JP2002369696A - Kiaa0172遺伝子の疾病治療及び診断並びに創薬への利用 - Google Patents

Kiaa0172遺伝子の疾病治療及び診断並びに創薬への利用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、KIAA0172遺伝子の疾病治療及び診
断並びに創薬への利用を提供することを目的とする。 【解決手段】 KIAA0172遺伝子若しくはその一部配列ま
たはそれらの変異体によってコードされるポリペプチド
を有効成分とする癌治療薬、KIAA0172遺伝子配列を含む
オリゴヌクレオチドを有効成分とする癌治療薬、KIAA01
72遺伝子によってコードされるポリペプチドを認識する
抗体を含む癌検出薬、KIAA0172遺伝子配列を含むオリゴ
ヌクレオチドを含む癌検出薬、該治療薬及び医薬上許容
される担体を含む癌治療用組成物、および該検出薬及び
医薬上許容される担体を含む癌検出用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌細胞増殖抑制機
能を有するKIAA0172遺伝子の疾病治療及び診断並びに創
薬への利用を提供する。
【0002】
【従来の技術】KIAA0172遺伝子のcDNAはcDNAクローニ
ングによりクローン化され、そのほぼ全長のcDNA塩基
配列について報告されている(Nagase et al., DNA Re
s. 3 (1), 17-24 (1996))分子量約140kDaのタンパク質
をコードしている遺伝子である。KIAA0172遺伝子は、染
色体9p24にマップされるBACクローンRPCI-11-130C19上
に位置づけられる。また該cDNA塩基配列は、GenBankに
登録番号D79994(登録名:Human mRNA for KIAA0172 ge
ne, partial cds)としてcDNA配列の一部が報告されて
いる。しかし、KIAA0172遺伝子の機能については、不明
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、KIAA0172遺
伝子の疾病治療及び診断並びに創薬への利用を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、KIAA0172
遺伝子の構造解析を行い、該遺伝子が染色体9p24にマッ
プされるBACクローンRPCI-11-130C19上に位置づけられ
る遺伝子であり、該クローン上のヌクレオチド番号8556
3から120956に存在することを見出した。また、該BACク
ローンとNagaseらの報告(Nagase et al., DNA Res. 3,
17-24, 1996)との比較、及びキャップ部位の決定(実
施例1の項参照)から、10エキソンよりなる遺伝子構造
を有していることを見出した。さらに、これまで機能が
不明であったKIAA0172遺伝子の機能解析を行った結果、
同遺伝子が癌細胞に対する増殖抑制機能及び形質転換機
能を有していること、さらに、腎癌患者において高頻度
で同遺伝子の発現が抑えられていることを見出し、同遺
伝子が細胞増殖における調整機能を有しており、それが
失われると癌としての性質の一部が現れることを明らか
にした。
【0005】すなわち、まずLOH(Loss of heterozygos
ity、ヘテロ接合性の消失)解析により、KIAA0172遺伝
子を含むゲノム領域のLOHが高頻度であることを見出し
た。またRT-PCR解析により正常組織及び腎癌組織におけ
るKIAA0172遺伝子発現を解析したところ、腎癌組織にお
いてKIAA0172遺伝子の転写が有意に減少していることを
見出した。さらに、エキソン1から10までについて別々
に塩基配列を決定し、GenBankに登録してあるKIAA0172
遺伝子塩基配列(登録番号D79994)と比較し、腎癌組織
より得られたKIAA0172遺伝子塩基配列にアミノ酸配列の
変化を伴う変異が存在することを見出した。この変化は
遺伝子の自然突然変異の頻度と比較しても有意に高く、
腎癌の形成と関連が高いと考えられた。また、一般的な
遺伝子の発現抑制の機構として既に公知であるメチル化
の有無及びその場所を検討した結果、腎癌患者の癌組織
はもとより正常組織においてもアレル(染色体)特異的
にメチル化が起こっており、さらにそのメチル化が遺伝
子発現抑制の原因であることを実験的に示した。したが
って、この結果により、KIAA0172遺伝子に起こるメチル
化がリスクファクターであることが明らかになった。ま
た、アレル特異的な遺伝子発現を評価(診断)するため
に一塩基多型情報を利用することが可能であることも示
した。
【0006】さらに、KIAA0172遺伝子塩基配列を公知の
塩基配列との相同性検索を行ったところ、DAPKタンパク
質のアンキリン(ankyrin)配列との間に相同性のある
部分が認められ、Two-Hybrid法によりこのアンキリンと
相同の部位が他の遺伝子産物との相互作用を行っている
部分であることを見出した。一方で、KIAA0172遺伝子産
物である蛋白質に特異的なポリクローナル抗体を用いた
免疫染色、免疫沈降、ウエスターン解析などにより、細
胞質局在性、蛋白質の存在及び分子量などその蛋白質の
性質の一部を決定した。
【0007】従って、本発明者らは同遺伝子を利用する
ことにより、腎癌の診断(リスクファクターの評価及び
癌の進行度)が可能になり、さらに癌増殖抑制機能を利
用した遺伝子治療が可能になると考え、KIAA0172遺伝子
を利用して癌を治療しまたは診断する本発明を完成させ
るに至った。また、同遺伝子は、多くの組織において発
現が確認されていることから、それらの組織細胞におい
ても細胞増殖機能を有すると考えられ、腎臓以外の組織
細胞においても癌の治療及び診断に利用可能であること
を明らかにした。
【0008】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1) KIAA0172遺伝子若しくはその一部配列またはそ
れらの変異体によってコードされるポリペプチドを有効
成分とする癌治療薬、(2) KIAA0172遺伝子配列若し
くはその一部またはそれらの変異体を含むオリゴヌクレ
オチドを有効成分とする癌治療薬、(3) KIAA0172遺
伝子によってコードされるポリペプチドを認識する抗体
を含む癌検出薬、(4) KIAA0172遺伝子配列若しくは
その一部またはそれらの変異体を含むオリゴヌクレオチ
ドを含む癌検出薬、
【0009】(5) (1)または(2)の治療薬及び
医薬上許容される担体を含む癌治療用組成物、(6)
(3)または(4)の検出薬及び医薬上許容される担体
を含む癌検出用組成物、(7) KIAA0172遺伝子若しく
はその一部配列またはそれらの変異体を含む癌の治療の
ためのベクター、(8) KIAA0172遺伝子若しくはその
一部配列またはそれらの変異体を含む癌の検出のための
ベクター、(9) KIAA0172蛋白質を認識する抗体を用
いて癌を検出する方法、(10) KIAA0172遺伝子によ
ってコードされるポリペプチドを認識する抗体を試料と
接触させる工程を含む(9)の癌を検出する方法、(1
1) 組織切片を用いる免疫染色法である、(9)の癌
を検出する方法、(12) KIAA0172遺伝子配列を含む
オリゴヌクレオチドを試料と接触させる工程を含む癌検
出法、
【0010】(13) 下記(a)〜(h)の変異の少なくと
も一つの変異を有するKIAA0172遺伝子またはその断片、 (a) 52番目のコドンのCACからCAGへの変異 (b) 168番目のコドンのGCGからGTGへの変異 (c) 268番目と269番目のコドンの間に6塩基GCTGTAの挿
入 (d) 269番目のコドンのGTAからGGAへの変異 (e) 274番目のコドンのGAGからCAGへの変異 (f) 306番目のコドンのTCCからGCCへの変異 (g) 506番目のコドンのGCAからGTAへの変異 (h) 509番目のコドンのCGTからCATへの変異 (14) (13)に記載のKIAA0172遺伝子を含む癌検
出薬、(15) (13)に記載のKIAA0172遺伝子配列
若しくはその一部を含むオリゴヌクレオチドを試料と接
触させる工程を含む癌検出法、(16) (13)に記
載のKIAA0172遺伝子配列若しくはその一部を含むオリゴ
ヌクレオチドを試料と接触させる工程を含む癌罹患のリ
スクを評価する検出法、
【0011】(17) KIAA0172遺伝子上の下記(i)〜
(r)の一塩基多型部位の少なくとも一つを含む遺伝子断
片、 (i) コドン番号273の3番目の塩基のT/G多型部位 (j) コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型部位 (k) コドン番号372の1番目の塩基のC/T多型部位 (l) コドン番号380の3番目の塩基のT/G多型部位 (m) コドン番号497の3番目の塩基のT/G多型部位 (n) コドン番号453の3番目の塩基のC/T多型部位 (o) コドン番号478の3番目の塩基のC/T多型部位 (p) コドン番号507の3番目の塩基のG/T多型部位 (q) コドン番号1003の3番目の塩基のC/T多型部位 (r) コドン番号1120の3番目の塩基のG/C多型部位
【0012】(18) KIAA0172遺伝子上の下記(i)〜
(r)の一塩基多型部位の塩基を決定し、癌罹患のリスク
を評価する方法、 (i) コドン番号273の3番目の塩基のT/G多型部位 (j) コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型部位 (k) コドン番号372の1番目の塩基のC/T多型部位 (l) コドン番号380の3番目の塩基のT/G多型部位 (m) コドン番号497の3番目の塩基のT/G多型部位 (n) コドン番号453の3番目の塩基のC/T多型部位 (o) コドン番号478の3番目の塩基のC/T多型部位 (p) コドン番号507の3番目の塩基のG/T多型部位 (q) コドン番号1003の3番目の塩基のC/T多型部位 (r) コドン番号1120の3番目の塩基のG/C多型部位
【0013】(19) KIAA0172遺伝子を含むゲノム領
域のヘテロ接合性の消失(LOH)の解析により、癌罹患
のリスクを評価する方法、(20) 染色体9p24部位の
マイクロサテライトマーカーであるD9S1779およびD9S18
58の一方または両方におけるヘテロ接合性の消失を決定
することを含む(19)の癌罹患のリスクを評価する方
法、(21) KIAA0172遺伝子のメチル化を解析するこ
とを含む癌罹患のリスクを評価する方法、(22) KI
AA0172遺伝子に存在する1つ以上のCpG配列のメチル化
パターンを決定することを含む、(21)の癌罹患のリ
スクを評価する方法、および(23) CpG配列がKIAA0
172遺伝子の第1エキソンに存在するCpGアイランド中の
CpG配列である、(22)記載の癌罹患のリスクを評価
する方法。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】cDNAライブラリーの作製、遺伝
子のクローニング及びスクリーニング、塩基配列の決定
等の技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis
(1989): Molecular Cloning, a laboratory manual, s
econd edition, Cold Spring HarborLaboratory Press
及び Ed Harlow and David Lanc (1988): Antibodies,
a laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory
Press等の当業者に良く知られた文献に記載された方法
に従って行えばよい。
【0015】本発明の遺伝子は、mRNAを抽出し、cDNAを
合成して単離することができる。mRNAの供給源としては
ヒト未分化ミエロイド細胞株KG-1等のヒト細胞を用いる
ことができる。mRNAの調製は、グアニジンチオシアネー
ト/塩化セシウム法などにより全RNAを抽出した後、オ
リゴdT−セルロースやポリU−セファロース等を用いた
アフィニティーカラム法により、あるいはバッチ法によ
りポリ(A)+RNA(mRNA)を得ることにより行える。こ
のようにして得られたmRNAを鋳型として、オリゴdTプラ
イマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合成した
後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成する。
【0016】合成した二本鎖cDNAを適当なベクターに組
み込んで、該ベクターを用いて大腸菌等を形質転換して
cDNAライブラリーを作製して本発明の遺伝子の一部を取
得することができる。選択方法として、本遺伝子の既知
一部配列(WI-12779としてESTが報告されている)に基
づいて合成したプローブを用いてのプラークハイブリダ
イゼーション法、コロニーハイブリダイゼーション法や
イムノスクリーニング法等の方法を用いることができ
る。得られたcDNA断片はPCR法で増幅し、マキサム・ギ
ルバート法(Maxam, A. M. and Gilbert, W., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA., 74, 560, 1977)又はジデオキシ
法(Messing, J. et al., Nucl. Acids Res., 9, 309,
1981)等により塩基配列を決定することができる。尚、
KIAA0172遺伝子のほぼ全長のcDNA塩基配列が報告され
ており(Nagase et al., DNA Res. 3, 17-24, 1996、登
録番号D79994、登録名Human mRNA for KIAA0172 gene,
partial cds.でGenBankに登録されている)この配列情
報を利用することもできる。
【0017】KIAA0172遺伝子は、10エキソンよりなる
が、エキソンの解析はエキソントラッピング法によって
も、またKIAA0172遺伝子についての公知の部分遺伝子情
報を基にしても行うことができる。全長cDNAの情報を得
るための5'末端情報は、プライマー伸長反応を行うこと
により取得することができる。本願明細書の開示および
上述のKIAA0172遺伝子についての公知の遺伝子情報に基
づけば、KIAA0172遺伝子の全長配列を得ることができ
る。
【0018】本願発明で利用するKIAA0172遺伝子はその
全長配列であってもよいし、一部配列であってもよい。
イントロンを含む全長DNA配列も、エキソン部分のみを
含むDNA配列も本願発明に利用するKIAA0172遺伝子に含
まれる。一部配列の例としては、本遺伝子の機能部位と
考えられるアンキリン(ankyrin)配列を含む配列が挙
げられる。また、KIAA0172遺伝子の全長配列またはその
一部配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
することができる変異体DNAも本発明の遺伝子に含まれ
る。ストリンジェントな条件とは、いわゆる特異的なハ
イブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成
されない条件をいう。例えば、相同性が高いDNA同士、
すなわち60%以上、好ましくは80%以上の相同性を有す
るDNA同士がハイブリダイズし、それにより相同性が低
い核酸同士がハイブリダイズしない条件が挙げられる。
より具体的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好まし
くは600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65
℃での条件をいう。
【0019】遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、
Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法
を採用することができる。例えば部位特異的突然変異誘
発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K (TA
KARA社製)やMutant-G (TAKARA社製))などを用いて、あ
るいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリ
ーズキットを用いて変異導入が行われる。
【0020】一旦遺伝子の塩基配列が確定されると、そ
の後は化学合成によって、又はクローニングされたcDNA
を鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有す
るDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせること
によって、本発明の遺伝子を得ることができる。
【0021】得られたKIAA0172遺伝子を入手可能な適当
な発現ベクターに組み込んで、さらに適当な宿主細胞に
形質転換し、適当な培地中で培養、発現させ、目的蛋白
質を回収、精製することができる。この際のベクターと
して、プラスミド、ファージ、ウイルス等の宿主細胞に
おいて複製可能である限りいかなるベクターも用いるこ
とができる。例えば、pBR322、pBR325、pUC118、pUC11
9、pKC30、pCFM536等の大腸菌プラスミド、pUB110等の
枯草菌プラスミド、pG-1、YEp13、YCp50等の酵母プラス
ミド、λgt110、λZAPII等のファージのDNA等が挙げら
れ、哺乳類細胞用のベクターとしては、バキュロウイル
ス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス等のウイルス
DNA、SV40とその誘導体等が挙げられる。ベクターは、
複製開始点、選択マーカー、プロモーターを含み、必要
に応じてエンハンサー、転写終結配列(ターミネータ
ー)、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シグナル等
を含んでいてもよい。
【0022】宿主細胞としては、大腸菌、ストレプトミ
セス、枯草菌等の細菌細胞、アスペルギルス属菌株等の
真菌細胞、パン酵母、メタノール資化性酵母等の酵母細
胞、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9等の昆虫細胞、C
HO、COS、BHK、3T3、C127等の哺乳類細胞等が挙げられ
る。形質転換は、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、
DEAE-デキストラン介在トランスフェクション、エレク
トロポーレーション等の公知の方法で行うことができ
る。
【0023】得られたリコンビナント蛋白質は、各種の
分離精製方法により、分離・精製することができる。例
えば、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルろ過、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
等を単独でまたは適宜組合せて用いることができる。
【0024】配列番号1にKIAA0172遺伝子のコードする
タンパク質のアミノ酸配列を例示するが、このアミノ酸
配列を含むタンパク質がKIAA0172遺伝子のコードするタ
ンパク質の有する活性と同等の機能を有する限り、当該
アミノ酸配列において複数個、好ましくは数個のアミノ
酸に欠失、置換、付加等の変異が生じてもよい。配列番
号1で表されるアミノ酸配列の1〜10個、好ましくは1
〜5個、さらに好ましくは1個若しくは2個のアミノ酸が
欠失してもよく、配列番号1で表されるアミノ酸配列の
1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個若し
くは2個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換してもよい。
また、配列番号1で表されるアミノ酸配列に1〜10個、
好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1個若しくは2個の
アミノ酸が付加していてもよい。ここで、KIAA0172遺伝
子のコードするタンパク質の有する機能とは、癌細胞に
見られる無制御な増殖を抑制する機能をいい、例えば、
HEK293細胞等の株化腎癌細胞にKIAA0172遺伝子を導入し
て、細胞の時間あたりの分裂頻度の減少及び/あるいは
細胞の接着面積の増加等の細胞の形態変化を観察するこ
とにより該機能を有しているかどうかがわかる。
【0025】従って、配列番号1で表されるアミノ酸配
列を含むタンパク質または配列番号1で表されるアミノ
酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換
若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつKIAA0172
遺伝子のコードするタンパク質の有する機能を有するタ
ンパク質をコードする遺伝子も本発明に利用することが
できる。
【0026】また、癌組織部において塩基配列に変異が
認められるKIAA0172遺伝子配列を含むDNA及び該塩基配
列が変化した遺伝子によりコードされるアミノ酸配列が
変化したポリペプチドも本発明に利用することができ
る。癌組織において変異した塩基として、図6に示すよ
うに、52番目のコドンがCACからCAGに変わりアミノ酸が
HisからGlnに変わったもの、168番目のコドンがGCGから
GTGに変わりアミノ酸がAlaからValに変わったもの、268
番目と269番目のコドンの間にAla-Valが挿入されたも
の、269番目のコドンがGTAからGGAに変わりアミノ酸がV
alからGlyに変わったもの、274番目のコドンがGAGからC
AGに変わりアミノ酸がGluからGlnに変わったもの、306
番目のコドンがTCCからGCCに変わりアミノ酸がSerからA
laに変わったもの、506番目のコドンがGCAからGTAに変
わりアミノ酸がAlaからVlaに変わったもの、509番目の
コドンがCGTからCATに変わりアミノ酸がArgからHisに変
わったものが挙げられる。
【0027】KIAA0172遺伝子のこれらの変異を検出する
ことにより癌に罹患している可能性または癌への罹患へ
のリスクを評価することができる。さらに、KIAA0172遺
伝子上の以下に示すアミノ酸の変異を伴わない一塩基多
型(SNPs)を検出することによっても癌に罹患している
可能性または癌への罹患へのリスクを評価することがで
きる。
【0028】KIAA0172遺伝子上の一塩基多型は以下のと
おりである。ここで、T/G多型部位とは、野生型の塩基
がTであり、変異型の塩基がGであることを示す。 (i) コドン番号273の3番目の塩基のT/G多型部位 (j) コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型部位 (k) コドン番号372の1番目の塩基のC/T多型部位 (l) コドン番号380の3番目の塩基のT/G多型部位 (m) コドン番号497の3番目の塩基のT/G多型部位 (n) コドン番号453の3番目の塩基のC/T多型部位 (o) コドン番号478の3番目の塩基のC/T多型部位 (p) コドン番号507の3番目の塩基のG/T多型部位 (q) コドン番号1003の3番目の塩基のC/T多型部位 (r) コドン番号1120の3番目の塩基のG/C多型部位 これらの一塩基多型部位の1つ以上、好ましくは2つ以
上さらに好ましくは全ての塩基が変異型である場合に、
癌罹患のリスクが高いと判断できる。
【0029】なお、図6および図7に示されるように、
頻度の大きさを考慮すると、274番目のコドンがGAGから
CAGに変わりアミノ酸がGluからGlnに変わった変異、306
番目のコドンがTCCからGCCに変わりアミノ酸がSerからA
laに変わった変異及び509番目のコドンがCGTからCATに
変わりアミノ酸がArgからHisに変わった変異、ならびに
コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型、コドン番号45
3の3番目の塩基のC/T多型及びコドン番号478の3番目
の塩基のC/T多型が癌と関連しており、これらの変異お
よび/または一塩基多型の検出が癌の診断またた癌罹患
のリスクの評価に有用である。
【0030】変異および一塩基多型は本発明の遺伝子も
しくはその断片またはそれらに相補的なDNAを用いてPCR
法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブ
リダイゼーション法、定量的PCR法、in situ ハイブリ
ダイゼーション法、FISH(Fluorescence In Situ Hybrid
ization)、PCR-RFLP法、PCR-SSCP法等により、検出する
ことができる。これらの変異または一塩基多型を検出す
れば、該DNAの変異の存在を直接的に検出することがで
きる。また、変異または一塩基多型を有さないことを検
出してもよい。
【0031】例えば、まず変異または一塩基多型を有す
るKIAA0172遺伝子の変異塩基または一塩基多型部分を含
むヌクレオチド配列に相補的なプローブ、野生型遺伝子
の該変異塩基部分に対応する部分を含むヌクレオチド配
列に相補的なプローブを調製する。用いるプローブの長
さに制限はなく、後述の核酸増幅法で増幅しようとする
核酸断片の全長でもよいが、通常は15bp〜100bpが好ま
しく、さらに15bp〜50bpが好ましく、特に18bp〜30bpが
好ましい。プローブは、放射性同位元素、蛍光物質、酵
素等で標識したものを用いることができる。次いで、検
体試料中の変異塩基部分を含む遺伝子断片を核酸増幅法
により増幅し、この増幅断片とプローブを反応させる。
検体試料中のDNAが野生型、変異型若しくは一塩基多型
に対応したいずれのプローブとハイブリダイズするか調
べることにより、KIAA0172遺伝子が変異を有するか、ま
たは一塩基多型を有するかを決定することができる。
【0032】プローブを用いて変異または一塩基多型を
検出するときのハイブリダイゼーション条件は、適宜設
定すればよい。ハイブリダイゼーション時の温度、塩濃
度を調節することにより1塩基のミスマッチのみを検出
し得るハイブリダイゼーション条件を選択することが可
能である。用いるプローブDNAの長さにも依存するが、
例えば具体的には、ナトリウム濃度が150〜900mM、好ま
しくは600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは
65℃での条件で行い得る。
【0033】また、KIAA0172遺伝子の断片またはそれに
相補的なDNAをプライマーとして用いることもできる。
核酸増幅の際に用いるプライマーとしては、KIAA0172遺
伝子の変異部位または一塩基多型部位を挟み増幅しよう
とする領域の端部と相補的な配列を用いることができ
る。増幅する領域の塩基長に制限はないが、数十から数
百塩基とすることができる。増幅領域にKIAA0172遺伝子
の変異部または一塩基多型部を一つだけ含むように増幅
塩基長を設定してもよいし、二つ以上の変異部または一
塩基多型部を含むように設定してもよい。また、プライ
マーを変異部位を含む領域に設定することも可能であ
る。プライマーの長さに制限はないが、好ましくは15bp
〜50bp、さらに好ましくは20bp〜30bpである。
【0034】さらに、KIAA0172遺伝子若しくはその断片
またはそれらに相補的なDNAを用いて、癌へのの罹患の
リスクを決定するためのDNAチップを作製することもで
きる。DNAチップに結合させる断片としては、上記変異
部または一塩基多型部を含む断片が挙げられる。
【0035】さらに、本発明ではKIAA0172遺伝子配列を
含むDNAだけではなく、該遺伝子配列をコードするRNAも
含まれ、これらDNAまたはRNAの修飾体も含まれる。ここ
で修飾体とはKIAA0172遺伝子の機能を妨げない程度に塩
基配列中の任意の塩基が修飾されたもの等を含む。
【0036】KIAA0172遺伝子のコードするタンパク質
(ポリペプチド、本明細書においてタンパク質とポリペ
プチドは区別されない)に対する抗体は、通常の方法で
動物をKIAA0172遺伝子発現産物で免疫することにより得
られる。抗体はポリクローナル抗体もモノクローナル抗
体も含む。
【0037】本発明のKIAA0172遺伝子配列を含むDNA若
しくはRNAヌクレオチドを、遺伝子治療の技術を用いて
腎癌その他の組織の癌の治療に利用することができる。
例えば、生体の癌細胞でKIAA0172遺伝子のコードするタ
ンパク質を発現させ、癌細胞の増殖を抑制することがで
きる。この際、KIAA0172遺伝子配列を含むDNA等をアデ
ノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ヘ
ルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レ
ンチウイルスベクター等の遺伝子治療に用い得るベクタ
ーに導入して投与することもできるし、またDNA等を注
射等により直接導入することも、遺伝子銃法で導入する
こともできる。投与は、経口的にも注射によってもよ
く、体内にDNAを導入できるならばいかなる投与法も利
用することができる。さらに、KIAA0172遺伝子又はKIAA
0172遺伝子を含むベクターを直接体内に投与してもよい
し(in vivo方式)、一旦癌細胞を取り出してKIAA0172
遺伝子を組み込んだ後に体内に戻してもよい(ex vivo
方式)。
【0038】KIAA0172遺伝子のアンチセンスDNA、アン
チセンスRNAも癌治療に利用し得る。例えば、KIAA0172
遺伝子の癌組織で認められる変異体(図6)に対するア
ンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAの利用が挙げられ
る。KIAA0172遺伝子のコードするタンパク質またはその
一部を癌患者に投与して、癌細胞の増殖を抑えることに
より癌を治療することもできる。
【0039】KIAA0172遺伝子配列を含むDNA若しくはRNA
またはKIAA0172遺伝子のコードするタンパク質を含む治
療用製剤は、医薬上許容できる担体を含んでいてもよ
い。担体としては、懸濁剤及びシロップ剤のような経口
液体調製物は、水、シュクロース、ソルビトール、フラ
クトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール等のグリコール類、ごま油、オリーブ油、
大豆油等の油類、p-ヒドロキシ安息香酸エステル類等の
防腐剤等を使用できる。粉剤、丸剤、カプセル剤及び錠
剤は、ラクトース、グルコース、シュクロース、マンニ
トール等の賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダ等の崩
壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、
ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性
剤、グリセリン等の可塑剤等を用いることができる。ま
た、注射剤の溶液は、蒸留水、塩溶液、グルコース溶液
等からなる担体を用いて調製することができる。この
際、定法に従い適当な溶解補助剤および懸濁剤を用い
て、溶液、懸濁液または分散剤として調製できる。
【0040】さらに、KIAA0172遺伝子配列を含むDNA、R
NAヌクレオチドを利用したノーザンハイブリダイゼーシ
ョン法、PCR法、定量的PCR法、RT-PCR法、in situ ハイ
ブリダイゼーション法等により、KIAA0172遺伝子の各組
織における存在、発現、変異を定性的にまたは定量的に
検出することにより癌を検出することができる。この場
合、KIAA0172遺伝子配列の一部をPCRのプライマーとし
て用いることもできるし、検出用プローブとして用いる
こともできる。これらの遺伝子配列はニックトランスレ
ーション等により適宜標識して用いる。例えば、RT-PCR
法によりKIAA0172遺伝子の発現を調べ、癌の検出または
癌の進行度を検出することができ、KIAA0172遺伝子DNA
の存在をPCRや定量的PCRにより調べることができる。ま
た、KIAA0172遺伝子配列の一部または総てを含むDNAま
たはRNAプローブを用いたin situハイブリダイゼーショ
ン法により組織切片、細胞、染色体等を用いてKIAA0172
遺伝子配列を含むDNAまたはRNAを検出し、癌を検出する
ことができる。この際、癌組織で認められる変異したKI
AA0172遺伝子(図6)配列を含むDNA、RNAまたはその一
部を用いて、該変異遺伝子の存在を調べることにより癌
疾患を直接検出することができる。さらに、KIAA072遺
伝子の転写・発現量をRT-PCRにより調べることによって
も癌を検出することが可能である。この場合、KIAA0172
遺伝子の転写・発現が少ないか、ない場合に癌の可能性
が高いと判断される。
【0041】KIAA0172遺伝子のコードするポリペプチド
を認識する抗体を癌の検出に利用することもできる。例
えば、KIAA0172遺伝子のコードするタンパク質を認識す
る抗体を用いてKIAA0172遺伝子の発現産物をEIA、RIA等
のイムノアッセイ技術により測定し癌を検出することが
できる。また、組織の組織切片を作成し、抗体を用いて
免疫染色を行ってもよい。免疫染色は公知の方法で行う
ことができる。この場合、KIAA0172遺伝子のコードする
タンパク質が検出されない場合に癌の可能性があると判
断される。この際、該変異遺伝子によりコードされるア
ミノ酸配列が変化したタンパク質を認識するが、アミノ
酸配列の変化していないタンパク質を認識しない抗体を
用いて変異遺伝子の産生するタンパク質を測定して癌の
検出を行うこともできる。
【0042】これらの検出はKIAA0172遺伝子のコードす
るタンパク質、KIAA0172遺伝子を含むDNA等を癌か否か
を診断しようとする対象から採取した体液、組織片、細
胞、染色体等の試料と接触することにより行うことがで
きる。また、対象中にこれらのDNA、タンパク質等を投
与して検出することも可能である。KIAA0172遺伝子配列
を含むヌクレオチド、KIAA0172遺伝子によりコードされ
るタンパク質に対する抗体等を含むキットを作製するこ
ともできる。この際、定量標準物質をキット内に含むこ
とが望ましい。
【0043】さらに、KIAA0172遺伝子を含むゲノム領域
のヘテロ接合性の消失(LOH)を解析することにより、
癌に罹患するリスクを評価することができる。KIAA0172
遺伝子は、染色体9p24上のマイクロサテライトマーカー
D9S1779およびD9S1858の近傍に存在しており、これら2
つのマイクロサテライトマーカーを用いてLOHを特定す
ればよい。LOHが特定された場合に癌罹患のリスクが高
いと評価することができる。
【0044】LOHの特定は、例えばジーンスキャン解
析、サザンブロット法を用いたRFLP法や,PCR-RFLP法、
PCR法を用いた一本鎖DNA高次構造多型解析法〔PCR−
SSCP(single-stranded conformation polymorphis
m)〕 法等により行うことができる(バイオマニュアル
シリーズ1,遺伝子工学の基礎技術,山本 雅編,羊土
社(1993)等)。
【0045】例えば、SSCP法によりLOHの解析を行う場
合、解析する遺伝子多型部位を含む近傍の遺伝子を、PC
R法を用いて増幅し、得られたPCR産物を、1本鎖に変性
後、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う。そ
の結果、配列の違いを1本鎖DNAにおける高次構造の差
異による移動度の変化として解析することができる。こ
のような解析の結果、遺伝子検体由来細胞及び/又は正
常細胞に由来するDNAのピークやバンドが、両方のアレ
ル由来の数を示す場合には、その個体は、その遺伝子多
型において「ヘテロ接合性」であるが、遺伝子検体のD
NA由来のピークやバンドが、2つのアレル由来のシグ
ナル強度のバランスが崩れた場合、ヘテロ接合性の消失
とみなし、LOHと判定する。
【0046】KIAA0172遺伝子の不活化はメチル化による
ので、KIAA0172遺伝子のメチル化パターンを解析するこ
とによっても、癌に罹患するリスクを評価することがで
きる。メチル化分析はKIAA0172遺伝子のどの領域を対象
にしてもよいが、例えばエキソン1に存在するCpGアイ
ランドを対象に行えばよい。メチル化の程度が大きい場
合、癌に罹患するリスクが大きいと評価できる。メチル
化の分析は、メチル化特異的PCRを用いるとよい。メチ
ル化特異的PCRの手法については、Proc. Natl.Acad. Sc
i. USA, 1996, 93:p.9821-9826, Herman, J.G. et al.
に記載されている。この際用いるプライマーの長さは、
最低20塩基以上であるとよく、gまたはcをあわせて12
塩基程度含むとよく、プライマー長は50塩基以下であれ
ば、一般に言われているPCRのプライマー長である20〜2
5塩基よりも長くても良い。
【0047】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。但し、本発明の技術的範囲がこれらの実施例によ
り限定されるものではない。 〔実施例1〕 KIAA0172遺伝子の構造解析 (1)KIAA0172遺伝子のゲノム構造 同遺伝子は、染色体9p24にマップされるBACクローンRPC
I-11-130C19上に位置づけられる遺伝子であり、同クロ
ーン上のヌクレオチド番号85563から120956に存在す
る。ESTはWI-12779として報告されているが、ほぼ全長
のcDNA塩基配列は下記の論文に報告されている。
【0048】Nagase, T., Seki, N., Ishikawa, K., Ta
naka, A. and Nomura, N. "Prediction of the coding
sequences of unidentified human genes. V. The codi
ng sequences of 40 new genes (KIAA0161-KIAA0200) d
educed by analysis of cDNAclones from human cell l
ine KG-1." DNA Res. 3 (1), 17-24 (1996) また、GenBankには、登録番号D79994(登録名:Human m
RNA for KIAA0172 gene, partial cds)としてcDNA配列
の一部が報告されている。上記BACクローンと同論文と
の比較及び実施例(2)の結果により、10エキソンより
成る遺伝子構造を有していることが、本発明者らの解析
の結果判明した(図1)。図はKIAA0172遺伝子のヒトゲ
ノム上での構造を示す。BAC(Bacterial Artificial Ch
romosome)RPCI-11-130C19上のヌクレオチド85563から1
20956までに10個のエキソンを有する。マイクロサテラ
イトマーカーD9S1858とEST(Expressed Sequence Tag)
WI-12779の位置も示した。
【0049】(2)KIAA0172遺伝子の構造 上記論文及びGenBankデータベースではcDNAの全長が決
定されていないため、遺伝子産物の蛋白質の完全なアミ
ノ酸配列は確定していない。我々は遺伝子の5'末端であ
るキャップ部位を確定し、遺伝子構造を決定するために
プライマー伸長反応を行った。プライマー伸長反応は、
データベースのKIAA0172 cDNA塩基配列の87番塩基対以
降のアンチセンス鎖の配列CAGATGTGGTCCTGGGTTCT(配列
番号36)をプライマーとして用いた。T4ポリヌクレオ
チドキナーゼにより32Pでラベルしたプライマーを10μg
のヒト腎臓由来RNAと80%ホルムアミドを含む40 mM PIPE
Sバッファー30μl中で45℃で12時間アニールさせた。反
応産物は精製後、20μlの0.5 mM dNTPsを含む逆転写反
応液中で100単位の M-MuLV逆転写酵素(New England Bi
olabs社)を用いて37℃で2時間反応させた。反応産物
は、6%ポリアクリルアミド7 M尿素ゲルを用いて分離
し、解析した。図2はKIAA0172遺伝子の遺伝子構造を示
す。同遺伝子の部分cDNA構造は既に報告されていたが、
未報告であったキャップ部位を決定することにより完全
なcDNA構造(及び完全な遺伝子産物のアミノ酸配列)を
決定した(図2A)。プライマー伸長反応を利用して図
に示したプライマー部位から伸長反応を行いゲル上での
バンドの位置からキャップ部位を同定し(図2B)、さ
らにその塩基配列を決定した(図2C)。図2B中、Kの
矢印部分がプライマー伸長反応産物を示し、Mはサイズ
マーカーを示す。その結果、図2Dに示す塩基配列から
遺伝子構造が始まることが明らかになった。この結果、
遺伝子構造が決定された。
【0050】BACクローンRPCI-11-130C19上のヌクレオ
チド番号85563が、キャップ部位として同定された。こ
れがKIAA0172遺伝子(mRNA)の構造として+1とし、その
ヌクレオチド番号を以下に用いている。ヌクレオチド番
号+439が開始コドン(メチオニン)であり、機能部位と
考えられるアンキリン相同部位は+3447から+4017、停止
コドンは+4114、ポリ(A)シグナルは、+4962に位置して
いる。全長は、4984塩基であった(図2)。また、エキ
ソン構造(BACクローンRPCI-11-130C19上のヌクレオチ
ド番号及びそれぞれのエキソンの長さ)ならびにキャッ
プ部位の位置、開始コドン位置、ポリ(A)シグナル位置
およびポリ(A)付加位置(いずれもBACクローンRPCI-11-
130C19上のヌクレオチド番号)は、次のようになってい
る(図1)。 キャップ部位の位置:85563(エキソン1の開始位置と同
じ) 開始コドン位置:86094 ポリ(A)シグナル位置:120936 ポリ(A)付加位置:120956(エキソン10の終了位置と同
じ)
【0051】図3はKIAA0172遺伝子の産物である蛋白質
の構造を示す。1194アミノ酸残基からなり、特徴として
は、ankyrin相同性部位を1006アミノ酸残基から1162ア
ミノ酸残基の間に有している。このような特徴を抗体産
生などに利用することが可能である。
【0052】〔実施例2〕KIAA0172遺伝子の機能解析 (1)腎癌の形成に対する関連性(その1) LOH(Loss of Heterozygosity)解析を行った。腎癌患
者より得た正常DNAと癌組織由来のDNAの間でLOHを示す
部位を、マイクロサテライトマーカー(図4に示した)
を用いて検索した。マ イクロサテライトマーカー情報
は、データベースHYPERLINK "http://gdbwww.gdb.org"
http://gdbwww.gdb.orgより得た。
【0053】ゲノムDNAは、凍結組織をProteinase Kで
消化した後フェノール/クロロホルムにより抽出した。
用いた腎癌組織は、顆粒タイプあるいはクリアーセルタ
イプであった。全てのマイクロサテライトマーカーはス
タンフォード大学ヒトゲノムセンターデータベースに記
述されたものを用いた。センス鎖もしくはアンチセンス
鎖のどちらかのプライマーを6-FAM phosphoamiditeで標
識し、PCRに使用した。PCRは全量15μl中に50 ngの鋳型
DNAを使用し、GeneAmp PCR system 9700 (Perkin-Elmer
Applied Biosystems社) により行った。反応は94℃で3
0秒、55℃で30秒、72℃で1分間を25サイクル行った。蛍
光標識されたPCR産物は電気泳動後、GeneScan 3.1ソフ
トウエアを用いて解析を行った。正常組織由来DNAと腫
瘍由来DNAのシグナル強度を比較し、強度の減少が33%以
上であればLOHと判定した。患者R6のLOH解析には、普通
の組織由来と腫瘍組織由来の初代培養細胞から抽出され
たゲノムDNAを用いた。
【0054】腎癌患者より得た49検体の癌組織由来のDN
Aとそれぞれに対応する正常腎臓組織由来DNAとをABI社
のGeneScan法を用いて比較することによりLOHを検定し
たところ、当該遺伝子近傍(約200キロ塩基対以内)に
存在する2種のマイクロサテライトマ ーカーD9S1779及
びD9S1858の部位においてそれぞれ6例、4例の検体(総
計では49検体中9例)において有意にLOHを示した。さら
に、同マイクロサテライトマーカーの内、片方のみLOH
を示す検体が2例見られ、LOHを示した検体全部を比較し
たときに見られた最小共通欠失領域は、上記の2種のマ
イクロサテライト間165 kbの領域であった。
【0055】上記の結果は、当該遺伝子領域の変異率
が、少なくとも約18%であることを示しており、変異率
としては有意に高い。また、共通欠失領域が当該遺伝子
近傍に存在するという事実は、当該遺伝子の腎癌形成に
対する関連性を示すものである。図4に KIAA0172遺伝
子の腎癌形成に対する関連性についての腎癌LOH解析結
果を示した。図4は、KIAA0172遺伝子が存在している遺
伝子座の腎癌形成に対する関連性を示す。腎癌患者に由
来するゲノムDNAを利用し、図に示したマイクロサテラ
イトを用いたLOH(Loss of Heterozygosity)解析(ジ
ーンスキャン解析)により腎癌に関連している部位を黒
の円で示し、腎癌に関連していない部位を白の円で示し
た。情報が得られない部位は横線で示した。この解析の
結果、9p24部位の0.2 Mb(メガ塩基対)領域が腎癌との
関連性を示し、この部位に同遺伝子が存在していること
から同遺伝子の関連性が示唆された。また、本方法によ
る9p24部位の欠失の検査が可能であることも示してい
る。
【0056】(2)腎癌の形成に対する関連性(その
2) RT-PCR法による腎癌患者における遺伝子発現状態を調べ
た。腎癌患者8検体より得た、正常組織及び腎癌組織由
来のcDNA(mRNAから逆転写反応により合成したDNA)を
用いて正常組織と腎癌組織の間での遺伝子発現状態を比
較した。具体的には、LOH解析によって得られた候補領
域に存在し、さらに腎臓で発現が見られるWI-19184、WI
-12779、及びWI-17492の3種のESTを用いてRT-PCRを行っ
た。逆転写反応は200単位のM-MuLV reverse transcript
ase (New England Biolabs社)の存在下で1μg total RN
Aと5 pmol oligo(dT)を37℃で1時間反応させることによ
り行った。反応後、反応液は94℃、3分間熱処理を行う
事により、酵素を失活させた。2.5 pmol量の各遺伝子特
異的プライマーを用いて、PCR反応液(全量15μl)にそ
れぞれ逆転写反応液を1μl加え反応を行った。用いたプ
ライマー配列は以下の通りである。EST用として、WI-17
492についてはフォワードプライマーTCAGTCAAGGTCACAGT
CATATTAA(配列番号37)とリバースプライマー TTGTG
CTGTCTGTCAGCATATG(配列番号38)を用いた。WI-1277
9については、フォワードプライマー AAGTAAATGTGACAGG
TAAAAAGG(配列番号39)とリバースプライマー CTTGA
CACAGTATTTTCAGCTTTTG(配列番号40)を用いた。WI-1
9184については、フォワードプライマーGAATTCCTTCCTCC
CCTGTC(配列番号41)とリバースプライマーAAACCAGG
CACAATCAAACC(配列番号42)を用いた。また、KIAA01
72用として、5'-領域については、フォワードプライマ
ーGTGGAGACCAGGACAAGGAACAGAAAGAC(配列番号43)と
リバースプライマー TCCAGAGGGGGAGGTGGCTTT(配列番号
44)を用い、3'-領域のプライマーセットとしては、W
I-12779と同じものを使用した。PCR条件は94℃で30秒、
60℃で30秒、72℃で30秒を30サイクル行った。正常組織
と腎癌組織の間での遺伝子発現量の補正はG3PDH遺伝子
の発現を同様にRT-PCRを用いて調べた。それぞれのEST
のPCRプライマー配列は、HUGOデータベース HYPERLINK
"http://gdbwww.gdb.org" http://gdbwww.gdb.orgより
得た。
【0057】図5は、KIAA0172遺伝子の腎癌形成に対す
る関連性に関して、RT-PCRによる腎癌患者における遺伝
子発現状態を示す。図は、腎癌患者の正常組織細胞と癌
組織細胞から得られたmRNAを用いて3種の候補EST(図に
示した)についてRT-PCRを行って癌組織細胞での遺伝子
転写量を正常組織細胞と比べた結果である。同実験の結
果、3つのESTの内WI-12779に関して約63%の患者につ
いて遺伝子発現の減少を認めた。したがって、同ESTが
腎癌との関連性を有意に示した。
【0058】ヒトゲノム上で当該遺伝子の極く近傍に存
在する2つの遺伝子(あるいはEST)WI-19184及びWI-17
492を用いて同上の方法により転写量を測定したとこ
ろ、いずれも有意な減少は見られなかった。同ESTはKIA
A0172遺伝子の一部であることからKIAA0172遺伝子の腎
癌との関連性が強く示された。
【0059】(3)腎癌の形成に対する関連性(その
3) 塩基配列決定法による遺伝子変異解析を行った。アミノ
酸配列をコードしているエキソン(EXON)1から10まで
をそれぞれ別に塩基配列を決定した。また、エキソン1
は2662 bpと長いため、5つ(a、b、c、d及びe)に分け
て塩基配列決定を行った。PCRは、25 ngのDNAと5 pmol
のプライマーを用いて94℃30秒間、60℃30秒間、72℃1
分間を1サイクルとして、35サイクル行って増幅した。
増幅後のDNAは、ABI社Prism 310 Genetic Analyzerを用
いて塩基配列決定を行った。得られた塩基配列は、GenB
ankデータベースに登録してある当該遺伝子塩基配列
(登録番号D79994)と比較して変異部位を特定した(図
6)。
【0060】それぞれのプライマー配列は、次の通りで
ある。 EXON 1 E1af: TAC TTT GTG GAG ACC CCC TA(配列番号2) E1ar: GCT TGT GGT GCC CAT GCC TCC(配列番号3) E1ar2: CAC TGG GGT GGA GAT CCC TG(配列番号4) E1bf: ATT ATG GTA GCT ATG CCC CA(配列番号5) E1bf2: TGC AGC ACA TCC GCG AGC AGA T(配列番号6) E1cf: TCC GGC AAC TTA CAG CAG(配列番号7) E1cf2: CAG CTG TGA GGC CTC CTC AG(配列番号8) E1br: GCC TCT GTG GTA CAC GAC GAT G(配列番号9) E1df: AGG CAT CTC CTG CCA GCC TGA AT(配列番号1
0) E1cr2: TCC ACA GAC CTC CCA GCA CAT C(配列番号1
1) E1cr: TCT GTG TTG CTG CCT GTT TCG CAG ACG CT(配列
番号12) E1dr2: AGA CAA GTG TTG GTG CAG GAC TC(配列番号1
3) E1ef: GGA CAG TAG CTG TAG GA(配列番号14) E1dr: CAG CTG AT GGC CTG TCA AAC CC(配列番号1
5) E1er2: GGG TTC CTC AGC TCT TCA GTG C(配列番号1
6) E1er: TCC TCA TTC CCA GGT CCT CAG G(配列番号1
7) EXON 2 CAG TCC TAG CAT CAC ACA CTC TG(配列番号18) TCC TGC CAA TGA CTG TGA(配列番号19) EXON 3 GGG TGT GAG TTT TCA TTT TTA TTG CC(配列番号20) ACT GAC AGC ATT AGC CTC TAG AAC(配列番号21) EXON 4 TGA GCA CAC CTT GCA TCT CCT GA(配列番号22) CAT TAA ATG TGG GAG GGG CAA(配列番号23) EXON 5TCT TCT TGT GAC CAA TCG TAA CTT(配列番号2
4) TAC ACA CTG GGG ATG GTG TTT GC(配列番号25) EXON 6 AAT AGA AGA ACT AAC GAC CAC TTG G(配列番号26) TTA GAG AAG AGA GGG TGG AAG GG(配列番号27) EXON 7 AGA AGG GGC TGC TTC CTA AGA GA(配列番号28) GGG TGC ATT CCT GAG CAC AGG A(配列番号29) EXON 8 CAG TAC GTA CTT CTG AAG TCC TTG(配列番号30) TCC CAG AGC TCC CGT CCA GAG(配列番号31) EXON 9 GAG AAA CCC AAC ATG GCT TGT TCT(配列番号32) GGG GTC CAC CAG TCT GGT GGA(配列番号33) EXON 10 TGA GGT CAC TTA TTA ACC CCC AGT(配列番号34) GTA TCT GTC ACC CCA ACA GGA AC(配列番号35) 当該遺伝子の変異を患者の腎癌組織より得たゲノムDNA
を用いて塩基配列決定法により検索したところ、75検体
のうち19検体(25.3%)においてアミノ酸配列の変化を
伴う変異が存在していた(図6、7)。
【0061】図6は、KIAA0172遺伝子の腎癌形成に対す
る関連性に関して、塩基配列決定法による遺伝子変異解
析の結果を示す。図6は、75人の腎癌患者組織由来のDN
Aを用いて、KIAA0172遺伝子領域の塩基配列を決定し、
同遺伝子領域に見られた変異をまとめたものである。遺
伝子産物のアミノ酸配列(コドン番号)と既に報告され
ているアミノ酸(GenBank登録番号D79994の配列)とを
比較し、アミノ酸変化とそれを認めた患者の番号及びそ
の変化の頻度を示した。
【0062】図7は、KIAA0172遺伝子の腎癌形成に対す
る関連性に関して遺伝子上の一塩基多型(SNPs)を示
す。図7は、近年その利用が益々重要になってきている
遺伝子多型を調べた結果をまとめたものである。多型
は、アミノ酸配列を変えない遺伝子上の変異であり、図
には、それを認めたコドン番号、アミノ酸配列、GenBan
k登録塩基配列及び患者に見られた一塩基多型の塩基配
列及びその患者の番号とその多型の出現頻度を示した。
【0063】図8は、KIAA0172遺伝子の腎癌形成に対す
る関連性についての塩基配列決定法による遺伝子変異解
析(LOH、変異、SNPの関係)の結果を示す。図8は、前
図(図4、6、7)をまとめたものである。この結果、LO
H、変異、SNPの関係は特に認められないことがわかっ
た。したがって、KIAA0172遺伝子の遺伝子発現の低下
は、遺伝子変異が原因ではないことが判明した。また、
本結果により、同遺伝子のLOH情報、変異情報、SNP情報
を基礎とした機能解析が可能である。
【0064】遺伝子の変異の確率は、通常1/100万程度
であり、それに比較して有意に高い変異率を示してい
る。したがって、上記の変異が腎癌の形成とは無関係に
生じたものとは考えられない。また、アミノ酸置換も、
アラニンからバリン、バリンからグリシンなど性質がほ
とんど変わらない置換から、セリンからアラニン、グル
タミン酸からグルタミン、アルギニンからヒスチジンへ
と性質が大きく変わるものも含まれており、機能変化の
可能性が高い。また、2アミノ酸残基の挿入の例も存在
した。したがって、腎癌の形成に対する関連性は高いと
考えられる。
【0065】〔実施例3〕 KIAA0172遺伝子の機能解析 (1)細胞培養法、cDNA実験及び抗体の作製 腎細胞癌(RCC)培養細胞はAmerican Type Culture Col
lectionより入手した。VMRC-RCW細胞はMEM培地で、HEK2
93細胞はDMEM培地、(両培地共に10%子ウシ胎児血清を
含む)で5%CO2存在下で37℃で培養した。初代細胞培養
は、ヒトRCC組織と正常腎臓組織を外科標本から採取
後、断片化した後、行った(Aoyagi, T. etal., Int.
J. Urol. 3, 392-396 (1996))。これらの細胞は10%子
ウシ胎児血清を含むDMEM中で培養した。正常腎細胞は腎
細管細胞の特徴を保持していた。ESTsをスクリーニング
するため、同じ患者由来の正常腎組織由来cDNAと腫瘍由
来のcDNAのペアはクローンテック社より購入した。KIAA
0172遺伝子産物蛋白質に対するウサギ抗体を作製するた
めに、同蛋白質の406〜580アミノ酸残基に相当するcDNA
をPCR増幅し、pGEXベクター(ファルマシア社)中のグ
ルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)遺伝子下流に
フレームを合わせてクローニングし、融合蛋白質を作成
した。そして、大腸菌細胞へ上記クローンを導入した
後、IPTGにより誘導し、得られた蛋白質をグルタチオン
セファロース(ファルマシア社)により精製した。この
精製蛋白質はウサギを免疫感作するのに用いた。免疫血
清はセファロースにGST融合蛋白質抗原を結合させたカ
ラムを用いることによってアフィニティー精製を行っ
た。
【0066】(2) 免疫染色法による細胞内局在決定 KIAA0172cDNAはpcDNA3.1(+) (インビトロゲン社)にクロ
ーニングした。得られたクローンを、カバーガラス上で
培養したHEK293細胞にLipofectamine 2000 (インビトロ
ゲン社)を用いてトランスフェクションした。翌日、細
胞を冷メタノール(-20℃)で固定した。これをリン酸
緩衝液で洗浄した後、KIAA0172遺伝子産物蛋白質に対す
る抗体と共に室温で1時間培養した。FITC標識したウサ
ギIgGを用いることにより蛍光顕微鏡(LSM-410, カール
ツァイス社)下で当該蛋白質を検出した。
【0067】図9は、KIAA0172遺伝子の機能に関して、
細胞内局在の様子を示す。図9は、KIAA0172遺伝子をGF
P(Green Fluorescent Protein)遺伝子との融合遺伝子
を作り、それぞれCos7細胞あるいはHEK293細胞内で発現
させ、GFPの示す蛍光を検出したものである(対照とし
てGFPのみを発現した例も示した)。本実験の結果、同
遺伝子産物である蛋白質は細胞質に存在することが明ら
かになった。
【0068】図11は、KIAA0172遺伝子の機能に関して
抗KIAA0172蛋白質抗体を用いた正常組織と癌組織の免疫
染色の結果を示す。図11は、腎癌とその周辺の正常腎
組織の組織切片を作成し、抗KIAA0172蛋白質抗体(1次
抗体)を用いて免疫染色を行った結果である。HE染色結
果からそれぞれの組織を確認し、ローダミンラベルした
2次抗体を用いて蛍光検出した。結果として、正常組織
での蛋白質が検出されたが、癌組織では検出されなかっ
た。したがって、同抗体を用いることにより、癌組織の
生理所見及びそれに基づく診断が可能である。
【0069】(3) イムノブロッティングと免疫沈降 細胞抽出液は次のように調製した。細胞をリン酸緩衝液
で3回洗浄し、バッファー(50 mM Tris-HCl, pH 7.5, 1
40 mM NaCl, 10% glycerol, 1 % Nonidet P-40, 100 mM
NaF, 200 mM NaVO5, 1 mM PMSF, 10 μg/ml の leupep
tin, aprotinin及びchymotrypsin)中、氷上で15分間静
置することにより溶解させた。細胞溶解液は4℃で15分
間遠心分離を行った後、免疫沈降反応に用いた。細胞溶
解液と免疫沈降物はSDS-ポリアクリルアミド電気泳動に
より分離した後、ニトロセルロースメンブレンに転写し
た。このメンブレンは5%スキムミルクによりブロッキン
グを行い、KIAA0172遺伝子産物蛋白質に対する抗体を結
合させた。KIAA0172遺伝子産物蛋白質を検出するために
Alkaline phosphatase-conjugated rabbit IgG (Promeg
a社) と BCIP/NBT (GibcoBRL社)を使用した。
【0070】図10は、KIAA0172遺伝子の機能に関し
て、細胞内局在と蛋白質の存在との関係を示す。図10
は、KIAA0172遺伝子産物に対する特異的ポリクローナル
抗体(抗KIAA0172蛋白質抗体)を用いた免疫染色実験の
結果(図10A)とウエスターン解析の結果を示した
(図10B)。免疫染色実験は、同遺伝子を発現してい
るVMRC-RCW細胞を用いて同遺伝子産物である蛋白質を抗
体を用いて検出したものである。対照実験として、同抗
体に対する抗原を用いた吸収実験(シグナルが検出され
ない)及び同遺伝子の発現の無いHEK293細胞内で発現プ
ラスミド(pCMV-KIAA)を導入して同遺伝子を強制発現
させた場合を示した。いずれにしても、細胞質に局在す
る結果を得た。一方、ウエスターン解析では、VMRC-RCW
細胞抽出液において抗KIAA0172蛋白質抗体を用いて同遺
伝子産物を検出し(IgGは対照実験でバンドを示さな
い)、また、発現プラスミド(pCMV-KIAA)を導入したH
EK293細胞から得た抽出液でも同様のバンドを検出し
た。図10A中左の図はVMRC-RCW細胞の染色結果を、中
央の図は抗原を加えた場合のVMRC-RCW細胞の染色結果
を、右の図はKIAA0172遺伝子を強制発現させたHEK293細
胞の染色結果を示す。図10B中、レーン番号1は、IgG
を用いた免疫沈降の結果を、レーン番号2はKIAA0172抗
体を用いた免疫沈降の結果を示す。また、番号3はVMRC
-RCW細胞由来抽出物を用いたウエスターン解析結果を、
番号4は、KIAA0172遺伝子を強制発現させたHEK293細胞
を用いたウエスターン解析の結果を、番号5は元の細胞
を用いたウエスターン解析の結果を示す。したがって、
免疫染色法並びにウエスターン解析により細胞内での同
遺伝子産物である蛋白質を同定することができた。
【0071】(4) 遺伝子多型解析 患者R6正常腎組織由来の初代培養細胞(R6N)からのゲ
ノムDNA(50μg)はプライマーCf(GCAGCTGTGAGGCCTCCT
CAG)(配列番号45)とCr(TCCACAGACCTCCCAGCACAT
C)(配列番号46)を用いて増幅した。PCR条件は94℃
で30秒、60℃で30秒、72℃で45秒を30サイクル行った。
cDNAはR6Nの初代培養細胞から調製した。PCR増幅条件は
上記と同じ条件で行った。PCR産物はQiagen社スピンカ
ラムで精製後、Perkin Elmer Applied Biosystems社製
キットとCfとCrプライマーにより両方向からシーケンス
を行った。得られたシーケンスを確認するため、PCR産
物はpGEM-T vector (Promega社)にクローニングした。
得られたクローンをランダムに選択し同じプライマーで
シーケンスを行い、確認を行った。
【0072】図12は、KIAA0172遺伝子の機能に関して
アレル特異的な遺伝子発現を示す。図12は、KIAA0172
遺伝子の示すアレル特異的な遺伝子発現を示すデータで
ある。ジーンスキャン解析では、マーカーD9S1779を用
いたマイクロサテライト解析を行い、同マーカー部位が
癌細胞において欠失していることを示した(図12A;
ジーンスキャン解析による癌組織DNAにおけるアレル喪
失結果)。さらに、RT-PCR法によりそれぞれ正常(R6
N)及び癌(R6T)組織由来のcDNAを解析し、G6PDHは両
者ともにほぼ同量発現しているにも係わらず、同遺伝子
については正常組織でしか発現が認められなかった結果
を示す(図12B;RT-PCR法による癌組織における遺伝
子発現喪失結果)。さらに、その発現している遺伝子
は、正常組織の2つのアレルの内、片方(多型部位がG配
列のもの)だけであることをゲノムの多型(G配列とC配
列の両方が存在している)と正常組織由来のcDNAを比較
することにより明らかにした(図12C;一塩基多型を
用いたアレル特異的発現結果)。このようなアレル特異
性を示す癌抑制機能を有する遺伝子は他に例がないこと
から、同情報を利用した診断などへの利用が考えられ
る。
【0073】(5) メチル化部位の解析 KIAA0172遺伝子のエキソン1領域のメチル化度はSodium
bisulphite法(Clark,S.J., Nucleic Acids Res. 22, 29
90-2997 (1994))により決定した。具体的には、まずゲ
ノムDNA(125 ng)をサケ精子DNA 2μgと混合し0.3M Na
OH中、37℃で20分間変性させた。シトシン残基は5 M so
dium bisulphite (Sigma社)と5 mMハイドロキノン (Sig
ma社)中、55℃で5時間培養することにより硫化させた。
DNAサンプルはQiagen社カラムで脱塩化し0.3M NaOH中で
脱硫化したのち、エタノール沈殿を行った。処理したDN
A(30 ng)はPCRにより増幅した。PCR条件は94℃で30
秒、42℃で90秒、72℃で1分間を30サイクルで行った。
全量50μlの反応液中に250μMdNTPとTaq DNAポリメラー
ゼ及び914FプライマーAAGAAGAGA AAAGGTAGTTGG(配列番
号47)と1413RプライマーCTATTAAAACTCAATTTCTTT(配
列番号48)を混合して使用した。PCR産物は914Fプラ
イマーと1294RプライマーCCTAAAACCTCTATAATACACAAC
(配列番号49)を用いて94℃で30秒、52℃で1分、72
℃で1分を25サイクルの条件でセミ-ネスティッドPCRを
行った。PCR産物はQIA-quick PCR purification kit (Q
iagen社)により精製した。精製産物は直接pGEM-T vecto
r (Promega社)にクローニングした。クローンをランダ
ムに選択し、ABI 310 sequencerによりシーケンス解析
しメチル化部位を確認した。
【0074】図13は、KIAA0172遺伝子の機能に関し
て、正常と癌組織及び株化癌細胞のメチル化パターンを
示す。図13は、KIAA0172遺伝子の第1エキソンに存在
するCpGIslandとその中の6箇所のCpG配列についてメチ
ル化のパターンをsodium bisulfite法を用いて調べた結
果である。患者由来(番号で示す)の正常(N)と癌(T)組
織DNAを10組と株化細胞2種類について、それぞれのCpG
配列についてメチル化されている場合(黒塗りのボック
ス)とされていない場合(白抜きのボックス)を示し
た。図から明らかなように、癌組織では、それぞれのア
レルの少なくとも1ヶ所はメチル化されているが、正常
組織では、10例中9例について約半数が全くメチル化さ
れていないアレルを有することがわかった(64Nの1例の
みは例外)。したがって、本遺伝子は腎癌の正常組織に
おいても既にメチル化を示しており、正常な状態ですで
にリスクの高い状態であることを診断することができる
と考えられる。また、株化細胞HEK293及びG-402細胞に
関しても既に全てのアレルがメチル化されていることが
判明した。この結果とアレル特異性の結果を合わせて考
えると、同遺伝子を利用することにより、リスク因子の
検査などに利用することが可能であると考えら得る。
【0075】図14は、KIAA0172遺伝子の機能に関し
て、5-アザ-2'デオキシシチジン処理による遺伝子発現
の活性化を示す。図14は、KIAA0172遺伝子の発現が認
められない株化細胞2種に対して5-アザ-2'デオキシシチ
ジン処理を行うことにより発現が見られた。株化細胞HE
K293及びG-402細胞においては同遺伝子は発現していな
いことから、5-アザ-2'デオキシシチジン処理により脱
メチル化が起こり、再発現したと考えられる。したがっ
て、同遺伝子の不活性化のメカニズムはメチル化による
ものと判明した。
【0076】〔実施例4〕 KIAA0172遺伝子の機能解析 (1)腎癌由来の癌細胞株に対する増殖抑制能(その
1:HEK293細胞) 増殖抑制実験を以下の方法により行った。当該遺伝子の
塩基配列340から4658までをInvitrogenのpcDNA3.1 ベク
ター(pCMV-vec)に導入し、発現用のプラスミド(pCMV
-KIAA)を作成した。本ベクターは、CMVプロモーターを
持ち、その下流に挿入された遺伝子の発現を強制的に行
う。また、ネオマイシン耐性遺伝子を含んでいるため、
抗生物質ネオマイシンによる選択が可能である。挿入し
た当該遺伝子領域は、翻訳開始メチオニンから翻訳終了
のコドンを含み、当該遺伝子産物タンパク質全長が発現
される。
【0077】6 cmシャーレに5.1×105個のHEK293細胞を
まき、トランスフェクション実験を行った。KIAA0172発
現ベクター(5μg)はLipofectamine 2000を用いてHEK2
93細胞へトランスフェクションさせた。コントロールと
して空ベクター(pcDNA3.1(+))をトランスフェクショ
ンさせた。トランスフェクション後、細胞は5×103細胞
になるまで培養した。2週間 Geneticin (500 μg/ml)で
処理した後、コロニーの形成を確認した。得られたコロ
ニーを固定し、ギムザ液で染色したのち、細胞数を計測
した。安定HEK293細胞株は、Geneticinによる選択の後
コロニーを単離した。これらの細胞がKIAA0172遺伝子を
発現していることは、RT-PCRにより確認した。
【0078】まず、HEK293細胞では、当該遺伝子を発現
していないことをRT-PCRにより確認した。次に、当該遺
伝子を発現ベクターに結合して、株化腎癌細胞であるHE
K293細胞に導入し、同細胞の中において当該遺伝子を発
現させたところ、同細胞の増殖抑制が見られた。すなわ
ち、対象として発現ベクター(pCMV-vec)のみを導入し
た細胞の増殖に比べ、当該遺伝子を発現するプラスミド
(pCMV-KIAA)を用いたときは24%のコロニー形成率を
示した(図15;HEK293細胞を用いたコロニー形成
能)。図15は、KIAA0172遺伝子の発現がHEK293細胞で
は認められないことをRT-PCRで示し(図15A;HEK293
細胞中での発現)、その細胞に発現プラスミド(pCMV-K
IAA)を導入して同遺伝子を強制発現させた場合と対照
として空ベクターのみを導入した場合とを比較し、KIAA
0172遺伝子を導入した場合にコロニー数が減少すること
から、同遺伝子の発現により細胞増殖が抑制されたこと
を示している(図15B;HEK293細胞に導入したときの
細胞増殖抑制能)。
【0079】上記の現象を説明するためには、当該遺伝
子(プロモーター領域及びその他の転写調節領域も含
む)に変異が起こり、発現が抑制された結果、癌化が誘
導されたと考える必要が有り、したがって、当該遺伝子
が腎癌の形成に係っていることを示す有力な証拠であ
る。
【0080】(2)腎癌由来の癌細胞株に対する増殖抑
制能(その2:G-402細胞) 増殖抑制実験を上記方法により行った。
【0081】まず、G-402細胞では、当該遺伝子を発現
していないことをRT-PCRにより確認した。次に、当該遺
伝子を発現ベクターに結合して、株化腎癌細胞であるG-
402細胞に導入し、同細胞の中において当該遺伝子を発
現させたところ、同細胞の増殖抑制が見られた。すなわ
ち、対象として発現ベクター(pCMV-vec)のみを導入し
た細胞の増殖に比べ、当該遺伝子を発現するプラスミド
(pCMV-KIAA)を用いたときは30%のコロニー形成率を
示した(図16)。図16は、KIAA0172遺伝子の発現が
G-402細胞では認められないことをRT-PCRで示し(図1
6A)、その細胞に発現プラスミド(pCMV-KIAA)を導入
して同遺伝子を強制発現させた場合と対照として空ベク
ターのみを導入した場合とを比較し、KIAA0172遺伝子を
導入した場合にコロニー数が減少することから、同遺伝
子の発現により細胞増殖が抑制されたことを示している
(図16B;G-402細胞に導入したときの細胞増殖抑制
能)。
【0082】上記の現象を説明するためには、当該遺伝
子(プロモーター領域及びその他の転写調節領域も含
む)に変異が起こり、発現が抑制された結果、癌化が誘
導されたと考える必要が有り、したがって、当該遺伝子
が腎癌の形成に係っていることを示す有力な証拠であ
る。
【0083】〔実施例5〕 KIAA0172遺伝子の機能解析 腎癌由来の癌細胞株に対する形質転換能(細胞形態解
析) 増殖抑制実験を上記方法により行った。得られた細胞を
光学顕微鏡を用いて観察した。当該遺伝子を発現ベクタ
ーに結合して、株化腎癌細胞であるHEK293細胞に導入
し、同細胞の中において当該遺伝子を発現させたとこ
ろ、同細胞の形態変化が見られた。すなわち、対象とし
て発現ベクターのみを導入した細胞の形態に比べ、当該
遺伝子を導入し強制発現を行った細胞においては、細胞
の接着面積が増加し、細胞間の接着度が増加した(図1
7)。図17中右がKIAA0172遺伝子を導入した細胞であ
る。図17は、HEK293細胞にKIAA0172遺伝子発現プラス
ミド(pCMV-KIAA)を導入して同遺伝子を強制発現させ
た場合と対照として空ベクターのみを導入した場合とを
比較し、KIAA0172遺伝子を導入した場合に細胞の形態が
変化することを示している。図はそれぞれ拡大倍率など
を変えた結果を示した。
【0084】上記の現象は、当該遺伝の機能として、遺
伝子の増殖を適正に制御し、癌細胞に見られる無制御な
増殖を抑制する機能を有し、その増殖抑制の結果、細胞
の形態が変化したと考えられる。細胞増殖制御のメカニ
ズムは、増殖因子への相互作用の可能性が考えられる
が、当該遺伝子産物に対する抗体を用いた免疫染色実験
により、細胞骨格への直接の影響の可能性も考えられ
る。
【0085】〔実施例6〕 KIAA遺伝子の機能解析 (1)機能領域解析(その1) 塩基配列による相同性検索は以下の方法により行った。
米国ジョージタウン大学から公開されている遺伝子ファ
ミリー検索システムGeneFINDを利用して、当該遺伝子の
アミノ酸配列(合計1194残基)を用いて相同性を示すア
ミノ酸配列を検索した。用いた、ソフトウエアは、Wuら
(Bioinfomatics誌14巻223-224ページに掲載)のものを
使用した。その結果、高度の相同性を示すタンパク質と
してヒトのDAPK遺伝子産物と157アミノ酸残基(当該遺
伝子産物アミノ酸残基1006から1162までとDAPKタンパク
質アミノ酸残基481から630まで)において34.177%の相
同性を示した。同領域は、アンキリン(ankyrin)反復
構造を含んでいた(図3)。
【0086】遺伝子相同性検索の結果、当該遺伝子産物
は多くの真核生物遺伝子産物に見られる機能部位アンキ
リン反復構造に対して有意な相同性が判明した。アンキ
リン反復構造は多くの遺伝子に見られるが、当該遺伝子
産物の持つアンキリン相同部位は特にヒトのDAPK遺伝子
産物に対して高い相同性を示した。上記の相同性は、ア
ミノ酸配列上で約34%であり、有意な相同性と考えられ
る。
【0087】(2)機能領域解析(その2) 変異体(部分欠失)解析による検定を以下の方法により
行った。CLONTECH社のMATCHMAKER GAL4 Two-Hybrid Sys
tem 3(Two-Hybrid法のキット)を用いて、機能が想定
される部位に対する結合タンパク質(あるいはその一
部)を含む遺伝子をクローン化した。アンキリン相同部
位を含む当該遺伝子の一部(アミノ酸残基995から1194
まで)を酵母AH109株の遺伝子発現ベクターpGBKT7のGAL
4遺伝子由来のDNA結合部位に導入し融合タンパク質を酵
母内で合成させた。この酵母に、腎臓のcDNAライブラリ
ーのcDNAとGAL4のAD部位(アミノ酸残基768から881ま
で)の両方を含むプラスミド(ベイト)を導入して遺伝
子発現をさせた。ベイトの中に当該遺伝子のアンキリン
相同部位と相互作用を行う遺伝子産物が含まれる場合
は、AD部位がGAL4遺伝子発現を誘導するために発色す
る。本方法により、ベイトのなかに含まれるアンキリン
相同部位と相互作用を行う遺伝子(あるいはその一部)
由来のcDNAをクローンとして得ることができる。
【0088】当該遺伝子のアンキリン相同部位のみを有
する変異体を用いて、Two-Hybrid法により相互作用を示
す遺伝子の検索を行ったところ、複数(少なくとも10種
類)の遺伝子由来cDNAがクローンとして得られた。した
がって、同アンキリン相同部位が他の遺伝子産物(タン
パク質)との相互作用を行っている部位であることが明
らかになった。同方法は、タンパク質間の相互作用を検
定する有力な手法の一つであり、したがって、得られた
情報は、信頼性が高いと考えられる。
【0089】〔実施例7〕 マウスを用いた細胞増殖実
験 安定にKIAA0172遺伝子を発現するHEK293細胞株の細胞を
集め、リン酸緩衝液に懸濁した。その後、300μl中に5
×104細胞になるように調製した懸濁液を3〜4週令のオ
スのBALB/cヌードマウス脇腹に1または2箇所接種した。
接種された腫瘍細胞の成長は10日ごとに2回の割合で腫
瘍容量を測定することにより評価した。全ての動物実験
は研究所内のガイドラインに沿って行われた。
【0090】図18は、KIAA0172遺伝子の細胞増殖抑制
能に関して、ヌードマウスを用いた細胞増殖抑制実験の
結果を示す。図18は、HEK293細胞にKIAA0172遺伝子発
現プラスミド(pCMV-KIAA)を導入して同遺伝子を強制
発現させた細胞と対照として空ベクターのみを導入した
細胞をそれぞれヌードマウスの腹腔に導入し、それぞれ
の細胞の増殖を観察した結果を示す。結果として、対照
の空ベクターを用いた場合は、細胞増殖が押さえられず
に癌を形成するのに対し、KIAA0172遺伝子を発現した場
合は、細胞増殖が抑制されていることがマウスを使った
実験でも明らかになった。これらの一連の細胞増殖抑制
実験により、同遺伝子の癌に対する増殖抑制効果が明ら
かであり、診断のみならず治療への利用が考えられる。
【0091】
【発明の効果】本発明の治療薬により癌の治療が可能に
なり、また本発明の検出薬により癌を検出することが可
能になる。
【0092】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Director-General of National Institute of Advanced Industrial Scie nce and Technology; InfoGenes; Kazusa DNA Research Institute <120> Application of KIAA0172 gene functions for therapeutics, diagnosis , and pharmaceuticals <130> 332-01760 <140> <141> <150> JP 2001/101401 <151> 2001-03-30 <160> 49 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1194 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Glu Thr Arg Arg Arg Leu Glu Gln Glu Arg Ala Thr Met Gln Met 1 5 10 15 Thr Pro Gly Glu Phe Arg Arg Pro Arg Leu Ala Ser Phe Gly Gly Met 20 25 30 Gly Thr Thr Ser Ser Leu Pro Ser Phe Val Gly Ser Gly Asn His Asn 35 40 45 Pro Ala Lys His Gln Leu Gln Asn Gly Tyr Gln Gly Asn Gly Asp Tyr 50 55 60 Gly Ser Tyr Ala Pro Ala Ala Pro Thr Thr Ser Ser Met Gly Ser Ser 65 70 75 80 Ile Arg His Ser Pro Leu Ser Ser Gly Ile Ser Thr Pro Val Thr Asn 85 90 95 Val Ser Pro Met His Leu Gln His Ile Arg Glu Gln Met Ala Ile Ala 100 105 110 Leu Lys Arg Leu Lys Glu Leu Glu Glu Gln Val Arg Thr Ile Pro Val 115 120 125 Leu Gln Val Lys Ile Ser Val Leu Gln Glu Glu Lys Arg Gln Leu Val 130 135 140 Ser Gln Leu Lys Asn Gln Arg Ala Ala Ser Gln Ile Asn Val Cys Gly 145 150 155 160 Val Arg Lys Arg Ser Tyr Ser Ala Gly Asn Ala Ser Gln Leu Glu Gln 165 170 175 Leu Ser Arg Ala Arg Arg Ser Gly Gly Glu Leu Tyr Ile Asp Tyr Glu 180 185 190 Glu Glu Glu Met Glu Thr Val Glu Gln Ser Thr Gln Arg Ile Lys Glu 195 200 205 Phe Arg Gln Leu Thr Ala Asp Met Gln
Ala Leu Glu Gln Lys Ile Gln 210 215 220 Asp Ser Ser Cys Glu Ala Ser Ser Glu Leu Arg Glu Asn Gly Glu Cys 225 230 235 240 Arg Ser Val Ala Val Gly Ala Glu Glu Asn Met Asn Asp Ile Val Val 245 250 255 Tyr His Arg Gly Ser Arg Ser Cys Lys Asp Ala Ala Val Gly Thr Leu 260 265 270 Val Glu Met Arg Asn Cys Gly Val Ser Val Thr Glu Ala Met Leu Gly 275 280 285 Val Met Thr Glu Ala Asp Lys Glu Ile Glu Leu Gln Gln Gln Thr Ile 290 295 300 Glu Ala Leu Lys Glu Lys Ile Tyr Arg Leu Glu Val Gln Leu Arg Glu 305 310 315 320 Thr Thr His Asp Arg Glu Met Thr Lys Leu Lys Gln Glu Leu Gln Ala 325 330 335 Ala Gly Ser Arg Lys Lys Val Asp Lys Ala Thr Met Ala Gln Pro Leu 340 345 350 Val Phe Ser Lys Val Val Glu Ala Val Val Gln Thr Arg Asp Gln Met 355 360 365 Val Gly Ser His Met Asp Leu Val Asp
Thr Cys Val Gly Thr Ser Val 370 375 380 Glu Thr Asn Ser Val Gly Ile Ser Cys Gln Pro Glu Cys Lys Asn Lys 385 390 395 400 Val Val Gly Pro Glu Leu Pro Met Asn Trp Trp Ile Val Lys Glu Arg 405 410 415 Val Glu Met His Asp Arg Cys Ala Gly Arg Ser Val Glu Met Cys Asp 420 425 430 Lys Ser Val Ser Val Glu Val Ser Val Cys Glu Thr Gly Ser Asn Thr 435 440 445 Glu Glu Ser Val Asn Asp Leu Thr Leu Leu Lys Thr Asn Leu Asn Leu 450 455 460 Lys Glu Val Arg Ser Ile Gly Cys Gly Asp Cys Ser Val Asp Val Thr 465 470 475 480 Val Cys Ser Pro Lys Glu Cys Ala Ser Arg Gly Val Asn Thr Glu Ala 485 490 495 Val Ser Gln Val Glu Ala Ala Val Met Ala Val Pro Arg Thr Ala Asp 500 505 510 Gln Asp Thr Ser Thr Asp Leu Glu Gln Val His Gln Phe Thr Asn Thr 515 520 525 Glu Thr Ala Thr Leu Ile Glu Ser Cys Thr Asn Thr Cys Leu Ser Thr 530 535 540 Leu Asp Lys Gln Thr Ser Thr Gln Thr Val Glu Thr Arg Thr Val Ala 545 550 555 560 Val Gly Glu Gly Arg Val Lys Asp Ile Asn Ser Ser Thr Lys Thr Arg 565 570 575 Ser Ile Gly Val Gly Thr Leu Leu Ser Gly His Ser Gly Phe Asp Arg 580 585 590 Pro Ser Ala Val Lys Thr Lys Glu Ser Gly Val Gly Gln Ile Asn Ile 595 600 605 Asn Asp Asn Tyr Leu Val Gly Leu Lys Met Arg Thr Ile Ala Cys Gly 610 615 620 Pro Pro Gln Leu Thr Val Gly Leu Thr Ala Ser Arg Arg Ser Val Gly 625 630 635 640 Val Gly Asp Asp Pro Val Gly Glu Ser Leu Glu Asn Pro Gln Pro Gln 645 650 655 Ala Pro Leu Gly Met Met Thr Gly Leu Asp His Tyr Ile Glu Arg Ile 660 665 670 Gln Lys Leu Leu Ala Glu Gln Gln Thr Leu Leu Ala Glu Asn Tyr Ser 675 680 685 Glu Leu Ala Glu Ala Phe Gly Glu Pro His Ser Gln Met Gly Ser Leu 690 695 700 Asn Ser Gln Leu Ile Ser Thr Leu Ser Ser Ile Asn Ser Val Met Lys 705 710 715 720 Ser Ala Ser Thr Glu Glu Leu Arg Asn Pro Asp Phe Gln Lys Thr Ser 725 730 735 Leu Gly Lys Ile Thr Gly Asn Tyr Leu Gly Tyr Thr Cys Lys Cys Gly 740 745 750 Gly Leu Gln Ser Gly Ser Pro Leu Ser Ser Gln Thr Ser Gln Pro Glu 755 760 765 Gln Glu Val Gly Thr Ser Glu Gly Lys Pro Ile Ser Ser Leu Asp Ala 770 775 780 Phe Pro Thr Gln Glu Gly Thr Leu Ser Pro Val Asn Leu Thr Asp Asp 785 790 795 800 Gln Ile Ala Ala Gly Leu Tyr Ala Cys Thr Asn Asn Glu Ser Thr Leu 805 810 815 Lys Ser Ile Met Lys Lys Lys Asp Gly Asn Lys Asp Ser Asn Gly Ala 820 825 830 Lys Lys Asn Leu Gln Phe Val Gly Ile
Asn Gly Gly Tyr Glu Thr Thr 835 840 845 Ser Ser Asp Asp Ser Ser Ser Asp Glu Ser Ser Ser Ser Glu Ser Asp 850 855 860 Asp Glu Cys Asp Val Ile Glu Tyr Pro Leu Glu Glu Glu Glu Glu Glu 865 870 875 880 Glu Asp Glu Asp Thr Arg Gly Met Ala Glu Gly His His Ala Val Asn 885 890 895 Ile Glu Gly Leu Lys Ser Ala Arg Val Glu Asp Glu Met Gln Val Gln 900 905 910 Glu Cys Glu Pro Glu Lys Val Glu Ile Arg Glu Arg Tyr Glu Leu Ser 915 920 925 Glu Lys Met Leu Ser Ala Cys Asn Leu Leu Lys Asn Thr Ile Asn Asp 930 935 940 Pro Lys Ala Leu Thr Ser Lys Asp Met Arg Phe Cys Leu Asn Thr Leu 945 950 955 960 Gln His Glu Trp Phe Arg Val Ser Ser Gln Lys Ser Ala Ile Pro Ala 965 970 975 Met Val Gly Asp Tyr Ile Ala Ala Phe
Glu Ala Ile Ser Pro Asp Val 980 985 990 Leu Arg Tyr Val Ile Asn Leu Ala Asp Gly Asn Gly Asn Thr Ala Leu 995 1000 1005 His Tyr Ser Val Ser His Ser Asn Phe Glu Ile Val Lys Leu Leu Leu 1010 1015 1020 Asp Ala Asp Val Cys Asn Val Asp His Gln Asn Lys Ala Gly Tyr Thr 1025 1030 1035 1040 Pro Ile Met Leu Ala Ala Leu Ala Ala Val Glu Ala Glu Lys Asp Met 1045 1050 1055 Arg Ile Val Glu Glu Leu Phe Gly Cys Gly Asp Val Asn Ala Lys Ala 1060 1065 1070 Ser Gln Ala Gly Gln Thr Ala Leu Met Leu Ala Val Ser His Gly Arg 1075 1080 1085 Ile Asp Met Val Lys Gly Leu Leu Ala Cys Gly Ala Asp Val Asn Ile 1090 1095 1100 Gln Asp Asp Glu Gly Ser Thr Ala Leu Met Cys Ala Ser Glu His Gly 1105 1110 1115 1120 His Val Glu Ile Val Lys Leu Leu Leu Ala Gln Pro Gly Cys Asn Gly
1125 1130 1135 His Leu Glu Asp Asn Asp Gly Ser Thr Ala Leu Ser Ile Ala Leu Glu 1140 1145 1150 Ala Gly His Lys Asp Ile Ala Val Leu Leu Tyr Ala His Val Asn Phe 1155 1160 1165 Ala Lys Ala Gln Ser Pro Gly Thr Pro Arg Leu Gly Arg Lys Thr Ser 1170 1175 1180 Pro Gly Pro Thr His Arg Gly Ser Phe Asp 1185 1190 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 2 tactttgtgg agacccccta 20 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 3 gcttgtcgtg cccatgcctc c 21 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 4 cactggggtg gagatccctg 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 5 attatggtag ctatgcccca 20 <210> 6 <211> 22 <212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 6 tgcagcacat ccgcgagcag at 22 <210> 7 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 7 tccggcaact tacagcag 18 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 8 cagctgtgag gcctcctcag 20 <210> 9 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 9 gcctctgtgg tacacgacga tg 22 <210> 10 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 10 aggcatctcc tgccagcctg aat 23 <210> 11 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 11 tccacagacc tcccagcaca tc 22 <210> 12 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 12 tctgtgttgc tgcctgtttc gcagacgct 29 <210> 13 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 13 agacaagtgt tggtgcagga ctc 23 <210> 14 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 14 ggacagtagc tgtagga 17 <210> 15 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 15 cagctgatgg cctgtcaaac cc 22 <210> 16 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 16 gggttcctca gctcttcagt gc 22 <210> 17 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 17 tcctcattcc caggtcctca gg 22 <210> 18 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 18 cagtcctagc atcacacact ctg 23 <210> 19 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 19 tcctgccaat gactgtga 18 <210> 20 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 20 gggtgtgagt tttcattttt attgcc 26 <210> 21 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 21 actgacagca ttagcctcta gaac 24 <210> 22 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 22 tgagcacacc ttgcatctcc tga 23 <210> 23 <211> 21 <212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 23 cattaaatgt gggaggggca a 21 <210> 24 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 24 tcttcttgtg accaatcgta actt 24 <210> 25 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 25 tacacactgg ggatggtgtt tgc 23 <210> 26 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 26 aatagaagaa ctaacgacca cttgg 25 <210> 27 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 27 ttagagaaga gagggtggaa ggg 23 <210> 28 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 28 agaaggggct gcttcctaag aga 23 <210> 29 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 29 gggtgcattc ctgagcacag ga 22 <210> 30 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 30 cagtacgtac ttctgaagtc cttg 24 <210> 31 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 31 tcccagagct cccgtccaga g 21 <210> 32 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 32gagaaaccca acatggcttg ttct
24 <210> 33 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 33 ggggtccacc agtctggtgg a 21 <210> 34 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 34 tgaggtcact tattaacccc cagt 24 <210> 35 <211> 23 <212> DNA<213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 35 gtatctgtca ccccaacagg aac 23 <210> 36 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 36 cagatgtggt cctgggttct 20 <210> 37 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 37 tcagtcaagg tcacagtcat attaa 25 <210> 38 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 38 ttgtgctgtc tgtcagcata tg 22 <210> 39 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 39 aagtaaatgt gacaggtaaa aagg 24 <210> 40 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 40 cttgacacag tattttcagc ttttg 25 <210> 41 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 41 gaattccttc ctcccctgtc 20 <210> 42 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 42 aaaccaggca caatcaaacc 20 <210> 43 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 43 gtggagacca ggacaaggaa cagaaagac 29 <210> 44 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 44 tccagagggg gaggtggctt t 21 <210> 45 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 45 gcagctgtga ggcctcctca g 21 <210> 46 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 46 tccacagacc tcccagcaca tc 22 <210> 47 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 47 aagaagagaa aaggtagttg g 21 <210> 48 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 48 ctattaaaac tcaatttctt t 21 <210> 49 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Synthetic DNA <400> 49cctaaaacct ctataataca caac
24
【0093】
【配列表フリーテキスト】配列番号2〜49:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】KIAA0172遺伝子のゲノム構造を表す図である。
【図2】KIAA0172遺伝子の構造を表す図である。
【図3】KIAA0172遺伝子の構造(アミノ酸配列)を示す
図である。
【図4】腎癌LOH解析結果を示す図である。
【図5】RT-PCRによる腎癌患者における遺伝子発現状態
を示す図である。
【図6】腎癌における遺伝子変異を示す図である。
【図7】KIAA0172遺伝子上の一塩基多型(SNPs)を示す
図である。
【図8】LOH、塩基配列の変異およびSNPの関係を示す図
である。
【図9】KIAA0172遺伝子の細胞内局在を示す図である。
【図10】KIAA0172遺伝子の細胞内局在と蛋白質の存在
の関連を示す図である。
【図11】抗KIAA0172蛋白質抗体を用いた正常組織と癌
組織の免疫染色結果を示す図である。
【図12】アレル特異的なKIAA0172遺伝子の発現を示す
図である。
【図13】正常と癌組織及び株化癌細胞のKIAA0172遺伝
子のメチル化パターンを示す図である。
【図14】5-アザ-2'デオキシシチジン処理によるKIAA0
172遺伝子の発現の活性化を示す図である。
【図15】HEK293細胞を用いたコロニー形成実験によ
る、KIAA0172遺伝子の増殖抑制能を示す図である。
【図16】G-402細胞を用いたコロニー形成実験によ
る、KIAA0172遺伝子の増殖抑制能を示す図である。
【図17】腎癌由来癌細胞株HEK293細胞に対する形質転
換能を示す図である。
【図18】ヌードマウスを用いた細胞増殖抑制実験によ
る、KIAA0172遺伝子の増殖抑制能を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 G01N 33/48 M 4C087 C12Q 1/68 P G01N 33/48 33/53 M 33/566 33/53 33/574 A 33/566 Z 33/574 C12N 15/00 ZNAA A61K 37/02 (72)発明者 木山 亮一 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所 つくばセンター内 (72)発明者 北島 慶介 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所中央第六事業所 株 式会社インフォジーンズ内 (72)発明者 小口 しのぶ 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所中央第六事業所 株 式会社インフォジーンズ内 (72)発明者 大石 道夫 千葉県木更津市矢那1532番3号 財団法人 かずさディー・エヌ・エー研究所内 (72)発明者 小原 收 千葉県木更津市矢那1532番3号 財団法人 かずさディー・エヌ・エー研究所内 (72)発明者 長瀬 隆弘 千葉県木更津市矢那1532番3号 財団法人 かずさディー・エヌ・エー研究所内 Fターム(参考) 2G045 AA26 AA29 AA34 AA35 BB51 CB01 CB02 DA13 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA12 BA44 CA02 CA03 CA07 CA09 DA03 EA04 GA11 HA12 HA17 4B063 QA08 QQ08 QQ12 QQ48 QQ58 QR33 QR40 4C084 AA02 AA07 AA13 BA35 NA14 ZB262 4C086 AA01 AA02 EA16 NA14 ZB26 4C087 BC83 CA12 NA14 ZB26

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 KIAA0172遺伝子若しくはその一部配列ま
    たはそれらの変異体によってコードされるポリペプチド
    を有効成分とする癌治療薬。
  2. 【請求項2】 KIAA0172遺伝子配列若しくはその一部ま
    たはそれらの変異体を含むオリゴヌクレオチドを有効成
    分とする癌治療薬。
  3. 【請求項3】 KIAA0172遺伝子によってコードされるポ
    リペプチドを認識する抗体を含む癌検出薬。
  4. 【請求項4】 KIAA0172遺伝子配列若しくはその一部ま
    たはそれらの変異体を含むオリゴヌクレオチドを含む癌
    検出薬。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の治療薬及び医
    薬上許容される担体を含む癌治療用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載の検出薬及び医
    薬上許容される担体を含む癌検出用組成物。
  7. 【請求項7】 KIAA0172遺伝子若しくはその一部配列ま
    たはそれらの変異体を含む癌の治療のためのベクター。
  8. 【請求項8】 KIAA0172遺伝子若しくはその一部配列ま
    たはそれらの変異体を含む癌の検出のためのベクター。
  9. 【請求項9】 KIAA0172蛋白質を認識する抗体を用いて
    癌を検出する方法。
  10. 【請求項10】 KIAA0172遺伝子によってコードされる
    ポリペプチドを認識する抗体を試料と接触させる工程を
    含む請求項9記載の癌を検出する方法。
  11. 【請求項11】 組織切片を用いる免疫染色法である、
    請求項9または10記載の癌を検出する方法。
  12. 【請求項12】 KIAA0172遺伝子配列を含むオリゴヌク
    レオチドを試料と接触させる工程を含む癌検出法。
  13. 【請求項13】 下記(a)〜(h)の変異の少なくとも一つ
    の変異を有するKIAA0172遺伝子またはその断片。 (a) 52番目のコドンのCACからCAGへの変異 (b) 168番目のコドンのGCGからGTGへの変異 (c) 268番目と269番目のコドンの間に6塩基GCTGTAの挿
    入 (d) 269番目のコドンのGTAからGGAへの変異 (e) 274番目のコドンのGAGからCAGへの変異 (f) 306番目のコドンのTCCからGCCへの変異 (g) 506番目のコドンのGCAからGTAへの変異 (h) 509番目のコドンのCGTからCATへの変異
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のKIAA0172遺伝子を
    含む癌検出薬。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載のKIAA0172遺伝子配
    列若しくはその一部を含むオリゴヌクレオチドを試料と
    接触させる工程を含む癌検出法。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載のKIAA0172遺伝子配
    列若しくはその一部を含むオリゴヌクレオチドを試料と
    接触させる工程を含む癌罹患のリスクを評価する検出
    法。
  17. 【請求項17】 KIAA0172遺伝子上の下記(i)〜(r)の一
    塩基多型部位の少なくとも一つを含む遺伝子断片。 (i) コドン番号273の3番目の塩基のT/G多型部位 (j) コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型部位 (k) コドン番号372の1番目の塩基のC/T多型部位 (l) コドン番号380の3番目の塩基のT/G多型部位 (m) コドン番号497の3番目の塩基のT/G多型部位 (n) コドン番号453の3番目の塩基のC/T多型部位 (o) コドン番号478の3番目の塩基のC/T多型部位 (p) コドン番号507の3番目の塩基のG/T多型部位 (q) コドン番号1003の3番目の塩基のC/T多型部位 (r) コドン番号1120の3番目の塩基のG/C多型部位
  18. 【請求項18】 KIAA0172遺伝子上の下記(i)〜(r)の一
    塩基多型部位の塩基を決定し、癌罹患のリスクを評価す
    る方法。 (i) コドン番号273の3番目の塩基のT/G多型部位 (j) コドン番号299の3番目の塩基のG/C多型部位 (k) コドン番号372の1番目の塩基のC/T多型部位 (l) コドン番号380の3番目の塩基のT/G多型部位 (m) コドン番号497の3番目の塩基のT/G多型部位 (n) コドン番号453の3番目の塩基のC/T多型部位 (o) コドン番号478の3番目の塩基のC/T多型部位 (p) コドン番号507の3番目の塩基のG/T多型部位 (q) コドン番号1003の3番目の塩基のC/T多型部位 (r) コドン番号1120の3番目の塩基のG/C多型部位
  19. 【請求項19】 KIAA0172遺伝子を含むゲノム領域のヘ
    テロ接合性の消失(LOH)の解析により、癌罹患のリス
    クを評価する方法。
  20. 【請求項20】 染色体9p24部位のマイクロサテライト
    マーカーであるD9S1779およびD9S1858の一方または両方
    におけるヘテロ接合性の消失を決定することを含む請求
    項19に記載の癌罹患のリスクを評価する方法。
  21. 【請求項21】 KIAA0172遺伝子のメチル化を解析する
    ことを含む癌罹患のリスクを評価する方法。
  22. 【請求項22】 KIAA0172遺伝子に存在する1つ以上の
    CpG配列のメチル化パターンを決定することを含む、請
    求項21記載の癌罹患のリスクを評価する方法。
  23. 【請求項23】 CpG配列がKIAA0172遺伝子の第1エキ
    ソンに存在するCpGアイランド中のCpG配列である、請求
    項22記載の癌罹患のリスクを評価する方法。
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JP2007275027A (ja) * 2006-04-12 2007-10-25 Fujifilm Corp 癌関連欠失遺伝子マーカーを用いた癌の診断方法
JP2015528694A (ja) * 2012-07-18 2015-10-01 ナショナル キャンサー センター 胃癌診断及び治療のためのadcy3の用途

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