JP2002369522A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2002369522A
JP2002369522A JP2001169598A JP2001169598A JP2002369522A JP 2002369522 A JP2002369522 A JP 2002369522A JP 2001169598 A JP2001169598 A JP 2001169598A JP 2001169598 A JP2001169598 A JP 2001169598A JP 2002369522 A JP2002369522 A JP 2002369522A
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voltage
switching
winding
power supply
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JP2001169598A
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング素子の低耐圧化 【解決手段】 自励式でスイッチング周波数制御方式に
よって安定化を図る複合共振形コンバータとして、直交
型制御トランスを省略した構成を採ったうえで、電源起
動時においては、スタンバイ電源回路部からのオン制御
信号に基づいて動作するソフトスタート回路を設ける。
これにより、例えばこれまでに用いられていたとされる
過電流検出回路等を設けなくとも、回路保護を行うこと
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図8の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできる、先行技術として
のスイッチング電源回路の一例を示している。この図に
示す電源回路の基本構成としては、一次側スイッチング
コンバータとして電圧共振形コンバータを備えている。
【0004】この図に示す電源回路では、ブリッジ整流
回路Di及び平滑コンデンサCiによって、商用交流電
源AC(交流入力電圧VAC)から交流入力電圧VACの1
倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生成する。ま
た、商用交流電源ACのラインには、電源のオン/オフ
を行うスイッチSWが挿入されている。また、商用交流
電源ACのラインには、突入電流制限抵抗Riを挿入す
るようにもしており、例えば電源投入時に平滑コンデン
サに流入する突入電流を抑制するようにしている。
【0005】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続する電圧共振形コンバータとしては、1石
によるシングルエンド方式が採用される。また駆動方式
としては自励式の構成を採っている。この場合、電圧共
振形コンバータを形成するスイッチング素子Q1には、
高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トラ
ンジスタ)が選定される。このスイッチング素子Q1の
コレクタ−エミッタ間に対しては、一次側並列共振コン
デンサCrが並列に接続される。また、ベース−エミッ
タ間に対しては、クランプダイオードDD−抵抗RDの直
列接続回路が接続される。ここで、並列共振コンデンサ
Crは、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1
に得られるリーケージインダクタンスL1と共に、一次
側並列共振回路を形成しており、これによって電圧共振
形コンバータとしての動作が得られるようになってい
る。そして、スイッチング素子Q1のベースに対して
は、駆動巻線NB−共振コンデンサCB−ベース電流制限
抵抗RBから成る自励発振駆動回路が接続される。スイ
ッチング素子Q1には、この自励発振駆動回路にて発生
される発振信号を基とするベース電流が供給されること
でスイッチング駆動される。なお、起動時においては整
流平滑電圧Eiのラインから起動抵抗Rsを介してベー
スに流れる起動電流によって起動される。
【0006】直交型制御トランスPRTは、上記駆動巻
線NBと電流検出巻線NDの巻装方向に対してその巻装方
向が直交するようにして制御巻線Ncが巻装されて構成
され、後述するようにして一次側電圧共振形コンバータ
のスイッチング周波数を制御するために設けられる。
【0007】絶縁コンバータトランスPITは、一次側
に得られるスイッチングコンバータのスイッチング出力
を二次側に伝送するために設けられる。この絶縁コンバ
ータトランスPITは、EE型コアに対して一次巻線N
1と二次巻線N2を分割して巻装し、中央磁脚に対しては
ギャップGを形成することで、所要の結合係数による疎
結合の状態が得られるようにして、飽和状態が得られに
くいようにしている。
【0008】この絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1は、直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)のライ
ンとスイッチング素子Q1のコレクタとの間に接続され
ている。スイッチング素子Q1は、直流入力電圧につい
てスイッチングを行うのであるが、これによって、一次
巻線N1には、スイッチング素子Q1のスイッチング出力
が供給されることとなり、スイッチング周波数に対応す
る周期の交番電圧が発生する。
【0009】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2が並列に接続されること
で、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と二次
側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによって
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に誘起される交番電圧は共振電圧となる。
つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0010】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には電圧共振動作を得るための並列共
振回路が備えられる。なお、本明細書では、このように
一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動作す
る構成のスイッチングコンバータについては、「複合共
振形スイッチングコンバータ」ともいうことにする。
【0011】この場合の絶縁コンバータトランスPIT
の二次側においては、先ず、二次巻線N2の巻終わり端
部に対して整流ダイオードDO1のアノードを接続し、カ
ソードを平滑コンデンサCO1の正極端子と接続すること
で、半波整流回路を形成している。この半波整流回路に
よっては、平滑コンデンサCO1の両端には、二次側直流
出力電圧EO1が得られることになる。また、この場合に
は、二次巻線N2に対してタップを設け、このタップ出
力に対して、図示するようにして整流ダイオードDO2及
び平滑コンデンサCO2から成る半波整流回路を形成して
いる。そして、この半波整流回路によっては、上記二次
側直流出力電圧EO1よりも低圧な二次側直流出力電圧E
O2が得られる。なお、具体的には、二次側直流出力電圧
EO1=135V、二次側直流出力電圧EO2=15Vとな
る。
【0012】これら二次側直流出力電圧EO1,EO2は、
それぞれ所要の負荷回路に対して供給されることにな
る。また、二次側直流出力電圧EO1は制御回路1の検出
用電圧として、二次側直流出力電圧EO2は、制御回路1
の動作電源として分岐出力される。
【0013】制御回路1は、二次側直流出力電圧EO1の
レベルに応じて可変の直流電流を、制御電流として、直
交型制御トランスPRTの制御巻線Ncに流すようにさ
れる。制御巻線Ncに流れる制御電流レベルが可変され
ることで、直交型制御トランスPRTにおいては、駆動
巻線NBのインダクタンスを可変するように制御するこ
とになる。これによって、自励発振駆動回路における駆
動巻線NB−共振コンデンサCBから成る共振回路の共振
周波数が変化し、スイッチング素子Q1のスイッチング
周波数が可変制御されることになる。このようにしてス
イッチング素子Q1のスイッチング周波数が可変される
ことで、二次側直流出力電圧が一定となるように制御さ
れる。つまり、電源の安定化が図られる。なお、本明細
書では、このような動作による定電圧制御について、
「スイッチング周波数制御方式」ともいうことにする。
【0014】ところで、上記図8に示した電源回路で
は、スイッチSWがオンとされて商用交流電源ACが投
入されると、突入電流制限抵抗Riからブリッジ整流回
路Diのダイオードを介して平滑コンデンサCiに対し
て電流が流入し、平滑コンデンサCiの両端電圧である
整流平滑電圧Eiを、交流入力電圧VACに対応するレベ
ルにまで引き上げる。すると、整流平滑電圧Eiのライ
ンから起動抵抗Rsを介して起動電流がスイッチング素
子Q1のベースに流入して、スイッチング素子Q1はオン
となり発振起動し、スイッチング動作が開始される。
【0015】しかし、このような起動時の動作に伴って
は、絶縁コンバータトランスPITの二次側の平滑コン
デンサCO1,CO2に対して過大な充電電流が流れる。ま
た、平滑コンデンサCiから電流検出巻線NA−一次巻
線N1を介して、スイッチング素子Q1のコレクタに過大
なコレクタ電流もながれることになる。さらに、このと
きの二次側直流出力電圧EO1,EO2のレベルとしては、
所要のレベルに立ち上がっていく過渡の状態であり、従
って、このときには、二次側直流出力電圧EO1のレベル
に応じたスイッチング周波数制御は行われない。このと
きのスイッチング素子Q1は、駆動巻線NBのインダクタ
ンスと、コンデンサCBのキャパシタンスとによって決
定される最低のスイッチング周波数によって動作する。
この電源回路の場合、最低のスイッチング周波数により
スイッチング動作を行うと、スイッチング素子Q1のオ
ン期間とオフ期間のうち、オン期間のほうが長くなるの
であるが、これによって、スイッチング素子Q1のオフ
期間において、スイッチング素子Q1//並列共振コンデ
ンサCrの並列回路の両端に発生する並列共振電圧V1
としての電圧共振パルスのピークレベルも過大なものと
なってしまう。
【0016】そこで図8に示した構成の回路の実際とし
ては、起動時においてスイッチング素子Q1に流れる過
大なコレクタ電流を制限するための過電流制限回路を設
けることがある。図9は、図8に示した回路構成を基本
として過電流制限回路を設けた電源回路の構成例が示さ
れている。なお、この図において図8と同一部分には同
一符号を付して説明を省略する。図9に示される過電流
制限回路10は、スイッチング素子Q1のエミッタに流
れる電流を、電流検出抵抗REと分圧抵抗R11,R12か
ら成る回路によって検出するようにしている。そして、
過大とされるレベルのエミッタ電流を検出してトランジ
スタQ10を導通させることで、スイッチング素子Q1の
ベース電流を、ダイオードD2からトランジスタQ10の
コレクタ−エミッタを介して流すようにされる。これに
よって、スイッチング素子Q1の順方向のベース電流が
抑制されることになり、スイッチング素子Q1のコレク
タに流れるコレクタ電流を制限することが可能になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示したようにして過電流制限回路10を設けるようにし
た場合には、例えばスイッチング素子Q1のエミッタと
直列に電流検出抵抗REが接続されることになるので、
電流検出抵抗REにおける電力損失が生じてしまうこと
になる。この電流検出抵抗REにおける電力損失は、特
に重負荷時において増加し、電力変換効率を低下させる
要因となっている。
【0018】また、図10の波形図は、上記図9に示し
た回路の動作として、負荷変動に応じた電圧共振パルス
V1と、スイッチング素子Q1のコレクタ電流IQ1を示し
ている。例えば、中間負荷時とされ、交流入力電圧VAC
=120V程度とされる定常動作時においては、図10
(a)(b)に示すようにして、電圧共振パルスV1は
700Vp程度とされ、スイッチング素子Q1のコレク
タ電流IQ1は4.5A程度となっている。これに対し
て、最大負荷電力(Pomax=150W)とされ、交流入力
電圧VAC=120V程度にまで上昇したとされる条件で
は、図10(c)(d)に示すように、電圧共振パルス
V1は900Vp程度にまで上昇し、スイッチング素子
Q1のコレクタ電流IQ1は6.5A程度にまで上昇して
しまう。つまり、最大負荷電力時の電圧共振パルスV1
とコレクタ電流IQ1は、定常時よりも20〜30パーセ
ント程度も増加している。このような動作は、図9に示
した回路が過電流制限回路10を備えているために、交
流入力電圧VACが上昇したときに対応したマージンと、
過電流制限回路10を構成する部品のばらつきによる定
常動作時の誤動作マージンを考慮して回路設計を行った
結果によるものとされる。そして、スイッチング素子Q
1としては、最大負荷電力時に対応して、例えば120
0Vという高耐圧品を選定しなければならない。スイッ
チング素子が高耐圧になるほど、大型で高価になってし
まう。また、スイッチング特性も劣ってくる。
【0019】また、図8及び図9に示した電源回路で
は、起動時における二次側直流出力電圧の立ち上がる時
間が速いことから、例えば起動時において二次側直流出
力電圧のレベル変動を検出してその急峻なレベル上昇を
抑制するように回路を構成することができない。つま
り、二次側直流出力電圧のレベル変動を検出することに
よっては、いわゆるソフトスタート動作が得られない。
このため、起動時における誤動作マージンがなく、それ
だけ電源回路の信頼性に欠けるという問題を有してい
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成することとした。つまり、直流入力電圧について
スイッチングを行うスイッチング素子を備えたスイッチ
ング手段と、一次巻線に得られる上記スイッチング手段
の出力を二次巻線に伝送する絶縁コンバータトランス
と、この絶縁コンバータトランスの一次巻線と、一次側
並列共振コンデンサとにより形成され、上記スイッチン
グ手段の動作を電圧共振形とするように設けられる一次
側並列共振回路を備えるようにする。また、絶縁コンバ
ータトランスに巻装した二次巻線に対して二次側並列共
振コンデンサを並列に接続することで形成される二次側
並列共振回路と、この二次側並列共振回路に得られる交
番電圧を入力して整流動作を行うことで直流出力電圧を
得るように構成される直流出力電圧生成手段を備えるよ
うにする。また、一次巻線とされる検出巻線と、二次巻
線とされる駆動巻線と、三次巻線とが巻装されるドライ
ブトランスと、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線
と上記検出巻線の直列接続に対して、二次側並列共振コ
ンデンサを並列に接続することで形成される二次側並列
共振回路と、上記駆動巻線と共振用コンデンサにより形
成される直列共振回路を有して、この直列共振回路の出
力に基づいて上記スイッチング素子をスイッチング駆動
するスイッチング駆動手段とを備えるようにする。そし
て、上記三次巻線とコンデンサとを並列に接続した並列
接続回路に対してインピーダンス制御素子としてのトラ
ンジスタ素子を直列に挿入して形成される可変インピー
ダンス回路と、上記二次側並列共振回路に得られる交番
電圧を入力して整流動作を行うことで直流出力電圧を得
るように構成される直流出力電圧生成手段と、上記直流
出力電圧のレベルに応じて可変されるレベルの制御電流
を、上記インピーダンス制御素子に流すことにより、上
記スイッチング素子のスイッチング周波数を可変制御
し、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行うよう
にされる定電圧制御手段とを備えるものである。また、
そのうえで当該電源回路の起動時又は起動直後において
得られる起動用電源を入力し、起動後における或る所定
期間にわたって、上記定電圧制御手段に代わって、所要
のレベルの制御電流を上記インピーダンス制御素子に供
給することにより、上記スイッチング周波数が所要の範
囲内で維持されるように制御するソフトスタート手段を
備えるようにした。
【0021】また、本発明のスイッチング電源回路とし
て、次のようにも構成することとした。つまり、直流入
力電圧を入力してスイッチングを行うスイッチング素子
を備えるスイッチング手段と、一次巻線と二次巻線とを
備え、上記一次巻線に得られる上記スイッチング手段の
出力を上記二次巻線に対して伝送する絶縁コンバータト
ランスとを備え、少なくとも、上記絶縁コンバータトラ
ンスの一次巻線と一次側並列共振コンデンサとにより形
成され、上記スイッチング手段の動作を電圧共振形とす
るように設けられる一次側並列共振回路とを備えるよう
にする。また、上記一次側並列共振回路に含まれるよう
にして一次巻線と直列に接続される検出巻線と、駆動巻
線と、上記検出巻線により励起される三次巻線とが巻装
されるドライブトランスと、上記絶縁コンバータトラン
スの二次巻線に対して二次側並列共振コンデンサを並列
に接続することで形成される二次側並列共振回路と、上
記駆動巻線と共振用コンデンサにより形成される直列共
振回路を有して、この直列共振回路の出力に基づいて上
記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチン
グ駆動手段とを備えるようにする。そして、上記三次巻
線とコンデンサとを並列に接続した並列接続回路に対し
てインピーダンス制御素子としてのトランジスタ素子を
直列に挿入して形成される可変インピーダンス回路と、
上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力して
整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
れる直流出力電圧生成手段と、上記直流出力電圧のレベ
ルに応じて可変されるレベルの制御電流を、上記インピ
ーダンス制御素子に流すことにより、上記スイッチング
素子のスイッチング周波数を可変制御し、上記直流出力
電圧についての定電圧制御を行うようにされる定電圧制
御手段とを備えるものである。また、そのうえで当該電
源回路の起動時又は起動直後において得られる起動用電
源を入力し、起動後における或る所定期間にわたって、
上記定電圧制御手段に代わって、所要のレベルの制御電
流を上記インピーダンス制御素子に供給することによ
り、上記スイッチング周波数が所要の範囲内で維持され
るように制御するソフトスタート手段を備えるようにし
た。
【0022】これらの構成を採る本発明の電源回路で
は、スイッチング素子を自励式によってスイッチング駆
動する複合共振形コンバータにおいて、定電圧制御のた
めに、二次側の直流出力電圧に応じてインピーダンス制
御素子における導通量を可変するようにしている。これ
によって、スイッチング駆動回路に流れる電流を可変制
御して、スイッチング素子のスイッチング周波数を制御
することを可能としている。そして、このような定電圧
制御の構成であれば、例えば自励式の場合にスイッチン
グ周波数可変制御のために用いられていた直交型制御ト
ランスを省略することが可能となる。そのうえで本発明
は、絶縁コンバータトランスの二次側においてソフトス
タート手段としてのソフトスタート回路を備えるように
している。自励式による複合共振形スイッチングコンバ
ータにあっては、電源起動時で二次側直流出力電圧が定
常レベルにまで安定するまでの過渡期としての期間は、
適正にスイッチング周波数を制御して安定化を図ること
が出来ない状態にある。このため、本発明のソフトスタ
ート手段は、インピーダンス制御素子の導通量を可変制
御するようにされ、例えば起動時において上昇する二次
側直流出力電圧に対して、二次側直流出力電圧を低くす
る動作が得られる制御傾向となる周波数範囲内でスイッ
チング周波数を可変制御するようにしている。これによ
り、電源起動時における二次側直流電圧の上昇を制御す
ることが可能となり、ソフトスタート動作が得られるこ
ととなる。
【0023】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態>図1は、本
発明の第1の実施の形態としての電源回路の構成を示し
ている。この図に示す電源回路においては、基本構成と
して、メイン電源を供給する電源回路本体部と、スタン
バイ用電源を供給するスタンバイ電源回路部2と、リレ
ー駆動回路3が備えられることとなる。スタンバイ電源
回路部2においては、商用交流電源(交流入力電圧VA
C)を入力してスタンバイ状態を維持しており、リモー
トコントローラ受光ICにおいて、本電源回路が内蔵さ
れた電子機器に付属されるリモートコントローラによる
電子機器スイッチのオン信号が受光されると、制御電圧
がリレー駆動回路3に供給され、図示するメイン電源の
ACスイッチSWがオンとされる。これにより電源回路
の本体部の電源がオンとなり、電源回路の動作が開始さ
れることとなる。以下では、まず、このスタンバイ電源
回路部2と、リレー駆動回路3の説明をし、続いて電源
回路本体部の説明をする。
【0024】まず、スタンバイ電源回路部2において
は、交流入力電圧VACを分岐して入力するスタンバイト
ランスSBTが設けられる。このスタンバイトランスS
BTでは、一次側に入力された交流入力電圧VACを利用
して、二次巻線、整流ダイオードD11,D12、及び平滑
コンデンサCO3を図のように接続することで、センター
タップ方式による全波整流回路によって例えば約7Vの
整流平滑電圧を得るようにされている。そして、この整
流平滑電圧はレギュレータRGに対して供給される。レ
ギュレータRGでは、入力された整流平滑電圧を5Vに
安定化して出力する。この安定化された5Vの直流電圧
は平滑コンデンサCO4の両端電圧として得られる。そし
て、この5Vの直流電圧は、スタンバイ電源電圧とし
て、例えば機器内に備えられるマイクロコンピュータ
(マイコン)や、赤外線受光用のICなどの動作電源と
して供給される。また、ここでは、後述するリレー駆動
回路3と、ソフトスタート回路4のトランジスタQ4の
エミッタにも供給されることになり、それぞれの動作電
源とされる。
【0025】リレー駆動回路3は、例えばマイクロコン
ピュータの制御によって出力されたメイン電源回路のオ
ン/オフ制御信号によって、ACスイッチSWのオン/
オフを行うために設けられている。メイン電源回路のオ
ン/オフ制御信号は、後述するようにしてリレー駆動回
路3及びソフトスタート回路4を駆動できるだけの所要
以上のレベルを有した直流電圧とされ、メイン電源回路
をオンに切り換えるときには、上記直流電圧を出力し、
メイン電源回路をオフとするときにはその直流電圧出力
が停止される信号とされる。そして、このメイン電源回
路のオン/オフ制御信号としての直流電圧は、ここでは
図示しないが、スタンバイ電源回路部2によって生成さ
れる5Vの直流電圧をマイクロコンピュータ側が利用し
て得られるものである。
【0026】リレー駆動回路3においては、メイン電源
回路のオン/オフ制御信号のラインと二次側アース間に
対して分圧抵抗R21−R22が挿入され、この分圧抵抗R
21−R22の接続点に対してインピーダンス制御素子Q2
のベースが接続される。また、トランジスタQ8のベー
ス−二次側アース間にはコンデンサC10が接続される。
トランジスタQ8のコレクタは電磁リレーRLを介して
スタンバイ電源回路部2から得られる5Vの直流電圧ラ
インと接続され、エミッタは二次側アースに接地され
る。なお、電磁リレーRLに対しては図に示す方向によ
って保護用ダイオードD8が並列に接続される。
【0027】これらスタンバイ電源回路部2、リレー駆
動回路3では、メイン電源をオンとするためのオン/オ
フ制御信号としての直流電圧が出力されると、リレー駆
動回路3のトランジスタQ8が導通して電磁リレーRL
を駆動する。これによって、ACスイッチSWがオンと
なって、電源回路本体部のメイン電源側に対して交流入
力電圧VACの供給が開始されるのである。
【0028】次に電源回路本体部の説明をする。この図
1に示す電源回路は、一次側に電圧共振形コンバータを
備えると共に二次側には並列共振回路を備えた複合共振
形スイッチングコンバータとしての構成を採る。まず、
前述したようにして交流入力電圧VACが供給されると、
これを直流入力電圧とするために、ブリッジ整流回路D
i及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備え
られ、ここで交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応す
る整流平滑電圧Eiを生成するようにされる。
【0029】上記整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)を
入力して断続するスイッチングコンバータとしては、1
石のスイッチング素子Q1を備えて、いわゆるシングル
エンド方式によるスイッチング動作を行う電圧共振形コ
ンバータが備えられる。ここでの電圧共振形コンバータ
は自励式の構成を採っており、スイッチング素子Q1と
しては、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が使用される。スイッチング素子Q
1のコレクタは、絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1を介して平滑コンデンサCiの正極と接続さ
れ、エミッタは一次側アースに接続される。
【0030】また、スイッチング素子Q1のコレクタ−
エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが並列
に接続される。この並列共振コンデンサCrのキャパシ
タンスと、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1に得られるリーケージインダクタンスとによって一次
側並列共振回路を形成する。そして、スイッチング素子
Q1のスイッチング動作に応じて、この並列共振回路に
よる共振動作が得られることで、スイッチング素子Q1
のスイッチング動作としては電圧共振形となる。
【0031】また、スイッチング素子Q1 のベース−エ
ミッタ間には抵抗RD−クランプダイオードDDの直列接
続回路が図示する方向によって接続される。つまり、ク
ランプダイオードDDのアノードが抵抗RDを介して一次
側アース(エミッタ)と接続され、カソードがベースに
対して接続される。なお、クランプダイオードDDには
低速リカバリ型のダイオード素子が選定される。
【0032】また、スイッチング素子Q1のベースは起
動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続さ
れており、例えば電源起動時において、上記起動抵抗R
sを介して得られるベース電流が流れることで起動する
ようにされている。
【0033】ドライブトランスCDTは、スイッチング
素子Q1を自励式により駆動するために設けられる。こ
の場合、ドライブトランスCDTの一次側は検出巻線N
Aとされ、この検出巻線NAは絶縁コンバータトランスP
ITの二次巻線N2に直列に接続されていることで、絶
縁コンバータトランスPITを介して一次巻線N1から
二次巻線N2に誘起されたスイッチング素子Q1のスイ
ッチング出力を検出するようになっている。そして、こ
の検出巻線NAに得られる交番電圧が誘起される二次側
に対して、駆動巻線NBが巻装される。この駆動巻線NB
は、スイッチング素子Q1をスイッチング駆動する自励
発振駆動回路を形成する。さらに、本実施の形態の場合
には、ドライブトランスCDTの一次側に対して三次巻
線N3が巻装される。この三次巻線N3は、後述するイン
ピーダンス制御素子Q2を介在させるようにして、コン
デンサCcとにより並列接続回路を形成する。ここで、
上記各巻線の巻き方向は、図示するようにして、駆動巻
線NBと三次巻線N3が同相で、これらの巻線NB,N3に
対して検出巻線NAが逆送となるようにして巻装されて
いる。
【0034】上記各巻線が巻装されるドライブトランス
CDTとしては、例えば図5(a)に示すようなH字型
フェライト磁心によるものか、或いは図5(b)のEI
−12型フェライト磁心によるものを採用できる。図5
(a)の場合は、H字型のフェライト磁心100に対し
て、検出巻線NA、駆動巻線NB、及び三次巻線N3を巻
装することで形成される。なお、CDTの一次側と二次
側は、それぞれ絶縁コンバータトランスPITの二次側
と一次側とに在るようにされるため、実際にはフォトカ
プラ等を設けることにより直流的に絶縁することが必要
となる。但し、駆動巻線NBについて三重絶縁線を選定
すれば、フォトカプラを介在させなくとも充分な絶縁状
態を得ることができる。
【0035】図5(b)の場合は、E型コア101とI
型コア102を図のように配する。E型コア101とI
型コア102の磁脚の接合点にはギャップGを形成す
る。そしてE型コア101の中央磁脚に分割ボビン10
3を配し、この分割ボビン103に検出巻線NAと駆動
巻線NBをそれぞれ巻装することで形成される。この図
5(a)又は図5(b)のようなドライブトランスCD
Tは、例えば図8、図9で説明した直交形制御トランス
PRTに比較して大幅な小型軽量化が可能となるもので
ある。
【0036】スイッチング素子Q1のベースに対して
は、図示するように、[駆動巻線NB−時定数コンデン
サCB−ベース電流制限抵抗RB]の直列接続回路が接続
される。この直列接続回路は、スイッチング素子Q1を
自励式によりスイッチング駆動するための自励発振駆動
回路となる。
【0037】この場合、自励発振駆動回路における、ド
ライブトランスCDTの駆動巻線NBは、上記のように
検出巻線NAが絶縁コンバータトランスPITの二次巻
線N2に直列接続されているため、二次巻線N2に得られ
るスイッチング出力電圧により励起される。そして、自
励発振駆動回路としては、コンデンサCBと駆動巻線NB
のインダクタンスとによって、直列共振回路を形成す
る。
【0038】上記自励発振駆動回路の駆動巻線NBに
は、検出巻線NAにより励起されることで、ドライブ電
圧としての交番電圧が発生する。このドライブ電圧によ
って直列共振回路(NB−CB)が自励的に発振動作を行
うことで共振出力が得られることになる。そして、この
共振出力がベース電流制限抵抗RBを介することで、ス
イッチング素子Q1のベースには、スイッチング駆動信
号としてのベース電流が流れるようにされる。これによ
り、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振周波
数により決定されるスイッチング周波数でスイッチング
動作を行うことになる。そして、そのコレクタに得られ
るスイッチング出力を絶縁コンバータトランスPITの
一次巻線N1に伝達する。
【0039】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。絶縁コンバータトランスPITは、例えばフェライ
ト材による2組のE型コアを互いの磁脚が対向するよう
に組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型コア
の中央磁脚に対して、分割ボビンを利用して一次巻線N
1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装してい
る。そして、中央磁脚に対してはギャップを形成するよ
うにしている。これによって、所要の結合係数による疎
結合の状態が得られるようにしている。ギャップは、2
組のE型コアの各中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く
することで形成することが出来る。また、結合係数kと
しては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得る
ようにしており、その分、飽和状態が得られにくいよう
にしている。
【0040】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この図1に示す回路においては、前述
もしたように、二次巻線N2に対しては検出巻線NAが直
列接続されている。そして、この二次巻線N2−検出巻
線NAの直列接続に対して二次側並列共振コンデンサC2
が並列に接続される。従って、この場合には、二次巻線
N2のリーケージインダクタンスL2と検出巻線NAのイ
ンダクタンスと、二次側並列共振コンデンサC2のキャ
パシタンスとによって並列共振回路が形成される。この
並列共振回路により、二次巻線N2に誘起される交番電
圧、及び検出巻線NAに得られる交番電圧は共振電圧と
なる。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0041】つまり、この電源回路は、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路を
備え、二次側には電圧共振動作を得るための並列共振回
路を備えた「複合共振形スイッチングコンバータ」とさ
れるものである。
【0042】上記のようにして形成される電源回路の二
次側に対しては、二次巻線N2の端部に接続される二次
側整流ダイオードDO1と平滑コンデンサCO1とからなる
半波整流回路が備えられ、これにより、二次巻線N2に
誘起される交番電圧のほぼ等倍レベルに対応する二次側
直流出力電圧EO1を得るようにしている。また、ここで
は、二次巻線N2に対してタップ出力を設けて、このタ
ップ出力と二次側アース間に対して、図示するように、
二次側整流ダイオードD02と平滑コンデンサCO2から成
る半波整流回路を接続することで、低圧の二次側直流出
力電圧EO2を得るようにしている。この場合、二次側直
流出力電圧EO1は、制御回路1に対して定電圧制御のた
めの検出電圧として分岐して入力される。なお、もう一
方の二次側直流出力電圧EO2は、制御回路1が動作不能
となり所定電圧よりも上昇した場合において、過電圧保
護回路6の検出電圧として利用されることになるが、こ
のことについては後述する。
【0043】制御回路1は、直流出力電圧EO1を検出入
力とする誤差増幅器として機能し、直流出力電圧EO1の
レベルに応じて可変されたレベルの電圧を、バイポーラ
トランジスタによるインピーダンス制御素子Q2のゲー
トに対して出力する。この場合の制御回路1は、直流出
力電圧EO1のレベルが上昇すると、その上昇分に応じて
出力電圧レベルを上昇させるように構成されている。
【0044】絶縁コンバータトランスPITの二次側に
おいては、ドライブトランスCDTに巻装される三次巻
線N3に対してコンデンサCcを直列に接続し、さら
に、上記インピーダンス制御素子Q2のドレインをコン
デンサCcに対して接続すると共に、ソースを三次巻線
N3の巻始め端部側(一次側アース)に対して接続して
いる。つまり、三次巻線N3に対して、コンデンサCc
−インピーダンス制御素子Q2からなる直列接続回路を
並列に接続しているものである。また、インピーダンス
制御素子Q2に対しては、逆方向電流の経路を形成する
ためのダイオードDD2が並列に接続される。このダイオ
ードDD2には、インピーダンス制御素子Q2が内蔵する
ボディダイオードを選定すればよい。この回路部位は、
三次巻線N3//コンデンサCcから成る並列共振回路に
対して、インピーダンス制御素子Q2を介在させるよう
にして形成されているものと見ることができる。本実施
の形態では、上記制御回路1、及びインピーダンス制御
素子Q2、三次巻線N3、及びコンデンサCcから成る並
列共振回路を備えた定電圧制御回路系が構成される。そ
して、この定電圧制御回路系は、スイッチング素子Q1
のスイッチング周波数を可変制御し、これによって定電
圧化を図るようにされるのであるが、この動作は以下の
ようになる。
【0045】すなわち、例えば交流入力電圧VACが上昇
する、或いは、負荷電力が小さくなるなどして二次側直
流出力電圧EO1のレベルが上昇したとする。すると、検
出巻線NAに得られる交番電圧レベルは減少することに
なるが、これに伴っては、駆動巻線NB及び三次巻線N3
に誘起される交番電圧レベルも減少することとなる。そ
して、この動作と共に、制御回路1によって、二次側直
流出力電圧EO1の上昇に応じてインピーダンス制御素子
Q2を流れる電流量が増加するようにして制御されるこ
ととなる。
【0046】このような複合的動作が得られることで、
1つにはスイッチング素子Q1のベース蓄積キャリア消
滅時間(tstg)は短くなって、1スイッチング周期内
のオン期間を短縮させる。また、インピーダンス制御素
子Q2における電流導通量が増加するように制御される
ことは、即ち、インピーダンス制御素子Q2を介した三
次巻線N3とコンデンサCcから成る並列共振回路のイ
ンピーダンスを低下させるように制御していることにな
る。
【0047】これによっては、駆動巻線NBを含む一次
側の自励発振駆動回路が影響を受けて、その発振周波数
も高くなるように可変されることになる。この結果、二
次側直流出力電圧EO1の上昇に伴っては、スイッチング
周波数が高くなるようにして可変制御されることにな
る。そして、スイッチング周波数が可変制御されること
によっては、例えば一次側並列共振回路の共振インピー
ダンスが可変されることとなって、絶縁コンバータトラ
ンスPITの一次側から二次側に対して伝送される電力
も可変されることになるわけである。これにより、最終
的には二次側直流出力電圧のレベルも可変制御されるこ
ととなり、電源の安定化が図られることとなる。
【0048】以上が本実施の形態における電源回路の基
本構成についての説明であるが、この図1に示す回路に
おいては、ソフトスタート回路4が備えられる。ソフト
スタート回路4は、電源回路の起動時における二次側直
流出力電圧の上昇を制御するために設けられる回路であ
るが、起動時においては、以下のようにして二次側直流
出力電圧が上昇することとなる。
【0049】まず、スイッチSWがオンとされて商用交
流電源ACのラインが接続されると、交流入力電圧VAC
が整流平滑回路(Di,Ci)から成る整流平滑回路に
投入される。つまり、ブリッジ整流回路Diを介して平
滑コンデンサCiに整流電流が流入し、平滑コンデンサ
Ciの両端電圧である整流平滑電圧Eiを交流入力電圧
VACに対応するレベルにまで上昇させる。そして、この
ようにして整流平滑電圧Eiが上昇していくときには、
起動抵抗RSを介して起動電流がスイッチング素子Q1の
ベースに流入し、この起動電流によってスイッチング素
子Q1がオン状態となると、自励発振駆動回路の発振動
作が開始され、スイッチング動作も開始されることにな
る。
【0050】スイッチング動作が開始されるのに伴っ
て、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1には
交番電圧が発生するが、これが励起される二次巻線N2
にも交番電圧の発生が始まる。この交番電圧は二次側整
流ダイオードD01により整流され、この整流電流がコン
デンサC01に充電されていく。このとき、コンデンサC
01の両端電圧である二次側直流出力電圧E01としては、
本実施の形態におけるソフトスタート回路4が備えられ
ていない場合、定常レベルを超える程度にまで急峻に上
昇していくようにして現れてくることになる。
【0051】ここで、先に説明した制御回路1の定電圧
制御動作によると、インピーダンス制御素子Q2にベー
ス電流を流入させるようにして制御すれば、スイッチン
グ周波数が高くなるように制御され、これによっては、
上昇した二次側直流出力電圧E01を低下させる。しか
し、電源回路起動時においては、二次側直流出力電圧E
01は上昇過程にあり、まだ制御回路1は動作を開始して
いないことから、制御回路1によるスイッチング周波数
制御の影響はない。したがって、スイッチSWをオンと
した後に定常動作となるまでの過渡期とされる起動時に
おいて、インピーダンス制御素子Q2にベース電流を流
入させ、スイッチング周波数を高くするような動作を得
れば、この起動時における二次側直流出力電圧E01の急
峻な上昇を抑制させることができるようになる。すなわ
ち、起動時におけるソフトスタート動作が得られるよう
になるのである。
【0052】そこで、本実施の形態では、ソフトスター
ト回路4を設け、電源起動時から制御回路1の定電圧制
御開始までの過渡期において、この二次側直流出力電圧
の急峻な上昇を緩和することができるように以下のよう
に構成する。
【0053】ソフトスタート回路4は、分圧抵抗R2、
R3、抵抗R4、R14、トランジスタQ3,Q4、時定数コ
ンデンサC4を有して構成される。分圧抵抗R2−R3
は、上述のメイン電源回路のオン/オフ制御電圧を検出
電圧として分圧し、この検出電圧がNPN型のトランジ
スタQ3のベースに供給されるように接続される。トラ
ンジスタQ3のエミッタは二次側アースに接地され、コ
レクタは抵抗R4を介してPNP型のトランジスタQ4の
ベースに接続される。トランジスタQ4のベースには、
図示するように時定数コンデンサC4が接続され、エミ
ッタには、上述したようにスタンバイ電源回路部2から
得られる5Vの直流電圧ラインが接続され、これをソフ
トスタート回路4の動作電源としている。そして、トラ
ンジスタQ4のコレクタは、抵抗R14を介してインピー
ダンス制御素子Q2のベースに接続されることとなり、
これによってインピーダンス制御素子Q2のベースに後
述するソフトスタート制御電流が供給されることとな
る。
【0054】このように構成されるソフトスタート回路
4では、以下のような動作が得られることとなる。ま
ず、ソフトスタート回路4の動作としては、上述のよう
に、電源起動時にオン制御信号としての直流電圧が供給
されると、分圧抵抗R2−R3によってそれを検出し、ト
ランジスタQ3のベースにベース電流を流すようにされ
る。そして、トランジスタQ3にベース電流が流れ始め
ると、このトランジスタQ3のコレクタに電流が流れる
ことになるので、抵抗R4を介して、トランジスタQ4の
ベース電流も流れることになる。つまり、電源起動時に
オン制御信号としての直流電圧が供給されることによ
り、トランジスタQ3、Q4が導通することになるのであ
る。
【0055】これに伴っては、インピーダンス制御素子
Q2にベース電流としてのソフトスタート制御電流が流
入されることになるので、インピーダンス制御素子Q2
は導通し、Q2のコレクタ−エミッタ間の電流導通量を
増加させ、インピーダンス制御素子Q2を介した三次巻
線N3とコンデンサCcから成る並列共振回路のインピ
ーダンスを低下させるように制御することとなる。な
お、このときは、上述したように二次側直流出力電圧は
上昇過程にあって制御回路1は動作を開始していないの
で、制御回路1によるスイッチング周波数制御の影響は
ない。
【0056】このようにして、インピーダンス制御素子
Q2を介した三次巻線N3とコンデンサCcから成る並列
共振回路のインピーダンスを低下させるように制御され
ることで、このときには、スイッチング素子Q1のスイ
ッチング周波数は、例えば制御範囲の上限に近くにまで
高くなるようにして制御されることになる。前述したよ
うに、本実施の形態の定電圧制御系はスイッチング周波
数が高くなれば二次側直流出力電圧を低下させる傾向で
制御することになるのであるが、上記したような起動時
においてスイッチング周波数を高くすることによって
は、二次側直流出力電圧の急峻な上昇を抑制する動作が
得られることになる。
【0057】また、ソフトスタート回路4が上記した動
作を開始して、トランジスタQ4に対してベース電流が
流れるようにされると、このベース電流は、時定数コン
デンサC4に充電電流として流入し、時定数コンデンサ
C4の電位を引き上げていくことになる。すると、トラ
ンジスタQ4のベース電位が低くなってくるために、ト
ランジスタQ4のコレクタ電流は時間経過に応じて減少
し、それに応じてインピーダンス制御素子Q2に流入す
るベース電流としてのソフトスタート制御電流も減少し
ていくことになる。従って、スイッチング周波数は徐々
に下がっていくことになる。そして、スイッチング周波
数が低下していくのに応じては、二次側直流出力電圧の
レベルが徐々に定常レベルにまで引き上げられていく。
そして、時定数コンデンサC4の電位がトランジスタQ4
のベース−エミッタ間電圧と同電位以上となったとき
に、トランジスタQ4にベース電流が流れなくなり、ト
ランジスタQ4のコレクタ電流に基づいたスイッチング
周波数の強制的な制御は以降停止することになる。つま
りソフトスタート動作が終了される。そして、ソフトス
タート動作が終了した時点では、二次側直流出力電圧
は、ほぼ定常に近いレベルにまで引き上げられており、
制御回路1も定常動作が可能な状態となっている。した
がって、以降においては制御回路1の制御による通常の
定電圧制御に移行することになる。また、上記説明によ
ると、起動時からソフトスタート回路4の動作が開始さ
れて終了するまでの動作時間は、時定数コンデンサC4
の時定数(キャパシタンス)により決定されることにな
る。
【0058】図2は、起動時における一次側電圧共振パ
ルスV1と、スイッチング素子Q1のコレクタ電流IQ1の
レベル変化を時間経過と共に示している。なお、一次側
電圧共振パルスV1は、スイッチング素子Q1と並列共振
コンデンサCrの並列回路の両端に対して、スイッチン
グ素子Q1のオフ時に得られるパルス電圧である。ま
た、この図に示される特性は、交流入力電圧VAC=10
0V、最大負荷電力Po=150W時におけるものとさ
れる。
【0059】本実施の形態のソフトスタート回路4を設
けないとした場合には、例えば図2の破線に示すように
して、一次側電圧共振パルスV1及びコレクタ電流IQ1
は共に、起動直後から急峻に上昇する。この場合、スイ
ッチング動作はスイッチオン時からほぼ20ms程度を
経過したときに開始されるのであるが、その後も一次側
電圧共振パルスV1及びコレクタ電流IQ1は上昇を続
け、40msを経過するあたりで下降していくものの、
定常レベルとなって安定するのは約100ms経過後と
なる。
【0060】そこで、本実施の形態としては、例えば時
定数コンデンサC4のキャパシタンスとして、例えば1
00msの時定数が得られるように選定を行う。つま
り、ソフトスタート回路4としては、起動時から100
msの期間にわたって上述したソフトスタート動作が行
われるように設定する。このようにすれば、図2におい
て実線で示すようにして、起動時において一次側電圧共
振パルスV1及びコレクタ電流IQ1を定常以下のレベル
とすることが可能となるものである。つまり、起動後の
或る一定期間において一次側に生じる過電圧及び過電流
を抑制したうえで、以降の定常動作に安定的に移ること
を可能としているものである。
【0061】また、図3には、起動時における二次側直
流出力電圧EO1のレベル変化を時間経過と共に示してい
る。この図に示す場合にも、ソフトスタート回路4を設
けないとした場合には、二次側直流出力電圧EO1は、破
線で示すように、起動時から20msを経過したあたり
で、定常レベルを超えた状態でピークとなり、ほぼ10
0msが経過するまで定常以上のレベルが現れてしま
う。これに対して、時定数コンデンサC4のキャパシタ
ンスについて100msの時定数が得られるように選定
したソフトスタート回路4を設けた場合には、実線で示
すように、起動時における一次側電圧共振パルスV1及
びコレクタ電流IQ1を定常以下のレベルとするソフトス
タート動作が得られていることが分かる。
【0062】これまで説明したようにして、本実施の形
態では電源起動時のソフトスタート動作が実現されるの
であるが、この場合のソフトスタート動作と、先に図1
0で示した図9の回路における場合とで比較すると、起
動時の共振電圧パルスV1としては、図9の回路が90
0Vp程度であったのに対して、図1に示した回路では
700Vp程度にまで抑制されている。また、起動時の
コレクタ電流IQ1のレベルについても、図9の回路が
6.5Ap程度であったのに対して図1に示した回路で
は4Ap程度にまで抑制される。これによって、本実施
の形態ではスイッチング素子Q1については700V耐
圧品で、より小電流容量のものを選定することが可能に
なって、低コストで小型のものを使用することができる
ことになる。更には、一次側の並列共振コンデンサCr
についても、800V程度の耐圧品で済むことになっ
て、これについても低コスト化及び小型化を図ることが
可能になる。
【0063】また、本実施の形態の場合、電源起動時の
ソフトスタート動作から定常動作に切り換えるまでの時
間は、ソフトスタート回路4内の抵抗R4及び時定数コ
ンデンサC4の時定数によって決定される。これは、電
源起動時のソフトスタート動作から定常動作に切り換え
るまでの時間は、例えば時定数コンデンサC4のキャパ
シタンス、及び抵抗R4の抵抗値の少なくとも何れか一
方を調整することによって、任意に設定することが可能
であることを意味している。従って、本実施の形態とし
ては、この時定数の調整によって、電源起動時の誤動作
マージンを増加させることが可能となるものである。
【0064】このように、本実施の形態の電源回路で
は、上述したようなソフトスタート動作が得られる回路
系が設けられているのであるが、この電源回路ではこれ
に加え、さらに図示するように過負荷保護回路5及び過
電圧保護回路6が備えられる。過負荷保護回路5は、例
えば二次側直流出力電圧E01又はE02の負荷が短絡する
などの異常時において、スイッチング素子Q1に過大な
電圧、電流が発生した際に、一次側自励発振駆動回路の
動作を停止させ、スイッチング素子Q1を保護するため
に設けられるものである。また、過電圧保護回路6は、
制御回路1が動作不能となり、二次側直流出力電圧が定
格電圧以上に上昇してしまったような場合に、一次側自
励発振駆動回路の動作を停止させるために設けられるも
のである。以下、これら過負荷保護回路5、過電圧保護
回路6の説明をする。
【0065】まず、過負荷保護回路5について説明す
る。過負荷保護回路5は、抵抗RO、電解コンデンサC
O、ダイオードD4、トランジスタQ6、Q7を有して構成
している。まず、抵抗ROと電解コンデンサCOは並列回
路を形成し、この並列回路において電解コンデンサCO
の正極端子が二次側アースに接地されている。この並列
回路は、検出巻線NAを介した絶縁コンバータトランス
PITの二次巻線N2の端部と二次側アースの間に接続
されており、抵抗ROによって二次側直流出力電圧E0
1、E02のラインが負荷短絡するなどの異常時における
電流を検出するようにされている。なお、本実施の形態
における電源回路では、上記したように電解コンデンサ
C0が備えられているが、この電解コンデンサCOによっ
ては、二次巻線N2に流れる電流のうち、交流電流成分
を流す経路を形成し、抵抗ROには電流検出に必要な直
流電流成分のみを流すようにさせることで、例えば二次
巻線N2に抵抗ROのみを挿入して電流検出を行うより
も、消費電力を低減させる効果が得られることとなる。
【0066】この[抵抗RO//電解コンデンサDO]の並列
回路と検出巻線NAの接続点には、ダイオードD4のアノ
ードが直列に接続され、ダイオードD4のカソードには
NPN型のトランジスタQ7のエミッタが直列に接続さ
れる。そして、トランジスタQ7のベースは抵抗を介し
て二次側アースに接地され、コレクタは抵抗を介してP
NP型のトランジスタQ6のベースに接続される。トラ
ンジスタQ6のエミッタは、上述したスタンバイ電源回
路部2から得られる5Vの直流電圧ラインと接続され、
これを過負荷保護回路5の入力電源としている。また、
トランジスタQ6のベースは、図示するように一方は抵
抗を介して二次側アースに接続され、もう一方は小信号
用サイリスタQ5のゲートに接続される。そして、小信
号用サイリスタQ5のカソードは二次側アースに接地さ
れ、アノードは、上述したトランジスタQ4のベースに
接続されることとなる。
【0067】ここで、例えば二次側直流出力電圧ライン
の負荷が短絡するといった異常時においては、スイッチ
ング素子Q1に発生する電圧及び電流には図4に示すよ
うな変化がみられる。図4(a)、図4(b)はそれぞ
れ、通常時におけるスイッチング素子Q1のコレクタ電
流IQ1の波形図と、負荷短絡時におけるコレクタ電流I
Q1の波形図であり、図4(c)、図4(d)はそれぞ
れ、通常時における一次側電圧共振パルスV1と、負荷
短絡時における一次側電圧共振パルスV1を示す図であ
る。これらを比較してわかるように、負荷短絡時におい
ては、コレクタ電流IQ1、一次側電圧共振パルスV1の
いずれも通常時に比べ期間TONと期間TOFFからなるス
イッチング周期が長くなっており、スイッチング周波数
fsは低くなるように変化している。また、これにより
コレクタ電流IQ1と一次側電圧共振パルスV1のレベル
が上昇していることも示されている。つまり、これは負
荷短絡時においては、スイッチング素子Q1に過大なレ
ベルの一次側電圧共振パルスV1、コレクタ電流IQ1が
発生することがわかる。そこで、過負荷保護回路5で
は、このような負荷短絡時において、スイッチング素子
Q1をこの過負荷状態から保護するために、一次側自励
発振駆動回路を停止させるように動作する。以下、この
動作について説明する。
【0068】まず、上述したような負荷短絡時において
は、二次側直流出力電圧ラインに流れる電流レベルが通
常時よりも増加するのに伴って二次巻線N2に流れる電
流も増加する。このため、二次巻線N2に接続された抵
抗ROには、この増加した二次巻線電流に応じたレベル
の両端電圧が発生する。そして、この負荷短絡時に対応
した抵抗ROの両端電圧レベルによってダイオードD4を
導通させ、これによりトランジスタQ7が導通する。ト
ランジスタQ7が導通することによっては、トランジス
タQ7のコレクタからトランジスタQ6のベースへと電流
が流入し、トランジスタQ6が導通する。そして、トラ
ンジスタQ6のコレクタから小信号用サイリスタQ5に電
流が流入し、これにより小信号用サイリスタQ5がオン
となる。小信号用サイリスタQ5がオンとなると、トラ
ンジスタQ4のベースにベース電流が流入し、トランジ
スタQ4をオンとする。これにより、トランジスタQ4に
コレクタ電流が発生し、これが抵抗R14を介して上述し
たインピーダンス制御素子Q2のベースに流入すること
となる。
【0069】以上で説明した一連の動作により、過負荷
保護回路5では過負荷保護のための制御電流が生成され
る。ここで、この過負荷保護のための制御電流は、上述
した制御回路1における定電圧制御のための制御電流と
は異なり、インピーダンス制御素子Q2を飽和させる程
度に大きいレベルのものとされている。このため、イン
ピーダンス制御素子Q2のコレクタ−エミッタ間は完全
に導通状態となり、これにより、インピーダンス制御素
子Q2を介在させる[三次巻線N3//コンデンサCc]から
成る並列共振回路を流れる電流はすべて二次側アースに
流れることとなる。つまり、並列共振回路[N3//CC]の
両端がアースに接地した状態が形成される。この結果、
三次巻線N3に発生する電圧は0レベルとなり、これに
伴って駆動巻線NBにおいても駆動巻線電圧は生じない
こととなり、一次側自励発振駆動は停止されることとな
るのである。
【0070】このようにして、過負荷保護回路5により
負荷短絡時において生じる過負荷からスイッチング素子
Q1を保護することが可能となることで、ソフトスター
ト回路4における効果と同様に、スイッチング素子Q1
は、図9に示す回路の場合における1200V耐圧品で
はなく、700V耐圧品を選定することが可能となる。
【0071】続いて過電圧保護回路6についての説明を
する。まず、図4(e)、図4(f)に示すように二次
側直流出力電圧(E01、E02)が上昇したとすると、通
常時においては、上述したように制御回路1による定電
圧制御が行われることになる。しかし、制御回路1が何
らかの原因で動作不能となり、二次側直流出力電圧が定
格以上に上昇してしまうと、負荷側での過電圧状態が放
置されてしまうこととなる。この過電圧保護回路6は、
二次側直流出力電圧の上昇に伴うこの過電圧状態から負
荷側を保護するために設けられるものである。以下、こ
の過電圧保護回路6の構成と動作について説明する。
【0072】過電圧保護回路6は、分圧抵抗R31、分圧
抵抗R32、ツェナーダイオードD3、コンデンサC3を有
して構成される。まず、分圧抵抗R31と分圧抵抗R32と
が直列に接続される直列回路が形成され、この直列回路
は、二次側直流出力電圧E02ラインの二次側整流ダイオ
ードD02のカソードに直列に接続される。これにより、
分圧抵抗R31と分圧抵抗R32は二次側直流出力電圧E02
のラインから入力されてくる過電圧を分圧する。この分
圧抵抗R31、R32の接続点には、図示するようにツェナ
ーダイオードD3のカソードが接続される。また、本実
施の形態における電源回路では、ツェナーダイオードD
3のアノードと二次側アースの間に誤検出防止用のコン
デンサC3が挿入されている。そして、このコンデンサ
C3の正極端子側、つまりツェナーダイオードD3のアノ
ードは、小信号用サイリスタQ5のゲートに接続され
る。この小信号用サイリスタQ5からは、過負荷保護回
路5のところで説明したようにトランジスタQ4→抵抗
R14→インピーダンス制御素子Q2の経路が形成される
こととなる。
【0073】このような構成をとる過電圧保護回路6で
は、以下のような動作が得られることとなる。まず、制
御回路1が何らかの原因で動作不能となり、二次側直流
出力電圧E01が定格以上に上昇すると、これに伴って二
次側直流出力電圧E02のラインにおいても過電圧の状態
が生じる。すると、二次側直流出力電圧E02のラインに
接続される分圧抵抗R31、分圧抵抗R32によってこの過
電圧が分圧され、これをツェナーダイオードD3で検出
することになる。なお、上述もしたように、本実施の形
態における電源回路では誤検出防止用のコンデンサC3
が備えられているので、この検出電圧は、いったんこの
コンデンサC3に蓄積されることとなる。これにより、
何らかの原因で二次側直流出力電圧E02が単発的に上昇
し、ツェナーダイオードD3において過電圧が検出され
たとしても、過電圧保護回路6を誤動作させないように
されている。つまり、誤検出を防止する動作を得てい
る。
【0074】ツェナーダイオードD3により過電圧が検
出されると、この電圧が小信号用サイリスタQ5のゲー
トに供給され、小信号用サイリスタQ5が導通する。す
ると、トランジスタQ4のベースにベース電流が発生
し、トランジスタQ4が導通することとなる。この後の
経路は、過負荷保護回路5と同様にトランジスタQ4の
コレクタ→抵抗R14→インピーダンス制御素子Q2(ベ
ース)を介して流れるものとなる。
【0075】以上で説明した一連の動作により、過電圧
保護回路6では過電圧保護のための制御電流が生成され
る。ここで、この過電圧保護のための制御電流は、上述
した過負荷保護回路5のものと同様に、制御回路1にお
ける定電圧制御のための制御電流とは異なり、インピー
ダンス制御素子Q2を飽和させる大きいレベルのものと
される。このため、インピーダンス制御素子Q2のコレ
クタ−エミッタ間は完全に導通状態となり、このため、
インピーダンス制御素子Q2のコレクタ−エミッタ間は
完全に導通状態となり、これにより、インピーダンス制
御素子Q2を介在させる[三次巻線N3//コンデンサCc]
から成る並列共振回路を流れる電流はすべて二次側アー
スに流れることとなる。つまり、並列共振回路[N3//C
C]の両端がアースに接地した状態が形成される。この結
果、三次巻線N3に発生する電圧は0レベルとなり、こ
れに伴って駆動巻線NBにおいても駆動巻線電圧は生じ
ないこととなり、一次側自励発振駆動は停止されること
となるのである。
【0076】このようにして、過電圧保護回路6によ
り、制御回路1が動作不能となり、二次側直流出力電圧
が定格以上に上昇してしまった場合において、二次側直
流出力電圧の上昇に伴う過電圧から負荷側を保護するこ
とが可能となる。
【0077】以上で説明した構成による本実施の形態の
電源回路では、まず基本構成として、自励式でスイッチ
ング周波数制御方式によって安定化を図る複合共振形コ
ンバータとして、直交型制御トランスを省略した構成を
採っている。つまり、制御回路1による定電圧制御が行
われる構成をとるものである。そのうえで、まずソフト
スタート回路4が備えられる。そして、このソフトスタ
ート回路4により、電源回路起動時におけるスイッチン
グ素子Q1に対する過電流保護及び過電圧保護が行われ
ることになるので、例えば先に図9に示したような過電
流制限回路10を備える必要はなくなる。このため、本
実施の形態では、スイッチング素子Q1のエミッタに対
して接続される電流検出抵抗によって生じる電力損失を
低減することができる。
【0078】また、本実施の形態の電源回路では、交流
入力電圧VACが上昇したときに対応したマージンと、過
電流制限回路10を構成する部品のばらつきによる定常
動作時の誤動作マージンを考慮して回路設計を行う必要
はないこととなる。このため、本実施の形態において
は、最大負荷電力時における電圧共振パルスV1の上昇
を抑制することができるので、スイッチング素子Q1に
ついては低耐圧品を選定することが可能になる。また、
電流容量についても小容量のものを選定することができ
る。低耐圧で小容量のスイッチング素子を選定できれ
ば、その形状をより小型なものとすることができる。例
えば図9に示す回路では、スイッチング素子Q1につい
て、1200V耐圧でTO−3Pの大型なパッケージと
なるが、図1に示す本実施の形態の回路では、700V
耐圧でTO−220の中型パッケージとすることができ
るものである。また、低耐圧品とされることで、スイッ
チング特性も向上されるので、スイッチング素子Q1に
おける電力損失も低減されることになる。
【0079】さらに、例えば図9に示す電源回路に備え
られる過電流制限回路10においては、電流検出抵抗R
Eは巻線抵抗であり、トランジスタQ10及びダイオード
D2は電流容量1Aとされていた。これに対して図1に
示したソフトスタート回路4の構成であれば、これに備
えられる半導体としては、より低耐圧で小電流容量のも
のを選定することができ、この点でも、回路の小型化及
び低コスト化が図られることになる。
【0080】また、本実施の形態のソフトスタート回路
4としては、図2及び図3を参照しての時定数コンデン
サC4についての説明からも分かるように、二次側直流
出力電圧、さらには一次側電圧共振パルスV1及びコレ
クタ電流IQ1についての起動時の立ち上がり時間に対応
して、少なくとも抵抗ROの抵抗値、時定数コンデンサ
C4のキャパシタンス(時定数)のいずれか一方を変更
してソフトスタート回路4の動作時間を変更設定するよ
うにされる。このようにすれば、どのような仕様の電源
回路においても、適正な動作時間によってソフトスター
ト回路4を動作させることが可能とされているものであ
る。例えば図9に示した電源回路においては、起動時に
おける誤動作のマージンをとることが困難なのである
が、本実施の形態のようにしてその動作時間を可変設定
可能なソフトスタート回路4を備えた構成であれば、起
動時における誤動作のマージンを大幅に増加させること
が可能になる。
【0081】また、本実施の形態の電源回路では、ソフ
トスタート回路4の他に、さらに過負荷保護回路5、過
電圧保護回路6が設けられている。過負荷保護回路5に
おいては、二次側直流出力電圧の負荷が短絡する等の異
常時においてスイッチング素子Q1に生じる過負荷を防
止するために、二次側において負荷短絡時の電流を検出
し、インピーダンス制御素子Q2の導通制御を行うこと
で一次側自励発振駆動を停止させる動作が得られる。ま
た、過電圧保護回路6においても、制御回路1が動作不
能となって二次側直流出力電圧が定格以上に上昇した場
合において、二次側でこの過電圧を検出して、インピー
ダンス制御素子Q2の導通制御を行うことで一次側自励
発振駆動を停止させる動作が得られる。つまり、両回路
による制御動作は、共に二次側において完結することに
なる。この点で、過負荷保護回路5、及び過電圧保護回
路6による制御動作を得るにあたっては、本実施の形態
の電源回路の場合、一次側と二次側を絶縁するフォトカ
プラは不要となる。このため、部品点数の削減が可能と
なり、回路生産コストの削減が計られることとなる。ま
た、これらの回路系を構成するそれぞれの素子(トラン
ジスタQ6、Q7、ツェナーダイオードD3、小信号用サ
イリスタQ5)もソフトスタート回路4の素子と同様
に、すべて耐圧30V、電流容量0.1A以下のもので
構成可能であり、より低耐圧で小電流容量のものを選定
することができ、回路の小型化及び低コスト化が図られ
ることになる。
【0082】図6は、本発明の第2の実施の形態として
の電源回路の構成例を示している。なお、この図におい
て、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。この図に示す電源回路においては、ドライブトラン
スCDTに巻装される検出巻線NAは、絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1に対して直列に接続され
る。この場合には検出巻線NAの巻始め端部を一次巻線
N1と接続し、巻終わり端部をスイッチング素子Q1のコ
レクタに接続している。このような接続形態によって
は、検出巻線NAは、絶縁コンバータトランスPITの
一次巻線N1のリーケージインダクタンスと共に、一次
側並列共振回路を形成することになる。そして、検出巻
線NAに得られる交番電圧としても、並列共振電圧とし
ての波形が得られることになる。
【0083】このような構成の電源回路におけるスイッ
チング動作及び定電圧制御動作としても、図1に示した
電源回路と同様の効果を得ることができる。
【0084】次に、図7に本発明の各実施の形態におけ
る変形例を示す。図7(a)は上記図1、図6に示した
電源回路において備えられる小信号用サイリスタQ5を
示す図であるが、この小信号用サイリスタQ5に代え
て、図7(b)に示すようにして、PNP型のトランジ
スタとNPN型のトランジスタを組み合わせた回路を備
えることによっても、同様の動作を得ることができる。
【0085】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明としては、上記各実施の形態として各
図に示した構成に限定されるものではない。例えば、上
記各実施の形態においてはスイッチング素子を1組備え
るシングルエンド方式の場合が示されているが、スイッ
チング素子を2組備える、いわゆるプッシュプル方式に
よる、自励式の電圧共振形コンバータとされても構わな
いものである。また、二次側についても、各図に示した
以外の回路構成による整流回路が備えられて構わないも
のである。さらに、例えば、制御回路1、スタンバイ電
源回路部2、リレー駆動回路3、ソフトスタート回路
4、過負荷保護回路5、及び過電圧保護回路6などの具
体的構成は適宜変更されて構わないものである。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、基本構成
として、自励式のスイッチング周波数制御方式によって
安定化を図る複合共振形コンバータとして、直交型制御
トランスを省略した構成を採っている。そのうえで、ソ
フトスタート回路(スイッチング周波数制御手段)を設
けて、スイッチング動作の開始時においては、例えば所
要のスイッチング周波数範囲として、ほぼ可変幅の上限
に近い周波数にまでスイッチング周波数を高くするよう
にして、二次側直流出力が急峻に上昇するのを抑制する
ようにしている。この結果、スイッチング動作の開始時
においてスイッチング素子にかかる共振電圧、及びスイ
ッチング素子に流れるスイッチング出力電流(コレクタ
電流)が抑制されるために、スイッチング素子として
は、より耐圧が低く、また小電流容量のものを選定する
ことが可能になる。これにより、回路の低コスト化及び
小型を図ることが可能になる。
【0087】また、本発明としては、ソフトスタート回
路が動作する期間は、例えばソフトスタート回路のトラ
ンジスタのベースに接続されたコンデンサのキャパシタ
ンスと、制御電流が供給される抵抗の抵抗値とによる時
定数によって決定されるのであるが、これは換言すれ
ば、上記コンデンサのキャパシタンス、又は上記抵抗の
抵抗値を変更すればソフトスタート回路の動作期間を可
変設定できることを意味する。つまり、ソフトスタート
回路の動作期間を可変設定可能な動作期間設定手段を備
えるものである。このようにしてソフトスタート回路の
動作期間を可変設定すれば、二次側出力電圧が定常レベ
ルにまで上昇する時間を任意に設定することができるの
であるが、これにより、電源起動時の誤動作に対するマ
ージンを増加させることが可能になるという効果が得ら
れるものである。
【0088】また、本発明の電源回路では、さらに過負
荷保護回路、過電圧保護回路が設けられるのであるが、
過負荷保護回路においては、二次側直流出力電圧の負荷
が短絡する等の異常時において、一次側自励発振駆動を
停止させる動作が得られ、スイッチング素子を過負荷か
ら保護することが可能となるという効果が得られる。ま
た、過電圧保護回路においては、制御回路が動作不能と
なって二次側直流出力電圧が定格以上に上昇した場合に
おいて、一次側自励発振駆動を停止させる動作が得ら
れ、負荷側の過電圧状態を保護することが可能となると
いう効果が得られる。これら両回路では、共に二次側に
おいて負荷短絡時の電流、又は過電圧を検出するように
され、二次側において制御動作が完結するようにされて
いる。このため、絶縁用のフォトカプラは不要となり、
部品点数の削減、ひいては回路生産コストの削減が図ら
れる。また、これらの回路系を構成するそれぞれの素子
(トランジスタ、ツェナーダイオード、小信号用サイリ
スタ等)も同様に、より低耐圧で小電流容量のものを選
定することができ、回路の小型化及び低コスト化が図ら
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての電源回路の構成を示
す回路図である。
【図2】第1の実施の形態としての電源回路のソフトス
タート動作を、先行技術の電源回路の起動時の動作と比
較して示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態としての電源回路のソフトス
タート動作を、先行技術の電源回路の起動時の動作と比
較して示す説明図である。
【図4】コレクタ電流、電圧共振パルス、及び二次側直
流出力電圧の通常時と負荷短絡時の比較を示す図であ
る。
【図5】本発明における電源回路のドライブトランスの
構造例を示す斜視図、及び断面図である。
【図6】本発明における第2の実施の形態としての電源
回路の構成例を示す回路図である。
【図7】本発明における各実施の形態の変形例を示す図
である。
【図8】先行技術としての電源回路の構成を示す回路図
である。
【図9】過電流制限回路を備えた先行技術としての電源
回路の構成を示す回路図である。
【図10】図9に示す回路の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 スタンバイ電源回路部、3 リレー
駆動回路、4 ソフトスタート回路、5 過負荷保護回
路、6 過電圧保護回路、Di ブリッジ整流回路、C
i 平滑コンデンサ、Cr 一次側並列共振コンデン
サ、C2 二次側並列共振コンデンサ、DO1,DO2,D1
1,D12 整流ダイオード、PIT 絶縁コンバータト
ランス、N1 一次巻線、N2 二次巻線、N3 三次巻
線、CDTドライブトランス、NA 検出巻線、NB 駆
動巻線、SBT スタンバイトランス、SW ACスイ
ッチ、C01、C02、C03、C04 平滑コンデンサ、RL
電磁リレー、D8 保護用ダイオード、Q1 スイッチ
ング素子、Q2 インピーダンス制御素子、Q3、Q4、
Q6、Q7、Q8 トランジスタ、Q5 小信号用サイリス
タ、C4 時定数コンデンサ、CO 電解コンデンサ、D
3 ツェナーダイオード、R2、R3、R21、R22、R3
1、R32 分圧抵抗
フロントページの続き Fターム(参考) 5H730 AA14 BB72 BB74 BB77 BB80 CC01 DD02 DD22 EE02 EE03 EE07 EE59 EE61 EE65 FD01 FD31 FG03 FG25 VV01 VV06 XC04 XC05 XC06 XC09 XC14 XC17 XX03 XX04 XX12 XX23 XX32 XX35 XX43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流入力電圧を入力してスイッチングを
    行うスイッチング素子を備えるスイッチング手段と、 一次巻線と二次巻線とを備え、上記一次巻線に得られる
    上記スイッチング手段の出力を上記二次巻線に対して伝
    送する絶縁コンバータトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と一次側並列共
    振コンデンサとにより形成され、上記スイッチング手段
    の動作を電圧共振形とするように設けられる一次側並列
    共振回路と、 一次巻線とされる検出巻線と、二次巻線とされる駆動巻
    線と、三次巻線とが巻装されるドライブトランスと、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線と上記検出巻線
    の直列接続に対して、二次側並列共振コンデンサを並列
    に接続することで形成される二次側並列共振回路と、 上記駆動巻線と共振用コンデンサにより形成される直列
    共振回路を有して、この直列共振回路の出力に基づいて
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチ
    ング駆動手段と、 上記三次巻線とコンデンサとを並列に接続した並列接続
    回路に対してインピーダンス制御素子としてのトランジ
    スタ素子を直列に挿入して形成される可変インピーダン
    ス回路と、 上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力して
    整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
    れる直流出力電圧生成手段と、 上記直流出力電圧のレベルに応じて可変されるレベルの
    制御電流を、上記インピーダンス制御素子に流すことに
    より、上記スイッチング素子のスイッチング周波数を可
    変制御し、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行
    うようにされる定電圧制御手段と、 当該電源回路の起動時において得られる起動用電源を入
    力し、起動後における或る所定期間にわたって、上記定
    電圧制御手段に代わって、所要のレベルの制御電流を上
    記インピーダンス制御素子に供給することにより、上記
    スイッチング周波数が所要の周波数範囲内で維持される
    ように制御するソフトスタート手段と、を備えることを
    特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 直流入力電圧を入力してスイッチングを
    行うスイッチング素子を備えるスイッチング手段と、 一次巻線と二次巻線とを備え、上記一次巻線に得られる
    上記スイッチング手段の出力を上記二次巻線に対して伝
    送する絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と
    一次側並列共振コンデンサとにより形成され、上記スイ
    ッチング手段の動作を電圧共振形とするように設けられ
    る一次側並列共振回路と、 上記一次側並列共振回路に含まれるようにして一次巻線
    と直列に接続される検出巻線と、駆動巻線と、上記検出
    巻線により励起される三次巻線とが巻装されるドライブ
    トランスと、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    並列共振コンデンサを並列に接続することで形成される
    二次側並列共振回路と、 上記駆動巻線と共振用コンデンサにより形成される直列
    共振回路を有して、この直列共振回路の出力に基づいて
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチ
    ング駆動手段と、 上記三次巻線とコンデンサとを並列に接続した並列接続
    回路に対してインピーダンス制御素子としてのトランジ
    スタ素子を直列に挿入して形成される可変インピーダン
    ス回路と、 上記二次側並列共振回路に得られる交番電圧を入力して
    整流動作を行うことで直流出力電圧を得るように構成さ
    れる直流出力電圧生成手段と、 上記直流出力電圧のレベルに応じて可変されるレベルの
    制御電流を、上記インピーダンス制御素子に流すことに
    より、上記スイッチング素子のスイッチング周波数を可
    変制御し、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行
    うようにされる定電圧制御手段と、 当該電源回路の起動時において得られる起動用電源を入
    力し、起動後における或る所定期間にわたって、上記定
    電圧制御手段に代わって、所要のレベルの制御電流を上
    記インピーダンス制御素子に供給することにより、上記
    スイッチング周波数が所要の周波数範囲内で維持される
    ように制御するソフトスタート手段と、を備えることを
    特徴とするスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】上記直流出力電圧の負荷短絡に対応し上記
    二次巻線に流れる電流レベルを検出したときに、所要の
    レベルの制御電流を上記インピーダンス制御素子に供給
    することにより、上記スイッチング駆動手段を停止させ
    るように構成される、過負荷保護手段を備えることを特
    徴とする請求項1、又は請求項2に記載のスイッチング
    電源回路。
  4. 【請求項4】上記直流出力電圧が所定電圧よりも上昇す
    る過電圧状態を検出したときに、所要のレベルの上記制
    御電流を上記インピーダンス制御素子に供給することに
    より、上記スイッチング駆動手段を停止させるように構
    成される、過電圧保護手段を備えることを特徴とする請
    求項1、又は請求項2に記載のスイッチング電源回路。
  5. 【請求項5】 上記スイッチング周波数制御手段の動作
    期間を可変設定することのできる動作期間設定手段が備
    えられることを特徴とする請求項1、又は請求項2、又
    は請求項3、又は請求項4に記載のスイッチング電源回
    路。
  6. 【請求項6】 上記駆動巻線に三重絶縁線を用いること
    を特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、
    又は請求項4に記載のスイッチング電源回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114280437A (zh) * 2021-12-27 2022-04-05 阳光电源股份有限公司 发电机绝缘检测装置、方法、风力发电系统

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