JP2002369744A - タフテッドカ−ペット用基布及びそれを用いたカーペット - Google Patents

タフテッドカ−ペット用基布及びそれを用いたカーペット

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JP2002369744A
JP2002369744A JP2001181448A JP2001181448A JP2002369744A JP 2002369744 A JP2002369744 A JP 2002369744A JP 2001181448 A JP2001181448 A JP 2001181448A JP 2001181448 A JP2001181448 A JP 2001181448A JP 2002369744 A JP2002369744 A JP 2002369744A
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JP
Japan
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carpet
tufted carpet
base
backing fabrics
tufted
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JP2001181448A
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Shingo Morishita
真吾 森下
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Hagiwara Industries Inc
Original Assignee
Hagiwara Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度の弾力性と緩衝性を備え、タフテッドカ
−ペットの裏面と床面との密着性が良好で、優れた防滑
性能を有する安全性の高いタフテッドカ−ペット用基布
を提供することを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる繊維状基布をベー
ス基布として、該ベース基布の裏面に熱可塑性樹の発泡
シートを貼り合わせた積層体の下面に、動摩擦係数が
0.5以上のポリオレフィン樹脂からなる防滑層を積層
してなるタフテッドカ−ペット用基布である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カ−ペットや人工
芝、敷物などを構成するパイル糸をタフティングして埋
め込むのに用いるタフテッドカ−ペット用基布に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タフテッドカ−ペットは家屋
の居室、廊下の床や自動車の床等に敷設され、人の居心
地を快適にするものとして使用されている。上記タフテ
ッドカ−ペットはタフテッドカーペット用基布にタフテ
ッドカ−ペットのパイル糸を埋め込んだものが使用され
る。該タフトカーペット用基布としては、ポリエステル
系、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる繊
維基布に合成樹脂発泡体やゴム質発泡体などの柔軟性及
びクッション性を有する発泡シートを積層したものが知
られている(特開平9−273084号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たタフテッドカ−ペット用基布を用いたタフテッドカー
ペットを玄関や浴室の入口の床マットに用いた場合に
は、該タフテッドカーペットの裏面と床面との密着性が
不十分で、且つ、床面との接触面積が比較的小さく、歩
行による蹴り作用により、該カーペットがずれ易く、歩
行の都度位置ずれするという問題点があることが判明し
た。本発明の目的は、適度の弾力性と緩衝性を備え、タ
フテッドカ−ペットの裏面と床面との密着性が良好で、
優れた防滑性能を有する安全性の高いタフテッドカ−ペ
ット用基布を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、熱可塑
性樹脂からなる繊維状基布をベース基布として、該ベー
ス基布の裏面に熱可塑性樹の発泡シートを貼り合わせた
積層体の下面に、動摩擦係数が0.5以上のポリオレフ
ィン樹脂からなる防滑層を積層してなるタフテッドカ−
ペット用基布、に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、繊維状基布とし
ては、熱可塑性樹脂の繊維体からなる織布、編物、不織
布等が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等のα−オレフィンの単独重合体もしくは相互共
重合体またはこれらのα−オレフィンと他のコモノマ−
の共重合体からなるポリオレフィン系合樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン−ビニル共重合体などが挙げら
れるが、タフテッド基布として要求される耐熱性を有
し、連続生産での安定品質と経済的に量産し得る点で特
にポリプロピレン、ポリエステルが好適に採用される。
【0006】上記熱可塑性樹脂の繊維体の形態として
は、フィルムをスリットして延伸したフラットヤーン
や、フラットヤーンを割繊したスプリットヤーン、また
円形または異形ノズルから押し出したフィラメントを延
伸したモノフィラメントや、低繊度フィラメントを収束
したマルチフィラメントなどの単層型あるいは多層型、
芯鞘型、並列型等の複合糸条など制限なく採用される。
【0007】上記繊維体の形態として、上記したフラッ
トヤ−ンを用いる場合は、上記熱可塑性樹脂を押出機に
投入して、インフレ−ション法またはTダイフラット法
によりダイスから溶融樹脂を押し出し冷却して製膜した
フィルムを、細断した後に熱板接触式、熱ロ−ル式、熱
風オ−ブン式等の延伸法によって3〜10倍程度に縦一軸
方向に延伸配向して得られる高強力に延伸糸条である。
このフラットヤ−ンは、カ−ペット用基布となる基材を
構成するものとして、繊度300〜3,500dr、厚み20〜100
μm程度のものである。
【0008】上記繊維体の基布は、その形態や組織は制
限されることはなく、例えば、織布の場合は、平織り、
綾織り、絡み織り、もじり織り等、編布の場合は、ラッ
セル編、トリコット編、ミラニーズ編等、不織布の場合
は、湿式あるいは乾式法を問わずスパンボンド不織布、
フラッシュ紡糸不織布、メルトブロー不織布等、またこ
れらを組み合わせて補強した積層物等が挙げられる
【0009】次に、発泡シ−ト体としては、柔軟性およ
びクッション性を有する比較的嵩高なシ−ト状物であっ
て、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、或いは各種エラストマ−などの合成樹脂発泡体や、
天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、ク
ロロプレンゴムなどのゴム質発泡体などが挙げられる。
【0010】発泡シ−ト体は、圧縮回復性のある緩衝材
およびパイル保持力の向上に作用するものとして、比較
的低密度な高発泡多孔質シ−ト状物が望ましく、具体的
には、密度が10〜50kg/m3で、かつ厚みが1〜10mmの範
囲のものが望ましい。つまり、これより低密度なもので
あると低強力で衝撃吸収力が少なく、パイルの保持力の
向上の目的を達せられず、さらに耐摩耗性に劣る点で望
ましくなく、一方、高密度なものであるとパイル糸をタ
フトする際のニ−ドルの貫通抵抗が大きく破損が生じ易
く効率が悪化するので望ましくない。また、厚み1mmよ
り薄いものもパイル保持力がなく、厚み10mmを超えると
巻体として大きくなり、作業性が悪化すると共に、タフ
テッド製品とした際、踏圧感が異質なものとなり易く、
加えて必要以上にパイル糸のパイル長を要することとな
るので、望ましくない。
【0011】本発明のタフテッドカ−ペット用基布とし
ては、上記の繊維状基布と発泡シ−ト体との積層体であ
り、この積層方法としては、サンドイッチ押出ラミネー
ト法などの各種のラミネ−ト法や、ウレタン系、ビニル
系、アシド系、エポキシ系などの接着剤による方法や、
ヒ−トシ−ル、ホットメルトウエブ或いは粉体融着など
の公知の手段によって接合される。
【0012】このように構成した繊維体の基布と発泡シ
ート材との積層体の下面、つまり積層体における発泡シ
ート材側の露出面には、特定のポリオレフィン系樹脂に
よる防滑層を積層する。この防滑層となるポリオレフィ
ン系樹脂は、JIS−K7106により測定した動摩擦
係数が0.5以上、好ましくは0.6以上でのものであ
り、さらに曲げ剛性率が100MPa未満のものが望ま
しい。これに該当するポリオレフィン樹脂としては、例
えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
メタアクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタアクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸メチル
ーアクリル酸共重合体等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。これらの中では、耐熱性、加工性などの点からエ
チレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましい。また、
これらの樹脂に、動摩擦係数が上記範囲を満足する限
り、他のポリオレフィン、例えば、線状低密度ポリオレ
フィン、分岐状低密度ポリオレフィン、高密度ポリオレ
フィン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを配合する
ことができる。これらの防滑層は、弾力性があり、動摩
擦係数が大きいので、優れた防滑性をタフテッドカーペ
ットに付加することができる。
【0013】上記防滑層を上記積層体の発泡シートの下
側に積層する方法としては、上記ポリオレフィン系樹脂
を溶融押出ラミネート法によって直接に積層体に形成す
ることが安定的で生産効率がよく最も好ましいが、成形
したフィルムの状態でドライラミネート法や熱圧着ラミ
ネート法などによって形成することも可能である。ここ
で防滑層の厚みとしては、積層体の種類により異なる
が、20〜200μmが好ましく、さらに好ましくは35〜80μ
mの範囲とされる。即ち、防滑層の厚みが20μm未満では
耐摩耗性に劣り、且つ、弾力性が活かされないので密着
性が不充分となり、また、該厚みが200μmを超えると剛
性が増加するが、必要以上にコストアップし、経済的で
ない。
【0014】上記で得られたタフテッドカ−ペット用基
布の表面に熱可塑性樹脂のパイル糸をタフティングして
埋め込みタフテッドカ−ペットを製造する。上記パイル
糸の素材としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステ
ル、ナイロン等が挙げられる。該パイル糸は、繊度800
〜6,000dr、厚み20〜1,000μmの範囲である。
【0015】
【実施例】実施例1 熱可塑性樹脂としてポリプロピレン(MFR=0.8)を選
び、インフレ−ション法により円形ダイスから溶融状態
で押出し、冷却してチュ−ブ状フィルムを成形した後、
スリットしてテ−プ状とし、熱板接触延伸法により延伸
温度140℃、アニ−リング温度145℃、延伸倍率5倍で縦
一軸延伸して、繊度900dr、厚み40μmのフラットヤ−ン
を成形した。このフラットヤ−ンを緯糸とし、経糸に同
様の方法にて成形した繊度400dr、厚み40μmのフラット
ヤ−ンを用いて、打込密度24×12本/インチの平織組織で織
成して織布とした。次に、発泡シ−ト体として、密度が
25kg/m3で、厚みが2.5mmのポリプロピレン製発泡シ−ト
を選び、前述の織布と貼合わせるに際し、エチレン−プ
ロピレン共重合体をサンドイッチ樹脂に用いる溶融押出
ラミネ−ト法によって、25μm厚みの接着層を介在して
積層一体化した積層体を得た。続いて、得られた積層体
の下面、つまり発泡シート材面には、エチレンーアクリ
ル酸エチル共重合体(MFR=5.0g/10min.、EA含量=9重量
%、曲げ剛性率=65MPa、動摩擦係数=0.75)を用いて、押
出ラミネート法によって直接に厚み40μmで被覆して防
滑層を形成してタフテッドカ−ペット用一次基布を得
た。上記基布の表面に繊度が1,600drのナイロンパイル
糸を1/10ゲージで、8ステッチでタフテングして埋め込
み、タフテッドカ−ペットを得た。得られたタフテッド
カ−ペットの防滑層側の滑り摩擦抵抗値は890gであっ
た。このカ−ペットを浴室の入口の床面上に敷設して人
が実際に載って使用してみたところ、それぞれ床面との
接触面の滑りは少なく、充分に防滑性を備えたものであ
ることが確認された。なお、滑り摩擦抵抗値は、試料シ
ートを裁断し、10cm×10cmの平面板上に両面粘着テープ
で固定し、それを反転させて試料面を下にして合成樹脂
板上に載置する。試料シートを固定した平面板上の中央
付近に1kgの錘を載せた状態で、試料シートの端部を水
平方向に緩やかに引っ張り、その際の平衡した張力をバ
ネ秤によって測定した。
【0016】比較例1 実施例1において、防滑層に用いたエチレン−アクリル
酸エチル共重合体に替えて、低密度ポリエチレン(MFR=
7.0g/10min.、密度=0.916g/cm3、曲げ剛性率=110MPa、
動摩擦係数=0.40)を被覆して敷きマットとした。この敷
きマットの低密度ポリエチレン層側の滑り摩擦抵抗値は
490gであり、敷きマットとしての実際の使用において
滑り易い感覚を有するものであった。
【0017】比較例2 実施例1において、防滑層を被覆しない他は同様に敷き
マットを作成した。この敷きマットの下面(弾性発泡シ
ート材面)の滑り摩擦抵抗値は430gであり、敷きマット
としての実際の使用において滑り易い感覚を有するもの
であった。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明のタフテッドカ−ペ
ット用基布は、ベース基材に熱可塑性樹脂の繊維体から
なる基布を用いることで繰返し使用や洗浄に耐え得る強
力と耐久性を有しており、また裏側の弾性発泡シート材
が適度な弾力性と緩衝性を与え、さらに特定の性状のポ
リオレフィン系樹脂による防滑層を形成したことで床面
との滑りを抑制できる。それ故、本発明のタフテッドカ
−ペット用基布を用いて得られるタフテッドカーペット
は安全性の高いカーペットとなり、玄関や浴室の入口の
床マットに好適に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる繊維状基布をベー
    ス基布として、該ベース基布の裏面に熱可塑性樹の発泡
    シートを貼り合わせた積層体の下面に、動摩擦係数が
    0.5以上のポリオレフィン樹脂からなる防滑層を積層
    してなるタフテッドカ−ペット用基布。
  2. 【請求項2】 繊維状基布が織布または不織布である請
    求項1に記載のタフテッドカ−ペット用基布。
  3. 【請求項3】 防滑層がエチレン−アクリル酸エチル共
    重合体である請求項1に記載のタフテッドカ−ペット用
    基布。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のタフテッドカ−ペット用基布を用いたカーペット。
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