づけにも使用できる。
【0017】 上記ミスセンス突然変異は、3、10、16、114、149、182、19
8、201、220、223、270、276、277、282、294、29
5、307、339、385または393位でのアミノ酸置換、もしくはそれら
置換の組み合わせ、またはそれら置換を含む置換を引き起こすことが好ましい。
【0018】 この好ましい態様は、上に示した単一突然変異の他に、これらの置換の組み合
わせを含んでもよい。また、上述した置換の1つまたはそれ以上を含み、かつ、
置換につながる突然変異などの追加の突然変異が存在する可能性も考えられる。
本発明によれば、そのような追加の突然変異は、検体中のRhD状態を評価する
時に検査できると理解される。そのような突然変異の発見により、当業者は、上
記の第一突然変異と組み合わせて見出される本明細書に同定する他の突然変異が
存在すると結論できるだろう。したがって、本明細書に同定する突然変異と組み
合わせて見出される追加の突然変異の検出を反映したそれらの態様も、本発明に
包含される。
【0019】 本発明の核酸分子のとりわけ好ましい態様として、上記のアミノ酸置換は、3
位ではSerからCys、10位ではArgからGln、16位ではTrpから
Cys、114位ではArgからTrp、149位ではAlaからAsp、18
2位ではSerからThr、198位ではLysからAsn、201位ではTh
rからArg、220位ではTrpからArg、223位ではPheからVal
、270位ではValからGly、276位ではAlaからPro、277位で
はGlyからGlu、282位ではGlyからAsp、294位ではAlaから
Pro、295位ではMetからIle、307位ではGlyからArg、33
9位ではGlyからGlu、385位ではGlyからAla、393位ではTr
pからArgへの置換である。
【0020】 本発明の核酸分子のさらに好ましい一態様では、上記ミスセンス突然変異がヌ
クレオチド位置8、29、48、340、446、544、594、602、6
58、667、809、819、826、830、845、880、885、9
19、1016、1154および1177、もしくはそれらの位置の組み合わせ
で起こる。
【0021】 上記のミスセンス突然変異は、8位ではCからG、29位ではGからA、48
位ではGからC、340位ではCからT、446位ではCからA、544位では
TからA、594位ではAからT、602位ではCからG、658位ではTから
C、667位ではTからG、809位ではTからG、819位ではGからA、8
26位ではGからC、830位ではGからA、845位ではGからA、880位
ではGからC、885位ではGからT、919位ではGからA、1016位では
GからA、1154位ではGからC、1177位ではTからCであることが、と
りわけ好ましい。
【0022】 ミスセンス突然変異の組み合わせがウィークD表現型の発生に関与する場合、
その置換の組み合わせは182位、198位および201位にあって好ましくは
S182T、K198N、T201Rであるか、201位と223位にあって好
ましくはT201RとF223Vであるか、16位、201位および223位に
あって好ましくはW16C、T201RおよびF223Vであることが好ましい
【0023】 最も好ましくは、ミスセンス突然変異の上記の組み合わせが544位、594
位および602位を含んで、好ましくは544位がT→A、594位がA→T、
602位がC→Gであるか、または602位、667位および819位を含んで
、好ましくは602位がC→G、667位がT→G、819位がG→Aであるか
、または48位、602位、667位および819位を含んで、好ましくは48
位がG→C、602位がC→G、667位がT→G、819位がG→Aである。
【0024】 本発明の核酸分子は(半)合成によるものを含めて様々な起源を持ちうるが、
本核酸分子はmRNAまたはゲノムDNAであることが好ましい。上記の核酸は
いずれも標準的な方法を使って得ることができる。例えばSambrookら「
Molecular Cloning, A Laboratory Manu
al」(第二版,1989,CSH Press,ニューヨーク州コールドスプ
リングハーバー)を参照されたい。
【0025】 また本発明は、本発明の核酸分子を含んでなるベクターに関する。
【0026】 本ベクターは増殖および/または発現に使用でき、また遺伝子導入や遺伝子タ
ーゲティング用にも設計できる。そのようなベクターを作成する方法は、当技術
分野でよく知られている。突然変異の核酸を上記のベクターにクローニングする
ことや、適当な宿主におけるベクターの増殖などにも、同じことが言える。
【0027】 具体的には、本ベクターは、従来から遺伝子操作に使用されているプラスミド
、コスミド、ウイルスまたはバクテリオファージであって、本発明の核酸分子を
含んでなるものでありうる。レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴
ウイルス、ヘルペスウイルス、ウシパピローマウイルスなどのウイルスに由来す
る発現ベクターは、本発明の核酸分子またはベクターを、標的細胞集団に送達す
るために使用できる。組換えウイルスベクターの構築には、当業者によく知られ
ている方法を使用できる。例えばSambrook「Molecular Cl
oning A Laboratory Manual」(コールドスプリング
ハーバー研究所(1989)ニューヨーク州)やAusubel「Curren
t Protocols in Molecular Biology」(Gr
een Publishing Associates and Wiley
Interscience,ニューヨーク州(1989))に記載の技術を参照
されたい。もう一つの選択肢として、標的細胞に送達するために、本発明のポリ
ヌクレオチドとベクターをリポソーム中に再構成することもできる。本発明の核
酸分子を含有するベクターは、細胞宿主のタイプに応じて変わる周知の方法によ
って宿主細胞に導入できる。例えば、原核細胞には塩化カルシウムトランスフェ
クションがよく使用されるのに対して、他の細胞宿主にはリン酸カルシウム処理
やエレクトロポレーションを使用できる。例えば上記Sambrookの著書を
参照されたい。
【0028】 このようなベクターは、適当な条件下に適当な宿主細胞でのそのベクターの選
択を可能にするマーカー遺伝子などといった、さらなる遺伝子を含みうる。本発
明の核酸分子は、原核細胞または真核細胞での発現を可能にする発現制御配列に
作動可能に連結されることが好ましい。上記ポリヌクレオチドの発現には、その
ポリヌクレオチドの翻訳可能なmRNAへの転写が含まれる。真核細胞(好まし
くは哺乳類細胞)での発現を確実にする調節配列は当業者によく知られている。
それらは通常、転写の開始を確実にする調節配列と、随意に転写の終結と転写物
の安定化を確実にするポリAシグナルとを含む。その他の調節配列としては転写
および翻訳エンハンサーおよび/または天然に付随しているまたは異種のプロモ
ーター領域が挙げられる。原核宿主細胞での発現を可能にする調節配列としては
、例えば大腸菌でのPL、lac、trpまたはtacプロモーターが考えられ
、真核宿主細胞での発現を可能にする調節配列の例は、酵母でのAOX1または
GAL1プロモーターや、哺乳類細胞と他の動物細胞でのCMV−、SV40−
、RSV(ラウス肉腫ウイルス)−プロモーター、CMV−エンハンサー、SV
40−エンハンサー、グロビンイントロンである。これらの調節配列には、転写
の開始を担う配列の他に、当該核酸分子の下流にあるSV40−ポリA部位やt
k−ポリA部位などの転写終結シグナルも含まれうる。さらにまた、使用する発
現系に依存して、そのポリペプチドをある細胞区画に導いたりそれを培地中に分
泌させる能力を持つリーダー配列を、本発明のポリヌクレオチドのコード配列に
付加してもよく、それらのリーダー配列は当技術分野でよく知られている。その
(それらの)リーダー配列は、適当な相で翻訳、開始および終結配列と共に組み
立てられ、好ましくはペリプラズムスペースまたは細胞外培地中に翻訳されたタ
ンパク質またはその一部を分泌させる能力を持つリーダー配列である。随意に、
その異種配列が、所望の特徴(例えば発現された組換え産物の安定化や、その精
製の簡略化)を付与するC−またはN−末端識別ペプチドを含む融合タンパク質
をコードしてもよい。この関連で好適な発現ベクターは、例えばOkayama
−Berg cDNA発現ベクターpcDV1(Pharmacia社)、pC
DM8、pRc/CMV、pcDNA1、pcDNA3(In−vitroge
n社)またはpSPORT1(GIBCO BRL社)など、当技術分野で知ら
れている。
【0029】 発現制御配列は、真核宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトできるベク
ター中の真核プロモーター系であることが好ましいが、原核宿主用の制御配列も
使用できる。
【0030】 上述のように、本発明のベクターは、遺伝子導入ベクターまたは遺伝子ターゲ
ティングベクターであってもよい。エクスビボ法またはインビボ法による細胞へ
の治療用遺伝子の導入に基づく遺伝子治療は、遺伝子導入の最も重要な応用の一
つである。インビトロまたはインビボ遺伝子治療に好適なベクターと方法は文献
に記述されており、当業者に知られている。例えば、Giordano,Nat
ure Medicine 2(1996),534−539;Schaper
,Circ.Res.79(1996),911−919;Anderson,
Science 256(1992),808−813;Isner,Lanc
et 348(1996),370−374;Muhlhauser,Circ
.Res.77(1995),1077−1086;Wang,Nature
Medicine 2(1996),714−716;WO94/29469;
WO97/00957またはSchaper,Current Opinion
in Biotechnology 7(1996),635−640と、そ
れらに引用されている文献を参照されたい。本発明のポリヌクレオチドとベクタ
ーは細胞に直接導入するように設計してもよいし、リポソームやウイルスベクタ
ー(例えばアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター)を使って導入す
るように設計してもよい。その細胞は生殖系列細胞、胚細胞または卵細胞または
そこから派生した細胞であることが好ましく、その細胞は幹細胞であることが最
も好ましい。
【0031】 さらに本発明は、本発明のベクターで形質転換された宿主に関する。
【0032】 適切な宿主には、トランスジェニック動物や、細菌、酵母細胞、動物(好まし
くは哺乳類)細胞、真菌細胞または昆虫細胞などの細胞が含まれる。トランスフ
ェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどの形質転
換プロトコールも当技術分野ではよく知られている。
【0033】 また本発明は、ウィークD表現型の一因となるリーサスD抗原を生産する方法
であって、本発明の宿主を適当な条件下に培養する工程、産生されたリーサスD
抗原を単離する工程を含む方法に関する。
【0034】 抗原は培養培地中に導出されることが好ましく、その場合はそれを慣例/方法
に従って集めることができる。本発明で使用する場合、「培養(する)」という
用語には、トランスジェニック動物の飼育も含まれる。適切なベクター構造と、
随意に適切な飼料とを使用することにより、例えばトランスジェニック乳牛の乳
から抗原を単離することなどができる。
【0035】 さらに本発明は、本発明の核酸分子によってコードされる、または本発明の方
法によって生産される、リーサスD抗原に関する。
【0036】 その抗原は、天然の抗原と同じように翻訳後修飾され、天然の抗原と同じ化学
構造を持つことが好ましい。したがって、本発明の方法によって生産される場合
、上記の抗原はヒト細胞で生産されることが好ましい。
【0037】 さらにまた、本発明は、ストリンジェントな条件で、上記少なくとも一つのミ
スセンス突然変異を含む本発明核酸分子の一部またはその相補部分にハイブリッ
ド形成する、もしくは上に同定した遺伝子変換の切断点にハイブリッド形成する
、オリゴヌクレオチドに関する。
【0038】 本発明のこの態様では、当該オリゴヌクレオチドは、突然変異配列または切断
点に直接ハイブリッド形成すると解される。ストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件の設定は、例えばSambrookら「Molecular Cl
oning, A Laboratory Handbook」(CSH Pr
ess,コールドスプリングハーバー,1989)やHamesおよびHigg
ins「Nucleic acid hybridization, a pr
actical approach」(IRL Press,オクスフォード(
1985))などに詳述されている。したがって、特異的にハイブリッド形成す
る配列の検出には、通常、0.1×SSC、0.1%SDS、65℃などのハイ
ブリダイゼーションおよび洗浄条件が必要だろう。よく知られているように、プ
ローブの長さと、決定しようとする核酸の組成は、ストリンジェントなハイブリ
ダイゼーション条件のさらなるパラメーターを構成する。本オリゴヌクレオチド
はデオキシヌクレオチドであることが好ましい。また、本オリゴヌクレオチドは
12〜50ヌクレオチド、好ましくは15〜24ヌクレオチドからなることが、
さらに好ましい。切断点へのハイブリダイゼーションは、ストリンジェントな条
件または非ストリンジェントな条件で行ないうる。非ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件の一例は、4×SSC、0.1%SDS中50℃でのハイ
ブリダイゼーションと洗浄である。
【0039】 さらに本発明は、本発明のリーサスD抗原に特異的に結合する抗体またはアプ
タマーに関する。
【0040】 本抗体は、チューブ、ゲル、固相での凝集技術や二次抗体を使うまたは使わな
い捕捉技術のような、当技術分野でよく知られている任意の血清学的技術や、免
疫蛍光強化法を使うまたは使わないフローサイトメトリーで、試験および使用で
きる。
【0041】 本発明の抗体はモノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗血清から得
られる抗体またはポリクローナル抗血清に含まれる抗体でもよい。本明細書で使
用する場合、「抗体」という用語には、その抗体の断片(例えばFab、F(a
b’)2、FvまたはscFv断片など)も含まれる。例えば、Harlowお よびLane「Antibodies,A Laboratory Manua
l」(CSH Press 1988,ニューヨーク州コールドスプリングハー
バー)を参照されたい。本抗体またはその断片は自然界に由来してもよいし、(
半)合成的に生産されてもよい。そのような合成産物には、本発明の抗体と同じ
または本質的に同じ結合特異性を有する半タンパク質物質として、非タンパク質
も含まれる。そのような産物は例えばペプチド模倣体(peptidemime
tics)によって得ることができる。
【0042】 さらに本発明は、野生型リーサスD抗原または異常Dリーサス抗原に特異的に
結合するが、本発明のリーサスD抗原には特異的に結合しない抗体またはアプタ
マーまたはファージに関する。本抗体は、チューブ、ゲルおよび固相法での凝集
技術や、捕捉技術、または免疫蛍光法を使うまたは使わないフローサイトメトリ
ーのような、当技術分野でよく知られている任意の血清学的技術で、試験および
使用できる。
【0043】 抗体またはアプタマーの定義、試験および起源については、上記と同じ定義が
ここにも当てはまる。
【0044】 「異常リーサスD抗原」という用語に関して、この用語には、RHD遺伝子と
、それに対応する抗原とに見出される先行技術のミスセンス突然変異および先行
技術の遺伝子変換が含まれる。
【0045】 「アプタマー」という用語は当技術分野ではよく知られており、例えばOsb
orneら,Curr.Opin.Chem.Biol.I(1997),5−
9や、StallおよびSzoka,Pharm.Res.12(1995),
465−483などに定義されている。
【0046】 さらにまた、本発明は、検体中の、ウィークD表現型の一因となるかそれを指
し示すリーサスD抗原をコードする核酸分子の存在について検査する方法であっ
て、本発明のオリゴヌクレオチド、またはウィークD表現型の一因となるかそれ
を指し示すリーサスD抗原をコードする核酸分子にハイブリッド形成するオリゴ
ヌクレオチド(ここに、該核酸分子は野生型リーサスD抗原と比較して少なくと
も一つのミスセンス突然変異を保持し、該ミスセンス突然変異は223位または
283位でのアミノ酸置換(223位ではPheからValへの置換が好ましく
、283位ではThrからIleへの置換が好ましい)を引き起こし、該ミスセ
ンス突然変異はヌクレオチド位置667または848で起こることがさらに好ま
しく、その場合、その突然変異は667位ではTからGへ、また848位ではC
からTへの突然変異であることが最も好ましい)を、ストリンジェントな条件で
、あるヒトから得た検体中に含まれる核酸分子にハイブリッド形成させる工程、
そのハイブリダイゼーションを検出する工程を含んでなる方法に関する。
【0047】 この本発明の方法は、上記ハイブリダイゼーションの産物を制限エンドヌクレ
アーゼで消化する工程か、上記ハイブリダイゼーションの産物を制限エンドヌク
レアーゼによる消化にさらし、その消化の産物を分析する工程を、さらに含むこ
とが好ましい。
【0048】 本発明のこの好ましい態様は、簡便な手段によって、効果的なハイブリダイゼ
ーションと、非効果的なハイブリダイゼーションの識別を可能にする。例えば、
野生型リーサスD抗原がエンドヌクレアーゼ制限部位を含む場合、そのハイブリ
ッド形成産物は適切な制限酵素によって切断され得るのに対し、突然変異配列は
二本鎖産物を与えないか、もしくは認識可能な制限部位を含まず、したがって切
断されないことになろう。もう一つの選択肢として、ハイブリッド形成するオリ
ゴヌクレオチドが突然変異配列だけにハイブリッド形成してもよい。この場合は
、突然変異配列を含むハイブリッドだけが、適切な制限酵素によって切断され、
野生型配列は切断されないことになる。消化産物の分析は、慣例の手段で、例え
ばゲル電気泳動(これは随意に、例えば臭化エチジウムなどによる核酸の染色と
組み合わせてもよい)などによって、達成できる。サザンブロット法などの他の
技術との組み合わせも考えられる。
【0049】 上記ハイブリダイゼーションの検出は、例えば抗DNA二本鎖抗体によって、
または標識オリゴヌクレオチドを使用することなどによって、達成できる。本発
明の方法は、サザンブロット法やノーザンブロット法などのブロット技術および
その関連技術と共に使用すると簡便である。標識は例えば標準的プロトコールで
達成でき、標識には放射活性マーカー、蛍光標識、燐光標識、化学発光標識、酵
素標識などによる標識が含まれる。
【0050】 さらに本発明は、検体中の、ウィークD表現型の一因となるかそれを指し示す
リーサスD抗原をコードする核酸分子の存在について検査する方法であって、本
発明の核酸分子の少なくとも一部〔ここに、該部分は上記ミスセンス突然変異ま
たは上記遺伝子変換の切断点またはウィークD表現型の一因となるかそれを指し
示すリーサスD抗原をコードする核酸分子(ここに、該核酸分子は野生型リーサ
スD抗原と比較して少なくとも一つのミスセンス突然変異を保持し、該ミスセン
ス突然変異は223位または283位でのアミノ酸置換(223位ではPheか
らValへの置換が好ましく、283位ではThrからIleへの置換が好まし
い)を引き起こし、該ミスセンス突然変異はヌクレオチド位置667または84
8で起こることがさらに好ましく、その場合、その突然変異は667位ではTか
らGへ、また848位ではCからTへの突然変異であることが最も好ましい)の
少なくとも1つをコードする〕の核酸配列を決定する工程を含んでなる方法に関
する。
【0051】 この本発明の方法は、上記の核酸配列を決定する工程の前に、上記核酸分子の
少なくとも上記部分の増幅工程を、さらに含むことが好ましい。
【0052】 増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって達成することが好ましい。
リガーゼ連鎖反応などの他の増幅法も使用してよい。
【0053】 さらにまた、本発明は、検体中の、ウィークD表現型の一因となるかそれを指
し示すリーサスD抗原をコードする核酸分子の存在について検査する方法であっ
て、増幅反応を行なう工程(ここに、その増幅反応で使用されるプライマーの少
なくとも一つは、本発明のオリゴヌクレオチドであるか、もしくはウィークD表
現型の一因となるリーサスD抗原をコードする核酸分子(ここに、該核酸分子は
野生型リーサスD抗原と比較して少なくとも一つのミスセンス突然変異を保持し
、該ミスセンス突然変異は223位または283位でのアミノ酸置換(223位
ではPheからValへの置換が好ましく、283位ではThrからIleへの
置換が好ましい)を引き起こし、該ミスセンス突然変異はヌクレオチド位置66
7または848で起こることがさらに好ましく、その場合、その突然変異は66
7位ではTからGへ、また848位ではCからTへの突然変異であることが最も
好ましい)にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドである)、その増幅産物
についてアッセイする工程を含む方法に関する。
【0054】 この本発明の方法は、標的配列がその突然変異または少なくとも一つの突然変
異を保持する場合、その標的配列のみの増幅をもたらすであろう。これは、その
オリゴヌクレオチドが、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件で、野生型配列にはハイブリッド形成せず(その結果、増幅産物は何も得ら
れない)、突然変異配列にのみハイブリッド形成するからである。当然、この本
発明の方法では、1つまたはそれ以上の、例えば2つの突然変異配列にハイブリ
ッド形成するプライマーオリゴヌクレオチドを使用してよい。後者の態様は、突
然変異の組み合わせについて検査する場合に、好都合だろう。全ての上記突然変
異が必ずしもミスセンス突然変異ではなく、もしくは全ての上記突然変異が必ず
しもミスセンス突然変異でないことに注意することが重要である。このことは、
他のタイプの突然変異が上記のミスセンス突然変異または上記の遺伝子変換と組
み合わせて見出される場合に、当てはまりうる。
【0055】 本発明の方法では、上記の増幅または増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)であるか、ポリメラーゼ連鎖反応によって達成されることが好ましい。リガ
ーゼ連鎖反応などの他の増幅法も使用してよい。
【0056】 さらに本発明は、検体中の、ウィークD表現型の一因となるかそれを指し示す
リーサスD抗原の存在について検査する方法であって、あるヒトから得られた検
体を、本発明の抗体またはアプタマーまたはファージへの、もしくはウィークD
表現型の一因となるかそれを指し示すリーサスD抗原であって、野生型リーサス
D抗原と比較して少なくとも一つのミスセンス突然変異を保持する核酸分子(該
ミスセンス突然変異は223位または283位でのアミノ酸置換(223位では
PheからValへの置換が好ましく、283位ではThrからIleへの置換
が好ましい)を引き起こし、該ミスセンス突然変異はヌクレオチド位置667ま
たは848で起こることがさらに好ましく、その場合、その突然変異は667位
ではTからGへ、また848位ではCからTへの突然変異であることが最も好ま
しい)によってコードされる抗原に対する抗体またはアプタマーまたはファージ
への、特異的結合についてアッセイする工程を含んでなる方法に関する。
【0057】 結合に関する検査は、やはり、ELISAなどの標準的技術の使用を伴いうる
。例えばHarlowおよびLane「Antibodies,A Labor
atory Manual」(CSH Press 1988,コールドスプリ
ングハーバー)を参照されたい。
【0058】 また本発明は、野生型リーサスD抗原の存在と本発明のリーサスD抗原の非存
在について検体を検査する方法であって、あるヒトから得た検体を、野生型リー
サスD抗原または異常Dリーサス抗原には特異的に結合するが本発明のリーサス
D抗原には特異的に結合しない本発明の抗体またはアプタマーまたはファージへ
の特異的結合についてアッセイする工程を含む方法に関する。
【0059】 本発明の方法に従って得られる結果は、上に概論したように、輸血の方策に利
用されるだろう。
【0060】 本発明の方法では、上記の検体は血液、血清、血漿、胎児組織、唾液、尿、粘
膜組織、粘液、膣組織、膣から得られる胎児組織、皮膚、毛髪、毛包または他の
ヒト組織であることが好ましい。
【0061】 さらにまた、本発明の方法は、胎児細胞の濃縮工程を含むことが好ましい。こ
の濃縮は、胎児細胞を特異的に結合する適切な抗体、レクチンまたは他の試薬を
使用することによって、または例えば密度勾配によるなどの、母体細胞と胎児細
胞の弁別的分離を図る任意の技術によって達成できる。また好ましくは、上記の
方法では、末梢血、血清または血漿などの材料組織から胎児DNAまたはmRN
Aを抽出できる(従来の方法に従うとよい)。
【0062】 本発明方法のもう一つの好ましい態様では、上記の検体に由来する上記の核酸
分子またはタンパク質材料が固体支持体に固定される。
【0063】 上記固体支持体はチップであることが好ましい。
【0064】 チップの利点は当技術分野ではよく知られており、ここで詳細に論じる必要は
ない。それらの利点には、サイズが小さいことと、コンピューターによる分析物
の分析を行いやすいことがある。
【0065】 さらにまた本発明は、ウィークリーサスD表現型の分析に、本発明の核酸分子
、またはウィークD表現型の一因となるかそれを指し示すリーサスD抗原をコー
ドする核酸分子(ここに、該核酸分子は野生型リーサスD抗原と比較して少なく
とも一つのミスセンス突然変異を保持し、該ミスセンス突然変異は223位また
は283位でのアミノ酸置換(223位ではPheからValへの置換が好まし
く、283位ではThrからIleへの置換が好ましい)を引き起こし、該ミス
センス突然変異はヌクレオチド位置667または848で起こることがさらに好
ましく、その場合、その突然変異は667位ではTからGへ、また848位では
CからTへの突然変異であることが最も好ましい)もしくはそれらの組み合わせ
の使用に関する。
【0066】 この分析は例えば上述した方法に基づいて達成できる。
【0067】 また本発明は、モノクローナル抗D抗体またはポリクローナル抗D抗血清もし
くは抗グロブリンまたは抗ヒトグロブリン抗血清もしくはそれらの製剤のアフィ
ニティー、アビジチーおよび/または反応性の評価のための、本発明の核酸分子
、本発明のベクターまたは本発明のリーサスD抗原の使用に関する。
【0068】 また本発明は、モノクローナル抗D抗体またはポリクローナル抗D抗血清もし
くは抗グロブリンまたは抗ヒトグロブリン抗血清もしくはそれらの製剤のアフィ
ニティー、アビジチーおよび/または反応性の評価のための、発端者から得た細
胞(好ましくは赤血球)の使用に関する。
【0069】 上記の製剤は当技術分野で周知の技術に従って提供できる。上記の製剤は、ア
ルブミンなどの安定化剤、さらにはアジ化ナトリウム、塩イオン、緩衝液などを
含んでもよい。製剤の処方は、当技術分野でよく知られているように抗体の結合
特性に影響を及ぼしうる。
【0070】 例えば、第一工程として、保因者または血液ドナーのリーサスD遺伝子とその
対立遺伝子状態を分析し、その遺伝子が、本発明に従って見出された突然変異を
含むかどうかを決定する。第二工程として、その突然変異を、赤血球表面の一定
のRhD抗原密度に相関させる。好都合なことに、この相関は、本発明で提供さ
れるデータ(例えば突然変異そのもの)と当技術分野で周知の技術(例えばJo
nesら(1996)やFlegelおよびWagner(1996)を参照さ
れたい)によって確立できる。第三工程として、反応性、感度、アフィニティー
、アビジチーおよび/または特異性などといった抗体または抗血清の特徴を、適
当な血液型血清学的技術により、好ましくは分子的にまたRhD抗原表面密度に
関して第2工程に記述したように特徴づけられた赤血球を使って、決定する。そ
のようなデータは、例えば品質管理や標準化などに使用できる。
【0071】 本発明は、モノクローナルおよびポリクローナル抗血清(好ましくは抗Dモノ
クローナル抗体または抗血清)の特徴づけ、標準化および品質管理に最も有用で
ある。さらに、例えば抗グロブリンおよび抗ヒトグロブリン抗血清を、本発明の
教示するところに基づいて特徴づけることができる。適切に特徴づけられた抗D
モノクローナル抗体は、RhD診断法に簡便に使用できる。例えば、適当に特徴
づけられたモノクローナル抗体は、血球表面のウィークD抗原密度を決定するの
に役立つだろう。診断に有用なモノクローナル抗体に関するカットオフ(Cut-of
f )値はこのように確立できる。このことは、RhD診断に使用される抗体の品
質管理にとって重要である。
【0072】 したがってまた本発明は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清も
しくはその製剤を特徴づける方法であって、 (a)発端者の検体の核酸を、本発明に従って定義されるような突然変異の存在
について検査する工程、 (b)RHD遺伝子の突然変異状態と対立遺伝子状態に基づいて、その核酸を、
上記発端者の赤血球の表面のRhD抗原密度と相関させる工程、 (c)上記モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくは上述したそ
の製剤を、RhD抗原をその表面に保持する細胞と反応させる工程、 (d)上記モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくは上述したそ
の製剤を、工程(c)で得た結果に基づいて特徴づける工程、 を含む方法に関する。
【0073】 「対立遺伝子状態(allelic status)」という用語に関して、
この用語は、発端者中のRHD対立遺伝子がホモ接合状態、ヘテロ接合状態また
はヘミ接合状態で存在する可能性を記述するものである。またこの用語は、2つ
の対立遺伝子が上に定義した2つの異なる突然変異(遺伝子変換を含む)を保有
する可能性も包含する。
【0074】 本発明の方法の好ましい態様では、上記の特徴づけに、反応性、感度、アビジ
チー、アフィニティー、特異性および/または抗体および抗血清の他の特徴が含
まれる。
【0075】 さらにまた、RhD抗原をその表面に保持する上記細胞が赤血球である方法が
好ましい。
【0076】 また本発明は、輸血を必要する患者にドナーから得たRhD陰性血液を輸血す
べきかどうかを判断する方法であって、その患者から得た検体を1つまたはそれ
以上の本発明のRhD抗原の存在について検査する工程を含み、それら抗原の少
なくとも1つについて陽性の検査結果であればRh陰性血液を輸血する必要が示
されるという方法に関する。本発明はヒトの輸血治療を考案する際に重大な意味
を持つ。例えば、患者がRhD陰性血液の輸血を実際に必要としているかどうか
、またはそのような予防策をとる必要がないかどうかを、簡便に検査できるよう
になる。
【0077】 野生型リーサスD抗原、異常D抗原または本発明の別のウィークD型の保因者
がウィークD表現型のある亜群によって輸血される場合、上述の方法によって決
定されるウィークD表現型の分子的に定義づけられるいくつかの亜群の赤血球の
輸血は免疫原性を示すかもしれない。そのような保因者(例えば血液ドナー)は
、当技術分野の既に確立された方法によって、または本発明で確立された方法に
よって決定でき、それに続いてウィークD表現型のいくつかの亜群の輸血を避け
ることができる。
【0078】 さらに本発明は、ドナーの血液が、輸血を必要とする患者への輸血に使用でき
るかどうかを判断する方法であって、そのドナーから得た検体を、1つまたはそ
れ以上の本発明のRhD抗原の存在について検査する工程を含み、それら抗原も
しくは少なくとも1つの抗原について陽性の検査結果であれば、野生型RhD抗
原またはそのドナーの(1つまたは複数の)ウィークD型以外の(1つまたは複
数の)ウィークD型を持つと型別される患者の輸血を排除するという方法に関す
る。
【0079】 本発明の方法に基づいて、ドナーとレシピエントの両方のウィークD抗原が完
全には同一でないのであれば、ドナーから得られるウィークD型血液による患者
の輸血は避けることが有益であり望ましい。
【0080】 上に挙げた方法で言及した検体は、例えば血液や血清など、本明細書のいたる
ところで挙げる検体であってよい。
【0081】 上に挙げた方法のいずれかに基づく患者の輸血に関する指針については、最適
でない輸血方針を避けるように最大限の注意を払わなければならない。主治医は
常に危険因子を考慮すべきである。その患者に関する潜在的危険はすべからく最
小限に抑えられるべきである。
【0082】 本発明は輸血方針について将来の方策を導く基準を確立するのにとりわけ好適
である。ウィークD表現型は、本発明が確立した分子的基準に従って、グループ
分けできる。上述の方法によって決定されるウィークD表現型の分子的に定義づ
けられるいくつかの亜群は、その保因者に野生型リーサスD抗原、異常D抗原ま
たは本発明の別のウィークD型を輸血した場合には、免疫化を起こしやすく、抗
Dを産生するかもしれない。そのような保因者は、本発明で確立された方法によ
って決定でき、引き続いて、赤血球、血小板および血漿血液単位などのリーサス
陰性血液成分で輸血できる。ウィークD表現型を持つ保因者の大半はリーサスD
陽性血輸血によってそのようにして免疫化されやすいとは現行の技術によってみ
なされておらず、それゆえに、彼等が本発明に従って明瞭なウィークD型に分類
されることから、本発明が確立した手段によって、それらの保因者にリーサスD
陽性を安全に輸血できる。
【0083】 また本発明は、本発明で特徴づけられるようなファージ、アプタマー、モノク
ローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくはそれらの製剤の、RhD抗原
決定への使用に関する。
【0084】 上記の使用の好ましい態様では、上記のRhD抗原決定が血液型の決定との関
連で達成される。
【0085】 さらにまた本発明は、本発明の抗体またはアプタマーまたはファージを含む製
剤に関する。
【0086】 本発明によって定義づけられるウィークD型は、一定のRhDエピトープおよ
びRhD抗原密度(すなわち赤血球表面に発現された1細胞あたりのRhD抗原
数)と相関する(FlegelおよびWagner 1996)(数例から得ら
れたデータをTable8に記載する)。抗体とその製剤は、1つまたはそれ以
上の本発明のウィークD型を使って、任意の標準的血液型血清学技術で検査でき
る。反応性、感度、アビジチー、アフィニティー、特異性および/または当技術
分野で知られている抗体および抗血清の他の特徴は、当技術分野で周知の標準的
血液型血清学技術で、所定の条件下に、1つまたはそれ以上の本発明のウィーク
D型との反応によって決定できる。本製剤は診断用製剤または医薬製剤でありう
る。
【0087】 本発明の医薬組成物は薬学上許容できる担体および/または希釈剤をさらに含
みうる。好適な医薬担体の例は当技術分野でよく知られており、リン酸緩衝食塩
溶液、水、油/水型エマルションなどのエマルション、様々なタイプの湿潤剤、
滅菌溶液などがある。そのような担体を含む組成物は、周知の従来法で調剤でき
る。これらの医薬組成物は適当な用量で対象に投与できる。適当な組成物の投与
は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、皮内、鼻腔内または気管支内投与な
ど、様々な方法で達成しうる。投与計画は、担当医と臨床上の因子によって決定
されるだろう。医療技術の分野ではよく知られているように、ある患者に関する
投薬量は、その患者の大きさ、体表面積、年齢、投与しようとする化合物、性別
、投与の時間と経路、身体全体の健康、同時に投与されている他の薬物など、多
くの因子に依存する。典型的用量は例えば0.001〜1000μgの範囲にあ
りうるが、この典型的範囲より低いまたは高い用量も特に上述の因子を考慮する
と考えられる。一般的には、本医薬組成物の通常の投与としての投薬計画は、1
日あたり1μgから10mg単位の範囲にあるべきである。その投薬計画が持続
注入である場合は、それぞれ体重1kgあたり毎分1μg〜10mg単位の範囲
にもあるべきである。経過は定期的評価によって監視できる。本発明の組成物は
局所的にも全身的にも投与できる。投与は一般的には非経口的投与、例えば静脈
内投与になるだろうが、DNAは標的部位に直接的に、例えば内部または外部標
的部位への微粒子銃(バイオリスティック)送達や、動脈内部位へのカテーテル
などによっても投与できる。非経口投与用の製剤には、滅菌した水性または非水
性の溶液、懸濁液およびエマルションがある。非水性溶媒の例はプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、オレイン酸エチル
などの注射可能な有機エステルである。水性担体には、食塩水や緩衝媒質などの
水、アルコール/水溶液、エマルションまたは懸濁液がある。非経口用賦形剤に
は、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースと塩化ナト
リウム、乳酸加リンゲル、不揮発性油などがある。静脈内用賦形剤には、水分お
よび栄養補給剤、電解質補給剤(例えばリンゲルデキストロースに基づくもの)
などがある。例えば抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどの保存
剤と他の添加物が存在してもよい。さらに本発明の医薬組成物は、インターロイ
キンやインターフェロンなどの薬剤を、その医薬組成物の使用目的に応じて含ん
でもよい。
【0088】 抗体とその製剤は、一定のRhDエピトープ密度を持つ表面に対するその反応
または反応の欠如によって特徴づけることができる。例えば抗体製剤は1細胞あ
たり1,000個のRhD抗原(品質管理の目的に合わせて慎重に選ばれたRh
D抗原密度)を持つ赤血球を凝集させることを特徴としうる。
【0089】 また本発明は、妊婦がリーサスD陰性であるか上に定義した突然変異に関して
ヘミ接合体であって、その子供がリーサスD陽性であるか上に定義した別の突然
変異をヘミ接合状態で保持する場合に、その妊婦に抗Dを投与する工程を含む、
その妊婦の治療に関する。
【0090】 リーサス陰性の母親がRhD陽性の胎児を妊娠している場合、妊婦は現在、抗
D予防処置を受けうる。本発明は、抗D予防の必要性を、母親および/または胎
児の本発明RhDタンパク質の保有状態に応じて識別することを可能にする。1
つまたはそれ以上の本発明RhDタンパク質は、それらの保因者の免疫化を起こ
しやすく、それゆえに、その母親の治療が指示されるだろう。同様に、1つまた
はそれ以上の本発明のRhDタンパク質は、胎児がそれを保持する場合は、母親
にとって低い免疫原性を示すことがわかる場合があり、それゆえに、現在の臨床
治療に反して抗D予防の省略が指示されるだろう。
【0091】 投与は、担当医によって決定されうる標準的な経路と用量で行なうことができ
る(Mollison,1993)。静脈内投与または筋肉内投与については、
モノクローナル抗Dまたはモノクローナル抗Dの組み合わせ/混合物を、抗D抗
体/抗血清50μg〜500μgまたはそれ以上の用量で投与することが好まし
い(Bowman,1998)。これら抗D抗体/抗血清の品質管理には、本発
明が提供する結果と方法を有利に使用できる。
【0092】 また本発明は、本発明のあるウィークDポリペプチドに特異的に結合する抗体
H鎖もしくはVL鎖またはそれらの組み合わせ、もしくはアプタマーを同定する
方法であって、 (a)本発明のウィークDポリペプチドを、ファージ表面にVH鎖もしくはVL
またはそれらの組み合わせをディスプレイ(displaying)しているファージライ
ブラリーか、アプタマーと接触させる工程、 (b)上記のウィークDポリペプチドに結合するファージまたはアプタマーを同
定する工程;ならびに随意に、 (c)工程(a)と(b)を1回以上繰返す工程を含む方法に関する。
【0093】 ファージライブラリーの調製と所望の抗体(鎖)のスクリーニング/同定自体
は当技術分野でよく知られており、例えばWinterら「Ann.Rev.I
mmunol.12(1994),433−455とそこに引用されている文献
に概説されている。またアプタマーも、従来のプロトコールに従って調製し、フ
ァージにクローニングできる。単独のVHまたはVL鎖が本発明のウィークDポリ
ペプチドに結合することを本発明の方法により確認してもよいのだが、ファージ
によって発現されるVH−VLの組み合わせを同定することが好ましい。なぜなら
、この状況は天然抗体の結合状況に似ているからである。工程(a)と(b)を
1回以上繰返すことにより、より良い結合特異性が確認されうる。アフィニティ
ーなどの結合特性を最適化するためのプロトコールは、結合したファージを除去
するための溶出工程を含めて、当技術分野では確立されている。例えば、いった
ん好都合な結合能を持つVH鎖が見つかったら、例えば最初の選択工程でそのVH 鎖と会合していたVL鎖をより好適なVL鎖で置き換えることによって、抗体の結
合能を有意に向上させるVL鎖を同定できる。
【0094】 また本発明は、本発明のあるウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合す
るモノクローナル抗体を同定する方法であって、 (a)本発明のウィークDポリペプチドを、1つまたはそれ以上のモノクローナ
ル抗体と接触させる工程、 (b)上記のウィークDポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を同定する
工程;ならびに随意に、 (c)工程(a)と(b)を1回以上繰返す工程を含む方法に関する。
【0095】 また本発明は、本発明のあるウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合す
る抗体VH鎖もしくはVL鎖またはそれらの組み合わせもしくはアプタマーを同定
する方法であって、 (a)そのウィークDポリペプチドと、 (aa)第2のまたはそれ以上のウィークDウィークDポリペプチド、および/
または、 (ab)正常リーサスDポリペプチド (ここに、上記第2のまたはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/または
正常リーサスDポリペプチドは、(a)のウィークDポリペプチドより高いか、
それに等しいか、またはそれより低いモル量(molar mass)で存在する) を、そのファージ表面にVH鎖もしくはVL鎖またはそれらの組み合わせをディス
プレイしているファージライブラリーか、アプタマーと接触させる工程、 (b)上記(a)のウィークDポリペプチドに結合するファージまたはアプタマ
ーを同定する工程;ならびに随意に、 (c)工程(a)と(b)を1回以上繰返す工程を含む方法に関する。
【0096】 工程(ab)では、上記第2のウィークDポリペプチドと正常リーサスDポリ
ペプチドのモル量が(a)のウィークDポリペプチドのモル量よりも高いことが
、とりわけ好ましい。
【0097】 同定のために選択を1回だけ使用する場合(すなわち工程(c)を適用しない
場合)、(a)のウィークDポリペプチド分子の数は、ファージ粒子の数に対し
てモル過剰であることが好ましい。先に記述した抗体VH鎖もしくはVL鎖または
それらの組み合わせ、もしくはアプタマーを同定する方法の好ましい態様は、本
発明のこの態様にも同様に当てはまる。
【0098】 また本発明は、本発明のあるウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合す
るモノクローナル抗体を同定する方法であって、 (a)そのウィークDポリペプチドと、 (aa)第2のまたはそれ以上のウィークDポリペプチド、および/または、 (ab)正常Dポリペプチド (ここに、上記第2のまたはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/または
正常Dポリペプチドは、(a)のウィークDポリペプチドより高いか、それに等
しいか、またはそれより低いモル量で存在する) を、1つまたはそれ以上のモノクローナル抗体と接触させる工程、 (b)上記(a)のウィークDポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を同
定する工程;ならびに随意に、 (c)工程(a)と(b)を1回以上繰返す工程を含む方法に関する。
【0099】 上記のウィークDポリペプチドは細胞の表面に露出していることが好ましい。
適当な表面は赤血球の表面である。しかし、他の宿主細胞をそのウィークDポリ
ペプチドの発現に適したベクターでトランスフェクトして、それをその表面に発
現させてもよい。抗体は、ウィークDの組換えタンパク質またはウィークDのタ
ンパク質の一部および精製タンパク質にも結合しうる。
【0100】 本ポリペプチドまたは宿主細胞は固体支持体に固定することがさらに好ましい
。固体支持体の好適例はマイクロタイタープレートやビーズである。
【0101】 さらに好ましいアンチボディ(antibody)では、工程(b)または(c)の後
に、下記の工程を行なう: (d)VHまたはVL鎖のアミノ酸配列を同定し、かつ/または、そのアミノ酸配
列をコードする核酸配列を同定する工程。
【0102】 アミノ酸/核酸配列の同定は従来のプロトコールに従って達成できる。例えば
前述のSambrookらを参照されたい。
【0103】 最後に、本発明は、 (a)本発明のオリゴヌクレオチド;および/または、 (b)本発明の抗体; (c)本発明のアプタマー;および/または、 (d)本発明のファージ、 を含んでなるキットに関する。
【0104】 上述した様々なタイプの抗体を含みうる本発明のキットは、ヒトから得た検体
中のウィークDの分析にとりわけ好適である。本キットの構成要素は適宜包装し
てよい。好ましくは、異なる構成要素は異なるバイアルに包装する。
【0105】 本明細書で言及した文書の開示内容は参照によりここに組み込まれるものとす
る。
【0106】 以下の実施例で本発明を例証する。
【0107】 実施例:ウィークD表現型の検体の分子分析 10個のRHDエキソンとそれらのスプライス部位のRHD特異的配列決定法
を開発した(Table1と2)。逐次分析法で、抗原Dの弱い発現を持つ血液
検体をこの方法、PCR−RFLP(Table3)およびRHD PCR−S
SP(Gassnerら,1997)で調べた。そのために、既述の如く(Wa
gnerら,1995)、EDTAまたはクエン酸塩で抗凝固処理した血液検体
が白人ドナーから集められ、公開された基準(「DUテスト」)(Wissen schaftlicher Beirat der Bundesaerzte
kammer and Bundesgesundheitsamt(ドイツ連
邦医師会および連邦衛生局の学術的助言)1992)に準じたドナー型別でウィ
ークDと特徴づけられた。DカテゴリーVI検体はこの研究からは除外した。
【0108】 ウィークD表現型中のRHDのコード配列。ゲノムDNAからの10個のRH
Dエキソンの配列決定。DNAは以前記述したように調製した(Gassner
ら,1997)。ヌクレオチド配列決定はDNA配列決定ユニットを使って行な
った(PrismダイターミネーターサイクルシークエンシングキットとAmp
liTaq FS DNAポリメラーゼ;ABI 373A、Applied
Biosystems社(ドイツ・バイテルシュタット))。10個のRHDエ
キソンの全てとプロモーターの一部(下記参照)に相当するゲノムDNAの区間
のヌクレオチド配列決定は、プライマー(Table1)とサブクローニング工
程を不要にする増幅法(Table2)を使って達成した。
【0109】 RHD特異性の対照。RHDの第3〜第7および第9エキソンは少なくとも1
つのRHD特異ヌクレオチドを持ち、それらを使って各配列がRHD由来である
ことを確認した。第1エキソンについては、第1イントロンの隣接部分にある特
徴的ヌクレオチドを使用した(EMBLヌクレオチド配列データベースのアクセ
ッション番号Z97362とZ97363)。第8と第9エキソンは単一のPC
Rアンプリコンとして増幅されるので(Table2)、第8エキソンについて
は、PCR増幅のRHD特異性を、情報源となる第9エキソンのRHD非特異的
配列決定によってチェックした。第2と第10エキソンは、使用した公表済RH
D特異ヌクレオチド配列(EMBLヌクレオチド配列データベースのアクセッシ
ョン番号U66340とU66341;Kempら,1996;Le Van
Kimら,1992)に基づいてRHD特異的に増幅され(表2)、RhD陰性
対照ではPCRアンプリコンは得られなかった。正常D検体とウィークD検体は
すべて654位にG(Arceら,1993)と1036位にC(Le Van
Kimら,1992)を示し、これらの代わりに記述されていたそれぞれC(
Le Van Kimら,1992)とT(Arceら,1993)は配列決定
エラーであるという意見(Cartron,1996)を裏付けた。
【0110】 PCR−RFLPとPCR−RFLPによるウィークD特異的突然変異の検出
。PCR−RFLPとRH PCR−SSP(Gssnerら,1997)を開
発または応用して、5つのRHD対立遺伝子に検出された別個のヌクレオチド置
換を特徴づけた(Table3と4も参照されたい):8位でのCからGへの置
換は、re01とre11dで得られるアンプリコン中のSacI制限部位の喪
失をもたらした(29位でのGからA、MspI部位の喪失、re01/re1
1d;446位でのCからA、AluI部位の喪失、rb20d/rb21d、
809位でのTからG、Alw44I部位の喪失、rf51/re71;115
4位でのGからC、AluI部位の導入、re82/re93)。rf51/r
e71 PCR反応の条件はTable2に示すとおりである。rb20d/r
b21d反応は非校正機構付(non-proofreading)Taqポリメラーゼ(Boe
hringer Mannheim社またはQiagen社)を使って、94℃
で20秒の変性、60℃で30秒のアニーリングおよび72℃で30秒の伸長に
よって行なった。他のPCR反応は非校正機構付Taqポリメラーゼを使って、
94℃で20秒の変性、55℃で30秒のアニーリングおよび72℃で1分間の
伸長によって行なった。
【0111】 さらに4つのRHD対立遺伝子を、標準的なRH PCR−SSP15によって
検出した。RHD(T201R,F223V)対立遺伝子とRHD(S182T
,K198N,T201R)対立遺伝子はRHDの第4エキソンに特異的なアン
プリコンを欠き、RHD(G307R)対立遺伝子とRHD(A276P)対立
遺伝子はRHDの第6エキソンに特異的なアンプリコンを欠いた。他のウィーク
D型はいずれについても、点突然変異の確実性を、独立したPCRアンプリコン
のヌクレオチド配列決定によってチェックした。
【0112】 DIVIII型中の第6〜第9エキソンの配列決定。RHCEとRHDに特異的
なプライマーを使って、DIVIII型の第6〜第9エキソンを増幅し、配列決定
した。それゆえに、プライマーre71(Table2)をプライマーrb7で
置き換え、またプライマーre621をrb26で、プライマーre52をre
74で置き換えた。
【0113】 アミノ酸置換をコードする別個のヌクレオチド変化を持つ16種類のRHD対
立遺伝子が同定された(Table4)。一つの対立遺伝子は典型的な、まだ未
公表のRHD−CE−D雑種対立遺伝子(ここにDIVIII型という)に相当し
た。もう一つの対立遺伝子はDHMiだった(Liuら,1996)。残り14
種類の対立遺伝子のうち、12種類は単一の、しかし全く異なる、今までに知ら
れていないミスセンス突然変異を示した。コードされている変異アミノ酸はいず
れも、RhCEタンパク質中の対応する位置には見出されなかった。2種類の対
立遺伝子は、RHCE遺伝子に特有の複数ヌクレオチド変化を示し、それらはR
HD特異配列の間に散在していた。
【0114】 白人におけるウィークD対立遺伝子の分布。抗原Dの発現が弱い161検体か
らなる一セットを、ドイツ南西部のランダムな血液ドナーから選んだ。Dカテゴ
リーVI検体は血清学的方法で排除したが、他のパーシャルDは排除しなかった
。したがって3つの検体が既知のパーシャルD(DHMi(Liuら,1996
)とDカテゴリーIV(Lomasら,1989))に相当した。例外なくすべ
ての検体を、異常コード配列を持つ別個のRHD対立遺伝子に割り当てることが
できた(Table5)。本発明の目的のために、これら新しい分子ウィークD
型は、慣用名(例えばウィークD1型)で呼ぶか、それらの分子構造(例えばR
HD(V270G))で呼ぶべきだと提案する。ウィークD1型は、異常コード
配列を持つ最も頻繁に出現する既知のRHD対立遺伝子(f=1:277)であ
り、DVII対立遺伝子頻度さえ上回る(Wagnerら,1997)。
【0115】 ウィークD対立遺伝子中のアミノ酸置換は密集している。単一ミスセンス突然
変異を持つウィークD型中に観察されるアミノ酸置換はRhDタンパク質中に均
等には分布していなかった(Fig.1)。置換の大半はアミノ酸位置267〜
397の領域で起こっていた。ウィークD対立遺伝子には、2〜13位、149
位および179〜225位(ウィークD4型および14型)付近のRhDタンパ
ク質のより小さい部分にも単一または複数(multiple)のアミノ酸置換が見つか
った。最新のRhDループモデルによると、関与するアミノ酸は膜貫通タンパク
質セグメントと細胞内タンパク質セグメントに位置していた。
【0116】 正常RhD表現型対照とRHDプロモーター。正常RhD表現型を持つ6つの
対照検体は、10個のRHDエキソンのRHD特異的配列決定によって、正常な
RhDタンパク質配列を示した。RHDプロモーター中の突然変異を調べるため
に、プライマー対rb13とrb11dを使って675bp領域を増幅した(T
able2)。プロモーター領域は、プライマーre02とre01を使って、
開始コドンの第1ヌクレオチドに対して−545位のヌクレオチドから配列決定
した。各ウィークD型、DHMiとDIVIII型について一つの検体を使用した
。公表されたRHDプロモーター配列(Huang,1996)からの逸脱は見
つからなかった。
【0117】 ミスセンス突然変異がウィークD表現型を引き起こしうることの統計学的証拠
。ウィークD検体(158検体中158)と正常D検体(6検体中0)中の変異
RhDタンパク質の頻度は、統計学的に有意に相違した(p<0.0001、2
×2分割表、フィッシャーの正確検定)。ウィークD表現型中の正常RhDコー
ド配列は1.9%未満で見出されると予測された(95%信頼区間の上限、ポア
ソン分布)。さらに、これらのアミノ酸置換がランダムヌクレオチド変異を反映
したものに過ぎないという可能性は、次の2つの観察から排除された。(i)R
HD遺伝子の417コドンには、2766種類のミスセンス突然変異と、919
種類のサイレント突然変異が起こりうる。仮にウィークD対立遺伝子中のヌクレ
オチド変化がランダムだとすると、サイレント突然変異は0.249の頻度で期
待される。ウィークD対立遺伝子中の合計18の突然変異のうち、サイレント突
然変異は一つ観察された(p=0.039、二項分布)。ナンセンス突然変異は
RhD発現を妨げると仮定して(Aventら,1997b)、この計算から除
外した。(ii)1251bpのコード配列と545bpの非コード配列に相当
する1796bpのRHD遺伝子が配列決定された。仮にヌクレオチド変異がラ
ンダムだとすると、ウィークD対立遺伝子の非コード配列中でのそれらの出現は
0.303の頻度で期待される。しかし18個の突然変異はすべてコード配列中
にあった(p=0.005、二項分布)。
【0118】 ハプロタイプ特異的なRHD多形。第3と第6イントロンを分析した。RFL
PでRHDの第3イントロンを調べるために、第3イントロンの3’部分をRH
D特異的プライマー対rb46とrb12を使って増幅し、そのPCR産物をH
aeIIIで消化した。RHDの第6イントロン中のTATTタンデムリピート
を調べるために、全長の第6イントロンをRHD特異的プライマー対rf51と
re71およびプライマーrg62を使って増幅し、配列決定に使用した。
【0119】 CDeおよびcDEハプロタイプの一般的RHD対立遺伝子の間で異なる多形
RHD配列が検出された(Table6)。RHDの第3イントロンには、第3
イントロン/第4エキソン連結点に対して−371位にあるHaeIII−RF
LPを決定するG/C多形があった。RHDの第6イントロンには、第6エキソ
ンの1915bp 3’側から始まる可変的な長さのTATTタンデムリピート
があった。CDeハプロタイプの一般的RHD対立遺伝子には、HaeIII制
限部位が存在し、TATTリピート領域が9回の反復からなっていた。cDEハ
プロタイプの一般的RHD対立遺伝子にはHaeIII制限部位がなく、TAT
Tリピート領域が8回の反復からなっていた。ウィークD対立遺伝子は、第3と
第6イントロン中のこれらの多形に関して、ウィークD4型が13回のTATT
リピートを示したというただ一つの例外を除いて、同じRHハプロタイプの一般
的対立遺伝子と同一だった。ウィークD対立遺伝子は異なるRHハプロタイプ中
で独立して発生したと結論された。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【表8】
【0128】
【表9】
【0129】
【表10】
【0130】 参照文献 Agre, P. C., Davies, D. M., Issitt, P. D., Lamy, B. M., Schmidt, P. J.,
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【図面の簡単な説明】
【図1】 Figure1。単一ミスセンス突然変異を持つウィークD型にみられるアミ
ノ酸変異の略図。一般的正常RhDタンパク質の、変異を受けたアミノ酸と、そ
れらの位置を上部に示す。ウィークD型に見出されるそれらの置換を線の下に示
す。
【図2】 Figure2。RHD遺伝子の一般的対立遺伝子のcDNAヌクレオチド配
列と予想アミノ酸配列。AventらによってEMBLヌクレオチド配列データ
ベースにアクセッション番号X54534として寄託され、その説明に注記され
ているように改変(1,036位のC)されたコンセンサス配列を示す。ヌクレ
オチドとアミノ酸の位置は、それぞれ配列の上と下の数字で示す。
【図3】 Figure3。RHCE遺伝子とRHD遺伝子の第5イントロンの一部。R
HCE遺伝子のヌクレオチド配列を示す。数字は、RHCE遺伝子の第5エキソ
ンの第1塩基に対する相対的位置を示す。ダッシュ記号は、RHCE遺伝子と同
一なRHD遺伝子中のヌクレオチドを表す。DカテゴリーIV III型に特有
な遺伝子変換の5’切断点領域(178bp)を星印で示す。全第5イントロン
のヌクレオチド配列はEMBL/Genbankにアクセッション番号Z973
33(RHCE)およびZ97334(RHD)として寄託されている。
【図4】 Figure4。PCR−RFLPによるウィークD型の検出。4つのウィー
クD型が、制限部位を消滅させる点突然変異を含んでいた。すなわち、ウィーク
D1型はAlw44部位を(A欄)、ウィークD3型はSacI部位を(C欄)
、ウィークD4型はAluI部位を(D欄)、そしてウィークD6型はMspI
部位を(E欄)、それぞれ欠いている。第五のウィークD型では点突然変異が制
限部位を導入していた。すなわち、ウィークD2型はAluI部位を獲得してい
た(B欄)。ゲルの左側には100bpラダーを示し、500bp断片と100
bp断片の位置を各欄の右側に示す。A欄のPCR反応については、およそ3,
000bpの最も大きい制限断片を示してしない。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月17日(2000.4.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】 適切な宿主には、トランスジェニック非ヒト動物や、細菌、酵母細胞、動物(
好ましくは哺乳類)、真菌細胞または昆虫細胞などの細胞が含まれる。トランス
フェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどの形質
転換プロトコールも当技術分野ではよく知られている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 C12Q 1/02 21/08 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/566 1/68 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/566 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野生型リーサスD抗原と比較して膜貫通領域および/または
    細胞内領域に少なくとも1つのミスセンス変異を有する、ウィークD表現型の一
    因となるまたはウィークD表現型を示すリーサスD抗原をコードする核酸分子。
  2. 【請求項2】 ウィークD表現型の一因となるまたはウィークD表現型を示
    すリーサスD抗原をコードする核酸分子であって、 (a)前記D抗原が、バリンによる223位のアミノ酸のフェニルアラニンの置
    換またはイソロイシンによる283位のトレオニンの置換に導く単一のミスセン
    ス変異を有さない条件の下で、野生型リーサスD抗原と比較して、2位〜16位
    、114位〜149位、179位〜225位または/および267位〜397位
    のアミノ酸に少なくとも1つのミスセンス変異を有する;あるいは (b)RHCE遺伝子の対応するエキソンにより置き換わる第6〜第9エキソン
    にかかわる遺伝子変換を有する、核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記ミスセンス変異が3位、10位、16位、114位、1
    49位、182位、198位、201位、220位、223位、270位、27
    6位、277位、282位、294位、295位、307位、339位、385
    位および393位のアミノ酸置換または前記置換の組み合わせ/または前記置換
    を含む置換を生ずるものである請求項1または2記載の核酸分子。
  4. 【請求項4】 3位の前記アミノ酸置換がSerからCysであり、10位
    の前記アミノ酸置換がArgからGlnであり、16位の前記アミノ酸置換がT
    rpからCysであり、114位の前記アミノ酸置換がArgからTrpであり
    、149位の前記アミノ酸置換がAlaからAspであり、182位の前記アミ
    ノ酸置換がSerからThrであり、198位の前記アミノ酸置換がLysから
    Asnであり、201位の前記アミノ酸置換がThrからArgであり、220
    位の前記アミノ酸置換がTrpからArgであり、223位の前記アミノ酸置換
    がPheからValであり、270位の前記アミノ酸置換がValからGlyで
    あり、276位の前記アミノ酸置換がAlaからProであり、277位の前記
    アミノ酸置換がGlyからGluであり、282位の前記アミノ酸置換がGly
    からAspであり、294位の前記アミノ酸置換がAlaからProであり、2
    95位の前記アミノ酸置換がMetからIleであり、307位の前記アミノ酸
    置換がGlyからArgであり、339位の前記アミノ酸置換がGlyからGl
    uであり、385位の前記アミノ酸置換がGlyからAlaであり、および39
    3位の前記アミノ酸置換がTrpからArgである、請求項3記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記ミスセンス変異が8位、29位、48位、340位、4
    46位、544位、594位、602位、658位、667位、809位、81
    9位、826位、830位、845位、880位、885位、919位、101
    6位、1154位または1177位のヌクレオチドまたは前記位置の組み合わせ
    に生ずるものである、請求項1〜4いずれか1つに記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 8位の前記ミスセンス変異がCからGであり、29位の前記
    ミスセンス変異がGからAであり、48位の前記ミスセンス変異がGからCであ
    り、340位の前記ミスセンス変異がCからTであり、446位の前記ミスセン
    ス変異がCからAであり、544位の前記ミスセンス変異がTからAであり、5
    94位の前記ミスセンス変異がAからTであり、602位の前記ミスセンス変異
    がCからGであり、658位の前記ミスセンス変異がTからCであり、667位
    の前記ミスセンス変異がTからGであり、809位の前記ミスセンス変異がTか
    らGであり、819位の前記ミスセンス変異がGからAであり、826位の前記
    ミスセンス変異がGからCであり、830位の前記ミスセンス変異がGからAで
    あり、845位の前記ミスセンス変異がGからAであり、880位の前記ミスセ
    ンス変異がGからCであり、885位の前記ミスセンス変異がGからTであり、
    919位の前記ミスセンス変異がGからAであり、1016位の前記ミスセンス
    変異がGからAであり、1154位の前記ミスセンス変異がGからCであり、お
    よび1177位の前記ミスセンス変異がTからCである、請求項5記載の核酸分
    子。
  7. 【請求項7】 前記置換の組み合わせが、182位、198位および201
    位であり、好ましくはS182T、K198N、T201Rであり、または20
    1位および223位であり、好ましくはT201RおよびF223Vであり、ま
    たは16位、201位および223位であり、好ましくはW16C、T201R
    およびF223Vである、請求項3または4記載の核酸分子。
  8. 【請求項8】 前記ミスセンス変異の組み合わせが、544位、594位お
    よび602位を含んでなるものであり、好ましくは544位でのT→A、594
    位でのA→Tおよび602位でのC→Gであり、または602位、677位およ
    び819位を含んでなるものであり、好ましくは602位でのC→G、667位
    でのT→Gおよび819位でのG→Aであり、または48位、602位、667
    位および819位を含んでなるものであり、好ましくは48位でのG→C、60
    2位でのC→G、667位でのT→Gおよび819位でのG→Aである、請求項
    5または6記載の核酸分子。
  9. 【請求項9】 mRNAまたはゲノムDNAである請求項1〜8いずれか1
    つに記載の核酸分子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1つに記載の核酸分子を含有してな
    るベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のベクターで形質転換した宿主。
  12. 【請求項12】 好適な条件下に請求項11記載の宿主を培養する工程およ
    び産生されたリーサスD抗原を単離する工程を含む、ウィークD表現型の一因と
    なるリーサスD抗原の生産方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9いずれか1つに記載の核酸分子によりコード
    されるまたは請求項12記載の方法により生産されるリーサスD抗原。
  14. 【請求項14】 ストリンジェントな条件下に、前記少なくとも1つのミス
    センス変異を含んでなる請求項1〜9いずれか1つに記載の核酸分子の一部また
    はその相補的な部分にハイブリダイズする、または請求項2において規定される
    遺伝子変換の切断点にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 請求項13記載のリーサスD抗原に特異的に結合する抗体
    またはアプタマーまたはファージ。
  16. 【請求項16】 請求項13記載のリーサスD抗原に特異的に結合しないが
    、野生型リーサスD抗原または異常型リーサスD抗原に特異的に結合する抗体ま
    たはアプタマーまたはファージ。
  17. 【請求項17】 請求項14記載のオリゴヌクレオチド、または野生型リー
    サスD抗原と比較して、少なくとも1つのミスセンス変異を有するものであり、
    前記ミスセンス変異が223位または283位にアミノ酸置換を生ずるものであ
    って、223位において好ましくはPheからValであり、かつ283位にお
    いて好ましくはThrからIleであり、前記ミスセンス変異がさらに好ましく
    は667位または848位のヌクレオチドに生ずるものであって、最も好ましく
    は667位における前記変異がTからGであり、かつ848位における前記変異
    がCからTである、ウィークD表現型の一因となるもしくはウィークD表現型を
    示すリーサスD抗原をコードする核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオ
    チドを、ストリンジェントな条件下に、ヒトから得られた検体に含まれる核酸分
    子にハイブリダイズする工程ならびに前記ハイブリダイゼーションを検出する工
    程を含む、検体におけるウィークD表現型の一因となるリーサスD抗原をコード
    する核酸分子の存在について検査する方法。
  18. 【請求項18】 制限エンドヌクレアーゼにより前記ハイブリダイゼーショ
    ンの産物を消化する工程ならびに前記消化の産物を解析する工程をさらに含む請
    求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜9いずれか1つに記載の核酸分子の少なくとも
    一部の核酸配列を決定する工程を含み、前記部分が前記ミスセンス変異または前
    記遺伝子変換の切断点またはウィークD表現型の一因となるリーサスD抗原をコ
    ードする核酸分子の少なくとも1つをコードするものであり、前記核酸分子が野
    生型リーサスD抗原と比較して少なくとも1つのミスセンス変異を有するもので
    あり、前記ミスセンス変異が223位または283位にアミノ酸置換を生ずるも
    のであって、223位において好ましくはPheからValであり、かつ283
    位において好ましくはThrからIleであり、前記ミスセンス変異がさらに好
    ましくは667位または848位のヌクレオチドに生ずるものであって、最も好
    ましくは667位における前記変異がTからGであり、かつ848位における前
    記変異がCからTである、検体におけるウィークD表現型の一因となるまたはウ
    ィークD表現型を示すリーサスD抗原をコードする核酸の存在について検査する
    方法。
  20. 【請求項20】 前記核酸配列を決定する工程の前に、前記核酸分子の少な
    くとも前記部分を増幅する工程をさらに含む請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 増幅反応を行なう工程ならびに増幅産物をアッセイする工
    程を含み、前記増幅反応において使用するプライマーの少なくとも1つが請求項
    14記載のオリゴヌクレオチドまたはウィークD表現型の一因となるもしくはウ
    ィークD表現型を示すリーサスD抗原をコードする核酸分子にハイブリダイズす
    るオリゴヌクレオチドであり、前記核酸分子が、野生型リーサスD抗原と比較し
    て、少なくとも1つのミスセンス変異を有するものであり、前記ミスセンス変異
    が223位または283位におけるアミノ酸置換を生ずるものであって、223
    位において好ましくはPheからValであり、かつ283位において好ましく
    はThrからIleであり、前記ミスセンス変異がさらに好ましくは667位ま
    たは848位のヌクレオチドに生ずるものであって、最も好ましくは667位に
    おける前記変異がTからGであり、かつ848位における前記変異がCからTで
    ある、検体におけるウィークD表現型の一因となるまたはウィークD表現型を示
    すリーサスD抗原をコードする核酸分子の存在について検査する方法。
  22. 【請求項22】 前記増幅または増幅反応がポリメラーゼ連鎖反応(PCR
    )によるものであるまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行なわれるも
    のである、請求項20または21記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項15記載の抗体またはアプタマーまたはファージあ
    るいはウィークD表現型の一因となるもしくはウィークD表現型を示し、かつ野
    生型リーサスD抗原と比較して、少なくとも1つのミスセンス変異を有する核酸
    分子によりコードされるリーサスD抗原に対する抗体またはアプタマーまたはフ
    ァージへの特異的な結合についてヒトから得られた検体をアッセイする工程を含
    み、前記ミスセンス変異が223位または283位におけるアミノ酸置換を生ず
    るものであって、223位において好ましくはPheからValであり、かつ2
    83位において好ましくはThrからIleであり、前記ミスセンス変異がさら
    に好ましくは667位または848位のヌクレオチドに生ずるものであって、最
    も好ましくは667位における前記変異がTからGであり、かつ848位におけ
    る前記変異がCからTである、検体におけるウィークD表現型の一因となるまた
    はウィークD表現型を示すリーサスD抗原の存在について検査する方法。
  24. 【請求項24】 請求項16記載の抗体またはアプタマーまたはファージへ
    の特異的な結合についてヒトから得られた検体をアッセイする工程を含む、野生
    型リーサスD抗原の存在および請求項13記載のリーサスD抗原の非存在につい
    て検体を検査する方法。
  25. 【請求項25】 前記検体が血液、血清、血漿、胎児組織、唾液、尿、粘膜
    組織、粘液、膣組織、膣から得られる胎児組織、皮膚、毛髪、毛包または他のヒ
    ト組織である、請求項17〜24いずれか1つに記載の方法。
  26. 【請求項26】 胎児細胞を濃縮する工程または末梢血、血清または血漿等
    の材料組織から胎児DNAまたはmRNAを抽出する工程を含む請求項25記載
    の方法。
  27. 【請求項27】 前記検体由来の前記核酸分子またはタンパク質材料を固体
    支持体に固定する請求項17〜26いずれか1つに記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記固体支持体がチップである請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項1〜9いずれか1つに記載の核酸分子、または、野
    生型リーサスD抗原と比較して、少なくとも1つのミスセンス変異を有するもの
    であり、前記ミスセンス変異が223位または283位におけるアミノ酸置換を
    生ずるものであって、223位において好ましくはPheからValであり、か
    つ283位において好ましくはThrからIleであり、前記ミスセンス変異が
    さらに好ましくは667位または848位のヌクレオチドに生ずるものであって
    、最も好ましくは667位における前記変異がTからGであり、かつ848位に
    おける前記変異がCからTであり、またはそれらの組み合わせである、ウィーク
    D表現型の一因となるまたはウィークD表現型を示すリーサスD抗原をコードす
    る核酸分子のウィークリーサスD表現型の解析のための使用。
  30. 【請求項30】 モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清、好まし
    くは抗D抗血清、抗グロブリンまたは抗ヒトグロブリン抗血清のアフィニティー
    、アビジチーおよび/または反応性の評価のための請求項1〜9いずれか1つに
    記載の核酸分子、請求項10記載のベクターまたは請求項13記載のリーサスD
    抗原の使用。
  31. 【請求項31】 (a)請求項1〜24いずれか1つにおいて規定される変
    異の存在について発端者の検体の核酸を検査する工程、 (b)RHD遺伝子の変異状態と対立遺伝子状態に基づいて、その核酸を、前記
    発端者の赤血球の表面のRhD抗原密度と相関させる工程、 (c)前記モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくはそれらの前
    記製剤を、RhD抗原をその表面に保持する細胞と反応させる工程、 (d)前記モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくはそれらの前
    記製剤を、工程(c)で得た結果に基づいて特徴づける工程、 を含む、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清もしくはそれらの製剤
    を特徴づける方法。
  32. 【請求項32】 前記特徴付ける工程が抗体および抗血清の反応性、感度、
    アビジチー、アフィニティー、特異性および/または他の特徴を決定する工程を
    含む、請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 RhD抗原をその表面に保持する前記細胞が赤血球である
    請求項31または32記載の方法。
  34. 【請求項34】 RhD抗原決定のための請求項15または16において特
    徴付けられたアプタマー、ファージ、モノクローナル抗体またはポリクローナル
    抗血清またはそれらの製剤の使用。
  35. 【請求項35】 前記RhD抗原決定が血液型の決定との関連で行なわれる
    請求項34の使用。
  36. 【請求項36】 請求項15または16記載の抗体またはアプタマーまたは
    ファージを含んでなる製剤。
  37. 【請求項37】 (a)請求項13記載のウィークDポリペプチドを、ファ
    ージ表面にVH 鎖もしくはVL 鎖またはその組み合わせをディスプレイするファ
    ージライブラリーまたはアプタマーと接触させる工程; (b)前記ウィークDポリペプチドに結合するファージまたはアプタマーを同定
    する工程;ならびに任意に (c)工程(a)および工程(b)を1回またはそれ以上繰り返す工程、 を含む、請求項13記載のウィークDポリペプチドに特異的に結合する抗体VH 鎖もしくはVL 鎖またはその組み合わせあるいはアプタマーを同定する方法。
  38. 【請求項38】 (a)請求項13記載のウィークDポリペプチドを1つま
    たはそれ以上のモノクローナル抗体と接触させる工程; (b)前記ウィークDポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を同定する工
    程;ならびに任意に (c)工程(a)および工程(b)を1回またはそれ以上繰り返す工程、 を含む、請求項13記載のウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合するモ
    ノクローナル抗体を同定する方法。
  39. 【請求項39】 (a)ウィークDポリペプチドおよび (aa)第2またはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/または (ab)標準Dポリペプチドを、ファージ表面にVH 鎖もしくはVL 鎖またはそ
    の組み合わせをディスプレイするファージライブラリーまたはアプタマーと接触
    させる工程、ここで、第2またはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/ま
    たは標準Dポリペプチドは(a)のウィークDポリペプチドより多い、等しいま
    たは少ないモル量で存在するものである; (b)(a)の前記ウィークDポリペプチドに結合するファージまたはアプタマ
    ーを同定する工程;ならびに任意に (c)工程(a)および工程(b)を1回またはそれ以上繰り返す工程、 を含む、請求項13記載のウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合する抗
    体VH 鎖もしくはVL 鎖またはその組み合わせあるいはアプタマーを同定する方
    法。
  40. 【請求項40】 (a)ウィークDポリペプチドおよび (aa)第2またはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/または (ab)標準Dポリペプチドを、1つまたはそれ以上のモノクローナル抗体と接
    触させる工程、ここで、第2またはそれ以上のウィークDポリペプチドおよび/
    または標準Dポリペプチドは(a)のウィークDポリペプチドより多い、等しい
    または少ないモル量で存在するものである; (b)(a)の前記ウィークDポリペプチドに結合するモノクローナル抗体を同
    定する工程;ならびに任意に (c)工程(a)および工程(b)を1回またはそれ以上繰り返す工程、 を含む、請求項13記載のウィークDポリペプチド/抗原に特異的に結合するモ
    ノクローナル抗体を同定する方法。
  41. 【請求項41】 ウィークDポリペプチドを細胞の表面に曝す請求項37〜
    40いずれか1つに記載の方法。
  42. 【請求項42】 ポリペプチドまたは宿主細胞を固体支持体に固定する請求
    項37〜41いずれか1つに記載の方法。
  43. 【請求項43】 工程(b)または(c)に続いて以下の工程: (d)VH 鎖もしくはVL 鎖のアミノ酸配列を同定する工程および/または前記
    アミノ酸配列をコードする核酸配列を同定する工程、 を行なう、請求項37〜42いずれか1つに記載の方法。
  44. 【請求項44】 同定のためにたった1回の選抜が行なわれる場合に、(a
    )のウィークDポリペプチド分子の数がファージ粒子の数に対してモル過剰であ
    る、請求項39〜43いずれか1つに記載の方法。
  45. 【請求項45】 モノクローナル抗D抗体またはポリクローナル抗D抗血清
    または抗グロブリンまたは抗ヒトグロブリン抗血清またはそれらの製剤のアフィ
    ニティー、アビジチーおよび/または反応性の評価のための発端者由来の細胞、
    好ましくは赤血球の使用。
  46. 【請求項46】 請求項13記載の1つまたはそれ以上のRhD抗原の存在
    について輸血の必要な患者由来の検体を検査する工程を含み、前記抗原の少なく
    とも1つの陽性検査がRhD陰性血液による輸血の必要性を示す、輸血の必要な
    患者がドナーからのRhD陰性血液で輸血されるべきか否かを決定する方法。
  47. 【請求項47】 請求項13記載の1つまたはそれ以上のRhD抗原の存在
    についてドナー由来の検体を検査する工程を含み、前記抗原の少なくとも1つの
    陽性検査が野生型RhD抗原または前記ドナーの1つまたは複数のウィークD型
    以外の1つまたは複数のウィークD型(a)を有するとタイプ分けされる患者の
    輸血を排除する、ドナーの血液がその必要のある患者への輸血に使用されてよい
    か否かを決定する方法。
  48. 【請求項48】 (a)請求項14記載のオリゴヌクレオチド;および/ま
    たは (b)請求項15記載の抗体;および/または (c)請求項16記載の抗体; (d)請求項15または16記載のアプタマー;および/または (e)請求項15または16記載のファージ、 を含むキット。
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