JP2002370065A - 塗布方法及び装置、有機電子デバイス、並びに電子写真感光体 - Google Patents

塗布方法及び装置、有機電子デバイス、並びに電子写真感光体

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JP2002370065A
JP2002370065A JP2001181838A JP2001181838A JP2002370065A JP 2002370065 A JP2002370065 A JP 2002370065A JP 2001181838 A JP2001181838 A JP 2001181838A JP 2001181838 A JP2001181838 A JP 2001181838A JP 2002370065 A JP2002370065 A JP 2002370065A
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substrate
coating
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discharge port
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JP2001181838A
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Mamoru Fujita
護 藤田
Kazuyuki Tada
一幸 多田
Taizo Mizushima
泰三 水島
Juichi Takahashi
寿一 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状又は円柱状の基体の外周面に塗膜を形
成するに際し、塗膜の非連続化や塗膜むらの発生を防止
し、十分に均一な塗膜を効率よく且つ確実に形成するこ
とが可能な塗布方法及び装置、並びにそれによって得ら
れる有機電子デバイス及び電子写真感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の塗布方法は、円筒状の基体を地
表に水平に支持し、基体の中心軸を中心として基体を所
定の速度で回転させると共に、基体及び/又は塗液供給
手段を基体の中心軸方向に沿って移動させながら、塗液
供給手段の吐出口から基体の外周面に向けて塗液を供給
する塗布方法であって、吐出口中心における塗液の液流
ベクトルの、基体の中心軸を含み地表に垂直な面への投
影ベクトルが、基体の中心軸方向のベクトル成分を有す
るように吐出口の向きを設定し、且つ塗液を吐出口から
平滑流で供給することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布方法及び装
置、有機電子デバイス、並びに電子写真感光体に関する
ものであり、詳しくは、円筒状又は円柱状の基体の外周
面に塗液を塗布する方法及び装置、並びにその方法によ
って得られる有機電子デバイス及び電子写真感光体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒状又は円柱状の基体の外周面
に塗液を塗布する方法としては、浸漬塗布法、スパイラ
ル塗布法等が知られている。
【0003】浸漬塗布法は操作が簡便であるという利点
を有するが、基体全体を浸漬するため、多量の塗液が必
要となり、装置が大型化してしまう。また、塗膜の均一
化及び高品質化を目的として、塗布工程の間浸漬槽上部
の液面高さを一定に保ち、浸浸槽上部から塗液を溢れさ
せ、溢れた塗液を液溜め槽を介してポンプ等で再び浸漬
槽に循環させるのが一般的であるが、このとき、塗布時
に溢れた塗液の一部は循環装置内で滞留してしまうの
で、ポットライフの短い塗液を使用する場合には多量の
塗液が無駄になる。
【0004】また、浸漬塗布法では、基体を塗液に浸漬
する際に、浸漬槽上部の液面状態や浸漬槽内部の塗液の
流れの安定化のために基体をゆっくり浸漬する必要があ
り、工程に要する時間が長くなる。また、塗膜は基体を
浸漬槽から引き上げる際に塗液にかかる剪断力によって
形成されるものであり、塗膜の膜厚は塗布速度とともに
厚くなるため、膜厚が薄い塗膜を形成する場合には塗布
速度を遅くする必要がある。更に、基体上に複数の塗膜
を積層する場合、次の浸漬工程で下地の塗膜が溶解しな
いように下地の層を十分に固化させる必要があるため、
各塗膜毎に乾燥工程を設ける必要がある。このように、
浸漬塗布法は生産効率の点で必ずしも十分とは言い難
い。
【0005】更に、浸漬塗布法では、基体を塗液に浸漬
したときに塗液と接触した部分には必ず塗膜が形成され
るが、電子写真感光体のように、その使用に際して基体
の端部が把持されたり、基体の端部にローラーが接触し
たりするものの場合、端部に塗膜が形成されていると塗
膜の削れや摩耗が発生する。そのため、電子写真感光体
等を製造する際には、基体下端部の塗膜を除去して未塗
布部を形成する工程が必要となる。
【0006】一方、スパイラル塗布法は、基体をその中
心軸回りに回転させると共に、基体と塗液供給手段との
少なくとも一方を基体の中心軸方向に移動させながら、
塗液供給手段から基体の外周面に向けて塗液を供給する
方法である。スパイラル塗布法は、浸漬塗布法に見られ
る上記の欠点がなく、特に生産効率及びコストの点で優
れている。
【0007】このような背景の下、より高品質な塗膜を
得るためのスパイラル塗布法が検討されている。例え
ば、特開平1−231966号公報には、塗液を筋状に
供給するスパイラル塗布法が開示されている。また、特
開平7−178367号公報には、基体の中心軸に沿っ
て平滑化部材を移動させて塗膜を平滑化する方法が開示
されている。また、特開2000−22170号公報に
は、基体とスプレーノズルとを基体の中心軸方向に平行
に移動させつつ、スプレーノズルから基体の外周面に向
けて、微粒化された塗液を供給する塗布方法が開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスパイラル塗布法であっても、十分に高品質化され
た塗膜を得るためには必ずしも十分なものではなかっ
た。
【0009】すなわち、上記特開平1−231996号
公報記載のスパイラル塗布法にあっては、回転する基体
の中心軸に対して平行移動する塗液供給手段の動作によ
り、基体の外周面に付着した塗液がスパイラル状の軌跡
を描く。このとき、基体の中心軸方向に注目した場合、
下記式(1)に従ってピッチが規則的に発生するため、
連続的な塗膜が得られなかったり、塗膜にスパイラル状
のむらが生じてしまう。 P=V/R (1) (式中、Pはピッチ[mm]を表し、Vは塗液供給手段
の移動速度[mm/min]を表し、Rは基体の回転速
度[rpm]を表す。)
【0010】なお、このような不具合を解消する方法と
しては、ピッチPを小さくしたり吐出口の口径を大きく
して、塗液が基体の外周面に付着したときのピッチPに
対する塗液の軸方向長さL の比L/Pを大きくすること
が考えられる。しかしながら、Pを小さくするためにV
を低減することは生産性の低下の原因となる。加えて、
Vを低減すると、下記式(2)で表される湿潤膜厚dW
が増加し、塗液にかかる遠心力によって膜厚むらが生じ
たり、塗膜となるまで外周面上に塗液が保持されずに垂
れてしまう。 dW=(ρs/ρl)・dD/sc (2) (式中、dWは湿潤膜厚[mm]を表し、ρsは塗膜の密
度[g/cm3]を表し、ρlは塗液の密度[g/c
3]を表し、dDは乾燥膜厚[mm]を表し、scは固
形分比を表す)
【0011】また、塗液供給量が増加してdWが増加す
る不具合を回避するために塗液の供給流量を小さくする
と、塗液が筋状ではなく滴下状態になって均一な塗膜が
得られない。他方、Pを小さくするためにRを増加させ
ると、塗膜にかかる遠心力が増加するため、塗液が中心
軸方向に広がりにくくなったり膜厚むらが生じたりす
る。
【0012】また、上記特開平7―178367号公報
記載の塗布方法にあっては、基体と平滑化部材との間隔
を塗布工程全般にわたって厳密に管理しないと、平滑化
部材との接触により基体や塗膜が損傷するので、品質、
生産性の点で実用に供し得るには不十分である。
【0013】また、特開2000―22170号公報記
載の塗布方法にあっては、微粒化された塗液が被塗布物
に到達する時点で粒度分布を有し、乾いた粉状となって
付着することは避けられない。このため、塗膜の表面は
荒れ、まだら模様が形成されることになり、高品質な塗
膜が要求される電子写真感光体の製造に適用することが
できない。また、微粒化された塗液の噴霧パターンは所
定の広がりを持つため、基体の大きさ、基体と吐出口の
距離、広がり角度などの条件によっては、塗液の一部が
基体の外周面に付着せず、塗液の使用効率が低くなる。
【0014】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、円筒状又は円柱状の基体の外
周面に塗膜を形成するに際し、塗膜の非連続化や塗膜む
らの発生を防止し、十分に均一な塗膜を効率よく且つ確
実に形成することが可能な塗布方法及び装置、並びにそ
れによって得られる有機電子デバイス及び電子写真感光
体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の塗布方法は、円筒状又は円柱状の基体を地
表に対して水平に支持し、基体の中心軸を中心として基
体を所定の速度で回転させると共に、基体又は塗液供給
手段の少なくとも一方を基体の中心軸方向に沿って移動
させながら、塗液供給手段の吐出口から基体の外周面に
向けて塗液を供給する塗布方法であって、吐出口中心に
おける塗液の液流ベクトルの、基体の中心軸を含み地表
に対して垂直な面への投影ベクトルが、基体の中心軸方
向のベクトル成分を有するように吐出口の向きを設定
し、且つ塗液を吐出口から平滑流で供給することを特徴
とする。
【0016】また、本発明の塗布装置は、円筒状又は円
柱状の基体を地表に対して水平に支持する支持手段と、
基体の中心軸を中心として基体を所定の速度で回転させ
る回転手段と、吐出口から基体の外周面に向けて塗液を
供給する塗液供給手段と、基体又は塗液供給手段の少な
くとも一方を、基体の中心軸方向に移動させる移動手段
とを備える塗布装置であって、塗液供給手段の吐出口
は、吐出口中心における塗液の液流ベクトルの、基体の
中心軸を含み地表に対して垂直な面への投影ベクトル
が、基体の中心軸方向のベクトル成分を有するように設
定され、且つ塗液供給手段は塗液を平滑流で供給するも
のであることを特徴とする。
【0017】また、本発明の有機電子デバイスは、円筒
状又は円柱状の基体と、該基体上に配置された有機膜と
を備える有機電子デバイスであって、有機膜が、該有機
膜の原料を含む塗液を上記本発明の塗布方法により塗布
することによって形成されたものであることを特徴とす
る。
【0018】また、本発明の電子写真感光体は、円筒状
又は円柱状の導電性基体と、該基体上に配置された感光
層とを備える電子写真感光体であって、感光層が、該感
光層の原料を含む塗液を上記本発明の塗布方法により塗
布することによって形成されたものであることを特徴と
する。
【0019】本発明においては、吐出口中心における塗
液の液流ベクトルの、基体の中心軸を含み地表に対して
垂直な面への投影ベクトルが、基体の中心軸方向のベク
トル成分を有するように吐出口の向きが設定され、且つ
その吐出口から塗液が平滑流で供給される。これによ
り、基体の外周面に付着する塗液が描くスパイラル状
(螺旋状)の軌跡において、塗液の中心軸方向の長さが
長くなり、また、付着後の塗液が中心軸方向に更に広が
るので、塗膜が非連続化したり膜厚むらが生じることな
く、十分に均一な塗膜を効率よく且つ確実に形成するこ
とが可能となる。
【0020】本発明は、塗液が、硬化性を有するもので
ある場合に特に優れた効果を発揮するものである。すな
わち、硬化性を有する塗液はポットライフが短いため、
従来の塗布方法には上記した課題があったが、本発明の
塗布方法及び装置はこのようにポットライフの短い塗液
を用いる場合にも好適に用いることができる。その結
果、電子写真感光体などの有機電子デバイスにおいて、
所望の特性がより高水準で達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付する
こととする。
【0022】(塗布方法及び装置)図1は本発明の塗布
装置の好適な一実施形態を示す概略構成図である。図1
に示す塗布装置において、円筒状の基体1は支持手段2
によって地表に対して水平に支持されている。支持手段
2には回転手段3が接続されており、これにより基体1
は、中心軸10を中心として、支持手段2と共に回転す
ることができる。なお、基体1の回転速度は、塗液を基
体1の外周面に供給したときのピッチ及び中心軸10方
向への広がりやすさを決定する重要な因子であり、後述
する塗液供給手段4の移動速度、吐出口8の内径、塗液
の物性、塗液の供給流量、基体1の外径などの他の条件
に応じて適宜設定される。
【0023】また、図1に示す塗布装置は、図2に示す
構成を有し、移動手段5により中心軸10方向に移動可
能な塗液供給手段4を備えている。図2(a)は塗液供
給手段4をノズルの中心軸を含む平面で切断したときの
断面図を示し、図2(b)は塗液供給手段4をノズルの
中心軸に垂直な平面で切断したときの断面図を示すもの
で、塗液供給手段4は、塗液槽(図示せず)から送液さ
れる塗液を、配管6を介してノズル7の吐出口8から平
滑流として供給することができるものである。
【0024】ここで、図3を参照しつつ、本発明でいう
平滑流の概念について説明する。塗液供給手段から小さ
な流出速度で液体を吐出させると、液体の流出状態は図
3(a)のように滴下(又は滴状分裂)となる。そし
て、液体の流出速度を徐々に増していくと、本発明でい
う平滑流、すなわち図3(b)のように表面が平滑な流
れが見られる。更に液体の流出速度が増加すると、図3
(c)のように液流が分裂して噴霧流となる。本発明に
おいては、塗液供給手段の吐出口から塗液を吐出させる
際に、その流出速度を適宜調節することによって、その
液流が平滑流に保たれる。
【0025】塗液供給手段4の材質としては、ステンレ
ス、アルミニウム、ニッケルなどの金属、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、AB
Sなどの樹脂、ガラスなどが挙げられる。また、供給流
量の安定性を高めるために、吐出口8及びその周辺に撥
水処理などの表面処理を施してもよい。
【0026】吐出口8の形状は、塗液を平滑流で供給で
きれば円形、楕円形、矩形、多角形のいずれであっても
よく、特定の幅方向が長いスリット状であってもよい
が、供給流量の安定性の点で、直径又は円相当直径が
0.005〜5mmであることが好ましく、0.01〜
2mmであることがより好ましい。なお、ここでいう円
相当直径とは、吐出口が円形でない場合(楕円形、矩
形、多角形など)に、吐出口の面積に相当する面積の円
を描いたときの円の直径をいう。
【0027】また、塗液供給手段4の吐出口8の向き
は、図4に示すように、吐出口8の中心における塗液の
液流ベクトル9の、基体1の中心軸10を含み地表に対
して垂直な面12への投影ベクトル11が中心軸10方
向にベクトル成分を有するように設定される。つまり、
投影ベクトル11を、中心軸10に平行なベクトル成分
11aと、中心軸10に垂直なベクトル成分11bとに
分けたとき、ベクトル成分11aのスカラー量は0では
ないことが必要である。また、投影ベクトル11と中心
軸10とのなす角αが10〜80°又は100〜170
°となるように吐出口8の向きを設定すると、基体1の
外周面に付着した塗液の中心軸10方向への広がり効果
が向上するので好ましい。
【0028】塗液供給手段4の移動速度は、塗膜のピッ
チ及び膜厚を決定する重要な因子であり、基体1の回転
速度、基体1の外径、吐出口8の内径、塗液の物性、塗
液の供給流量などの他の条件に応じて適宜設定される。
なお、塗液供給手段の移動方向は中心軸10方向であれ
ば特に制限されず、図1中の左右いずれの方向であって
もよい。なお、図1には塗液供給手段4を中心軸10方
向に沿って移動させる塗布装置を示したが、塗液供給手
段4を固設し、基体1を中心軸10方向に沿って移動さ
せてもよく、また、基体1と塗液供給手段4との双方を
中心軸10方向に沿って相互に移動させてもよい。
【0029】また、塗液の供給流量が塗液を平滑流で供
給するための重要な因子であることは前述した通りであ
る。更に、膜厚も塗液の供給流量に依存する。すなわ
ち、当該供給流量が少なすぎると、塗液の液流が滴下状
態となり、基体1の外周面にまだら状に付着して相互に
重なり合わず、連続的な膜が形成されにくくなる。ま
た、当該供給流量が多すぎると、吐出速度が過剰に大き
くなり、液流の表面に液糸(リガメント)が発生して波
状流となる。その結果、塗液が基体1の外周面に到達す
るときに塗液が跳ねて欠陥となったり、供給される塗液
の全量が基体1の外周面に付着せず塗液使用効率が低下
してしまう。従って、当該供給流量は、液流が平滑流と
なるように、塗液の表面張力、基体1の外周面と吐出口
8との距離、吐出口8の形状及び面積、塗液の液流ベク
トルの中心軸方向成分の大きさなどの他の条件に応じて
適宜設定される。また、塗液の液流の流速は、上記の条
件にもよるが、好ましくは0.5〜30m/sである。
更に、高速度カメラなどを用いて液流の形状を観察し、
液流が吐出径に対して殆ど広がらず滑らかとなるように
供給流量を調整することも好ましい。
【0030】ここで、基体1と塗液供給手段4との位置
関係について更に詳細に説明する。図5(a)〜(c)
は基体1と塗液供給手段4との位置関係を示す説明図で
あり、図5(a)は基体1の中心軸10方向から見た
図、図5(b)は上面図、図5(c)は側面図を示して
いる。図5(a)中、θ1は、吐出口8中心と中心軸1
0との最短距離を結ぶ直線13と、中心軸10を含み地
表に対して水平な面14とのなす角を表し;θ2は、塗
液の液流ベクトル9を中心軸10に対して垂直な面(図
4中の面20)に投影した投影ベクトルに沿った直線1
5と、中心軸を含み地表に対して水平な面14とのなす
角を表し;図5(b)中、θ3は、塗液の液流ベクトル
9を、中心軸10を含み地表に対して水平な面14に投
影した投影ベクトル16と、中心軸10とのなす角を表
す。なお、図5(c)中のαは図4中のαと同義であ
る。
【0031】本発明において、塗液供給手段4の吐出口
8の向きを設定する際には、図5(a)に示すように、
塗液の液流ベクトル9が吐出口8と中心軸10とを結ぶ
線上になくともよく、すなわちθ1とθ2とが一致せずと
もよい。
【0032】また、θ1は0〜180°、θ2は−45〜
225°であることが好ましい。θ 1、θ2がそれぞれ前
記の条件を満たすと、液ダレなく塗液を付着させること
ができる。
【0033】また、θ3は90°と270°とを除くこ
とが必要である。θ3が前記の条件を満たすと、中心軸
10方向に沿ったベクトル成分を有することができるた
め、塗膜の非連続化や塗膜むらの発生を確実に防止する
ことができる。
【0034】また、基体1と塗液供給手段4の吐出口8
との距離mは、装置の精度、塗液の供給流量(速度)、
塗液の物性、操作条件等に応じて適宜設定されるが、好
ましくは0.2〜10mmであり、より好ましくは0.
5〜5mmである。mが前記下限値未満であると、基体
1と塗液供給手段4とが接触しやすくなり、これを防止
するためには基体1の円筒度、回転時の振れ、支持部材
2の同軸度などを厳密に調整する必要があるため、塗膜
形成の精度と生産性との両立が困難となる。他方、mが
前記上限値を超えると、重力の影響により塗液の基体1
への衝突速度が大きくなり、塗液の付着時に空気が巻き
込まれたり塗液の一部が弾き飛ばされる現象が起こりや
すくなる。
【0035】上記の構成を有する本発明の塗布装置にお
いて、吐出口8の向きが上記の条件を満たすように設定
された塗液供給手段4を中心軸10方向に移動させなが
ら、塗液供給手段4から回転する基体1の外周面に向け
て塗液が平滑流で供給される。塗液が基体1の外周面に
付着したときの状態の経時的な変化を図6(a)〜
(c)に示す。吐出口8から吐出された塗液17は、図
6(a)に示すように、吐出口8の口径とほぼ等しい径
のまま基体1の外周面に付着する。塗布工程の進行に伴
い、外周面に付着した塗液17は、図6(b)に示すよ
うに中心軸10方向に広がり、図6(c)に示すように
既に形成された塗膜18の端部とつながって連続膜とな
る。このとき、形成される塗膜の湿潤膜厚は下記式
(3): dW=Q/(π・D・V) (3) (式中、dWは湿潤膜厚[mm]を表し、Qは塗液の供
給流量[mm3/min]を表し、Dは基体の外径[m
m]を表し、Vは基体と塗液供給手段との相対移動速度
[mm/min]を表す)で表される。すなわち、相対
移動速度Vを増加させることによって塗膜の湿潤膜厚d
Wを薄くすることができる。ここで、Vが過剰に大きく
なると高品質の塗膜が得られなくなる場合があるが、塗
膜の品質を高水準に維持しながら生産効率を高めるため
には、複数の塗液供給手段を用いて塗膜を形成すること
で対応可能である。
【0036】なお、吐出口8の向きが上記の条件を満た
さない場合には、外周面に付着した塗液13の中心軸1
0方向への広がりが不十分となり、その結果、図7
(a)に示すように塗膜が非連続的となったり、図7
(b)に示すように塗膜むらが生じてしまう。
【0037】このように、本発明の塗布方法及び装置に
よれば、塗膜が非連続化したり膜厚むらが生じることな
く、十分に均一な塗膜を効率よく且つ確実に形成するこ
とが可能となる。従って、本発明の塗布方法及び装置
は、電子写真感光体、電磁波遮断材、近赤外線遮断材、
導電性部材などの有機電子デバイスを製造するに際し、
形状精度が高い円筒状又は円柱状の基体の外周面に十分
に均一且つ高品質な有機膜が形成される点で非常に有用
である。なお、電子写真感光体を製造する場合のよう
に、基体の外周面に塗膜を複数積層する場合には、上述
の塗布工程を複数回繰り返すことによって、目的の積層
体を得ることができる。
【0038】(有機電子デバイス)本発明の有機デバイ
スは、円筒状又は円柱状の基体と該基体上に配置された
有機膜とを備えるものであり、当該有機膜が上記本発明
の塗布方法により形成されたものである。
【0039】有機膜を形成するに際し、当該有機膜の原
料を含む塗液が用いられる。有機膜の原料は、目的とす
る有機電子デバイスの特性に応じて適宜選定されるもの
であるが、例えば電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹
脂などを用いることによって電子写真感光体(OP
C);波長選択吸収性物質及び結着樹脂を用いることに
よって遮断材(電磁波遮断材、近赤外線遮断材など);
導電性物質及び結着樹脂を用いることによって導電性部
材、などを得ることができる。以下、本発明の有機電子
デバイスの好適な例として、本発明の電子写真感光体に
ついて説明する。
【0040】(電子写真感光体)本発明の電子写真感光
体は、円筒状又は円柱状の導電性基体と、該基体上に配
置された感光層とを備えるものであり、当該感光層が上
記本発明の塗布方法により形成されたものである。
【0041】本発明の電子写真感光体において用いられ
る基体としては、円筒状又は円柱状であって導電性を示
すものであれば特に制限されないが、具体的には、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属
類、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ス
テンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、
ITO等の薄膜を設けたプラスチックフィルム、導電性
付与剤を塗布乃至は含浸させた紙及びプラスチックフィ
ルムなどが挙げられる。これらの基体には、画質に影響
のない範囲で必要に応じて各種の処理を行うことができ
る。かかる処理としては、例えば、前記導電性支持体の
表面の陽極酸化被膜処理、熱水酸化処理、薬品処理、着
色処理、砂目立てなどの乱反射処理などが挙げられる。
【0042】本発明においては、上記本発明の塗布方法
により、感光層の原料(電荷発生物質、電荷輸送物質、
結着樹脂など)を含む塗液が上記の基体の外周面に塗布
されて、感光層が形成される。かかる感光層は、電荷発
生物質を含む層(電荷発生層)と電荷輸送物質を含む層
(電荷発生層)とが積層された機能分離型感光層であっ
てもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一
の層に含む単一型感光層であってもよい。なお、以下に
は機能分離型感光層の形成方法について説明するが、単
一型感光層の場合、電荷発生物質と電荷輸送物質との双
方を含む塗液を用いること以外は同様にして形成するこ
とができる。
【0043】また、本発明に係る感光層は、後述する下
引き層及び表面保護層を含むものであってもよく、かか
る下引き層及び表面保護層は本発明の塗布方法により好
適に形成することができる。
【0044】電荷発生物質としては、具体的には、アゾ
系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、インジゴ系顔
料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔
料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キノ
リン系顔料、レーキ系顔料、アゾレーキ系顔料、アント
ラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオキサジン系顔
料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニウム系染料、
スクウェアリウム系染料、ピリリウム系染料、トリアリ
ルメタン系染料、キサンテン系染料、チアジン系染料、
シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更にアモ
ルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、セレ
ン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモン、酸
化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料が挙げられる。これらの
中でも、縮環芳香族系顔料、ペリレン系顔料及びアゾ系
顔料が、感度、電気的安定性、さらに、照射光に対する
光化学的安定性の面で好ましい。これらの電荷発生物質
は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0045】電荷発生層を形成する際には、有機溶剤中
で上記の電荷発生物質を結着樹脂に分散し、その分散液
を塗液として用いることができる。
【0046】電荷発生層における結着樹脂としては、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、
ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で
変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂
等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル樹脂、変性エーテル型ポリエステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リビニルアセテート樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重
合体、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹
脂、ポリビニルアントラセン樹脂、ポリビニルピレン等
が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタール
系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、フェノキ
シ樹脂及び変性エーテル型ポリエステル樹脂は、電荷発
生物質の分散性に優れ、電荷発生物質が凝集せず長期に
わたり塗液中に安定的に保持され、その塗工液を用いる
ことで均一な被膜を形成し、その結果、電気特性を良く
し画質欠陥を少なくすることができる。しかしながら、
通常の状態で被膜を形成しうる樹脂であればこれらに限
定されるものではない。これらの結着樹脂は、単独ある
いは2種以上混合して用いることができる。
【0047】電荷発生物質と結着樹脂との配合比は、体
積比で、5:1〜1:2の範囲が好ましい。塗工液を調
製する際に用いられる溶剤としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジル
アルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロ
ロベンゼン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロ
ホルム等の通常使用される有機溶剤を単独で又は2種以
上混合して用いることができる。電荷発生層の厚みは、
一般的に0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μm
が適当である。この厚さが0.01μmよりも薄いと、
電荷発生層を均一に形成することが困難となる傾向にあ
り、5μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾
向にある。
【0048】また、電荷発生層中に酸化防止剤、失活剤
などの安定剤を加えることもできる。酸化防止剤として
は、例えば、フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系
化合物等の酸化防止剤が挙げられる。失活剤としてはビ
ス(ジチオベンジル)ニッケル、ジ−n−ブチルチオカ
ルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
【0049】次に電荷輸送層について説明する。電荷輸
送層は少なくとも以下に挙げる電荷輸送性物質を含むも
のが一般的である。電荷輸送物質としては、低分子化合
物では、例えば、ピレン系、カルバゾール系、ヒドラゾ
ン系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾリ
ン系、アリールアミン系、アリールメタン系、ベンジジ
ン系、チアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系等の
化合物が挙げられる。また、高分子化合物としては、例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン
等が挙げられる。このうち、トリフェニルアミン化合
物、トリフェニルメタン化合物、ベンジジン化合物がモ
ビリティー、安定性、光に対する透明性の面で好まし
い。
【0050】電荷輸送層の材料として、上記の電荷輸送
物質を分散するための結着樹脂を用いる場合、当該結着
樹脂としては電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重
合体が好ましい。このような高分子重合体としては、ポ
リカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、
ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニ
リデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらの結
着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、
特にポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂が、電荷輸送材料との相溶性、溶剤へ
の溶解性、強度に優れる点で好ましい。
【0051】また、これらの結着樹脂と共に、可塑剤、
表面改質剤、酸化防止剤、光劣化防止剤、微粒子等の添
加剤を使用することもできる。可塑剤としては、例え
ば、ビフェニル、塩化ビフェニル、ターフェニル、ジブ
チルフタレート、ジエチレングリコールフタレート、ジ
オクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタ
レン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げら
れる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、硫
黄系、リン系、アミン系化合物等の酸化防止剤が挙げら
れる。光劣化防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾ
ール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダードア
ミン系化合物等が挙げられる。微粒子としてはPTFE
等のフッ素系微粒子、シリコーン系微粒子等が挙げられ
る。
【0052】電荷輸送層の厚みは一般的に5〜50μ
m、好ましくは10〜40μmが適当である。この厚さ
が5μmよりも薄いと帯電が困難となる傾向にあり、5
0μmを越えると電子写真特性が著しく低下する傾向に
ある。
【0053】本発明の電子写真感光体において、電荷発
生層と電荷輸送層との積層の順序は特に制限されず、基
体に近い側から電荷発生層、電荷輸送層の順で積層され
ていてもよく、電荷輸送層、電荷発生層の順で積層され
ていてもよい。
【0054】本発明においては、電荷発生層又は電荷輸
送層と基体との間に下引き層を設けることができる。下
引き層は、感光層の帯電時において、基体から感光層へ
の電荷の注入を抑制する作用、感光層と基体とを一体的
に接着、保持する接着層としての作用、あるいは更に、
基体の光の反射光防止作用等を示す点で有利である。
【0055】下引層は、一般に電子写真感光体の下引き
層に用いられている材質で形成することができ、例え
ば、少なくとも結着樹脂を含み、更に必要に応じて微粒
子等を含んで構成される。結着樹脂としては、特に制限
されず、目的に応じて適宜選択することができるが、例
えば、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエ
ステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、
ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ
澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニ
ウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニ
ルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカ
ップリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記微
粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、
シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記
下引層の厚みとしては、通常、0.01から10μmで
あり、0.05から2μmが好ましい。
【0056】また、本発明においては、感光層の最表面
層として表面保護層を設けることもできる。表面保護層
としては、具体的には、アクリル系ポリマー、イミド系
のポリマー、メラミン系のポリマー、アクリル、メラミ
ン系のポリマー、シリコン系ポリマー又はポリマー前駆
体などのバインダーポリマー又はポリマー前駆体中に低
分子電荷輸送物質を分散し、その後バインダーポリマー
又はポリマー前駆体を反応硬化させたものが挙げられ
る。また、硬化性の電荷輸送物質を単独もしくはバイン
ダーとともに硬化させたものを用いることができる。ま
た、電子写真感光体表面の潤滑性を高めるために、シリ
コーン含有ポリマー、フッソ含有ポリマー、シリコーン
ポリマー微粒子、フッソポリマー微粒子などを表面保護
層に添加してもよい。また、メラミン樹脂微粒子や、導
電性の粉体等の強固な微粒子をバインダーポリマー中に
添加するような方法が知られている。これらの中で特性
上特に好ましい例として、下記一般式(4): Y−[D−SiR1 3-aab (4) (式中、Yは光機能性を有する有機基を表し、Dは2価
の基を表し、R1は水素原子、アルキル基及び置換もし
くは未置換のアリール基からなる群より選ばれる1種を
表し、Qは加水分解性基を表わし、aは1〜3の整数を
表し、bは1〜4の整数を表わす)で表される化合物を
少なくとも一種以上含むコーティング液を用いて形成さ
れたものをあげることができる。
【0057】一般式(4)におけるSi基の部分は、互
いに架橋反応を起こして3次元的なSi−O−Si結
合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成するため
のものである。Si基の数としては、1以上であれば無
機ガラス質ネットワークと結合することは可能である
が、2以上、すなわち一般式(4)においてbが2以上
のものが、均一な膜を形成しやすく、より強固な硬化膜
が得られるため好ましい。
【0058】一般式(4)中のDで表される2価の基
は、複数のYを3次元的な無機ガラス質ネットワークに
直接化学結合で結びつけるためのものである。また、堅
さの反面脆さも有する無機ガラス質ネットワークに適度
な可とう性を付与し、膜としての強度を向上させるとい
う機能もある。具体的には、nを1〜15の整数とした
場合の −Cn2n−、−Cn2n-2−、−Cn2n-4−で
表わされる2価の炭化水素基、および−COO−、−S
−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−C6
4−C64−、並びにこれらの組み合わせや置換基を
導入したものなどが挙げられる。一般式 (4) における
Yとしては、具体的には、トリアリールアミン系化合
物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、
アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、
アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、などから
誘導される有機基が挙げられる。
【0059】上記一般式(4)で表される化合物 の中
でも、Yが下記一般式(5):
【化1】 (式中、Ar1〜Ar4は同一でも異なっていてもよく、
それぞれ置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5
芳香族炭化水素基を表し、kは0又は1を表す)で表わ
される化合物は、特に優れた光電特性と機械特性を示
す。
【0060】上記一般式(5)中、Ar1〜Ar4はそれ
ぞれ独立に置換または未置換のアリール基を示し、具体
的には下記一般式(6)〜(12):
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】 −Ar−(Z’)s−Ar−Xm (12) (式中、R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアル
コキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル
基、及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より
選ばれる1種を表し、R3〜R5はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル
基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル
基、並びにハロゲン原子からなる群より選ばれる1種を
表し、Ar及びZ’は2価の基を表し、m及びsはそれ
ぞれ0または1を表わし、tは1〜3の整数を表し、X
は上記一般式(4)中の−D−SiR1 3-aaで表され
る基を示す)で表される基が挙げられる。
【0061】ここで、上記一般式(12)中、Arで表
される2価の基としては、下記一般式(13)又は(1
4):
【化8】
【化9】 (式中、R6及びR7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1
〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換の
フェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、並びにハ
ロゲン原子からなる群より選ばれる1種を表し、tは1
〜3の整数を表す)で表される基であることが好まし
い。
【0062】また、上記一般式(12)中、Z’で表さ
れる2価の基としては、下記一般式(15)〜(2
2): −(CH2q− (15) −(CH2CH2O)r− (16)
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】 (式中、q及びrはそれぞれ0又は1を表し、R6及び
7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルコキ
シ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭
素数7〜10のアラルキル基、並びにハロゲン原子から
なる群より選ばれる1種を表し、t’は1〜3の整数を
表す)で表されるものが好ましい。更に、Z’が上記一
般式(21)又は(22)で表されるとき、Wは下記式
(23)〜(31): −CH2− (23) −C(CH32− (24) −O− (25) −S− (26) −C(CF32− (27) −Si(CH32− (28)
【化16】
【化17】
【化18】 (式中、s’は0〜3の整数を表す)で表される基のう
ちのいずれかであることが好ましい。また、上記一般式
(5)中、Ar5の好ましい構造としては、kが0の場
合は上記一般式(6)〜(12)で表される基のうちm
が1であるもの、kが1の場合は上記一般式(6)〜
(12)で表される基のうちmが0であるものが挙げら
れる。
【0063】上記一般式(4)で表される光機能性有機
ケイ素化合物の1種以上を含む溶液を塗液として用いる
場合、当該光機能性有機ケイ素化合物と結合可能な基を
有する化合物の少なくとも1種以上を更に配合すること
が好ましい。
【0064】一般式(4)で表される化合物と結合可能
な基とは、一般式(4)で表される化合物を加水分解し
た際に生じるシラノール基と結合可能な基を意味し、具
体的には−SiR1 3-aaで表される基、エポキシ基、
イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハ
ロゲン基などを意味する。これらのうち、−SiR1 3 -a
aで表される基、エポキシ基及び/又はイソシアネー
ト基を有する化合物がより強い機械強度を有するため好
ましい。更に、これらの基を分子内に2つ以上有する化
合物を用いると、硬化膜の架橋構造が3次元的になり、
より強い機械強度を有するため好ましい。これらの中で
も、最も好ましい化合物例として一般式(32): B[−SiR1 3-aa]n (32) (式中、R1、Q及びaは上記一般式(4)中のR1、Q
及びaと同一の定義内容を表し、Bは枝分かれを含んで
も良いn価の炭化水素基、n価のフェニル基及びイミノ
基(−NH−)からなる群より選ばれる1種を表し、n
は2以上の整数を表わす)で表される化合物が挙げられ
る。
【0065】上記一般式(32)で表される化合物は−
SiR1 3-aaで表される置換ケイ素基を2個以上有し
ている化合物である。当該置換ケイ素基の一部が一般式
(4)で表される化合物又は他の一般式(32)で表さ
れる化合物と反応し、Si−O−Si結合となって3次
元的な架橋硬化膜が形成される。一般式(4)で表され
る化合物も同様の置換ケイ素基を有しているので、それ
のみで硬化膜を形成することも可能であるが、一般式
(32)で表される化合物は2個以上の 置換ケイ素基
を有しているので、硬化膜の架橋構造が3次元的にな
り、より強い機械強度が得られる。また、一般式(4)
中のDと同様、架橋硬化膜に適度な可とう性を付与する
役割もある。化合物(32)で表される化合物として
は、下記一般式(33)〜(37): T1[−SiR1 3-aaj (33) HN[−SiR1 3-aa2 (34) T2[−NH−T1−SiR1 3-aa] (35)
【化19】
【化20】 (式中、T1及びT2はそれぞれ枝分かれしていてもよい
2価又は3価の炭化水素基を表し、h、i及びjはそれ
ぞれ1〜3の整数を表し、h、i及びjは各史記中の−
SiR1 3-aaで表される基の数が2以上となるように
選ばれる)で表されるものが好ましい。このような化合
物の具体例を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】また、上記一般式(4)で表される化合物
を用いる際に、上記一般式(32)で表される化合物に
加えて、他のカップリング剤、フッ素化合物を更に配合
してもよい。このような化合物として、各種シランカッ
プリング剤、市販のシリコン系ハードコート剤などを用
いることができる。
【0068】シランカップリング剤としては、具体的に
は、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラ
メトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、等を用いることができる。また、市
販のハードコート剤としては、KP-85、X-40-9740、X-40
-2239 (以上、信越シリコーン社製)、AY42-440、AY42
-441、AY49-208 (以上、東レダウコーニング社製)な
どを用いることができる。また、撥水性などの付与のた
めに、(トリデカフルオロ -1,1,2,2-テトラヒドロオク
チル)トリエトキシシラン、(3,3,3-トリフルオロプロ
ピル)トリメトキシシラン、3-(ヘプタフルオロイソプ
ロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H-
パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2
H-パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2
H-パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、などの含
フッ素化合物を加えてもよい。シランカップリング剤は
任意の量で使用できるが、含フッ素化合物の量は、フッ
素を含まない化合物に対して重量で0.25以下とする
ことが望ましい。これを越えると、架橋膜の成膜性に問
題が生じる場合がある。
【0069】これらのコーティング液の調整は、無溶媒
で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用
できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであ
り、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設
定できるが、少なすぎると光機能性有機ケイ素化合物が
析出しやすくなるため、光機能性有機ケイ素化合物1重
量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは、1〜20
重量部で使用される。反応温度および時間は原料の種類
によっても異なるが、通常0〜100℃、好ましくは1
0〜70℃、特に好ましくは15〜50℃の温度で行う
ことが好ましい。反応時間に特に制限はないが、反応時
間が長くなるとゲル化を生じ易くなるため、10分から
100時間の範囲で行うことが好ましい。
【0070】コーティング液の調整は無触媒で行っても
良いが、適切な触媒を用いても良い。そのような触媒の
例としては、塩酸、酢酸、硫酸、リン酸などの無機酸、
ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン
酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸などの有機酸、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
アンモニア等のアルカリ触媒、ジブチルスズジラウリレ
ート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジア
セテート等の有機ズズ化合物。アルミニウムトリエチレ
ート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウ
ムトリ(sec−ブチレート)、モノ(sec−ブトキ
シ)アルミニウムジイソプロピレート、ジイソプロポキ
シアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニ
ウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム
ビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネ
ート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、
アルミニウムジイソプロポキシ(アセチルアセトネー
ト)、アルミニウムイソプロポキシ−ビス(アセチルア
セトネート)、アルミニウムトリス(トリフルオロアセ
チルアセトネート)、アルミニウムトリス(ヘキサフル
オロアセチルアセトネート)等の有機アルミニウム化合
物。チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、
チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネー
ト)、チタニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチ
ルアセトネート)、等の有機チタニウム化合物。ジルコ
ニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニ
ウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネート)及
びジルコニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチル
アセトネート)等のジルコニウム化合物。更に、以下に
示すような、系に不溶な固体触媒を用いることもでき
る。
【0071】系に不溶な固体触媒としては、触媒成分
が、一般式(4)、(5)、(32)で表される化合
物、他のカップリング剤、含フッ素化合物、水、反応生
成物および溶媒のいずれにも不溶であるものであれば特
に限定されない。このような固体触媒の具体例を以下に
例示する。
【0072】陽イオン交換樹脂:アンバーライト15、
アンバーライト200C、アンバーリスト15(以上、
ローム・アンド・ハース社製);ダウエックスMWC−
1−H、ダウエックス88、ダウエックスHCR−W2
(以上、ダウ・ケミカル社製);レバチットSPC−1
08、レバチットSPC−118(以上、バイエル社
製);ダイヤイオンRCP−150H(三菱化成社
製);スミカイオンKC−470、デュオライトC26
−C、デュオライトC−433、デュオライト−464
(以上、住友化学工業社製);ナフィオン−H(デュポ
ン社製)など; 陰イオン交換樹脂:アンバーライトIRA−400、ア
ンバーライトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハ
ース社製)など; プロトン酸基を含有する基が表面に結合されている無機
固体:Zr(O3PCH2CH2SO3H)2、Th(O3
CH2CH2COOH)2など; プロトン酸基を含有するポリオルガノシロキサン:スル
ホン酸基を有するポリオルガノシロキサンなど; ヘテロポリ酸:コバルトタングステン酸、リンモリブデ
ン酸など; イソポリ酸:ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン酸な
ど; 単元系金属酸化物:シリカゲル、アルミナ、クロミア、
ジルコニア、CaO、MgOなど; 複合系金属酸化物:シリカ−アルミナ、シリカ−マグネ
シア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト類など; 粘土鉱物:酸性白土、活性白土、モンモリロナイト、カ
オリナイトなど; 金属硫酸塩:LiSO4,MgSO4など; 金属リン酸塩:リン酸ジルコニア、リン酸ランタンな
ど; 金属硝酸塩:LiNO3,Mn(NO32など。
【0073】アミノ基を含有する基が表面に結合されて
いる無機固体:シリカゲル上にアミノプロピルトリエト
キシシランを反応させて得られた固体など。
【0074】アミノ基を含有するポリオルガノシロキサ
ン:アミノ変性シリコーン樹脂など。
【0075】これらの触媒のうち、少なくとも1種を用
いて加水分解縮合反応を行う。これらの触媒は、固定床
中に設置し反応を流通式に行うこともできるし、バッチ
式に行うこともできる。触媒の使用量は、特に限定され
ないが、加水分解性ケイ素置換基を含有する化合物の合
計量に対して0.1〜20重量%が好ましい。
【0076】加水分解縮合させる際の水の添加量は特に
限定されないが、生成物の保存安定性、あるいは更に重
合に供する際のゲル化抑制に影響するため、好ましくは
加水分解性ケイ素置換基を含有する材料の加水分解性基
をすべて加水分解するに必要な理論量に対して30〜5
00%、さらに好ましくは50〜300モル%の範囲の
割合で使用することが好ましい。水の量が500モル%
よりも多い場合、生成物の保存安定性が悪くなったり、
光機能性有機ケイ素化合物が析出しやすくなる。一方、
水の量が30モル%より少ない場合、未反応の化合物が
増大してコーティング液を塗布、硬化時に相分離を起こ
したり、強度低下を起こしやすい。硬化反応は無触媒で
行うこともできるが、適切な触媒を用いることが好まし
い。硬化触媒としては前述の塗布液調整の際の触媒を上
げることができる。さらに安定剤として多座配位子など
を添加しても良い。硬化触媒の使用量は任意に設定でき
るが、保存安定性、特性、強度などの点で加水分解性ケ
イ素置換基を含有する材料の合計量に対して0.1〜2
0wt%が好ましく、0.3〜10wt%がより好ましい。
硬化温度は、任意に設定できるが、所望の強度を得るた
めには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定さ
れる。硬化時間は、必要に応じて任意に設定できるが、
10分〜5時間が好ましい。また、硬化反応を行ったの
ち、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図ることも有効
である。さらに、用途によっては、ヘキサメチルジシラ
ザンや、トリメチルクロロシランなどを用いて表面処理
を行い、疎水化することもできる。
【0077】以上、円筒形有機電子デバイスの一つとし
て、積層型OPCの説明を行ったが、本塗布方法あるい
は塗布装置は特に、各乾燥工程が不要になるなどの理由
からこのような積層型のものに用いるとメリットが大き
い。積層型OPCの塗布に本発明の塗布方法又は装置を
用いる場合、電子写真感光体に含まれるすべての層の塗
布に用いてもよいし、何層かを選択して塗布してもよ
い。
【0078】また、本発明の塗布方法及び装置は、特に
ポットライフの短い塗液に対して好適に用いることがで
きる。ポットライフの短い塗液とは、時間の経過ととも
に液の性質が変化する塗液において、要求する特性が得
られる時間の短いものをいう。なお、液の性質の変化と
は、分散物の沈殿、不溶物の沈殿、液の固化、重合反応
の進行、光反応(光劣化)、酸化反応(酸化劣化)など
様々なものが考えられる。当然のことながら、液の性質
の変化が好ましいこと(熟成などと表現できる)もあれ
ば、好ましくない場合(劣化)もある。ポットライフの
短い塗液の例として、ジルコニウムキレート化合物、チ
タニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、
有機チタニル化合物、シランカップリング剤を用いた下
引き層や、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、
酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂
などの微粒子をバインダー中に分散した下引き層、電荷
発生層、PTFE等のF系微粒子やシリコーン系微粒子
などを含む電荷輸送層、結着樹脂として硬化性を有する
樹脂を用いた電荷輸送層、微粒子を分散させた表面保護
層、結着樹脂として硬化性を有する樹脂を用いた表面保
護層、一般式(4)で示される化合物から誘導される化
合物を少なくとも1種類以上含む表面保護層等を形成す
る塗液などが挙げられる。
【0079】また、本発明の塗布方法や塗布装置には、
公知の塗液粘度調整機構あるいは塗液組成調整機構、塗
液追加機構、塗液調製機構等を付加することもでき、こ
の場合、塗液の粘度あるいは組成を一定に保つことによ
り、基体の外周面の塗布を連続的に、より安定な状態で
行うことが可能となる。また、膜厚の均一性を上げるた
め、溶剤蒸気を制御するための円筒状の溶剤蒸気調整機
構を設けてもよい。
【0080】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0081】実施例1 本実施例においては、図1に示す塗布装置により、円筒
状基体の外周面に塗膜を形成した。
【0082】すなわち、基体1としてφ30×340m
mのアルミニウム製パイプを用い、中心軸方向10が地
表に対して水平となるように支持手段2で保持し、回転
手段3を介して基体1を300rpmで回転させた。回
転方向は、図1の基体1上部において紙面の手前に向け
て回転するようにした。
【0083】塗液供給手段4として、逆止弁を備えるシ
リンジ(φ40mm)の先端に、角度調整用のアダプタ
ーを介して市販のルアーロックタイプのニードル(吐出
口内径:φ0.18mm、長さ:13mm)が接続され
たものを使用した。塗液供給手段4は、図5(a)〜
(c)中のαが30°、θ1が45°、θ2が90°、θ
3が180°、mが1mmとなるように配置した。
【0084】塗液供給手段4から吐出させる塗液(硬化
型の電荷輸送層用塗液)は、以下の手順に従って調製し
た。先ず、下記式(38):
【化21】 で表される化合物2重量部、ビストリメトキシシリルヘ
キサン2重量部、メタノール2重量部を採取し十分に混
合した。これにイオン交換樹脂(アンバーリスト15
E)0.2重量部を加えて室温(約25℃)にて2時間
攪拌した後、薄層クロマトグラフィー(TLC、展開溶
剤:ヘキサン/酢酸エチル=3/1、吸着剤:シリカゲ
ル)により上記式(38)で表される化合物の消失を確
認した後、更にn−ブタノール4重量部と蒸留水1.7
重量部を加えて1時間攪拌した。その後、脱脂綿を用い
た簡易ろ過装置でイオン交換樹脂をろ別し、ろ液にアル
ミニウムトリスアセチルアセトナート0.05重量部を
加えて溶解し、室温にて16時間静置して電荷輸送層用塗
液を得た。この塗液の粘度は3.5mPa・sであっ
た。
【0085】このようにして得られた塗液を塗液供給手
段4のシリンジ内に充填し、加圧エアーによりニードル
から平滑流の状態で吐出させた。このとき、エアー圧を
1.1kgf/cm2に調整して供給流量Qを2.0g
/min(吐出速度:1.6m/s)とした。また、塗
液の供給に際し、塗液供給手段4を基体1の塗布開始位
置(塗布開始側の基体端から軸方向に50mmの位置)
へ移動させ、塗液の供給開始と同時に塗液供給部材を基
体1の中心軸10と平行方向に600mm/minの速
度で移動させた。また、塗布終了点(塗布開始側の基体
端から軸方向に290mmの位置)で塗液の供給を停止
し、塗布終了とした。このときのピッチ幅は2.0mm
であり、吐出口径の11.1倍であった。塗布終了後、
基体1を74rpmで回転させながら20分間自然乾燥
し、次いで乾燥温度130℃において1時間乾燥させ
て、膜厚4.0μmの乾燥塗膜(電荷輸送層)を得た。
【0086】得られた円筒体外周面の塗膜の膜厚を、干
渉法により、周方向4点(基体1の中心軸10に対して
90°間隔)、軸方向5点(基体塗布開始側端より、70
mm、120mm、170mm、220mm、270mmの位置)の
計20点について測定したところ、膜厚の標準偏差σは
0.03μmであった。
【0087】また、表面粗さ計を用いて表面のうねりを
測定した(JIS B 0601−1994)。測定区
間は基体1の中央部の軸方向長さ20mmとし、カット
オフ値を2.5mmとした。その結果、Wa(算術平均
値)は0.052μm、Wcm(最大高さ)は0.357
μmであった。また、目視による外観評価は良好であっ
た。
【0088】実施例2 塗液供給手段の移動速度を900mm/minとした以
外は実施例1と同様にして、基体の外周面に電荷輸送層
用塗液を塗布した。なお、ピッチ幅は3.0mmであ
り、吐出口径の16.7倍であった。その結果、膜厚
2.7μmの乾燥塗膜が得られ、σ=0.12μm、W
a=0.205μm、Wcm=1.925μmであった。
また、目視による外観評価では良好であった。
【0089】比較例1 図4中の角度αが90°となるように塗布供給手段を配
置したこと以外は実施例1と同様にして、基体の外周面
に電荷輸送層用塗液を塗布した。その結果、4.0μm
の乾燥塗膜が得られた。得られた塗膜のσは0.04μ
mであり、Waは0.073μmであり、Wcmは0.4
48μmであった。また、目視による外観評価では、基
体の中心軸方向2.0mm毎に規則的なむらが見られ
た。
【0090】比較例2 図4中の角度αが90°となるように塗布供給手段を配
置したこと以外は実施例2と同様にして、基体の外周面
に電荷輸送層用塗液を塗布した。その結果、塗膜は連続
的な膜とならなかった。
【0091】実施例3 本実施例においては、図1に示す塗布装置により、円筒
状基体の外周面に塗膜を形成した。
【0092】すなわち、基体1としてφ30×340m
mのアルミニウム製パイプを用い、中心軸方向10が地
表に対して水平となるように支持手段2で保持し、回転
手段3を介して基体1を300rpmで回転させた。回
転方向は、図1の基体1上部において紙面の手前に向け
て回転するようにした。
【0093】塗液供給手段4として、逆止弁を備えるシ
リンジ(φ40mm)の先端に、角度調整用のアダプタ
ーを介して市販のルアーロックタイプのニードル(吐出
口内径:φ0.18mm、長さ:13mm)が接続され
たものを使用した。塗液供給手段4は、図5(a)〜
(c)中のαが30°、θ1が45°、θ2が90°、θ
3が180°、mが1mmとなるように配置した。
【0094】塗液供給手段4から吐出させる塗液とし
て、以下に示す組成を有する下引き層用塗液を用いた。
この塗液の粘度は9.0mPa・sであった。
【0095】 塗液の組成 ジルコニウム化合物(オルガチックスZC540、松本製薬社製):15重量 部 シランカップリング剤(A−1110、日本ユニカー社製):2重量部 ポリビニラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製):1重量部 1−ブタノール:46重量部。
【0096】この塗液を塗液供給手段4のシリンジ内に
充填し、加圧エアーによりニードルから平滑流の状態で
吐出させた。このとき、エアー圧を1.4kgf/cm
2に調整して供給流量Qを1.8g/min(吐出速
度:1.4m/s)とした。また、塗液の供給に際し、
塗液供給手段4を基体1の塗布開始位置(塗布開始側の
基体端から軸方向に50mmの位置)へ移動させ、塗液
の供給開始と同時に塗液供給部材を基体1の中心軸10
と平行方向に600mm/minの速度で移動させた。
また、塗布終了点(塗布開始側の基体端から軸方向に2
90mmの位置)で塗液の供給を停止し、塗布終了とし
た。このときのピッチ幅は3.0mmであり、吐出口径
の16.7倍であった。塗布終了後、基体1を74rp
mで回転させながら10分間自然乾燥し、次いで乾燥温
度150℃において10分間乾燥させて、膜厚1.0μ
mの乾燥塗膜(下引き層)を得た。
【0097】得られた円筒体外周面の塗膜の膜厚を、干
渉法により、周方向4点(基体1の中心軸10に対して
90°間隔)、軸方向5点(基体塗布開始側端より、70
mm、120mm、170mm、220mm、270mmの位置)の
計20点について測定したところ、膜厚の標準偏差σは
0.02μmであった。
【0098】また、表面粗さ計を用いて表面のうねり及
び粗さを測定した(JIS B 0601−199
4)。測定区間は基体1の中央部の軸方向長さ20mm
とし、カットオフ値を2.5mmとした。その結果、W
a(算術平均値)は0.007μm、Wcm(最大高さ)
は0.058μmであり、表面粗さRaは0.028μ
mであった。また、目視による外観評価は良好であっ
た。
【0099】比較例3 図4中の角度αが90°となるように塗液供給手段を配
置したこと以外は実施例3と同様にして、基体の外周面
に塗液を塗布した。その結果、膜厚1.0μmの乾燥塗
膜が得られた。得られた塗膜のσは0.03μmであ
り、Waは0.014μmであり、Wcmは0.08μm
であった。また、目視による外観評価では軸方向3.0
mm毎に規則的なむらが見られた。
【0100】比較例4 塗液供給手段としてスプレーノズル(吐出口内径:φ
0.8mm、エアー供給口内径:φ1.2mm)を用
い、塗液にかかるエアー圧力を0.1kgf/cm 2
噴霧のための同伴エアーのエアー圧力を2.5kgf/
cm2として、実施例4で用いた塗液を噴霧流で吐出さ
せて、基体の外周面に塗液を塗布した。なお、図4中の
αは30°、θ1は45°、θ2は90°、θ3は180
°、mは60mmとした。また、塗液の付着効率を高め
るために、電界距離60mmで60kVの電界電圧を基
体に印加した。塗液の供給に際し、スプレーノズルを基
体の塗布開始位置(塗布開始側の基体端から軸方向に5
0mmの位置)へ移動させ、塗液の供給開始と同時に塗
液供給部材を基体1の中心軸10と平行方向に250m
m/minの速度で移動させた。また、塗布終了点(塗
布開始側の基体端から軸方向に290mmの位置)で塗
液の供給を停止し、塗布終了とした。このときのピッチ
幅は1.0mmであった。
【0101】得られた塗膜を目視観察したところ、全面
にわたって表面が白みがかっており、粉っぽく光沢がな
かった。また、塗膜を光学顕微鏡で観察したところ、塗
膜中に気泡が混入していることがわかった。更に、干渉
法による塗膜の膜厚測定を試みたが、表面形状の乱れに
より干渉波形が見られず、膜厚の測定値を得ることがで
きなかった。そこで、SEMにより塗膜の断面を観察し
たところ、膜厚は約1μmであった。また、表面粗さ計
を用いて表面うねりを測定したところ、Waは0.06
5μmであり、Wcmは0.38mmであった。更に、表
面粗さRaは0.127μmであった。
【0102】実施例4 本実施例においては、図1に示す塗布装置により、円筒
状基体の外周面に塗膜を形成した。
【0103】すなわち、基体1としてφ30×340m
mのアルミニウム製パイプを用い、中心軸方向10が地
表に対して水平となるように支持手段2で保持し、回転
手段3を介して基体1を300rpmで回転させた。回
転方向は、図1の基体1上部において紙面の手前に向け
て回転するようにした。
【0104】塗液供給手段4として、逆止弁を備えるシ
リンジ(φ40mm)の先端に、角度調整用のアダプタ
ーを介して市販のルアーロックタイプのニードル(吐出
口内径:φ0.3mm、長さ:15mm)が接続された
ものを使用した。塗液供給手段4は、図5(a)〜
(c)中のαが30°、θ1が45°、θ2が90°、θ
3が180°、mが1mmとなるように配置した。
【0105】塗液供給手段4から吐出させる塗液とし
て、以下に示す組成を有する電荷輸送層用塗液を用い
た。この塗液の粘度は55mPa・sであった。
【0106】塗液の組成 下記式(39)で表される電荷輸送製物質:1重量部 下記式(40)で表される繰り返し単位を有するポリカ
ーボネート樹脂(ユーロピンZ、三菱瓦斯化学社製):
1重量部 モノクロルベンゼン:11重量部。
【化22】
【化23】
【0107】この塗液を塗液供給手段4のシリンジ内に
充填し、加圧エアーによりニードルから平滑流の状態で
吐出させた。このとき、エアー圧を3.5kgf/cm
2に調整して供給流量Qを8.1g/min(吐出速
度:1.9m/s)とした。また、塗液の供給に際し、
塗液供給手段4を基体1の塗布開始位置(塗布開始側の
基体端から軸方向に50mmの位置)へ移動させ、塗液
の供給開始と同時に塗液供給部材を基体1の中心軸10
と平行方向に500mm/minの速度で移動させた。
また、塗布終了点(塗布開始側の基体端から軸方向に2
90mmの位置)で塗液の供給を停止し、塗布終了とし
た。このときのピッチ幅は1.67mmであり、吐出口
径の5.6倍であった。塗布終了後、基体1を30分間
自然乾燥し、次いで乾燥温度110℃において60分間
乾燥させて、膜厚20.0μmの乾燥塗膜(電荷輸送
層)を得た。
【0108】得られた円筒体外周面の塗膜の膜厚を、干
渉法により、周方向4点(基体1の中心軸10に対して
90°間隔)、軸方向5点(基体塗布開始側端より、70
mm、120mm、170mm、220mm、270mmの位置)の
計20点について測定したところ、膜厚の標準偏差σは
0.20μmであった。
【0109】また、表面粗さ計を用いて表面のうねりを
測定した(JIS B 0601−1994)。測定区
間は基体1の中央部の軸方向長さ20mmとし、カット
オフ値を2.5mmとした。その結果、Wa(算術平均
値)は0.010μm、Wcm(最大高さ)は0.104
μmであった。また、目視による外観評価は良好であっ
た。
【0110】実施例5 塗液供給部材の移動速度を600mm/minとしたこ
と以外は実施例4と同様にして、基体の外周面に塗液を
塗布した。なお、ピッチ幅は2.0mmであり、吐出口
径の6.7倍であった。その結果、膜厚16.7μmの
乾燥塗膜が得られた。得られた塗膜のσは0.42μm
であり、Waは0.083μmであり、Wcmは0.40
0μmであった。また、目視による外観評価では良好で
あった。
【0111】比較例5 図4中の角度αが90°となるように塗液供給手段を配
置したこと以外は実施例4と同様にして、基体の外周面
に塗液を塗布した。その結果、膜厚20.0μmの乾燥
塗膜が得られた。得られた塗膜のσは0.24μmであ
り、Waは0.019μmであり、Wcmは0,120μ
mであった。また、目視による外観評価では軸方向1.
7mm毎に規則的なむらが見られた。
【0112】比較例6 図4中の角度αが90°となるように塗液供給手段を配
置したこと以外は実施例5と同様にして、基体の外周面
に塗液を塗布した。その結果、塗膜は連続的な膜となら
なかった。
【0113】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の塗布方法及
び装置によれば、円筒状又は円柱状の基体の外周面に塗
膜を形成するに際し、塗膜の非連続化や塗膜むらの発生
を防止し、十分に均一な塗膜を効率よく且つ確実に形成
することが可能となる。また、上記本発明の塗布方法を
用いて得られる本発明の有機電子デバイス、中でも本発
明の電子写真感光体にあっては、材料の限定や外力への
付与をせずとも十分に均一な有機膜(又は感光層)を形
成することができ、光電特性などの特性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の好適な一実施形態を示す概
略構成図である。
【図2】(a)及び(b)はそれぞれ本発明にかかる塗
液供給手段の一例を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)はそれぞれ液流の状態を示す説
明図であり、(a)は滴下、(b)は平滑流、(c)は
噴霧流を示している。
【図4】本発明にかかる基体と塗液供給手段との位置関
係を示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)はそれぞれ本発明にかかる基体
と塗液供給手段との位置関係を示す説明図である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ、本発明の塗布方法
により基体の外周面に供給された塗液から、塗膜が形成
されるまでの状態を示す説明図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ、従来の塗布方法に
より形成される塗膜の表面状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…基体、2…支持手段、3…回転手段、4…塗液供給
手段、5…移動手段、6…配管、7…ノズル、8…供給
口、9…液流ベクトル、10…中心軸、11、15、1
6…投影ベクトル、12…中心軸を含み地表に垂直な平
面、13…排出口中心と中心軸との最短距離を結ぶ直
線、14…中心軸を含み地表に水平な平面、17…塗
液、18…塗膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302S 302Y G03G 5/05 102 G03G 5/05 102 H01L 31/08 H01L 31/08 Q (72)発明者 水島 泰三 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 高橋 寿一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H068 EA16 4D075 AC12 CA48 DA15 DB01 DB04 DB07 DC21 EA07 EB32 EB42 EC11 EC49 5F088 AA11 AB12 AB13 BB08 CB11 CB20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状又は円柱状の基体を地表に対して
    水平に支持し、前記基体の中心軸を中心として前記基体
    を所定の速度で回転させると共に、前記基体又は塗液供
    給手段の少なくとも一方を前記基体の中心軸方向に沿っ
    て移動させながら、前記塗液供給手段の吐出口から前記
    基体の外周面に向けて塗液を供給する塗布方法であっ
    て、 前記吐出口中心における前記塗液の液流ベクトルの、前
    記基体の中心軸を含み地表に対して垂直な面への投影ベ
    クトルが、前記基体の中心軸方向のベクトル成分を有す
    るように前記吐出口の向きを設定し、且つ前記塗液を前
    記吐出口から平滑流で供給することを特徴とする塗布方
    法。
  2. 【請求項2】 前記塗液が硬化性を有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の塗布方法。
  3. 【請求項3】 円筒状又は円柱状の基体を地表に対して
    水平に支持する支持手段と、 前記基体を中心軸を中心として所定の速度で回転させる
    回転手段と、 吐出口から前記基体の外周面に向けて塗液を供給する塗
    液供給手段と、 前記基体又は前記塗液供給手段の少なくとも一方を、前
    記基体の中心軸方向に移動させる移動手段とを備える塗
    布装置であって、 前記塗液供給手段の吐出口は、前記吐出口中心における
    前記塗液の液流ベクトルの、前記基体の中心軸を含み地
    表に対して垂直な面への投影ベクトルが、前記基体の中
    心軸方向のベクトル成分を有するように設定され、且つ
    前記塗液供給手段は前記塗液を平滑流で供給するもので
    あることを特徴とする塗布装置。
  4. 【請求項4】 円筒状又は円柱状の基体と、該基体上に
    配置された有機膜とを備える有機電子デバイスであっ
    て、 前記有機膜が、該有機膜の原料を含む塗液を請求項1に
    記載の塗布方法により塗布することによって形成された
    ものであることを特徴とする有機電子デバイス。
  5. 【請求項5】 前記塗液が硬化性を有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項4に記載の有機電子デバイス。
  6. 【請求項6】 円筒状又は円柱状の導電性基体と、該基
    体上に配置された感光層とを備える電子写真感光体であ
    って、 前記感光層が、該感光層の原料を含む塗液を請求項1に
    記載の塗布方法により塗布することによって形成された
    ものであることを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記塗液が硬化性を有するものであるこ
    とを特徴とする、請求項6に記載の電子写真感光体。
JP2001181838A 2001-06-15 2001-06-15 塗布方法及び装置、有機電子デバイス、並びに電子写真感光体 Pending JP2002370065A (ja)

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