JP2002368517A - 表面実装型アンテナおよびそれを搭載した通信機器 - Google Patents

表面実装型アンテナおよびそれを搭載した通信機器

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JP2002368517A
JP2002368517A JP2001173903A JP2001173903A JP2002368517A JP 2002368517 A JP2002368517 A JP 2002368517A JP 2001173903 A JP2001173903 A JP 2001173903A JP 2001173903 A JP2001173903 A JP 2001173903A JP 2002368517 A JP2002368517 A JP 2002368517A
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radiation electrode
antenna
radiation
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Hiroshi Aoyama
博志 青山
Keiko Kikuchi
慶子 菊地
Hidetoshi Hagiwara
英俊 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面実装型アンテナの小形低背化と利得の向
上を図ること。また、これを搭載した通信機器を提供す
る。 【解決手段】 誘電体よりなる直方体状の基体1の上面
(C面)と隣り合う側面(D面)に基体の一方端から長
手方向の他方端に向かって幅を狭めながら延びる放射電
極2Aを形成し、この放射電極2Aの一方端は端面(E
面)に設けた接地電極3と接続し、基体1Aの側面(B
面)には前記放射電極2Aに非接触で結合する給電電極
4を形成した表面実装型アンテナ1Aであって、前記放
射電極2Aの幅の狭い領域をミアンダ状の屈曲部20
m、21mに形成し、さらに、この屈曲部の曲がり角に
丸面取り14を施した表面実装型アンテナである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に携帯電話や無
線LAN(ローカルエリアネットワーク)等のマイクロ
波無線通信機器に好適な表面実装型アンテナ(以下、単
にアンテナと言うことがある。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波無線通信機器、とりわけ携帯
電話などの携帯通信機器では、小形低背化を図るために
アンテナ素子としてモノポールアンテナやマイクロスト
リップアンテナ等が、一般に用いられている。このう
ち、最近適用が増加しているマイクロストリップアンテ
ナの構造および原理に関しては、アンテナ工学ハンドブ
ック(p109〜111 電子情報通信学会編 オーム社)にそ
の詳しい記載がある。
【0003】現在、マイクロストリップアンテナとして
は表面実装型が主流であり、例えば、特開平9−153
734号公報や特開平10−107535号公報等に開
示されている。このアンテナは図11に示すように、略
直方体状の基体90の上面に例えばミアンダ状の放射電
極91を形成し、基体の側面92から上面に掛けて放射
電極91と直接接続するか、容量接続した給電電極93
と給電端子94から給電するものである。等価回路的に
は、放射電極の放射抵抗RとインダクタンスL、放射電
極の開放端とグランド電極間で形成される容量Cが並列
に接続された並列共振回路を構成している。これをアン
テナとして動作させる場合は、アンテナ基体の一側面9
2に設けたグランド端子95と給電端子94を、それぞ
れ回路基板96の地導体97と給電線98の上に配置
し、下面側から給電線を介して高周波信号を流すことに
よって、この高周波信号が並列共振して放射電極から電
磁波となって放射される。尚、放射電極の形状として
は、ミアンダ状の他にL字状、コ字状、クランク状等の
屈曲したものを用いて小型化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】携帯通信機器に使用さ
れるアンテナは、小形低背であると同時に放射効率が良
く且つ指向性がなくて広帯域であることが要求される。
この点で従来の表面実装型アンテナでは、小形低背化を
進めていくと逆に前記アンテナ特性が劣化する方向にあ
り、単純には小型低背化は実現できなかった。上記した
特開平9−153734号公報等では、アンテナ基体を
小型化する手段として、電極パターンをコ字状もしくは
ミアンダ状又はクランク状等となし、線路長を伸ばして
インダクタンス成分の増加を図っている。しかしなが
ら、一般にミアンダ状の屈曲部を設けると、導体損失が
増加し放射効率は低下する。この点で従来の放射電極で
は、小型化を優先する余り利得低下の点は見過ごされて
いた感がある。つまり、放射効率や利得の低下を補うこ
とは考慮されておらず、利得低下が問題となる。
【0005】そこで、本発明は、この問題点を解決する
もので小型低背化をすると共に、利得を向上させた表面
実装型アンテナを提供することを目的とする。また、こ
のアンテナをさらに利得が向上するように回路基板に搭
載した通信機器を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、誘電体又は磁
性体よりなる直方体状の基体の少なくとも1つの表面に
形成した略L字状もしくは略コ字状もしくはミアンダ状
またはクランク状の屈曲した部分を有する放射電極と、
該放射電極に接触または非接触で結合し、基体の何れか
の表面に形成した給電電極とを有する表面実装型アンテ
ナにおいて、前記放射電極の屈曲部の曲がり角を丸面取
りあるいは角面取りした表面実装型アンテナである。
【0007】また、本発明は、誘電体又は磁性体よりな
る直方体状の基体の少なくとも1つの表面に前記基体の
一方端から長手方向の他方端に向かって連続的および/
または段階的に実質的に幅を狭めながら延びる放射電極
を形成し、該放射電極の一方端は前記基体の端面に設け
た接地電極と接続あるいは容量結合し、前記放射電極に
接触または非接触で結合する給電電極を基体表面に形成
した表面実装型アンテナであって、前記放射電極の幅の
狭い領域をミアンダ状の屈曲部に形成し、該屈曲部の曲
がり角を丸面取りあるいは角面取りした表面実装型アン
テナである。
【0008】以上の放射電極の構造によれば、屈曲部の
線路幅と電流の流れがほぼ一様となりインピーダンスの
不連続性が改善される。よって、曲がり角での反射ロス
が抑えられて利得が向上する。また、前記放射電極のミ
アンダ状屈曲部を先端側に向かって電極の線路幅が狭く
することは望ましいことである。また、前記アンテナ基
体の他方端の端面に、前記放射電極の先端とギャップを
介して対向する第2の接地電極を設けることも出来る。
これにより、容量装荷が達成され、小型化およびギャッ
プを調整することによって容易に共振周波数を調整する
ことができる。
【0009】また、本発明は、上記した表面実装型アン
テナを回路基板に実装する際、前記放射電極が延びる基
体長手方向を回路基板の地導体端部の境界線と並行とな
るように、且つ前記放射電極の先端側を地導体から遠ざ
けるように配置し、このような回路基板を搭載した通信
機器である。これは、表面実装型アンテナとして携帯電
話、ヘッドフォン、パソコン、ノートパソコン、デジタ
ルカメラ等に搭載した通信機器に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表面実装型アンテ
ナの実施例を図面と共に説明する。図1は第1の実施例
を示す表面実装型アンテナの斜視図、図2は図1の放射
電極部分の展開図である。このアンテナ1Aは、セラミ
ックス、樹脂等の誘電体からなる直方体状の基体1と、
その上面及び隣り合う側面に形成された放射電極2A
と、放射電極の一方端に接続され基体の端面を覆って形
成した接地電極3と、基体の長手方向側面に設けた給電
電極4とからなっている。放射電極2Aは、基本的に幅
広領域20rから長手方向に連続的および/または段階
的に実質的に幅を狭めながら延びる形状となし、先端側
の幅の狭まる領域をミアンダ状の屈曲部20mに形成し
ている。図2に展開図で示すように放射電極2Aは、基
体上面(C面)に設けた放射電極20r、20mと、隣
り合う側面(D面)に連続的に形成した放射電極21
r、21mとからなっている。そして、屈曲部の曲がり
角の外径側を円弧で結んでおり、いわゆる丸面取りを施
し電極の線路幅が出来るだけ一様となるように形成した
ものである。また、ミアンダ状の屈曲部20m、21m
の先端は開放端となっており、一方端は端面(E面)の
接地電極3に接続されている。尚、ここでの接続は非接
触の容量結合の形でも良い。
【0011】給電電極4は、放射電極とインピーダンス
マッチング(通常50Ω)する基体側面の任意の位置に
形成し、容量を介して非接触に励振し整合が取りやすい
ようにしている。給電電極4は基体上面まで延ばしても
良く、放射電極と直接接続させることもできる。接地電
極3は、基体1の一方端面(E面)を含む端部を取り囲
むように設けても良いが、少なくとも下面(A面)には
延長の電極(図8の30参照)を形成し、回路基板の地
導体に接続できるようにする。また、図示していないが
給電電極4も基体下面(A面)側に延長して電極を設
け、回路基板との半田付け用の電極として用いる。
【0012】図3は放射電極の第2の実施例を示し、ミ
アンダ状の屈曲部22mと23mにおいて電極線路幅を
さらに同じ幅に近づけるために、屈曲部の曲がり角を外
径側のみでなく内径側についても円弧で結び、丸面取り
14,16を施したものである。また、放射電極の接地
端から先端側に向かって、ミアンダ状屈曲部の電極の線
路幅を次第に狭くしている。図4は放射電極の第3の実
施例である。つまり、これまでの実施例では円弧による
丸みを持った面取りとしているが、これは図示するよう
に角部を削り取るようにした角面取りを設けたものであ
る。放射効率の点では丸面取りよりも若干効果は落ちる
が作用的には同じものであり、製作の点では丸面取りよ
りも容易である。
【0013】次に、このアンテナの製造について簡単に
説明すると、アンテナの基体はセラミックスからなり、
セラミックスのブロックから直方体状のチップを複数個
切り出し、所定の寸法に研削加工する。次いでこのチッ
プを複数個並べて治具の中に設置し、多数チップの一表
面毎にAg電極をスクリーン印刷して形成する。各表面
に電極を形成した後、850℃で焼成しチップ状アンテ
ナ素子を得る。印刷する電極は、A面に固定用(半田付
け)の接地電極3と給電電極4の延長電極部、B面に給
電電極4、C面に放射電極20r、20m、D面に放射
電極21r、21m、E面に接地電極3を形成する。ま
た第2の接地電極を設ける場合にはF面にも電極を形成
することになる。
【0014】次に、本発明の放射電極の作用効果につい
て説明する。まず、第1の発明は、屈曲部を有する放射
電極の曲がり角に丸みを持たせたことにある。従来、略
L字状もしくは略コ字状もしくはミアンダ状またはクラ
ンク状の屈曲した部分を有する放射電極では、まず直線
部分と屈曲部分とが不等幅であり、且つ角張ったままで
繋がっていた。このことは電極線路のインピーダンスに
置き換えて見ると、インピーダンスが不連続に変化する
ことを意味しており、その不連続性により進行波の一部
が反射される。さらに、曲がり角部に注目すると内側の
経路長が外側の経路長に比べて短く、その結果、内側寄
りに強い電流が流れ易くインピーダンスの不連続性がこ
こでも生じる。このようなことから入力した高周波の反
射ロスが大きくなり利得の低下が加速されていた。これ
を改善するために曲がり角部は丸みを持った面取りある
いは角部を切り落とした角面取りを施すことが効果的で
あることを知見した。これによって線路は略等幅で角部
がなくなり、前記インピーダンスの不連続性が改善され
る。すなわち、曲り角部での反射ロスの発生が抑制され
ることによりアンテナの放射電極を流れる共振電流の伝
送損失を低減できるため、結果として、利得が向上す
る。
【0015】また、第2の発明における放射電極は、高
周波電流の流れ(基体長手方向)に対して垂直方向の電
極長さ、即ち幅を一定とせずに、開放端側に接近するに
従い徐々に減少させる形状としている。一般に、給電電
源から給電電極を介して供給された高周波電流は、放射
電極のインダクタンスと大地との間で形成されるコンデ
ンサ容量で決まる周波数で共振を起こし、空間に電磁エ
ネルギとして放射される。この時、接地電極と開放端を
節と腹とする電流分布モードになる。放射電極の幅が一
定ならば、この電流分布モードは1つしか存在しない
が、本発明のように放射電極の幅が一定でないこと、さ
らに図示する各電極を配置することによって、アンテナ
には複数の共振回路が等価的に形成される。各共振回路
の共振周波数は、かなり接近して発生するため共振が連
続して複数存在することになり、結果的に帯域幅が広が
った広帯域な共振特性が得られる。また、図2の展開図
で示すように基体の上面だけでなく隣接する側面に渡っ
て放射電極を形成すると、より小型化し、また、より無
指向性に近い放射指向性が得られる。
【0016】さらに、実施例のように先端側の幅が狭く
なった領域にミアンダ状の屈曲部20m、21mを形成
することにより、放射電極のインダクタンス成分を増
し、より小型化を図ることが出来る。一般にミアンダ状
の屈曲部を設けると、導体損失が増加するため放射効率
は低下する。またミアンダ状屈曲部では、幅方向の電流
は互い違いに逆方向に流れるため、空間に放出される電
磁界がキャンセルしあい屈曲部全体として放出電磁界が
小さくなり、従って放射効率も低下する。ここで幅の広
い領域20rに屈曲部を設けた場合には非常に顕著に放
射効率が低下するが、先端側に設けた場合にはほとんど
放射効率の低下を見ることなく、所望の周波数に調整で
きる。すなわち、ミアンダ状屈曲部は先端側に設ける方
が放射効率(利得)の点で有利である。これは、蛇行す
る伝送線路を流れる電流の流れ難さが影響するものと考
えられる。即ち、放射電極の幅広の領域では電流強度が
大きいため、幅広領域にミアンダ状屈曲部を設けた場
合、導体損失も大きく、屈曲部の幅方向部分に互い違い
に流れる電流量も多くなり、放射効率が顕著に低下して
しまう。従って、電流強度の大きい幅の広い領域は効率
良く通過させ、流れ易い先端部分でインダクタンス成分
を稼ぐと共に放射効率を阻害しないようにするのであ
る。これによって、結果的に小型化と利得の向上を両立
できる。また、ミアンダ状の放射電極を設ける領域は、
基体寸法と所望周波数等の関係から適宜設定できるもの
であるが、先端から略1/5以内では効果はあまり望め
ず、1/5〜4/5程度が良いと考える。
【0017】本発明の表面実装型アンテナの第2の実施
例を図3に示す。第1の実施例と同じ構成については同
一符号を付して説明は省略する。本例はミアンダ状の屈
曲部22mと23mとにおいて、屈曲部の曲がり角を外
径側のみでなく内径側についても円弧で結び、丸面取り
14、16を施したものである。第1の実施例よりも曲
がり角部分での電極線路幅がさらに等幅になり、電極線
路の曲がり角部でのインピーダンスの不連続性が減少す
るため、反射ロスの発生がいっそう抑制されてアンテナ
の利得が向上する。また本例では、放射電極の接地端か
ら先端側に向かってミアンダ状屈曲部の電極線路幅を徐
々に狭くしている。これは、幅狭領域の中でも電流強度
の大きい部分は電極線路幅を広くして効率良く電流を通
過させることにより、導体損失に起因する放射効率の低
下を抑制するためである。一方電流の流れ易い先端部分
では、比較的狭い電極線路を設けることにより、所望周
波数への調整に必要なインダクタンス成分を稼いでい
る。
【0018】本発明の表面実装型アンテナの第4の実施
例を図5に示す。上述の実施例と同じ構成については同
一符号を付して説明は省略する。本例は放射電極先端の
開放端に対向する基体端部にギャップGを介して第2の
接地電極を設けたもので、基体1の端面(F面)とこれ
を囲む4面に渡って接地電極5を形成している。これに
よって、放射電極の開放端と地導体との間に容量を装荷
し、また、容量を安定化させて周波数の調整を容易にす
ることが出来る。また、ギャップ部で容量が稼げる分小
さいインダクタンスでも所望周波数が得られるので小型
化に適しているし、発生電磁界をギャップ部近傍に集中
できるので周囲への影響あるいは周辺からの影響が小さ
いと言う効果もある。
【0019】本発明の表面実装型アンテナの第5の実施
例を図6に示す。上述の実施例と同じ構成については同
一符号を付して説明は省略する。本例では放射電極の太
い領域にミアンダ状の屈曲部28mを設け、先端の領域
は幅の狭まる通常の電極形状28rとした。幅広の領域
に屈曲部を設けることは上記したように放射効率や利得
の点では不利であるが、電極長さを長く稼げる点では有
利である。尚、隣の側面にも連続的に放射電極を設ける
ことが望ましい。
【0020】本発明の表面実装型アンテナの第6の実施
例を図7に示す。上述の実施例と同じ構成については同
一符号を付して説明は省略する。本例の放射電極は、一
端の幅広部29nから先端に向かって連続的に狭まり、
その先端を曲げた29lの部分からなるL字状の放射電
極とし、両電極の接続部を大きな円弧18で繋げたもの
である。本例は小型化の点では多くは望めないが、元々
利得は高い方であり、丸みを持って繋げることでさらに
利得向上を望める。このように本発明は、L字状電極あ
るいはコ字状電極あるいはクランク状電極など屈曲部を
有する電極構造にも実施できるものである。
【0021】次に、上記した表面実装型アンテナを回路
基板に実装する構成について説明する。図8は図1に説
明したアンテナ1Aを回路基板6上に実装した様子を示
している。無論この図ではアンテナの配置のみを示し他
の部品は図示していない。アンテナ1Aは、回路基板6
の露出部65上で地導体62の端部境界線63と基体長
手方向が並行となるように、且つ放射電極2Aの開放端
15を地導体62から遠ざけるような向きに配置してい
る。これによって、給電電源60から供給された高周波
信号は給電線61を介し給電電極4に供給され放射電極
を励振し、放射電極先端の開放端から電磁波が空間に放
射される。
【0022】従来はアンテナ素子を地導体に対して垂直
(縦方向)に配置する場合が多かった。このような場合
デッドスペースが大きくなり設計の自由度が低いことは
言うまでもない。横方向(並行)に置くことによって占
有面積は格段に減少し、実装レイアウトの自由度と密度
を上げて省スペース化を図ることが出来る。一方で並行
に置いた場合は縦置きに対して利得低下を補う必要があ
るが、この点で上述したように放射電極のミアンダ状屈
曲部を開放端側に形成したり、屈曲部の曲り角に丸みを
持たせて改善することは有効である。
【0023】また、回路基板との電気的相互作用とし
て、アンテナの共振電流により基板の接地導体に鏡像電
流が発生し、この鏡像電流と基体を流れる電流が逆位相
となると、アンテナからの電磁放射が妨げられ、利得低
下や共振周波数のシフトが起こることがある。この点で
共振電流が最も強く流れる放射電極の開放端を地導体か
ら最も遠い位置に配置すると、電界を接地導体から離れ
た位置に誘起でき、鏡像電流を極力弱くできる。また、
アンテナの裏面のほとんどには接地電極を有していない
ので、接地導体に鏡像電流が流れることを抑制すること
ができる。尚、占有面積の点からは逆行するが、利得向
上の点では地導体から所定の間隙をあけてアンテナを配
置すると一層利得が向上する。このようにアンテナを実
装した回路基板を図9に模式的に示した携帯電話やパソ
コンの内部に搭載することにより無線LAN機能等を備
えた通信機器として利用できる。
【0024】以下、本発明による実施例1のアンテナ構
造で屈曲部の丸面取りと角面取り等変化させたものと、
同じアンテナで面取りなどを施さないものを比較例1と
して、アンテナ特性の比較結果を下記する。まず、アン
テナ基体は、比誘電率εr=8のAl23系セラミック
ス材料を使用し、長さ10mm×幅3mm×厚さ2mm
の寸法とした。設計的には伝搬周波数の中心周波数2.
45GHz、帯域幅90MHz、放射効率60%以上、
電圧定在波比(VSWR)3以下等の性能を満たすこと
を目標に各電極を設定した。電極はAg電極材料を用い
同じプロセスにより印刷形成した。また、回路基板上で
のアンテナ配置については、図8と同じように配置し
た。以上のようにアンテナ基体については同一条件と
し、曲がり角部の面取りの差による特性比較を行った。
また、角面取りについては、図4のような1直線で1段
に面取りした場合と、より円弧状に近い3直線を連接し
て3段に面取りした場合とを比較した。
【0025】特性の評価項目としては、電圧定在波比
(VSWR)3の時の帯域幅と指向性および利得特性
(放射効率)を測定し評価した。VSWRの測定は、給
電端子にネットワークアナライザを接続し、端子側から
みたインピーダンスを測定することにした。また、利得
の測定に際しては、電波無響暗室内で送信用アンテナと
して用いた被試験アンテナからの放射電力を受信用基準
アンテナで受信し、この受信電力と送信用アンテナとし
て基準アンテナを用いた場合の受信電力に対する比とし
て評価した。指向性については、被試験アンテナ素子を
回転テーブルに搭載し、回転させながら放射電界の強度
を利得の測定と同じ手順で各回転角度における利得を測
定した。指向性および中心周波数への調整可否について
は○、×の相対評価とした。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】指向特性については、実施例と比較例とも
にX、Y、Zの3軸の利得がほぼ円に近く、指向性のな
い無指向特性が得られた。また、帯域幅についても11
0MHzを得ることができており、比較例に比べて広帯
域が得られ、目標仕様を満足できた。また、放射効率に
ついても比較例に比べて顕著な効果が得られた。角面取
りは放射効率向上の効果が丸面取りよりも若干落ちる
が、3段面取りではほぼ丸面取りに近い放射効率が期待
できる。
【0028】本発明の他の実施例としては、基体材料を
磁性体、樹脂体、またこれらの積層基板としても良い。
ミアンダ状放射電極の屈曲部の形状を不規則に曲がった
クランク状としても良い。また電極線路の幅やスリット
の幅寸法も適宜変更ができる。また、帯域幅を広げたり
周波数調整のために放射電極あるいは基体をトリミング
する、例えば図6の先端の平行部を削ることが有効であ
る。放射電極は、台形状、階段状、曲線状等種々の形状
が考えられるが、長手方向に連続的および/または段階
的に実質的に幅を狭めながら延びるものであれば良い。
また、放射電極の一端側は必ずしも連続的に接地電極を
形成する必要はなく、非連続とした容量結合となし最終
的に接地できていれば良い。また、接地電極は最小限そ
の端面を覆い、接地面に連接して接地できていれば良い
が、基体端面からの電界の放射を抑制する効果を得るた
めには基体端部において端面とその廻りの四面を確実に
覆うように形成しておくと良い。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、小形低背化ができると
共に利得を向上させることができ、より高性能な表面実
装型アンテナが得られた。また、このアンテナを回路基
板上に実装する際は、占有面積を小さくして、さらに利
得を向上できる。よって、これを携帯電話や小型情報端
末等の通信機器に搭載した場合、機器の小形化に貢献す
ると共に、機器の姿勢に関係なく安定した通信性能を持
つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図2】図1の放射電極の展開図である。
【図3】放射電極の第2の実施例を示す展開図である。
【図4】放射電極の第3の実施例を示す展開図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図6】本発明の第5の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図7】本発明の第6の実施例を示すアンテナの斜視図
である。
【図8】本発明のアンテナを回路基板に実装した状態を
示す実装図である。
【図9】本発明のアンテナを通信機器に搭載する概念図
である。
【図10】本発明の実施例に対する一比較例を示すアン
テナの斜視図である。
【図11】従来の表面実装型アンテナの一例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D:表面実装型アンテナ、1:誘
電体基体 2A、2B、2C、2D、81、91:放射電極、3、
30、85:接地電極 4、83、93:給電電極 5:第2の接地電極 6、86、96:回路基板、80、90:誘電体基体、
10:基体の稜線 14、16:ミアンダ状放射電極の曲がり角の丸面取
部、17:ミアンダ状放射電極の曲がり角の角面取部、
18:L字状放射電極の曲がり角の丸面取部、20r、
21r、22r、23r、24r、25r、26r、2
8r、29n:放射電極の幅の広い領域、20m、21
m、22m、23m、24m、25m、26m、28
m、29l:放射電極の幅の狭い領域、60:給電電
源、61、88、98:給電線、62:接地導体 63:接地導体の境界線、64:接地導体の延長部、6
5:回路基板の露出部、82:誘電体基体の端面、8
7、87’、97:回路基板の地導体 92:誘電体基体の一側面、94:給電端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体又は磁性体よりなる直方体状の基
    体の少なくとも1つの表面に形成した略L字状もしくは
    略コ字状もしくはミアンダ状またはクランク状の屈曲し
    た部分を有する放射電極と、該放射電極に接触または非
    接触で結合し、基体の何れかの表面に形成した給電電極
    とを有する表面実装型アンテナにおいて、前記放射電極
    の屈曲部の曲がり角を丸面取りあるいは角面取りしたこ
    とを特徴とする表面実装型アンテナ。
  2. 【請求項2】 誘電体又は磁性体よりなる直方体状の基
    体の少なくとも1つの表面に前記基体の一方端から長手
    方向の他方端に向かって連続的および/または段階的に
    実質的に幅を狭めながら延びる放射電極を形成し、該放
    射電極の一方端は前記基体の端面に設けた接地電極と接
    続あるいは容量結合し、前記放射電極に接触または非接
    触で結合する給電電極を基体表面に形成した表面実装型
    アンテナであって、前記放射電極の幅の狭い領域をミア
    ンダ状の屈曲部に形成し、該屈曲部の曲がり角を丸面取
    りあるいは角面取りしたことを特徴とする表面実装型ア
    ンテナ。
  3. 【請求項3】 前記放射電極のミアンダ状屈曲部は、先
    端側に向かって電極の線路幅が狭くなることを特徴とす
    る請求項2に記載の表面実装型アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記基体の他方端の端面に、前記放射電
    極の先端とギャップを介して対向する第2の接地電極を
    設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載の表面実
    装型アンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載する表面実
    装型アンテナを回路基板に搭載した通信機器であって、
    前記放射電極が延びる基体長手方向を回路基板の地導体
    端部の境界線と並行となるようになし、且つ前記放射電
    極の先端側を地導体から遠ざけるように配置したことを
    特徴とする通信機器。
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