JP2002365466A - 光ファイバ接続方法 - Google Patents

光ファイバ接続方法

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JP2002365466A
JP2002365466A JP2001169929A JP2001169929A JP2002365466A JP 2002365466 A JP2002365466 A JP 2002365466A JP 2001169929 A JP2001169929 A JP 2001169929A JP 2001169929 A JP2001169929 A JP 2001169929A JP 2002365466 A JP2002365466 A JP 2002365466A
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Japan
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optical fiber
heating
connection loss
measurement
connection
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JP2001169929A
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Motonori Nakamura
元宣 中村
Osamu Kakazu
修 嘉数
Daisuke Yokota
大介 横田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温における接続損失を充分に低減すること
ができる光ファイバ接続方法を提供する。 【解決手段】 融着工程(ステップS101)では各光ファ
イバの端面が融着される。条件設定工程(ステップS10
2)では設定値α0の値が設定される。その後、加熱工程
(ステップS103)、測定工程(ステップS104)および終
了判定工程(ステップS105)が繰り返し行われる。加熱
工程では融着接続点を含む領域が一定の加熱条件の下に
加熱される。測定工程では接続損失が測定される。終了
判定工程では、測定工程において測定された接続損失α
nと、条件設定工程において設定された設定値α0とが大
小比較されて、接続損失αnが設定値α0以下となれば、
上記交互実施を終了すべきであると判定されて、光ファ
イバ接続作業は終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1の光ファイバ
および第2の光ファイバそれぞれの端面を融着して接続
する光ファイバ接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の光ファイバと第2の光ファイバと
を接続する方法として、コネクタ接続と融着接続とがあ
る。融着接続は、第1の光ファイバおよび第2の光ファ
イバそれぞれの端面を融着して接続するものであって、
コネクタ接続と比較して接続損失が小さく信頼性が高
い。したがって、一般に融着接続が採用される場合が多
い。しかし、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバ
それぞれのモードフィールド径が異なる場合(例えば、
一方がシングルモード光ファイバであって、他方が分散
補償光ファイバである場合)や、融着により第1の光フ
ァイバおよび第2の光ファイバの何れかのモードフィー
ルド径が局所的に変化している場合には、両者の間の接
続損失は必ずしも充分には小さくない。
【0003】そこで、融着工程の後の加熱工程におい
て、各光ファイバに添加されている添加物を拡散させ
て、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれ
の接続点におけるモードフィールド径の差を小さくし、
或いは、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれ
ぞれの接続点の近傍領域におけるモードフィールド径の
変化を緩やかにして、これにより、接続損失を低減する
ことが行われている。また、例えば、特開平5−215
931号公報や特開平7−248423号公報には、こ
の加熱工程の際に同時に接続損失を測定し、この測定さ
れた接続損失が所定値以下になった時点で加熱工程を終
了することで、接続損失を所定値以下まで確実に低減す
ることができる旨が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願発
明者は、上記公報に記載されたような方法では接続損失
を所定値以下まで低減できない場合があることを見出し
た。すなわち、測定された接続損失が所定値以下になっ
た時点で直ちに加熱工程を終了したとしても、その終了
の直前の加熱時に測定された接続損失と、終了後に室温
で測定された接続損失とは、必ずしも一致しない。この
ような不一致が生じる理由は、加熱時と室温時とで、各
光ファイバを構成する元素の熱振動の様子が異なること
から、屈折率が異なり、それ故、モードフィールド径が
異なるからであると考えられる。そして、このような不
一致があることから、室温における接続損失を充分に低
減することは困難である。
【0005】本発明は、このような本願発明者の知見に
基づいて上記問題点を解消する為になされたものであ
り、室温における接続損失を充分に低減することができ
る光ファイバ接続方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光ファイバ
接続方法は、第1の光ファイバおよび第2の光ファイバ
それぞれの端面を融着して接続する方法であって、(1)
第1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端
面を融着する融着工程と、(2) 融着工程において融着さ
れた第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続
点を含む領域を加熱する加熱工程と、(3) 加熱工程と交
互に行われ、融着工程において融着された第1の光ファ
イバと第2の光ファイバとの間の接続損失を測定する測
定工程と、(4) 測定工程において測定された接続損失の
値に基づいて、加熱工程および測定工程の交互実施を終
了するか否かを判定する終了判定工程と、を備えること
を特徴とする。そして、本発明に係る光ファイバ接続方
法は、上記交互実施を終了すべきであると終了判定工程
において判定された場合に交互実施を終了することを特
徴とする。
【0007】本発明によれば、融着工程において、 第
1の光ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面
が融着され、その後に、加熱工程と測定工程との交互実
施が行われる。加熱工程では、融着工程において融着さ
れた第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続
点を含む領域が加熱される。測定工程では、融着工程に
おいて融着された第1の光ファイバと第2の光ファイバ
との間の接続損失が測定される。また、終了判定工程で
は、測定工程において測定された接続損失の値に基づい
て、加熱工程および測定工程の交互実施を終了するか否
かが判定される。そして、上記交互実施を終了すべきで
あると終了判定工程において判定された場合に、交互実
施が終了し、光ファイバ接続作業が終了する。このよう
にすることにより、室温における接続損失が充分に低減
されることになる。
【0008】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、終了判定工程において、測定工程において測定され
た接続損失が設定値以下になれば交互実施を終了すべき
であると判定することを特徴とする。或いは、終了判定
工程において、測定工程において測定された接続損失と
前回測定時の接続損失との差分が設定値以下になれば交
互実施を終了すべきであると判定することを特徴とす
る。これら何れの場合にも、室温における接続損失が充
分に低減される上で好適である。
【0009】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、終了判定工程を所定回数範囲のみで行うことを特徴
とする。この場合には、接続損失が極小値となる繰り返
し回数nの値が複数存在するような場合に好適である。
すなわち、これら複数のn値のうち、接続損失が最小値
(または、最小値でなくとも充分に小さい極小値)とな
るn値を含む範囲でのみ、上記のような終了判定工程を
行うことで、室温における接続損失が充分に低減される
ことになる。
【0010】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、第1回目の加熱工程における加熱時間が第2回目以
降の加熱工程における加熱時間より長いことを特徴とす
る。この場合には、全体として短時間に所望の接続損失
に達することができる。
【0011】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、測定工程において測定された接続損失の値に基づい
て以降の加熱工程の際の加熱条件を変更するか否かを判
定する変更判定工程を更に備え、この変更判定工程にお
いて加熱条件を変更すべきであると判定された場合に以
降の加熱工程における加熱条件を変更することを特徴と
する。この場合には、繰り返し回数に応じて加熱工程に
おける加熱条件が変更されることで、光ファイバ接続作
業に要する全体の時間が短縮される。
【0012】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、変更判定工程において、測定工程において測定され
た接続損失が設定値以下になれば加熱条件を変更すべき
であると判定することを特徴とする。或いは、変更判定
工程において、測定工程において測定された接続損失と
前回測定時の接続損失との差分が設定値以下になれば加
熱条件を変更すべきであると判定することを特徴とす
る。これら何れの場合にも、繰り返し回数に応じて加熱
工程における加熱条件が変更される上で好適である。
【0013】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、変更判定工程を所定回数範囲のみで行うことを特徴
とする。この場合には、接続損失が極小値となる繰り返
し回数nの値が複数存在するような場合に好適である。
すなわち、これら複数のn値のうち、接続損失が小さく
なるn値を含む範囲でのみ、上記のような変更判定工程
を行うことで、室温における接続損失が充分に低減され
ることになる。
【0014】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、変更判定工程において加熱条件を変更すべきである
との判定を複数回行うことを特徴とする。この場合に
は、加熱回数に対する接続損失の変化の様子が更に複雑
である場合に好適である。
【0015】また、本発明に係る光ファイバ接続方法
は、変更判定工程において加熱条件を変更すべきである
と判定された場合に、以降の加熱工程において加熱温度
を下げ、或いは、以降の加熱工程において加熱時間を短
くし、或いは、以降の加熱工程において加熱温度を下げ
るとともに加熱時間を短くするのが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0017】先ず、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法が適用される光ファイバ接続装置10の概略構成につ
いて説明する。図1は、光ファイバ接続装置10の概略
構成図である。この図に示される光ファイバ接続装置1
0は、保持部11,12、加熱源21,22、光源部3
1および受光部32を備える。
【0018】保持部11は第1の光ファイバ1を保持
し、保持部12は第2の光ファイバ2を保持する。この
とき、光ファイバ1の一方の端面1aと、光ファイバ2
の一方の端面2aとは、互いに対向するように各々が配
置される。また、光ファイバ1の他方の端面1bに光源
部31が接続され、光ファイバ2の他方の端面2bに受
光部32が接続される。これにより、光源部31より出
力された光は光ファイバ1の他方の端面1bへ入射し、
また、光ファイバ2の他方の端面2bより光が出射され
れば該出射光は受光部32により受光される。なお、第
1の光ファイバ1および第2の光ファイバ2それぞれ
は、シングルモード光ファイバ、分散補償光ファイバ、
分散シフト光ファイバ、希土類元素添加光ファイバ等、
任意である。
【0019】そして、融着工程では、光ファイバ1の端
面1aと光ファイバ2の端面2aとは、加熱源21,2
2により加熱・溶融されて接続される。この融着工程で
用いられる加熱源21,22は、接続点を挟んで設けら
れた一対の電極である。この一対の電極の間のアーク放
電により、光ファイバ1の端面1aと光ファイバ2の端
面2aとは融着接続される。
【0020】融着工程の後に行われる加熱工程では、融
着工程において融着された光ファイバ1と光ファイバ2
との間の接続点を含む領域が加熱される。これにより、
光ファイバ1および光ファイバ2それぞれに添加されて
いる添加物が拡散されて、光ファイバ1および光ファイ
バ2それぞれの接続点におけるモードフィールド径が変
化し、これにより、接続損失が変化する。この加熱工程
で用いられる加熱源21,22は、上記のような一対の
電極であってもよいし、バーナやヒータであってもよ
い。
【0021】融着工程において融着された光ファイバ1
と光ファイバ2との間の接続損失を測定する測定工程
は、加熱工程と交互に行われる。すなわち、測定工程に
おいて接続損失が測定されているときには、加熱工程は
行われず、各光ファイバは室温となる。加熱工程におい
て光ファイバ1と光ファイバ2との間の接続点を含む領
域が加熱されているときには、接続損失の測定は不要で
ある。なお、接続損失の測定は、光源部31より一定強
度の光を光ファイバ1の端面1bに入射させ、そのとき
に光ファイバ2の端面2bより出射された光の強度を受
光部32により検出することで行われる。
【0022】図2は、図1に示された光ファイバ接続装
置10を用いて融着工程の後に一定条件での加熱工程と
測定工程とを交互に実施した場合の接続損失の変化の様
子を示すグラフである。各回の加熱工程では、一定の加
熱時間とし、一定の加熱温度とした。また、測定工程に
おいて接続損失が測定されただけでなく、加熱工程の最
中においても接続損失が測定された。この図に示される
ように、加熱工程の際に測定された接続損失は、第50
回目程度の加熱工程の際に最小となった。これに対し
て、測定工程の際に測定された接続損失は、第40回目
程度の加熱工程の前後に最小となった。この図2から判
るように、従来の場合のように、加熱工程の際に測定さ
れた接続損失が最小値0.15dBとなった時点で加熱
工程を終了するとすれば、終了後の室温での接続損失は
2倍の0.3dBにもなる。本発明は、このような本願
発明者の知見に基づいてなされたものである。
【0023】(第1実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第1実施形態について説明する。図3
は、第1実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第1実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS101)、条件設定工程
(ステップS102)、加熱工程(ステップS103)、測定工
程(ステップS104)および終了判定工程(ステップS10
5)を含む。
【0024】融着工程(ステップS101)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS102)では、後の
終了判定工程(ステップS105)の際に用いられる設定値
α0の値が設定される。その後、加熱工程(ステップS10
3)、測定工程(ステップS104)および終了判定工程
(ステップS105)が繰り返し行われる。
【0025】加熱工程(ステップS103)では、融着工程
(ステップS101)において融着された第1の光ファイバ
と第2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が一定の
加熱条件の下に加熱される。続く測定工程(ステップS1
04)では、融着工程(ステップS101)において融着され
た第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続損
失が測定される。第n回目の測定工程(ステップS104)
で測定された接続損失の値をαnとする。
【0026】終了判定工程(ステップS105)では、測定
工程(ステップS104)において測定された接続損失αn
と、条件設定工程(ステップS102)において設定された
設定値α0とが大小比較されて、加熱工程(ステップS10
3)および測定工程(ステップS104)の交互実施を終了
するか否かが判定される。すなわち、接続損失αnが設
定値α0以下となれば、上記交互実施を終了すべきであ
ると判定されて、光ファイバ接続作業は終了する。一
方、接続損失αnが設定値α0超であれば、上記交互実施
が継続されるべく、前の加熱工程(ステップS103)に戻
る。
【0027】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法では、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失が設定値以下とな
れば光ファイバ接続作業は終了する。したがって、測定
工程において測定される接続損失の値は、実際に使用さ
れる環境下のものとなるので、室温における接続損失が
充分に低減されることになる。
【0028】次に、第1実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ、
融着工程後における接続損失は1.10dBであった。
加熱工程では、バーナが用いられ、プロパンガス(供給
量20cc/分)および酸素ガス(供給量30cc/
分)の混合ガスがバーナに供給された。各回の加熱工程
では20秒間の加熱が行われた。或る回の加熱工程と次
の回の加熱工程との間の時間間隔は10秒であり、この
間に測定工程および終了判定工程が行われた。設定値α
0は0.20dBとされた。そして、測定された接続損
失αnが設定値α0以下になるまで、加熱工程、測定工程
および終了判定工程が繰り返し行われた。その結果、繰
り返し回数nが32となったところで、測定された接続
損失α nが設定値α0以下になり、光ファイバ接続作業が
終了した。条件設定工程終了以降に要した時間は950
秒であった。
【0029】(第2実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第2実施形態について説明する。図4
は、第2実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第2実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS201)、条件設定工程
(ステップS202)、初期測定工程(ステップS203)、加
熱工程(ステップS204)、測定工程(ステップS205)お
よび終了判定工程(ステップS206)を含む。
【0030】融着工程(ステップS201)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS202)では、後の
終了判定工程(ステップS206)の際に用いられる設定値
Δα0の値が設定される。また、初期測定工程(ステッ
プS203)では、融着工程(ステップS201)において融着
された第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接
続損失α0が測定される。その後、加熱工程(ステップS
204)、測定工程(ステップS205)および終了判定工程
(ステップS206)が繰り返し行われる。
【0031】加熱工程(ステップS204)では、融着工程
(ステップS201)において融着された第1の光ファイバ
と第2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が一定の
加熱条件の下に加熱される。続く測定工程(ステップS2
05)では、融着工程(ステップS201)において融着され
た第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続損
失が測定される。第n回目の測定工程(ステップS205)
で測定された接続損失の値をαnとする。
【0032】終了判定工程(ステップS206)では、直前
の測定工程(ステップS205)において測定された接続損
失αnと、前回の測定工程(ステップS205)において測
定された接続損失αn-1との差分Δαn(=αn-1−αn
が求められる。なお、第1回目(n=1)のときには、
第1回の測定工程(ステップS205)において測定された
接続損失α1と、初期測定工程(ステップS203)におい
て測定された接続損失α0との差分Δα1(=α0−α1
が求められる。そして、この差分Δαnの値に基づい
て、加熱工程(ステップS204)および測定工程(ステッ
プS205)の交互実施を終了するか否かが判定される。す
なわち、差分Δαnが設定値Δα0以下となれば、上記交
互実施を終了すべきであると判定されて、光ファイバ接
続作業は終了する。一方、差分Δαnが設定値Δα0超で
あれば、上記交互実施が継続されるべく、前の加熱工程
(ステップS204)に戻る。
【0033】本実施形態に係る光ファイバ接続方法は、
接続損失が極小値となる回数nの付近では、接続損失の
低下速度が小さくなり、上記差分Δαnの値が小さくな
ることを利用したものである。すなわち、上記差分Δα
nの値が設定値Δα0以下となれば、接続損失が極小値と
なる回数nの付近に達したと判断されて、上記交互実施
を終了すべきであると判定される。
【0034】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法では、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失と前回測定時の接
続損失との差分が設定値以下となれば光ファイバ接続作
業は終了する。したがって、測定工程において測定され
る接続損失の値は、実際に使用される環境下のものとな
るので、室温における接続損失が充分に低減されること
になる。
【0035】次に、第2実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。初期測定工程で得られた接続損失α0は1.10d
Bであった。加熱工程では、バーナが用いられ、プロパ
ンガス(供給量20cc/分)および酸素ガス(供給量
30cc/分)の混合ガスがバーナに供給された。各回
の加熱工程では20秒間の加熱が行われた。或る回の加
熱工程と次の回の加熱工程との間の時間間隔は10秒で
あり、この間に測定工程および終了判定工程が行われ
た。設定値Δα0は0.01dBとされた。そして、測
定された差分Δαnが設定値Δα0以下になるまで、加熱
工程、測定工程および終了判定工程が繰り返し行われ
た。その結果、繰り返し回数nが33となったところ
で、測定された差分Δαnが設定値Δα0以下になり、光
ファイバ接続作業が終了した。条件設定工程終了以降に
要した時間は980秒であった。また、最終的に得られ
た接続損失α33は0.19dBであった。
【0036】また、他の実施例では、第1および第2の
光ファイバそれぞれとして互いに同種の分散補償光ファ
イバが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。初期測定工程で得られた接続損失α0は0.90d
Bであった。加熱工程では、バーナが用いられ、プロパ
ンガス(供給量20cc/分)および酸素ガス(供給量
30cc/分)の混合ガスがバーナに供給された。各回
の加熱工程では20秒間の加熱が行われた。或る回の加
熱工程と次の回の加熱工程との間の時間間隔は10秒で
あり、この間に測定工程および終了判定工程が行われ
た。設定値Δα0は0.01dBとされた。そして、測
定された差分Δαnが設定値Δα0以下になるまで、加熱
工程、測定工程および終了判定工程が繰り返し行われ
た。その結果、繰り返し回数nが4となったところで、
測定された差分Δαnが設定値Δα0以下になり、光ファ
イバ接続作業が終了した。条件設定工程終了以降に要し
た時間は110秒であった。また、最終的に得られた接
続損失α4は0.17dBであった。
【0037】(第3実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第3実施形態について説明する。図5
は、第3実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第3実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS301)、条件設定工程
(ステップS302)、初期測定工程(ステップS303)、前
段加熱工程(ステップS304)、前段測定工程(ステップ
S305)、回数判定工程(ステップS306)、後段加熱工程
(ステップS307)、後段測定工程(ステップS308)およ
び終了判定工程(ステップS309)を含む。
【0038】融着工程(ステップS301)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS302)では、後の
終了判定工程(ステップS309)の際に用いられる設定値
Δα0の値が設定され、また、後の回数判定工程(ステ
ップS306)の際に用いられる設定値Nの値が設定され
る。また、初期測定工程(ステップS303)では、融着工
程(ステップS301)において融着された第1の光ファイ
バと第2の光ファイバとの間の接続損失α0が測定され
る。
【0039】その後、前段加熱工程(ステップS304)、
前段測定工程(ステップS305)および回数判定工程(ス
テップS306)が、回数判定工程において繰り返し回数n
がNに達したと判断されるまで繰り返し行われる。さら
に、その後、後段加熱工程(ステップS307)、後段測定
工程(ステップS308)および終了判定工程(ステップS3
09)が、終了判定工程において終了すべきであると判定
されるまで繰り返し行われる。
【0040】前段加熱工程(ステップS304)および後段
加熱工程(ステップS307)それぞれでは、融着工程(ス
テップS301)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が一定の加熱
条件の下に加熱される。前段測定工程(ステップS305)
および後段測定工程(ステップS308)それぞれでは、融
着工程(ステップS301)において融着された第1の光フ
ァイバと第2の光ファイバとの間の接続損失が測定され
る。前段および後段を通じて第n回目(ただし、n≧
N)の測定工程(ステップS308)で測定された接続損失
の値をαnとする。
【0041】終了判定工程(ステップS309)では、直前
の測定工程(ステップS308)において測定された接続損
失αnと、前回の測定工程(ステップS308)において測
定された接続損失αn-1との差分Δαn(=αn-1−αn
が求められる。そして、この差分Δαnの値に基づい
て、加熱工程(ステップS307)および測定工程(ステッ
プS308)の交互実施を終了するか否かが判定される。す
なわち、差分Δαnが設定値Δα0以下となれば、上記交
互実施を終了すべきであると判定されて、光ファイバ接
続作業は終了する。一方、差分Δαnが設定値Δα0超で
あれば、上記交互実施が継続されるべく、前の加熱工程
(ステップS307)に戻る。
【0042】本実施形態に係る光ファイバ接続方法は、
接続損失が極小値となる回数nの付近では、接続損失の
低下速度が小さくなり、上記差分Δαnの値が小さくな
ることを利用したものである。すなわち、上記差分Δα
nの値が設定値Δα0以下となれば、接続損失が極小値と
なる回数nの付近に達したと判断されて、上記交互実施
を終了すべきであると判定される。
【0043】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法でも、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失と前回測定時の接
続損失との差分が設定値以下となれば光ファイバ接続作
業は終了する。したがって、測定工程において測定され
る接続損失の値は、実際に使用される環境下のものとな
るので、室温における接続損失が充分に低減されること
になる。
【0044】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、回数判定工程(ステップS306)が設けられること
により、接続損失が極小値となる繰り返し回数nの値が
複数存在するような場合に好適である。すなわち、これ
ら複数のn値のうち、接続損失が最小値(または、最小
値でなくとも充分に小さい極小値)となるn値を含む範
囲でのみ、上記のような終了判定工程を行うことで、室
温における接続損失が充分に低減されることになる。
【0045】(第4実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第4実施形態について説明する。図6
は、第4実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第4実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS401)、条件設定工程
(ステップS402)、第1回加熱工程(ステップS403)、
第1回測定工程(ステップS404)、加熱工程(ステップ
S405)、測定工程(ステップS406)および終了判定工程
(ステップS407)を含む。
【0046】融着工程(ステップS401)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS402)では、後の
終了判定工程(ステップS407)の際に用いられる設定値
Δα0の値が設定される。その後、第1回加熱工程(ス
テップS403)および第1回測定工程(ステップS404)が
行われ、更にその後、加熱工程(ステップS405)、測定
工程(ステップS406)および終了判定工程(ステップS4
07)が繰り返し行われる。
【0047】第1回加熱工程(ステップS403)および第
2回目以降の加熱工程(ステップS405)それぞれでは、
融着工程(ステップS401)において融着された第1の光
ファイバと第2の光ファイバとの間の接続点を含む領域
が一定の加熱条件の下に加熱される。ただし、第1回加
熱工程は、第2回目以降の加熱工程と比較して、比較的
長時間行われる。また、第1回加熱工程における加熱時
間は、室温での接続損失が最小値(または、、最小値で
なくとも充分に小さい極小値)となる時間より短い時間
とされる。第1回測定工程(ステップS404)および第2
回目以降の測定工程(ステップS406)それぞれでは、融
着工程(ステップS401)において融着された第1の光フ
ァイバと第2の光ファイバとの間の接続損失が測定され
る。第n回目の測定工程(ステップS404,S406)で測定
された接続損失の値をαnとする。
【0048】終了判定工程(ステップS407)では、直前
の測定工程(ステップS406)において測定された接続損
失αnと、前回の測定工程(ステップS406またはS404)
において測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=α
n-1−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値
に基づいて、加熱工程(ステップS405)および測定工程
(ステップS406)の交互実施を終了するか否かが判定さ
れる。すなわち、差分Δαnが設定値Δα0以下となれ
ば、上記交互実施を終了すべきであると判定されて、光
ファイバ接続作業は終了する。一方、差分Δαnが設定
値Δα0超であれば、上記交互実施が継続されるべく、
前の加熱工程(ステップS405)に戻る。
【0049】本実施形態に係る光ファイバ接続方法は、
接続損失が極小値となる回数nの付近では、接続損失の
低下速度が小さくなり、上記差分Δαnの値が小さくな
ることを利用したものである。すなわち、上記差分Δα
nの値が設定値Δα0以下となれば、接続損失が極小値と
なる回数nの付近に達したと判断されて、上記交互実施
を終了すべきであると判定される。
【0050】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法では、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失と前回測定時の接
続損失との差分が設定値以下となれば光ファイバ接続作
業は終了する。したがって、測定工程において測定され
る接続損失の値は、実際に使用される環境下のものとな
るので、室温における接続損失が充分に低減されること
になる。
【0051】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、第1回加熱工程が比較的長時間に亘って連続して
行われることにより、全体として短時間に所望の接続損
失に達することができる。
【0052】次に、第4実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。加熱工程では、バーナが用いられ、プロパンガス
(供給量20cc/分)および酸素ガス(供給量30c
c/分)の混合ガスがバーナに供給された。第1回加熱
工程は500秒間に亘って連続して加熱が行われ、第2
回目以降の加熱工程では20秒間の加熱が行われた。或
る回の加熱工程と次の回の加熱工程との間の時間間隔は
10秒であり、この間に測定工程および終了判定工程が
行われた。設定値Δα0は0.01dBとされた。そし
て、測定された差分Δαnが設定値Δα0以下になるま
で、加熱工程、測定工程および終了判定工程が繰り返し
行われた。その結果、繰り返し回数n(第1回加熱工程
を含む回数)が5となったところで、測定された差分Δ
αnが設定値Δα0以下になり、光ファイバ接続作業が終
了した。条件設定工程終了以降に要した時間は610秒
であった。また、最終的に得られた接続損失α5は0.
19dBであった。
【0053】(第5実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第5実施形態について説明する。図7
は、第5実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第5実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS501)、条件設定工程
(ステップS502)、前段加熱工程(ステップS503)、前
段測定工程(ステップS504)、変更判定工程(ステップ
S505)、後段加熱工程(ステップS506)、後段測定工程
(ステップS507)および終了判定工程(ステップS508)
を含む。
【0054】融着工程(ステップS501)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS502)では、後の
変更判定工程(ステップS505)の際に用いられる設定値
α01の値が設定され、また、後の終了判定工程(ステッ
プS508)の際に用いられる設定値α02の値が設定され
る。ただし、α01≧α02 である。
【0055】その後、前段加熱工程(ステップS503)、
前段測定工程(ステップS504)および変更判定工程(ス
テップS505)が、変更判定工程において所定条件が満た
されたと判断されるまで繰り返し行われる。さらに、そ
の後、後段加熱工程(ステップS506)、後段測定工程
(ステップS507)および終了判定工程(ステップS508)
が、終了判定工程において終了すべきであると判定され
るまで繰り返し行われる。
【0056】前段加熱工程(ステップS503)および後段
加熱工程(ステップS506)それぞれでは、融着工程(ス
テップS501)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が一定の加熱
条件の下に加熱される。前段加熱工程(ステップS503)
と比べて、後段加熱工程(ステップS506)では、加熱温
度が低く、或いは、加熱時間が短い。また、後段加熱工
程(ステップS506)では、加熱温度が低く且つ加熱時間
が短いのも好適である。
【0057】前段測定工程(ステップS504)および後段
測定工程(ステップS507)それぞれでは、融着工程(ス
テップS501)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続損失が測定される。前段お
よび後段を通じて第n回目の測定工程(ステップS504,
S507)で測定された接続損失の値をαnとする。
【0058】変更判定工程(ステップS505)では、直前
の前段測定工程(ステップS504)において測定された接
続損失αnと、条件設定工程(ステップS502)において
設定された設定値α01とが大小比較されて、前段加熱工
程(ステップS503)および前段測定工程(ステップS50
4)の交互実施を終了するか否かが判定される。すなわ
ち、接続損失αnが設定値α01以下となれば、上記交互
実施を終了すべきであると判定されて、次の後段加熱工
程(ステップS506)に進む。一方、接続損失αnが設定
値α01超であれば、上記交互実施が継続されるべく、前
の前段加熱工程(ステップS503)に戻る。
【0059】終了判定工程(ステップS508)では、直前
の後段測定工程(ステップS507)において測定された接
続損失αnと、条件設定工程(ステップS502)において
設定された設定値α02とが大小比較されて、後段加熱工
程(ステップS506)および後段測定工程(ステップS50
7)の交互実施を終了するか否かが判定される。すなわ
ち、接続損失αnが設定値α02以下となれば、上記交互
実施を終了すべきであると判定されて、光ファイバ接続
作業は終了する。一方、接続損失αnが設定値α0 2超で
あれば、上記交互実施が継続されるべく、前の後段加熱
工程(ステップS506)に戻る。
【0060】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法でも、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失に基づいて光ファ
イバ接続作業を終了すべきか否かが判定される。したが
って、測定工程において測定される接続損失の値は、実
際に使用される環境下のものとなるので、室温における
接続損失が充分に低減されることになる。
【0061】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、接続損失が設定値α01以下となるまで行われる前
段加熱工程では、後段加熱工程と比べて、加熱温度が高
く或いは加熱時間が長いので、前段加熱工程(ステップ
S503)および前段測定工程(ステップS504)の交互実施
に要する時間が短縮される。その結果、光ファイバ接続
作業に要する全体の時間も短縮される。
【0062】次に、第5実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ、
融着工程後における接続損失は1.13dBであった。
前段加熱工程および後段加熱工程それぞれではバーナが
用いられた。前段加熱工程では、プロパンガス(供給量
30cc/分)および酸素ガス(供給量45cc/分)
の混合ガスがバーナに供給された。後段加熱工程では、
プロパンガス(供給量20cc/分)および酸素ガス
(供給量30cc/分)の混合ガスがバーナに供給され
た。各回の加熱工程では20秒間の加熱が行われた。或
る回の加熱工程と次の回の加熱工程との間の時間間隔は
10秒であり、この間に前段測定工程、変更判定工程、
後段測定工程または終了判定工程が行われた。設定値α
01は0.50dBとされ、設定値α02は0.20dBと
された。
【0063】このような条件の下で、測定された接続損
失αnが設定値α01以下になるまで、前段加熱工程、前
段測定工程および変更判定工程が10回だけ繰り返し行
われた。変更終了判定工程終了時の接続損失α10は0.
48dBであった。その後、測定された接続損失αn
設定値α02以下になるまで、後段加熱工程、後段測定工
程および終了判定工程が10回だけ繰り返し行われた。
前段および後段を通じた繰り返し回数nが20となった
ところで測定された接続損失α20は0.18dBであっ
た。条件設定工程終了以降に要した時間は590秒であ
った。
【0064】(第6実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第6実施形態について説明する。図8
は、第6実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第6実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS601)、条件設定工程
(ステップS602)、初期測定工程(ステップS603)、前
段加熱工程(ステップS604)、前段測定工程(ステップ
S605)、変更判定工程(ステップS606)、後段加熱工程
(ステップS607)、後段測定工程(ステップS608)およ
び終了判定工程(ステップS609)を含む。
【0065】融着工程(ステップS601)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS602)では、後の
変更判定工程(ステップS606)の際に用いられる設定値
Δα01の値が設定され、また、後の終了判定工程(ステ
ップS609)の際に用いられる設定値Δα02の値が設定さ
れる。ただし、Δα01≧Δα02 である。初期測定工程
(ステップS603)では、融着工程(ステップS601)にお
いて融着された第1の光ファイバと第2の光ファイバと
の間の接続損失α0が測定される。
【0066】その後、前段加熱工程(ステップS604)、
前段測定工程(ステップS605)および変更判定工程(ス
テップS606)が、変更判定工程において所定条件が満た
されたと判断されるまで繰り返し行われる。さらに、そ
の後、後段加熱工程(ステップS607)、後段測定工程
(ステップS608)および終了判定工程(ステップS609)
が、終了判定工程において終了すべきであると判定され
るまで繰り返し行われる。
【0067】前段加熱工程(ステップS604)および後段
加熱工程(ステップS607)それぞれでは、融着工程(ス
テップS601)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が一定の加熱
条件の下に加熱される。前段加熱工程(ステップS604)
と比べて、後段加熱工程(ステップS607)では、加熱温
度が低く、或いは、加熱時間が短い。また、後段加熱工
程(ステップS607)では、加熱温度が低く且つ加熱時間
が短いのも好適である。
【0068】前段測定工程(ステップS605)および後段
測定工程(ステップS608)それぞれでは、融着工程(ス
テップS601)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続損失が測定される。前段お
よび後段を通じて第n回目の測定工程(ステップS605,
S608)で測定された接続損失の値をαnとする。
【0069】変更判定工程(ステップS606)では、直前
の前段測定工程(ステップS605)において測定された接
続損失αnと、前回の測定工程(ステップS605,S603)
において測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=α
n-1−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値
に基づいて、前段加熱工程(ステップS604)および前段
測定工程(ステップS605)の交互実施を終了するか否か
が判定される。すなわち、差分Δαnが設定値Δα01
下となれば、上記交互実施を終了すべきであると判定さ
れて、次の後段加熱工程(ステップS607)に進む。一
方、差分Δαnが設定値Δα01超であれば、上記交互実
施が継続されるべく、前の前段加熱工程(ステップS60
4)に戻る。
【0070】終了判定工程(ステップS609)では、直前
の後段測定工程(ステップS608)において測定された接
続損失αnと、前回の測定工程(ステップS608,S605)
において測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=α
n-1−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値
に基づいて、後段加熱工程(ステップS607)および後段
測定工程(ステップS608)の交互実施を終了するか否か
が判定される。すなわち、差分Δαnが設定値Δα02
下となれば、上記交互実施を終了すべきであると判定さ
れて、光ファイバ接続作業は終了する。一方、差分Δα
nが設定値Δα0 2超であれば、上記交互実施が継続され
るべく、前の後段加熱工程(ステップS607)に戻る。
【0071】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法でも、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失に基づいて光ファ
イバ接続作業を終了すべきか否かが判定される。したが
って、測定工程において測定される接続損失の値は、実
際に使用される環境下のものとなるので、室温における
接続損失が充分に低減されることになる。
【0072】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、接続損失の各回低減量Δαnが設定値Δα01以下
となるまで行われる前段加熱工程では、後段加熱工程と
比べて、加熱温度が高く或いは加熱時間が長いので、前
段加熱工程(ステップS604)および前段測定工程(ステ
ップS605)の交互実施に要する時間が短縮される。その
結果、光ファイバ接続作業に要する全体の時間も短縮さ
れる。
【0073】次に、第6実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。前段加熱工程および後段加熱工程それぞれではバー
ナが用いられた。前段加熱工程では、プロパンガス(供
給量30cc/分)および酸素ガス(供給量45cc/
分)の混合ガスがバーナに供給された。後段加熱工程で
は、プロパンガス(供給量20cc/分)および酸素ガ
ス(供給量30cc/分)の混合ガスがバーナに供給さ
れた。各回の前段加熱工程では20秒間の加熱が行わ
れ、各回の後段加熱工程では10秒間の加熱が行われ
た。或る回の加熱工程と次の回の加熱工程との間の時間
間隔は10秒であり、この間に前段測定工程、変更判定
工程、後段測定工程または終了判定工程が行われた。設
定値Δα01は0.02dBとされ、設定値Δα02は0.
005dBとされた。
【0074】このような条件の下で、測定された差分Δ
αnが設定値Δα01以下になるまで、前段加熱工程、前
段測定工程および変更判定工程が14回だけ繰り返し行
われた。その後、測定された差分Δαnが設定値Δα02
以下になるまで、後段加熱工程、後段測定工程および終
了判定工程が7回だけ繰り返し行われた。前段および後
段を通じた繰り返し回数nが21となったところで測定
された接続損失α21は0.18dBであった。条件設定
工程終了以降に要した時間は550秒であった。
【0075】(第7実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第7実施形態について説明する。図9
は、第7実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明する
フローチャートである。第7実施形態に係る光ファイバ
接続方法は、融着工程(ステップS701)、条件設定工程
(ステップS702)、加熱工程(ステップS711)、測定工
程(ステップS712)、回数判定工程(ステップS713)、
加熱工程(ステップS721)、測定工程(ステップS72
2)、変更判定工程(ステップS723)、加熱工程(ステ
ップS731)、測定工程(ステップS732)および終了判定
工程(ステップS733)を含む。
【0076】融着工程(ステップS701)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS702)では、後の
回数判定工程(ステップS713)の際に用いられる設定値
Nの値が設定され、後の変更判定工程(ステップS723)
の際に用いられる設定値α0の値が設定され、また、後
の終了判定工程(ステップS733)の際に用いられる設定
値Δα0の値が設定される。
【0077】その後、加熱工程(ステップS711)、測定
工程(ステップS712)および回数判定工程(ステップS7
13)が、回数判定工程において所定条件が満たされたと
判断されるまで繰り返し行われる。続いて、加熱工程
(ステップS721)、測定工程(ステップS722)および変
更判定工程(ステップS723)が、変更判定工程において
所定条件が満たされたと判断されるまで繰り返し行われ
る。さらに、続いて、加熱工程(ステップS731)、測定
工程(ステップS732)および終了判定工程(ステップS7
33)が、終了判定工程において終了すべきであると判定
されるまで繰り返し行われる。
【0078】各回の加熱工程(ステップS711,S721,S7
31)それぞれでは、融着工程(ステップS701)において
融着された第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間
の接続点を含む領域が一定の加熱条件の下に加熱され
る。前段の加熱工程(ステップS721)と比べて、後段の
加熱工程(ステップS731)では、加熱温度が低く、或い
は、加熱時間が短い。また、後段の加熱工程(ステップ
S731)では、加熱温度が低く且つ加熱時間が短いのも好
適である。
【0079】測定工程(ステップS712,S722,S732)そ
れぞれでは、融着工程(ステップS701)において融着さ
れた第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続
損失が測定される。全体を通じて第n回目の測定工程
(ステップS712,S722,S732)で測定された接続損失の
値をαnとする。
【0080】回数判定工程(ステップS713)では、加熱
工程(ステップS711)と測定工程(ステップS712)の交
互実施の繰り返し回数nが設定値Nに達したか否かが判
定される。そして、繰り返し回数nが設定値Nに達した
と判定されれば次の加熱工程(ステップS721)に進み、
そうでなければ前の加熱工程(ステップS711)に戻る。
【0081】変更判定工程(ステップS723)では、直前
の前段測定工程(ステップS722)において測定された接
続損失αnと、条件設定工程(ステップS702)において
設定された設定値α0とが大小比較されて、前段加熱工
程(ステップS721)および前段測定工程(ステップS72
2)の交互実施を終了するか否かが判定される。すなわ
ち、接続損失αnが設定値α0以下となれば、上記交互実
施を終了すべきであると判定されて、次の後段加熱工程
(ステップS731)に進む。一方、接続損失αnが設定値
α0超であれば、上記交互実施が継続されるべく、前の
前段加熱工程(ステップS721)に戻る。
【0082】終了判定工程(ステップS733)では、直前
の後段測定工程(ステップS732)において測定された接
続損失αnと、前回の測定工程(ステップS732,S722)
において測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=α
n-1−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値
に基づいて、後段加熱工程(ステップS731)および後段
測定工程(ステップS732)の交互実施を終了するか否か
が判定される。すなわち、差分Δαnが設定値Δα0以下
となれば、上記交互実施を終了すべきであると判定され
て、光ファイバ接続作業は終了する。一方、差分Δαn
が設定値Δα0超であれば、上記交互実施が継続される
べく、前の後段加熱工程(ステップS731)に戻る。
【0083】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法でも、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失に基づいて光ファ
イバ接続作業を終了すべきか否かが判定される。したが
って、測定工程において測定される接続損失の値は、実
際に使用される環境下のものとなるので、室温における
接続損失が充分に低減されることになる。
【0084】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、接続損失が設定値α0以下となるまで行われる前
段加熱工程では、後段加熱工程と比べて、加熱温度が高
く或いは加熱時間が長いので、前段加熱工程(ステップ
S721)および前段測定工程(ステップS722)の交互実施
に要する時間が短縮される。その結果、光ファイバ接続
作業に要する全体の時間も短縮される。
【0085】次に、第7実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。前段加熱工程および後段加熱工程それぞれではバー
ナが用いられた。前段加熱工程では、プロパンガス(供
給量30cc/分)および酸素ガス(供給量45cc/
分)の混合ガスがバーナに供給された。後段加熱工程で
は、プロパンガス(供給量20cc/分)および酸素ガ
ス(供給量30cc/分)の混合ガスがバーナに供給さ
れた。各回の前段加熱工程では20秒間の加熱が行わ
れ、各回の後段加熱工程では10秒間の加熱が行われ
た。或る回の加熱工程と次の回の加熱工程との間の時間
間隔は10秒であり、この間に前段測定工程、変更判定
工程、後段測定工程または終了判定工程が行われた。設
定値α0は0.50dBとされ、設定値Δα0は0.00
5dBとされた。
【0086】このような条件の下で、測定された接続損
失αnが設定値α0以下になるまで、前段加熱工程、前段
測定工程および変更判定工程が15回だけ繰り返し行わ
れた。その後、測定された差分Δαnが設定値Δα0以下
になるまで、後段加熱工程、後段測定工程および終了判
定工程が6回だけ繰り返し行われた。前段および後段を
通じた繰り返し回数nが21となったところで測定され
た接続損失α21は0.19dBであった。条件設定工程
終了以降に要した時間は560秒であった。
【0087】(第8実施形態)次に、本発明に係る光フ
ァイバ接続方法の第8実施形態について説明する。図1
0は、第8実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明す
るフローチャートである。第8実施形態に係る光ファイ
バ接続方法は、融着工程(ステップS801)、条件設定工
程(ステップS802)、初期測定工程(ステップS803)、
加熱工程(ステップS811)、測定工程(ステップS81
2)、回数判定工程(ステップS813)、加熱工程(ステ
ップS821)、測定工程(ステップS822)、変更判定工程
(ステップS823)、加熱工程(ステップS831)、測定工
程(ステップS832)、回数判定工程(ステップS833)、
加熱工程(ステップS841)、測定工程(ステップS842)
および終了判定工程(ステップS843)を含む。
【0088】融着工程(ステップS801)では、第1の光
ファイバおよび第2の光ファイバそれぞれの端面が融着
される。続く条件設定工程(ステップS802)では、後の
回数判定工程(ステップS813)の際に用いられる設定値
1の値が設定され、後の変更判定工程(ステップS82
3)の際に用いられる設定値Δα01の値が設定され、後
の回数判定工程(ステップS833)の際に用いられる設定
値N2の値が設定され、また、後の終了判定工程(ステ
ップS843)の際に用いられる設定値Δα02の値が設定さ
れる。ただし、Δα01≧Δα02 であり、N1<N2であ
る。初期測定工程(ステップS803)では、融着工程(ス
テップS801)において融着された第1の光ファイバと第
2の光ファイバとの間の接続損失α0が測定される。
【0089】その後、加熱工程(ステップS811)、測定
工程(ステップS812)および回数判定工程(ステップS8
13)が、回数判定工程(ステップS813)において所定条
件が満たされたと判断されるまで繰り返し行われる。続
いて、加熱工程(ステップS821)、測定工程(ステップ
S822)および変更判定工程(ステップS823)が、変更判
定工程(ステップS823)において所定条件が満たされた
と判断されるまで繰り返し行われる。
【0090】さらに続いて、加熱工程(ステップS83
1)、測定工程(ステップS832)および回数判定工程
(ステップS833)が、回数判定工程(ステップS833)に
おいて所定条件が満たされたと判断されるまで繰り返し
行われる。そして、加熱工程(ステップS841)、測定工
程(ステップS842)および変更判定工程(ステップS84
3)が、終了判定工程(ステップS843)において所定条
件が満たされたと判断されるまで繰り返し行われる。
【0091】各回の加熱工程(ステップS811,S821,S8
31,S841)では、融着工程(ステップS801)において融
着された第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の
接続点を含む領域が一定の加熱条件の下に加熱される。
前段の各加熱工程(ステップS811,S821)と比べて、後
段の各加熱工程(ステップS831,S841)では、加熱温度
が低く、或いは、加熱時間が短い。また、後段の各加熱
工程(ステップS831,S841)では、加熱温度が低く且つ
加熱時間が短いのも好適である。
【0092】各回の測定工程(ステップS812,S822,S8
32,S842)では、融着工程(ステップS801)において融
着された第1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の
接続損失が測定される。全体を通じて第n回目の測定工
程(ステップS812,S822,S832,S842)で測定された接
続損失の値をαnとする。
【0093】回数判定工程(ステップS813)では、加熱
工程(ステップS811)と測定工程(ステップS812)との
交互実施の繰り返し回数nがN1に達したか否かが判定
される。そして、繰り返し回数nがN1に達したと判定
されれば次の加熱工程(ステップS821)に進み、そうで
なければ前の加熱工程(ステップS811)に戻る。
【0094】変更判定工程(ステップS823)では、直前
の測定工程(ステップS822)において測定された接続損
失αnと、前回の測定工程(ステップS822,S812)にお
いて測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=αn-1
−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値に基
づいて、加熱工程(ステップS821)および測定工程(ス
テップS822)の交互実施を終了するか否かが判定され
る。すなわち、差分Δα nが設定値Δα01以下となれ
ば、上記交互実施を終了すべきであると判定されて、次
の加熱工程(ステップS831)に進む。一方、差分Δαn
が設定値Δα01超であれば、上記交互実施が継続される
べく、前の加熱工程(ステップS821)に戻る。
【0095】回数判定工程(ステップS833)では、加熱
工程(ステップS811,S821,S831)と測定工程(ステッ
プS812,S822,S832)との交互実施の通算繰り返し回数
nがN2に達したか否かが判定される。そして、通算繰
り返し回数nがN2に達したと判定されれば次の加熱工
程(ステップS841)に進み、そうでなければ前の加熱工
程(ステップS831)に戻る。
【0096】終了判定工程(ステップS843)では、直前
の測定工程(ステップS842)において測定された接続損
失αnと、前回の測定工程(ステップS842,S832)にお
いて測定された接続損失αn-1との差分Δαn(=αn-1
−αn)が求められる。そして、この差分Δαnの値に基
づいて、加熱工程(ステップS841)および測定工程(ス
テップS842)の交互実施を終了するか否かが判定され
る。すなわち、差分Δα nが設定値Δα02以下となれ
ば、上記交互実施を終了すべきであると判定されて、光
ファイバ接続作業は終了する。一方、差分Δαnが設定
値Δα02超であれば、上記交互実施が継続されるべく、
前の加熱工程(ステップS841)に戻る。
【0097】以上のように、本実施形態に係る光ファイ
バ接続方法でも、加熱工程と測定工程とが交互に実施さ
れて、各光ファイバが加熱されていないときに接続損失
が測定され、その測定された接続損失と前回測定時の接
続損失との差分が設定値以下となれば光ファイバ接続作
業は終了する。したがって、測定工程において測定され
る接続損失の値は、実際に使用される環境下のものとな
るので、室温における接続損失が充分に低減されること
になる。
【0098】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、接続損失の各回低減量Δαnが設定値Δα01以下
となるまで行われる前段の加熱工程(ステップS811,S8
21)では、後段の加熱工程(ステップS831,S841)と比
べて、加熱温度が高く或いは加熱時間が長いので、前段
の加熱工程(ステップS811,S821)および測定工程(ス
テップS812,S822)の交互実施に要する時間が短縮され
る。その結果、光ファイバ接続作業に要する全体の時間
も短縮される。
【0099】また、本実施形態に係る光ファイバ接続方
法は、回数判定工程(ステップS813,S833)が設けられ
ることにより、加熱回数に対する接続損失の変化の様子
が複雑である場合に好適である。すなわち、接続損失が
小さくなる回数nを含む範囲でのみ上記のような変更判
定工程を行い、また、接続損失が最小値(または、最小
値でなくとも充分に小さい極小値)となる回数nを含む
範囲でのみ上記のような終了判定工程を行うことで、室
温における接続損失が充分に低減されることになる。
【0100】次に、第8実施形態に係る光ファイバ接続
方法の具体的な実施例について説明する。本実施例で
は、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファイバ
が用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光ファイ
バが用いられた。融着工程ではアーク放電が用いられ
た。各加熱工程ではバーナが用いられた。前段の加熱工
程(ステップS811,S821)では、プロパンガス(供給量
25cc/分)および酸素ガス(供給量36cc/分)
の混合ガスがバーナに供給された。後段の加熱工程(ス
テップS831,S841)では、プロパンガス(供給量20c
c/分)および酸素ガス(供給量30cc/分)の混合
ガスがバーナに供給された。各回の加熱工程では20秒
間の加熱が行われた。或る回の加熱工程と次の回の加熱
工程との間の時間間隔は10秒であり、この間に測定工
程、回数判定工程、変更判定工程または終了判定工程が
行われた。設定値Δα01は0.02dBとされ、設定値
Δα02は0.005dBとされた。また、設定値N1
5とされ、設定値N2は16とされた。
【0101】このような条件の下で、測定された差分α
nが設定値Δα01以下になるまで、加熱工程(ステップS
811,S821)および測定工程(ステップS812,S822)の
交互実施が10回だけ繰り返し行われた。その後、測定
された差分Δαnが設定値Δα02以下になるまで、加熱
工程(ステップS831,S841)および測定工程(ステップ
S832,S842)の交互実施が13回だけ繰り返し行われ
た。全体を通じた繰り返し回数nが23となったところ
で測定された接続損失α23は0.18dBであった。条
件設定工程終了以降に要した時間は680秒であった。
【0102】(比較例)次に、光ファイバ接続方法の比
較例について説明する。比較例では、上記の各実施例と
同様に、第1の光ファイバとしてシングルモード光ファ
イバが用いられ、第2の光ファイバとして分散補償光フ
ァイバが用いられ、融着工程ではアーク放電が用いられ
た。加熱工程では、バーナが用いられ、プロパンガス
(供給量20cc/分)および酸素ガス(供給量30c
c/分)の混合ガスがバーナに供給された。そして、加
熱工程が連続して実施され、その加熱の最中に接続損失
が測定され、その測定された接続損失が最小となったと
ころで加熱工程が終了された。過熱終了後に測定された
接続損失は0.25dBであり、加熱工程に要した時間
は900秒であった。
【0103】また、プロパンガス(供給量30cc/
分)および酸素ガス(供給量45cc/分)の混合ガス
がバーナに供給された場合にも、加熱工程が連続して実
施され、その加熱の最中に接続損失が測定され、その測
定された接続損失が最小となったところで加熱工程が終
了された。この場合には、過熱終了後に測定された接続
損失は0.30dBであり、加熱工程に要した時間は5
40秒であった。
【0104】以上に説明した各実施例と比較例とを対比
して判るように、比較例では接続損失が0.25dBま
たは0.30dBであるのに対して、各実施例では接続
損失が0.17〜0.20dBと小さかった。このよう
に本実施形態では、加熱工程および測定工程の交互実施
が行われて、各光ファイバが加熱されていないときに測
定された接続損失に基づいて上記交互実施が終了するよ
うにしたことで、室温における接続損失が充分に低減さ
れる。
【0105】(変形例)本発明は、上記実施形態に限定
されるものではなく、種々の変形が可能である。例え
ば、加熱工程における加熱条件(温度、時間)の変更が
複数回行われてもよい。また、変更判定および終了判定
それぞれが行われる回数nの範囲は、上限値のみが規定
されてもよいし、下限値のみが規定されてもよいし、ま
た、上限値および下限値の双方が規定されてもよい。こ
れらの場合には、加熱回数に対する接続損失の変化の様
子が更に複雑である場合に好適である。
【0106】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、融着工程において、 第1の光ファイバおよび
第2の光ファイバそれぞれの端面が融着され、その後
に、加熱工程と測定工程との交互実施が行われる。加熱
工程では、融着工程において融着された第1の光ファイ
バと第2の光ファイバとの間の接続点を含む領域が加熱
される。測定工程では、融着工程において融着された第
1の光ファイバと第2の光ファイバとの間の接続損失が
測定される。また、終了判定工程では、測定工程におい
て測定された接続損失の値に基づいて、加熱工程および
測定工程の交互実施を終了するか否かが判定される。そ
して、上記交互実施を終了すべきであると終了判定工程
において判定された場合に、交互実施が終了し、光ファ
イバ接続作業が終了する。このようにすることにより、
室温における接続損失が充分に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ接続装置10の概略構成図である。
【図2】融着工程の後に一定条件での加熱工程と測定工
程とを交互に実施した場合の接続損失の変化の様子を示
すグラフである。
【図3】第1実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図5】第3実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図6】第4実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図7】第5実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図8】第6実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図9】第7実施形態に係る光ファイバ接続方法を説明
するフローチャートである。
【図10】第8実施形態に係る光ファイバ接続方法を説
明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,2…光ファイバ、10…光ファイバ接続装置、1
1,12…保持部、21,22…加熱源、31…光源
部、32…受光部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横田 大介 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 MA12 MA17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光ファイバおよび第2の光ファイ
    バそれぞれの端面を融着して接続する方法であって、 前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバそれ
    ぞれの端面を融着する融着工程と、 前記融着工程において融着された前記第1の光ファイバ
    と前記第2の光ファイバとの間の接続点を含む領域を加
    熱する加熱工程と、 前記加熱工程と交互に行われ、前記融着工程において融
    着された前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバ
    との間の接続損失を測定する測定工程と、 前記測定工程において測定された接続損失の値に基づい
    て、前記加熱工程および前記測定工程の交互実施を終了
    するか否かを判定する終了判定工程と、 を備え、 前記交互実施を終了すべきであると前記終了判定工程に
    おいて判定された場合に前記交互実施を終了する、こと
    を特徴とする光ファイバ接続方法。
  2. 【請求項2】 前記終了判定工程において、前記測定工
    程において測定された接続損失が設定値以下になれば、
    前記交互実施を終了すべきであると判定する、ことを特
    徴とする請求項1記載の光ファイバ接続方法。
  3. 【請求項3】 前記終了判定工程において、前記測定工
    程において測定された接続損失と前回測定時の接続損失
    との差分が設定値以下になれば、前記交互実施を終了す
    べきであると判定する、ことを特徴とする請求項1記載
    の光ファイバ接続方法。
  4. 【請求項4】 前記終了判定工程を所定回数範囲のみで
    行う、ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続
    方法。
  5. 【請求項5】 第1回目の前記加熱工程における加熱時
    間が第2回目以降の前記加熱工程における加熱時間より
    長い、ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続
    方法。
  6. 【請求項6】 前記測定工程において測定された接続損
    失の値に基づいて、以降の前記加熱工程の際の加熱条件
    を変更するか否かを判定する変更判定工程を更に備え、 前記変更判定工程において加熱条件を変更すべきである
    と判定された場合に、以降の前記加熱工程における加熱
    条件を変更する、 ことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続方法。
  7. 【請求項7】 前記変更判定工程において、前記測定工
    程において測定された接続損失が設定値以下になれば、
    加熱条件を変更すべきであると判定する、ことを特徴と
    する請求項6記載の光ファイバ接続方法。
  8. 【請求項8】 前記変更判定工程において、前記測定工
    程において測定された接続損失と前回測定時の接続損失
    との差分が設定値以下になれば、加熱条件を変更すべき
    であると判定する、ことを特徴とする請求項6記載の光
    ファイバ接続方法。
  9. 【請求項9】 前記変更判定工程を所定回数範囲のみで
    行う、ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバ接続
    方法。
  10. 【請求項10】 前記変更判定工程において加熱条件を
    変更すべきであるとの判定を複数回行う、ことを特徴と
    する請求項6記載の光ファイバ接続方法。
  11. 【請求項11】 前記変更判定工程において加熱条件を
    変更すべきであると判定された場合に、以降の前記加熱
    工程において加熱温度を下げる、ことを特徴とする請求
    項6記載の光ファイバ接続方法。
  12. 【請求項12】 前記変更判定工程において加熱条件を
    変更すべきであると判定された場合に、以降の前記加熱
    工程において加熱時間を短くする、ことを特徴とする請
    求項6記載の光ファイバ接続方法。
  13. 【請求項13】 前記変更判定工程において加熱条件を
    変更すべきであると判定された場合に、以降の前記加熱
    工程において加熱温度を下げるとともに加熱時間を短く
    する、ことを特徴とする請求項6記載の光ファイバ接続
    方法。
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