JP2002367433A - 導電性重合体微粒子及びその製造方法 - Google Patents

導電性重合体微粒子及びその製造方法

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JP2002367433A JP2001174712A JP2001174712A JP2002367433A JP 2002367433 A JP2002367433 A JP 2002367433A JP 2001174712 A JP2001174712 A JP 2001174712A JP 2001174712 A JP2001174712 A JP 2001174712A JP 2002367433 A JP2002367433 A JP 2002367433A
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conductive
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Atsunori Minagawa
厚紀 皆川
Fumio Takei
文雄 武井
Takeshi Ogino
健 荻野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性樹脂を多量に使用することなく優れた
導電性を発現することができる導電性重合体微粒子と、
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 粒状の重合体と、この粒状重合体の表面
を被覆する導電性樹脂材料とを有する微粒子とする。こ
の導電性重合体微粒子は、導電性樹脂材料の構成成分の
うちの少なくとも導電性樹脂を有機溶媒と混合した混合
物を、粒状重合体を生成する重合性単量体と重合開始剤
との混合液中に分散させた分散液を作り、この分散液を
水性媒体中に懸濁させ、そして重合性単量体を導電性樹
脂の共存下で懸濁重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性重合体微粒
子に関する。詳しく言えば、本発明は、ハードディスク
装置などの製造過程での電子部品の静電気破壊防止、タ
ッチパネルの製造などに用いられるほか、導電性の接着
剤、塗料、フィルムなどに使用される導電性重合体微粒
子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性重合体微粒子は、一般に、
懸濁重合などにより予め重合体微粒子を製造し、この重
合体微粒子の表面に、無電解メッキにより導電性金属の
薄膜を被覆することにより製造されている。こうして製
造された従来の導電性重合体微粒子は、重合体微粒子表
面に導電性金属薄膜を有するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
導電性重合体微粒子は、重合体微粒子そのものの製造が
必要であるのに加えて、無電解メッキによる導電性薄膜
形成に先立つ微粒子表面の活性化のための前処理や、メ
ッキ試薬などが必要で、製造コストが割高になる。
【0004】また、重合体微粒子と導電性金属の薄膜と
は、熱膨張係数や圧縮変形性の差が大きいのが普通で、
そのため上述の導電性重合体微粒子は、使用中の熱や圧
縮変形により金属の薄膜層が割れやすい、また重合体微
粒子の表面から剥離しやすい、などにより導電性が低下
することがある。
【0005】導電性材料として、金属の代わりに、近年
脚光を浴びている導電性樹脂を用いることも考えられ
る。しかし、この場合、単に導電性樹脂を均一に含有す
る樹脂材料を調製し、これを粉砕して微粒子化するとい
う方法では、微粒子に良好な導電性を持たせるために、
導電性樹脂を微粒子製造用樹脂材料全体の少なくとも数
十質量%程度含有させる必要があり、コストの面で現実
的でない。そのため、導電性材料として導電性樹脂を用
いた導電性重合体微粒子は、これまで実現されることは
なかった。
【0006】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、導電性樹脂を多量に使用
することなく優れた導電性を発現することができる導電
性重合体微粒子と、その簡便な製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、本発明の導電性重合体微粒子は、粒状の重合体
と、この粒状重合体の表面を被覆する導電性樹脂材料と
を有することを特徴とする。
【0008】本発明の導電性重合体微粒子は、導電性樹
脂材料の構成成分のうちの少なくとも導電性樹脂を有機
溶媒と混合した混合物を、粒状重合体を生成する重合性
単量体と重合開始剤との混合液中に分散させた分散液を
作り、この分散液を水性媒体中に懸濁させ、そして重合
性単量体を導電性樹脂の共存下で懸濁重合させることを
特徴とする導電性重合体微粒子製造方法により得ること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】一般に、導電性高分子あるいはポ
リマーとしても知られる物質である導電性樹脂は、微少
量のドープ剤のドープによって導電性を発現する。本発
明において粒状重合体の表面を被覆する導電性樹脂材料
は、そのような導電性樹脂とドープ剤を構成成分とする
ものである。
【0010】本発明の導電性重合体微粒子は、微粒子表
面の導電性被覆を形成する導電性樹脂材料の構成成分を
重合性単量体中に予め分散させた分散液を使って製造さ
れ、この分散液を作るのには、導電性樹脂材料の構成成
分のうちの少なくとも導電性樹脂を有機溶媒に混合した
混合物が使用される。導電性樹脂材料の構成成分のうち
のドープ剤は、導電性樹脂とともに上記混合物中に含ま
せておいてもよく、後の重合性単量体の重合開始後に加
えてもよく、あるいは一部を上記混合物中に含ませてお
き、残りを重合性単量体の重合開始後に加えるようにし
てもよい。
【0011】上記混合物において、導電性樹脂材料の構
成成分である導電性樹脂、及びそれに加えられている場
合のドープ剤は、混合物中の有機溶媒に溶解し、あるい
は分散して存在する。ここでの構成成分、すなわち導電
性樹脂、及びドープ剤を含む場合のドープ剤は、有機溶
媒への溶解度に応じて、一部が溶解し、残りが分散して
いてもよい。
【0012】導電性樹脂の具体例としては、ポリアニリ
ン及びその誘導体などが挙げられる。導電性樹脂は、重
合性単量体100質量部に対して、0.001〜10質
量部の範囲で添加される。導電性樹脂に導電性を付与す
るためのドープ剤としては、アクリル酸、スルホン酸な
どの物質を挙げることができる。ドープ剤の使用量(ド
ープ量)は、使用する導電性樹脂及びドープ剤の種類
と、導電性重合体微粒子に発現させようとする導電性に
応じて決定すべきである。
【0013】導電性樹脂材料の構成成分との混合物を作
るのに使用される有機溶媒は、一般的なものでよく、一
例としてN−メチルピロリドンなどを挙げることができ
る。有機溶媒の使用量は、導電性樹脂との混合物を重合
性単量体中に分散させるのを可能にするように選ばれ
る。
【0014】本発明で用いることのできる重合性単量体
は、線状重合体を形成するもの、架橋重合体を形成する
もの、のいずれであってもよい。線状重合体を形成する
重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル、スチレン、α−メチルスチレン、エチル
スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル
などの単官能性ビニル系単量体が挙げられる。ここでの
「(メタ)アクリル酸」などの表現は、「アクリル酸」
と「メタクリル酸」の両方を意味するものである。
【0015】架橋重合体を形成する重合性単量体の例と
しては、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンモノ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−アク
リロキシジエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性ビニ
ル系単量体が挙げられる。ここでの「(メタ)アクリレ
ート」などの表現は、「アクリレート」と「メタクリレ
ート」の両方を意味するものである。
【0016】更に、架橋重合体を形成する重合性単量体
としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジ
アリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリル
マレート、ジアリルアジペート、ジアリルグリコレー
ト、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ト
リアリルイソシアヌレート、ジビニルエーテル、ジビニ
ルスルホン、アルキレンビス(メタ)アクリルアミドな
どの多官能性ビニル系単量体が挙げられる。ここでの
「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド」と
「メタクリルアミド」の両方を意味するものである。
【0017】これらの重合性単量体は、単独で用いても
よく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の重
合性単量体を用いた場合、得られる重合体(粒状重合
体)は共重合体となる。また、重合性単量体に、例えば
それに溶解可能なポリブタジエン、ポリイソプレン、ポ
リクロロプレン、ポリエチレンなどの樹脂を少量混合し
て用い、得られる重合体を改質するようにしても差し支
えない。
【0018】導電性樹脂共存下での重合性単量体の水性
媒体中での懸濁重合は、ラジカル重合開始剤により開始
させることができる。ラジカル重合開始剤は、重合性単
量体に添加して用いることができる。ラジカル重合開始
剤としては、通常の油溶性重合開始剤を用いることがで
き、具体的な例としては、ラウロイルパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキイシイソ
ブチレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイ
ソバレロニトリルなどが挙げられる。
【0019】これらのラジカル重合開始剤は、重合性単
量体100質量部に対して、0.5〜15質量部の範囲
で使用される。0.5質量部を下回ると重合率が著しく
低下し、15質量部を上回る量の開始剤は必要ではな
い。
【0020】次に、本発明の導電性重合体微粒子の製造
を、より具体的に説明することにする。まず、導電性樹
脂材料の構成成分である導電性樹脂を有機溶媒に混合し
た第1の混合物を作る。この混合物には、導電性樹脂材
料に導電性を付与するためのドープ剤を、一部分又は全
部含ませておいてもよい。第1の混合物の調製とは別
に、第2の混合物として、重合性単量体と重合開始剤と
の混合液を作る。次いで、第1の混合物を第2の混合物
と一緒にし、前者が後者に分散した分散液を作る。
【0021】続いて、この分散液を水性媒体中に微粒子
状に懸濁させる。水性媒体としては一般に水が用いられ
る。また、この水性媒体には、通常、水溶性の懸濁安定
剤を適量溶解させるか、あるいは難水溶性の懸濁安定剤
を適量分散させて用いる。水溶性の懸濁安定剤として
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ゼラチン、メチルセルロース、ポリメタクリ
ルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキ
サイドモノステアレート、ソルビタンテトラオレエー
ト、グリセリンモノオレエート、ドデシルベンゼンスル
ホン酸などの水溶性有機化合物が用いられる。難水溶性
の懸濁安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、燐酸カルシウム、コロイダルシリカなどの難水溶性
の無機化合物が用いられる。
【0022】分散した第1の混合物を含有し、且つ重合
開始剤を含有している重合性単量体(これは実質的に第
1の混合物と第2の混合物との混合物であるが、以下で
は便宜的にこれを「重合性単量体混合物」と呼ぶことに
する)を、平均径が1〜100μm程度の微小液滴とし
て水性媒体中に懸濁させる。このような懸濁液を調製す
るには、重合性単量体混合物100質量部に対して、一
般に水性媒体200〜1000質量部を混合し、これを
攪拌羽根で高速攪拌する。攪拌羽根の攪拌速度や水性媒
体の粘度を変えることにより、懸濁液滴の径やその分布
を調節することができる。
【0023】また、別の方法として、重合性単量体混合
物を、多孔質の膜、シート、カラムなどを通過させて水
系媒体中に押し出すことにより、重合性単量体混合物の
懸濁液滴を生成させることもできる。この場合、多孔質
体の孔径や水性媒体の粘度を変えることにより、懸濁液
滴の径やその分布を調節することができる。
【0024】このようにして形成した懸濁液を加熱し、
導電性樹脂の共存下で重合性単量体を懸濁重合させる。
上記の第1の混合物の調製時にドープ剤を一部分だけ用
いるか、あるいは少しも用いなかった場合には、残りあ
るいは全部のドープ剤を、重合開始後に添加する。
【0025】重合温度は、使用するラジカル重合開始剤
の種類により異なるが、40〜100℃程度である。ま
た、重合時間は30分〜10時間程度である。
【0026】重合時に、ドープ剤入りの導電性樹脂は、
親水性の部分を持つため、水性媒体に近い側、つまり重
合性単量体混合物の液滴の表面に集中しやすくなる。そ
して重合が進むにつれ、表面に導電性樹脂材料の層(被
覆)を備えた導電性のある重合体微粒子が形成される。
この導電性重合体微粒子は、濾過あるいは遠心分離など
の手段で分離され、水などで洗浄した後、加熱あるいは
減圧などにより乾燥される。
【0027】こうして得られた導電性重合体微粒子は、
重合体微粒子の表面部に導電性樹脂材料が集中し、この
導電性樹脂材料によって重合体微粒子の全面が被覆され
ている。そして、この導電性樹脂材料の被覆層は、重合
体微粒子の表面部に強固に固定されているので、熱や圧
縮変形を受けても、割れたり剥離したりすることが防止
される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0029】(実施例1)まず、ポリアニリンをN−メ
チルピロリドンに溶解させ、1質量%ポリアニリン溶液
を得た。この溶液2.7質量部に、ドープ剤としてアク
リル酸0.5質量部を混合し、ポリアニリンの青色がド
ープにより緑色に変化すること(導電性樹脂のポリアニ
リンが導電性を獲得したこと)を確認した。
【0030】次に、下記のものをホモジナイザで撹拌、
混合して単量体相とした。 スチレンモノマ 46.0質量部 アクリル酸n−ブチルモノマ 7.5質量部 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル) 2.3質量部 上記の1質量%ポリアニリン溶液とアクリル酸の混合物
3.2質量部
【0031】これとは別に、下記のものを混合して水系
媒体とした。 イオン交換水 600質量部 リン酸三カルシウム 12質量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.006質
量部
【0032】単量体相を水系媒体に投入し、ヒスコトロ
ン(エスエムテー社製)を用いて10000rpmで3
0分撹拌して懸濁液滴を形成した。更に、液滴の合一を
防止するために100rpmでゆっくり撹拌しながら、
70℃で合計6時間保持して重合を行った。
【0033】得られた粒子の平均粒径は10μm程度で
あり、切片を顕微鏡で観察したところ、粒子内部は無色
透明で、表面部分だけが緑色であり、ドープされたポリ
アニリンが粒子表面部分に集中して存在し固定されてい
ることが確かめられた。
【0034】続いて、粒子表面を水で洗浄し、平面に薄
く広げて乾燥して、緑色の微粒子が薄いペレット状に凝
集したものを得た。このペレットについて、電気抵抗測
定装置(アドバンテスト社製)により抵抗を測定し、抵
抗率を算出した。抵抗率は107Ω・cm程度であり、
導電性は良好であった。
【0035】(比較例1)単量体相として、下記に示す
成分からなり、導電性樹脂材料としてのドープ剤入りポ
リアニリンを含まない単量体相を用いる以外は実施例1
と同様にして、無色透明で平均粒径10μm程度の微粒
子が薄いペレット状に凝集したものを得た。 スチレンモノマ 46.0質量部 アクリル酸n−ブチルモノマ 7.5質量部 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル) 2.3質量部 N−メチルピロリドン 2.7質量部 アクリル酸 0.5質量部
【0036】得られたペレットについて実施例1と同様
に抵抗率を算出したところ、1014Ω・cm程度であっ
た。
【0037】(比較例2)単量体相として、下記に示す
成分からなり、導電性樹脂材料としてのドープ剤入りポ
リアニリンを含まない単量体相を用いる以外は実施例1
と同様にして、無色透明で平均粒径10μm程度の重合
体微粒子を得た。 スチレンモノマ 46.0質量部 アクリル酸n−ブチルモノマ 7.5質量部 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル) 2.3質量部 N−メチルピロリドン 2.7質量部 アクリル酸 0.5質量部
【0038】別に、実施例1で用いたのと同じ1質量%
ポリアニリン溶液にメタクリル酸を加え、生成したポリ
アニリンの沈殿(緑色)を分離、乾燥した。
【0039】重合体微粒子を180℃で溶融させ、上記
のポリアニリンの沈殿0.027質量部を加えて混練
し、薄くて、緑色がかった透明のペレット状のものを得
た。このペレットについて、実施例1と同様に抵抗率を
算出したところ、1014Ω・cm程度であった。
【0040】(比較例3)実施例1で得られた微粒子を
180℃で溶融させ、混練して、薄くて緑色がかった透
明のペレット状にしたものを得た。このペレットについ
て、実施例1と同様に抵抗率を算出したところ、1014
Ω・cm程度であった。
【0041】(実施例2)下記に示すとおりにアクリル
酸と混合していない1質量%ポリアニリン溶液を使って
調製した単量体相を用いる以外は、実施例1と同様にし
て70℃で懸濁重合を開始した。 スチレンモノマ 46.0質量部 アクリル酸n−ブチルモノマ 7.5質量部 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル) 2.3質量部 1質量%ポリアニリン溶液 2.7質量部
【0042】重合開始30分後にアクリル酸0.5質量
部を滴下し、懸濁液が青色から緑色に変化することを確
かめた。懸濁液を70℃で合計6時間保持して重合を行
った。得られた粒子の平均粒径は10μm程度であり、
切片を顕微鏡で観察したところ、粒子内部は無色透明
で、表面部分だけが緑色であり、ドープされたポリアニ
リンが粒子表面部分に集中して存在し固定されているこ
とが確かめられた。
【0043】続いて、粒子表面を水で洗浄し、平面に薄
く広げて乾燥して、緑色の微粒子が薄いペレット状に凝
集したものを得た。このペレットについて、実施例1と
同様に抵抗率を算出したところ、107Ω・cm程度で
あり、導電性は良好であった。
【0044】本発明は、以上説明したとおりであるが、
その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりで
ある。 (付記1)粒状の重合体と、この粒状重合体の表面を被
覆する導電性樹脂材料とを有することを特徴とする導電
性重合体微粒子。 (付記2)前記導電性樹脂材料がドープ剤をドープされ
たポリアニリン又はその誘導体である、付記1記載の導
電性重合体微粒子。 (付記3)前記ドープ剤がアクリル酸又はスルホン酸で
ある、付記2記載の導電性重合体微粒子。 (付記4)導電性樹脂材料の構成成分のうちの少なくと
も導電性樹脂を有機溶媒と混合した混合物を、粒状重合
体を生成する重合性単量体と重合開始剤との混合液中に
分散させた分散液を作り、この分散液を水性媒体中に懸
濁させ、そして重合性単量体を導電性樹脂の共存下で懸
濁重合させることを特徴とする導電性重合体微粒子の製
造方法。 (付記5)前記導電性樹脂に導電性を付与するための、
前記導電性樹脂材料の構成成分としてのドープ剤を、当
該導電性樹脂とともに前記有機溶媒と混合する、付記4
記載の方法。 (付記6)前記導電性樹脂に導電性を付与するための、
前記導電性樹脂材料の構成成分としてのドープ剤を、前
記懸濁重合の開始後に加える、付記4記載の方法。 (付記7)前記導電性樹脂に導電性を付与するための、
前記導電性樹脂材料の構成成分としてのドープ剤の一部
分を当該導電性樹脂とともに前記有機溶媒と混合し、当
該ドープ剤の残りを前記懸濁重合の開始後に加える、付
記4記載の方法。 (付記8)前記導電性樹脂がポリアニリン又はその誘導
体である、付記4から7までのいずれか一つに記載の方
法。 (付記9)前記ドープ剤がアクリル酸又はスルホン酸で
ある、付記5から7までのいずれか一つに記載の方法。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、導
電性樹脂を多量に使用することなく、導電性に優れた重
合体微粒子の利用が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 13/00 501 H01B 13/00 501Z (72)発明者 荻野 健 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA17 AA18 AA20 AA28 AA30 AA32 AA34 AC84 AD06 AD07 AE06 DA44 DA47 DB06 DC02 DC05 4J011 CA01 DA03 JA02 JA03 JA04 JA06 JA07 JA08 JA13 JB26 PA83 PB18 PB27 PC07 4J026 AB33 AC26 AC29 BA05 BA10 BA20 BA26 BA27 BA31 BB02 DB03 EA06 FA03 FA07 FA09 GA06 5G307 AA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状の重合体と、この粒状重合体の表面
    を被覆する導電性樹脂材料とを有することを特徴とする
    導電性重合体微粒子。
  2. 【請求項2】 前記導電性樹脂材料がドープ剤をドープ
    されたポリアニリン又はその誘導体である、請求項1記
    載の導電性重合体微粒子。
  3. 【請求項3】 導電性樹脂材料の構成成分のうちの少な
    くとも導電性樹脂を有機溶媒と混合した混合物を、粒状
    重合体を生成する重合性単量体と重合開始剤との混合液
    中に分散させた分散液を作り、この分散液を水性媒体中
    に懸濁させ、そして重合性単量体を導電性樹脂の共存下
    で懸濁重合させることを特徴とする導電性重合体微粒子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記導電性樹脂に導電性を付与するため
    の、前記導電性樹脂材料の構成成分としてのドープ剤
    を、当該導電性樹脂とともに前記有機溶媒と混合する、
    請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記導電性樹脂に導電性を付与するため
    の、前記導電性樹脂材料の構成成分としてのドープ剤
    を、前記懸濁重合の開始後に加える、請求項3記載の方
    法。
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