JP2002364383A - ガスタービン吸気冷却装置 - Google Patents

ガスタービン吸気冷却装置

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JP2002364383A JP2001168402A JP2001168402A JP2002364383A JP 2002364383 A JP2002364383 A JP 2002364383A JP 2001168402 A JP2001168402 A JP 2001168402A JP 2001168402 A JP2001168402 A JP 2001168402A JP 2002364383 A JP2002364383 A JP 2002364383A
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Shuntaro Suzuki
俊太郎 鈴木
Shuzo Yamamoto
修三 山本
Yasuo Sakai
康雄 酒井
Toshihiro Baba
俊博 馬場
Teruo Katayama
照男 片山
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷需要と大気温度を計測・予測し、ガスタ
ービン出力特性に基づいて適切な吸気温度を計算・制御
することにより、トータルエネルギー効率を揚げ、電力
を安定供給することができるガスタービンの吸気冷却装
置を提供する。 【解決手段】 蒸気噴射型ガスタービン10を主機とし
排熱回収ボイラとで構成されると共に吸気冷却装置11
を備え、熱電可変型コジェネユニットで電力と蒸気を供
給するコジェネレーションプラントにおいて、大気温度
17と電力の負荷需要量16を計測もしくは予測し、ガ
スタービンの出力特性18に基づいて、最適運用を行う
ための吸気温度を決定し、それに基づいて吸気温度を制
御するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気噴射型ガスタ
ービンを主機とし排熱回収ボイラとで構成される熱電可
変型コジェネユニットを用いて電力及び蒸気を供給する
コジェネレーションプラントに係り、特に、コジェネレ
ーションプラントにおいて吸気温度を考慮した効率運転
制御を行うためのガスタービン吸気冷却装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】蒸気噴射型ガスタービンを主機とし、そ
のガスタービンの排熱を利用して蒸気を発生させる排熱
回収ボイラを付加して構成された熱電可変型コジェネユ
ニットは、排熱回収ボイラからの蒸気をガスタービンに
入力することによって発電効率(発電能力)を上げるこ
とができるので、単に電力と蒸気とを並行して供給でき
るだけでなく、電力出力量及び蒸気出力量を複合的に調
節することができる。
【0003】図3に示すようにコジェネユニットは、蒸
気噴射型ガスタービン30と排熱回収ボイラ31とから
構成され、給気をコンプレッサ33で圧縮して燃焼室3
4に送り、燃焼室34に供給された燃料を燃焼させてタ
ービン35を駆動して発電機Gによる発電を行い、燃焼
排ガスを、排熱回収ボイラ31に供給して熱回収し、排
熱回収ボイラ31に給水して得られた蒸気を、需要系3
8に送ると共に、蒸気の一部を、ガスタービンケース噴
射蒸気として燃焼室34に、またノズル36を介して圧
縮空気と共にタービン35に供給して電力量と蒸気量を
調整する。
【0004】このように、熱電可変型コジェネユニット
では、電力と蒸気を供給することができ、排熱回収ボイ
ラから発生した蒸気の一部をガスタービンに噴射するこ
とにより発電効率を上げるものであり、同じ燃料量で、
送気蒸気量と発電量を可変とすることができる。
【0005】図4はコジェネユニットの燃料−送出蒸気
量・発電量特性図を示したものである。
【0006】この特性図は、発電量1000〜6000
kwにおける送気蒸気量と燃料消費量の特性を示したも
のである。
【0007】送気蒸気量と燃料消費燃料特性は、ガスタ
ービンと排熱回収ボイラの特性及び制約条件により決定
され、点A〜Fで結んだ領域が運転域となる。ここで点
Aと点Bを結ぶ線は、ガスタービンに噴射する蒸気量上
限で決定され、点Bと点Cで結ぶ線は、ガスタービン入
口温度上限値の制限で決定され、点Cと点Dを結ぶ線
は、発生蒸気量上限値の制限で決定され、点Dと点Eと
点Fを結ぶ線は、ガスタービン出力下限値により決定さ
れる。
【0008】ここで、電力需要と蒸気需要とが決まって
いるとすると、同じ燃料を消費するのでも、前述のよう
に噴射蒸気量を調節することで電力出力量及び蒸気出力
量を複合的に調節できるため、運転ポイントが多数存在
することになる。また、外部からの電力・蒸気の供給を
加味することにより、運転ポイントの範囲は更に広がり
燃料消費量も異なるので、運転ポイントを変動させると
運用コストも変動することになる。また電力需要と蒸気
需要とは、常時変化するため、最小の運用コストとなる
ように運転ポイントを決定するのは困難である。
【0009】そこで、本出願人は、先に、特願平200
0−21820号(発明の名称;コジェネプラントの運
転方法及びその装置)にて、先ず電力及び蒸気の負荷需
要予測を行い、それに基づいて、与えられた制限下にお
ける運用コストが最小となるコジェネユニットの電力及
び蒸気出力量を決定し、それに基づいて、与えられた制
限下における運用計画スケジュールを立て、各々のコジ
ェネユニットを起動・停止を決定すると共にコジェネユ
ニットの個別制御装置に、起動/停止、運転ポイントを
指令するコジェネプラントの運転方法を提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のコジ
ェネレーションプラントの運転管理システムでも、先願
の発明でも、プラントの運転効率(一次エネルギー量に
対する二次エネルギー発生量)を優先して運転コストが
最小となる運転ポイントを決定しているが、吸気温度に
対するガスタービンの出力特性を十分に検討しておら
ず、気温が設定温度以上の場合に吸気冷却装置を起動す
る等簡単な指針で、もしくはプログラムで運転されてお
り、実際に必要となる条件より早めに吸気冷却装置を起
動することにより、ガスタービンの出力不足(=電力の
供給不足)を発生させないようにしていた。
【0011】この吸気冷却のための冷却水を生成するコ
ストは、吸気冷却によるガスタービンの出力効率上昇に
ともなうコスト削減量を上回るため、必要以上に吸気冷
却するのは経済性・省エネの観点から好ましくない。
【0012】しかし、必要なときに吸気冷却しないと、
発電量が足りず、外部からの買電が必要となってしまう
問題がある。通常、電力会社とは買電量の上限によって
契約するため、上限を越える買電をすることは許されな
い。
【0013】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、負荷需要と大気温度を計測・予測し、ガスタービン
出力特性に基づいて適切な吸気温度を計算・制御するこ
とにより、トータルエネルギー効率を揚げ、電力を安定
供給することができるガスタービンの吸気冷却装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、蒸気噴射型ガスタービンを主機
とし排熱回収ボイラとで構成されると共に吸気冷却装置
を備え、熱電可変型コジェネユニットで電力と蒸気を供
給するコジェネレーションプラントにおいて、大気温度
と電力の負荷需要量を計測もしくは予測し、ガスタービ
ンの出力特性に基づいて、最適運用を行うための吸気温
度を決定し、それに基づいて吸気温度を制御するように
したガスタービンの吸気冷却装置である。
【0015】請求項2の発明は、大気温度と電力の負荷
需要量の計測もしくは予測値が入力されると共にガスタ
ービンの出力特性が入力され、これに基づいて吸気温度
を設定する吸気温度設定部と、その吸気温度設定部で設
定した吸気温度となるようにガスタービンに供給する吸
気温度を制御する吸気温度制御部とを備えた請求項1記
載のガスタービンの吸気冷却装置である。
【0016】請求項3の発明は、吸気温度設定部は、大
気温度が高く、ガスタービン特性より求められる最大発
電量に対して電力需要量が高くなると予測されるとき
に、その電力需要量より高くなる最大発電量が得られる
ように吸気温度を設定し、その設定温度となるように吸
気温度制御部が、ガスタービンへの吸気を冷却する請求
項2記載のガスタービンの吸気冷却装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面に基づいて詳述する。
【0018】図1は、本発明に係るコジェネレーション
プラントのガスタービン吸気冷却装置を示したものであ
る。
【0019】図1において、10は、熱電可変型ガスタ
ービンで、詳細は示していないが、図5で説明したよう
にコンプレッサとタービンからなり、吸気をコンプレッ
サで圧縮し、その圧気を燃焼室に導入して燃焼室に供給
された燃料(天然ガス等)を燃焼してタービンに送り、
そのタービンの駆動で発電機を駆動して発電を行う。タ
ービンからの燃焼排ガスは、排熱回収ボイラに供給さ
れ、そこで供給される給水で熱回収がなされ、発生した
蒸気が、蒸気需要プラントにまた一部は、ガスタービン
10の燃焼室やタービンに供給されて発電効率を高める
ようになっている。
【0020】このガスタービン10の吸気側には、吸気
冷却装置11が接続され、吸気口12からガスタービン
10に至る通路13の吸気を冷却するようになってい
る。
【0021】この吸気冷却装置11は、吸気温度設定部
14と吸気温度制御部15とからなる。
【0022】吸気温度設定部14には、電力需要(予測
値)16が入力されると共に大気温度の計測または予想
値17が入力され、さらにガスタービン出力特性データ
ベース18が入力される。
【0023】電力需要16は、現在値もしくは現在から
一定時間先までの予想値とし、吸気冷却速度が十分に速
く需要変化に対して追従可能であれば予想は不要であ
る。
【0024】ガスタービン特性データベース18は、図
2で詳細に説明するが、ガスタービンの入口温度上限な
ど、タービン出力と吸気温度の関係を示すデータベース
である。
【0025】吸気温度設定部14は、電力需要と現在の
大気温度におけるガスタービン最大発電量を比較し、電
力需要量が最大発電量を上回る場合は、適正な吸気温度
を計算する。この計算は、予め設定された発電余裕量や
許容受電最大値などが考慮されるものとする。
【0026】この吸気温度設定部14は、吸気温度制御
装置10とは別の制御装置(例えばコジェネレーション
プラント全体の管理装置)に搭載してもよい。
【0027】吸気温度制御部15には、冷却水ライン1
9が接続されると共にコンプレッサ入口温度20が入力
される。吸気温度制御部15は、吸気温度設定部14で
計算された吸気温度が得られるように、冷却水ライン1
9からの冷却水取り込み量などを制御する。
【0028】吸気温度制御部15は、オペレータに運転
指示する運転支援装置としてもよい。
【0029】図2は、ガスタービンの吸気温度を考慮し
た燃料−送出蒸気量・発電量特性を示したものである。
【0030】先ず、ガスタービンは、概ね以下のような
特性を持つ。 (1)ガスタービン発電量=f1(燃料量,蒸気噴射
量) (2)蒸気噴射量≦f2(タービン入口温度) (3)タービン入口温度=f3(燃料量,蒸気噴射量,
コンプレッサ入口温度) (4)下限値(固定)≦タービン入口温度≦上限値(固
定)この(1)〜(4)の特性より、吸気を冷却するこ
とによってコンプレッサの入口温度が下がり、タービン
入口温度の上限値により制限を受けていた燃料量を増や
すことができ、ガスタービンの発電量を増やすことがで
きる。
【0031】図2において、点A,B,C,D,E,F
を実線で結んで囲った領域は、吸気温度が低いときのガ
スタービン特性(燃料−送出蒸気量・発電量特性)で、
点A’,B’,C’,D’,E’,F’を点線で囲った
領域は、吸気温度が高いときのガスタービン特性を示し
ている。
【0032】このように吸気温度が高いと、蒸気噴射量
制限とタービン入口温度制限で、点A’−B’−C’の
領域は、蒸気噴射量制限とタービン入口温度制限で、吸
気温度の低い点A−B−Cの領域に比べて燃料消費量を
上げることができず最大発電量に制限がある。一方、排
熱回収ボイラの蒸気発生量は、点C’−D’−E’の領
域から点C−D−Eの領域となって低下し、点E−Fの
領域は殆ど変化しない。
【0033】そこで、吸気温度が高いとき、吸気温度を
下げることで、点A’−B’−C’の領域を点A−B−
Cの領域まで燃料消費増大側に上げてガスタービンの運
転を拡張することが可能となる。すなわち、燃料を増や
して発電量を増やすことが可能となる。
【0034】吸気温度を30℃から15℃に低下させた
場合の最大発電量は、500kw程度増加する。逆に言
えば、気温が30℃のときには、気温15℃の場合より
も最大発電量が低いため、電力需要が高いときには吸気
冷却が必要となる。
【0035】ここで注目すべきことは、もともと30℃
で運転できる領域内でのガスタービン発電効率は、吸気
温度を15℃にしてもほとんど変化しない。すなわち、
吸気冷却は、現在の気温では出力できない電力需要があ
る場合にのみ行うことが有効である。
【0036】また気温が高い場合は、特に吸気温度変化
に対する最大発電量変化が大きいため、電力需要に応じ
て吸気冷却温度制御する意義があり、運転コスト削減や
省エネルギーにつながる。
【0037】以上より、吸気温度設定部14は、電力需
要16と大気温度17とガスタービン出力特性のデータ
ベース18に基づき、吸気温度が高いとき、図2に示し
たガスタービン特性で、買電ゼロの要求や上限を越える
買電なしに、電力需要を満たす発電量が得られるかどう
かを判断し、最大発電量に対して電力需要量が高いとき
に、適正な吸気温度を計算により求め、その求めた吸気
温度となるように吸気温度制御部15で、コンプレッサ
入口温度20をもとに冷却水量を制御することで、電力
需要に応じた発電量とすることが可能となる。
【0038】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、負荷需要
と大気温度を計測・予測し、大気温度が高いとき、ガス
タービン出力特性に基づいて、需要を満たす発電量が得
られる吸気温度を計算し、その吸気温度となるようにガ
スタービンの入口温度を制御することで、トータルエネ
ルギー効率を上げ、需要に応じた電力・蒸気を安定供給
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】図1におけるガスタービン出力特性を示す図で
ある。
【図3】熱電可変型ガスタービンの燃料−送出蒸気量・
発電量特性図を示す図である。
【図4】コジェネレーションプラントを示す図である。
【符号の説明】
10 ガスタービン 11 吸気冷却装置 14 吸気温度設定部 15 吸気温度制御部 16 電力需要 17 大気温度 19 冷却水ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 康雄 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 馬場 俊博 東京都江東区豊洲二丁目1番1号 石川島 播磨重工業株式会社東京第一工場内 (72)発明者 片山 照男 東京都江東区豊洲二丁目1番1号 石川島 播磨重工業株式会社東京第一工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気噴射型ガスタービンを主機とし排熱
    回収ボイラとで構成されると共に吸気冷却装置を備え、
    熱電可変型コジェネユニットで電力と蒸気を供給するコ
    ジェネレーションプラントにおいて、大気温度と電力の
    負荷需要量16を計測もしくは予測し、ガスタービンの
    出力特性に基づいて、最適運用を行うための吸気温度を
    決定し、それに基づいて吸気温度を制御することを特徴
    とするガスタービンの吸気冷却装置。
  2. 【請求項2】 大気温度17と電力の負荷需要量の計測
    もしくは予測値が入力されると共にガスタービンの出力
    特性が入力され、これに基づいて吸気温度を設定する吸
    気温度設定部と、その吸気温度設定部で設定した吸気温
    度となるようにガスタービンに供給する吸気温度を制御
    する吸気温度制御部とを備えた請求項1記載のガスター
    ビンの吸気冷却装置。
  3. 【請求項3】 吸気温度設定部は、大気温度が高く、ガ
    スタービン特性より求められる最大発電量に対して電力
    需要量が高くなると予測されるときに、その電力需要量
    より高くなる最大発電量が得られるように吸気温度を設
    定し、その設定温度となるように吸気温度制御部が、ガ
    スタービンへの吸気を冷却する請求項2記載のガスター
    ビンの吸気冷却装置。
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