JP2002371246A - 粉体塗料組成物 - Google Patents

粉体塗料組成物

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JP2002371246A JP2001182837A JP2001182837A JP2002371246A JP 2002371246 A JP2002371246 A JP 2002371246A JP 2001182837 A JP2001182837 A JP 2001182837A JP 2001182837 A JP2001182837 A JP 2001182837A JP 2002371246 A JP2002371246 A JP 2002371246A
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Sukehisa Asami
祐寿 浅見
Masamichi Ishitani
正道 石谷
Yasusato Minato
康学 湊
Tetsuo Kajino
哲郎 楫野
Satoru Urano
哲 浦野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な方法により得ることができ、粉体塗料
中に配合した場合に、加熱減量が少なく、かつ、優れた
低温硬化性を得ることができるウレトンイミン結合を分
子内に有する硬化剤を含む粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】 硬化剤、並びに、水酸基及びカルボキシ
ル基を含有するバインダー樹脂を含む粉体塗料組成物で
あって、上記硬化剤は、イソシアネート化合物をカルボ
ジイミド化した後、ウレトンイミン化してポリイソシア
ネートを製造し、上記得られたポリイソシアネートを活
性水素化合物でブロックして得られるものであり、上記
カルボジイミド化は、上記イソシアネート化合物のイソ
シアネート基の量が最初の2/3になるまで行われるも
のであって、かつ、上記ポリイソシアネートのイソシア
ネート基の量は、3.2〜4.2mmol/gであるこ
とを特徴とする粉体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレトンイミン結
合を有する硬化剤、並びに、水酸基及びカルボキシル基
を含有するバインダー樹脂を含む粉体塗料組成物に関す
る。
【従来の技術】粉体塗料として、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂等をメインバインダーとし、
必要により多価カルボン酸、ブロックイソシアネート等
の硬化剤を配合しているものが広く知られており、これ
らは、家電、自動車、建材等の多くの分野で使用されて
いる。その中で、熱硬化性樹脂組成物を主体とする粉体
塗料組成物は、一定温度以上、通常は180℃以上の高
温での焼付条件が必要とされている。ところが、このよ
うな高温焼付は、多量のエネルギーを必要とし、かつ揮
発性成分が多く発生することから、環境上あまり好まし
くない。
【0002】硬化剤として一般的に用いられているブロ
ックイソシアネート化合物は、加熱によって、イソシア
ネート基をブロックしていたブロック剤が脱離すること
が知られている。しかし、この加熱による減量は、塗膜
欠陥につながるおそれがあるとともに、脱離したブロッ
ク剤が揮散してしまうと、揮発性有機化合物(VOC)
となるため、環境に悪影響を及ぼすという問題点を有し
ている。
【0003】一方、ウレトンイミン結合は、イソシアネ
ート2分子が結合して生じるカルボジイミド結合に、更
にイソシアネート基が付加して生成される結合であり、
低温で解離してイソシアネート基が再生することが知ら
れている。特開平9−157588号公報には、上記の
問題を解決すべく、イソシアネート化合物のイソシアネ
ート基がカルボジイミド基によりブロックされたカルボ
ジイミドブロックドイソシアネート化合物よりなるウレ
タン系塗料用硬化剤、及び、それを配合してなる粉体塗
料が開示されている。しかしながら、ここに開示の硬化
系においては、焼付時に、ウレタン系塗料用硬化剤のカ
ルボジイミド基が解離して、その結果発生したフリーの
イソシアネート基が水酸基含有樹脂中の水酸基と反応す
るに過ぎないため、硬化が不充分であり、得られる塗膜
の性能に劣るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡易
な方法により得ることができ、粉体塗料中に配合した場
合に、加熱減量が少なく、かつ、優れた低温硬化性を得
ることができるウレトンイミン結合を分子内に有する硬
化剤を含む粉体塗料組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、(1)カ
ルボジイミド基及びウレトンイミン基の反応を制御する
ことによって、従来のブロックイソシアネート化合物に
比べ、加熱減量が少なく、また、簡易な方法により、ウ
レトンイミン結合を有するブロックイソシアネートが得
られ、また、粉体塗料用硬化剤として使用した場合に、
得られる粉体塗料が従来より低温で硬化させることがで
きること、並びに、(2)ウレトンイミン結合はカルボ
ジイミド結合よりも反応性が低いため、カルボジイミド
硬化系では得られなかった塗膜の平滑性を得ることがで
きること、を見いだし、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、硬化剤、並びに、水酸基
及びカルボキシル基を含有するバインダー樹脂を含む粉
体塗料組成物であって、上記硬化剤は、イソシアネート
化合物をカルボジイミド化した後、ウレトンイミン化し
てポリイソシアネートを製造し、上記得られたポリイソ
シアネートを活性水素化合物でブロックして得られるも
のであり、上記カルボジイミド化は、上記イソシアネー
ト化合物のイソシアネート基の量が最初の2/3になる
まで行われるものであって、かつ、上記ポリイソシアネ
ートのイソシアネート基の量は、3.2〜4.2mmo
l/gであることを特徴とする粉体塗料組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の粉体塗料組成物は、イソシアネー
ト化合物をカルボジイミド化した後、ウレトンイミン化
してポリイソシアネートを製造し、上記得られたポリイ
ソシアネートを活性水素化合物でブロックして得られる
硬化剤を含むものである。
【0008】上記イソシアネート化合物としては特に限
定されず、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジ
イソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び、これ
らの混合物を用いることができ、具体的には、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタ
ンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネ
ート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6
−トリレンジイソシアネートとの混合物、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−
ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネ
ート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙
げることができる。
【0009】本発明において、出発物質となる上記イソ
シアネート化合物としては、芳香族系のイソシアネート
化合物が好ましく、より好ましくは、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(以下、MDIともいう)
である。上記MDIは、2,2′体及び2,4′体を数
%のレベルで含んでいても構わない。
【0010】本発明において、最初のステップは上記イ
ソシアネート化合物のカルボジイミド化である。上記カ
ルボジイミド化は、原料であるイソシアネート化合物が
有するイソシアネート基の量が最初の2/3になるまで
行われる。2/3未満であると、後のウレトンイミン化
が充分に行われず、結果としてブロックされていないフ
リーのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
が系内に残存することとなり、加熱減量を少なくするこ
とが困難になる。2/3を大きく超えると、カルボジイ
ミド化が進みすぎるため、後のウレトンイミン化の際に
ゲル化してしまうおそれがある。
【0011】上記イソシアネート基の量は、滴定によっ
て測定することが可能である。この場合、系内に残存す
るイソシアネート基の量を滴定により決定する場合、ち
ょうど2/3でカルボジイミド化を終了させることは実
質的に困難である。その場合、イソシアネート基の残存
量が4.2〜5.5mmol/gになった時点でカルボ
ジイミド化を終了させることが好ましい。なお、イソシ
アネート化合物そのものが有するイソシアネート基の量
は、上記MDIの場合8mmol/gである。
【0012】上記カルボジイミド化は、触媒存在下で加
熱することにより進行するものであるが、効率的に反応
を進行させるためには、ホスホレンオキサイドを触媒と
し、120〜170℃で行われることが好ましい。ホス
ホレンオキサイドを触媒とすることにより、温度制御し
やすい範囲でカルボジイミド化を行うことができる。ホ
スホレンオキサイドとしては、1−フェニル−3−メチ
ル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−メチル−3
−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−エチ
ル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1
−ブチル−3−メチル−3−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−(N−ピペリジニル)−3−メチル−3−ホス
ホレン−1−オキサイド、1−モルフォリノ−3−メチ
ル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−
3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−メ
チル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、
1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサ
イド、1−ブチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−
オキサイド、1−フェノキシ−3−メチル−2−ホスホ
レン−1−オキサイド、1−フェニル−3−ホスホレン
−1−オキサイド、1−メチル−3−ホスホレン−1−
オキサイド、1−エチル−3−ホスホレン−1−オキサ
イド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキサイ
ド、1−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1
−エチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェ
ニル−3−メチル−3−ホスホレン−1−スルフィド等
が挙げられる。これらの中で、1−フェニル−3−メチ
ル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニル−
3−メチル−2−ホスホレン−1−オキサイド、1−フ
ェニル−3−ホスホレン−1−オキサイド、1−フェニ
ル−2−ホスホレン−1−オキサイド等が好ましい。
【0013】上記ホスホレンオキサイドの量は、原料の
イソシアネート化合物に対して1〜30ppmであるこ
とが好ましい。1ppm未満であると、カルボジイミド
化が充分に進行せず、30ppmを超えると、ウレトン
イミン化が進行しない。上記反応温度が120℃未満で
あると、カルボジイミド化が充分に進行しないおそれが
あるとともに、同時にウレトンイミン化が進行してしま
い、目的とする化合物が得られないおそれがある。一
方、170℃を超えると、副反応が進行して、目的とす
る化合物が得られないおそれがある。
【0014】上記のようにして、カルボジイミド化を行
い、原料となるイソシアネート化合物のイソシアネート
基の量が2/3になったところで、系を冷却してカルボ
ジイミド化を終了する。この冷却は、ウレトンイミン化
反応を進行させるために室温〜100℃になるまで行わ
れることが好ましい。冷却しすぎると、ウレトンイミン
化が充分に進行せず、100℃を超えるとカルボジイミ
ド化がさらに進行してしまうおそれがある。好ましい温
度範囲は、40〜90℃である。なお、上記カルボジイ
ミド化及びウレトンイミン化には、イソシアネートに対
して不活性であり、イソシアネート化合物を溶解する溶
剤を用いることも可能であるが、通常、無溶媒で反応が
行われる。上記カルボジイミド化は、IRスペクトルに
おける2100cm−1のカルボジイミド基のピークが
生成することによって確認することができる。
【0015】上記ウレトンイミン化反応は、先に生成し
たカルボジイミド結合に対し、系内に残存しているフリ
ーのイソシアネート化合物のイソシアネート基が付加す
るものである。このウレトンイミン化は、系内のイソシ
アネート基の量が3.2〜4.2mmol/gになるま
で続けられる。3.2mmol/g未満であると、ゲル
化してしまうおそれがあり、4.2mmol/gを超え
ると、フリーのイソシアネート化合物が多く残存してい
ることになるため、加熱減量を低下させることができな
い。なお、2分子のイソシアネート化合物間でそれぞれ
のイソシアネート基同士がカルボジイミド結合により結
合し、ここにもう1分子のイソシアネート化合物のイソ
シアネート基がウレトンイミン結合により結合するのが
最も好ましい形態であり、この場合のイソシアネート基
量の計算値は、4.2mmol/gとなる。実際には、
3分子以上のイソシアネート化合物がカルボジイミド結
合で結合したものが生成する等の副反応の進行が予想さ
れ、また原料イソシアネート化合物の純度の影響から、
最終的なイソシアネート基の量は必ずしも4.2mmo
l/gになるとは限らないが、本発明の目的を満たすた
めには、上記範囲の量であればよい。上記ウレトンイミ
ン化は、IRスペクトルにおける2100cm−1のカ
ルボジイミド基のピークが消失し、1700cm−1
ウレトンイミン結合のピークが生成することによって確
認することができる。
【0016】上記ウレトンイミン化して製造されたポリ
イソシアネートは、主に、加熱によりフリーのイソシア
ネート基を3個有する構造を有することとなると考えら
れる。これは、まず、2分子のイソシアネート化合物間
でそれぞれのイソシアネート基同士がカルボジイミド化
し、更に、こうして生じたカルボジイミド結合に対し
て、別のイソシアネート化合物のイソシアネート基が付
加してウレトンイミン化が進行するものによると考えら
れる。もちろん、イソシアネート化合物の両末端のイソ
シアネートがともにカルボジイミド化することや、カル
ボジイミド化したイソシアネート化合物が有する残存イ
ソシアネート基がウレトンイミン化することが考えら
れ、これらの副反応により生成したものも上記ポリイソ
シアネートの中に含まれていると考えられるが、ポリイ
ソシアネートとして、上記範囲の量のイソシアネート基
を有していれば特に問題はない。
【0017】本発明においては、このようにして得られ
たポリイソシアネートを活性水素化合物でブロックす
る。上記活性水素化合物としては、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール、クロロフェノール及びエチルフェ
ノール等のフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バ
レロラクタム、γ−ブチロラクタム及びβ−プロピオラ
クタム等のラクタム系;アセト酢酸エチル及びアセチル
アセトン等の活性メチレン系;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、t−ブタノール、アミルアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチル
へキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グ
リコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチル
及び乳酸エチル、フルフリルアルコール等のアルコール
系;ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセト
キシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオ
キシム、シクロヘキサンオキシム等のオキシム系;ブチ
ルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメ
ルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、
エチルチオフェノール等のメルカプタン系;酢酸アミ
ド、ベンズアミド等の酸アミド系;コハク酸イミド及び
マレイン酸イミド等のイミド系;イミダゾール、2−エ
チルイミダゾール等のイミダゾール系;ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン系
等を挙げることができる。
【0018】好ましくは、上記ラクタム系、オキシム系
又はフルフリルアルコールを上記ポリイソシアネートの
イソシアネート基の20〜100%に相当する量を用い
てブロックし、残存するイソシアネート基がある場合に
は、残りを1級若しくは2級のアルコール、又は、2級
アミン系でブロックすることが好ましい。なお、このブ
ロック化の手法は当業者によく知られており、その公知
の方法に基づいて行うことができる。上記ブロック化
は、IRスペクトルにおける2250cm−1のイソシ
アネート基のピークが消失することによって確認するこ
とができる。
【0019】上記活性水素化合物でブロックして得られ
る硬化剤は、カルボジイミド基とイソシアネート基とが
反応して形成されたウレトンイミン結合を含むものであ
る。
【0020】上記のようにして得られるウレトンイミン
結合を有するブロックイソシアネートは、本発明の粉体
塗料組成物において硬化剤として使用される。これは、
粉体塗料中に配合した場合、焼付硬化時に、ブロックイ
ソシアネートが解離してフリーのイソシアネート基を生
成するとともに、ウレトンイミン結合が解離して、フリ
ーのイソシアネート基とともにカルボジイミド結合が生
成し、イソシアネート基及びカルボジイミド結合が、バ
インダーとして配合された樹脂中の水酸基及びカルボキ
シル基とそれぞれ低温で反応するため、低温硬化系を構
築することができる。更に、ウレトンイミン結合は、カ
ルボジイミド結合よりも反応性が低いため、カルボジイ
ミド硬化系では得られなかった平滑性に優れた塗膜を得
ることができる。
【0021】本発明の粉体塗料組成物は、上記硬化剤の
ほかに、水酸基及びカルボキシル基を含有するバインダ
ー樹脂を含むものである。上記バインダー樹脂として
は、水酸基及びカルボキシル基を有するものであれば特
に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
上記バインダー樹脂は、酸価が2〜150mgKOH/
g、水酸基価が10〜200であることが好ましい。こ
れらの値は下限を下回ると、硬化性に劣る結果、膜性能
が不充分となる。上限を超えると、得られる塗膜の耐水
性に劣る。
【0022】本発明の粉体塗料組成物を基材に塗布した
後の硬化加熱温度としては、100〜230℃、好まし
くは140〜200℃のなかから、基材の種類や組み合
わせて使用するバインダー樹脂の種類等に応じて、適宜
選択することができる。熱に弱い被塗装物の場合には、
140〜160℃程度の加熱であっても、良好な硬化塗
膜を得ることができる。加熱時間は、加熱温度に応じて
適宜設定することができる。本発明の粉体塗料組成物
は、高温での焼付け硬化を行うことができないアルミホ
イール、プラスチック部材等の自動車部品等であっても
好適に使用することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物においては、硬
化剤が、従来のブロックイソシアネート化合物に比べて
加熱減量が少ないため、揮発性有機化合物を減少させる
とともに、塗膜欠陥を防止することができる。これは、
硬化剤中において、主にイソシアネート化合物3分子が
ウレトンイミン結合で結合しており、ブロックされたイ
ソシアネート基を3個有する構造を有していると考えら
れる。このブロックイソシアネートは加熱により、通常
のブロックイソシアネートが解離してフリーのイソシア
ネート基を生成するとともに、ウレトンイミン結合が解
離して、フリーのイソシアネート基とともにカルボジイ
ミド結合が生成する。カルボジイミド結合自体は、主と
してカルボキシル基と反応するため、このブロックイソ
シアネートは5官能の硬化剤として機能するものと考え
られる。この5個の反応性官能基のうち、2つは脱離を
伴わずに反応するため、従来のブロックイソシアネート
化合物に比べて加熱減量が少ないと推定される。更に、
本発明の粉体塗料組成物においては、硬化剤から加熱硬
化時に生成したイソシアネート基及びカルボジイミド結
合が、バインダーとして配合された樹脂中の水酸基及び
カルボキシル基とそれぞれ反応する複合硬化となるた
め、形成される網目が小さくなり、低温硬化系を構築す
ることができる。また、ウレトンイミン結合自体は、従
来使用されてきたカルボジイミド硬化系よりも反応性が
低いため、平滑性に優れた塗膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 175/04 175/04 (72)発明者 湊 康学 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 楫野 哲郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 浦野 哲 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA03 DA01 DA05 DF01 DF02 DG00 DK02 DP12 DP18 HA07 HB06 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC35 HC46 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD06 HD07 HD12 KB03 KD16 LA22 LA33 QA01 RA07 4J038 DG111 DG121 DG131 DG161 DG191 DG281 DG301 GA03 GA06 KA03 MA02 NA04 NA23 PB07 PC02 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化剤、並びに、水酸基及びカルボキシ
    ル基を含有するバインダー樹脂を含む粉体塗料組成物で
    あって、前記硬化剤は、イソシアネート化合物をカルボ
    ジイミド化した後、ウレトンイミン化してポリイソシア
    ネートを製造し、前記得られたポリイソシアネートを活
    性水素化合物でブロックして得られるものであり、前記
    カルボジイミド化は、前記イソシアネート化合物のイソ
    シアネート基の量が最初の2/3になるまで行われるも
    のであって、かつ、前記ポリイソシアネートのイソシア
    ネート基の量は、3.2〜4.2mmol/gであるこ
    とを特徴とする粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】 イソシアネート化合物は、芳香族系のイ
    ソシアネート化合物である請求項1記載の粉体塗料組成
    物。
  3. 【請求項3】 芳香族系のイソシアネート化合物は、
    4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートである請
    求項2記載の粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 カルボジイミド化は、ホスホレンオキサ
    イドを触媒とし、120〜170℃で行われるものであ
    る請求項1、2又は3記載の粉体塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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