JP2002364590A - モータおよびモータを有する電子機器 - Google Patents

モータおよびモータを有する電子機器

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JP2002364590A
JP2002364590A JP2001173024A JP2001173024A JP2002364590A JP 2002364590 A JP2002364590 A JP 2002364590A JP 2001173024 A JP2001173024 A JP 2001173024A JP 2001173024 A JP2001173024 A JP 2001173024A JP 2002364590 A JP2002364590 A JP 2002364590A
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impeller
temperature
rotor
set angle
motor
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Nobuyasu Kimura
信保 木村
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Sony Corp
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲温度に応じて風量と風圧をコントロール
でき、追加回路の設定が不要であり、ノイズの発生を防
ぐことができるモータおよびモータを有する電子機器を
提供すること。 【解決手段】 インペラー31を有するロータ20と、
ロータ20を回転可能に支持し、ロータ20を磁気的相
互作用により回転させるステータ22と、ロータ20の
軸方向と直交する方向に関するインペラー31の設定角
度を、インペラー31の周囲温度に応じて変更する温度
感応部409を有するインペラーの角度変更部400を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータおよびモー
タを備える電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば携帯型のコンピュータのような
電子機器には、内部を冷却するためのファンモータが配
置されている。図11と図12は、従来のファンモータ
の例を示している。従来のファンモータは、ロータ10
00とステータ1001を有しており、ロータ1000
の軸1002は、ステータ1001の軸受け1003に
おいて回転可能に支持されている。ロータ1000とス
テータ1001は、ケーシング1005に収容されてお
り、ロータ1000はインペラー(羽根)1006を有
している。ロータ1000のインペラー1006が、ス
テータ1001側との間において磁気的相互作用により
R1方向に連続回転すると、たとえばコンピュータの筐
体内の空気は、風吸い込み口1010からF1方向に入
り込み、そして風吹き出し口1020からF2の方向に
排出されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種のファンモータ
はたとえば約5500rpmにて回転するようにしてい
るが、インペラー1006は樹脂で作られており、イン
ペラー1006の取付角度はロータ1000の軸L1に
対して直交する方向の直線L2に対してθ10の角度だ
け傾いている。このθ10の角度はたとえば25.56
度である。このためにロータ1000の定常回転域にお
けるファンのP−Q特性は一定になり、周囲温度の上昇
により風量と風圧を上げるには外部回路コントロールデ
バイスが必要になる。このP−Q特性は、風量Qと静圧
Pで表わした時に、図12(B)に示すように縦軸に
P、横軸にQを取り、P−Q特性として表示する。つま
り、風量・静圧特性は横軸に風量、縦軸に静圧を取るこ
とにより、ある風量を出そうとした時に、ファンがどれ
だけの静圧を生み出すことができるかを示したグラフで
ある。最大風量は、ポイントAにおいて静圧ゼロ、つま
り圧力損失のない状態で生じ、最大風圧は、ポイントB
においてファンが出しうる最大の静圧値で得られる。
【0004】このようにインペラー1006の角度が一
定であったので、ファンモータ単独で風量や風圧を周囲
の温度の上昇に応じてコントロールできにくい。この種
のファンモータを用いて風量や風圧をコントロールしよ
うとすると、ファンモータのオン操作とオフ操作が適宜
必要であり、このような操作は、周囲の温度の細かな変
化に対応して行うことはできない。またこのようにファ
ンモータのオンやオフの操作を繰り返すと、ファンモー
タから生じるノイズが大きくなってしまうという問題も
ある。そこで本発明は上記課題を解消し、周囲温度に応
じて風量と風圧をコントロールでき、追加回路の設定が
不要であり、ノイズの発生を防ぐことができるモータお
よびモータを有する電子機器を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
ペラーを有するロータと、前記ロータを回転可能に支持
し、前記ロータを磁気的相互作用により回転させるステ
ータと、前記ロータの軸方向と直交する方向に関する前
記インペラーの設定角度を、前記インペラーの周囲温度
に応じて変更する温度感応部を有するインペラーの角度
変更部と、を有することを特徴とするモータである。請
求項1では、ロータはインペラーを有している。ステー
タはロータを回転可能に支持しており、ステータはロー
タを磁気的相互作用により回転させる。インペラーの角
度変更部は、温度感応部を有しており、この温度感応部
は、ロータの軸方向と直交する方向に関するインペラー
の設定角度を、インペラーの周囲温度に応じて変更する
機能を有している。これにより、インペラーの角度変更
部の温度感応部は、周囲温度の変化に応じてインペラー
の設定角度を変更することができるので、周囲温度に応
じてインペラーが発生する風量や風圧をインペラーの設
定角度により適宜変更することができる。これにより従
来と異なり外部回路コントロールデバイスの追加設定が
不要であり、モータのオンオフ操作も不要であり、この
ことからモータのノイズが生じにくい。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載のモー
タにおいて、前記温度感応部は、形状記憶合金で作られ
ており、常温での前記インペラーの第1設定角度より
も、前記常温よりも高い温度における前記インペラーの
第2設定角度が大きい。請求項2では、温度感応部は形
状記憶合金で作られており、温度感応部は、常温でのイ
ンペラーの第1設定角度よりも常温よりも高い温度にお
けるインペラーの第2設定角度が大きくなるようにイン
ペラーの設定角度を調整する。これにより、インペラー
は常温より高い温度の場合には、常温に比べてより大き
い風量と風圧を発生することができる。
【0007】請求項3の発明は、請求項2に記載のモー
タにおいて、前記温度感応部は、前記ロータの周囲面か
ら半径方向に突出している突出部と、前記突出部と一体
に形成されて前記ロータの周囲面に固定された固定部と
を有し、前記インペラーは、前記温度感応部の前記突出
部に装着される翼部と、前記常温より高い温度から前記
常温に下がった場合に、前記翼部を前記常温より高い温
度での前記第2設定角度から前記常温での前記第1設定
角度に復帰させるための復帰付勢部材とを有する。請求
項3では、温度感応部は突出部と固定部を有している。
温度感応部の突出部はロータの周囲面から半径方向に突
出している。温度感応部の固定部は突出部と一体に形成
されてロータの周囲面に固定されている。インペラーは
翼部と復帰付勢部材を有している。インペラーの翼部
は、温度感応部の突出部に装着される部分である。イン
ペラーの復帰付勢部材は、常温より高い温度から常温に
下がった場合に、翼部を常温より高い温度での第2設定
角度から常温での第1設定角度に復帰させるようになっ
ている。これにより温度が下がれば自動的に翼部を第1
設定角度から第2設定角度まで自動的に確実に戻すこと
ができる。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載のモー
タにおいて、前記ロータと前記ステータを収容し、前記
インペラーの回転により空気を導入する空気導入穴と、
導入した空気を外部に排出する空気排出穴を有するケー
シングを有する。
【0009】請求項5の発明は、筐体内の空気を排出す
るためのモータを有する電子機器であり、前記モータ
は、インペラーを有するロータと、前記ロータを回転可
能に支持し、前記ロータを磁気的相互作用により回転さ
せるステータと、前記ロータの軸方向と直交する方向に
関する前記インペラーの設定角度を、前記インペラーを
通過する空気の温度に応じて変更する温度感応部を有す
るインペラーの角度変更部と、を有することを特徴とす
るモータを有する電子機器である。請求項5では、ロー
タはインペラーを有している。ステータはロータを回転
可能に支持しており、ステータはロータを磁気的相互作
用により回転させる。インペラーの角度変更部は、温度
感応部を有しており、この温度感応部は、ロータの軸方
向と直交する方向に関するインペラーの設定角度を、イ
ンペラーの周囲温度に応じて変更する機能を有してい
る。これにより、インペラーの角度変更部の温度感応部
は、周囲温度の変化に応じてインペラーの設定角度を変
更することができるので、周囲温度に応じてインペラー
が発生する風量や風圧をインペラーの設定角度により適
宜変更することができる。これにより従来と異なり外部
回路コントロールデバイスの追加設定が不要であり、モ
ータのオンオフ操作も不要であり、このことからモータ
のノイズが生じにくい。
【0010】請求項6の発明は、請求項5に記載のモー
タを有する電子機器において、前記温度感応部は、形状
記憶合金で作られており、常温での前記インペラーの第
1設定角度よりも、前記常温よりも高い温度における前
記インペラーの第2設定角度が大きい。請求項6では、
温度感応部は形状記憶合金で作られており、温度感応部
は、常温でのインペラーの第1設定角度よりも常温より
も高い温度におけるインペラーの第2設定角度が大きく
なるようにインペラーの設定角度を調整する。これによ
り、インペラーは常温より高い温度の場合には、常温に
比べてより大きい風量と風圧を発生することができる。
【0011】請求項7の発明は、請求項6に記載のモー
タを有する電子機器において、前記温度感応部は、前記
ロータの周囲面から半径方向に突出している突出部と、
前記突出部と一体に形成されて前記ロータの周囲面に固
定された固定部とを有し、前記インペラーは、前記温度
感応部の前記突出部に装着される翼部と、前記常温より
高い温度から前記常温に下がった場合に、前記翼部を前
記常温より高い温度での前記第2設定角度から前記常温
での前記第1設定角度に復帰させるための復帰付勢部材
とを有する。請求項7では、温度感応部は突出部と固定
部を有している。温度感応部の突出部はロータの周囲面
から半径方向に突出している。温度感応部の固定部は突
出部と一体に形成されてロータの周囲面に固定されてい
る。インペラーは翼部と復帰付勢部材を有している。イ
ンペラーの翼部は、温度感応部の突出部に装着される部
分である。インペラーの復帰付勢部材は、常温より高い
温度から常温に下がった場合に、翼部を常温より高い温
度での第2設定角度から常温での第1設定角度に復帰さ
せるようになっている。これにより温度が下がれば自動
的に翼部を第1設定角度から第2設定角度まで自動的に
確実に戻すことができる。
【0012】請求項8の発明は、請求項5に記載のモー
タを有する電子機器において、前記ロータと前記ステー
タを収容し、前記インペラーの回転により空気を導入す
る空気導入穴と、導入した空気を外部に排出する空気排
出穴を有するケーシングを有する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0014】図1は、本発明のモータを備える電子機器
の好ましい実施の形態として、携帯型のコンピュータを
示している。図1のコンピュータ1は、表示部2と本体
3を有しており、表示部2は本体3に対して連結部4に
より開閉可能に支持されている。本体3は、キーボード
5、筐体12、モータ10等を有している。
【0015】図2は、図1のA−Aにおける断面構造例
を示している。図3はモータ10の構造の外観を示して
いる。図2では、筐体12の中に本発明のモータ10が
内蔵されており、このモータ10は、本体3の筐体12
の内部を冷却するためのファンモータとして用いられて
いる。モータ10は、ロータ20とステータ22とケー
シング41を有している。図2に示すように、筐体12
の中にはたとえば回路基板131が配置されており、こ
の回路基板131はたとえばCPU(中央処理装置)や
ドライバーのような動作時に発熱を伴う電子部品92等
が搭載されている。モータ10は、上述したように筐体
12の中に配置されており、筐体12内の温まった空気
は、T1方向からT2の方向に排出することで、筐体1
2内で発熱している電子部品92等を冷却するようにな
っている。
【0016】ケーシング41はカバー41Aを有してい
る。ロータ20は、インペラー31、ロータケース2
9、メインマグネット30を有している。このロータケ
ース29は、磁気回路を形成するために、たとえば鉄板
を絞り加工することにより作られている。メインマグネ
ット30は、たとえばネオジプラスチックマグネットで
ある。このメインマグネット30は、4極のN極とS極
を交互に着磁して形成してある。インペラー31は、ロ
ータケース29の周囲に対してたとえば7枚形成されて
おり、材質としては、一例としてステンレス鋼(SUS
304)により作られている。このインペラー31は中
心軸CLを中心としてたとえば5500rpmで回転す
ることにより、T1方向に沿って空気導入穴100から
風を吸い込んで、T2の方向に沿って空気排出穴130
から風を吹き出すことができる。
【0017】次にステータ22について説明する。ステ
ータ22は、概略的には軸受け42、ステータヨーク5
4、軸受けハウジング52、ホール素子200、コイル
43、ベアリングホルダー49、回路基板41Bを有し
ている。軸受けハウジング52は、ケーシング41に対
して一体的に設けられており、たとえばアルミダイカス
ト材により作られている。カバー41Aはアルミニウム
板である。軸受けハウジング52の穴には軸28がたと
えば圧入により固定されている。軸28はたとえばステ
ンレス鋼により作られている。
【0018】軸受け42は、軸28に対してロータケー
ス29を回転可能に支持する軸受けである。軸受け42
のインナーレース部42aはボール42bに対して適正
な与圧をかける構造になっている。この軸受け42はベ
アリングホルダー49により保持されている。ステータ
ヨーク54は、珪素鋼板を複数枚重ねたものである。コ
イル43はたとえば190ターンを4極連続巻にして7
60ターン巻かれている。
【0019】図2のホール素子200は回路基板41B
の付近にあり、たとえばガリウム砒素製のセンサであ
り、このホール素子200が2位相の出力変化信号を発
生する一般的な単層全波駆動方式を採用している。この
ホール素子200は、メインマグネット30の回転量を
検出するものである。回路基板41Bは、たとえばガラ
スエポキシ基板を用いており、この基板41Bにホール
素子200がマウントされている。回路基板41Bは、
コイル43に対して電流供給をする。
【0020】図2のコイル41に対して外部の制御回路
から回路基板41Bを通じて所定の通電パターンで通電
することにより、コイル43が発生する磁気とロータ2
0のメインマグネット30が発生する磁気との相互作用
により、ロータ20はステータ22に対して軸28を中
心として、たとえば約5500rpmで連続回転するよ
うになっている。これにより、インペラー31は、連続
回転することにより本体3の中の空気をT1方向から空
気導入穴100を通じて吸い込んだ後に、本体3の空気
排出穴130からT2の方向に排出するようになってい
る。本体3の内側には、コンピュータの回路基板131
が配置されており、この回路基板131には複数の電子
部品92が搭載されている。この電子部品92として
は、ドライバIC(集積回路)や、その他の素子であ
り、動作時には発熱する。しかし、インペラー31が連
続回転することにより、この電子部品が発生した熱はT
1方向からT2の方向、すなわち本体3の外へ排出する
ことができる。
【0021】図3を参照すると、ケーシング41、ロー
タ20等を示しており、ロータ20とインペラー31は
中心軸CLを中心として回転方向Dに沿って連続回転す
る。図4はロータ20のインペラー31を示している。
図5は、図4のG方向から見た1枚のインペラー31を
示している。図3と図4に示すようにインペラー31
は、ロータ20のロータケース29に対して均等角度を
おいてたとえば7枚形成されている。図5に示すよう
に、インペラー31は、ロータケース29の軸方向CL
に対して直交する直線Jに対して所定の第1設定角度θ
1だけ傾けて設定されている。この第1設定角度θ1
は、たとえば25.56度である。この第1設定角度θ
1は、インペラー31の周囲温度が常温、たとえば25
℃に保たれている状態で設定される角度である。
【0022】図6は、ロータ20の1つのインペラー3
1と、インペラーの角度変更部400と、ロータケース
29の一部分を示している分解斜視図である。図7は、
図3と図4のロータ20をより詳しく示した図である。
図8は、図7のY−Yにおけるロータ20の断面形状例
である。図6に示すようにインペラー31は、翼部30
0と復帰付勢部材310を有している。このインペラー
31の翼部300と復帰付勢部材310は、金属、たと
えばバネ用のステンレス鋼帯(SUS304−CSP)
により作られている。翼部300は、曲面状の第1面部
313と曲面状の第2面部315を有しており、第1面
部313と第2面部315は、それぞれ反対方向に湾曲
していて、第1面部313と第2面部315の間には、
挿入穴317が形成されている。復帰付勢部材310
は、翼部300と一体に作られており、翼部300の形
成方向Mに対して、ほぼ垂直なN方向に突出して形成さ
れている。このN方向はロータケース29の軸方向CL
と平行な方向である。
【0023】図6のインペラーの角度変更部400は、
固定部401と突出部403と温度感応部409を有し
ている。インペラーの角度変更部400は、形状記憶合
金により作られている。温度感応部409は突出部40
3と固定部401よりも細く形成されていて、突出部4
03が固定部401に対して支点Fを中心に回転しやす
くしている。固定部401はロータケース29の外周面
側の溝29Aの中に接着や圧入により固定されている。
従って固定部401の形成方向はN方向と平行である。
これに対して、突出部403はほぼ固定部401とは直
交する方向に突出して、つまりロータケース29の半径
方向に突出して形成されている。突出部403は、たと
えばほぼ長板状の部分であり、変態温度であるたとえば
70℃では直線Jに対して変態角度(第2設定角度に相
当する)θ2を以て傾斜して形成されている。すなわち
直線Jはロータケース29の軸方向に対して直交する方
向であるが、この直線Jに対して変態角度θ2だけ傾け
て設定される。この変態角度θ2は、変態温度がたとえ
ば70℃に達した時に、突出部403の温度感応部40
9が変態角度θ2を第2設定角度として設定する機能を
有している。また、突出部403は、常温であるたとえ
ば25℃の時には直線Jに対して第1設定角度θ1で傾
斜している。
【0024】突出部403は、インペラー31の翼部3
00の挿入穴317にたとえば圧入により挿入されるこ
とで、インペラー31は突出部403に対して抜けない
ように固定される。図7では、各インペラー31の翼部
300の挿入穴317に突出部403が挿入された状態
を示している。図9(A)と図9(B)に示すように、
インペラー31の翼部300の挿入穴317にはインペ
ラーの角度変更部400の突出部403が挿入されてい
る様子を示している。
【0025】図9(B)に示すように、翼部300は、
突出部403の温度感応部409にある支点Fを中心と
して、周囲温度に応じてその設定角度を、図10に示す
ように直線Jに対して第1設定角度θ1から第2設定角
度θ2まで変化させることができる。第1設定角度θ1
は、たとえば周囲温度が常温である25℃の時に25.
6度に設定してある。周囲温度(環境温度ともいう)が
上昇して、形状記憶合金製の突出部403の変態温度た
とえば70℃に達すると、突出部403は図10に示す
第2設定角度θ2に設定される。従って、図6のインペ
ラー31の翼部300は復帰付勢部材310の付勢力に
抗して図10のR1方向にねじ曲げられて、たとえば数
mm秒で、第1設定角度θ1から第2設定角度θ2に変
更して位置31aから位置31bまで変化することがで
きる。つまりインペラー31の角度が直線Jに対して、
すなわちロータのロータケース29に対する角度が大き
くなることから、ロータケース29の回転時における風
圧および風量が増加して、所定の冷却効果を加速するこ
とができる。
【0026】逆に周囲温度が70℃から下がっていっ
て、たとえば常温25℃まで低下すると、図6の突出部
403の設定角度は図10の第2設定角度θ2から第1
設定角度θ1まで小さくなっていくことから、インペラ
ーは位置31bから位置31aまで角度が小さくなって
いくことから、その常温での第1設定角度θ1を保ちな
がら所定の風量と風圧を得ることができる。このように
して、周囲温度の上昇や下降に応じて、インペラー31
の設定角度を細かくかつ連続的に変更していくことがで
きることから、図2に示す本体3で発生している熱を、
T1方向からT2の方向に対して排出する際に、その本
体3の中の周囲温度の変化に応じて適切な風量と風圧で
熱を本体内3から排出することができるのである。
【0027】従って、モータ10のロータ20は一定の
回転数、たとえば5500rpmで連続回転した状態で
あっても、本体3の中の周囲温度の上昇や下降に応じ
て、インペラー31の翼部300の角度を変更していく
ことができるので、その周囲温度に応じた風量と風圧を
得て、本体3の中の冷却効果を適切にすることができ
る。本発明のモータを用いると、従来と異なり追加の外
部回路コントロールデバイスが不要であり、風量や風圧
を周囲温度に合わせてコントロールするためにモータの
オンオフ操作を細かく行う必要もない。従ってモータか
ら発生するノイズは極力小さくすることができ、ノイズ
が気にならなくなる。このようにして、動作により発熱
している図2に示す電子部品92等の熱を奪い取り、本
体3の外部に効率よく排出することができる。
【0028】図6に示すインペラーの角度変更部400
の材質である形状記憶合金は、ニッケル(たとえば49
%〜50%)と残部がチタンである合金であり、インペ
ラーの角度変更部400の変態温度は、ニッケル1%を
如何にコントロールするかで変わる。一般にニッケル成
分が多くなると変態温度は上昇する傾向にある。変態温
度の設定は、たとえば−10℃〜+90℃で行うことも
できる。インペラーの角度変更部400の機械的特性と
しては、変態温度以下であると自由に変形できるが、変
態温度を超える周囲温度になると、形状記憶合金の剛性
が増して、突出部403はその剛性を保った状態になっ
ている。
【0029】図6において、変態温度から常温に戻る場
合には、インペラー31の復帰付勢部材310の付勢力
により、翼部300と突出部403が第2設定角度θ2
から強制的に元の第1設定角度θ1に戻ることになる。
このように常温から変態温度まで上昇していくと、イン
ペラーの角度変更部400が翼部300の角度を上昇し
ていき、変態温度から常温に下がっていく場合には、イ
ンペラー31の復帰付勢部材310の付勢力により翼部
300と突出部403を強制的に変態角度(第2設定角
度θ2から第1設定角度θ1)まで自動的に確実に戻し
ていくことができる。
【0030】本発明のモータの実施の形態は、いわゆる
薄型ファンモータであるが、翼の付け根に設けた温度感
応部により、周囲温度に適した翼の可変が自動的に調整
されることにより、常に効率良い運転状態を維持するこ
とが可能である。特に薄型ファンモータのインペラー構
造において、設定温度に合った翼部の角度を自動的にコ
ントロールする機構を設けたことにより、小風量・低圧
力から大風量・高圧力まで広い範囲で特性をカバーする
ことができる。ロータケースとインペラーの接合部に設
けた温度感応部により所定の条件に合うようインペラー
の角度のコントロールができる。図6のインペラー31
はバイアス力設定用の復帰付勢部材310とインペラー
の効果を持つ翼部300を有する構造である。インペラ
ーとインペラー角度変更部は、たとえば樹脂によりロー
タケースと締結させて剛性を保つことで、インペラー3
1は図9(B)の支点Fを中心に図10に示すように第
1設定角度θ1から第2設定角度θ2の間において周囲
温度(環境温度)に応じて変位できる。インペラー31
を第2設定角度θ2から第1設定角度θ1にもどすの
は、図6に示すインペラー31の復帰付勢部材310の
バネ効果である。インペラー31は樹脂にてロータケー
ス29と締結させ、剛性を保つことによりロータケース
の付け根より所定の角度で形状記憶合金の変位が生じ、
元の位置に戻すのにはたとえばSUS304製の復帰付
勢部材310のバネ効果で行うことが可能である。
【0031】ファンモータの形状を一定にして、インペ
ラーの変態温度を調整してマウントしておくことによ
り、種々の条件にマッチしたファンモータの標準化が可
能で、ファンモータの設計の簡素化ができる。ロータケ
ースとインペラーの接合部に設けた温度感応部により所
定の条件に合うよう角度コントロールされる構造である
ので、急激なモータの停止やスタートの必要が無くなる
ため、モータ立ち上がり時の機械的ノイズが無くなる。
【0032】ところで本発明のモータは、コンピュータ
のような電子機器に限らず、電子機器としてはコンピュ
ータ以外の他の分野の機器、たとえばデジタルカメラや
ビデオレコーダ等であってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周囲温度に応じて風量と風圧をコントロールでき、追加
回路の設定が不要であり、ノイズの発生を防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータを備える電子機器の一例である
携帯型のコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1の携帯型のコンピュータにおけるA−Aに
おける断面図。
【図3】モータの平面図。
【図4】ロータの平面図。
【図5】図4のG方向から見たロータの側面図。
【図6】ロータのインペラーとインペラーの角度変更部
の構造例を示す分解斜視図。
【図7】ロータの平面図。
【図8】図7のY−Yにおける断面構造例を示す図。
【図9】ロータのインペラーとロータケースの側面図。
【図10】インペラーが第1設定角度と第2設定角度の
間で変位する様子を示す図。
【図11】従来のモータの断面図。
【図12】従来のモータの平面図。
【符号の説明】
1・・・コンピュータ(モータを備える電子機器の一
例)、10・・・モータ、20・・・ロータ、22・・
・ステータ、29・・・ロータケース、31・・・イン
ペラー、300・・・インペラーの翼部、310・・・
インペラーの復帰付勢部材、400・・・インペラーの
角度変更部、401・・・インペラーの角度変更部の固
定部、403・・・インペラーの角度変更部の突出部、
409・・・温度感応部、θ1・・・第1設定角度、θ
2・・・第2設定角度(変態角度に相当する)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H033 AA02 BB02 BB08 BB20 CC01 DD20 DD28 EE06 EE15 EE19 5H607 AA02 BB01 BB07 BB14 BB17 BB23 CC05 CC07 DD02 FF04 FF12 GG02 HH01 HH09 JJ04 JJ06 KK10 5H621 JK01 JK11 JK13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インペラーを有するロータと、 前記ロータを回転可能に支持し、前記ロータを磁気的相
    互作用により回転させるステータと、 前記ロータの軸方向と直交する方向に関する前記インペ
    ラーの設定角度を、前記インペラーの周囲温度に応じて
    変更する温度感応部を有するインペラーの角度変更部
    と、を有することを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記温度感応部は、形状記憶合金で作ら
    れており、常温での前記インペラーの第1設定角度より
    も、前記常温よりも高い温度における前記インペラーの
    第2設定角度が大きい請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記温度感応部は、前記ロータの周囲面
    から半径方向に突出している突出部と、前記突出部と一
    体に形成されて前記ロータの周囲面に固定された固定部
    とを有し、 前記インペラーは、前記温度感応部の前記突出部に装着
    される翼部と、前記常温より高い温度から前記常温に下
    がった場合に、前記翼部を前記常温より高い温度での前
    記第2設定角度から前記常温での前記第1設定角度に復
    帰させるための復帰付勢部材とを有する請求項2に記載
    のモータ。
  4. 【請求項4】 前記ロータと前記ステータを収容し、前
    記インペラーの回転により空気を導入する空気導入穴
    と、導入した空気を外部に排出する空気排出穴を有する
    ケーシングを有する請求項1に記載のモータ。
  5. 【請求項5】 筐体内の空気を排出するためのモータを
    有する電子機器であり、 前記モータは、 インペラーを有するロータと、 前記ロータを回転可能に支持し、前記ロータを磁気的相
    互作用により回転させるステータと、 前記ロータの軸方向と直交する方向に関する前記インペ
    ラーの設定角度を、前記インペラーを通過する空気の温
    度に応じて変更する温度感応部を有するインペラーの角
    度変更部と、を有することを特徴とするモータを有する
    電子機器。
  6. 【請求項6】 前記温度感応部は、形状記憶合金で作ら
    れており、常温での前記インペラーの第1設定角度より
    も、前記常温よりも高い温度における前記インペラーの
    第2設定角度が大きい請求項5に記載のモータを有する
    電子機器。
  7. 【請求項7】 前記温度感応部は、前記ロータの周囲面
    から半径方向に突出している突出部と、前記突出部と一
    体に形成されて前記ロータの周囲面に固定された固定部
    とを有し、 前記インペラーは、前記温度感応部の前記突出部に装着
    される翼部と、前記常温より高い温度から前記常温に下
    がった場合に、前記翼部を前記常温より高い温度での前
    記第2設定角度から前記常温での前記第1設定角度に復
    帰させるための復帰付勢部材とを有する請求項6に記載
    のモータを有する電子機器。
  8. 【請求項8】 前記ロータと前記ステータを収容し、前
    記インペラーの回転により空気を導入する空気導入穴
    と、導入した空気を外部に排出する空気排出穴を有する
    ケーシングを有する請求項5に記載のモータを有する電
    子機器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111382A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Japan Servo Co Ltd モータファン
CN109936256A (zh) * 2017-12-19 2019-06-25 蔡应麟 油烟机风轮的无刷电机结构改良

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JP2008111382A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Japan Servo Co Ltd モータファン
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