JP2002371344A - 加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板 - Google Patents

加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板

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JP2002371344A JP2002076442A JP2002076442A JP2002371344A JP 2002371344 A JP2002371344 A JP 2002371344A JP 2002076442 A JP2002076442 A JP 2002076442A JP 2002076442 A JP2002076442 A JP 2002076442A JP 2002371344 A JP2002371344 A JP 2002371344A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 加工性と耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−
Zn合金めっき鋼板を提案する。 【解決手段】 鋼板表裏面に、デンドライト部、該デン
ドライト部の間に存在するインターデンドライト部及び
これらの界面に存在する界面合金層からなるAl−Zn合金
めっき層を有し、鋼板表裏面のうちのいずれか一方また
は両方に、前記Al−Zn合金めっき層の上層として、樹脂
被膜からなる潤滑被覆層を有する。Al−Zn合金めっき層
が質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrを
Si含有量の0.2〜2%の範囲で含有し、あるいはさらにC
r、V、Zrの1種または2種以上を合計で0.01〜2.0 %
含有する。また、インターデンドライト部におけるSr濃
度が、Al−Zn合金めっき層の平均Sr濃度の20〜 150倍で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑被覆溶融Al−
Zn合金めっき鋼板に係り、特に建材、家電などの分野で
広く利用されるAlを質量比で25〜75%含有する潤滑被覆
溶融Al−Zn合金めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】55%Al−Zn合金めっき鋼板に代表される
Alを質量比で25〜75%含有する溶融Al−Znめっき鋼板
は、その表面に潤滑被覆を施して建材、家電などの分野
で広く利用されている。しかし、この種の潤滑被覆めっ
き鋼板は、めっき層が硬質であるため、成形加工する
際、加工条件が厳しいところでクラックが発生し、そこ
を起点として潤滑被覆層に剥離が生じたり、あるいは耐
食性が劣化するという問題がある。
【0003】このような問題に対処するためには、めっ
き層を極力軟質なものとすることが挙げられ、たとえば
特公昭61− 28748号公報には、めっき後に鋼板を、logt
=7102.4/t −11.04 (式中、t:時間(秒)、T:加熱
温度(K)である。) によって表される条件のもとで過時
効処理するという提案がなされている。また、特開平11
−343559号公報には、塗装鋼板であって、めっき層を構
成するインタ−デンドライト部内にZnの凝集部がめっき
被膜断面での面積率で1.0 〜30%存在するようにするこ
とによって耐クラック性を改善するという提案がなされ
ている。
【0004】さらに、Inter ZAC 98 Conference (Los A
ngels, CA USA, Septenber 1998)において、Richard Le
y は、“Theorized Effects of Strontium Additions O
n Al-Si Alloys”なる報告をなし、その中でSrの添加が
55%Al−Znめっき鋼板の加工性を改善する可能性に言及
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
61−28748 号公報に記載された手段は、過時効処理のた
めに、たとえば 200℃では最低2.5 時間掛かるなど長時
間を要し、生産性が極めて低いという問題がある。ま
た、特開平11−343559号公報に記載の提案ではSiの加工
性に与える影響について検討がなされておらず、また過
時効による加工性の改善についても考慮されず、そのた
め加工性が十分でない。
【0006】一方、Srをめっき浴中に添加する手段は、
インターデンドライト部に析出するSi結晶を球状、かつ
微細にし、これによってめっき鋼板の加工性を向上させ
るものであるが、本発明者らの実験したところによれ
ば、なお十分な加工性を確保できず、そのため、潤滑被
覆鋼板の耐食性が十分確保できない場合がある。加え
て、上記従来の各提案は、デンドライト部あるいはイン
ターデンドライト部に起因する加工性劣化の原因につい
て個別に対処するものであり、これらの相互依存性には
着目していない。そのため、潤滑被覆溶融Al−Zn合金め
っき鋼板は、いまだ十分な加工性を有するに至っていな
いし、耐食性も十分ではない。
【0007】本発明は、潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき
鋼板に関する上記問題点を解決することを目的とし、従
来に比べて優れた加工性をもち、それにより潤滑被覆層
の耐剥離性に優れ、ひいては耐食性に優れた潤滑被覆溶
融Al−Zn合金めっき鋼板を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、潤滑被覆
溶融Al−Zn合金めっき鋼板のベースである溶融Al−Zn合
金めっき鋼板の加工性に及ぼすSr添加の影響について詳
細な検討を行い、Srの添加量がSiの含有量に対して一定
の割合にあるとき、インターデンドライト部におけるSi
結晶の球状化が確実に行われること、及びインターデン
ドライト部へのSrの析出が促進され、それによってデン
ドライト部におけるSr濃度が低下して過時効処理により
その硬度低下が容易に図れることを知見し、それを利用
して加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金
めっき鋼板を製造することに成功した。
【0009】また、本発明者らは、めっき層における界
面合金層の最上部層に存在する長径が5μm 以上の粗大
な凸状界面合金層粒子が曲げ加工性を劣化させているこ
とを突き止めた。そして、本発明者らは、良好な曲げ加
工性を具備させるためには、長径が5μm 以上の粗大な
凸状界面合金層粒子を1500個/mm2 以下に低減すること
が必要であることを知見した。また、本発明者らは、め
っき層中に適正量のCr、V、ZrをSrとともに含有させる
ことにより、Cr、V、Zrが界面合金層に偏在し、凸状界
面合金層粒子の成長が防止または抑制され、5μm 以上
の粗大な凸状界面合金層粒子を1500個/mm2 以下とする
ことができることを見出した。
【0010】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明
は、鋼板表裏面に、デンドライト部、該デンドライト部
の間に存在するインターデンドライト部及びこれらと鋼
板地鉄との界面に存在する界面合金層からなるAl−Zn合
金めっき層を有し、前記鋼板表裏面のうちのいずれか一
方または両方に、前記Al−Zn合金めっき層の上層として
樹脂被膜を有する潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板で
あって、前記Al−Zn合金めっき層が質量比でAlを25〜75
%、Siを1%超5%以下及びSrをSi含有量の 0.2〜2%
の範囲で含有するものであることを特徴とする加工性及
び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板で
ある。
【0011】また、本発明では、前記Al−Zn合金めっき
層のインターデンドライト部におけるSr濃度が、Al−Zn
合金めっき層の平均Sr濃度の20〜 150倍であることが好
ましい。これによりめっき後にめっき層が時効硬化する
のが抑制され、また後に行う過時効処理の時間が短縮で
きる。また、本発明では、前記Al−Zn合金めっき層は、
質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrをSi
含有量の 0.2〜2%の範囲で含有し、さらにCr、V、Zr
のうちの1種又は2種以上を合計で0.01〜 2.0%含有す
ることが好ましく、また、本発明では、Al−Zn合金めっ
き層における前記界面合金層の最上層部に存在する、長
径が5μm 以上の界面合金層粒子が1500個/mm2 以下で
あることが好ましい。
【0012】また、本発明では、前記デンドライト部の
α−Al相の硬さがHv120 以下であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金
めっき鋼板は、55%Al−Zn合金めっき鋼板に代表される
Al−Zn合金めっき層を有する溶融Al−Zn合金めっき鋼板
の少なくとも片面に潤滑被覆層を有するものである。溶
融Al−Zn合金めっき鋼板は、鋼板表裏面に、デンドライ
ト部、該デンドライト部の間に存在するインターデンド
ライト部及びこれらと鋼板地鉄との界面に存在する界面
合金層からなるAl−Zn合金めっき層を有し、潤滑被覆溶
融Al−Zn合金めっき鋼板は、鋼板表裏面のうちのいずれ
か一方または両方に、Al−Zn合金めっき層の上層とし
て、樹脂被膜からなる潤滑被覆層を有する。
【0014】本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼
板は、特にベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板の加
工性を高めたことに特徴がある。なお、Al−Zn合金めっ
き層の上層として形成される樹脂被膜からなる潤滑被覆
層そのものの組成は、加工性を阻害しないもので有れ
ば、何ら制限されない。以下、潤滑被覆溶融Al−Zn合金
めっき鋼板のベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板に
おけるAl−Zn合金めっき層の加工性改善について詳細に
説明する。
【0015】図1は、本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金
めっき鋼板のベース(原板)となる溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板の典型例である溶融55%Al−1.6 %Si−Zn合金め
っき鋼板のめっき層断面を示す金属組織写真である。こ
こに示すように、原板である溶融Al−Zn合金めっき鋼板
のめっき層は、デンドライト部A、該デンドライト部の
間に存在するインターデンドライト部B及び鋼板地鉄D
との界面に存在する界面合金層Cとからなっている。こ
のうち、デンドライト部Aは、AlにZnが固溶したα−Al
(Zn)相からなっており、めっき層の主構成相をなして
いる。インターデンドライト部Bは、図1に示すように
デンドライト部を構成するα−Al(Zn)相の間を埋めて
おり、Al−Znの共晶およびSi結晶が析出したものであ
る。界面合金層Cは、鋼板地鉄Dとめっき層との界面に
存在する薄い接続部分でAl−Fe−Si−Zn系の4元系金属
間化合物からなっている。
【0016】本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼
板では、原板である溶融Al−Zn合金めっき鋼板の表裏面
に形成されるめっき層は、平均組成(上記A〜Cを含
む)において、質量比でAlを25〜75%、Siを1%超5%
以下及びSrをSi含有量の 0.2〜2%の範囲で含有し、あ
るいはさらにCr、V、Zrのうちの1種又は2種以上を合
計で0.01〜 2.0%含み、残部が実質的にZnとする組成を
有する。
【0017】したがって、めっき層が軟質となり、成形
加工の際、クラックが発生し、そこを起点として潤滑被
覆層の剥離を起こすという問題が避けられる。めっき層
中のAlが、質量比で25%未満では耐食性が不十分であ
る。一方、75%を超えると端面耐食性が劣化するととも
に、めっき層が硬質化し、塗装めっき鋼板の曲げ加工性
が著しく劣化する。なお、より好ましくは質量比で40〜
60%である。
【0018】また、めっき層中のSiが、1%以下では界
面合金層がめっき層全厚の10%超となり潤滑被膜めっき
鋼板の曲げ加工性が劣化する。一方、5%を超えて含有
すると、めっき層中にSi結晶が粗大かつ多量に析出し、
曲げ加工性が顕著に低下する。このため、めっき層中の
Siは1%超え5%以下に限定した。なお、好ましくは1.
3 〜2.0 %である。
【0019】また、めっき層中にSrを、めっき層中のSi
含有量の0.2 %以上含有することにより、めっき層中の
角張ったSi結晶を、球状の微細なSi結晶に変化させるこ
とができ、曲げ加工時にインターデンドライト部からク
ラックが発生するのを効果的に防止することができる。
一方、めっき層中のSrをSi含有量の2%を超えて含有す
ると、めっき層に粗大Sr/Si系の析出物が析出し、これ
に起因すると推定されるピンホール等の欠陥が発生する
傾向が増大し、かえって加工性が劣化する。このため、
SrはSi含有量の 0.2〜2%の範囲に限定した。
【0020】Al−Zn合金めっき層の平均組成において、
Si含有量を 1.6%とし、かつSr/Si(質量%比)を0〜
0.03の間で変化させた潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼
板について、潤滑被覆層を機械的あるいは化学的に除去
したのち、1%サルチル酸−4%サルチル酸メチル−10
%ヨウ化カリウム水溶液中で定電流電解し、めっき層の
上層のみを溶解除去し、不溶のSi結晶を界面合金層上に
残渣として残した状態で走査型電子顕微鏡を用いて観察
した。得られた代表的な走査型電子顕微鏡組織写真を図
2〜図5に示す。また、めっき層中のSr/Si比とSi結晶
形状との関係を表1にまとめて示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、Sr/Siを 0.002以上、すなわち
めっき層中のSrをSi含有量の 0.2%以上とすることによ
り、図2、図3に矢示したように角張ったSi結晶が、図
4、図5に示したような球状の微細なSi結晶に変化する
ことがわかる。これにより、鋼板が曲げ変形を受けると
きインターデンドライト部からクラックが発生するのを
効果的に防止することができる。しかし、めっき層中の
Sr含有量が多いときには、めっき層にSr/Si系の粗大な
析出物とこれによるピンホール等の欠陥が発生する傾向
があり、そのためかえって加工性が劣化する。
【0023】また、上記したように、Al−Zn合金めっき
層にSrをSi含有量と一定の関係をもたせて含有させるこ
とにより、インターデンドライト部に存在するSi結晶を
球状化させることができ、ひいては成形加工の際の潤滑
被覆層の剥離が避けられるが、さらにめっき層全体を軟
質化して潤滑被覆めっき鋼板の耐食性を向上するために
は、併せてデンドライト部のα−Al(Zn)相の軟質化を
図ることが好ましい。このために、本発明では、Al−Zn
合金めっき層のインターデンドライト部におけるSr濃度
をAl−Zn合金めっき層の平均Sr濃度の20〜 150倍とする
ことが好ましい。インターデンドライト部へSrを濃化さ
せることにより、デンドライト部、すなわちα−Al(Z
n)相の硬さが低下する。
【0024】図6に、インターデンドライト部における
Sr濃度[Sr]i と、Al−Zn合金めっき層の平均Sr濃度
[Sr]a 、との比[Sr]i /[Sr]a とデンドライト部
のα−Al(Zn)相のマイクロビッカース硬度Hv0.0025
との関係を示す。図6から、[Sr]i /[Sr]a が20以
上となると硬さHv0.0025 が低下しはじめ、 150以上で
その効果が飽和する。[Sr]i /[Sr]a が20以上とな
ると、α−Al(Zn)相中に存在するZn含有量が低下しは
じめ、硬さがマイクロビッカース硬度Hv0.0025 で120
以下に低下するものと考えられる。[Sr]i /[Sr]a
が20未満の場合に、デンドライト部の硬度が高い理由は
明らかではないが、一つにはデンドライト中にSrが極微
細に析出するためであろうと考えられる。
【0025】また、先にも述べたように過剰のSrの添加
は、めっき層中に粗大なSr/Sr系の析出物が析出し、こ
れに起因すると推定されるピンホールなどの欠陥を生じ
させる原因にもなる。したがって、本発明では、[Sr]
i /[Sr]a は20以上、150以下とすることが好まし
い。なお、[Sr]i /[Sr]a を20〜150 と、インター
デンドライト部にSrを濃化させるには、めっき浴にSrを
Si含有量に対し所定の範囲内としたうえで、後述するよ
うに、鋼板をめっき浴から引き上げてから、 260℃に達
するまでの間を20〜 100℃/sで冷却することによって
達成可能である。
【0026】また、本発明では、Al−Zn合金めっき層の
組成を、上記した各組成に加えてさらに、質量比で、C
r、V、Zrのうちの1種又は2種以上を合計で0.01〜 2.
0%含むことが好ましい。Cr、V、Zrは、いずれも界面
合金層最上層部の界面合金層粒子を微細化するととも
に、界面合金層と上層めっき層との界面を平坦化し、曲
げ加工性を顕著に向上させる作用を有する。
【0027】Cr、V、Zrは、めっき層の合金化反応に深
く関与して、合金化反応の核発生頻度を高めることで界
面合金層最上層部の界面合金層粒子を微細化するものと
考えられる。初晶Al相の凝固核の発生位置は必ずしも明
らかではないが、界面エネルギーの高いめっき層上層と
界面合金層との界面である可能性が高い。なかでも界面
合金層の最上層部に存在する凸状界面合金層粒子との界
面である可能性が高い。めっき層中にCr、V、Zrのいず
れかを含有することにより、この凸状界面合金層粒子が
微細化し、したがって、初晶Alの核発生頻度が増加し、
そのためクラックの伝播経路となるめっき層を貫通する
インターデンドライトの存在頻度も減少すると考えられ
る。
【0028】めっき層中のCr、V、Zrのうちの1種また
は2種以上の合計量が質量比で0.01%未満では、上記し
た効果が認められない。一方、めっき層中のCr、V、Zr
の1種または2種以上の合計量が2.0 %を超えて含有さ
せようとすると、めっき浴中にこれら元素を多量に添加
する必要があり、ドロスの多量発生の原因となり、鋼板
へのドロスの付着や不めっきなど表面欠陥の原因とな
る。このため、めっき層中のCr、V、Zrのうちの1種ま
たは2種以上の合計量を質量比で0.01〜2.0 %の範囲に
限定した。なお、好ましくは0.01〜0.5 %である。
【0029】また、本発明では、界面合金層の最上層部
に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒子を1500
個/mm2 以下とすることが好ましい。溶融Al-Zn 系合金
めっき鋼板に形成されるめっき層中の界面合金層最上層
部には、界面合金層粒子が分散している。この界面合金
層粒子は、Fe-Al-Si系金属間化合物、FeAl4Si
0.2(τ 5c)にZnが微量に固溶した多角形の粒子であ
り、このうち凸状で粗大な界面合金層粒子が、初晶Al相
の凝固核となる可能性が高い。この凸状で粗大な界面合
金層粒子の存在頻度を低減することにより、初晶Al相の
核発生頻度が減少し、クラックの伝播経路となるインタ
ーデンドライトの存在頻度も減少するものと考えられ、
それにより曲げ加工性が向上する。5μm 以上の界面合
金層粒子の存在頻度が1500個/mm2 を超えて多くなる
と、曲げ加工性が劣化する。このため、本発明では、界
面合金層の最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界
面合金層粒子の存在頻度を1500個/mm2 以下とすること
が好ましい。長径が5μm 以上の界面合金層粒子の存在
頻度を1500個/mm2 以下とするためには、Al−Zn合金め
っき層の組成を、上記した各組成に加えてさらに、質量
比で、Cr、V、Zrのうちの1種又は2種以上を合計で0.
01〜 2.0%含むことが好ましい。
【0030】また、Cr、V、Zrのうちの1種又は2種以
上の含有により、界面合金層最上層部に存在する界面合
金層粒子の微細化に加え、デンドライト部のα−Al(Z
n)相の軟化処理である過時効処理の時間短縮が可能と
なるという効果もある。Cr、V、Zrのうちの1種又は2
種以上の含有により、過時効処理時間が短縮し、時効硬
化が遅延する理由は明らかでないが、一つにはデンドラ
イト部のα−Al(Zn)相中のZnの析出が促進されるため
と推定される。
【0031】また、本発明では、めっき層中のデンドラ
イト部のα−Al(Zn)相の硬さをマイクロビッカース硬
さでHv120 以下とすることが好ましい。α−Al(Zn)
相の硬さがHv120 以下とすることにより、めっき層全
体が軟質化し、曲げ加工性が顕著に向上する。デンドラ
イト部のα−Al(Zn)相の硬さがマイクロビッカース硬
さでHv120 を超えると、曲げ加工性の顕著な向上は得
られない。なお、デンドライト部のα−Al(Zn)相を軟
質化するには、[Sr]i /[Sr]a は20以上、150 以下
とすること以外に、後述するように、過時効処理を施す
ことによっても可能である。この場合、デンドライト部
の硬さをHv100 以下とすることができ、より好まし
い。
【0032】つぎに、本発明の潤滑被覆溶融Al−Zn合金
めっき鋼板のベースとなる溶融Al−Zn合金めっき鋼板の
製造方法について説明する。本発明で使用する鋼板は、
通常の方法で製造した鋼板、例えば低炭素アルミキルド
鋼板や極低炭素鋼板がいずれも好適に使用できる。本発
明では、これら鋼板を溶融Al−Zn合金めっき浴に浸漬す
る、熱浸めっきを行い、該鋼板を溶融Al−Zn合金めっき
浴から引き上げて冷却し溶融Al−Zn合金めっき層を形成
する。ここで、本発明では、溶融Al−Zn合金めっき浴の
組成を、Al−Zn合金めっき層の平均組成が質量比でAlが
25〜75%、Siが1%超5%以下、SrがSi含有量の0.2 〜
2%の範囲で、あるいはさらにCr、V、Zrのうちの1種
又は2種以上を合計で0.01〜 2.0%含有し、残部が実質
的にZnである組成とほぼ同一となるように、調整する。
実際には、溶融Al-Zn 合金めっき浴組成を、質量比でAl
が25〜75%、Siが1%超5%以下、SrがSi含有量の0.2
〜2%の範囲で、あるいはさらにCr、V、Zrのうちの1
種又は2種以上を合計で0.01〜 2.0%含有する組成とす
ることが好ましい。
【0033】なお、めっき浴温は、液相線温度以上、
(液相線温度+50℃)以下とするのが好ましい。また、
本発明では、上記した組成に調整した溶融Al−Znめっき
浴から鋼板を引き上げて冷却する際に、めっき浴から引
き上げて 260℃に達するまでの間の冷却速度を20℃/s
以上、100 ℃/s以下とすることが好ましい。260 ℃ま
での間の冷却速度が20℃/s未満では、界面合金層最上
層部の界面合金層粒子を微細化させることが困難とな
る。また、260 ℃までの冷却速度が100 ℃/s超では、
Srをインターデンドライト部へ濃化させることができ
ず、[Sr]i /[Sr]a を20以上とすることができなく
なる。
【0034】また、本発明では、好ましくは上記した工
程で溶融Al−Zn合金めっき鋼板としたのち、デンドライ
ト部のα−Al(Zn)相の更なる軟質化を図ることが、め
っき層全体を軟質化して曲げ加工性を顕著に向上させる
ために好ましい。α−Al(Zn)相を軟化する手段として
は、たとえば特公昭61−28748 号公報に記載された、め
っき後に鋼板をlogt=7102.4/T-11.04(ここで、t=時間
(秒)、T=加熱時間(K)である。)によって表され
る条件のもとで過時効処理する方法、あるいは特開平4
−41657 号公報に記載された、めっき後に鋼板にショッ
トブラスト処理を行い、150 〜270 ℃で10分以内保持す
る方法が好ましいが、より好ましくは、以下に示す方法
が、迅速、かつ極めて効果的にα−Al(Zn)相を軟化で
きるので好都合である。
【0035】この方法は、上記した熱漬めっきを用いた
製造方法で製造された溶融Al−Zn合金めっき鋼板に、さ
らにスキンパス圧延と過時効処理とを施す方法である。
スキンパス圧延により、適当量の転位をα−Al(Zn)相
に導入する。スキンパス圧延の圧下率は 0.5%以上、5
%以下とすることが好ましい。なお、スキンパス圧延を
施すことにより、次工程の過時効処理の処理時間が短縮
される。また、スキンパス圧延の圧下率が 0.5%未満で
は、導入される転位量が不十分であり上記した効果が期
待できにくい。一方、圧下率が5%を超えても、過時効
処理時間の短縮効果が飽和するうえ、めっき層にクラッ
クが発生する恐れがある。
【0036】スキンパス圧延後、過時効処理を行う。こ
れにより、α−Al(Zn)相に過飽和に固溶されているZn
の析出を図る。過時効処理の温度は 130〜 260℃の範囲
とすることが適当である。過時効処理温度が130 ℃未満
と低いときには、G.P.ゾーンの形成によって却って
時効硬化し、一方過時効処理温度が260 ℃を超えて高す
ぎるときには、Al2.45Zn(六方晶R3m )の形成によって
硬化し、加工性はむしろ劣化する。なお、最も好ましい
過時効処理温度は 170〜 230℃である。また、過時効処
理は、上記した温度に30秒〜1時間保持することが好ま
しい。
【0037】スキンパス圧延後、過時効処理を行う方法
によれば、圧延時間を加算しても従来の手段に比べ過時
効に要する時間を大幅に短縮できる。なお、本発明で
は、過時効処理の冷却速度は特に規定しないが、130 〜
260℃の温度範囲を30秒以上かけて冷却する炉冷の場合
は、特に一定時間に保持することを要しない。また、こ
の過時効処理は、[Sr]i /[Sr]a を20〜 150の範囲
にあるようにするとき、その時間を短縮することができ
る。すでに述べたように、この範囲ではα−Al(Zn)相
の硬さが事前に低下しているからである。
【0038】なお、スキンパス圧延及び過時効処理の手
段は、通常鋼板の処理において用いられるものを使用す
ればよい。本発明では、このようにして製造された軟質
の溶融Al-Zn 合金めっき層を有する溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板に、Al-Zn 合金めっき層の上層として潤滑被覆を
施し樹脂被膜からなる潤滑被覆層を形成し、潤滑被覆溶
融Al−Zn合金めっき鋼板とすることが好ましい。なお、
樹脂被膜からなる潤滑被覆層は、溶融Al−Zn合金めっき
鋼板の表裏面のいずれか一方あるいは両方に、溶融Al-Z
n 合金めっき層の上層として形成することが好ましい。
【0039】樹脂被膜からなる潤滑被覆層の形成は、通
常の潤滑被覆鋼板を製造するのに採用されているものを
用いればよい。樹脂被膜からなる潤滑被覆層を構成する
樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、
アクリル−スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の
樹脂を用いることができる。潤滑被覆層を構成する潤滑
剤としては、ポリオレフィン系樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン系樹脂のほかステアリン酸、オレフィン酸等の脂
肪酸やそれらのエステル類を使用できる。また、樹脂被
膜からなる潤滑被覆層には防錆顔料としてクロム酸系の
防錆剤(ジンククロメート、クロム酸ストロンチウム、
クロム酸バリウム等)や燐酸塩系防錆剤、モリブデン酸
系防錆剤、ホウ酸塩系防錆剤等の非クロム酸系防錆剤を
配合することもできる。
【0040】これらの樹脂、潤滑剤及び防錆顔料を目的
に応じて配合量を調整し、Al−Zn溶融合金めっき鋼板に
塗布する。樹脂に対する潤滑剤の配合割合は、適正な潤
滑性を付与する観点から質量比で 0.1〜5%とするのが
よい。防錆顔料の配合割合は質量比で樹脂に対して 0.2
〜5%とするのがよい。さらに樹脂被膜からなる潤滑被
覆層の厚さは 0.5〜10μmとするのがよい。樹脂被膜か
らなる潤滑被覆層の厚さが薄すぎると耐食性が劣り、一
方、厚すぎると樹脂被膜からなる潤滑被覆層そのものの
加工性が劣化するからである。
【0041】以下、本発明を実施例に基づいて、さらに
詳細に説明する。
【0042】
【実施例】質量比で、C:0.045 %、Si:0.01%、Mn:
0.17%、S:0.005 %、Al:0.019 %、残部Fe及び不可
避的不純物からなる低炭素アルミキルド鋼を常法に従っ
て処理して冷延鋼板とし、これを連続式溶融めっき設備
によってAl−Zn合金めっきを施し、溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板とした。めっき浴の母合金には99.9%Znインゴッ
ト、99.99 %Alインゴットを用い、これに15%Si−Al合
金、10%Sr−Al合金、10%Cr−Al合金、2%V−Zn合
金、及び5%Zr−Al合金を用いて表3のめっき層組成と
なるようにめっき浴の成分調整を行った。
【0043】成分調整されためっき浴(浴温:590 〜61
5 ℃)に鋼板を侵入させ1秒間浸潰後引上げ、次いで表
2に示す冷却速度で冷却し溶融Al−Zn合金めっき鋼板と
した。なお、めっき浴温は、めっき組成に応じて変更し
た。また、得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板の一部に
ついて、さらに表2に示す圧下率でスキンパス圧延を施
し、次いで連続焼鈍炉又はバッチ式の焼鈍炉によって表
2に示す条件の過時効処理を施した。
【0044】得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板から試
験片を採取して、めっき層の特性を調査した。めっき層
の特性としては、めっき層のうちデンドライト部の硬
さ、めっき層の平均組成、インターデンドライト部のSr
濃度、デンドライト部のSi結晶の状態、界面合金層率、
界面合金層粒子の大きさ、個数を調査した。デンドライ
ト部(α−Al(Zn)相)の硬さHv0.0025は、マイクロビ
ッカース硬度計を用い、荷重を24.5mN(2.5gf )として
めっき層断面から測定した。
【0045】また、めっき層組成は、めっき層の断面に
ついて各10個所の成分分析をEPMAによって行い、その平
均値を各成分のめっき層平均濃度として決定した。ま
た、インターデンドライト部のSr濃度は、めっき層断面
のインターデンドライト部各10個所のSr濃度をEPMAによ
って行い、その平均値を求めることによって決定した。
また、インターデンドライト部を走査型電子顕微鏡によ
り観察し、Si結晶の状態を観察した。
【0046】また、界面合金層率は、めっき層の断面に
ついて走査型電子顕微鏡を用いて各5箇所で測定し、 そ
の平均値を界面合金層厚さとし、(界面合金層厚さ)/
(めっき層厚さ)×100 (%)で算出した。また、めっ
き被膜中の最上部層に存在する界面合金層粒子の大きさ
および個数は、得られためっき鋼板について、5箇所か
ら試料を採取し、10%ヨウ素−エタノール溶液でめっき
層の上層を溶解し、界面合金層を露出し、ついで、界面
合金層の表面組織を走査型電子顕微鏡を用いて、2000倍
の倍率で各試料各15視野撮像し、得られた組織写真から
画像解析装置を用いて各視野について平均値を求め、そ
れら平均値の平均を各鋼板の値とした。そして、界面合
金層粒子のうち、大きさが長径:5μm 以上の界面合金
層粒子についてその存在頻度を算出した。
【0047】得られた結果を表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】ついで、得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼
板に対し、樹脂に各種防錆剤、各種潤滑剤を配合した潤
滑被覆塗料により潤滑被覆を施し、溶融Al-Zn 合金めっ
き層の上層として、表4に示す構成の樹脂被膜からなる
潤滑被覆層を形成し、潤滑被覆溶融Al-Zn 合金めっき鋼
板 (製品)とした。なお、潤滑被覆塗料を塗布後、 130
〜 220℃、5〜10分の焼付け乾燥を行った。
【0051】得られた製品について、曲げ試験によって
加工性の良否の判定を行った。加工性の判定は、製品を
圧延方向に60mm、幅方向に20mmのサイズに切断して試験
片とし、2t曲げ試験を実施し、試験後、亀裂の状態を
観察することにより行った。2t曲げ試験は、JIS Z 22
48による曲げ試験に準拠して曲げ半径1tで行った。亀
裂の状態の観察は、マイクロスコープによる目視観察か
ら、亀裂発生率を求めた。
【0052】また、上記した2t曲げ試験を行った試験
片について、さらにJIS Z 2371の規定に準拠して塩水噴
霧試験を実施し、加工部の腐食程度から加工後耐食性を
評価した。塩水噴霧試験(SST )は、5%NaCl塩水噴霧
(35℃)を24時間実施した。試験後、目視で、試験片加
工部に発生した白錆の面積を測定し、加工部全面積に対
する白錆発生面積の比、白錆発生面積率を算出し、白錆
発生面積率で加工後耐食性を評価した。
【0053】得られた結果を表5に示す。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】本発明例はいずれも、曲げ加工部の亀裂発
生率が5%以下、また白錆発生率が5%以下と、潤滑被
覆後加工性、および加工後耐食性が十分と判定された。
これに対して、本発明の範囲を外れる比較例は、曲げ加
工部の亀裂発生率が6%以上であり、また白錆発生率が
11%以上と、厳しい加工を必要とする部位に長期使用す
ることは困難と判定された。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑被覆層の耐剥離性
が向上し、潤滑被覆鋼板の加工性及び耐食性が向上し、
建材や家電等の使途に好適な潤滑被覆溶融Al−Zn合金め
っき鋼板とすることができ、産業上格段の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象の典型的例である55%Al−1.
6 %Si−Zn合金めっき鋼板のめっき層を示す金属組織写
真である。
【図2】Sr/Si=0の場合にめっき上層を溶解後のイン
ターデンドライト部のSi結晶残渣の走査型電子顕微鏡組
織写真である。
【図3】図2の拡大写真である。
【図4】Sr/Si=0.002 の場合にめっき上層を溶解後の
インターデンドライト部のSi結晶残渣の走査型電子顕微
鏡写真である。
【図5】図4の拡大写真である。
【図6】インターデンドライト部におけるSi濃度〔Sr〕
i とAl−Zn合金めっき層の平均Sr濃度〔Sr〕a の比〔S
r〕i /〔Sr〕a とデンドライト部のビッカース硬度Hv
0. 025 との関係と示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B05D 7/14 B05D 7/14 A (72)発明者 高村 日出夫 千葉県千葉市中央区浜野町1025番地 川鉄 鋼板株式会社製品研究所内 Fターム(参考) 4D075 BB87X CA09 DB05 DB07 DC01 DC18 EA05 EA37 EB13 EB14 EB16 EB22 EB35 EB38 EB42 4K027 AA05 AA22 AB02 AB28 AB33 AB44 AB48 AC32 AC72 AC87 AE03 4K044 AA02 BA01 BA02 BA10 BA19 BB03 BB09 BC02 BC05 CA11 CA67

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表裏面に、デンドライト部、該デン
    ドライト部の間に存在するインターデンドライト部及び
    これらと鋼板地鉄との界面に存在する界面合金層からな
    るAl−Zn合金めっき層を有し、前記鋼板表裏面のうちの
    いずれか一方または両方に、前記Al−Zn合金めっき層の
    上層として樹脂被膜を有する潤滑被覆溶融Al−Zn合金め
    っき鋼板であって、前記Al−Zn合金めっき層が質量比で
    Alを25〜75%、Siを1%超5%以下及びSrをSi含有量の
    0.2〜2%の範囲で含有するものであることを特徴とす
    る加工性及び耐食性に優れた潤滑被覆溶融Al−Zn合金め
    っき鋼板。
  2. 【請求項2】 前記Al−Zn合金めっき層のインターデン
    ドライト部におけるSr濃度が、Al−Zn合金めっき層の平
    均Sr濃度の20〜 150倍であることを特徴とする請求項1
    に記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 前記Al−Zn合金めっき層は、さらに質量
    比で、Cr、V、Zrのうちの1種又は2種以上を合計で0.
    01〜 2.0%含有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 前記Al−Zn合金めっき層の界面合金層の
    最上層部に存在する、長径が5μm 以上の界面合金層粒
    子が1500個/mm2 以下であることを特徴とする請求項3
    に記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 前記デンドライト部のα−Al相の硬さが
    Hv120 以下であることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載の潤滑被覆溶融Al−Zn合金めっき鋼
    板。
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