JP2002365266A - コインセンサ及びコイン検査装置 - Google Patents

コインセンサ及びコイン検査装置

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JP2002365266A JP2001175767A JP2001175767A JP2002365266A JP 2002365266 A JP2002365266 A JP 2002365266A JP 2001175767 A JP2001175767 A JP 2001175767A JP 2001175767 A JP2001175767 A JP 2001175767A JP 2002365266 A JP2002365266 A JP 2002365266A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイン面の模様が異なるコインを精度良く検
出できるコインセンサを提供すること。コイン面の模様
が異なるコインについてその真偽を精度良く検査するこ
とのできるコイン検査装置を提供すること。 【解決手段】 コインセンサ1は、コイン検査装置のコ
イン通路5に配置される。このコインセンサは、コイン
通路に磁界を発生させる励磁コイル10と、該励磁コイ
ルによってコイン通路に発生される磁界中をコインが通
過するときの磁界変化に応じた信号を検出する検出部1
1a,11bとを有する。励磁コイル10は、磁界発生
用の磁極を有する一端部10a1と他端部10a2のう
ち、面積の小さい方の端部10a1をコイン通路の通路
壁に向かわせるように配置される。検出部11a,11
bは、励磁コイルと電磁的に結合するように前記面積の
小さい方の端部の近傍に所定間隔をおいて前記通路壁に
向くように配されてなる2つの磁性部材13a,13b
と、該各磁性部材の近傍に配置されて前記磁界変化に応
じて得られる信号を検出する2つの磁気検出素子12
a,12bとを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コインの真贋性
を検査する装置に用いられる改良したコインセンサに関
する。また、コインの真贋性を検査する装置に関し、特
に、自動販売機、ゲーム機、両替機などに使用されるコ
イン検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コインの検査装置は、誘導コイル
を用いた電子式が主流である。この種のコイン検査装置
には、コインの自由落下を利用してコイン投入口から投
入されたコインを案内するコイン通路が設けられてい
る。このコイン通路には、複数の誘導コイルが配置され
ており、これらの誘導コイルは、それぞれ異なる周波数
により励磁駆動されてコイン通路に電磁場を形成する。
コインの検査は、周知の原理によるもので、各誘導コイ
ルによって形成される各電磁場の中をコインが通過する
とき、該各電磁場とコインとの相互作用により得られる
電気的変化量(周波数変化、電圧変化、位相変化)を検
出することによってコインの真贋性が検査される。従来
技術におけるコインの検査装置として、例えば、米国特
許No3,870,137号に示されるものが知られて
いる。前記従来技術のコイン検査装置は、コインの特徴
が周波数パラメータに依存することを利用したもので、
複数の周波数を使用することによりコインの材質、外
径、厚さなどを検査している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、諸外国との往来
が盛んになり、それに伴って諸外国コインが国内に持ち
込まれるようになった。これに伴い、それらのコインを
誤って、或いは不正を試みる者によって正貨を騙し取る
詐欺行為などのケースが増えている。特に、巷に設置さ
れている自動販売機などを狙った悪質な悪戯が多発して
いる。自動販売機などにおいては、通常、コイン検査装
置が搭載されいるが、例えば、諸外国コインを使って日
本国の100円硬貨あるいは500円硬貨に似せて造っ
た変造貨をコイン投入口に投入した後に、返却レバーな
どを操作して硬貨返却口に正貨を発行させるような悪質
な悪戯が後を絶たない。その理由として、前記のような
代表コイン(100円硬貨及びこれに似せて造った変造
貨や500円硬貨及びこれに似せて造った変造貨)は、
コイン表面のデザイン(凹凸模様)が異なるのみで、材
質、外径、厚さが殆ど一致しているため、従来技術のよ
うな誘導コイルの構成では、正貨である100円硬貨及
び500円硬貨とそれらの変造貨のコイン表面の凹凸模
様を複数の周波数を用いるのみでは該デザインの微少な
変化を検出することができず、前述したような正貨と変
造貨とを判別することができない。そこで、従来、前記
のような代表コインを判別する手法として、コイン表面
のイメージ画像を画像処理(パターン認識・分析)する
光学的な方法が試みられてきた。しかし、光学的な装置
では、CCD等の撮像素子に埃などが付着してコインの
真偽判定を損ねるという問題がある。また、CCD等の
撮像素子や高度な画像分析装置などが必要になるので、
装置自体が大きくなるばかりでなく複雑なものとなっ
て、装置コストが高価になるという問題があった。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みて為されたもの
であり、コイン面の模様が異なるコインを精度良く検出
することのできるコインセンサを提供しようとするもの
である。また、コインの真贋性を検査するにあたり、コ
イン面の模様が異なるコインについてその真偽を精度良
く検査することのできるコイン検査装置を提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るコインセン
サは、投入されたコインを案内するコイン通路の近傍に
配置されるコインセンサであって、前記コイン通路に磁
界を発生させるものであって、磁界発生用の磁極を面積
の異なる一端部と他端部に有し、該一端部と他端部のう
ち面積の小さい方の端部を前記コイン通路の通路壁に向
かわせてなる励磁コイルと、前記励磁コイルによって前
記コイン通路に発生される磁界中を前記投入されたコイ
ンが通過するときの磁界変化に応じた信号を検出するも
のであって、前記励磁コイルと電磁的に結合するように
前記面積の小さい方の端部の近傍に所定間隔をおいて前
記通路壁に向くように配されてなる2つの磁性部材と、
該各磁性部材の近傍に配置されて前記磁界変化に応じて
得られる信号を検出する2つの磁気検出素子とを具備す
る検出部とを具えたものである。これによれば、磁力線
を励磁コイルの面積の小さい端部に収束させるようにし
て発生させることができるので、通路側コイン面の狭域
に磁界を作用させることができる。故に、コイン通路を
コインが通過するときに、励磁コイルによる電磁誘導作
用によってコイン面付近にコイン面の模様に応じて特徴
づけられる渦電流を顕著に発生させることができるの
で、その渦電流によってコイン面付近にコイン面の模様
に応じて特徴づけられる反抗磁界を顕著に発生させるこ
とができる。検出部においては、励磁コイルの磁界中を
コインが通過するときに、2つの磁性部材が励磁コイル
と面積の小さい方の端部の近傍で電磁的に結合して、コ
イン表面付近に発生された反抗磁界を2つの磁気検出素
子にそれぞれ導くための磁路を形成する。これにより、
各磁気検出素子がコイン表面の形状的特徴変化がもたら
す反抗磁界電流の変化に応じた信号を検出するので、コ
イン面の模様が異なるコインを精度良く検出することが
できる。すなわち、本発明のコインセンサは、コイン表
面の微小な凹凸の違いを判別可能とする為に、検出部と
して受信コイルを用いるのではなく、検出部に磁気検出
素子(磁気検出回路)を含む構成のコインセンサとし、
該検出部と励磁コイルにおけるコイン側の端部との間隔
をより短くすることで、受信コイルを検出部として用い
た構成の従来のコインセンサに対し、よりコイン狭面の
凹凸による磁界変化を精度良く測定することができるよ
うにしたものである。また、磁気検出素子(磁気検出回
路)を用いることで、磁界の変化を高感度に検出するこ
とが可能になり、さらに、検出部の製作が容易になるの
で、コインセンサを簡易に製作できると共にコインセン
サの小型化に対するコストダウンも可能となる。
【0006】本発明に係るコイン検査装置は、投入され
たコインを案内するコイン通路と、前記コイン通路に磁
界を発生させるものであって、磁界発生用の磁極を面積
の異なる一端部と他端部に有し、該一端部と他端部のう
ち面積の小さい方の端部を前記コイン通路の通路壁に向
かわせてなる励磁コイルと、前記励磁コイルによって前
記コイン通路に発生される磁界中を前記投入されたコイ
ンが通過するときの磁界変化に応じた信号を検出するも
のであって、前記励磁コイルと電磁的に結合するように
前記面積の小さい方の端部の近傍に所定間隔をおいて前
記通路壁に向くように配されてなる2つの磁性部材と、
該各磁性部材の近傍に配置されて前記磁界変化に応じて
得られる信号を検出する2つの磁気検出素子とを具備す
る検出部と、前記2つの磁気検出素子によって検出され
る信号の差を求め、該信号の変化分に応じた信号を出力
する信号処理手段と、前記信号処理手段によって出力さ
れる前記信号に基づき前記投入されたコインのコイン面
における特徴を識別して真偽を検査する検査手段とを具
えたものである。これによれば、磁力線を励磁コイルの
面積の小さい端部に収束させるようにして発生させるこ
とができるので、通路側コイン面の狭域に磁界を作用さ
せることができる。故に、コイン通路をコインが通過す
るときに、励磁コイルによる電磁誘導作用によってコイ
ン面付近にコイン面の模様に応じて特徴づけられる渦電
流を顕著に発生させることができるので、その渦電流に
よってコイン面付近にコイン面の模様に応じて特徴づけ
られる反抗磁界を顕著に発生させることができる。検出
部においては、励磁コイルの磁界中をコインが通過する
ときに、2つの磁性部材が励磁コイルと面積の小さい方
の端部の近傍で電磁的に結合して、コイン表面付近に発
生した反抗磁界を対応するそれぞれの磁気検出素子に導
くための磁路を形成する。これにより、各磁気検出素子
がコイン表面の形状的特徴変化がもたらす反抗磁界電流
の変化に応じた信号を検出するので、コイン面の模様が
異なるコインを精度良く検出することができる。信号処
理手段では、各磁気検出素子によって検出される信号の
差を求めて該信号の変化分に応じた信号を出力する。こ
のように、各磁気検出素子によって検出される信号の差
を求めることでコイン面の模様に応じた信号のみを抽出
することができる。検査手段では、信号処理手段によっ
て出力される信号に基づきコインのコイン面における特
徴を識別して真偽を検査する。このように、各磁気検出
素子によって検出される信号の変化分に応じた信号に基
づきコインのコイン面における特徴を識別して真偽を検
査するので、コイン面のデザイン(凹凸模様)が異なる
のみで材質、外径、厚さなどが殆ど一致しているコイン
についてその真偽を精度良く検査することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るコインセンサ及びコイン検査装置の一実施例を
説明する。図1及び図2において、コインセンサである
凹凸検知コイル1は、コイン3のコイン表面の凹凸模様
を検出するためのものであり、励磁コイル10と、検出
部11a及び11bなどを含んで構成される。励磁コイ
ル10は、大きい径のツバ部コア10a2の略中央に小
さい径の磁芯10a1を有して断面略Tの字形になるよ
うに形成された磁性材料からなるT字型コア10aと、
このT字型コア10aの磁芯10a1に巻回されたコイ
ル10bとを具備する。T字型コア10aにおいて、磁
芯10a1の先端部の面積はツバ部コア10a2の底面
部の面積よりも小さくなっており、該磁芯10a1の先
端部及びツバ部コア10a2の底面部にはそれぞれコイ
ン通路5に磁界を発生させるための極性の異なる磁極が
形成されている。
【0008】一方、検出部11a及び11bは、それぞ
れ、磁性材料からなる細身状の磁性コアである2つのポ
ールピース13a及び13bと、該2つのポールピース
13a及び13bの所定位置に個々に配置された2つの
磁気検出素子(例えば、ホール素子など)12a及び1
2bとを含んで構成される。検出部11a,11bの2
つのポールピース13a及び13bは、励磁コイル10
の磁芯10a1の先端部よりも更に小さい面積の端部を
上下に有する。検出部11a及び11bは、ポールピー
ス13a及び13bの形状、磁気検出素子12a及び1
2bの特性などが略等しくなるように構成される。検出
部11a,11bにおいて、2つのポールピース13a
及び13bは、励磁コイル10と電磁的に結合するよう
にT字型コア10aの磁芯10a1の近傍に所定間隔を
おいて該磁芯10a1の直径方向の両側に配されると共
に、ツバ部コア10a2の磁芯10a1側の内面10a
3に配置された2つの磁気検出素子12a及び12bを
介して励磁コイル10に配置される。
【0009】このように、励磁コイル10と、検出部1
1a及び11bとを含んで構成されてなる凹凸検知コイ
ル1は、図2に示されるように、コイン通路5におい
て、コイン3のコイン表面に対向する一方の通路壁2a
に、励磁コイル10の磁芯10a1の端部及びポールピ
ース13a,13bの端部を該通路壁2aに向かわせて
配置される。詳しくは、検出部11a,11bの2つの
ポールピース13a及び13bの中心を結ぶ線6aがコ
インレール4の上方で該コインレール4と略平行にな
り、かつ、T字型コア10aの磁芯10a1の中心が各
検出部11a,11b間の中心線6b上に位置するよう
に配置される。
【0010】次に、図3を参照して、凹凸検知コイル1
に適用される真贋性検査装置19を説明する。真贋性検
査装置19は、コイン3の真贋性を検査するための装置
である。図3において、真贋性検査装置19は、定電流
源手段20と、励磁手段21と、2つの増幅手段22a
及び22bと、差動増幅手段23と、検波回路手段24
と、検査手段25などを含んで構成される。励磁手段2
1は、例えば、図示しない周知のコルビツ発振回路など
を用いて構成することができる。前記励磁手段21は、
凹凸検知コイル1における励磁コイル10のコイル10
bに接続されて、励磁コイル10を励磁駆動する。励磁
コイル10は、コイル10a(L1)とキャパシタC1
とで並列共振回路を構成し、励磁手段21はこの並列共
振回路との共振周波数により発振する。これにより、励
磁コイル10は励磁手段21の発振周波数に応じて、該
励磁コイル10の周辺に電磁界を発生する。前記発振周
波数は励磁コイル10の周辺に発生される電磁界がコイ
ン3の内部に浸透しない程度の周波数が望ましい。具体
的には、70K(Hz)以上の周波数が望ましい。一
方、検出部11a及び11bの磁気検出素子12には、
励磁コイル10の発する電磁界の強さに応じた信号(起
電力)を生ずる。なお、磁気検出素子12a,12bと
して、ホール素子を用いる場合は、周知のように定電流
源手段20などを用いて、該ホール素子に印加するバイ
アス電流などを制御する必要があるが、ホール素子に代
えて、MR素子(磁気抵抗素子)、GMR素子(巨大磁
気抵抗素子)若しくは磁気インピーダンス素子を用いる
ようにすれば、該定電流源手段20を不要にすることが
できる。
【0011】ここで、凹凸検知コイル1によるコイン表
面の凹凸模様の検出原理について説明する。励磁コイル
10では、励磁手段21の交流発振周波数に応じて、T
字型コア10aの磁芯10a1の先端部に収束する電磁
界を発生する。又、図4(a)に示されるように、磁芯
10a1の先端部よりポールピース13a,13bを経
由してツバ部コア10a2にいたる磁力線fの磁路が形
成されるので、該電磁界は図2(b)に示されるコイン
通路5の通路壁2a側でコイン表面の狭面に作用させる
ことができる。これにより、コイン通路5をコイン3が
通過するときに、励磁コイル10による電磁誘導作用に
よってコイン表面付近にコイン表面の凹凸模様に応じて
特徴づけられる渦電流が顕著に発生される。詳しくは、
図4(b)に示されるように、励磁コイル10の磁力線
fによって形成される電磁場(磁界)M内にコイン3が
接近して作用するとき、励磁コイル10による電磁誘導
作用によって励磁されるコイン3の表面付近にコイン表
面の模様に応じて特徴づけられる渦電流が顕著に発生
し、その渦電流は作用周波数が高くなるのに伴って表皮
効果によりコイン表面付近で顕著な反抗磁界を発生す
る。この現象によりコイン表面付近で発生した反抗磁界
電流はコイン表面の僅かな形状的特徴変化を伴って検出
部11a,11bに相互作用する。これにより、各検出
部11a,11bには、コイン表面の形状的特徴変化が
もたらす反抗磁界電流の変化に応じた信号(起電力)が
生ずる。更に詳しくは、図4(b)に示されるように、
励磁コイル10の電磁場M内にコイン3が接近して作用
すると、各検出部11a,11bのポールピース13
a,13bは励磁コイル10と磁芯10a1の先端部の
近傍で電磁的に結合して、コイン3のコイン表面付近に
発生した反抗磁界を磁気検出素子12a,12bに導く
ための磁路Rを形成する。各磁気検出素子13a,13
bでは、磁路R中において反抗磁界の磁束変化を取り込
み、コイン表面の形状的特徴変化がもたらす反抗磁界電
流の変化に応じた信号を検出する。このように、検出部
11a,11bにおいて、ポールピース13a,13b
が励磁コイル10の磁芯10a1の近傍に配置されてい
るので、該励磁コイル10から発生する電磁界がコイン
3に作用してもたらされる反抗磁界電流の変化に応じた
信号を該磁芯10a1の極近傍で捕らえることができ
る。
【0012】各検出部11a,11bの磁気検出素子1
2a及び12bによって検出される検知信号は、該磁気
検出素子12a及び12bにそれぞれ対応して接続され
た増幅手段22a及び22bに出力される。増幅手段2
2a,22bに入力された検知信号は差動増幅手段23
へ入力される。前述したように、コイン3が凹凸検知コ
イル1の励磁コイル10又は/及び検出部11a,11
bの近傍を移動して、該励磁コイル10と電磁結合状態
になると、該検出部11a,11bの磁気検出素子12
a,12bによって検出される両検知信号はコイン表面
の凹凸模様の特徴を含んだ信号となるので、この両検知
信号の差を差動増幅手段23によって得ることで該コイ
ン表面の凹凸模様に対応した交流差分信号を検出する。
この交流差分信号はコイン表面の凹凸模様のパターンに
対応しているので、該交流差分信号のパターンを信号検
査手段27によって検査することによりコイン3が正貨
か偽貨かを判断することができる。詳しくは、差動増幅
手段23では、一方の磁気検出素子12aに接続された
増幅手段22aから入力した検知信号と、他方の磁気検
出素子12bに接続された増幅手段22bから入力した
検知信号との差を求めて該両検知信号の変化分に応じた
交流差分信号を検出すると共に、その交流差分信号を増
幅して検波回路手段24へ出力する。検波回路手段24
では、差動増幅手段23によって増幅された交流差分信
号を入力して、該交流差分信号に対応した直流差分信号
を検査手段25へ出力する。検査手段25では、差動増
幅手段23からアナログ信号である前記検知信号の差分
信号をAD変換手段26へ入力する。AD変換手段26
では、前記交流差分信号を所定の周期でデジタル信号に
変換して、そのデジタル信号を信号検査手段27へ出力
する。信号検査手段27では、前記交流差分信号の振幅
軸上に対応するデジタル信号列が所定の特徴を備えてい
るか否かを検査し、その検査結果を出力端子27へ出力
する。前記信号検査手段27の検査結果は、追って説明
するコイン検査装置30の振り分けソレノイド35やコ
インカウンター(図示せず)などを駆動するために使用
される。
【0013】このように、真贋性検査装置19において
は、各検出部11a,11bの磁気検出素子12a及び
12bによって検出される検知信号の変化分に応じた差
分信号に基づき前記投入されたコイン3のコイン表面に
おける特徴を識別して真偽を検査するので、コイン面の
デザイン(凹凸模様)が異なるのみで材質、外径、厚さ
などが殆ど一致しているコイン3についてその真偽を精
度良く検査することができる。
【0014】真贋性検査装置19において、信号検査手
段27は、図示しないMPU(マイクロプロセッサ・ユ
ニット)などを用いて構成することができる。この場
合、MPUは、ROMなどからなる図示しないメモリ手
段に記憶されている所定の制御プログラムに従って、凹
凸検知コイル1の励磁手段21、図5に示される外径検
知コイル32、材質検知コイル33、振り分けソレノイ
ド35、コインカウンター(図示せず)などを制御す
る。
【0015】ここで、図6及び図7を参照して、前述し
た凹凸検知コイル1を用いて試験を行った代表コイン3
の特性について説明する。図6は、凹凸検知コイル1が
代表コイン3(図示例では、日本国の100円硬貨)の
表面を走査する位置を示す図である。図7は真正コイン
と被疑貨との特性比較図である。
【0016】図6に示されるように、凹凸検知コイル1
は、励磁コイル10のT字型コア10aにおける磁芯1
0a1の磁極と検出部11a,11bの磁極との中心を
結ぶ線(図1(a)に示される線6a)の方向が前記代
表コイン3の“100”の文字が刻印されている文字の
並ぶ方向と同じ方向になるようにして矢印方向に走査さ
れる。また、凹凸検知コイル1は、前記代表コイン3の
表面との間に一定の間隙(検知距離)を保持して走査さ
れる。
【0017】図7では、代表コイン3である真正コイン
と、該真正コインと材質、直径、厚さが殆ど近似する図
示しない被疑貨とのそれぞれについて図6の条件に基づ
き凹凸検知コイル1を走査したときに得られる電気的変
化量(図示例では、電圧レベルの変化)の測定を行った
特性を示している。真正コインと被偽貨との違いは、目
視的に観察するならば、コイン表面のデザインが異なる
のみである。すなわち、被偽貨では、真正コインのコイ
ン表面に存在する“100”の文字が存在せずコイン表
面が略平面になっている。
【0018】図7において、実線で示すものは真正コイ
ンの特性であり、点線で示すものは被疑貨の特性であ
る。同図から容易に理解できるように、真正コインと被
偽貨の特性の違いは、凹凸検知コイル1の走査位置に対
応する横軸方向において、最初の山と最後の谷との間の
中間付近及び最後の谷付近で電圧レベルの違いに現れて
いることが判る。これは、真正コインにおいて、コイン
表面に発生する渦電流が該コイン表面の模様の凹凸に特
徴づけられた反抗磁界を発生し、それにより前記検出部
11a,11bに発生する信号(起電力)の僅かな違い
を磁気検出素子13a,13bによって検出することが
できることを表している。
【0019】本例に示す凹凸検知コイル1において、各
検出部11a,11bの磁気検出素子12a,12b
は、ポールピース13a,13bの磁路R中であれば任
意の位置に配置してよい。この場合、例えば、図4
(b)に示されるように、励磁コイル10のT字型コア
10aにおけるツバ部コア10a2のコイン通路5側の
内面とポールピース13a,13bの下端部との磁路R
に挟まれるように配置するようにすれば、ポールピース
13a,13bの上端部に反抗磁界を集中させることが
できるので、コイン表面の形状的特徴変化がもたらす反
抗磁界電流の変化に応じた信号を高感度に検出すること
ができる。また、一対の検出部11a及び11bとし
て、細身状の磁性コアにコイルを巻回してなる一対の受
信コイルを適用することが考えられる。この場合、受信
コイルを作製するには、磁性コアにコイルを巻回しなけ
ればならないため、検出部の製作に手間がかかると共
に、受信コイルの径が大きくなって、検出部が大型化し
てしまう。これに対して、本例に示す凹凸検知コイル1
は、ポールピース13a,13bにコイルを巻回する必
要がないので、検出部11a,11bを簡易に作製する
ことができると共に小型化することができる。また、磁
気検出素子12a,12bを用いるので、コイン表面の
形状的特徴変化がもたらす反抗磁界電流の変化に応じた
信号を高感度、かつ、高精度に検出することができる。
また、コスト的にも安価な磁気検出素子12a,12b
を用いるので、凹凸検知コイル1の低コスト化を図るこ
とができる。
【0020】次に、図5を参照して、凹凸検知センサ1
及び真贋性検査装置19を具備するコイン検査装置30
の一実施例を説明する。図5において、コイン検査装置
30は、上部にコイン投入用のコイン投入口31を有
し、該コイン投入口31の下方にコイン3を案内するコ
イン通路5を有する。コイン通路5は、図2に示される
ように、コイン3の外周側面を受けるコインレール4を
コイン投入口31の下方に有すると共に、該コインレー
ル4の幅方向両側にコイン3のコイン表面に対向する一
対の通路壁2a及び2bを有して、所定の角度を以て斜
め下方に傾斜するよう構成される。コイン投入口31に
コイン3が投入されると、そのコイン3はコイン通路5
のコインレール4へ自然落下される。コインレール4へ
落下したコイン3は、コイン通路5を通ってコイン投入
口31から遠ざかる方向の下流側に転動しながら移動す
る。コイン通路5の所定の通路壁には、コイン3の移動
方向に沿って、コイン外径検知用の外径検知コイル3
2、コイン材質検知用の材質検知コイル33及び前述し
た凹凸検知コイル1がその順に設けられている。コイン
3はコイン通路5内を移動する間に、外径検知コイル3
2、材質検知コイル33、凹凸検知コイル1をそれぞれ
通過する。外径検知コイル32と材質検知コイル33
は、それぞれ、コイン通路5内をコイン3が移動する間
に、前述したMPUによって所定の励磁手段により異な
る周波数に励磁駆動されて、コイン通路5に電磁場を形
成する。凹凸検知コイル1は、MPUによって励磁手段
21により外径検知コイル32及び材質検知コイル33
とは異なる周波数で励磁駆動されて、コイン通路5に電
磁場を形成する。
【0021】各検知コイル32,33,1は、それぞ
れ、コイン3が電磁場(電界)内を通過するとき、該電
磁場とコイン3との相互作用により得られる電気的変化
量(周波数変化、電圧変化、位相変化など)を検出す
る。検知コイル32,33が検出した検出信号はMPU
に入力され、従来から知られている外径検査方式、材質
検査方式などを用いて該MPUによりコインの真贋性が
検査される。また、凹凸検知コイル1が検出した検出信
号はMPUに入力され、該MPUにより前述したように
コインの真贋性が検査される。検査の結果、コイン3を
正貨であると判定したとき、MPUは、図3に示される
出力端子28へ出力される信号に基づき振り分けソレノ
イド35を駆動してゲート34を作動させ、コイン3を
図示しない正貨通路へ導く。しかし、コイン3が偽貨と
判定されたときは、ゲート34を作動させず、コイン3
を図示しない偽貨通路へ導く。ここでは、コイン3が正
貨であると仮定すると、正貨通路へ導かれたコイン3は
自由落下を続け、やがて金種振り分け用のコインレール
36へ落下する。コインレール36へ落下したコイン3
は、図示しない周知の振り分け手段によって金種毎に振
り分けられ、各金種毎に設けられた排出口A,B,C及
びDの対応する所定の排出口より排出される。
【0022】次に、図8に示すフローチャートに従っ
て、コイン検査装置30のMPUによる一連の処理動作
を説明する。コイン検査装置30の電源が投入される
と、ステップ100において、制御対象の凹凸検知コイ
ル1の励磁手段21、外径検知コイル32、材質検知コ
イル33、振り分けソレノイド35、コインカウンター
などに対して所定の信号を入出力することによって、こ
れらの各部材の初期設定を行う。
【0023】ステップ100を実行した後に、ステップ
101の判定処理に進む。ステップ101の判定処理で
は、例えば、外径検知コイル32の信号を用いて、コイ
ン検査装置30内にコイン3が投入されたか否かを判断
する処理を実行する。ステップ101の判断処理でコイ
ン3が投入されたと判断すると、次のステップ102の
AD変換処理へと進む。しかし、ステップ101の判断
処理でコイン3が投入されていないと判断すると、コイ
ン3の到来を待つようにして待機処理をループする。
【0024】ここでは、ステップ101の判断処理でコ
イン3が投入されたものと仮定して、ステップ102の
AD変換処理へ進むものとする。ステップ102のAD
変換処理では、コイン3が所定の検知コイル32,3
3,1の電磁場内に到来して該検知コイル32,33,
1がコイン3を検知すると、該各検知コイル32,3
3,1から検知信号を受けて、当該各検知コイル32,
33,1毎に検知信号のサンプリングを開始する。次
に、そのサンプリングした検知信号をAD変換し、AD
変換した該検知信号のサンプリング結果を図示しないR
AMなどのメモリに一時記憶保持して、次のステップ1
03の演算処理へと進む。
【0025】ステップ103の演算処理では、メモリに
一時記憶保持されたサンプリング結果であるデジタル信
号列の値と、予めROMなどのメモリ手段に記憶れてい
る受納可能コインの統計値等とを用いて、所定の演算処
理を行って前記投入されたコイン3についての相関係数
を求めた後に、次のステップ105の真偽判定へ進む。
ステップ103の演算処理では、一例として、メモリ手
段の統計値に対するデジタル信号列の値の割合を相関係
数として求める。
【0026】ステップ105の真偽判定では、ステップ
103の演算処理で求めた相関係数と、予めメモリ手段
に記憶させた受納可能コインの特徴に対応づけて設定さ
れた所定の設定値とを比較する。その結果、相関係数>
設定値のときは、前記投入されたコイン3を正貨である
と判定し、ステップ106の正貨処理へと進む。しか
し、相関係数<設定値のときは、前記投入されたコイン
3を偽貨であると判定し、ステップ104の偽貨処理を
実行して、待機ループへ戻る。
【0027】ステップ106の正貨処理では、ステップ
105の真偽判定によるコイン3の正貨判定結果に基づ
き正貨信号、金種信号などを出力する処理を実行して、
待機ループへ戻る。ここで、MPUは一連の処理を終了
し、ステップ101へ戻って待機処理をループする。
【0028】本例に示す凹凸検知コイル1は、前述の実
施例に限定されるものではなく、図9に示されるような
構成としてもよい。前述したように、コイン通路5の通
路壁2aに取り付けられた凹凸検知コイル1は、図3に
示されるように、励磁コイル10のコイル10bが励磁
手段21にリード線を介して接続されると共に、磁気検
出素子12a,12bが定電流源回路20にリード線を
介して接続されるため、コイル10b及び磁気検出素子
12a,12bの配線作業を行う場合、該コイル10b
及び磁気検出素子12a,12bのリード線を1本ずつ
仕分けしながら配線作業を行う必要がある。また、検出
部11a,11bは、T字型コア10aの磁芯10a1
の近傍において該磁芯10a1の直径方向の両側に所定
間隔をおいて精度良く取り付けられる必要がある。そこ
で、コイル10b及び磁気検出素子12a,12bのリ
ード線の配線作業を簡略化すると共に、検出部11a,
11bを高精度に取り付けることができるように、図9
に示されるフレキシブルなシート状の配線板14(以
下、「シート状配線板」と記す)を用いて、凹凸検知コ
イル1を組み立てるようにした。
【0029】シート状配線板14は、図9に示されるよ
うに、絶縁材料よりなるシート状の外装シート15と、
該外装シート15内に並列に配された複数本(図示例で
は、4本)のリード線16a〜16dなどを含んで構成
される。シート状配線板14において、T字型コア10
aに対応する端部14aはツバ部コア10a2の平面形
状と同じ形状に形成されており、その中央部位には磁芯
10a1を貫入するための穴14bが形成されている。
前記端部14aにおいて、外装シート15上には、ポー
ルピース13a及び13bの配設位置に磁気検出素子1
2a,12bが取り付けられており、該磁気検出素子1
2a,12bにはそれぞれリード線16a,16bが電
気的に接続されている。また、前記端部14a近傍の外
装シート14a上には、他のリード線16c,16dに
それぞれ電気的に接続されたランド16c1,16d1
が設けられており、該ランド16c1,16d1にはコ
イル10bの引き出し線10b1,10b2がそれぞれ
電気的に接続されている。このように構成されたシート
状配線板14は、同図に示されるように、端部14aの
穴14bにT字型コア10aの磁芯10a1を貫入する
ことによってT字型コア10aの内面に取り付けられ
る。その後に、T字型コア10aの磁芯10a1にコイ
ル10bを嵌装すると共に、外装シート14a上の磁気
検出素子12a,12bにポールピース13a及び13
bを例えば接着固定する。このように、シート状配線板
14は、コイル10b及び磁気検出素子12a,12b
に接続されるリード線16a〜16dを外装シート15
内に備えるので、コイル10b及び磁気検出素子12
a,12bのリード線の配線作業を行う必要がない。ま
た、外装シート15上にコイル10b及び磁気検出素子
12a,12bを取り付けるようにしたので、励磁コイ
ル10及び検出部11a,11bを簡易に組み立てるこ
とができる。これによって、凹凸検知コイル1を簡単、
かつ、容易に組み立てることができる。
【0030】また、本例に示す凹凸検知コイル1は、図
10乃至図13に示される凹凸検知コイル100,20
0,300ような構成としてもよい。図10において、
凹凸検知コイル100は、励磁コイル101のT字型コ
ア101aを構成する磁芯101a1が長円形に形成さ
れており、その磁芯101a1に巻回されたコイル10
1bの両側に2組の検出部102a,102b及び10
5a,105bが配置されている。1組の検出部102
a,102bは図1に示す検出部11a,11bと同じ
ように、ポールピース103a,103b及び磁気検出
素子104a,104bなどを具備してなる。また、他
の1組の検出部105a,105bも図1に示す検出部
11a,11bと同じように、ポールピース106a,
106b及び磁気検出素子107a,107bなどを具
備してなる。このような構成の凹凸検知コイル100
は、図11(a)、(b)に示されるように、コイン通
路5を構成する一方の通路壁2aに、励磁コイル101
の磁芯101a1の端部及びピースポール103a,1
03b,106a,106bの端部を該通路壁2aに向
かわせて配置される。詳しくは、コイン通路5におい
て、2組の検出部102a,102b及び105a,1
05bのうち、2つのポールピース103a及び103
bと、2つのポールピース106a及び106bのそれ
ぞれの中心を結ぶ線6aがコインレール4の上方で該コ
インレール4と略平行になり、かつ、T字型コア101
aの磁芯101a1の中心が2組の検出部102a,1
02b及び105a,105b間の中心線6b上に位置
するように配置される。この凹凸検知コイル100によ
れば、2組の検出部102a,102b及び105a,
105bを励磁コイル101の磁芯101a1の近傍に
配置しているので、該励磁コイル101から発生する電
磁界がコイン3に作用してもたらされる反抗磁界電流の
変化に応じた信号を磁芯10a1の極近傍の異なる2箇
所で磁気検出素子104a,104b及び107a,1
07bによって検出することができ、よって、コイン表
面の模様が異なるコインをより精度良く検出することが
できるようになる。
【0031】また、上述の凹凸検知コイル100をコイ
ン通路5に備えてなるコイン検査装置30によれば、コ
イン通路5において、励磁コイル101から発生する電
磁界がコイン3に作用してもたらされる反抗磁界電流の
変化に応じた信号(起電力)を磁芯101a1の極近傍
の異なる2箇所で磁気検出素子104a,104b及び
107a,107bによって検出することができるの
で、該各磁気検出素子104a,104b及び107
a,107bの検知信号の変化分に応じた差分信号に基
づき真贋性検査装置19によってコイン3のコイン表面
における特徴をより精度よく識別することができ、よっ
て、コイン3の真偽性をより高精度に検査することがで
きるようになる。
【0032】図12において、凹凸検知コイル200
は、励磁コイル201のT字型コア202におけるツバ
部コア202aを平面形状が略ひし形となるように形成
すると共に、該T字型コア202の磁芯202a1の近
傍に所定間隔をおいて検出部203a及び203bを配
置したものである。なお、図12(a)、(b)におい
て、202bはコイル、204a及び204bはポール
ピース、205a及び205bは磁気検出素子である。
【0033】図13において、凹凸検知コイル300
は、励磁コイル301のT字型コア302におけるツバ
部コア302aを平面形状が略ひし形となるように形成
すると共に、T字型コア302の磁芯302a1及び検
出部303a及び303bにおけるポールピース304
a及び304bを平面形状が略長円形となるように形成
したものである。なお、図13(a)、(b)におい
て、302bはコイル、305a及び305bは磁気検
出素子である。
【0034】本実施の形態では、コイン検査装置30に
おいて、コイン通路5の一方の通路壁2aに凹凸検知コ
イル1を配置したが、コイン通路5の一方の通路壁2a
と他方の通路壁2bにそれぞれ凹凸検知コイル1を配置
してもよい。この場合、凹凸検知コイル1は、励磁コイ
ル10によって発生される電磁場が干渉しない位置に配
置される。このように、凹凸検知コイル1をコイン通路
5一方の通路壁2aと他方の通路壁2bに配置すること
で、該各凹凸検知コイル1の磁気検出素子12a,12
bによってコイン3のコイン表面の形状的特徴変化がも
たらす反抗磁界電流の変化に応じた信号を通路壁2a及
び2b側で検出することができるので、コイン3の真贋
性の検査精度をより向上することができる。
【0035】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明に係るコ
インセンサによれば、励磁コイルによりコイン面の狭域
に磁界を発生させることができるので、コイン通路をコ
インが通過するときに、励磁コイルによる電磁誘導作用
によってコイン面付近に該コイン面の模様に応じて特徴
づけられる渦電流を顕著に発生させることができると共
に、その渦電流によってコイン面付近にコイン面の模様
に応じて特徴づけられる反抗磁界を顕著に発生させるこ
とができる。また、検出部の2つの磁性部材が励磁コイ
ルと電磁的に結合して前記反抗磁界を2つの磁気検出素
子にそれぞれ導くための磁路を形成するので、該各磁気
検出素子によってコイン面の形状的特徴変化がもたらす
反抗磁界電流の変化に応じた信号を検出することができ
ることから、コイン面の模様が異なるコインを精度良く
検出することができる。
【0036】また、本発明に係るコイン検知装置によれ
ば、前述したコインセンサの励磁コイル及び検出部を具
えるので、励磁コイルによる電磁誘導作用によってコイ
ン面付近に該コイン面の模様に応じて特徴づけられる渦
電流を顕著に発生させることができると共に、その渦電
流によってコイン面付近にコイン面の模様に応じて特徴
づけられる反抗磁界を顕著に発生させることができる。
また、検出部の2つの磁性部材により反抗磁界を2つの
磁気検出素子にそれぞれ導くための磁路を形成するの
で、該各磁気検出素子によってコイン面の形状的特徴変
化がもたらす反抗磁界電流の変化に応じた信号を検出す
ることができる。また、検出部の2つの磁気検出素子に
よって検出される信号の変化分に応じた信号を信号処理
手段によって求めると共に、その信号に基づき検査手段
によってコインのコイン面における特徴を識別して真偽
を検査するので、コイン面のデザイン(凹凸模様)が異
なるのみで材質、外径、厚さなどが殆ど一致しているコ
インについてその真偽を精度良く検査することができ
る。このように、励磁コイル及び検出部を用いてコイン
面の模様が異なるコインを精度良く検出することができ
るので、従来のような光学的な装置を用いる必要がな
く、よって、構造が簡素で、かつ、安価な装置を提供す
ることができ、しかも多用なコインに対し真贋性の検査
を高精度に行うことができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコインセンサである凹凸検知コ
イルの一実施例を示し、(a)はその凹凸検知コイルの
正面図、(b)は同凹凸検知コイルの平面図、(c)は
(b)のA−A線断面図。
【図2】 凹凸検知コイルをコイン通路に配置する場合
の配置例を示し、(a)は凹凸検知コイル及びコイン通
路を該コイン通路の通路壁側から見た正面図、(b)は
(a)のB−B線断面図。
【図3】 凹凸検知コイルに適用される真贋性検査装置
の一実施例を示すブロック図。
【図4】 (a)は凹凸検知コイルによってコイン通路
に発生される電磁場の説明図、(b)はコインが電磁場
を通過するときに凹凸検知コイルに形成される磁路の説
明図。
【図5】 本発明に係るコイン検知装置の一実施例を示
す概略構成図。
【図6】 凹凸検知コイルを用いて試験を行った代表コ
インの特性についての説明図であって、凹凸検知コイル
が代表コインの表面を走査する位置を示す図。
【図7】 凹凸検知コイルを用いて試験を行った代表コ
インの特性についての説明図であって、代表コインの真
正コインと被疑貨との特性比較図。
【図8】 コイン検知装置の行う一連の処理を示すフロ
ーチャート。
【図9】 凹凸検知コイルの組み付け例を示す斜視図。
【図10】 凹凸検知コイルの他の実施例を示し、
(a)はその凹凸検知コイルの正面図、(b)は同凹凸
検知コイルの平面図、(c)は同凹凸検知コイルの側面
図。
【図11】 図10に示される凹凸検知コイルをコイン
通路に配置する場合の配置例を示し、(a)は凹凸検知
コイル及びコイン通路を該コイン通路の通路壁側から見
た正面図、(b)は(a)の側面図。
【図12】 凹凸検知コイルの更に他の実施例を示し、
(a)はその凹凸検知コイルの正面図、(b)は同凹凸
検知コイルの平面図。
【図13】 凹凸検知コイルの更に他の実施例を示し、
(a)はその凹凸検知コイルの正面図、(b)は同凹凸
検知コイルの平面図。
【符号の説明】
1 凹凸検知コイル 2a 通路壁 3 コイン 4 コインレール 5 コイン通路 10 励磁コイル 10a T字型コア 10b コイル 10a1 磁芯 10a2 ツバ部コア 11a,11b 検出部 12a,12b 磁気検出素子 13a,13b ポールピース 19 真贋性検査装置 20 定電流源手段 21 励磁手段 23 差動増幅手段 24 検波回路手段 25 検査手段 30 コイン検査装置 31 コイン投入口 32 外径検知コイル 33 材質検知コイル 34 ゲート 35 ソレノイド 36 コインレール 100,200,300 凹凸検知コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G053 AA22 AB21 BA02 BA15 BB03 BB11 BC02 BC07 BC14 CA18 CB17 DA10 DB20 3E002 AA04 AA13 AA14 BB06 BC06 BD02 CA01 CA04 CA06 DA04 EA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入されたコインを案内するコイン通路
    の近傍に配置されるコインセンサであって、 前記コイン通路に磁界を発生させるものであって、磁界
    発生用の磁極を面積の異なる一端部と他端部に有し、該
    一端部と他端部のうち面積の小さい方の端部を前記コイ
    ン通路の通路壁に向かわせてなる励磁コイルと、 前記励磁コイルによって前記コイン通路に発生される磁
    界中を前記投入されたコインが通過するときの磁界変化
    に応じた信号を検出するものであって、前記励磁コイル
    と電磁的に結合するように前記面積の小さい方の端部の
    近傍に所定間隔をおいて前記通路壁に向くように配され
    てなる2つの磁性部材と、該各磁性部材の近傍に配置さ
    れて前記磁界変化に応じて得られる信号を検出する2つ
    の磁気検出素子とを具備する検出部とを具えたコインセ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記検出部の各磁気検出素子は、前記励
    磁コイルの面積の大きい方の端部で前記通路壁に向かう
    内面と前記各磁性コアとの磁路に挟まれるように配置さ
    れる請求項1に記載のコインセンサ。
  3. 【請求項3】 前記励磁コイルは、前記磁界発生用の磁
    極を面積の異なる一端部と他端部に有する磁性コアと、
    該磁性コアに設けられたコイルとを具備する請求項1に
    記載のコインセンサ。
  4. 【請求項4】 前記磁性コアは、前記磁界発生用の磁極
    を面積の異なる一端部と他端部に有する断面略Tの字形
    に形成されてなる請求項3に記載のコインセンサ。
  5. 【請求項5】 前記検出部の磁性部材として、前記励磁
    コイルの面積の小さい方の端部よりも更に小さい面積の
    端部を有する細身状の磁性コアを用いてなる請求項1に
    記載のコインセンサ。
  6. 【請求項6】 前記検出部の各磁性部材は、該各磁性部
    材の中心を結ぶ線が前記コイン通路に設けられたコイン
    レールの上方で該コインレールと略平行になるように所
    定の間隔をおいて配されており、前記励磁コイルは、コ
    イルが設けられた少なくとも1つの磁芯を具備し、該磁
    芯が前記各磁性部材間の略中心に位置するように配され
    る請求項1に記載のコインセンサ。
  7. 【請求項7】 前記検出部を複数具えてなる請求項1乃
    至6のいずれかに記載のコインセンサ。
  8. 【請求項8】 投入されたコインを案内するコイン通路
    と、 前記コイン通路に磁界を発生させるものであって、磁界
    発生用の磁極を面積の異なる一端部と他端部に有し、該
    一端部と他端部のうち面積の小さい方の端部を前記コイ
    ン通路の通路壁に向かわせてなる励磁コイルと、 前記励磁コイルによって前記コイン通路に発生される磁
    界中を前記投入されたコインが通過するときの磁界変化
    に応じた信号を検出するものであって、前記励磁コイル
    と電磁的に結合するように前記面積の小さい方の端部の
    近傍に所定間隔をおいて前記通路壁に向くように配され
    てなる2つの磁性部材と、該各磁性部材の近傍に配置さ
    れて前記磁界変化に応じて得られる信号を検出する2つ
    の磁気検出素子とを具備する検出部と、 前記2つの磁気検出素子によって検出される信号の差を
    求め、該信号の変化分に応じた信号を出力する信号処理
    手段と、 前記信号処理手段によって出力される前記信号に基づき
    前記投入されたコインのコイン面における特徴を識別し
    て真偽を検査する検査手段とを具えたコイン検査装置。
  9. 【請求項9】 前記検出部の各磁気検出素子は、前記励
    磁コイルの面積の大きい方の端部で前記通路壁に向かう
    内面と前記各磁性コアとの磁路に挟まれるように配置さ
    れる請求項8に記載のコイン検査装置。
  10. 【請求項10】 前記励磁コイルは、前記磁界発生用の
    磁極を面積の異なる一端部と他端部に有する磁性コア
    と、該磁性コアに設けられたコイルとを具備する請求項
    8に記載のコイン検査装置。
  11. 【請求項11】 前記磁性コアは、前記磁界発生用の磁
    極を面積の異なる一端部と他端部に有する断面略Tの字
    形に形成されてなる請求項10に記載のコイン検査装
    置。
  12. 【請求項12】 前記検出部の磁性部材として、前記励
    磁コイルの面積の小さい方の端部よりも更に小さい面積
    の端部を有する細身状の磁性コアを用いてなる請求項8
    に記載のコイン検査装置。
  13. 【請求項13】 前記検出部の各磁性部材は、該各磁性
    部材の中心を結ぶ線が前記コイン通路に設けられたコイ
    ンレールの上方で該コインレールと略平行になるように
    所定の間隔をおいて配されており、前記励磁コイルは、
    コイルが設けられた少なくとも1つの磁芯を具備し、該
    磁芯が前記各磁性部材間の略中心に位置するように配さ
    れる請求項8に記載のコイン検査装置。
  14. 【請求項14】 前記検出部を複数具えてなる請求項8
    乃至13のいずれかに記載のコイン検査装置。
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